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特表2022-540412接着促進剤およびそれを含有する感光性樹脂組成物
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  • 特表-接着促進剤およびそれを含有する感光性樹脂組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】接着促進剤およびそれを含有する感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/10 20060101AFI20220908BHJP
   G03F 7/075 20060101ALI20220908BHJP
   G03F 7/023 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
C07F7/10 U
G03F7/075 501
G03F7/023
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500580
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2019094434
(87)【国際公開番号】W WO2021000265
(87)【国際公開日】2021-01-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522005332
【氏名又は名称】山▲東▼▲聖▼泉新材料股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANDONG SHENGQUAN NEW MATERIALS CO LTD.
【住所又は居所原語表記】Diaozhen Shengquan Industrial Park, Zhangqiu District, Jinan, Shandong 250204 China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】唐地源
(72)【発明者】
【氏名】李枝芳
(72)【発明者】
【氏名】白珂
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼斌
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲傳▼明
【テーマコード(参考)】
2H225
4H049
【Fターム(参考)】
2H225AE03P
2H225AF03P
2H225AM80P
2H225AN39P
2H225AN62P
2H225AN65P
2H225AN82P
2H225BA05P
2H225BA33P
2H225CA12
2H225CB06
2H225CC03
2H225CC21
4H049VN01
4H049VP01
4H049VQ21
4H049VQ35
4H049VQ59
4H049VR21
4H049VR43
4H049VS21
4H049VT17
4H049VU24
4H049VW02
(57)【要約】
本発明は、式(1)に示される接着促進剤および前記接着促進剤を含有する感光性樹脂組成物に関し、ここで、R、R、R、AおよびXの定義は、明細書および特許請求の範囲に示されるとおりである。本発明の接着促進剤および感光性樹脂組成物は、半導体集積回路(IC)、有機発光ダイオード(LED)、および液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に使用することができる。本発明の接着促進剤は非常に効果的であり、感光性樹脂組成物と基板の表面との間の接着性を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)
【化1】
[式(I)中、R、R、Rは水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基、任意に置換基で置換された他の炭素原子置換基を示し、ここで、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基、前記フェニル基、および前記他の炭素原子置換基の炭素原子は、任意に1つ以上のN、O、Sで置換され、
Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基、任意に置換基で置換された他の炭素原子置換基を示し、ここで、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基、前記フェニル基、および前記他の炭素原子置換基の炭素原子は、任意に1つ以上のN、O、Sで置換され、
Xは、任意に置換基で置換された芳香族複素環基を示す。]で表される、
接着促進剤。
【請求項2】
式(I)中、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基を示す、
請求項1に記載の接着促進剤。
【請求項3】
式(I)中、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基を示す、
請求項1~2のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項4】
式(I)中、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C10アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルキニル基を示す、
請求項1~3のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項5】
式(I)中、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルケニル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルキニル基を示す、
請求項1~4のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項6】
式(I)中、R、R、Rは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基を示す、
請求項1~5のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項7】
式(I)中、R、R、Rは、任意に置換基で置換されたエチル基を示す、
請求項1~6のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項8】
式(I)中、Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基を示し、ここで、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基、および前記フェニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項9】
式(I)中、Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基を示し、ここで、前記アルキル基、前記アルケニル基、および前記アルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項10】
式(I)中、Aは、任意に置換基で置換されたC~C10アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルキニル基を示し、ここで、前記アルキル基、前記アルケニル基、および前記アルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される、
請求項1~9のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項11】
式(I)中、Aは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルケニル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルキニル基を示し、ここで、前記アルキル基、前記アルケニル基、および前記アルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項12】
式(I)中、Aは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基を示し、ここで、前記アルキル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される、
請求項1~11のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項13】
式(I)中、Aは、任意に置換基で置換されたプロピル基を表し、ここで、前記プロピル基の炭素は任意に1以上のNで置換される、
請求項1~12のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項14】
式(I)中、Xは、任意に置換基で置換された6員の芳香族複素環基を示す、
請求項1~13のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項15】
式(I)中、Xは、任意に置換基で置換された6員の窒素含有芳香族複素環基を示す、
請求項1~14のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項16】
式(I)中、Xは、任意に置換基で置換された6員の窒素含有芳香族複素環基を示し、ここで、窒素原子の数は1~4、好ましくは1~3、より好ましくは2~3、最も好ましくは3である、
請求項1~15のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項17】
式(I)中、Xは、任意に置換基で置換されたピリジン、ピリミジンまたはトリアジンを示す、
請求項1~16のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項18】
式(I)中、Xは、任意に置換基で置換されたトリアジン、好ましくは1,3,5-トリアジンを示す、
請求項1~17のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項19】
2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジン、または2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンである、
請求項1~18のいずれか1項に記載の接着促進剤。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の接着促進剤を含む、
感光性樹脂組成物。
【請求項21】
アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニス、およびナフトキノンジアジド感光性化合物のいずれかまたは両方を含有する、
請求項20に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項22】
アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニス、およびナフトキノンジアジド感光性化合物を含有する、
請求項20~21のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項23】
他の1つ以上の接着促進剤を含む、
請求項20~22のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項24】
樹脂ワニスおよび感光性化合物の固形分に基づいて、前記接着促進剤の添加量は、10~50000ppm、好ましくは100~50000ppm、より好ましくは1000~10000ppmである、
請求項20~23のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項25】
前記接着促進剤および前記感光性樹脂組成物は、半導体集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)および有機発光ディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に使用できる、
請求項1~19のいずれか1項に記載の接着促進剤、または、請求項20~24のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジストの技術分野に関し、具体的には、接着促進剤およびそれを含有する感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト(感光剤ともいう)は、光のもとで光化学反応を起こし、半導体、導体および絶縁体に塗布し、露光と現像後に残った部分が基板への保護効果を果たし、その後エッチング剤でエッチングすることでマスクから必要な微細パターンを被加工基板へ転写することができ、微細加工技術における重要な化学材料であり、主に集積回路、フラットパネルディスプレイ、LED、PCB、および精密センサーなどの微細加工に使用される。マスクからウェーハ表面へのパターンの転写は複数のステップで行われ、ほとんどのリソグラフィープロセスは、10ステップの基本的なリソグラフィー方法のバリエーションまたはオプションとなる。
【0003】
ステップ1、表面処理:基板表面を洗浄し、回転して乾燥させる。集積回路、フラットパネルディスプレイ、LEDチップの製造プロセスにおいて、基材は、シリコン基板、ガラス基板、サファイア基板であってもよいし、またはシリコン基板、ガラス基板、サファイア基板に積層された金属膜、非金属膜、金属酸化物膜、非金属酸化物膜であってもよい。
【0004】
ステップ2、接着剤塗布:基板の表面にフォトレジストを薄く塗布する。フォトレジストのタイプ:ポジ型であり、例えばフェノール化合物とアジドキノン化合物から形成されたフォトレジストで、基板パターンとマスク板パターンが同じである;ネガ型であり、例えばポリビニルアルコールラウレートなどを感光性材料とするフォトレジストで、マスクと逆のパターンを基板上に形成する。フォトレジストの塗布方法には、ブラッシング法、ロール法、浸漬法がある。
【0005】
ステップ3、ソフトベーク:加熱によりフォトレジスト溶剤を部分的に蒸発する。例えば、ホットプレート、コンベクションオーブン、赤外線オーブン、電子レンジ、真空オーブンなどである。
【0006】
ステップ4、整列と露光:マスクを基板に整列し、フォトレジストを露光する。露光装置のタイプは、接触式、近接式、投影式、およびステッピング式がある。露光光源は、紫外線UV、深紫外線DUV、X線などがある。
【0007】
ステップ5、現像:ノンポリマーのフォトレジストを除去する。例えば、浸漬現像、スプレー現像、凝固現像、プラズマによるスカム除去である。現像液は主にアルカリ現像液であり、現像液としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液が一般的に使用され、その他、アンモニア、アルカリ金属水酸化物、アルキルアミン、アルカノールアミン、コリン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなどの水溶液も現像に用いることが可能である。
【0008】
ステップ6、ハードベーク:溶媒の蒸発を継続させる。装置および方法についてはソフトベークと類似する。対流式オーブン、ハードベーキングにはコンベクションオーブン、オンラインおよびマニュアルホットプレート、赤外線トンネルオーブン、移動ベルト伝導オーブン、真空オーブンはすべて、ハードベークに使用される。
【0009】
ステップ7、現像チェック:表面の整列および欠陥の有無をチェックする。
【0010】
ステップ8、エッチング:フォトレジストの開口部から基板の表層を除去する。ドライエッチングおよびウェットエッチングを含む。
【0011】
ステップ9、フォトレジストの除去:ストリッピングとも呼ばれ、基板からフォトレジストを除去する。
【0012】
ステップ10、最終チェック:エッチングのムラなどについて表面チェックを行う。例えば、LED用サファイアチップは、サファイア基板にフォトレジストで対応するパターンをエッチングした後、誘導結合プラズマエッチング技術によってサファイアをエッチングし、続いて、フォトレジストを除去してその上にGaN材料を成長させるPSS(Patterned Sapphire Substrate)技術で製造される。エッチングバリアとして、フォトレジストは、パターンを基板表面に確実に転写するために、基板表面層との接着性が必要であり、接着性が低いとパターンに歪みが生じる。感光性樹脂組成物の基板への接着性を向上させるために、感光性樹脂組成物には接着促進剤が添加されることが多い。例えば、CN1802608Bにおいて、スルホニル置換された窒素化合物またはチアジアゾール化合物が加えられる。該接着促進剤のメカニズムは、環状窒素化合物が基板側の接着性を向上させ、スルホニル基とフェノール樹脂ワニス中のヒドロキシ基との水素結合が現像時のアルカリ性物質による腐食を防ぎ、接着性の低下を防止できることである。該接着促進剤には硫黄元素が含まれ、基材を腐食させる可能性があるため、より穏やかな接着促進剤が必要である。
【発明の概要】
【0013】
本特許の目的は、接着促進剤および該接着促進剤を含有する感光性樹脂組成物を提供することである。該感光性樹脂組成物は、半導体集積回路(IC)、有機発光ダイオード(LED)、および液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に使用することができる。
本発明の一態様によれば、接着促進剤を提供し、該接着促進剤は式(I)で示され、
【0014】
【化1】
ここで、R、R、Rは水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基、任意に置換基で置換された他の炭素原子置換基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、および他の炭素原子置換基の炭素原子は、任意に1つ以上のN(窒素原子)、O(酸素原子)、S(硫黄原子)で置換される。Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基、任意に置換基で置換された他の炭素原子置換基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、および他の炭素原子置換基の炭素原子は、任意に1つ以上のN、O、Sで置換される。Xは、任意に置換基で置換された芳香族複素環基を示す。
【0015】
好ましくは、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基を示す。
【0016】
さらに好ましくは、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基を示す。さらに好ましくは、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C10アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルキニル基を示す。
【0017】
さらに好ましくは、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルケニル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルキニル基を示す。さらに好ましくは、R、R、Rは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基を示す。さらに好ましくは、R、R、Rは、任意に置換基で置換されたエチル基を示す。さらに好ましくは、Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびフェニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される。
【0018】
さらに好ましくは、Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される。
【0019】
さらに好ましくは、Aは、任意に置換基で置換されたC~C10アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルキニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される。
【0020】
さらに好ましくは、Aは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルケニル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルキニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される。
【0021】
さらに好ましくは、Aは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基を示し、ここで、該アルキル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換される。
【0022】
さらに好ましくは、Aは、任意に置換基で置換されたプロピル基を表し、ここで、該プロピル基の炭素は任意に1以上のNで置換され、例えば1つ、2つまたは3つで、好ましくは1つまたは2つで、より好ましくは1つである。前記置換は、プロピル基の任意の位置、例えば、1位、2位または3位で行われてもよい。
【0023】
さらに好ましくは、Xは、任意に置換基で置換された6員の芳香族複素環基を示す。
【0024】
さらに好ましくは、Xは、任意に置換基で置換された6員の窒素含有芳香族複素環基を示す。
【0025】
さらに好ましくは、Xは、任意に置換基で置換された6員の窒素含有芳香族複素環基を示し、ここで、窒素原子の数は1~4、好ましくは1~3、より好ましくは2~3、最も好ましくは3である。
【0026】
さらに好ましくは、Xは、任意に置換基で置換されたピリジン、ピリミジンまたはトリアジンを示す。さらに好ましくは、Xは、任意に置換基で置換されたトリアジン、好ましくは1,3,5-トリアジンを示す。
【0027】
さらに好ましくは、該接着促進剤は、2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンであり、その構造は以下のとおりである。
【0028】
【化2】
さらに好ましくは、該接着促進剤は、2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンであり、その構造は以下のとおりである。
【0029】
【化3】
本発明の別の態様によれば、感光性樹脂組成物を提供し、該感光性樹脂組成物は上記接着促進剤を含む。
【0030】
好ましくは、該感光性樹脂組成物はまた、アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニス、ナフトキノンジアジド感光性化合物のいずれかまたは両方を含有する。
【0031】
好ましくは、該感光性樹脂組成物はまた、アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニス、およびナフトキノンジアジド感光性化合物を含有する。
【0032】
好ましくは、該感光性樹脂組成物はまた、他の1つ以上の接着促進剤を含む。
【0033】
好ましくは、樹脂ワニスおよび感光性化合物の固形分に基づいて、上記接着促進剤の添加量は、10~50000ppm、好ましくは100~50000ppm、より好ましくは1000~10000ppmである。
【0034】
本発明の別の態様によれば、上記接着促進剤または感光性樹脂組成物の使用を提供し、前記接着促進剤および感光性樹脂組成物は、半導体集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、および液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に使用できることを特徴とする。基材は、シリコン基板、ガラス基板、サファイア基板などであってもよいし、またはシリコン基板、ガラス基板、サファイア基板に積層された金属膜、非金属膜、金属酸化物膜、非金属酸化物膜であってもよい。
【0035】
好ましくは、上記接合促進剤および感光性樹脂組成物は、サファイア基板のパターニングプロセス(PSSプロセス)に使用することができる。
【0036】
本発明の接着促進剤は、一方では分子中の窒素原子の孤立電子対が基板表面と共有結合を形成し、他方では分子中の疎水基により分子とフェノール樹脂ワニスとの結合を向上させる。これにより、感光性樹脂組成物と基板との密着性が向上し、現像時のパターンの歪みを防止することができる。
【0037】
実施例に示すとおり、本発明の接着促進剤によると、マスク上のドットパターンのサイズに関係なく、全て正確にサファイア基板に転写され、接着促進剤または他のタイプの接着促進剤を使用しないと、パターンは完全には転写されない。本発明の接着促進剤の有効性が完全に実証され、サファイアパターニングプロセスにおける感光性樹脂組成物とサファイアとの接着性が向上し、製品の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、特性の異なるフォトレジストの現像後に形成されるパターンを示し、ここで、青色はサファイアウェーハを示し、黒いドットは露光および現像後のフォトレジストを示す。すべてのドットが剥がれていない場合は、接着性が良好であることを意味し、●とマークされる。ドットの一部が剥がれている場合は、◎とマークされる。ほとんどのドットが剥がれている場合は、接着性が低いことを意味し、○とマークされる。すべてのドットが剥がれている場合は、×とマークされる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下は、添付図面を参照して本発明の具体的な実施例をより詳細に説明する。本発明の具体的な実施例が添付図面に示されているが、本発明は様々な形態で実施でき、本明細書に説明された実施例によって限定されるべきものではないことが理解されたい。逆に、これらの実施例は、本発明をより完全に理解することを可能にし、本発明の完全な範囲を当業者に伝えることを可能にするために提供される。本開示の主題は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。実際、本開示の主題が属する分野の当業者によって、本明細書に含まれる説明で与えられる教示の利益を有する本開示の主題の多くの修正および他の実施形態が企図される。したがって、本開示の主題は、開示された特定の実施形態に限定されず、修正および他の実施形態が開示された主題の範囲内に含まれることが意図されることが理解されたい。
【0040】
本明細書では特定の用語が使用されているが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的としたものではない。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示に説明される主題が属する分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。化合物を説明するには、標準的な命名法を使用する。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0041】
本明細書に記載される任意の式の化合物には、エナンチオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマー、シス/トランス異性体、互変異性体、ラセミ体および回転異性体などの他の異性体が、それぞれ具体的に記載されているかのように含まれる。
【0042】
任意の式の化合物は、キラルまたは非対称合成により適切な光学的に純粋な前駆体から調製することができ、または任意の従来技術、例えばキラルカラム、TLCのクロマトグラフィーによってラセミ体またはエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物から得られ、またはジアステレオマーを調製することにより、所望のエナンチオマーまたはジアステレオマーを分離および再生する。
【0043】
例えば、"Enantiomers,Racemates and Resolutions," by J. Jacques,A. Collet,and S.H. Wilen,(Wiley-Interscience,New York,1981);S.H. Wilen,A.Collet,and J.Jacques,Tetrahedron,2725(1977);E.L.Eliel Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);およびS.H. Wilen Tables of Resolving Agents and OpticalResolutions 268 (E.L. Eliel ed.,Univ. of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972,Stereochemistry of Organic Compounds,Ernest L. Eliel,Samuel H. Wilenand Lewis N. Manda (1994 John Wiley & Sons,Inc.),and Stereoselective Synthesis A Practical Approach,Mihaly Nogradi (1995 VCH Publishers,Inc.,NY,NY)を参照する。
【0044】
「1つ」という用語は、数量の制限を意味するのではなく、少なくとも1つの参照アイテムがあることを意味する。値の範囲に対する説明は、本明細書で特に指示しない限り、範囲内の個々の値を個別に参照するための簡略化された方法としてのみ意図され、個々の値は、本明細書で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。すべての範囲のエンドポイントは範囲に含まれ、かつ、個別に組み合わせることができる。本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書に特に示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な順序で実行することができる。特に断らない限り、実施例または例示的な表現(「例えば」など)の使用は、本発明をより良く説明することのみを意図し、かつ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0045】
本発明は、少なくとも1つの所望の原子同位体置換を有し、その量が同位体の天然存在比(すなわち、濃縮)よりも多い式(I)の化合物、およびその化合物の使用を含む。同位体とは、原子番号が同じで質量数が異なる原子、すなわち、陽子の数が同じで中性子の数が異なる原子のことである。重水素置換などの同位体置換は、部分的または完全な場合がある。部分的な重水素置換とは、少なくとも1つの水素が重水素で置換されていることを意味する。
【0046】
いくつかの実施形態において、同位体は、関心のある任意の位置で90、95、または99%以上濃縮される。一実施形態において、重水素は所望の位置で90、95または99%濃縮される。
【0047】
明細書および特許請求の範囲では、特定の構成要素を指すために特定の単語が使用されていることに注意されたい。当業者は、同じ構成要素を指すために異なる用語を使用する可能性があることを理解する必要がある。本明細書および特許請求の範囲では、名称の違いによって構成要素を区別しているのではなく、構成要素の機能的な違いによって区別する。明細書および特許請求の範囲を通して言及されるように、「含む」または「備える」は、オープン用語であり、したがって、「含むがこれに限定されない」として解釈されるべきである。
【0048】
本明細書の以下の説明は、本発明を実施するための好ましい実施形態であるが、前記説明は、本明細書の一般原則としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0049】
本開示は、代替物および「および/または」定義のみを参照することを支持するが、代替物のみを指すこと、または代替物が相互に排他的であることが明示されていない限り、「または」という用語は、特許請求の範囲において「および/または」を意味するために使用される。本明細書で使用される場合、「別の」は、少なくとも2つ以上を意味することができる。
【0050】
本明細書において、「アルキル基」とは、直鎖飽和脂肪族炭化水素基を指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、C~C、C~C10またはC~C20(すなわち、アルキル鎖の長さは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の炭素であり得る)である。本明細書で使用される指定された範囲は、別種として記載された範囲の各メンバーの長さを有するアルキル基を意味する。例えば、本明細書で使用されるC~Cアルキルという用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル基を示し、これらの各々が別種として記載されていることを示すことが意図される。アルキル基は、さらにアルキル基で置換されて分岐アルキル基を形成することができる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、t-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタンおよび2,3-ジメチルブタンが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、アルキル基は、上記のように任意に置換される。
【0051】
本明細書において、「アルケニル基」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖脂肪族炭化水素基であり、前記炭素-炭素二重結合はそれぞれ独立してシスまたはトランスであり、鎖上の安定点に存在することができる。非限定的な例は、C~C20アルケニル基、C~C10アルケニル基またはC~Cアルケニル基(すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の炭素を有する)である。本明細書で使用される指定された範囲は、上記のアルキル基の部分に記載されるように、別種として記載された範囲の各メンバーを有するアルケニル基を示す。アルケニル基の例としては、ビニル基、アクリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、さらにアルキル基で置換されて分岐アルケニル基を形成することができる。一実施形態において、アルケニル基は、上記のように任意に置換される。
【0052】
本明細書において、「アルキニル基」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖脂肪族炭化水素基であり、前記炭素-炭素三重結合は、C~C20アルキニル基、C~C10アルキニル基またはC~Cアルキニル基(すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の炭素を有する)などの鎖上の任意の安定点で発生することができる。本明細書で使用される指定された範囲は、上記のアルキル基の部分に記載されるように、別種として記載された範囲の各メンバーを有するアルキニル基を示す。アルキニル基は、さらにアルキル基で置換されて分岐アルキニル基を形成することができる。アルキニル基の例としては、エチニル基、プロピン基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキシニル基および5-ヘキシニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、アルキニル基は、上記のように任意に置換される。
【0053】
本明細書において、「他の炭素原子置換基」とは、置換基が炭素原子で構成されることを意味し、このような置換基は、鎖状でも環状でもよく、例えば炭素数2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の炭素を有する。
【0054】
本明細書において、「芳香族複素環基」は、安定した単環式芳香族環を指し、それは、1~3個、またはいくつかの実施形態において、N、O、およびSから選択される1~2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素、または安定した二環系または三環系であり、それは、少なくとも1つの5~7員の芳香環を含み、前記5~7員の芳香環は、1つ、2つ、3つ、または4つを含むか、またはいくつかの実施形態において、1つまたは2つは、N、O、B、およびSから選択されるヘテロ原子で、残りの環原子は炭素である。一実施形態において、唯一のヘテロ原子は窒素である。一実施形態において、唯一のヘテロ原子は酸素である。一実施形態において、唯一のヘテロ原子は硫黄である。単環式芳香族複素環式基は通常5~7個の環原子を有する。ヘテロアリール基は、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換される。
【0055】
本明細書において、「任意に」とは、後続の操作が実行される場合と実行されない場合があることを意味する。例えば、「任意に置換基で置換される」とは、置換基で置換されてもよく、または置換基で置換されなくてもよいことを意味する。
【0056】
本明細書において、「置換された」という用語は、指定された原子または基上の任意の1つ以上の水素が、指定された原子の通常の原子価を超えないという条件で、指定された基から選択される部分によって置換されることを意味する。例えば、置換基がオキソ(すなわち、=0)である場合、一実施形態において、原子上の2つの水素が置換される。
【0057】
オキソ基が芳香族部分の2つの水素を置換すると、対応する部分不飽和環が芳香族環を置換する。例えば、オキソ基で置換されたピリジル基は、ピリドンである。置換基および/または変数の組み合わせは、安定した化合物または有用な合成中間体が得られる場合にのみ許容される。
【0058】
具体的には、本発明は以下の実施形態に関する。
【0059】
1、接着促進剤であって、該接着促進剤は式(I)で示され、
【0060】
【化4】
ここで、R、R、Rは水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基、任意に置換基で置換された他の炭素原子置換基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、および他の炭素原子置換基の炭素原子は、任意に1つ以上のN、O、Sで置換される。Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基、任意に置換基で置換された他の炭素原子置換基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、および他の炭素原子置換基の炭素原子は、任意に1つ以上のN、O、Sで置換される。Xは、任意に置換基で置換された芳香族複素環基を示す。
【0061】
2、上記接着促進剤によれば、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基を示すことを特徴とする。
【0062】
3、上記接着促進剤によれば、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基を示すことを特徴とする。
【0063】
4、上記接着促進剤によれば、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~C10アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルキニル基を示すことを特徴とする。
【0064】
5、上記接着促進剤によれば、R、R、Rは、水素原子、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルケニル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルキニル基を示すことを特徴とする。
【0065】
6、上記接着促進剤によれば、R、R、Rは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基を示すことを特徴とする。
【0066】
7、上記接着促進剤によれば、R、R、Rは、任意に置換基で置換されたエチル基を示すことを特徴とする。
【0067】
8、上記接着促進剤によれば、Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基、任意に置換基で置換されたフェニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびフェニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換されることを特徴とする。
【0068】
9、上記接着促進剤によれば、Aは、任意に置換基で置換されたC~C20アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C20アルキニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換されることを特徴とする。
【0069】
10、上記接着促進剤によれば、Aは、任意に置換基で置換されたC~C10アルキル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルケニル基、任意に置換基で置換されたC~C10アルキニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換されることを特徴とする。
【0070】
11、上記接着促進剤によれば、Aは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルケニル基、任意に置換基で置換されたC~Cアルキニル基を示し、ここで、該アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換されることを特徴とする。
【0071】
12、上記接着促進剤によれば、Aは、任意に置換基で置換されたC~Cアルキル基を示し、ここで、該アルキル基の炭素は、任意に1つ以上のNで置換されることを特徴とする。
【0072】
13、上記接着促進剤によれば、Aは、任意に置換基で置換されたプロピル基を表し、ここで、該プロピル基の炭素は任意に1以上のNで置換されることを特徴とする。
【0073】
14、上記接着促進剤によれば、Xは、任意に置換基で置換された6員の芳香族複素環基を示すことを特徴とする。
【0074】
15、上記接着促進剤によれば、Xは、任意に置換基で置換された6員の窒素含有芳香族複素環基を示すことを特徴とする。
【0075】
16、上記接着促進剤によれば、Xは、任意に置換基で置換された6員の窒素含有芳香族複素環基を示し、ここで、窒素原子の数は1~4、好ましくは1~3、より好ましくは2~3、最も好ましくは3であることを特徴とする。
【0076】
17、上記接着促進剤によれば、Xは、任意に置換基で置換されたピリジン、ピリミジンまたはトリアジンを示すことを特徴とする。
【0077】
18、上記接着促進剤によれば、Xは、任意に置換基で置換されたトリアジン、好ましくは1,3,5-トリアジンを示すことを特徴とする。
【0078】
19、上記接着促進剤によれば、該接着促進剤は、2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジン、または2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンであることを特徴とする。
【0079】
20、感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物は上記接着促進剤を含む。
【0080】
21、上記感光性樹脂組成物によれば、該感光性樹脂組成物はまた、アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニス、ナフトキノンジアジド感光性化合物のいずれかまたは両方を含有することを特徴とする。
【0081】
22、上記感光性樹脂組成物によれば、該感光性樹脂組成物はまた、アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニス、ナフトキノンジアジド感光性化合物を含有することを特徴とする。
【0082】
23、上記感光性樹脂組成物によれば、該感光性樹脂組成物はまた、他の1つ以上の接着促進剤を含むことを特徴とする。
【0083】
24、上記感光性樹脂組成物によれば、樹脂ワニスおよび感光性化合物の固形分に基づいて、上記接着促進剤の添加量は、10~50000ppm、好ましくは100~50000ppm、より好ましくは1000~10000ppmであることを特徴とする。
【0084】
25、上記感光性樹脂組成物によれば、上記接着促進剤または感光性樹脂組成物の使用を提供し、前記接着促進剤および感光性樹脂組成物は、半導体集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、および液晶ディスプレイ(LCD)と有機発光ディスプレイ(OLED)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に使用できることを特徴とする。
【0085】
本発明の接着促進剤、例えば2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンは、シリコン/アルコールを直接反応させてトリエトキシシランを合成し、トリエトキシシランがヒドロシリル化反応により2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを生成し、合成経路を以下の式(1)に示すとおりである。ここで、触媒Aは、銅およびその化合物を触媒前駆体として使用する。触媒Bは、Pt、Rh、Ru、Irなどの遷移金属およびそれらの錯体である。
【0086】
【化5】
本発明の接着促進剤、例えば2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンは、ハロゲン化アルキルシロキシシランを原料として使用でき、シラン中のハロアルキル基の塩素を求核性のある化合物で置換することによって得られる。求核性を有する化合物は、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、ホスフィン、尿素、アルコール酸塩、カルボン酸塩、亜硫酸塩、亜リン酸塩、アルカリ金属硫化物、擬ハロゲン化物および他の機能性化合物などの求核性化合物であり得る。反応式は以下の式(2)で示される。
【0087】
【化6】
本発明の感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性フェノール樹脂ワニスは、1つ以上のフェノールをホルムアルデヒドなどのアルデヒドと重縮合させることによって得られる樹脂を指す。アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニスは、低分子量成分が分留により除去されていない樹脂、または低分子量成分が分留により除去されている樹脂であり得る。低分子量成分を分留で除去する方法は、フェノール樹脂ワニスを溶解度の異なる2つの溶媒で分留するか、遠心分離により低分子量成分を除去する方法として、液液分留法を挙げることができる。
【0088】
アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニスを形成するために使用できるフェノールとしては、例えば、フェノール、2-クレゾール、3-クレゾール、および4-クレゾールなどのクレゾールと、2,5-ジメチルフェノール、3,5-ジメチルフェノール、2,3-ジメチルフェノール、および3,4-ジメチルフェノールなどのジメチルフェノールと、2,3,4-トリメチルフェノール、2,3,5-トリメチルフェノール、2,4,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノールなどのトリメチルフェノールと、2-エチルフェノール、3-エチルフェノール、4-エチルフェノール、2,3-ジエチルフェノール、3,5-ジエチルフェノール、2,3,5-トリエチルフェノール、3,4,5-トリエチルフェノールなどのエチルフェノールと、レゾルシノール、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノールなどのレゾルシノールと、5-メチルカテコールなどのカテコールと、5-メチルピロガロールなどのピロガロールと、ビスフェノールA、B、C、D、E、Fなどのビスフェノールと、2-クロロフェノール、3-クロロフェノール、4-クロロフェノール、2,3-ジクロロフェノールなどのクロロフェノールと、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、4-メトキシフェノール、2,3-ジエトキシフェノール、2,5-ジエトキシフェノールなどのアルコキシフェノールと、2,6-ジヒドロキシメチル-p-クレゾールなどのヒドロキシメチル化フェノールと、α-ナフトール、β-ナフトールなどのナフトールとを挙げることができる。それらは、単独で、または複数を混合して使用することができる。
【0089】
アルカリ可溶性フェノール樹脂ワニスを形成するために使用されるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、オリゴマーホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒドを挙げることができる。それらは、単独で、または複数を混合して使用することができる。
【0090】
本発明の感光性樹脂組成物における感光剤は、感光性樹脂組成物に使用される感光性材料を指し、ナフトキノンジアジド感光性化合物が一般的に使用される。ナフトキノンジアジド感光性化合物は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基性触媒の存在下、ヒドロキシまたはアミノ化合物とキノンジアジド系スルホニルハライドを反応させてエステルを生成することが可能である。キノンジアジド化合物の例としては、例えば、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホニルクロリド、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロリドなどが挙げられる。
【0091】
例としては、2,3,4,4'-テトラヒドロキシフェノン、2,3,4-トリヒドロキシフェノン、2,4,6-トリヒドロキシフェノンなどのキノンジアジドスルホニルハライドと反応するヒドロキシ化合物がある。これらの化合物は、単独で、または複数を混合して使用することができる。
【0092】
本発明における溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルと、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルと、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールモノアルキルアセテートと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートと、トルエン、キシレンなどのアロマティクスと、乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステルと、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトンと、ベンジルアルコール、ピリジンエタノールなどのアルコールと、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアミドと、γ-ブチロラクトンなどのラクトンとを挙げることができる。これらの溶媒は、単独で、または複数を混合して使用することができる。
【0093】
本発明において、1つ以上の接着促進剤とは、式(I)以外の構造の接着促進剤を含むかどうかに関わらず、式(I)の構造を1つ以上含む接着促進剤を意味する。接着促進剤の添加量は、樹脂ワニスと感光性化合物の固形分に基づいて、通常10~50000ppm、好ましくは100~50000ppm、より好ましくは1000~10000ppmである。
【0094】
半導体集積回路(IC)または超大規模集積回路(LSI)、フラットパネルディスプレイ(FPD)、および有機発光ダイオード(LED)を製造する場合、微細部品の形成または微細加工にフォトリソグラフィーがよく使われる。フォトリソグラフィーにおいて、感光性樹脂組成物は、レジストグラフィックスとして一般的に使用される。半導体集積回路、カラーフィルター、TFT-LCDおよびOLEDなどのフラットパネルディスプレイ、有機発光ダイオードなどのデバイスを製造するために、感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基材は、ガラス基板、シリコン基板、サファイア基板または他の金属、非金属基板であってもよく、その大きさも任意であり、基材は、その上に形成されたITO膜、クロム膜、モリブデン膜などの金属膜、炭化ケイ素、ガリウムヒ素などの非金属膜、またはその他の金属膜、金属酸化物膜、非金属酸化物膜などであってもよい。感光性樹脂組成物を塗布した後、ソフトベークで溶媒の一部を除去し、露光と現像後、エッチャントパターンを形成する。
【0095】
以下は、具体的な実施例により本発明の実施形態を詳細に説明および例示するが、以下の内容は、本発明を何ら限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例
【0096】
以下は、具体的な実施例により本発明の実施形態を詳細に説明および例示するが、以下の内容は、本発明を何ら限定するものと解釈されるべきではなく、実施例で使用される材料などは特に指定しない限り市販のものである。
【0097】
【表1】
100重量部(重量比フェノール樹脂1(M/P=1:1、Mw=4000):フェノール樹脂2(M/P=2:1、Mw=15000)=85:15)のフェノール樹脂ワニス樹脂では、20部の1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロリドと2,3,4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステルを加え、続いて、フェノール樹脂ワニスとナフトキノンジアジド化合物の合計質量に対して2000ppmのFC-4430(3M社製界面活性剤)と1500ppmの接着促進剤2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを加えた。その後、混合物を750部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(100部のフェノール樹脂ワニスに対して)に溶解し、得られた溶液を撹拌し、孔径0.1μmのテフロンフィルター(テフロンは登録商標)で濾過して感光性樹脂組成物を得た。2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンの構造は以下のとおりである。
【0098】
【化7】
接着剤の均一塗布:該感光性樹脂組成物を4インチのシリコンウェーハ上に回転塗布した。
【0099】
ソフトベーク:110℃のホットプレート上で100s乾燥し、膜厚2.5μmとした。
【0100】
露光:NIKON NSR2005i9で露光した。
【0101】
現像:23℃の2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で80s現像した。
【0102】
最適露光量の決定:1μmのドットパターン(ドット間距離1:1)を用いて、60mJ/cmの最適露光量を決定した。
【0103】
その後、感光性樹脂組成物をサファイアウェーハ上に塗布し、異なるドット(5μm、4μm、3μm、2μm、1μm)を備えた同じマスクでウェーハを整列し、60mJ/cmで露光し、2.38wt%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像した。次に、サファイアウェーハ上に残っている感光性樹脂組成物のドット数を調べて、感光性樹脂組成物の接着性を評価した。すべてのドットが剥がれていない場合は接着性が良いことを意味し、●とマークされる。一部のドットが剥がれている場合、◎とマークされる。ほとんどのドットが剥がれている場合は接着性が低いことを意味し、○とマークされる。すべてのドットが剥がれている場合、×とマークされる。
【0104】
ここで、実施例1における接着促進剤2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンは、シリコン/アルコールを直接反応させてトリエトキシシランを合成し、トリエトキシシランは、ヒドロシル化反応により2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを生成し、合成経路は、次の式(1)に示される。
【0105】
ここで、触媒Aは銅およびその化合物を触媒前駆体として使用し、触媒BはPt、Rh、Ru、Irなどの遷移金属およびそれらの錯体である。
【0106】
実施例1において、1kgのシリコン粉末と100gの触媒CuCl(AR(上海試験)、≧97.0%)を450℃で5時間処理し、5kgのエタノール蒸気を180℃で18時間通過させてトリエトキシシランを取得した。続いて、得られた164gのトリエトキシシランを1gの白金触媒で150℃で2時間処理し、154gの2-ビニルメチル-4,6-アミノ-1,3,5トリアジンを150℃で通過させて12時間反応させ、2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを得た。
【0107】
【化8】
実施例1で得られた2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを質量分析により分析すると、以下のピーク、すなわち、2,4-ジアミノトリアジン構造(m/z110)、-CHCHCH-(m/z42),-SiOCHCH(m/z73),-Si(OCHCH(m/z105),-Si(OCHCH(m/z135)がある。
<実施例2>
1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロリドと2,3,4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステルを60%の1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロリドエステルと2,3,4,4'-テトラヒドロキシフェノンとのエステルおよび40%の1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロリドと2,3,4-トリヒドロキシフェノンとのエステルで置き換えたことを除いて、実施例1と同じである。
<実施例3>
接着促進剤を2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンで置き換えたことを除いて、実施例1と同じである。2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンの構造は以下のとおりである。
【0108】
【化9】
ここで、実施例3における2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンは、ハロゲン化アルキルシロキシシランを原料として、シラン中のハロアルキル基の塩素を求核性のある化合物で置換することにより得ることができる。求核性のある化合物は、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、ホスフィン、尿素、アルコール酸塩、カルボン酸塩、亜硫酸塩、亜リン酸塩、アルカリ金属硫化物、擬ハロゲン化物および他の機能性化合物などの求核性化合物であり得る。反応式は以下のとおりである。
【0109】
実施例2において、206.5gのクロロメチル-トリエトキシシランと143gの2-アミノメチル-4,6-アミノ-1,3,5トリアジンを加圧水型原子炉内で100℃で12時間反応させて2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを得た。
【0110】
【化10】
実施例3で得られた2-(トリエトキシシリル-メチルアミノ-メチル)-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを質量分析により分析すると、以下のピーク、すなわち、2,4-ジアミノトリアジン構造(m/z110)、-SiOCHCH(m/z73)、-Si(OCHCH(m/z105)、-Si(OCHCH(m/z135)、-CHNHCH-(m/z43)、-CHNH-(m/z29)、-NH-(m/z15)がある。
<比較例1>
接着促進剤を使用しなかったことを除いて、実施例1と同じである。
<比較例2>
接着促進剤として2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンの代わりに3-アミノプロピルトリエトキシシランを使用したことを除いて、実施例1と同じである。3-アミノプロピルトリエトキシシランの構造は以下のとおりである。
【0111】
【化11】
<比較例3>
接着促進剤として、2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンの代わりに1-ホモトリメチレンスルホニル-1,2,4-トリアゾールを使用したことを除いて、実施例1と同じである。1-ホモトリメチレンスルホニル-1,2,4-トリアゾールの構造は以下のとおりである。
【0112】
【化12】
<比較例4>
接着促進剤として2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンの代わりにヘキサメトキシメラミンホルムアルデヒド樹脂を使用したことを除いて、実施例1と同じである。ヘキサメトキシメラミンホルムアルデヒド樹脂の構造は以下のとおりである。
【0113】
【化13】
【0114】
【表2】
上記試験により、接着促進剤として2-トリエトキシシリルプロピル-4,6-アミノ-1,3,5-トリアジンを使用すると、マスク上のドットパターンのサイズに関係なく、全て正確にサファイア基板に転写され、接着促進剤または他のタイプの接着促進剤を使用しないと、パターンは完全には転写されない。上記試験結果により、該接着促進剤の有効性が完全に実証され、PSSプロセスにおいて感光性樹脂組成物とサファイアとの密着性が向上し、製品の歩留まりが向上する。
【0115】
以上は本発明の原理を単に例示するものであり、本発明の範囲は本明細書に記載された例示的な態様に限定されることを意図するものではなく、現在既知および将来開発されるすべての同等物を含むべきであると理解されたい。また、本発明の技術原理から逸脱することなく、いくつかの改善および修正を行うことができ、これらの改善および修正もまた、本発明の範囲と見なされるべきであることに留意されたい。
図1
【国際調査報告】