(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】画像ビューイングシステム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20220907BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20220907BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220907BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 550M
G09G5/00 550H
G09G5/00 510A
G09G5/02 B
G09G5/38 A
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501034
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 FR2020051245
(87)【国際公開番号】W WO2021009451
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515151273
【氏名又は名称】アレディア
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロベン イヴァン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】メルシエ フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】シャルボニエ マテュ
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182AB33
5C182AC02
5C182BA14
5C182BA27
5C182BA29
5C182BA56
5C182CA01
5C182CB42
5C182CC21
5C182CC24
5C182DA14
5C182DA44
5C182DA65
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、ユーザに関連する少なくとも1つのパラメータを決定するように構成された少なくとも1つのユーザパラメータアナライザ(101)と、複数の光るピクセルを含む画像表示画面(104)と、画像表示画面(104)上で少なくとも部分的に見ることができ、メインシーンの第1の領域を表すことができる少なくとも1つの第1のメイン画像(110)を計算するように構成された少なくとも1つのグラフィックス計算機(102)と、少なくとも第1のメイン画像(110)を記憶するように構成された少なくとも1つの画像バッファ装置(103)と、画像表示画面(104)上の少なくとも1つの第1の二次画像(111)の表示を制御するように構成されたグラフィックスコントローラ(104a)とを備え、第1の二次画像(111)が、第1のメイン画像(110)に含まれ、かつ第1のユーザパラメータ(120)に従って第1のメイン画像(110)内に配置された第1のメイン画像(110)の第1の部分によって構成された画像ビューイングシステム(10)に関する。第1ピクセルバッファ装置は、第2ピクセルバッファ装置から情報の第2組を受信でき、画像表示画面が第1の二次画像の表示から第2の二次画像の表示に切り替わるときに、情報の第2組が、第1ピクセルバッファ装置内の情報の第1組に取って代わる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像ビューイングシステム(10)のユーザに関連する少なくとも1つのパラメータを決定するように構成された少なくとも1つのユーザパラメータアナライザ(101)と、
マトリクス方式で分布する複数の光ピクセルを含む画像表示画面(104)と、
前記画像表示画面(104)上で少なくとも部分的に見ることができ、メインシーンの第1の領域を表すことができる少なくとも1つの第1のメイン画像(110)を計算するように構成された少なくとも1つのグラフィックス計算機(102)と、
前記グラフィックス計算機(102)によって計算された少なくとも前記第1のメイン画像(110)を記憶するように構成された少なくとも1つの画像バッファ装置(103)と、
前記画像バッファ装置(103)と通信することができ、前記画像表示画面(104)上の少なくとも1つの第1の二次画像(111)の表示を制御するように構成され、前記第1の二次画像(111)が、前記第1のメイン画像(110)に全体的に含まれ、かつ前記ユーザパラメータアナライザ(101)によって決定されたユーザ(120)の少なくとも1つの第1のパラメータに従って前記第1のメイン画像(110)内に配置された前記第1のメイン画像(110)の第1の部分によって構成されたグラフィックスコントローラ(104a)とを備え、
前記グラフィックスコントローラ(104a)は、前記第1の二次画像(111)を置き換える第2の二次画像(112)の前記画像表示画面(104)上の表示を制御するように構成され、
前記第2の二次画像(112)は、前記メイン画像(110)の第2の部分によって構成され、前記第1のメイン画像(110)に全体的に含まれ、前記ユーザの第1の動きに続いて前記ユーザパラメータアナライザ(101)によって決定される前記ユーザ(121)の少なくとも1つの第2のパラメータに基づいて前記第1の二次画像(111)に対して前記第1のメイン画像(110)内でシフトされ、
前記グラフィックスコントローラ(104a)は、前記画像表示画面(104)の第1のピクセル(130)に接続された少なくとも1つの第1ピクセルバッファ装置(130a)を備え、前記第1ピクセルバッファ装置(130a)は、前記画像表示画面(104)の第2のピクセル(131)に接続された第2ピクセルバッファ装置(131a)と通信するように構成され、
前記第1ピクセルバッファ装置(130a)は、前記第1のピクセル(130)に関する情報の第1組を格納するように構成され、
前記第2ピクセルバッファ装置(131a)は、前記第2のピクセル(131)に関する情報の第2組を格納するように構成され、
前記第1ピクセルバッファ装置(130a)は、前記第2ピクセルバッファ装置(131a)から情報の前記第2組を受信でき、前記画像表示画面(104)が前記第1の二次画像(111)の表示から前記第2の二次画像(112)の表示に切り替わるときに、情報の前記第2組が、前記第1ピクセルバッファ装置(130a)内の情報の前記第1組に取って代わる画像ビューイングシステム(10)。
【請求項2】
前記第1のメイン画像(110)は、前記画面の第1及び第2のピクセル数にそれぞれ対応し、前記第1のメイン画像(110)の互いに垂直な第1の軸(X)及び第2の軸(Y)に沿うとそれぞれみなされる第1の次元(x
1)及び第2の次元(y
1)を有し、前記第2の二次画像(112)は、少なくとも、前記第1のメイン画像(110)内で、前記軸(X)に沿って第1のピクセル量(Δ
1)、前記軸(Y)に沿って第2のピクセル量(Δ
2)だけ、前記第1の二次画像(111)をシフトすることによって決定され、
前記第1のピクセル量(Δ
1)及び前記第2のピクセル量(Δ
2)は、前記ユーザ(121)の少なくとも前記第2のパラメータに応じて、前記グラフィックス計算機(102)によって決定され、
前記第1のピクセル量(Δ
1)及び前記第2のピクセル量(Δ
2)は、Δ
1/x
1<50%であって、かつΔ
2/y
1<50%である
請求項1に記載の画像ビューイングシステム(10)。
【請求項3】
前記第1のピクセル(130)に関する情報の前記第1組の情報は、前記第1のピクセル(130)によって表示される第1の色及び/又は第1の光強度を表し、
前記第2のピクセル(131)に関する情報の前記第2組の情報は、前記第2のピクセル(131)によって表示される第2の色及び/又は第2の光強度を表す
請求項1又は2に記載の画像ビューイングシステム(10)。
【請求項4】
前記第1ピクセルバッファ装置(130a)及び前記第2ピクセルバッファ装置(131a)を有するグループから選択される少なくとも1つの要素は、前記第1ピクセルバッファ装置(130a)及び前記第2ピクセルバッファ装置(131a)を有するグループから選択される要素から来るデジタルメッセージを、前記第1のピクセル(130)又は前記第2のピクセル(131)にそれぞれ電力を供給する電圧又は電流に変換することができるデジタル/アナログコンバータ(140)と通信するように構成される
請求項3に記載の画像ビューイングシステム(10)。
【請求項5】
前記第1及び第2のユーザパラメータを含むグループから選択される少なくとも1つのユーザパラメータは少なくとも、前記ユーザの動き、前記ユーザの頭の位置、前記ユーザの視覚の主方向、及び前記ユーザの視野から選択される情報からなる
請求項1~4のいずれか1項に記載の画像ビューイングシステム(10)。
【請求項6】
画像ビューイングシステム(10)を制御する方法であって、
前記画像ビューイングシステム(10)は、
前記画像ビューイングシステム(10)のユーザに関連する少なくとも1つのパラメータを決定するように構成された少なくとも1つのユーザパラメータアナライザ(101)と、
マトリクス方式で分布する複数の光ピクセルを有する画像表示画面(104)と、
画像バッファ装置(103)と通信可能であり、前記画像表示画面(104)における画像の表示を制御するように構成されたグラフィックスコントローラ(104a)とを備え、
前記グラフィックスコントローラ(104a)は、前記画像表示画面(104)の第1のピクセル(130)に接続された少なくとも1つの第1ピクセルバッファ装置(130a)を備え、前記第1ピクセルバッファ装置(130a)は、前記画像表示画面(104)の第2のピクセル(131)に接続された第2ピクセルバッファ装置(131a)と通信するように構成され、
前記第1ピクセルバッファ装置(130a)は、前記第1のピクセル(130)に関する情報の第1組を格納するように構成され、
前記第2ピクセルバッファ装置(131a)は、前記第2のピクセル(131)に関する情報の第2組を格納するように構成され、
前記方法は、
a)前記ユーザパラメータアナライザ(101)によって前記ユーザ(120)の少なくとも1つの第1のパラメータを決定するステップと、
b)少なくとも1つのグラフィックス計算機(102)によって、前記画像表示画面(104)上に少なくとも部分的に表示することができる少なくとも1つの第1のメイン画像(110)を決定し、前記第1のメイン画像(110)はメインシーンの第1の領域に対応するステップと、
c)前記グラフィックス計算機(102)によって計算された前記第1のメイン画像(110)を前記画像バッファ装置(103)に格納するステップと、
d)前記第1のメイン画像(110)に全体的に含まれ、前記ユーザ(120)の少なくとも前記第1のパラメータに基づいて前記第1のメイン画像(110)内に配置された前記第1のメイン画像(110)の第1の部分からなる第1の二次画像(111)の前記画像表示画面(104)による表示を前記グラフィックスコントローラ(104a)によって制御するステップと、
e)前記ユーザの第1の動きに続いて前記ユーザパラメータアナライザ(101)によって、前記ユーザ(121)の少なくとも1つの第2のパラメータを決定するステップと、
f)前記グラフィックスコントローラ(104a)によって、前記画像表示画面(104)内の前記第1の二次画像(111)を置き換える第2の二次画像(112)の前記画像表示画面(104)上の表示を制御し、前記第2の二次画像(112)は、前記第1のメイン画像(110)の第2の部分によって構成され、前記第1のメイン画像(110)に全体的に含まれ、前記ユーザ(121)の少なくとも前記第2のパラメータに基づいて前記第1の二次画像(111)に対して前記第1のメイン画像(110)内でシフトされるステップとを備え、
前記第1ピクセルバッファ装置(130a)は、前記第2ピクセルバッファ装置(131a)から情報の前記第2組を受信でき、前記画像表示画面(104)が前記第1の二次画像(111)の表示から前記第2の二次画像(112)の表示に切り替わるときに、情報の前記第2組が、前記第1ピクセルバッファ装置(130a)内の情報の前記第1組に取って代わる方法。
【請求項7】
前記第1のメイン画像(110)は、前記画面の第1及び第2の光ピクセル数にそれぞれ対応し、前記メイン画像(110)で互いに垂直とみなされる第1の軸(X)及び第2の軸(Y)に沿うとそれぞれみなされる第1の次元(x
1)及び第2の次元(y
1)を有し、前記方法は、
ステップf)の前に実施される、
g)前記グラフィックス計算機(102)によって、前記ユーザ(121)の前記第2のパラメータに応じて、
前記軸(X)に沿った第1のピクセル量(Δ
1)と、
前記軸(Y)に沿った第2のピクセル量(Δ
2)とを決定するステップを備え、
前記第1の二次画像(111)及び前記第2の二次画像(112)は、前記メイン画像(110)内で前記第1のピクセル量(Δ
1)だけずれており、
前記第1の二次画像(111)及び前記第2の二次画像(112)は、前記メイン画像(110)内で前記第2のピクセル量(Δ
2)だけずれており、
前記第1のピクセル量(Δ
1)及び前記第2のピクセル量(Δ
2)は、Δ
1/x
1<50%であって、かつΔ
2/y
1<50%である
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の画像ビューイングシステム(10)を含むバーチャルリアリティマスク(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ビューイングシステムに関する。
【0002】
本発明は、画像ビューイングシステムを制御する方法にも関する。
【0003】
本発明は、画像ビューイングシステムを含むバーチャルリアリティマスクにも関する。
【背景技術】
【0004】
バーチャルリアリティマスクの分野では、頭部の動きと対応する画像の表示との間の待ち時間が長すぎると、バーチャルリアリティマスクのユーザが動いている間に、そのユーザに不快感を与えることが知られている。
【0005】
既知の解決策は、画像のリフレッシュレートを上げることである。しかしながら、この解決策は多くのエネルギーを消費し、使用の電気的自律性を制限する。必要とされる計算機はさらに高価であり、このことは、財政的な観点から解決策の魅力を損なう。
【0006】
別の既知の解決策は、画像をフラッシュさせ、それらを時間の一部、例えば10%の比率でのみ表示し、知覚される画像の残りをユーザの脳によって補間させることにある。このようにして作られた画像は精度が不足することに加えて、これは画像の明るさの著しい低下を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、画像、特にバーチャルリアリティ画像を見るための解決策を提供することであり、これにより、上述の問題の全部または一部に対処することが可能になる。
【0008】
特に、目的は、
画像表示の応答性を良好にするという目標、
画像表示の適切な光強度を得るという目標、
画像ビューイングシステムの許容される電気的自律性を得るという目標、及び
経済的であり続ける解決策を提供するという目標
の少なくとも1つの目標を満たす解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、画像ビューイングシステムのユーザに関連する少なくとも1つのパラメータを決定するように構成された少なくとも1つのユーザパラメータアナライザと、マトリクス方式で分布する複数の光ピクセルを含む画像表示画面と、前記画像表示画面上で少なくとも部分的に見ることができ、メインシーンの第1の領域を表すことができる少なくとも1つの第1のメイン画像を計算するように構成された少なくとも1つのグラフィックス計算機と、前記グラフィックス計算機によって計算された少なくとも前記第1のメイン画像を記憶するように構成された少なくとも1つの画像バッファ装置と、前記画像バッファ装置と通信することができ、前記画像表示画面上の少なくとも1つの第1の二次画像の表示を制御するように構成され、前記第1の二次画像が、前記第1のメイン画像に全体的に含まれ、かつ前記ユーザパラメータアナライザによって決定された少なくとも1つの第1のユーザパラメータに基づいて前記第1のメイン画像内に配置された前記第1のメイン画像の第1の部分によって構成されたグラフィックスコントローラとを備え、前記グラフィックスコントローラは、前記第1の二次画像を置き換える第2の二次画像の前記画像表示画面上の表示を制御するように構成され、
前記第2の二次画像は、前記メイン画像の第2の部分によって構成され、前記第1のメイン画像に全体的に含まれ、前記ユーザの第1の動きに続いて前記ユーザパラメータアナライザによって決定される前記ユーザの少なくとも1つの第2のパラメータに従って前記第1の二次画像に対して前記第1のメイン画像内でシフトされ、
前記グラフィックスコントローラは、前記画像表示画面の第1ピクセルに接続された少なくとも1つの第1ピクセルバッファ装置を備え、前記第1ピクセルバッファ装置は、前記画像表示画面の第2ピクセルに接続された第2ピクセルバッファ装置と通信するように構成され、前記第1ピクセルバッファ装置は、前記第1ピクセルに関する情報の第1組を格納するように構成され、
前記第2ピクセルバッファ装置は、前記第2ピクセルに関する情報の第2組を格納するように構成され、
前記第1ピクセルバッファ装置は、前記第2ピクセルバッファ装置から情報の前記第2組を受信でき、前記画像表示画面が前記第1の二次画像の表示から前記第2の二次画像の表示に切り替わるときに、情報の前記第2組が、前記第1ピクセルバッファ装置内の情報の前記第1組に取って代わる画像ビューイングシステムの手段によって達成される。
【0010】
画像ビューイングシステムのいくつかの好ましいが非限定的な態様は、以下の通りである。
【0011】
画像ビューイングシステムの一実施形態では、前記第1のメイン画像は、前記画面の第1及び第2のピクセル数にそれぞれ対応し、前記第1のメイン画像の互いに垂直な第1の軸X及び第2の軸Yに沿うとそれぞれみなされる第1の次元x1及び第2の次元y1を有し、前記第2の二次画像は、少なくとも、前記第1のメイン画像内で、前記軸Xに沿って第1のピクセル量Δ1、前記軸Yに沿って第2のピクセル量Δ2だけ、前記第1の二次画像をシフトすることによって決定され、前記第1のピクセル量Δ1及び前記第2のピクセル量Δ2は、少なくとも前記第2のユーザパラメータに応じて、前記グラフィックス計算機によって決定され、前記第1のピクセル量Δ1及び前記第2のピクセル量Δ2は、Δ1/x1<50%であって、かつΔ2/y1<50%である。
【0012】
画像ビューイングシステムの一実施形態では、前記第1のピクセルに関する情報の前記第1組の情報は、前記第1のピクセルによって表示される第1の色及び/又は第1の光強度を表し、前記第2のピクセルに関する情報の前記第2組の情報は、前記第2のピクセルによって表示される第2の色及び/又は第2の光強度を表す。
【0013】
画像ビューイングシステムの一実施形態では、前記第1ピクセルバッファ装置及び前記第2ピクセルバッファ装置を有するグループから選択される少なくとも1つの要素は、前記第1ピクセルバッファ装置及び前記第2ピクセルバッファ装置を有するグループから選択される要素から来るデジタルメッセージを、前記第1のピクセル又は前記第2のピクセルにそれぞれ電力を供給する電圧又は電流に変換することができるデジタル/アナログ変換器と通信するように構成される。
【0014】
画像ビューイングシステムの一実施形態では、前記第1、第2及び第3のユーザパラメータを含むグループから選択される少なくとも1つのユーザパラメータは少なくとも、前記ユーザの動き、前記ユーザの頭の位置、前記ユーザの視覚の主方向、及び前記ユーザの視野から選択される情報の少なくとも1つからなる。
【0015】
本発明はまた、画像ビューイングシステムを制御する方法の実施に関し、前記画像ビューイングシステムは、前記画像ビューイングシステムのユーザに関連する少なくとも1つのパラメータを決定するように構成された少なくとも1つのユーザパラメータアナライザと、マトリクス方式で分布する複数の光ピクセルを有する画像表示画面と、画像バッファ装置と通信可能であり、前記画像表示画面における画像の表示を制御するように構成されたグラフィックスコントローラとを備え、前記グラフィックスコントローラは、前記画像表示画面の第1ピクセルに接続された少なくとも1つの第1ピクセルバッファ装置を備え、前記第1ピクセルバッファ装置は、前記画像表示画面の第2ピクセルに接続された第2ピクセルバッファ装置と通信するように構成され、
前記第1ピクセルバッファ装置は、前記第1ピクセルに関する情報の第1組を格納するように構成され、
前記第2ピクセルバッファ装置は、前記第2ピクセルに関する情報の第2組を格納するように構成され、
前記方法は、
a)前記ユーザパラメータアナライザによって少なくとも1つの第1のユーザパラメータを決定するステップと、
b)少なくとも1つのグラフィックス計算機によって、前記画像表示画面上に少なくとも部分的に表示することができる少なくとも1つの第1のメイン画像を決定し、前記第1のメイン画像は前記メインシーンの第1の領域に対応するステップと、
c)前記グラフィックス計算機によって計算された前記第1のメイン画像を前記画像バッファ装置に格納するステップと、
d)前記第1のメイン画像に全体的に含まれ、少なくとも前記第1のユーザパラメータに基づいて前記第1のメイン画像内に配置された前記第1のメイン画像の第1の部分からなる第1の二次画像の前記画像表示画面による表示を前記グラフィックスコントローラによって制御するステップと、
e)前記ユーザの第1の動きに続いて前記ユーザパラメータアナライザによって、少なくとも1つの第2のユーザパラメータを決定するステップと、
f)前記グラフィックスコントローラによって、前記画像表示画面内の前記第1の二次画像を置き換える第2の二次画像の前記画像表示画面上の表示を制御し、前記第2の二次画像は、前記第1のメイン画像の第2の部分によって構成され、前記第1のメイン画像に全体的に含まれ、前記ユーザの少なくとも前記第2のパラメータに応じて前記第1の二次画像に対して前記第1のメイン画像内でシフトされるステップとを備え、
前記第1ピクセルバッファ装置は、前記第2ピクセルバッファ装置から情報の前記第2組を受信でき、前記画像表示画面が前記第1の二次画像の表示から前記第2の二次画像の表示に切り替わるときに、情報の前記第2組が、前記第1ピクセルバッファ装置内の情報の前記第1組に取って代わる。
【0016】
前記制御方法のいくつかの好ましいが非限定的な態様は、以下の通りである。
【0017】
本方法の実施態様では、前記第1のメイン画像は、前記画面の第1及び第2の光ピクセル数にそれぞれ対応し、前記メイン画像で互いに垂直とみなされる第1の軸X及び第2の軸Yに沿うとそれぞれみなされる第1の次元x1及び第2の次元y1を有し、前記方法は、ステップf)の前に実施される、
g)前記グラフィックス計算機によって、前記第2のユーザパラメータに応じて、
前記軸Xに沿った第1のピクセル量Δ1と、
前記軸Yに沿った第2のピクセル量Δ2とを決定するステップを備え、
前記第1の二次画像及び前記第2の二次画像は、前記メイン画像内で前記第1のピクセル量Δ1だけずれており、
前記第1の二次画像及び前記第2の二次画像は、前記メイン画像内で前記第2のピクセル量Δ2だけずれており、
前記第1のピクセル量Δ1及び前記第2のピクセル量Δ2は、Δ1/x1<50%であって、かつΔ2/y1<50%である。
【0018】
本発明はまた、このような画像ビューイングシステムを含むバーチャルリアリティマスクに関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の他の態様、目的、利点、及び特徴は、非限定的な例として提供され、添付の図面を参照してなされ、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、第1の二次画像と第2の二次画像とを有するメイン画像の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る画像ビューイングシステムの一実施形態の概略図である。
【
図3】
図3は、画像ビューイングシステムのグラフィックスコントローラの一実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、画像ビューイングシステムのグラフィックスコントローラの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の
図1~4及び以下の説明において、機能的に同一又は類似の要素は、同じ参照番号によって識別される。さらに、理解を容易にするために図面の明確性を高めるために、異なる要素は一定の縮尺で表されていない。さらに、異なる実施形態及び変形例は互いに排除せず、反対に、一緒に組み合わせることができる。
【0021】
本明細書の残りの部分では、特に断らない限り、用語「実質的に」、「約」、「一般的に」、及び「の範囲内」は、「10%以内」を意味する。
【0022】
本発明は第1に、少なくとも1つのユーザパラメータアナライザ101を含む、
図1~
図3に少なくとも部分的に示された画像ビューイングシステム10に関する。ユーザパラメータアナライザ101は、画像ビューイングシステム10のユーザに関連する少なくとも1つのパラメータを決定するように構成される。ユーザに関連するパラメータは、ユーザの動き、及び/又はユーザの頭及び/又は目の位置、及び/又はユーザの視覚の主方向、及び/又はユーザの視野から選択される情報の少なくとも1つからなる。ユーザパラメータアナライザ101は、加速度計又はジャイロスコープ等の動きセンサを備えてもよい。ユーザパラメータアナライザ101は、カメラ、例えば赤外線に適合された光源と結合された赤外線領域で動作するカメラ等のユーザの視覚の主方向、又はユーザの視野を決定するための手段を備えてもよい。「視覚の主方向」という用語は、ユーザがはっきりと見ている方向を指す。視野は、ユーザの目によって鮮明に又はよりぼやけて知覚される視覚の集合を表し、視野は、目の向きの周りの約180°の角度を表す。一般に、典型的なユーザの鮮明な視覚の部分は、ユーザの目の向きに従った約20度に対応する。したがって、適合された対応する画像をフィードバック表示によってユーザに提示できるようにするためには、ユーザの視覚の主方向を数度以内に決定することが重要であろう。
【0023】
画像ビューイングシステム10はまた、マトリックスに従って分布する複数の光ピクセルを有する画像表示画面104を備える。光ピクセルは画像を表すように制御される。当業者はこれらの光ピクセルと関連する基本回路とを得るために、彼らの一般教養的な知識を実施できるであろう。
【0024】
画像ビューイングシステム10はまた、少なくとも1つの第1のメイン画像110を計算するように構成された少なくとも1つのグラフィックス計算機102を備える。グラフィックス計算機102は、例えば「グラフィックス処理ユニット」と呼ばれる。グラフィックス計算機102は例えば、マイクロプロセッサを含んでもよい。第1のメイン画像110は少なくとも部分的に、画像表示画面104の「上で」又は同等に「内で」又は「によって」見られ得る。第1のメイン画像110は例えば、メインシーンの第1の領域を表す。メインシーンは例えば、ユーザが仮想的に進化することが可能な、仮想的又は仮想的でない、静止の又は動く環境を表す。したがって、ユーザは静的な方法で、例えば、自分の目又は頭だけを動かすことによって、又は、全身を巻き込む動きを実行することによって、動くことができる。例えば、頭を強く動かすことによって、ユーザは現実で行うことができるように、第1の領域からメインシーンとは異なる第2の領域への変化を視覚化できなければならない。別の例では、頭をわずかに動かすことによって、ユーザはメインシーンの同じ領域のわずかな変化を視覚化することができなければならない。光度を失うことなく、かつ遅延なく、満足のいく流動性で、ユーザの異なるわずかな、または大きな動きに対応する画像を計算するためには、以下に詳述するアーキテクチャを使用することが有利であり得る。
【0025】
したがって、画像ビューイングシステム10は、グラフィックス計算機102によって計算された少なくとも第1のメイン画像110を記憶するように構成された少なくとも1つの画像バッファ装置103も備える。例えば、画像バッファ装置103は、フラッシュ、RAM又は同等のタイプの1つ又は複数の書き換え可能メモリを備える。
【0026】
画像バッファ装置103は、グラフィックスコントローラ104aと通信する。したがって、グラフィックスコントローラ104aは、画像バッファ装置103に一時的に記憶された例えば第1のメイン画像110又は第2のメイン画像210からのデータを使用し、処理することができる。グラフィックスコントローラ104aは、例えば、マイクロプロセッサ等の計算手段を備えている。
図1及び
図2に示すように、グラフィックスコントローラ104aは、画像表示画面104上の少なくとも1つの第1の二次画像111の表示を制御するように構成される。
【0027】
第1の二次画像111は、第1のメイン画像110に完全に含まれる第1のメイン画像110の第1の部分である。第1の二次画像111は、ユーザパラメータアナライザ101によって決定されたユーザ120の少なくとも1つの第1のパラメータに応じて、第1のメイン画像110内に配置される。したがって、第1の二次画像111は例えば、ユーザの視覚の主方向に見られるメインシーンの画像に対応する。
【0028】
画像表示画面104に表示される第1の二次画像111よりも大きい第1のメイン画像110を計算することが有利である。実際、従来のグラフィックス計算機又は低消費電力の計算機による計算速度は、画像表示画面104上の表示速度よりも低い。したがって、二次画像111、112よりも大きい第1又は第2のメイン画像110、210を計算することによって、直接的に、又はグラフィックスコントローラ104aによって実行される単純化された計算によって、それらが完全に別々に再計算されなければならない場合よりも迅速に表示されるいくつかの二次画像111、112を推定することが可能である。
【0029】
その標準動作モードでは、グラフィックス計算機102がシステムによって定義された周波数(例えば、60Hz、120Hz)で、ユーザの視覚の主方向におけるメインシーンの画像を提供する。このようにして、グラフィックス計算機102によって計算された第1のメイン画像110が提供される。ユーザが見る第1のメイン画像110の部分は、グラフィックスコントローラ104aによって抽出された第1の二次画像111である。第2のメイン画像210は、システムの周波数によって定義される期間の後に提供され、ユーザの更新された視覚の主方向を考慮に入れて、リフレッシュされたシーンに対応する。画像210を待っている間に、ユーザパラメータアナライザ101に基づいて、第2の二次画像112が、ユーザの現在の視覚の主方向121に対応してユーザに表示される。この第2の二次画像112は、第1のメイン画像110内での単純なシフトによって、又はこの画像110に単純なアルゴリズムを適用することによって得られる。したがって、システムは、2つの連続するメイン画像110、210間でのユーザの動きの錯覚を維持することを可能にする。このシステムは、計算機102が二次画像111、112をもはや必要としない速度で画像を供給するであろうソリューションと比較して、画像の計算に必要なエネルギー消費及びシステム資源の著しい利得を提供する。一方、このようにして生成された二次画像111、112は黒い画像の挿入の全部又は部分的な置換を可能にし、それによって画面の明るさを有利に増加させる。
【0030】
ここでは、第1の二次画像111に取って代わる単一の第1の二次画像111及び単一の二次画像112について考察する。しかしながら、メイン画像110、210内に構成された多くの二次画像は、それらが関係するメイン画像110、210内に完全に含まれている限り、存在してもよい。
【0031】
メイン画像110内の第1の二次画像111と第2の二次画像112との間のシフトの実施において、第1のメイン画像110は、ピクセルで表されるか、又はすなわち、前記表示画面の第1及び第2のピクセル数にそれぞれ対応する第1の次元x
1及び第2の次元y
1を有すると考えられる。第1及び第2の次元x
1およびy
1は、それぞれ、互いに直角である第1のメイン画像110の第1の軸X及び第2の軸Yに沿うとみなされる。このように、第2の二次画像112は、画像バッファ装置103に記憶されたデータから、グラフィックス計算機102又はグラフィックスコントローラ104aによって、少なくとも第1の二次画像111を第1のメイン画像110内で、軸Xに沿って第1のピクセル量Δ
1だけ、軸Yに沿って第2のピクセル量Δ
2だけシフトすることによって決定される。このことは、
図1に見ることができる。第1のピクセル量Δ
1及び第2のピクセル量Δ
2も、以下の制約Δ
1/x
1<50%及びΔ
2/y
1<50%を有利に満たす。これらの規定の遵守は、電気的自律性を最適化するために非常に有利である。
【0032】
以下の段落では、グラフィックスコントローラ104aが、本発明の画像ビューイングシステム10で実施することができるが、独立して実施することもできるという特徴を備える。
【0033】
図3に示すように、グラフィックスコントローラ104aは、一例では画像表示画面104の第1のピクセル130に接続された少なくとも1つの第1ピクセルバッファ装置130aを備える。第1ピクセルバッファ装置130aは、画像表示画面104の第2のピクセル131に接続された第2ピクセルバッファ装置131a自体と通信するように構成されている。第1ピクセルバッファ装置130aは、第1のピクセル130に関する情報の第1組を格納するように構成される。また、第2ピクセルバッファ装置131aは、第2のピクセル131に関する情報の第2組を格納するように構成される。第1ピクセルバッファ装置130aはさらに、第2ピクセルバッファ装置131aから情報の第2組を受信することができ、そのように双方向にできる。情報の第2組は、画像表示画面104が第1の二次画像111の表示から第2の二次画像112の表示に切り替わるときに、第1ピクセルバッファ装置130a内の情報の第1組に取って代わる。このアーキテクチャは、表示待ち時間を改善するのに有利である。実際、事前に計算された情報の組の伝送は、1つの単一信号に続いて段階的に行われる。このアーキテクチャは、短い表示待ち時間を必要とする二次画像111、112の計算と組み合わせて特に有利である。
【0034】
一例では、第1のピクセル130に関する情報の第1組が第1のピクセル130によって表示される第1の色及び/又は第1の光強度に対応する。同じ例では、第2のピクセル131に関する情報の第2組が第2のピクセル131によって表示される第2の色及び/又は第2の光強度に対応する。ピクセルバッファ装置130a、131aは例えば、1つ又は複数の揮発性メモリから構成される。
【0035】
図4に示す例では、第1ピクセルバッファ装置130a及び/又は第2ピクセルバッファ装置131aがDAC「デジタルアナログコンバータ」とも呼ばれる1つ又は複数のデジタル/アナログコンバータ140と通信するように構成される。デジタル/アナログコンバータ140は、第1ピクセルバッファ装置130a及び/又は第2ピクセルバッファ装置131aから来るデジタルメッセージを、第1のピクセル130又は第2のピクセル131にそれぞれ電力を供給する電圧又は電流に変換することができる。
【0036】
また、本発明は特に前述したものと同様に、画像ビューイングシステム10を制御する方法に関する。この方法は、
図2に見ることができる。この方法は以下のステップを含む。
【0037】
a)ユーザパラメータアナライザ101によって少なくとも1つの第1のユーザパラメータ120を決定するステップ
b)少なくとも1つのグラフィックス計算機102によって、画像表示画面104上に少なくとも部分的に見ることができる少なくとも1つの第1のメイン画像110を決定し、第1のメイン画像110は、メインシーンの第1の領域に対応するステップ
c)グラフィックス計算機102によって計算された第1のメイン画像110を画像バッファ装置103に格納するステップ
d)グラフィックスコントローラ104aによって、第1の二次画像111の画像表示画面104による表示を制御し、第1の二次画像111は、第1のメイン画像110に完全に含まれ、ユーザ120の少なくとも第1のパラメータに応じて第1のメイン画像110内に配置された第1のメイン画像110の第1の部分であるステップ
この方法は、表示とユーザの動きとの間の待ち時間を短縮することができるので有利である。
【0038】
この方法はまた、以下の追加のステップを含む。
【0039】
e)ユーザの第1の動きに続いてユーザパラメータアナライザ101によって、ユーザ121の少なくとも1つの第2のパラメータを決定するステップ
f)グラフィックスコントローラ104aによって、第2の二次画像112の画像表示画面104上の表示を制御し、画像表示画面104内の第1の二次画像111を置き換えるステップ
第2の二次画像112は、第1のメイン画像110の第2の部分であり、全体が第1のメイン画像110に含まれ、ユーザ121の少なくとも第2のパラメータに従って第1の二次画像111に対して第1のメイン画像110内でシフトされる。
【0040】
このことは、ユーザが小振幅で動く間に、第2の画像が例えばユーザの視覚の主方向に追従するのに十分であり、第2のメイン画像210を再計算する必要がないため、有利である。電気的自律性が増大し、計算能力の要求が限定され、したがってハードウェアコストが低減する。
【0041】
一実施形態では、第1のメイン画像110が、ピクセルで表されるか、または言い換えれば、光ピクセルの第1及び第2の数にそれぞれ対応する第1の次元x1と、第2の次元y1とを含む。第1の次元x1及び第2の次元y1は、メイン画像110で互いに垂直とみなされる第1の軸X及び第2の軸Yにそれぞれ沿うとみなされる。次いで、本方法は、グラフィックス計算機102によって、ユーザ121の第2のパラメータに応じて、軸Xに沿った第1のピクセル量Δ1を決定するステップg)を含む。ステップg)は、ステップf)の前に実施される。
【0042】
第1の二次画像111及び第2の二次画像112は、メイン画像110内でこの第1のピクセル量Δ1だけずれている。ステップg)はまた、Y軸に沿った第2のピクセル量Δ2のグラフィックス計算機102による決定からなる。第1の二次画像111及び第2の二次画像112は、メイン画像110内で第2のピクセル量Δ2だけずれている。また、第1のピクセル量Δ1及び前記第2のピクセル量Δ2は、以下の制約、Δ1/x1<50%であって、かつΔ2/y1<50%であるという制約を満たす。これらの制約は改善された電気的自律性を得ることを可能にし、コンピューティングハードウェアのコストを低減するために有利である。
【0043】
本発明はまた、上述したような画像ビューイングシステム10を含むバーチャルリアリティマスク11にも関連する。
図2及び
図3は、このようなバーチャルリアリティマスク11を示す。このように構成されたバーチャルリアリティマスク11は電気的自律性を増大させ、着用者の快適さのために十分な表示速度を有し、しかも安価である。
【国際調査報告】