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特表2022-540164ホール集積センサおよびその製造プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】ホール集積センサおよびその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20220907BHJP
   H01L 43/06 20060101ALI20220907BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20220907BHJP
   G01R 33/07 20060101ALI20220907BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G01R33/02 X
H01L43/06 P
H01L43/06 Z
H01L43/06 B
H01L27/04 L
G01R33/07
G01R35/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500961
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 IB2020056427
(87)【国際公開番号】W WO2021005532
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】19185046.0
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516140753
【氏名又は名称】エルファウンドリー エッセ.エッレ.エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カルシュテン・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト・スピッツルスペルガー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ホンローザー
【テーマコード(参考)】
2G017
5F038
5F092
【Fターム(参考)】
2G017AA01
2G017AB05
2G017AD53
5F038AZ04
5F038EZ20
5F092AA20
5F092AB01
5F092AC02
5F092BA03
5F092BA19
5F092BA23
5F092BA37
5F092CA07
5F092CA11
5F092CA25
5F092EA08
(57)【要約】
第1の表面(101a)および垂直軸(y)に沿って前記第1の表面(101a)の反対側の第2の表面(101b)を有する基板(101)を含む半導体材料のメインウェハ(10)と、前記基板(101)の前記第1および第2の表面(101a,101b)の少なくとも一方に配置されたホールセンサ端子(1,2,3,4;1’,2’,3’,4’)と、集積ホールセンサのホールセンサプレート(103)を画定する前記基板(101)内の分離構造(109)であって、前記ホールセンサ端子が前記分離構造(109)の内部に配置されている、分離構造(109)と、を備える集積ホールセンサが提供される。前記集積ホールセンサは、前記基板(101)の前記第1および第2の表面(101a,101b)の上に配置されている金属部分(130b,170b;130a,170a)によって少なくとも一部が形成された複数の巻線を有し、かつ前記ホールセンサプレート(103)全体を包含する内部体積を画定する、前記メインウェハ(10)内に集積された少なくとも1つのテストおよび較正用コイル(C1)をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面(101a)および垂直軸(y)に沿って前記第1の表面(101a)の反対側の第2の表面(101b)を有する基板(101)を含む半導体材料のメインウェハ(10)と、
前記基板(101)の前記第1および第2の表面(101a,101b)の少なくとも一方に配置されたホールセンサ端子(1,2,3,4;1’,2’,3’,4’)と、
集積ホールセンサのホールセンサプレート(103)を画定する前記基板(101)内の分離構造(109)であって、前記ホールセンサ端子が前記分離構造(109)の内側に配置されている、分離構造(109)と、を備える集積ホールセンサであって、
前記集積ホールセンサが、前記基板(101)の前記第1および第2の表面(101a,101b)の上に配置されている金属部分(130b,170b;130a,170a)によって少なくとも一部が形成された複数の巻線を有し、かつ前記ホールセンサプレート(103)全体を包含する内部体積を画定する、前記メインウェハ(10)内に集積された少なくとも1つのテストおよび較正用コイル(C1)をさらに備える、集積ホールセンサ。
【請求項2】
前記基板(101)の第1の表面(101a)に形成された第1のセンサ端子(1,2;1’,2’,3’,4’)と、前記第1のセンサ端子と反対側の前記基板(101)の前記第2の表面(101b)に形成された第2のセンサ端子(3,4;1,2,3,4)とを有する少なくとも1つのホールセンサ素子(H1)を備え、
前記分離構造が、前記基板(101)の前記第2の表面(101b)から前記第1の表面(101a)へと延在しており、前記基板(101)の一部を横方向に取り囲み、前記ホールセンサプレート(103)を画定する、誘電体構造(109)を含み、
前記テストまたは較正用コイルが、前記基板(101)の前記第1の表面(101a)上に配置された第1の誘電体層構造(104,105)上に形成された第1の金属領域(130)と、前記基板(101)の前記第2の表面(101b)上に配置された第2の誘電体層構造(107,108)上に形成された第2の金属領域(170)とを含む、請求項1に記載の集積ホールセンサ。
【請求項3】
前記第1の誘電体層構造(104,105)が、前記第2の誘電体層構造(107,108)と同一の厚さを有する、請求項2に記載の集積ホールセンサ。
【請求項4】
前記テストまたは較正用コイルによって画定される内部体積(1001)によって全体が囲まれるさらなるホールセンサ素子(H2,H3,H4)を含む、請求項2または3に記載の集積ホールセンサ。
【請求項5】
前記ホールセンサ素子の少なくともいくつかが直交結合素子であり、前記テストまたは較正用コイルによってテストおよび較正されるように設計されたホールセンサ(H)を共同で形成している、請求項4に記載の集積ホールセンサ。
【請求項6】
前記テストまたは較正用コイルによって画定される前記内部体積(1001)内に配置された集積回路(IC)をさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項7】
基板(201)と、前記基板(201)上に形成された誘電体層(206)に配置された少なくとも1つの金属層(230)とを有する第2のウェハ(20)であって、前記誘電体層(206)が前記基板(101)の前記第1の表面(101a)に面するように、前記基板(101)の前記第1の表面(101a)の上方で前記メインウェハ(10)に取り付けられている、第2のウェハ(20)と、
基板(301)と、前記基板(301)上に形成された誘電体層(306)に配置された少なくとも1つの金属層(370)とを有する第3のウェハ(30)であって、前記誘電体層(306)が前記基板(101)の前記第2の表面(101b)に面するように、前記基板(101)の前記第2の表面(101b)の上方で前記メインウェハ(10)に取り付けられている、第3のウェハ(30)と、
をさらに含み、
前記第2および第3のウェハ(20,30)の前記金属層(230,370)の一部が、前記テストまたは較正用コイルの巻線の画定に寄与し、垂直ホール素子の前記ホールプレート(103)を囲む前記テストまたは較正用コイルの前記内部体積(1001)が、前記メインウェハ(10)ならびに前記第2および第3のウェハ(20,30)にわたって延在している、請求項2から6のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項8】
前記第2および第3のウェハ(20,30)の少なくとも1つが、前記垂直ホール素子を動作させるための回路を集積するCMOSウェハである、請求項7に記載の集積ホールセンサ。
【請求項9】
前記メインウェハ(10)に集積された、少なくとも1つのさらなるホールセンサ素子(H2)と、前記さらなるホールセンサ素子(H2)の前記ホールセンサプレート全体を囲むそれぞれの内部体積(1001)を画定するさらなるテストまたは較正用コイル(C2)とをさらに含み、
前記少なくとも1つのホールセンサ素子およびさらなるホールセンサ素子(H1およびH2)が同時にテストまたは較正できるように、前記少なくとも1つのテストまたは較正用コイルおよびさらなるテストまたは較正用コイル(C1およびC2)が直列である、請求項2から8のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項10】
前記基板(101)の前記第1の表面(101a)に形成された第1の対のホールセンサ端子(1,2)と、前記第1の対のホールセンサ端子の反対側の前記基板(101)の前記第2の表面(101b)に形成された第2の対のホールセンサ端子(3,4)とを有する少なくとも1つの垂直ホールセンサ素子(H1)を含み、
前記テストまたは較正用コイルの各巻線が、前記基板(101)の前記第1の表面(101a)上に配置された前記第1の誘電体層構造(104,105)上に形成された第1の金属部分(130b)と、前記基板(101)の前記第2の表面(101b)上に配置された前記第2の誘電体層構造(107,108)上に形成された第2の金属部分(170b)と、前記基板(101)を通って延在し、前記第1および第2の金属部分(130b,170b)に結合される貫通シリコンビア(140b,141b)とを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項11】
前記ホールセンサ端子(1,2,3,4)が、前記基板(101)の前記第1および第2の表面(101a,101b)に平行な面の第1の水平軸(z)に沿って延在し、前記第1および第2の金属部分(130b,170b)が、前記第1の水平軸(z)を横切る前記面の第2の水平軸(x)に沿って延在し、
前記テストまたは較正用コイルの前記巻線の各々が、前記第2の水平軸(x)および前記垂直軸(y)によって画定される面において長方形の断面を有し、直列接続され、かつ前記第1の水平軸(z)に沿って配置されている、請求項10に記載の集積ホールセンサ。
【請求項12】
前記貫通シリコンビア(140b,141b)が、前記ホールセンサプレート(103)に対して同一の横方向の距離を有する、請求項10または11に記載の集積ホールセンサ。
【請求項13】
前記テストまたは較正用コイルの前記巻線を画定する前記貫通シリコンビア(140b,141b)が、前記ホールプレート(103)に誘起される磁場に寄与しないように、前記ホールセンサプレート(103)から離間されている、請求項10から12のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項14】
複数の巻線を有する、前記ウェハ(10)に形成された外側コイルをさらに含み、各々が、前記第1の誘電体構造(104,105)上に配置された第1の外側誘電体層(106)上に形成された第1の金属部分(230b)と、前記第2の誘電体構造(107,108)上に配置された第2の外側誘電体層(182)上に形成された第2の金属部分(270b)と、前記基板(101)を通って延在し、前記第1および第2の金属部分(230b,270b)に結合される貫通シリコンビア(142b,143b)と、を含み、
前記外側コイルが前記テストまたは較正用コイルに直列接続されている、請求項10から13のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項15】
前記ウェハ(10)に形成された複数の巻線を有する外側コイルをさらに含み、各々が、前記第1の誘電体構造(104,105)上に配置された第1の外側誘電体層(106)上に形成された第1の金属部分(234)と、前記第2の誘電体構造(107,108)上に配置された第2の外側誘電体層(182)上に形成された第2の金属部分(275)と、を含み、
前記外側コイルの方向が前記テストまたは較正用コイルに対して90度回転している、請求項10から13のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項16】
前記垂直ホールセンサ素子が、前記外側コイルおよび前記テストまたは較正用コイルによって共通して画定される前記内部体積(1001)に全体が配置されたリング形状を有するホールセンサプレート(103)を含む円形垂直ホール素子(CVH)である、請求項15に記載の集積ホールセンサ。
【請求項17】
前記基板(101)の前記第1の表面(101a)に形成された第1の組のドープ領域(1’,2’,3’,4’)と、前記第1の組のドープ領域と反対側に位置し、前記第1の組のドープ領域とともに対応する水平ホールセンサ素子のホールセンサ端子を画定する、前記基板(101)の前記第2の表面(101b)に形成された第2の組のドープ領域(1,2,3,4)とを有する少なくとも1つの水平ホールセンサ素子を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【請求項18】
前記テストまたは較正用コイルが、
前記基板(101)の前記第1の表面(101a)上に配置された第1の誘電体層構造(104,105)上に形成された金属層(130)に画定された少なくとも第1の巻線(130a)と、
前記基板(101)の前記第2の表面(101b)上に配置された第2の誘電体層構造(107,108)上に形成されたそれぞれの金属層(170)に画定された少なくとも第2の巻線(170a)と、を含み、
前記第1および第2の巻線(130a,130b)が互いに向かい合いかつ前記ホールセンサプレート(103)を取り囲んで配置されている、請求項17に記載の集積ホールセンサ。
【請求項19】
前記テストまたは較正用コイルが、前記水平ホール素子を横方向に囲みかつ前記誘電体構造(109)を取り囲む貫通シリコンビア(140)によって少なくとも部分的に形成されている、請求項17または18に記載の集積ホールセンサ。
【請求項20】
前記テストまたは較正用コイルがスパイラル構造を有する、請求項17から19のいずれか一項に記載の集積ホールセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年7月8日に出願された欧州特許出願第19185046.0号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、特に最終テストおよび較正のための集積コイルを少なくとも有するホール集積センサおよび対応する製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
磁気センサIC(磁力回路)は通常、信号の調整と増幅に必要な電気回路と一体に集積されたシリコン系ホールセンサ素子を使用する。一体に集積されたホールセンサを備えた典型的な製品は、ホールスイッチIC、線形位置測定用のホールIC、角度位置センサホールIC、電流検出用のホールIC、および3DホールセンサICである。製品のタイプに応じて、ホール集積センサには、水平ホール素子、垂直ホール素子、またはその両方が含まれ得る。水平ホール素子は、シリコン表面に垂直な磁場の強さを感知する。それらは、1つの空間次元における磁場の強さを決定するだけで十分である多くの用途で使用されている。例としては、1つの軸に沿った線形位置測定用のユニポーラおよびバイポーラホールスイッチICおよびホールセンサICがある。シリコン表面の平面の方向の磁場の強さを感知する垂直ホール素子は、角度位置センサホールICで使用され、水平ホール素子とともに、3DホールセンサICで使用されている。
【0004】
ホールセンサは標準のCMOS製造プロセスで製造できるため、動作と読出しのための電子機器とホールセンサを同じチップに集積することができる。あるいは、専用のホールセンサウェハを、必要な回路を含む第2のウェハ上に積層することもできる。本出願人名義のWO2020/104998A1には、2枚のウェハを積層してそのようなホールセンサIC製品を形成する方法が開示されている。
【0005】
ホールセンサの磁気感度は、応力、温度、経過期間、および熱衝撃に依存する。光配向エラー、不均一なドーパント密度、または欠陥などの製造上の欠陥により、ホール電圧のオフセットが発生する場合がある。さらに深刻なことに、ホールセンサICに使用されるプラスチックパッケージは、シリコンに応力を発生させ、ホール電圧のオフセットを引き起こす可能性がある。したがって、ホールセンサICは広範なテストの対象となる。多くの製品の場合、たとえばリニアホールICの場合、各ホールセンサが較正され、得られた較正データがICに保存される。ホールセンサの磁気応答を特性評価するために、パッケージ化されたチップは外部ヘルムホルツコイルに配置される。当然、3DホールセンサICは、3つの空間次元すべてにおいて特性評価する必要がある。上記から理解されるように、ホールセンサICの最終的なテストと較正の労力は多大であり、関連するコストは全体の製造コストの大部分を占める。
【0006】
例えば以下に記載されているように、ホールセンサICにテストおよび較正用の集積コイルを装備することが提案されている。
-P.L.C. Simon, P.H.S. de Vries, S. Middelhoek, “Autocalibration of silicon Hall devices”, Transducers 95, 291-A12, 237-240頁, 1995年
-R.S. Popovic, T.J.A. Flanagan, P.A. Besse, “The future of magnetic sensors”, Sensors and Actuators A56, 39-55頁, 1996年
【0007】
水平および/または垂直ホールセンサの最終テストと較正に使用される集積コイルは、少なくとも数mTの範囲の十分な大きさの磁場を誘導することが必要である。コイル効率は、誘導磁場強度をコイル電流で割った比率として定義される。最終テストまたは較正手順中に集積コイルに印加される最大コイル電流は、コイルに使用されるCMOS金属層のエレクトロマイグレーション性能によって制限され得る。さらに重要なことは、テスト中のホールセンサ素子の自己発熱を考慮する必要がある。これらの理由から、集積コイルの高いコイル効率を実現することが重要である。
【0008】
さらに、集積コイルによって誘導される磁場は、テスト対象のホールセンサ素子の領域において均一でなければならない。これは(コイルの形成に標準的な金属層を使用することにより)水平のホールセンサではある程度達成できるが、垂直ホールセンサのホールプレートに均一かつ均質な磁場が発生するような垂直ホールセンサ用のインダクタコイルを形成する方法は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、特に最終テストおよび較正用の少なくとも1つのの集積コイルを有する、改良されたホール集積センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲で定義されるように、ホール集積センサおよび対応する製造プロセスが提供される。
【0011】
本発明をよりよく理解するために、ここで、単に非限定的な例として、その好ましい実施形態について添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図1B図1Aのホール集積センサの断面図である。
図1C】本発明の実施形態によるホール集積センサのさらなる平面図である。
図2】本発明の実施形態によるホール集積センサのさらなる平面図である。
図3A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの断面図である。
図3B図3Aのホール集積センサの平面図である。
図3C図3Aのホール集積センサの平面図である。
図4A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図4B図4Aのホール集積センサの断面図である。
図5A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図5B図5Aのホール集積センサの断面図である。
図6】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの断面図である。
図7】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図8A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図8B図8Aのホール集積センサの断面図である。
図9A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図9B図9Aのホール集積センサの断面図である。
図10A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図10B図10Aのホール集積センサの断面図である。
図11】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図12】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図13】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図14】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図15A】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの断面図である。
図15B図15Aのホール集積センサの平面図である。
図15C図15Aのホール集積センサの平面図である。
図15D図15Aのホール集積センサの平面図である。
図16】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図17】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図18】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの平面図である。
図19】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの断面図である。
図20】本発明のさらなる実施形態によるホール集積センサの断面図である。
図21図21A~21Mは、対応する製造プロセスの連続するステップにおける集積ホールセンサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下で詳細に説明するように、本発明は、完全にCMOS互換性のプロセスステップおよび材料を使用した集積ホールセンサの製造を想定している。
【0014】
図1A、1Bおよび1Cは、本発明の第1の実施形態を示す。ホールセンサ製品100は、較正およびテスト用のコイルを備えた垂直ホールセンサを含む。図1Aは、x-z面でのホールセンサ製品100の空間図を示す。1Bから1B’へのx方向に平行なカットは、1B-1B’として示される。図1Bは、カット1B-1B’に沿ったホールセンサ製品100の断面を示す。図1Bには、2つのカットが示されている。1A-1A’で示される1Aから1A’への第1のカットと1C-1C’で示される1Cから1C’への第2のカットである。2つのカットのそれぞれは、原点からy方向に沿ってシフトしたx-z面に平行な面に対応する。図1Aは、カット1A-1A’の平面におけるホールセンサ製品100を示す。図1Cは、カット1C-1C’の平面におけるホールセンサ製品100の別の空間図である。ホールセンサ製品100は、垂直ホール素子と、垂直ホール素子のテストおよび較正専用のオンチップコイルとを備える。図1Bを参照すると、垂直ホール素子は、半導体基板101を有するウェハ10上に形成されている。半導体基板101は、好ましくはシリコン基板であるが、他の半導体を考慮することもできる。半導体基板101は、第1の伝導型を有し、好ましくはn型である。さらに図2を参照すると、半導体基板は101aで示される第1の表面を有する。第1の第101aでは、第1の伝導型を有する2つの高濃度にドープされた領域1および2が形成される。2つの高ドープ領域1および2は、表面101aから半導体基板101に延在する。高ドープ領域1および2は、フォトマスクイオン注入やその後の高速熱アニーリングなどの一般的なCMOS製造技術によって形成され得る。誘電体層104は、第1の表面101a上に配置される。誘電体層104は、プレメタル誘電体層を構成し、窒化ケイ素、酸化ケイ素、リンケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラスまたは他の適切な誘電体材料からなり得る。誘電体層104はまた、上記のような材料組成を有する誘電体層のスタックを含み得る。高ドープ領域1が占有する表面101aの部分内に、誘電体層104は、基板表面101aまで延在する開口部を有する。同様に、高ドープ領域2が占有する半導体表面101aの部分内に位置する、誘電体層104に第2の開口部が提供される。第2の開口部もまた、基板表面101aまで延在する。第1の金属層110は、誘電体層104上に配置される。第1の金属層110は、多くのCMOS製造プロセスで一般的であるように、アルミニウム系金属層であり得る。図2に示されるように、アルミニウム系金属層は、誘電体層104の2つの開口部を充填する。あるいは、2つの開口部は、タングステン系の層によって充填されてもよく、一方、金属層110は、アルミニウム系または代替的に銅系である。当技術分野ですべてよく知られている金属層110には、異なるメタライゼーションスキームを採用することができる。金属層110は、図1Bに示すように、部分110b、112、111、および111bを残すように構造化される。金属部分111および112は、それぞれ高ドープ領域1および2と接触している。高ドープ領域1および2は、垂直ホールセンサの2つの端子を画定し、両者とも、基板101の第1の表面101aに形成される。金属部分111および112は、それぞれホール端子1および2にアクセスするための電気接点および配線を提供する。誘電体層104上に配置された2つのホール端子のそれぞれの金属配線は、垂直のホールセンサの領域内で、また垂直ホールセンサに近接して、x方向に向けられている。金属部分110bおよび111bは、以下でより明らかになるように、垂直ホールセンサを取り囲む金属コイルの部分である。金属層110は、第1の金属間誘電体を形成する第2の誘電体層105に埋設されている。誘電体層105に適した材料は、酸化ケイ素または高k誘電体材料である。ビア121bが誘電体層105に形成されている。第2の金属層130が誘電体層105上に配置され、金属部分130bを残すように構造化されている。第2の金属層には一般的なメタライゼーションスキームを採用することができる。ビア121bは、タングステン系の層で充填され得、金属層130は、アルミニウム系または銅系であり得る。ビア121bはまた、金属間誘電体105上に配置されたアルミニウム系金属層130で充填され得る。一般的な製造プロセスを適用して、図1Bに示す金属構造体を形成することができる。第2の金属層は、誘電体層106に埋設されており、これは、酸化ケイ素、または高k誘電体と酸化ケイ素を含むスタックからなり得る。ビア121bは金属部分111bと接触している。金属部分110b、金属部分111b、ビア121b、および金属部分130bは、基板101の第1の表面において垂直ホール素子を取り囲むコイルの部分を構成する。ウェハ10は、誘電体層106の上面で第2のウェハ20に取り付けられている。第2のウェハ20は、キャリアウェハであってよく、例えば、第2のウェハ20は、安価なシリコンウェハであり得る。あるいは、第2のウェハ20は、垂直ホール素子を動作させるために必要な集積回路を含むCMOSウェハであり得る。この場合、ウェハ20は、CMOSデバイスが形成されるシリコン基板と、メタライゼーションスタックとを含む。ウェハ20上のメタライゼーションスタックは、誘電体層に埋設された複数の金属層を含み得る。この場合、ウェハ10は、誘電体層106の上面で、シリコンウェハ20上に配置された誘電体層の上面に取り付けられる。さらに、ウェハ20上に形成された金属層とウェハ10の第1の表面上に形成された金属層との間に電気接点が提供される。そのような電気接点は、ハイブリッドボンディングまたは当技術分野で知られている他の方法によって実現することができる。ウェハ20をキャリアとして使用して、ウェハ10は、裏側から、すなわち、第1の表面101aの反対側から薄化される。半導体基板101の薄い層だけが残るように、ウェハ材料の大部分が除去される。図1Bでは、第1の表面101aの反対側にある、結果として得られる第2の基板の表面が101bで示されている。基板層101の第2の表面101bは、第1の表面101aと平行である。残留する半導体基板101の厚さは、好ましくは10マイクロメートルから50マイクロメートルの範囲であり得るが、より薄いまたはより厚い厚さの値も想定され得る。2つの高ドープ領域3および4は、基板101に延在し、第2の表面101bに配置されている。高ドープ領域3および4は第1の伝導型を有し、これは基板層101の伝導型である。製品100における垂直ホール素子では、高ドープ領域3は、第1の表面101aの高ドープ領域2の反対側に形成され得、高ドープ領域4は、第1の表面101aの高ドープ領域1の反対側に形成され得る。図1Aは、カット1A-1A’に沿った第2の表面100bのx-z面におけるホールセンサ製品100を示す。図1Aに見られるように、高ドープ領域3および4は、z方向に沿ってストライプを形成する。製品100の垂直ホール素子の場合、第1の表面100a上の高ドープ領域1および2もまた、z方向に配向されたストライプを形成する。高ドープ領域1、2、3、および4は、すべて同一の横方向の寸法を有し得る。第2の表面100bの高ドープ領域3および4は、フォトマスクイオン注入とそれに続くレーザ熱アニーリングによって形成され得る。レーザ熱アニーリングにより、第1の表面のメタライゼーションに悪影響を及ぼすことなく、第2の表面でのドーピングを活性化することができる。高ドープ領域3および4ならびに高ドープ領域1および2は、誘電体構造109によって包囲されている。誘電体構造109は、基板層101の第2の表面101bから第1の表面101aまで延在する。図1Aには、誘電体構造109による高ドープ領域3および4の横方向の囲いが描かれている。誘電体構造109によって横方向に囲まれている基板層101の部分は、図1Aおよび1Bにおいて103として示されている。基板層101の部分103は、製品100の垂直ホール素子のホールセンサ領域(ホールプレート)である。誘電体構造109は、ディープトレンチアイソレーションプロセスによって確立することができる。誘電体構造109の誘電体材料は、酸化ケイ素であり得る。ディープトレンチアイソレーションプロセスは当技術分野において周知である。再度図1Bを参照すると、第1の誘電体層107が第2の表面101b上に配置されている。誘電体層107は、基板層101の第2の面にプレメタル誘電体層を提供する。誘電体層107には、第1の面のプレメタル誘電体層104に使用されるものと同様の材料または材料組成が考慮され得る。第1の貫通シリコンビア140bは、誘電体層107の上面から層107を通り、基板層101を通り、第1の表面101a上の誘電体層104を通り、層104上に配置された第1の金属の金属部分110bに到達するように延在して形成される。貫通シリコンビア140bは金属層で充填され、金属層は、タングステン系金属層、またはより好ましくは、銅系金属層であり得る。貫通シリコンビアの金属充填物は、誘電体ライナ181によって半導体基板101から電気的に絶縁される。誘電体ライナは、酸化ケイ素または他の適切な絶縁材料から構成され得る。第2の貫通シリコンビア141bは、誘電体層107の上面から、基板を通って金属層110の金属部分111bまで延在するように形成される。貫通シリコンビアの形成は、当業者に知られている。第1の側と同様に、2つの接触開口部が、表面101bまで延在する誘電体層107に形成され、それぞれ高ドープ領域3および4へのアクセスを提供する。図1Bの説明を続けると、第1の金属層150が、第2の基板表面101b上のプレメタル誘電体層107上に配置されている。2つのトレンチは層150の金属で充填されている。第1の表面上の金属層110と同様のプロセスおよび材料を適用することができる。図1Bには、4つの金属部分150b、153、154および151bが示されている。金属部分150bは、貫通シリコンビア140bの金属充填物と接触している。金属部分151bは、貫通シリコンビア141bの金属充填物と接触している。金属部分153は、第2の表面101b上に配置された2つのホール端子のうちの一方を画定する高ドープ領域3と接触している。金属部分154は、第2の表面101b上に配置された2つのホール端子の他方を画定する高ドープ領域4と接触している。金属部分153および154は、2つのホール端子3および4の配線も含む。配線は、z方向に向けられている。金属層150は、第1の金属間誘電体層108に埋設されている。基板101の第1の側の第1の金属間誘電体105と同様のプロセスおよび材料を適用することができる。金属間誘電体108を通って形成されたビア160bは、金属部分150bへの接点を提供する。誘電体層108を通る第2のビア161bは、金属部分151bへの接点を提供する。第2の金属層170は、金属間誘電体108上に配置され、ビア160bとビア161bを電気的に接続するように構造化されている。電気的接続は、金属部分170bによって確立される。図1Cでは、金属部分107bならびにビア160bおよび161bが、カット1C-1C’に沿ったx-z面に描かれている。ビアを金属で充填し、金属部分170bを形成するためのプロセスおよび材料は、基板の第1の側の第2の金属層の場合と同様であってよい。最後に、誘電体層182が、第2の金属層170および金属間誘電体層108上に配置される。誘電体層182は、最終パッシベーション層として機能し、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素層を含み得る。
【0015】
垂直ホール素子は、4回対称が得られるように、半導体基板層101の2つの対向する表面に配置された4つの端子を有する。動作中、駆動電流が端子1から端子3に印加され得る。電流は半導体層101を通って対角線方向に流れるが、電流の流れは誘電体構造109によって制限される。端子2および4の間にホール電圧が捕捉され得る。測定されたホール電圧は、z方向の磁場の成分を表す。同様に、駆動電流を端子2から端子4から印加することができ、ホール電圧がホール端子3と1の間に捕捉され得る。この場合も、測定されたホール電圧は、z方向の磁場成分を表す。さらに、駆動電流を逆にすることができるので、合計で4つの異なる動作段階を確立して、z方向の磁場の全く同じ成分を決定することができる。垂直ホールセンサの動作には、電圧信号の調整と増幅のための複雑な回路が必要である。必要な集積回路は、半導体ウェハ10の第1の表面101a上に形成するか、または第2の半導体ウェハ20上に提供することができる。いずれの場合でも、第1の側から第2の表面101b上に配置されたホール端子3および4にアクセスするために、さらなる貫通シリコンビアが必要とされ得る。これらの垂直接続および必要な集積回路は、図1Aおよび1Bには示されていない。
【0016】
図1Bに示されるように、長方形のコイルが、垂直ホール素子の周りのウェハ10に形成される。コイルは、金属ワイヤおよびパッド110b、貫通シリコンビア140b、金属パッド150b、ビア160b、金属ワイヤ170b、ビア161b、金属パッド151b、貫通シリコンビア141b、金属パッド111b、ビア121b、および金属ワイヤ130bを含む。長方形のコイルはx-y面にある。電流がコイルに供給されて反時計回りに流れると、磁場が誘導され、これはコイルの内部でz方向に向けられる。誘導磁場の強さは、供給電流および誘導コイルの形状に依存する。コイルによって誘導される磁場は、z方向の磁場成分に敏感な垂直ホール素子によって測定することができる。
【0017】
図1Bから明らかなように、コイルは、ほぼ均一な磁場が垂直ホール要素のホールプレート103の内部に誘導されるように、x-y面に配置され得る。第2の表面上の誘電体層107および108の厚さは、それぞれ誘電体層104および105と等しい厚さの値を有するように選択され得る。このようにして、金属部分170bは、ホールプレート103に対して、金属部分130bと同じ垂直距離を有する。さらに、貫通シリコンビア140bおよび141bは、それらがホールプレート103と等しい横方向距離を有するように配置され得る。さらに、貫通シリコンビア140bおよび141bのホールプレートまでの距離は、層104および105の合計厚さと同等であり得る。
【0018】
図1Aに示すように、製品100の垂直ホール素子には、例として、z方向に一列に配置された7つのインダクタコイルが設けられ得る。図1Bに示すように、各コイルはx-y面に平行な平面にある。カット1A-1A’に沿ってx-z面にコイルがある垂直ホール素子を表す図1Aには、コイルに属する貫通シリコンビアが示されている。図1Bに関連してすでに説明したように、貫通シリコンビア140bおよび141bはコイル(図1Bに示されているもの)の一部である。貫通シリコンビア140aおよび141aは別のコイルに属し、貫通シリコンビア140cおよび141cはさらに別のコイルに属し、貫通シリコンビア140dおよび141d、貫通シリコンビア140eおよび141e、貫通シリコンビア140fおよび141f、ならびに貫通シリコンビア140gおよび141gについても同様である。7つのコイルは、x-y面内の電流方向が7つのコイルすべてで同一となるように(すなわち、反時計回りまたは時計回りに)直列に接続され得る。こうして、7つの個別のコイルが1つの結合されたコイルの巻線を形成する。さらに、単一のコイルまたは巻線によって誘導される磁場は、同一方向を有する。各コイルまたは巻線はx-y面に平行に配置され、単一のコイルの直列接続は垂直ホール要素のいくらかの距離で確立される。当業者は、単一のコイルの間に直列接続を提供する方法を理解するであろう。直列接続は、第1および第2の金属層110および130ならびにそれぞれのビアによって形成され得る。図1Aに示すように、7つの巻線は等間隔に配置されている。巻線は、ホールプレート103が占有する領域にわたってz方向にほぼ均一な磁場が誘導されるように配置され得る。
【0019】
ホールセンサ製品100では、垂直ホール素子のホールプレート103が、多線コイルの内部にある。コイルの内部(内部体積)は、コイル巻線によって囲まれた空間の体積として理解される。図1Bでは、x-y面に平行なこの切断面で見られるように、コイルの内部は、1001によって示されている。図示されるように、ホールプレート103は、コイルの内部体積1001の内側に全体が配置される。図1Aに示すように、x-z平面に平行な切断面についても同様である。ホールプレート103は、(多線)コイルの内部体積(ここでも1001で示される)内側に全体が配置されている。
【0020】
図2は、テストおよび較正用のコイルを備えた垂直ホール素子を有する、200で示される別のホールセンサ製品を表す。図2は、基板101の第2の表面101bに沿ったx-z面に平行なホールセンサ製品の2次元カットを示す(ホールセンサ製品100の図1Bと同様)。垂直ホールセンサの2つの端子を画定する高ドープ領域3および4が示されている。ホールセンサ領域103は、誘電体構造109によって横方向に囲まれている。製品100の垂直ホールセンサと比較して、製品200の垂直ホールセンサは、z方向の幅が狭い。図2には、2対の貫通シリコンビアが示されている。貫通シリコンビア140aおよび141aを含む第1の対は、第1の巻線に属する。貫通シリコンビア140bおよび141bを含む第2の対は、コイルの第2の巻線に属する。第1および第2の巻線はいずれもx-y面にある。ホールセンサ製品100の場合と同様に、コイルに供給される電流が各巻線を同じ方向(すなわち、x-y面で時計回りまたは反時計回り)に流れるように巻線が接続される。
【0021】
図2では、貫通シリコンビア140aと141aの間の間隔はaで示される。長さaは、x方向における長方形の誘導コイルの内側の長さである。z方向の2つの長方形の巻線の間隔は、図2においてdで示される。間隔dがa/2に近接するように選択された場合、ヘルムホルツ構成がほぼ得られる。当業者に知られているように、長さaの二次巻線の場合、2つの巻線間の距離dとして0.544×aを選択すると、ほぼヘルムホルツ特性が得られる。さらに知られているように、電流がヘルムホルツコイルに供給されると、ヘルムホルツコイルの内部に均一な磁場が誘導される。図2に示すように、製品200の垂直ホール素子のホールプレート103は、2つのコイルの内部1001に全体が位置する。
【0022】
さらなるホールセンサ製品300が図3A、3Bおよび3Cに示される。ホールセンサ製品300は、較正およびテスト用のコイルを備えた水平ホールセンサを含む。図3Aは、x-y面に平行なホールセンサ製品300の断面図を提供する。図3Bおよび3Cは、y方向に沿った2つの異なる位置でのホールセンサ製品300の空間図である。図3Bは、基板の第2の表面101bのx-z面における製品300を示す。このカットは3C-3C’で示され、図3Aに示されている。図3Cは、x-z面に平行な第2のカットを示し、3B-3B’で示されている。図3Bおよび3Cには、3Aから3A’への切断線が示されている。カット3A-3A’は図3Aに示されている。図3cを参照すると、4つの高ドープ領域1、2、3、および4が基板101の第2の表面101bに形成されている。同様に、4つの高ドープ領域1’、2’、3’、および4’が基板101の第1の表面101aに形成されている。図3Aからわかるように、基板101の2つの対向する表面に形成された高ドープ領域1および1’は、x-y面内で同じ位置を有する。さらに、高ドープ領域2および2’は、x-z面において同じ位置を有する。高ドープ領域3および3’もまたx-z面内で同じ位置を有し、同じことが高ドープ領域4および4’にも該当する。さらに図3Aを参照すると、高ドープ領域1、1’、2および2’にそれぞれアクセスするために、電気接点および配線部分151、111’、152および112’が確立されている。同様の電気接点および配線部分が、高ドープ領域3、3’、4および4’にも提供される。誘電体構造109は、基板第2の表面101bから第1の表面101aまで延在するように配置される。図3Cに示されるように、誘電体構造は、基板101の部分103を取り囲み、部分’103は、水平ホール素子のホールプレートを画定する。高ドープ領域はすべて、ホールプレート103内に形成される。高ドープ領域1および1’は、配線部分151および111’によって、および図3A、3Bおよび3Cには示されていない貫通シリコン貫通ビアによって電気的に接続される。当業者であれば、図1Bを参照することによって、高ドープ領域1と1’の間の垂直方向の電気的接続が確立され得る方法を容易に理解できるであろう。同様に、高ドープ領域2と2’もまた電気的に接続される。同様に、高ドープ領域3と3’もまた電気的に接続され、高ドープ領域4と4’もこのように電気的に接続される。必要な4つの貫通シリコンビアは、誘電体構造109によって囲まれたホールプレート103の外側に配置されている。対(1,1’)は、水平ホール素子の第1のホール端子を構成する。対(2,2’)は、水平ホール素子の第2のホール端子を構成する。対(3,3’)は、水平ホール素子の第3のホール端子を構成し、対(4,4’)は、水平ホール素子の第4のホール端子を構成する。図3Cをさらに参照すると、水平ホール要素のホールプレート103は正方形の形状を有する。高ドープ領域1、2、3および4は、正方形のホールプレート103の四隅に配置されている。水平ホール素子の異なるレイアウトを考慮することができる。特に、ホールプレートは、十字架の4つの端に4つの端子が配置された正十字の形状を有し得る。
【0023】
動作中、駆動電流はホール端子(1,1’)からホール端子(3,3’)に供給され得る。x-z面において、この駆動電流は、正方形のホールプレート103を対角線に流れる。次に、ホール電圧が、ホール端子(2,2’)と(4,4’)との間で捕捉される。 ホール電圧は、y方向の磁場を表す。別の動作モードでは、駆動電流がホール端子(2,2’)からホール端子(4,4’)に供給され、端子(1,1’)と(3,3’)との間にホール電圧が捕捉される。この場合も、測定されたホール電圧は、y方向に向けられた磁場を表す。上記の動作モードにおいて電流の方向を逆にすると、さらに2つの動作モードが得られる。
【0024】
図3Aに戻ると、少なくとも2つの金属層が、キャリアウェハ20に面する基板101の第1の側に適用される。上記で説明したように、第1の金属層110は、第1の表面101aで形成されるホール端子への電気接続を提供するために使用される。また、少なくとも2つの金属層が、基板101の第2の側101bに適用される。第1の金属層150は、第2の表面101bに形成されたホール端子への電気的接続を提供するために使用される。ホールプレート103が占有する領域を取り囲むように2つのコイルが形成される。第1のコイル130aは、ウェハ10の第1の側の第2の金属層130とともに形成される。第2のコイル170aは、ウェハ10の第2の側の第2の金属層170によって形成される。図3Bでは、コイル170aがx-z面(カット3B-3B’)において示されている。コイルは、図3Bに示すように正方形の形状を有してよいが、六角形や円形などの他の形状も可能である。図3Bのコイル170aは、1本の巻線を有するが、コイルは、複数の巻線を有し得る。第1のコイル130aおよび第2のコイル170aが同一の方法で形成されることが好ましい。詳細には、第1のインダクタコイル130aおよび第2のコイル170aは、好ましくは、それらが互いに向き合い、同じ数の巻線、同じ線幅、同じ内径および同じ外径を有するように形成される。さらに、好ましくは、第2の金属層130および170の形成のために、基板層101の両側に同一のプロセスおよび材料が使用され、その結果、両方のインダクタコイルの直列抵抗がほぼ同一となる。さらに、好ましくは、誘電体層104および105の合計厚さは、誘電体層107および108の合計厚さと同一である。貫通シリコンビア(図示せず)によって、2つのコイルは、1つのコイルの2つの巻線を形成するように直列接続される。接続は、x-z面の電流方向が両方の巻線で同じになるように確立される。コイルに反時計回りに電流を供給すると、y方向の磁場が発生する。このようにして、コイルは磁場を生成し、磁場は水平ホール素子によって測定される。水平ホール素子のホールプレート103は、巻線130aおよび170aを含むコイルの内部にある。参考までに、コイルの内部体積を図3Aおよび3Bに1001として示す。
【0025】
図4Aおよび4Bに示すように、ホールセンサ製品400は、テストおよび較正のためのオンチップコイルを備えた垂直ホール要素を含む。図4Aはホールセンサ製品の空中図であり、図4Bは断面図である。今回の空中図のカット位置は、基板101の第1の表面101aに沿ったものである(カット4A-4A’)。断面図のカット位置を図4Aに示す。ホールセンサ製品400は、好ましくは、第2の伝導型(p型)を有する基板上に形成される。ウェル701は第1の表面101aから基板へと延在して形成される。ウェル701は、基板の伝導型とは反対の伝導型を有する、すなわち、第1の伝導型(n型)を有する。第1の伝導型を有する複数の高ドープ領域1、2、3、4および5が、第1の表面101aに基板へと延在して形成される。高ドープ領域1、2、3、4および5は、ウェル701の領域内に全体が配置される。電気接点および配線部分(111,112,113,114,115)は、第1の金属層110を使用して形成される。ウェル701は、垂直ホール素子のホールプレート(先に103で示す)を構成し、高ドープ領域1、2、3、4、および5は、垂直ホール素子のホール端子を画定する。図4Aに示すように、ホール端子1、2、3、4、および5はx軸に沿って一列に形成されている。このような垂直ホール素子は当技術分野で知られている。ここでこれらの動作について説明する必要はない。知られているように、これらの種類の垂直ホール素子は、3、4または5を超えるなど、異なる数のホール素子を有することができる。いずれの場合でも、図4Bに示される垂直ホール素子は、z方向の磁場に敏感である。垂直ホール素子のテストおよび較正のためのコイルは、ホールセンサ製品100と同様に確立される。ここでも、ホール素子のホールプレート(ここでは、ウェル701)は、コイルの内部容積1001の内側に全体が位置する。
【0026】
参照符号500で示される別のホールセンサ製品を図5Aおよび5Bに示す。ホールセンサ製品500は、テストおよび較正のためのオンチップコイルを備えた水平ホール素子を含む。ホールセンサ製品500は、第2の伝導型(p型)を有する基板101上に形成される。第1の伝導型を有するウェル701が、第1の表面101aから延在して基板に形成される。第1の伝導型を有する4つの高ドープ領域1、2、3、および4が、ウェル701内に延在して第1の表面101aに形成される。x-z面では、ウェル701は、図5Aに示すように正方形の形状を有し得る。さらに、ホール端子を画定する4つの高ドープ領域1、2、3、および4は、正方形のウェル701の四隅に配置され得る。当技術分野において他のレイアウトも知られており、例えば、ウェル701は正十字の形状を有してよく、4つのホール端子は十字の四隅に位置する。図5Aおよび5Bに示す水平ホール素子は、z方向の磁場に敏感である。ホールセンサ製品500の水平ホール素子のテストおよび較正用のコイルは、ホールセンサ製品300と同様の方法で形成される。水平ホールセンサのホールプレートは、コイルの内部体積1001の内側に全体が配置される。
【0027】
図6は、ホールセンサ製品100の垂直ホール素子と同一であり得る垂直ホール素子を含む、ホールセンサ製品600を示す。図6は、ホールセンサ製品の断面図を示す。ホールプレート103とホール端子1、2、3、および4を備えた垂直ホール素子は、内側コイルと外側コイルの2つのコイルに囲まれている。内側コイルは、金属部分110b、貫通シリコンビア140b、金属部分150、ビア160b、金属線170a、ビア161b、金属部分151b、貫通シリコンビア141b、金属部分111b、ビア121bおよび金属線130bによって形成される。この内側のコイルは、ホールセンサ製品100を参照して図1bに示されているコイルと同じである。図6に示すように、外側コイルは金属構造114b、142b、155b、162b、171b、192b、270b、193b、172b、163b、156b、143b、115b、123b、133b、223b、および230bで形成されている。外側コイルを形成するために、キャリアウェハ20に面する基板の第1の側にさらなる金属層230が追加される。金属層230は、誘電体層106の上面に配置され、それ自体は誘電体層206に埋設される。ビア223bなどの金属層130への垂直接続が提供される。同じ線に沿って、さらなる金属層270が、基板101の第2の側に追加される。金属層270は、誘電体層182上に配置され、192bおよび193bなどのビアが提供される。金属層270は、最終的なパッシベーション層193に埋設される。内側と外側のコイルは、電流が供給されると、電流の方向が内側コイルと外側コイルで同じになるように(x-y面で時計回りまたは反時計回り)直列に接続される。内側と外側のコイルの間に必要な電気接続は図6に示されていない。その結果、1つの内側巻線および1つの外側巻線を有するコイルが作成される。ホールセンサ製品100と同様に、複数のこのようなコイルをz方向に沿って配置することができ、それぞれがいずれもx-y面にある内側巻線および外側巻線を含む。複数のコイルが直列に接続されると、内側と外側の巻線ループを有する多線コイルが確立される。垂直ホール素子のホールプレート103は、得られるコイルの内部に配置され、内部は、図6においてここでも1001として示される。
【0028】
図7は、ホールセンサ製品700の中空図である。ホールセンサ製品700は、誘電体層105上に配置されたコイル巻線130a(ここでは示されていない)が複数の巻線を有するスパイラルコイルとして確立されるという点、および誘電体層108上に配置されたコイル巻線170aが複数の巻線を備えたスパイラルコイルとして確立されるという点においてホールセンサ製品300と異なる。図7には、スパイラルコイル170aが示されている。スパイラルコイル130aは、同一または類似のレイアウトおよび巻線数を有し得る。ホールセンサ製品300と同様に、2つのコイル130aおよび170aは、x-z平面内の電流方向が2つのスパイラルについて同一であるように直列に接続されている。直列接続には、スパイラルコイル130aおよび170aの内部ポートまたは末端用の貫通シリコンビアおよび可能なアンダーパスを必要とする。アンダーパスは、それぞれ第1の金属層110および150によって形成することができる。当業者は、直列接続を確立する方法を容易に理解するであろう。図7にはまた、水平ホール素子が示されている。水平ホール素子は、第2の表面101bに沿ったカットを通して示されている。図7では、スパイラルコイル170aおよび水平ホール素子は、y軸に沿った2つの異なる切断位置に属している。1001は、スパイラルコイル130aおよび170aによって囲まれた体積を示す。ホールプレート103は、全体が内部体積1001の内側にある。
【0029】
図8Aおよび8Bに示すホールセンサ製品800は、水平ホール素子を備えた別の製品であり、例えば、ホールセンサ製品300と類似のものです。テストおよび較正用のオンチップコイルは、水平ホール素子を横方向に囲む貫通シリコンビア140によって形成される。図8Bは、水平ホール素子と周囲のコイルの断面図を示す。カット8A-8A’が示されており、これは、第2の表面101bの面にある。図8Aでは、水平ホール素子および周囲のコイルがカット8A-8A’のx-z面に描かれている。図8Bに示すように、コイルは、基板の第1の側の金属層110の金属部分114、基板101を通る貫通シリコンビア140、および同一の基板の第2の側の金属層150の金属部分154を含む。貫通シリコンビア140は、誘電体ライナ181によって、基板101から隔離されている。図8Aでは、貫通シリコンビア140は、ホールプレート103を有する水平ホール素子を横方向に囲むように示されている。電流がコイルに供給されると、コイルの内部に均一な磁場が誘導される。コイルの内部では、誘導磁場の方向はx-z面に垂直である。コイルは正方形を有するが、円形、八角形または六角形などの他の形状も可能である。コイルは、基板の第1の側の第1の金属層110から基板の第2の側の第1の金属層150まで延在し、さらにコイルがホール素子を横方向に囲むので、コイルの外側からホール端子にアクセスするには、基板の第1の側の第2の金属層および第2の側の第2の金属層が必要である。図8Bでは、金属線171およびビア161は、金属部分151への、したがってホール端子1へのアクセスを提供する。同様に、金属線172およびビア162は、金属部分152への、したがってホール端子2へのアクセスを提供する。キャリアウェハ20に面する基板101の第1の側において、金属線131’およびビア121’は、金属部分111’への、したがってホール端子1’へのアクセスを提供する。同様に、金属線132’およびビア122’は、金属部分112’への、したがってホール端子2’へのアクセスを提供する。ホールセンサ製品800のコイルはまた、複数の巻線を有することができ、すなわち、金属部分154、貫通シリコンビア140、および金属部分114によってスパイラルコイルが確立され得る。その場合、少なくとも1つのアンダーパスが必要である。図8Bから明らかなように、そのようなアンダーパスは、金属層130および対応するビアによって達成することができる。アンダーパスは、金属170および対応するビアによって形成することもできる。図8Aおよび8Bから分かるように、水平ホール素子のホールプレート103は、同じウェハ10に集積されたコイルによって囲まれた体積1001の内側に全体が位置する。
【0030】
図9Aおよび9Bに示すホールセンサ製品900は、テストおよび較正用のコイルを備えた水平ホール素子を含み、これは、x-z面方向の3本のコイル巻線を含む。第1のコイル巻線は、金属部分130aによって形成される。このコイル巻線は、ホールセンサ製品300のコイル巻線130aと同一であり得る。第2のコイル巻線は、金属部分110a、貫通シリコンビア140a、および金属部分150aを含む。このコイル巻線は、ホールセンサ製品800のコイルと同一であり得る。第3のコイル巻線は、金属部分170aによって形成される。このコイル巻線は、ホールセンサ製品300のコイル巻線170aと同一であり得る。第1、第2および第3のコイル巻線は、電流が供給されると、電流方向がx-z面で同じになるように直列に接続される。
【0031】
図10Aおよび10Bは、垂直ホール素子および前記ホール素子のテストおよび較正用のコイルを備えたホールセンサ製品1000を示す。これは、貫通シリコンビア140a~g、141a~gがホールプレート103から遠く離れて(すなわち、より遠い距離に)配置されているという点でのみ、ホールセンサ製品100とは異なる。このことは、記号777によって示されている。結果として、電流が多線コイルに供給されると、ホールプレート103に誘導される磁場は、大部分が、コイル巻線の横方向セグメントのみ、すなわち金属部分130a、170a、130b、170bなどによって生成される。当技術分野で知られているように、この構成では、基板101の第2の側の誘電体層107および108の厚さの合計がキャリアウェハ20に面する基板の第1の側の誘電体層104および105の厚さの合計と等しい場合、コイルの内部に均一な磁場を作り出すことができる。言い換えると、金属線170bとホールプレート103との間の垂直距離が、ホールプレート103と金属線130bとの間の垂直距離に等しければ、ホールプレート103内に均一な磁場が誘導される。
【0032】
図11Aに示されるホールセンサ製品1100は、ホールセンサ製品1000と同じコイル構成を備えているが、複数の垂直ホール素子がコイルの内部に配置されている。図11Aでは、H1、H2、およびH3で示される3つの垂直ホール要素が、多線コイルの内部を示す体積1001の内部に配置されることが示されている。図11Aは、基板101の第2の表面101bに沿ったカットを示す。垂直ホール素子H1、H2、およびH3はすべて、貫通シリコンビア140a~g、141a~gへの距離が大きくなるように配置されている。大きな間隔は記号777で示される。垂直ホール素子H1、H2、およびH3は、z方向の磁場成分に敏感になるように方向付けられている。垂直ホール素子H1、H2、およびH3のホールプレートは、多線コイルの内部に全体が位置する。多線コイルは、コイルの内部に均一でz方向の磁場を誘導できるように配向されている。図11Aには、3つの垂直ホール素子が示されている。これは単なる例である。一般的に言えば、z方向の磁場成分に敏感であるように配向された複数の垂直ホール素子は、多線コイルの内部1001に配置され、多線コイル自体は、その内部に誘導される磁場がz方向を向くように配向される。同様に、x方向の磁場成分に敏感であるように配向された複数の垂直ホール素子は、多線コイルの内部1001に配置され、多線コイル自体は、その内部に誘導される磁場がx方向を向くように配向される。このようにして、2つの方向のそれぞれについて、複数の垂直ホール素子を単一の多線コイルでテストおよび較正することができる。この手法は、水平ホール素子の場合にも拡張できる。ホールセンサ製品300(図3a)のコイル巻線130aおよび170aの内径は、十分に大きく設定することができ、その結果、複数の水平ホール素子を2つのコイル巻線の内側に配置することができる。
【0033】
これを図11Bに示す。ここでは、例として、H1、H2、H3、およびH4で示される4つの水平ホール素子がテストおよび較正コイルの内部1001に配置されている。テストおよび較正用のコイルは、巻線170aおよび巻線130a(図示せず)を有する。
【0034】
このようにして、複数の水平ホール素子もまた単一のコイルでテストおよび較正することができる。
【0035】
図12Aのホールセンサ製品1200では、H1、H2、H3およびH4で示される4つの垂直ホール素子が、それらすべてが貫通シリコンビア140a~g、141a~gまでの距離が大きくなるように、多線コイルの内部1001に配置されている。4つのホール素子H1、H2、H3、およびH4は直交して結合される。図12Aでは、ホール素子H1、H2、H3、およびH4の直交結合はOCで示される。直交結合により、新たなホール素子またはホールセンサHが生成される。4つのホール素子H1、H2、H3、およびH4の直交結合には、キャリア20に面する基板の第1の側の金属層と、基板の第2の側の金属層との間の電気接続を含むさまざまな電気接続を必要とする。電気接続の一部は、多線コイルの外側に形成されてもよい。しかしながら、4つのホール素子すべてのホールプレート103は、多線コイルの内部1001の内側に配置される。ホールセンサHは、この多線コイルによってテストおよび較正される。図12Aには、z方向の磁場成分に敏感な垂直ホール素子が示されている。これは単なる例である。図12Aでは、4つのホール素子が直交結合されているが、2つのホール素子のみが直交結合されて新たなホール素子またはホールコースHが生成されセル。さらに、2つまたは4つの水平ホール素子が直交結合されて、上記のように適切なコイルによってテストおよび較正され得る。これを図12Bに示す。
【0036】
図13のホールセンサ製品1300では、他のデバイスがホール素子Hと共に多線コイルの内部に配置されている。例として、垂直ホール素子Hが図13に示され、ここではホール素子がz軸に沿った磁場成分に敏感となるように配向されている。貫通シリコンビア140a~g、141a~gは、その内部にz方向に均一な磁場を誘導するのに適した多線コイルに属する。ホール素子Hのホールプレートは、その多線コイルの内部体積1001にある。D1とD2は、ホール素子以外のさらなる半導体デバイスを示す。ホールセンサ製品1300では、ホール素子のテストおよび較正用の大型多線コイルの内側の空間が他のデバイスにも使用されている。
【0037】
図14のホールセンサ製品1400では、ホールIC全体が多線コイルの内部に配置されている。図14では、ICで示されるホールICは、垂直ホール素子が磁場のz成分に敏感であるように配向された垂直ホール要素Hを含む。ホールICおよびホール素子Hは、多線コイルの内部1001に配置され、その内部にz方向の均一な磁場が誘導されるように配向されている。ホールICは、磁場のz成分に敏感な複数の垂直ホール素子を含み得る。ホールセンサ製品の基本的な考え方は、水平ホール素子ならびにそのテストおよび較正用のコイルを備えたホールICの場合にも拡張できる。
【0038】
別のホールセンサ製品1500が図15A、15B、15Cおよび15Dに示されている。x-y面に平行なホールセンサ製品1500の断面図である図15Aでは、垂直ホール素子が、基板101に配置されたホールプレート103およびホール端子1、2、3、および4を備えるように示されている。描かれている垂直ホール素子は、外部磁場のz成分に敏感である。金属部分115(左および右)、貫通シリコンビア145(左および右)、金属部分155(左および右)、ビア165(左および右)、ビア125、ならびに金属バー175および135によって形成される第1のコイルの巻線ループが示されている。777によって示されるように、第1のコイルの垂直セグメントは、図15Aに示される垂直ホール要素から大きな距離で、すなわち遠く離れて配置されている。示されているように、巻線がx-y面に平行であるこのコイルに電流が供給されると、コイルの内部にz方向の磁場が誘導される。さらに、図示された垂直ホール素子の位置、すなわち、貫通シリコンビア145から遠く離れた位置で、磁場は、主に、金属バー135および175を通る電流の流れによって誘導される。第3の金属層230は、キャリア20に面する基板101の第1の側に配置され、基板の第2の側にも、第3の金属層270が配置される。金属層230および270によって、第2の多線コイルが形成され、そのx-z面における配向は、第1のコイルに対して90度回転される。図15Bは、x-z面(カット15B-15B’)に平行な金属バー175の配向を示す空中図である。図15Cは、x-z平面(カット15C-15C’)に平行な金属バー275の配向を示す空中図である。第2のコイルの垂直セグメントはいずれの図にも示されていないが、垂直セグメントを確立する方法は図6から明らかである。図15Aでは、1001は、第1(内側)および第2(外側)の多線コイルによって共有される内部体積を示す。電流I1が第1のコイルに供給されると、z方向の磁場が体積1001に誘導される。電流I2が第2のコイルに供給されると、x方向の磁場が体積1001に誘導される。電流I1とI2を適切に調節することにより、z方向の磁場の絶対値とx方向の磁場の絶対値を等しくすることができる。図15Dは、x-z面に平行なホールセンサ製品1500の別のカットを示しており、第2の表面101b(カット15D-15D’)に沿ったものである。2つの垂直ホール素子H1およびH2は、2つの多線コイルの内部1001に配置され、一方はz方向の磁場に敏感であるように配向され(H1)、他方はx方向の磁場に敏感であるように配向される(H2)。垂直ホール素子H1は、第1の(内側)コイルによってテストおよび較正され、垂直ホール素子H2は、第2の(外側)コイルによってテストおよび較正される。
【0039】
ホールセンサ製品1500のコイル構成は、ホールセンサ製品1600で使用され(図16参照)、円形の垂直ホール素子をテストおよび較正する。図16は、第2の表面101bに沿ったホールセンサ製品1600のカットを示す。145は、第1の(内側)および第2の(外側)多線コイルに属する複数の貫通シリコンビアを示す。2つのコイルによって共有される内部体積は1001で示される。円形の垂直ホール素子CVHは、ホールプレート103全体が体積1001内に位置するように2つのコイルの内側に配置される。ホールプレート103はリング形状であり、両者とも109で示される2つの誘電体構造によって横方向に閉じ込められている。複数のnのホール端子1、2、3…、nが、基板101の第2の表面101b上のホールプレートに形成されている。第2の複数のホール端子1’、2’、3’、…、n’が、基板の第1の表面101a上に形成され得る。円形の垂直ホール素子CVHは、x-z面内の外部磁場、すなわち、基板の表面101aおよび101bに平行な外部磁場に敏感である。このタイプの垂直ホール素子は、角位置測定の応用に特に有用である。円形の垂直ホール素子CVHは、第1(内側)および第2(外側)の多線コイルの組み合わせ動作によってテストおよび較正される。
【0040】
図17のホールセンサ製品1700では、ホール素子のテストおよび較正用の2つのコイルが直列に配置されている。図17を参照すると、C1で示される第1のコイルが示されています。垂直ホール素子H1は、コイルC1の内部1001に配置されている。垂直ホール素子は、z方向の外部磁場に敏感になるように配向されている。コイルC1は、垂直ホール素子のテストおよび較正専用である。したがって、コイルC1のコイル巻線は、z方向の磁場が内部1001に誘導されるように配向されている。C2は、第2のコイルを示す。コイルC2の内部1001に配置された第2の垂直ホール素子H2が図示されている。垂直ホール素子H2は、x方向の外部磁場に敏感であるように配向されている。垂直ホール素子H2のテストおよび較正用のコイルC2は、それに応じて方向付けられる。2つのコイルC1およびC2は直列であり、ホール素子H1およびH2は同時にテストまたは較正することができる。ホールセンサ製品1700の基本的な考え方は、直列のテストおよび較正用の3つ以上のコイルの場合に適用される。特に、3つのコイルC1、C2、およびC3があると考えることができ、C1およびC2は図17に示すように2つの垂直ホール素子のテストおよび較正に使用され、C3は水平ホール素子のテストおよび較正に使用される。このように、3Dホールセンサは、空間内の各方向に1つずつ、3つのコイルC1、C2、およびC3の直列接続で構成されるコイルセットアップによってテストおよび較正することができる。
【0041】
図18に示さすホールセンサ製品18は、複数の同一のホール素子を含み、同一のホール素子のサブセットのみが、テストおよび較正用のオンチップコイルを備える。図18を参照すると、例として、4つの垂直ホール素子H1、H2、H3およびH4が示されている。多線コイルの内部1001には、垂直ホール素子H3のみが配置されている。基本的な概念は、複数の同一の水平ホール素子にも適用される。
【0042】
別のホールセンサ製品1900の断面図を図19に示す。垂直ホール素子は、ウェハ10に属する基板101上に形成される。ホールプレート103は、基板101内に配置される。誘電体構造109は、ホールプレートを横方向に閉じ込める。ホール端子1および2は、基板101の第1の表面101aに形成され、ホール端子3および4は、基板101の第2の表面101bに形成される。ウェハ10は、第1の表面101aがキャリア20に面するようにウェハ20上に取り付けられる。ホールセンサ製品1900では、キャリア20も構造化ウェハであり、例えば、20は、CMOSウェハである。図19では、ウェハ20は、基板201と、誘電体層206内に配置された少なくとも1つの金属層230とを含む。ハイブリッド結合によって、基板101の金属層130と基板201の金属層230との間の電気接続が確立され得る。当技術分野で知られているこの技術によって、誘電体層(酸化物)106と206との間の直接結合が達成され、一方で、電気接続は、銅‐銅結合によって確立される。図19では、2313bと1323bはそのような銅‐銅結合を示す。ウェハスタッキングの他の技術は当技術分野で知られており、ホールセンサ製品1900において使用することができる。基板301および誘電体層306に埋設された少なくとも1つの金属層370を有する第3のウェハ30が提供される。ウェハ30は、誘電体層306がウェハ10の誘電体層182に面するようにウェハ10上に取り付けられる。ウェハ30とウェハ20との間の電気接続は、好ましくは、ウェハ20とウェハ10との間の電気接続と同じ方法で確立され、したがって、例えば、ここでも、図19に示すハイブリッド結合技術によって確立される。1737bおよび3717bは、基板101と301との間の銅‐銅結合を示す。図19にさらに示すように、垂直ホール素子のテストおよび較正用のコイルが形成され、これは3つのウェハ10、20、および30すべてにわたって延在する。特に、コイルの横方向セグメント370bおよび230bは、それぞれウェハ30および20の金属層によって形成される。垂直ホール素子のホールプレート103は、3つのウェハ10、20、および30に延在する多線コイルの内部1001にある。ホールセンサ製品1900の基本的な概念は、水平ホール素子の場合にも適用できる。この場合、第1のスパイラルコイルは、基板201の金属層230によって形成され得る。第2のスパイラルコイルは、基板301の金属層370によって形成され得る。2つのスパイラルコイルを直列に接続するために、貫通シリコンビアと同様にウェハ間の電気接続が必要である。これは、図19に関連して示され、説明されているものと同種の構造であり得る。
【0043】
図20のホールセンサ製品2000は、別のホールセンサ製品であり、ホール素子のテストおよび較正用のコイルが3つの基板にまたがっている。しかしながら、ホールセンサ製品1900とは対照的に、3つの基板はウェハレベルではなく、ダイレベルで積層されている。言い換えると、組み立てプロセスでのシンギュレーションの後に接続が達成される。図20を参照すると、垂直ホール素子が、基板101上に形成されている。ホールプレート103は、基板101内に配置される。誘電体構造109は、ホールプレートを横方向に閉じ込める。ホール端子1および2は基板101の第1の表面101aに形成され、ホール端子3および4は第2の表面101bに形成される。基板201の第2の側の処理には、キャリアウェハが必要である。しかしながら、このキャリアウェハは一時的なキャリアであるため、最終的なホールセンサ製品の一部ではない。図20では、一時的なものは表示されていない。基板101の製造プロセスが完了した後に、基板101はダイに分離される。図20において、10は、少なくとも1つの垂直ホール素子を含む単一のダイを示す。基板201と、誘電体層206に埋設された少なくとも2つの金属層230および250とを含む別のダイ20が提供される。さらに、基板201と、誘電体層306に埋設された少なくとも2つの金属層370および350とを含む別のダイ30が提供される。ダイ10とダイ20との間の電気接続は、図20に示すバンプ2513bおよび1325bなどの銅またははんだバンプによって確立される。同様に、ダイ30とダイ20との間の電気接続は、図20に示すバンプ1735bおよび3517bなどの銅またははんだバンプによって確立される。このような組み立てプロセスは当技術分野で知られており、いくつかの態様および詳細において前述の議論から逸脱してもよい。再度図20を参照すると、垂直ホール素子のテストおよび較正用のコイルが形成され、これは、ダイ30、ダイ10およびダイ20にまたがる。特に、コイル230bおよび370bの横方向セグメントは、それぞれ基板201および301の金属層によって形成される。ホールセンサ製品1900と同様に、ホールセンサ製品2000の基本的な概念は、水平ホール素子の場合にも適用できる。この場合、第1のスパイラルコイルは、基板201(ダイ20)の金属層230によって形成され得る。第2のスパイラルコイルは、基板301(ダイ30)の金属層370によって形成され得る。スパイラルコイルの電気直列接続は、図20に示すコイルの垂直セグメントと同じ構造を有する。
【0044】
図1A~1Cのホールセンサ製品100の製造プロセスステップは、図21A~22Mを参照して、例としてここに開示されている。
【0045】
図21Aに示すように、第1の表面101aおよび第2の表面101cを有する半導体基板101を含むウェハ10が提供される。基板101は、好ましくは、第1の伝導型のシリコン基板であり、好ましくはn型である。第1の表面101aには、第1の伝導型を有する2つの浅く高濃度にドープされた領域1および2が形成される。2つの高ドープ領域1および2は、表面101aから半導体基板101内に延在する。高ドープ領域1および2は、フォトマスク注入、続くレジスト除去およびレーザ熱アニーリングによって作成される。高ドープ領域1および2は、n型の伝導型を有し、表面10bまで延在する。ドーピング濃度は、1020原子/cmから1022原子/cmの範囲内であり得る。レーザ熱アニーリングでは、ウェハは非常に短い熱パルスを受けるため、パルス時間、エネルギー量、および波長に応じて、限られた深さまでのみ熱がシリコンに浸透する。高ドープ領域の深さは、50ナノメートルから200ナノメートルの範囲であり得る。
【0046】
図21Bに示すように、誘電体層104が表面10b上に堆積される。誘電体層は、プラズマ強化化学気相成長法(PECVD)によって堆積されたテトラエチルオルトシリケート(TEOS)であり得る。フォトマスクエッチングプロセスによって、高ドープ領域1が露出されるように、第1および第2の開口部が酸化物層104を通してエッチングされる。誘電体層104上に第1の金属層110が堆積される。第1の金属層110は、図21Bに示すように、フォトマスクエッチングステップによって構造化され、部分110b、112、111、および111bを残し、露出した高ドープシリコン領域1および2に金属が接触するように、部分111および112の下の2つの開口を充填する。金属層は、好ましくは、典型的には、チタン接着層、窒化チタンバリア層、アルミニウム層、および窒化チタンキャップ層を含むアルミニウム系の金属スタックである。金属構造110および露出した酸化物層104の上に第2の誘電体層105が堆積される。第2の誘電体層105は、化学機械研磨(CMP)によって平坦化される。シリコンビア121bは、誘電体層105を貫通する異方性ドライエッチングによってエッチングされ、金属構造111bの窒化チタンバリア層で選択的に停止する。シリコンビアはタングステン系の層で充填される。好ましくはアルミニウム系または銅系の層である第2の金属層130が誘電体層105上に堆積され、部分130bを残すように構造化される。次に、第3の誘電体層106が、第2の金属層130bおよび露出した第2の誘電体層105の上に堆積される。第3の誘電体層106は、化学機械研磨(CMP)によって平坦化される。
【0047】
図21Cおよび21Dを参照すると、ウェハ10は裏返され、第3の誘電体層表面106aで第2のウェハ20の表面に取り付けられる。第2のウェハ20は、キャリアウェハ、または垂直ホール素子の動作に必要な集積回路を含むCMOSウェハであってよい。ウェハ10とウェハ20との間に永久的な結合が達成される。永久的なウェハ結合には、当技術分野で知られているいくつかの方法がある。結合プロセスの一例は、本出願人名義の国際出願WO2020/104987A1に記載されている。CMOSウェハ20をキャリアウェハとして使用して、ホールセンサウェハ10は、その背面101cから処理される。
【0048】
図21Eに示すように、ウェハ10は、シリコン材料の大部分を除去して、背面から薄くされる。薄くした後に得られたウェハ10の第2の基板表面を101bで示す。残留する半導体基板101の厚さは、好ましくは10から50マイクロメートルの範囲であり得る。
【0049】
図21Fに続くと、第1の表面の高ドープ領域1および2と同じ方法で、n型伝導型を有する浅く高濃度にドープされた領域3および4が第2の表面101b上に形成される。特に、ドーピング領域1および2を作成するために第1の表面で使用されたものと同じ注入種、注入量、およびエネルギーが使用される。より具体的には、レジスト除去後に、ドーピング領域1および2を活性化するために第1の表面に使用されたものと同じレーザ熱アニーリング条件が適用される。当業者によって理解されるように、第2の表面のドーパント活性化にレーザ熱アニーリングを使用することにより、炉アニーリングまたは高速熱処理などの他の活性化方法とは対照的に、ホールセンサウェハ10の第1の表面のアルミニウム系メタライゼーションが熱処理によって破壊されるのを防ぐことができる。さらに、さらに、レーザ熱アニーリングは、CMOSウェハ20上に形成されたデバイスの熱収支に追加されない。
【0050】
図21Gに示すように、基板の第2の表面101bから第1のっ表面101aまで延在し、ホールセンサ領域(ホールプレート)103を含む基板層101の一部を横方向に囲む誘電体構造19が作成される。誘電体構造は、当技術分野でよく知られているディープトレンチアイソレーションプロセスによって作成される。
【0051】
図21Hを参照すると、第1の側の第1の誘電体層104に使用されたのと同じプロセスおよび材料を使用して、第2の表面101b上に第1の誘電体層107が堆積される。
【0052】
図21Iを参照すると、ハードマスクとして窒化ケイ素層を使用してディープシリコンエッチングプロセスが行われ、ビア開口11が形成される。ディープシリコンエッチングは、最初に酸化物層104上で選択的に停止される。薄い酸化物層181が堆積される。より具体的には、層181は、400℃を超えない温度でプラズマ強化化学気相成長法(PECVD)によって堆積されたテトラエチルオルトシリケート(TEOS)であり得る。酸化物層181は、先行するディープシリコンエッチングによって露出されたシリコン側壁上の誘電体ライナとして機能する。酸化物層181の厚さは、例えば、3000オングストロームであり得るが、この値に限定されない。
【0053】
次に、ディープシリコンビア開口11の底部で薄い酸化物181がエッチングされる。ドライエッチングは、金属構造110の窒化チタンバリア層で選択的に停止する。ビア開口11は金属層で充填され、該金属層は、タングステン系の金属層、またはより好ましくは銅系の金属層であり得る。
【0054】
図21Kに目を向けると、コンタクトトレンチまたはホール17は、高ドープ領域3および4が露出されるように、フォトマスクエッチングプロセスによって誘電体層107を貫通して形成される。シリコンに対する高い選択性のおかげで、浅い高濃度にドープされた領域3および4内でエッチングを停止することができ、トレンチまたはホール17の内側のシリコン表面でのドーピング濃度を1020原子/cmから1022原子/cmの範囲とすることができる。
【0055】
第1の金属層150が誘電体層107上に堆積され、コンタクトトレンチまたはホール17を充填する。第1の表面の金属層110と同様のプロセスおよび材料が適用される。堆積後、金属層は図21Lに示すようにフォトマスクエッチングプロセスによって構造化される。図示するように、金属構造150は、貫通シリコンビア140bおよび141bの上面を完全に覆い、2つの貫通シリコンビア間の電気接続を実現する。
【0056】
次に、金属間誘電体層108が金属構造150の上に堆積される。第1の金属間誘電体105と同様のプロセスおよび材料が使用される。図21Mに示すように、金属間誘電体層108を通してビア構造がエッチングされ、金属層160bおよび161bで充填される。次に、第2の金属層170が金属間誘電体層108の上部に堆積され、金属部分170bによってビア160bおよび161bを電気的に接続するように構造化される。ビアを金属で充填し、金属層部分170bを形成するためのプロセスおよび材料は、基板の第1の側の第2の金属層130の場合と同様である。最後に、誘電体層182が、金属構造170の上部、および露出した金属間誘電体層108上に堆積される。
【0057】
提案された解決策の利点は、前述の説明から明らかである。
【0058】
特に、ホールセンサは、テストおよび較正用のインダクタコイルが垂直または水平のホールセンサ素子のホールプレートに均一かつ均質な磁場を誘導するように構成される。
【0059】
最後に、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明および図示されたものに修正および変形を加えることができることは明らかである。
【符号の説明】
【0060】
1、2、3、4 高ドープ領域
10、20、30 ウェハ
100 ホールセンサ製品
101、201 基板
101a、10b 表面
103 ホールプレート
104 誘電体層
105 誘電体層
106 誘電体層
107 誘電体層
108 誘電体層
109 誘電体構造
110 金属層
110b、112、111、111b 金属部分
115 金属部分
121b ビア
125 ビア
130 金属層
130a コイル
130b 金属ワイヤ
135 金属バー
140b、141b 貫通シリコンビア
150 金属層
150b、153、154 金属部分
160b、161b ビア
170 金属層
170b 金属部分
181 誘電体ライナ
182 誘電体層
1001 内部体積
H1、H2、H3、H4 垂直ホール素子
C1、C2、C3 コイル
D1、D2 半導体デバイス
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F
図21G
図21H
図21I
図21J
図21K
図21L
図21M
【国際調査報告】