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特表2022-540334アクチュエータ及びアクチュエータ用蓄熱器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】アクチュエータ及びアクチュエータ用蓄熱器
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20220908BHJP
   F28D 20/02 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A61F5/01 N
F28D20/02 D
F28D20/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576715
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2020069118
(87)【国際公開番号】W WO2021005056
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】102019118422.3
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506153712
【氏名又は名称】オットー・ボック・ヘルスケア・プロダクツ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シーマ、ハラルト
(72)【発明者】
【氏名】メジア・ニノ、ユアン・パブロ
(72)【発明者】
【氏名】ハクラーゲ、ヨアキム
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098BB11
4C098BC03
4C098BC15
4C098BC45
4C098BD07
(57)【要約】
本発明は、アクチュエータ筐体(10)とアクチュエータ(1)により生成される動作熱を蓄積する蓄熱器(2)とを備えた人工補整装置用アクチュエータに関する。蓄熱器(2)は、中空空間(25)とその中空空間内にある蓄熱媒体(26)とを有する蓄熱筐体(20)を有する、又は蓄熱媒体(26)から構成される。蓄熱器(2)は、アクチュエータ筐体(10)に又はアクチュエータ筐体内に固定可能に形成されており、アクチュエータ筐体部分(11)に対応して形成された収容領域(21)を有し、その収容領域は、蓄熱器(2)を組み付けた状態においてアクチュエータ筐体(10)と熱伝達性の接触状態にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工補整装置用アクチュエータ(1)であって、前記アクチュエータ(1)が、アクチュエータ筐体(10)と前記アクチュエータ(1)により生成される動作熱を蓄積する蓄熱器(2)とを備えており、前記蓄熱器(2)が、中空空間(25)と前記中空空間内にある蓄熱媒体(26)とを有する蓄熱筐体(20)を有するか、又は前記蓄熱媒体(26)から構成されるアクチュエータであり、前記蓄熱器(2)が前記アクチュエータ筐体(10)に又は前記アクチュエータ筐体内に固定可能に形成されており、アクチュエータ筐体部分(11)に対応して形成された収容領域(21)を有し、前記収容領域が、前記蓄熱器(2)を組み付けた状態において前記アクチュエータ筐体(10)と熱伝達性の接触状態にあることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記蓄熱器(2)が、前記アクチュエータ筐体(10)に吸着で、及び/又は形状密着で固着されていることを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
固着装置(3)、特にねじ受け溝、抜け止め、クリップ、挟み要素、プラグ、プラグ受け溝、磁石、強磁性要素、及び/又は面ファスナ要素が、前記蓄熱器(2)及びアクチュエータ筐体(10)に配置又は形成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記アクチュエータ(1)に向き合う前記収容領域(21)の側に形状密着要素が配置又は形成されており、前記形状密着要素が、前記アクチュエータ筐体(10)の外側の形状密着要素に対応して形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記蓄熱器(2)が、前記アクチュエータ(1)に向き合う前記収容領域(21)の側で少なくとも部分的に柔軟に形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記蓄熱器(2)が、前記アクチュエータ(1)に背く側で少なくとも部分的に堅く形成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記蓄熱器(20)が異なる材料から形成されており、前記材料が、前記収容領域(21)内に熱伝導性λM1を有し、前記熱伝導性が、前記収容領域(21)の外の第2の材料の熱伝導性λM2よりも高いことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記アクチュエータ(1)に背く前記蓄熱器(2)の側の外輪郭、及び/又は前記収容領域(21)の輪郭が、前記アクチュエータ筐体(10)の外側の輪郭に対応して形成されている輪郭を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記アクチュエータ筐体(10)と前記蓄熱器(2)との間に、熱伝導体(40)、例えば熱伝導ペースト、熱伝導マット及び/又は熱伝導板が配置されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記アクチュエータが、油圧アクチュエータとして、特に油圧ダンパとして形成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記蓄熱器(2)が、前記アクチュエータ筐体(10)を広範囲で包囲していることを特徴とする、請求項1のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記蓄熱器(2)が、複数の部品で形成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記蓄熱媒体(26)が、T=25℃の温度で少なくともc=1J/(g*K)の比熱容量を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記蓄熱媒体(26)が、少なくともhWM=100kJ/kgの特定の融解エンタルピーを有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
前記蓄熱媒体(26)の比熱容量が、前記アクチュエータ筐体(10)の比熱容量よりも高いことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
前記蓄熱媒体(26)が、蝋、パラフィン、塩、含水塩、準安定性の含水塩、特に酢酸ナトリウム三水和物又は形状安定性のシリカゲルとして形成されていることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項17】
前記蓄熱媒体(26)が能動的に誘発可能に形成されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のアクチュエータ(1)を備えた人工補整装置。
【請求項19】
人工補整装置のアクチュエータ(1)に固着するための、請求項1から18のいずれか一項に記載の蓄熱筐体(20)を備えた蓄熱器(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ筐体とアクチュエータにより生成される稼働熱を蓄積する蓄熱器とを有し、その蓄熱器が中空空間を備える蓄熱筐体とその中空空間内にある蓄熱媒体とを有する、人工補整装置用のアクチュエータに関する。本発明は同様に、上記のアクチュエータに固着するための蓄熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
人工装具、整形器具又は外骨格のような人工補整装置内には数多くのアクチュエータが、例えば、油圧ダンパ又は空圧ダンパのような受動的なアクチュエータ、又は電動式駆動機、ポンプ等のような能動的アクチュエータが使用される。電動機のような能動的アクチュエータを受動的アクチュエータと共に使用して、例えば空圧ダンパ又は油圧ダンパ内の弁を調節し、センサデータに応じて緩衝特性を変動させることができる。
【0003】
全ての人工補整装置において、技術的な構成部品の空間要求及び重量は決定要因である。基本的な目的は、使用者に対して追加重量を可能な限り少なくし、光学的な見栄えの悪さを可能な限り少なくするために、患者の身体に取り付けられる全ての追加的な装置を可能な限り小さく、可能な限り軽く保つことである。従って油圧ダンパ又はモータのようなアクチュエータは可能な限り小さく軽く設定される。これは逆に、構成部品の蓄熱容量が比較的少ないことを意味する。
【0004】
まさに人工補整用構成部品がそれらの境界領域において動作される場合、求められる軽量構造のために蓄熱容量が少なく、機械的又は電気的エネルギーが消散して熱になるので、構成部品が極めて高く加熱する。
【発明の概要】
【0005】
従って本発明の課題は、より高い負荷で又は境界領域内でより長い時間の使用を可能にし、軽量設計及び少ない空間の要求の目的を放棄する必要のない、アクチュエータを提供することである。
【0006】
本発明によれば、この課題は、主要請求項の特徴を有するアクチュエータ及び副次請求項の特徴を有する蓄熱器により解決される。本発明の有利な形態及び展開は、従属請求項、記述及び図面において開示されている。
【0007】
アクチュエータ筐体とアクチュエータにより生成される動作熱を蓄積する蓄熱器とを備えた人工補整装置用アクチュエータであって、その蓄熱器が、中空空間とその中空空間内にある蓄熱媒体とを有する蓄熱筐体を有する又は蓄熱媒体から構成される、そのアクチュエータは、蓄熱器又は蓄熱筐体がアクチュエータに又はアクチュエータ内に固定可能に形成されており、アクチュエータ筐体部分に対応して形成された収容領域を有し、その収容領域が、蓄熱器を組み付けた状態においてアクチュエータ筐体と熱伝達性の接触状態にあることを設定している。蓄熱器は、特にアクチュエータ筐体とは別個に形成されており、アクチュエータ筐体に繰り返し固着され、アクチュエータ筐体から取り外され得る。アクチュエータ筐体に取り付けられた蓄熱器を介してアクチュエータの熱容量を増大させることができる。増大された熱容量は動作温度の境界値への上昇を延期させる、又は油圧装置の加熱を遅らせる。反対に増大した蓄熱容量は冷却を遅らせ、アクチュエータの消散能力のピークが滑らかにされる。蓄熱容量を増大させることでは定常温度を下げることができず、このためには冷却システムが必要であった。しかしながら対照的に、蓄熱器を用いて蓄熱容量を増大させることは、その装置が、利用者の服装又は人工補整装置の外装のような利用者に影響を与えられ得る外部周囲条件に対して、動作に影響を与え得るという利点がある。蓄熱筐体を、蓄熱媒体により充填される中空体として構成することにより、蓄積されるべき熱量及び重量に関する各々の特性を、各々の構造体に又は各々の使用事例にも整合させることができる。つまり例えば、極めて良好な比熱容量を有する蓄熱媒体を中空空間内に挿入することができる。その際、その蓄熱媒体から、通常のアクチュエータの使用される材料に比べて、より多くの質量及び体積、材料を使用する場合と同じ加熱応答に到達するのに必要とされる質量及び体積が少ない。同様に、蓄熱器が蓄熱媒体から構成され、少なくとも部分的にその蓄熱媒体から形成されていることが可能であり、補足して又は代案として上記のことが設定されている。蓄熱器は少なくとも部分的に嵩高に形成されている、又は蓄熱筐体の壁は蓄熱媒体から形成されている。それによりアクチュエータはより軽くなり、例えば金属製の筐体と油圧シリンダとその油圧シリンダに配置される機構及び駆動機とを有するアクチュエータ本体を、それらの強度及びそれらの動作特性に関して最適に、必要な蓄熱容量を考慮する必要なく設計することができる。各々の必要な蓄熱容量は、蓄熱媒体及び/又はその内部に蓄熱媒体が配置された蓄熱筐体を有する蓄熱器を介して与えられる。蓄熱媒体は重量に関して最小化され、蓄熱容量に関して最大化され得る。アクチュエータを蓄熱器から機能的に分離し、機械的及び随時動作的要求をアクチュエータに割り当て、蓄熱要求を蓄熱器に割り当てることにより、分離された構成部品を個別に最適化し、従って機構に関しても蓄熱容量に関しても最適化されているシステム全体を提供することができる。
【0008】
本発明の別の形態は、蓄熱器、特に蓄熱筐体がアクチュエータ筐体に吸着で及び/又は形状密着で固着されていることを設定している。蓄熱器、特に蓄熱筐体は、後に固着するとともに蓄熱容量を高める又は蓄熱容量を各々の使用条件に整合させることができるように、アクチュエータ筐体に特に取り外し可能に及び交換可能に固定され、固着されている。必要に応じて蓄熱器又は蓄熱筐体を取り出し、交換することができる、又は蓄熱器に、特に筐体を有する又は蓄熱材料から成る別寸法の蓄熱器を有する蓄熱器に取り替えることができる。
【0009】
蓄熱器、特に蓄熱筐体及びアクチュエータ筐体には、蓄熱器、特に蓄熱筐体をアクチュエータ筐体と結合するのを可能にする固着装置が配置又は形成されてもよい。固着装置は、特にねじ受け溝、抜け止め、クリップ、挟み要素、プラグ、プラグ受け溝、磁石、強磁性要素及び/又は面ファスナ要素として形成されている。蓄熱器又は蓄熱筐体はアクチュエータ筐体内に収納されてもよく、例えばくり抜き内に挟み込まれても、押し込まれてもよい。通常のねじ留めにより、蓄熱筐体をアクチュエータ筐体に繰り返し、技術的に試験済みで、確実に固着させることができる。同様にクリップ及び抜け止め又は弾性的に据え置かれ得る又は形成され得る他の形状密着要素により、アクチュエータ筐体に可逆的に固定することができる。留め金が単独で又は磁石、強磁性要素又は真空装置のような吸着固定との組み合わせで設けられてもよい。加えて、フック領域及びフリース領域又は類似の掛け留めシステムのような面ファスナ要素が可能であり、それらの面ファスナ要素は、柔軟な装置、場合により弾性装置を介して蓄熱筐体を固定し、蓄熱筐体に対してアクチュエータ筐体の方向へ力を加えることを可能にする。強磁性及び/又は磁性構成部品は、各々の筐体の機能部分であってもよく、各々の筐体に固定された個別の装置として形成されてもよい。同様に蓄熱器をアクチュエータ筐体に組み込む、例えば蟻溝に押し込む、周囲を覆われた収容部に挿入することができる、又は好ましくはアクチュエータ筐体の切り離し可能な部分として形成することができる。
【0010】
本発明の別の形態は、アクチュエータに向き合う収容領域の側に形状密着要素が配置又は形成されていることを設定している。それらの形状密着要素は、2つの筐体を又は蓄熱器とアクチュエータ筐体とを互いに対して掛け留め、固定することができるように、アクチュエータの外側の形状密着要素に対応して形成されてもよい。
【0011】
蓄熱器又は蓄熱筐体は、アクチュエータに向き合う収容領域の側で少なくとも部分的に柔軟に形成されてもよい。それにより、アクチュエータ筐体の外側への収容領域内の可能な限り全面にわたる接触を与えることができる。それにより、可能な限り最も速い熱交換を可能にするために、最大の面と筐体面又は接触面の互いに対する可能な限り密な接触とを確保する。
【0012】
本発明の別の形態は、蓄熱器又は蓄熱筐体が、十分な安定性と機械的強度とを設けるためにアクチュエータに背く側で少なくとも部分的に堅く形成されていることを設定している。それにより蓄熱器又は蓄熱筐体は、アクチュエータ筐体に対する保護機能も与えることができる。さらに、上記の蓄熱筐体又は蓄熱器の形状安定性の被覆は、蓄熱筐体若しくは蓄熱器をアクチュエータ筐体に固着させるのに十分な機械的安定性を与え得る。
【0013】
蓄熱器及び/又は蓄熱筐体は異なる材料から形成されてもよい。その際、その材料は収容領域において、収容領域外の第2の材料の熱伝導性よりも高い熱伝導性を有する。それにより熱は、アクチュエータから蓄熱器へ及びそれとは逆に迅速に伝送され得る。それとは反対に蓄熱器から周囲への熱は低い速度でのみ放出されるので、例えば整形器具のアクチュエータの加熱は、蓄熱器の外側の感知可能な加熱の中にゆっくりとしか現れない。
【0014】
外輪郭及び表面は周囲への最適な熱放出が可能なものである。アクチュエータに背く蓄熱器又は蓄熱筐体の側の外輪郭及び/又は収容領域の輪郭は、アクチュエータの外側の輪郭に対応して形成されている輪郭を有し得る。内輪郭又は収容領域は、アクチュエータ筐体の外側の輪郭に対応して形成されている輪郭を有するので、蓄熱筐体は、アクチュエータ筐体の外側に可能な限り全面にわたり隣接している。蓄熱筐体の外側をアクチュエータ筐体の外側に対応して構成することにより、アクチュエータ筐体は蓄熱器又は蓄熱筐体へ形的に及び光学的に連続し得るので、ここでは向上された美的な全印象が得られる。収容領域の内側をアクチュエータ筐体の外側に対応して構成することは、良好な熱伝導に機能的に重要である。
【0015】
好ましくは、アクチュエータは油圧アクチュエータとして、特に油圧ダンパとして形成されており、アクチュエータの他の形態が可能であり、例えば空圧アクチュエータ又は電動機として形成される。
【0016】
蓄熱器又は蓄熱筐体は、アクチュエータ筐体を広範囲で包囲し得る、特に全周囲で包囲し得る。アクチュエータ筐体が円筒状の又はほぼ円筒状の外輪郭を有する場合、蓄熱器又は蓄熱筐体は有利には、円筒状に又は少なくとも部分的に円筒状に形成されている収容領域を備えている。
【0017】
蓄熱器又は蓄熱筐体は複数の部品で形成されてもよく、蓄熱容量を各々の要求に整合させることができるように、蓄熱器又は蓄熱筐体をモジュール式に組み立てることができる。蓄熱器又は蓄熱筐体の基本モジュールは拡張可能に形成されてもよい。蓄熱筐体の他の部分はそれに固定される、例えば形状密着式にそれに固着される、又は方向転換により抜け止め内に取り外し可能に固着される。他の固着の選択肢が同様に与えられている。
【0018】
蓄熱媒体は、25℃の温度で少なくとも1J/(g*K)の比熱容量及び/又は100kJ/kgの特定の融解エンタルピーを有し得る。蓄熱媒体は充填材としての形態において好ましくは蓄熱筐体の材料よりも低い密度を有し得る、特にアクチュエータよりも低い密度を有し得る。蓄熱媒体の密度が高い場合、概して小さな組立空間において高い蓄熱容量が与えられるので、蓄熱媒体内に蓄積され得る同じ熱量で小型の構造を実現することができる。好ましくは、蓄熱媒体は、蝋、特に蜜蝋、パラフィン又は対応する特性を有する別の媒体として形成されている。蓄熱媒体は、従ってまた蓄熱器も、塩、含水塩、準安定性の含水塩、特に酢酸ナトリウム三水和物又は形状安定性のシリカゲルとして形成されてもよい。
【0019】
蓄熱媒体は、例えば機械的なパルス又は圧力波により能動的に誘発可能に形成されてもよい。そのパルス又は圧力波を用いて再結晶化を誘発し、蓄積された熱を自由に選択可能な時点で放出することができる。
【0020】
本発明は同様に、上に記載されているようなアクチュエータと蓄熱器とを有する人工補整装置に関する。本発明は同様に、前に記載されているような蓄熱筐体を備えた蓄熱器に関する。蓄熱器は、前に記載されるような人工補整装置のアクチュエータに固着するように用いられる。蝋としての蓄熱媒体の形態は、比較的高い比熱容量及び例えば約55℃の蜜蝋の低い融点と併せて、蝋には腐食作用がなく、蝋が電気的に絶縁性のものであり、繰り返しの使用に安定しており、さらに良好な音響緩和特性を有するという利点を有する。アクチュエータが動作する通常の温度領域では蝋が気化することも、凍結することもなく、それにより動作安定性が高くなる。さらに55℃の蜜蝋の融点は、蝋温度をさらに上昇させるためには蝋が融解されなければならず、そのために176kJ/kgの融解エンタルピーが必要であり、それにより全体として見れば比熱容量が増加するという意味で有利である。蝋、特に蜜蝋のいずれにせよ高い比熱容量は、相転移及びそのために必要な融解エンタルピーを利用することによりさらに高まるので、平均的な油圧アクチュエータの熱容量を、蜜蝋の質量では1/8~1/9だけで得ることができる。
【0021】
続いて、付属の図面に基づいて実施例を詳しく説明する。図面は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】油圧アクチュエータの等角投影図であり、その油圧アクチュエータには蓄熱筐体が配置されている。
図2図1による油圧アクチュエータの正面図であり、蓄熱筐体が開かれている。
図3図2の異なる形態である。
図4】2つの異なる蓄熱媒体を有する断面図である。
図5】本発明の利用の概略図である。
図6】蓄熱器の斜視図である。
図7】収容領域のない図6による蓄熱器である。
図8】外壁が部分的に切り取られた図6の図である。
図9】外壁のない図8の図面である。
図10図9の側面図である。
図11図10の正面図である。
図12図11の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1では斜視図において、アクチュエータ筐体10を備えた油圧ダンパの形態のアクチュエータ1がある。そのアクチュエータ筐体内にはシリンダが形成されており、そのシリンダ内では、認識され得ないピストンがピストンロッド12を介して人工補整装置に結合され得る。油圧アクチュエータ1は油圧ダンパとして形成されてもよく、能動的な駆動機として形成されてもよい。アクチュエータ10には上置き15が配置されており、その上置き内にはエネルギー貯蔵装置、例えば蓄電池、ポンプを駆動させるための又は1つ又は複数の弁を調節するための電動駆動機等が配置されてもよい。上置き15内にはさらに、センサ、制御装置の一部としてのマイクロプロセッサ等が収納されてもよく、代わりにアクチュエータ筐体10内に駆動機が他の全ての構成部品と共に配置されてもよい。
【0024】
アクチュエータ筐体10の外には、蓄熱筐体20を備えた蓄熱器2が配置されており、その蓄熱筐体内には蓄熱媒体がある。蓄熱筐体20は、堅く形状の安定した材料、例えば軽金属から構成される外壁22を有する。アクチュエータ筐体10に向き合う蓄熱筐体20の内側には収容領域21が形成されており、その収容領域は、蓄熱筐体10の外側のアクチュエータ筐体部分11に対応して形成されている。アクチュエータ筐体10の収容領域21には、熱を吸収し、場合により蓄熱媒体26に転送することなる蓄熱器2の一部が配置されている。図示される実施例では、アクチュエータ筐体部分11は、アクチュエータ筐体10の正面からアクチュエータ筐体10の外側の全長を介して上置き15まで延びている。アクチュエータ筐体10の目に見える正面からはピストンロッド12が突き出ている。反対側の正面は例えば、人工補整装置、例えば人工装具、整形器具又は外骨格に固定するための固着装置を備えている。
【0025】
図2では、部分的に切り取られた蓄熱筐体20を有する正面図において、破線で示されている収容領域21を認識することができる。収容領域21はアクチュエータ筐体10の外側で、アクチュエータ筐体部分11に隣接している。それにより、アクチュエータ筐体10により放出される熱は収容領域21を通じて、蓄熱媒体26を有する中空空間25内に放出され得る。蓄熱媒体26、例えば蝋は、熱を蓄積して消散ピークを滑らかにし、蓄熱器20の中空形態のために及びその機能に整合する蓄熱媒体26の材料のために比較的少ない重量で、高負荷時にアクチュエータ1の動作時間が延長され得ることを可能にする。
【0026】
アクチュエータ筐体部分11と収容領域21との間に、熱をとりわけ良好に伝導する熱伝導体40、例えば熱伝導ペースト、熱伝導マット及び/又は熱伝導板が配置されてもよい。熱伝導体40を用いて、アクチュエータ筐体10の外側と収容領域21との間の自由空間が補填され得る。
【0027】
蓄熱筐体20は、上置き15への移行領域で内に向く突子を有し、アクチュエータ筐体10に形状密着で掛け留めすることができるように、それらの突子が、上置き15とアクチュエータ筐体10との間の隙間に又は溝に嵌り込む。そのためには突子又は蓄熱筐体20全体が弾性的に広がり得るように形成されてもよく、アクチュエータ筐体10を収容領域に挿入し、押し込み、形状密着式のばね掛け留めによりその収容領域に固定することができる。代わりに、蓄熱器2をアクチュエータ筐体10に取り外し可能に、有利には繰り返し使用可能に固着することができるように、ばね、プラグ又は他のねじ接合具のような形状密着要素が設けられ、アクチュエータ筐体10及び蓄熱筐体20に配置又は形成されてもよい。耐久性のある接合が、例えば貼り付けを介して、例えば接着性の熱伝導体を介して可能である。代わりに又は補足として、磁石結合を介して形状密着式の結合を設けることができる。
【0028】
図3は、図2による本発明の異なる形態を示し、蓄熱媒体26で充填される中空体の代わりに、蓄熱器2が蓄熱媒体26から形成されている。好ましくは蓄熱器2の蓄熱媒体26は、極めて高い熱吸収容量を有する材料、例えばシリカゲルであり、その材料はアクチュエータ筐体10に直接取り付けられ、そのアクチュエータ筐体に固定されている。蓄熱器2は、分離した蓄熱筐体20を有しておらず、その際、その固定は取り外し可能に、アクチュエータ筐体10に繰り返し取り付け可能に行われ得る。
【0029】
実施形態の別の異なる形態が図4にされている。その図には、アクチュエータ筐体部分11を備えたアクチュエータ筐体10のみが示されており、そのアクチュエータ筐体部分11には各々の異なる形態の蓄熱器2’、2’’が隣接している。各々の蓄熱器2’、2’’は、図示される実施例においてアクチュエータ筐体10の外側に配置されている。図4には2つの異なる形態の蓄熱器2が示されており、第1の形態は、塩又は大量に塩を含む材料、特に準安定性の塩から成る蓄熱器2’を有する。第2の異なる形態の蓄熱筐体2’’はパラフィンから形成されており、第1の厚さD1を有する第1の異なる形態の蓄熱器2’よりも大きな厚さD2を有する。これは、塩のエンタルピー及びその厚さがパラフィンのものよりも大きく、従って必要とされる蓄熱媒体26の体積が、パラフィンと比べて少ないことに基づいている。2つの蓄熱器2’、2’’はアクチュエータ筐体部分11に隣接しており、そのアクチュエータ筐体部分は、アクチュエータ筐体10から蓄熱器2’、2’’への熱交換又は熱移動のために設けられている。蓄熱器2’、2’’の各々の蓄熱媒体26が形状安定性のものでない限り、各々の蓄熱媒体26から成る蓄熱器2’、2’’の形態の代わりに、対応する包被がそのアクチュエータ筐体の周りに配置されてもよく、その包被は蓄熱筐体としての役割をするとともに中空空間を形成し、その中空空間内には各々の蓄熱媒体が配置されている。特に、柔軟な蓄熱筐体と少なくとも1つの柔軟な蓄熱筐体とを備えた装置では、変形可能な蓄熱媒体を使用することができ、その蓄熱媒体は、変形可能な状態でアクチュエータ筐体10に押し当てられ、硬化される又は結晶化される。それにより、アクチュエータ筐体10の外側の、熱伝達用に設けられている領域内で狭隘な全面接触が容易になる。
【0030】
図5は、アクチュエータ1が人工補整装置の一部として形成されている、本発明の異なる形態を示す。アクチュエータ1を、例えば下肢整形器具又は下肢人工装具の上部と結合させるために、アクチュエータ筐体10には上端にピラミッド形アダプタ13が配置されている。アクチュエータ10からはピストンロッド12が突き出ており、人工補整装置の下部15まで到達している。アクチュエータ筐体10の外側には、蓄熱筐体20を備えた蓄熱器2が配置されている。左図では蓄熱筐体2の内部の蓄熱媒体26が、固定状態においてアクチュエータ筐体10の収容領域21に配置されている。アクチュエータ1を作動させることにより、例えば摩擦エネルギーが熱に変換される又は電気エネルギーが消散されて熱になる場合、この熱エネルギーはアクチュエータ1内にも蓄熱器2内にも蓄積される。それにより、アクチュエータには超えることを容認されない最大動作温度があるので、アクチュエータ1、従って人工補整装置の使用時間は延長される。例えばアクチュエータの温度が80℃に達すると、利用者は、熱エネルギーが周囲に放出され、連結部又は人工補整装置が十分に冷却されるまで待機しなければならない。収容領域21に配置される蓄熱器2を用いて熱エネルギーを吸収して蓄熱媒体26に蓄積させ、その吸収されたエネルギーを定義可能な別の時点で、例えば静止期間中に放出させることができる。利用者は従ってもはや連結部を再び使用することができるまで、又は利用者が連結部若しくは人工補整装置を同じ冷却期間でより長く使用することができるまで、長く待機する必要はない。蓄熱器は、好ましくは容易に取り外し可能に、容易に再び取り付け可能にアクチュエータに固定されている。特に工具を用いずに蓄熱器をアクチュエータに固定し、取り外すことができるので、利用者は蓄熱容量を、従ってアクチュエータの使用期間を変化させ、特に延長させることができる。取り外された蓄熱器が冷め得るのに対し、新たに配置された取替用蓄熱器はアクチュエータ筐体からの熱を吸収することができる。
【0031】
右の図では、熱が蓄熱器2内に蓄積されている場合に占める蓄熱器2の状態が示されている。蓄熱媒体26は融解されており、それに対応して液体状又は低粘度である。アクチュエータ1からの熱エネルギーは、蓄熱器2の蓄熱媒体26内に吸収される。後の時点で蓄熱器2及び場合によりアクチュエータ1も冷却され、それは中央の下図に示されている。蓄熱器2内部の蓄熱媒体26は、自由に選択可能な、場合により手動でトリガ信号により誘発される事象により初期化される。例えば準安定性の塩が使用される場合、熱エネルギーを再び放出するべき時点を定めることができる。人工補整装置又は連結部、若しくはアクチュエータ1が過熱する場合、もはや必ずしも全エネルギーが周囲に放出され、従ってアクチュエータが再び使用され得るまで待機する必要はない。むしろエネルギーは化学反応において蓄積され、任意の時点に放出される。それにより、連結部又は人工補正装置が再び使える状態になるまでの待機時間が短縮される。従って特に迅速に脱着可能な蓄熱器2では使用時間が著しく延び得る。蓄熱媒体としての塩又は準安定性の塩により、エントロピーのエネルギーは自動的に放出されず、むしろアクチュエータ1の比熱容量のエネルギーのみが排出されなければならない。それにより冷却時間はかなり短縮される。エントロピーの残留エネルギーを任意の固定可能な時点で排出することができる。再結晶化を誘発するまで、連結部は、人工補正装置若しくはアクチュエータ1の比熱容量のレベルのエネルギーを依然として排出することができる。熱エネルギーが蓄熱器2から排出される場合、図5の左の状態が生じる。
【0032】
塩の再結晶化は、例えば圧力波により、例えば金属板を作動させることにより又は振動モータにより又は別のトリガを加える又は誘発機構30を始動させることにより誘発され得る。誘発機構30は図5において概略的に示されており、外側から届くように蓄熱器2に直接配置されてもよい。例えば、各々の所望の時点で蓄熱媒体26の結晶化を可能にする圧力波を誘発させるために、キー、スイッチ又は、金属板又は別のアクチュエータの始動を可能にする柔軟な場所が蓄熱筐体に形成されてもよい。塩の形態の潜熱蓄積器を使用することにより、少ない体積の比較的軽い蓄熱器を提供することができる。パラフィンと比べて、塩のエンタルピーはより大きいが、熱容量は小さい。
【0033】
図6には、本発明の別の異なる形態が示されており、外壁22と収容領域21とを備えた蓄熱器2が示されている。アクチュエータ本体は示されておらず、ダンパ又は電動駆動機として形成されてもよい。収容領域21は外壁22と共に中空空間を形成し、従って全体的に、有利には蓄熱媒体を有するとともに特にその蓄熱媒体で充填されている蓄熱筐体20を形成する。蓄熱媒体は例えば、アクチュエータから収容領域21を介して熱エネルギーを逃がし、吸収するのを可能にする蝋又は別の蓄熱材料である。収容領域21には、突子又は形状密着要素が、図示されていないアクチュエータに固定するための固着装置3として配置又は形成されている。対応して形作られた形状密着要素が、そのアクチュエータ内に配置又は形成されている。面ファスナ、クリップ、抜け止め、ねじ等のような他の形の形状密着要素が、固着装置3として使用され得る。形状密着要素の代わりに、吸着性の固着を可能にするために固着装置3が磁石又は挟み要素として形成されてもよい。
【0034】
図7には、収容領域21のない蓄熱器2が示されており、その蓄熱器は例えば伝導性金属として形成されてもよい。アクチュエータから蓄熱器2への熱移動を容易にする又は可能にするために、下側に又は収容領域21のアクチュエータに向き合う側に、熱伝導体又は熱伝導性被膜が形成又は配置されてもよい。収容領域21に接着留めされ得る又は別の方法でその収容領域に固定され得る蓄熱筐体20の内部には、図8に基づいて詳しく説明されることになる中空空間が形成されている。外壁22を備えた蓄熱筐体20は、収容領域21の方に向けて閉じるように形成されているので、蓄熱筐体20は、後に収容領域21に固定される独自のモジュールとして形成されてもよい。
【0035】
図8には、収容領域21に組み付けられた蓄熱筐体20の部分的に切り取られた図が示されている。外壁22は内壁22’と共に中空空間25が形成され、その中空空間内には蓄熱媒体24が配置されてもよい。内壁22’から3つの分離要素24が外壁22の方向に、図示される実施例では平行に収容部分21から離れるように延びているので、全体的に4つの区画が中空空間25内に形成される。区画は互いに対して結合しているので、熱交換及び場合によっては蓄熱媒体が液化される際に物質交換が生じ得る。
【0036】
図9は、収容領域21と、外壁がなく内壁22’を伴う蓄熱筐体20と、その内壁から上方へ突き出た分離壁24とを備えた装置を示す。分離壁24は、内壁22’と一体的に形成されてもよい。代わりに分離壁24は、後に内壁22’に配置され、その内壁に固着されてもよい。
【0037】
図10は、図9による図を側面図で示す。図10からは、内壁22’が収容領域21全体にわたり広がっておらず、むしろ切り抜き部分があけられており、その切り抜き部分が蓄熱器2により覆われていないことを読み取ることができる。原理上、この領域を完全に覆い、蓄熱器2で覆うこともできる。
【0038】
図11による図面は、3つの分離壁24の平行な配列と、ほぼ垂直に上方に向けられた配向とを示す。
【0039】
図12では上面図において、蓄熱筐体20の前領域での切り抜き部分を見ることができ、収容領域21は蓄熱筐体20及び内壁22’により覆われていない。
【0040】
分離要素24は分割機能及び個室の分離と併せて、さらに他の機能、つまり蓄熱器2の安定化と、収容領域21及び内壁22’から蓄熱器2の内部空間への熱伝導とを有する。中空空間25に突き出る分離要素24により、中空区間25内に配置される蓄熱媒体は、熱伝導が壁のみを介して行われる場合よりも均等に加熱される。分離要素24はこの目的のために、良好な熱伝導性を有する材料から、例えば収容領域21の熱伝導性を有する材料から構成される。分離要素24を介して熱を輸送することにより、中空空間25内の蓄熱媒体はより均等に加熱される。縁領域と共に、中空空間25の中心部にも熱が加えられ、それにより、アクチュエータからの向上した熱排出が生じ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】