(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】ガイドジャケットフォースセンサ
(51)【国際特許分類】
G01L 5/102 20200101AFI20220908BHJP
【FI】
G01L5/102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557671
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 US2020042875
(87)【国際公開番号】W WO2021076199
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520475595
【氏名又は名称】フューテック アドバンスト センサー テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】FUTEK ADVANCED SENSOR TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】リシャク マチェイ
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB09
2F051AC01
(57)【要約】
荷重センサは、ケーブルなどの連続的な力印加媒体上に取り付けられるように設計され、これにより、媒体を介して伝達される力に応じて変形する。このようなセンサは、媒体のための長手方向貫通通路を有したボディを含み、ボディの両端部においてのみ、媒体に対して機械的に固定される。横方向の穴が、歪み集中領域を提供し、この歪み集中領域の各ゾーンには、歪みゲージが計装されている。センサボディを取り囲むことによって、巻回型リード線キャリアに対する支持を提供することができる。
【選択図】
図17D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状の力伝達媒体(C)を内部に受領するために内部を完全に貫通して延びる長手方向通路(30)を有した固体屈曲ボディ(12)を含むタイプのフォースセンサ(10)であり、前記ボディ(12)は、前記ボディ(12)の両端部の近くの互いに離間したポイントにおいてのみ前記媒体に対して取り付けるための手段(
図6における53、55;
図7における18、20;
図8及び
図9における22、24、26、28)をさらに含み、前記媒体C内の引張力及び圧縮力が前記屈曲ボディ(12)に対して伝達されるようになっている、フォースセンサ(10)であって、
前記屈曲ボディ(12)は、前記長手方向通路(30)の全周囲に延在する外面(11、13、14、15)と、前記ボディを完全に貫通して延びるとともに前記長手方向通路(30)と直交して交差しこれにより前記外面上に応力集中領域(34、37)を形成する横方向開口(32)と、を有し、
前記外面上には、前記応力集中領域(34、37)に、歪み検出素子(38、40、42、44)が配置され、前記歪み検出素子(38、40、42、44)は、ブリッジ回路(
図21)内へと接続されることにより、前記媒体を介して前記ボディ(12)に対して伝達される力を表す電気信号を生成し、
導電性リード線(46、48、50、52)が、前記回路に対して電気的に接続され、
ジャケット(54)が、前記外面に対して取り付けられているとともに前記外面の周囲に延在し、前記ジャケット(54)は、前記歪み検出素子のためのクリアランス(56)を確保するように構成され、
前記導電性リード線は、前記クリアランス(56)を挿通して前記ジャケット(54)の下方へと延び、さらに、前記ジャケット(54)の周囲を周方向に巻回している、ことを特徴とするフォースセンサ(10)。
【請求項2】
前記ジャケットは、内部を貫通する開放通路(63)を形成するアーチ(61)を含み、前記リード線(46、48、50、52)は、前記開放通路(63)を挿通して延びている、請求項1に記載のフォースセンサ(10)。
【請求項3】
前記ジャケット(54)に対して周方向に付着されるとともに前記ジャケット(54)の周囲に延在する非導電性リード線キャリアフィルム(58)をさらに含み、前記リード線は、前記キャリアフィルム(58)に対して取り付けられている、請求項1に記載のフォースセンサ(10)。
【請求項4】
前記屈曲ボディの前記外面は、少なくとも1つの略平面状表面領域(14)を有し、前記歪み検出素子(38、40、42、44)は、前記略平面状表面(14)上に取り付けられている、請求項1に記載のフォースセンサ(10)。
【請求項5】
前記屈曲ボディ(12)は、互いに反対側に位置した平面状表面(13、14)を有し、これら平面状表面(13、14)上には、それぞれ、前記ブリッジ回路の半分が取り付けられている、請求項1に記載のフォースセンサ(10)。
【請求項6】
前記キャリアフィルム(58)は、絶縁性材料から形成されている、請求項4に記載のフォースセンサ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォースセンサの分野に関し、特に、負荷時にある程度の直線的な弾性変形を受ける、ケーブル、フェルール、アーム、ワイヤ、シャフト、ロッド、ロープ、又は同種のもの、などの直線状媒体を介して伝達される引張力及び/又は圧縮力を測定するために使用されるタイプのセンサに関する。本明細書では、単純化のために、「直線状媒体」という用語は、すべてのそのような代替物に関する総称として使用する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤ又はケーブルなどの直線状媒体の静的な張力を測定するに際し、張力計を使用することが公知である。張力計は、ケーブル又はワイヤ上へとぶら下げるように構成されたフレームによって構築され得る。フレームには、ケーブル又はワイヤに対して接触する互いに離間した2つのローラが設けられている。ローラどうしの間においてフレーム上に位置した調節可能部材を使用することにより、ケーブル又はワイヤに対して横方向の力が印加され、これにより、ローラどうしの間の直線経路から逸れるように、ケーブル又はワイヤを曲げる。Nunnelee氏の米国特許第7,424,832号明細書を参照されたい。張力計の更なる例は、Shoberg氏の米国特許第4,989,450号明細書に示されている。
【0003】
動的な態様で引張荷重又は圧縮荷重を測定するに際して一般的に使用される異なるアプローチは、力伝達媒体内における直接的な機械的リンクとしてセンサを設置することを含み、この場合、力伝達媒体を中断してセンサを取り付けることにより、結果的に生じる2つの長さ部分どうしをセンサによって再結合し、これにより、荷重力がセンサを通過しなければならないものとする。このアプローチの欠点は、センサ、あるいは媒体に対するセンサの取付に壊滅的な障害が存在すると、システム全体の動作が中断されてしまうことである。
【発明の概要】
【0004】
本明細書において開示するように、フォースセンサは、媒体を中断したり曲げたり又は他の態様で変更したりする必要なく、直線状媒体に対して取り付けられる。これは、途切れることなくボディ内を通して媒体を通過させ得る長手方向通路を有した計装付き屈曲ボディを提供することにより、そして、通路に沿って互いに離間した2つのポイントのところにおいて、好ましくは屈曲ボディの両端部のところにおいて、屈曲ボディを媒体に対してしっかりと固定することにより、達成される。このようにして、負荷によって媒体が引き延ばされたり又は圧縮されたりした時には、屈曲ボディの一部は、弾性的に変形する。屈曲ボディは、本明細書において説明するように、両端部の間に、引張モードと圧縮モードとの一方又は双方において変形し得る歪み集中領域が提供されるように戦略的に構成されている。この領域は、媒体を介して伝達される力に対して相関した電気出力を生成するよう、所定位置に接着された歪みゲージによって又は同様のデバイスによってなどにより、計装することができる。計装に関する様々なモードについては、後述する。
【0005】
本明細書において図示して詳細に説明する実施形態では、屈曲ボディは、ステンレス鋼、アルミニウム、又はインコネル、などの高弾性率材料から形成される。屈曲ボディは、内部を完全に貫通して媒体を受領する長手方向通路を有している。接着剤及び/又は他の手段を使用することにより、屈曲ボディの両端部においてのみあるいは屈曲ボディの両端部の近傍においてのみ、屈曲ボディが媒体に対して固定される。屈曲ボディは、例えば、ボディを横方向に貫通するとともに長手方向通路に対して直交して交差する第2の開口又は穴によって、上記の応力集中領域を形成するように、さらに構成される。屈曲ボディは、頂部及び底部に、平坦面を有し、これらの面の1つ又は複数には、歪みゲージとコンタクトパッドとが、接着によって取り付けられており、これにより、ゲージを、デバイス上において例えばホイートストンブリッジ回路内へと直接的に接続することができる。ブリッジ回路は、様々な態様で、導電性リード線を介して、電源に対して、及び/又は、ディスプレイや他の信号プロセッサに対して、外部接続することができ、その場合、ストレインリリーフを提供する具体的なリード線の構成については、後述する。
【0006】
さらに、例示的な実施形態によれば、屈曲ボディは、導電性リード線キャリアのための巻回表面を提供するとともに、キャリアが屈曲ボディの周囲を通過して屈曲ボディから離間する際にキャリアのためのクリアランスを提供するために、部分的に取り囲まれる、すなわち「ジャケット付き」とされる。筐体は、デバイスに対して、美的特性と機能的特性との両方を付与することができる。
【0007】
本明細書において説明するデバイスは、外科手術時における遠隔操作器具の正確な制御が最も重要である外科用ロボットなどの分野で使用するための小型化において、有用である。
【0008】
以下においては、米国特許法第112条に基づいて、例示的な実施形態について説明し、これらの説明においては、添付図面を参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、ロッド状の力伝達媒体上に設置された計装化屈曲ボディを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、構成的な変化例としての屈曲ボディを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、内部を挿通して媒体Cが延びている屈曲ボディ12を示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の実施形態における歪みゲージに関するホイートストンブリッジ回路である。
【
図5】
図5は、取付媒体内の引張荷重によって歪み集中領域内で変形したセンサボディを示す図であって、圧縮モード及び引張モードにおいてそれぞれ変形した領域34及び37を示している。
【
図6】
図6及び
図7は、センサを、ケーブル媒体又はロッド媒体に対して取り付けるための第1機構の一部を示している。
【
図7】
図6及び
図7は、センサを、ケーブル媒体又はロッド媒体に対して取り付けるための第1機構の一部を示している。
【
図8】
図8及び
図9は、センサボディを、力伝達媒体に対して取り付けるための第2機構を示している。
【
図9】
図8及び
図9は、センサボディを、力伝達媒体に対して取り付けるための第2機構を示している。
【
図10】
図10は、引張時にボディが変形する態様を詳細に示している。
【
図11】
図11は、センサボディが、両面型ブリッジ回路(double-sided bridge circuit)との間のリード線のための巻回式ポリマーキャリアを受領するように、取り囲まれた又はジャケット付きとされた第2実施形態を示している。
【
図17A】
図17A~
図17Dは、
図12における両面型の実施形態において、屈曲ボディ及び筐体の周囲にリード線キャリアを巻回するための工程を示している。
【
図17B】
図17A~
図17Dは、
図12における両面型の実施形態において、屈曲ボディ及び筐体の周囲にリード線キャリアを巻回するための工程を示している。
【
図17C】
図17A~
図17Dは、
図12における両面型の実施形態において、屈曲ボディ及び筐体の周囲にリード線キャリアを巻回するための工程を示している。
【
図17D】
図17A~
図17Dは、
図12における両面型の実施形態において、屈曲ボディ及び筐体の周囲にリード線キャリアを巻回するための工程を示している。
【
図18】
図18及び
図19は、2つの異なる視点から、リード線キャリアと、このリード線キャリアが巻回された筐体と、に関する詳細を示している。
【
図19】
図18及び
図19は、2つの異なる視点から、リード線キャリアと、このリード線キャリアが巻回された筐体と、に関する詳細を示している。
【
図22】
図22は、ジャケット付きの実施形態のための片面型ブリッジ回路を可能としている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照すると、
図1は、ステンレス鋼、アルミニウム、又はインコネル、などの高弾性率を有した弾性変形可能な材料からなる固体屈曲ボディ12を含むフォースセンサ10を示している。屈曲ボディは、丸められた側面11、13と、共に平坦でありかつ互いに平行な頂面14及び底面15と、を有して構成されている。平坦面14、15の一方又は双方は、半田パッド46及び可変抵抗歪みゲージ38、40、42、44を含む計装要素のための取付位置を提供するものであり、それら計装要素のすべては、非導電性フィルムパッド36によって、屈曲ボディとの電気伝導から、絶縁されている。
図3及び
図7に示すように、通路30が、端面どうしの間にわたってボディ12を完全に挿通して長手方向に延びており、これにより、引張力又は圧縮力を伝達するための力伝達媒体Cであって、ここではロッド状のケーブル又はアームとして示されている力伝達媒体Cは、ボディ12を、連続的な態様で又は途切れない態様で、通過することができる。媒体Cは、実用的な目的からは、引張力と圧縮力との一方又は双方を伝達し得る、ワイヤ、ケーブル、梁、ロッド、ロボットアーム、ロープ、又は同種のもの、のうちの任意のものとすることができる。媒体Cの弾性は、屈曲ボディ12の弾性と比較して、それ以上である。
図2は、屈曲ボディの形状に関するわずかな変形例を示しており、この場合にも、屈曲ボディは、内部を挿通させて媒体Cを受領している。
【0011】
第2の開口32が、丸められた側面11、13どうしの間にわたって屈曲ボディ12を貫通して横方向に延びており、長手方向通路30に対して直交して交差している。
図5に示すように、開口32の効果は、ボディ内に応力集中領域を規定することであり、この領域は、ボディの残部よりも大きな寸法変化度合いでもって引張荷重及び/又は圧縮荷重に応答して変形する部分34及び37を有している。ボディ12の頂面18上における部分34及び37には、圧縮変形及び引張変形に対してそれぞれ応答するための箔歪みゲージが別個に計装されている。歪みゲージ38及び40は、圧縮ゾーンにあり、他方、ゲージ42及び44は、引張ゾーンにある。歪みゲージ38、40、42、44は、ボディの頂面14上において絶縁性のフィルム又はコーティング36に対して接着されているとともに、穴32によって形成された応力集中領域の直上に位置しており、他方、リード線接続用の半田パッド46は、
図1に見られるように、ゲージの右側に対して接着されており、この場所では、変形があまり生じない。圧電デバイス又はホール効果デバイスを使用し得るけれども、箔歪みゲージが好ましい。
【0012】
図4は、従来的な態様でブリッジの脚部に可変抵抗器としてゲージ38、40、42、44を使用したホイートストンブリッジ回路を示している。リード線46及び48は、ブリッジを、電源(電圧源)に対して接続しており、他方、リード線50及び52は、ブリッジの中間点から取り出されており、負荷が屈曲ボディ12を変形させてブリッジを非平衡化した時には、出力信号を、ディスプレイ、信号プロセッサ、又はレコーダ、に対して送出する。ブリッジ回路は、力が、抵抗ゲージの値を変化させない時には、「平衡化」されており、このことは、ブリッジの中間点どうしの間の電圧差がゼロであることを意味する。
【0013】
屈曲ボディ12の端部をケーブル媒体Cに対して機械的に取り付けるための代替可能な方法が、
図6~
図9に示されている。
図6及び
図7では、カラー部分53及び55のみが、
図7に示すように、拘束領域18及び20においてケーブル媒体Cに対して接着によって取り付けられている。
【0014】
これらのポイントどうしの間では、屈曲通路30と媒体Cとの間には、機械的な接続は存在しておらず、実際、ケーブル媒体Cと通路30の内面との間には、径方向の小さなクリアランスが存在してもよい。代替可能な例として、
図8及び
図9に示すようなクランプシステムを採用することができる。このシステムでは、ボディ12内に螺着されたスプリットカラー22、24と、これらカラーに螺着されるクランプナット26、28と、を使用し、カラーを圧縮することによって、両端部ポイントのところでボディ12と媒体Cとの機械的接続を形成する。
【0015】
図5及び
図10は、媒体Cを介して引張力又は圧縮力が伝達された時にセンサボディ12が応力集中領域でどのように変形するかを、誇張して示している。引張力の印加時には、開口32の周辺領域が伸びて薄くなり、歪みゲージを変形させてその抵抗値を変化させ、
図4のブリッジ回路を非平衡化させて、従来的な態様で中間点リード線50、52の間に電圧が現れる。ホイートストンブリッジの動作に精通している人であれば、上側の2つの抵抗器のR値が等しくかつ下側の2つの抵抗器も等しい場合には、あるいは、すべての抵抗器38、40、42、44の抵抗値が等しい場合には、中間点の電圧どうしが等しく、出力リード線50、52上における出力がゼロとなること、すなわち、ブリッジが「平衡化」されていること、を理解するであろう。例えば、C抵抗38及び40の値が増大した時には、ブリッジは、「非平衡」となり、出力リード線どうしの間にわたって電圧が現れる。
【0016】
ガイドジャケットの実施形態
図11~
図22は、
図1~
図3のボディ12と物理的形状及び機能の点で同様ではあるものの、ブリッジ回路に対して電力を供給するとともにそのブリッジ回路から信号を取り出すためのパッド46に対してリード線を取り付けるために必要な電気的接続に対しての損傷を防止するために、屈曲ボディ12'を取り囲むとともに屈曲ボディ12'に対して溶接又は接着されたアルミニウム又はプラスチックなどの材料からなる筐体54を有したセンサ10'を示している。屈曲ボディ12'は、媒体Cに対して、
図1~
図10の実施形態と同じ機能的関係を有している。筐体54は、負荷軸線に対して直交する方向において屈曲ボディの周囲を巻回するとともに、側面上では屈曲ボディを包んでいるけれども、所望によりディスプレイ又は信号プロセッサに対して接続される前に、フレキシブルな絶縁プラスチックフィルム製のリード線キャリア58と、それに対して接合されたかつ半田パッド88に対して接合されたリード62とが、屈曲ボディの周囲を巻回し得るだけのクリアランスを提供している。このようにして、リード線に対して負担をかける行為があったとしても、接続部分は、偶発的に分離しないように保護されている。
【0017】
図17A~
図17D、
図18、及び
図19は、改変された屈曲ボディ12'上に取り付けられた筐体54を示している。筐体は、屈曲ボディの周囲に巻回された時にリード線キャリア58のためのクリアランスを提供するために、屈曲ボディの頂面よりも上方に位置した底面56を有している。加えて、筐体54は、通路63を提供する頂部アーチ61を有しており、これにより、リード線キャリア58は、
図11及び
図17Dに示すように、リード線キャリアが屈曲ボディの周囲を巻回した後に屈曲ボディから離れるように延びる際に筐体自身を通過することができる。提示されているように、筐体は、フレックスケーブル用のスロットスタイルのストレインリリーフから構成されており、フレックスケーブルを保護するとともに、例えば急速な動きをするロボット応用におけるセンサの出力安定性に対するケーブル移動の影響を無効化する。
【0018】
次に、
図13~
図22を参照して、筐体を有した実施形態について、より詳細に説明するものとし、これらの図は、より小さな側方のフライングフィンガーアクセススロットと、メインのフレックス用スロット付きストレインリリーフと、を示している。
【0019】
図13に示すように、両面密閉型屈曲ボディの3つの主要な構成要素は、屈曲ボディ12'と、筐体54と、平行な態様でリード線62が接着されたフレキシブルなプラスチック製リード線キャリア58と、を含むようにして、示されている。ボディ12'は、ボディ12と同様のものであるが、頂面上に設けられた歪み分離用の切欠80と、端部フランジ82と、を有している。
【0020】
この実施形態におけるボディ12'は、頂面と底面との両面上で計装されており(「両面型」ブリッジ構成)、各面には、
図21に示すブリッジ回路を構成する歪みゲージの半分が搭載されているとともに、ブリッジ回路歪みゲージに対してのリード線のコネクタ位置として機能する半田パッドが搭載されている。
図13では、頂面の歪みゲージは、84及び86であり、他方、半田パッドは、88、89、90である。他の2つの歪みゲージは、
図15の底面上においてリード線タブによって示された位置において、ボディ12'の底面上に存在する。キャリア58は、
図14及び
図15に示すように、頂面上及び底面上の半田パッドに対してのリード線62のための支持面を提供する脚部A及びBを有した絶縁性でフレキシブルなフィルムからなる長尺ボディとして構成されている。
【0021】
筐体54は、
図17Dに示すように、近くの端部がフランジ82に対して当接した状態で、ボディ12'上においてジャケットのように適合する。リード線キャリア58は、筐体54に対して巻回されて接着され、タブ92、94は、屈曲ボディ12'の頂面上においてパッド88、89、90に対して半田付けされる。
図17Cにおいて明らかであるように、更なる3つのパッド102、104、106が、底部平坦面上に配置され、脚部B上のリード62線が、それらに対して半田付けされる。
図14は、リード線の平坦な構成を示しており、他方、
図13及び
図15は、ボディ10'の周囲を360°超にわたって適合して巻回するように再形成されたフレキシブルなキャリア58を示している、すなわち、キャリアは、屈曲ボディから離れるように延びる際には、したがって、キャリア自体の上方を通過しなければならない。筐体内のフィンガースロット96は、
図15、
図16、
図17A、
図17Bに示すように、キャリアが頂面上のパッドから離れる際には、キャリアのためのクリアランスを提供し、他方、開口63は、完全に巻回されて接着されたフィルムキャリア58が、ディスプレイ、信号プロセッサ、又はレコーダ(図示せず)に対して到達するための通路を提供する。筐体は、屈曲ボディの性能を変化させるものではなく、具体的には、応力集中領域に関する性能を変化させるものではない。
【0022】
図17Cは、筐体54を巻回した状態の屈曲ボディ12'の底面を示している。3つのリード線62が、ボディ12'の底部平坦面上のパッド102、104、106に対して半田付けされている。
図17Dは、屈曲ボディ12'の頂面と、アーチ61を有した筐体54と、を示している。
【0023】
図18及び
図19は、センサアセンブリの全体を、2つの角度から示している。
図19は、筐体が屈曲ボディ12'に対して接着されている領域100を示しており、この領域は、センサが負荷を受けている時でも、実質的にゆがまない。
【0024】
図20A~
図20Cは、完成したアセンブリを、それぞれ、底面から、側面から、及び上方から、示しており、圧縮及び引張を表すC及びTの文字によってブリッジ構成要素を識別している。電圧リード線は、+Eによって識別される。
【0025】
図21は、ブリッジ回路内へと接続された両面型歪みゲージを示している。
【0026】
図22は、筐体54を有したセンサ10'が、片面型の態様で、すなわち、
図1のジャケット無しの実施形態に示されているのと同様に、4つのゲージのすべてが頂面上に配置された状態で、どのように計装し得るかを示している。この場合にも、キャリア58は、筐体の周囲に巻回されており、アーチ61の下方から通過する。
【0027】
動作
次に、ケーブル、ワイヤ、ロッド、又は、他の適切な力伝達媒体に設置された際の、デバイスの動作について説明する。この実例では、デバイスは、長さが5mmの程度であり、最大で約150ポンド(約68kg)の引張力まで許容することができる。したがって、ボディのヤング率は、およそ28×106psi~29×106psiである。ホイートストンブリッジのリード線46及び48の間には、電圧源又は適切な電力レベルが接続されており、ブリッジの非平衡状態に起因した電圧であるとともに、伝達された力を表す電圧が、リード線50及び52の間で測定される。適切な較正の後においては、信号は、高い精度で、伝達された力と相関する。
【0028】
本明細書に記載された寸法及び他の数値は、本質的に代表的なものであり、特段に指定されていない限り、限定的な意味で解釈されるべきではないことは、理解されよう。さらに、ボディ12が様々な態様で計装化されることは理解されるであろう、例えば、
図1及び
図22に示すように、片面上にブリッジ全体を有して実装してもよく、あるいは、
図11及び
図12~
図21に示すように、両面上に2つのブリッジゲージ半体を有した両面型回路として実装してもよい。
【国際調査報告】