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特表2022-540209導電部材およびその製造方法、光起電モジュールおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】導電部材およびその製造方法、光起電モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20220907BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501210
(86)(22)【出願日】2020-05-09
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2020089307
(87)【国際公開番号】W WO2021004146
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】201910616823.X
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513114191
【氏名又は名称】シーエスアイ セルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CSI CELLS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】199 Lushan Road, SND Suzhou, Jiangsu 215129 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】522010945
【氏名又は名称】カナディアン ソーラー マニュファクチャリング (チャンシュー) インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANADIAN SOLAR MANUFACTURING (CHANGSHU) INC.
【住所又は居所原語表記】Yangyuan Changsheng Road, Xinzhuang Town, Changshu, Suzhou City Suzhou, Jiangsu 215562 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】522010956
【氏名又は名称】シーエスアイ ソーラー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CSI SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】199 Lushan Road, SND Suzhou, Jiangsu 215129 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ドン シフォン
(72)【発明者】
【氏名】ドン ジンビン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ タオ
(72)【発明者】
【氏名】シン グオチァン
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA01
5F151CB27
5F151EA05
5F151EA19
5F151FA14
(57)【要約】
本発明は、太陽電池を接続するための導電部材およびその製造方法、ならびに光起電モジュールおよびその製造方法を用意する。導電部材は、その長手方向に沿って非反射セグメントおよび反射セグメントを含む。非反射セグメントおよび反射セグメントの両方は、平らな接触面を有する。反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有する。非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有する。反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有する。第1の断面の面積は、第2の断面の面積と等しい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って非反射セグメントおよび反射セグメントを含み、太陽電池を電気的に接続するための導電部材であって、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいことを特徴とする太陽電池を電気的に接続するための導電部材。
【請求項2】
前記反射セグメントの反射面は、第1の反射面および第2の反射面を含み、前記第1の反射面と第2の反射面とがなす角度αは、
60°≦α≦138.5°、
60°≦α≦90°、
90°≦α≦138.5°、または
99°≦α≦138.5°の条件のうちのいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項3】
前記非反射セグメントの平らな接触面は、その長手方向に垂直な第1の幅を有し、前記反射セグメントの平らな接触面は、その長手方向に垂直な第2の幅を有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項4】
前記導電部材は、前記非反射セグメントと前記反射セグメントとの間に接続された移行セグメントをさらに含み、前記移行セグメントの高さは、前記反射セグメントの高さよりも小さく、且つ前記非反射セグメントの高さよりも大きく、前記非反射セグメントから離れる方向に向かって徐々に大きくなることを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項5】
前記反射セグメントの第2の断面は、矩形部と三角形部を含み、前記矩形部の高さは、前記非反射セグメントの高さと等しいことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項6】
前記反射セグメントの平らな接触面の幅の範囲は、0.2~0.9mmであり、前記非反射セグメントの高さの範囲は、0.1~0.32mmであり、前記非反射セグメントの平らな接触面の幅の範囲は、0.2~1.4mmであることを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項7】
前記非反射セグメントと前記反射セグメントは、一体成形されており、前記非反射セグメントの縦方向における長さは、前記反射セグメントの縦方向における長さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項8】
前記反射セグメントは、その長手方向に沿って延びる弧状の頂部または平らな頂部を有することを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項9】
第1の太陽電池と、第2の太陽電池と、前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池とを電気的に接続した導電部材とを含む光起電モジュールであって、前記導電部材は、前記第1の太陽電池の裏面に電気的に接続された非反射セグメントと、前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続された反射セグメントとを含み、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいことを特徴とする光起電モジュール。
【請求項10】
前記反射セグメントの反射面は、第1の反射面および第2の反射面を含み、前記第1の反射面と第2の反射面とがなす角度αは、
60°≦α≦138.5°、
60°≦α≦90°、
90°≦α≦138.5°、または
99°≦α≦138.5°の条件のうちのいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項9に記載の光起電モジュール。
【請求項11】
前記第1の太陽電池および前記第2の太陽電池がそれらの縁で重なり合って重なり領域が形成されており、前記導電部材は、前記重なり領域を通過し、前記重なり領域は、導電部材の長手方向における幅が1.0mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の光起電モジュール。
【請求項12】
前記非反射セグメントの一部は、前記重なり領域内に挟まれていることを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項13】
前記反射セグメントは、前記重なり領域外に位置することを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項14】
前記非反射セグメントの縦方向における長さは、前記反射セグメントの縦方向における長さよりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項15】
前記非反射セグメントの長さと前記反射セグメントの長さの差は、前記重なり領域の導電部材の長手方向における幅以上であることを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項16】
前記重なり領域には、導電部材と太陽電池との間に位置する緩衝材層が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項17】
第1の太陽電池を用意するステップと、
第2の太陽電池を用意するステップと、
既定の長さの導電部材を用意するステップであって、前記導電部材は、非反射セグメントおよび反射セグメントを含み、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいステップと、
前記導電部材の非反射セグメントを前記第1の太陽電池の裏面に電気的に接続するステップと、
前記導電部材の反射セグメントを前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップと、を含む
ことを特徴とする光起電モジュールの製造方法。
【請求項18】
前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池とをそれらの縁で重ね合わせて重なり領域を形成し、該重なり領域に前記導電部材を通すステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記非反射セグメントの一部を前記重なり領域内に挟み込むステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記の前記導電部材の反射セグメントを前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップは、
前記導電部材の反射セグメントを前記重なり領域外で前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
縦方向に延び、長手方向に第1のセグメントおよび第2のセグメントを含む処理対象となる導電部材を用意するステップと、
前記処理対象となる導電部材の第1のセグメントに変形圧力を加えて該第1のセグメントを反射セグメントとなるように変形させるステップと、
前記処理対象となる導電部材の第2のセグメントに変形圧力を加えて該第2のセグメントを非反射セグメントとなるように変形させるステップと、を含む導電部材の製造方法であって、
前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しい
ことを特徴とする導電部材の製造方法。
【請求項22】
前記処理対象となる導電部材は、前記第1のセグメントと第2のセグメントの間に接続された第3のセグメントをさらに含み、前記方法は、
前記処理対象となる導電部材の第3のセグメントに変形圧力を加えて当該第3のセグメントを移行セグメントとなるように変形させるステップであって、前記移行セグメントの高さは、前記反射セグメントの高さよりも小さく、且つ前記非反射セグメントの高さよりも大きく、前記非反射セグメントから離れる方向に向かって徐々に大きくなるステップをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電技術の分野に関し、特に、導電部材およびその製造方法、光起電モジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光起電モジュールでは、隣接する電池セルを電気的に接続するために導電部材を用いることが一般的である。しかしながら、従来の光起電モジュールは、電池間にギャップがあるとともに電池の表面に照射される光の利用率が低いため、その単位面積あたりの発電電力が制限される。
【0003】
そこで、上記の技術課題を解決するために、従来技術を改良する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、光起電モジュールの単位面積あたりの発電電力を向上させるために、導電部材およびその製造方法、光起電モジュールおよびその製造方法を提供する。
【0005】
上記発明の目的を達成するために、本発明の実施形態で提供される技術的解決手段は、
長手方向に沿って非反射セグメントおよび反射セグメントを含み、太陽電池を電気的に接続するための導電部材であって、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しい太陽電池を電気的に接続するための導電部材である。
【0006】
本発明は、第1の太陽電池と、第2の太陽電池と、前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池とを電気的に接続した導電部材とを含む光起電モジュールであって、前記導電部材は、前記第1の太陽電池の裏面に電気的に接続された非反射セグメントと、前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続された反射セグメントとを含み、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しい光起電モジュールをさらに提供する。
【0007】
本発明は、第1の太陽電池を用意するステップと、第2の太陽電池を用意するステップと、既定の長さの導電部材を用意するステップであって、前記導電部材は、非反射セグメントおよび反射セグメントを含み、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいステップと、前記導電部材の非反射セグメントを前記第1の太陽電池の裏面に電気的に接続するステップと、前記導電部材の反射セグメントを前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップと、を含む光起電モジュールの製造方法をさらに提供する。
【0008】
本発明は、縦方向に延び、長手方向に第1のセグメントおよび第2のセグメントを含む処理対象となる導電部材を用意するステップと、前記処理対象となる導電部材の第1のセグメントに変形圧力を加えて該第1のセグメントを反射セグメントとなるように変形させるステップと、前記処理対象となる導電部材の第2のセグメントに変形圧力を加えて該第2のセグメントを非反射セグメントとなるように変形させるステップと、を含む導電部材の製造方法であって、前記非反射セグメントおよび前記反射セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記反射セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記非反射セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記反射セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しい導電部材の製造方法をさらに提供する。
【0009】
本発明の実施形態で提供される技術的解決手段では、導電部材における反射セグメントで光を電池の表面に反射させることによって、太陽電池モジュールの受光面での光学的利用率を高め、さらにモジュールの発電電力を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本発明のいくつかの具体的な実施形態を、図面を参照して限定的ではなく例示的に詳細に説明する。図面には、同一の符号は、同一または類似の部材または部分を示す。これらの図面が必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを、当業者は理解すべきである。
図1A】本発明の一実施形態で提供される1段式の光反射性導電部材の斜視図である。
図1B図1Aに示した導電部材の平面図である。
図2A】本発明の一実施形態で提供される導電部材における反射セグメント及び非反射セグメントのそれぞれの長手方向に垂直な断面模式図である。
図2B】本発明の一実施形態で提供される2段式の光反射性導電部材における2つの反射セグメントのそれぞれの長手方向に垂直な断面模式図である。
図2C】本発明の別の実施形態で提供される2段式の光反射性導電部材における2つの反射セグメントのそれぞれの長手方向に垂直な断面模式図である。
図3A】他のいくつかのタイプの反射セグメントの長手方向に垂直な断面模式図である。
図3B】他のいくつかのタイプの反射セグメントの長手方向に垂直な断面模式図である。
図3C】他のいくつかのタイプの反射セグメントの長手方向に垂直な断面模式図である。
図4】本発明の一実施形態における隣接する2つの太陽電池の接続状態を示す図である。
図5】本発明の別の実施形態における隣接する2つの太陽電池の接続状態を示す図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態における隣接する2つの太陽電池の接続状態を示す図である。
図7A】本発明の一実施形態で提供される隣接する2つの太陽電池の断面模式図である。
図7B】本発明の別の実施形態で提供される隣接する2つの太陽電池の断面模式図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態で提供される隣接する2つの太陽電池の断面模式図である。
図9A】本発明の第1の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図9B】本発明の第1の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図10A】本発明の第2の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図10B】本発明の第2の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図11A】本発明の第3の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図11B】本発明の第3の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図12A】本発明の第4の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図12B】本発明の第4の実施形態で提供される導電部材製造装置の構造模式図である。
図13】本発明の一実施形態で提供される光起電モジュールの製造フローを示す図である。
図14】反射セグメントによる平行光の反射経路の模式図である。
図15】反射セグメントによる平行光の反射経路の模式図である。
図16】反射セグメントによる平行光の反射経路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。しかしながら、この実施形態は、本発明を限定するものではなく、当業者がこの実施形態に基づいて行った構造、方法または機能の変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。ここで、「第1」および「第2」という用語は、いかなる順序関係も意味するものではなく、説明を容易にするために区別されているだけであり、当業者にとって、上記の用語の具体的な意味は明確に理解できる。
【0012】
光起電モジュール(PV Module)は、通常、アレイに配列された複数の太陽電池を含む。これらの太陽電池が接続されて複数の電池ストリングとなり、さらに、各電池ストリングが直列および/または並列に接続されてモジュールとなってもよい。各電池ストリングにおいて、隣接する2つの太陽電池は、導電材料(例えば、銅テープや導電性接着剤)によって電気的に接続されてもよい。一般には、太陽電池は、ドープされた半導体基板(例えば、結晶シリコン)、および半導体基板の表面と裏面にそれぞれ形成された電極を含み、これらの電極は、印刷や焼結によって半導体基板に形成されてもよい。通常、電極は、電流を収集するための複数のフィンガー電極と、フィンガー電極と交差して接続された電流を集約するための複数のバスバー電極とを含む。また、バスバー電極は、その延伸方向が電池ストリングにおける各太陽電池の配列方向と一致する。説明を容易にするために、以下に記載の「電極」は、すべてバスバー電極を指す。
【0013】
光起電モジュールの単位面積あたりの発電電力を増加させるために、モジュールの表面での光利用率をいかに高めるか、および、隣接する太陽電池間のギャップをいかに減らすまたはなくすかという問題を考慮する必要がある。光利用率の向上について、一方では、導電部材は、隣接する太陽電池の接続媒体として機能するため、太陽電池の表面を覆う必要があり、その覆った領域が光を受光できなくなることにより太陽電池の発電電力が低下してしまう。他方では、太陽電池の表面に垂直に照射される光だけでなく、他の物体から太陽電池の表面に反射される光によっても、一定の電池の電力利得を得ることができる。したがって、電池表面での光の遮断をいかに低減するか、および、反射光をいかに活用するかは、現在、業界が検討すべき課題となっている。太陽電池間のギャップをなくすことについて、隣接する太陽電池の縁を重ね合わせ、重ね合わせ位置で導電性接着剤を用いて電気的に接続するという既知の手段により、こけら葺き状モジュールを実現しやすくなる。しかしながら、導電性接着剤自体のコストが高く、導電性接着剤の導電性能と接続信頼性に問題が生じるおそれがある。このような業界の問題に対して、本発明は、太陽電池を電気的に接続するための新しい導電部材を提案する。
【0014】
図1Aおよび図1Bには、本発明の一実施形態で提供される新しい導電部材の構造模式図が示されている。図1Aおよび図1Bに示すように、導電部材10は、その長手方向に一体成形された非反射セグメント11および反射セグメント12を含む。非反射セグメント11は、太陽電池の裏面(すなわち、非受光面)に電気的に接続されるために用いられ、反射セグメント12は、太陽電池の表面(すなわち受光面)に電気的に接続されるために用いられる。
【0015】
「反射セグメント」および「非反射セグメント」は、以下のように定義される。反射セグメントは、平らな接触面と、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面とを含み、該反射面は、光を太陽電池の表面に反射させることができ、曲面または接触面と平行でない傾斜平面を含む。非反射セグメントは、平らな接触面と、その平らな接触面とは反対側を向いた非接触面とを含み、前記非接触面は、平面状で接触面とほぼ平行である。
【0016】
本発明の実施形態では、非反射セグメント11は、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、反射セグメント12は、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、第1の断面の面積は、第2の断面の面積とほぼ同一である必要がある。非反射セグメント11と反射セグメント12の断面形状が異なるため、両者の断面積が異なると、導電部材の製造プロセスが煩雑になり、量産に不利である。このため、導電部材の製造時に、導電部材の生産性を確保するために、非反射セグメント11と反射セグメント12の断面積を常に同じにする必要がある。また、非反射セグメント11と反射セグメント12の断面積が異なる場合、両者の抵抗が異なり(両者の長さが等しい場合)、異なる抵抗によって非反射セグメント11と反射セグメント12の電力損失が異なり、さらには、隣接する2つの太陽電池の間で不整合が生じる。
【0017】
さらに、導電部材10は、非反射セグメント11と反射セグメント12との間に接続された移行セグメント13をさらに含んでもよい。移行セグメント13の高さは、反射セグメント12の高さよりも小さく、且つ非反射セグメント11の高さよりも大きく、非反射セグメント11から離れる方向に向かって徐々に小さくなる。移行セグメント13の導電部材の長手方向に垂直な断面積は、非反射セグメント11または反射セグメント12の導電部材の長手方向に垂直な断面積とほぼ同一である必要がある。直感的には、移行セグメント13は、一定の傾きを有し、その配置により、非反射セグメント11と反射セグメント12との間のスムーズな移行を確保することができ、両者の連結箇所に「段差」のような形状を形成することはない。移行セグメント13は、折れないように両者の連結箇所の曲げ性能を向上させることができる一方で、それに接触する太陽電池の表面や縁に傷をつけることを避けることもできる。
【0018】
図2Aに示すように、本発明の実施形態では、非反射セグメント11は、ほぼ扁平状であってもよく、その長手方向に垂直な断面がほぼ矩形である。反射セグメント12は、その長手方向に垂直な断面が六角形であり、導電部材の長手方向に沿ってそれぞれ延びる2つの反射面122、124を有する。もちろん、実行可能な実施形態として、反射セグメント12の長手方向に垂直な断面形状は、三角形、台形、円形、楕円形、多角形などを含むが、これらに限定されない。本実施形態では、反射セグメント12の接触面の、導電部材の長手方向に垂直な方向における幅をW1とし、非反射セグメント11の接触面の、導電部材の長手方向に垂直な方向における幅をW2とする場合、W1≦W2を満たす必要がある。W1≦W2であるため、反射セグメント12自体による電池表面(すなわち、受光面)の遮光面積を効果的に減少させる一方で、非反射セグメント11と電池の裏面との接触面積を増加させてそれらの溶接信頼性を確保することができる。また、光が主に電池の表面側から入射するため、非反射セグメント11の幅の増加は、電池の発電にほとんど影響しない。もちろん、他の実施形態では、W1>W2も可能である。この実施形態では、反射セグメント12の上記の断面は、上方の三角形部と下方の矩形部に大別される。ここで、矩形部の高さをH1とし、反射セグメント12の高さ(すなわち、接触面から三角形部の頂角までの距離)をH0とする場合、生産を容易にするために、H0>H2、H1=H2を満たす必要がある。H1とH2が等しい場合、2つのプレスロールによる冷間圧延成形(詳細は後述)が容易になり、生産効率が高くなる。
【0019】
両面電池(すなわち、表と裏の両面で発電する電池)について、電池の裏面での光利用率も同様に重要である。このため、本発明の実施形態は、2つの反射セグメントを含む導電部材をさらに提供する。
【0020】
図2Bに示すように、一実施形態では、導電部材は、その長手方向に一体成形された第1の反射セグメント14および第2の反射セグメント16を含む。第1の反射セグメント14は、接触面および該接触面とは反対側を向いた第1の反射面142、144を有し、第2の反射セグメント16は、接触面および該接触面とは反対側を向いた第2の反射面162、164を有する。第1の反射面142、144と第2の反射面162、164は、それぞれ導電部材の高さ方向の異なる側に位置する。換言すれば、導電部材がその高さ方向に上側および下側を含むように定義されると、第1の反射面142、144は上側に位置し、第2の反射面162、164は下側に位置してもよい。同様に、第1の反射セグメント14の長手方向に垂直な断面積は、第2の反射セグメント16の長手方向に垂直な断面積とほぼ同一である必要がある。本実施形態では、第1の反射セグメント14と第2の反射セグメント16の上記の断面の両方は、高さ方向において矩形部と三角形部に分けられる。第1の反射セグメント14の矩形部の高さをH3、第2の反射セグメント16の矩形部の高さをH4、第1の反射セグメント14の高さをH5、第2の反射セグメント16の高さをH6、第1の反射セグメント14の接触面の、導電部材の長手方向に垂直な方向における幅をW3、第2の反射セグメント16の接触面の、導電部材の長手方向に垂直な方向における幅をW4とする場合、W3≦W4、H3=H4、H5≧H6の条件を満たす必要がある。表面での光利用率が両面電池の電力利得により大きな影響を与えるため、W3≦W4の場合、導電部材による電池表面の遮光面積を減少させると同時に、導電部材と電池の裏面との接触面積を確保することができる。H3=H4により、導電部材の製造がより容易になる。もちろん、他の実施形態では、W3>W4も可能である。
【0021】
図2Cには、2つの反射セグメントを含む別の導電部材が示されている。図2Cの導電部材は、第2の反射セグメント16の長手方向に垂直な断面が円形または楕円形である点で上記の図2Bの導電部材と異なり、同様に一定の光反射効果を有する。第2の反射セグメント16の直径はR1とする。
【0022】
本発明の実施形態では、上記のパラメータは、0.2mm≦R1≦0.45mm、0.2mm≦W3≦0.6mm、0.2mm≦H5≦0.6mmの条件を満たす必要がある。
【0023】
一実施形態では、導電部材は、第1の反射セグメント14と第2の反射セグメント16との間に接続された移行セグメント(図示せず)をさらに含み、該移行セグメントは、扁平状である(すなわち、導電部材の長手方向に垂直な断面が矩形である)。
【0024】
図3A図3Cは、他のいくつかのタイプの反射セグメントの断面模式図を例示する。図3Aに示すように、反射セグメントは、導電部材の長手方向に沿って延びる平らな頂部123を含み、該平らな頂部123は、該反射セグメントの接触面とほぼ平行である。図3Bに示すように、反射セグメントは、導電部材の長手方向に沿って延びる円弧状の頂部125を含む。上記の平らな頂部123および円弧状の頂部125は、モジュールのラミネーション時に反射セグメントが封止用接着フィルムに加える圧力を低減することができるとともに、これらの配置により、反射セグメントの高さを制御してモジュールのラミネーションプロセスの進行を促進することもできる。
【0025】
図4には、本発明の一実施形態における隣接する2つの太陽電池の接続状態が示されている。図4に示すように、光起電モジュールは、第1の太陽電池21と、第2の太陽電池22と、第1の太陽電池21と第2の太陽電池22とを電気的に接続した導電部材とを含む。該導電部材は、第1の太陽電池21の裏面に電気的に接続された非反射セグメント11と、第2の太陽電池22の表面に電気的に接続された反射セグメント12とを含んでもよい。モジュールの単位面積あたりの発電電力を増加させるために、隣接する2つの太陽電池の縁を重ね合わせて重なり領域を形成し、該重なり領域に導電部材を通す。該重なり領域は、導電部材の長手方向における幅が、W0≦1.0mmであり、より好ましくは0.3mm≦W3≦1.0mmである。隣接する電池セルが縦方向に延びる導電部材によって電気的に接続されているので、導電性接着剤で接続されたこけら葺き状モジュールよりも歩留まりが高く、コスト面でも有利であり、重なり領域の導電部材の長手方向における幅をさらに減らすことができる。
【0026】
図5に示すように、重なり領域に導電部材と太陽電池との間に位置する緩衝材層30が追加される点で図4とは異なる。緩衝材層30によって導電部材と太陽電池の硬い接触を緩和し、これによる電池破裂の問題を改善する。緩衝材層30としては、EVA(ethylene-vinyl acetate copolymer)などの一定の弾性のあるまたは柔らかい材料を使用することができる。
【0027】
図6に示すように、隣接する2つの電池の間に一定のセル間隔(例えば、0.5mm未満)があってもよい点で図4とは異なる。導電部材は、該セル間隔を通って一方の電池の表面から他方の電池の裏面に達する。
【0028】
なお、上記の図4図6は、電池の表面に溶接された導電部材の数を例示したものに過ぎないが、本発明は、その数を限定するものではなく、必要に応じて9本、12本などに調整することができる。
【0029】
図7Aに示すように、本発明の実施形態では、非反射セグメント11の一部は、重なり領域内に挟まれており、非反射セグメント11と電池との接触面積がより大きいため、重なり領域における導電部材と電池セルとの間の硬い接触の圧力を低減し、重ね合わせ位置で電池セルが割れる可能性を低減することができる。さらに、反射セグメント12は、重なり領域外に設けられてもよい。これにより、頂部が尖った反射セグメント12が重なり領域における電池の表面に傷をつけることを回避するとともに、反射セグメント12が電池セルを押しつぶすことを回避することができる。
【0030】
本発明の本実施形態では、反射セグメント12の長さL1は、非反射セグメント11の長さL2よりも小さい。これにより、非反射セグメント11のうち第1の太陽電池21の裏面に電気的に接続されたセグメントの長さがL1に等しくなり、重なり領域内に挟まれている他のセグメントの長さがL2-L1となる。さらに、太陽電池の表面電極と裏面電極が同一の長さを有する場合、非反射セグメント11と反射セグメント12の長さの差がL2-L1であり、重なり領域の導電部材の長手方向における幅をW0とすると、(L2-L1)≧W0を満たす必要がある。これにより、重なり領域内に挟まれているのは、すべて扁平状の非反射セグメント11となる。
【0031】
図7Bに示すように、反射セグメント12の端部と重なり領域との間に一定の間隔を空けてもよい点で図7Aとは異なり、これによって電池に傷をつけるかまたは電池が割れる可能性をさらに低減できる。
【0032】
図8に示すように、該導電部材が反射セグメント12と非反射セグメント11との間に接続された移行セグメントを含み、該移行セグメントと反射セグメント12の両方が重なり領域外に位置する点で図7とは異なる。
【0033】
次に、図9A図12Bを参照して上述の導電部材の製造方法および関連装置について説明する。
【0034】
図9Aおよび図9Bは、本発明の第1の実施形態で提供される導電部材製造装置100の構造模式図である。この装置100は、連続型の光反射性導電部材を製造するために用いられる。装置100は、第1のプレスロール(例えば、タングステン鋼製プレスロール)101と、第2のプレスロール102とを含む。第1のプレスロール101と第2のプレスロール102の両方は、円筒形であり、両者の間に一定のギャップ103がある。第1のプレスロール101は、第1の圧延面110を有し、第2のプレスロール102は、第2の圧延面120を有する。機械的研磨やレーザー彫刻などによって、対応する形状を有する1つまたは複数の平行な溝112を予め第1の圧延面110に作製しておく。溝112の延伸方向は、第1のプレスロール101の回転軸に垂直である。溝112の延伸長さは、第1のプレスロール101の回転軸に垂直な断面の周長に等しい。上記の図2Aに示す反射セグメントを一例として、溝112は、その延伸方向に垂直な断面がほぼ三角形であり、その幅が内方から外方に向かって徐々に大きくなる。
【0035】
それに対応して、上記の装置100は大体、次のように動作する。
【0036】
S101:処理対象となる導電材料10a(例えば、円形の導電テープや矩形の導電テープなど)を溝112の延伸方向に沿って配列させ、導電材料10aを第1のプレスローラ101と第2のプレスローラ102との間のギャップ103に配置する。
S102:第1のプレスローラ101と第2のプレスローラ102を逆方向に相対回転させる。この過程において、第1のプレスローラ101と第2のプレスローラ102との間に導電材料10aを供給し続けることで連続型の光反射性導電部材10bを製造できる。
【0037】
連続型の光反射性導電部材10bは、その高さ方向に下方の矩形部と上方の三角形部に分けられる。この場合、その矩形部の高さがギャップ103の間隔とほぼ同一である。
【0038】
図10Aおよび図10Bは、本発明の第2の実施形態で提供される導電部材製造装置200の構造模式図である。この装置200も、連続型の光反射性導電部材の製造に用いられる。装置200は、金属線引きによって加工を行う。装置200は、縦方向に延びる線引きチャネルを含み、線引きチャネルは、供給口202および吐出口201を含む。該線引きチャネルの縦方向に垂直な断面積は、供給口202から吐出口201に向かって小さくなる。吐出口201の形状が三角形である場合、製造された導電部材の断面は、ほぼ三角形となる。
【0039】
図11Aおよび図11Bは、本発明の第3の実施形態で提供される導電部材製造装置300の構造模式図である。この装置300は、非連続型の光反射性導電部材(すなわち、反射セグメントおよび非反射セグメントを含む光反射性導電部材)を製造するために用いられる。上記の非反射セグメントと反射セグメントは、周期的に現れてもよい。長さL1の反射セグメントと長さL2の非反射セグメントで構成された結合セグメントを1サイクルとし、該結合セグメントの長さをL3=L1+L2とする。装置300は、第1のプレスロール301と、第2のプレスロール302とを含む。同様に、第1のプレスロール301および第2のプレスロール302の両方は、円筒形である。第1のプレスロール301は、第1の圧延面310を有し、第2のプレスロール302は、第2の圧延面320を有する。本実施形態では、第1のプレスロール301の回転軸に垂直な断面の周長が、上記長さL3に等しいかまたは上記長さL3の整数倍であるという条件を満たす必要がある。第1の圧延面310を研磨またはレーザー処理することにより、第1の圧延面310に1つまたは複数の溝312が形成され、溝312の延伸方向は、第1のプレスロール301の回転軸に垂直である。溝312の延伸長さL4はL1と等しい。一例では、第1のプレスロール301の回転軸に垂直な断面の周長が上記長さL3と等しく、且つL1=L2である場合、L4=L1=L2=L3/2を満たす必要がある。上記第1の圧延面310における溝312以外の領域は、いずれも平面である。
【0040】
それに対応して、上記装置300は大体、次のように動作する。
【0041】
S301:処理対象となる導電材料(例えば、円形の導電テープや矩形の導電テープなど)を第1の圧延面310と第2の圧延面320との間に配置し、導電材料を溝312に位置合わせする。
S302:第1のプレスローラ301と第2のプレスローラ302を逆方向に相対回転させる。この過程において、第1のプレスローラ301と第2のプレスローラ302との間に導電材料を供給し続ける。
【0042】
図12Aおよび図12Bは、本発明の第4の実施形態で提供される導電部材製造装置400の構造模式図である。この装置400は、反射セグメントと非反射セグメントが周期的に現れる光反射性導電部材(すなわち、反射セグメントおよび非反射セグメントを含む光反射性導電部材)を製造するために用いられてもよく、反射セグメントと非反射セグメントが非周期的に現れる光反射性導電部材を製造するために用いられてもよい。具体的には、装置400は、圧延台403、圧延台403の上方に位置する第1のプレスロール401および第2のプレスロール402を含む。第1のプレスロール401と圧延台403との距離は、第2のプレスロール402と圧延台403との距離と等しい。第1のプレスロール401は、圧延台403と協働する第1の圧延面を有し、第2のプレスロール402は、圧延台403と協働する第2の圧延面を有する。第1の圧延面には、自体の回転方向に延びる1列以上の第1の溝412が形成されており、第2の圧延面には、自体の回転方向に延びる1列以上の第2の溝422が形成されている。第1の溝412は、反射セグメントを圧延するために用いられ、第2の溝422は、非反射セグメントを圧延するために用いられる。第1の溝412と第2の溝422の両方は、等間隔で配置されており、隣接する2つの第1の溝412の間の間隔は、隣接する2つの第2の溝422の間の間隔と等しい。また、第1の溝412と第2の溝422は、プレスロールの回転方向に位置合わせされている。この例では、第1の溝412は、その長手方向に垂直な断面が三角形または台形などであってもよく、第2の溝422は、その長手方向に垂直な断面がほぼ矩形である。第1の溝412の長さは、反射セグメントの長さとほぼ等しく、第2の溝422の長さは、非反射セグメントの長さとほぼ等しい。本発明の実施形態では、反射セグメントの長さをL1、非反射セグメントの長さをL2、第1のプレスローラー401と第2のプレスローラー402との間の距離をL5とする場合、L5=L1=L2を満たす必要がある。
【0043】
それに対応して、上記装置400は大体、以下のように動作する。
【0044】
S401:第1のプレスロール401と第2のプレスロール402を圧延台403から離れるように移動させる。
S402:圧延対象となる導電材料(例えば、円形の導電テープ)を圧延台403に置き、導電材料を第1の溝412および第2の溝422に沿って等間隔で配列する。
S403:第1のプレスロール401および第2のプレスロール402を、圧延台403に接触するまで圧延台403に向かって移動させる。
S404:第1のプレスローラ401および第2のプレスローラ402を、図の中のD1方向に沿って転がす。第1のプレスロール401と第2のプレスロール402の転がり距離は、反射セグメントの長さまたは非反射セグメントの長さとほぼ等しい。
【0045】
別の実施形態では、導電部材の原料が扁平状の導電部材である場合、圧延される扁平状の導電セグメントを三角形の導電セグメントとなるように変形させるために原料の一部を周期的に圧延すればよい。それに対応して、この実施形態では、上記の第1のプレスロール401および第2のプレスロール402の一方を省略し、単一のプレスロールに対応する溝を設けてもよい。
【0046】
本発明の具体的な実施形態では、反射セグメントと導電部材の間で「傾斜した」移行セグメントを形成するように圧延する必要もある。具体的には、圧延工具を用いて反射セグメントと導電部材の間の移行セグメントを斜めに圧延することによって、「傾斜した」移行セグメントを形成することができる。
【0047】
本発明の実施形態では、導電部材は、導電性基板(例えば、銅基板)、および導電性基板の接触面を少なくとも覆ったフラックス層(例えば、錫層)を含んでもよい。異形の導電部材の圧延中に導電性基板を原料として圧延し、圧延成形によって所望のセグメント化された異形の導電部材を得た後、異形の導電部材の接触面に対応するフラックス層を形成することができる。もちろん、代替の実施形態では、ソルダーレジスト層付きの導電部材を製造した後、該導電部材を原料として圧延してもよいが、本明細書は、これについて限定しない。
【0048】
図13は、本発明の一実施形態で提供される光起電モジュールの製造フローを示す。該方法は、ステップS1~S5を含む。
【0049】
ステップS1:第1の太陽電池21を用意する。
ステップS2:第2の太陽電池22を用意する。
ステップS3:既定の長さの導電部材を用意する。導電部材は、非反射セグメント11および反射セグメント12を含む。非反射セグメント11の導電部材の長手方向に垂直な断面積は、反射セグメント12の導電部材の長手方向に垂直な断面積と等しい。
ステップS4:非反射セグメント11を第1の太陽電池21の裏面に電気的に接続する。
ステップS5:反射セグメント12を第2の太陽電池22の表面に電気的に接続する。
【0050】
上記のステップS1~S5は、必ずしもこの順序で行う必要はない。
【0051】
一実施形態では、ステップS3は、ステップS31~ステップS32を含んでもよい。
【0052】
ステップS31:互いに接続された第1のセグメントと第2のセグメントに分割された既定の長さの非光反射性導電部材を用意する。
ステップS32:非光反射性導電部材の第1のセグメントに変形圧力を加えて該第1のセグメントを反射セグメントとなるように変形させる。
【0053】
図13に示すように、別の実施形態では、ステップS3は、ステップS33~ステップS34を含んでもよい。
【0054】
ステップS33:互いに接続された第1のセグメントと第2のセグメントに分割された既定の長さの光反射性導電部材を用意する。例えば、導電部材を収容するためのリール50から一定の長さの三角形の導電部材を引き出して切断する。
ステップS34:光反射性導電部材の第1のセグメントに変形圧力を加えて該第1のセグメントを非反射セグメントとなるように変形させる。例えば、プラテン60を用いて上記の三角形の導電部材の1つのセグメントに圧力を加えて該セグメントを非反射セグメント11となるように変形させる。
【0055】
一実施形態では、前記方法は、第1の太陽電池21と第2の太陽電池22とをそれらの縁で重ね合わせて重なり領域を形成し、該重なり領域に導電部材を通すステップをさらに含む。
【0056】
一実施形態では、前記方法は、前記非反射セグメント11の一部を前記重なり領域内に挟み込むステップをさらに含む。
【0057】
一実施形態では、前記ステップS5は、導電部材の反射セグメント12を前記重なり領域外で第2の太陽電池22の表面に電気的に接続するステップを含む。
【0058】
次に、図14図16を参照して、反射セグメントによる電池セルの表面に垂直に照射された平行光の反射経路が示されている。本明細書では、太陽電池の表面に垂直な平行ビームのみを例に挙げて説明したが、もちろん、利用可能な光は、上記の平行ビームに限定されない。太陽電池の表面に垂直な平行ビームは、光透過性のフロントプレート40を通過した後に、太陽電池20の表面に溶接された反射セグメント12の反射面に照射される。
【0059】
本発明の実施形態では、非反射セグメントの高さの範囲が0.1~0.32mmまたは0.2~0.6mmであり、反射セグメントの接触面の幅の範囲が0.2~0.9mmまたは0.2~0.6mmであることにより、封止用接着フィルム(例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA))の厚みを効果的に減少させ、モジュールのラミネーションの歩留まりを確保し、コストを削減する。また、非反射セグメントの接触面の幅の範囲が0.2~1.4mmまたは0.2~1.6mmであり、非反射セグメントの高さの範囲が0.05~0.3mmでありことにより、非反射セグメントと電池セルの裏面との接触面積を大きく確保し、溶接テンションを高め、製品の信頼性を向上させる。
【0060】
本発明の実施形態では、非反射セグメントのうち電池の受光面に接触する部分は、導電部材の長手方向における長さが0.6~1.4mmであり、隣接する2つの電池ストリングの間の間隔が2.0~3.0mmである。平行入射光がフロントプレートおよび透明な封止用接着フィルムを通過し、電池セルおよび光反射性導電部材に照射されるため、電池セルに照射された光は、直接吸収されて利用され、電気エネルギーに変換することができる。光反射性導電部材に照射された光は、一部が電池セルに直接反射され、一部がフロントプレートに反射されて再び電池セルに反射される。
【0061】
導電部材がその接触面とは反対側を向いた2つの反射面を含む場合を一例として、この2つの反射面がなす角度は、一定の条件を満たす必要がある。以下、その角度範囲を推定する。
【0062】
2つの反射面が同一である場合を一例として、横断面における反射面に対応する辺の長さをaとし、2つの反射面がなす角度をα、反射面と接触面とがなす角度をβ、フロントプレート(例えば、ガラス)の屈折率をn1、空気の屈折率をn2、臨界全反射角をθとする。
【0063】
平行入射光を可能な限り電池セルの表面に反射させるには、以下の条件を満たす必要がある。
【0064】
1.電池セルに直接反射する条件について、
入射角と反射角が等しい、即ち、
θ1=θ2である。
【0065】
幾何学的な関係から、
β=θ1=θ2、
β+β+α=180°が分かる。
【0066】
反射光を電池セルの表面に直接反射させるには、
θ1+θ2>90°、
すなわち、α<90°を満たす必要がある。
【0067】
2.全反射を生じる条件について、
全反射の臨界角θcは、
θc=arcsin(n2/n1)である。
【0068】
幾何学的な関係から、
θ=θ1+θ2、
β=θ1=θ2、
β+β+α=180°が分かる。
【0069】
ガラスに反射された光のすべてを電池セルの表面に反射させるには、
θ>θc、
すなわち、α<180°-θc(ここで、θc=41.5°、すなわち、α<138.5°)を満たす必要がある。
【0070】
以上のことから、電池の表面に垂直に照射された平行ビームを電池の表面に反射させるには、α<138.5°を満たす必要がある。
【0071】
代替として、60°≦α≦138.5°である。α=60°であると、反射セグメントの横断面がほぼ正三角形である。この場合に、該反射セグメントを使用する際に、その接触面と反射面を区別する必要はなく、3つの面のうちのいずれかを接触面として使用することができる。
【0072】
代替として、45°≦α≦60°または60°≦α≦90°である。この場合に、光は、電池セルの表面に直接反射され、電池セルに吸収されて利用され、光発生電流に変換することができる。
【0073】
代替として、90°≦α≦97°、99°≦α≦138.5°、105°≦α≦138.5°、105°≦α≦120°、または、120°≦α≦138.5°である。
【0074】
本発明の実施形態では、導電部材における反射セグメントで光を電池の表面に反射することによって、太陽電池モジュールの受光面での光学的利用率を高め、さらにモジュールの発電電力を増加させる。一方、非反射セグメントを太陽電池の裏面に電気的に接続することによって、太陽電池の裏面と導電部材との間の溶接信頼性を確保する。
【0075】
本明細書は、実施形態に則して説明したが、各実施形態が1つの独立した技術的解決手段のみを含むわけではなく、本明細書は、単に説明を明確にする目的でこのように記述されていることを理解すべきである。当業者は、本明細書を全体として捉えるべきであり、各実施形態の技術的解決手段は、当業者が理解できる他の実施形態を形成するために適切に組み合わせられてもよい。
【0076】
上述した一連の詳細な説明は、本発明の実行可能な実施形態に対する具体的な説明に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本発明の技術的精神から逸脱することなく得られたいかなる同等の実施形態または変形も、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って第1セグメントおよび第2セグメントを含み、太陽電池を電気的に接続するための導電部材であって、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記第2セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記第1セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記第2セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいことを特徴とする太陽電池を電気的に接続するための導電部材。
【請求項2】
前記第2セグメントの反射面は、第1の反射面および第2の反射面を含み、前記第1の反射面と第2の反射面とがなす角度αは、
60°≦α≦138.5°、
60°≦α≦90°、
90°≦α≦138.5°、または
99°≦α≦138.5°の条件のうちのいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項3】
前記第1セグメントの平らな接触面は、その長手方向に垂直な第1の幅を有し、前記第2セグメントの平らな接触面は、その長手方向に垂直な第2の幅を有し、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項4】
前記導電部材は、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの間に接続された移行セグメントをさらに含み、前記移行セグメントの高さは、前記第2セグメントの高さよりも小さく、且つ前記第1セグメントの高さよりも大きく、前記第1セグメントから離れる方向に向かって徐々に大きくなることを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項5】
前記第2セグメントの第2の断面は、矩形部と三角形部を含み、前記矩形部の高さは、前記第1セグメントの高さと等しいことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項6】
前記第2セグメントの平らな接触面の幅の範囲は、0.2~0.9mmであり、前記第1セグメントの高さの範囲は、0.1~0.32mmであり、前記第1セグメントの平らな接触面の幅の範囲は、0.2~1.4mmであることを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項7】
前記第1セグメントと前記第2セグメントは、一体成形されており、前記第1セグメントの縦方向における長さは、前記第2セグメントの縦方向における長さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項8】
前記第2セグメントは、その長手方向に沿って延びる弧状の頂部または平らな頂部を有することを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
【請求項9】
第1の太陽電池と、第2の太陽電池と、前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池とを電気的に接続した導電部材とを含む光起電モジュールであって、前記導電部材は、前記第1の太陽電池の裏面に電気的に接続された第1セグメントと、前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続された第2セグメントとを含み、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記第2セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記第1セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記第2セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいことを特徴とする光起電モジュール。
【請求項10】
前記第2セグメントの反射面は、第1の反射面および第2の反射面を含み、前記第1の反射面と第2の反射面とがなす角度αは、
60°≦α≦138.5°、
60°≦α≦90°、
90°≦α≦138.5°、または
99°≦α≦138.5°の条件のうちのいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項9に記載の光起電モジュール。
【請求項11】
前記第1の太陽電池および前記第2の太陽電池がそれらの縁で重なり合って重なり領域が形成されており、前記導電部材は、前記重なり領域を通過し、前記重なり領域は、導電部材の長手方向における幅が1.0mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の光起電モジュール。
【請求項12】
前記第1セグメントの一部は、前記重なり領域内に挟まれていることを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項13】
前記第2セグメントは、前記重なり領域外に位置することを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項14】
前記第1セグメントの縦方向における長さは、前記第2セグメントの縦方向における長さよりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項15】
前記第1セグメントの長さと前記第2セグメントの長さの差は、前記重なり領域の導電部材の長手方向における幅以上であることを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項16】
前記重なり領域には、導電部材と太陽電池との間に位置する緩衝材層が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の光起電モジュール。
【請求項17】
第1の太陽電池を用意するステップと、
第2の太陽電池を用意するステップと、
既定の長さの導電部材を用意するステップであって、前記導電部材は、第1セグメントおよび第2セグメントを含み、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記第2セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記第1セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記第2セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しいステップと、
前記導電部材の第1セグメントを前記第1の太陽電池の裏面に電気的に接続するステップと、
前記導電部材の第2セグメントを前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップと、を含む
ことを特徴とする光起電モジュールの製造方法。
【請求項18】
前記第1の太陽電池と前記第2の太陽電池とをそれらの縁で重ね合わせて重なり領域を形成し、該重なり領域に前記導電部材を通すステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1セグメントの一部を前記重なり領域内に挟み込むステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記の前記導電部材の第2セグメントを前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップは、
前記導電部材の第2セグメントを前記重なり領域外で前記第2の太陽電池の表面に電気的に接続するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
縦方向に延び、長手方向に第1のセグメントおよび第2のセグメントを含む処理対象となる導電部材を用意するステップと、
前記処理対象となる導電部材の第1のセグメントに変形圧力を加えて該第1のセグメントを第2セグメントとなるように変形させるステップと、
前記処理対象となる導電部材の第2のセグメントに変形圧力を加えて該第2のセグメントを第1セグメントとなるように変形させるステップと、を含む導電部材の製造方法であって、
前記第1セグメントおよび前記第2セグメントの両方は、平らな接触面を有し、前記第2セグメントは、その平らな接触面とは反対側を向いた反射面を有し、前記第1セグメントは、その長手方向に垂直な第1の断面を有し、前記第2セグメントは、その長手方向に垂直な第2の断面を有し、前記第1の断面の面積は、前記第2の断面の面積と等しい
ことを特徴とする導電部材の製造方法。
【請求項22】
前記処理対象となる導電部材は、前記第1のセグメントと第2のセグメントの間に接続された第3のセグメントをさらに含み、前記方法は、
前記処理対象となる導電部材の第3のセグメントに変形圧力を加えて当該第3のセグメントを移行セグメントとなるように変形させるステップであって、前記移行セグメントの高さは、前記第2セグメントの高さよりも小さく、且つ前記第1セグメントの高さよりも大きく、前記第1セグメントから離れる方向に向かって徐々に大きくなるステップをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
さらに、導電部材10は、非反射セグメント11と反射セグメント12との間に接続された移行セグメント13をさらに含んでもよい。移行セグメント13の高さは、反射セグメント12の高さよりも小さく、且つ非反射セグメント11の高さよりも大きく、非反射セグメント11から離れる方向に向かって徐々に大きくなる。移行セグメント13の導電部材の長手方向に垂直な断面積は、非反射セグメント11または反射セグメント12の導電部材の長手方向に垂直な断面積とほぼ同一である必要がある。直感的には、移行セグメント13は、一定の傾きを有し、その配置により、非反射セグメント11と反射セグメント12との間のスムーズな移行を確保することができ、両者の連結箇所に「段差」のような形状を形成することはない。移行セグメント13は、折れないように両者の連結箇所の曲げ性能を向上させることができる一方で、それに接触する太陽電池の表面や縁に傷をつけることを避けることもできる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図4には、本発明の一実施形態における隣接する2つの太陽電池の接続状態が示されている。図4に示すように、光起電モジュールは、第1の太陽電池21と、第2の太陽電池22と、第1の太陽電池21と第2の太陽電池22とを電気的に接続した導電部材とを含む。該導電部材は、第1の太陽電池21の裏面に電気的に接続された非反射セグメント11と、第2の太陽電池22の表面に電気的に接続された反射セグメント12とを含んでもよい。モジュールの単位面積あたりの発電電力を増加させるために、隣接する2つの太陽電池の縁を重ね合わせて重なり領域を形成し、該重なり領域に導電部材を通す。該重なり領域は、導電部材の長手方向における幅が、W0≦1.0mmであり、より好ましくは0.3mm≦W0≦1.0mmである。隣接する電池セルが縦方向に延びる導電部材によって電気的に接続されているので、導電性接着剤で接続されたこけら葺き状モジュールよりも歩留まりが高く、コスト面でも有利であり、重なり領域の導電部材の長手方向における幅をさらに減らすことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
本発明の具体的な実施形態では、反射セグメントと非反射セグメントの間で「傾斜した」移行セグメントを形成するように圧延する必要もある。具体的には、圧延工具を用いて反射セグメントと非反射セグメントの間の移行セグメントを斜めに圧延することによって、「傾斜した」移行セグメントを形成することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
本発明の実施形態では、反射セグメントの高さの範囲が0.1~0.32mmまたは0.2~0.6mmであり、反射セグメントの接触面の幅の範囲が0.2~0.9mmまたは0.2~0.6mmであることにより、封止用接着フィルム(例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA))の厚みを効果的に減少させ、モジュールのラミネーションの歩留まりを確保し、コストを削減する。また、非反射セグメントの接触面の幅の範囲が0.2~1.4mmまたは0.2~1.6mmであり、非反射セグメントの高さの範囲が0.05~0.3mmでありことにより、非反射セグメントと電池セルの裏面との接触面積を大きく確保し、溶接テンションを高め、製品の信頼性を向上させる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
反射セグメントがその接触面とは反対側を向いた2つの反射面を含む場合を一例として、この2つの反射面がなす角度は、一定の条件を満たす必要がある。以下、その角度範囲を推定する。
【国際調査報告】