(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】インドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼ及び/又はトリプトファン 2,3-ジオキシゲナーゼの阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 471/04 20060101AFI20220907BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220907BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20220907BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20220907BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20220907BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
C07D471/04 108X
C07D471/04 CSP
A61P35/00
A61K31/437
A61K31/444
C07D487/04 144
A61K31/4985
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500863
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2020069609
(87)【国際公開番号】W WO2021005222
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517248845
【氏名又は名称】イドーシア ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IDORSIA PHARMACEUTICALS LTD
【住所又は居所原語表記】HEGENHEIMERMATTWEG 91, 4123 ALLSCHWIL, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ボス
(72)【発明者】
【氏名】シルヴェーヌ クレン
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー キメルリン
(72)【発明者】
【氏名】カリーナ ロッツ-ジェンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ポティエ
(72)【発明者】
【氏名】ネオミ ティーテン-ルクシュ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF02
4C050FF04
4C050GG02
4C050HH04
4C065AA03
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH02
4C065HH04
4C065JJ02
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP03
4C065PP04
4C065PP09
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、インドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)及び/又はトリプトファン 2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)酵素を阻害する、式(I)の化合物に関する。さらに、それらの合成及び特に癌の治療における医薬としてのそれらの使用を開示する。
【化1】
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【化1】
(式中、
X
1は、窒素又は炭素を表し;
X
2は、窒素又は炭素を表し;
R
1は、
- C
1-4-アルキル;
- C
3-5-シクロアルキル;又は、
- ハロゲン;
を表し;
R
2は、
- 水素;
- C
1-3-アルキル;又は、
- ハロゲン;
を表し;
各R
3は、独立に、
- C
1-4-アルキル;
- C
1-3-アルコキシ-C
1-4-アルキル;
- ハロゲン;
- -OR
4(R
4は、水素、C
1-4-アルキル、ヒドロキシ-C
2-5-アルキル、(オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキル又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキルを表す。);
- -NR
N1R
N2
(-- R
N1は水素を表し、かつ、R
N2は-(C=O)-R
CO(R
COはC
1-3-アルコキシを表す。)を表すか;
-- R
N1及びR
N2は、独立に、水素又はC
1-3-アルキルを表すか;
-- R
N1及びR
N2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、1個の窒素環原子を有する4~6員の飽和複素環を形成するか;又は、
-- R
N1はC
1-3-アルキルを表し、かつ、R
N2は1,2-エタンジイルを表して、式(I)のフラグメント
【化2】
が1-(C
1-3-アルキル)-2,3-ジヒドロ-インドール-5-イルを表す。);- 2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル又は6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル;
を表し;
nは、0、1、2、3、4又は5を表す。)。
【請求項2】
X
1が、窒素又は炭素を表し;
X
2が、窒素又は炭素を表し;
R
1が、
- C
1-4-アルキル;
- C
3-5-シクロアルキル;又は、
- ハロゲン;
を表し;
R
2が、
- 水素;又は、
- C
1-3-アルキル;
を表し;
各R
3が、独立に、
- C
1-4-アルキル;
- C
1-3-アルコキシ-C
1-4-アルキル;
- ハロゲン;
- -OR
4(R
4は、水素、C
1-4-アルキル、ヒドロキシ-C
2-5-アルキル、(オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキル又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキルを表す。);又は、
- -NR
N1R
N2(R
N1は水素を表し、かつ、R
N2は-(C=O)-R
CO(R
COはC
1-3-アルコキシを表す。)を表す。);
を表し;
nが、0、1、2、3、4又は5を表す;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X
1が炭素を表す;請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
X
2が炭素を表す;請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
R
1が、C
3-5-シクロアルキル又はハロゲンを表す;請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
R
2が、水素又はC
1-3-アルキルを表す;請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
nが、1、2又は3を表し;
1個の置換基R
3が、
- -OR
4(R
4は、水素、C
1-4-アルキル、ヒドロキシ-C
2-5-アルキル、(オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキル又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキルを表す。);又は、
- -NR
N1R
N2
(-- R
N1は水素を表し、かつ、R
N2は-(C=O)-R
CO(R
COはC
1-3-アルコキシを表す。)を表すか;
-- R
N1及びR
N2は、独立に、水素又はC
1-3-アルキルを表すか;
-- R
N1及びR
N2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、1個の窒素環原子を有
する4~6員の飽和複素環を形成する。);又は、
- 2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル又は6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル;
を表し;
前記1個の置換基は分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、残りのR
3が存在する場合には、当該残りのR
3はハロゲンから選択される;
請求項1、3~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
nが、1、2又は3を表し;
1個の置換基R
3が、
- -OR
4(R
4は、水素、C
1-4-アルキル、ヒドロキシ-C
2-5-アルキル、(オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキル又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキルを表す。);又は、
- -NR
N1R
N2(R
N1は水素を表し、かつ、R
N2は-(C=O)-R
CO(R
COはC
1-3-アルコキシを表す。)を表す。);
を表し;
前記1個の置換基は分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、残りのR
3が存在する場合には、当該残りのR
3はハロゲンから選択される;
請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
式(I)のフラグメント
【化3】
が、
- フェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-ブロモ-4-メトキシフェニル、4-メチルフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル、3-フルオロ-4-メトキシフェニル、2-フルオロ-3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシ-5-フルオロフェニル、2-フルオロ-4-メトキシ-5-クロロフェニル、2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル、4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、3-フルオロ-4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、3-フルオロ-4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-(メトキシ-カルボキサミド)-フェニル、4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル、4-(メトキシメチル)-フェニル;又は4-エトキシピリジン-3-イル;又は、上記のものに加えて、3-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル又は6-エトキシピリジン-3-イル;又は、
- 3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-フェニル、3-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-フェニル、2,5-ジフルオロ-4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、2,5-ジフルオロ-4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、2,5-ジフルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル、4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル、4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル、1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル、4-アミノ-フェニル、4-(メチルアミノ)-フェニル、4-(ピ
ロリジン-1-イル)-フェニル、4-ジメチルアミノ-フェニル、2-フルオロ-フェニル又は2,4-ジフルオロ-フェニル;
を表す;請求項1、3~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
式(II)の化合物でもある;
【化4】
請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-p-トリル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステル;
2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
2-クロロ-4-{4-[(S)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステル;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
1-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イ
ル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシメチル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;及び
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-エチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-メチル-1-フェ
ニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ピロリジン-1-イル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(4-アミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール;
4-(2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オール;
4-(4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オール;
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,4
-ジフルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2,5-ジフルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;及び
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2-フルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物を有し、さらに少なくとも1種の薬学的に許容される担体を有する医薬組成物。
【請求項14】
医薬として使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
癌の予防及び/又は治療において使用するための、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩及び医薬の活性成分としてのそれらの使用に関する。本発明はさらに、当該化合物の製造方法、当該化合物を1又は2種以上有する医薬組成物、及び、単独での又は他の活性化合物若しくは治療と組み合わせた、インドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼ(indoleamine
2,3-dioxygenase)(IDO;IDO1としても知られている)及び/又はトリプトファン 2,3-ジオキシゲナーゼ(tryptophan 2,3-dioxygenase)(TDO)酵素の調節剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素、IDO及びTDOはキヌレニン(kynurenine)経路の第1及び律速段階を触媒し、必須アミノ酸であるトリプトファン(TRP)のこの経路による分解は95%を超える。多くの種類の癌において、TRPの異化は、免疫抑制微小環境を維持する中心経路である。キヌレニン経路は、行動、睡眠、体温調節及び妊娠等の生理学的機能にも関与している。
【0003】
腫瘍微小環境又は流入領域リンパ節(draining lymph nodes)内の腫瘍細胞又は骨髄細胞は高レベルのIDOを発現しており、これが局所的微小環境におけるTRPの枯渇及びTRP代謝産物の蓄積を引き起こし、続いてT細胞応答の阻害を起こすというのが古典的に提唱されている概念である。このIDO-中心概念は、腫瘍免疫、自己免疫、感染及びアレルギーのモデルでの多くの前臨床試験により支持されている。より最近の前臨床試験は、酵素TDOを介する、腫瘍におけるTRP分解の別の経路を提唱している。TDOを標的とすることによりIDO阻害が補完され得ることが示唆されている。従って、IDO及び/又はTDO酵素の阻害は癌の予防及び/又は治療に使用できる可能性がある。さらに、IDO及び/又はTDOを標的とすることにより、広いスペクトルのさらなる疾患及び/又は障害、特に神経学的疾患、感染性及び他の疾患を予防及び/又は治療できる可能性がある。
【0004】
数種のIDO及び/又はTDO阻害剤がWO2010005958、WO2011037780、WO2012142237、WO2015173764、WO2016073770に記載されており、いくつかについては、単独で又は他の化合物/治療と組み合わせて、抗癌剤として臨床試験が行われている。WO2016161960、WO2017134555、WO2018036414、WO2017007700、WO2017189386、WO2017133258、CN107556244、WO2018057973、WO2018136887、WO2018171602、WO2018054365、WO2019034725、WO2019076358、WO2019040102及びWO2019138107は、IDO及び/又はTDO酵素の阻害に使用し得る特定のヘテロ環誘導体を開示する。
【0005】
TDO2遺伝子の発現についてのヒト腫瘍サンプルの研究により、膀胱癌(bladder carcinomas)の41%、メラノーマの50%及び肝細胞癌の100%において有意な発現が見られた(Pilotteら;Proc Natl Acad Sci.2012、109(7):2497-502)。さらに、TDOはヒト神経膠芽腫で恒常的に発現している。抗腫瘍免疫応答の抑制に加えて、TDO由来キヌレニン(KYN)は、神経膠芽腫において腫瘍細胞の自律的効果を有することが示されており、自己分泌的に(in an autocrine fashion)、芳香族炭化水素受容体(A
HR)を介して腫瘍細胞の生存及び運動(motility)を促進する。ヒト脳腫瘍のTDO-AHR経路は、悪性化の進行及び生存率の低さと関連することが見いだされた。TDOの高発現は、トリプルネガティブ乳癌(Triple Negative Breast Cancer)(TNBC)の臨床検体においても観察され、疾患グレードの増大、エストロゲン受容体陰性及び全生存率の低下と関連している。TNBC細胞におけるTDOを介するKYN産生は、AhR促進アノイキス抵抗性、遊走及び浸潤を活性化するのに十分であった(D’Amatoら;Cancer Res.2015、75(21):4651-64)。
【0006】
TDOの発現は、例えば、腎細胞癌、中皮腫、神経芽腫、白血病、肺癌(NSCLC)、頭頚部癌、結腸直腸癌、肉腫、星状細胞腫、骨髄腫及び膵癌等の他の癌においても検出されている(Pilotteら;Proc Natl Acad Sci.2012、109(7):2497-502)。
【0007】
患者腫瘍検体中のIDO発現レベルは、別のスプライスバリアントの能力及び/又は翻訳後修飾を反映して、異なる抗体の使用によりわずかに変動する。概して、IDO発現は、腫瘍細胞、内皮細胞及び間質細胞を含むヒト腫瘍の大部分(>50%)で見られ、その割合は腫瘍の種類によって変動した(Uyttenhoveら;Nat Med.2003、9(10):1269-74)。IDO免疫標識検体を最も高い割合で示す腫瘍は、子宮内膜及び子宮頚部の癌であり、次いで腎臓、肺及び結腸であった。IDO発現のこの順位は、Cancer Genome Atlasデータベースから集めた遺伝子発現データにより確認された(Theateら;Cancer Immunol Res.2015、3(2):161-72)。ほとんどの試験において、腫瘍又は流入領域リンパ節におけるIDOの高い発現は、有害な予後因子である。このカテゴリーの腫瘍には、メラノーマ、結腸癌、脳腫瘍、卵巣癌、急性骨髄性白血病、子宮体癌、高悪性度の骨肉腫及び多くの他の腫瘍が含まれる(Munn and Mellor;Trends in Immunol.2016、37(3):193-207)。少数の腫瘍種においては、IDO発現は、誘導されるか又は「応答的(reactive)」であると思われ、T細胞浸潤及び炎症の増大と関連する。この状況において、IDOの上方制御はより強力な自発的抗腫瘍免疫応答を代替することができ、より良好な予後と関連するかもしれない。しかしながら、これらの免疫応答性の患者においても、IDO自体は有益ではなく、IDOを遮断すれば、患者にとってより有益であろう。
【0008】
異なる抗体を用いた場合に患者の検体のIDO発現レベルについて観察された相違のため、血清中のKYN及びTRPの濃度の測定によりIDO活性を測定することがより有意義であろう。事実、健常ボランティアと比較して、癌患者の血清ではKYN/TRP比の増大が検出されている(Liuら;Blood.2010、115(17):3520-30)。近年、KYN/TRP比は子宮頚部癌患者における予後予測手段として認められ、低TRPレベルは、腫瘍サイズが4cmを超え、転移がリンパ節に広がっていることを示した(Fernsら;Oncoimmunology.2015、4(2):e981457)。従って、患者血清中のKYN/TRP比が高いことは、リンパ節転移、FIGO段階、腫瘍サイズ、子宮傍組織浸潤及び低い疾患特異的生存率と関連し、さらに、TRP異化特性に基づいてIDOを標的とすることの妥当性を示唆する。さらに、血清KYN/TRP比は、成人T細胞白血病/リンパ腫の患者における有意に独立した有害予後因子であった(Zhaiら;Clin Cancer Res.2015、21(24):5427-33)。
【0009】
前臨床モデルにおいて、免疫原性腫瘍細胞を組み換えIDOでトランスフェクトすると、マウスにおいてそれらの拒絶が防がれた(Uyttenhoveら;Nat Med.2003、9(10):1269-74)。一方、IDO発現の除去は、7,12-ジメ
チルベンズ[a]アントラセン誘発前癌性皮膚乳頭腫の発生及び増殖を減少させた(Mullerら;Proc Natl Acad Sci USA.2008、105(44):17073-8)。
【0010】
IDO及び4T1乳癌を過剰発現するB16メラノーマの前臨床モデルにおいて、腫瘍細胞によるIDO発現は、骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の動員及び活性化並びに抗-CTLA-4及び抗-PD-1を用いたチェックポイント阻害剤に対する抵抗性を介して腫瘍の増殖を促進した。同じ試験において、ヒトメラノーマ腫瘍におけるIDO発現が、MDSC浸潤と強い相関があることも見いだされた(Holmgaardら;Cell Rep.2015、13(2):412-24)。
【0011】
消化管間質腫瘍(GIST)の治療に使用され、KIT(CD117)を標的とする低分子受容体チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブ(Imatinib)は、KYN経路を修飾することが示された。GISTのマウスモデルにおいて、イマチニブ治療は、腫瘍細胞のIDO発現を減少させることにより、多くの免疫応答を生じさせた。イマチニブの免疫効果が、それによるIDO発現の減少により部分的に介在されるという仮説を検証するために、GISTマウスを、KYN経路の代謝産物-KYN、3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)及び3-ヒドロキシキヌレニン(3-HK)の混合物で処理して、十分なIDO活性を有する系をシミュレートした。TRP代謝産物混合物の同時投与により、イマチニブの抗腫瘍効果は減少した。しかしながら、イマチニブの抗腫瘍効果は、IDO阻害剤である1-メチル-トリプトファン(1-MT)の同時投与により増大せず、両薬剤が同じ経路に影響を与えているという仮説と一致した(Balachandranら;Nat Med.2011、17(9):1094-100)。
【0012】
腫瘍によるTDO発現が、免疫付与マウスによる腫瘍の拒絶を防ぎ、TDO阻害剤による全身処理により、マウスがTDO発現腫瘍を拒絶する能力が回復することが示されている(Pilotteら;Proc Natl Acad Sci.2012、109(7):2497-502)。神経膠腫の移植モデルにおいては、腫瘍細胞におけるTDO発現は腫瘍増殖を促進する一方、TDOのノックダウンは腫瘍の発生を減少させた(Opitzら;Nature 2011、478(7368):197-203)。
【0013】
IDO阻害剤が、大腸癌(Linら;J Med Chem.2016、59(1):419-30;Koblishら;Mol Cancer Ther.2010、9(2):489-98;Krausら;AACR年次総会(4月16~20日、ニューオーリンズ、ルイジアナ)2016:abstract 4863;Wiseら;AACR年次総会(4月16~20日、ニューオーリンズ、ルイジアナ)2016:abstract
5115;Liuら;AACR年次総会(4月16~20日、ニューオーリンズ、ルイジアナ)2016:abstract 4877)、膵臓癌(Koblishら;Mol
Cancer Ther.2010、9(2):489-98)、メラノーマ(Yueら;J Med Chem.2009、52(23):7364-7)、肺(Yangら;J Med Chem.2013、56(21):8321-31)、乳癌(Holmgaardら;Cell Rep.2015、13(2):412-24)、神経膠腫(Haniharaら;J Neurosurg.2016、124(6):1594-601)の実験モデルにおいて、イン ヴィヴォで腫瘍及び血液中のTRP代謝を抑制し、それに伴い腫瘍成長が減速することが見いだされた。
【0014】
1-メチル-トリプトファン(1-MT)は、可移植性メラノーマ(B16)並びに可移植性及び自己由来乳癌(4T1)のマウスモデルにおいて、化学療法の効果を増大させた(Houら;Cancer Res.2007、67(2):792-801)。さらに、1-MTは、化学-放射線療法を増強し、脳神経膠芽腫腫瘍(GL-261)を有す
るマウスの生存を延長させた。これに関連して、IDOの阻害は、化学-放射線照射に、腫瘍増殖部位における広範な補体沈着を引き起こさせた。IDO-遮断は、腫瘍微小環境内で血管内皮上のVCAM-1の上方制御を引き起こした。遺伝的に補体成分C3を欠損するマウスは、化学-放射線照射誘発生存に対するIDO-遮断の全相乗効果を喪失した(Liら;Journal Immunother Cancer.2014、2:21)。IDO発現は、GVAX(放射線照射、GM-CSF分泌、アロジェネイック(allogeneic)PDAC)ワクチン接種後に、有意な数の膵臓癌患者の腫瘍上皮で誘発される。GVAXワクチン接種をIDO阻害と併用すると、膵臓癌の前臨床モデルにおいて生存率が上昇し、シクロホスファミド、GVAXワクチン、IDO阻害及びPD-L1遮断の併用により、全マウスが生存した(Zheng、John Hopkins School of Medicine;ITOC3会議(3月21~23日、ミュンヒェン、ドイツ)2016)。これに関連し、ワクチン接種を抗OX40の用量の増大と併用することによっても、TC1腫瘍モデルにおいてIDOが誘発されることが示され、1-MTによるIDOの阻害は、同じモデルにおいて、抗OX40とワクチン接種との相乗効果を示した(Khleif、Georgia Cancer Center;ITOC3会議(3月21~23日、ミュンヒェン、ドイツ)2016)。さらに、IDO阻害剤であるepacadostatは、前臨床モデルにおいて、抗OX40及び抗GITRの効果を増強することが示された(Koblishら;AACR年次総会(4月1~5日、ワシントン DC)2017:abstract #2618)。
【0015】
B16F10腫瘍モデルにおいて、IDO/TDOデュアル阻害剤であるNLG919は、コグネート(cognate)ヒトgp100ペプチドによるワクチン接種に対する、ナイーブ、休止養子免疫移入pmel-1細胞の抗腫瘍応答を増強した。効果は化学療法と相加的であり、化学療法をインドキシモド(indoximod)/抗PD-1と併用するとより明確であった(Mautinoら;AACR年次総会(4月5~9日、サンディエゴ、カリフォルニア)2014:abstract 5023)。加えて、EMT-6マウスモデルにおいて、腫瘍増殖阻害の程度及び期間は、NLG-919を抗PD-L1と併用した場合により良好であった(Spahnら;Journal for ImmunoTherapy of Cancer 2015、3(Suppl 2):P303)。
【0016】
IDO-選択的阻害剤は化学療法を増強することが腫瘍マウスモデルにおいて示された:IOMet PharmaのIDO選択的阻害剤は、PAN02モデルにおいて、化学療法(ゲムシタビン(gemcitabine)及びアブラキサン(abraxane))を増強する(Wiseら;AACR年次総会(4月16~20日、ニューオーリンズ、ルイジアナ)2016:abstract 5115)。
【0017】
血漿及び腫瘍組織において、抗PD-L1及び抗CTLA4チェックポイント阻害剤はIDO活性を誘発し、一方、CT-26同系マウス結腸腫瘍モデルにおいて、IDO-選択的阻害剤(PF-06840003)と抗PD-L1治療の併用は、腫瘍増殖を有意に阻害した(Krausら;AACR年次総会(4月16~20日、ニューオーリンズ、ルイジアナ)2016:abstract 4863)。別の試験では、抗CTLA-4、抗PD-L1及び/又はIDO阻害剤を用いた二剤治療(doublet therapies)は、B16(SIY)メラノーママウスモデルにおいて、腫瘍成長の相乗的遅延を示した(Sprangerら;J Immunother Cancer.2014、2:3)。この効果の改善に関する主要な生物学的説明は、腫瘍浸潤CD8T細胞のIL-2産生及び増殖の回復であった。機能的回復に新しいT細胞の腫瘍への遊走は不要であった。なお別の試験では、1-MTによるIDOの阻害を、CTL-4、PD-1/PD-L1及びGITR等の免疫チェックポイントを標的とする治療と併用すると、腫瘍成長が相乗的に制御され、B16-F10及び4T1腫瘍マウスモデルにおいて全生存率が上
昇した(Holmgaardら;J Exp Med.2013,210(7):1389-402)。同所性(orthotopic)神経膠腫モデルにおいて、抗CTLA-4、抗PD-L1及び1-MTを用いた三剤治療(triple treatment)並びにEpacadostatと抗PD-1の併用により、非常に効果的な持続的生存有益性が得られた(Wainwrightら;Clin Cancer Res.2014、20(20):5290-301;Reardonら;AACR年次総会(4月1~5日、ワシントン DC)2017:abstract 572)。チェックポイント阻害剤と併用してIDOを標的とするという概念について、いくつかの臨床試験において研究が行われた(NCT02752074、NCT02658890、NCT02327078、NCT02318277、NCT02178722、NCT02471846、NCT02298153)。
【0018】
TLR9アゴニストによる腫瘍内治療は、被治療及び遠隔腫瘍においてIDO発現を誘発することが示され、IDO阻害剤と上記TLR9アゴニストの併用は、CT-26同系マウス結腸腫瘍モデルにおいて、相加的抗腫瘍効果を示した(Wangら;AACR年次総会(4月16~20日、ニューオーリンズ、ルイジアナ)2016:abstract
3847)。
【0019】
高IDO発現は、いくつかのマウスモデルにおいて、免疫抑制MDSCの腫瘍への動員を誘発する。CSF-1RがMDSC上で発現しており、CSF-1R遮断が腫瘍内MDSCを阻害することが見いだされた。従って、D-1-MTによるIDOの阻害は、IDOを過剰発現するB16モデルにおいて、CSF-1R遮断と相乗的に作用することが示された(Holmgaardら;EBioMedicine 2016、6:50-8)。
【0020】
B細胞リンパ腫において、IDO阻害により、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法に対する治療応答も改善するという実験的証拠がある。B細胞リンパ腫のマウスモデルにおいては、腫瘍細胞内のIDO発現が、TRP代謝産物の作用を介して、CD19 CAR T細胞療法を抑制する。このモデルにおいては、IDO阻害剤である1-MTによる処理により、CAR T細胞による腫瘍制御が回復した(Ninomiyaら;Blood、2015、125(25):3905-16)。
【0021】
DNAナノ粒子は、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)、サイトゾルDNAのセンサーに依存する経路を介してIDOを誘導することができる。従って、STINGアゴニストは、IDOを誘導し、免疫寛容性応答を促進することができる。低抗原性及び高抗原性を有する腫瘍を用いて、前臨床モデルにおいてこのシナリオが試験された。低抗原性を示す腫瘍においては、STINGによるIDO活性化が優勢であり、STING/IFN免疫原性応答を凌駕する一方、高抗原性を有する腫瘍においては、STING/IFNシグナル伝達はむしろ免疫原性応答を増強し、IDOを誘導しない。概して、これらのデータは、IDO阻害が、特に低抗原性を有する腫瘍において、STINGアゴニストに対する抗腫瘍応答を増強することができることを示唆している(Lemosら;Cancer Res.2016、76(8):2076-81)。
【0022】
インターフェロン-γ-誘発IDO発現の介在におけるJAK-STAT(シグナル伝達及び転写活性化因子)シグナル伝達系の役割を考慮すると、IDO阻害剤のJAK/STAT阻害剤との併用は明らかである。この治療概念に対する臨床試験が報告されている(NCT02559492)。
【0023】
中枢神経系においては、KYNの前駆体として作用するTRP及びセロトニン双方の帰結が、興味の対象となる重要な経路である。KYN経路により産生される代謝産物は、ハ
ンチントン病等の神経炎症及び神経変性障害の病理機序において役割を担っていると思われる。KYN経路の最初の安定な中間体はKYNである。次いで、いくつかの神経刺激性中間体が生じる。これらには、キヌレン酸(KYNA)、3-ヒドロキシキヌレニン(3-HK)及びキノリン酸(QUIN)が含まれる。3-HK及びQUINは別個の機序により神経毒性を有し;3-HKは強力なフリーラジカル発生剤であり(Thevandavakkamら;CNS Neurol Disord.Drug Targets.2010、9(6):791-800;Ishiiら;Arch Biochem Biophys.1992、294(2):616-622;Hirakuら;Carcinogenesis.1995、16(2):349-56)、一方、QUINは興奮毒性のN-メチル-D-アスパルテート(NMDA)受容体アゴニストである(Stone及びPerkins;Eur J Pharmacol.1981、72(4):411-2;Schwarczら;Science。1983、219(4582):316-8)。他方、KYNAは、その抗酸化特性並びにα7ニコチン性アセチルコリン受容体及びNMDA受容体のグリシンコアゴニスト部位双方への拮抗作用を介して神経保護的に作用する(Vecsei及びBeal;Brain Res Bull.1990、25(4):623-7;Fosterら;Neurosci Lett.1984、48(3):273-8;Carpenedoら;Eur J Neurosci.2001、13(11):2141-7;Godaら;Adv.Exp.Med.Biol.1999、467:397-402)。TRP異化産物の濃度レベルの変化により、平衡が病的状態にシフトし得る。代謝をKYN経路の神経保護的方向へ、すなわちKYNA合成へ導く能力は、神経変性疾患の予防に有用である可能性がある。
【0024】
CNSにおいて、KYN経路はほとんどの細胞種に存在するが、その程度は異なり、浸潤マクロファージ、活性化ミクログリア及びニューロンはKYN経路酵素の完全なレパートリーを有する。他方、神経保護性アストロサイト及びオリゴデンドロサイトは、それぞれ酵素、KYN 3-モノオキシゲナーゼ(KMO)及びIDO-1を欠いており、興奮毒であるQUINを合成することができない(Guilleminら;Redox Rep 2000、5(2-3):108-11;Limら;International Congress Series.2007、1304:213-7)。脳においては少量のTDOが発現しており、TRP又はコルチコステロイドにより誘導される(Salter及びPogson;Biochem J.1985、229(2):499-504;Millerら;Neurobiol Dis.2004、15(3):618-29)。統合失調症等のいくつかのCNS障害の病因におけるTDO及びIDOの役割並びに全身TRPレベルの制御におけるTDOの役割を考慮すると、IDO及び/又はTDO阻害剤は、広範なCNS疾患及び神経変性を有する患者の予後を改善するために使用できる可能性がある。
【0025】
加えて、IDO及び/又はTDO阻害剤は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(又は、ルー・ゲーリッグ病(Lou Gehrig’s disease))の治療に有用である可能性がある。ALSは、運動皮質、脳幹及び脊髄における運動ニューロンへの選択的攻撃及び破壊を引き起こす。ALSには多数のメカニズムが寄与していると考えられるが、神経炎症において活性化されるKYN経路は明らかに寄与因子である。初期炎症は、感受性遺伝子型(susceptible genetic constitution)を有する個体の運動ニューロンに非致死性の損傷を加え、次いで、ミクログリアを活性化して神経毒性KYN代謝産物を産生させる進行性炎症プロセスを引き起こし、この神経毒性KYN代謝産物が運動ニューロンをさらに破壊すると考えられる。ALS患者の脳及び脊髄においては、大量の活性化ミクログリア、反応性アストロサイト、T細胞及び浸潤マクロファージが観察される(Gravesら;Amyotroph Lateral Scler Other Motor Neuron Disord.2004、5(4):213-9;Henkelら;Ann Neurol.2004、55(2):221-
35)。これらの細胞は炎症性及び神経毒性メディエーター、特にIDOの最も強力なインデューサーであるIFN-γを放出する(McGeer及びMcGeer;Muscle Nerve.2002;26(4):459-70)。ALS運動皮質及び脊髄では、ニューロン及びミクログリアにおけるIDOの発現が増大している(Chenら;Neurotox Res.2010、18(2):132-42)。免疫活性化因子の放出がKYN経路の律速酵素であるIDOを活性化し、それが神経毒であるQUIN等の代謝産物を生じさせることが提唱されている。従って、IDOの阻害は、ALSの病因との関連が明白な神経毒性QUINの合成を減少させるかもしれない。
【0026】
加えて、IDO及び/又はTDO阻害剤はハンチントン病(HD)の治療に有用である可能性がある。HDは、huntingtin(htt)遺伝子におけるCAG反復(CAG repeats)の増大により引き起こされる遺伝性常染色体優性神経変性障害である。HDの患者は、異常な随意及び不随意運動(舞踏病アテトーゼ(choreoathetosis))を特徴とする進行性運動機能障害並びに精神及び認知障害を示す。KYN経路内代謝産物の存命中モニタリング(In-life monitoring)により、CAG反復数に関連し、従ってこの障害の重篤度に関連する数種のバイオマーカーの1つが得られる(Forrestら;J Neurochem 2010、112(1):112-22)。実際、HD患者及びHDモデルマウスにおいて、3-HK及びQUINレベルが新線条体及び皮質で上昇する。さらに、HD患者の線条体ではKYNAレベルが減少する。げっ歯類にQUINの線条体注入を行うと、HDの行動的及び病理学的特徴が再現される(Sapkoら;Exp Neurol.2006 197(1):31-40)。重要なことは、HDのDrosophilaモデルにおいてTDOを除去すると、神経変性が改善されることである(Campesanら;Curr Biol.2011;21(11):961-6)。
【0027】
加えて、IDO及び/又はTDO阻害剤は、アルツハイマー病(AD)の治療に有用である可能性がある。ADは、ニューロン欠損及び認知症を特徴とする加齢性の神経変性障害である。この疾患の病理組織学は、細胞内β-アミロイド(Αβ)の蓄積及びその後の老人班の形成並びに学習及び記憶に関連する特定の脳領域における神経原繊維タングルの存在により表される。この疾患の病態メカニズムは未だ議論の対象であるが、ADの発症及び進行にKYN経路代謝産物が関連していることを示す証拠が増えている。Αβ(1-42)が初代培養ミクログリアを活性化し、IDO発現を誘発できることが示された(Guilleminら;Redox Rep.2002、7(4):199-206;Walkerら;J Leukoc Biol.2006、79:596-610)。さらに、AD患者の脳内のアミロイド班と関連するミクログリア内で、IDOの過剰発現及びQUIN産生の増大が観察された(Guilleminら;Neuropathol Appl Neurobiol.2005、31(4):395-404)。QUINが、ヒト皮質ニューロンにおいてタウの過剰リン酸化を引き起こすことが示された(Rahmanら;PLOS One.2009、4(7):e6344)。従って、ミクログリアにおけるIDOの過剰発現及びKYN経路の過剰活性化は、ADの病因と関連している。さらに、アルツハイマー病におけるTDOの関与の証拠もある。TDOは、患者及びADマウスモデルの脳において上方制御される。さらに、TDOは、AD患者の海馬内で、キノリン酸、神経原繊維タングル-タウ及びアミロイド沈着と共に局在化する(Wuら;PLOS One.2013、8(4):e59749)。ADにおける神経炎症の効果を相殺するためにKMO、TDO、IDO及び3HAO阻害剤を使用できることが、前臨床における証拠により支持されている。さらに、AD患者の血清中でKYN/TRPの比が増大することが他の所見により示された(Widnerら;J Neural Transm(Vienna).2000、107(3):343-53)。ADのハエモデルでは、TDOの遺伝的及び薬理学的阻害の双方が強力な神経保護をもたらす(Bredaら;Proc Natl Acad Sci.2016、113(19):5435-40)
。従って、KYN経路は、ADにおいてTDO及びIDOの両方により過剰活性化されており、神経原繊維タングル形成に関与し、老人班形成と関連している可能性がある。
【0028】
加えて、IDO及び/又はTDO阻害剤はパーキンソン病(PD)の治療に有用である可能性がある。PDは、ドーパミン作動性ニューロンの損失及び局在的神経炎症を特徴とする一般的な神経変性障害である。パーキンソン病はミクログリアの慢性的な活性化と関連する(Gao及びHong;Trends Immunol.2008、29(8):357-65)。ミクログリアの活性化は、活性酸素種(ROS)及び、IDO発現の誘発を介するKYN経路の強力な活性化剤であるINF-γ等の炎症促進性サイトカインを含む神経毒性物質を放出する(Blockら;Nat Rev Neurosci.2007;8(1):57-69)。活性化ミクログリア中のKYN経路は、3HK及びQUINの上方制御を引き起こす。3HKは、ROSへの変換の結果として、主として毒性である(Okudaら;J Neurochem.1998;70(1):299-307)。ROS及び、QUINによるNMDA受容体介在興奮毒性の効果は、相まってニューロンの機能障害及びその死に寄与する(Stone及びPerkins;Eur J Pharmacol.1981、72(4):411-2;Braidyら;Neurotox Res.2009、16(1):77-86)。しかしながら、ニューロンにおいてKYN経路活性化を介して産生されるピコリン酸(PIC)は、NMDAアゴニストであるQUIN誘発神経毒性からニューロンを保護する能力を有する(Jhamandasら;Brain Res.1990、529(1-2):185-91)。ミクログリアは、炎症促進性メディエーター及び死にかかっているニューロンからの刺激により過剰活性化され、さらなるミクログリア活性化ミクログリオーシスの永続的なサイクルを引き起こし得る。過剰なミクログリオーシスは近傍ニューロンに対する神経毒性を引き起こし、ニューロン死を招き、パーキンソン病の進行に寄与する。従って、PDは、脳内KYN経路の2つの主要な支流間の不均衡に関連している。アストロサイトによるKYNA合成が減少し、同時にミクログリアによるQUIN産生が増大する。重要なことは、PDのハエモデルにおいて、TDOの遺伝的及び薬理学的阻害の双方が強力な神経保護をもたらしたことである(Bredaら;Proc Natl Acad Sci.2016、113(19):5435-40)。
【0029】
加えて、IDO及び/又はTDO阻害剤は、多発性硬化症(MS)の治療に有用である可能性がある。MSは、ミエリン鞘に対する特異的免疫応答により炎症及び軸索損失を引き起こす、神経系の白質における炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患である(Trappら;Curr Opin Neurol.1999、12:295-302;Owens;Curr Opin Neurol.2003、16:259-265)。免疫系の活性化によって引き起こされる神経毒性KYN代謝産物の蓄積は、MSの病因に関連付けられる。MSの自己免疫動物モデルであるEAEを有するラットの脊髄において、QUINが選択的に上昇していることが見いだされた(Flanaganら;J Neurochem.1995、64:1192-6)。EAEにおけるQUIN上昇の原因はマクロファージであることが示唆されている。QUINは脂質過酸化の開始因子であり、ミエリン近傍のQUINレベルが局所的に高くなると、EAEにおける脱髄、そしておそらくはMSに寄与する可能性がある。インターフェロン-β lb(IFN-pib)は、IFN-β治療を受けた患者の血清中で観察される濃度に匹敵する濃度で、マクロファージにおいてKYN経路代謝を誘発し、それがMSの治療におけるその効果の限定因子かもしれない(Guilleminら;J Interferon Cytokine Res.2001、21:1097-1101)。IFN-β投与後、IFN-β注射を受けたMS患者の血漿において、健常対象と比較したKYNレベル及びKYN/TRP比の上昇が見られ、IFN-βによるIDOの誘導が示された(Amirkhaniら;Eur.J.Neurol.2005、12、625-31)。IFN-pibは、ニューロン樹状突起が入力信号を統合し、オリゴデンドロサイトを殺す能力を阻害するのに十分な濃度で
、QUINの産生を引き起こす(Cammerら;Brain Res.2001、896:157-160)。IFN-pib-治療患者において、IDO/TDO阻害剤でKYN経路を同時遮断すれば、IFN-pibのそのような効果が改善される可能性がある。
【0030】
IDOの相同体(IDO2)はアミノ酸の44%においてIDOと相同性を有することが特定されたが、その機能はIDOのものと大きく異なる(Ballら、Gene 2007、396(1):203-13;Yuasaら、J Mol Evol 2007、65(6):705-14)。IDO阻害剤はIDO1及び/又はIDO2を調節する可能性がある。IDO2が、B細胞において作用し、自己免疫疾患を調節する免疫調節性酵素であることが最近の証拠により示されている。その酵素機能はほとんど特定されていないが、IDO2による免疫調節のメカニズムは、研究がより進んでいるその相同体であるIDO1とは別のものである。IDO2は、関節リウマチ、接触過敏症及び全身性エリテマトーデスを含む自己免疫性炎症性障害の複数のモデルにおいて炎症促進性メディエーターとして作用する(Merlo及びMandik-Nayak、Clinical Medicine Insights:Pathology 2016、9(S1):21-28)。IDO2は炎症を促進するように作用するため、これらの疾患の治療のための、特に補助治療における治療上の標的の候補となる可能性がある。
【0031】
ほとんどのTRPはKYN経路を介してプロセシングされる。少量のTRPは、5-HT、従ってメラトニンにプロセシングされ、いずれもIDOの基質でもある。他の効果の中でも特に、TRPの急性枯渇がうつ病エピソードを引き起こすことができ、健常個体においてでさえも気分の大きな変化を生じさせることが長い間知られていた。これらの知見は、気分を増強し、ニューロン新生を刺激するというセロトニン作動性薬剤の臨床的有益性のいずれにもよく結びつく。
【0032】
近年、統合失調症の病態生理の概観(すなわち、ドーパミン[DA]神経伝達の阻害)が、脳のグルタミン酸作動性機能障害とも関連があるものと拡張された。すなわち、臨床的所見は、N-メチル-D-アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えば、フェンシクリジン(phencyclidine)[PCP]及びケタミン)の全身投与が、健常個体に統合失調症様症状を惹起し、統合失調症の患者に症状を引き起こすことを示している(Holtzeら;J Psychiatry Neurosci.2012、37(1):53-7)。さらに、グルタミン酸欠乏理論が遺伝学的知見からいくらかの支持を得ている。脳の低グルタミン酸作動性状態(hypoglutamatergic state)は、内因性NMDA受容体アンタゴニスト、KYNAの上昇によっても起こりえる。実際、KYNA及びKYNA産生酵素の脳内レベルの変化が、統合失調症患者の死後脳で見られる(Barryら;J Psychopharmacol.2009、23(3):287-94)。特に、KYN及びKYNAレベルの上昇が前頭皮質で見られ、KYN経路の第1段階の上方制御が、統合失調症個体の前帯状皮質で観察される(Millerら;Brain Res.2006,1073-1074:25-37)。しかしながら、他の研究者は、統合失調症において、KYNAが減少し、3-HAAが増大することを見出した(Millerら;Neurochem Int.2008、52(6):1297-303)。統合失調症におけるKYN代謝産物上昇のメカニズムは完全には解明されていない。メカニズムには、KMOの多型性及びTDO上方制御が含まれる(Millerら;Neurobiol Dis.2004、15(3):618-29)。従って、IDO及び/又はTDO阻害剤は、統合失調症の治療に有用である可能性がある。
【0033】
加えて、IDO及び/又はTDO阻害剤は、疼痛及びうつ病の治療に有用である可能性がある。疼痛及びうつ病は高頻度の共存疾患である。IDOがこの共存性に重要な役割を
有することが示されている。最近の研究により、IDO活性が、(a) セロトニン含量の減少とうつ病(Dantzerら;Nat Rev Neurosci.2008、9(1):46-56;Sullivanら;Pain.1992、50(1):5-13)及び(b) KYN含量の上昇及びキノリン酸等のその誘導体のグルタミン酸受容体への効果を介する神経可塑性変化(neuroplastic changes)と結びついていることが示された(Heyesら;Brain.1992、115(Pt5):1249-73)。
【0034】
ラットにおいて、慢性疼痛はうつ的行動及び両側の海馬におけるIDOの上方制御を誘発した。IDOの上方制御は、両側の海馬におけるKYN/TRP比の上昇及びセロトニン/TRP比の減少を引き起こした。さらに、IDO遺伝子のノックアウト又は海馬IDO活性の薬理学的阻害は、侵害(nociceptive)及びうつ的行動の両方を緩和した(Kimら;J Clin Invest.2012、122(8):2940-54)。
【0035】
炎症促進性サイトカインは、疼痛及びうつ病両方の病態生理に関係しているため、炎症促進性サイトカインによる脳IDOの制御は、TRP代謝の制御を介して、疼痛とうつ病の間の共存関係における重要な機構的リンクとして働く。
【0036】
さらに、KYN経路は外傷性脳損傷(TBI)と関連している。TBIがQUINの持続的な上昇を伴うKYN経路の著しい活性化を誘発することが示された(Yanら;Journal of Neuroinflammation 2015、12(110):1-17)。脳損傷領域におけるIDO1活性化及びmRNA発現の増大を伴うQUINの過度の産生は、TBIが選択的にKYN経路の神経毒性方向への強い刺激を誘発することを示唆する。QUINの有害な役割は、TBI後の早期予後因子となり得る有害事象とQUINが関連性を有することにより支持されている。従って、IDO及び/又はTDO阻害剤はさらにTBIの予防/治療に有用である可能性がある。
【0037】
細菌、寄生虫又はウイルスによる感染は、強いIFN-y-依存性炎症性反応を引き起こす。IDOは保護宿主免疫を弱めることができ、従って、間接的に病原体による負荷を増大させる。例えば、マウス白血病ウイルス(MuLV)に感染したマウスにおいて、IDOの発現が上昇していることが見いだされ、IDOの除去がウイルス複製の制御を強め、生存率を上昇させた(Hoshiら;J Immunol.2010、185(6):3305-3312)。インフルエンザ感染のモデルでは、IDOの免疫抑制効果が、肺を二次細菌感染が起こりやすい状態にした(van der Sluijsら;J Infect Dis.2006、193(2):214-22)。従って、市中感染性肺炎(CAP)においてIDO活性は増大しており、この活性がこの疾患の重篤度及び帰結と関係している。これらの結果は、IDO活性によりCAPの予後を予見できることを示唆する(Suzukiら;J Infect.2011 Sep;63(3):215-22)。
【0038】
クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)寄生虫により引き起こされるシャーガス病(Chagas Disease)では、KYNが患者内で増大しており、疾患の重篤度と相関する(Maranonら;Parasite Immunol.2013、35(5-6):180-7)。クラミジア・トラコマチス(chlamydia trachomatis)による感染は、大量のIFN-γ産生を誘導し、次いでそれはIDO誘導を引き起こす。IDOにより介在されるTRPプールの枯渇が、不利な環境下での生存によく適合した持続形態へのクラミジアの変換を引き起こすことが、試験により示された(Barth及びRaghuraman;Crit Rev Microbiol.2014、40(4):360-8)。慢性皮膚リーシュマニア症(ch
ronic cutaneous leishmaniasis)の患者では、高レベルのIDOmRNA発現が感染病変で検出されており、病巣内Tレグ細胞(Treg cells)の蓄積と関連していた。マウスでは、Leishmania major感染が局所的皮膚病変及び流入領域リンパ節においてIDO発現を誘発する。IDOを遺伝子的及び薬理学的に除去すると、L.majorの制御が改善された。脳マラリアは、ヒトにおいて、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)感染症の致死的な症状となり得る。マウス脳では脳マラリアの過程でIDO活性が増大しており、マラリアのマウスモデルにおいてIDOを阻害すると、抗マラリアT細胞の機能が亢進し、寄生虫量がわずかに減少した(Barth及びRaghuraman;Crit Rev Microbiol.2014、40(4):360-8)。
【0039】
肺結核患者のKYN及びTRPの血清濃度の測定並びにIDO活性の検査により、対照と比較した、Kyn濃度及びIDO活性の有意な増大並びにTrp濃度の有意な減少が示された。興味深いことに、肺結核患者の中でも、生存者に比べて、非生存者ではKyn濃度が有意に高く、Trp濃度が有意に低く、そのためIDO活性が有意に増大していた。最も重要なことは、IDO活性が肺結核における死亡の重要な独立予測因子であることが多変量解析により示されたことである(Suzukiら;Clin Vaccine Immunol.2012、19(3):436-442)。
【0040】
従って、IDO阻害剤は、広範な感染性疾患及び炎症性症状を有する患者の治療効果を改善するために使用できる可能性がある。また、全身TRPレベルを制御するTDOの役割を考慮すると、TDO阻害剤は、広範な感染性疾患及び炎症性症状を有する患者の治療効果を改善するために使用できる可能性がある。
【0041】
HIVに感染した患者では、血漿TRPレベルが慢性的に減少し、KYNレベルが増大し、IDO発現が増大する(Murray;Lancet Infect Dis.2003、3(10):644-52)。HIV患者では、IDOの上方制御は、HIV抗原に対する免疫応答を抑制するように作用し、ウイルスの免疫回避に寄与する。進行したHIV感染症の特徴は、消化管及び血液の両方からのTh17細胞の優先的な枯渇である。興味深いことに、HIV感染症におけるTh17細胞の損失は、誘導Tレグ細胞の頻度の同時的な上昇を伴い、IDO活性と直接的に相関する。Tレグ細胞は効果的なHIV特異的細胞免疫応答を弱める一方、Th17細胞の枯渇の進行は、粘膜感染に対する感受性を増大させる可能性がある。従って、持続的なIDO活性化はHIV生存に有利な環境を確立し、病気が進行したHIV感染個体に見られる免疫不全に寄与する可能性がある(Barth及びRaghuraman;Crit Rev Microbiol.2014、40(4):360-8)。HIV患者、特にHIV連動認知症(HIV-linked
dementia)の患者(Kandanearatchi及びBrew;FEBS J.2012、279(8):1366-74)においては、CSF中のKYNレベルが有意に上昇することが多い。これらのレベルは、認知障害(neurocognitive decline)(HIV関連認知症(HAND))の進行と直接関連し、重篤な精神病症状の存在とも直接関連していることが多い(Stone及びDarlington;Trends Pharmacol Sci.2013、34(2):136-43)。従って、IDO及び/又はTDO阻害剤はさらにHIV(悪液質、認知症及び下痢等のその症状を含むAIDS)の治療に有用である可能性がある。
【0042】
HIV感染症の場合と同様に、HCVに慢性的に感染した患者は、既往HCV感染症(resolved HCV infections)の患者及び健常個体と比べて、血液中のTRPに対するKYN比の上昇を示す(Larreaら;J Virol.2007、81(7):3662-6)。さらに、IDOの発現は疾患の発病と相関関係があり、HCV感染患者の進行的な硬変を起こした肝臓におけるIDOの高い発現は、肝細胞癌の
発生に寄与する可能性があることが示唆された(Asgharら;Exp Ther Med.2015、9(3):901-4)。従って、IDO及び/又はTDO阻害剤は、HCVに慢性的に感染した患者の治療に有用である可能性がある。
【0043】
IDOは、腸内菌叢(intestinal microbiota)に対する粘膜免疫を制御する役割を有する。IDOは腸における共生誘発抗体産生を制御することが示された;IDO欠損マウスでは、血清中の免疫グロブリンA(IgA)及び免疫グロブリンG(IgG)のベースラインレベルが上昇し、腸内分泌物中のIgAが増大していた。抗体産生の上昇により、IDO欠損マウスは、グラム陰性腸内病原菌であるCitrobacter rodentiumの腸内定着に対して、WTマウスよりも抵抗性であった。IDO欠損マウスはまた、C.rodentiumの感染により引き起こされる大腸炎に対して増強した抵抗性を示した(Harringtonら;Infect Immunol.2008、76(7):3045-53)。
【0044】
従って、IDO/TDO活性を薬理学的標的とすることは、腸管免疫を操作し、腸内病原菌により引き起こされる大腸炎を含む病態を制御する新しいアプローチを提示する可能性がある(Harringtonら;Infect Immunol.2008、76(7):3045-53)。
【0045】
最近の文献は代謝障害におけるIDOの役割を強調している(Lauransら;Nature Medicine https://doi.org/10.1038/s41591-018-0060-4(2018);Natividadら;Cell Metabolism 2018、28:1-13)。高脂肪食を与えられたIdo1ノックアウトマウスは、野生型マウスと比べて、体重増加が少なく、体脂肪量が少なく、ブドウ糖及びインスリン耐性(tolerance)がより良好であり、脂肪組織へのマクロファージの浸潤がより少ないことが見いだされた。高脂肪食と同時にIDO阻害剤であるL-1-MTによる処理を行うと、インスリン及びブドウ糖耐性に対して、ノックアウトにおける場合と同様の効果が得られた。抗生物質処置が、高脂肪食によるIdo1ノックアウトマウスの体重増加を防ぎ、Ido1ノックアウトとwtマウスのコハウジング(co-housing)が、Ido1ノックアウトマウスと同様の代謝測定を示す事実は、Ido1ノックアウトマウスからの菌叢が保護的であることを示唆する。これらの仮説と合致して、Ido-1ノックアウトマウスは異なる腸内菌叢組成を有していた。TRPは、IDOにより代謝されてKYNを産生するか、又は、腸内菌叢(gut microbiota)により代謝されてAhRのリガンドであるインドール-3-酢酸等のインドール誘導体を産生することができる。IDOの枯渇は糞便中のインドール-3-酢酸のレベルを上昇させた。腸管免疫細胞におけるAhRのインドール-3-酢酸誘導活性化は、IL-17及びIL-22の産生を増大させる。IL-22レベルの減少は腸バリア(gut
barrier)の機能障害を伴った。これらのデータは、KYNとインドール-3-酢酸-活性化AhRの平衡の制御におけるIDOの重要性を支持する。肥満又はII型糖尿病の人々は、血漿及び糞便中のKYNレベルが高く、糞便中のインドール-3-酢酸レベルが低く、マウスにおける観察と合致している(Lauransら;Nature Medicine https://doi.org/10.1038/s41591-018-0060-4(2018)。別の研究でも、健常対象と比較したKYNレベルの上昇は、メタボリック症候群を有する個体の糞便試料において見いだされた(Natividadら;Cell Metabolism 2018、28:1-13)。腸内菌叢によるAhRアゴニスト産生の変化が、メタボリック症候群の発病における主要事象であるか否かは不明である。しかしながら、AhRアゴニストの適用によりこの欠陥を修正できるという治療効果は、その病因への関与を示すものである(Natividadら;Cell Metabolism 2018、28:1-13)。従って、IDO阻害剤は、TRP由来AhRアゴニスト平衡のバランスを変化させることにより、肥満、II型糖尿
病及び/又は脂肪酸肝疾患(fatty acid liver disease)等の代謝障害の制御において有用である可能性がある。
【0046】
白内障は、視力の低下を招く眼内水晶体のにごりである。最近の研究は、KYNがヒト水晶体のタンパク構造を化学的に変化させ、それが白内障の形成を引き起こすことを示唆している。ヒト水晶体において、IDO活性は主に角膜上皮内に存在する(Takikawaら;Adv Exp Med Biol.1999、467:241-5)。KYN、3-HK及び3-ヒドロキシキヌレニングルコシド(3-HK-G)等の数種のKYNが水晶体中で検出されており;それらはUV光を吸収することにより網膜を保護すると考えられ、従って通常はUVフィルターと呼ばれる。しかしながら、最近のいくつかの研究は、KYNが脱アミノ化及び酸化傾向を有し、水晶体タンパクと化学的に反応し、修飾するα,β-不飽和ケトンを形成することを示している(Taylorら;Exp Eye
Res.2002;75(2):165-75)。KYN介在修飾は、加齢及び白内障形成の過程で水晶体タンパク質の変性に寄与する可能性がある。それらは、水晶体の透明性の維持に必要なa-クリスタリンのシャペロン機能を低下させる可能性もある。
【0047】
水晶体内でヒトIDOを過剰発現するトランスジェニックマウスラインは、生後3か月以内に両側白内障を発症した。KYNのIDO介在産生は、繊維細胞分化及びそれらのアポトーシスにおける異常を引き起こすことが示された(Mailankotら;Lab Invest.2009;89(5):498-512)。従って、IDO/TDOの阻害は白内障形成の進行を遅らせる可能性がある。
【0048】
子宮内膜症は、子宮内腔の外側の子宮内膜に生じ、腹部痛、性交疼痛症及び不妊症を引き起こす一般的な婦人科疾患である。マイクロアレイ分析により、子宮内膜症の女性の正所子宮内膜でIDO発現が高いことが見いだされた(Burneyら;Endocrinology.2007;148(8):3814-26;Aghajanovaら;Reprod Sci.2011、18(3):229-251)。さらに、IDOは子宮内膜間質細胞の生存及び侵襲性を増強することが示された(Meiら;Int J Clin Exp Pathol.2013;6(3):431-44)。従って、IDO/TDO阻害剤は子宮内膜症の治療に使用できる可能性がある。
【0049】
胚の着床過程には同種移植片拒絶を防ぐメカニズムが必要であり;胎児移植片(fetal allograft)に対する寛容性は妊娠の維持にとって重要なメカニズムである。IDO発現細胞は、胎児-母体接点において、母体免疫応答による致死的な拒絶からアロジェニックな胎児(allogeneic foetus)を保護する。妊娠マウスを1-メチル-トリプトファンに暴露することによりIDOを阻害すると、アロジェニックな受胎産物のT細胞介在拒絶が誘発されるのに対し、同系受胎産物(syngeneic concepti)は影響を受けず;このことは、IDO発現が、胎児-母体接点において、胎児移植片の拒絶を防ぐのに必要であることを示唆する(Munnら;Science 1998、281(5380):1191-3:)。胎児-母体接点におけるIDO産生及び正常機能が、妊娠寛容において大きな役割を有するという証拠が蓄積している(Duerr及びKindler;J Leukoc Biol.2013、93(5):681-700)。従って、IDO/TDO阻害剤は避妊又は堕胎剤として使用できる可能性がある。
【0050】
実験的慢性腎不全において、IDOの活性化はKYNの血液レベルを上昇させ(Tankiewiczら;Adv Exp Med Biol.2003、527:409-14)、尿毒症患者の尿中にはKYN修飾タンパク質が存在する(Salaら;J Biol Chem.2004、279(49):51033-41)。さらに、腎IDO発現は、尿細管細胞損傷を増大させるため、炎症の過程において有害である可能性がある。
【0051】
冠動脈心疾患において、炎症及び免疫活性化がKYNの血液レベルの上昇と関連しており(Wirleitnerら;Eur J Clin Invest.2003、33(7):550-4)、これはおそらくIDOのインターフェロン-y-介在活性化を介するものである。
【0052】
対外循環を伴う心臓手術は認知機能障害を引き起こすことがある。手術自体が炎症の兆候と関係しており、炎症促進性メディエーターはトリプトファン酸化を活性化して神経刺激性のキヌレニンとし、それはNMDA受容体機能及び酸化ストレスを調節する。麻酔後の認知機能障害はこれらの続発症と関連していることが多い。近年、これらの欠陥が、サイトカインではなく、心臓手術後及び脳卒中(stroke)患者の回復中のKYN経路マーカーの変化と関連していることが示された(Forrestら;J.Neurochem.201,119(1):136-52)。
【0053】
概して、脳卒中においてTRP異化が変化することが報告されている。KYN経路の阻害は脳卒中の動物モデルにおいて脳損傷を減少させるため、脳卒中の急性期におけるKYN経路の活性化は、特に興奮毒性及び酸化ストレスを含む直接的なメカニズムにより虚血性損傷に関与する可能性がある。脳卒中後に免疫系とKYN経路の間に相互作用が存在する可能性があるが、異なる炎症非依存性メカニズムが、TRP異化の律速酵素を調節することにより、この経路の制御における役割に介在する可能性もある。興味深いことに、脳虚血後にKYN経路がこの病理の慢性期の過程でも役割を有する可能性もあり、脳卒中の生存者は認知症及びうつ病等の能力障害を高頻度で示し、又は、脳卒中の転帰及び死亡に対する危険因子にさえもなる。要約すると、KYN及びTRP異化は脳虚血後に重要な役割を有している可能性があり、IDO/TDO阻害剤は、脳卒中の急性及び慢性期の両方において新しい薬理学的手段を提供するかもしれない(Cuarteroら;Curr Pharm Des.2016;22(8):1060-1073)。
【発明の概要】
【0054】
本発明は、IDO及び/又はTDO酵素の活性を阻害する式(I)の新規な化合物を提供する。
【0055】
1) 本発明の第1の態様は、式(I)の化合物に関する:
【0056】
【化1】
(式中、
X
1は、窒素又は炭素(特に炭素)を表し;
X
2は、窒素又は炭素(特に炭素)を表し;
R
1は、
- C
1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル);
- C
3-5-シクロアルキル(特にシクロプロピル);又は、
- ハロゲン(特に塩素);
を表し;
R
2は、
- 水素;
- C
1-3-アルキル(特に、メチル又はエチル);又は、
- ハロゲン(特に塩素);
を表し;
各R
3は、独立に、
- C
1-4-アルキル(特にメチル);
- C
1-3-アルコキシ-C
1-4-アルキル(特にメトキシメチル);
- ハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素);
- -OR
4(R
4は、水素、C
1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C
2-5-アルキル(特に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)、(オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキル(特に(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C
1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);
- -NR
N1R
N2
(-- R
N1は水素を表し、かつ、R
N2は-(C=O)-R
CO(R
COはC
1-3-アルコキシ(特にメトキシ)を表す。)を表すか;
-- R
N1及びR
N2は、独立に、水素又はC
1-3-アルキル(特にメチル)を表すか;
-- R
N1及びR
N2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、1個の窒素環原子を有する4~6員の飽和複素環(heterocyclic ring)(特に、アゼチジニル、ピロリジニル又はピペリジニル;とりわけピロリジニル)を形成するか;又は、
-- R
N1はC
1-3-アルキル(特にメチル)を表し、かつ、R
N2は1,2-エタンジイルを表して、式(I)のフラグメント
【0057】
【化2】
が1-(C
1-3-アルキル)-2,3-ジヒドロ-インドール-5-イル(特に1-メチル-2,3-ジヒドロ-インドール-5-イル)を表す。);
- 2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル又は6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル;
を表し;
nは、0、1、2、3、4又は5(特に、0、1、2又は3)を表す(すなわち、(R
3)
nは、0又は1~5個の置換基R
3を表し、n=0の場合はR
3は存在しないものとする。)。)。
【0058】
[態様1)の副態様において、1個の置換R3(特に、-OR4又は-NRN1RN2)は、分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、さらなるR3は存在しないか、又は、残りのR3が存在する場合には、当該残りのR3は特にハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素)から選択される。]
2) 本発明の別の態様は、
X1が、窒素又は炭素(特に炭素)を表し;
X2が、窒素又は炭素(特に炭素)を表し;
R1が、
- C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル);
- C3-5-シクロアルキル(特にシクロプロピル);又は、
- ハロゲン(特に塩素);
を表し;
R2が、
- 水素;又は、
- C1-3-アルキル(特にメチル);
を表し;
各R3が、独立に、
- C1-4-アルキル(特にメチル);
- C1-3-アルコキシ-C1-4-アルキル(特にメトキシメチル);
- ハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素);
- -OR4(R4は、水素、C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C2-5-アルキル(特に2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)、(オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);又は、
- -NRN1RN2(RN1は水素を表し、かつ、RN2は-(C=O)-RCO(RCOはC1-3-アルコキシ(特にメトキシ)を表す。)を表す。);
を表し;
nが、0、1、2、3、4又は5(特に、0、1、2又は3)を表す(すなわち、(R3)nは、0又は1~5個の置換基R3を表し、n=0の場合にはR3は存在しないものとする。);
態様1)に従う化合物に関する。
【0059】
[態様2)の副態様において、1個の置換基R3(特に、-OR4又は-NRN1RN2)は、分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、さらなるR3は存在しないか、又は、残りのR3が存在する場合には、当該残りのR3は特にハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素)から選択される。]
以下に記載される定義は、態様1)~20)のいずれか1つに定義されるような式(I)/(II)の化合物に対して一律に適用されるものであり、特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り本明細書及び請求項を通じて必要な変更を加えて適用される。当然ながら、ある用語の定義又は好ましい定義が、ここに定義されるいずれか又は他のすべての用語のいずれか又は好ましい定義におけるそれぞれの用語を、独立して(及びそれらと共に)定義し置き換えるものであってよい。各態様又は請求項中に明示的に別段の定義がない限り、本明細書中に定義する基は未置換である。
【0060】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1~6個の炭素原子を有する、直鎖の又は分枝した飽和炭化水素鎖を意味する。例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3-メチルブチル、3-ペンチル、2-ペンチル、1,2-ジメチルプロピル及び2-メチルブチルである。「Cx-y-アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、x~y個の炭素原子を有する、直鎖の又は分枝した飽和炭化水素鎖を意味する。従って、C1-4-アルキル基という用語は、単独で使用される場合も、他の基と組み合わせて使用される場合も、1~4個の炭素原子を有する、飽和した分枝鎖又は直鎖の基を意味する。C1-
4-アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル及びイソブチルである。
【0061】
「シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、3~6個の炭素原子を有する単環式の飽和炭化水素環を意味する。「Cx-y-シクロアルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、単環式の飽和炭化水素環を意味する。C3-5-シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルであり;特に、シクロプロピル及びシクロブチルであり;とりわけシクロプロピルである。上記の基のすべては、未置換であるか又は明示的に定義されるように置換される。
【0062】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、アルキル基が先に定義した通りであるアルキル-O-基を意味する。「Cx-y-アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、先に定義したアルコキシ基を意味する。例えば、「Cx-y-アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、アルキル基がx~y個の炭素原子を有する直鎖の又は分岐した炭化水素鎖を意味する、アルキル-O-基を意味する。例えば、C1-3-アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ及びイソプロポキシを意味し;特にメトキシを意味する。
【0063】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素;特に、フッ素、塩素又は臭素を意味する。フェニル、ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニル又はイミダゾ[1,5-a]ピラジニルに結合するハロゲン置換基としては、独立に、フッ素及び塩素が好ましい。
【0064】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、1個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられた、先に定義したアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の代表的な例としては、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシ-1-メチルプロピル、3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、3-ヒドロキシ-1、1-ジメチルプロピル、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル、3-ヒドロキシ-1,2-ジメチルプロピル、3-ヒドロキシ-1-エチルプロピル、1-ヒドロキシメチル-ブチル、2-ヒドロキシペンチル、3-ヒドロキシペンチル、4-ヒドロキシペンチル、5-ヒドロキシペンチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブチル及び3-ヒドロキシ-3-メチルブチルが挙げられる。「ヒドロキシ-Cx-y-アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、単独で使用される場合も、又は、組み合わせて使用される場合も、アルキル基がx~y個の炭素原子を有する、先に定義したヒドロキシアルキル基を意味する。ヒドロキシ-C2-5-アルキル基は、2~5個の炭素原子を有する、先に定義したヒドロキシアルキル基であり、特に、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチルである。
【0065】
nは、式(I)/(II)中に表わされるフェニル又はピリジニル環中のR3置換基の数を表し、nは、0、1、2、3、4及び5;特に、1、2、3、4及び5;とりわけ、2、3及び4からなる群より選択される整数である。n=0の場合には、式(I)/(II)中に置換基R3は存在しないものとする。
【0066】
X2が炭素を表す場合には、X2はCH又はC-R3基を表すものとする。さらに、X1が炭素を表す場合には、X1はCH基を表すものとする。
【0067】
「C1-3-アルコキシ-C1-4-アルキル」という用語は、先に定義したアルキル基であって、その水素原子の1つが先に定義したC1-3-アルコキシ基で置き換えられた、アルキル基を意味する。C1-3-アルコキシ-C1-4-アルキルの代表的な例としては、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシエチル、エトキシエチル、エトキシプロピル及びプロポキシプロピルが挙げられる。C1-3-アルコキシ-C1-4-アルキルの好ましい例はメトキシメチルである。
【0068】
「オキセタン-3-イル-C1-3-アルキル」という用語は、先に定義したアルキル基であって、その水素原子の1つがオキセタン環で置き換えられ、当該オキセタン環が環の3位において当該アルキル基に結合する、アルキル基を意味する。代表的な例としては、オキセタン-3-イル-メチル、1-(オキセタン-3-イル)-エチル、2-(オキセタン-3-イル)-エチル及び1-(オキセタン-3-イル)-プロピル;特にオキセタン-3-イル-メチルが挙げられる。
【0069】
「(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル」という用語は、オキセタン環の3位の水素原子がフッ素で置き換えられた、先に定義したオキセタン-3-イル-C1-3-アルキル基を意味する。代表的な例としては、(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル、2-(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-エチル及び3-(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-プロピル;特に3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチルが挙げられる。
【0070】
3) さらなる態様は、X1が炭素を表す;態様1)又は2)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0071】
4) さらなる態様は、X1が窒素を表す;態様1)又は2)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0072】
5) さらなる態様は、X2が炭素を表す;態様1)~4)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0073】
6) さらなる態様は、X2が窒素を表す;態様1)~4)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0074】
7) さらなる態様は、R1が、C3-5-シクロアルキル(特にシクロプロピル)又はハロゲン(特に塩素)を表し;特に、R1がシクロプロピルを表す;態様1)~6)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0075】
8) さらなる態様は、R1がC1-4-アルキルを表し;特に、R1がエチルを表す;態様1)~6)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0076】
9) さらなる態様は、R2が水素を表す;態様1)~8)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0077】
10) さらなる態様は、R2が、水素又はC1-3-アルキル(特に、メチル又はエチル)を表す;態様1)~8)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0078】
11) さらなる態様は、R3が、独立に、
- C1-3-アルコキシ-C1-4-アルキル(特にメトキシメチル);
- ハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素);
- -OR4(R4は、水素、C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C2-5-アルキル(特に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)、(オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に、(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);- -NRN1RN2(RN1は水素を表し、かつ、RN2は-(C=O)-RCO(RCOはC1-3-アルコキシ(特にメトキシ)を表す。)を表す。);
を表す;態様1)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0079】
12) さらなる態様は、R3が、独立に、
- C1-3-アルコキシ-C1-4-アルキル(特にメトキシメチル);
- ハロゲン(特に、フッ素、塩素又は臭素);
- -OR4(R4は、水素、C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C2-5-アルキル(特に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)、(オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に、(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);を表す;態様1)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0080】
13) さらなる態様は、nが1、2又は3(特に、2又は3)を表す;態様1)~12)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0081】
14) さらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
1個の置換基R3が、
- -OR4(R4は、水素、C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C2-5-アルキル(特に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)、(オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);又は、
- -NRN1RN2
(-- RN1は水素を表し、かつ、RN2は-(C=O)-RCO(RCOはC1-3-アルコキシ(特にメトキシ)を表す。)を表すか;
-- RN1及びRN2は、独立に、水素又はC1-3-アルキル(特にメチル)を表すか;
-- RN1及びRN2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、1個の窒素環原子を有する4~6員の飽和複素環(特に、アゼチジニル、ピロリジニル又はピペリジニル;とりわけピロリジニル)を形成する。);又は、
- 2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル又は6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル;
を表し;
当該1個の置換基は分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、残りのR3が存在する場合には、当該残りのR3はハロゲン(特に、フッ素又は塩素)から選択される;
態様1)及び3)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0082】
15) さらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
1個の置換基R3が、
- -OR4(R4は、水素、C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C2-5-アルキル(特に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)、(オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);又は、
- -NRN1RN2(RN1は水素を表し、RN2は-(C=O)-RCO(RCOはC1-3-アルコキシ(特にメトキシ)を表す。)を表す。);
を表し;
当該1個の置換基は分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、残りのR3が存在する場合には、当該残りのR3はハロゲン(特に、フッ素又は塩素)から選択される;
態様1)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0083】
16) さらなる態様は、
nが、1、2又は3を表し;
1個の置換基R3が、
- -OR4(R4は、水素、C1-4-アルキル(特に、メチル又はエチル)、ヒドロキシ-C2-5-アルキル(特に、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル又は3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)、(オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(オキセタン-3-イル)-メチル)又は(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-C1-3-アルキル(特に(3-フルオロ-オキセタン-3-イル)-メチル)を表す。);
を表し;
当該1個の置換基は分子の残りの部分への結合点に対してパラ位に結合し、残りのR3が存在する場合には、当該残りのR3はハロゲン(特に、フッ素又は塩素)から選択される;
態様1)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0084】
17) さらなる態様は、式(I)のフラグメント
【0085】
【化3】
が、
- フェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-ブロモ-4-メトキシフェニル、4-メチルフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル、3-フルオロ-4-メトキシフェニル、2-フルオロ-3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシ-5-フルオロフェニル、2-フルオロ-4-メトキシ-5-クロロフェニル、2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル、4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、3-フルオロ-4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、3-フルオロ-4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-(メトキシ-カルボキサミド)-フェニル、4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フ
ェニル、4-(メトキシメチル)-フェニル;又は、4-エトキシピリジン-3-イル;又は、上記のものに加えて、3-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル又は6-エトキシピリジン-3-イル;
を表す;
態様1)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0086】
18) さらなる態様は、式(I)のフラグメント
【0087】
【化4】
が、
- フェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-ブロモ-4-メトキシフェニル、4-メチルフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル、3-フルオロ-4-メトキシフェニル、2-フルオロ-3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシ-5-フルオロフェニル、2-フルオロ-4-メトキシ-5-クロロフェニル、2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル、4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、3-フルオロ-4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、3-フルオロ-4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-(メトキシ-カルボキサミド)-フェニル、4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル、4-(メトキシメチル)-フェニル;又は、4-エトキシピリジン-3-イル;又は、上記のものに加えて、3-フルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル又は6-エトキシピリジン-3-イル;又は、
- 3-フルオロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-フェニル、3-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-フェニル、2,5-ジフルオロ-4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、2,5-ジフルオロ-4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、2,5-ジフルオロ-4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル、4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル、4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル、1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル、4-アミノ-フェニル、4-(メチルアミノ)-フェニル、4-(ピロリジン-1-イル)-フェニル、4-ジメチルアミノ-フェニル、2-フルオロ-フェニル又は2,4-ジフルオロ-フェニル;
を表す;
態様1)及び3)~10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0088】
19) さらなる態様は、
X1が炭素を表し;R1が、メチル、エチル、シクロプロピル又は塩素を表し;R2が水素を表し;式(I)のフラグメント
【0089】
【化5】
が、4-ヒドロキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-メトキシフェニル、3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル、3-フルオロ-4-メトキシフェニル、2-フルオロ-4-メトキシ-5-クロロフェニル、2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル、3-フルオロ-4-((オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-((3-フルオロ-オキセタン-3-イル)メトキシ)-フェニル、4-(メトキシ-カルボキサミド)-フェニル又は4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-フェニル;又は、4-エトキシピリジン-3-イル;
を表す;
態様1)~2)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0090】
20) 別の態様は、式(II)の化合物でもある(すなわち、フラグメント、[1,2,3]トリアゾール-1,4-ジイルが結合し、OH基を有する不斉炭素原子が、式(II)に示す絶対配置を有する(すなわち、当該不斉炭素原子は絶対(R)-配置にある。))
【0091】
【化6】
態様1)~19)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0092】
21) 別の態様は、下記からなる群より選択される、態様1)又は2)のいずれか1つに従う化合物に関する:
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-p-トリル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステル;
2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
2-クロロ-4-{4-[(S)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステル;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
1-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシメチル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-
フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;及び
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール。
【0093】
態様21)に挙げるすべての化合物は、特に(R)-立体異性体が富化された形態、とりわけ本質的に純粋な(R)-立体異性体形態にあるものとする。
【0094】
22) 別の態様は、下記からなる群より選択される、態様1)に従う化合物に関する:
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-エチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-メチル-1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ピロリジン-1-イル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(4-アミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール;
4-(2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オール;
4-(4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オール;
(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2,5-ジフルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;及び
(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2-フルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール。
【0095】
23) 別の態様は、下記からなる群より選択される、態様1)又は2)のいずれか1つに従う化合物に関する:
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール;
2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イ
ル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール;
(R)-[1-(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシメチル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール;及び
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール。
【0096】
24) 別の態様は、下記からなる群より選択される、態様1)に従う化合物に関する:
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ピロリジン-1-イル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-[1-(4-アミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;
(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール;及び
1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2,5-ジフルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール。
【0097】
従って、上記部分で開示した種々の態様1)~20)の従属関係に基づいて、下記の態様が可能であり、意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される:2+1、3+1、3+2+1、5+1、5+2+1、5+3+1、5+3+2+1、7+1、7+2+1、7+3+1、7+3+2+1、7+5+1、7+5+2+1、7+5+3+1、7+5+3+2+1、10+1、10+2+1、10+3+1、10+3+2+1、10+5+1、10+5+2+1、10+5+3+1、10+5+3+2+1、10+7+1、10+7+2+1、10+7+3+1、10+7+3+2+1、10+7+5+1、10+7+5+2+1、10+7+5+3+1、10+7+5+3+2+1、12+1、12+2+1、12+3+1、12+3+2+1、12+5+1、12+5+2+1、12+5+3+1、12+5+3+2+1、12+7+1、12+7+2+1、12+7+3+1、12+7+3+2+1、12+7+5+1、12+7+5+2+1、12+7+5+3+1、12+7+5+3+2+1、12+10+1、12+10+2+1、12+10+3+1、12+10+3+2+1、12+10+5+1、12+10+5+2+1、12+10+5+3+1、12+10+5+3+2+1、12+10+7+1、12+10+7+2+1、12+10+7+3+1、12+10+7+3+2+1、12+10+7+5+1、12+10+7+5+2+1、12+10+7+5+3+1、12
+10+7+5+3+2+1、13+1、13+2+1、13+3+1、13+3+2+1、13+5+1、13+5+2+1、13+5+3+1、13+5+3+2+1、13+7+1、13+7+2+1、13+7+3+1、13+7+3+2+1、13+7+5+1、13+7+5+2+1、13+7+5+3+1、13+7+5+3+2+1、13+10+1、13+10+2+1、13+10+3+1、13+10+3+2+1、13+10+5+1、13+10+5+2+1、13+10+5+3+1、13+10+5+3+2+1、13+10+7+1、13+10+7+2+1、13+10+7+3+1、13+10+7+3+2+1、13+10+7+5+1、13+10+7+5+2+1、13+10+7+5+3+1、13+10+7+5+3+2+1、13+12+1、13+12+2+1、13+12+3+1、13+12+3+2+1、13+12+5+1、13+12+5+2+1、13+12+5+3+1、13+12+5+3+2+1、13+12+7+1、13+12+7+2+1、13+12+7+3+1、13+12+7+3+2+1、13+12+7+5+1、13+12+7+5+2+1、13+12+7+5+3+1、13+12+7+5+3+2+1、13+12+10+1、13+12+10+2+1、13+12+10+3+1、13+12+10+3+2+1、13+12+10+5+1、13+12+10+5+2+1、13+12+10+5+3+1、13+12+10+5+3+2+1、13+12+10+7+1、13+12+10+7+2+1、13+12+10+7+3+1、13+12+10+7+3+2+1、13+12+10+7+5+1、13+12+10+7+5+2+1、13+12+10+7+5+3+1、13+12+10+7+5+3+2+1、
15+1、15+2+1、15+3+1、15+3+2+1、15+5+1、15+5+2+1、15+5+3+1、15+5+3+2+1、15+7+1、15+7+2+1、15+7+3+1、15+7+3+2+1、15+7+5+1、15+7+5+2+1、15+7+5+3+1、15+7+5+3+2+1、15+10+1、15+10+2+1、15+10+3+1、15+10+3+2+1、15+10+5+1、15+10+5+2+1、15+10+5+3+1、15+10+5+3+2+1、15+10+7+1、15+10+7+2+1、15+10+7+3+1、15+10+7+3+2+1、15+10+7+5+1、15+10+7+5+2+1、15+10+7+5+3+1、15+10+7+5+3+2+1、20+1、20+2+1、20+3+1、20+3+2+1、20+5+1、20+5+2+1、20+5+3+1、20+5+3+2+1、20+7+1、20+7+2+1、20+7+3+1、20+7+3+2+1、20+7+5+1、20+7+5+2+1、20+7+5+3+1、20+7+5+3+2+1、20+10+1、20+10+2+1、20+10+3+1、20+10+3+2+1、20+10+5+1、20+10+5+2+1、20+10+5+3+1、20+10+5+3+2+1、20+10+7+1、20+10+7+2+1、20+10+7+3+1、20+10+7+3+2+1、20+10+7+5+1、20+10+7+5+2+1、20+10+7+5+3+1、20+10+7+5+3+2+1、20+13+1、20+13+2+1、20+13+3+1、20+13+3+2+1、20+13+5+1、20+13+5+2+1、20+13+5+3+1、20+13+5+3+2+1、20+13+7+1、20+13+7+2+1、20+13+7+3+1、20+13+7+3+2+1、20+13+7+5+1、20+13+7+5+2+1、20+13+7+5+3+1、20+13+7+5+3+2+1、20+13+10+1、20+13+10+2+1、20+13+10+3+1、20+13+10+3+2+1、20+13+10+5+1、20+13+10+5+2+1、20+13+10+5+3+1、20+13+10+5+3+2+1、20+13+10+7+1、20+13+10+7+2+1、20+13+10+7+3+1、20+13+10+7+3+2+1、20+13+10+7+5+1、20+13+10+7+5+2+1、20+13+10+7+5+3+1、20+13+10+7+5+3+2+1、20+13+12+1、20+13+12+2+1、20+13+12+3+1、20+13+12+3+2+1、20+13+12+5+1、20+13+12+5+2+1、20+13+12+5+3+1、2
0+13+12+5+3+2+1、20+13+12+7+1、20+13+12+7+2+1、20+13+12+7+3+1、20+13+12+7+3+2+1、20+13+12+7+5+1、20+13+12+7+5+2+1、20+13+12+7+5+3+1、20+13+12+7+5+3+2+1、20+13+12+10+1、20+13+12+10+2+1、20+13+12+10+3+1、20+13+12+10+3+2+1、20+13+12+10+5+1、20+13+12+10+5+2+1、20+13+12+10+5+3+1、20+13+12+10+5+3+2+1、20+13+12+10+7+1、20+13+12+10+7+2+1、20+13+12+10+7+3+1、20+13+12+10+7+3+2+1、20+13+12+10+7+5+1、20+13+12+10+7+5+2+1、20+13+12+10+7+5+3+1、20+13+12+10+7+5+3+2+1、20+15+1、20+15+2+1、20+15+3+1、20+15+3+2+1、20+15+5+1、20+15+5+2+1、20+15+5+3+1、20+15+5+3+2+1、20+15+7+1、20+15+7+2+1、20+15+7+3+1、20+15+7+3+2+1、20+15+7+5+1、20+15+7+5+2+1、20+15+7+5+3+1、20+15+7+5+3+2+1、20+15+10+1、20+15+10+2+1、20+15+10+3+1、20+15+10+3+2+1、20+15+10+5+1、20+15+10+5+2+1、20+15+10+5+3+1、20+15+10+5+3+2+1、20+15+10+7+1、20+15+10+7+2+1、20+15+10+7+3+1、20+15+10+7+3+2+1、20+15+10+7+5+1、20+15+10+7+5+2+1、20+15+10+7+5+3+1、20+15+10+7+5+3+2+1。
【0098】
上記のリスト中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様からの従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「3+2+1」は、態様1)に従属する態様2)に従属する態様3)を意味し、すなわち、態様「3+2+1」は、態様2)及び3)の特徴によりさらに特徴づけられた態様1)に相当する。
【0099】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、少なくとも1個の(すなわち、フラグメント、[1,2,3]トリアゾール-1,4-ジイルが結合する不斉炭素原子)及び場合によってはより多くの不斉中心を有する化合物を包含し、それらは(R)並びに(S)配置で存在することができる。式(I)の化合物はさらに、1又は2以上の二重結合を有する化合物を包含してもよく、それらは、Z並びにE配置で存在することができ、及び/又は、環系に置換基を有する化合物を包含してもよく、それらは相互に相対的にシス(cis)並びにトランス(trans)配置で存在することができる。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は、好ましくは立体異性体が富化された形態で、特に本質的に純粋な立体異性体として存在してもよい。式(II)において、フラグメント、[1,2,3]トリアゾール-1,4-ジイルが結合し、式(II)に示す定義された絶対配置を有する不斉炭素原子に加えて、当該式の化合物は、(R)並びに(S)配置で存在することができるさらなる不斉炭素原子を有してもよい。従って、式(II)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は、好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0100】
本特許出願において、点線
【0101】
【0102】
特定の化合物(又は包括的構造)が(R)-又は(S)-エナンチオマーとして記載される場合、そのような記載は、富化された、特に本質的に純粋な、エナンチオマーの形態の各化合物(又は包括的構造)を意味するものと解される。同様に、ある化合物の特定の不斉中心が(R)-又は(S)-配置にある、又は、特定の相対配置にあると記載される場合、そのような記載は、上記不斉中心の各配置に関し、富化された、特に本質的に純粋な形態の上記化合物を意味するものと解される。同様に、シス又はトランスの記載は、富化された、特に本質的に純粋な形態の各立体異性体を意味するものと解される。同様に、特定の化合物(又は包括的構造)がZ又はE立体異性体として記載される場合(又は、ある化合物中の特定の二重結合がZ又はE配置として記載される場合)、そのような記載は、富化された、特に本質的に純粋な立体異性体形態の各化合物(又は包括的構造)(又は、二重結合の各配置に関して、富化された、特に本質的に純粋な形態の化合物)を意味するものと解される。
【0103】
「富化(enriched)」という用語は、立体異性体に関連して使用される場合、本発明に関しては、それぞれの立体異性体が、それぞれ他の立体異性体/それぞれ他の立体異性体の全体に対して、少なくとも70:30、特に少なくとも90:10の比率で(すなわち、少なくとも70重量%、特に少なくとも90重量%の純度で)で存在することを意味するものと解される。
【0104】
「本質的に純粋な」という用語は、立体異性体に関連して使用される場合、本発明に関しては、それぞれの立体異性体が、それぞれ他の立体異性体/それぞれ他の立体異性体の全体に対して、少なくとも95重量パーセント、特に、少なくとも99重量パーセントの純度で存在すること意味するものと解される。
【0105】
本発明はまた、同位体標識された、特に2H(デューテリウム)標識された式(I)の化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特に2H(デューテリウム)標識された式(I)の化合物及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体2H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in-vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、代謝の変化がもたらされるため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)の化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式(I)の化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式(I)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してよい。
【0106】
化合物、塩、医薬組成物、疾患について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩
、組成物及び疾患をも意味することが意図されている。
【0107】
本明細書を通じて使用される「調節する」、「調節」又は「調節剤」という用語は、酵素又は受容体の活性の増大又は減少に関する。IDO及び/又はTDO阻害剤という用語は、IDO及び/又はTDO酵素の活性を阻害することができる薬剤を意味する。
【0108】
式(I)の化合物に対する上記又は下記のいかなる言及も、状況に応じて、式(I)の化合物の塩、特に薬学的に許容される塩をも指すものと解される。
【0109】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象化合物の所望の生物活性を保持し、かつ最小の望ましくない毒性作用を示す塩を意味する。そのよう塩としては、対象化合物中の塩基性基及び/又は酸性基の存在に応じた、無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩が挙げられる。参考としては、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.」、P.Heinrich Stahl、Camille G.Wermuth(Eds.)、Wiley-VCH、2008;及び「Pharmaceutical Salts
and Co-crystals」、Johan Wouters and Luc Quere(Eds.)、RSC Publishing、2012を参照されたい。
【0110】
式(I)の化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、(特に経口等の)経腸又は(局所的適用又は吸入を含む)非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0111】
式(I)の化合物は、IDO及び/又はTDO酵素の阻害、並びに、特にヒト等の哺乳類における(特に癌等の)IDO及び/又はTDO酵素の関連する疾患又は障害の予防及び/又は治療に適切である。
【0112】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた方法で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]参照。)、既述の式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0113】
本発明の好ましい態様において、投与量は、1mgから1000mg/日の間、特に5mgから500mg/日の間、より好ましくは25mgから400mg/日の間、とりわけ50mgから200mg/日の間に含まれる。
【0114】
数値の範囲を記述するために「間」という単語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれるものとする。これは、例えば、温度範囲が40℃から80℃の間であると記述される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し;あるいは、可変数が1から4の間の整数であると定義される場合、可変数は整数の1、2、3又は4であることを意味する。
【0115】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X-Xの10%からX+Xの10%の間、好ましくはX-Xの5%からX+Xの5%の間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」という用語は、この出願において、温度Y-10℃からY+10℃にわたる間、好ましく
はY-5℃からY+5℃にわたる間を表す。
【0116】
いかなる疑義をも避けるために、化合物がある疾患の予防又は治療について有用であると記載されている場合には、そのような化合物は、同様に当該疾患の予防又は治療のための医薬の製造における使用に適している。
【0117】
本発明はまた、薬学的に有効な量の式(I)の化合物を、単独で又は他の薬理学的に有効な化合物及び/又は治療と組み合わせて、対象に投与することを有する、上記の疾患又は障害の予防又は治療方法に関する。
【0118】
「予防(prevention)」という用語の意味は「予防(prophylaxis)」と理解してもよいものとする。
【0119】
1又は2種以上の式(I)の化合物を、特に癌等の、IDO及び/又はTDO酵素の関連する疾患又は障害の予防及び/又は治療に使用してよい。
【0120】
癌は、メラノーマを含む皮膚癌;転移性メラノーマ;非小細胞性肺癌を含む肺癌;膀胱癌(urinary bladder cancer)を含む膀胱癌(bladder cancer);尿路上皮癌;腎細胞癌を含む腎癌;転移性腎細胞癌;転移性腎明細胞癌;大腸癌を含む消化器癌;転移性大腸癌;家族性大腸腺腫症(FAP);食道癌;胃癌;胆嚢癌;胆管癌;肝細胞癌;及び膵臓腺癌又は膵管癌等の膵臓癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;神経芽細胞腫;去勢抵抗性前立腺癌を含む前立腺癌;脳転移、悪性神経膠腫、多形膠芽腫、髄芽腫、髄膜腫、神経芽細胞種、星状細胞種を含む脳腫瘍;トリプル・ネガティブ乳癌を含む乳癌;口腔腫瘍;上咽頭腫瘍;胸部癌(thoracic cancer);頭頸部癌;中皮腫;急性骨髄性白血病、成人T細胞白血病を含む白血病;癌種;腺癌;甲状腺乳頭癌を含む甲状腺癌;絨毛癌;ユーイング肉腫を含む肉腫;骨肉腫;横紋筋肉腫;カポジ肉腫;バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、MALTリンパ腫を含むリンパ腫;多発性骨髄腫;並びにウイルス誘発腫瘍;を含むものと定義してよい。
【0121】
さらに、癌は、脳癌、皮膚癌、膀胱癌(bladder cancer)、卵巣癌、乳癌、胃癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、血液癌、肺癌及び骨癌を含むものと定義してよい。そのような癌種の例は、神経芽細胞腫、直腸癌、結腸癌、家族性大腸腺腫癌及び遺伝性非ポリポーシス大腸癌等の腸癌、食道癌、口唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、腎癌、腎臓柔組織癌(kidney parenchymal carcinoma)、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛膜癌、膵臓癌、前立腺癌、精巣癌、乳癌、泌尿器癌(urinary carcinoma)、メラノーマ、神経膠芽腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄芽腫及び末梢神経外胚葉性腫瘍等の脳腫瘍、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞白血病リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、肝細胞癌、胆嚢癌、気管支癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫、基底細胞癌、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫及び形質細胞腫を含む。
【0122】
癌は、特に、皮膚癌、特に進行性黒色腫及びメルケル細胞癌;非小細胞性肺癌を含む肺癌;膀胱癌(bladder cancer);頭頸部癌;腎細胞癌;ホジキンリンパ腫;子宮頚部癌;子宮体癌;乳癌;結腸癌;消化管間質腫瘍;膵臓癌;前立腺癌;急性骨髄性白血病を含む白血病;リンパ腫;胃癌;卵巣癌;食道癌;肝臓癌;及び脳腫瘍、特に膠芽腫、中皮腫、神経芽細胞腫、肉腫、とりわけ高悪性度骨肉腫、星状細胞種、骨髄腫を含
むものと定義してよい。
【0123】
癌は、とりわけ、ミスマッチ修復欠損(mismatch repair deficiency)及び高度マイクロサテライト不安定性(high microsatellite instability)と呼ばれる、特異的遺伝的特徴を有する固形腫瘍;皮膚癌、特に進行性黒色腫、メルケル細胞癌及び有棘細胞癌(cutaneous squamous cell carcinoma);肺癌(特に、非小細胞性肺癌(NSCLC));膀胱癌(bladder cancer);進行子宮頸癌;進行胃癌;頭頸部癌;腎細胞癌;ミスマッチ修復欠損(dMMR)及び高度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する転移性大腸癌;縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫;進行性肝臓癌;及びホジキンリンパ腫を含むものと定義してよい。
【0124】
1又は2種以上の式(I)の化合物は、単独で又はさらなる薬理学的に有効な化合物及び/又は治療と組み合わせて、いかなる癌、特に上記の癌の予防及び/又は治療に使用してよい。
【0125】
癌、特に上記の癌に加えて、IDO及び/又はTDO酵素の関連するさらなる疾患又は障害は、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病及び筋萎縮性側索硬化症等の神経変性障害;精神障害等の中枢神経系(CNS)障害(統合失調症、うつ病);疼痛;脳卒中;てんかん;HIV(悪液質、認知症及び下痢等のその症状を含むAIDS)及びHCV等の慢性感染性疾患;(クラミジア系統(Chlamydia strains)及び腸病原性系統等の)種々の細菌、(トリパノソーマ、リーシュマニア、プラスモディウム(plasmodium)等の)寄生虫又は(インフルエンザ、ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)、単純ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス(Epstein-Barr virus)、ポリオウイルス(poliovirus)、水痘帯状疱疹ウイルス及びコクサッキーウイルス(coxsackie virus)等の)ウイルスを原因とする感染症及び炎症並びに他の感染症(例えば、皮膚感染症、GI感染症、尿路感染症、性器尿路感染症、全身感染症)、喘息、関節リウマチ、多発性硬化症、アレルギー性炎症、炎症性腸疾患、乾癬及び全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患、臓器移植(例えば、臓器移植拒絶)、肥満、II型糖尿病及び/又は脂肪酸肝疾患等の代謝障害;白内障;子宮内膜症;避妊及び堕胎;を含むものと定義してよい。
【0126】
さらなる自己免疫疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シャープ症候群(Sharp’s syndrome)、CREST症候群(石灰化症、レイノー症候群、食道運動障害、毛細血管拡張症)、皮膚筋炎、血管炎(モルバス ウェゲナー(Morbus Wegener’s))及びシェーグレン症候群等の膠原病、グッドパスチャー症候群、急速進行性糸球体腎炎及び膜性増殖性糸球体腎炎II型等の腎疾患、I型糖尿病、自己免疫性多腺性内分泌不全症-カンジダ症-外胚葉ジストロフィー(APECED)、自己免疫性副甲状腺機能亢進症(autoimmune parathyroidism)、悪性貧血、性腺不全(gonad insufficiency)、特発性モルバスアディソン(idiopathic Morbus Addison’s)、甲状腺機能亢進症、橋本甲状腺炎及び原発性粘液水腫等の内分泌疾患、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、妊娠ヘルペス、表皮水疱症及び多形性紅斑等の皮膚疾患、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性胆管炎、自己免疫性肝炎1型、自己免疫性肝炎2型、原発性硬化性胆管炎等の肝疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、筋無力症Lambert-Eaton症候群、後天性neuromyotomy、ギラン・バレー症候群(Muller-Fischer症候群)、スティッフマン症候群、小脳変性症、運動失調、眼球クローヌス、感覚性ニューロパチー及びアカラシア等の神経疾患、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑症(Morbus Werlhof)等の血液疾患、AIDS、マラリア及びシャーガス病
等の関連自己免疫反応を有する感染性疾患を含む。
【0127】
「放射線療法」(「radiotherapy」又は「radiation therapy」又は「radiation oncology」)という用語は、癌の予防(補助療法)及び/又は治療における電離放射線の医学的使用を意味し;外部及び内部放射線療法を含む。
【0128】
「標的療法」という用語は、特定のタイプの癌細胞又は間質細胞に作用する低分子又は抗体等の1又は2種以上の抗新生物剤を用いた、癌の予防(補助療法)及び/又は治療を意味する。ある種の標的療法は、癌細胞の増殖や拡散に関わるある種の酵素、タンパク質又はその他の分子の作用をブロックする。他のタイプの標的療法は、免疫系が癌細胞を殺すのを助け(免疫療法);又は、癌細胞に毒性物質を直接送達して殺す。本発明の化合物と組み合わせるのに特に適した標的療法の例は、免疫療法、特に、プログラム細胞死1(PD-1)受容体又はそのリガンドPD-L1を標的とする免疫療法(Feig Cら、PNAS 2013)である。
【0129】
免疫療法はさらに、(i) (共刺激を含む)刺激受容体のアゴニスト又は(ii) T細胞に対する(共阻害を含む)阻害シグナルのアンタゴニストを意味し、いずれも、抗原特異的T細胞応答の増幅を招く(免疫チェックポイント調節剤と呼ばれることが多い。)。刺激性及び阻害性分子のあるものは、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激又は共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの重要なファミリーの1つはB7ファミリーであり、B7-1、B7-2、B7-Hl(PD-Ll)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)及びB7-H6を含む。共刺激又は共阻害受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、同系のTNF受容体ファミリーメンバーに結合する分子のTNFファミリーであり、CD40及びCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-lBBL、CD137(4-lBB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fnl4、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTpR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TLlA、TRAMP/DR3、EDAR、EDAl、XEDAR、EDA2、TNFRl、Lymphotoxin a/TNFp、TNFR2、TNFa、LTPR、Lymphotoxin a 1p2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRを含む。
【0130】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、「標的療法」という用語は、特に、以下の薬剤等を意味する:a) 上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤又はブロッキング抗体(例えば、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)、アファチニブ(Afatinib)、イコチニブ(Icotinib)、ラパチニブ(Lapatinib)、パニツムマブ(Panitumumab)、ザルツムマブ(Zalutumumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)、マツズマブ(Matuzumab)及びセツキシマブ(Cetuximab))並びにトラスツマブ(ハーセプチン);b) RAS/RAF/MEK経路阻害剤(例えば、ベムラフェニブ(Vemurafenib)、ソラフェニブ(Sorafenib)、ダブラフェニブ(Dabrafenib)、GDC-0879、PLX-4720、LGX818、RG7304、トラメチニブ(Trametinib)(GSK1120212)、コビメチニブ(Cobimetinib)(GDC-0973/XL518)、ビニメチニブ(Binimetinib)(MEK162、ARRY-162)、セリメチニブ(Selumetinib)(AZD6244));c) ヤーヌスキナーゼ(Janus kinase)(JAK)阻害剤(例えば、ルキソリチニブ(Ruxolitinib)、イタシチニ
ブ(Itacitinib)、モメロチニブ(Momelotinib));d) アロマターゼ阻害剤(例えば、エキセメスタン(Exemestane)、レトロゾール(Letrozole)、アナストロゾール(Anastrozole)、ボロゾール(Vorozole)、フォルメスタン(Formestane)、ファドロゾール(Fadrozole));e) シグナル伝達阻害剤(STI)。「シグナル伝達阻害剤」は、癌細胞の正常な機能におけるシグナル伝達経路における1又は2以上の重要な工程を選択的に阻害する薬剤であり、それによりアポトーシスを引き起こす。適切なSTには:(i)
例えば、STI571(GLEEVEC(登録商標))、ダサチニブ(Dasatinib)等のbcr/ablキナーゼ阻害剤;(ii) 例えば、キナーゼ阻害剤(IRESSA(登録商標)、SSI-774)及び抗体(Imclone:C225[Goldsteinら、Clin.Cancer Res.、1:1311-1318(1995)]及びAbgenix:ABX-EGF)等の上皮成長因子(EGF)受容体阻害剤;(iii) 例えばL-744,832(Kohlら、Nat.Med.、1(8):792-797(1995))等のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)のようなher-2/neu受容体阻害剤;(iv) 例えばラパマイシン(例えば、Sekulicら、Cancer Res.、60:3504-3513(2000)参照。)等のAktファミリーキナーゼ又はAkt経路の阻害剤;(v) 例えば、フラボピリドール及びUCN-O1(例えば、Sausville、Curr.Med.Chem.Anti-Cane.Agents、3:47-56(2003)参照。)等の細胞周期キナーゼ阻害剤;及び(vi) 例えばLY294002(例えば、Vlahosら、J Biol.Chem.、269:5241-5248(1994)参照。)等のホスファチジルイノシトールキナーゼ阻害剤、が含まれるが、これらに限定されるものではない。f) 血管新生阻害剤、特に、ベバシズマブ(Bevacuzimab)(アバスチン(Avastin))、ラムシルマブ(Ramucirumab)、ソラフェニブ(Sorafenib)又はアキシチニブ(Axitinib)等のVEGFシグナル伝達阻害剤;g) 免疫チェックポイント阻害剤(例えば:ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)(ランブロリズマブ(Lambrolizumab)、MK-3475)、ニボルマブ(Nivolumab)、ピディリズマブ(Pidilizumab)(CT-011)、AMP-514/MEDI0680、PDR001、SHR-1210;REGN2810、BGBA317、PF-06801591、MGA-012、TSR042、JS-001、BCD100、IBI-308、BI-754091等の抗PD1抗体;AMP-224等の、PD-1を標的とする融合タンパク質;例えば、WO2015/033299、WO2015/044900及びWO2015/034820に開示される化合物等の低分子抗PD1剤;BMS-936559、アテゾリズマブ(atezolizumab)(MPDL3280A、RG7446)、アベルマブ(avelumab)(MSB0010718C)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)等の抗PD1L抗体;AMP224等の抗PDL2抗体;イピリムマブ(ipilimumab)、tremelimumab等の抗CTLA-4抗体;Relatlimab(BMS-986016)、IMP701、IMP731、MK-4280、ImmuFact IMP321等の抗リンパ球-活性化遺伝子3(LAG-3)抗体;MBG453、TSR-022等の抗T細胞免疫グロブリン ムチン-3(TIM-3)抗体;RG6058(抗TIGIT、MTIG7192A)等の抗Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)抗体(anti T cell immunoreceptor with Ig and ITIM domains (TIGIT) antibodies);抗キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、例えばリリルマブ(Lirilumab)(IPH2102/BMS-986015)、(Galectin-1、Galectin-9等の)Galectinのアンタゴニスト、BTLA;h) ワクチン療法的アプローチ(例えば、樹状細胞ワクチン療法、(例えば、gp100ペプチド又はMAGE-A3ペプチドを用いた)DNA、ペプチド又はタンパク質ワクチン療法並びに組み換えウイルス;i) 顆粒球単球コロニー刺激因子(GM
CSF)遺伝子トランスフェクト腫瘍細胞ワクチン(GVAX)又はFms-関連チロシンキナーゼ3(Flt-3)リガンド遺伝子トランスフェクト腫瘍細胞ワクチン(FVAX)又はToll様受容体増強GM-CSF腫瘍ベースワクチン(TEGVAX)等の免疫調節因子を分泌するように遺伝的に修飾された患者由来又は同種(allogenic)(非自己)癌細胞の再導入;j) キメラ抗原受容体(CAR)改変T-細胞(例えばCTL019)等のT細胞ベース養子免疫療法;k) サイトカイン又は免疫サイトカインベース治療(例えば、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン10、インターロイキン15、TGF-β);l) Toll-様受容体(TLR)アゴニスト(例えば、レシキモド(resiquimod)、イミクイムド(imiquimod)、motolimod、グルコピラノシル脂質A、CpGオリゴデオキシヌクレオチド);m) サリドマイドアナログ(例えば、レナリドマイド(Lenalidomide)、ポマリドミド(Pomalidomide));n) T細胞共刺激受容体の活性化剤(例えば、BMS-663513(urelumab)、ウトミルマブ(Utomilumab)(PF-05082566)等の抗CD137/4-1BB抗体;抗OX40/CD134(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4)(RG7888(MOXR0916)、9B12;MEDI6469、GSK3174998、MEDI6383、MEDI0562等)、抗OX40-リガンド/CD252;(TRX518、MEDI1873、MK-4166、BMS-986156、BMS-986153等の)抗グルココルチコイド誘発TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)、(Dacetuzumab(SGN-40)、HCD122、CP-870,893、RG7876、ADC-1013、APX005M、SEA-CD40等の)抗CD40(TNF受容体スーパーファミリーメンバー5)抗体;(BG9588等の)抗CD40-リガンド抗体;Varlilumab等の抗CD27抗体;抗CD28抗体;抗ICOS抗体;o) 二重特異性抗体等の腫瘍特異性抗原並びにT-細胞表面マーカーに結合する分子又は抗体フラグメント、抗体模倣タンパク質(antibody mimetic proteins)(例えば、設計アンキリン反復配列タンパク質(designed ankyrin repeat proteins)(DARPINS)、二重特異性T細胞engager(BITE、例えばAMG103、AMG330));p) コロニー刺激因子1受容体(CSF-1R)を標的とする抗体又は低分子量阻害剤(例えば、Emactuzumab(RG7155)、Cabiralizumab(FPA-008)、PLX3397);q) キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)に対する抗体(例えば、リリルマブ(IPH2102/BMS-986015))等のナチュラルキラー細胞上の免疫細胞チェックポイントを標的とする薬剤;r) アデノシン受容体又は、アデノシン三リン酸(ATP)をアデノシンに変換するエクトヌクレアーゼCD39及びCD73を標的とする薬剤(例えば、MEDI9447(抗CD73抗体)、PBF-509;CPI-444(アデノシンA2a受容体アンタゴニスト);s) CCR2又はCCR4を含むケモカイン受容体に対するアンタゴニスト;t) 補体系の調節剤 v) (例えば、抗CD25モノクロナル抗体(例えばダクリズマブ(daclizumab))を用いて、又は、ex vivo抗CD25ビーズ枯渇により)制御性T細胞を枯渇させ若しくは阻害する、又は、T細胞アネルギー若しくは疲弊を逆転させ/阻害する薬剤。
【0131】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、f)に挙げたもの等の免疫チェックポイント阻害剤及び、特に、プログラム細胞死受容体1(PD-1受容体)又はそのリガンドPD-L1を標的とするものが好ましい。
【0132】
「化学療法」という用語は、1又は2種以上の細胞毒性抗新生物剤(「細胞毒性化学療法剤」)による癌の治療を意味する。化学療法は、しばしば放射線療法又は外科手術等の他の癌治療と併用される。この用語は特に、分裂の早い(これは大抵の癌細胞の主な特性の1つである。)細胞を殺すことで作用する従来の化学療法剤を意味する。化学療法では
、一度に1種の薬物(単剤化学療法)又は一度に数種の薬物(併用化学療法又は多剤化学療法)を用いうる。光への暴露によってのみ細胞毒性活性へと変換する薬物を用いる化学療法は、光化学療法又は光力学療法と呼ばれる。
【0133】
本明細書で使用する「細胞毒性化学療法剤」又は「化学療法剤」という用語は、細胞死又は細胞壊死を引き起こす活性な抗新生物剤を意味する。式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、この用語は特に、下記のような従来の細胞毒性化学療法剤を意味する:1) (ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソウレア及びトリアゼンを含むが、これらに限定されない)アルキル化剤(例えば、ウラシルマスタード、メクロレタミン(mechlorethamine)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イホスファミド(ifosfamido)、ストレプトゾシン(streptozocin)、カルムスチン(carmustine)、ロムスチン(lomustine)、メルファラン(melphalan)、ブスルファン(busulfan)、プロカルバジン、ダカルバジン(dacarbazine)、テモゾロミド、ピポブロマン(pipobroman)、トリエチレン-メラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、チオテパ(thiotepa)又はアルトレタミン(altretamine);特に、テモゾロミド);2) プラチナ製剤(例えば、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)又はオキサリプラチン(oxaliplatin));3) 代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、フロキシウリジン(floxuridine)、ペントスタチン(pentostatine)、カペシタビン(capecitabine)、6-メルカプトプリン(6-mercaptopurine)、メトトレキセート(methotrexate)、ゲムシタビン(gemcitabine)、シタラビン(cytarabine)、フルダラビン(fludarabine)又はペメトレキセド(pemetrexed));4) 抗腫瘍抗生物質(例えば、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、エピルビシン(epirubicin)、イダルビシン(idarubicin)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ブレオマイシン(bleomycin)、マイトマイシン-C(mitomycin-C)又はミトキサントロン(mitoxantrone));5) 有糸分裂阻害物質(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)、イキサベピロン(ixabepilone)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、ビノレルビン(vinorelbine)、ビンデシン(vindesine)又はエストラムスチン(estramustine));又は、6) トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide)、トポテカン(topotecan)、イリノテカン(irinotecan)、ジフロモテカン(diflomotecan)又はエロモテカン(elomotecan))。また、好適なのは、生物学的応答調節物質等の細胞毒性剤;増殖抑制物質;抗ホルモン治療剤;ロイコボリン(leucovorin);テガフール;及び造血成長因子である。
【0134】
式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、好ましい細胞毒性化学療法剤は、上記のアルキル化剤(特に、フォテムスチン、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、ダカルバジン及び、特にテモゾロミド等のそのプロドラッグ又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩;とりわけテモゾロミド);有糸分裂阻害物質(特に、パクリタキセル、ドセタキセル、イキサベピロン;又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩;とりわけパクリタキセル);プラチナ製剤(特に、シスプラチン、オキサリプラチン又はカルボプラチン);並びにエトポシド及びゲムシタビンである。1) 化学療法は、治療目的で施されても、あるいは延命又は症状の改善を狙ったものでもよい。2) 集学的(Combined modality)化学療法は、放射線療法又は外科手術等の他の癌
治療と共に行う、薬物の使用である。3) 導入(Induction)化学療法は、化学治療薬による癌の一次治療である。この種の化学療法は治療目的で用いられる。4) 強化(Consolidation)化学療法は、寛解後に、全無病期間の延長及び全生存を改善する目的で施される。投与される薬剤は、寛解をもたらした薬剤と同じものである。5) 強化(Intensification)化学療法は、強化(consolidation)化学療法と同一であるが、導入化学療法とは異なる薬剤が用いられる。6) 併用(Combination)化学療法は、患者を同時に多くの異なる薬剤で治療するものである。これらの薬剤は、メカニズム及び副作用が異なる。最も大きな利点は、いずれか1種類の薬剤に対して耐性を獲得する機会が最小化されることである。また、より少ない用量で薬剤が使用されることが多く、毒性が低減される。7) 術前補助(Neoadjuvant)化学療法は、外科手術等の局所治療に先立って施され、原発腫瘍を縮小することを目的としている。微小転移性病態のリスクが高い癌に対しても施される。8) 補助(Adjuvant)化学療法は、局所治療(放射線療法又は外科手術)の後に施される。癌の存在を示す証拠はほとんど無いが、再発の危険がある場合に用いることができる。また、身体の他の箇所に広がったあらゆる癌性細胞を殺すのにも有用である。これらの微小転移は、補助化学療法で治療することができ、これらの播種性細胞による再発率を下げることができる。9) 維持(Maintenance)化学療法は、寛解を延長するために繰り返される低用量治療である。10) 救援(Salvage)化学療法又は緩和(palliative)化学療法は、治療を目的とせず、単に腫瘍の負荷を減少させ、期待余命を伸ばすために施される。こうした養生法に対しては、毒性プロファイルがより優れていることが一般に求められる。
【0135】
式(I)の化合物の製造
式(I)の化合物は、以下の方法によって、実施例に示された方法によって、又は類似の方法によって製造することができる。最適反応条件は、使用する具体的反応物又は溶媒によって変わるが、このような条件は、当業者により、ルーチンの最適化手順によって決定することができる。
【0136】
下記の反応スキームにおいて、包括的な基R1、R2、R3、R4、X1、X2及びnは、式(I)の化合物に対して定義した通りである。疑義を避けるために、Xはハロゲンを意味するか、又は、(例えば、X1又はX2として)ヘテロ環に含まれる場合には、窒素又は炭素を意味する。場合によっては、当該包括的な基は、スキームに図示した製法に適合しないかもしれず、又は、保護基(PG)の使用が必要となるであろう。保護基の使用は、当技術分野において周知である(例えば、「Protective Groups
in Organic Synthesis」T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley-Interscience、1999参照)。この目的のために、そのような保護基が必要に応じて導入されているものと仮定する。場合によっては、最終生成物をさらに改変してもよく、例えば、置換基を操作することにより新たな最終生成物が得られる。こうした操作は、当業者に周知の還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応を含むが、これらに限定されるものではない。得られた化合物は、当該技術分野において知られた方法により、塩、特に薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0137】
本発明の式(I)の化合物は、以下に概説した一般的合成スキームに従って製造することができる。
【0138】
式(I)の化合物の合成
一般に、R2=Hである式(I)の化合物は、室温、DMF及び水等の極性溶媒の混合物中の硫酸銅、アスコルビン酸ナトリウム塩等の標準的な銅触媒アジド-アルキン環付加(CuAAC)条件を用いた、プロパルギルアルコール中間体1のアジド2との反応により得られる(スキーム1)。アジドは標準的な方法を用いて(例えば、ハライド、ボロン酸
又はアミンから)製造することができる。
【0139】
【化8】
エナンチオピュアな(光学的に純粋な)(enantiopure)アルコール3a及び3bは、得られたCuAACの生成物3のキラル分離により得ることができる(スキーム1)。
【0140】
あるいは、R2=Hである、エナンチオピュアな式(I)の化合物は、エナンチオピュアなプロパルギルアルコール1aと適切なアジド2のCuAAC反応により得ることができる(スキーム2)。エナンチオピュアなプロパルギルアルコールは、ラセミ体プロパルギルアルコール1のキラル分離により得ることができる。
【0141】
【化9】
あるいは、R
2=Meである式(I)の化合物は、マグネシウムブロミド種5のアルデヒド4との反応により得ることができる(スキーム3)。Grignard試薬5は、適切なアジド2とプロピニルマグネシウムブロミドを用いて、in situで製造することができる。
【0142】
【化10】
あるいは、式(I)の化合物は、中間体6及び適切なアルデヒド7を出発物質とする脱プロトン化/付加シークエンスにより得ることができる(スキーム4、例えばX
1=炭素)。化合物6は、THF等の溶媒中、-78℃から0℃の範囲の温度にて、n-BuLi等の塩基を用いて脱プロトン化することができ、得られたアニオンは、THF等の溶媒中、-78℃からRTの範囲の温度にて、アルデヒド7で処理することができる。次いで、ラセミ体化合物はキラル分取用HPLCを用いて分離することができ、アルコール3a及び3bを与える。
【0143】
【化11】
あるいは、式(I)の化合物は、保護/配向基(protecting/directing group)ストラテジーを用いて製造することができる(スキーム5)。-78℃付近又はそれより高い温度における、THF等の溶媒中での、n-BuLi又はLDA等の塩基を用いた中間体8の脱プロトン化、続く適切なアルデヒド7の付加により、アルコール9が得られる。チオエーテル官能基の除去は、RTから90℃の範囲の温度で、エタノールと水の混合物等の溶媒中、Raneyニッケル等の触媒を用いて行われ、化合物3を与える。次いで、ラセミ体化合物は、キラル分取用HPLCを用いて分離することができ、アルコール3a及び3bを与える。
【0144】
【化12】
あるいは、式(I)の化合物は、RTから100℃の範囲の温度での、DMF等の溶媒中、NaI及びK
2CO
3等の塩基の存在下におけるハライド(R
4-X)等の標準的なアルキル化条件を用いて、10のアルキル化により製造することができる(スキーム6)。次いで、ラセミ体化合物11は、キラル分取用HPLCを用いて分離することができ、アルコール11a及び11bを与える。
【0145】
【化13】
アルデヒド4及びプロパルギルアルコール中間体1の合成
プロパルギルアルコール1は、スキーム7に記載の合成シークエンスを用いて製造することができる(例えば、X
1=炭素)。
【0146】
【化14】
カルボン酸12を出発物質として、酸官能基を、RT付近の温度、EtOH等の溶媒中の塩化チオニル等の標準的なエステル化条件を用いて、対応するメチル又はエチルエステルに変換する。次いで、DMF等の溶媒中、RTから110℃の範囲の温度で、シアン化物源としてのZn(CN)
2、Pd
2(dba)
3等のパラジウム触媒及びdppf等のリガンドを用いて、金属触媒シアノ化により、2-Clヘテロアリール13を対応する2-CNヘテロアリール14に変換する。ニトリル官能基は、EtOH等の溶媒中、Boc-保護アミン15を生成させるための二炭酸ジ-tert-ブチルの存在下、(例えばHCube-Pro装置内で生成された)水素雰囲気下で、Raneyニッケルを用いて対
応するアミンに還元される。次いで、保護基を除き、DIPEA等の塩基の存在下、RTから50℃の範囲の温度で、ギ酸エチル等のホルミル化剤を用いて、1級アミンを対応するホルミル化アミンに変換する。次いで、ホルミル化アミン16は、トルエン又はDCM等の溶媒中のPOCl
3等の脱水剤及び0℃から110℃の範囲の温度を用いて、二環系17に環化することができる。エステル官能基は、THF、MeOH若しくはEtOH又は混合物等の溶媒中で、NaBH
4等の還元剤を用いて、対応するアルコールに還元される。アルコール18は、DCM又はCH
3CN等の溶媒中のDess-Martinペルヨージナン又はMnO
2等の酸化剤及び0℃から70℃の範囲の温度を用いて、アルデヒド4に酸化される。あるいは、アルデヒド4は、ワインレブアミド(Weinreb amide)22を介して、エステル17から得ることができる(スキーム8)。アルデヒド4は、0℃からRTの範囲の温度で、THF等の溶媒中、エチルマグネシウムブロミドを用いて、Grignard反応を介してプロパルギルアルコール1に変換することができる。
【0147】
プロパルギルアルコール1への別の合成経路をスキーム8(例えばX1=窒素)に示す。
【0148】
【化15】
市販の(又は、対応するカルボン酸のエステル化により、若しくは、R
1置換基を導入するFGIにより製造した)ブロミド19を、AIBNの存在下、CCl
4等の溶媒中のNBS、及び、RTから80℃の範囲の温度等の標準的なラジカル臭素化反応条件を用いて、例えばメチル誘導体20の臭素化を介して、ブロモメチル21に変換する。また、メチル誘導体は、例えば、K
2CO
3等の塩基の存在下、RTから110℃の範囲の温度にて、ジオキサン等の溶媒中で、Pd(dppf)
2等のパラジウム系触媒、トリメチルボロキシンを用いて、クロスカップリング反応により得ることができる。次いで、RT付近
の温度にて、DMF等の溶媒中で、ナトリウムジホルムアミド(sodium diformamide)と反応させることによりビスホルムアミドを形成させ、次いで、例えばNaHCO
3を塩基として用いて、塩基性条件下でホルミル基の1つを加水分解する、2工程のワンポット製法を用いて、ブロミド21はホルムアミド16に変換することができる。スキーム7における記載と同様に、ホルミル化アミン16は、次いで、トルエン又はDCM等の溶媒中のPOCl
3等の脱水剤、及び、0℃から110℃の範囲の温度を用いて、二環系17に環化することができる。次いで、エステル官能基は、0℃から50℃の範囲の温度にて、THF及び水等の溶媒の混合物中、LiOHの塩基を用いてけん化し、次いで、0℃からRTの範囲の温度にて、DMF等の溶媒中、DIPEA等の塩基の存在下、HATU等のカップリング剤、N,O-ジメチルヒドロキシルアミンを用いて標準的アミドカップリングを行うことにより、ワインレブアミド22に変換される。ワインレブアミド22は、THF又はトルエン等の溶媒中のDIBALH等の還元剤、及び、-20℃からRTの範囲の温度を用いて、アルデヒド4に還元することができる。アルデヒド4は、0℃からRTの範囲の温度にて、THF等の溶媒中、エチルマグネシウムブロミドを用いて、Grignard反応を介して、プロパルギルアルコール1に変換することができる。
【0149】
あるいは、R1は、スキーム7及び8に示した合成の任意の適切な段階で相互変換することができる(Clをシクロプロピル又はメチル又はエチルへ)。例えば、アルデヒド4は、Suzukiクロスカップリング反応等の標準的な金属-触媒カップリング反応を用いて、R1がアルキル/シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、メチル又はエチル)である対応する中間体に変換することができる(スキーム9)。あるいは、R1置換基は、Negishiクロスカップリング反応等の金属-触媒カップリング反応を用いて、エステル17に導入することができる(スキーム10)。
【0150】
【化16】
アジド2の合成
市販されていない場合には、アジドは、例えばブロミド、ボロン酸(Chan-Lamカップリング)若しくはアミン(Sandmeyer反応)を出発物質として、又は、適切に置換されたアジドのFGIにより、標準的方法により製造することができる。
【0151】
あるいは、アジド24は、RTから50℃の範囲の温度で、DMF等の溶媒中、NaI及びK2CO3等の塩基の存在下、ハライド(R4-X)等の標準的なアルキル化条件を用いて、23のアルキル化により製造することができる(スキーム11)。
【0152】
【化17】
中間体6の合成
1級アミン26(市販されているか、又は、対応するカルボン酸若しくはエステル25から(スキーム12)、又は、対応するアルコールから、官能基相互変換により製造される)は、対応するホルミル化アミン27に変換され、それは、トルエン又はDCM等の溶媒中のPOCl
3等の脱水剤及び0℃から110℃の範囲の温度を用いて、二環系6に環化することができる。
【0153】
【化18】
中間体8の合成
アミン26は、Et
3N等の塩基の存在下、MeOH等の溶媒中、0℃から70℃の範囲の温度で、二硫化炭素等の標準的条件を用いて、チオール28に環化することができる(スキーム13)。チオール28は、K
2CO
3等の塩基の存在下、アセトン等の溶媒中、RTから45℃の範囲の温度で、EtI等の標準的アルキル化条件を用いて、アルキル化
することができ、中間体8を与える。
【0154】
【化19】
アルデヒド7の合成
市販されていない場合には、アルデヒド7は標準的方法により製造することができ、そのうちの2つをスキーム14及びスキーム15に記載する。アルデヒド7は、適切に置換されたベータ-ケトエステル29とアジド2の間の塩基触媒環付加反応により製造することができる(スキーム14)。エステル30はアルコールに還元することができ、その後、当該アルデヒドに酸化することができる。あるいは、エステル30は対応するワインレブアミドに変換することができ、次いでアルデヒド7に還元することができる。
【0155】
【化20】
あるいは、典型的な銅触媒アルキン-アジドカップリング反応を用いて、アルキン31とアジド2をカップリングすることができる(スキーム15)。得られたエステルは、上記の方法を用いて対応するアルデヒドに変換することができる。
【0156】
【化21】
式(I)の化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法:例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又は、Regis Whelk-O1(R,R)(10μm)カラム、Daicel ChiralCel OD-H(5-10μm)カラム又はDaicel ChiralPak IA(10μm)、IA、IB、IC、IE若しくはIF(5μm)若しくはAD-H(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLCを用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から150mL/分の流速における、溶出液A(トリエチ
ルアミン又はジエチルアミン等のアミンの存在下又は非存在下におけるEtOH)及び溶出液B(ヘプタン)の無勾配混合物である。
【0157】
下記の実施例は本発明を説明する目的で記載される。これらの実施例は、説明のためのものに過ぎず、いかなる形においても本発明を限定するものとは解釈されない。
【0158】
実験の項
化学
温度はすべて℃で示す。
【0159】
分取用HPLC条件:
分取用HPLC精製の条件は、精製する化合物の特性に応じて下記の可能性から選択した。課題ごとに複数の選択肢を用いることで良好な結果が得られる。機器:HPLCポンプ:Gilson 333/334又は同等品、オートサンプラー:(Gilson 845zインジェクターを備えた)Gilson LH215又は同等品、デガッサ(Degasser):Dionex SRD-320又は同等品、メイクアップポンプ:Dionex ISO-3100A又は同等品、DAD検出器:Dionex DAD-3000又は同等品、MS検出器:シングル四重極質量分析計、Thermo Finnigan MSQ Plus又は同等品、MRAスプリッター:MRA100-000フロースプリッター又は同等品、ELS検出器:Polymer Laboratories PL-ELS1000又は同等品。方法:カラム:可変、Waters Atlantis
T3 30x75mm 10μM(酸性条件のみ);Waters XBridge C18、30x75mm 10μM(酸性/塩基性条件);Waters XBridge C18、50x150mm 10μM(酸性/塩基性条件);流速:可変、(30x75mmの寸法のカラムについて)75mL/min、(50x150mmの寸法のカラムについて)150mL/min。移動相:勾配モード A:水+0.5%ギ酸(酸性条件) A:水+0.5%水酸化アンモニウム溶液(25%)(塩基性条件) B:アセトニトリル 勾配:可変(例えば75mL/minについて);「極めて極性」:t[min] %A %B 流速(mL/min):0.000 100 0 75;1.000
100 0 75;3.500 80 20 75;4.000 5 95 75;6.000 5 95 75;6.200 100 0 75;6.600 100 0 75。「非常に極性」:t[min] %A %B 流速(mL/min):0.000
95 5 75;0.100 95 5 75;3.000 50 50 75;4.000 5 95 75;6.000 5 95 75;6.200 95 5 75;6.600 95 5 75;「極性」:t[min] %A %B 流速(mL/min):0.000 90 10 75;0.010 90 10 75;4.000 5
95 75;6.000 5 95 75;6.200 90 10 75;6.600 90 10 75;「普通」:t[min] %A %B 流速(mL/min):0.000 80 20 75;0.010 80 20 75;4.000 5 95
75;6.000 5 95 75;6.200 80 20 75;6.600 80 20 75;「脂溶性」:t[min] %A %B 流速(mL/min):0.000 70 30 75;0.010 70 30 75;3.500 5 95 75;6.000 5 95 75;6.200 70 30 75;6.600 70 30 75;「非常に脂溶性」:t[min] %A %B 流速(mL/min):0.000 50 50 75;0.010 50 50 75;3.000 5 95 75;6.000 5 95 75;6.200 50 50 75;6.600 50
50 75。注入体積:100-2500μl。採取:利用可能であればUV/MS/ELSD、及び可能なすべての組み合わせ;メイクアップ流速:0.50mL/min。メイクアップ溶出液 MS:アセトニトリル/水/TFA 70:30:0.025(V/V/V);MSイオン化モード:ESI+。
【0160】
LC-MS条件:
塩基性条件:カラム:Waters BEH C18、3.0x50mm、2.5μm/01593635616710;温度:40℃;注入体積:0.30μl;溶出液A:c(NH3)=13mmol/lの水/NH3;溶出液B:アセトニトリル;イオン化:ESI+;勾配:0.0minにおいて=5%B、0.01minにおいて=5%B、1.20minにおいて=95%B、1.90minにおいて=95%B、2.00minにおいて=5%B;流速=1.6mL/min。
【0161】
酸性条件:カラム:Zorbax RRHD SB-Aq、2.1x50mm、1.8μm/USEAF01579;温度:40℃;注入体積:0.15μl;溶出液A:水 0.04%TFA;溶出液B:アセトニトリル;イオン化:ESI+;勾配:0.0minにおいて=5%B、0.01minにおいて=5%B、1.20minにおいて=95%B、1.90minにおいて=95%B、2.10minにおいて=5%B;流速=0.8mL/min。
【0162】
QC条件:カラム:Acquity UPLC CSH C18 1.7μm 2.1x50mm;温度:60℃;注入体積:0.25μl、部分ループ(partial loop) 2μl;溶出液A:H2O+0.05%v/v ギ酸;溶出液B:アセトニトリル+0.045%v/v ギ酸;勾配:2.0minにわたって2%Bから98%Bへ;流速=1.0mL/min。検出:214nmのUV及びMS(Xevo Triple Quadrupole Detector Instrument);イオン化:ESI+。
【0163】
(上記又は下記の部分において使用される)略語:
Ac アセテート
aq. 水溶液
ACN アセトニトリル
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
BPDS バソフェナントロリンジスルホン酸ジナトリウム塩水和物BRP 背圧レギュレータ
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
CCl4 四塩化炭素
CuAAC 銅触媒アジド-アルキン環付加
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIBALH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン(Huenig塩基)
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルフォキシド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
Et2O ジエチルエーテル
EtOH エタノール
FC フラッシュクロマトグラフィー
FGI 官能基相互変換(functional group interconversion)
h 時間
HATU (1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート)
LC-MS 質量分析計に連結した液体クロマトグラフィー
Me メチル
MeOH メタノール
MeCN アセトニトリル
min 分
mL ミリリットル
NaBH4 水素化ホウ素ナトリウム
NBS N-ブロモスクシンイミド
n-Bu n-ブチル
org. 有機
Pd(II)dppf [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)
prepHPLC 分取用HPLC
RT 室温
rflx 還流
sat. 飽和
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
tR 分で表したHPLC保持時間
中間体の合成
中間体A: rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
工程1: エチル 3,6-ジクロロピコリネートの製造
3,6-ジクロロピリジン-2-カルボン酸(9701mg、48mmol)のEtOH(42mL)中の薄黄色の溶液に、塩化チオニル(8.84mL、120mmol)を0℃にて滴下により加える。得られた乳白色の懸濁液を1h還流して反応を完了させる。溶媒を減圧下で蒸発させる。混合物に飽和NaHCO3を加え、pHを7に調整し、混合物をEt2Oで抽出する。有機層を合わせて、塩水(brine)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。薄緑色のオイルをEt2O中に溶解し、活性炭で10min処理し、次いでろ過し、減圧下で濃縮して、11.4gのエチル 3,6-ジクロロピコリネートを無色のオイルとして得る。LCMS(酸性):tR=0.86min、[M+H]+=220.08。
【0164】
工程2:エチル 3-クロロ-6-シアノピコリネートの製造
エチル 3,6-ジクロロピコリネート(2403mg、10.9mmol)のDMF(47mL)中の脱気した溶液に、シアン化亜鉛(1374mg、11.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(619mg、0.655mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(371mg、0.655mmol)を加える。得られた黒色の懸濁液を、110℃で2h30、次いでRTで一晩撹拌する。シアン化亜鉛98%(65.4mg、0.546mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(103mg、0.109mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(61.8mg、0.109mmol)をさらに加え、反応混合物を110℃に2h30加熱して、完了に近い状態にする。混合物をRTに冷まし、次いで減圧下で濃縮する。残渣をEt2O中に再溶解し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘプタン)で精製して、1.44gのエチル 3-クロロ-6-シアノピコリネートを黄色のオイルとして得る。LCMS(
酸性):tR=0.82min、[M+H]+=211.14。
【0165】
工程3:エチル 6-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-クロロピコリネートの製造
エチル 3-クロロ-6-シアノピコリネート(1440mg、6.63mmol)をEtOH(70mL)中に溶解し、二炭酸ジ-tert-ブチル(4431mg、19.9mmol)を加える。反応をRa-Ni触媒を用いてHCube-Pro(7cm長)内で下記の条件で行う:T=70℃、P=10bar、F=1.0mL/min、100%H2モード(1パス(pass))。混合物を減圧下で濃縮する。残渣をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘプタン)で精製して、3.89gのエチル 6-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-クロロピコリネートを白色の固体として得る。LCMS(酸性):tR=0.91min、[M+H]+=315.25。
【0166】
工程4:エチル 3-クロロ-6-(ホルムアミドメチル)ピコリネートの製造
エチル 6-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-3-クロロピコリネート(2840mg、9.02mmol)をトリフルオロ酢酸(9mL、116mmol)中に溶解する。混合物をRTにて30min撹拌し、減圧下で濃縮する。残渣をsat.aq.NaHCO3中に溶解し、固体NaHCO3を加えることによりpHを8に調整した。DCM(9mL)を加え、混合物を激しく撹拌する。ギ酸(2.4mL、62.4mmol)と無水酢酸(2.4mL、25.2mmol)の予熱した(50℃で30min)混合物を加える。得られた混合物をRTで一晩撹拌する。層を分離し、水層をDCMで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。得られた粗製の黄色のオイルをDCM/Et2O/ペンタン中で結晶化し、1.87gのエチル 3-クロロ-6-(ホルムアミドメチル)ピコリネートを白色の固体として得る。LCMS(酸性):tR=0.64min、[M+H]+=243.03。
【0167】
工程5:エチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレートの製造
エチル 3-クロロ-6-(ホルムアミドメチル)ピコリネート(1875mg、7.73mmol)をトルエン(40mL)中に溶解する。POCl3(1.44mL、15.5mmol)を0℃で加え、混合物を110℃に10min加熱する。混合物を減圧下で濃縮する。残渣をDCM中に再溶解し、sat.aq.NaHCO3を加える。水層をDCMで抽出した(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製の赤色のオイルをFC(シリカゲル;EtOAc/ヘプタン)で精製して、1.613gのエチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレートを鮮黄色のオイルとして得、それをRTで固化する。LCMS(塩基性):tR=0.83min、[M+H]+=225.13。
【0168】
工程6:(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールの製造エチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレート(1613mg、7.18mmol)のEtOH(92mL)中の氷冷した鮮黄色の溶液に、NaBH4(823mg、21.5mmol)を加える。得られたオレンジ色の懸濁液をRTで20h撹拌し、反応を完了させる。EtOHを減圧下で除き、水を加え、混合物をDCMで抽出する。有機層を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製残渣をEt2O/ペンタン中で粉砕し、ろ過し、1.0gの(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールを灰白色の固体として得る。LCMS(塩基性):tR=0.56min、[M+H]+=183.24。
【0169】
工程7:6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドの製造
(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノール(1000mg、5.48mmol)のDCM(30mL)中の懸濁液に、Dess-Martinペルヨージナン(3667mg、8.21mmol)のDCM(20mL)中の懸濁液を、N2雰囲気下で0℃にて加える。黄色の懸濁液を0℃で撹拌し、次いで2hRTまで温める。NaHCO3及びNa2S2O3の飽和水溶液を加え、混合物をDCMで抽出する(3x)。有機抽出物を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、869mgの6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドを赤色の固体として得る。LCMS(酸性):tR=0.65min、[M+H]+=181.26。
【0170】
工程8:6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドの製造
6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒド(88.5mg、0.49mmol)、シクロプロピルボロン酸(126mg、1.47mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(41.2mg、0.147mmol)、酢酸パラジウム(II)(11.2mg、0.049mmol)及びK2CO3(135mg、0.98mmol)の、トルエン(8.5mL)及び水(3.4mL)中の脱気した混合物を、80℃にて一晩加熱する(半分の変換)。シクロプロピルボロン酸(378mg、4.4mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(185mg、0.66mmol)及び酢酸パラジウム(II)(50.4mg、0.22mmol)をさらに加え、混合物を100℃に3h加熱して、反応を完了させた。混合物をRTに冷まし、EtOAcで希釈し、セライトのショートパッドを通してろ過する。層を分離し、水層をEtOAcでさらに2回抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。茶色の残渣をMeCN中に溶解し、ヘプタンとペンタンで順次洗浄し、次いで減圧下で濃縮する。茶色のオイルをEt2O/ペンタン中で粉砕し、得られた沈殿物をろ過により集め、654mgの6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドをベージュ色の固体として得る。LCMS(酸性):tR=0.47min、[M+H]+=187.33。
【0171】
工程9:rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール(中間体A)の製造
6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒド(654mg、3.51mmol)のTHF(25mL)及びEt2O(10mL)中の溶液を、-10℃に冷却し、THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液(9mL、4.5mmol)で処理する。反応混合物を-10℃で撹拌し、RTまで4h温めて反応を完了させる。アイスとsat.aq.NH4Clを加え、混合物をEtOAcで抽出する(3x)。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、701mgのrac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールを茶色のフォームとして得る。LCMS(酸性):tR=0.52min、[M+H]+=213.16。
【0172】
中間体B:rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
工程1:メチル 3-クロロ-6-メチルピラジン-2-カルボキシレートの製造
メチル 6-ブロモ-3-クロロピラジン-2-カルボキシレート(13.156g、49.7mmol)、トリメチルボロキシン(7.02mL、49.7mmol)、K2CO3(13.738g、99.4mmol)及びPd(II)dppf(2.029g、2.48mmol)を、ジオキサン(158mL)中に懸濁する。混合物をN2で10min脱気し、100℃で36h加熱する。混合物をRTに冷まし、セライトのパッドを通してろ過する。ろ液を減圧下で濃縮する。粗生成物をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘプタン)で精製して、7.7gのメチル 3-クロロ-6-メチルピラジン-2-カルボ
キシレートを黄色のオイルとして得る。LCMS(酸性):tR=0.67min、[M+H]+=187.18。
【0173】
工程2:メチル 6-(ブロモメチル)-3-クロロピラジン-2-カルボキシレートの製造
メチル 3-クロロ-6-メチルピラジン-2-カルボキシレート(5.84g、29.7mmol)をCCl4(82mL)中に溶解する。NBS(8.018g、44.6mmol)及びAIBN(249mg、1.49mmol)を順番に加える。混合物を24h還流する。AIBNをさらに加え、反応がほぼ完了するまで混合物を還流下で撹拌する。混合物をRTに冷まし、減圧下で濃縮する。残渣に水とEtOAcを加え、層を分離し、水相をEtOAcでさらに抽出する(2x)。有機層を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘプタン)で精製して、3.57gのメチル 6-(ブロモメチル)-3-クロロピラジン-2-カルボキシレートを明黄色のオイルとして得る。LCMS(酸性):tR=0.79min、[M+H]+=質量分析なし。
【0174】
工程3:メチル 3-クロロ-6-(ホルムアミドメチル)ピラジン-2-カルボキシレートの製造
メチル 6-(ブロモメチル)-3-クロロピラジン-2-カルボキシレート(8790mg、33.1mmol)のDMF(116mL)中の溶液に、ジホルミルアミドナトリウム(3568mg、36.4mmol)を加える。反応液をRTで1h撹拌する。NaHCO3のsat.aq.溶液を加え、所望の生成物に完全に変換するまで、反応混合物をRTで一晩乾燥する。EtOAcを加え、層を分離し、水層をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、7.5gのメチル 3-クロロ-6-(ホルムアミドメチル)ピラジン-2-カルボキシレートを黒色のオイルとして得る。LC-MS(酸性):tR=0.52min、[M+H]+=230.23。
【0175】
工程4:メチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートの製造
メチル 3-クロロ-6-(ホルムアミドメチル)ピラジン-2-カルボキシレート(3.077g、13.4mmol)をトルエン(24mL)中に溶解する。POCl3(2.5mL、26.8mmol)を加え、混合物を70℃で1h加熱する。Aq.NaHCO3を混合物にpH=7になるまで加える。生成物をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をFC(シリカゲル;EtOAc/ヘプタン)で精製して、1.82gのメチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートを茶色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.64min、[M+H]+=212.06。
【0176】
工程5:メチル 6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートの製造
メチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(735mg、3.47mmol)、THF中の0.5M臭化シクロプロピル亜鉛溶液(10.4mL、5.21mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40.2mg、0.035mmol)の、THF(7mL)中の混合物を、N2下、70℃で1h15撹拌する。Sat.aq.NaHCO3を加え、混合物をEtOAcで希釈し、ろ過する。層を分離し、水相をEtOAcで抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物をFC(シリカゲル;ヘプタン/EtOAc)で精製して、262mgのメチル 6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートを黄色の固体として得る。LC-MS(
酸性):tR=0.70min、[M+H]+=218.15。
【0177】
工程6:6-シクロプロピル-N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキサミドの製造
工程6.1:けん化:メチル 6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(524mg、2.41mmol)をTHF(7.7mL)及び水(3.85mL)中に溶解する。水酸化リチウム一水和物(123mg、2.89mmol)を加え、混合物をRTで2h15撹拌する。混合物を減圧下で濃縮する。
【0178】
工程6.2:アミドカップリング:残渣をDMF(10mL)中に溶解する。DIPEA(1.24mL、7.24mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(288mg、2.89mmol)及びHATU(1.101g、2.89mmol)を加え、混合物をRTで2h30撹拌する。混合物を減圧下で濃縮する。粗生成物を分取用HPLC(塩基性条件)で精製して、374mgの6-シクロプロピル-N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキサミドを黄色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.60min、[M+H]+=247.14。
【0179】
工程7:6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒドの製造
6-シクロプロピル-N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキサミド(323mg、1.31mmol)のTHF(8.5mL)中の氷冷溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中1.0M、1.31mL、1.31mmol)を滴下により加える。得られた溶液を0℃にて30min撹拌する。水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中1.0M、0.66mL、0.66mmol)を0℃にてさらに加え、混合物をこの温度で1h撹拌する。Sat.aq.NH4Clを加え、混合物をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、252mgの6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒドを黄色の固体として得る。LC-MS(塩基性):tR=0.63min、[M+H]+=188.29。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:10.68(s、1H)、9.49(s、1H)、9.28(s、1H)、8.08(d、1H)、3.00(m、1H)、1.24-1.25(m、2H)、1.12(dd、J1=8.0Hz、J2=2.9Hz、2H)。
【0180】
工程8:rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール(中間体B)の製造
6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒド(245mg、1.31mmol)をTHF(5.8mL)中に溶解する。溶液を0℃に冷却し、THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液(7.86mL、3.93mmol)を滴下により加える。反応混合物を0℃で1h撹拌する。Aq.NH4Clを加え、生成物をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、285mgのrac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールを黄-白色の固体として得る。LC-MS(塩基性):tR=0.58min、[M+H]+=214.27。
【0181】
中間体Ba:(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
キラル固定相上におけるrac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールの分離:
カラム:ChiralPak AS-H、30x250mm、5μm;温度:40℃;BPR:100bar;検出器波長:227nm;移動相:ACN/EtOH/DEA 5
0:50:0.1;流速:160.00mL/min;注入体積:6mL。
【0182】
613mgのラセミ体を上記の方法により分離して、312mgのS-エナンチオマー及び350mgのR-エナンチオマーを得る。
【0183】
中間体C:rac-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒド-中間体A、工程7-(73.9mg、0.409mmol)のTHF(1.6mL)中の氷冷溶液を、THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液(2.46mL、17.9mmol)で処理する。反応混合物を(反応が完了するまで)0-10℃で2h撹拌し、次いで水とaq.NH4Clを加える。混合物をDCMで抽出し(3x)、有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、77.8mgのrac-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールをオレンジ色の固体として得る。LC-MS(塩基性):tR=0.65min、[M+H]+=207.19。
【0184】
中間体3a及び3b:(S)-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び(R)-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
キラル固定相上におけるrac-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールの分離:
カラム:ChiralPak IH、30x250mm、5μm;温度:40℃;BPR:100bar;検出器波長:225nm;移動相:25%EtOH及び75%CO2;流速:160.00mL/min;注入体積:1mL。
【0185】
233mgのラセミ体を上記の方法により分離して、100mgのS-エナンチオマー及び114mgのR-エナンチオマーを得る。
【0186】
中間体D:rac-1-(6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
工程1:6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドの製造
6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒド-中間体A、工程7-(117mg、0.648mmol)、トリメチルボロキシン(0.453mL、3.24mmol)、K2CO3(181mg、1.3mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとのコンプレックス(26.5mg、0.0324mmol)の、ジオキサン(2mL)中の脱気した懸濁液を、110℃で1h加熱して、反応を完了させる。混合物をRTに冷まし、EtOAcで希釈し、セライトのパッドを通してろ過する。ろ液を減圧下で濃縮し、残った茶色のオイルをEt2O/ペンタン中で粉砕し、ろ過して、0.114gの6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドをオレンジ色の固体として得る。LC-MS(塩基性):tR=0.57min、[M+H]+=161.14。
【0187】
工程2:rac-1-(6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール(中間体D)
6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒド(60.9mg、0.38mmol)のTHF(1.6mL)中の氷冷溶液を、THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液(2.28mL、1.14mmol)で処理する。反応混合物を(反応が完了するまで)0-10℃で2h撹拌する。水及びaq.NH4Clを加え、混合物をDCMで抽出する(3x)。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減
圧下で濃縮して、70mgのrac-1-(6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールを茶色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.45min、[M+H]+=187.21。
【0188】
中間体E:rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
工程1: エチル 6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレートの製造
エチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレート-中間体A、工程5-(679mg、3.02mmol)のTHF(7.2mL)中の脱気した鮮黄色の溶液を、0℃に冷却し、次いで[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル(II)(82mg、0.151mmol)、次にTHF中の1.0Mエチルマグネシウムブロミド脱気溶液(4.53mL、4.53mmol)を加える。反応混合物を0℃にて30min撹拌し、次いで70℃に1h加熱する。水、次いでsat.aq.NaHCO3を加える。生成物をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製残渣を分取用HPLC(塩基性条件)で精製して、0.380gのエチル 6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレートを黄色のオイルとして得る。LC-MS(酸性):tR=0.60min、[M+H]+=219.30。
【0189】
工程2:(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールの製造エチル 6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルボキシレート(380mg、1.74mmol)の、EtOH(12mL)及びDCM(2mL)中の氷冷溶液に、NaBH4(200mg、5.22mmol)を少しずつ加える。混合物をRTで一晩撹拌する。NaBH4をさらに加え、混合物をRTで反応が完了するまで撹拌する。EtOHを減圧下で除き、水を加え、混合物をDCMで3回抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、0.320gの(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールを薄黄色のフォームとして得る。LC-MS(酸性):tR=0.43min、[M+H]+=177.40.。
【0190】
工程3:6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドの製造
(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノール(298mg、1.69mmol)のCH3CN/DCM 1:1(6mL)中の溶液を、RTにてMnO2(817mg、8.46mmol)で処理し、マイクロ波照射下で70℃に1h加熱する。MnO2(817mg、8.46mmol)をさらに加え、混合物をマイクロ波照射下で70℃にて45minさらに撹拌する。懸濁液をろ過し、フィルターケークをDCMでリンスする。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をEt2O中に懸濁し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、0.233gの6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒドを茶色のオイルとして得る。LC-MS(塩基性):tR=0.65min、[M+H]+=175.24。
【0191】
工程4:rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール(中間体E)の製造
6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-カルバルデヒド(256mg、1.47mmol)の、THF(10mL)及びEt2O(4mL)中の溶液を、0℃に冷却し、THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液(3.8mL、1.91mmol)を20minにわたって滴下により加えることにより処理する。反応混合物を、0℃にて1h、そしてRTにて一晩撹拌する。THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液をさらに加え、混合物を反応が完了するまでさらに撹拌する。NH4Cl飽和水溶液を加え、生成物をEtOAcで3回抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4で
乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製残渣をFC(シリカゲル;ヘプタン/EtOAc)で精製して、0.060gのrac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールを茶色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.50min、[M+H]+=201.28。
【0192】
中間体F:rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール
工程1: メチル 6-ビニルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートの製造
メチル 6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート-中間体B、工程4-(200mg、0.93mmol)のEtOH(4mL)中の溶液に、カリウムビニルトリフルオロボレート(144mg、1.02mmol)及びEt3N(0.19mL、1.39mmol)をRTにて加え、混合物を5min撹拌する。次いで、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(68mg、0.09mmol)を加え、混合物をN2で5min脱気する。反応混合物をマイクロ波照射下で90℃にて2h加熱し、減圧下で濃縮する。残渣を水及びEtOAcで希釈し、ろ過し、層を分離し、水層をEtOAcで抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製残渣をFC(シリカゲル、Het/EtOAc)で精製して、132mgのメチル 6-ビニルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートを黄色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.65min、[M+H]+=204.26。
【0193】
工程2:メチル 6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートの製造
メチル 6-ビニルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(132mg、0.65mmol)のMeOH(12mL)中の脱気した(3真空/N2サイクル)溶液に、0℃でPd炭素(10%Pd、69mg、0.06mmol)を加える。得られた黒色の懸濁液をH2雰囲気下で0℃にて10min撹拌する。混合物をWhatman0.45μMグラスマイクロファイバーフィルターを通してろ過し、MeOHで洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮して、106mgのメチル 6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレートを黄色の粘ちょうなオイルとして得る。LC-MS(酸性):tR=0.58min、[M+H]+=206.26。
【0194】
工程3:6-エチル-N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキサミドの製造
メチル 6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(106mg、0.52mmol)の、THF(1.65mL)及び水(0.83mL)中の溶液に、LiOH(26mg、0.62mmol)を加え、混合物をRTで1h撹拌する。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDMF(2.6mL)中に再溶解する。DIPEA(0.26mL、1.55mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(62mg、0.62mmol)及びHATU(236mg、0.62mmol)を加える。反応混合物をRTで16h撹拌する。混合物をろ過し、DMFで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮する。粗製残渣を分取用HPLC(塩基性条件)で精製して、80mgの6-エチル-N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキサミドを得る。LC-MS(酸性):tR=0.54min、[M+H]+=234.82。
【0195】
工程4:6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒドの製造
6-エチル-N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキサミド(80mg、0.34mmol)のTHF(2.2mL)中の氷冷溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中1.0M、0.34mL、0.34mmol
)を滴下により加える。得られた溶液を0℃にて30min撹拌する。0℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中1.0M、0.34mL、0.34mmol)をさらに加え、混合物をこの温度で1h撹拌する。Sat.aq.NH4Clを加え、混合物をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、59mgの6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒドを暗黄色の粘ちょうなオイルとして得る。LC-MS(塩基性):tR=0.51min、[M+H]+=176.14。
【0196】
工程5:rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール(中間体F)の製造
6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒド(59mg、0.34mmol)のTHF(1.5mL)中の溶液を、0℃に冷却し、THF中の0.5Mエチニルマグネシウムブロミド溶液(2.02mL、1.01mmol)を20minにわたって滴下により加えることにより処理する。反応混合物を0℃にて1h15min撹拌する。NH4Cl飽和水溶液を加え、生成物をEtOAcで3回抽出する。有機抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、63mgのrac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オールを黄色のオイルとして得る。LC-MS(塩基性):tR=0.49min、[M+H]+=202.18。
【0197】
中間体G:6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン
工程1:6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-チオールの製造
(5-クロロピリジン-2-イル)メタンアミン二塩酸塩(431mg、2.00mmol)のMeOH(11mL)中の溶液に、Et3N(0.56mL、4.00mmol)、次いで二硫化炭素(0.84mL、14.0mmol)を加える。反応混合物を還流下で2h30撹拌する。得られた暗オレンジ色の溶液をRTに冷まし、減圧下で濃縮する。残渣を水とCH2Cl2の間で分画する。層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製残渣をMeOH/Et2O/石油エーテル中で粉砕し、固体をろ過により集めて、256mgの6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-チオールをベージュ色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.63min、[M+H]+=185.16。
【0198】
工程2:6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン(中間体G)の製造
6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-チオール(256mg、1.39mmol)、ヨードエタン(0.13mL、1.58mmol)及びK2CO3(646mg、4.67mmol)の、アセトン(12mL)中の懸濁液を、45℃で2h撹拌する。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を水とCH2Cl2の間で分画する。層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製残渣をCH2Cl2/Et2O中で粉砕し、ろ液を減圧下で濃縮して、203mgの6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジンを茶色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.68min、[M+H]+=213.18。
【0199】
実施例の合成
実施例1:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
中間体C、rac-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール(38.8mg、0.188mmol)、tert-ブチルメ
チルエーテル中の~0.5Mアジドベンゼン溶液(0.45mL、0.226mmol)、硫酸銅(II)五水和物(4.69mg、0.0188mmol)、L(+)-アスコルビン酸ナトリウム塩(7.52mg、0.0376mmol)の、DMF(1mL)及び水(0.2mL)中の脱気した溶液を、RTで一晩撹拌する。
【0200】
混合物をろ過し、分取用HPLC(塩基性)で精製して、36.2mgのrac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールを灰白色の固体として得る。LC-MS(QC):tR=0.659min、[M+H]+=326.1。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.10(s、1H)、8.62(s、1H)、7.93(d、J=7.9Hz、2H)、7.66(d、J=9.5Hz、1H)、7.59(t、J=7.6Hz、2H)、7.49(m、2H)、7.02(d、J=4.2Hz、1H)、6.91(d、J=9.5Hz、1H)、6.82(d、J=4.1Hz、1H)。
【0201】
実施例1a:(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
キラル固定相上におけるrac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールの分離:
カラム:ChiralPak AS-H 30x250mm、5μM;検出器波長:UV226nM;溶出液:75%CO2及び25%EtOH+0.1%DEA;流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃。注入体積:2000μl。
【0202】
25mgのラセミ体を上記の方法により分離して、9mgのR-エナンチオマー及び9mgのS-エナンチオマーを得る。
実施例1a:LC-MS(QC):tR=0.659min、[M+H]+=326.1。
【0203】
実施例2:rac-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
中間体D、rac-1-(6-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及びアジドベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.519min、[M+H]+=306.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.06(d、1H)、8.48-8.61(m、1H)、7.85-8.02(m、2H)、7.57-7.61(m、2H)、7.47-7.50(m、2H)、7.33(s、1H)、6.69-6.81(m、1H)、6.54-6.66(m、2H)、2.47(m、3H)。
【0204】
実施例2a:(R)-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
キラル固定相上におけるrac-(6-メチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールの分離:
カラム:ChiralPak AS-H、30x250mm、5μm;温度:40℃;BPR:100bar;検出器波長:222nm;溶出液:75%CO2及び25%EtOH+0.1%DEA;流速:160.00mL/min;注入体積:2.5mL。
25mgのラセミ体を上記の方法により分離して、9mgのR-エナンチオマー及び9m
gのS-エナンチオマーを得る。
実施例2a:LC-MS(QC):tR=0.518min、[M+H]+=306.2。
【0205】
実施例3:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及びアジドベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.727min、[M+H]+=333.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.07(d、1H)、8.97(s、1H)、8.65(s、1H)、7.92-7.94(m、2H)、7.78(s、1H)、7.60(m、2H)、7.48-7.51(m、1H)、6.89(d、J=3.5Hz、1H)、6.83(d、J=3.8Hz、1H)、2.48(m、1H)、1.06-1.10(m、1H)、0.94-1.01(m、3H)。
【0206】
実施例3a:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールキラル固定相上におけるrac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールの分離:
カラム:ChiralPak AS-H 30x250mm、5μM;検出器波長:UV227nM;溶出液:75%CO2及び25%EtOH+0.1%DEA;流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃。注入体積:1900μl。19mgのラセミ体を上記の方法により分離して:
5mgのR-エナンチオマー、実施例3a及び6mgのS-エナンチオマーを得る。
実施例3a:LC-MS(QC):tR=0.727min、[M+H]+=333.2。
【0207】
実施例4:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.630min、[M+H]+=362.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(s、1H)、8.52(s、1H)、7.72-7.99(m、2H)、7.49(d、J=9.4Hz、1H)、7.23-7.41(m、1H)、7.13(m、2H)、7.01(d、J=3.6Hz、1H)、6.67(m、2H)、3.73-3.94(m、3H)、2.16-2.30(m、1H)、2.00-2.15(m、2H)、0.97-1.07(m、2H)、0.86-0.91(m、1H)、0.71-0.83(m、1H)。
【0208】
実施例5:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-p-トリル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イ
ル)プロパ-2-イン-1-オール及びアジドトルエンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-p-トリル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.678min、[M+H]+=346.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.97(s、1H)、8.48-8.51(m、1H)、7.80(d、J=8.4Hz、2H)、7.48(d、J=9.4Hz、1H)、7.39(m、2H)、7.32(s、1H)、6.95-7.08(m、1H)、6.67-6.71(m、1H)、6.65(m、1H)、2.38(s、3H)、2.11-2.31(m、1H)、0.95-1.13(m、2H)、0.83-0.92(m、1H)、0.74-0.83(m、1H)。
【0209】
実施例6:rac-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステル
工程1:メチル (4-アジドフェニル)カーバメートの製造
4-メトキシカルボニルアミノフェニルボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及びメチル(4-アジドフェニル)カーバメートを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステルを得る。LC-MS(QC):tR=0.589;[M+H]+=405.2。
【0210】
実施例7:rac-2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
工程1:4-アジド-2-クロロフェノールの製造
丸底フラスコ内で、(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(508mg、2.83mmol)、アジ化ナトリウム(279mg、4.24mmol)及び酢酸銅(II)(51mg、0.28mmol)をMeOH(10mL)に懸濁する。空気雰囲気下で、反応混合物を60℃で3h撹拌する。混合物をろ過し、溶媒を減圧下で除き、残渣をFC(シリカゲル、Et2O)で精製して、4-アジド-2-クロロフェノールを得る。LC-MS(塩基性):tR=0.40;[M+H]+=検出されず。
【0211】
工程2:中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-クロロフェノールを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.601;[M+H]+=382.2。
【0212】
実施例7a及び7b:2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール及び2-クロロ-4-{4-[(S)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
キラル固定相上におけるrac-2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールの分離。方法:カラム:ChiralPak IA 30x250mm、5μM;検出器設定:UV-Vis-1;210nM;溶出液:55%CO2及び45%(CH2Cl2/EtOH 1:1);流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃。注入体積:1000μl。
10.5mgのラセミ体を上記の方法により分離して:
2mgのR-エナンチオマー、実施例7a及び4mgのS-エナンチオマー、実施例7bを得る。
実施例7a:LC-MS(QC):tR=0.602;[M+H]+=382.2。
実施例7b:LC-MS(QC):tR=0.601;[M+H]+=382.2。
【0213】
実施例8:rac-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール
工程1: 4-アジド-2-クロロ-1-メトキシベンゼンの製造
3-クロロ-4-メトキシアニリン(500mg;3.11mmol)の1M aq.HCl(40mL)中の溶液に、0℃にて、亜硝酸ナトリウム(217mg;3.11mmol)の水(8mL)中の溶液を加える。反応混合物を20分間撹拌し、アジ化ナトリウム(245mg;3.73mmol)を加える。反応混合物をRTで3h撹拌する。混合物をEtOAcで希釈し、層を分離し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、4-アジド-2-クロロ-1-メトキシベンゼンを茶色のオイルとして得る。1H NMR(400MHz、DMSO) δ:7.23(d、J=2.7Hz、1H)、7.18(m、1H)、7.10(dd、J1=2.7Hz、J2=8.8Hz、1H)、3.85(s、3H)。
【0214】
工程2:中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-クロロ-1-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.705;[M+H]+=396.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.02(s、1H)、8.35-8.72(m、1H)、8.04-8.08(m、1H)、7.90(dd、J1=8.9Hz、J2=2.5Hz、1H)、7.48(d、J=9.3Hz、1H)、7.35(d、J=9.0Hz、1H)、7.49-7.28(br
s、1H)、7.01(d、J=3.9Hz、1H)、6.59-6.71(m、2H)、3.93(s、3H)、2.20(m、1H)、0.94-1.10(m、2H)、0.73-0.94(m、2H)。
【0215】
実施例8a:(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール
キラル固定相上におけるrac-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノールの分離。方法:カラム:ChiralPak AS-H 30x250mm、5μM;検出器設定:UV259nm;溶出液:30%CO2及び70%MeCN/EtOH/DEA 50:50:0.1;流速:160.00mL/min;BPR:120bar;温度:40℃。注入体積:3000μl。
12.4mgのラセミ体を上記の方法により分離して:
1.9mgのR-エナンチオマー、実施例8a及び5.2mgのS-エナンチオマーを得る。
実施例8a:LC-MS(QC):tR=0.705;[M+H]+=396.2。
【0216】
実施例9:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:5-アジド-2-エトキシピリジンの製造
2-エトキシピリジン-5-ボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び5-アジド-2-エトキシピリジンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.652;[M+H]+=377.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.00(s、1H)、8.66(d、J=2.6Hz、1H)、8.39-8.61(m、1H)、8.22(dd、J1=8.9Hz、J2=2.8Hz、1H)、7.49(d、J=9.4Hz、1H)、7.22-7.44(m、1H)、6.96-7.06(m、2H)、6.70(d、J=4.0Hz、1H)、6.66(d、J=9.4Hz、1H)、4.37(q、J=7.0Hz、2H)、2.16-2.25(m、1H)、1.35(t、J=7.0Hz、3H)、0.95-1.07(m、2H)、0.76-0.91(m、2H)。
【0217】
実施例10:rac-2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-クロロフェノールを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-2-クロロ-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.703;[M+H]+=383.1。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.94-8.96(m、2H)、8.63(s、1H)、7.95(d、J=2.7Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.70(dd、J1=8.8Hz、J2=2.7Hz、1H)、7.12(d、J=8.8Hz、1H)、6.85(d、J=3.3Hz、1H)、6.77(d、J=3.9Hz、1H)、2.43-2.48(m、1H)、1.05-1.10(m、1H)、0.94-1.00(m、3H)。
【0218】
実施例10a:2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-クロロフェノールを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、2-クロロ-4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.702;[M+H]+=383.1。
【0219】
実施例11:rac-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-クロロ-1-メトキシベンゼンを用いて、実施例8に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.843;[M+H]+=397.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.02(d、1H)、8.96(s、1H)、8.63(s、1H)、8.06(d、J=2.7Hz、1H)、7.89(dd、J1=2.7Hz、J2=8.9Hz、1H)、7.77(d、1H)、7.35(d、J=9.1Hz、1H)、6.86(d、J=2.0Hz、1H)、6.78(d、J=2.7Hz、1H)、3.94(s、3H)、2.44-2.48(m、1H)、1.04-1.14(m、1H)、0.91-1.05(m、3H)。
【0220】
実施例11a:(R)-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
キラル固定相上におけるrac-[1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールの分離。方法:カラム:ChiralCel OD-H 30x250mm、5μM;検出器波長:UV223nM;溶出液:35%CO2及び65%(MeCN/EtOH 1:1);流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃。注入体積:4000μl。
21.1mgのラセミ体を上記の方法により分離して:
9mgのR-エナンチオマー、実施例11a及び8.8mgのS-エナンチオマーを得る。
実施例11a:LC-MS(QC):tR=0.843;[M+H]+=397.2。
【0221】
実施例12:rac-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステル
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及びメチル (4-アジドフェニル)カーバメートを用いて、実施例6に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェニル)-カルバミン酸 メチルエステルを得る。LC-MS(QC):tR=0.685;[M+H]+=406.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.94(s、1H)、8.94-8.96(m、2H)、8.63(s、1H)、7.82(d、J=9.1Hz、2H)、7.77(s、1H)、7.64(d、J=9.0Hz、2H)、6.86(d、J=3.8Hz、1H)、6.78(d、J=4.0Hz、1H)、3.70(s、3H)、2.44-2.48(m、1H)、1.05-1.11(m、1H)、0.92-1.02(m、3H)。
【0222】
実施例13:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾ
ール-4-イル]-メタノール
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び5-アジド-2-エトキシピリジンを用いて、実施例9に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.782;[M+H]+=378.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.00(d、1H)、8.96(s、1H)、8.69(dd、J=2.8Hz、1H)、8.61(s、1H)、8.21(dd、J1=8.9Hz、J2=2.8Hz、1H)、7.77(d、1H)、7.02(dd、J=8.9Hz、1H)、6.87(d、J=3.8Hz、1H)、6.80(d、J=4.0Hz、1H)、4.37(q、J=7.0Hz、2H)、2.46(m、1H)、1.35(t、J=7.0Hz、3H)、1.05-1.10(m、1H)、0.97-1.02(m、1H)、0.94-0.97(m、2H)。
【0223】
実施例14:rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
工程1:4-アジドフェノールの製造
(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体A、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジドフェノールを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.518;[M+H]+=348.2。
【0224】
実施例15:rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジドフェノールを用いて、実施例14に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.597;[M+H]+=349.1。
【0225】
実施例16:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
実施例15、rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール(34.8mg、0.1mmol)、3-(ブロモメチル)-3-フルオロオキセタン(69mg、0.4mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.757mg、0.005mmol)及びK2CO3(55.3mg、0.4mmol)の、DMF(2mL)中の混合物を、50℃で16h撹拌する。次いで混合物をろ過し、分取用HPLC(塩基性条件)で精製して、31.7mgのrac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを白色
の固体として得る。LC-MS(QC):tR=0.760;[M+H]+=437.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96-8.97(m、2H)、8.65(s、1H)、7.86(d、J=9.1Hz、2H)、7.77(d、1H)、7.20(d、J=9.1Hz、2H)、6.86(d、J=3.8Hz、1H)、6.77(d、J=4.0Hz、1H)、4.68-4.78(m、4H)、4.52(d、J=22.1Hz、2H)、2.43-2.47(m、1H)、1.05-1.13(m、1H)、0.91-1.04(m、3H)。
【0226】
実施例17:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
中間体B、rac-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.747min、[M+H]+=363.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.94-8.96(m、2H)、8.64(s、1H)、7.82(d、J=9.1Hz、2H)、7.77(d、1H)、7.13(d、J=9.1Hz、2H)、6.86(s、1H)、6.77(s、1H)、3.83(s、3H)、2.46(m、1H)、1.06-1.09(m、1H)、0.93-1.00(m、3H)。
【0227】
実施例18:rac-1-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール
実施例15、rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール及び1-ブロモ-2-メチルプロパン-2-オールを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-1-(4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オールを得る。LC-MS(QC):tR=0.725min、[M+H]+=421.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.94-8.96(m、2H)、8.65(s、1H)、7.81(d、J=9.1Hz、2H)、7.77(d、1H)、7.13(m、2H)、6.86(d、J=3.9Hz、1H)、6.76(d、J=4.0Hz、1H)、4.67(s、1H)、3.79(s、2H)、2.44-2.48(m、1H)、1.22(s、6H)、1.06-1.09(m、1H)、0.94-1.00(m、3H)。
【0228】
実施例19:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
実施例14、rac-4-{4-[(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール及び3-(ブロモメチル)-3-フルオロオキセタンを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-{1-[4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.645mi
n、[M+H]+=436.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.91-9.06(m、1H)、8.39-8.57(m、1H)、7.80-7.91(m、2H)、7.44-7.53(m、1H)、7.29-7.37(m、1H)、7.13-7.26(m、2H)、6.94-7.05(m、1H)、6.63-6.69(m、2H)、4.61-4.85(m、4H)、4.44-4.60(m、2H)、2.16-2.32(m、1H)、0.94-1.17(m、2H)、0.72-0.93(m、2H)。
【0229】
実施例20:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:エチル 1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートの製造
アセト酢酸エチル(0.21mL、1.67mmol)、1-アジド-4-メトキシベンゼン(193mg、1.29mmol)及びK2CO3(714mg、5.17mmol)の、DMSO(0.8mL)中の懸濁液を、50℃で1h30撹拌する。混合物をRTに冷まし、水及びEtOAcで希釈し、aq.1N HClで酸性化する。層を分離し、水層をEtOAcで抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製の固形物をEt2O/石油エーテル中で粉砕し、ろ過し、165mgのエチル 1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートをベージュ色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.86、[M+H]+=262.19。
【0230】
工程2:(1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
エチル 1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート(165mg、0.63mmol)のEtOH(8.7mL)中の溶液に、NaBH4(218mg、5.76mmol)をRTで加える。反応混合物をRTで48h撹拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCMと水の間で分画する。層を分離し、水層をDCMで抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗製の固形物をEt2O/石油エーテルで粉砕し、ろ過し、126mgの(1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールをベージュ色の固体として得る。LC-MS(酸性):tR=0.60、[M+H]+=220.27。
【0231】
工程3:1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドの製造
(1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノール(126mg、0.58mmol)のCH2Cl2(7mL)中の溶液に、Dess-Martinペルヨージナン(271mg、0.64mmol)を加える。反応混合物をRTで反応が完了するまで撹拌する。Sat.aq.NaHCO3及びsat.aq.Na2S2O3を加え、混合物をRTにて10min撹拌する。層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出する。有機抽出物を合わせて、塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、分取用HPLC(塩基性条件)の後、53mgの1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを白色の固体として得る。LC-MS(塩基性):tR=0.76、[M+H]+=218.16。
【0232】
工程4:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-
イル]-メタノール(実施例20)の製造
6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン(30mg、0.20mmol)の乾燥THF(2.3mL)中の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、0.16mL、0.40mmol)を-78℃にてを加える。得られた茶色の溶液を-78℃にて45min撹拌する。1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒド(45mg、0.21mmol)の乾燥THF(1mL)中の溶液を加え、反応混合物を-78℃で1h撹拌し、0℃までゆっくりと温める。Sat.aq.NH4Cl溶液を加え、混合物をEtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。分取用HPLC(酸性条件)による精製により、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.695min、[M+H]+=370.1。表題化合物(38mg)を、下記の方法を用いてキラル固定相上で分離し:カラム:ChiralPak IH 30x250mm、5μM;検出器波長:222nm;溶出液:55%CO2及び45%(MeCN/EtOH/DEA 50:50:0.1);流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃;注入体積:1000μl、13mgの(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール(実施例20a)及び14mgのS-エナンチオマーを得る。実施例20a:LC-MS(QC):tR=0.681min、[M+H]+=370.3。
【0233】
実施例21:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:4-アジド-2-フルオロ-1-メトキシベンゼンの製造
(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)ボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-フルオロ-1-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.780;[M+H]+=381.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.00(d、J=0.6Hz、1H)、8.96(s、1H)、8.62(s、1H)、7.89(dd、J1=12.1Hz、J2=2.6Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.74(ddd、J1=8.9Hz、J2=2.6Hz、J3=1.5Hz、1H)、7.38(t、J=9.1Hz、1H)、6.86(d、J=3.7Hz、1H)、6.79(d、J=4.0Hz、1H)、3.92(s、3H)、2.47(m、1H)、1.05-1.08(m、1H)、0.93-1.00(m、3H)。
【0234】
実施例22:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-メトキシベンゼンの製造
(2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)ボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-2,5-ジフルオロ-4
-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.799;[M+H]+=399.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.76(d、J=1.0Hz、1H)、8.62(s、1H)、7.83(dd、J1=7.1Hz、J2=11.2Hz、1H)、7.78(s、1H)、7.52(dd、J1=7.6Hz、J2=12.2Hz、1H)、6.88(d、J=3.6Hz、1H)、6.80(d、J=4.0Hz、1H)、3.94(s、3H)、2.46-2.48(m、1H)、1.05-1.08(m、1H)、0.93-1.01(m、3H)。
【0235】
実施例23:(R)-[1-(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
工程1:4-アジド-2-ブロモ-1-メトキシベンゼンの製造
3-ブロモ-4-メトキシアニリンを用いて、実施例8、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-ブロモ-1-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-[1-(3-ブロモ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.863;[M+H]+=441.1。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.02(s、1H)、8.96(s、1H)、8.65(s、1H)、8.19(d、J=2.7Hz、1H)、7.93(dd、J1=8.9Hz、J2=2.7Hz、1H)、7.78(br s、1H)、7.31(d、J=9.1Hz、1H)、6.86(s、1H)、6.78(br s、1H)、3.93(s、3H)、2.44-2.48(m、1H)、1.06-1.09(m、1H)、0.94-1.00(m、3H)。
【0236】
実施例24:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシメチル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:1-アジド-4-(メトキシメチル)ベンゼンの製造
4-(メトキシメチル)アニリンを用いて、実施例8、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-4-(メトキシメチル)ベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メトキシメチル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.741;[M+H]+=377.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.05(d、1H)、8.96(s、1H)、8.65(s、1H)、7.91(d、J=8.6Hz、2H)、7.78(s、1H)、7.53(d、J=8.6Hz、2H)、6.88(d、J=3.8Hz、1H)、6.79(d、J=4.0Hz、1H)、4.49(s、2H)、3.33(s、3H)、2.47(m、1H)、1.05-1.10(m、1H)、0.94-1.01(m、3H)。
【0237】
実施例25:(R)-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
工程1:1-アジド-5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシベンゼンの製造
5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシアニリンを用いて、実施例8、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.861;[M+H]+=415.1。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.76(d、1H)、8.63(s、1H)、7.97(d、J=7.8Hz、1H)、7.76-7.79(m、1H)、7.49(d、J=12.4Hz、1H)、6.88(s、1H)、6.76-6.83(m、1H)、3.97(s、3H)、2.46-2.48(m、1H)、1.05-1.08(m、1H)、0.93-1.00(m、3H)。
【0238】
実施例26:(R)-[1-(3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
工程1:5-アジド-1-クロロ-3-フルオロ-2-メトキシベンゼンの製造
3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシアニリンを用いて、実施例8、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び5-アジド-1-クロロ-3-フルオロ-2-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-[1-(3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.920;[M+H]+=415.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.08(d、J=0.5Hz、1H)、8.96(s、1H)、8.61(s、1H)、7.99-8.02(m、2H)、7.74-7.82(m、1H)、6.87(m、1H)、6.83(m、1H)、3.96(d、J=1.4Hz、3H)、2.47(m、1H)、1.06-1.09(m、1H)、0.92-1.01(m、3H)。
【0239】
実施例27:4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール
工程1:4-アジド-2-フルオロフェノールの製造
2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノールを用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-2-フルオロフェノールを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.642;[M+H]+
=367.2。
【0240】
実施例28:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
実施例27、4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール及び3-(ブロモメチル)-3-フルオロオキセタンを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.795min、[M+H]+=455.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.01(d、J=0.6Hz、1H)、8.96(s、1H)、8.62(s、1H)、7.93(dd、J1=11.9Hz、J2=2.6Hz、1H)、7.75-7.78(m、2H)、7.45(t、J=9.0Hz、1H)、6.87(d、J=3.8Hz、1H)、6.80(d、J=4.0Hz、1H)、4.69-4.78(m、4H)、4.61(d、J=22.2Hz、2H)、2.46(m、1H)、1.06-1.09(m、1H)、0.94-1.01(m、3H)。
【0241】
実施例29:1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール
実施例27、4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール及び1-ブロモ-2-メチルプロパン-2-オールを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オールを得る。LC-MS(QC):tR=0.767min、[M+H]+=439.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.99(d、J=0.6Hz、1H)、8.96(s、1H)、8.62(s、1H)、7.88(dd、J1=11.9Hz、J2=2.6Hz、1H)、7.77(d、J=0.5Hz、1H)、7.70(ddd、J1=8.9Hz、J2=2.6Hz、J3=1.5Hz、1H)、7.38(t、J=9.1Hz、1H)、6.86(d、J=3.8Hz、1H)、6.79(d、J=4.0Hz、1H)、4.71(s、1H)、3.87(s、2H)、2.47(m、1H)、1.23(s、6H)、1.06-1.08(m、1H)、0.94-1.00(m、3H)。
【0242】
実施例30:(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
中間体Ca、(S)-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.683min、[M+H]+=356.1。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.97(s、1H)、8.62(s、1H)、7.83(d、J=8.2Hz、2H)、7.65(d、J=9.3Hz、1H)、7.45-
7.54(m、1H)、7.13(d、J=8.2Hz、2H)、6.97(d、J=3.0Hz、1H)、6.90(d、J=9.4Hz、1H)、6.80(s、1H)、3.83(s、3H)。
【0243】
実施例31:(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
中間体Ca、(S)-1-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例22に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.737min、[M+H]+=392.1。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.79(s、1H)、8.59(s、1H)、7.84(dd、J1=7.1Hz、J2=11.2Hz、1H)、7.66(d、J=9.5Hz、1H)、7.47-7.54(m、2H)、7.00(d、J=4.4Hz、1H)、6.91(d、J=9.5Hz、1H)、6.81(d、J=4.1Hz、1H)、3.95(s、3H)。
【0244】
実施例32:rac-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
中間体F、rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例22に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.729min、[M+H]+=387.2。
【0245】
実施例33:(R)-[1-(3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
工程1:1-アジド-3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシベンゼンの製造
(3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)ボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-[1-(3-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.863;[M+H]+=415.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.79(d、J=1.1Hz、1H)、8.62(s、1H)、7.77-7.78(m、2H)、7.23(dd、J1=9.3Hz、J2=1.8Hz、1H)、6.89(d、J=3.8Hz、1H)、6.81(d、J=4.0Hz、1H)、3.99(s、3H)、2.47(m、1H)、1.05-1.08(m、1H)、0.93-1.01(m、3H)。
【0246】
実施例34:rac-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-
[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
中間体E、rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例1に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.605min、[M+H]+=350.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(d、1H)、8.45-8.54(m、1H)、7.83(m、2H)、7.43-7.57(m、1H)、7.32(s、1H)、7.13(m、2H)、6.76-6.79(m、1H)、6.62(m、2H)、3.83(s、3H)、2.75-2.85(m、2H)、1.09-1.31(m、3H)。
【0247】
実施例34a:(R)-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
キラル固定相上におけるrac-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールの分離。方法:カラム:ChiralPak IH 30x250mm、5μM;検出器波長:222nM;溶出液:50%CO2及び50%(MeCN/EtOH/DEA 50:50:0.1);流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃;注入体積:1000μl。
18mgのラセミ体を上記の方法により分離して:
7.7mgのR-エナンチオマー 実施例34a及び9.6mgのS-エナンチオマーを得る。
実施例34a:LC-MS(QC):tR=0.606min、[M+H]+=350.2。
【0248】
実施例35:rac-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール
中間体E、rac-1-(6-エチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-メトキシベンゼンを用いて、実施例22に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.641min、[M+H]+=386.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.74(s、1H)、8.33-8.53(m、1H)、7.82(dd、J1=11.2Hz、J2=7.1Hz、1H)、7.46-7.56(m、2H)、7.32(s、1H)、6.77(d、J=9.2Hz、1H)、6.67(d、J=3.8Hz、1H)、6.56-6.62(m、1H)、3.86-4.00(m、3H)、2.80(q、J=7.5Hz、2H)、1.28(t、J=7.5Hz、3H)。
【0249】
実施例35a:(R)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール
キラル固定相上におけるrac-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-エチル-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノールの分離。方法:カラム:ChiralPak
IH 30x250mm、5μM;検出器波長:222nM;溶出液:55%CO2及び45%(MeCN/EtOH/DEA 50:50:0.1);流速:160.00mL/min;BPR:100bar;温度:40℃;注入体積:1000μl。
16mgのラセミ体を上記の方法により分離して:
8.6mgのR-エナンチオマー 実施例35a及び5.5mgのS-エナンチオマーを得る。
実施例35a:LC-MS(QC):tR=0.641min、[M+H]+=386.2。
【0250】
実施例36:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
実施例27、4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール及び3-(ブロモメチル)オキセタンを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(酸性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[3-フルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.748min、[M+H]+=437.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:9.00(d、J=0.5Hz、1H)、8.96(s、1H)、8.62(s、1H)、7.90(dd、J1=2.6Hz、J2=12.0Hz、1H)、7.77(d、J=0.4Hz、1H)、7.74(ddd、J1=8.9Hz、J2=2.6Hz、J3=1.5Hz、1H)、7.43(t、J=9.1Hz、1H)、6.86(d、J=3.8Hz、1H)、6.80(d、J=4.0Hz、1H)、4.73(dd、J1=6.1Hz、J2=7.9Hz、2H)、4.45(t、J=6.1Hz、2H)、4.37(d、J=6.7Hz、2H)、3.42-3.46(m、1H)、2.40-2.47(m、1H)、1.06-1.09(m、1H)、0.94-1.00(m、3H)。
【0251】
実施例37:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-エチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:エチル 2-ジアゾ-3-オキソペンタノエートの製造
プロピオニル酢酸エチル(4474mg、29.8mmol、1eq)と4-アセタミドベンゼンスルフォニルアジド(7748mg、31.3mmol、1.05eq)のMeCN(150mL)中の溶液を、アルゴン雰囲気下、RTにて撹拌する。すべての物質を完全に溶解し、TEA(4.35mL、31.3mmol、1.05eq)を反応液に加え、それを室温で一晩撹拌する。白色の沈殿物をろ過し、CH2Cl2で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮して、表題の生成物を得る。
【0252】
工程2:エチル 5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートの製造
エチル 2-ジアゾ-3-オキソペンタノエート(478mg、2.81mmol)のDMF(6.12mL)中の溶液に、アルゴン雰囲気下、RTにて、4-アミノ-アニソール(0.363mL、3.09mmol、1.1eq)及び塩化チタン(IV)(トルエン中~1.0M、2.81mL、2.81mmol、1eq)を順次加える。反応混合物を80℃で一晩撹拌する。スラリーを水及びEtOAcで希釈し、ろ過する。分離後、水相をEtOAcで2回抽出する。有機抽出物を合わせて、水及び塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(Hept/EtOAc)による精製により、表題化合物を得る。LC-MS(酸性):tR
=0.82min、[M+H]+=276.02。
【0253】
工程3:(5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
エチル 5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートを用いて、実施例20、工程2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.67min、[M+H]+=234.41。
【0254】
工程4:5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドの製造
(5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、実施例20、工程3に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.84min、[M+H]+=232.03。
【0255】
工程4:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.83min、[M+H]+=444.17。
【0256】
工程5:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-エチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(5-エチル-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-エチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.748min、[M+H]+=384.2。
【0257】
実施例38:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-メチル-1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
工程1:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.75min、[M+H]+=400.23。
【0258】
工程2:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-メチル-1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)に
よる精製により、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-メチル-1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.651min、[M+H]+=340.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.74(s、1H)、7.61-7.66(m、6H)、7.50(s、1H)、6.87(d、J=9.5Hz、1H)、6.80(d、J=4.3Hz、1H)、6.74(d、J=4.2Hz、1H)、2.46(s、3H)。
【0259】
実施例39:rac-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノール
工程1:エチル 1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートの製造
1-アジド-5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシベンゼン(248mg、1.23mmol、1eq)及びプロピオル酸エチル(133mg、0.449mmol、1.5eq)のDMF(1.2mL)中の溶液を、0℃に冷却する。触媒CuSO4/アスコルビン酸ナトリウム/BPDS(水(658μL)及びDMF(164μL)中のBPDS(4.1mg、6.98 10E-3mmol、5.7E-3eq)を、CuSO4(1.7mg、6.61 10E-3mmol、5.4 10E-3eq)及びアスコルビン酸ナトリウム(1.7mg、8.24 10E-3mmol、6.7 10E-3eq)の水(205μL)中の溶液に加えることにより製造。)を0℃にて加え、混合物をRTで2d撹拌する。混合物をろ過し、水で洗浄し、表題の生成物を黄色の固体(307mg、83%)として得る。LC-MS(酸性):tR=0.92min、[M+H]+=300.10。
【0260】
工程2:(1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
エチル 1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートを用いて、実施例20、工程2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.69min、[M+H]+=258.12。
【0261】
工程3:1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドの製造
(1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノール(263mg、1mmol、1eq)のCH2Cl2(11mL)中の溶液に、MnO2(878mg、10.1mmol、10.1eq)を加える。混合物をRTにて反応が完了するまで撹拌する。混合物をろ過し、減圧下で濃縮する。FC(Hept/EtOAc)で精製して、表題の生成物を明茶色の固体(137mg、54%)として得る。LC-MS(酸性):tR=0.83min、[M+H]+=256.22。
【0262】
工程4:rac-(1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.86min、[M+H]+=482.08。
【0263】
工程5:rac-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5
-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノールの製造
rac-(1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-[1-(5-クロロ-2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.782min、[M+H]+=422.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.70(s、1H)、7.93(d、J=7.8Hz、1H)、7.65(d、J=9.5Hz、1H)、7.50(m、2H)、6.87(d、J=9.5Hz、1H)、6.84(d、J=4.4Hz、1H)、6.75(d、J=4.4Hz、1H)、3.98(s、3H)、2.35(s、3H)。
【0264】
実施例40:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ピロリジン-1-イル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:1-(4-アジドフェニル)ピロリジンの製造
(4-(ピロリジン-1-イル)フェニル)ボロン酸HClを用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ピロリジン-1-イル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールの製造
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-(4-アジドフェニル)ピロリジンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ピロリジン-1-イル-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.933min;[M+H]+=402.4。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(s、1H)、8.82(d、1H)、8.65(s、1H)、7.77(s、1H)、7.65(d、J=9.0Hz、2H)、6.84(d、J=3.9Hz、1H)、6.73(d、J=4.0Hz、1H)、6.65(d、J=9.1Hz、2H)、3.28(t、J=6.6Hz、4H)、2.45-2.47(m、1H)、1.98(m、4H)、1.05-1.08(m、1H)、0.93-1.00(m、3H)。
【0265】
実施例41:(R)-[1-(4-アミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノール
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジドアニリンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-[1-(4-アミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.529min;[M+H]+=348.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(s、1H)、8.75(d、1H)、8.64(s、1H)、7.76(d、1H)、7.48(d、J=8.8Hz、2H)、6.83(d、J=3.8Hz、1H)、6.72(d、J=4.0Hz、1H)、6.67(d、J=8.9Hz、2H)、5.49(s、2H)、2.44-2.48(m、1
H)、1.05-1.07(m、1H)、0.93-0.99(m、3H)。
【0266】
実施例42:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:4-アジド-N-メチルアニリンの製造
N-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリンを用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
工程2:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールの製造
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-N-メチルアニリンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-メチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.656min;[M+H]+=362.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(s、1H)、8.78(d、1H)、8.64(s、1H)、7.77(s、1H)、7.57(d、J=8.9Hz、2H)、6.83(d、J=3.8Hz、1H)、6.72(d、J=4.0Hz、1H)、6.65(d、J=9.0Hz、2H)、6.09(q、J=5.0Hz、1H)、2.72(d、J=5.0Hz、3H)、2.46(m、1H)、1.05-1.08(m、1H)、0.93-0.99(m、3H)。
【0267】
実施例43:rac-2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール
工程1:4-アジド-2-クロロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼンの製造
(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)ボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
【0268】
工程2:エチル 1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートの製造
4-アジド-2-クロロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼンを用いて、実施例20、工程1に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.92min、[M+H]+=326.26。
【0269】
工程3:(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
エチル 1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートを用いて、実施例20、工程2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.70min、[M+H]+=284.18。
【0270】
工程4:1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドの製造
(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、実施例20、工程3に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.85min、[M+H]+=282.19。
【0271】
工程5:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.85min、[M+H]+=494.24。
【0272】
工程6:rac-(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールを得る。LC-MS(酸性):tR=0.73min、[M+H]+=433.87。
【0273】
工程7:rac-2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールの製造
rac-(1-(3-クロロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールのEtOAc中の溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、4.5eq)を加え、白色の懸濁液をRTにて反応が完了するまで撹拌する。懸濁液をろ過し、減圧下で濃縮して、rac-2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.639min、[M+H]+=390.3。
【0274】
実施例44:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び4-アジド-N,N-ジメチルアニリンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.771min;[M+H]+=376.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(s、1H)、8.84(d、1H)、8.65(s、1H)、7.77(s、1H)、7.67(d、J=9.1Hz、2H)、6.84(m、3H)、6.74(d、J=4.0Hz、1H)、2.97(s、6H)、2.45-2.47(m、1H)、1.06-1.08(m、1H)、0.93-0.99(m、3H)。
【0275】
実施例45:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
工程1:6-(4-ニトロフェニル)-2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンの製造
1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(388mg、2.72mmol、1eq)及びDIPEA(1.02mL、5.96mmol、2.19eq)のCH3CN(3mL)中の溶液を、2-オキサ-6-アザ-スピロ-3-3-ヘプタン(278mg、2.72mmol、1eq)でRTにて処理する。次いで、混合物を75℃で24h撹拌する。2-オキサ-6-アザ-スピロ-3-3-ヘプタン(278mg、2.72mmol、1eq)をRTにてさらに加え、混合物を75℃で一晩撹拌する。混合物をRTに冷まし、減圧下で濃縮する。残渣をDMF中に懸濁し、ろ過して、表題の生成物を黄色の固体(453mg、76%)として得る。LC-MS(酸性):tr=0.80min、[M+H]+=221.29。
【0276】
工程2:4-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)アニリンの製造
6-(4-ニトロフェニル)-2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン(453mg、2.04mmol、1eq)のMeOH(8mL)中の溶液を、3回脱気し、N2で不活性化する。次いでPd/C10%(71mg)をRTにて加える。混合物を脱気し、水素雰囲気下に置き、RTで4h撹拌する。混合物をWhatman0.45μmグラスマイクロファイバーフィルターを通してろ過し、減圧下で濃縮して、表題の生成物を紫色の固体(370mg、95%)として得る。LC-MS(酸性):tr=0.37min、[M+H]+=190.31。
【0277】
工程3:6-(4-アジドフェニル)-2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンの製造
4-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)アニリンを用いて、実施例8、工程1に記載の製法に従って製造。
【0278】
工程4:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールの製造
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び6-(4-アジドフェニル)-2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-6-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.700min;[M+H]+=430.4。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.95(s、1H)、8.84(s、1H)、8.58-8.72(m、1H)、7.73-7.87(m、1H)、7.67(d、J=8.9Hz、2H)、6.84(d、J=3.9Hz、1H)、6.74(d、J=4.0Hz、1H)、6.57(d、J=8.9Hz、2H)、4.73(s、4H)、4.05(s、4H)、2.43-2.48(m、1H)、1.05-1.09(m、1H)、0.93-1.00(m、3H)。
【0279】
実施例46:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
工程1:1-(4-ニトロフェニル)-6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタンの製造
6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタンを用いて、実施例45、工程1に記載の
製法に従って製造。LC-MS(酸性):tr=0.75min、[M+H]+=221.11。
【0280】
工程2:4-(6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)アニリンの製造
1-(4-ニトロフェニル)-6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタンを用いて、実施例45、工程2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tr=0.36min、[M+H]+=190.25。
【0281】
工程3:1-(4-アジドフェニル)-6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタンの製造
4-(6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタン-1-イル)アニリンを用いて、実施例8、工程1に記載の製法に従って製造。
【0282】
工程4:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールの製造
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-(4-アジドフェニル)-6-オキサ-1-アザスピロ[3.3]ヘプタンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[4-(6-オキサ-1-アザ-スピロ[3.3]ヘプタ-1-イル)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.755min;[M+H]+=430.4。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.86(d、1H)、8.64(s、1H)、7.75(m、3H)、6.84(d、J=9.0Hz、3H)、6.76(s、1H)、5.10(d、J=7.8Hz、2H)、4.72(d、J=8.0Hz、2H)、3.69(t、J=6.9Hz、2H)、2.54(m、2H)、2.46(m、1H)、1.06-1.08(m、1H)、0.94-1.00(m、3H)。
【0283】
実施例47:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:5-アジド-1-メチルインドリンの製造
1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドリンを用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
【0284】
工程2:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールの製造
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び5-アジド-1-メチルインドリンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(1-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-5-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.793min;[M+H]+=388.4。
【0285】
実施例48:rac-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-
5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール
工程1:4-アジド-2-フルオロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼンの製造
製法(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)ボロン酸に従って製造。
【0286】
工程2:エチル 1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートの製造
4-アジド-2-フルオロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼンを用いて、実施例20、工程1に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.88min、[M+H]+=310.21。
【0287】
工程3:(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
エチル 1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレートを用いて、実施例20、工程2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.65min、[M+H]+=268.30。
【0288】
工程4:1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドの製造
(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、実施例20、工程3に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.81min、[M+H]+=266.26。
【0289】
工程5:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.81min、[M+H]+=478.24。
【0290】
工程6:rac-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを得る。LC-MS(酸性):tR=0.69min、[M+H]+=418.04。
【0291】
工程7:rac-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノールの製造
rac-(6-クロロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-(3-フルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-5-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールのEtOAc中の溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、2e
q)を加え、白色の懸濁液をRTにて反応が完了するまで撹拌する。懸濁液をろ過し、減圧下で濃縮して、rac-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.581min、[M+H]+=374.3。
【0292】
実施例49:rac-4-(2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オール
実施例43、rac-2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノール及び4-ブロモ-2-メチルブタン-2-オールを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-4-(2-クロロ-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オールを得る。LC-MS(QC):tR=0.790min、[M+H]+=476.2。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.72(s、1H)、7.76(d、J=2.6Hz、1H)、7.65(d、J=9.5Hz、1H)、7.55(dd、J1=2.6Hz、J2=8.8Hz、1H)、7.49(s、1H)、7.37(d、J=8.9Hz、1H)、6.86(d、J=9.5Hz、1H)、6.78(d、J=4.4Hz、1H)、6.72(d、J=4.5Hz、1H)、4.43(s、1H)、4.27(t、J=6.9Hz、2H)、2.37-2.44(m、3H)、1.91(t、J=6.9Hz、2H)、1.20(s、6H)。
【0293】
実施例50:rac-4-(4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オール
実施例48、rac-4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノール及び4-ブロモ-2-メチルブタン-2-オールを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-4-(4-{4-[(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-5-メチル-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2-フルオロ-フェノキシ)-2-メチル-ブタン-2-オールを得る。LC-MS(QC):tR=0.732min、[M+H]+=460.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.73(s、1H)、7.65(d、J=9.5Hz、1H)、7.60-7.63(m、1H)、7.49(s、1H)、7.39-7.42(m、2H)、6.86(d、J=9.6Hz、1H)、6.78(d、J=4.3Hz、1H)、6.72(d、J=4.3Hz、1H)、4.44(s、1H)、4.26(t、J=7.0Hz、2H)、2.44(s、3H)、1.90(t、J=7.0Hz、2H)、1.19(s、6H)。
【0294】
実施例51:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
工程1:(5-アミノ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
エチル 5-アミノ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルボキシレート(262mg、1.00mmol、1eq)のTHF(4.5m
L)中の冷却した(-70℃)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中1.0M、5mL、5.00mmol、5eq)を加える。得られたオレンジ色の懸濁液を-70℃で2h撹拌し、反応を完了させる。反応をsat.酒石酸ナトリウムカリウム溶液でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機層を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物をベージュ色の固体(149mg、68%)として得る。LC-MS(酸性):tR=0.49min、[M+H]+=221.17。
【0295】
工程2:(5-クロロ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
(5-アミノ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノール(179mg、0.813mmol、1eq)、塩化銅(I)(249mg、2.44mmol、3eq)及び塩化銅(II)無水物(328mg、2.44mmol、3eq)のMeCN(2.4mL)中の混合物に、亜硝酸イソペンチル(0.603mL、4.31mmol、5.3eq)を0℃にて加える。得られた溶液をRTで48h撹拌する。反応を水でクエインチし、EtOAcで抽出する。有機層を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題の生成物を得る。LC-MS(酸性):tR=0.67min、[M+H]+=240.29。
【0296】
工程3:5-クロロ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドの製造
(5-クロロ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、実施例39、工程3に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.82min、[M+H]+=238.25。
【0297】
工程4:rac-(5-クロロ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び5-クロロ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.85min、[M+H]+=449.94。
【0298】
工程5:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールの製造
rac-(5-クロロ-1-(4-メトキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-[5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.782min、[M+H]+=390.2。
【0299】
実施例52:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
工程1:1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-(メトキシメトキシ)ベンゼンの製造
2,5-ジフルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニルボロン酸を用いて、実施例7、工程1に記載の製法に従って製造。
【0300】
工程2:(R)-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(1-(2,5-ジフルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
中間体Ba、(S)-1-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)プロパ-2-イン-1-オール及び1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-(メトキシメトキシ)ベンゼンを用いて、実施例7に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(1-(2,5-ジフルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを得る。LC-MS(酸性):tR=0.73;[M+H]+=429.20。
【0301】
工程3:(R)-4-(4-((6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(ヒドロキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5-ジフルオロフェノールの製造
(R)-(6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(1-(2,5-ジフルオロ-4-(メトキシメトキシ)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールのEtOAc中の溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、3eq)を加え、白色の懸濁液をRTにて反応が完了するまで撹拌する。懸濁液をろ過し、減圧下で濃縮する。prepHPLC(酸性条件)による精製により、(R)-4-(4-((6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(ヒドロキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5-ジフルオロフェノールを得る。LC-MS(酸性):tR=0.62min、[M+H]+=385.19。
【0302】
工程4:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールの製造
(R)-4-(4-((6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(ヒドロキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5-ジフルオロフェノール及び3-(ブロモメチル)-3-フルオロオキセタンを用いて、実施例16に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(3-フルオロ-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.805min、[M+H]+=473.3。
【0303】
実施例53:(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノール
(R)-4-(4-((6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(ヒドロキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5-ジフルオロフェノール及び3-(ブロモメチル)-オキセタンを用いて、実施例52に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-{1-[2,5-ジフルオロ-4-(オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル}-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.756min、[M+H]+=455.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.78(d、J=1.0Hz、1H)、8.62(s、1H)、7.88(dd、J1=11.1Hz、J2=7.1Hz、1H)、7.78(d、1H)、7.60(dd、J1=12.0Hz、J2=7.5Hz、1H)、6.89(s、1H)、6.76-6.87(m、1H)、4.64-4.80(m、7H)、2.47-
2.49(m、1H)、1.05-1.08(m、1H)、0.92-1.01(m、3H)。
【0304】
実施例54:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
1-アジド-2,4-ジフルオロベンゼン(32.7mg、0.2mmol、1eq)の無水tert-ブチルメチルエーテル(0.128mL、1.07mmol、5.373eq)中の溶液に、RTにて、THF中の0.5M 1-プロピニルマグネシウムブロミド溶液(0.42mL、0.21mmol、1.05eq)を加える。混合物をRTで3h撹拌する。次いで、6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒド(37.4mg、0.2mmol、1eq)のTHF(0.3mL)中の溶液を加え、混合物をRTで1h撹拌する。混合物を水及びAcOEtで希釈する。層を分離し、水相をさらにEtOAcで2x抽出する。有機層を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tr=0.757min、[M+H]+=383.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.66(s、1H)、7.77-7.81(m、2H)、7.70(m、1H)、7.35-7.39(m、1H)、6.86(d、J=4.0Hz、1H)、6.64(d、J=4.0Hz、1H)、2.38-2.42(m、1H)、2.35(s、3H)、1.01-1.05(m、1H)、0.86-0.98(m、3H)。
【0305】
実施例55:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
1-アジド-2,5-ジフルオロ-4-メトキシベンゼン及び6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒドを用いて、実施例54に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.783min;[M+H]+=413.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.66(s、1H)、7.74-7.78(m、2H)、7.52(dd、J1=11.7Hz、J2=7.6Hz、1H)、6.84(d、J=4.0Hz、1H)、6.63(d、J=4.0Hz、1H)、3.96(s、3H)、2.36-2.43(m、1H)、2.34(s、3H)、1.00-1.07(m、1H)、0.86-0.99(m、3H)。
【0306】
実施例56:1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2,5-ジフルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オール
(R)-4-(4-((6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)(ヒドロキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5-ジフルオロフェノール及び1-ブロモ-2-メチルプロパン-2-オールを用いて、実施例52に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、1-(4-{4-[(R)-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-ヒドロキシ-メチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イル}-2,5-ジフルオロ-フェノキシ)-2-メチル-プロパン-2-オールを得る。LC-MS(QC
):tR=0.772min、[M+H]+=457.4。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.96(s、1H)、8.75(d、J=1.0Hz、1H)、8.62(s、1H)、7.78(d、2H)、7.53(dd、J1=12.2Hz、J2=7.5Hz、1H)、6.88(s、1H)、6.80(s、1H)、4.75(s、1H)、3.92(s、2H)、2.47(m、1H)、1.22(s、6H)、1.05-1.07(m、1H)、0.93-1.00(m、3H)。
【0307】
実施例57:rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2-フルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノール
1-アジド-2-フルオロベンゼン及び6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒドを用いて、実施例54に記載の製法に従って製造。prepHPLC(塩基性条件)によりrac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-[1-(2-フルオロ-フェニル)-5-メチル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル]-メタノールに精製。LC-MS(QC):tR=0.722min;[M+H]+=365.3。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.97(s、1H)、8.67(s、1H)、7.78(d、1H)、7.66-7.72(m、2H)、7.57-7.61(m、1H)、7.46(td、J1=7.6Hz、J2=1.1Hz、1H)、6.86(d、J=4.1Hz、1H)、6.64(d、J=4.1Hz、1H)、2.38-2.43(m、1H)、2.35(d、3H)、1.01-1.05(m、1H)、0.88-1.01(m、3H)。
【0308】
参照実施例1(Ref1):rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(5-フェニル-チオフェン-3-イル)-メタノール
イソプロピルマグネシウムクロリド 塩化リチウム(THF中1.3M、0.14mL、0.18mmol)の溶液に、2-ブロモ-5-フェニル-チオフェン(45mg、0.18mmol)のTHF(0.2mL)中の溶液を0℃にて添加する。反応混合物を0℃で1h撹拌する。次いで、混合物を-20℃に冷却し、6-シクロプロピルイミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-カルバルデヒド(30mg、0.16mmol)を加える。反応混合物をRTまで温まるようにし、この温度で1h撹拌する。Sat.aq.NH4Cl及びEtOAcを加え、層を分離し、水層をEtOAcで抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。粗生成物を分取用HPLC(塩基性条件)で精製して、rac-(6-シクロプロピル-イミダゾ[1,5-a]ピラジン-5-イル)-(5-フェニル-チオフェン-3-イル)-メタノールを白色の固体として得る。LC-MS(QC):tR=1.065min、[M+H]+=348.10。1H NMR(400MHz、DMSO) δ:8.98(s、1H)、8.52(s、1H)、7.78(s、1H)、7.60(d、J=7.4Hz、2H)、7.29-7.41(m、4H)、7.05(s、1H)、6.88-6.90(m、2H)、2.47(d、J=4.7Hz、1H)、0.94-1.07(m、4H)。
【0309】
参照実施例2(Ref2):rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)-メタノール
工程1:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)メタノールの製造
リチウムジイソプロピルアミド溶液(THF/ヘキサン中1.0M、0.80mL、0.80mmol)のTHF(1.6mL)中の溶液に、6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン(85mg、0.40mmol)のTHF(1.6mL)中の溶液を-40℃にて滴下により加える。反応混合物を-40℃にて25min撹拌する。次いで、溶液を-78℃に冷却し、固体の1-フェニル-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(145mg、0.80mmol)を一度に加える。混合物を-78℃にて
5min、-40℃にて30min撹拌し、次いで一晩RTに到達させる。Sat.aq.NH4Cl及びEtOAcを加え、層を分離し、水層をEtOAcで抽出する(2x)。有機抽出物を合わせて、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)メタノールを得る。LC-MS(酸性):tR=0.84min、[M+H]+=385.2。
【0310】
工程2:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)-メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(1-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)メタノール(154mg、0.40mmol)のEtOH(4mL)中の溶液に、Raneyニッケルを加える。得られた黒色の懸濁液を反応が完了するまで45℃で撹拌する。混合物をろ過し、DCMとEtOHで洗浄し、減圧下で濃縮する。粗生成物を分取用HPLC(塩基性条件)で精製して、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(1-フェニル-1H-ピラゾール-3-イル)-メタノールを灰白色の固体として得る。LC-MS(QC):tR=0.760min、[M+H]+=325.10。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.57(m、1H)、8.49(d、J=2.5Hz、1H)、7.66-7.68(m、2H)、7.58-7.63(m、1H)、7.42-7.46(m、3H)、7.27(m、1H)、6.86-6.90(m、1H)、6.80-6.82(m、1H)、6.72(d、J=2.5Hz、1H)、6.69(d、J=4.4Hz、1H)。
【0311】
参照実施例3(Ref3):rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(2-フェニル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノール
工程1:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(2-フェニル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び2-フェニル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.88min、[M+H]+=385.85。
【0312】
工程2:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(2-フェニル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(2-フェニル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(2-フェニル-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=0.833min、[M+H]+=326.10。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.57(s、1H)、8.34(s、1H)、7.84-7.89(m、2H)、7.64-7.69(m、1H)、7.48-7.55(m、3H)、7.35-7.43(m、1H)、7.11(d、J=4.4Hz、1H)、6.92(m、1H)、6.80-6.87(m、1H)。
【0313】
参照実施例4(Ref4):rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-フェニル-チオフェン-2-イル)-メタノール
工程1:rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-
5-イル)(5-フェニルチオフェン-2-イル)メタノールの製造
6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン及び5-フェニルチオフェン-2-カルバルデヒドを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。LC-MS(酸性):tR=0.99min、[M+H]+=401.09。
【0314】
工程2:rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-フェニル-チオフェン-2-イル)-メタノールの製造
rac-(6-クロロ-3-(エチルチオ)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)(5-フェニルチオフェン-2-イル)メタノールを用いて、参照実施例2に記載の製法に従って製造。分取用HPLC(塩基性条件)による精製により、rac-(6-クロロ-イミダゾ[1,5-a]ピリジン-5-イル)-(5-フェニル-チオフェン-2-イル)-メタノールを得る。LC-MS(QC):tR=1.030min、[M+H]+=341.00。1H NMR(500MHz、DMSO) δ:8.50-8.53(m、1H)、7.68(dd、J=9.6Hz、1H)、7.58-7.63(m、2H)、7.50(s、1H)、7.37-7.43(m、2H)、7.35(m、1H)、7.28-7.32(m、1H)、7.25(d、J=4.6Hz、1H)、6.91-6.95(m、2H)、6.79-6.81(m、1H)。
【0315】
実施例1aの化合物の絶対キラリティー及び結合モードを、下記の実験方法を用いて、対応する化合物-酵素共結晶のX線回折分析により決定した:
1. タンパク質の精製及び共結晶化:
IDO1タンパクを文献に記載の方法に従って発現させ、精製した(Biochem et Biophysica Acta 1814(2011)1947-1954)。IDO1タンパクを、10mMのMES(2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸) pH6.50、100mMのNaCl及び2mMのTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)を含むバッファー中で、29mg/mlに濃縮した。タンパク質溶液を、2mMの最終濃度で、277Kにて、実施例1の化合物と3時間インキュベートした。次いで、溶液を、Eppendorf 5424Rベンチトップ遠心分離器(benchtop centrifuge)を用いて、15,000rpmで、277Kにて、5分間遠心した。遠心した溶液を、30mMの硫酸リチウム、30mMの硫酸ナトリウム、30mMの硫酸カリウム、100mMの3-モルフォリノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸/ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-トリス(ヒドロキシメチル)メタン pH6.5、10%(w/v)のPEG 8000及び20%(w/v)の1,5-ペンタンジオールを含む保存溶液と混合した。最後に、スィッティングドロップ(sitting drops)からの蒸気拡散により、293Kにて、IDO1と実施例1aの化合物の共結晶を得た。
【0316】
2. X線データ収集及び構造決定:
上記の共結晶をナイロンループを用いて採取し、液体窒素中に直接置いた。シンクロトロンデータを、Paul Scherrer Institute(Villigen、スイス連邦)において、Pilatus 2M-F検出器を用いて、Swiss Light SourceのビームラインX06DAで収集した。回折像を、プログラムXDS(Acta Cryst.(2010)D66、125-132)を用いて処理した。プログラムPhaser(J.Appl.Cryst.(2007)40、658-674)を用いて初期構造(preliminary structure)を解いた。プログラムRefmac5(Acta Cryst.(2004)D60、2284-2295)及びCoot(Acta Cryst.(2010)D66、486-501)をそれぞれ用いて、構造の精密化及び再構築を行った。観察された反射のデータ全体より5%をランダムに選択してR-freeを算出した。電子密度の測定に基づいて、実施例1aの化合物が(R)-エナンチオマーであることが明確に示された。
【0317】
【表1】
より活性の強いエナンチオマーの結合モードは実施例1の化合物のものと同じであるという仮定に基づいて、本発明の化合物の(R)-又は(S)-配置を、実施例2a、3a、7a、8a、10a、11a、20a、21-31、33、34a、35a、36、40-42、44-47、52、53及び56にあてはめる。
【0318】
生物学的試験
1) IDO1酵素アッセイによる化合物のIDO阻害活性試験:
E.coli中で発現させ、均質に精製した(purified to homogeneity)N-末端ヘキサヒスチジンタグを有する組み換え全長ヒトIDO1を、10mMのアスコルビン酸、0.45μMのメチレンブルー、50U/mlのカタラーゼ、0.01%のBSA及び0.01%のTween 20を添加した37.5mMのリン酸バッファーからなるアッセイバッファー中で、pH6.5にて、2nMの最終濃度でインキュベートする(Seegersら、JBS 2014の改変プロトコル)。実施例化合物をDMSOで段階希釈し、さらにリン酸バッファーで希釈し、10μMから0.5nMの範囲の最終濃度で酵素に添加する。最終DMSO濃度は0.6%である。RTにて30分間プレインキュベーションした後、L-トリプトファンを、アッセイバッファー中に5μM
の最終濃度で添加することにより反応を開始する。RTにて30分間インキュベーションした後、20μlの反応混合物の3μLを、25μLの脱イオン水を含む深底384ウェルプレートに移す。100%冷メタノール中の200nMのL-トリプトファン-(インドール-d5)を100μl添加し、次いで、4℃にて3220xgで10分間遠心する。次に、75μLの脱イオン水をさらに添加し、次いで、4℃にて3220xgで10分間遠心する。反応生成物であるN’-ホルミルキヌレニン(NFK)をLCMSにより定量し、L-トリプトファン-(インドール-d5)シグナルに対して正規化する。0.6%のDMSO(0%の効果)及びTDO/IDO阻害剤(100%の効果)を含む試料を対照試料として使用して、各化合物の50%阻害濃度(IC50)の決定に必要な非線形回帰のパラメーターを設定する。各化合物濃度について、0%及び100%の効果と比較した活性の百分率を平均±STDEVとして算出する(各濃度について重複して測定を行う。)。IC50値及び曲線を、Dose-Response One Siteモデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する(4パラメーターロジスティック曲線モデル)。算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動するかもしれない。この種の変動は当業者に既知である。化合物を複数回測定した場合は、平均値を記載する。
【0319】
2) TDO2酵素アッセイによる化合物のTDO阻害活性試験:
E.coli中で発現させ、均質に精製した、N-末端ヘキサヒスチジンタグを有するアミノ酸19-407を有する組み換えヒトTDOを、100μMのアスコルビン酸、50U/mlのカタラーゼ、0.01%のBSA及び0.01%のTween 20を添加した75mMのリン酸バッファーからなるアッセイバッファー中で、pH7にて、15nMの最終濃度でインキュベートする(Seegersら、JBS 2014の改変プロトコル)。実施例化合物をDMSOで段階希釈し、さらにリン酸バッファーで希釈し、10μMから0.5nMの範囲の最終濃度で反応混合物に添加する。最終DMSO濃度は0.6%である。RTにて30分間プレインキュベーションした後、L-トリプトファンを、アッセイバッファー中に200μMの最終濃度で添加することにより反応を開始する。RTにて30分間インキュベーションした後、3μLの反応混合物を、25μLの脱イオン水を含む深底384ウェルプレートに移す。100%冷メタノール中の200nMのL-トリプトファン-(インドール-d5)を100μl添加し、次いで、4℃にて3220xgで10分間遠心する。次に、75μLの脱イオン水をさらに添加し、次いで、4℃にて3220xgで10分間遠心する。反応生成物であるN’-ホルミルキヌレニン(NFK)をLCMSにより定量し、L-トリプトファン-(インドール-d5)シグナルに対して正規化する。0.6%のDMSO(0%の効果)及びTDO/IDO阻害剤(100%の効果)を含む試料を対照試料として使用して、各化合物の50%阻害濃度(IC50)の決定に必要な非線形回帰のパラメーターを設定する。各化合物濃度について、0%及び100%の効果と比較した活性の百分率を平均±STDEVとして算出する(各濃度について重複して測定を行う。)。IC50値及び曲線を、Dose-Response One Siteモデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する(4パラメーターロジスティック曲線モデル)。算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動するかもしれない。この種の変動は、当業者に既知である。化合物を複数回測定した場合は、平均値を記載する。
【0320】
3) 細胞アッセイにおける化合物のIDO/TDO阻害活性及び毒性試験
SW48細胞(ATCC、CCL-231)を使用して化合物のTDO阻害活性を測定し、同細胞をDMEM高グルコース/GlutaMAX(商標)/ピルベート90%(v/v)、FCS10%(v/v)、ペニシリン/ストレプトマイシン1%(v/v)中に常に維持する。IFNyによる刺激後にIDO1を上方制御するSKOV3細胞(NCI、No.0503405)を用いて化合物のIDO阻害活性を測定する。SKOV3細胞をRPMI90%(v/v)、FCS10%(v/v)、ペニシリン/ストレプトマイシン
1%(v/v)中に常に維持する。SW48又はSKOV3細胞を、384ウェルプレート中に、それぞれ、1ウェル当たり45μl中に8000細胞又は1ウェル当たり45μl中に4000細胞の密度で播く。プレートを37℃/5%CO2にて24時間インキュベートする。翌日、段階希釈した10μlの化合物(10μM~40nMの試験濃度範囲)及び200μMのL-トリプトファンを添加する(SKVO3には、さらにIFNyが最終濃度50ng/mlで添加される。)。37℃/5%CO2にて24時間インキュベートした後、1ウェル当たり3μlの上清を、384ウェル深底プレートの1ウェル当たり25μlのH2Oに移し、1ウェル当たり25μlの上清を廃棄する(transferred to waste)。1ウェル当たり25μlの上清を残したSKOV3及びSW48細胞プレートをバイアビリティーの測定に使用する(下記参照。)。1ウェル当たり3μlの上清及び25μlのH2Oを有する384ウェル深底プレートについてさらにLCMSを行う:メタノール中の200nMのL-トリプトファン-(インドール-d5)(Sigma 615862)、100μlを添加した後、384ウェル深底プレートを4℃、3220xgにて10分間遠心し、1ウェル当たり75μlのH2Oを添加し、4℃、3220xgにて10分間再び遠心する。N-ホルミルキヌレニン及びキヌレニンをLCMSにより定量化し、内部標準L-トリプトファン-(インドール-d5)に対して正規化し、合計を算出する。0.2%のDMSO(0%の効果)及びTDO/IDO阻害剤(100%の効果)を含む試料を対照試料として使用して、各化合物のIC50の決定に必要な非線形回帰のパラメーターを設定する。各化合物濃度について、0%及び100%の効果と比較した活性の百分率を平均±STDEVとして算出する(各濃度について重複して測定を行う。)。IC50値及び曲線を、Dose-Response One Siteモデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する。算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動するかもしれない。この種の変動は、当業者に既知である。化合物を複数回測定した場合は、平均値を記載する。
【0321】
NFK及びKYN産生の阻害は単に細胞毒性の効果によるものである可能性があるため、バイアビリティーアッセイ(CellTiter-Glo 2.0Luminescent Cell Viability Assay、Promega Catalog # G9243)を並行して行う。CellTiter-Glo試薬を細胞プレートに添加し(25μl/ウェル)、暗所で室温にて15分間インキュベートし、Perkin Elmer製のEnVision Multilabel Readerを取り扱い説明書に従って使用して、発光を測定する。発光シグナルは存在するATP量に比例する。ATP量は存在する生存細胞の数に直接比例する。0.2%のDMSO(0%の効果)及び毒性化合物(100%の効果)を含む試料を対照試料として使用して、非線形回帰のパラメーターを設定する。各化合物濃度について、0%及び100%の効果と比較した活性の百分率を平均±STDEVとして算出する(各濃度について重複して測定を行う。)。Tox IC50値及び曲線を、Dose-Response One Siteモデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する。算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動するかもしれない。この種の変動は、当業者に既知である。化合物を複数回測定した場合は、平均値を記載する。
【0322】
実施例1~57及び参照実施例1~4の化合物について得られた生物学的試験1、2及び3の結果を下記の表1に要約する:
【0323】
【国際調査報告】