(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】眼ステントおよび送達システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/14 20060101AFI20220907BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20220907BHJP
【FI】
A61F2/14
A61F9/007 170
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501177
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 US2020041704
(87)【国際公開番号】W WO2021007559
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010554
【氏名又は名称】アクエア ヘルス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ドライスワミー, アナンド
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA24
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC03
4C097CC05
4C097DD01
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4C097EE03
4C097EE06
4C097EE08
4C097EE09
4C097EE11
4C097EE13
(57)【要約】
本発明のいくつかの実施形態は、有利なこととして、所望のサイズの調節可能な可逆的自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)を使用して、シュレム管の拡張、拡大、または迂回を活用し、ブドウ膜リンパ管の範囲の全体を通して房水流を制御および改善する。したがって、いくつかの実施形態は、シュレム管壁の内側または外側のいずれかに位置し、少なくとも部分的に管内にある、および/または管内の壁もしくは他の場所ならびに/もしくは管内の他の部分に対して定位置で部分的または完全に係留される、取り付けられる、接着される、もしくは別様に保持される、張力リングまたはシリンダを含む。管の部分的または完全拡張は、シュレム管の術前計測に基づいて、ブドウ膜リンパ管内の種々のゾーンを横断したカスタマイズされた調節可能な適合に、かつ患者特有の進化する必要性に基づいて、事前構成されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の開存性を維持するためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管の半径方向拡張のための屈曲構成を有する、単一の伸長要素から成る拡張部材を備え、
その屈曲構成における前記拡張部材は、(i)前記眼内のブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管によって及ぼされる圧縮応力に耐えるための十分な半径方向強度と、(ii)前記拡張部材が前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管に埋め込まれるときに、前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管内の集合管の遮断の閉塞を最小限にするためのその構造内の十分な空隙空間とを有する、デバイス。
【請求項2】
前記単一の伸長要素は、事前成形された金属またはポリマーフィラメントを備える、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項3】
前記単一の伸長要素は、事前成形された金属ワイヤを備える、請求項2に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項4】
前記単一の伸長要素は、形状または熱記憶合金ワイヤを備える、請求項3に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項5】
前記単一の伸長要素は、ニッケルチタン合金ワイヤを備える、請求項4に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項6】
その屈曲構成における前記単一の伸長要素は、繰り返しの螺旋巻数を伴って少なくとも部分的に形成される、請求項1-5のいずれか1項に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項7】
その屈曲構成における前記単一の伸長要素は、繰り返しの蛇行ループを伴って少なくとも部分的に形成される、請求項1-5のいずれか1項に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項8】
前記単一の伸長要素は、前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管の形状に共形化するための拘束がないときに、その屈曲構成におけるその長さに沿って曲線状である、請求項1-7のいずれか1項に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項9】
前記単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、前記単一の伸長要素の残りのものと異なる幾何学形状を有する、請求項1-8のいずれか1項に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項10】
前記単一の伸長要素の両端は、前記単一の伸長要素の中心領域のものと異なる幾何学形状を有する、請求項1-8のいずれか1項に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項11】
前記単一の伸長要素は、0.001mm~1mmの範囲内の直径を有し、0.001mm~10mmの範囲内の連続巻数の間のピッチおよび拘束されていないときの0.001mm~10mmの範囲内の直径を伴う中心領域を有する、円筒螺旋に形成される、形状記憶合金ワイヤである、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項12】
前記単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、前記中心領域のものよりも緊密なピッチおよび小さい直径を有する、螺旋に形成される、請求項1-11のいずれか1項に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項13】
前記単一の伸長要素の両端は、前記中心領域のものよりも緊密なピッチおよび小さい直径を有する、螺旋に形成される、請求項12に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項14】
より緊密なピッチは、0.001mm~1mmの範囲内であり、前記より小さい直径は、0.001mm~1mmの範囲内である、請求項12または13に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項15】
前記単一の伸長要素は、前記眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の曲率半径のものに合致するように選択される、曲率半径を有する、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項16】
前記単一の伸長要素は、仕上がりおよび生体適合性を改良するように、機械的、化学的、または電気化学的方法を介して研磨されている、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項17】
前記単一の伸長要素は、ループに形成される、少なくとも1つの端部を有する、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項18】
前記単一の伸長要素は、きつく巻装されたコイルとして形成される、少なくとも1つの端部を有する、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項19】
前記単一の伸長要素は、操作を促進するように構成される、少なくとも1つの特徴をその少なくとも1つの端部に備える、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項20】
前記単一の伸長要素は、少なくとも部分的に生分解性または生体再吸収性である、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項21】
前記単一の伸長要素は、その表面上に形成される、またはその中に埋め込まれる、薬物溶出部材を備える、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項22】
前記単一の伸長要素は、前記眼内の前記デバイスの安全性および有効性を補助するための親水性または疎水性コーティングを備える、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項23】
前記単一の伸長要素は、シュレム管と前記眼の前房との間の房水流を許容するように構成される、迂回特徴を含む、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項24】
前記迂回特徴は、入口に、出口に、または前記デバイスの長さに沿って位置する、請求項23に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項25】
患者において緑内障を治療する方法であって、
単一の伸長要素から成る拡張部材を前記患者のブドウ膜リンパ管またはシュレム管に埋め込むことを含み、
前記単一の伸長要素は、(i)前記眼内のブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管によって及ぼされる圧縮応力に耐えるための十分な半径方向強度、および(ii)前記拡張部材が前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管に埋め込まれるときに、前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管内の集合管の閉塞を最小限にするためのその構造内の十分な空隙空間を伴って、前記患者のブドウ膜リンパ管またはシュレム管を開放する、方法。
【請求項26】
前記単一の伸長要素は、埋め込まれたときに屈曲構成を有する、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項27】
送達管を前記患者のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の中に導入し、前記単一の伸長要素が原位置で半径方向に拡張するように、拘束から前記拡張部材を解放することをさらに含む、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項28】
前記単一の伸長要素は、事前成形された金属またはポリマーフィラメントを備える、請求項25-27のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項29】
前記単一の伸長要素は、事前成形された金属ワイヤを備える、請求項28に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項30】
前記単一の伸長要素は、形状または熱記憶合金ワイヤを備える、請求項29に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項31】
前記単一の伸長要素は、ニッケルチタン合金ワイヤを備える、請求項30に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項32】
その屈曲構成における前記単一の伸長要素は、繰り返しの螺旋巻数を伴って少なくとも部分的に形成される、請求項25-31のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項33】
その屈曲構成における前記単一の伸長要素は、繰り返しの蛇行ループを伴って少なくとも部分的に形成される、請求項25-31のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項34】
前記単一の伸長要素は、前記眼内の前記ブドウ膜リンパ管領域または前記シュレム管の形状に共形化するための拘束がないときに、その屈曲構成におけるその長さに沿って曲線状である、請求項25-33のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項35】
前記単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、前記単一の伸長要素の残りのものと異なる幾何学形状を有する、請求項25-34のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項36】
前記単一の伸長要素の両端は、前記単一の伸長要素の中心領域のものと異なる幾何学形状を有する、請求項25-34のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項37】
前記単一の伸長要素は、0.001mm~1mmの範囲内の直径を有し、0.001mm~10mmの範囲内の連続巻数の間のピッチおよび拘束されていないときの0.001mm~10mmの範囲内の直径を伴う中心領域を有する、円筒螺旋に形成される、形状記憶合金ワイヤである、請求項25-35のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項38】
前記単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、前記中心領域のものよりも緊密なピッチおよび小さい直径を有する、螺旋に形成される、請求項25-37のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項39】
前記単一の伸長要素の両端は、前記中心領域のものよりも緊密なピッチおよび小さい直径を有する、螺旋に形成される、請求項25-37のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項40】
より緊密なピッチは、0.001mm~1mmの範囲内であり、前記より小さい直径は、0.001mm~1mmの範囲内である、請求項38または39に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項41】
前記単一の伸長要素の曲率半径は、前記眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の曲率半径のものに合致する、請求項25-40のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項42】
前記単一の伸長要素の曲率半径は、前記眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の内向きまたは外向きの反りを引き起こすように選択される、請求項25-41のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項43】
前記単一の伸長要素の端部は、シュレム管を圧潰し、シュレム管と小柱網との間の流動を可能にするように位置付けられる、請求項25-42のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項44】
前記単一の伸長要素から薬物を溶出することをさらに含む、請求項25-43のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項45】
前記単一の伸長要素は、前記眼内の前記デバイスの安全性および有効性を補助するための親水性または疎水性コーティングを備える、請求項25-44のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項46】
前記単一の伸長要素は、入口において、出口において、前記デバイスの長さに沿って、前記管の中または外に、または前記眼の前房に、またはそこから、房水流を提供するように、前記前房の中に位置付けられる、請求項25-45のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項47】
前記単一の伸長要素は、前記眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管内の集合管の閉塞を回避するように、蛍光または画像誘導外科手術を使用して埋め込まれる、請求項25-46のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項48】
前記単一の伸長要素は、バルーンから成る拡張可能部材または吸引からの補助を受けて埋め込まれる、請求項25-47のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項49】
前記単一の伸長要素は、術前眼圧IOPおよび眼圧IOPの所望の調整または減少に基づいて、カスタマイズされる、請求項25-48のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項50】
前記単一の伸長要素は、前記デバイスの形状または近傍の組織の形状を変換するためのエネルギーを送達することが可能である、請求項25-49のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項51】
前記単一の伸長要素は、外側シースと、内側部材とを備える、デバイスチャネルを備える、ツールを用いて送達され、前記デバイスは、前記内側部材と前記外側シースとの間に配置されるように構成され、前記送達ツールは、前記デバイスチャネル内に前記デバイスを可逆的に係止するように構成される、係止部材を備える、請求項25-50のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項52】
前記単一の伸長要素は、前記前房の内側、または前記眼の結膜下領域または縁領域または強膜領域から前記眼の外側の角度からのアクセスを用いて送達される、請求項25-50のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項53】
前記単一の伸長要素は、低侵襲様式で前記眼の管にアクセスするように、染色または可視化からの支援を受けて送達される、請求項25-52のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項54】
前記単一の伸長要素は、前記眼の中への前記デバイスの送達を制御するための加圧システムを有する、送達ツールを用いて送達される、請求項25-53のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項55】
前記単一の伸長要素は、可視化スコープまたは撮像を用いて支援される、送達ツールを用いて送達される、請求項25-50のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項56】
前記単一の伸長要素は、シリンジに取り付けられる送達ツールを用いて送達される、請求項25-50のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項57】
前記単一の伸長要素は、送達の前、間、および後に前記デバイスの物理的状態を操作するための温度制御を有する、送達ツールを用いて送達される、請求項25-50のいずれか1項に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項58】
前記単一の伸長要素は、スライダまたはプランジャを組み込む、または捻転または軸方向接触ボードまたは接触ローラを使用して制御され得る、送達ツールを用いて送達される、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項59】
前記単一の伸長要素は、前記ブドウ膜リンパ導管または管に進入するために要求される切開も提供し得る、送達ツールを用いて送達される、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項60】
前記単一の伸長要素は、拡張チャネルを提供し、前記デバイスの送達において摩擦を低減させ得る、送達ツールを用いて送達される、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項61】
前記単一の伸長要素は、前記デバイスを事前緊締する、または巻き上げる、送達ツールを用いて送達される、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項62】
前記単一の伸長要素は、圧電または振動モータによって給電され得る、送達ツールを用いて送達される、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項63】
前記単一の伸長要素は、ガイドワイヤを利用し、前記デバイスを送達する、位置付ける、再配置する、または後退させ得る、送達ツールを用いて送達される、請求項25に記載の緑内障を治療する方法。
【請求項64】
前記単一の伸長要素は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、ポリエチエレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、シリコーン、および炭素複合材料から成る群から選択される、ポリマー材料から少なくとも部分的に形成される、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【請求項65】
前記単一の伸長要素は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、金、白金、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、アルミニウム、およびバナジウムから成る群から選択される、金属または金属合金から少なくとも部分的に形成される、請求項1に記載の開存性を維持するためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年7月10日に出願された米国仮第62/872,494号(代理人整理番号58141-703.101)、2019年7月16日に出願された米国仮第62/874,946号(代理人整理番号58141-703.102)、および2019年12月8日に出願された米国仮第62/945,160号(代理人整理番号58141-703.103)の利益を主張する。
【0002】
(発明の背景)
緑内障は、世界中で失明の2番目に多い原因であり、毎年、数百万人の米国人が、本障害を引き起こす変性疾患により、その視覚を失っている。緑内障は、眼の視神経を不可逆的に損傷する種々の要因に起因する眼圧の上昇から生じる状態である。緑内障は、遺伝性である傾向があり、兆候につながるいずれの症状も有していない場合がある。米国内に開放隅角緑内障を有する約2~3百万人の患者が存在し、40歳以上の米国人口に関して約1.9%の率であることが推定される。
【0003】
眼圧(IOP)を低下させることは、1世紀にわたって緑内障を治療することの至適基準となっている。しかしながら、房水クリアランスが眼内で作用する方法を理解することに、殆ど進歩が成し遂げられていない。リンパ学における近年の発見は、シュレム管が、本質的に、流出を管理し、IOPを調整する際に重要であるリンパ導管であることを示している。リンパ浮腫は、リンパ管の侵害された流動から生じる状態であり、緑内障は、「眼のリンパ浮腫」に類似する。他の形態のリンパ浮腫と同様に、腫脹および圧力の上昇は、不十分なクリアランスを伴う流体の蓄積からの一般的な副作用である。
【0004】
緑内障の標準的治療は、IOP低下点眼薬、線維柱帯切除術、または流体を種々の場所の中に(内部対外部から)注ぎ込む他の形態の外科的排出デバイスを含む。中程度および重度の緑内障は、多くの場合、外科的デバイスおよび点眼薬の複合アプローチを用いて治療される。しかしながら、デバイスの非効果的な場所、非効果的な流出、および点眼薬の不良なコンプライアンスは、特に、緑内障が無症候性疾患であるため、疾患の進行に対処することを困難にする。
【0005】
治療のための薬理学的アプローチは、単一作用物質、炭酸脱水酵素阻害薬、プロスタグランジン類自体、ベータ遮断薬、アルファ-2作動薬等を用いたプロスタグランジン(PG)単剤療法の使用を含む。薬理学的アプローチは、有効性が不十分であり、多くの場合、短期治療として使用される。コンプライアンスは、長期有効性および進行の防止のための大きな制約のままである。加えて、薬理学的アプローチの副作用は、眉の痛み、瞳孔収縮、火照り、および暗視の低減を含む。
【0006】
従来かつ近年の外科的療法は、選択的レーザ線維柱帯形成術(SLT)および低侵襲緑内障外科手術(MIGS)を含む。SLTは、不可逆的であり、流出網を生成するために小柱網のアブレーションを要求する。MIGSは、眼の外側に(外部から)、または眼の内側に(内部から)房水のための流動チャネルを提供する、種々のデバイスを含む。内部デバイスは、典型的には、小柱網内に常駐し、外部デバイスは、典型的には、経結膜/結膜下設置である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の簡単な要約)
第1の側面では、本発明は、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の半径方向拡張のための屈曲構成を有する、単一の伸長要素から成る拡張部材を備える、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の開存性を維持するためのデバイスを提供する。その屈曲構成における拡張部材は、(i)眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管によって及ぼされる圧縮応力に耐えるための十分な半径方向強度と、(ii)拡張部材が眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管に埋め込まれるときに、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管内の集合管の遮断の閉塞を最小限にするためのその構造内の十分な空隙空間とを有する。
【0008】
拡張部材は、通常、他の構造からの単一の伸長要素「から成る」であろうが、本デバイスは、通常、ブドウ膜リンパ管領域内および/またはシュレム管内のデバイスの操作もしくは係留を支援するために単一の伸長拡張部材のいずれか一方または両方の端部において位置する、結合される、もしくは取り付けられる構造等の付加的要素および特徴を備えるであろう。そのような特徴は、例えば、単一の伸長要素の近位端に位置し、チャネルを横断して前房の中に延在し、流体流のための迂回を生成するように構成される、管状、螺旋、または他の構造を備えてもよい。
【0009】
特定の実施形態では、本発明のデバイスの単一の伸長要素は、事前成形された金属またはポリマーフィラメントを備えてもよい。そのようなフィラメントは、典型的には、中実芯伸長ワイヤ、ストランド、繊維、または同等物を備えるであろうが、いくつかの事例では、単一の中実エンティティとして作用するために十分にきつく巻装される、または別様にともに接合される、複数の個々の開始部を備える、ねじ山、コード、ケーブル、もしくは同等物を備え得る。具体的実施例では、単一の伸長要素は、形状または熱記憶合金ワイヤ等の事前成形された金属ワイヤを備えてもよい。具体的実施例では、単一の伸長要素は、ニッケルチタン合金ワイヤを備える。
【0010】
単一の伸長要素の屈曲構成は、その中に埋め込まれたときに、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の壁領域を半径方向に支持する、容積占有仮想包絡線を画定する、単一の伸長要素の軸長に沿った、曲線、ループ、捻転、曲がり角、角、よじれ、円弧、または他の非線形性のいずれか1つもしくは組み合わせを備えてもよい。本仮想包絡線は、典型的には、略円筒形であろうが、他の形状も有し得る。具体的実施例では、その屈曲構成における単一の伸長要素は、繰り返しの螺旋巻数を伴って少なくとも部分的に形成される。他の実施例では、その屈曲構成における単一の伸長要素は、繰り返しの蛇行ループを伴って少なくとも部分的に形成される。
【0011】
具体的事例では、単一の伸長要素は、好ましくは、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の形状に共形化する、拘束がないときに、その屈曲構成におけるその長さに沿って曲線状であり得る。他の事例では、単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、多くの場合、単一の伸長要素の中心領域のものと異なる幾何学形状を伴う両端を有する、単一の伸長要素の残りのものと異なる幾何学形状を有してもよい。端部における幾何学形状は、寸法のみが異なり得る、例えば、異なるワイヤ直径、螺旋直径、および/またはピッチを伴う螺旋である、もしくは形状が異なり得る、例えば、単一の伸長要素のいずれか一方または両方の端部で終端するループである。
【0012】
その屈曲構成における単一の伸長要素の形状記憶螺旋ワイヤ実施形態のための例示的な好ましい寸法が、表Iに記載される。
【表1】
【0013】
さらなる具体的事例では、単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、中心領域のものよりも緊密なピッチおよび小さい直径を有する螺旋等の管状構造または部材に形成される、もしくは別様にそれを備える。多くの場合、単一の伸長要素の両端は、中心領域のものよりも緊密なピッチおよび小さい直径を有する、螺旋に形成され、より緊密なピッチは、典型的には、0.001mm~1mm、通常、0.01mm~0.2mm、好ましくは、0.05mm~0.15mmの範囲内であり、より小さい直径は、0.001mm~1mm、通常、0.05mm~0.4mm、好ましくは、0.1mm~0.3mmの範囲内である。
【0014】
本発明の開存性を維持するためのデバイスのさらなる実施形態では、単一の伸長要素は、眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の曲率半径のものに合致するように選択される曲率半径等の種々の特徴のうちのいずれか1つ以上を備えてもよい。単一の伸長要素はまた、典型的には、仕上がりおよび生体適合性を改良するように、機械的、化学的、または電気化学的方法を介して研磨されるであろう。単一の伸長要素は、ループに形成される、少なくとも1つの端部を有してもよい。単一の伸長要素は、きつく巻装されたコイルとして形成される、少なくとも1つの端部を有してもよい。単一の伸長要素は、操作を促進するように構成される、少なくとも1つの特徴をその少なくとも1つの端部に備えてもよい。単一の伸長要素は、少なくとも部分的に生分解性または生体再吸収性であり得る。単一の伸長要素は、その表面上に形成される、またはその中に埋め込まれる、薬物溶出部材を備えてもよい。単一の伸長要素は、眼内のデバイスの安全性および有効性を補助するための親水性または疎水性コーティングを備えてもよい。単一の伸長要素は、シュレム管と眼の前房との間の房水流を許容するように構成される、迂回特徴を含んでもよく、迂回特徴は、入口に、出口に、またはデバイスの長さに沿って位置してもよい。
【0015】
第2の側面では、本発明は、患者において緑内障を治療する方法を提供する。本方法は、典型的には、単一の伸長要素から成る拡張部材を患者のブドウ膜リンパ管またはシュレム管に埋め込むことを含む。単一の伸長要素は、埋め込まれると、(i)眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管によって及ぼされる圧縮応力に耐えるための十分な半径方向強度、および(ii)拡張部材が眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管に埋め込まれるときに、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管内の集合管の閉塞を最小限にするためのその構造内の十分な空隙空間を伴って、患者のブドウ膜リンパ管またはシュレム管を開放する。
【0016】
本発明の緑内障を治療するこれらの方法の具体的実施例では、単一の伸長要素は、典型的には、埋め込まれたときに屈曲構成を有し、用語「屈曲」は、前述で定義されている。代替として、本方法はさらに、送達管を患者のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の中に導入し、単一の伸長要素が原位置で半径方向に拡張するように、拘束から拡張部材を解放することを含んでもよい。いずれの場合も、単一の伸長要素は、典型的には、事前成形された金属またはポリマーフィラメントを備えるが、また、上記に説明されるフィラメントのうちのいずれかも備え得る。
【0017】
本発明の方法の好ましい側面では、その屈曲構成における単一の伸長要素は、繰り返しの螺旋巻数を伴って少なくとも部分的に形成される、またはその屈曲構成における単一の伸長要素は、繰り返しの蛇行ループを伴って少なくとも部分的に形成される。通常、単一の伸長要素は、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の形状に共形化するための拘束がないときに、その屈曲構成におけるその長さに沿って曲線状である。多くの場合、単一の伸長要素の少なくとも1つの端部は、単一の伸長要素の残りのものと異なる幾何学形状を有し、頻繁に、単一の伸長要素の両端は、単一の伸長要素の中心領域のものと異なる幾何学形状を有する。
【0018】
本明細書の方法のさらなる事例では、単一の伸長要素の曲率半径は、眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の曲率半径のものに合致する。単一の伸長要素の曲率半径は、眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管の内向きもしくは外向きの反りを引き起こすように選択されてもよい。単一の伸長要素の端部は、シュレム管を圧潰し、シュレム管と小柱網との間の流動を可能にするように位置付けられてもよい。
【0019】
本明細書の方法はさらに、単一の伸長要素から薬物を溶出すること等の付加的側面を備えてもよい。単一の伸長要素は、眼内のデバイスの安全性および有効性を補助するための親水性または疎水性コーティングを備えてもよい。単一の伸長要素は、入口において、出口において、デバイスの長さに沿って、管の中または外に、もしくは眼の前房に、またはそこから、房水流を提供するように、前房の中に位置付けられてもよい。単一の伸長要素は、眼のブドウ膜リンパ管またはシュレム管内の集合管の閉塞を回避するように、蛍光または画像誘導外科手術を使用して埋め込まれてもよい。単一の伸長要素は、バルーンから成る拡張可能部材または吸引からの補助を受けて埋め込まれてもよい。
【0020】
本明細書の方法のその上さらなる具体的側面は、術前眼圧IOPおよび眼圧(IOP)の所望の調整または減少に基づいて、単一の伸長要素をカスタマズすることを含む。単一の伸長要素は、デバイスの形状または近傍の組織の形状を変換するためのエネルギーを送達することが可能であり得る。
【0021】
本明細書の方法はさらに、種々の送達オプションを備える。単一の伸長要素は、外側シースと、内側部材とを備える、デバイスチャネルを備える、ツールを用いて送達されてもよく、本デバイスは、内側部材と外側シースとの間に配置されるように構成され、送達ツールは、デバイスチャネル内にデバイスを可逆的に係止するように構成される、係止部材を備える。単一の伸長要素は、前房の内側、または眼の結膜下領域もしくは縁領域または強膜領域から眼の外側の角度からのアクセスを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、低侵襲様式で眼の管にアクセスするように、染色または可視化の支援を受けて送達されてもよい。単一の伸長要素は、眼の中へのデバイスの送達を制御するための加圧システムを有する、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、可視化スコープまたは撮像を用いて支援される、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、シリンジに取り付けられる送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、送達の前、間、および後にデバイスの物理的状態を操作するための温度制御を有する、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、スライダまたはプランジャを組み込む、もしくは捻転または軸方向接触ボードもしくは接触ローラを使用して制御され得る、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、ブドウ膜リンパ導管または管に進入するために要求される切開も提供し得る、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、拡張チャネルを提供し、デバイスの送達において摩擦を低減させ得る、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、デバイスを事前緊締する、または巻き上げる、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、圧電または振動モータによって給電され得る、送達ツールを用いて送達されてもよい。単一の伸長要素は、ガイドワイヤを利用し、デバイスを送達する、位置付ける、再配置する、または後退させ得る、送達ツールを用いて送達されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、単一の伸長要素は、ポリフッ化ビニリデン、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、ポリエチエレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、シリコーン、炭素複合材料、および同等物から成る群から選択される、ポリマー材料から少なくとも部分的に成ってもよい。そのような材料は、実質的に純粋な形態で、または他の材料との混合物もしくは複合材料として使用されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、単一の伸長要素は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、金、白金、銀、イリジウム、タンタル、タングステン、アルミニウム、バナジウム、および同等物から成る群から選択される、少なくとも1つの金属または合金から少なくとも部分的に成ってもよい。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態は、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管の管内に設置されるように構成される、1つ、2つ、またはそれを上回る調節可能な形状記憶管張力リング(もしくはステント)を利用することによって、緑内障を治療するための低侵襲システムおよび方法を対象とする。張力リングは、典型的ではあるが、独占的ではなく、非貫通様式で、管に半径方向外向きの機械力を及ぼし、管の開存性を回復し、それを通した房水流を改善する。リングは、近位端と、遠位端と、その間に複数の回転数を備える、コイル状区分と、別個の挿入または回収デバイスを使用する、操作、移転、もしくは後退の容易性のための近位および遠位アイレットとを含むことができる。コイル状区分は、その長さに沿って可変外径を有する。リングは、形状記憶合金(SMA)、ステンレス鋼、チタン等の可撓性金属、および形状記憶ポリマー(SMP)、シリコーン、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)を含む、可撓性ポリマー、ならびに調整可能生分解性ポリマー、薬物溶出形状記憶合金(ニチノール等)等の小径形状記憶ワイヤまたは管(例えば、約5~30μmワイヤ直径および150~500μmデバイス外径)から作製されることができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、有利なこととして、所望のサイズの眼内の調節可能かつ可逆的な自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)を使用して、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管の拡張を活用し、管の範囲の全体を通して流動を制御および改善する。したがって、いくつかの実施形態は、少なくとも部分的に管内に位置する、および/または管開口部もしくは管内の他の場所ならびに/もしくはブドウ膜内の他の部分に対して定位置で部分的または完全に係留される、取り付けられる、接着される、もしくは別様に保持される、調節可能張力リングまたはシリンダを含む。管の拡張は、独立して、かつ患者特有の必要性に基づいて、シュレム管内の種々のゾーンにおいて変化するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、張力リングは、種々のサイズの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの別個のリングであってもよい。いくつかの実施形態では、本システムは、管を通した房水の流率を制御するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、リングは、固定要素を伴ういくつかを含む、シリンダによって代用されることができる。調節可能な可逆的眼張力リングは、いくつかの実施形態では、管寸法において具体的患者の範囲に適合するように構成されることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、調節可能な可逆的自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)は、1つ、2つ、またはそれを上回る固定要素を含み得る。固定要素は、管壁へのSESの固定を助長することができる。いくつかの実施形態では、SESは、壁においてSESを安定させる、および/または固定するための突出部もしくはくぼみを含んでもよい。固定要素はまた、例えば、SESを壁に係留するためのサブ要素、例えば、溝、歯、隆起、または鋸歯パターンを含むこともできる。いくつかの実施形態では、同一または異なる固定要素のうちの2つ以上が、組み合わせて使用されることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、SESは、必要とされる場合/とき、SESの容易な捕捉および除去を可能にするための溝またはループ等の1つもしくは多くの特徴を含むことができる。
【0028】
また、本明細書に開示されるものは、小切開を通して埋め込まれ、損傷を伴わずに元の構成に跳ね返り得る、形状記憶合金(SMA)、ステンレス鋼、チタン等の可撓性金属、および形状記憶ポリマー(SMP)、シリコーン、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)を含む、可撓性ポリマー、ならびに調整可能生分解性ポリマーを含む、SESのための種々の材料である。いくつかの実施形態では、SES材料は、分解および外被を防止するためのコーティングを含んでもよい。コーティングは、シリコーンまたはポリテトラフルオロエチレン、もしくは他の潤滑コーティング等の本質的に疎水性または親水性であり得る。いくつかの実施形態では、SESは、表面上に、または基質/バルク内に眼の治癒をさらに助長するための薬物溶出コーティングを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、開示されるものは、SESを外科的に埋め込む方法である。送達システムは、チャネルの中への切開のためのカニューレと、各クリックまたは旋回によりSESを展開するためのトリガ機構とを含有してもよい。SESは、送達システムに取り付けられ得るカートリッジの中に種々のサイズのために事前装填されることができる。そのような技法の利点は、SESを正確に位置付け、管内の適切なゾーン内に展開することである。SESは、ある場合には、容易に移転または後退させるためにも使用され得る、操作特徴の使用を可能にする、設置ツールを介して埋め込まれることができる。SESは、いくつかの実施形態では、単独で、または他のSESと組み合わせて埋め込まれ得る。
【0030】
SESは、年齢、人種、人口統計、体質、管寸法、解剖学的差異、および患者に特有の他の要因を含む、具体的患者のためにカスタマイズされることができる。SESはまた、SESの長さおよび幅を選定し、拡大、故に、房水流出を制御することによって、患者の基準IOPまたは所望のIOP低減に基づいてカスタマイズされることができる。SESデバイスおよび送達技法の一意の特徴に起因して、本デバイスは、管内に材料の存在を伴う管の最大拡大、十分な排出のためのリンパ排出/集合管の非閉塞、組織との最小量の材料相互作用を伴うナノ/マイクロ切開外科手術、および完全な可逆性を含む、いくつかの利点を提供し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、デバイスは、以下の特徴の任意の組み合わせ、または本明細書に開示されるような他のものを含むことができる。
【0032】
送達システムの中に格納および装填される、調節可能な自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)実施形態であって、いったん展開されると、格納された実施形態は、跳開し、その形状記憶を伴って形状をとり、管壁の内側または外側にあり、管直径よりも大きい、1つもしくは複数の張力または捻転リングを形成し、任意の動物のシュレム管またはブドウ膜リンパ導管の前もって圧縮された管の間の分離を提供するであろう。種々のサイズを伴う1つ以上の実施形態が、種々の場所において圧縮された管内で展開されることができる。実施形態は、(係留し、移動を防止するように)端部におけるより小さい直径および中央のより大きい直径の組み合わせであり得る、または同一のSESが、これらの変形例を含有することができる。
【0033】
円形/長方形/正方形ポリマーまたは金属もしくは合金ワイヤ/管類から作製されるSES。ワイヤ管類ODは、0.0005インチ~0.10インチであり得る。非円形ワイヤ実施形態は、0.0005インチ~0.10インチ×0.0005インチ~0.10インチであり得る。
【0034】
球体またはブドウ膜リンパ管経路の周界の半径または円弧に合致するように成形されるSES。いくつかの実施形態では、形状は、管の反りまたは収縮を及ぼさなくてもよい。いくつかの他の実施形態では、形状は、管の内向きの反りを有し得る。
【0035】
SESの長さを横断して浅いまたは可変ピットを伴うSES。螺旋SESのピッチは、0.00005インチから0.10インチまで変動し得る。いくつかの実施形態では、より緊密なピッチが、近位端、または遠位端、もしくは両方のいずれかの上にあり得る。いくつかの実施形態では、より広いピッチが、近位端、または遠位端、もしくは両方のいずれかの上にあり得る。
【0036】
その完全性を失うことなく/変形することなく、それがシュレム管の中に直線的に押動されることを可能にする剛性を伴うSES。
【0037】
遠位および近位端が開放しているSES。いくつかの実施形態では、SESは、SESの長さに沿った任意の1つまたは複数の点もしくは端部において閉ループを形成するように、ともに溶接される、1つ以上のコイルを有してもよい。いくつかの他の実施形態では、遠位端、近位端、または両端のSESピッチは、コイルがそれ自体の上に戻り、閉ループを形成するように、浅い。いくつかの他の実施形態では、SESの近位端、または遠位端、もしくは両方は、ループを完成させるように、先行または後続のコイルに溶接される。
【0038】
シュレム管が、きつく巻装されたコイルによって圧潰され、それによって、きつく巻装されたコイルを通して、かつ1つまたは複数のきつく巻装された部分の長さを辿って、シュレム管と小柱網との間の流動を可能にするように、SESの一方の端部または両方の端部が、きつく巻装される、SES。
【0039】
管壁に係留するための種々の穿孔および延在部から成る、SES。
【0040】
急速な交換、再配置、または除去を可能にするための複数の穿孔もしくは特徴を備える、SES。
【0041】
術前測定を通した患者特有のIOPに基づいて設計および選択されるSES。
【0042】
より良好な係留および移動の防止を可能にするための隆起、くぼみ等を含む、周辺円周上の不規則性を伴って設計されるSES。
【0043】
別のSESを患者のシュレム管内に位置付けることと同一の手術手技で埋め込まれるSES。
【0044】
掃引を10~360度変動させるように設計されるSES。加えて、SESは、1~10の複数の連続または不連続掃引を有してもよい。
【0045】
拡張の形状および流動の量ならびに方向を制御するために、管内の種々の定寸とともに複数で使用されるSES。
【0046】
SESが、年齢、人種、人口統計、遺伝性素因、管寸法、シュレム管寸法、眼圧(IOP)測定、眼の解剖学的差異、および患者または動物に特有の他の要因を含む、具体的患者もしくは動物のためにカスタマイズされ得る、SES。
【0047】
SESが、安全で容易な移転、再配置、または除去のために、SESの操作特徴を調節することに応じて、収縮および/または延長するようにカスタマイズされ得る張力リングである、SES。
【0048】
送達システムの中に格納および装填される、調節可能な自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)実施形態であって、いったん展開されると、格納された実施形態は、跳開し、その形状記憶を伴って形状をとり、管壁の内側または外側にあり、管直径よりも大きい、1つもしくは複数の張力または捻転リングを形成し、任意の動物の身体内のシュレム管の前もって圧縮された管の間の分離を提供するであろう。バルーンカテーテルまたは切開カニューレが、シュレム管の拡大を可能にし、SESが容易に展開されることを可能にするように、SESの展開に先立って展開されてもよい。
【0049】
SESが、管壁を穿刺し、それを係留して、管壁の外側から拡張された状態で保ち得る、鋭い前縁またはカニューレを有する、SES。
【0050】
SESが、SESの後続の操作を可能にするように管壁の内側に係留される操作特徴を有する、SES。
【0051】
SESが、外部エネルギー(電気、機械、熱、RF、光等)を使用して、SESの温度を操作することによって、収縮(またはより小型の)状態で送達され得る、SES。
【0052】
SESの形状を改変(収縮または拡張)し、挿入または回収手技を、低侵襲性、反応が良い、および操作し/取り扱いやすいものの両方にし得るように、その温度がエネルギー源(電気、機械、熱、RF、光等)を通して外部から制御され得る、挿入ツールによって操作され得る、調節可能な自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)実施形態。
【0053】
押出金属またはプラスチック管類から成り、それによって、SESが格納状態であり、いったんSESが所望の場所に展開されると、SESがその形状記憶および構成を伴って形状をとる、SES。
【0054】
押出金属またはプラスチック管類から成り、それによって、押出金属またはプラスチック管類が、SES展開において参照点としての役割を果たすように、測定マーカを印刷される、SES。
【0055】
シュレム管の開放およびSESを正確に展開して位置付けるための管切開/開口部からの係留を促進し得る、カニューレおよび/またはバルーンを遠位端に伴うSES。
【0056】
ユーザが、送達デバイスによって誘導されるにつれて遠位シャフトに向かって増分的に前進されていることを感じ得る、SES。展開機構が、デバイスのハンドルから運搬されることができる。展開機構は、前進が事前判定された測定場所に基づいて測定されるように、作られることができる。
【0057】
SESが、1~6個のSES等の事前判定された計数を含有するカートリッジ内に格納され、単一のSESが、SES送達システムのハンドルからのトリガ機構を介してカートリッジから個別に分注される、ステープラ型デバイス。
【0058】
複数のカートリッジの中に事前装填されたSESを有し、単一の手技において全てのSESの展開を可能にし、必要とされる時間を最小限にする、SES送達システム。
【0059】
プッシャカテーテル・シャフト/管類を介して手動で、または機械的に駆動される、すなわち、ステープルである、もしくは所望の場所まで電気機械的に送達される、および/またはエネルギー駆動型である、すなわち、無線周波数もしくは電子信号のいずれかであり得る、SES送達システム。
【0060】
再配置または除去が所望される場合において、SESが圧縮し、システムの中に引き込まれることを可能にし得る、SES回収システムを使用して、容易な捕捉を可能にするためのループ、フック、またはアイレット等の特徴を有し得る、SES。
【0061】
SESは、線形または8の字形に戻るように実施形態を圧縮もしくは再折畳することによって引き出され、完全に引き出されるか、または再配置されるかのいずれかであり得る。
【0062】
(31.)SESは、SESの操作特徴を捕捉し、トラック/ガイドに再巻装することによって引き出されることができる。
【0063】
操作特徴を捕捉し、外部エネルギーを使用してSESの温度を操作することによってSESを収縮させることによって、引き出され得る、SES。
【0064】
フルオロポリマーおよびシリコーン等を含む、ポリマーコーティングを有する、SES送達システムおよびSES回収システム。コーティングはまた、シールし、経時的に凝固、残渣蓄積、または分解を防止するために使用されてもよい。
【0065】
SESが、SESの軸と整合したSESの両方の区分を保持するためのツールおよび/または機構を使用して、展開されることができる。その後、SESは、展開軸と垂直にSESを旋回させることによって再配置される。
【0066】
シュレム管空間のバイオメトリに基づくカスタマイズされた定寸を伴うSES。シュレム管は、具体的患者の必要性のために要求されるSESサイズのカスタマイズされた適合を判定するように、種々の定性的または定量的測定ツールを使用して、術前走査として測定または撮像されてもよい。シュレム管寸法、シュレム管角度、断面積(CSA)を含む、バイオメトリック測定が、患者の具体的な生理学的および解剖学的必要性に適合するようにSES設計を判定ならびにカスタマイズするために、使用されてもよい。
【0067】
眼圧読取値および眼のバイオメトリに基づくカスタマイズされた定寸を伴うSES。IOPは、具体的患者の必要性またはIOPの要求される低減のために要求されるSESサイズのカスタマイズされた適合を判定するために、使用されることができる。
【0068】
患者が老化するにつれて、かつ管およびシュレム管が生理学的変化を受けるにつれて、SESは、変化する必要性に適合するように(他のサイズまたは引張強度と)置換されてもよい。
【0069】
近位端と、遠位端と、その間の体液の流動を促進するように構成される、その間の通路とを備える、自己拡張式形状記憶部材を備える、眼内のブドウ膜リンパ管領域またはシュレム管の開存性を維持するためのデバイスであって、形状記憶部材はさらに、近位端と遠位端との間に複数の部分的または完全なループを備え、形状記憶部材は、中心部分と、側方部分とを備え、中心部分は、第1の直径を備え、側方部分は、第2の直径を備え、第1の直径は、第2の直径と等しくなく、形状記憶部材はさらに、第2の半径方向に拡大された構成に変換可能な第1の半径方向に圧縮された構成を備える、デバイス。
【0070】
第1の直径が、第2の直径よりも大きい、そのようなデバイス。
【0071】
第1の直径が、第2の直径よりも小さい、そのようなデバイス。
【0072】
中心部分が、中心部分の全長の全体を通して、概して一定の第1の直径を有する、
そのようなデバイス。
【0073】
側方部分が、中心部分の全長の全体を通して、概して一定の第2の直径を有する、
そのようなデバイス。
【0074】
デバイスの隣接しないループが、直接隣接するループを介して相互に接続されるのみである、そのようなデバイス。
【0075】
形状記憶部材が、約0.0005インチ~約0.050インチの直径を有する、そのようなデバイス。
【0076】
形状記憶部材が、非円形断面を有し、断面が、長軸および短軸を有し、短軸寸法が、約0.0005インチ~約0.050インチである、そのようなデバイス。
【0077】
デバイスの曲率半径が、球体内のブドウ膜リンパ管の曲率半径のものに合致する、そのようなデバイス。
【0078】
デバイスの曲率半径が、管の内向きまたは外向きの反りを有し得る、そのようなデバイス。
【0079】
デバイスの近位端が、0.0005インチ~約0.050インチのピッチ寸法を有し得る、そのようなデバイス。
【0080】
デバイスの遠位端が、0.0005インチ~約0.050インチのピッチ寸法を有し得る、そのようなデバイス。
【0081】
デバイスの本体が、0.0005インチ~約0.050インチのピッチ寸法を有し得る、そのようなデバイス。
【0082】
デバイスの近位および/または遠位端が、本体と比較してより小さいピッチを有し得る、そのようなデバイス。
【0083】
デバイスの近位および/または遠位端が、閉ループが終了するものと同一の平面内で終端するコイルを有し得る、そのようなデバイス。
【0084】
デバイスの近位および/または遠位端が、機械的、化学的、または電気化学的方法を介して研磨され得る、そのようなデバイス。
【0085】
デバイスの近位および/または遠位端が、ループを完成させるように先行または後続のコイルに溶接され得る、そのようなデバイス。
【0086】
シュレム管が、きつく巻装されたコイルによって圧潰され、それによって、きつく巻装されたコイルを通して、かつ1つまたは複数のきつく巻装された部分の長さを辿って、シュレム管と小柱網との間の流動を可能にするように、デバイスの一方の端部または両方の端部が、きつく巻装される、そのようなデバイス。
【0087】
近位端および遠位端のうちの少なくとも1つに近接して1つ以上の操作特徴をさらに備える、そのようなデバイス。
【0088】
1つ以上の操作特徴が、アイレット、フック、およびループから成る群から選択される、そのようなデバイス。
【0089】
1つ以上の操作特徴が、アイレット、フック、およびループから成る群から選択される、そのようなデバイス。
【0090】
操作特徴が、管の中への係留のために使用される、そのようなデバイス。
【0091】
形状記憶部材が、眼の中への制御された吸収を伴う生分解性ポリマーから成る、そのようなデバイス。
【0092】
形状記憶部材が、眼の中への制御された放出のために、表面上にコーティングされる、またはバルクの中に埋め込まれる、薬物溶出部材を備える、そのようなデバイス。
【0093】
形状記憶部材が、疎水性コーティングを備える、そのようなデバイス。
【0094】
形状記憶部材が、親水性コーティングを備える、そのようなデバイス。
【0095】
近位端が、管壁を穿刺し、管壁自体の中に係留し、それを管壁の外側から拡張された状態で保つように構成される、鋭縁を備える、そのようなデバイス。
【0096】
形状記憶部材が、係留および/または移動の防止を助長するように構成される、表面不規則性を備える、そのようなデバイス。
【0097】
表面不規則性が、隆起、粗面、細孔、およびくぼみのうちの1つ以上を備えるそのようなデバイス。
【0098】
約1~約100個の部分的または完全なループを備える、そのようなデバイス。
【0099】
デバイスが、入口または出口に、もしくはデバイスの長さに沿って、前房に/から管の中または外に、迂回および/または拡大特徴を有する、そのようなデバイス。
【0100】
デバイスが、入口または出口に、もしくはデバイスの長さに沿って、前房に/から管の中または外に、房水流のための前房の中への迂回特徴を有する、そのようなデバイス。
【0101】
デバイスが、迂回および/または拡大特徴が所望されるある区分に、入口または出口に、もしくはデバイスの長さに沿って、前房に/から管の中または外に、伸長直径を有する、そのようなデバイス。
【0102】
デバイスが、管内の集合管の遮断を回避するように、蛍光または画像誘導を使用して埋め込まれ得る、そのようなデバイス。
【0103】
デバイスが、管内で自己拡張し、開存性を維持するように種々の構成に成形されるワイヤであり得る、そのようなデバイス。
【0104】
デバイスが、管内で必要とされ得る要求張力に適応するように、外径、ピッチ、ワイヤ直径、および形状において具体的寸法であり得る、そのようなデバイス。
【0105】
選択的患者集団群のための有限要素モデル化によって支援される、そのようなデバイス。
【0106】
デバイスが、連続または不連続様式でデバイスの長さに沿ってポリマーシースを有する、そのようなデバイス。
【0107】
そのようなデバイスと、外側シースと、内側部材とを備える、デバイスチャネルを備える、送達ツールとを備える、送達システムであって、本デバイスは、内側部材と外側シースとの間に配置されるように構成され、送達ツールは、デバイスチャネル内にデバイスを可逆的に係止するように構成される、係止部材を備える、送達システム。
【0108】
送達が、前房の内側、または結膜下領域もしくは縁領域または強膜領域から眼の外側の角度からアクセスされ得る、そのような送達システム。
【0109】
低侵襲様式で管にアクセスするように、染色または可視化を用いて支援される、そのような送達システム。
【0110】
送達ツールが、スコープまたは可視化を備える、そのような送達システム。
【0111】
送達ツールが、デバイスの送達を制御するための加圧システムを有する、そのような送達システム。
【0112】
送達ツールが、シリンジに取り付けられる、そのような送達システム。
【0113】
送達ツールが、送達の前、間、および後にデバイスの状態を操作するための温度制御を有する、そのような送達システム。
【0114】
内側、外側部材、およびデバイスが、スライダまたはプランジャを使用して制御され得る、そのような送達システム。
【0115】
内側、外側部材、およびデバイスが、捻転または軸方向接触ボードを使用して制御され得る、そのような送達システム。
【0116】
内側、外側部材、およびデバイスが、捻転または軸方向接触ローラを使用して制御され得る、そのような送達システム。
【0117】
部材が、ブドウ膜リンパ導管または管に進入するために要求される切開を提供し得る、そのような送達システム。
【0118】
それが、デバイスの送達において摩擦を低減させるためのアンコイラチャネルを有し得る、そのような送達システム。
【0119】
それが、デバイスを事前緊締する、または巻き上げ得る、そのような送達システム。
【0120】
それが、圧電または振動モータによって給電され得る、そのような送達システム。
【0121】
それが、ガイドワイヤを使用し、デバイスを送達し得る、そのような送達システム。
【0122】
それが、ガイドワイヤを使用し、デバイスを再配置する、または後退させ得る、そのような送達システム。
【0123】
拡張可能部材を使用して、患者におけるブドウ膜リンパ管またはシュレム管を拡張することと、複数の巻線を備える、形状記憶部材から成る少なくとも1つのデバイスを、シュレム管の管内で半径方向に拡張し、シュレム管の直径を拡張することであって、少なくとも1つのデバイスは、より大きい直径部分と、より小さい直径部分とを備え、より大きい直径部分は、シュレム管の開存性を維持するために十分なシュレム管に対する半径方向力を提供する、ことと、送達ツールから少なくとも1つのデバイスの操作特徴を係止解除することとを含む、患者において緑内障を治療する方法。
【0124】
拡張可能部材が、バルーンを備える、そのような方法。
【0125】
複数のデバイスを半径方向に拡張することを含む、そのような方法。
【0126】
複数のデバイスが、半径方向に順次拡張される、そのような方法。
【0127】
複数のデバイスが、種々のサイズおよび/または形状を備える、そのような方法。
【0128】
シュレム管から送達ツールを除去することをさらに含む、そのような方法。
【0129】
送達ツールが、デバイスチャネルと、外側シースと、内側部材とを備える、スコープを備え、デバイスが、送達の間に、内側部材と外側シースとの間で半径方向に圧縮された構成において配置される、そのような方法。
【0130】
デバイスに対して外側シースを軸方向に移動させ、デバイスが半径方向に拡張することを可能にすることをさらに含む、そのような方法。
【0131】
シュレム管の管内で少なくとも1つのデバイスを半径方向に拡張することに続いて、デバイスの表面積全体の約25%以下が、シュレム管内の房水流に暴露される、そのような方法。
【0132】
形状記憶部材が、約0.050インチ未満の最大直径を有する、そのような方法。
【0133】
デバイスが、いったん埋め込まれると、シュレム管の外側に軸方向に延在しない、そのような方法。
【0134】
エネルギーを少なくとも1つのデバイスに送達し、デバイスのサイズおよび/または変換することをさらに含む、そのような方法。
【0135】
少なくとも1つのデバイスが、患者のシュレム管のバイオメトリに基づいてカスタム生成される、そのような方法。
【0136】
少なくとも1つのデバイスが、術前画像、シュレム管寸法、シュレム管断面積、シュレム管周界のうちの1つ以上から選択される、測定された患者パラメータに基づいてカスタム生成される、そのような方法。
【0137】
少なくとも1つのデバイスが、測定された患者術前眼圧IOPおよびIOPの所望の調整に基づいてカスタム生成される、そのような方法。
【0138】
拡張可能部材を使用して、患者におけるブドウ膜リンパ管またはシュレム管を拡大または迂回することと、複数の巻線を備える、形状記憶部材から成る少なくとも1つのデバイスを、シュレム管内で、またはそれを横断して半径方向に拡張し、シュレム管の直径の中への迂回および/または拡張を提供することであって、少なくとも1つのデバイスは、より大きい連続直径部分と、より小さい直径部分とを備え、より大きい直径部分は、シュレム管の開存性を維持するために十分なシュレム管に対する半径方向力を提供する、ことを含む、患者において緑内障を治療する方法。
【0139】
デバイスが、入口または出口に、もしくはデバイスの長さに沿って、前房に/からシュレム管の中または外に、迂回および/または拡大特徴を有する、そのような方法。
【0140】
デバイスが、入口または出口に、もしくはデバイスの長さに沿って、創傷および/または切開において前房に/からシュレム管の中または外に、迂回特徴を有する、そのような方法。
【0141】
デバイスが、入口または出口に、もしくはデバイスの長さに沿って、創傷および/または切開において前房から離れるようにシュレム管の同一の周辺面に沿って、迂回特徴を有する、そのような方法。
【0142】
シュレム管が、きつく巻装されたコイルによって圧潰され、それによって、きつく巻装されたコイルを通して、および/または1つもしくは複数のきつく巻装された部分の長さを辿って、シュレム管と小柱網との間の流動を可能にするように、デバイスの一方の端部または両方の端部が、きつく巻装される、そのような方法。
【0143】
管と小柱網との間の流動が、きつく巻装されたコイルを通して、および/または1つもしくは複数のきつく巻装された部分の長さを辿って、可能にされるように、デバイスの一方の端部または両方の端部が、管の壁を通して小柱網の中に突出する、1つまたは複数の巻装された部分である、そのような方法。
【0144】
デバイスが、連続または不連続様式でデバイスの長さに沿ってポリマーシースを有する、そのような方法。
【0145】
シュレム管およびシュレム管の管内に常駐する前もって埋め込まれたデバイスに近接してエフェクタツールを送達することであって、前もって埋め込まれたデバイスは、複数の巻線を備える、1つ以上の形状記憶部材を備え、巻線は、可変内径を伴う管を形成し、デバイスは、シュレム管の管の開存性を維持する、ことと、前もって埋め込まれたデバイスの操作特徴をエフェクタツールと接触させることと、少なくとも1つのデバイスの操作特徴を係止することと、デバイスを除去または再配置することとを含む、患者における緑内障を治療するためのデバイスを再配置または除去する方法。
【0146】
エフェクツールから操作特徴にエネルギーを送達し、デバイスのサイズおよび/または形状を変化させることをさらに含む、そのような方法。
【0147】
操作特徴が、フック、ループ、磁石、または、ねじ山付き特徴を備える、そのような方法。
【0148】
操作特徴が、フック、ループ、磁石、またはねじ山付き特徴を備える、そのような方法。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【
図1】
図1は、シュレム管またはブドウ膜リンパ導管の場所を示す標識を伴う眼の等角スケッチを図示する。
【0150】
【
図2】
図2は、後房毛様体から小柱網まで、およびシュレム管の中への房水流を示す標識を伴う眼の断面スケッチを図示する。
【0151】
【
図3A】
図3Aは、シュレム管の場所が明確に標識された、ヒトの眼の断面染色顕微鏡写真を示す。
【0152】
【
図3B】
図3B-3Dは、房水流出が生じる様子を含む、ブドウ膜リンパ導管の詳細な発育細胞概略図を示す。
【
図3C】
図3B-3Dは、房水流出が生じる様子を含む、ブドウ膜リンパ導管の詳細な発育細胞概略図を示す。
【
図3D】
図3B-3Dは、房水流出が生じる様子を含む、ブドウ膜リンパ導管の詳細な発育細胞概略図を示す。
【0153】
【
図4A】
図4Aは、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管を拡大する、螺旋形態の自己拡張式眼ステント(SES)デバイスの変異型を伴う眼の等角スケッチを図示する。
【0154】
【
図4B】
図4BおよびCは、軸方向に拡張および収縮された構成における操作特徴ならびに張力リングを伴う螺旋形態のSESデバイスの変異型を図示する。
【
図4C】
図4BおよびCは、軸方向に拡張および収縮された構成における操作特徴ならびに張力リングを伴う螺旋形態のSESデバイスの変異型を図示する。
【0155】
【
図5】
図5Aおよび5Bは、操作特徴および張力リングを伴う螺旋形態の自己拡張式眼ステント(SES)デバイスの変異型を含有する。
図5Aは、張力リングの中心部分が周辺端よりも直径において大きい、SESデバイスの変異型を含有する。
図5Cは、張力リングの中心部分が周辺端よりも直径において小さい、SESデバイスの変異型を含有する。
【0156】
【
図6A】
図6Aは、デバイスが複数の張力リングを保持する構造特徴によって接続される、自己拡張式眼ステント(SES)デバイスの変異型を図示する。
【0157】
【
図6B】
図6Bは、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管を拡張する、本SESデバイスの変異型を図示する。
【0158】
【
図7A】
図7Aは、デバイスが操作特徴を伴う単一の張力リングである、自己拡張式眼ステント(SES)デバイスの変異型を図示する。
【0159】
【
図7B】
図7Bは、管内の複数の場所でブドウ膜リンパ導管またはシュレム管を拡張する、本SESデバイスの変異型を図示する。
【0160】
【
図8A】
図8Aおよび8Bは、デバイスが入口迂回特徴および操作特徴を伴って可変ピッチを有する、自己拡張式眼ステント(SES)デバイスの変異型を図示する。
【
図8B】
図8Aおよび8Bは、デバイスが入口迂回特徴および操作特徴を伴って可変ピッチを有する、自己拡張式眼ステント(SES)デバイスの変異型を図示する。
【0161】
【
図8C】
図8Cは、迂回特徴が管壁内にある、またはそれを通している間に、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管を拡張する、本SESデバイスの変異型を図示する。
【0162】
【
図9A】
図9A-9Dは、デバイスが二重入口迂回特徴および操作特徴を伴って可変ピッチを有する、SESデバイスの変異型を図示する。
【
図9B】
図9A-9Dは、デバイスが二重入口迂回特徴および操作特徴を伴って可変ピッチを有する、SESデバイスの変異型を図示する。
【
図9C】
図9A-9Dは、デバイスが二重入口迂回特徴および操作特徴を伴って可変ピッチを有する、SESデバイスの変異型を図示する。
【
図9D】
図9A-9Dは、デバイスが二重入口迂回特徴および操作特徴を伴って可変ピッチを有する、SESデバイスの変異型を図示する。
【0163】
【
図9E】
図9Eは、いずれか一方の端部における迂回特徴が管壁内にある、またはそれを通している間に、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管を拡張する、本SESデバイスの変異型を図示する。
【0164】
【
図10】
図10A-10Fは、デバイスがSESの螺旋コイルの自由長に沿って可変ピッチを有する、SESデバイスの変異型を図示する。
【0165】
【
図11】
図11A-11Jは、デバイスがSESの螺旋コイルの自由長に沿って可変形状およびサイズを有する、SESデバイスの変異型を図示する。
【0166】
【
図12】
図12は、操作特徴が、フック・ループがSESを再配置または回収することを可能にする、SESデバイスの変異型を図示する。
【0167】
【
図13】
図13Aおよび13Bは、螺旋コイルが、入口または出口において、もしくはSESの長さを通してポリマーシースを有し、管の中への流動の調整を可能にする、SESデバイスの変異型を図示する。
【0168】
【
図14】
図14は、デバイスが操作特徴を伴う二重螺旋コイルである、SESデバイスの変異型を図示する。
【0169】
【
図15】
図15は、SES直径および長さの関数として、房水流の相関(故に、眼圧またはIOPの変化)を実証するグラフを図示する。
【0170】
【
図16A】
図16Aは、形状記憶合金およびポリマー材料から作製されたSESデバイスの写真画像である。
【0171】
【
図16B】
図16Bおよび16Cは、適切に拡大されたブドウ膜リンパ導管内で原位置にあるSESデバイスの写真画像である。
【
図16C】
図16Bおよび16Cは、適切に拡大されたブドウ膜リンパ導管内で原位置にあるSESデバイスの写真画像である。
【0172】
【
図17】
図17は、ブドウ膜リンパ導管の中へのSESデバイスの可能性として考えられる挿入の種々の場所のためのインデックスを伴う、眼の断面図を図示する。
【0173】
【
図18】
図18A-18Cは、ひいては、SESデバイスを収納する、内側カニューレを収納する、外側カニューレを含有する、SES送達デバイスの変異型を図示する。カニューレおよびデバイスを移動させるためのスライダが、強調表示される。
【0174】
【
図19】
図19A-19Cは、内側および外側カニューレを使用してブドウ膜リンパ導管にアクセスする、原位置にあるSES送達デバイスの変異型を図示する。内側カニューレからのSESデバイス送達もまた、示される。
【0175】
【
図20】
図20は、陽圧システムを利用し、SESデバイスの前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイスの変異型を図示する。
【0176】
【
図21】
図21は、陽圧システムを利用し、SESデバイスの前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイスの変異型を図示する。
【0177】
【
図22】
図22Aおよび22Bは、フェザーボードに類似する多重接触システムを利用し、SESデバイスの前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイスの変異型を図示する。
【0178】
【
図23】
図23Aおよび23Bは、SESデバイスに選択的に取り付けられ/取り外され得る先導ガイドワイヤを利用し、SESデバイスの前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイスの変異型を図示する。
【0179】
【
図24】
図24A-24Cは、ガイドワイヤを利用し、SESデバイスの前進、展開、および後退を制御する、SESデバイスおよび送達システムの変異型を図示する。
【0180】
【
図25A】
図25Aは、デバイスの長さに沿った広いピッチおよびより緊密に仕上げられた閉ループ端を伴う曲線状の電解研磨されたSESデバイスの変異型を図示する。
【0181】
【
図25B】
図25Bおよび25Cは、それぞれ、近位および遠位端のより接近した図を図示する。
【
図25C】
図25Bおよび25Cは、それぞれ、近位および遠位端のより接近した図を図示する。
【0182】
【
図26A】
図26Aは、ブドウ膜リンパ管内の原位置にある曲線状の電解研磨されたSESデバイスの変異型を図示する。
【0183】
【
図26B】
図26Bは、近位端が、流体流のための迂回を生成するようにチャネルを横断して前房の中に延在された、ブドウ膜リンパ管内の原位置にある曲線状の電解研磨されたSESデバイスの変異型を図示する。
【0184】
【
図26C】
図26Cは、近位端が、圧潰された創傷開口部および流体流のための迂回を生成するようにチャネルと同一の平面に沿って延在された、ブドウ膜リンパ管内の原位置にある曲線状の電解研磨されたSESデバイスの変異型を図示する。
【0185】
【0186】
【
図27】
図27は、SESを展開するためのスライド挿入型デバイスの変異型およびそのような送達システムの詳細な分解図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0187】
(発明の詳細な説明)
いくつかの要因は、前の節に議論されるような緑内障の発症および進行に影響を及ぼす。房水排出が生じる重要な領域は、ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管内にある。本領域が、遮断または収縮されるとき、浮腫または眼圧の上昇を含む、炎症のカスケード効果を生成する。ブドウ膜リンパ導管またはシュレム管のための迂回流を拡大および/または生成することが、眼のリンパ機能を回復し、故に、眼圧を調整する、房水の連続的な調整されたクリアランスを可能にする。
【0188】
本明細書に開示されるものは、シュレム管の直径および開口部を調節するように構成され得る、調節可能な自己拡張式眼ステント(SES)または可逆的眼張力リング(ETR)実施形態である。SESは、シュレム管400等のブドウ膜リンパ導管の少なくとも一部の開存性を維持または改善するように構成される、管状部材を含む、種々の概して補綴デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイスが、他のブドウ膜領域ではなく、シュレム管の開存性を改善することができる。
【0189】
本明細書に開示されるものは、バルーン技法、拡張可能デバイス(例えば、支柱を伴う可動ケージ)等の拡張可能部材を使用して、固定された管、または調節可能な自己拡張式眼ステント(SES)、もしくは可逆的眼張力リング(ETR)401を含む、補綴デバイスを展開するための方法である。いくつかの実施形態では、SESまたはカニューレのための送達デバイスの前縁は、SES401が折畳状態で送達され得るように、入口切開402を生成することができる。いったん管400の内側に来ると、SES401は、
図4Aに示されるように、完全に展開され、原位置で伸びることができる。SES401は、ブドウ膜リンパ導管に/から、およびその内側で調節、再配置、ならびに回収するために使用され得るように、1つ以上の操作特徴403を含有してもよい。いくつかの実施形態では、SES401の展開は、ばね荷重プランジャまたはねじ山付きねじ型ツールによって制御されることができる。SES401のいくつかの実施形態は、係留する、または拡張され、圧潰から離れた状態で管を保つように、バルーン拡張管の中に展開されることができる。いくつかの実施形態では、複数のSES401が、管400内の種々の場所で展開され、管の長さに沿った制御された拡大および/または管内の流体の迂回を通して、流動の調整を可能にすることができる。
【0190】
本明細書に開示されるものは、SES401等のデバイス内に含有される操作特徴403である。いくつかの実施形態では、SES401は、必要とされる場合/とき、SES401の容易な係留、捕捉、再整合、再配置、および除去を可能にするための返し、溝、またはループ等の1つ、2つ、もしくは多くの操作特徴403を含むことができる。操作特徴は、軸上または外にあり、管壁の内側もしくは外側にあり、管壁に対して貫通または非貫通型であり得る。いくつかの実施形態におけるSES内の操作特徴の1つの主要側面は、手技の可逆性のための制御を可能にすることである。
【0191】
本明細書に開示されるものは、可逆性または再配置が所望される場合において、SES401を含む、補綴デバイスを除去する種々の方法である。いくつかの実施形態では、低侵襲回収デバイスが、
図4Bに示されるように、SES401内の操作特徴403と連結する特徴を伴う回収ワイヤを含有することを介して、展開されることができる。いくつかの実施形態では、操作特徴403は、フック・ループ、フック・フック、またはループ・フック型設定を介して、連結されることができる。いくつかの実施形態では、回収または操作特徴403の一方もしくは両方は、補完的磁石、例えば、可動ジョーを含む、グリッパ、接着剤、吸引機構、および同等物を含むことができる。いくつかの実施形態では、回収デバイスは、SES401をデバイス内のトラックまたはねじ山付き特徴に巻き込んでもよい。403への挿入、係留/接続、およびSES401の除去は全て、ある場合には、デバイスの(本体の外側の)外部制御によって実施されてもよい。
【0192】
本明細書に開示されるものは、SESの近位または遠位端に1つもしくは複数の操作特徴403を伴うワイヤ形態のSES401等の補綴デバイスの実施形態である。
図4Bは、そのような実施形態の種々の図を図示する。操作特徴は、例えば、他の実施形態では半径方向内向きまたは外向きに延在するアイレット403、もしくは本明細書の他の場所に開示されるような他の特徴であり得る。
【0193】
本明細書に開示されるものは、SESの近位または遠位端に1つもしくは複数の操作特徴403を伴う平坦または角度付きリボン形態のSES401等の補綴デバイスの実施形態である。例えば、構造は、例えば、卵形または長方形等の扁平断面を伴って、示されるような複数の回転数を伴う略螺旋形であり得る。
図5A-5Cは、張力リング404がSES401の長さに沿って連続的であるが、直径が変動する、SES401の実施形態の種々の図を図示する。他の実施形態では、中心または側方部分のいずれか一方もしくは両方は、漸進的または段階的可変直径を有することができる。アイレットまたは本明細書に開示される他のもの等の操作特徴403は、デバイスの一方または両方の端部において、もしくは他の場所において、取り付けられ、接続され、または一体的に形成され、デバイス自体の残りの部分と同一または異なる材料から作製されることができる。いくつかの実施形態では、より大きい直径の中心部分の拡張された長さおよび/または回転数は、デバイスの拡張された長さ全体および/または回転数のものの約50%、60%、70%、80%、90%、もしくはそれを上回る、またはそれ以下である。
【0194】
本明細書に開示されるものは、シュレム管内に調節可能な可逆的自己拡張式眼ステント(SES)または眼張力リング(ETR)等の補綴デバイスを展開するための方法である。いくつかの実施形態では、SES401の前縁または他の部分が、シュレム管の間に挿入デバイスを使用して挿入されることができる。いくつかの実施形態では、部分的または完全な挿入に応じて、SES401は、定位置まで跳開し、半径方向に拡張された構成を成し、SES401材料の形状記憶性質に起因して、シュレム管を広く開放した状態に保つことができる。いくつかの実施形態では、類似または種々の直径の複数のSES401が、生体構造に応じて、シュレム管内に展開されることができる。いくつかの実施形態は、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれを上回るデバイス、または、例えば、1~10個のデバイス、もしくは2~8個のデバイス等の前述の値のうちのいずれか2つを含む、範囲を含むことができる。各デバイスは、相互に直接隣接して、例えば、相互と接触して、相互と重複して、または離間され、相互に直接接触せずに、もしくはそれらの組み合わせで、設置されることができる。加えて、いくつかの実施形態は、シュレム管内の係留要件に応じて、中心に位置するか、または他の場所に位置付けられるかのいずれかである、SESの他のリングに対してSES401内に1つ、2つ、またはそれを上回る比較的に大きい直径の張力リング404を有してもよい。他の実施形態では、複数のそのようなSES401が、管内に展開されてもよい。いくつかの実施形態では、1つの大型SESが、
図5Aまたは5Bに示されるように、その長さに沿って類似または種々の直径を伴って、シュレム管の長さまたは周界全体を被覆して展開され得る。
【0195】
本明細書に開示されるものは、
図6Aおよび6Bに示されるように、安定性のために接続アンカまたは支持構造600を介して眼張力リング404を接続し得る、SES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。いくつかの実施形態では、類似する連続または別個の様式で接続される、眼張力リング404のうちのいくつかが存在し得る。
【0196】
本明細書に開示されるものは、
図7Aおよび7Bに示されるように、操作特徴403(管400の外側または内側に位置付けられ得る)を伴う不連続独立張力リング404である、SES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。いくつかの実施形態では、これらのSES401は、一度に1つ、または管400内の種々の場所を横断していくつか、挿入されてもよい。
【0197】
本明細書に開示されるものは、
図8Aおよび8Bに示されるように、可変ピッチおよび長さであるSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。SES401は、管を通した房水流および/または管内ならびに管を横断した流体の迂回を調整するための迂回ならびに/もしくは拡大特徴800を有してもよい。本特徴800は、
図8Cに示されるように、管壁の入口にあってもよく、これはまた、管内にSES401デバイスを再配置する、または管から離れるように回収するための操作の容易性とともに、管内にSES401を係留する役割を果たしてもよい。
【0198】
本明細書に開示されるものは、
図9A-9Dに示されるように、可変ピッチおよび長さであるSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。SES401は、管を通した房水流および/または管内ならびに管を横断した流体の迂回を調整するための複数の迂回ならびに/もしくは拡大特徴800および900を有してもよい。これらの特徴800または900は、SESデバイス401の各端部にある、または連続的にデバイス401の長さに沿ってもよい。
図9A-9Dに示されるようなこれらの特徴はまた、
図9Eに示されるように、管内にSES401デバイスを再配置する、または管から離れるように回収するための操作の容易性とともに、管内にSES401を係留する役割を果たしてもよい。加えて、これらの特徴は、管を横断して、かつその内側で流体の進入および流出を制御するための管またはチャネルに類似する、種々の内径901を有してもよい。加えて、進入アクセスまたは迂回特徴800もしくは900は、管の長さに沿ったいくつかの場所(2つ、3つ、4つ、5つ等)にあってもよく、管内に完全に、または部分的もしくは完全に管を横断して前房の中に封入されてもよい。
【0199】
本明細書に開示されるものは、
図10A-10Fに示されるように、SES401の自由長を横断して可変ピッチであるSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。SES401の螺旋コイルのピッチの変動は、SES401の拡大、迂回、係留、および操作を調整ならびにカスタマイズし、房水流およびIOPを調整するために利用されてもよい。
【0200】
本明細書に開示されるものは、
図11A-11Jに示されるように、SES401の自由長を横断して可変ピッチおよび直径ならびに形状であるSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。SES401の自由長に沿った螺旋コイルのピッチおよび直径の変動は、SES401の拡大、迂回、係留、および操作を調整ならびにカスタマイズし、房水流およびIOPを調整するために利用されてもよい。
【0201】
本明細書に開示されるものは、SES401の位置付け、展開、係留、除去,回収、および一般的操作を制御するためのフック、またはC-ループ、もしくはリング、またはアイレット等の一意の形状を有するSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。これらの特徴は、SES401が、SES401の拡大、迂回、係留、および操作を調整ならびにカスタマイズし、房水流およびIOPを調整することを可能にし得る。
【0202】
本明細書に開示されるものは、SES401を横断してポリマーシースを有するSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。
図13Aおよび13Bに示されるような、ある実施形態は、入口、出口、中心、またはSES401の長さの内側の種々のゾーンにおいてSES401のコイルを横断して、もしくは連続的にSESの全長を通して、シースを有してもよい。本シースは、SES401の拡大、迂回、係留、および操作の調整ならびにカスタマイズを可能にし、房水流およびIOPを調整してもよい。ポリマーシースは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、潤滑剤、分解性ポリマー、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、ハイブリッドポリマー等を含む、種々の分解性および非分解性ポリマーから作製されてもよい。ポリマーシースは、SES401の長さおよび直径を横断して連続または不連続であり得る。ポリマーシースは、SES401を構成するベース金属、合金、ポリマーコイルにわたって、鋳造される、成型される、スプレーコーティングされる、浸漬コーティングされる、または他の技法を使用してコーティングされてもよい。
【0203】
本明細書に開示されるものは、ある場合には、遠位に2つの離散端、近位に遊離端を伴わずに連続ループ端を伴う、
図14に示されるような二重螺旋または帰還パターンを形成し得るSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。いくつかの実施形態では、両方がデバイス401の遠位端上の進入面内にある状態で示される、2つの操作特徴403が存在するが、いくつかの実施形態は、例えば、1つのみ、または3つ、4つ、もしくはそれを上回る操作特徴を含み得る。
【0204】
本明細書に開示されるものは、眼圧(IOP)の術前測定を使用し、IOP低減の具体的要件のために、デバイス、例えば、SES直径、長さ、およびピッチをカスタマイズする方法の実施形態である。Yan et al(2016 - Schlemm’s Canal and Trabecular Meshwork in Eyes with Primary Open Angle Glaucoma: A Comparative Study Using High-Frequency Ultrasound Biomicroscopy, PLOS One, 11 (1) https://doi.org/10.1371/journal.pone.0145824)は、IOPへのシュレム管直径の相関を実証している。
図15は、具体的患者のために、所望の流出、したがって、所望のIOP減少に適合するようにSES401設計を判定およびカスタマイズする実施例を示す。ブドウ膜リンパ管内の房水流出は、本導管の拡大の範囲に直接相関し得る。1つまたは複数のカスタマイズされたデバイスが、次いで、製造され、次いで、例えば、別個の手技で埋め込まれることができる。しかしながら、定寸手技および埋込手技は、他の実施形態では、単一の手技に組み合わせられることができる。
【0205】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態で送達され、原位置で意図された形状を留保するように構成されるSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。いくつかの実施形態では、SESは、複数の掃引(回転)を伴って形状が円形であり得る。いくつかの変異型では、SES401は、2~30回の合計掃引(または回転)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、もしくは30回の掃引等の全体的または部分的掃引、もしくは前述の値のうちのいずれか2つを含む範囲を有してもよい。いくつかの実施形態では、ピッチ(各リングの間の分離)は、約0.0001インチ、0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.005インチ、0.01インチ、0.05インチ、0.1インチ等の約0.0001インチ~約0.1インチ、または前述の値のうちのいずれか2つを含む範囲であり得る。本明細書に開示されるものは、例えば、シュレム管の軸長の少なくとも約、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、または約それ以下、もしくは前述の値のうちのいずれか2つを含む範囲等のシュレム管を部分的に、または完全にのいずれかで被覆する実施形態である。ここに示される例証はまた、別個の回収デバイスを使用して、操作、移転、および後退の容易性を可能にする、操作特徴901も実証する。いくつかの実施形態では、埋め込まれたSESは、任意の他のブドウ膜領域の中に軸方向に延在しないであろう。いくつかの実施形態では、埋め込まれたSESは、ブドウ膜または小柱網領域のうちの1つ以上の中に軸方向に延在する。
【0206】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態で送達され、原位置で意図された形状を留保するSES401を含む、補綴デバイスの実施形態である。いくつかの実施形態では、SESは、複数の掃引(回転)を伴って形状が円形であり得る。いくつかの変異型では、SES401は、2~30回の合計掃引(または回転)、全体もしくは部分的掃引を有してもよい。いくつかの実施形態では、ピッチ(各リングの間の分離)は、0.0001インチ~0.1インチであり得る。本明細書に開示されるものは、シュレム管を部分的に、または完全にのいずれかで被覆する実施形態である。ここに示される例証はまた、別個の回収デバイスを使用して、操作、移転、および後退の容易性を可能にする、操作特徴403も実証する。いくつかの実施形態では、SESの中心部分は、中心部分から一方または両方の端部まで徐々に減少する直径を伴って、シュレム管内のより良好な係留を可能にし、シュレム管内の移動を防止するための最も大きい直径を有してもよい。
【0207】
いくつかの実施形態では、補綴デバイスのより大きい直径部分は、平均または最大直径、例えば、より小さい直径部分の平均または最大直径に対して約または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、もしくはそれを上回る、または前述の値のうちのいずれか2つを含む範囲を有することができる。
【0208】
本明細書に開示されるものは、直径、長さ、張力、弾性率等のブドウ膜リンパ管特徴の術前測定を使用し、SES401デバイスをカスタマイズし、チャネルまたは管を横断して、張力、したがって、開存性を適切に提供し、ひいては、要求されるIOP低減を提供する方法の実施形態である。有限要素分析(FEA)およびモデル化が、コイル直径、全体的管/デバイス直径、ピッチ、ピッチの分散、入口および出口寸法等の特徴を含む、SESデバイス401の患者解剖学的定寸を判定するために使用されてもよい。
【0209】
いくつかの実施形態では、SESデバイス401は、ブドウ膜リンパ管の中に直接埋め込まれ、摺動されてもよい。
図16Aは、形状記憶合金およびポリマー材料から作製されたSESデバイスの変異型を図示する。
図16Bおよび16Cは、管/導管を適切に拡大する、ブドウ膜リンパ導管400内の原位置のSESデバイス401を示す。
図16Aに示される変異型は、管/導管の要求される拡大に応じて、利用されてもよい。
【0210】
いくつかの実施形態では、SESデバイス401は、前房1703内、または結膜下領域、もしくは縁領域1702、または強膜領域1704内の眼の外側の角度から、ブドウ膜リンパ管/シュレム管の中に送達されてもよい。
図17は、ブドウ膜リンパ管/シュレム管にアクセスするためのSESデバイスの可能性として考えられる挿入の種々の場所のためのインジケーションを伴う、眼の断面図を図示する。示される1つの場所は、眼の前房の内側の角度1703からである。縁領域1702または強膜1704等の眼の外側の他の場所が、切開を加え、強膜組織の直接下方または下のブドウ膜リンパ管400にアクセスするために利用されてもよい。アクセスは、管の選択的着色または染色によってより容易にされ得る。そのようなアクセスは、送達の安全性および容易性において付加的利益を提供し得る。加えて、角膜領域はまた、第1の切開のための場所として使用されてもよい。
【0211】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。SES401の温度は、SES401の形状を改変(収縮または拡張)し、挿入または回収手技を、低侵襲性、反応が良い、および操作し/取り扱いやすいものの両方にし得るように、その温度がエネルギー源(電気、機械、熱、RF、超音波等)を通して外部から制御され得る、挿入ツールによって、操作(例えば、増加または減少)されることができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、少なくとも最初に、近位または遠位方向にデバイスを軸方向に押動または引動するのではなく、デバイスにトルクを付与する(例えば、捻転させる)ことによって、再配置されることができる。
【0212】
図18A-18Cに開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、送達デバイス1800は、ブドウ膜リンパ導管400にアクセスするための外側カニューレ1801を含有してもよい。外側カニューレ1801は、管にアクセスするように、金属、合金、セラミック、またはポリマー材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態では、外側カニューレ1801は、導管400にアクセスするための切開を提供するための鋭い前縁を有してもよい。いくつかの実施形態では、外側カニューレ1801は、内側カニューレ1802またはSESデバイス401を収納してもよい。いくつかの実施形態では、内側カニューレ1802は、SESデバイスを収納してもよく、内側カニューレは、金属、合金、セラミック、またはポリマー材料から作製されてもよい。
図18は、ひいては、SESデバイス401を収納する、内側カニューレ1802を収納する、外側カニューレ1801を含有する、SES送達デバイス1800の変異型を図示する。カニューレおよびデバイスを移動させるためのスライダ1803および1804が、強調表示される。外側カニューレ1801および内側カニューレ1802の半径は、眼および管400のものに合致し、旋回および前進における妥当性を可能にし得る。
【0213】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、ブドウ膜リンパ導管400にアクセスするための外側カニューレ1801を含有してもよい。
【0214】
図19A-19Cは、外側カニューレ1801を使用してブドウ膜リンパ導管400にアクセスし、内側カニューレ1802を使用してSESデバイス401を送達する、原位置にあるSES送達デバイス2000の変異型を図示する。内側カニューレ1802からSESデバイス401を送達するSESデバイスもまた、示される。
【0215】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、ブドウ膜リンパ導管400にアクセスするための外側カニューレ1801を含有してもよい。
図20は、陽圧システム2001を利用し、SESデバイス401の前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイス2000の変異型を図示する。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、シールされたチャンバ2001内で制御し(圧力を増加または減少させ)、ブドウ膜リンパ導管400の中へのさらにカニューレ1802および1801に沿ったSESデバイス401の移動を制御するためのプランジャ2002を含有してもよい。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、SESデバイス401を内側1802または外側1801カニューレもしくは両方の中により小さい直径に圧縮するための円錐2004等の縮小する周界を伴うチャネルを含有してもよい。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、SESデバイス401の直線移動へのチャンバ2001からの圧力差の高効率変換を提供するためのシールされた領域2005(金属、合金、セラミック、ポリマー、シリコーン、発泡体等)を含有してもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ2001は、圧力制御デバイスを生成するように、液体、ガス、または空気で充填されてもよい。本デバイスは、加えて、外部エネルギー源によって給電されてもよい。いくつかの実施形態では、送達システム2000は、使用の容易性のために、既存のシリンジまたは送達デバイスと噛合するためのユニットとして提供されてもよい。
【0216】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、ブドウ膜リンパ導管400にアクセスするための外側カニューレ1801を含有してもよい。
図21は、陽圧システムを利用し、SESデバイス401の前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイス2000の変異型を図示する。いくつかの実施形態では、送達デバイス2000は、SESデバイス401の直線移動へのチャンバ2101からの圧力差の高効率変換を提供するためのシールされた領域2105(金属、合金、セラミック、ポリマー、シリコーン、発泡体等)を含有してもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ2101は、圧力制御デバイスを生成するように、液体、ガス、または空気で充填されてもよい。本デバイスは、加えて、外部エネルギー源によって給電されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス2000は、送達を制御するためのプランジャまたはスライダ2102を有してもよい。
【0217】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、任意の方向にデバイスを増分的に前進または後退させ得るように、ある点、面積、または平面においてSESデバイス401に接触し得る、種々の接触ボード2201(またはプレートもしくはフェザーボード)を利用してもよい。いくつかの実施形態では、これらの接触ボード2201は、金属、合金、セラミック、ポリマー、シリコーン材料から作製されてもよい。
図22Aおよび22Bは、SESデバイス401の移動を制御するための設定等の代表的スケッチを図示する。
【0218】
本明細書に開示されるものは、低侵襲形態のSES401等の補綴デバイスを前進させる、送達する、位置付ける、再配置する、および/または読み出す方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、SES401デバイスは、SES401デバイスを管400の中に導き得る、先導ガイドワイヤ2301を有してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ2301は、トリガまたは移動を通した外部制御によって、噛合部分2302を用いてSESデバイス401に選択的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ2301は、より小さい外径にSESデバイス401を伸張し、管400内またはその中への送達システムの内側または外側カニューレ内のより容易な移動を可能にし得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ2301は、外部から制御されたトリガ移動であり得る噛合部分2302を使用して、SESデバイス401から取り外される、またはそれに取り付けられるために使用されてもよい。
図23Aおよび23Bは、SESデバイスに選択的に取り付けられ/取り外され得る2302先導ガイドワイヤを利用し、SESデバイス401の前進、展開、および後退を制御する、SES送達デバイス2300の変異型を図示する。
【0219】
本明細書に開示されるものは、部分的または半円形掃引を伴う非螺旋形態で開発され得る、ワイヤ形態のSESデバイス401の変異型である。いくつかの他の実施形態では、ワイヤ形態のSESデバイス401は、管400の縦方向区分に適切にステント留置するための完全または部分的のいずれかの旋回である、掃引を有してもよい。
図24A-24Cは、いくつかのそのような実施形態の説明図および実施例を含有する。
【0220】
本明細書に開示されるものは、SESデバイス401の実施形態である。
図25Aは、デバイスの長さに沿った可変ピッチおよび仕上げられた閉ループ端を伴う曲線状の電解研磨されたSESデバイスを図示する。いくつかの実施形態では、SESデバイスの曲率半径は、球体内のブドウ膜リンパ管周界の曲率に正確に合致するように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、曲率半径はまた、ある程度の張力または付加的拡張を提供し、集合管を通した排出を改善するように設計されてもよい。
図25Bおよび25Cは、それぞれ、近位および遠位端のより接近した図を図示する。いくつかの実施形態では、SESの近位端2501および/または遠位端2502は、デバイスの本体2504と比較して、より緊密なピッチ2503を有し、送達の間にチャネルを横断してより円滑な進行を可能にし、加えて、流体の改善された循環および排出のために眼房の中への迂回として作用してもよい。いくつかの実施形態では、SESの本体は、より広いピッチ2504を有し、房水開存性のために拡大された状態でブドウ膜リンパ管を保つために要求される最少量の材料の平衡を保ってもよい。いくつかの実施形態では、SESは、表面の仕上げを改良するとともに、表面の生体適合性を改良するように、機械的、化学的、電気化学的研磨方法等の研磨方法を介して処理されてもよい。いくつかの実施形態では、SESの端部は、進行の容易性およびより安全な埋込のために、閉ループ2505または他の所望の形状を形成するように、レーザ、熱、マイクロ波、または他のエネルギー源を使用して溶接されてもよい。
【0221】
本明細書に開示されるものは、原位置のSESデバイスの変異型である。
図26Aは、ブドウ膜リンパ管400内の原位置にある曲線状の電解研磨されたSESデバイス401の変異型を図示する。デバイス401の狭ゲージワイヤは、それが管400の周界を横断して集合管2603を遮断しないように防止する。いくつかの実施形態では、SESデバイス401は、デバイスの長さを横断して均等なピッチを有してもよい。
図26Aに示されるようないくつかの他の実施形態では、SESデバイス401は、2つの端部2601および2604に向かったきつく巻装されたピッチと、本体2602に向かったより広いピッチとを有してもよい。本体上のより広いピッチ2602は、集合管のうちのいずれかを遮断することなく、チャネル内の流体の適切な開存性を提供することができる。きつく巻装された端部は、流体流、クリアランスを補助し、眼圧を補助するために、前房からチャネルの中への流体の完全または部分的迂回を提供することができる。(
図26Bに示されるような)いくつかの実施形態では、SESデバイス401は、ブドウ膜リンパ管400内の原位置に常駐し、近位端2601が流体流のための迂回を生成するように創傷2605におけるチャネルを横断して前房の中に延在された状態で、管を拡大してもよい。類似実施形態では、創傷2605および近位端2601は、拡大されたブドウ膜リンパ管400の中に途切れない房水流およびクリアランスを提供し、眼圧を低減させることができる。いくつかの実施形態では、そのような迂回は、デバイスの両端において提供されてもよい。(
図26Cに示されるような)いくつかの実施形態では、SESデバイス401は、ブドウ膜リンパ管400内の原位置に常駐し、管を拡大してもよい一方、近位端2601は、チャネルと同一の平面に沿って延在し、流体流のために圧潰された創傷開口部2605および迂回を生成する。いくつかの実施形態では、そのような迂回は、デバイスの両端において提供されてもよい。
図26Dは、きつく巻装された近位および/または遠位端2061が、創傷2605における管400の中へのアクセスを伴って管400の外側に常駐して見られ得る、近位端迂回変異型の斜視接近図を含有する。狭ゲージワイヤ2602のより広い本体は、集合管2603を遮断しないように示される。
【0222】
本明細書に開示されるものは、SESデバイスを展開する変異型である。
図27は、SESを展開するためのスライド挿入型デバイスの変異型およびそのような送達システムの詳細な分解図を図示する。いくつかの実施形態では、SES送達システムは、摺動作用送達システムを使用してもよい。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、本体2707と、外側または内側カニューレ2701の位置を制御するための位置決めねじ2704、2705とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤまたは編組ワイヤ2702から作製されるプランジャが、SESデバイスを展開、送達、または回収するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ2702は、挿入器本体2707内に入れ子になるスライダ2706を使用して制御され得る、摺動ワイヤ2703を使用して制御されてもよい。
【0223】
本明細書に開示されるものは、SES401等の補綴デバイスを送達する方法の実施形態である。いくつかの実施形態では、シールされた領域を伴う流体圧力が、デバイスを送達するために使用されてもよい。いくつかの他の実施形態では、水平圧縮が垂直運動につながり得る、または逆も同様であるように、フェザーボードもしくはコレット前進装置が、デバイスを送達するために使用されてもよい。いくつかの他の実施形態では、SESデバイス401の形状記憶設定が、ワイヤであるデバイスを送達し、それを管400内の原位置で自己拡張させるために採用されてもよい。いくつかの他の実施形態では、送達デバイスは、ベクトルを改良し、SESデバイス401の送達において摩擦を低減させるためのアンコイラチャネルを有してもよい。いくつかの他の実施形態では、SESデバイス401は、事前緊締刺され、または巻き上げられ、本状態で送達されてもよく、管400内の原位置で弛緩し、伸びる、または拡張してもよい。いくつかの実施形態では、捻転または軸方向ローラが、管400内の原位置にある送達デバイスのカニューレ内でSESデバイス400を送達するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロモータを用いた圧電振動および振動が、SESデバイスを送達するために使用されてもよい。
【0224】
本明細書に開示されるものは、シュレム管生理学の術前測定を使用し、具体的要件のために、デバイス、例えば、SESをカスタマイズする方法の実施形態である。光学顕微鏡検査、超音波検査、蛍光透視法、近赤外線撮像、CTスキャン、CSA(断面積)、直径の測定等の撮像技法が、患者の具体的な生理学的および解剖学的必要性に適合するようにSES401設計を判定ならびにカスタマイズするために、前治療技法で利用されることができる。1つまたは複数のカスタマイズされたデバイスが、次いで、製造され、次いで、例えば、別個の手技で埋め込まれることができる。しかしながら、定寸手技および埋込手技は、他の実施形態では、単一の手技に組み合わせられることができる。
【0225】
上記に開示される実施形態の具体的特徴および側面の種々の組み合わせまたは副次的組み合わせが、成され、依然として、本発明のうちの1つ以上に該当し得ることが検討される。さらに、実施形態に関連する任意の特定の特徴、側面、方法、性質、特性、品質、属性、要素、または同等物の本明細書の開示は、本明細書に記載される全ての他の実施形態で使用されることができる。故に、開示される実施形態の種々の特徴および側面は、開示される発明の種々の様態を形成するために、相互と組み合わせられる、または代用され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される本発明の範囲は、上記に説明される特定の開示される実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。さらに、本発明は、種々の修正および代替形態の影響を受け得るが、その具体的実施例が、図面に示されており、本明細書に詳細に説明される。しかしながら、本発明は、開示される特定の形態または方法に限定されるものではなく、反対に、本発明は、説明される種々の実施形態および添付の請求項の精神ならびに範囲内に該当する、全ての修正、均等物、および代替物を網羅するものであることを理解されたい。本明細書に開示される任意の方法は、列挙される順序で実施される必要はない。本明細書に開示される方法は、実践者によって講じられるあるアクションを含むが、しかしながら、それらはまた、明示的に、または暗示によってのいずれかで、それらのアクションの任意の第三者指示を含むこともできる。例えば、「シュレム管の遠位端に近接してSESを挿入すること」等のアクションは、「シュレム管の遠位端に近接してSESを挿入することを指示すること」を含む。本明細書に開示される範囲はまた、そのありとあらゆる重複、部分範囲、および組み合わせも包含する。「最大」、「少なくとも」、「を上回る」、「未満」、「の間」、および同等物等の用語は、列挙される数字を含む。本明細書で使用されるような「およそ」、「約」、および「実質的に」等の用語によって先行される数字は、列挙される数字を含み、また、依然として所望の機能を実施する、または所望の結果を達成する、記述される量に近い量を表す。例えば、用語「およそ」、「約」、および「実質的に」は、記述される量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満である量を指し得る。
【国際調査報告】