(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(54)【発明の名称】折り畳まれた箱を形成することを意図した段ボールブランクの折畳み方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/26 20170101AFI20220907BHJP
【FI】
B31B50/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501267
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2020069321
(87)【国際公開番号】W WO2021005139
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514053077
【氏名又は名称】ボブスト リヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ブレノー マキシム
(72)【発明者】
【氏名】マルタン-バステネール ギヨーム
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA05
3E075BA01
3E075CA01
3E075DA15
3E075DA33
3E075DC70
3E075DD02
3E075DE21
3E075FA07
3E075GA03
(57)【要約】
本発明は、折り畳まれた箱を形成することを意図した段ボールブランクを折り畳む方法に関し、その方法は次の一連の行程、i)少なくとも1つの長手方向の折り目(11)を備えるブランク(1)を供給する行程と、ii)長手方向の折り目(11)の位置で段ボールをより曲げやすくするように、長手方向の折り目(11)に液体を塗布する行程であって、その塗布は、液体排出口を有する液体噴射ノズル(134)を備える液体塗布装置(130)によって実行される、液体を塗布する行程と、iii)長手方向の折り目(11)を中心にブランク(1)を折り畳む行程と、を含み、液体吸引を、行程ii)中に液体塗布装置(130)の吸引コンパートメント(163)内で行う。吸引は、段ボールに吸収されなかった任意の余剰な液体及び/または生成された段ボールの粉じんを取り除くことを可能にする。
【選択図】
図8b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた箱(20)を形成することを意図した段ボールブランク(1)を折り畳む方法であり、前記方法は、次の一連の行程、
i)少なくとも1つの長手方向の折り目(11)を備えるブランク(1)を提供する行程と、
ii)前記長手方向の折り目(11)の位置で段ボールをより曲げやすくするように、液体排出口(138)を有する液体噴射ノズル(134)を備えた液体塗布装置(130)によって、前記長手方向の折り目(11)に液体を塗布する行程と、
iii)前記長手方向の折り目(11)を中心に前記ブランク(1)を折り畳む行程と、を備え、
液体の吸引は、行程ii)中に前記液体塗布装置(130)の吸引コンパートメント(163)内で行われる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記吸引は、不連続の方法で行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記余剰な吸引液体及び/または吸引された粉じんは、液体回収タンク(175)へ排出される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ノズル(134)の前記液体排出口(138)を少なくとも部分的に覆う液体及び/または粉じんの任意の堆積を取り除くように、前記液体噴射ノズル(134)を洗浄する追加の行程を含む、
請求項1ないし3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記洗浄する行程は、前記液体排出口(138)の領域内で空気を吹きつけることによって行われる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記洗浄する行程は、不連続の方法で行われる、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記空気を吹き付ける行程は、圧縮空気を供給する送風機(135)によって行われる、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか1項に記載の折畳み方法を実行することによって、段ボールで作られた折り畳まれた箱(20)を生産するための折畳み-接着ユニットであって、
少なくとも1つの長手方向の折り目(11)を備えた段ボールのブランク(1)を駆動するように構成された少なくとも1つの駆動装置(110)と、
前記駆動装置(110)から長手方向(A)に段ボールの前記ブランク(1)を移動させるように構成された少なくとも1つのコンベヤ(120)と、
前記長手方向の折り目(11)に液体を塗布するように構成された少なくとも1つの液体塗布装置(130)であって、液体排出口(138)を備えた液体噴射ノズル(134)と、前記液体塗布装置(130)の吸引コンパートメント(163)内に負圧を発生して液体を吸引するように構成された少なくとも1つの吸引装置(160)と、を備えた前記液体塗布装置(130)と、
前記長手方向の折り目(11)を中心に前記ブランク(1)を折り畳むように構成された少なくとも1つの折畳み装置(140)と、を備える、
ことを特徴とする折畳み-接着ユニット。
【請求項9】
前記噴射ノズル(134)の前記液体排出口(138)を少なくとも部分的に覆う液体及び/または粉じんの任意の堆積を取り除くように構成された洗浄装置(135)を追加で備える、
請求項8に記載のユニット。
【請求項10】
前記洗浄装置は、圧縮空気を供給する送風機(135)を備える、
請求項9に記載のユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ、特に段ボールブランクから製造されたパッケージの製造分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、既に折り目がつけられている段ボールブランクから開始し、中心線に向かって折り畳まれる2枚の横方向フラップを折り畳んで、これらフラップの外縁を部分的に重複させる行程を実行する機械及び方法に関する。
【0003】
包装産業では、段ボールケースまたは段ボール箱は、厚紙または段ボールのシートの形態のシート要素からしばしば形成される。シート要素は、それらが印刷され、所定寸法に切断され、折り目をつけられ、次いで折り畳まれ、ケースを形成するように接着することによって組み立てられる、パッケージ製造機械での連続的なフローで処理されることができる。別のタイプの包装産業では、パッケージ製造機械は、折畳み―接着機械であり、シート要素は予め印刷され、所定寸法に切断されている。
【0004】
パッケージ製造機械では、折畳み-接着ユニットが、折畳み―接着ユニットの長手方向軸線を辿る経路に沿って段ボールブランクの折畳み-接着の組み合わされた操作を行う。各段ボールブランクの処理のこれらの操作中に、2つのフラップが折り畳まれて接着されると、それらの所望の位置と比較して、2つのフラップの位置のずれが定期的に見つかる。これらのずれは、特に、折り線の横方向の不正確な整列によって生じる場合がある。この横方向の不正確な整列は、一般的に、段ボールの剛性と、ひだに折り線の位置が合う波形支持層の存在とに起因して生じる。中央フラップ上で段ボールブランクの横方向のフラップを折り畳む間、この横方向の不正確な整列は、横方向のフラップの縁部の間にギャップの不良を生成する。このギャップは、最終的に箱の変形を生じさせる。
【0005】
この問題を是正し、ギャップのばらつきを制限するために、米国特許出願公開第2013/0184135号明細書及び国際公開第2017/121503号は、折畳み行程の前に行う、噴射ノズルによる段ボールブランクの折り目への液体塗布を説明している。この液体は、特に、折り目の位置で材料を軟化させ、折畳みを助け、折り線の横方向の不正確な整列を防ぐ。しかしながら、この解決策には、液体が段ボールに接触すると霧を形成するという欠点がある。この霧は、次いで噴射ノズル付近に位置する機械の部分上に堆積され、段ボールの粉じんと混ざる。したがって、生じた溶液及び粉じんの混合物は、ノズルを詰まらせる可能性があり、その結果、折り目への液体の不十分な塗布となり、または液体の塗布がなく、それ故、ギャップの不良を生じ、噴射ノズルはその後の折畳みを非効率にする。更に、生じた溶液及び粉じんの混合物は、機械の折畳み-接着ユニットの周囲に分散され、これは駆動手段の劣化の要因となりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0184135号明細書
【特許文献2】国際公開第2017/121503号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明は、段ボールブランクを折り畳む方法及び前述した欠点を有しない折畳み―接着ユニットを提供することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの目的は、特に、折り畳まれた箱を形成することを意図した段ボールブランクを折り畳む方法に取り組み、その方法は、以下の一連の行程、すなわち、
i)少なくとも1つの長手方向の折り目を備えるブランクを提供する行程と、
ii)長手方向の折り目の位置で段ボールをより曲げやすくするように長手方向の折り目に液体を塗布する行程であって、塗布は、液体排出口を有する液体噴射ノズルを備える液体塗布装置によって実行される行程と、
iii)長手方向の折り目を中心にブランクを折り畳む行程と、を含み、
液体吸引が、行程ii)中に液体塗布装置の吸引コンパートメント内で行われる。
【0009】
吸引は、折畳み-接着ユニットの上流で発生した段ボールの粉じんを伴うか否かに関わらず、または段ボールと液体の衝突時に、段ボールによって吸収されなかった余剰な液体を取り除くことを可能にする。
【0010】
本発明の方法は、1つまたは2つ以上の以下の特性を伴ってもよい。
・吸引は、不連続の方法で行われる。
・余剰な吸引液体及び/または吸引された粉じんは、液体回収タンクへ排出される。
・方法は、ノズルの液体排出口を少なくとも部分的に覆う液体及び/または粉じんの任意の堆積を取り除くように、噴射ノズルを洗浄する追加の行程を含む。
・洗浄行程は、液体排出口の領域内で空気を吹きつけることによって行われる。
・洗浄行程は、不連続の方法で行われる。
・空気を吹き付ける行程は、圧縮空気を供給する送風機によって行われる。
【0011】
本発明の別の目的は、同様に、上述したような折畳み方法を具体化することによって、段ボールで作られた折り畳まれた箱を生産するための折畳み-接着ユニットに取り組むものであり、
・少なくとも1つの長手方向の折り目を備えている段ボールのブランクを駆動するように構成された少なくとも1つの駆動装置と、
・駆動装置から長手方向に段ボールのブランクを移動させるように構成された少なくとも1つのコンベヤと、
・長手方向の折り目に液体を塗布するように構成された少なくとも1つの液体塗布装置であって、液体塗布装置は、液体排出口を備えた噴射ノズルと、液体塗布装置の吸引コンパートメント内に負圧を発生して液体を吸引するように構成された少なくとも1つの吸引装置と、
・長手方向の折り目を中心にブランクを折り畳むように構成された少なくとも1つの折畳み装置と、を備える。
【0012】
一変形例では、塗布装置は、段ボールブランクの底面に接触するように構成されたガイドプレートを備える。ガイドプレートは、ノズルによって噴射された液体が通って出る開口部または切り込みと、液体を吸引するように構成され、開口部または切り込みに並置された少なくとも1つの吸引開口部と、を備える。
【0013】
本発明による折畳み-接着ユニットは、更に、噴射ノズルの液体排出口を少なくとも部分的に覆う液体及び/または粉じんの任意の堆積を取り除くように構成された洗浄装置を備えてもよい。洗浄装置は、圧縮空気を供給する送風機を備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、添付の図面について以下に示された詳細な説明を用いて更によく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1B】
図1に示したブランクから得られる、折り畳んで接着された箱の上面図である。
【
図2】
図1の段ボールブランクから始まり、段ボールで作られた折り畳まれた箱を製作するように構成された折畳み-接着ユニットの斜視図である。
【
図3】
図2に示す折畳み-接着ユニットの細部の拡大斜視図である。
【
図4】
図2に示す折畳み-接着ユニットを備える液体塗布装置の斜視図である。
【
図5】
図4に示す液体塗布装置の中央面Pにおける横断面図である。
【
図6】
図4に示す液体塗布装置及び関連する装置の概略組立図である。
【
図7】
図2の折畳み-接着ユニット内で処理される段ボールブランクの斜視図である。
【
図8a】
図4に示すような、新たな段ボールブランクの導入時の折畳み-接着ユニットの中央面P’における横断面図である。
【
図8b】
図8aと同様の図であるが、段ボールブランク上に液体を噴射する行程の開始時の図である。
【
図8c】
図8aと同様の図であるが、段ボールブランク上に液体を噴射する行程の終了時の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、
図2に示すような折り畳まれた箱1’の製作に使用される段ボールブランク1を示し、本発明による折畳み-接着ユニットを供給することを意図する。段ボールブランク1は、2つの長辺を有する平面視略矩形形状有し、折畳み-接着ユニットに最初に入る辺の前方縁部2と、折畳み-接着ユニットに最後に入る辺の後方縁部3とを形成している。ブランク1を折畳み-接着ユニット沿って矢印Aの方向に移動させるとき、この前方縁部2及び後方縁部3は、互いに平行であり、折畳み-接着ユニットの長手方向軸線XX’に概ね直交する。2つの短い側辺は、右側縁部4と左側縁部5を画定し、互いに、且つ折畳み-接着ユニットの長手方向軸線XX’に平行である。右側縁部4と左側縁部5とは、それぞれ、折畳み-接着ユニットの長手方向軸線XX’の右、左にそれぞれ位置する側辺である。左側縁部5は、左側縁部5の中央部にタブ14を形成するように、左側縁部5の端部に沿って切断部を有する。
【0017】
前方縁部及び後方縁部2、3に平行な2つの折り目12が、折り畳まれた箱1’の周面21を形成するように設計されたブランク1’の中央部分1aを区切り、中央部分1aは、折り畳まれた箱1’の底面22を形成するように設計された後方部分1bと、折り畳まれた箱1’の頂面23を形成するように設計された前方部分1cと、の間に位置する。ブランク1は、右側縁部及び左側縁部4、5に、且つブランク1を形成する段ボールの波形支持層のひだまたは縦溝10に平行な、2対の折り目11、11aを更に備える。これらの折り目11、11aは、中央部分1aの全幅にわたって延在している。折り目11aの1つは、タブ14に隣接するのに対して、他の折り目11aまたは中央折り目は、長手方向軸線XX’と整列する。折り目11の1つは、右側縁部4と中央折り目11aとの間に位置するが、他の折り目11は、左側縁部5と中央の折り目11aとの間に位置し、中央の折り目11aから離れる後者の折り目11の距離は、右側縁部4から最初の折り目11の距離に等しくなる。
【0018】
折り目11及び中央折り目11aの延長部において、後方及び前方部分1b、1cは、後方及び前方部分lb、lcの全幅にわたって延在する切り込み13を形成するように切断されている。切り込み13は、したがって、後方及び前方部分lb、lcの各々において、それぞれ、第1の対の大きな下方フラップ6b-6bと’、第2の対の大きな上方フラップ6c-6c’と、第1の対の小さな下方フラップ7b-7b’と、第2の対の小さな上方フラップ7c-7c’との、2対のフラップをそれぞれ区切っている。大きな下方フラップ6b、6c及び上方フラップ6b’、6c’は、大きな中央フラップ6a、6aの両側にそれぞれ位置している。同様に、小さな下方フラップ7b、7c及び上方フラップ7b’、7c’は、小さな中央フラップ7a、7a’の両側にそれぞれ位置している。
【0019】
図1及び
図7に示すように、折り目11、11a及びそれらの切り込み13とは、矩形状の折り畳まれた箱1’を製造するためのブランク1の折畳みを可能にし、各折り目11は、折り線を画定する。折畳み-接着ユニット100内で平らに折り畳まれた折り畳まれた箱1’は、パッケージ製造機械から出てくる。この折り畳まれた箱1’は、特に、ブランク1の内側に向かって、且つフラップ6a、6b、6cによって形成された第1の組立体と、フラップ7a’、7b’、7c’によって形成さたる第2の組立体との折り線11を中心に、180°折り畳むことによって得られる。これらの第1及び第2の組立体は、それぞれ、左フラップと右フラップとして表され、フラップ7a、7b、7c及び6a’、6b’、6c’によって形成された組立体は、中央部分として表される。大きな上方フラップ6c及び大きな下方フラップ6bを伴う大きな中央フラップは、左側の折り目11に対して180度で折り曲げられ、小さな上方フラップ7c’及び小さな下方フラップ7b’を伴う小さな右中央フラップ7a’は、右側の折り目11に対して180度で折り曲げられる。
【0020】
図3は、本発明に係る折畳み-接着ユニット100を示す。この折畳み-接着ユニット100は、前述のとおり
図1に示したものと同様の構成を有する段ボールブランク1から始まり、プリフォーム1’の製造を可能にする。この折畳み-接着ユニット100は、特に、長手方向軸線XX’の左側に位置する第1の折畳みモジュール101と、長手方向軸線XX’の右側に位置する第2の折畳みモジュール102とを備え、第1及び第2の折畳みモジュール101、102は、軸線XX’に対して互いに対称である。
【0021】
折畳みモジュール101、102の各々は、特に、ブランク1を連続して駆動させるように設計された上方駆動装置またはコンベヤ120を備える。
図3に示すように、この上方駆動装置110は、特に、複数の搬送ローラ114上に、それらの外面の間でブランク1の通過を可能にするように搬送ローラ114から十分な距離を空けて位置する搬送ベルト112を備える。モータが、搬送ローラ113(
図8b参照)を回転駆動させるために設けられ、コンベヤベルト112は、それらの周りに巻かれ、したがってコンベヤベルト112の並進運動を可能にする。かくして、コンベヤベルト112と搬送ローラ114の結合された動作は、方向Aに沿って各ブランク1を並進駆動することを可能にする。
【0022】
更に、コンベヤ120が、上方駆動装置110の下側に配置されている。コンベヤ120と上方駆動装置110とは、折畳み-接着ユニット100の出口150に至るまで長手方向Aにブランク1を動かすように構成されている。図示されている構成のとおり、このコンベア120は、上にブランク1が置かれるエンドレスベルトを備えてもよい。出口150へ至るそれらの移動の間、ブランク1は、ブランク1の左側及び右側フラップをそれらの中央部分に対して180度折り曲げるように構成されている折り装置140によって処理される。
【0023】
この折畳み装置140は、特に、プッシャドッグのグループを備えたバー及びベルトによって形成され且つ曲線を描く螺旋状折畳みコンベヤ(図示せず)を備えるのがよく、ここで、ねじれは、曲率に比例し、螺旋の軸線は、折畳み軸線と一致する。この折畳み装置140は、特に、それらの長手方向の折り目11を中心にブランク1の折畳みを製造するように構成されている。この折畳みを助けるために、折畳み-接着ユニット100の各折畳みモジュール101、102は、ブランク1の折畳みの直前に長手方向の折り目11の1つに液体を塗布するように設計された液体塗布装置130を備えている。したがって、装置130は、上方駆動装置110と折畳み装置140の入口に位置決めされるのが有利である。
【0024】
図4から
図6に示すように、液体塗布装置130は、導管171を介して液体で満たされた液体噴射ノズル134が内側に収容されたハウジング131を備え、導管171は、ノズル134の入口開口部137に端部の一方が、液体リザーバ172に端部の他方が連結されている。ノズル134は、液体が噴射される出口開口部138を有する。この開口部138は、ねじによってハウジング131に固定されたガイドプレート132に向かって指向されている。ガイドプレート132は、ブランク1の移動の方向と平行になるように有利に配置され、それがブランク1の底面に接するようにし、それによって、その移動の間、ブランク1をガイドすることを可能にする。プレート132は、更に、ノズル134よって噴射される液体が逃げることができる開口部またはスロット133が、設けられている。このスロット133は、プレート132に沿ったブランク1の移動の間、ブランク1の長手方向の折り目11の1つと整列するように位置決めされている。図示の例では、プレート132は、ブランク1の下方に配置されている(
図4及び
図5参照)。しかしながら、本発明のもう1つの可能な実施形態では、プレート132を有する液体塗布装置130は、ブランク1の上方に配置されてもよい。
【0025】
更に、液体塗布装置130は、ハウジング131と一体化した送風機135の形態の装置を備え、ハウジング131の中央キャビティ136内に突出するように配置されている。空気循環ダクトが、送風機135を通過し、ハウジング131を通過し外部へと出ていくダクト135aと液体連通する。このダクト135aは、したがって、送風機135によって、中央キャビティ136内に圧縮空気を放出することができるように、圧縮空気源173に接続されるのがよい。ダクト135bは、有利には、噴射ノズル134の出口開口部138に空気を放出するように指向されており、これによって、出口開口部138が、噴射ノズル134の正常な機能を妨げる粉じんまたは他の固体物の堆積物で部分的に詰まった場合に、出口開口部138の洗浄を可能する。この洗浄行程は、噴射ノズル134から噴射される液体の流れの方向を妨げないように、噴射ノズル134が液体を噴射しないときに行われるのが好ましい。
【0026】
ハウジング131の延長部においては、中間コンパートメント161と、中間コンパートメント161内に負圧を発生させるように設計された吸引コンパートメント163とを備える吸引装置160が配置されている。この負圧は、吸引コンパートメント163内の加速された空気174の到達によって生じるベンチュリ効果によって継続的に生成されるのがよい。空気流の速度の測定は、ベンチュリ吸引出口において12m/sの最小値を示している。
【0027】
中間コンパートメント161は、端部の領域に形成された複数のねじ139と協働するねじによってハウジング131の下端に固定されている。中間コンパートメント161は、それを貫通して、一方側がハウジング131の中央キャビティ136に、他方側が略水平ダクト164に出ている、垂直ダクト162を更に有する。管状接合要素166が、ダクト164の自由端に嵌め込まれる。吸引コンパートメント163の上流開口部167が、管状接合要素166に差し込まれる。
【0028】
かくして、吸引コンパートメント163は、ダクト164内に、そして、その結果として、ダクト162内、中央キャビティ136内に負圧を発生させることができる。この負圧は、中央キャビティ136の内部から上流側開口部167に向かう吸引流fを発生させる。したがって、この吸引流fは、ノズル134により噴射される流体の余剰分を排出して、ブランク1に吸収されることなく中央キャビティ136内に戻すことを可能にする。上流側開口部167を通じて吸引されたこの余剰な液体は、次いで吸引コンパートメント163の下流側開口部168によって液体回収タンク175に排出される。
【0029】
図5に示すように、ガイドプレート132は、開口部またはスロット133を備える。ノズルによる液体の噴射は、したがって開口部133を通過することができる。そのため、噴射ノズル134と液体噴射開口部133とは、流体的に連通されている。一変形例では、同一の開口部133は、余剰な液体を吸引するために使用されることができる。これを可能にするために、噴射及び吸引は、不連続且つ交互に行われるのがよい。例えば、液体の噴射は、段ボールブランク1の通過のときにのみ作動される。それに代えて、吸引は、折畳み-接着ユニット100を停止させるときにのみ作動されるように構成されてもよい。
【0030】
別の変形例では、ガイドプレート132は、開口部133とは異なった、段ボールブランク1に噴射された余剰な液体を吸引すること可能にする少なくとも1つの吸引開口部169を有する。かくして、吸引開口部169は、折畳み-接着ユニット100内の液体の堆積を防ぐのを助ける。示されるように、吸引装置160は、少なくとも1つの開口部169、有利には、液体噴射開口部133の両側に配置された少なくとも2つの並置された吸引開口部169を備える。また、複数の吸引開口部169を開口部133の周囲に分散して配置することも可能である。
【0031】
図8aから
図8cは、折り畳む前のいくつかの連続した処理行程の間の、
図3に示す折畳み-接着ユニット100内での段ボールブランク1の各位置を表す。
【0032】
図8aに示された位置では、段ボールブランク1は、第1及び第2の折畳みモジュール101、102の上部駆動装置110の領域内で折畳み-接着ユニット100に導入されて、特にコンベアベルト112の作動の下で、その先端2が、液体供給構成体130のガイドプレート132に垂直に配置された光学検出器180によって検出されるまで、方向Aに動かされている。この位置では、折り線を形成することになる段ボールブランク1の長手方向の折り目11の1つは、プレート132のスロット133と整列する。折り目は、スロット133から更に距離dだけ離れる。この距離dは、同じタイプのブランクに対して一定である。折畳み-接着ユニット100内のブランク1の前進速度vに応じて、ノズル134の噴射の指令のトリガを担うコントローラが、vに対するdの比に等しくなる将来時刻tで、液体の次の噴射を予定する。
【0033】
図8bに示される位置では、ブランク1は、
図8aに示されている位置から方向A、即ち、前述の距離dに沿って移動している。この位置では、長手方向の折り目11の先端部は、スロット133と整列する。コントローラは、スロット133の領域内に且つ折り目11の方向に液体の噴射を生成するように噴射ノズル134に作用しようとしている、または丁度作用したところである。
【0034】
図8cに示された位置では、ブランク1は、長手方向の折り目11の後方端部がスロット133と整列するように、
図8bに示された位置から方向Aに移動している。したがって折り目11は、
図8bの位置から現在の位置への全動きの間、噴射ノズル134によってもたらされる液体の噴射にさらされる。コントローラは、スロット133の領域内での液体噴射を停止するように噴射ノズル134を作用させようとする、または丁度作用したところである。
【0035】
その後、ブランク1は、そのすぐ後ろの新しい段ボールブランク1の前方縁部2が光検出器180によって検出されるまで、方向Aへの動きを続ける。この検出は、この新しい段ボールブランク1への次の液体噴射を開始することができることをコントローラに示す。
【図】
【国際調査報告】