(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】アルギナーゼ活性を有する融合タンパク質
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20220907BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20220907BHJP
C12N 15/55 20060101ALI20220907BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20220907BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20220907BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20220907BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20220907BHJP
C12N 9/14 20060101ALI20220907BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20220907BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20220907BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20220907BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220907BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220907BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/13
C12N15/55
C12N5/10
C12N5/0783
C07K16/28
C07K14/705
C12N9/14
C07K19/00
A61K47/68
A61K35/17 Z
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577277
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 GB2020051571
(87)【国際公開番号】W WO2020260908
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511085460
【氏名又は名称】キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】フランシス ジェイ ムッサイ
(72)【発明者】
【氏名】カルメラ デ サント
【テーマコード(参考)】
4B050
4B065
4C076
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B050CC05
4B050DD02
4B050LL01
4B065AA90X
4B065AA94X
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4B065CA44
4C076AA95
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4C076EE59
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4C085BB11
4C085EE01
4C087BB65
4C087NA14
4C087ZB26
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA11
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA89
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質、例えば、キメラ抗原レセプター(CRAs)に係る。これらのタンパク質は、改善された細胞破壊性及び増大された増殖性を含む利点を提供する。本発明は、ターゲット結合性融合タンパク質をコードする核酸及びこのようなタンパク質を発現する細胞にも係る。本発明は、医薬組成物、医学的用途、及び治療法に係り、これらは全て、開示されるターゲット結合性融合タンパク質、細胞、又は核酸を使用する。医学的用途及び治療法は、特に、癌治療に有効である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット結合性部分、細胞内シグナリンク領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項2】
キメラ抗原レセプター(CRA)である請求項1に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項3】
アルギナーゼドメインが、アルギナーゼタイプI酵素、又はそのフラグメント又は変異体を含んでなる請求項1又は2に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項4】
アルギナーゼタイプIドメインのフラグメントが、野生型アルギナーゼタイプIのアミノ酸配列の少なくとも75%を含んでなる請求項3に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項5】
アルギナーゼタイプI変異体が、アルギナーゼタイプIの対応する部分と、少なくとも75%の配列同一性を共有する請求項3に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項6】
アルギナーゼドメインが、アルギナーゼタイプII酵素、又はそのフラグメント又は変異体を含んでなる請求項1又は2に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項7】
アルギナーゼタイプIIドメインのフラグメントが、野生型アルギナーゼタイプIIのアミノ酸配列の少なくとも75%を含んでなる請求項6に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項8】
アルギナーゼタイプII変異体が、アルギナーゼタイプIIの対応する部分と、少なくとも75%の配列同一性を共有する請求項6に記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項9】
4-1BBシグナリンク領域、OX-40シグナリンク領域、CD28シグナリンク領域、ICOSシグナリンク領域、及びCD3ζシグナリング領域からなる群から選ばれる細胞内シグナリンク領域を含んでなる請求項1~9のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項10】
GD2;CD33;メソテリン;EGFRvIII;VEGFR2;FAP;EpCam;GPC3;CD133;IL13Ra;EphA2;Muc1;BCMA;CD70;CD123;ROR1;PSMA;CD5;GAP;CEA;PSCA;Her2;及びCD19からなる群から選ばれる少なくとも1の抗原に結合するターゲット結合ドメインを含んでなる請求項1~10のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項11】
抗体;抗体フラグメント(例えば、scFv);抗体の変異体又は抗体フラグメント;TCR(例えば、TCRα鎖又はTCRβ鎖);及びアプタマーからなる群から選ばれるターゲット結合ドメインを含んでなる請求項1~10のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項12】
GD2を結合するターゲット結合性ドメインを含んでなる請求項1~11のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項13】
CD33を結合するターゲット結合性ドメインを含んでなる請求項1~11のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項14】
メソテリンを結合するターゲット結合性ドメインを含んでなる請求項1~11のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項15】
EGFRvIIIを結合するターゲット結合性ドメインを含んでなる請求項1~11のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる細胞。
【請求項17】
薬剤としての使用のための請求項16に記載の細胞。
【請求項18】
自家治療における請求項17に記載の細胞。
【請求項19】
異種治療における請求項17に記載の細胞。
【請求項20】
T細胞;及びナチュラルキラー(NK)細胞からなる群から選ばれる請求項16~19のいずれかに記載の細胞。
【請求項21】
請求項20に記載のT細胞。
【請求項22】
請求項1~15のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質をコードする核酸分子。
【請求項23】
請求項1~15のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質、請求項16~21のいずれかに記載の細胞、又は請求項22に記載の核酸分子、及び薬学上許容されるキャリヤー又は希釈剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項24】
癌の予防及び/又は治療における使用のための請求項1~15のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質、請求項16~21のいずれかに記載の細胞、又は請求項22に記載の核酸分子。
【請求項25】
GD2の発現に関連する疾患、例えば、神経芽細胞種の予防及び/又は治療における薬剤としての使用のための、請求項12に記載のターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる細胞。
【請求項26】
CD33の発現に関連する疾患、例えば、急性骨髄性白血病の予防及び/又は治療における薬剤としての使用のための、請求項13に記載のターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる細胞。
【請求項27】
メソテリンの発現に関連する疾患、例えば、中皮腫、卵巣癌、及び膵臓癌から選ばれる癌の予防及び/又は治療における薬剤としての使用のための、請求項14に記載のターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる細胞。
【請求項28】
EGFRvIIIの発現に関連する疾患、例えば、神経膠芽腫の予防及び/又は治療における薬剤としての使用のための、請求項15に記載のターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる細胞。
【請求項29】
自家治療における請求項25~28のいずれかに記載の使用のための細胞。
【請求項30】
異種治療における請求項25~28のいずれかに記載の使用のための細胞。
【請求項31】
請求項16~21のいずれかに記載の細胞を生産する方法であって、請求項22に記載の核酸分子を細胞に提供して、細胞によって核酸分子が発現されて、請求項1~15のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質を生成することを含んでなる方法。
【請求項32】
疾患を予防及び/又は治療する方法であって、このような予防及び/又は治療を必要とする対象に、請求項1~15のいずれかに記載のターゲット結合性融合タンパク質、請求項16~21のいずれかに記載の細胞、又は請求項22に記載の核酸分子を提供することを含んでなる方法。
【請求項33】
タンパク質、細胞、又は核酸が、請求項23に記載の医薬組成物によって提供される請求項32に記載の方法。
【請求項34】
予防及び/又は治療される疾患が癌である請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
癌が、神経芽細胞種、急性骨髄性白血病(AML)、中皮腫、卵巣癌、膵臓癌、及び神経膠芽腫からなる群から選ばれる請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット結合性融合タンパク質、及びこのようなタンパク質を含んでなる細胞に係る。本発明は、ターゲット結合性融合タンパク質をコードする核酸にも係る。本発明は、医薬組成物、医学的用途、及び治療法に係り、これらは全て、開示されるターゲット結合性融合タンパク質、細胞、又は核酸を使用する。
【背景技術】
【0002】
ターゲット結合性を有する融合タンパク質は、多くの治療用途において使用されている。中でも注目すべきは、キメラ抗原レセプター(CARs)を発現するように遺伝子操作されたT細胞が癌の治療において使用されている。しかし、下記において更に検討するように、かなりの臨床上の有望性を示すにもかかわらず、このような治療は普遍的には有効ではなかった。
【0003】
前臨床及び臨床研究におけるCAR-Tの失敗
成人癌及び小児癌の両方についての細胞毒性化学療法における利点にもかかわらず、主要な癌サブタイプの多くは、なお、予後が極めて乏しい。免疫療法は、悪性癌を直接ターゲットとする代替的アプローチを提供し、標準的アプローチの正常細胞に対する毒性の副作用を回避する。
【0004】
キメラ抗原レセプター(CARs)-T細胞(CAR-T)は、特に、腫瘍細胞の表面抗原を認識するために、代表的には、交代フラグメント(scFv)にて遺伝子操作された自家性の患者由来のT細胞である。小児癌を成功裏に治療するためにCAR-T細胞を使用することの原理証明は、抗-CD19 CAR-T細胞を使用することによって迅速かつ持続する寛解を受けた、化学療法抵抗性の再発した小児B細胞急性リンパ性白血病の患者において確立されている。固形腫瘍では、神経芽細胞腫(最も一般的な小児の固形癌である)は選択肢モデルであり、CAR-T細胞療法に対する固形腫瘍の反応における高度の有益性が証明されている。前臨床研究は、ジシアロガングリオシド2(GD2)抗原を認識するCAR-T細胞が、神経芽細胞腫細胞を致死する強力な新規の方法を提供できることを示している。神経芽細胞腫は固形腫瘍に対するCAR-T細胞の開発のための範例になっているが、前臨床モデル及び初期のフェーズトライアルにおいて、限られた抗腫瘍効果が認められているのみである。第1世代の抗-GD2 CAR-T細胞は、インビボで存続できず、最小の抗-腫瘍効果を有する。第2世代の抗-GD2 CAR-T細胞(CD28又は4-1BB補助刺激分子ドメインを有する)は、インビボでの存続が改良されており、穏やかな腫瘍の退縮を惹起するが、機能的には、神経芽細胞腫の存在下で消耗されてしまう。ヒトでの抗-GD2 CAR-T細胞の研究では、これらの細胞の多量の注入にもかかわらず、CAR-T細胞の数は、数週間以内で、低くなるか又は検出不能となる、及び活発な疾患を有する患者の多くは完全寛解を達成できないとの重要な観察がなされた。重要なことには、CAR-T細胞の低レベルの存続を有する患者は、より長い生存性を有していた。これらの知見は、部分的及び全身的な腫瘍微小環境が、残りの神経芽細胞腫に対する大きいターゲット抗原負荷の存在にもかかわらず、CAR-T細胞の存続性を害することを示唆する。
【0005】
CAR-T細胞療法は、インビトロ、インビボ、及び男性において、限られた数の他の固形腫瘍に対してテストされている。各ケースにおいて、これらの悪性腫瘍に対する結果は、ALLにおける抗-GD2 CAR-T細胞について認められた興奮させるデータを再現できなかった。
【0006】
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病は、最も一般的な成人の急性白血病であり、第2番目に一般的な小児の白血病である。発生率は年齢とともに増大し、高リスク又は再発した疾患を有する患者については、造血幹細胞移植にもかかわらず、成人において、生存率<12か月と極めて悪い。初期の患者又は合併症を有する患者は、標準的な化学療法レジメンに対して十分に耐えられず、結果として、次善の治療が必要となり、及び治癒の達成が不可能となる。AMLについて、いくつかの有効な新薬が開発されており、例えば、免疫療法は、異なったアプローチの可能性を提供する。CD33は、AML芽球において、ほとんど普遍的に発現され、免疫毒素系療法(ゲムツズマブオゾガマイシン)について有効なターゲットであることが証明されている。抗-CD33 CAR-T細胞は、インビトロにおいてAML芽球に対して細胞毒性であり、インビボにおいて白血病負荷を根絶する。これに基づき、抗-CD33 CAR-T細胞のフェーズIトライアルが中国で開始されている(NCT01864902及びNCT02958397)。化学療法抵抗性のAMLを有する1名の患者からのレポートは、骨髄におけるAML芽球の減少を示している。これらの結果は、抗-CD33 CAR-T細胞が有効であるとの原理証明を提供する。しかし、にもかかわらず、CRA注入後、9週までに再発した疾患では、測定できるほどのCAR-T細胞が、血液及び骨髄の両方に残留する。知見は、白血病微小環境によって、CAR-T細胞が不活性になったことを示唆する(回避機構として、AML芽球上でのCD33損失についての証拠はない)。
【0007】
中皮腫、卵巣癌及び膵臓癌
中皮腫(ほぼ普遍的に予後が悪い、成人におけるアスベスト関連性腫瘍)は、細胞表面糖タンパク質メソテリンを発現する。メソテリンは、また、上皮癌、例えば、卵巣癌、肺腺癌、及び膵臓癌においても発現される。メソテリンは、免疫毒素、例えば、SS1Pによる受動免疫療法についての効果的かつ選択的なターゲットであり、結果として、CAR-T技術における開発の選択肢につながることが証明されている。マウスモデルでは、抗-メソテリンCAR-T細胞は、明瞭かつ持続性の抗-腫瘍活性を示した。抗-メソテリンCAR-T細胞は、また、これらの腫瘍を有する患者に投与されており、各ケースにおいて、限られた応答が検知されているが(PR、SD)、腫瘍は進行していた。CAR-T細胞の存続は極めて乏しく、細胞は、初期投与及び繰返し投与のわずかの日数の内に検出されなくなる。CAR-T細胞が腫瘍内に入れられ、これにより、ターゲット抗原への近接が閉じられる場合であっても、応答は弱められたままであり、T細胞の機能を減ずる強力な免疫抑制微小環境が示唆されている。
【0008】
神経膠芽腫
神経膠芽腫は、成人及び小児の両方の最も破壊的な脳腫瘍の1つであり、集中的な化学療法及び放射線療法に基づくレジメンにもかかわらず、患者は、しばしば、迅速な疾患の進行及び治療の不成功を経験する。神経膠芽腫は、上皮増殖因子レセプターの変異体(EGFRvIII)を発現し、免疫療法によってターゲットとなる腫瘍-特異性抗原を提供する。EGFRvIIIは、また、進行した結腸直腸癌のほぼ1/3で発現される。抗-EGFRvIIII CAR-T細胞は、同所性のマウス同種移植における神経膠芽腫の疾病管理を提供することが証明された。しかし、すべてのケースにおいて、脳を含む全ての器官における検出可能なCAR-T細胞レベルにもかかわらず、腫瘍は増殖を続け、マウスの死につながる。また、このデータは、腫瘍微小環境によって、CAR-T細胞が不活性化されることを示唆している。この理論的根拠に基づくフェーズIトライアルが、現在、進行中である(NCT02844062、NCT02664363)。
【0009】
アルギニン及び免疫抑制微小環境
アルギニンは、細胞の生存、増殖及びタンパク質合成を含む多数の細胞プロセスのために、健康な組織によって要求される準必須アミノ酸である。全身のアルギニンレベは、主として、食事摂取を介して、及び少量は、「腸-腎軸(intestinal-renal axis)」における前駆体からの合成を介して維持される。細胞レベルでは、アルギニンは、カチオン性アミノ酸(CAT;SLC7A)ファミリーのトランスポーターを介する細胞外液から移入され、尿素回路に入る。炎症、妊娠、及び癌のような高需要の条件では、アルギニンレベルは、局部組織の微小環境において及び全身的に限られるようになる。いくらかの組織及び細胞は、アルギニンコハク酸シンテターゼ(ASS1)及びオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)の発現を介して、前駆体からアルギニンを再合成することによって、自身を保護できる。これら酵素の少なくとも一方の発現に係る細胞は、細胞外アルギニンの移入、アルギニン栄養要求として知られている状態に依存する。
【0010】
細胞膜を横断しての輸送に続いて、アルギニンは、主に、酵素アルギナーゼI(ARGI)、アルギナーゼII(ARGII)、及び酸化窒素シンテターゼ(NOS)によって代謝される。アルギナーゼI及びアルギナーゼIIは、アルギニンの尿素及びオルニチンへの転化を触媒する。機能において同様であるが、これら2つの触媒アイソフォームは顕著な差異を有する。アルギナーゼIは染色体6においてコードされ、細胞質内局在性を有し、圧倒的に肝細胞において発現される。マウスモデルにおけるアルギナーゼノックアウトは致死表現型であり、ヒトにおける先天性のアルギナーゼI欠損は、生命を危うくする及び致命的である重篤な進行性の神経-及び代謝-欠陥につながる。アルギナーゼIIは染色体14においてコードされ、アルギナーゼIとの約60%の相同性を共有する。細胞質内局在は、病理学的状況では生じ得るが、アルギナーゼIIは、大部分は、細胞ミトコンドリア内に局在される。アルギナーゼIIは、多くの細胞タイプ及び組織において、より広く発現され、アルギナーゼIとは異なり、ノックアウトマウスは、最小の生理学的効果を有し、ヒト表現型は同定されなかった。両アルギニンアイソフォームによるオルニチンの生成は、細胞の増殖及び生存に必須の多数の各種細胞プロセスを動因するための推力を供給する。酸化窒素シンテターゼについては、この酵素は、細胞のシグナリング及び感染性病原体のコントロールのためのアルギニンの酸化窒素種への転化を仲介する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これまでの研究では、腫瘍部位でのアルギナーゼの阻害は、乏しいインビトロCAR-T細胞活性の課題の取り組みに有益であることが示唆されている。患者由来及び遺伝子組み換えしたT細胞は、自身のアルギニンを適切に再合成できないため、細胞増殖及び活性のためのアルギニンの摂取及び代謝に高度に依存する。その結果、腫瘍細胞又は循環/浸潤性の骨髄系細胞又は人工的条件による局部的及び全身的アルギニンの枯渇は、T細胞の増殖及び作用における重大な機能障害及び不全につながる。非臨床的小分子阻害剤による腫瘍細胞又は循環/浸潤性の骨髄系細胞におけるアルギニン代謝の阻害は、自家性及び遺伝子組み換えT細胞(例えば、CAR-T、抗原-特異性T細胞、iNKT、NK細胞)の活性化、増殖及び細胞毒性の修復につながる。しかし、癌患者においてアルギニン代謝を阻害する臨床戦略は、このような薬剤が、患者における腫瘍及び骨髄性細胞のアルギニン活性を適切に阻害することができないため、制限されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質が提供される。簡潔のため、これらを、ここでは、「本発明のタンパク質」と称する。非制限的な例では、本発明のターゲット結合性融合タンパク質はキメラ抗原レセプター(CRA)である。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる細胞が提供される。このような細胞を、ここでは、「本発明の細胞」と称する。後に検討するように、本発明の細胞は、白血球、特に、T細胞である。本発明の細胞は、本発明のタンパク質を発現できる。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質をコードする核酸分子が提供される。これらを、ここでは、「本発明の核酸分子」と称する。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様のタンパク質、本発明の第2の態様の細胞、又は本発明の第3の態様の核酸分子、及び薬学上に許容されるキャリヤー又は希釈剤を含んでなる医薬組成物が提供される。
【0016】
本発明の第5の態様によれば、疾患の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の第1の態様のタンパク質、本発明の第2の態様の細胞、本発明の第3の態様の核酸分子、又は本発明の第4の態様の医薬組成物が提供される。疾患は癌である。好適な癌は、神経芽細胞腫、急性骨髄性白血病(AML)、中皮腫、卵巣癌、膵臓癌、及び神経膠芽腫からなる群から選ばれる。これら癌の予防及び/又は治療における使用に好適な特別な具体例については、後に検討する。
【0017】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第2の態様の細胞を製造する方法が提供され、該方法は、本発明の第3の態様の核酸を有する細胞を提供することを含んでなり、これにより、細胞によって核酸分子が発現されて、ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質を生成する。好適には、細胞はT細胞である。
【0018】
本発明の第7の態様によれば、疾患を予防及び/又は治療する方法が提供され、該方法は、本発明の第1の態様のタンパク質、本発明の第2の態様の細胞、又は本発明の第3の態様の核酸分子を、このような予防及び/又は治療を必要とする対象に提供することを含んでなる。疾患は癌である。上述のように、好適な癌は、神経芽細胞腫、急性骨髄性白血病(AML)、中皮腫、卵巣癌、膵臓癌、及び神経膠芽腫からなる群から選ばれる。
【0019】
本発明の第8の態様によれば、白血球の増殖を増大させる方法が提供され、該方法は、白血球内においてアルギナーゼ活性を刺激することを含んでなる。
【0020】
本発明の第9の態様によれば、白血球の細胞破壊活性を増大させる方法が提供され、該方法は、白血球内においてアルギナーゼ活性を刺激することを含んでなる。
【0021】
本発明の第8及び9の態様は、白血球内におけるアルギナーゼ活性の増大が、白血球の増殖及び細胞破壊活性の両方を増大させるとの発明者らの知見に基づく。白血球は、治療的使用のために修飾される。白血球は血液に存在する。白血球は腫瘍にも存在する。アルギニン活性の増大は、任意に、白血球内の外因性のアルギナーゼドメインの発現によって引き起こされる。このような外因性のアルギナーゼドメインは、アルギナーゼドメインを含んでなる融合タンパク質の一部として発現される。
【0022】
本発明の第10の態様によれば、外因性のアルギナーゼドメインを含んでなる白血球が提供される。外因性のアルギナーゼドメインは、このドメインを含んでなる融合タンパク質の一部でもよい。融合タンパク質は、外因性のアルギナーゼドメインを含んでなる治療用融合タンパク質である。好適な治療用融合タンパク質は、外因性のアルギナーゼドメインを含んでなるキメラ抗原レセプター及び外因性のアルギナーゼドメインを含んでなるT細胞レセプターからなる群から選ばれる。
【0023】
本発明の第8、9、又は10の態様における白血球は、好適には、T細胞である。好適なT細胞は、明細書における他の部分で考慮するとおりである。
【0024】
本発明の第1の態様のタンパク質を参照して、以降の頁において記載する各種の具体例は、他に文脈が要求する場合を除き、本発明の他の態様において参照するタンパク質(例えば、本発明の第2の態様の細胞によって発現されたタンパク質、本発明の第3の態様の核酸分子よってコードされるタンパク質、又は本発明の第4の態様の医薬組成物に包含されるタンパク質)にも適用されることが理解されるであろう。同様に、アルギナーゼドメイン、細胞のタイプ、治療応用、及び医薬組成物に関する具体例、又は他の内容を要求する場合を除き、本発明の第1の態様のタンパク質又は本発明の第2の態様の細胞に関連する編成された生物学的特性に関する考慮は本発明の第8又は9の態様の方法、又は本発明の第10の態様の細胞にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】パネルA及びBは、フローサイトメトリーを使用してtCD34の発現を測定することによって評価された、タンパク質-酵素コンストラクトが、ヒトT細胞及びJurkat細胞株に形質導入されることを示している。パネルAは、フローサイトメトリー染色法を表し、及びパネルBは、多数のT細胞ドナーにわたる形質導入効率の概要を提示する。
【0026】
【
図2】形質導入された細胞によって発現される本発明のターゲット結合性融合タンパク質に存在するアルギナーゼドメインが、それらのアルギナーゼ作用を発揮する能力を説明する。アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインによる、アルギニンのオルニチン及び尿素への異化作用を評価し、酵素ドメインを持たない(GD2のみ)コントロールコンストラクトと比較した。
【0027】
【
図3】i)標準培養条件、ii)アルギニンフリーの条件、iii)アルギニンを補足した条件下で、コントロール(GD2のみ)に対して評価した、神経芽細胞腫細胞株についての、アルギナーゼタイプIドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質(GD2-ARG1)、又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質(GD2-ARG2)を発現する本発明のT細胞による特異的な細胞溶解を示す。
【0028】
【
図4】アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる本発明のT細胞が、標準(R10%)、アルギニンフリー(ARG-)、及びアルギニン補足(ARG+)の条件下で、コントロール(GD2のみ)と比べて、増大された増殖を示したことを表す。
【0029】
【
図5】本発明のタンパク質に存在するアルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインが、形質転換されたJurkat T細胞における酵素活性を明示することを裏付ける。
【0030】
【
図6】本発明のタンパク質におけるアルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインがヒトT細胞において活性を明示することを示す。
【0031】
【
図7】本発明のタンパク質におけるアルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインが、低アルギニン条件及び腫瘍条件においてT細胞の増殖を促進し、T細胞の消耗に悪影響を及ぼさないことを示す。
【0032】
【
図8】アルギナーゼタイプI酵素ドメイン又はアルギナーゼタイプII酵素ドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞が、ターゲットの腫瘍細胞に対する、増大された抗原特異的細胞毒性を有することを示す。
【0033】
【
図9】本発明のタンパク質におけるアルギナーゼ酵素ドメインの存在が、変更された細胞内の代謝プロファイルにつながることを示す。
【0034】
【
図10】本発明のタンパク質におけるアルギナーゼ酵素ドメインの存在が、変更されたミトコンドリア呼吸につながることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、アルギナーゼドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質を発現する細胞が、従来技術のCAR-T細胞と比べて、癌細胞を致死する増大された能力を有する、及びこれは、腫瘍において認められるものを代表する条件において、特に顕著であるとの発明者らの知見に基づく。腫瘍の微小環境の免疫抑制効果が、多くの初期のCAR-系療法の失敗に寄与していたため、これは高度の利点である。
【0036】
さらに、本発明の細胞は、特に、血液において認められるものを代表する条件において、コントロールCAR-T細胞と比べて、改善された増殖能を発揮する。
【0037】
本発明の細胞は、アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなるにかかわらず、テストした全ての条件下において、コントロールCAR-T細胞と比べて、増大された殺癌細胞作用を発揮した。これらは、アルギニン濃度が実験的に低減(腫瘍微小環境において認められる条件を代表する)又は増大される条件とともに、「標準の」アルギン濃度を含む。
【0038】
低減されたアルギニン条件においてより効果的にターゲット細胞を致死する能力は、アルギニンの欠乏が免疫抑制微小環境に寄与することが知られている固体腫瘍において有益そうである。アルギナーゼドメインを含んでなる本発明のタンパク質又は細胞の、このような用途での使用は、治療用細胞が、局在的アルギナーゼ活性を低減することによって免疫抑制腫瘍微小環境を克服するように修飾される従来技術における示唆とは対照をなすものである。
【0039】
アルギニンが、標準の生理的に適切なレベルで、又は増大されたレベルで存在する条件における、増大された細胞破壊能力の実証は、本発明のタンパク質及び細胞の治療用途が、固体腫瘍の予防及び/又は治療における使用を超えることを示している。血中の細胞は、低減されたアルギニン濃度の条件にはさらされない。従って、適切なターゲット結合性部分を使用する本発明のタンパク質又は細胞は、血液由来の細胞、例えば、血液由来の癌細胞、又は循環における感染細胞の標的致死において使用される。
【0040】
さらに、血液を代表する条件下における、本発明の細胞(アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなるにかかわらず)の増大された増殖能力は、これらの細胞が、従来技術のCAR-T細胞よりもさらに効果的に、循環において、その数を増やすことができること、及びこれは、血液由来のターゲットを致死できる及び固体腫瘍に移動して、その癌細胞を致死できる、増やされた細胞集団を提供することを示している。
【0041】
従って、本発明のタンパク質及び細胞は、従来技術のCARに基づく療法と比べて、改善された治療剤を提供することが認められる。
【0042】
本発明の理解のため、下記の定義を参照して、さらに記載する。簡潔のため、以下の段落は、本発明のタンパク質の文脈においてのみ、特別な具体例を参照するが、他に文脈が要求する場合を除き、本発明のタンパク質と関連して参照する具体例は、ここに開示する本発明の他の態様のいずれかにおいて利用されることが理解されるであろう。
【0043】
ターゲット結合性融合タンパク質
ターゲット結合性融合タンパク質は、細胞(これによって、本発明のタンパク質が発現される)の所望の生物学的特性に特異性を付与できる人工の融合タンパク質である。簡潔のため、本明細書では、それらを「タンパク質」又は「本発明のタンパク質」と称する。細胞の異なったタイプ、及びそれらが、それぞれ、本発明の文脈において提供できる所望の生物学的特性については、本明細書の他の部分において、さらに考察する。代表的には、ターゲット結合性融合タンパク質及びこのようなタンパク質を発現する細胞の医学的利用の文脈では、疾患に関連する細胞(例えば、癌細胞又は感染細胞)をターゲットとする細胞破壊活性は、要求される治療用途を付与する。
【0044】
タンパク質(例えば、本発明のターゲット結合性融合タンパク質)が、タンパク質のアミノ酸配列を天然のタンパク質の好適なデータベースと比較することにより、人工的であるか否かは容易に決定されることが理解されるであろう。当業者であれば、このような使用に好適な非常に多数のデータベースを知っているであろう。
【0045】
本発明のタンパク質は、少なくとも、ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメインを含んでなる。これらの用語については、本明細書の他の部分で定義する。当業者であれば、このようなタンパク質は、他の各種の任意のドメイン又は領域と合体されることを評価するであろう。
【0046】
ターゲット結合性融合タンパク質の異なる部分(ターゲット結合性部分、細胞内シグナリング領域、及びアルギナーゼドメイン)は、2以上の異なる「源」に由来できる。このように、異なる部分は、2以上の天然の分子、例えば、タンパク質に由来できる。さらに、異なる部分は、異なる起源の界又は種の観点から異なる源に由来できる。
【0047】
本発明の文脈において特に興味深いターゲット結合性融合タンパク質のクラスは、キメラ抗原レセプター(CAR)タンパク質である。CARsは、結合特異性を付与するために、抗体又はそのフラグメントを、及び要求される特異的な生物学的活性を測定するために分子内シグナリング領域を利用する。CARsの各種の異なる世代が知られており、これらの異なる世代の各々は、本明細書の文脈が、他に要求しない限り、本発明のターゲット結合性融合タンパク質の好適な例を代表する。
【0048】
疑義を回避するため、本発明のタンパク質は、アルギナーゼドメインを含んでなるように修飾されたT細胞レセプター(TCRs)を包含すると理解される。このような具体例では、ターゲット結合性部分は、リセプターのTCRα鎖及びTCRβ鎖によって提供される。ターゲット結合性部分及びアルギナーゼドメインが異なるタンパク質源からのものであるため、このような修飾TCRsは、本発明の目的の融合タンパク質である。
【0049】
本発明のタンパク質は、一般的には、さらに、膜貫通部分、CH2CH3スペーサー部分、CD8ヒンジ部分、及びCD8aシグナリング部分からなる群から選ばれる1以上を含む追加の部分を含んでなる。
【0050】
本発明の模範的タンパク質は、配列番号17及び19に示されている。これらの配列のいずれかを含んでなる又はからなる分子は、本発明の第1の態様によるタンパク質を代表するものであることが理解されるであろう。配列番号17及び19の示されたタンパク質のいずれかは、本発明の医学的用途、治療法、又は医薬組成物において利用される。
【0051】
本発明の文脈における配列のフラグメント及び変異体
明細書は、多くの模範的タンパク質及び核酸配列を含む。ターゲット結合性融合タンパク質及びそれらをコードする核酸とともに、これらは、アルギナーゼドメイン、抗原結合性ドメイン、及び細胞内シグナリング部分の配列を含む。
【0052】
文脈が他に要求する場合を除き、本発明の範囲は、ここに設定された特殊な模範的配列に限定されないことが理解されるであろう。特に、当業者であれば、模範的配列のフラグメント又は変異体が、模範的配列によって付与される、要求される活性を提供できることを認識するであろう。このような模範的配列の好適なフラグメント又は変異体が、本発明の各種の態様及び具体例において利用される。
【0053】
本発明の文脈では、配列のフラグメントは、元の配列の切り詰めバージョン(すなわち、全長配列ではない)として、ただし、元の配列の相当する部分との十分な相同性を共有するものとして理解されなければならない。
【0054】
これに対して、配列の変異体は、元の配列との(又は元の配列の特別なフラグメントとの)ある程度の相同性を共有するが、元の配列と比べて少なくとも1の修飾(例えば、置換、付加、又は欠失)を含む部分又は核酸であると理解されなければならない。
【0055】
従って、本明細書における模範的アミノ酸又は核酸配列の参照は、文脈が他に要求する場合を除き、模範的配列の機能性フラグメント又は変異体を包含するものとして理解されなければならない。例えば、好適なフラグメントは、適切な模範的配列の全長の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を含んでなることができる。実際に、好適な変異体は、模範的配列の全長の少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%を含んでなることができる。
【0056】
好適な変異体は、適切な模範的配列との少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の相同性を共有できる。実際に、好適な変異体は、模範的配列との少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の相同性を共有できる。
【0057】
フラグメント又は変異体が「官能性」であることは、当業者に知られているアッセイ(実施例に記載するアッセイを含む)を参照して、実験的に評価される。本発明のターゲット結合性融合タンパク質の成分、例えば、ターゲット結合性部分、アルギナーゼドメインの場合、機能は、生物学的活性、例えば、細胞破壊活性又は増殖性を参照して測定される。
【0058】
アルギナーゼドメイン
本発明のターゲット結合性融合タンパク質、例えば、CARsは、アルギニン及び水のオルニチン及び尿素への転化を触媒するアルギナーゼドメインを含んでなる。この機能を実行する、すなわち、アルギニンのオルニチン及び尿素への異化を促進することによってアルギナーゼ活性を発揮するドメインの能力は、いずれかの手段又はアッセイによって調査される。
【0059】
単に例として、アルギニンの異化を促進するドメインの能力を調査する好適なアッセイについては、さらに、本発明の模範的な細胞の特徴付けに関して実施例に記載する。これらのアッセイは、興味深いドメイン、例えば、天然のアルギナーゼドメインのフラグメント又は変異体の、本発明の文脈における使用に好適なアルギナーゼドメインとして機能する能力を定性的及び定量的に評価するために使用されることが理解されるであろう。これらのアッセイは、野生型のアルギナーゼドメインと比べて、興味深いドメインが発揮するアルギナーゼ活性の比率を測定するためにも使用される。
【0060】
前記のように、アルギナーゼの2つのアイソフォーム、アルギナーゼタイプI及びアルギナーゼタイプIIが知られている。ヒト野生型アルギナーゼタイプIのアミノ酸配列は、配列番号1に提示され、ヒト野生型アルギナーゼタイプIIのアミノ酸配列は、配列番号2に提示されている。ヒト野生型アルギナーゼタイプIをコードするDNAは、配列番号3に提示され、ヒト野生型アルギナーゼタイプIIをコードするDNAは、配列番号4に提示されている。
【0061】
アルギナーゼドメインは、天然の哺乳類の、好ましくは、ヒトのアルギナーゼ酵素、又はこのような酵素のフラグメントの全てを含んでなることができる。或いは、アルギナーゼドメインは、天然の哺乳類の、好ましくは、ヒトのアルギナーゼ酵素の変異体、又はこのような酵素のフラグメントの変異体を含んでなることができる。
【0062】
単なる例として、好適なアルギナーゼドメインは、アルギナーゼタイプI酵素、又はそのフラグメント又は誘導体を含んでなることができる。
【0063】
或いは、好適なアルギナーゼドメインは、アルギナーゼタイプII酵素、又はそのフラグメント又は誘導体を含んでなることができる。
【0064】
実施例のセクションにおいて示すように、発明者らは、アルギナーゼドメインとして、アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIを含んでなる本発明のタンパク質は、いずれも、本発明の細胞によって発現される際、同程度の形質導入、及び同程度のアルギナーゼ活性を達成するとことを見出した。
【0065】
本発明による使用に好適なアルギナーゼドメインは、ヒト野生型アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIのアルギナーゼ活性の少なくとも50%を達成できる。或いは、本発明による使用に好適なアルギナーゼドメインは、ヒト野生型アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIのアルギナーゼ活性の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を達成できる。実際、本発明による使用に好適なアルギナーゼドメインは、ヒト野生型アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIのアルギナーゼ活性の100%を達成できる。
【0066】
配列番号1に提示されるアルギナーゼタイプI酵素の好適なフラグメントは、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ1、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ2、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ3、配列番号1提示されるアミノ酸残基のほぼ4、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ5、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ6、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ7、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ8、配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ9、又は配列番号1に提示されるアミノ酸残基のほぼ10を含んでなることができる。
【0067】
配列番号1に提示されるアルギナーゼタイプI酵素の好適なフラグメントは、配列番号1に提示される配列の50%以下、60%以下、70%以下、75%以下、80%以下、85%以下、90%以下、又は95%以下からなることができる。
【0068】
配列番号1に提示されるアルギナーゼタイプI酵素の好適な変異体は、上記の定義のように、配列番号1又は配列番号1のフラグメントと、少なくとも75%の相同性を共有できる。好適な変異体は、配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも80%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも85%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも90%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも95%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも96%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも97%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも98%、又は配列番号1又はそのフラグメントと、少なくとも99%の相同性を共有できる。
【0069】
配列番号2に提示されるアルギナーゼタイプII酵素の好適なフラグメントは、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ1、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ2、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ3、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ4、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ5、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ6、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ7、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ8、配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ9、又は配列番号2に提示されるアミノ酸残基のほぼ10を含んでなることができる。
【0070】
配列番号2に提示されるアルギナーゼタイプII酵素の好適なフラグメントは、配列番号2に提示される配列の50%以下、60%以下、70%以下、75%以下、80%以下、85%以下、90%以下、又は95%以下からなることができる。
【0071】
配列番号2に提示されるアルギナーゼタイプII酵素の好適な変異体は、上記の定義のように、配列番号2又は配列番号2のフラグメントと、少なくとも75%の相同性を共有できる。好適な変異体は、配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも80%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも85%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも90%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも95%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも96%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも97%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも98%、又は配列番号2又はそのフラグメントと、少なくとも99%の相同性を共有できる。
【0072】
本発明の文脈におけるアルギナーゼドメインとしての使用に適するためは、このようなフラグメント又は変異体は、上述のように、アルギナーゼ活性を保持しなければならない。
【0073】
ターゲット結合性部分
本発明のタンパク質は、ターゲット結合性部分を含んでなる。好適には、ターゲット結合性部分は、細胞外のターゲット結合性部分である。このような部分は、特に、細胞外のターゲットを結合するに適する(ターゲット結合性融合タンパク質に関して)。
【0074】
ターゲット結合性部分は、ターゲット結合性部分によって認識されたターゲット分子が認められるターゲットコンストラクト、例えば、細胞に、タンパク質の結合、及び従って本発明のタンパク質を発現する細胞の細胞破壊活性の特異性を付与する。
【0075】
特に、ターゲット結合性部分は、それらの治療的有用性を支持する本発明の生物学的活性の特異性(例えば、細胞破壊活性、又は活性化に応えての細胞増殖)を付与する。文脈が他に要求する場合を除き、本明細書における「特異的結合」とは、結合が生ずる微小環境における可能なパートナーの間で識別するターゲット結合性部分の能力をいうと解釈される。
【0076】
他の有望なターゲットが存在する場合、1つの特別なターゲット分子と相互作用するターゲット結合性部分は、相互作用するターゲット分子に「特異的に結合する」と言える。いくつかの具体例では、特異的結合は、ターゲット結合性部分と、そのターゲット分子との会合度を検出又は測定することによって評価され;いくつかの具体例では、特異的結合は、結合性部分-ターゲット分子複合体の解離度を検出又は測定することによって評価され;いくつかの具体例では、特異的結合は、そのターゲット分子と他の実体との間で、交互相互作用を競合するターゲット結合性部分の能力を検出又は測定することによって評価される。いくつかの具体例では、特異的結合は、濃度範囲のいたるところで、このような検出又は測定を行うことによって評価される。好適な具体例では、特異的結合は、同族のターゲットと、非同族のターゲットとの間の結合親和性の差異を測定することによって評価される。例えば、特異的なターゲット結合性部分は、非同族のターゲットの結合親和性の約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、又はそれ以上の結合親和性を有する。
【0077】
本明細書の文脈では、「特異性」は、そのターゲット分子結合パートナーを、他の有望な結合パートナーから識別する特定のターゲット結合性部分の能力の尺度である。
【0078】
好適なターゲット結合性部分は、いずれかの所望のターゲット分子に向けられる。ターゲット結合性部分は、本発明のタンパク質を発現する細胞の細胞破壊活性を向けることが望まれるターゲットによって、排他的に、又は大規模に発現されるターゲット分子に向けられる。例えば、ターゲット結合性部分は、疾患に関連するターゲット分子に向けられる。好適には、ターゲット結合性部分は、癌、又は感染症に関連するターゲット分子に向けられる。
【0079】
好適な具体例では、ターゲット結合性部分は、GD2ターゲット結合性部分;CD33ターゲット結合性部分;メソテリンターゲット結合性部分;EGFRvIIIターゲット結合性部分;VEGFR2ターゲット結合性部分;FAPターゲット結合性部分;EpCamターゲット結合性部分;GPC3ターゲット結合性部分;CD133ターゲット結合性部分;IL13Raターゲット結合性部分;EphA2ターゲット結合性部分;Muc1ターゲット結合性部分;BCMAターゲット結合性部分;CD70ターゲット結合性部分;CD123ターゲット結合性部分;ROR1ターゲット結合性部分;PSMAターゲット結合性部分;CD5ターゲット結合性部分;GAPターゲット結合性部分;CEAターゲット結合性部分;PSCAターゲット結合性部分;Her2ターゲット結合性部分;及びCD19ターゲット結合性部分からなる群から選ばれる。
【0080】
好適なGD2、CD33、メソテリン、及びEGFRvIIIターゲット結合性部分の例が、配列番号5~8及び10に提示されている。フラグメント又は変異体がターゲット分子を結合する能力を保持している限り、別のターゲット結合性部分として、フラグメント又は変異体(例えば、1、2、3、4、5、又はそれ以上のアミノ酸残基によって、模範的配列とは相違する変異体)を使用できることが理解されるであろう。
【0081】
限定されることなく、好適なターゲット結合性部分は、抗体、抗体フラグメント(例えば、scFvs)、抗体及びそのフラグメントの誘導体、TCRs(例えば、TCRα鎖、又はTCRβ鎖)、及びアプタマーからなる群から選ばれる。
【0082】
GD2ターゲット結合性部分
GD2ターゲット結合性部分は、ジシアロガングリオシド2(GD2)(ガングリオシドGD2とも称される)に結合可能な部分である。GD2ターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、GD2分子を含んでなるターゲット、例えば、GD2を発現する細胞に対して、本発明のタンパク質を発現する細胞の細胞破壊活性を発揮することが望まれる状況においての使用に適する。
【0083】
GD2は、神経芽細胞腫、骨肉腫、及び黒色腫を含む神経外胚葉起源の癌によって発現される。それ故、GD2ターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質(例えば、CAR)は、このようなGD2発現性癌のいずれか、特に、神経芽細胞腫の予防及び/又は治療における医学的用途において、本発明のタンパク質を利用することが望まれる状況での使用に適していることが理解されるであろう。
【0084】
本発明によるタンパク質における組み込みに好適なGD2ターゲット結合性部分は、抗-GD2抗体、例えば、抗-GD2モノクローナル抗体、又はその抗原結合性のフラグメント又は誘導体である。例えば、GD2ターゲット結合性部分は、抗-GD2 scFv抗体フラグメントでもよい。単に例として、scFv抗体フラグメントを含んでなる好適なGD2ターゲット結合性部分は、配列番号5に提示されている。
【0085】
配列番号5に提示されるscFv抗体フラグメントは、米国特許第9,493,740号に記載されているように、14g2a scFvとも称される。これは、米国特許第9,777,068号に開示されたch14.18抗体から誘導されるものであるが、本発明のタンパク質におけるGD2ターゲット結合性部分としては、他の抗体フラグメント又は変異体も使用されることが理解されるであろう。
【0086】
或いは、好適なGD2ターゲット結合性部分は、抗-GD2アプタマー、又はそのフラグメント又は誘導体からなる群から選ばれる。
【0087】
好適には、GD2ターゲット結合性部分は、特異的にGD2に結合できる。
【0088】
CD33ターゲット結合性部分
CD33ターゲット結合性部分は、CD33(Siglec-3としても知られている)に結合できる部分である。CD33ターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、CD33分子を含んでなるターゲット、例えば、CD33を発現する細胞に対して、本発明のターゲット結合性融合タンパク質を発現する細胞の生物学的活性を発揮することが望まれる環境における使用に適している。
【0089】
CD33は、急性骨髄性白血病(AML)細胞によって発現される。それ故、CD33ターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、CD33発現性癌、例えば、AMLの予防及び/又は治療における医学的用途において、本発明のタンパク質を利用することが望まれる状況における使用に適することが理解されるであろう。
【0090】
本発明によるタンパク質における組み込みに適するCD33ターゲット結合性部分は、抗-CD33抗体、例えば、抗-CD33モノクローナル抗体、又はその抗原結合性フラグメント又は誘導体である。例えば、CD33ターゲット結合性部分は抗-CD33 scFv抗体フラグメントでもよい。単に例として、scFv抗体フラグメントを含んでなる好適なCD33ターゲット結合性部分は、配列番号6に提示されている。
【0091】
配列番号4に提示されるscFv抗体フラグメントは、my96クローンモノクローナル抗体から誘導される。my96抗体の詳細は、Leukemia. 2015 Aug; 29(8): 1637-47に提示され、及び配列番号6のscFvフラグメントの詳細は、米国特許出願公開第20160096892号(ここでは、このscFvは配列番号147として開示されている)に提示されている。本発明のタンパク質におけるCD33ターゲット結合性部分としては、他のmy96抗体フラグメント又は変異体も使用されることが理解されるであろう。
【0092】
或いは、好適なCD33ターゲット結合性部分は、抗-CD33アプタマー、又はそのフラグメント又は誘導体からなる群から選ばれる。
【0093】
好適には、CD33ターゲット結合性部分は、特異的にCD33に結合できる。
【0094】
メソテリンターゲット結合性部分
メソテリンターゲット結合性部分は、メソテリンに結合できる部分である。メソテリンは、MSLNの産物である40kDaタンパク質である。メソテリンターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、メソテリン分子を含んでなるターゲット、例えば、メソテリンを発現する細胞に対して、本発明のタンパク質を発現する細胞の生物学的活性を発揮することが望まれる状況における使用に適している。
【0095】
メソテリンは、多くの各種タイプの癌の細胞によって発現される。メソテリンを発現する癌としては、例えば、上皮癌、例えば、卵巣癌、肺腺癌、及び膵臓癌が含まれる。それ故、メソテリンターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、いずれかのメソテリン発現性癌の予防及び/又は治療における医学的用途において、本発明のタンパク質を利用することが望まれる状況における使用に適していることが理解されるであろう。
【0096】
本発明によるタンパク質における組み込みに適するメソテリンターゲット結合性部分は、抗-メソテリン抗体、例えば、抗-メソテリンモノクローナル抗体、又はその抗原結合性フラグメント又は誘導体である。例えば、メソテリンターゲット結合性部分は、抗-メソテリンscFv抗体フラグメントであってもよい。単に例として、scFv抗体フラグメントを含んでなる好適なメソテリンターゲット結合性部分は、配列番号7に提示されている。
【0097】
配列番号7に提示されるscFv抗体フラグメントは、SS1抗体に由来するものである。抗体及びそこから誘導されるscFVの詳細は、国際公開第2015/090230号(ここでは、マウスSS1 scFvのアミノ酸配列は配列番号279に提供されている)に提示されている。本発明におけるメソテリンターゲット結合性部分としては、他のSS1抗体フラグメント又は変異体が使用されることが理解されるであろう。
【0098】
或いは、好適なメソテリンターゲット結合性部分は、抗-メソテリンアプタマー、又はそのフラグメント又は変異体からなる群から選ばれることが理解されるである。
【0099】
好適には、GD2ターゲット結合性部分は、特異的にGD2に結合できる。
【0100】
EGFRvIIIターゲット結合性部分
EGFRvIIIターゲット結合性部分は、上皮増殖因子レセプターバリアントIII(EGFRvIII)に結合できる部分である。EGFRvIIIターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、EGFRvIII分子を含んでなるターゲット、例えば、EGFRvIIIを発現する細胞に対して、本発明のタンパク質を発現する細胞の生物学的活性を発揮することが望まれる状況における使用に適している。
【0101】
EGFRvIIIは、上皮由来の癌によって発現される。それ故、EGFRvIIIターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、EGFRを発現する癌、例えば、神経膠芽腫、又は結腸直腸癌の予防及び/又は治療における医学的用途において、本発明のタンパク質を利用することが望まれる状況における使用に適していることが理解されるであろう。特に、EGFRvIIIターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質は、EGFRvIII発現性癌、例えば、神経膠芽腫の予防及び/又は治療における使用に適する。
【0102】
本発明によるタンパク質における組み込みに適するEGFRvIIIターゲット結合性部分は、抗- EGFRvIII抗体、例えば、抗- EGFRvIIIモノクローナル抗体、又はその抗原結合性フラグメント又は誘導体である。例えば、EGFRvIIIターゲット結合性部分は、抗-EGFRvIII scFv抗体フラグメントであってもよい。単に例として、scFv抗体フラグメントを含んでなる好適なEGFRvIIIターゲット結合性部分は、配列番号8に提示されている。
【0103】
配列番号8に提示されるscFv抗体フラグメントは、国際公開第2012/138475号(ここでは、139抗体のヒトscFvのアミノ酸配列は配列番号5として提示され、及びscFvを包含するCARコンストラクトは配列番号11として提示されている)に開示された139抗体に由来する。本発明のタンパク質におけるEGFRvIII結合性部分としては、他の139抗体フラグメント又は変異体が使用されることが理解されるであろう。
【0104】
代わりのEGFRvIIIターゲット結合性部分は、MR1抗-EGFRvIII抗体に由来する。このようなEGFRvIIIターゲット結合性部分の例は、配列番号9のDNA配列によってコードされるscFv(MR1に由来する)である。この代わりのEGFRvIIIターゲット結合性部分のアミノ酸配列を配列番号10に提示する。
【0105】
或いは、好適なEGFRvIIIターゲット結合性部分は、抗- EGFRvIIIアプタマー、又はそのフラグメント又は変異体からなる群から選ばれることが理解されるである。
【0106】
好適には、EGFRvIIIターゲット結合性部分は、特異的にEGFRvIIIに結合できる。
【0107】
細胞内シグナリング領域
本発明のタンパク質は、少なくとも1の細胞内シグナリング領域を含んでなる。細胞内シグナリング領域は、ターゲット結合性部分のターゲット分子への結合を、タンパク質を発現する細胞の他の生物学的活性と結合する働きをする。特に、好適な細胞内シグナリング領域は、ターゲット結合性部分のそのターゲット分子結合への結合を、細胞の細胞破壊活性の活性化及び/又は活性化に応えて増殖する細胞の能力と結合する。
【0108】
実施例に提示するように、好適な細胞内シグナリング領域は、ターゲット分子のターゲット結合性部分への結合に応えて、細胞毒性又は特異的な細胞溶解活性を活性化する。或いは、又は加えて、好適な細胞内シグナリング領域は、ターゲット分子のターゲット結合性部分への結合に応えて活性化-誘発細胞増殖を促進する。
【0109】
好適な具体例では、細胞内シグナリング領域は、4-1BBシグナリング領域、OX-40シグナリング領域、CD28シグナリング領域、ICOSシグナリング領域、及びCD3ζシグナリング領域からなる群から選ばれる領域を含んでなる。
【0110】
本発明によるタンパク質は、複数の細胞内シグナリング領域を含んでなることができるが理解されるであろう。好適には、複数は、個々の細胞内シグナリング領域の1以上のコピーを含んでなることができる。例えば、本発明によるタンパク質は、4-1BBシグナリング領域、OX-40シグナリング領域、CD28シグナリング領域、ICOSシグナリング領域、及びCD3ζシグナリング領域の1又はそれ以上の多数のコピーを含んでなることができる。
【0111】
加えて、又は或いは、本発明のタンパク質は、多数の細胞内シグナリング領域の組み合わせを含んでなることができる。例えば、本発明によるタンパク質は、4-1BBシグナリング領域、OX-40シグナリング領域、CD28シグナリング領域、ICOSシグナリング領域、及びCD3ζシグナリング領域からなる群から選ばれる細胞内シグナリング領域の組み合わせを含んでなることができる。単に例として、本発明のタンパク質は、4-1BBシグナリング領域及びCD3ζシグナリング領域の両方を含んでなることができる。
【0112】
好適な4-1BBシグナリング領域は、このようなシグナリング領域を含んでなるタンパク質を発現する細胞に十分な同時刺激信号を提供して、細胞の活性化、及び/又は細胞の機能、例えば、細胞によるサイトカインの放出、及び/又は細胞によるに細胞毒性;及び/又は細胞の増殖及び/又は存続の少なくとも1を促進できるものである。この存続は、インビボ及びインビトロでの存続である。存続は、特に、免疫抑制の腫瘍微小環境の条件、又はこの微小環境を再現する条件における細胞の存続である。例として、サイトカインの放出は、IFN-γ、及び/又はTNFα、及び/又はIL2からなる群からの1以上のサイトカインを含むことができる。
【0113】
好適には、4-1BBシグナリング領域は、4-1BBの全長配列を含んでなることができる。或いは、4-1BBシグナリング領域は、全長配列の切り詰め型及び/又は修飾型を含んでなることができる。単に例として、好適な4-1BBシグナリング領域は、配列番号11において提示されるアミノ酸配列、又はこの配列の一部を含んでなることができる。好適には、本発明のタンパク質に組み込まれる4-1BBシグナリング領域は、配列番号11に提示されるアミノ酸配列からなることができる。
【0114】
好適な具体例では、OX-40シグナリング領域は、このようなシグナリング領域を含んでなるタンパク質を発現する細胞に十分な同時刺激信号を提供して、細胞の活性化、及び/又は細胞の機能、及び/又は細胞の存続の少なくとも1を促進できるものである。この存続は、インビボ及びインビトロでの存続である。存続は、特に、免疫抑制の腫瘍微小環境の条件、又はこの微小環境を再現する条件における細胞の存続である。
【0115】
好適には、OX-40シグナリング領域は、OX-40の全長配列を含んでなる。或いは、OX-40シグナリング領域は、全長配列の切り詰め型及び/又は修飾型を含んでなることができる。単に例として、好適なOX-40シグナリング領域は、配列番号12に提示されるアミノ酸配列、又はこの配列の一部を含んでなることができる。好適には、本発明のタンパク質に組み込まれるOX-40シグナリング領域は、配列番号12に提示されるアミノ酸配列からなることができる。
【0116】
好適なCD28シグナリング領域は、このようなシグナリング領域を含んでなるタンパク質を発現する細胞に十分な同時刺激信号を提供して、細胞の活性化、及び/又は細胞の機能、及び/又は細胞の存続の少なくとも1を促進できるものである。この存続は、インビボ及びインビトロでの存続である。存続は、特に、免疫抑制の腫瘍微小環境の条件、又はこの微小環境を再現する条件における細胞の存続である。
【0117】
好適には、CD28シグナリング領域は、CD28の全長配列を含んでなる。或いは、CD28シグナリング領域は、全長配列の切り詰め型及び/又は修飾型を含んでなることができる。単に例として、好適なCD28シグナリング領域は、配列番号13に提示されるアミノ酸配列、又はこの配列の一部を含んでなることができる。好適には、本発明のタンパク質に組み込まれるCD28シグナリング領域は、配列番号13に提示されるアミノ酸配列からなることができる。
【0118】
好適なICOSシグナリング領域は、このようなシグナリング領域を含んでなるタンパク質を発現する細胞に十分な同時刺激信号を提供して、細胞の活性化、及び/又は細胞の機能、例えば、細胞によるサイトカインの放出、及び/又は細胞によるに細胞毒性;及び/又は細胞の増殖及び/又は存続の少なくとも1を促進できるものである。この存続は、インビボ及びインビトロでの存続である。存続は、特に、免疫抑制の腫瘍微小環境の条件、又はこの微小環境を再現する条件における細胞の存続である。
【0119】
好適には、ICOSシグナリング領域は、ICOS(CD278としても知られている)の全長配列を含んでなる。或いは、ICOSシグナリング領域は、全長配列の切り詰め型及び/又は修飾型を含んでなることができる。単に例として、好適なICOSシグナリング領域は、配列番号14に提示されるアミノ酸配列、又はこの配列の一部を含んでなることができる。好適には、本発明のタンパク質に組み込まれるICOSシグナリング領域は、配列番号14に提示されるアミノ酸配列からなることができる。ICOSの切り詰め型又は修飾型は、全長ICOSタンパク質の残基180~183に見られる少なくともYMFMモチーフを含んでなることができる。
【0120】
好適なCD3ζシグナリング領域は、T細胞内で機能的反応(例えば、サイトカイン(例えば、インターフェロン-γ、TNFa及び/又はIL2)の放出、細胞毒性及び/又は増殖)を活性化できるものである。
【0121】
好適には、CD3ζシグナリング領域は、CD3ζの全長配列を含んでなる。或いは、CD3ζシグナリング領域は、全長配列の切り詰め型及び/又は修飾型を含んでなることができる。単に例として、好適なCD3ζシグナリング領域は、配列番号15又は配列番号16に提示されるアミノ酸配列、又はこの配列の一部を含んでなることができる。好適には、本発明のタンパク質に組み込まれるCD3ζシグナリング領域は、配列番号15又は配列番号16に提示されるアミノ酸配列からなることができる。
【0122】
GD2をターゲットとする本発明のタンパク質
GD2をターゲットとする本発明のタンパク質は、好適な細胞内シグナリング領域(例えば、4-1BB細胞内シグナリング領域及びCD3ζシグナリング領域)及びアルギナーゼドメインと組み合わせてGD2ターゲット結合性部分を含んでなることができる。アルギナーゼドメインは、アルギナーゼタイプI、アルギナーゼタイプII、又はこれらの酵素のフラグメント又は変異体をふくんでなる又はからなることができる。
【0123】
発明者らは、アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインのいずれかと組み合わせてGD2ターゲット結合性部分含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞は、特に、腫瘍微小環境を代表する実験的なアルギニン欠損条件において、コントロールCAR-T細胞と比べて、改善された細胞破壊活性を有するとの知見を得た。この効果は、アルギナーゼIドメインを含んでなる本発明の細胞において最も顕著であり、これは、固形腫瘍の治療におけるこれらの細胞の特別な利用性を示す。
【0124】
発明者らは、アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインと組み合わせてGD2ターゲット結合性部分を含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞は、血液を代表する条件(「標準的」条件又は「アルギニン補足」条件)において、コントロール抗-GD2 CAR-T細胞と比べて、改善された細胞破壊活性を有するとの知見も得た。この効果は、特に、アルギナーゼIIドメインを含んでなる本発明の細胞について顕著であり、これは、血液由来の腫瘍の治療におけるこれらの細胞の特別な適合性を示す。
【0125】
これらの利点については、さらに、明細書の実施例の項において検討する。
【0126】
GD2をターゲットとする本発明の模範的タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号17及び19に提示されているが、これらは、それぞれ、アルギナーゼタイプIドメイン及びアルギナーゼタイプIIドメインを組み込んでいる。本発明は、これらの特別なタンパク質を包含するだけでなく、この模範的タンパク質の生物学的活性(特に、増進された細胞破壊活性及び増大された増殖)を共有する、これらのタンパク質の変異体をも包含すると理解されなければならない。このような変異体は、配列番号17及び19のタンパク質と、少なくとも80%の配列相同性を有することができる。好適には、このような変異体は、配列番号17及び19のタンパク質と、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列相同性を共有できる。
【0127】
メソテリンをターゲットとする本発明のタンパク質
メソテリンをターゲットとする本発明のタンパク質は、好適な細胞内シグナリング領域(例えば、4-1BB細胞内シグナリング領域及びCD3ζ細胞内シグナリング領域)及びアルギナーゼドメインと組み合わせて、抗-メソテリンSS1抗体に由来のメソテリンターゲット結合性部分を含んでなることができる。アルギナーゼドメインは、アルギナーゼタイプI、アルギナーゼタイプII、又はこれら酵素のフラグメント又は変異体を含んでなる又はからなることができる。
【0128】
CD33をターゲットとする本発明のタンパク質
CD33をターゲットとする本発明のタンパク質は、好適な細胞内シグナリング領域(例えば、4-1BB細胞内シグナリング領域及びCD3ζ細胞内シグナリング領域)及びアルギナーゼドメインと組み合わせて、抗-CD33 my96抗体に由来のCD33ターゲット結合性部分を含んでなることができる。アルギナーゼドメインは、アルギナーゼタイプI、アルギナーゼタイプII、又はこれら酵素のフラグメント又は変異体を含んでなる又はからなることができる。
【0129】
EGFRvIIIをターゲットとする本発明のタンパク質
EGFRvIIIをターゲットとする本発明のタンパク質は、好適な細胞内シグナリング領域(例えば、4-1BB細胞内シグナリング領域及びCD3ζ細胞内シグナリング領域)及びアルギナーゼドメインと組み合わせて、抗- EGFRvIII 139抗体に由来のEGFRvIIIターゲット結合性部分を含んでなることができる。アルギナーゼドメインは、アルギナーゼタイプI、アルギナーゼタイプII、又はこれら酵素のフラグメント又は変異体を含んでなる又はからなることができる。
【0130】
本発明のタンパク質をコードする核酸
本発明の第3の態様は、本発明のタンパク質をコードする核酸を提供する。タンパク質は、ここに記載する本発明の態様又は具体例のいずれかによるものである
【0131】
好適には、本発明による核酸はDNAを含んでなる。好適な1具体例では、本発明の核酸はRNAを含んでなる。好適な核酸は、本質的にDNAからなるか、本質的にRNAからなるか、又はDNA及びRNAの組み合わせを含んでなる。
【0132】
本発明のタンパク質をコードする核酸の例は、配列番号18及び20に提示されている。これらの核酸配列は、下記のように、本明細書に提示された模範的タンパク質をコードするDNA分子である。
【0133】
【0134】
コドンの縮退は、本発明の1つの所定のタンパク質をコードする核酸の配列において、顕著な差異があり得ることを意味する。
【0135】
単に例として、本発明の好適な核酸は、配列番号18又は20に提示される本発明の模範的核酸の1つと、少なくとも70%の配列相同性を共有できる。本発明の好適な核酸は、配列番号18又は20に提示される本発明の模範的核酸の1つと、少なくとも80%の配列相同性、少なくとも85%の配列相同性、少なくとも90%の配列相同性、少なくとも95%の配列相同性、少なくとも96%の配列相同性、少なくとも97%の配列相同性、少なくとも98%の配列相同性、又は少なくとも99%以上の配列相同性を共有できる。
【0136】
メソテリンをターゲットとする本発明のタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号18又は19のいずれかの核酸配列(ターゲット結合性部分をコードするそれらの核酸配列の一部が、配列番号7をコードする核酸配列によって置き換えられることを保全する)と同一であってもよい。このような核酸によってコードされるタンパク質は、本発明のタンパク質を構成する。
【0137】
CD33をターゲットとする本発明のタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号18又は20のいずれかの核酸配列(ターゲット結合性部分をコードするそれらの核酸配列の一部が、配列番号6をコードする核酸配列によって置き換えられることを保全する)と同一であってもよい。このような核酸によってコードされるタンパク質は、本発明のタンパク質を構成する。
【0138】
EGFRvIIIをターゲットとする本発明のタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号18又は20のいずれかの核酸配列(ターゲット結合性部分をコードするそれらの核酸配列の一部が、配列番号8又は10をコードする核酸配列によって置き換えられることを保全する)と同一であってもよい。このような核酸によってコードされるタンパク質は、本発明のタンパク質を構成する。
【0139】
本発明のタンパク質をコードする核酸はベクターの形で提供される。好適には、ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクター、又はトランスポゾンである。レトロウイルスベクター及びレンチウイルスベクターは、いずれも、本発明の細胞の産生に成功裏に使用されている。
【0140】
本発明の細胞
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様によるタンパク質を含んでなる細胞を提供する。細胞はタンパク質を発現する。タンパク質は、ここに記載の本発明の第1の態様の具体例のいずれかによるものである。
【0141】
好適には、本発明の第2の態様による細胞は、細胞介在免疫応答を発揮できる細胞である。好適な細胞は、例えば、細胞毒性作用によって又は特殊な細胞溶解を惹起することによって殺細胞活性を発揮できる。さらに、好適な細胞は、タンパク質の対応するターゲット分子への結合に応答して増殖できる。好適には、本発明の第2の態様による細胞は、T細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞からなる群から選ばれる。
【0142】
好適には、T細胞は、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT);ナチュラルキラーT細胞(NKT);ガンマデルタT細胞(gd T細胞);アルファベータT細胞(ab T細胞);エフェクターT細胞;及びメモリーT細胞からなる群から選ばれる。
【0143】
好適には、T細胞は、CD4+リンパ球及びCD8+リンパ球からなる群から選ばれる。
【0144】
細胞は、疾患、例えば、癌の予防及び/又は治療を必要とする対象からのものもよい。細胞は、このような対象からのサンプルから採取される。
【0145】
或いは、細胞は、健康なドナー対象(本明細書の目的のためには、本発明のタンパク質又は細胞にて治療される疾患に罹っていない対象)からのものでもよい。
【0146】
好適な細胞は、細胞株の細胞も含むことが理解されるであろう。
【0147】
ヒト細胞の収集、及びそれらのタンパク質、例えば、本発明のタンパク質による形質転換の標準的技術は、当業者には周知である。ヒトT細胞のレトロウイルス形質導入、形質導入効率の測定、及び時期細胞分離法による形質導入T細胞の選別に関する好ましい技術は、さらに、実施例に記載されている。
【0148】
本発明の細胞の生物学的活性
本発明のタンパク質を含んでなる細胞は、用途、例えば、疾患の予防及び/又は治療において有益な多数の活性を発揮する。
【0149】
これらの生物学的活性については、さらに、殺細胞活性(これにより、本発明の細胞が、それらの治療効果を発揮できる手段を意味する)及び活性、例えば、インビボでの増大された存続に貢献し、これによって、本発明の細胞が、従来技術のCAR-発現細胞に関するケースよりも長い期間、それらの治療効果を発揮することを可能にする増殖(例えば、活性化に応答する)を参照して検討する。
【0150】
これらの各生物学的活性について、以降において、さらに記述する。本発明のタンパク質及び細胞によって提供される利点は、これらの生物学的活性の結果として生ずることが理解されるであろう。
【0151】
本発明の細胞の生物学的活性は、好適な比較細胞を参照して測定される。好適な比較細胞の例としては、タンパク質にて形質導入されていない本発明の細胞と同一のタイプの細胞、又はアルギナーゼドメインを含まないタンパク質にて形質導入された本発明のものと同一のタイプの細胞が含まれる。
【0152】
本発明の細胞の殺細胞活性
本発明の目的に関して、殺細胞活性は、本発明の細胞(例えば、本発明のタンパク質を発現する細胞)が他の細胞を致死させるいずれかの活性を包含するものとして理解されなければならない。例として、他の細胞を致死させることは、本発明の細胞の細胞毒性作用によって、又は本発明の細胞によって介在される特殊な細胞溶解によって達成される。
【0153】
本発明の細胞は、本発明のタンパク質のターゲット結合性部分によって結合されるターゲット分子を含んでなるターゲット構造体について、それらの殺細胞活性を発揮する。
【0154】
好ましくは、本発明の細胞の殺細胞活性によって致死される細胞は、疾患に関連する細胞である。好適には、疾患に関連する細胞は、癌細胞又は感染細胞である。
【0155】
実施例に提示するように、発明者らは、本発明の細胞(本発明のタンパク質を含んでなる)が、本発明のタンパク質のターゲット結合性部分によって結合されるターゲット分子を発現する細胞に向けられる殺細胞活性を発揮することを実証している。
【0156】
アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインのいずれかを含んでなる本発明のタンパク質を発現する本発明の細胞は、特に、コントロールCAR-T細胞と比べて、改善された殺細胞活性を有する。この改善された殺細胞活性は、
図8に提示する結果に見られ、これらの結果は、本発明の細胞が、アルギナーゼ酵素ドメインを持たないコントロールCARsよりも約2~3倍高いターゲット細胞の死滅レベルを達成することを示している。この種の殺細胞活性における2倍又は3倍の増大は、従来技術のCAR療法と比べて、本発明の細胞の治療効力の点で顕著な利益を付与することが予測されると理解されるであろう。
【0157】
アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインのいずれかを含んでなる本発明のタンパク質を発現する本発明の細胞は、特に、実験的にアルギニンを欠乏させた条件において、コントロールCAR-T細胞と比べて、改善された殺細胞活性を有する。この効果は、アルギナーゼIドメインを含んでなる本発明の細胞において最も顕著であり、これは、局部アルギニンレベルが低減されがちな用途、例えば、固体腫瘍の治療における、これらの細胞の特別な利用を表している。
【0158】
アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現する本発明の細胞は、また、血液を代表する条件(「標準的」又は「アルギニン補足」条件)において、コントロールCAR-T細胞と比べて、改善された殺細胞活性を有する。この効果は、アルギナーゼIIドメインを含んでなる細胞において、特に顕著であり、これは、血液由来の疾患及び血液の癌の治療おける、これら細胞の特別な適合性を表している。
【0159】
本発明の細胞によって発揮される増大された殺細胞活性は、従来技術の細胞については認められない利益を付与する。本発明の細胞について認められる改善された増殖と組み合わせて、ここに開示されるタンパク質は、驚くほど有利な治療的利用性を有することが、
当業者には明らかであろう。
【0160】
当業者であれば、本発明の細胞又は好適な比較細胞の殺細胞活性(細胞毒性活性又は特殊な細胞溶解)を評価する多くの有効なアッセイを知っているであろう。単に例として、好適なアッセイを実施例に記載するが、実施例では、本発明の模範的細胞の特徴付けにおいて使用する。
【0161】
当業者であれば、実施例に開示する情報を考慮する際、本明細書に記載するように、本発明の細胞は殺細胞活性を発揮し、これにより、疾患、例えば、癌の予防及び/又は治療における治療的使用に良好に適合するものとなることが理解されるであろう。
【0162】
本発明の細胞の増殖
対応するターゲット分子へのタンパク質の結合を介する本発明の細胞の活性化としては、実施例に開示する結果において実証されているように、細胞の増殖が含まれる。これは、増大された数の、治療活性を発揮できる細胞の産生を可能にする。しかし、このような細胞の増殖は、普通は、腫瘍微小環境では阻害され、これは、従来技術に開示されるCAR T細胞治療の失敗の原因となる。
【0163】
本発明の細胞は、従来技術のCAR T細胞について観察されるものと比べて、顕著に改善された増殖能力を発揮する。これは、特に、アルギナーゼドメイン(アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプII)を含んでなる本発明の細胞の増殖が、血液において見られるアルギニンレベルを再現する条件(「標準的」又は「アルギニン補足」条件)でテストされる際に気付く。血液中での細胞増殖は、本発明の細胞の数の拡大を生じ、ついで、血液中又は腫瘍微小環境内で、それらの治療的殺細胞活性を発揮でき、これは非常に有利である。
【0164】
さらに、
図7に提示されている結果は、本発明のタンパク質を発現する細胞が、低アルギニン培養条件において、又は腫瘍馴化培地で培養される際に、アルギナーゼ酵素ドメインを持たないコントロールCARsを発現する細胞と比べて、著しく増殖を増大することを実証する。これらの培養条件(低アルギニン又は腫瘍馴化培地)は、抑制腫瘍微小環境の高評価実験モデルを提供し、本明細書に開示される結果は、この環境における本発明の細胞の改善された活性を明白に示す。アルギナーゼタイプIドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞は、腫瘍馴化培地で培養される際の増大された増殖の点で、特に効果的であるが、アルギニンタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞は、低アルギニン培養条件下で、特に増大された増殖を示す。
【0165】
細胞、例えば、本発明の細胞の増殖は、多くの方法において、実験的に評価される。単に例として、細胞の増殖は、腫瘍微小環境を再現する又は血液において見られるものを再現する条件下で評価される。
【0166】
好適な実験条件、腫瘍微小環境又は血液を代表する条件下で、本発明の細胞は、好適な比較細胞よりも少なくとも5%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも10%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも15%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも20%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも25%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも30%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも35%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも40%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも45%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも50%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも55%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも60%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも65%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも70%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも75%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも80%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも85%高い、好適な比較細胞よりも少なくとも90%高い、又は好適な比較細胞よりも少なくとも95%高い増殖度を発揮できる。実際に、本発明の細胞は、同じ実験条件下で、好適な比較細胞よりも100%以上高い増殖度を発揮できる。例えば、及び開示する結果において証明されるように、本発明の細胞は、同じ実験条件下で、好適な比較細胞と比べて、少なくとも2倍増大した増殖度を発揮できる。実際に、本発明の細胞は、同じ実験条件下で、好適な比較細胞と比べて、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、又は少なくとも10倍増大した増殖度を発揮できる。
【0167】
或いは、細胞の増殖は、投与から所定の時間の経過後にレシピエントに存在する細胞の数を参照して、同じ条件下で存在する比較細胞の数と比較して評価される。本発明の細胞及び比較細胞を、いずれも、ほぼ等しい量で投与する場合、一定時間後のレシピエントに存在する本発明の細胞の数は、好適な比較細胞よりも少なくとも5%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも10%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも15%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも20%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも25%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも30%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも35%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも40%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも45%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも50%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも55%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも60%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも65%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも70%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも75%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも80%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも85%多い、好適な比較細胞よりも少なくとも90%多い、又は好適な比較細胞よりも少なくとも95%多い。
【0168】
本発明の細胞の存続
本発明の細胞の増大された増殖、及び従って、利用可能な細胞の数の増大により、治療を受ける対象内における細胞の存続を改善することが期待される。
【0169】
医学的使用及び治療法
本発明のタンパク質(特に、このようなタンパク質を含んでなる本発明の第2の態様の細胞の形)は、医学的使用(すなわち、疾患の予防及び/又は治療における使用)について良好に研究されている。このような医学的使用及び治療法は、本発明の第5及び第7の態様の主題である。
【0170】
疾患の予防は、対象が、未だ疾患を発症していないが、将来、疾患を発症する危険があることが同定されている場合に要求される。好適には、このような同定は、対象又はそれらの家族における詳細、例えば、病歴、対象又はそれらの家族の遺伝子検査の結果、又は既知の病原体にさらされる危険に基づくものである。癌の場合、予防は、前癌性疾患の徴候又は特徴を示す対象の場合に望まれる。
【0171】
疾患の治療は、対象が疾患を既に発症していると同定された際に要求される。同定時の疾患の発症ステージは、症候性又は無症候性である。このような同定は、対象の臨床評価、対象によって呈される徴候、又は対象によって提供されたサンプルの分析(例えば、悪性腫瘍、感染因子、又は他の病理学的インジケーターの存在の同定を可能にする、生検、血液サンプル、等)に基づくものである。
【0172】
本発明の第6態様は、疾患の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の第1の態様のタンパク質、本発明の第2の態様の細胞、本発明の第3の態様の核酸、又は本発明の第4の態様の医薬組成物に係る。予防及び/又は治療は、血液由来の細胞をターゲットとする致死による。好適には、このような血液由来細胞は、血液由来の癌細胞でもよい。このような癌の予防及び/又は治療における医学的使用に関しては、明細書の他の部分に開示する。
【0173】
本発明の第7の態様は、予防及び/又は治療を必要とする対象における疾患の予防及び/又は治療法に係り、該方法は、対象に本発明のタンパク質を提供することを含んでなる。本発明のタンパク質は、治療上有効な量で、対象に提供される。このような治療上有効な量は、本発明のタンパク質のただ1回の提供によって、又は本発明のタンパク質の複数回の投与を介して累積的に達成される。
【0174】
本発明のタンパク質は、直接的又は間接的に、好適に対象に提供される。直接的提供とは、特に、タンパク質を発現する細胞の形での対象へのタンパク質の投与を意味する。間接的提供とは、対象に、本発明のタンパク質の発現を惹起させることを意味する。本発明のタンパク質が、本発明の第1の態様によるタンパク質をコードする、本発明の第3の態様の核酸の投与を介して対象に間接的に提供されることが理解されるであろう。
【0175】
本発明の第6の態様と同様に、本発明の第7の態様の方法は、血液由来の細胞をターゲットとして致死させることによる疾患の予防及び/又は治療において使用される。血液由来の細胞は、先のとおり、血液由来の癌細胞又は循環における感染細胞である。
【0176】
本発明の細胞は、免疫抑制腫瘍微小環境を再現する条件下で所望の生物学的活性を発揮し、これにより、特に、癌の予防及び/又は治療に適する(後に、さらに検討する)が、それらの改善された殺細胞活性は、アルギニンが枯渇されていない条件下においても実証される。従って、本発明のタンパク質を含んでなる細胞が、癌だけでなく、自己免疫性疾患及び感染による疾患を含む広範囲の疾患の予防及び/又は治療において使用されることが理解されるであろう。好適には、このような疾患は、本発明のタンパク質、細胞、核酸、又は医薬組成物を使用する治療法の医学的使用によって予防又は治療される。
【0177】
本明細書の他の個所に提示するように、本発明の細胞は、自家治療における使用、又は異種治療における使用のためのものである。
【0178】
癌の予防及び/又は治療
特に、本発明のタンパク質、細胞、核酸、又は医薬組成物は、癌の予防及び/又は治療において有益である。これらの用途では、腫瘍微小環境を代表するアルギニン欠乏条件下において増大された(コントロールCAR-T細胞と比べて)殺細胞及び増殖活性を有する本発明の細胞が、特に、有利である。
【0179】
本発明のタンパク質、細胞、核酸、又は医薬組成物を利用する医学的使用又は治療法によって予防及び/又は治療される癌の好適な例としては、GD2、CD33、メソテリン、EGFRvIII、VEGFR2、FAP、EpCam、GPC3、CD133、IL13Ra、EphA2、Muc1、BCMA、CD70、CD123、ROR1、PSMA、CD5、GAP、CEA、PSCA、Her2、及びCD19からなる群から選ばれる1以上のマーカーの癌細胞発現に関連するものが含まれる。このような癌は、対応するターゲット結合性部分を組み込んだ本発明のターゲット結合性融合タンパク質の使用によって治療される。
【0180】
単に例として、本発明の医学的使用又は治療法によって予防及び/又は治療される好適な癌は、神経芽細胞腫、中皮腫、卵巣癌、乳癌、結腸癌、髄芽腫、膵臓癌、前立腺癌、精巣癌、急性骨髄性白血病、神経膠芽腫、骨肉腫、及びメラノーマからなる群から選ばれる。
【0181】
医薬組成物及び製剤
本発明は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を含む組成物も提供する。特に、本発明は、所定の用量又はそのフラクションでの投与のための本発明の医薬組成物及び製剤、例えば、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を含む組成物からの単位用量を提供する。医薬組成物及び製剤は、一般に、1以上の任意の薬学上許容されるキャリヤー又は添加剤を含む。いくつかの具体例では、組成物は、少なくとも1の追加の治療剤を含む。
【0182】
用語「医薬製剤」は、ここに含まれる活性成分の生物学的活性が効果的であることを可能にするような形態であり、製剤が投与される対象に対して、許容できないような毒性である追加の成分を含有しない製剤をいう。
【0183】
「薬学上許与されるキャリヤー」とは、活性成分以外であり、対象に対して無毒である、医薬製剤における成分をいう。薬学上許容されるキャリヤーとしては、緩衝剤、添加剤、安定剤、又は保存料が含まれるが、これらに限定されない。
【0184】
いくつかの具体例では、キャリヤーの選択は、一部は、本発明の特別なタンパク質、細胞、又は核酸によって、及び/又は投与方法によって決定される。従って、各種の好適な処方がある。例えば、医薬組成物は保存料を含有できる。好適な保存料としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリム、及び塩化ベンザルコニウムが含まれる。いくつかの態様では、2以上の保存料の組み合わせが使用される。保存料及びその混合物は、一般的には、組成物の総質量の約0.0001~約2質量%の量で存在する。キャリヤーについては、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. Ed. (1980) に記載されている。薬学上許容されるキャリヤーは、一般に、使用する容量及び濃度において、レシピエントに対して無毒であり、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;保存料(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、又はベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチル又はプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又リジン;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖、二糖、及び他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;砂糖、例えば、ショ糖、マンニトール、トレハロース、又はソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/又は非イオン界面活性剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)が含まれるが、これらに限定されない。
【0185】
本発明の組成物のいくつかの具体例では、緩衝剤が含まれる。好適な緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、及び各種の他の酸及び塩が含まれる。いくつかの態様では、2以上の緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤又はその混合物は、一般的には、組成物の総質量の約0.001~約4質量%の量で存在する。投与可能な医薬組成物の調製法は知られている。模範的方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins; 21st ed. (May 1, 2005)に、より詳しく記載されている。
【0186】
製剤は水溶液を含むことができる。製剤又は組成物は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸にて治療される特別な徴候、疾患、又は状態に有用な1以上の活性剤、好ましくは、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を補足する活性剤(各活性剤は、相互に悪影響を及ぼさない)も含有できる。好適には、このような活性剤は、組み合わせて、意図する目的に効果的な量で存在する。このように、いくつかの具体例では、医薬組成物は、さらに、他の薬剤又は薬、例えば、化学療法剤(例えば、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、及び/又はビンクリスチン)を含む。
【0187】
いくつかの具体例における医薬組成物は、本発明のCARs、細胞、又は核酸を、疾患又は状態を治療又は予防するに効果的な量、例えば、治療上効果的な又は予防上効果的な量で含有する。いくつかの具体例における治療上又は予防上の効力は、治療される対象の定期的評価によって観察される。所望の用量は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の単回ボーラス投与によって、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の複数回ボーラス投与によって、又は本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の連続点滴投与によって送達される。
【0188】
組成物は、標準的な投与技術、処方、及び/又は手段を使用して投与される。細胞の投与は、自家性又は異種性である。例えば、免疫抑制細胞又は前駆細胞は、1つの対象から得られ、同一の対象(自家性)又は異なる適合性の対象(異種性)に投与される。末梢血由来の免疫抑制細胞又はそれらの前駆細胞(例えば、インビボ、エクスビボ、又はインビトロ由来)は、カテーテル投与を含む局所的注射、全身的注射、静脈内注射、又は非経口投与を介して投与される。治療用組成物(例えば、遺伝子的修飾した免疫抑制細胞を含有する医薬組成物)を投与する際、一般に、単位用量注入可能な形(溶液、懸濁液、エマルジョン)で処方される
【0189】
製剤としては、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、肺内投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、口腔内投与、舌下投与、又は座薬投与用のものが含まれる。いくつかの具体例では、細胞集団が非経口投与される。用語「非経口」は、ここで使用するように、静脈内、筋肉内、皮下、直腸内、膣内、腹腔内投与を含む。いくつかの具体例では、細胞は、静脈内、腹腔内、又は皮下注射による非経口全身送達を使用して、対象に投与される。
【0190】
いくつかの具体例における組成物は、無菌液体製剤、例えば、等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、又は粘稠組成物として提供される(いくつかの態様では、選ばれたpHに緩衝される)。液体製剤は、普通には、ゲル、他の粘稠組成物、及び固体組成物よりも調製が容易である。加えて、液体組成物は、特に、注射によって投与することが多少便利である。一方、粘稠組成物は、より長い特定の組織との接触期間を提供するように、適切な粘度範囲内で調剤される。液体又は粘稠組成物は、キャリヤーを含んでなることができ、キャリヤーは、例えば、水、食塩水、リン酸塩緩衝食塩水、ポリオール(例えば、グリセロールプロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)、及びその好適な混合物を含む溶媒又は分散媒体である。
【0191】
無菌注射用溶液は、溶媒、例えば、好適なキャリヤー、希釈剤、又は添加剤、例えば、滅菌水、生理食塩水、グルコース、ブドウ糖、等との混合物に、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を配合することによって調製される。組成物は、所望の投与ルート及び調製ルートに応じて、補助物質、例えば、湿潤剤、分散剤、又は乳化剤(例えば、メチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化又は増粘剤、保存料、香味料、及び/又は着色料を含有できる。いくつかの態様では、好適な製剤を調製するために、標準的テキストを参照できる。
【0192】
抗菌性保存料、酸化防止剤、キレート剤、及び緩衝剤を含む、組成物の安定性及び無菌性を増大させる各種の添加剤が添加される。微生物の作用の防止は、各種の抗菌剤及び防カビ剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、及びソルビン酸によって達成される。注射剤の長期間の吸収は、吸収を送らせる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム、及びゼラチンの使用によって達成される。
【0193】
インビボ投与に使用される製剤は、一般に、無菌である。無菌性は、例えば、殺菌濾過膜を介する濾過によって、容易に達成される。
【0194】
用量及び用量レジメン
用量のサイズ及び量
本発明のタンパク質、細胞、又は核酸は、第1の用量、及び任意に、引き続く用量で提供される。いくつかの具体例では、第1の及び引き続く用量は、対象の体重kg当たり、このような細胞約105~約106の範囲の多量の本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を含有し、及び/又は対象の体重kg当たり、このような細胞約105又は約106以下である多量のこのような細胞を含有する。例えば、いくつかの具体例では、第1の又は引き続く用量は、対象の体重kg当たり、このような細胞1×105又は約1×105未満又は以下、2×105又は約2×105未満又は以下、5×105又は約5×105未満又は以下、又は1×106又は約1×106未満又は以下を含む。いくつかの具体例では、第1の用量は、対象の体重kg当たり、このような細胞1×105又は約1×105、2×105又は約2×105、5×105又は約5×105、又は1×106又は約1×106、又は前記値のいずれか2つの間の値を含む。
【0195】
いくつかの具体例では、例えば、対象がヒトである場合、第1の又は引き続く用量は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の合計約1×10未満、例えば、このような細胞又はこのような細胞の合計1×106~1×108の範囲、例えば、2×106、5×106、1×107、5×107、又は1×108、又は前記値のいずれか2つの間の範囲を含有する。
【0196】
いくつかの具体例では、第1の又は引き続く用量は、対象のm2当たり、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の合計約1×108未満、例えば、対象のm2当たり、このような細胞約1×106~約1×108の範囲、例えば、対象のm2当たり、このような細胞2×106、5×106、1×107、5×107、又は約1×108、又は前記値のいずれか2つの間の値である。
【0197】
特定の具体例では、第1の又は引き続く用量における本発明の多くのタンパク質、細胞、又は核酸は、対象の体重kg当たり、このような本発明のタンパク質、細胞、又は核酸約1×106より大、例えば、対象の体重kg当たり、このような細胞2×106、3×106、5×106、1×107、5×107、1×108、1×109、又は1×1010及び/又は対象のm2当たり、このような細胞又は合計l×108、又はl×109、1×1010、又は前記値のいずれか2つの間の範囲を含有する。
【0198】
いくつかの具体例では、引き続く用量で投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数は、ここにおける具体例のいずれかにおいて、第1の用量で投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数と同一又は同様であり、例えば、対象の体重kg当たり、このような細胞1×105又は約1×105、2×105又は約2×105、5×105又は約5×105、又は1×106又は約1×106未満又は以下である。いくつかの具体例では、引き続く用量は、対象の体重kg当たり、このような細胞1×105又は約1×105、2×105又は約2×105、5×105又は約5×105、又は1×106又は約1×106、又は前記値のいずれか2つの間の範囲内の値を含有する。いくつかの具体例では、このような値は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数に関する。いくつかの態様では、引き続く用量は、第1の用量よりも大である。例えば、いくつかの具体例では、引き続く用量は、対象の体重kg当たり、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸約1×106より大、例えば、対象の体重kg当たり、このような細胞3×106、5×106、1×107、1×108、1×109を含有する。いくつかの具体例では、引き続く用量の量又はサイズは、疾患の苦しみ又はその指標、及び/又は1以上の疾患の症状又は状況を軽減するに十分である。いくつかの具体例では、第2の(又は他の引き続く)用量は、対象の生存を改善する、例えば、少なくとも6か月、又は少なくとも1、2、3、4、又は5年の対象の生存、無再発生存、又は無症候生存を誘導するに十分なサイズである。いくつかの具体例では、引き続く用量における対象の体重当たり、投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数及び/又は投与されるこのような細胞の数は、第1の用量において投与される数の少なくとも2倍、5倍、10倍、50倍、又は100倍又はそれ以上である。いくつかの具体例では、疾患の苦しみ、腫瘍のサイズ、腫瘍の容積、腫瘍の質量、及び/又は腫瘍量又は大きさは、引き続く用量後に、第1の用量又は第2の(又は他の引き続く)用量の投与直後と比べて、少なくとも約50、60、70、80、90%以上減少される。
【0199】
他の具体例では、引き続く用量において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数は、第1の用量において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数よりも少ない。
【0200】
いくつかの具体例では、複数回の引き続く用量は、第1の用量に続いて投与され、従って、追加の用量は、第2の(又は他の引き続く)用量の投与後に投与される。いくつかの態様では、追加の引き続く用量(すなわち、第3、第4、第5、等)において対象に投与される細胞の数は、第1の用量、第2の用量、及び/又はその他の引き続く用量と同一又は同様である。いくつかの具体例では、追加の用量は、先の用量より大である。
【0201】
いくつかの態様では、第1及び/又は引き続く用量のサイズは、1以上の基準、例えば、先の治療(例えば、化学療法)に対する対象の応答、対象における疾患の苦しみ、又は腫瘍の量、大きさ、サイズ、又は転移の度合い、範囲、又はタイプ、ステージ、及び/又は有毒性の結果を生ずるサブスタンスの可能性又は発生、例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性、及び/又は投与された細胞及び/又は組み換えレセプターに対する宿主免疫応答に基づいて決定される。
【0202】
いくつかの態様では、第1及び/又は引き続く用量のサイズは、疾患の苦しみ又は対象の状態によって決定される。例えば、いくつかの態様では、第1の用量において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数は、第1の用量の投与の直前の対象に存在する腫瘍の苦しみに基づいて決定される。いくつかの具体例では、第1の及び/又は引き続く用量のサイズは、疾患の苦しみに逆比例する。いくつかの態様では、疾患の苦しみが大きい場合のように、対象には、少数の本発明のタンパク質、細胞、又は核酸、例えば、対象の体重kg当たり、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸約1×106未満が投与される。他の具体例では、疾患の苦しみが小さい場合のように、多量の本発明のタンパク質、細胞、又は核酸、例えば、対象の体重kg当たり本発明のタンパク質、細胞、又は核酸約1×106以上が投与される。
【0203】
いくつかの態様では、引き続く用量において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数は、第1の用量の投与後の対象に存在する腫瘍の苦しみに基づいて決定される。いくつかの具体例では、例えば、第1の用量が疾患の苦しみを増大させた、又は特別な閾値量又はレベル以下で実施した場合、例えば、有毒性の結果のリスクが増大する場合、引き続く用量は大きく、例えば、体重当たり、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸1×106以上であり、及び/又は第1の用量よりも大きい。他の具体例では、引き続く用量において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数は低く、例えば、約1×106未満、例えば、第1の用量が腫瘍の苦しみを小程度まで減少させた場合、又は第1の用量が腫瘍の苦しみにおける検知可能な低減を導かなかった場合、第1の用量と同等又はそれよりも低い。
【0204】
いくつかの具体例では、第1の用量において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数は、他の方法において、例えば、免疫応答が生ずる以前に、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を投与するために、細胞の多量シングル用量が投与される方法において投与される本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の数よりも小さい。このように、いくつかの具体例では、方法は、より多い用量の投与を伴う他の方法と比べて、毒性又は中毒性の結果を低減させる。
【0205】
いくつかの具体例では、第1の用量は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸を、毒性又は中毒性の結果、例えば、サイトカイン放出症候群(CRS)、重篤性CRS(sCRS)、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、3日以上の少なくとも38℃以上の発熱、少なくとも20mg/dl又はそれ以上のCRPの血清レベル、及び/又は神経毒の可能性の原因とならない又は低減させる量で含む。いくつかの態様では、第1の用量において投与される細胞の数は、細胞の投与後に、対象が毒性又は中毒性の結果、例えば、CRS、sCRS、及び/又はCRS-関連の結果を発症する可能性に基づいて決定される。例えば、対象において中毒性の結果の発生の可能性は、腫瘍の苦しみに基づいて予測される。いくつかの具体例では、方法は、用量の投与以前に中毒性の結果及び/又は疾患の苦しみを検出又は評価することを含む。
【0206】
いくつかの具体例では、第2の(又は他の引き続く)用量は、サイトカイン放出症候群(CRS)、マクロファージ活性化症候群、又は腫瘍崩壊症候群、また神経毒の発症に関する臨床リスクが存在しない、又は第1の投与後に低減された時点、例えば、臨界期(その後、このような事象が、一般的に、低減される及び/又は、例えば、特別な疾患又は状況をもつ対象の60、70、80、90、又は95%において発症の恐れが低い)後に投与される。
【0207】
用量のタイミング
いくつかの態様では、第2の又は引き続く用量のタイミングは、第1の用量の開始から引き続く用量の開始までとして測定される。他の具体例では、引き続く用量のタイミングは、第1の用量の完了から、又は第1の用量の投与の中日から測定され、例えば、ここに記載する分割用量では、用量は、1日以上、例えば、2日以上、又は3日以上を超えて投与される。
【0208】
いくつかの具体例では、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の引き続く用量が、第1の用量の投与とは異なるがどうかは、第1の用量の本発明のタンパク質、細胞、又は核酸に対する対象における免疫応答又は検知可能な免疫応答の存在又は度合いに基づいて決定される。いくつかの態様では、第1の用量の細胞とは異なるレセプターを発現する細胞を含有する引き続く用量は、検知可能な宿主適応免疫応答、又は定着した、又は特定のレベル、ステージ、又は度合いに達した免疫応答をもつ対象に投与されるであろう。
【0209】
いくつかの具体例では、第2の(又は他の引き続く)用量は、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の第2の投与が、宿主の免疫システムによって除去されそうな、又は除去されることが予測される時点で投与される。免疫応答を発生する可能性は、ここに記載するように、第1の用量の投与後の対象におけるレセプター特異性免疫応答を測定することによって決定される。
【0210】
例えば、いくつかの具体例では、第1の(又は他の先の)用量の後で、第2の(又は他の引き続く)用量の前に、対象をテストして、対象において、第1の用量後に、免疫応答が検知可能であるかどうかを決定できる。いくつかのこのような具体例では、第1の用量に対する免疫応答の検出は、第2の用量を投与する必要性を誘発する。
【0211】
いくつかの態様では、対象からのサンプルをテストして、第1の又は先の用量後の対象において、所望の暴露の減退があるか、又は所望の暴露よりも低い、例えば、ここに記載するように、細胞の特定の数又は濃度よりも少ないかどうかを決定できる。いくつかの態様では、細胞に対する対象の暴露における減退の検出は、第2の用量を投与する必要性を誘発する。
【0212】
いくつかの具体例では、引き続く用量は、疾患又は対象の状態が、第1の又は先の用量に応答して、疾患の苦しみの減少後にぶり返さない時点で投与される。いくつかの具体例では、疾患の苦しみの減少は、1以上のファクター、例えば、対象又はその体液、臓器、又は組織における疾患細胞の負荷又は数、腫瘍の質量又は容積、又は転移の度合い又は範囲における減少によって示される。このようなファクターは、初期の治療又は投与に応答するファクターの減少後、その後に、ファクターが増大する場合に、ぶり返したと思われる。
【0213】
いくつかの具体例では、第2の用量は、疾患が再発した時点で投与される。いくつかの具体例では、再発は、1又は1以上のファクター、又は一般的には、疾患の苦しみにある。いくつかの態様では、引き続く用量は、対象、疾患の苦しみ、又はそのファクターが、第1の又は先の投与後に測定された又は到達した最低のポイントと比べて、ぶり返したが、第1の用量の直前の時点と比べて、なお低い時点で投与される。いくつかの具体例では、疾患の苦しみ又はそれを示すファクターが変化しなかった時点、例えば、疾患の苦しみの増大が防止されている時点で、引き続く用量が対象に投与される。
【0214】
いくつかの具体例では、宿主適応免疫応答が検知される、定着した、又は特定のレベル、度合い、又はステージに達した時点で、引き続く用量が対象に投与される。いくつかの態様では、引き続く用量は、対象における記憶免疫応答の発生後に投与される。
【0215】
いくつかの態様では、第1の用量の投与と、引き続く用量の投与との間の期間は、約28~約35日、約29~約35日、又は約35日以上である。いくつかの具体例では、第2の用量の投与は、第1の用量の投与後、約28日以上の時点である。いくつかの態様では、第1と引き続く投与との間の期間は約28日である。
【0216】
いくつかの具体例では、追加の用量、例えば、引き続く用量は、第2の用量の投与後に投与される。いくつかの態様では、追加の用量は、先の用量の投与後、少なくとも約28日に投与される。いくつかの具体例では、先の投与後、約28日以前では投与されない。
【0217】
いくつかの具体例、例えば、1以上の用量が、連続して、対象に投与される具体例では、連続する投与は、約7日、約14日、約15日、約21日、約27日、又は約28日置きである。いくつかの態様では、連続する用量は、先の投与後、21日で投与される。いくつかの具体例では、連続する用量は、先の用量の投与後、14日~28日の間に投与される。
【0218】
具体例のいずれかでは、いくつかのケースにおける方法は、第1の又は先の用量及び引き続く用量の投与を含み、及び他のケースでは、既に第1の又は先の用量の投与を受けている対象への引き続く用量の投与を含むが、第1の又は先の用量の投与自体を含まない。このように、いくつかのケースにおける方法は、例えば、既に、本発明のタンパク質、細胞、又は核酸の用量が投与されている対象に、強化療法用の引き続く用量を投与することによる強化療法剤の投与を含む。
【0219】
いくつかの具体例では、疾患の苦しみ、腫瘍サイズ、腫瘍容積、腫瘍質量、及び/又は腫瘍の負荷又は嵩は、第1の又は引き続く用量、又は第2の又は引き続く用量の投与直前と比べて、引き続く用量の投与後では、少なくとも又は約50、60、70、80、90%又はそれ以上低減される。
【0220】
本発明のタンパク質を含んでなる細胞の生産
当業者であれば、タンパク質を発現する形質導入された細胞の生産において、核酸、例えば、本発明の核酸が使用される好適な方法を知っているであろう。このような方法は、本発明のタンパク質を発現する本発明の細胞の生産に使用される。
【0221】
本発明の第5の態様では、本発明の第2の態様の細胞が、細胞に本発明の第3の態様の核酸分子を提供することを含んでなる方法によって生産される。これは、本発明の第1の態様によるターゲット結合性融合タンパク質を生産するために、細胞によって核酸分子が発現される条件下で行われる。
【0222】
好適には、細胞は、白血球、例えば、T細胞である。CAR-T細胞の生産において一般的な方法は、本発明の第6の態様の方法において利用される。好適な方法は、次の工程のいくつか又はすべてを含むことができる:T細胞の選択;T細胞の活性化;活性化T細胞への核酸の提供;T細胞の数の増大;及び本発明の第4の態様による医薬組成物への配合。ついで、このような組成物は、治療を必要とする対象に提供されるまで、例えば、凍結保存によって保存される。
【0223】
単に例として、本発明の細胞の生産において使用される好適なプロトコルについては、以下の実施例において、さらに記載する。
【0224】
本発明のタンパク質を発現する細胞の生産法は、当業者には明白であろう。限定するものではないが、これらの方法には、ウイルス又はナノ粒子のような手段によって、本発明の核酸が細胞に導入される方法が含まれる。
【実施例1】
【0225】
下記においてさらに吟味するように、模範的なCARsを参照して、本発明のタンパク質を調査した。
【0226】
1.1 CAR-含有ウイルス力価の最適化
アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質をコードする核酸配列の形質導入効率を、tCD34のフローサイトメトリー検出法によって評価した。
図1に見られるように、PBMC(ヒトT細胞又はJurkat細胞株の細胞)の形質導入効率における有意の差は認められなかった。この図では、パネルAは、代表的はフローサイトメトリー染色法を示し、パネルBは、多様なT細胞ドナーの導入効率の概要を示す。
【0227】
1.2 アルギナーゼタイプI及びアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質は、形質導入ヒトT細胞及びJurkat細胞においてアルギナーゼ活性を保持する
図2に示す結果は、形質導入された細胞によって発現される、本発明のターゲット結合性融合タンパク質中に存在するアルギナーゼドメインが、それらのアルギナーゼ作用を実行する能力を示す。アルギナーゼタイプI又はアルギナーゼタイプIIドメインによる、アルギニンのオルニチン及び尿素への異化を評価し、酵素ドメインを持たないコントロールコンストラクトと比較した。アルギナーゼタイプI及びアルギナーゼタイプIIドメインの両方を含んでなる本発明のタンパク質は、コントロールと比べて、細胞アルギナーゼ活性における有意の増大を提供したことが認められる。
【0228】
1.3 本発明のタンパク質は、インビトロで、形質導入細胞の殺細胞活性を有意に増強する
図3は、i)標準培養条件、ii)アルギニンフリーの条件、iii)アルギニンを補足した条件下で、コントロール(GD2のみ)に対して評価した、神経芽細胞腫細胞株についてのアルギナーゼタイプIドメインを含んでなる本発明のターゲット結合性融合タンパク質(GD2-ARG1)、又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のターゲット結合性融合タンパク質(GD2-ARG2)を発現する本発明のT細胞による特異的な細胞溶解を示す。
アルギナーゼタイプIドメインを含んでなる本発明の細胞は、アルギニンフリーの条件及びアルギニンを補足した条件下で、増大された殺細胞活性(コントロールと比べて)を示し、標準培養条件下では、同等の殺細胞活性を示したことが認められる。これらの細胞は、腫瘍微小環境を代表するアルギニンフリーの条件下でテストしたものの中で最高の殺細胞活性を有していた。
アルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明の細胞は、テストしたすべての条件下で増大された殺細胞活性(コントロールと比べて)を示した。調査した細胞の中でも、これらの本発明の細胞は、血液において見られる条件を代表する標準条件及びアルギニンを補足した条件下において、最高の殺細胞活性を有していた。
【0229】
1.4 各種のアルギニン培養条件下における本発明の細胞の増殖
図4は、アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなるターゲット結合性融合タンパク質を含んでなる本発明のT細胞が、標準(R10%)、アルギニンフリー(ARG-)、及びアルギニン補足(ARG+)の条件下で、コントロール(GD2のみ)と比べて、増大された増殖を示したことを表す。増殖の増大(アルギナーゼタイプIドメインを含んでなる細胞及びアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる細胞の両方について)は、アルギニン補足条件下で最も顕著であり、これは、本発明の細胞が血液中で増殖でき、治療上有効な細胞(血液中、又は身体の他の組織中に存在するターゲットに対して、それらの殺細胞活性を発揮する)のリザーバーを提供できることを表している。
【実施例2】
【0230】
上記実施例1において報告した結果を確認し、さらに詳しく述べるために、更なる研究を行った。これらの結果を
図5~
図10に示す。
【0231】
図5に示す結果は、本発明のタンパク質に存在するアルギナーゼI及びI酵素が、形質導入したJurkat T細胞において活性を示すとの知見を裏付ける。
【0232】
パネルAは、酵素ドメイン無し、アルギナーゼタイプIドメイン(ARG1)又はアルギナーゼタイプIIドメイン(ARG2)を含んでなり、フローサイトメトリー法を使用してtCD34の発現を測定することによって評価されるように、高純度に分類される(パネルB)本発明のタンパク質の、Jurkat T細胞株への形質導入の結果を示す。パネルCは、本発明のタンパク質が、形質導入後の細胞において経時的に安定であることを示す。示された結果は、コントロールCAR(抗-GD2のみ、酵素ドメインを含有しない)及び抗-GD2ターゲット結合性部分及びアルギナーゼタイプIドメインを含んでなる本発明のタンパク質(抗-GD2 ARG1)の両方が、インビトロで、培養20日にわたって、形質導入された細胞内で検知されたことを証明する。パネルDは、形質導入された細胞において発現された本発明のタンパク質におけるアルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインの発現を示す。パネルEは、本発明のタンパク質のアルギナーゼドメインの、形質導入された細胞において、それらの機能を実行する(すなわち、アルギニンを異化する)能力を示す。本発明のタンパク質のアルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインによるアルギニンのオルニチン及び尿素への異化を評価し、コントロールコンストラクト-Jurkat mock単独又は酵素ドメインを持たない抗-GD2 CAR(「酵素無し」)と比較した。本発明のタンパク質を発現するように形質導入された細胞(「ARG1」又は「ARG2」)におけるアルギナーゼ活性は、コントロール(CARを受け取らない「Jurkat mock」、又は抗-GD2 CARを発現するように形質導入された「酵素無し」)によって示されたもの比べて有意に増大されたことが認められる。
【0233】
図6に示す結果は、本発明のタンパク質におけるアルギナーゼタイプI及びIIドメインが、ヒトT細胞において活性を発揮することを示している。
【0234】
図6に示された結果は、実施例1の一部として行われた研究において発生された結果を確認し、さらに詳しく述べる。パネルAは、本発明のタンパク質が、ドナーからのヒトT細胞に形質導入されることを示す(パネルは、代表的なフローサイトメトリー染色法を示し、
図1Aに提示された情報を再現する)。パネルBは、多数のT細胞ドナーにわたる形質導入効率の概要であり、
図1Bに示した同じ動向を示す。パネルCは、形質導入されたヒトT細胞が、高純度に分類されることを示している。パネルDは、形質導入された細胞によって発現された本発明のタンパク質におけるアルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインの発現を示す。パネルEは、本発明のタンパク質のアルギナーゼドメインの、形質導入された細胞において、アルギニンを機能的に異化する能力を示す。アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明の抗-GD2ターゲット結合性タンパク質によるアルギニンのオルニチン及び尿素への異化は評価され、酵素ドメインを持たないコントロールコンストラクト(「酵素無し」-アルギナーゼドメインを含まない抗-GD2 CAR)と比較される。
【0235】
図7に提示する結果は、本発明のタンパク質におけるアルギナーゼI及びII酵素ドメインが、低アルギニン及び腫瘍条件において、T細胞の増殖を増進し、T細胞の枯渇に不利な影響を及ぼさないことを示している。
【0236】
図7は、
図4に示された結果を確認し、さらに詳しく述べる研究の結果を示す。
図7のパネルAは、アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質のT細胞への形質導入が、コントロールと比較してフローサイトメトリーによって評価するように、枯渇マーカーLAG3、PD-1、TIM3、又はTIGITの発現を増大させないことを示している。アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメイン(「ARG-I」又は「ARG-II」)を含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞は、低アルギニン培養条件(パネルB及びC)下、又は腫瘍条件培地(「TCM」-パネルD及びE)において生育する際、コントロール(mock又はGD2酵素無しのみ)と比べて、増進された増殖を示した。これらの結果は、本発明のタンパク質を発現する細胞が、治療剤としての使用に良好に適合するとの知見を補強する。
図7Aに示された、高められ枯渇マーカー発現の欠乏は、これらの細胞が、それらのターゲットタンパク質を発現する細胞に対する活発かつ持続する応答を発生できることを示している。細胞の、低減されたアルギン条件下又は腫瘍条件培地において増殖する能力は、それらが、免疫抑制腫瘍微小環境に関連する条件を克服することに良好に適合すること(さもなければ、固体腫瘍の治療における従来技術のCAR T細胞の使用に関連する乏しい臨床成績に寄与する)を示す。
【0237】
図8に提示する結果は、アルギナーゼI及びI酵素ドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現する細胞が、ターゲットの腫瘍細胞に対する抗原特異的細胞毒性を増進させたことを示している。
【0238】
図8のパネルA及びBは、アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明の模範的なターゲット結合性融合タンパク質を発現するT細胞(「GD2-ARGI」又は「GD2-ARGII」)の特異的な細胞溶解を示す。細胞溶解は、神経芽細胞腫細胞株LAN-1について実証され、フローサイトメトリーによって評価されるように、コントロール(mock又はGD2のみ)に対して評価される。認められるように、アルギナーゼタイプIドメインを含んでなる本発明のタンパク質及びアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質の両方が、形質導入されたmock又は「酵素無し(アルギナーゼドメインを持たない抗-GD2 CAR)」)コントロールと比べて、神経芽細胞腫ターゲット細胞の致死を有意に増大させることが実証された。パネルCは、本発明のタンパク質を発現する細胞の増進された細胞毒性が、4つの異なるドナーに由来するT細胞において実証されることを示している。パネルDは、形質導入された細胞が、それらの抗原特異的致死を保持し(GD2+腫瘍及びGD2-腫瘍に対するそれらの致死レベルによって示される)、アルギナーゼドメインを持たない抗-GD2 CARを発現するT細胞(「酵素無し」コントロール)よりも大きい殺細胞活性を有することを確認するものである。
【0239】
図9に提示された結果は、本発明のタンパク質におけるアルギナーゼ酵素ドメインの存在が、変更された細胞内代謝プロフィールにつながることを示す。
【0240】
アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現するように形質導入されたJurkat T細胞を代謝追跡に供した。CAR-Jurkatを、透析除去処理済みFBS(10%)、10mMグルコース、2mM L-グルタミン、200μM L-リジン、100μM L-シトルリン、250μM L-アルギニン(又はU-13C L-アルギニン)及び250μuM L-オルニチン(又はU-13C L-オルニチン)を補足したフェノールフリーSILAC RPMI 1640 Flex培地において、48時間培養した。GC-MS分析を行い、細胞内を、サンプルのタンパク質含量に対して正規化した。細胞内代謝の変化は、アルギナーゼ酵素ドメインを持つ本発明のタンパク質を発現するように形質導入された細胞と、コントロール細胞との間で同定した。
【0241】
図10に提示された結果は、本発明のタンパク質におけるアルギナーゼ酵素ドメインの存在が、変更されたミトコンドリア呼吸につながることを示す。
【0242】
アルギナーゼタイプIドメイン又はアルギナーゼタイプIIドメインを含んでなる本発明のタンパク質を発現するように形質導入されたJurkat T細胞を、Seahorse XFミットストレステストに供した。電子伝達系の異なるステップを行うため、オリゴマイシン(2μM)、BAM15(3μM)、及びロテノン及びアンチマイシンA(ともに2μM)を、それぞれ、24分、44分、及び64分の時点で注入した。アッセイの過程にわたって、酸素消費速度(OCR、パネルA)、細胞外酸性化速度(ECAR、パネルB)、及びプロトン流出速度(PER、パネルC)を測定した。
【0243】
いかなる仮説にも縛られることを望むことなく、発明者らは、
図9及び10において証明された細胞内代謝及びミトコンドリア呼吸における変化が、本発明のタンパク質を発現する細胞に治療上の利点を付与する変更された生物学的活性(増大した増殖及び殺細胞活性を含む)に寄与すると確信する。
【0244】
本発明の細胞の生産のプロトコル
本発明の細胞は、レトロウイルス形質導入アプローチによって、及びレンチウイルス形質導入アプローチによって、良好に生産される。本発明の細胞のレトロウイルス生産用の模範的なプロトコルの詳細を下記に示す。
【0245】
ヒトT細胞のレトロウイルス形質導入
本発明の核酸での遺伝子導入による、本発明の細胞の生産プロトコルを下記に提供する。
【0246】
Day-2:解凍Phoenix Ampho細胞
午後遅く、Phoenix Ampho細胞(ヒト細胞の形質導入用のレトロウイルスパッケージング細胞株)を、-80℃から取り出し、培地に置いた。Phoenix Ampho細胞を、10%FCS、1%L-glutを含むDMEM(抗生物質無し)において生育した。Phoenix Ampho細胞は、決して集密度に達してはならない。代表的には、Phoenix Ampho細胞2~3×106個を、各T 150フラスコにおいて、培地30mlに入れる。第0日に、Phoenix Ampho細胞約30~40×106個を得る
【0247】
Day 1:Phoenix Ampho細胞のセットアップ
TryLEを使用してPhoenix Ampho細胞をトリプシン処理し、Phoenix Ampho細胞を、10%FCS及び1%L-グルタミンを含む(抗生物質無し)DMEM30ml中に入れた(T 150フラスコについての容量、適宜のスケール)に8×106個/フラスコで入れた。細胞を一夜インキュベートする(37℃/5%CO2)。
【0248】
Day 2:Phoenix Ampho細胞の形質導入
Phoenix Ampho細胞は、形質導入当日、50~80%のコンフルエントでなければならない。ついで、細胞を下記の訪方法によって形質導入する(T 150フラスコについて;異なるフラスコを使用する場合には、適宜のスケール)。
【0249】
1. Phoenix細胞の各T 150フラスコについて、プラスミドDNA(すなわち、CARプラスミド)12μg+pCl amphoプラスミド12μgを入れ、ピペットにて穏やかに撹拌しながら、OptiMEM(Gibco)にて1800μlとする。他の15mlファルコンに、OptiMEM 1680μlを加え、Fugeneがチューブの側部に固着するよりも、直接、OptiMEMに到達するようにして、Fugene 6形質導入試薬(市販)120μlを添加し;ピペットにて穏やかに混合する。ついで、プラスミドDNAを収容するチューブにOptiMEM/fugeneミックス1800μlを添加し、ピペットにて穏やかに撹拌する。室温において、約45分間インキュベートする。これにより、fugeneがDNA(DNAが、負の電荷を持つPhoenix Ampho細胞膜を横切って移動されるように電荷中性である)と錯体を形成することが可能になる。
2. Phoenix Ampho細胞上の培地を、非常に穏やかに、10%FCS及びグルタミンを含む新鮮なDMEM9mlに交換し、ついで、直ちに、細胞上にDNA/fugene錯体又はOptiMEM(mockコントロール用)を置く。プレートの南北及び東西の運動によって穏やかに混合する。
3. 細胞を24時間インキュベートする(37℃/5%CO2)。
【0250】
Day 2:T細胞の活性化
T細胞は、活性化後、最初の48時間、拡大しないため、代表的には、形質導入を実施するに必要な量(又は細胞死の場合には多めに)のT細胞を活性化する。
【0251】
抗-CD3/CD28抗体を使用する方法
1. 新鮮な白血球コーンをLymphoprepにて分離する。
2. 細胞を計数し、T細胞培地(1%ヒト血清、10%FCS、P/S、L-glut RPMI)において、1×106/mlで培養する。代表的には、T 150フラスコ当たり200 ml。
3. IL-2を300U/mlで添加し、OKT3(抗-CD3)を30ng/mlで添加し、抗-CD28 mABを30ng/mlで添加する(#MAB342-SP, R&D)。
4. 37℃/5%CO2において48時間インキュベートする。
【0252】
抗-CD3/CD28微生物用磁気ビーズ(Dynabeads)を使用する方法
1. 新鮮な白血球コーンをLymphoprepにて分離する。細胞を計数し、PBMCの50%がCD3+ T細胞であるとみなす。
2. 細胞を、15ml falconにおいて、5%ヒト血清、PBS1ml当たりCD3+ T細胞10×106で懸濁する。
3. CD3+ T細胞当たり2のDynabeads(登録商標)ヒトT-アクチベーターCD3/CD28を添加する:ビーズのバイアルを30秒間ボルテックスする。必要は容積のビーズを取り出し、15ml falconに入れる。殺菌PBS1mlを添加し、ピペットにて良好に混合する。falconをdynabead磁石の上に置く-dynabeadsはfalconの縁に付着する。ビーズを乱すことなく、注意して、上澄みを取り出す。Falconを磁石から取り外し、洗浄工程を繰り返す。少容積のPBS中で、T細胞にdynabeadsを添加する。
4. タンブラーにおいて、T細胞を、室温で、少なくとも1時間インキュベートする。この工程の間に、T細胞はdynabeadsと結合して、CD3+ T細胞の選別及び活性化が同時に可能になる。
5. 細胞をdynabead磁石の上に置き、非結合細胞を取り出す。細胞を計数し、IL-2 300U/mlを含むT細胞培地(1%ヒト血清、10%FCS、P/S、L-glut RPMI)において、1×106/mlで培養する。
6. 37℃/5%CO2において48時間インキュベートする。
Phoenix Ampho細胞上の培地を、穏やかに、DMEM+10%FCS+2mM L-グルタミン(抗生物質無し)の新鮮な21ml/フラスコ(フラスコ当たりの容積、適宜のスケール)に交換する。細胞をさらに24時間インキュベートする。
【0253】
Day 3:Phoenix Ampho培地を交換する
細胞/上澄み液を取り扱う際、Phoenix ampho細胞は、プラスミドDNAを含有するレトロウイルスを生産しつつある。オートクレーブバッグをTCフードの内部に置き、その中に、レトロウイルス(細胞/上澄み液)にて汚染したいずれかのプラスチックを置く。終了後、オートクレーブバッグを密封し、オートクレーブ内に置く。いずれかの液体廃液を廃液ポットに入れ、密封する。レトロウイルス汚染廃液を取り出し、ASAPを洗浄する。
穏やかに、Phoenix Ampho細胞上の培地を、DMEM+10%FCS+2mM L-グルタミン(抗生物質無し)21mg/フラスコ(T150フラスコについての容積、適宜のスケール)と交換する。さらに24時間、細胞をインキュベートする。
【0254】
Day 4:ヒトT細胞の形質導入
1. 6ウエルプレート(非組織培養-処理済み)の必要な数の各ウエルに、retronectin(#T100B-Takara、RetroNectin(登録商標)、組み換えヒトフィブロネクチンフラグメント)2ml(30μg/ml)を添加し、室温において、3時間インキュベートする(前日に設定され、冷蔵庫で一夜被覆されてもよい)。実験には、mock-形質導入されたコントロール用ウエルを含むことを記憶する。培養プレートをretronectinにおいて被覆して、T細胞及びウイルス粒子を同時に局在化し、細胞の効果的な形質導入を可能にする。
2. retronectinを除去し(尽きるまで、再利用される)、ウエルを、ウエル当たり殺菌PBS/2%BSA2.5mlにてブロックする。ブロック溶液を除去し、ウエルを、殺菌PBS2.5mlにて2回洗浄する(ウイルスを添加する用意ができるまで最後のPBS洗浄液を維持する)。
3. いくつかのT細胞培地を予め温める。
4. 空のバケットを3160 rpm/2000 g、60分間、32℃でスピンさせることによるスピンフェクション用の遠心分離機を予め温める。これは、スピンフェクションの準備ができた時点で中断する。
5. Phoenix Ampho細胞からレトロウイルス含有培地の上澄みを収集し、遠沈する(1500 rpm、5分間)。レトロウイルス上澄み液を新鮮なチューブに移す。0.45μmフィルターを使用して、レトロウイルスを濾過して、汚染するPhoenix ampho細胞を除去するが、これはレトロウイルス力価を低減させない。必要であれば、ウイルスを、ドライアイス/エタノールスラリー上で瞬間凍結し、-80℃で貯蔵できるが、力価は解凍ごとに半減する。
6. スピンフェクション:ウイルス上澄み液2ml/ウエルを、retronectin被覆ウエルに添加し、3160 rpm/2000 g、2時間、32℃でスピンする。
7. このスピンの終了後45分で、形質導入される予定のT細胞を調製する。T細胞を収集し、計数する。T細胞培地+IL2(100U/ml)に、T細胞を1×106で再懸濁し、15~20分間、インキュベートして(37℃/5%CO2)、細胞を遠心分離から回収することを可能にする。
8. ウイルスのスピニングが終了した時、上澄み液を除去し、ウエルをPBS(2.5ml/ウエル)にて1回洗浄する。
9. ウイルス/retronectin被覆プレートからPBSを除去し、形質導入される予定のT細胞(2ml/ウエル)を添加する。北:南及び東:西をロックすることによって、細胞を、確実に、プレート上に均一に分散させる。プレートを、1300 rpmで5分間スピンする。
10. プレートをインキュベーター(37℃/5%CO2)内に置く。
【0255】
Day 5:形質導入されたT細胞を供給する
T細胞の各ウエルに、さらに、T細胞培地+IL2(100 IU/ml)6mlを添加し、インキュベーターに戻す(37℃/5%CO2)。
【0256】
CAR形質導入効率を測定する
細胞を形質導入して本発明の細胞を生産する方法の効率は、下記の手続きを使用して測定される。
CAR T細胞の形質導入効率は、スピンフェクション後4日で測定される。Mock及びCAR T細胞ウエルからサンプルを取り出し、下記のようにして染色する。
1. FACs緩衝液(10%FCS、PBS)にて1回洗浄する。
2. FACs緩衝液50μl中、CD34-APC(1μl/サンプル)、CD4-FITC(2μl/サンプル)、及びCD8-PE(1μl/サンプル)にて染色する。
3. 氷上で20分間インキュベートする。
4. FACS緩衝液にて1回洗浄する。
5. 細胞をFACs緩衝液200μ1中に再懸濁し、フローサイトメトリー(LSRII)によって分析する。
【0257】
CD34磁気活性化細胞選別によって、本発明の細胞(例えば、CAR T細胞)を選別する
CAR-形質導入された細胞(例えば、T細胞)を下記のようにして選別する:
1. T細胞を1500 rpmで、5分間遠沈し、上澄み液を捨てる。
2. 細胞を、冷たいMACS緩衝液10ml中に再懸濁し、1500 rpmで5分間遠心し、上澄み液を捨てる。
3. 細胞を、冷たいMACS緩衝液300μl中に再懸濁し、FcRブロッキング剤100μl及びCD34マイクロビーズ(Miltenyi Biotech 130-046-702)100μlを添加する。これらの量は、細胞108以下に適する。もし、それより多ければ、応じて、スケールアップする。
4. 良好に混合し、冷蔵庫(2~8℃)において、30分間、インキュベートする。
5. 冷たいMACS緩衝液50ml中で洗浄し、1500 rpmで5分間遠心し、上澄み液を捨てる。
6. 冷たいMACS緩衝液500μl中に、細胞を再懸濁し、細胞懸濁液を、冷たいMACS緩衝液500μlにて予備洗浄したMSカラムに装填する。
7. 細胞を重力落下させ、カラムを、冷たいMACS緩衝液500μlにて3回洗浄する。
8. 磁石からカラムを外し、冷たいMACS緩衝液1mlにてフラッシュし、殺菌チューブにおいて細胞を収集する。
9. 選別したCAR T細胞を遠心分離し、既定のT細胞培地(1%ヒト血清、10%FBS、P/S、L-glut、100 U/ml IL-2、RPMI 1640)に、1×106CAR T細胞/mlの濃度で再懸濁する。
10. 翌日、CD34表面抗体染色によってCAR T細胞の純度をチェックする。
【0258】
本発明の細胞のアルギナーゼ活性を測定するプロトコル
【0259】
【0260】
【0261】
配列情報
配列番号1
MSAKSRTIGIIGAPFSKGQPRGGVEEGPTVLRKAGLLEKLKEQECDVKDYGDLPFADIPNDSPFQIVKNPRSVGKASEQLAGKVAEVKKNGRISLVLGGDHSLAIGSISGHARVHPDLGVIWVDAHTDINTPLTTTSGNLHGQPVSFLLKELKGKIPDVPGFSWVTPCISAKDIVYIGLRDVDPGEHYILKTLGIKYFSMTEVDRLGIGKVMEETLSYLLGRKKRPIHLSFDVDGLDPSFTPATGTPVVGGLTYREGLYITEEIYKTGLLSGLDIMEVNPSLGKTPEEVTRTVNTAVAITLACFGLAREGNHKPIDYLNPPK
【0262】
配列番号2
ATGAGCGCCAAGTCCAGAACCATAGGGATTATTGGAGCTCCTTTCTCAAAGGGACAGCCACGAGGAGGGGTGGAAGAAGGCCCTACAGTATTGAGAAAGGCTGGTCTGCTTGAGAAACTTAAAGAACAAGAGTGTGATGTGAAGGATTATGGGGACCTGCCCTTTGCTGACATCCCTAATGACAGTCCCTTTCAAATTGTGAAGAATCCAAGGTCTGTGGGAAAAGCAAGCGAGCAGCTGGCTGGCAAGGTGGCAGAAGTCAAGAAGAACGGAAGAATCAGCCTGGTGCTGGGCGGAGACCACAGTTTGGCAATTGGAAGCATCTCTGGCCATGCCAGGGTCCACCCTGATCTTGGAGTCATCTGGGTGGATGCTCACACTGATATCAACACTCCACTGACAACCACAAGTGGAAACTTGCATGGACAACCTGTATCTTTCCTCCTGAAGGAACTAAAAGGAAAGATTCCCGATGTGCCAGGATTCTCCTGGGTGACTCCCTGTATATCTGCCAAGGATATTGTGTATATTGGCTTGAGA
GACGTGGACCCTGGGGAACACTACATTTTGAAAACTCTAGGCATTAAATACTTTTCAATGACTGAAGTGGACAGACTAGGAATTGGCAAGGTGATGGAAGAAACACTCAGCTATCTACTAGGAAGAAAGAAAAGGCCAATTCATCTAAGTTTTGATGTTGACGGACTGGACCCATCTTTCACACCAGCTACTGGCACACCAGTCGTGGGAGGTCTGACATACAGAGAAGGTCTCTACATCACAGAAGAAATCTACAAAACAGGGCTACTCTCAGGATTAGATATAATGGAAGTGAACCCATCCCTGGGGAAGACACCAGAAGAAGTAACTCGAACAGTGAACACAGCAGTTGCAATAACCTTGGCTTGTTTCGGACTTGCTCGGGAGGGTAATCACAAGCCTATTGACTACCTTAACCCACCTAAG
【0263】
配列番号3
MSLRGSLSRLLQTRVHSILKKSVHSVAVIGAPFSQGQKRKGVEHGPAAIREAGLMKRLSSLGCHLKDFGDLSFTPVPKDDLYNNLIVNPRSVGLANQELAEVVSRAVSDGYSCVTLGGDHSLAIGTISGHARHCPDLCVVWVDAHADINTPLTTSSGNLHGQPVSFLLRELQDKVPQLPGFSWIKPCISSASIVYIGLRDVDPPEHFILKNYDIQYFSMRDIDRLGIQKVMERTFDLLIGKRQRPIHLSFDIDAFDPTLAPATGTPVVGGLTYREGMYIAEEIHNTGLLSALDLVEVNPQLATSEEEAKTTANLAVDVIASSFGQTREGGHIVYDQLPTPSSPDESENQARVRI
【0264】
配列番号4
ATGTCTTTAAGAGGCTCTTTATCTCGTCTGCTGCAGACTCGTGTGCACAGCATTTTAAAAAAGAGCGTGCACAGCGTGGCCGTCATTGGAGCCCCCTTCAGCCAAGGCCAGAAGAGAAAGGGCGTCGAACACGGACCCGCCGCCATCAGAGAAGCTGGTTTAATGAAGAGACTGAGCTCTTTAGGCTGCCATTTAAAAGACTTCGGAGATTTGTCTTTTACCCCCGTCCCCAAGGACGATTTATACAATAATTTAATCGTGAACCCCAGATCCGTGGGACTGGCTAACCAAGAACTGGCCGAGGTCGTGAGCAGAGCCGTGTCCGACGGCTACTCTTGTGTGACTTTAGGCGGCGATCACTCTTTAGCCATTGGCACAATCTCCGGACACGCTAGGCACTGCCCCGATTTATGCGTGGTGTGGGTGGACGCTCACGCCGACATCAATACCCCTCTGACCACCAGCAGCGGCAATTTACACGGACAGCCCGTCAGCTTTTTACTGAGGGAGCTGCAAGATAAGGTGCCTCAGCTGCCCGGCTTCAGCTGGATCAAGCCTTGTATCAGCAGCGCTTCCATCGTGTACATTGGTTTAAGAGACGTGGACCCTCCCGAACACTTCATCCTCAAGAACTACGACATTCAGTACTTCAGCATGAGGGATATCGATCGTCTCGGAATCCAGAAGGTGATGGAAAGGACCTTCGATTTACTCATCGGAAAGAGGCAGAGGCCTATCCATTTATCCTTCGACATCGACGCCTTCGATCCTACACTGGCCCCCGCTACTGGTACACCCGTTGTGGGCGGTTTAACCTATAGGGAGGGCATGTACATCGCCGAAGAGATCCACAACACCGGTTTACTGAGCGCTCTGGATTTAGTGGAGGTGAATCCTCAGCTGGCCACCTCCGAGGAGGAGGCCAAAACCACCGCCAATCTGGCCGTGGACGTGATCGCCAGCTCCTTCGGCCAGACCAGAGAGGGCGGCCACATTGTGTACGACCAGCTGCCCACACCCAGCTCCCCCGATGAGTCCGAAAACCAAGCTCGTGTCAGAATCTGATAATAAcccaagctt
【0265】
配列番号5
模範的なGD2ターゲット結合性部分のアミノ酸配列
DILLTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIHKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPGSGGGGSGGEVKLQQSGPSLVEPGASVMISCKASGSSFTGYNMNWVRQNIGKSLEWIGAIDPYYGGTSYNQKFKGRATLTVDKSSSTAYMHLKSLTSEDSAVYYCVSGMEYWGQGTSVTVSSAKTTPPSVYGRVTVSS
【0266】
配列番号6
模範的なCD33ターゲット結合性部分のアミノ酸配列
GSNIMLTQSPSSLAVSAGEKVTMSCKSSQSVFFSSSQKNYLAWYQQIPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQSEDLAIYYCHQYLSSRTFGGGTKLEIKRGGGGSGGGGSSGGGSQVQLQQPGAEVVKPGASVKMSCKASGYTFTSYYIHWIKQTPGQGLEWVGVIYPGNDDISYNQKFKGKATLTADKSSTTAYMQLSSLTSEDSAVYYCAREVRLRYFDVWGAGTTVTVSS
【0267】
配列番号7
模範的なメソテリンターゲット結合性部分のアミノ酸配列
MQVQLQQSGPELEKPGASVKISCKASGYSFTGYTMNWVKQSHGKSLEWIGLITPYNGASSYNQKFRGKATLTVDKSSSTAYMDLLSLTSEDSAVYFCARGGYDGRGFDYWGQGTTVTVSSGVGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSSVSYMHWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPGRFSGSGSGNSYSLTISSVEAEDDATYYCQQWSGYPLTFGAGTKLEIK
【0268】
配列番号8
模範的なEGFRVIIIターゲット結合性部分のアミノ酸配列
QVQLQQSGGGLVKPGASLKLSCVTSGFTFRKFGMSWVRQTSDKRLEWVASISTGGYNTYYSDNVKGRFTISRENAKNTLYLQMSSLKSEDTALYYCTRGYSSTSYAMDYWGQGTTVTVSSSGGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPASLSVATGEKVTIRCMTSTDIDDDMNWYQQKPGEPPKFLISEGNTLRPGVPSRFSSSGTGTDFVFTIENTLSEDVGDY
【0269】
配列番号9
模範的な代わりのEGFRvIII結合性部分をコードするDNA(MR1抗体に由来のEGFRvIII scFv配列)
Atggactggatttggcgcatccttttccttgtcggcgctgctaccggcgcgcattctcaggtacaactccagcagtctgggggaggcttagtgaagcctggagcgtctctgaaactctcctgtgtaacctctggattcactttcagaaaatttggcatgtcttgggttcgccagactagtgacaagaggctggaatgggtcgcatccattagtactggcggttataacacgtactattcagacaatgtaaagggccgattcaccatctccagagagaatgccaagaacaccctgtacctgcaaatgagtagtctgaagtctgaggacacggccttgtattactgtacaagaggctattctagtacctcttatgctatggactactggggccaagggaccacggtcaccgtctcctcaagtggaggcggttcaggcggaggtggctctggcggtggcggatcggacatcgagctcactcagtctccagcatccctgtccgtggctacaggagaaaaagtcactatcagatgcatgaccagcactgatattgatgatgatatgaactggtaccagcagaagccaggggaaccccctaagttccttatttcagaaggcaatactcttcggccgggagtcccatcccgattttccagcagtggcactggcacagattttgtttttacaattgaaaacacactctcggaagatgttggagattactactgtttgcaaagctttaacgtgcctcttacattcggtgatggcaccaagcttgaaaaagctcta
【0270】
配列番号10
配列番号9によってコードされる代わりのEGFRvIII結合性部分
MDWIWRILFLVGAATGAHSQVQLQQSGGGLVKPGASLKLSCVTSGFTFRKFGMSWVRQTSDKRLEWVASISTGGYNTYYSDNVKGRFTISRENAKNTLYLQMSSLKSEDTALYYCTRGYSSTSYAMDYWGQGTTVTVSSSGGGSGGGGSGGGGSDIELTQSPASLSVATGEKVTIRCMTSTDIDDDMNWYQQKPGEPPKFLISEGNTLRPGVPSRFSSSGTGTDFVFTIENTLSEDVGDYYCLQSFNVPLTFGDGTKLEKAL
【0271】
配列番号11
模範的な4-1BB細胞内シグナリンク領域のアミノ酸配列
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
【0272】
配列番号12
模範的なOX-40細胞なシグナリング領域のアミノ酸配列
【0273】
配列番号13
膜貫通ドメインを有するも模範的なCD28細胞内シグナリンク領域のアミノ酸配列
IEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
【0274】
配列番号14
模範的な細胞内シグナリンク領域のアミノ酸配列
CWLTKKKYS SSVHDPNGEY MFMRAVNTAK KSRLTDVTL
(ICOSの細胞質部分、全長タンパク質の残基162~199を含んでなる。モチーフYMFM(全長タンパク質の残基180~183)は、特に適切であり、本発明のタンパク質における使用に好適なICOS細胞内シグナリンク領域内に保持されなければならない。)
【0275】
配列番号15
模範的なCD3ζシグナリング領域のアミノ酸配列
RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0276】
配列番号16
代わりのCD3z
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGCAGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCTAA
【0277】
配列番号17
アルギナーゼタイプIを包含する抗-GD2 CARのアミノ酸配列
MPRGWTALCLLSLLPSGFMSLDNNGTATPELPTQGTFSNVSTNVSYQETTTPSTLGSTSL
HPVSQHGNEATTNITETTVKFTSTSVITSVYGNTNSSVQSQTSVISTVFTTPANVSTPET
TLKPSLSPGNVSDLSTTSTSLATSPTKPYTSSSPILSDIKAEIKCSGIREVKLTQGICLE
QNKTSSCAEFKKDRGEGLARVLCGEEQADADAGAQVCSLLLAQSEVRPQCLLLVLANRTE
ISSKLQLMKKHQSDLKKLGILDFTEQDVASHQSYSQKTLIALVTSGALLAVLGITGYFLM
NRRSWSPTGERLELEPVDRVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGPGNMALPVTALLLPLALLLH
AARPDILLTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIHKV
SNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPPLTFGAGTKLELKRAD
AAPTVSIFPGSGGGGSGGEVKLQQSGPSLVEPGASVMISCKASGSSFTGYNMNWVRQNIG
KSLEWIGAIDPYYGGTSYNQKFKGRATLTVDKSSSTAYMHLKSLTSEDSAVYYCVSGMEY
WGQGTSVTVSSAKTTPPSVYGRVTVSSAEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKP
KDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLT
VLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTC
LVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSV
MHEALHNHYTQKSLSLSPGKKDPKTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVH
TRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDG
CSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEM
GGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALH
MQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMSAKSRTIGIIGAPFSKGQPRGGVEEGPTVLRKAGLLEKLKEQECDVKDYGDLPFADIPNDSPFQIVKNPRSVGKASEQLAGKVAEVKKNGRISLVLGGDHSLAIGSISGHARVHPDLGVIWVDAHTDINTPLTTTSGNLHGQPVSFLLKELKGKIPDVPGFSWVTPCISAKDIVYIGLRDVDPGEHYILKTLGIKYFSMTEVDRLGIGKVMEETLSYLLGRKKRPIHLSFDVDGLDPSFTPATGTPVVGGLTYREGLYITEEIYKTGLLSGLDIMEVNPSLGKTPEEVTRTVNTAVAITLACFGLAREGNHKPIDYLNPPK
【0278】
配列番号18
配列番号17のタンパク質をコードするDNA配列
ctcgagagctttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtatcagctcactcaaaggcggtaatacggttatccacagaatcaggggataacgcaggaaagaacatgtgagcaaaaggccagcaaaaggccaggaaccgtaaaaaggccgcgttgctggcgtttttccataggctccgcccccctgacgagcatcacaaaaatcgacgctcaagtcagaggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggaagctccctcgtgcgctctcctgttccgaccctgccgcttaccggatacctgtccgcctttctcccttcgggaagcgtggcgctttctcaatgctcacgctgtaggtatctcagttcggtgtaggtcgttcgctccaagctgggctgtgtgcacgaaccccccgttcagcccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggtaagacacgacttatcgccactggcagcagccactggtaacaggattagcagagcgaggtatgtaggcggtgctacagagttcttgaagtggtggcctaactacggctacactagaaggacagtatttggtatctgcgctctgctgaagccagttaccttcggaaaaagagttggtagctcttgatccggcaaacaaaccaccgctggtagcggtggtttttttgtttgcaagcagcagattacgcgcagaaaaaaaggatctcaagaagatcctttgatcttttctacggggtctgacgctcagtggaacgaaaactcacgttaagggattttggtcatgagattatcaaaaaggatcttcacctagatccttttaaattaaaaatgaagttttaaatcaatctaaagtatatatgagtaaacttggtctgacagttaccaatgcttaatcagtgaggcacctatctcagcgatctgtctatttcgttcatccatagttgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgcgagacccacgctcaccggctccagatttatcagcaataaaccagccagccggaagggccgagcgcagaagtggtcctgcaactttatccgcctccatccagtctattaattgttgccgggaagctagagtaagtagttcgccagttaatagtttgcgcaacgttgttgccattgctgctggcatcgtggtgtcacgctcgtcgtttggtatggcttcattcagctccggttcccaacgatcaaggcgagttacatgatcccccatgttgtgcaaaaaagcggttagctccttcggtcctccgatcgttgtcagaagtaagttggccgcagtgttatcactcatggttatggcagcactgcataattctcttactgtcatgccatccgtaagatgcttttctgtgactggtgagtactcaaccaagtcattctgagaatagtgtatgcggcgaccgagttgctcttgcccggcgtcaatacgggataataccgcgccacatagcagaactttaaaagtgctcatcattggaaaacgttcttcggggcgaaaactctcaaggatcttaccgctgttgagatccagttcgatgtaacccactcgtgcacccaactgatcttcagcatcttttactttcaccagcgtttctgggtgagcaaaaacaggaaggcaaaatgccgcaaaaaagggaataagggcgacacggaaatgttgaatactcatactcttcctttttcaatattattgaagcatttatcagggttattgtctcatgagcggatacatatttgaatgtatttagaaaaataaacaaataggggttccgcgcacatttccccgaaaagtgccacctgacgtctaagaaaccattattatcatgacattaacctataaaaataggcgtatcacgaggccctttcgtcttcaagctgcctcgcgcgtttcggtgatgacggtgaaaacctctgacacatgcagctcccggagacggtcacagcttgtctgtaagcggatgccgggagcagacaagcccgtcagggcgcgtcagcgggtgttggcgggtgtcggggcgcagccatgacccagtcacgtagcgatagttactatgcggcatcagagcagattgtactgagagtgcaccatatgcggtgtgaaataccgcacagatgcgtaaggagaaaataccgcatcaggcgccattcgccattcaggctgcgcaactgttgggaagggcgatcggtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgaattagtactctagcttaagtaacgccattttgcaaggcatggaaaatacataactgagaatagagaagttcagatcaaggttaggaacagagagacagcagaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagttggaacagcagaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagatggtccccagatgcggtcccgccctcagcagtttctagagaaccatcagatgtttccagggtgccccaaggacctgaaatgaccctgtgccttatttgaactaaccaatcagttcgcttctcgcttctgttcgcgcgcttctgctccccgagctcaataaaagagcccacaacccctcactcggcgcgccagtcctccgatagactgcgtcgcccgggtacccgtattcccaataaagcctcttgctgtttgcatccgaatcgtggactcgctgatccttgggagggtctcctcagattgattgactgcccacctcgggggtctttcatttggaggttccaccgagatttggagacccctgcccagggaccaccgacccccccgccgggaggtaagctggccagcggtcgtttcgtgtctgtctctgtctttgtgcgtgtttgtgccggcatctaatgtttgcgcctgcgtctgtactagttggctaactagatctgtatctggcggtcccgcggaagaactgacgagttcgtattcccggccgcagcccctgggagacgtcccagcggcctcgggggcccgttttgtggcccattctgtatcagttaacctacccgagtcggactttttggagctccgccactgtccgaggggtacgtggctttgttgggggacgagagacagagacacttcccgcccccgtctgaatttttgctttcggttttacgccgaaaccgcgccgcgcgtcttgtctgctgcagcatcgttctgtgttgtctctgtctgactgtgtttctgtatttgtctgaaaattagctcgacaaagttaagtaatagtccctctctccaagctcacttacaggcggccgaattcgccgccgccatgcctcgcggctggacagccctgtgcctgctgtctctgctgccatccggcttcatgagcctggataataacggcacagccaccccagagctgcctacacagggcaccttcagcaatgtgtccacaaacgtgagctatcaggagaccacaaccccttctaccctgggatccacaagcctgcaccccgtgtctcagcacggcaacgaagccaccaccaacatcaccgagaccacagtgaagtttacctccacctctgtgattacctctgtgtacggaaatacaaactccagcgtgcagtctcagacatctgtgatctccacagtgtttacaacacctgccaatgtgtccaccccagagacaaccctgaagcccagcctgtctcctggaaatgtgtccgatctgtctaccacctccaccagcctggccacctctcccaccaagccctatacctcctcttctcccatcctgagcgatatcaaagccgagatcaaatgcagcgggattcgggaagtgaaactgacacagggcatctgcctggaacagaataagacatccagctgcgccgagtttaagaaagatagaggagagggactggccagggtgctgtgtggcgaagagcaggccgacgccgatgccggcgcccaggtgtgttccctgctgctggcccagtctgaggtgcgcccccagtgcctgctgctggtgctggccaatcggacagaaattagcagcaagctgcagctgatgaaaaaacaccagagcgatctgaaaaagctgggcatcctggactttaccgagcaggacgtggcctctcaccagagctacagccagaaaacactgatcgccctggtgaccagcggagccctgctggccgtgctgggcatcaccggatatttcctgatgaataggcgcagctggagccccaccggcgaacggctggagctggagcctgtcgaccgagtgaagcagaccctgaactttgatctgctgaagctggccggcgacgtggagtccaaccccgggccagggaatATGGCCTTACCAGTGACCGCCTTGCTCCTGCCGCTGGCCTTGCTGCTCCACGCCGCCAGGCCGGATATTCTGCTCACACAGACCCCACTCTCCCTGCCCGTGTCACTCGGGGATCAGGCTAGCATTTCTTGCCGCTCATCTCAGTCTCTGGTCCACCGGAATGGGAACACATACCTCCATTGGTACCTCCAGAAACCTGGACAGAGCCCTAAACTGCTCATCCACAAAGTCTCAAATCGGTTCTCCGGCGTGCCCGATCGCTTTAGCGGATCCGGATCTGGGACCGACTTCACACTGAAAATCTCACGAGTGGAGGCTGAGGATCTCGGCGTCTACTTCTGTAGTCAGAGTACCCACGTCCCACCCCTCACCTTTGGCGCTGGAACAAAACTGGAGCTGAAACGAGCCGATGCTGCTCCTACCGTGTCCATCTTTCCTGGCTCCGGGGGAGGCGGGAGCGGAGGCGAAGTGAAACTCCAGCAGTCTGGCCCTTCTCTCGTGGAACCTGGCGCTTCTGTGATGATCTCCTGTAAGGCCTCTGGATCTTCCTTTACCGGCTACAACATGAACTGGGTCCGGCAGAACATTGGCAAATCCCTGGAATGGATTGGCGCCATCGATCCTTACTACGGCGGCACATCATACAATCAGAAATTCAAGGGGCGAGCAACACTCACTGTCGACAAATCTTCATCCACCGCCTACATGCACCTGAAATCTCTCACATCCGAGGATAGTGCTGTCTACTACTGTGTCTCTGGCATGGAATACTGGGGACAGGGAACTTCTGTCACCGTGTCTAGTGCCAAAACCACACCTCCCTCCGTGTACGGACGAGTCACTGTCTCATCTGCTGAACCAAAATCCTGTGACAAAACACACACATGCCCACCTTGTCCTGCCCCTGAACTGCTCGGCGGACCTTCCGTCTTTCTGTTTCCCCCCAAACCCAAGGATACACTCATGATTTCTAGGACCCCCGAAGTCACTTGTGTCGTGGTCGATGTGTCTCACGAGGATCCTGAAGTGAAATTCAACTGGTACGTGGACGGAGTCGAGGTCCACAATGCCAAAACAAAACCCCGGGAGGAACAGTACAATAGCACCTACCGAGTCGTGTCCGTGCTCACCGTCCTCCATCAGGATTGGCTGAACGGCAAAGAGTACAAGTGTAAAGTGAGTAACAAGGCTCTCCCCGCTCCTATTGAAAAAACCATCTCAAAAGCAAAAGGCCAGCCTAGGGAGCCTCAGGTCTACACACTGCCACCCTCACGGGACGAACTCACCAAAAATCAGGTGTCCCTCACTTGCCTGGTGAAAGGCTTCTACCCTTCCGATATCGCTGTGGAATGGGAGTCAAATGGGCAGCCCGAAAACAACTACAAAACAACCCCCCCTGTGCTCGATTCCGATGGCTCTTTTTTCCTGTACTCCAAACTCACCGTGGACAAATCACGCTGGCAGCAGGGGAATGTCTTTTCTTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTCCACAATCATTACACCCAGAAATCCCTCTCACTCTCACCCGGCAAAAAGGACCCTAAAACCACGACGCCAGCACCGCGACCACCAACACCGGCGCCAACCATCGCATCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCGTGCCGACCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGACTTCGCCTGTGATATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTACTGCAAACGGGGCAGAAAGAAACTCCTGTATATATTCAAACAACCATTTATGAGACCAGTACAAACTACTCAAGAGGAAGATGGCTGTAGCTGCCGATTTCCAGAAGAAGAAGAAGGAGGATGTGAACTGAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCggcagcggcgccaccaacttcagcctgctgaagcaggccggcgacgtggaggaaaaccctggccccATGAGCGCCAAGTCCAGAACCATAGGGATTATTGGAGCTCCTTTCTCAAAGGGACAGCCACGAGGAGGGGTGGAAGAAGGCCCTACAGTATTGAGAAAGGCTGGTCTGCTTGAGAAACTTAAAGAACAAGAGTGTGATGTGAAGGATTATGGGGACCTGCCCTTTGCTGACATCCCTAATGACAGTCCCTTTCAAATTGTGAAGAATCCAAGGTCTGTGGGAAAAGCAAGCGAGCAGCTGGCTGGCAAGGTGGCAGAAGTCAAGAAGAACGGAAGAATCAGCCTGGTGCTGGGCGGAGACCACAGTTTGGCAATTGGAAGCATCTCTGGCCATGCCAGGGTCCACCCTGATCTTGGAGTCATCTGGGTGGATGCTCACACTGATATCAACACTCCACTGACAACCACAAGTGGAAACTTGCATGGACAACCTGTATCTTTCCTCCTGAAGGAACTAAAAGGAAAGATTCCCGATGTGCCAGGATTCTCCTGGGTGACTCCCTGTATATCTGCCAAGGATATTGTGTATATTGGCTTGAGA
GACGTGGACCCTGGGGAACACTACATTTTGAAAACTCTAGGCATTAAATACTTTTCAATGACTGAAGTGGACAGACTAGGAATTGGCAAGGTGATGGAAGAAACACTCAGCTATCTACTAGGAAGAAAGAAAAGGCCAATTCATCTAAGTTTTGATGTTGACGGACTGGACCCATCTTTCACACCAGCTACTGGCACACCAGTCGTGGGAGGTCTGACATACAGAGAAGGTCTCTACATCACAGAAGAAATCTACAAAACAGGGCTACTCTCAGGATTAGATATAATGGAAGTGAACCCATCCCTGGGGAAGACACCAGAAGAAGTAACTCGAACAGTGAACACAGCAGTTGCAATAACCTTGGCTTGTTTCGGACTTGCTCGGGAGGGTAATCACAAGCCTATTGACTACCTTAACCCACCTAAGTAATAATAAaagcttaacacgagccatagatagaataaaagattttatttagtctccagaaaaaggggggaatgaaagaccccacctgtaggtttggcaagctagcttaagtaacgccattttgcaaggcatggaaaatacataactgagaatagagaagttcagatcaaggttaggaacagagagacagcagaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagttggaacagcagaatatgggccaaacaggatatctgtggtaagcagttcctgccccggctcagggccaagaacagatggtccccagatgcggtcccgccctcagcagtttctagagaaccatcagatgtttccagggtgccccaaggacctgaaatgaccctgtgccttatttgaactaaccaatcagttcgcttctcgcttctgttcgcgcgcttctgctccccgagctcaataaaagagcccacaacccctcactcggcgcgccagtcctccgatagactgcgtcgcccgggtacccgtgttctcaataaaccctcttgcagttgcatccgactcgtggtctcgctgttccttgggagggtctcctctgagtgattgactgcccacctcgggggtctttcatt
【0279】
配列番号19
アルギナーゼタイプIIを包含する抗-GD2 CARのアミノ酸配列
MPRGWTALCLLSLLPSGFMSLDNNGTATPELPTQGTFSNVSTNVSYQETTTPSTLGSTSLHPVSQHGNEATTNITETTVKFTSTSVITSVYGNTNSSVQSQTSVISTVFTTPANVSTPETTLKPSLSPGNVSDLSTTSTSLATSPTKPYTSSSPILSDIKAEIKCSGIREVKLTQGICLEQNKTSSCAEFKKDRGEGLARVLCGEEQADADAGAQVCSLLLAQSEVRPQCLLLVLANRTEISSKLQLMKKHQSDLKKLGILDFTEQDVASHQSYSQKTLIALVTSGALLAVLGITGYFLMNRRSWSPTGERLELEPVDRVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGPGNMALPVTALLLPLALLLHAARPDILLTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVHRNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIHKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPGSGGGGSGGEVKLQQSGPSLVEPGASVMISCKASGSSFTGYNMNWVRQNIGKSLEWIGAIDPYYGGTSYNQKFKGRATLTVDKSSSTAYMHLKSLTSEDSAVYYCVSGMEYWGQGTSVTVSSAKTTPPSVYGRVTVSSAEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKKDPKTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMSLRGSLSRLLQTRVHSILKKSVHSVAVIGAPFSQGQKRKGVEHGPAAIREAGLMKRLSSLGCHLKDFGDLSFTPVPKDDLYNNLIVNPRSVGLANQELAEVVSRAVSDGYSCVTLGGDHSLAIGTISGHARHCPDLCVVWVDAHADINTPLTTSSGNLHGQPVSFLLRELQDKVPQLPGFSWIKPCISSASIVYIGLRDVDPPEHFILKNYDIQYFSMRDIDRLGIQKVMERTFDLLIGKRQRPIHLSFDIDAFDPTLAPATGTPVVGGLTYREGMYIAEEIHNTGLLSALDLVEVNPQLATSEEEAKTTANLAVDVIASSFGQTREGGHIVYDQLPTPSSPDESENQARVRI
【0280】
配列番号20
配列番号19のタンパク質をコードするDNA配列
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【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-02-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】