(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】表示デバイスにおける平面性ばらつきを減少させること
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20220908BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20220908BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220908BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220908BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/33
G09F9/00 302
G09F9/30 349Z
H01L33/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571041
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020041440
(87)【国際公開番号】W WO2021007452
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ペンゼ, ラジェンドラ ディー.
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA23
5C094DB01
5C094HA08
5C094JA08
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
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5F142DB54
5F142EA02
5F142EA34
5F142GA02
5G435AA17
5G435BB04
5G435KK05
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
表示デバイスの平面性におけるばらつきを減少させるための技法が、本明細書において開示される。いくつかの実施形態では、方法が、第1の温度において表示デバイスの上面に第1の圧力を印加することを含む。表示デバイスは、バックプレーン、複数のダイ、およびバックプレーンと複数のダイとの間の複数の可融相互接続部を含む。第1の圧力は、複数のダイが配置されるバックプレーンの平面に対して直角な方向に印加される。第1の圧力および第1の温度は、複数の可融相互接続部に表示デバイスの上面の平面性におけるばらつきを吸収させるように選択される。
【選択図】
図9C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の温度において表示デバイスの上面に第1の圧力を印加すること
を含む方法であって、
前記表示デバイスが、バックプレーン、複数のダイ、および前記バックプレーンと前記複数のダイとの間の複数の可融相互接続部を含み、
前記第1の圧力が、前記複数のダイが配置される前記バックプレーンの平面に対して直角な方向に印加され、
前記第1の圧力および前記第1の温度が、前記複数の可融相互接続部に前記表示デバイスの前記上面の平面性におけるばらつきを吸収させるように選択される、方法。
【請求項2】
前記第1の圧力が、前記表示デバイスの前記上面上に配置される材料の重量だけによって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の温度が、前記複数の可融相互接続部の融点に相当する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表示デバイスの前記上面に接触する前記材料の底面が、平坦である、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記表示デバイスの前記上面に接触する前記材料の底面が、曲面状であり、好ましくは、前記材料の前記底面の曲率が、前記複数の可融相互接続部を形成する可融材料のリフロー後に起こると予想される前記表示デバイスの前記上面の反りに基づいて決定される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の圧力が、室温における前記複数の可融相互接続部の可融材料の降伏強さに相当し、
前記第1の圧力が、前記表示デバイスの前記上面上に配置される材料の重量、および前記材料に印加される外力によって提供される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の温度が、前記室温に相当する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記表示デバイスの前記上面に接触する前記材料の底面が、平坦であり、または好ましくは、前記表示デバイスの前記上面に接触する前記材料の底面が、曲面状である、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記可融材料が、ハンダを含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第2の温度において前記表示デバイスの前記上面に第2の圧力を印加すること
をさらに含み、
前記第2の圧力が、前記第1の圧力が印加された後で印加され、
前記第2の圧力が、前記複数のダイが配置される前記バックプレーンの前記平面に対して直角な方向に印加され、
前記第2の圧力および前記第2の温度が、前記複数の可融相互接続部に前記表示デバイスの前記上面の前記平面性におけるさらなるばらつきを吸収させるように選択され、好ましくは、
前記第1の圧力が、前記表示デバイスの前記上面上に配置される材料の重量だけによって提供され、
前記第2の圧力が、前記表示デバイスの前記上面上に配置される前記材料の前記重量、および前記材料に印加される外力によって提供される、
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記表示デバイスの前記上面に前記第1の圧力を印加する前に前記表示デバイスの前記上面に保護フィルムを貼り付けることをさらに含み、好ましくは、前記保護フィルムが、電子グレードのSiフィルム接着剤または熱可塑性材料を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記表示デバイスが、前記複数のダイに隣接して配置される少なくとも1つのスペーサをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の可融相互接続部の可融材料が、ハンダを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
表示デバイスであって、
バックプレーンと、
複数のダイであって、前記複数のダイのうちのそれぞれのダイが複数の発光ダイオードを備える、複数のダイと、
前記バックプレーンと前記複数のダイとの間の複数の可融相互接続部と、
を備え、
前記表示デバイスの上面の平面性ばらつきが、10μm未満である、表示デバイス。
【請求項15】
前記複数のダイに隣接して配置される少なくとも1つのスペーサをさらに備える、請求項14に記載の表示デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、ディスプレイに関し、より具体的には、表示デバイスと制御回路の統合に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイは至る所にあり、かつ、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップ、TV、および表示システムのコア構成要素である。今日の一般的な表示技術は、発光ダイオード(LED)ディスプレイを含む。表示デバイスは、バックプレーン上に取り付けられる複数のLEDダイを含み得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示は一般に、表示デバイスの平面性におけるばらつきを減少させることに関する。いくつかの実施形態では、方法が、第1の温度において表示デバイスの上面に第1の圧力を印加することを含む。表示デバイスは、バックプレーン、複数のダイ、およびバックプレーンと複数のダイとの間の複数の可融相互接続部を含む。第1の圧力は、複数のダイが配置されるバックプレーンの平面に対して直角な方向に印加される。第1の圧力および第1の温度は、複数の可融相互接続部に表示デバイスの上面の平面性におけるばらつきを吸収させるように選択される。
【0004】
第1の圧力は、表示デバイスの上面上に配置される材料の重量だけによって提供され得る。第1の温度は、複数の可融相互接続部の融点に相当し得る。表示デバイスの上面に接触する材料の底面は、平坦であってよい。あるいは、表示デバイスの上面に接触する材料の底面は、曲面状であってもよい。材料の底面の曲率は、複数の可融相互接続部を形成する可融材料のリフロー後に起こると予想される表示デバイスの上面の反りに基づいて決定され得る。
【0005】
あるいは、第1の圧力は、室温における複数の可融相互接続部の可融材料の降伏強さに相当してもよく、また、第1の圧力は、表示デバイスの上面上に配置される材料の重量、および材料に印加される外力によって提供されてもよい。第1の温度は、室温に相当してよい。表示デバイスの上面に接触する材料の底面は、平坦であってよい。あるいは、表示デバイスの上面に接触する材料の底面は、曲面状であってもよい。可融材料は、ハンダを含み得る。
【0006】
方法はまた、第2の温度において表示デバイスの上面に第2の圧力を印加することを含み得る。第2の圧力は、第1の圧力が印加された後で印加され得る。第2の圧力は、複数のダイが配置されるバックプレーンの平面に対して直角な方向に印加され得る。第2の圧力および第2の温度は、複数の可融相互接続部に表示デバイスの上面の平面性におけるさらなるばらつきを吸収させるように選択される。第1の圧力は、表示デバイスの上面上に配置される材料の重量だけによって提供されてよく、第2の圧力は、表示デバイスの上面上に配置される材料の重量、および材料に印加される外力によって提供されてよい。
【0007】
方法はまた、表示デバイスの上面に第1の圧力を印加する前に表示デバイスの上面に保護フィルムを貼り付けることを含み得る。保護フィルムは、電子グレードのSiフィルム接着剤または熱可塑性材料を含み得る。表示デバイスはまた、複数のダイに隣接して配置される少なくとも1つのスペーサを含み得る。複数の可融相互接続部の可融材料は、ハンダを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、表示デバイスが、バックプレーン、複数のダイ、およびバックプレーンと複数のダイとの間の複数の可融相互接続部を含む。複数のダイのうちの各ダイが、複数の発光ダイオードを含む。表示デバイスの上面の平面性ばらつきは、10μm未満である。表示デバイスはまた、複数のダイに隣接して配置される少なくとも1つのスペーサを含み得る。
【0009】
例示的な実施形態について、以下の図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なLEDデバイスの断面図である。
【
図2A】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なディスプレイの概略図である。
【
図2B】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なディスプレイの概略図である。
【
図2C】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なディスプレイの概略図である。
【
図2D】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なディスプレイの概略図である。
【
図2E】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なディスプレイの概略図である。
【
図2F】開示された技法の例を使用して製造され得る例示的なディスプレイの概略図である。
【
図3】開示された技法の例による、表示デバイスの一例の図である。
【
図4A】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図4B】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図5A】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図5B】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図6】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図7A】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図7B】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図7C】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図7D】開示された技法の例による、
図3の表示デバイスの例の図である。
【
図8】開示された技法の例による、表示デバイスを製造するための方法の一例の図である。
【
図9A】表示デバイスにおける平面性ばらつきを減少させるための方法の例を示す図である。
【
図9B】表示デバイスにおける平面性ばらつきを減少させるための方法の例を示す図である。
【
図9C】表示デバイスにおける平面性ばらつきを減少させるための方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図は、本開示の実施形態を単に例示の目的のために示す。当業者は、例示された構造および方法の代替的な実施形態が本開示の原理または宣伝される便益から逸脱することなしに用いられ得ることを、以下の説明から容易に認識するであろう。
【0012】
添付の図では、同様の構成要素および/または特徴は、同じ参照標識を有し得る。さらに、同じタイプの種々の構成要素は、参照標識の後にダッシュを付けること、および、同様の構成要素を区別する第2の標識によって、区別され得る。第1の参照標識のみが明細書において使用されている場合、その説明は、第2の参照標識に関わりなく、同じ第1の参照標識を有する同様の構成要素のうちのどの1つにも適用できる。
【0013】
以下の説明では、解説することを目的として、発明性のあるいくつかの実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が記述される。しかし、種々の実施形態はこれらの具体的な詳細を伴わずに実践され得ることが、理解されるであろう。図および説明は、制限的であるように意図されたものではない。
【0014】
今日、一般的なディスプレイ技術は、液晶ディスプレイ(LCD)から、より最近の有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイおよびアクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイにまでわたる。優れた電池性能および強化された輝度に基づく第3世代の平面ディスプレイ画像生成器として、無機発光ダイオード(ILED)が現れつつある。本明細書において説明される「μLED」、「uLED」、または「マイクロLED」は、小さな活性発光領域(例えば、2,000μm未満)を有しまたいくつかの例では小さな活性発光領域から放射される光の輝度レベルを高めるために指向性光を生成することができる、特定のタイプのILEDを意味する。いくつかの例では、マイクロLEDが、50μm未満、20μm未満、または10μm未満の活性発光領域を有するLEDを意味し得る。いくつかの例では、長さ寸法は、2μmまたは4μmほどの小ささであり得る。本開示の残りの部分にわたって、「LED」は、μLED、ILED、OLED、または任意のタイプのLEDデバイスを意味し得る。
【0015】
ILEDディスプレイは、OLEDディスプレイとは異なるプロセスを使用して製造され得る。例えば、OLEDデバイスは、ディスプレイ基板上に直接製作される。対照的に、ILEDデバイスは、ディスプレイ基板とは別に製作される。ILEDデバイス母材の母材は、LEDスタータウェハを形成するために、結晶基板上で成長させられる。LEDスタータウェハは、個別のLEDダイを作り出すために様々なステップを通じて加工されてよく、各LEDダイは、LEDデバイスを含む。製作されると、LEDダイは、キャリア基板からバックプレーンへ移され得る。バックプレーンは、表示デバイスのディスプレイバックプレーンであってよい。表示デバイスのLEDデバイスは、画素を形成するために分割され得る。
【0016】
バックプレーン、ならびに制御回路および電力系統などの他の構成要素は、表示システムを形成するために、回路板(例えば、プリント回路板(PCB))に個別に取り付けられ得る。回路板は、表示システムの様々な構成要素間の電気的接続を提供し得る。そのような構成が望ましくない場合がある。第1に、各構成要素は比較的長い距離によって離間されているので、表示システムのフォームファクタが増大し、それにより、ウェアラブルデバイスなどの非常に限定された空間を有するデバイス内に表示システムを配置することが難しくなる。第2に、構成要素間の電気的接続を提供するために、長い信号トレースが必要とされる。長い信号トレースは、高解像度画像データなどの高速信号の伝達に相当な遅延をもたらす可能性があり、それにより、表示システムの性能が著しく低下する可能性がある。これら全てが、表示システムの適用を限定し得る。
【0017】
本開示の例は、表示装置を提供する。表示装置は、集積回路(IC)チップを備える。ICチップは、ICチップ内に統合された発光ダイオード(LED)デバイス、第1のダイ、および第2のダイを備える。LEDデバイスは、ICチップの表側で露出される。ICチップは、ICチップの裏側上に入力/出力(I/O)バンプをさらに含む。LEDデバイスは、垂直方向に沿って第1のダイとともにスタックを形成し得る。第1のダイは、LEDデバイスに電気的に接続されたドライバ回路を含み、かつ、I/Oバンプのうちの少なくともいくつかに電気的に接続される。ICチップは、LEDデバイスとI/Oバンプのうちの少なくともいくつかとの間の電気的接続を提供するために、ICチップの表側からICチップの裏側に向かって少なくとも第1のダイの厚さにわたって垂直方向に沿って延在する第1の回路をさらに含む。第1のダイのドライバ回路のための表示エンジンおよび制御回路を備える第2のダイは、I/Oバンプのうちの少なくともいくつかに接続される。ICチップは、第1のダイと第2のダイとの間の電気的接続を提供するために、第2の回路をさらに含む。表示装置は、電力系統とICチップの第1のダイ、第2のダイ、およびLEDデバイスとの間の電気的接続を提供するために、ICチップのI/Oバンプおよび電力系統に電気的に接続された回路板をさらに備える。
【0018】
本開示の残りの部分にわたって、「回路」は、電流を伝導することができる任意の構造、または電位を伝達することができる任意の構造を含み得る。回路は、例えば、電線、バイア、および任意の受動的または能動的なデバイス(例えば、抵抗器、蓄電器、誘導器、トランジスタ、など)を含み得る。
【0019】
いくつかの例では、第1のダイおよび第2のダイは、ICチップ内で横方向に沿って配置され得る。ICチップは、横方向に沿って第1のダイに当接する肩構造を含み得る。肩構造は、LEDデバイスとI/Oバンプとの間の電気的接続を提供するために、ICチップの表側からICチップの裏側まで肩構造にわたって延在する電気伝導経路を含み得る。ICチップは、LEDデバイスに隣接しかつICチップの表側上に位置する表側リディストリビューション層(RDL)として構成されたファンアウト回路を含み得る。表側RDLは、電気伝導経路の第1の端部と第1のダイとの間の電気的接続を提供するために、肩構造から第1のダイまで延在し得る。第1のダイは、電気伝導経路の第1の端部とLEDデバイスとの間の電気的接続を提供するための内層回路をさらに含む。ICチップはまた、第1のダイと第2のダイとの間の電気的接続を提供するために、第2のダイから第1のダイまで延在する別の表側RDLを含み得る。
【0020】
肩構造の電気経路の第2の端部をICチップの裏側上のI/Oバンプに接続するために、様々な構成が提案される。1つの例では、I/Oバンプは、電気伝導経路の第2の端部に電気的に接続するために、ICチップの裏側上の肩構造の一部の上に形成され得る。別の例では、ICチップは、表側RDLに対向する裏側RDLとして構成されたファンアウト回路を含み得る。I/Oバンプは、裏側RDL上に形成されてよく、裏側RDLは、I/Oバンプと電気伝導経路の第2の端部との間の電気的接続を提供するために、I/Oバンプから肩構造まで延在し得る。
【0021】
いくつかの例では、第1のダイおよび第2のダイは、ICチップ内で垂直方向に沿ってスタックを形成し得る。ICチップは、横方向に沿って第1のダイに当接する第1の肩構造と、横方向に沿って第2のダイに当接する第2の肩構造とを含み得る。第1の肩構造は、垂直方向に沿って第1の肩構造にわたって延在する第1の電気伝導経路を含み得る。第2の肩構造は、垂直方向に沿って第2の肩構造にわたって延在する第2の電気伝導経路を含み得る。第1のダイは、LEDデバイスに隣接する第1の表側RDLを含み得る。第1の表側RDLは、第1のダイを介してLEDデバイスと第1の電気伝導経路との間の電気的接続を提供するために、第1の肩構造から第1のダイまで延在する。いくつかの例では、第1のダイにおける第1の肩構造は、第1のダイ自体の本体内のシリコン貫通電極(TSV)に置き換えられ得る。TSVは、第1のダイの周辺領域内、または実質的に第1のダイの全領域内に存在し得る。
【0022】
第1の肩構造と第2の肩構造との間の電気的接続を提供するために、様々な構成が提案される。1つの例では、第1の電気伝導経路および第2の電気伝導経路は、第1の肩構造と第2の肩構造との間に挟まれたI/Oバンプを介して、一緒に電気的に接続され得る。いくつかの例では、ICチップは、(ICチップの表側と反対の側を向いた)第1のダイの裏側と、第1のダイの裏側に面する第2のダイの表側とにそれぞれ形成された、向かい合ったRDL層を含み得る。向かい合ったRDL層は、第1の肩構造の第1の電気伝導経路および第2の肩構造の第2の電気伝導経路のそれぞれへの接続を電気的に提供するために、第1の肩構造および第2の肩構造までそれぞれ延在し得る。ICチップは、向かい合ったRDL層の間および第1の電気伝導経路と第2の電気伝導経路との間の電気的接続を提供するために、向かい合ったRDL層の間に挟まれたI/Oバンプを含み得る。上記のように、ICチップの裏側上のI/Oバンプは、第2の肩構造上に配置され得るか、または、第2のチップの上に延在する別の裏側RDL上に配置され得る。
【0023】
LEDデバイスおよびダイを集積回路チップに統合するために、他の構成も提案される。1つの例では、ICチップは、横方向に沿って配置された第1のダイおよび第2のダイを保持するためのチップキャリアを含み得る。チップキャリアは、ICチップの裏側上のI/Oバンプへの電気的接続を提供するために、電気伝導経路を含み得る。ICチップは、LEDデバイスとチップキャリア内の電気伝導経路との間の電気的接続を提供するために、ブリッジ回路を含み得る。別の例では、ICチップは、垂直方向に沿ってスタックを形成する第1のダイおよび第2のダイを含むことができ、第1のダイおよび第2のダイのそれぞれは、LEDデバイスと裏側上のI/Oバンプとの間の電気的接続を提供するために、シリコン貫通電極(TSV)を含み得る。
【0024】
開示された技法によれば、LEDデバイスおよび制御回路は、単一の集積回路チップに統合され得る。そのような構成は、表示システムの構成要素間の分離距離を実質的に減少させることができ、それにより、表示システムのフォームファクタのみならずルーティング距離も減少され、結果として、表示システムの動作速度が改善され得る。開示された技法は、非常に限定された空間を有するウェアラブルデバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)における高性能表示システムの実装に、特に有利である。
【0025】
本開示の例は、人工現実感システム(artificial reality system)を含むかまたは人工現実感システムに関連して実装され得る。人工現実感は、ユーザへの提示の前に何らかの方法で調整された現実感の形態であり、例えば、仮想現実感(VR)、拡張現実感(AR)、複合現実感(MR)、ハイブリッド現実感、またはそれらのいくつかの組合せおよび/もしくは派生物を含み得る。人工現実感コンテンツは、完全に生成されたコンテンツ、または、キャプチャされた(例えば、現実世界)コンテンツと組み合わせられた生成コンテンツを含み得る。人工現実感コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、またはそれらのいくつかの組合せを含むことができ、それらのいずれも、単一チャネルでまたは(視聴者に対する3次元効果を作り出すステレオビデオなどの)多重チャネルで提示され得る。さらに、いくつかの例では、人工現実感はまた、例えば人工現実感におけるコンテンツを作り出すために使用されかつ/または人工現実感において他の方法で使用される(例えば、人工現実感においてアクティビティを実行する)アプリケーション、製品、付属品、サービス、またはそれらのいくつかの組合せに関連付けられ得る。人工現実感コンテンツを提供する人工現実感システムは、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)、独立型HMD、モバイルデバイスもしくはモバイルコンピューティングシステム、または1人もしくは複数人の視聴者に人工現実感コンテンツを提供することができる任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、様々なプラットフォーム上で実施され得る。
【0026】
図1は、本開示のいくつかの例によるμLED100の断面図を示す。
図1に示されるように、μLED100は、とりわけ、基板102、基板102上に配置された半導体エピタキシャル層104を含む。エピタキシャル層104は、メサ106に成形され得る。活性化されたときに所定の波長範囲の光を放出するように構成された量子井戸構造を含み得るアクティブ層108が、メサ106内に含まれ得る。メサ106は、p型導体パッド110によって覆われた切頭頂部を有するが、メサ106の外側のエピタキシャル層104の一部分は、n型導体パッド112によって覆われ得る。アクティブ層108を活性化させて光114を放出させるために、p型導体パッド110およびn型導体パッド112にまたがって電気信号が印加され得る。さらに、メサ106はまた、反射性のエンクロージャを形成するために、放物線に近い形状を有する。メサ106の放物線に近い構造は、ウェハ加工ステップ中にLEDダイ上に直接エッチングされ得る。典型的なμLEDのためのメサ106は、約50マイクロメートル(μm)以下の直径を有し得るが、p型導体パッド110およびn型導体パッド112のそれぞれは、約20μmの直径を有し得る。
【0027】
アクティブ層108から放出された光114は、光がμLEDダイ100から脱出するのに十分な角度で(すなわち、全反射の角度内で)、メサ106の内壁から発光表面116に向かって反射され得る。光114は、光が発光表面116から出てくるときに、準平行光線(quasi-collimated light beam)を形成し得る。
【0028】
図2Aおよび
図2Bは、本開示のいくつかの例によるμLED表示装置200の例を示す。
図2Aおよび
図2Bの例はμLEDデバイスに基づくが、
図2Aおよび
図2Bの例は他のタイプのLEDデバイスにも適用可能であることが、理解される。
図2Aは、表示装置の断面図を示し、
図2Bは、表示装置の上面図を示す。
図2Aに示されるように、μLEDディスプレイ200は、例えばバックプレーン204上に組み付けられたμLEDダイ202a、μLEDダイ202b、およびμLEDダイ202cを含むμLEDダイ202のアレイを具備し得る。
【0029】
バックプレーン204は、複数のμLEDデバイスに電気的接続および構造上の支持を提供するために、複数のμLEDダイを取り付けるための構造を含み得る。本明細書において、「バックプレーン」は、複数のLEDデバイス(これは、本開示において説明されるようなμLEDデバイスを含み得る)を取り付けるためおよび複数のLEDデバイスに電気信号を提供するための表面(これは、平面状、曲面状、などであり得る)を提供する、任意の構造を意味し得る。バックプレーンは、表示デバイスを形成するためのディスプレイバックプレーンとして構成され得る。例えば、バックプレーンは、表示素子を形成するLEDデバイスの組立体を保持することができ、また、バックプレーンは、表示素子によって表示される情報を制御するためにLEDデバイスに電気信号を提供するためのトレースを含み得る。バックプレーン204は、他の構成要素に接続することができるトレースを備え得る。バックプレーンはまた、トレースへのアクセスを提供することができる電気接点、例えば金属パッドを備え得る。例えば、
図2Aおよび
図2Bに示されるように、バックプレーン204は、μLEDダイ202a、μLEDダイ202b、およびμLEDダイ202cにそれぞれ電気的に接続する電気トレース206a、206b、および206cを含む。電気トレース206a、206b、および206cは、様々な信号を印加することによりμLEDダイ202a、μLEDダイ202b、およびμLEDダイ202cのそれぞれが個別に制御されることを可能にする。バックプレーン204はまた、μLEDダイ202a、μLEDダイ202b、およびμLEDダイ202cのそれぞれのためのリターン電流経路の役割を果たす電気トレース208を含む。バックプレーン204は、薄膜トランジスタ(TFT)ガラス基板、ポリマー、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの、異なる種類の材料を含み得る。
図2Aは矩形の形状を有するバックプレーン204を示しているが、バックプレーン204は様々な形状およびサイズを有し得ることが理解される。
【0030】
μLEDダイ202a、μLEDダイ202b、およびμLEDダイ202cのそれぞれは、
図1のμLEDダイ100に類似した構造を有し得る。
図2Aおよび
図2Bにおける各μLEDダイは、基板102、エピタキシャル層104、メサ106、およびアクティブ層108を含み得る。さらに、各μLEDダイは、デバイス側バンプ210およびデバイス側バンプ212を含む。
図2Aおよび
図2Bは、バンプが矩形の形状のものであることを示すが、バンプは、例えば丸みを帯びた形状、ドーム形状、などを含む他の形状を取ることができることが、理解される。デバイス側バンプ210は、p型導体パッド110(
図2Aおよび
図2Bには示されていない)に接続されてよく、一方で、デバイス側バンプ212は、n型導体バッド112(やはり
図2Aおよび
図2Bには示されていない)に接続されてよい。さらに、バックプレーン204は、μLEDダイを配置するための各箇所に、バックプレーン側バンプを含む。例えば、バックプレーン204は、μLEDダイ202aのためのバックプレーン側バンプ214および216を含む。バックプレーン204はまた、バックプレーン側バンプ214および216が堆積される基礎として機能しまたトレース206および208への電気接点を提供するためのものである、金属パッド(
図2Aには示されていない)を含む。伝導性ボンディング(例えば、金属ボンディング)が、μLEDダイとバックプレーン204との間の電気経路を提供するために、μLEDダイのバンプと接点との間に形成され得る。
【0031】
いくつかの例では、μLED表示装置200は、特定の色の光を放出するように構成されたLEDがストリップ(または、複数のストリップ)として形成される、走査ディスプレイとして構成され得る。例えば、
図2Cに示されるように、μLEDダイ202a、μLEDダイ202b、およびμLEDダイ202cなどを含む複数のμLEDダイが、緑色光を放出するように構成されたμLEDストリップ220をバックプレーン204上に形成するために、X軸に沿って組み付けられ得る。さらに、バックプレーン204はまた、赤色光を放出するように構成されたμLEDストリップ230、および青色光を放出するように構成されたLEDストリップ240を含む。
【0032】
μLEDストリップ220、230、および240、ならびに赤色、緑色、および青色のμLEDのさらなるストリップが、走査ディスプレイを形成するために、平行ストリップとしてY軸に沿ってバックプレーン204上に組み付けられ得る。
図2Dは、μLED表示装置200、鏡252、およびレンズ254を備える走査ディスプレイ250の例を示す。走査ディスプレイ250では、各LEDのストリップは、特定の色(例えば、赤色、緑色、または青色のうちの1つ)の光を放出するように構成され得る。例えば、μLEDストリップ220が緑色光260を放出することができ、μLEDストリップ230が赤色光270を放出することができる、などである。光は、レンズ254によって集光されて、鏡252によって人の眼球256内へ反射され得る。連続的な走査を行うために、各μLEDのストリップは、光を放出して眼球256の網膜上へ画像の画素の線を投影するように制御され得る。各画素の線の投影は、連続的であってよい。鏡252の回転動作を通じて、各画素の線は、異なるタイミングで異なる点において網膜上に投影されて、画像の認知をもたらし得る。
【0033】
図2A~
図2Dの例では、バックプレーン204は、各μLEDに制御信号を伝達するために、各μLEDに対してバックプレーン側バンプを有する。そのような構成は、各μLEDが個別に制御されることを可能にするが、解像度を高めるためにディスプレイが多数の画素を含む場合に、バックプレーン上に多数のバックプレーン側バンプが配置されることにつながり得る。例えば、走査ディスプレイ250が百万個のμLEDを含む場合、百万個のμLEDのそれぞれへの電気的接続を提供するために、裏側バンプ214および216の百万の対がバックプレーン204上に設けられる必要がある。裏側バンプへの電気的接続を提供するために、さらなる配線206および208もバックプレーン204上に必要とされる。
【0034】
多数のバンプ、および関連する配線は、LEDデバイスと制御回路との密な統合の質を低下させ得る。例えば、バンプを配置するためにさらなるバックプレーンスペースが必要とされる場合があり、これは、LEDデバイスと制御回路との間の距離を増大させ得る。信号はより長い距離にわたって移動する必要があるので、結果として、LEDデバイスおよび制御回路の両方の動作速度が低下する可能性がある。
【0035】
図2Eは、導波管に結合されたLEDの3つのアレイを含む表示デバイス280の例を示す。LEDは、μLEDであり得る。
図2Eの左側に示されるように、表示デバイス280は、赤色光を放出するように構成されたLEDの第1のアレイ281、緑色光を放出するように構成されたLEDの第2のアレイ282、および青色光を放出するように構成されたLEDの第3のアレイ283を含み得る。
図2Eの右側に示されるように、コリメーティングレンズ284が、LEDのアレイ281、282、および283のそれぞれからの光を平行にするために設けられ得る。LEDの各アレイ281、282、および283に対して1つのコリメーティングレンズ284が設けられ得る。さらに、単一の導波管285が、コリメーティングレンズ284から光を受け取ってユーザの眼286へ向かわせるために設けられ得る。
【0036】
図2Fは、導波管に結合されたLEDの3つのアレイを含む表示デバイス290の例を示す。LEDは、μLEDであり得る。
図2Fの上部に示されるように、表示デバイス290は、I/Oバンプ295を介してバックプレーン294上に取り付けられたダイ291、ダイ292、およびダイ293を含み得る。ダイ291、292、および293は、LEDダイであり得る。ダイ291は、
図2Eに示されたLEDの第1のアレイ281などの、赤色光を放出するように構成されたLEDのアレイを含み得る。ダイ292は、
図2Eに示されたLEDの第2のアレイ282などの、緑色光を放出するように構成されたLEDのアレイを含み得る。ダイ293は、
図2Eに示されたLEDの第3のアレイ283などの、青色光を放出するように構成されたLEDのアレイを含み得る。ダイ291、292、および293は、z方向に沿って共平面であるように構成されるが、x方向および/またはy方向に沿って任意の適切な構成で互い違いにされ得る。第1のファンアウト回路などの第1のさらなる層297が、ダイ291とバックプレーン294との間に設けられ得る。第2のファンアウト回路などの第2のさらなる層298が、ダイ292とバックプレーン294との間に設けられ得る。第3のファンアウト回路などの第3のさらなる層299が、ダイ293とバックプレーン294との間に設けられ得る。バックプレーン294は、ドライバ機能およびグラフィックス機能を有し得る。バックプレーン294は、ダイ291、292、または293のうちの少なくとも1つの下に位置決めされかつダイ291、292、および293を駆動する、バックプレーンダイ289を含み得る。
【0037】
図2Fの下部は、
図2Fの上部において標識された線A-Aに沿った断面を示す。
図2Fの下部に示されるように、ダイ291、292、および293がバックプレーンダイ289の上に完全にまたは正確に位置決めされることを必要としないようにダイ291、292、および293がバックプレーンダイ289と整合することを可能にするために、リディストリビューション層296が設けられ得る。バックプレーン294とセンサ集合チップ(sensor aggregation chip)(図示せず)との間の接続を提供するために、また、ダイ291、292、および293を含む集積回路に電力を供給するために、バックプレーン294の下側上にさらなるI/Oバンプ288が設けられ得る。
【0038】
図3は、μLED表示装置200の一部であるかまたはμLED表示装置200を含み得る表示システム300の例を示す。
図3に示されるように、表示システム300は、画素パイプライン化回路302、ドライバ制御回路304、ドライバ回路306、uLEDデバイス308のアレイ、および電力系統310を含む。画素パイプライン化回路302は、表示システム300によってレンダリングされる画素データを生成することができる。画素データは、例えば、仮想現実場面の画像、混合された現実場面の合成画像、カメラによってキャプチャされた画像、などを含み得る。ドライバ制御回路304は、画素データに基づいてドライバ回路306のための制御信号およびデータ信号を生成することができる。制御信号は、例えば、uLEDデバイス308のアレイの中からuLEDデバイスを選択するためのアドレス信号を含み得る。データ信号は、選択されたuLEDデバイスの出力強度を設定し得る。アドレス信号およびデータ信号の両方は、表示システム300が高解像度および高リフレッシュレートにおいて画像を表示することを可能にするために、高速信号であってよい。典型的には、画素パイプライン化回路302およびドライバ制御回路304の両方が、高速動作および比較的低い動作電圧を支持する加工技術を使用して製作される。
【0039】
さらに、
図3に示されるように、ドライバ回路306は、制御信号を提供するための制御ドライバ312のセットと、データ信号を提供するためのデータドライバ314のセットとを含み得る。ドライバ回路306は、ドライバ制御回路304からアドレス信号およびデータ信号を受信し、かつ、例えばデータ信号に基づいてuLEDデバイスを流れる電流を制御することに基づいて、uLEDデバイスの出力強度を制御することができる。
図3に示されるように、ドライバ回路306は、uLEDデバイス内での電流の流れを制御するために、制御信号およびデータ信号によって制御されるトランジスタおよび蓄電器を含み得る。典型的には、ドライバ回路306は、高い動作電圧および比較的低速度の動作を支持する加工技術を使用して製作される。
【0040】
電力系統310は、電力供給回路(例えば、電圧調整器)、および他の要素(例えば、電圧供給線、接地線、など)を含み得る。
図3に示されるように、電力系統310は、例えば、電力(例えば、電圧320)を供給しかつ/または電流リターン経路を提供するために、画素パイプライン化回路302、ドライバ制御回路304、およびドライバ回路306のそれぞれに電気的に接続され得る。電力系統310はまた、uLEDデバイス308のためのリターン経路322を提供する。
【0041】
上記のように、画素パイプライン化回路302、ドライバ制御回路304、ドライバ回路306、およびuLEDデバイス308を単一の集積回路チップ内に統合してこれらの構成要素間の分離距離を減少させることが有利である。そのような構成は、表示システムのフォームファクタだけでなくルーティング距離を減少させて、表示システムの動作速度を向上させることができる。
【0042】
図4Aおよび
図4Bは、向上された性能および減少されたフォームファクタを提供することができる表示システム400の例を示す。
図4Aの左の略図は、表示システム400の例の側面図を示し、
図4Aの右の略図は、表示システム400の上面図を示す。
図4Aを参照すると、表示システム400は、集積回路(IC)チップ402、および回路板404を含み得る。集積回路チップ402は、表側406(方向「A」の方に面する)、および裏側408(方向「B」の方に面する)を含む。ICチップ402は、ICチップ402内に統合された発光ダイオード(LED)デバイス410、第1のダイ412、および第2のダイ414を含む。LEDデバイス410は、ICチップの表側で露出される。ICチップ402は、裏側408上に入力/出力(I/O)バンプ422をさらに含む。LEDデバイス410は、垂直方向に沿って(例えば、Z軸に沿って)第1のダイ412とともにスタックを形成し得る。第1のダイ412は、例えば、
図3のドライバ回路306を含み得る。ドライバ回路306は、I/Oバンプ422のうちのいくつかに電気的に接続され得る。
図4Aの右側に示されているように、ICチップ402は、異なる色のLEDデバイス410に結合された複数の第1のダイ412を含み得る。例えば、第1のダイ412aは、赤色LEDデバイス410aとともにスタックを形成することができ、第1のダイ412bは、緑色LEDデバイス410bとともにスタックを形成することができ、第1のダイ412cは、青色LEDデバイス410cとともにスタックを形成することができる。第2のダイ414は、例えば、画素パイプライン化回路302およびドライバ制御回路304を含み得る。画素パイプライン化回路302およびドライバ制御回路304もまた、I/Oバンプ422のうちのいくつかに接続され得る。第1のダイ412および第2のダイ414は、例えば、異なる処理ノード、異なる動作電圧、などに関連付けられた異なるウェハから製作され得る。例えば、第1のダイ412は、より高い動作電圧に耐えるがより低い動作速度を支持する処理ノードを使用して製作されてよく、一方で、第2のダイ414は、より高い動作速度を支持するがより低い動作電圧限界を有する処理ノードを使用して製作されてよい。
【0043】
さらに、ICチップ402は、第1の回路430および第2の回路440を含む。第1の回路430および第2の回路440の両方が、電気的接続を提供するために、電線、トレース、バイア、などを含み得る。第1の回路430(例えば、第1の回路430a、430b、430c、など)は、ICチップ402の表側からICチップ402の裏側408に向かって少なくとも第1のダイ412の厚さにわたって垂直方向に沿って延在し得る。つまり、第1の回路430によってカバーされる垂直距離は、少なくとも第1のダイ412の厚さに及び得る。しかし、第1の回路430は、採用される実施形態に応じて、実際に第1のダイ412を物理的に通り抜ける場合もあればそうでない場合もある。例えば、
図4Aに示された実施形態では、第1の回路430は、第1のダイ412を物理的に通り抜けることなしに、少なくとも第1のダイ412の厚さにわたって垂直に延在する。第1の回路430は、LEDデバイス410に電気的に接続するために、第1のダイ412内に内層回路を含み得る。第1の回路430は、LEDデバイス410とI/Oバンプ422のうちの少なくともいくつかとの間の電気的接続を提供するために、ラップアラウンド回路(wrap-around circuit)として構成され得る。例えば、第1の回路430は、
図3のリターン/接地経路322の一部であり得る。第1の回路430はまた、例えばドライバ回路306への電力供給を提供し得る。第2の回路440(例えば、第2の回路440a、440b、440c、など)は、第2のダイ414から第1のダイ412a、412b、および412cのそれぞれまで延在し得る。第2の回路440は、第2のダイ414と第1のダイ412a、412b、および412cのそれぞれとの間の電気的接続を提供し得る。電気的接続は、例えば、第2のダイ414から第1のダイ412a~412cにデータおよび制御信号を伝達すること、I/Oバンプ422から第1のダイ412a~412cに他の信号を伝達すること、などのために使用され得る。
【0044】
回路板404は、トレースおよびパッドを含み得る。回路板404のパッドのうちのいくつかは、ICチップ402のI/Oバンプ422に電気的に接続されてよく、一方で、回路板404のパッドのうちのいくつかは、例えば電力系統310または他の構成要素に電気的に接続されてよい。回路板404は、電力系統310と第1のダイ412、第2のダイ414、およびLEDデバイス410のそれぞれとの間の電気的接続を提供し得る。例えば、
図3のリターン/接地経路322は、uLED308と電力系統310との間で、第1の回路430およびI/Oバンプ422、ならびに回路板404を介して実装され得る。
【0045】
図4Aの例では、第1のダイ412および第2のダイ414は、ICチップ402内で横方向に沿って(例えば、X軸またはY軸に沿って)配置される。いくつかの例では、
図4Bに示されるように、第1のダイ412および第2のダイ414は、集積回路チップ402および表示システム400のフォームファクタをさらに減少させるために、垂直方向に沿ってスタックを形成し得る。
図4Aに示されるように、第1の回路430は、ICチップ402の表側406からICチップ402の裏側408に向かって第1のダイ412および第2のダイ414の厚さにわたって垂直方向に沿って延在し得る。さらに、I/Oバンプのセットが、第2の回路440の一部として第1のダイ412と第2のダイ414との間に挟まれ得る。
【0046】
図5Aおよび
図5Bは、第1のダイ412および第2のダイ414が横方向に沿って配置される
図4Aの表示システム400の例を示す。
図5Aに示されるように、ICチップ402は、横方向に沿って(例えば、X軸またはY軸に平行に)第1のダイ412に当接する肩構造502と、第2のダイ414に当接する肩構造504とを含み得る。肩構造502および504のそれぞれは、第1のダイ412または第2のダイ414の厚さにわたって延在する電気伝導経路512および524をそれぞれ含み得る。ファンアウト回路522が、電気的接続を提供するための金属層を備えるリディストリビューション層(RDL)として構成され得る。
図5Bは、ファンアウト回路522がI/Oパッド(
図5Bには示されていない)を介して第1のダイ412の内層回路523に電気的に接続され得ることを示す。ファンアウト回路522はまた、肩構造502の上に延在し、かつ、電気伝導経路512の一方の端部に電気的に接続され得る。電気伝導経路512の他方の端部は、I/Oバンプ422のうちの少なくともいくつかに電気的に接続され得る。いくつかの例では、
図5Bの上の略図に示されるように、I/Oバンプ422は、肩構造502の裏側(例えば、方向Bに面する側)上に配置され、かつ、電気伝導経路512に直接接続され得る。いくつかの例では、
図5Bの下の略図に示されるように、ICチップ402は、肩構造502から第1のダイ412の裏側(例えば、方向Bに面する側)まで延在する裏側RDLとして構成されたファンアウト回路532を含むことができ、および/またはI/Oバンプ422は、裏側RDL上に位置決めされ得る。電気伝導経路512は、裏側RDLを介してI/Oバンプ422に接続され得る。どちらの例でも、ファンアウト回路522および/または532は、LEDデバイス410とI/Oバンプ422との間の電気的接続を提供するために、電気伝導経路512と一緒に
図4Aの第1の回路430の一部になり得る。裏側RDLの使用は、利用可能かつルーティング密度によって駆動され得るI/Oバンプ422の数を増やすことができる。
【0047】
さらに、ICチップ402はまた、肩構造504から第2のダイ414を越えて第1のダイ412まで延在するファンアウト回路524を含む。ファンアウト回路524もまた、RDLとして構成され得る。
図5Bでは、ファンアウト回路524は、I/Oパッド(
図5Bには示されていない)を介して第2のダイ414の内層回路および第1のダイ412の内層回路525に電気的に接続され得る。ファンアウト回路524はまた、肩構造504の上に延在し、かつ、電気伝導経路514の一方の端部に電気的に接続され得る。電気伝導経路514の他方の端部は、I/Oバンプ422のうちの少なくともいくつかに電気的に接続され得る。いくつかの例では、
図5Bの上の略図に示されるように、I/Oバンプ422は、肩構造504の裏側(例えば、方向Bに面する側)上に配置され、かつ、電気伝導経路514に直接接続され得る。いくつかの例では、
図5Bの下の略図に示されるように、ICチップ402は、肩構造504から第2のダイ414の裏側(例えば、方向Bに面する側)まで延在する裏側RDLとして構成された別のファンアウト回路を含むことができ、I/Oバンプ424は、裏側RDL上に位置決めされ得る。電気伝導経路514は、裏側RDLを介してI/Oバンプ422に接続され得る。どちらの例でも、ファンアウト回路524および/または534は、LEDデバイス410とI/Oバンプ422との間の電気的接続を提供するために、電気経路514と一緒に
図4Aの第1の回路430の一部になり得る。さらに、ファンアウト回路524および電気経路514はまた、例えば、電力、制御信号、データ信号、などの伝達のための第2のダイ414と第1のダイ412との間の電気的接続を提供するために、第2の回路440の一部となり得る。
【0048】
肩構造502および504はどちらも、エポキシ成形化合物(EMC)で作られ得る。肩構造は、第1のダイ412および第2のダイ414がキャリア基板上にあるときに製作され得る。例えば、第1のダイ412および第2のダイ414がキャリア基板上に移された後で、キャリア基板上の第1のダイ412および第2のダイ414に隣接して型が位置決めされてよく、型は、肩構造を形成するために、EMCを充填され得る。特定の実施形態では、肩構造502および504は、第1のダイ412および第2のダイ414の周りに形成された単体パッケージング構造(uni-body packaging structure)の一部であり得る。さらに、電気伝導経路512および514は、銅で作られてよくまた、例えば、肩構造502および504に貫通穴を開け、そして貫通穴内に銅を堆積させることによって製作されてもよい。
【0049】
ファンアウト回路522および524は、肩構造502および504が形成された後で、ファンアウトプロセスにおいて形成され得る。2つのタイプのファンアウトプロセスが、ファンアウト回路522および524を形成するために使用され得る。第1のタイプのファンアウトプロセスは、ダイ表面の共平面性を保証するためにダイ412および414が平坦なキャリア上に下向きに配置される、フェースダウンプロセスであり得る。肩構造502および504もまた、平坦な表面上に形成されてダイ412および414と共平面になってよい。次いで、平坦なキャリアは、ダイ表面を露出させるために(例えば、エッチング除去により)取り除かれ、すると、ファンアウト回路522および524は、露出した表面上に形成され得る。第2のタイプのファンアウトプロセスは、ダイ412および414がキャリア上で上向きに配置される、フェースアッププロセスであり得る。共平面性を保証するために、ダイ412および414のダイ表面に研削工程が適用され得る。いくつかの例では、共平面性の欠如に対応するために、ダイ表面上にプロセスバンプが形成され得る。研削工程の後、プロセスバンプのある程度の残部はそのままであってよく、かつ、ダイとファンアウト回路との間のI/Oパッドとして使用され得る。
【0050】
図6は、第1のダイ412および第2のダイ414が垂直方向に沿ってスタックに配置された、
図4Bの表示システム400の例を示す。
図6に示されるように、ICチップ402は、横方向に沿って第1のダイ412に当接する第1の肩構造602と、横方向に沿って第2のダイ414に当接する第2の肩構造604とを含む。第1の肩構造602は、垂直方向に沿って第1のダイ412の厚さにわたって延在する第1の電気伝導経路612を含み、一方で、第2の肩構造604は、垂直方向に沿って第2のダイ414の厚さにわたって延在する第2の電気伝導経路614を含む。ICチップ402は、LEDデバイス410と第1の電気伝導経路612との間の電気的接続を(第1のダイ412の内層回路を介して)提供するために、第1の肩構造602から第1のダイ412まで延在する第1のファンアウト回路622をさらに含む。ICチップ402は、第2の電気伝導経路614と第2のダイ414との間の電気的接続を提供するために、第2の肩構造604から第2のダイ414まで延在する第2のファンアウト回路624をさらに含む。第2の電気伝導経路614は、I/Oバンプ422のうちの少なくともいくつかに電気的に接続されてよく、一方で、第1の電気伝導経路612は、第2の電気伝導経路614に電気的に接続される。第1の電気伝導経路612および第2の電気伝導経路614を通じて、LEDデバイス410とI/Oバンプ422との間、および、第1のダイ412と第2のダイ414との間に、電気的接続が提供され得る。本開示の様々な実施形態によれば、第1のファンアウト回路622および第2のファンアウト回路624は、どちらもRDL層として構成される。
【0051】
第1の電気伝導経路612と第2の電気伝導経路614との間を電気的に接続するための様々な方法が存在する。例えば、I/Oバンプ640(例えば、I/Oバンプ640a)が、電気的接続を提供するために、第1の肩構造602と第2の肩構造604との間(および、第1の電気伝導経路612と第2の電気伝導経路614との間)に挟まれてもよい。別の例として、
図6に示されるように、ICチップ402は、第1のダイ412の(方向Bの方に面する)裏側上に形成された裏側ファンアウト回路630をさらに含み得る。裏側ファンアウト回路630は、第2の肩構造614の上に延在することができ、かつ、第2の電気伝導経路614に電気的に接続される。裏側ファンアウト回路630は、(第2のダイ414上の)ファンアウト回路624とともに、向かい合ったRDL層を形成する。I/Oバンプ640(例えば、I/Oバンプ640b)が、向かい合ったRDL層と第1の電気伝導経路612および第2の電気伝導経路614との間の電気的接続を提供するために、向かい合ったRDL層間に挟まれ得る。
【0052】
さらに、I/Oバンプ422は、
図5Bの例に基づいて分散され得る。例えば、I/Oバンプ422は、第2の肩構造604の下にのみ、または第2のダイ414の下の別の裏側RDL層の上に配置され得る。
【0053】
図6の構成には、様々な利点がある。例えば、スタック構造は、ICチップ402の設置面積を減少させることができる。さらに、肩構造のサイズは順応性があり、より多くのI/Oバンプに対応するように拡大され得るので、(第1のダイと第2のダイとの間の)I/Oバンプ640の数、および(第2のダイと回路板との間の)I/Oバンプ422の数は、第1のダイおよび第2のダイのサイズにほとんど依存しなくてよく、それにより、ICチップ402の製作および適用に柔軟性が追加される。
【0054】
図7A、
図7B、
図7C、および
図7Dは、ICチップ402の他の例示的な構造を示す。
図7Aに示されるように、ICチップ402は、ダイが横方向に沿って(例えば、X/Y軸に平行に)配置された状態で第1のダイ412および第2のダイ414を保持する、チップキャリア702を含み得る。チップキャリア702は、垂直方向に沿って(例えば、Z軸に沿って)第1のダイ412の厚さにわたって延在する電気伝導経路704を保持することができる肩構造703をさらに含む。ICチップ402は、ブリッジ回路706および708をさらに含む。ブリッジ回路706は、第1のダイ412と第2のダイ414との間の電気的接続を提供することができる。ブリッジ回路708は、第1のダイ412(および、LEDデバイス410)と電気伝導経路704との間の電気的接続を提供することができる。電気伝導経路704はまた、I/Oバンプ422に電気的に接続される。ブリッジ回路708および電気伝導経路704は、LEDデバイス410とI/Oバンプ422との間の電気的接続を提供することができる。
【0055】
図7Bは、第1のダイ412および第2のダイ414がスタックを形成する、ICチップ402の例を示す。
図7Bでは、第1のダイ412および第2のダイ414のそれぞれは、ダイを垂直に(Z軸に沿って)貫通して延在するシリコン貫通電極(TSV)を含む。LEDデバイス410とI/Oバンプ422との間の電気的接続は、例えば、第1のダイ412のTSV730、I/Oバンプ740、および第2のダイ414のTSV750によって提供され得る。電気的接続は、例えば、ドライバ回路306および電流リターン経路322に電力を提供するために使用され得る。さらに、第1のダイ412と第2のダイ414との間の電気的接続は、第1のダイ412のTSV732、およびI/Oバンプ742によって提供され得る。バンプ740/742およびI/Oバンプ422への電気的接続を提供するために、第1のダイおよび第2のダイ上にファンアウト回路が形成され得る。
【0056】
図7Bにおける構成は、多くの利点を提供し得る。第1に、LEDデバイス410とバンプ740/742との間の電気経路(例えば、第1の回路430によって表されているような、リターン経路322、電力線、など)が第1のダイ412内に限定されるので、パッケージサイズが縮小され得る。したがって、電気経路を保持するために
図6の肩構造602および
図7Aの肩構造703のような外部構造が第1のダイ412の横に(X/Y軸に沿って)位置決めされる必要がなく、それにより、ICチップ402の設置面積が縮小され得る。さらに、第1のダイ412のTSV(例えば、TSV730)のうちのいくつかまたは全てが、LEDデバイス410を含む画素領域の下でアクティブ領域760内に形成され得る。アクティブ領域760は、例えば、ドライバ回路306、およびLEDデバイス410を制御する他の半導体デバイスを含み得る。TSVに第1のダイ412内のアクティブ領域760を通過させることにより、TSVを用いて実装される電力経路およびリターン経路のためのルーティング距離をさらに短縮することができ、それにより、電力および接地系統の頑健性を向上させることができる。
【0057】
しかし、
図7Bにおける構成は、LEDデバイス410が第1のダイ412上に配置された後でTSVが製作される場合に、多くの課題をもたらし得る。具体的には、TSVは、表側762から第1のダイ412を貫通させて垂直に溝をエッチングし、続いてその溝を金属(または、他の導電性材料)で充填することにより、形成され得る。しかし、エッチングは、LEDデバイス410に損傷を与える可能性があり、LEDデバイス410をエッチング作用から保護するために、ドライバ回路およびLEDデバイス410が配置されるべきではないキープアウトゾーンをアクティブ領域760内に作り出してLEDデバイス410とTSVとの間をさらに分離させることなどの、特別な注意が必要とされ得る。しかし、そのような構成は、TSV、第1のダイ412、およびICチップ402を全体として製作する工程をさらに複雑にする可能性がある。典型的には、
図7BにおけるTSVは、第1のダイ412内での能動デバイスおよびTSVの配置がキープアウトゾーンによって課せられる制限に応じることができるように、第1のダイ412の製作工程の一環として製作される必要がある。
【0058】
図7Cは、TSVの代替的な構成を含みかつICチップ402の一部になり得る、第1のダイ412の別の例を示す。
図7Cに示されるように、第1のダイ412は、アクティブ領域760と、アクティブ領域760の上にLEDデバイス410のスタックを含む画素領域770とを具備する。第1のダイ412は、第1のダイ412の表側774(正のZ方向に面する)から第1のダイ412の裏側776(負のZ方向に面する)まで第1のダイ412の厚さを貫通して垂直に(Z軸に沿って)延在するTSV772をさらに含む。
図7BのTSVとは異なり、
図7Cの例におけるTSVは、アクティブ領域760の外側である第1のダイ412の周辺領域778および780内に形成される。第1のダイ412は、表側774上に形成されたボンディングパッド782をさらに含み、電気的ブリッジ構造(
図7Cには示されていない)が、ボンディングパッド782を介して画素領域770とTSVとの間の電気的接続を提供し得る。さらに、金属層784(例えば、リディストリビューション層)が、TSVから裏側上のI/Oバンプ(例えば、I/Oバンプ742)への電気的接続を提供するために、第1のダイ412の裏側776上に形成され得る。
【0059】
図7BにおけるTSVの構成におけるように、
図7CにおけるTSVの構成は、LEDデバイス410とバンプ742との間の電気経路(例えば、第1の回路430によって表されているような、リターン経路322、電力線、など)を第1のダイ412内に限定することにより、パッケージサイズが縮小されることを可能にする。しかし、TSVはアクティブ領域760および画素領域770とは別の領域内に形成されるので、TSVの製作は、LEDデバイス410が第1のダイ412上に配置された後でTSVが製作される場合は特に、画素領域770内のLEDデバイス410にもたらすリスクがはるかに低い。
図7Bと比較すると、
図7CにおけるTSVの製作は、洗練度の劣るプロセスを使用して行われ得る。例えば、上記のように、
図7BにおけるTSVは、第1のダイ412内での能動デバイスおよびTSVの配置がキープアウトゾーンによって課せられる制限に応じることができるように、第1のダイ412の製作工程の一環として製作される必要がある。しかし、
図7Cの例では、能動デバイスおよびTSVは、異なる領域内に保持されるので、アクティブ領域760内にキープアウトゾーンを設ける必要はなく、アクティブ領域760内での能動デバイスの製作および配置は、TSVを考慮に入れる必要がない。さらに、TSVの製作は、第1のダイ412内のデバイスの製作工程の外で行われ得る。代わりに、
図7CにおけるTSVの製作は、ICチップ402を形成するパッケージング作業における後工程の一部とされ得る。結果として、
図7CにおけるTSVの構成は、チップ設置面積を縮小させかつ第1のダイ412の表側上のLEDデバイス410と第1のダイ412の裏側上のバンプとの間に頑強な電気的接続を提供するとともに、TSVの製作、および全体としてのICチップ402の形成の複雑さを軽減することができる。
【0060】
図7CにおけるTSV構成を使用して形成された第1のダイ412は、ICチップ402を形成するために、本開示における様々な技法を使用して形成された第2のダイ414と組み合わせられ得る。例として、
図7Cの第1のダイは、ICチップ402を形成するために、
図7Bの第2のダイ414と組み合わせられ得る。別の例として、
図7Dに示されるように、
図7Cの第1のダイ412は、ICチップ402を形成するために、
図6の第2のダイ414と組み合わせられ得る。上記のように、
図6の例における第2のダイ414は、第2の肩構造604を含み、この第2の肩構造604は、垂直方向に沿って第2のダイ414の厚さにわたって延在する第2の電気伝導経路614を含む。ICチップ402は、RDL層として構成されかつ第2の電気伝導経路614と第2のダイ414との間の電気的接続を提供するために第2の肩構造604から第2のダイ414まで延在し得る、第2のファンアウト回路624をさらに含む。
図7Dの構成によって提供される利点には、例えば、第2の肩構造606を含む第2のダイ414の全体設置面積が第1のダイ414の全体設置面積に適合するように、第2の肩構造606が作られ得るので、第2のダイ414のダイサイズが第1のダイ412のダイサイズに依存しないことを含み得る。さらに、上述のように、肩構造は、より多くのI/Oバンプに対応するように拡大されることが可能であり、(第1のダイと第2のダイとの間の)I/Oバンプ640の数、および(第2のダイと回路板との間の)I/Oバンプ422の数は、第1のダイおよび第2のダイのサイズにほとんど依存しなくてよく、それにより、ICチップ402の製作および適用に柔軟性が追加される。
【0061】
図8は、表示システム400などの表示システムを製造する方法800を示す。方法800は、発光ダイオード(LED)デバイスが製作されるステップ802から始まる。LEDデバイスは、例えば、結晶ウェハ(例えば、サファイア)から製作され得る。
【0062】
ステップ804では、第1のダイが、第1のウェハから製作され得る。第1のダイは、LEDデバイスのためのドライバ回路を含み得る。
【0063】
ステップ806では、LEDデバイスは、例えばLEDデバイスと第1のダイとを結合することにより、第1のダイ上に移され得る。
【0064】
ステップ808では、第2のダイが、第2のウェハから製作され得る。第2のダイは、ドライバ回路のための制御回路を含み得る。第2のウェハは、第1のウェハとは異なる処理ノードを有し得る。
【0065】
ステップ810では、第1のダイおよび第2のダイが、集積回路(IC)チップを形成するためにパッケージングされてよく、LEDデバイスは、ICチップの表側で露出される。パッケージングされたICチップは、
図4Aから
図7Bの例によるものであってよい。
【0066】
ステップ812では、第1の回路が、ICチップ内に製作され得る。第1の回路は、LEDデバイスへの電気的接続を提供するために、ICチップの表側からICチップの裏側に向かって第1のダイにわたって垂直方向に沿って延在する。いくつかの例では、第1の回路は、ダイに当接する肩構造の一部であり得る。いくつかの例では、第1の回路は、第1のダイの厚さにわたって形成されたTSVであり得る。いくつかの例では、TSVは、LEDデバイスのためのドライバ回路を含む第1のダイのアクティブ領域内に形成され得る。いくつかの例では、TSVは、アクティブ領域の外側であるだけでなくLEDデバイスを含む画素領域の外側でもある第1のダイの周辺領域内に形成され得る。TSVは、ステップ806においてドライバ回路を含む第1のダイの第1の表面上にLEDデバイスが移された後で、第1のダイの第1の表面を貫通してエッチングすることによって形成され得る。
【0067】
ステップ814では、第2の回路が、ICチップ内に製作され得る。第2の回路は、第1のダイと第2のダイとの間の電気的接続を提供することができ、かつ、ファンアウト回路を含み得る。さらに、第2のダイと第1の回路との間の電気的接続を提供するために、第3の回路が、垂直相互接続部604および612を通じて接続を形成する第2のダイの肩におけるように垂直方向に追加され得る。
【0068】
ステップ816では、入力/出力(I/O)バンプが、第1のダイ、第2のダイ、および第1の回路への電気的接続を提供するために、ICチップの裏側上に形成される。
【0069】
ステップ818では、ICチップが、I/Oバンプを介して回路板に電気的に結合されて、表示装置を形成する。
【0070】
図9A、
図9B、および
図9Cは、表示デバイスにおける平面性ばらつきを減少させるための方法の例を示す。
図9Aに示されるように、表示デバイスが、ダイ905、ダイ910、およびダイ915を含むことができ、そのそれぞれが、I/Oバンプ925を介してバックプレーン920上に取り付けられる。ダイ905は、
図2Eに示されたLEDの第1のアレイ281などの、赤色光を放出するように構成されたLEDのアレイを含み得る。ダイ910は、
図2Eに示されたLEDの第2のアレイ282などの、緑色光を放出するように構成されたLEDのアレイを含み得る。ダイ915は、
図2Eに示されたLEDの第3のアレイ283などの、青色光を放出するように構成されたLEDのアレイを含み得る。LEDの各アレイは、上方向に面する(すなわち、バックプレーン920と反対の側を向く)ように構成され得る。LEDの各アレイは、1次元アレイまたは2次元アレイであり得る。ダイ905、910、および915は、x方向に沿って一列に形成されているものとして示されているが、それらは、x方向および/またはy方向に沿って互い違いにされてもよい。例えば、ダイ905、910、および915は、
図2Fに示されるように、x軸およびy軸に沿って互いに対して任意に配置されてもよい。バックプレーン920は、ダイ905、910、および915を駆動するチップを含み得る。バックプレーン920とセンサ集合チップとの間の接続を提供するために、バックプレーン920の下側上にさらなるI/Oバンプ950が設けられ得る。
【0071】
各ダイ905、910、および915は、個別に加工されてバックプレーン920に取り付けられ得る。それにより、z方向に沿ったダイ905、910、および915の高さにおけるばらつき930がもたらされ得る。例えば、ダイ905の上面は、ダイ910の上面よりも高く(すなわち、バックプレーン920からより遠くに)なり得る。これは、ダイ905および910の厚さの違い、ならびに/またはダイ905および910とバックプレーン920との間のI/Oバンプ925の体積のばらつきによってもたらされ得る。あるいはまたはさらに、ダイ905、910、または915のいずれかが、バックプレーン920に対して傾斜し得る。例えば、ダイ915は、その上面がバックプレーン920に対してある角度を作るように、傾斜し得る。この傾斜935は、ダイ915の上面における傾斜、ダイ915とバックプレーン920との間のI/Oバンプ925の体積のばらつき、および/またはダイ915が接続されるボンディングパッドのサイズのばらつきによってもたらされ得る。あるいはまたはさらに、ダイ905、910、または915のいずれかの上面は、平坦ではないように歪んでいる場合がある。これらの影響が組み合わさって、50μmから100μmの間の、表示デバイスの上面(すなわち、ダイ905、910、および915の上面によって画定される表面)の全平面性ばらつきをもたらし得る。より具体的には、全平面性ばらつきは、z方向に沿ったダイ905、910、および915の上面内の最高点とダイ905、910、および915の上面内の最低点との間の差として定義され得る。例えば、最高点は、ダイ905の上面の最高点である場合があり、最下点は、ダイ905または910の上面の最低点である場合がある。
【0072】
図2Eに関して上記で論じられたように、コリメーティングレンズが、LEDからの光を平行にするために設けられ得る。各ダイ905、910、および915に対して1つのコリメーティングレンズが設けられ得る。さらに、単一の導波管が、コリメーティングレンズから光を受け取ってユーザの眼に向かわせるために設けられ得る。理想的な表示デバイスでは、各ダイ905、910、および915の上面は、平面状であり、各ダイ905、910、および915の上面は、x-y平面に位置し、各コリメーティングレンズの光軸は、それぞれのダイ905、910、または915の上面に対して直角であり、導波管の伝播方向は、各コリメーティングレンズの光軸に対して直角である。理想的な表示デバイスからのばらつきに対して小さな補正を行うことが可能とされ得る。しかし、コリメーティングレンズと導波管との間の空間は限定されているので、これらの補正は一般に、約10μmのばらつきを相殺することに限られる。例えば、ダイ915が傾斜している場合、ダイ915に対応するコリメーティングレンズもまた、同様の角度で傾斜し得る。しかし、これは、コリメーティングレンズから放出された光が理想的でない位置で導波管上に落ちるビームウォークオフを引き起こす可能性があり、このビームウォークオフは、青色光の輝度を低下させる。また、コリメーティングレンズと導波管との間の空間は、傾斜を完全に相殺するには不十分な場合がある。さらに、ダイ905の高さが理想的な高さよりも大きい場合、ダイ905に対応するコリメーティングレンズの高さは、同様の量だけ増大され得る。しかし、コリメーティングレンズと導波管との間の空間は、高さの差を完全に相殺するには不十分な場合がある。
【0073】
図9Bは、この平面性ばらつきを減少させるための方法の例を示す。
図9Bに示されるように、材料940が、表示デバイスの上面上に配置され得る。例えば、材料940は、平坦な底面および/または平坦な上面を有することができ、かつ、スライドガラス、金属板、または別の適切な材料であってよい。材料940は、広い温度範囲にわたって安定している、石英などの不活性物質であってよい。これは、表示デバイスの上面が損傷するのを防止し得る。第1の例では、材料940は、ダイ905、910、および915とバックプレーン920との間にI/Oバンプ925を形成するために使用される可融材料のリフロー中に表示デバイスの上面上に配置され得る。例えば、可融材料は、ハンダ、またはBi合金などの別の金属であってよい。この例では、表示デバイスの上面に印加される唯一の圧力は、材料940の重量である。さらなる圧力は印加されない。
【0074】
リフロー中、表示デバイスは、ダイ905、910、および915とバックプレーン920との間の可融相互接続部を液体に変化させる、ほぼ250℃までの温度を有するオーブンに通され得る。オーブンの温度は、バックプレーン920とセンサ集合チップとの間にI/Oバンプ950を形成するために使用される可融材料よりも高い融点を有し得る、ダイ905、910、および915とバックプレーン920との間にI/Oバンプ925を形成するために使用される可融材料の融点に設定され得る。材料940の重量は、ダイ905、910、および915をバックプレーン920上に過剰圧潰(over-collapse)させることなしに重力および表面張力により材料940がダイ905、910、および915の共平面性を向上させるように選択され得る。さらに、ダイ905、910、および915の過剰圧潰を防止するために、スペーサ945が、ダイ905、910、および915に隣接して追加され得る。材料940の底面は、事実上基準面になり、平面性におけるばらつきは、可融材料によって吸収される。例えば、ダイ905、910、および915におけるいかなる傾斜も、減少させる、または排除することができ、材料940の底面は、各ダイ905、910、および915の上面がz方向においてほぼ同じ高さになるように、ダイ905、910、および915の上面に押し付けられ得る。表示デバイスが室温まで冷却されると、ダイ905、910、および915は、I/Oバンプ925を介してバックプレーン920に取り付けられ得る。
【0075】
いくつかの例では、材料940が上面上に配置される前に、表示デバイスの上面に保護フィルムが貼り付けられ得る。保護フィルムは、Siまたはポリアミドで作られ得る。例えば、保護フィルムは、電子グレードのSiフィルム接着剤、または所定の位置に押し付けられ得る熱可塑性材料であり得る。可融材料からの粒子は、加工中に保護フィルムに付着することができ、これらの粒子は、加工後に保護フィルムが除去されるときに除去される。したがって、粒子は、表示デバイスの上面に影響を及ぼさない。
【0076】
より一般的には、平面性ばらつきを減少させるために、材料940に印加される圧力と表示デバイスに加えられる熱との様々な組合せが使用され得る。上述の第1の例では、低圧と高温の組合せが使用され得る。第1の例では、低圧は、材料940の重量に相当し、高温は、ダイ905、910、および915とバックプレーン920との間の可融材料の融点に相当する。第2の例では、高圧と低温の組合せが使用され得る。第2の例では、高温は、室温におけるダイ905、910、および915とバックプレーン920との間の可融材料の降伏強さに相当し、低温は、室温に相当する。室温は、15℃から25℃の間の値を有し得る。室温は、圧力が印加されている間に表示デバイスに対してさらなる加熱または冷却が特に適用されないように、表示デバイスの周囲温度として定められ得る。表示デバイスは、室温が使用される場合、オーブンには通されないことがある。高圧は、材料940に下方向の力を印加することによって得られ得る。圧力と温度の任意の適切な組合せが使用され得る。他の例では、圧力は、上記の低圧と高圧との間であり得、温度は、上記の低温と高温との間であり得る。第3の例では、可融材料を軟化させるが可融材料を液体に変化させないダイ905、910、および915とバックプレーン920との間の可融材料の融点よりも低い温度まで表示デバイスが加熱されている間に、材料940に下方向の力が印加され得る。この場合もやはり、平面性におけるばらつきは、可融材料によって吸収される。
【0077】
上述の例では、表示デバイスの上面の平面性ばらつきを減少させるために、圧力と温度の単一の組合せが使用され得る。他の例では、平面性ばらつきを減少させるために、圧力と温度の複数の組合せが使用され得る。第4の例では、2段階の手法を使用することができ、この手法では、第1の組合せが、平面性ばらつきの大部分を減少させるために、リフロー中に使用され、続いて、第2の組合せが、アンダフィリングなどのさらなる加工中またはその後に引き起こされ得る任意の残りの平面性ばらつきを減少させかつ/または排除するために使用される。第1の組合せは、低圧および高温を使用してよく、第2の組合せは、高圧および低温を使用してよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、ダイ905、910、および915とバックプレーン920との間の間隙は、可融材料のリフロー後にポリマー材料でアンダフィルされ得る。ポリマー材料は、表示デバイスの側面上に配置されてよく、かつ、毛管作用により間隙に流入し得る。あるいは、ポリマー材料は、可融材料のリフロー前に適用されてもよい。この例では、ポリマー材料は、液体状態で適用され、かつ、ダイ905、910、および915が降着する予定のバックプレーン920上の位置に分注される。次いで、ポリマー材料は、可融材料のリフロー中に凝固する。可融材料の冷却は、ポリマーと可融材料との架橋結合が50%完了するように計画され得る。
【0079】
さらに、いくつかの実施形態では、コリメーティングレンズのための基準面を提供するために、少なくとも1つのスペーサ945が使用され得る。少なくとも1つのスペーサ945は、ダイ905、910、および915に類似した厚さを有する構造であってよいが、少なくとも1つのスペーサ945は、光を放出し得ない。
図9Bに示された例では、スペーサ945が、ダイ905の左側に、またはダイ915の右側に位置決めされ得る。他の例では、ダイ905、910、および915のそれぞれに対して、スペーサが設けられ得る。少なくとも1つのスペーサ945は、コリメーティングレンズが配置中に降着すべき場所を示す。少なくとも1つのスペーサ945は、シリコンまたは別の適切な材料で作られ得る。
【0080】
さらに、いくつかの実施形態では、材料940の底面は、下流のプロセスによって生じる、予想される漸進的な平面性ばらつきを補完しかつ相殺する形状を有し得る。下流のプロセスには、リフロー温度から室温への冷却、アンダフィリング、およびPC板への表示デバイスの取付けなどの、リフロー中の可融材料の溶融後に起こる任意の加工が含まれ得る。下流のプロセスによって引き起こされる平面性ばらつきは、一様な反りまたは湾曲として見られる場合があり、したがって、系統的かつ再現可能であり得る。例えば、リフロー温度からの冷却中に引き起こされる反りまたは湾曲は、ディスプレイパッケージ内の材料間の熱膨張係数(CTE)の不整合によってもたらされ、そのような反りまたは湾曲は、所与のパッケージ構造および寸法についても同じである。同様に、アンダフィリングによって引き起こされる反りまたは湾曲は、アンダフィル材料の収縮によってもたらされ、凹状であり、かつ、所与のパッケージ構造および寸法についても同じである。
【0081】
下流のプロセスによって引き起こされる反りまたは湾曲に対処する1つの方法は、意図的に成形される、平坦ではない材料940を用いて、リフローステップ中に意図的な反対の湾曲を作り出すことである。例えば、下流のプロセスが「x」の正味凹状反り/湾曲を引き起こすことが知られている場合、材料940の底面は、リフロー中に規模「x」の湾曲を持つわずかに凸形状を(平坦な形状の代わりに)付与するように設計されてよく、その結果、下流のプロセス後に正の「x」湾曲と負の「x」湾曲の重ね合わせが相殺されて、加工の終わりに表示デバイスの平坦な上面を残す。例えば、材料940の底面は、所定の曲率半径を持つ凹形状または凸形状を有し得る。あるいはまたはさらに、材料940の底面は、下流のプロセスによって生じることが予想される平面性ばらつきを相殺する、任意の形状を有し得る。
【0082】
図9Cは、減少した平面性ばらつきを有する表示デバイスの例を示す。
図9Cに示されるように、ダイ905、910、および915の上面は、ほぼ共平面である。さらに、ダイ905、910、および915の上面は、バックプレーン920の上面に対してほぼ平行である。例えば、ダイ905、910、および915の上面によって画定される、表示デバイスの上面の全平面性ばらつきは、0.1μmから10μmの間の値にまで減少され得る。上述のように、全平面性ばらつきは、z方向に沿ったダイ905、910、および915の上面内の最高点とダイ905、910、および915の上面内の最低点との間の差として定義され得る。
【0083】
平面性ばらつきを減少させる方法は、様々な方法によって相互接続される表示デバイスに適用され得る。例えば、平面性ばらつきを減少させるための方法は、ダイ905、910、および915がバックプレーン920に結合され、次いで個別のLEDがダイ905、910、および915に結合される、ボンディングプロセスに適用され得る。あるいは、平面性ばらつきを減少させるための方法は、個別のLEDがダイ905、910、および915に結合され、次いでダイ905、910、および915がバックプレーン920に取り付けられる、ボンディングプロセスに適用され得る。いくつかの実施形態では、ダイ905、910、および915の平坦化は、バックプレーン920がセンサ集合チップに相互接続される前に行われ得る。他の実施形態では、バックプレーン920が、センサ集合チップに相互接続され、次いでダイ905、910、および915が、バックプレーン920に結合され、その後、ダイ905、910、および915の平坦化が行われ得る。より一般的には、ダイ905、910、および915を平坦化するステップ、ダイ905、910、および915をバックプレーン920に結合するステップ、個別のLEDをダイ905、910、および915に結合するステップ、ならびにバックプレーン920をセンサ集合チップに相互接続するステップは、様々な順序で行われ得る。
【0084】
本開示の実施形態に関する上記の説明は、例示の目的のために提示されたものであり、包括的であること、または本開示を開示された正確な形態に限定するようには意図されていない。当業者は、上記開示を踏まえると多くの修正および変形が可能であることを理解することができる。
【0085】
この記述のうちのいくつかの部分は、情報に対するオペレーションのアルゴリズムおよび記号的表現の観点から本開示の実施形態を説明する。これらのアルゴリズムに関する記述および表現は、データ処理業における技能者がその仕事の内容を他の当業者に効率的に伝えるために一般に使用されるものである。これらのオペレーションは、機能的に、コンピュータ的に、または論理的に説明されるが、コンピュータプログラムまたは同等の電気回路、マイクロコード、などによって実施されるものと理解される。さらに、一般性を失わず、これらのオペレーションの構成をモジュールとして言及することが時には好都合であることも証明された。説明されたオペレーションおよびそれらの関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアにおいて具現化され得る。
【0086】
説明されたステップ、オペレーション、またはプロセスは、1つまたは複数のハードウェアもしくはソフトウェアモジュールにより、単独でまたは他のデバイスとの組合せで実行または実施され得る。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュールは、説明されたステップ、オペレーション、もしくはプロセスのいずれかまたは全てを実行するためのコンピュータプロセッサによって実行され得るコンピュータプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品を用いて実装される。
【0087】
本開示の実施形態はまた、説明されたオペレーションを実行するための装置に関し得る。装置は、必要とされる目的のために特別に構成されてよく、かつ/または、装置は、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または再構成される汎用コンピューティングデバイスを含み得る。そのようなコンピュータプログラムは、一時的でない有形のコンピュータ可読記憶媒体、またはコンピュータシステムバスに結合され得る電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体に記憶され得る。さらに、本明細書において言及されるいかなるコンピューティングシステムも、単一のプロセッサを含み得るか、または、強化された計算能力のための複数プロセッサ設計を用いるアーキテクチャであり得る。
【0088】
本開示の実施形態はまた、本明細書において説明されたコンピューティングプロセスによって作り出される製品に関し得る。そのような製品は、コンピューティングプロセスからもたらされる情報を含む場合があり、その情報は、一時的でない有形のコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ、本明細書において説明されるコンピュータプログラム製品または他のデータ組合せの任意の実施形態を含み得る。
【0089】
本明細書において使用される文言は、読みやすさおよび教授的目的のために主に選択されており、また、発明の主題を正確に記述するまたは制限するために選択されていない場合がある。したがって、本開示の範囲はこの詳細な説明によって限定されるのではなく、むしろそれに基づく適用に由来する任意の請求項によって限定されることが、意図されている。したがって、実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲において具体的に述べられる本開示の範囲の説明に役立つものであるが限定するものではないことが、意図されている。
【国際調査報告】