(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】しみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/98 20060101AFI20220908BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
A61K8/98
A61Q11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500581
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 KR2020008335
(87)【国際公開番号】W WO2021002637
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0078729
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513004043
【氏名又は名称】キム,チョンギュン
(71)【出願人】
【識別番号】522005343
【氏名又は名称】キム,チャン-ミ
【氏名又は名称原語表記】KIM, Chang-Mi
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】キム,チョン-ギュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャン-ミ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AA072
4C083AB282
4C083AB322
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC302
4C083AC622
4C083AD272
4C083CC41
4C083DD22
4C083EE33
4C083EE38
4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、電子を失ったミネラル(金属性)が他元素の電子を奪って来て安定化しようとする共有結合または配位結合しようとする原理を練り歯磨きに適用して、各種口腔疾患の治療及び予防効果が優れた電子を失ったミネラルを含む練り歯磨きを利用したしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
練り歯磨き組成物の総重量に対して、電子を失ったミネラルを0.5~15%を添加した、ことを特徴とする電子を失ったミネラルが含有された練り歯磨き。
【請求項2】
請求項1の練り歯磨きを製造する方法であって、
ミネラルを洗浄するステップと、
イオン化して電子を失ったミネラルを製造するステップと、
電子を失ったミネラルを粉碎するステップと、
練り歯磨きの基本材料に香料を混合する基本組成物混合ステップと、
粉砕された電子を失ったミネラルに精製水を混合して、ミネラル精製水を製造するステップと、
ミネラル精製水に混合組成物を混合して熟成させるステップと、を含む、ことを特徴とする電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きの製造方法。
【請求項3】
前記電子を失ったミネラルは、練り歯磨き組成物の総重量の0.1~15%が添加された、ことを特徴とする請求項2に記載の電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きの製造方法。
【請求項4】
前記電子を失ったミネラルは、ミネラルを多量に含有した食品、漢方薬剤、及びミネラル含有鉱物の少なくとも何れか一つを、850℃以上で、15分以上加熱して、ミネラルが電子を失うようにして作われた、ことを特徴とする請求項2に記載の電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きの製造方法。
【請求項5】
前記ミネラル精製水は、精製水の総重量に対して、有機酸1~50重量%と、電子を失ったミネラルを1~50重量%を混合して作われた、ことを特徴とする請求項2に記載の電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、しみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法に関し、詳しくは、電子を失ったミネラル(金属性)が他元素の電子を共有して安定化しようとする共有結合または配位結合しようとする原理を練り歯磨きに活用して各種口腔疾患の治療、及び予防効果の優れた、電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きを利用したしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、食品などで抽出した各種ミネラル(金属性)が電子を失うようにしてから練り歯磨き組成物に添加すれば、電子を失ったミネラル(金属性)が摩耗され、損傷された歯牙の表面に共有結合または配位結合などをするので、歯牙に強力な金属性被膜が形成され、また、象牙細管にも共有結合をすることにより、象牙細管を密封する効果が優れて、しみる歯など刺激に敏感な歯牙の刺激を短期間に軽減させることができ、たくさん使うほど損傷され、摩耗された歯牙に各種ミネラル(Fe、Cu、Znなど)が漸次厚くコーティング(メッキ)されるので、しみる歯が短期間に治癒され、摩耗されたり損傷された歯牙が復元され、歯垢と歯石とも共有結合をするので、歯垢と歯石が除去されることができる電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きを利用したしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法に関する。
【0003】
また、本発明は、電子を失ったミネラルの強アルカリ性が酸性化された口腔の環境で繁殖して生きている歯茎疾患、虫歯、口臭などの原因菌が生きることのできないアルカリ性環境に変えることにより、副作用が全くなしに各種細菌の成長抑制及び除去する効果があり、各種歯周疾患の治癒と、予防効果の高い、電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きを利用したしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
練り歯磨きは、歯牙の表面を歯磨きする時に用いる医薬部外品で、特に、美白効果、殺菌効果、歯間清浄効果などを目的として主に用い、このために、一般的に、練り歯磨きは、研磨剤、湿潤剤、起泡剤、甘味剤のような成分を含んでなる。
【0005】
このような練り歯磨きは、単純に歯牙の清潔の目的以外に、口腔の健康のための多様な機能性を有するものなどが開発されており、一例としては、歯牙の過敏症現象(しみる歯現象など)を防止するための機能がある。
【0006】
歯牙の過敏症現象は、歯牙のエナメルが摩耗されたり損傷されて象牙質が露出されて、冷たい空気や刺激的な食べ物などに接触された時に敏感に感じることで、軽い症状から激しくて持続的な痛症まで多様に現われることがある。
【0007】
症状の軽重は、象牙細管の露出程度によって多様に現われる。歯牙は、表面のエナメル質と直下の象牙質、そして神経と血管が分布されている寸法、歯牙を保護する歯茎組職に分けられることができる。しかしながら、誤った歯磨きや歯茎疾患、虫歯によってエナメル層が損傷されたり、歯茎の陷沒で象牙質が現われるようになると、外部刺激が象牙質の象牙細管を通じて歯牙神経に伝達されて、短いが激しくて強い痛症を感じるようになる。特に、最近の若者の中でもしみる歯症状が増加しており、初期段階から治療が必要である。
【0008】
一方、う蝕症(dental caries)を予防するために、練り歯磨きや口腔清浄剤に0.05~0.1.w/v%濃度のフッ素がよく使われるが、最近の報告によれば、練り歯磨きや口腔清浄剤などでフッ素化合物の使用が歯牙のう蝕症は予防することはできるが、長期的で繰り返し的なフッ素化合物の使用は歯茎に炎症現象を促進することと明かされている。
【0009】
このような短所を改善するために、多様な練り歯磨きが開発されており、その例として、特許文献1~3がある。
【0010】
特許文献1の大韓民国登録特許第10-1150309号公報は、i)20~25重量%の黄蓮、20~25重量%の地骨皮、15~20重量%の刺シツ藜(シシツリ)、30~35重量%の蒲公英 、4~7重量%の甘草を、pH7~10のアルカリイオン水を溶媒として、40~85℃で、1~5時間の間抽出するステップと、ii)前記抽出された濾過液100mlを基準として、酸化カルシウム10~30gを加えて撹拌した後、4~5℃で、12~24時間放置して、上清液を濾過処理するステップと、を含む歯周疾患の予防及び歯石抑剤用生薬抽出物の製造方法である。
【0011】
特許文献2の大韓民国公開特許第10-2017-0029106号公報は、(a)ハーブを乾燥粉末化した後、高温殺菌処理して醗酵原料を準備するステップと、(b)前記ステップで得られた醗酵原料に植物性乳酸菌を接種し発酵して醗酵物を得るステップと、(c)前記ステップで得られた醗酵物を遠心分離して醗酵液を得るステップと、(d)前記ステップで得られた醗酵液を抽出溶媒として抽出して醗酵抽出物を得るステップと、(e)前記ステップで得られた醗酵抽出物を濾過紙で濾過するステップと、を含むことを特徴とする虫歯、歯周疾患、口臭の予防及び改善機能性乳酸菌醗酵ハーブ抽出物製造方法である。
【0012】
特許文献3の大韓民国登録特許第10-1818530号公報は、練り歯磨き全体組成物100重量部に対して、萵苣粉末2~10重量部、燕麦粉末2~10重量部、カオリンクレー1~5重量部、ウコン粉末0.5~2重量部、魚腥草粉末0.9重量部及び硫黄粉末0.005~0.1重量部を含有することを特徴とする練り歯磨き組成物である。
【0013】
このような従来の練り歯磨きは、多様な機能性を有しているが、フッ素を用いることから炎症現象が反って促進されてしまい、う蝕症を減らすのに限界があるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために開発されたもので、しみる歯の知覚過敏を緩和させるために、摩耗されたり損傷されて露出した象牙細管を電子を失ったミネラルの共有結合などによって防いだりコーティングされるので、歯周疾患を根源的に予防することができる練り歯磨き組成物を提供することを目的とし、また、歯牙う蝕症を誘発する原因菌であるストレプトコッカスミュータンス菌の増殖抑制及び抗菌効果の高いしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、フッ素を用いず、無サッカリンと無防腐剤として、化学成分に敏感な使用者に対する安全性を高めただけでなく、各種口腔疾患及び歯茎疾患を治療及び予防するという効果を有するしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記のような目的を解決するための本発明による電子を失ったミネラルが含有された練り歯磨きは、練り歯磨き組成物の総重量に対して、電子を失ったミネラルを0.5~15%を添加したことを特徴とする。
【0017】
前記ミネラルは3種以上であることが好ましい。
【0018】
本発明による電子を失ったミネラルが含有された練り歯磨きを製造する方法は、ミネラルを洗浄するステップと、イオン化して電子を失ったミネラルを製造するステップと、電子を失ったミネラルを粉碎するステップと、練り歯磨きの基本材料に香料や(を)電子を失ったミネラルと有機酸を水に希釈して混合する組成物混合ステップと、粉砕された電子を失ったミネラルに精製水を混合してミネラル精製水を製造するステップと、ミネラル精製水に混合組成物を混合して熟成させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
前記電子を失ったミネラルは、練り歯磨き組成物の総重量の0.1~15%が添加されることが好ましい。
【0020】
前記電子を失ったミネラルは、ミネラルを多量に含有した食品、漢方薬剤、及びミネラル含有鉱物を、850℃以上で、15分以上加熱してミネラルが電子を失うようにして作われることができる。
【0021】
前記ミネラル精製水は、精製水の総重量に対して、有機酸1~50重量%と、電子を失ったミネラルを1~50重量%とを混合して作われることができる。
【0022】
前記漢方薬剤は、牛骨、牡蠣原料、石決明原料の少なくとも一つであり得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨きは、電子を失ったミネラルが安定化するために、他元素の電子と共有結合または配位結合などをすることで、歯牙にミネラル被膜が形成され、歯牙に被膜が形成されると、各種口腔疾患の治療及び予防効果を奏することができる。
【0024】
特に、本発明は、歯牙に強力な金属性被膜が形成される(する)だけでなく、象牙細管にも共有結合をすることで、象牙細管を密封する効果が優れており、しみる歯など刺激に敏感な歯牙の刺激を短期間に軽減させることができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明は、電子を失ったミネラルの強アルカリ性が酸性化された口腔環境アルカリ性環境に変えることにより、口腔で繁殖する歯茎疾患、虫歯、口臭などの原因菌の成長抑制及び除去するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるしみる歯及び歯周疾患防止用練り歯磨き製造方法を説明するための過程図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、多様な変更を施すことができ、様々な実施例を有することができ、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明を通じて説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解すべきである。
【0028】
各図面を説明しながら同様の構成要素に同様の参照符号を付けた。本発明を説明するにおいて、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする虞があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0029】
本発明は、各種口腔疾患及び歯茎疾患を治療及び予防することができる練り歯磨きを提供することができる。
【0030】
本発明による電子を失ったミネラルが含有された練り歯磨きは、練り歯磨き組成物の総重量に対して、電子を失ったミネラルを0.5~15%を添加したことを特徴とする。
【0031】
電子を失ったミネラルを0.1重量%以下にする場合には、歯牙表面にコーティング効果が些細で、15重量%以上にする場合には、アルカリ性が強すぎて歯茎がむける虞がある。
【0032】
それによって、電子を失ったミネラルは、前記した範囲内で添加されることが好ましく、最適には、練り歯磨きの総重量の3~9重量%で添加することである。
【0033】
また、電子を失ったミネラルは、パウダーの形態であり得、この場合、粒径は1.0~2.5μmであることが好ましい。
【0034】
前記ミネラルは、3種以上を用いることができ、ミネラルの種類は、ミネラルを多量に含有した食品や漢方薬剤、及びミネラル含有鉱物の何れか一つ以上であり得る。
【0035】
前記ミネラル含有漢方薬剤は、牛骨、牡蠣原料、石決明原料の一つになり得る。
【0036】
前記電子を失ったミネラルは、ミネラル原料を、850℃以上で、15分以上加熱してミネラルが電子を失うようにして作われることができる。
【0037】
前記のような練り歯磨きを製造する方法は、
図1に示したように、ミネラルを洗浄するステップと、イオン化して電子を失ったミネラルを製造するステップと、電子を失ったミネラルを粉碎するステップと、練り歯磨きの基本材料に香料を混合する基本組成物混合ステップと、粉砕された電子を失ったミネラルに精製水を混合してミネラル精製水を製造するステップと、ミネラル精製水に混合組成物を混合して熟成させるステップと、を含む。
【0038】
もちろん、
図1に示したように製造された練り歯磨きは、容器に充填することによって製品が完成される。
【0039】
前記電子を失ったミネラルは、練り歯磨き組成物の総重量の0.1~15%が添加されるが、前記のように、最適な混合比率は、練り歯磨きの総重量の3~9重量%であることが好ましい。
【0040】
前記電子を失ったミネラルは、ミネラルを多量に含有した食品、漢方薬剤、及びミネラル含有鉱物の何れか一つ以上の原料で作われることができる。
【0041】
電子を失ったミネラルを製造する方法は、前記ミネラルを含む原料を、850℃以上で、15分以上加熱してミネラルが電子を失うようにする。
【0042】
前記ミネラル精製水は、精製水の総重量に対して、有機酸1~50重量%と、電子を失ったミネラルを1~50重量%を混合して作われることができる。
【0043】
以下、前述の方法で作られる練り歯磨き製造方法の実施例について説明する。
【実施例】
【0044】
1.材料及び方法
(1)練り歯磨き組成物は、湿潤剤(グリセリン、ソルビトール液)、起泡剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、甘味剤(キシリトール)、薬効成分(プロポリス)、香料(メントール)、溶剤(精製水)、増白剤(二酸化チタン)などで練り歯磨きを構成する基本的材料は市中で購入した。
【0045】
(2)電子を失ったミネラルは、牛骨、アワビ、かきなどを購入して製造した。
【0046】
(3)電子を失ったミネラル製造 -(2)の原料を電気炉に入れて、1250℃で25分間加熱してミネラルが93%以上電子を失うようにした後に取り出して、粉砕機(Hallde SB-4、スウェーデン)を利用して10分間破砕して、蒸溜水(20℃)に10%を入れて撹拌した。この液をオゾン処理して、残余脱色とにおいを除去した。
【0047】
(4)精製水に、有機酸1~50重量%と、電子を失ったミネラル1~50重量%を入れて、電子を失ったミネラルが多量溶解された精製水を製作した。(製造精製水を用いなくてもいいが、電子を失ったミネラルの含量はたくさん増加しながら、Phを低める場合のみに用いてもいい。)
【0048】
2.電子を失ったミネラルを含有した練り歯磨きの製造
【0049】
【0050】
前記表1のような組成比で混合して練り歯磨きを製造した。
【0051】
3.口臭除去効果実験
口臭があると自覚している男女20名を臨床的実験対象とした後、同じ種類の食事をするようにし、その後、ハリメーター(halimeter:モデルSB-17,U.S.A)を利用して、口臭の程度を定量化して、口臭の弱い人(60以下)、非常に強い人(350以上)は、実験から除外した後、比較例及び実施例の群に5名ずつ分けて測定した後、平均値が各群の間で同様に調節した。翌日、再現性のために、男女20名に同じ食事をさせた後、30分及び60分後の初期口臭程度を測定し、各組成物別(実施例)に歯ブラシと練り歯磨きを提供した後、同じ方法で3分間歯磨きし、30分及び60分後に末期口臭程度を測定した。
【0052】
【0053】
与えられた値は実験2回の平均値
【0054】
[1]比較例1は、食後30分及び食後60分後に、口臭除去率は基準線に比べて15~25%程度減少した。
【0055】
[2]実施例1、2、3は、基準線に比べて26~35%程度の減少を見せ、特に、実施例3の場合が31~39%の減少と、最大の減少を見せた。
【0056】
4.歯肉炎の抑制実験
本実験は、比較的同じ環境にいる被検者20名を対象とし、被検者全員が実験の前に1次口腔精密検査を実施して、基準線を求めた。検査方法は、単一ブラインドテストで、実験前の4週間の残留効果除去期間の間に被検者全員に同一歯磨剤及び歯ブラシを提供した。
【0057】
実験方法は、一つの歯牙当たり歯肉を頬面と舌面に区画して指数の平均値として算出した。各歯肉炎は、Loe&Silnessの評点基準によって0点から3点までに評価して、歯牙別歯肉炎指数を求めた後、平均成績で個体の歯肉炎指数を算出し、実験は2ヶ月間隔で計3回測定した。
【0058】
【0059】
与えられた値は実験2回の平均値
【0060】
[1]比較例1は2ヶ月~4ヶ月後にも大きな変化なし。
【0061】
[2]実施例1、2、3の場合、2ヶ月後には18~33%、4ヶ月後には21~37%程度の減少を表す。
【0062】
[3]実施例3の場合が最大の減少を表す。
【0063】
5.しみる歯減少比較実験
比較的同じしみる歯を有する被検者25名を対象として実施した。被検者全員に実験前に9℃の冷水を5回飲用するようにして、しみる程度を精密に測定して、基準線(baseline)を求めた。
【0064】
実験は、被検者全員に同一歯磨剤及び同一規格の歯ブラシを提供した。
【0065】
歯磨きは、朝晩食後3分間し、1ヶ月使用後、しみる程度を測定した。
【0066】
【0067】
与えられた値は実験2回平均する。
【0068】
[1]比較例1は、1ヶ月及び2ヶ月後にも大きな変化なし。
【0069】
[2] 施例1、2、3は、1ヶ月後には基準線に比べて8~93%減少、2ヶ月後には10~98%の減少を表す。
【0070】
[3]実施例3が最大の減少を表す。
【国際調査報告】