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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】断熱プラスター混合物
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/26 20060101AFI20220908BHJP
   C04B 14/24 20060101ALI20220908BHJP
   C04B 20/00 20060101ALI20220908BHJP
   C04B 22/04 20060101ALI20220908BHJP
   C04B 24/08 20060101ALI20220908BHJP
   C04B 24/12 20060101ALI20220908BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20220908BHJP
   E04B 1/78 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
C04B28/26
C04B14/24
C04B20/00 B
C04B22/04
C04B24/08
C04B24/12 A
C04B24/26 G
E04B1/78 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500761
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CZ2020000021
(87)【国際公開番号】W WO2021004558
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】PV2019-448
(32)【優先日】2019-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522006650
【氏名又は名称】ファースト ポイント エー.エス.
【氏名又は名称原語表記】FIRST POINT A.S.
【住所又は居所原語表記】Brnenska 4404/65a, 69501 Hodonin (CZ)
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145458
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 正哉
(72)【発明者】
【氏名】チャンドヴァ,ガブリエラ
(72)【発明者】
【氏名】スパニエル,ペトル
【テーマコード(参考)】
2E001
4G112
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA12
2E001FA14
2E001GA06
2E001HF11
2E001JA06
2E001JD02
4G112MD01
4G112PA09
4G112PB18
4G112PB20
4G112PB27
4G112PB31
4G112PC15
(57)【要約】
78~90体積%の中空ガラス微小球と、5~17体積%のケイ酸カリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、1.5~5体積%のスチレン-アクリレート分散液と、0.4~3体積%の銀のコロイド水溶液と、0.2~2.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5~7体積%の水とを含有する、断熱プラスター用混合物、特にケイ酸塩水溶液を含有する断熱プラスター用混合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
78~90体積%の中空ガラス微小球と、5~17体積%のケイ酸カリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、1.5~5体積%のスチレン-アクリレート分散液と、0.4~3体積%の銀のコロイド水溶液と、0.2~2.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5~7体積%の水とを含有する混合物であることを特徴とする断熱プラスター混合物、特にケイ酸塩水溶液を含有する断熱プラスター混合物、。
【請求項2】
75~90体積%の多孔質ガラス球と、1~4体積%の中空ガラス微小球と、4~14体積%のケイ酸カリウム水溶液と、1~6体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.3~3体積%のスチレン-アクリレート分散液と、0.4~3体積%の銀のコロイド水溶液と、0.2~2.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5~7体積%の水と、0.1~1.5体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物とを含有する混合物であることを特徴とする、断熱プラスター混合物、特にケイ酸塩水溶液を含有する断熱プラスター混合物。
【請求項3】
前記混合物が、水-ガラス-バインダー安定剤として親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩をさらに含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項4】
前記多孔質ガラス球のサイズが、0.25~2mmの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項5】
前記中空ガラス微小球のサイズが、0.05~0.08mmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項6】
前記銀のコロイド水溶液の濃度が、0.01%であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項7】
前記ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比が、3.8~4.1の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項8】
前記ケイ酸カリウム水溶液の密度が、1,230~1,250kg/mであることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項9】
前記ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比が、3.2~3.4の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の断熱プラスター混合物。
【請求項10】
前記ケイ酸ナトリウム水溶液の密度が、1,370~1,400kg/mであることを特徴とする請求項2に記載の断熱プラスター混合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は断熱プラスター用混合物に関し、特に、ケイ酸塩の水溶液を含有する断熱プラスター用混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の技術水準からは、壁および天井を通る熱貫流を減少させるために、ポリスチレン、ポリウレタン、ミネラルウール、発泡パーライトなどのような断熱材料を通常使用することが知られている。それらの欠点は、それらの層の厚さにより、メーソンリー自体を数十センチメートルまでかなり厚くすることである。歴史的または建築的に価値のある建物であって、内装プラスター塗工またはファサード塗工の特徴的なレリーフを有する建物においては、上記の材料を用いると、そのような建物の価値を下げてしまう可能性がある。上記以外にも、ファサードを含め既に建物が完成している場合には、この種の断熱材料は使用できない。これらの材料を内装に用いると、内部空間がかなり小さくなる。これらの材料の別の欠点は、それらの複雑な塗工法である。
【0003】
最新技術では、一般的な内装プラスターのように見える断熱塗料も知られている。これらの塗料は、通常、1~2mmの厚さの層で塗布される。有機ポリアクリレートまたはポリビニルアセテートバインダーの他に、これらの塗料は、主に中空ガラス微小球および微小球間の空間を満たすエーロゲルを含有する。それらの主な欠点として、微小球の表面が機械的摩耗および引き裂きに対してほとんど耐性を示さず、微小球が熱的に安定ではなく、耐水性でなく、または永久的な抗真菌性でないという事実がある。
【0004】
チェコ実用意匠CZ31596は薄層熱反射性仕上材用混合物を記載しており、これは、25~30重量%の0.35mm多孔質パーライト球と、10重量%の0.23mmセラミック球と、50~55重量%のカリウム水ガラスと、1~5重量%の水と、0.5重量%のバインダー安定剤ー親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩と、2~7重量%のスチレンーアクリレート分散液と、0.5重量%の通気剤としての界面活性剤と、1重量%の疎水化成分としてのシリコーンエマルジョンと、1重量%の分散剤としてのヘキサメタリン酸ナトリウムとを含有する。この混合物の利点は、パーライト球の吸収率である。
【0005】
チェコ実用意匠CZ31269は、薄層熱反射性仕上材用混合物を記載しており、これは、40~45重量%の0.25~0.5mm多孔質ガラス球と、40~45重量%のカリウム水ガラスと、5~10重量%の水と、0.5重量%のバインダー安定剤ー親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩と、3~7重量%のスチレンーアクリレート分散液と、0.5重量%の通気剤としての界面活性剤と、1重量%の疎水化成分としてのシリコーンエマルジョンと、1重量%の分散剤としてのヘキサメタリン酸ナトリウム(8-)とを含有する。この実用意匠にはまた、薄層熱反射性仕上用混合物も記載しており、これは、23~29重量%の0.089mmの中空ガラス球と、35~40重量%のカリウム水ガラスと、23~29重量%の水と、0.5重量%のバインダー安定剤ー親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩と、5~9重量%のスチレンーアクリレート分散液と、0.5重量%の通気剤としての界面活性剤と、1重量%の疎水化成分としてのシリコーンエマルジョンと、1重量%の分散剤としてのヘキサメタリン酸ナトリウム(8-)とを含有する。これら双方の混合物の欠点は、それらの断熱能力を低下させる水ガラスの量が比較的多いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】チェコ実用意匠第CZ31596号公報
【特許文献2】チェコ実用意匠第CZ31269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に知られているプラスター混合物が多くの欠点を有し、主な欠点がそれらのより低い断熱能力であると思われることは、上記の技術水準から明らかである。
【0008】
本発明の目的は、これまで知られているプラスター混合物よりもかなり高い断熱能力を有する、単純で安価な非吸収性断熱プラスターを製造するための混合物を処方することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の欠点は大幅に取り除かれ、本発明の目的は断熱プラスター混合物、特に、混合物が78~90体積%の中空ガラス微小球と、5~17体積%のケイ酸カリウム水溶液と、0.1体積%の水ーガラスーバインダー安定剤と、1.5~5体積%のスチレンーアクリレート分散液と、0.4~3体積%の銀のコロイド水溶液と、0.2~2.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5~7体積%の水とを含有するという事実から本発明の性質がなる本発明によるケイ酸塩水溶液を含有する断熱プラスターを製造するための混合物によって達成される。この混合物の利点は、これまで知られている技術水準から知られている混合物と比較した場合、そのかなり高い断熱能力である。その含水量は、混合物が塗布されている際にその特性を改善する。ステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの混合物は混合物のエアレーションを改善し、その一般的な気孔率を増加させる。同時に、開放気孔率が減少し、毛細管への水の浸透が防止される。従って、吸収係数は、一般的なプラスターにおいて示される値の10分の1以下に減少される。疎水化はその全体積において有効であるので、材料中で水分の毛管上昇は起こらない。強調すべき点は、ステアリン酸塩とオレイン酸塩との混合物は材料の拡散特性を変化させないことである。
【0010】
別の変形例として、上記の欠点は大幅に取り除かれ、本発明の目的は断熱プラスター混合物、特に、混合物が75~90体積%の多孔質ガラス球と、1~4体積%の中空ガラス微小球と、4~14体積%のケイ酸カリウム水溶液と、1~6体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水ーガラスーバインダー安定剤と、0.3~3体積%のスチレンーアクリレート分散液と、0.4~3体積%の銀のコロイド水溶液と、0.2~2.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5~7体積%の水と、0.1~1.5体積%のステアリン酸カルシウムおよびオレイン酸ナトリウムの1:2の比率の混合物とを含有するという事実から本発明の性質がなる本発明によるケイ酸塩水溶液を含有する断熱プラスター用混合物によって達成される。これまでに知られている技術水準と比較した場合、かなり高い断熱能力に加えて、この混合物の大きな利点は、接着性、結合力、および延展特性に関して最適な特性をもたらす2種類の水ガラスの組み合わせである。多孔質球体を有する混合物の稠密度は、混合物が中空微小球体も含有するという事実によってかなり増大する。これらの微小球は、多孔質球間の空間を満たす。これにより、材料全体が密接になり、バインダーが沈降しない。微小球はまた、混合物の接着力および結合力をかなり改善する。また、他の利点は、多孔質ガラス球のためのバインダーが、カリウム水ガラスに加えてソーダ水ガラスも(カリウム水ガラスに加えて)含むという事実である。この混合物は特許請求された比率において、あらゆる種類の表面への優れた接着性を示し、バックグラウンド材料へのその塗布をより容易にする。上記に加えて、混合物がスチレンーアクリレート分散液を含有するという事実はまた、この分散液が有機ポリマーとアクリレートポリマーとの間に弱い相互作用を作り出す原理で、その弾性、結合力、および表面への接着性を増大させるので、非常に有利でもある。バインダー中での軽質充填剤をより良好に分散させその重力沈降を遅らせるため、混合物中に界面活性剤をさらに添加する。含水量は、塗布されている際に混合物の特性を増加させる。ステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの混合物は、混合物のエアレーションを改善し、その一般的な気孔率を増加させる。同時に、開放気孔率が減少し、毛細管への水の浸透が防止される。従って、吸収係数は、一般的なプラスターにおいて示される値の10分の1以下に減少される。疎水化はその全体積において有効であるので、材料中で水分の毛管上昇は起こらない。強調すべき点は、ステアリン酸塩とオレイン酸塩との混合物は材料の拡散特性を変化させないことである。
【0011】
断熱プラスター混合物は、さらに0.4~3体積%の銀のコロイド水溶液を含有する場合、殺生物性においてのかなりの改善を示す。最も有利なバージョンでは、銀のコロイド水溶液の濃度は0.01%である。銀のコロイド粒子のサイズは、有利には1~15nmの範囲である。
【0012】
水ガラスバインダーの安定剤が、親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩で構成されていると有利である。
【0013】
多孔質ガラス球のサイズが0.25~2mmの範囲であれば、極めて有利である。さらに、非常に粗い混合物については、球体の嵩密度は190~250g/リットルの範囲であり、それらの見掛け密度は0.31~0.42g/cmの範囲内である。粗混合物については、嵩密度は210~290g/リットルの範囲であり、見掛け密度は0.38~0.51g/cmの範囲である。微細混合物の場合、球体の嵩密度は255~345g/リットルの範囲であり、見掛け密度は0.46~0.62g/cmの範囲である。非常に重要な球体の壁厚は、これらのパラメータに基づく。壁は、アルカリ性バインダーがそれらに食い込むことができないように薄すぎてはならず、球体の十分な断熱能力を確保することができるように厚すぎてはならない。中空ガラス微小球のサイズが0.05~0.08mmの範囲内である場合も有利である。中空ガラス微小球の最適圧縮強度は3.445MPaで、その見掛け密度は0.18~0.22g/cmである。これらのパラメータは、壁の厚さと結びついている。薄すぎる壁はプラスターが混合されている時に球体を破壊し、それらの部分的腐食をもたらす可能性があり、一方で厚すぎる壁は、それらの断熱能力を低下させる。
【0014】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比が3.8~4.1の範囲であり、水溶液の密度が1230~1250kg/mの範囲であると非常に有利である。この溶液から作製されたガラスは、いくつかの利点を有する:優れた抗真菌特性、高い不燃性、耐熱性、十分な硬度および耐摩耗性、蒸気透過性、ならびに乾燥後の耐水性。
【0015】
さらに、ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比が3.2~3.4の範囲であり、水溶液の密度が1370~1400kg/mの範囲であると非常に有利である。有利な点としては、この組成物がポリマー混合物としての水ガラスのレオロジー特性、電気特性、電解質と同様の圧縮性および接着力、硬度、強度などに影響を及ぼすという事実である。
【0016】
本発明による断熱プラスター混合物の主な利点は、その火炎耐性がかなり改善されるという事実である。大きな利点は、メーソンリーへのその良好な接着性、より高い表面硬度、耐摩耗性、および一般的なスタッコプラスターのように見せる充填剤のより高い粒状度である。別の利点は、スプレーまたはスプレッダーのいずれかによる非常に容易な塗布である。個々のコーティングは容易に相互に接続し、修復され得る。この混合物はガスバーナーからの1,200℃の直接の火炎に耐えることさえできるが、下にある材料は無傷のままである。この材料は高い多孔性を有し、また疎水化処理のために、低い吸収率を有する。材料は衛生プラスターのように機能する。大きな利点はまた、混合物が、木造構造物に使用される配向性ストランドボード(OSB)上に塗布される薄壁防火プラスター用に使用され得るという事実である。それぞれの試験結果によれば、OSB上に塗布されたプラスターは、20cmの距離から1.2MPaのガス作動圧力で45分間以上続く熱出力28kWのガスバーナーからの1,500~1,800℃の直接の火炎に耐える。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例1
【0018】
断熱プラスター混合物は、83体積%の多孔質ガラス球と、3体積%の中空ガラス微小球と、8体積%のケイ酸カリウム水溶液と、3.2体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.5体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0019】
この混合物は、0.8体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.3体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.3体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.8体積%の水とをさらに含有する。
【0020】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0021】
多孔質ガラス球のサイズは、1~2mmの範囲である。
【0022】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0023】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は4,1の範囲内であり、水溶液の密度は1,250kg/mである。
【0024】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,4の範囲内であり、水溶液の密度は1,400kg/mである。
【0025】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および特性は粗いスタッコプラスターに似ており、装飾コーティングとして使用することもできる。
【0026】
実施例2
【0027】
断熱プラスター混合物は、88体積%の多孔質ガラス球と、2体積%の中空ガラス微小球と、4体積%のケイ酸カリウム水溶液と、1体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、2体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0028】
この混合物は、0.6体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.1体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.2体積%の通気剤としての界面活性剤と、2体積%の水とをさらに含有する。
【0029】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0030】
多孔質ガラス球のサイズは、1~2mmの範囲である。
【0031】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0032】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,8の範囲内であり、水溶液の密度は1,230kg/mである。
【0033】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,2の範囲内であり、水溶液の密度は1,370kg/mである。
【0034】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および特性は粗いスタッコプラスターに似ており、装飾コーティングとして使用することもできる。
【0035】
実施例3
【0036】
断熱プラスター混合物は、77体積%の多孔質ガラス球と、4体積%の中空ガラス微小球と、10体積%のケイ酸カリウム水溶液と、5体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.3体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0037】
この混合物は、1体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、1.5体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.6体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5体積%の水とをさらに含有する。
【0038】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0039】
多孔質ガラス球のサイズは、1~2mmの範囲である。
【0040】
中空ガラス微小球のサイズは0.05mmである。
【0041】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,9の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0042】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,3の範囲内であり、水溶液の密度は1,390kg/mである。
【0043】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および特性は粗いスタッコプラスターに似ており、装飾コーティングとして使用することもできる。
【0044】
実施例4
【0045】
断熱プラスター混合物は、79体積%の多孔質ガラス球と、2体積%の中空ガラス微小球と、10.8体積%のケイ酸カリウム水溶液と、4.4体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.8体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0046】
この混合物は、1体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.3体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、1.2体積%の水とをさらに含有する。
【0047】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0048】
多孔質ガラス球のサイズは、0.5~1mmの範囲である。
【0049】
中空ガラス微小球のサイズは、0.08mmである。
【0050】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は4,0の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0051】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,3の範囲内であり、水溶液の密度は1,390kg/mである
【0052】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および特性は、一般的なスタッコプラスターに似ている。
【0053】
実施例5
【0054】
断熱プラスター混合物は、83体積%の多孔質ガラス球と、1体積%の中空ガラス微小球と、7体積%のケイ酸カリウム水溶液と、2体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、3体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0055】
この混合物は、0.5体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.1体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.2体積%の通気剤としての界面活性剤と、3.1体積%の水とをさらに含有する。
【0056】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0057】
多孔質ガラス球のサイズは、0.5~1mmの範囲である。
【0058】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0059】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,9の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0060】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,3の範囲内であり、水溶液の密度は1,380kg/mである。
【0061】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および特性は、一般的なスタッコプラスターに似ている。
【0062】
実施例6
【0063】
断熱プラスター混合物は、75体積%の多孔質ガラス球と、3体積%の中空ガラス微小球と、12体積%のケイ酸カリウム水溶液と、6体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.3体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0064】
混合物は、1.5体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、1体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.6体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5体積%の水とをさらに含有する。
【0065】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0066】
多孔質ガラス球のサイズは、0.5~1mmの範囲である。
【0067】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0068】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は4,1の範囲内であり、水溶液の密度は1,230kg/mである。
【0069】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,2の範囲内であり、水溶液の密度は1,400kg/mである。
【0070】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および特性は、一般的なスタッコプラスターに似ている。
【0071】
実施例7
【0072】
断熱プラスター混合物は、83体積%の多孔質ガラス球と、1体積%の中空ガラス微小球と、7体積%のケイ酸カリウム水溶液と、2体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、3体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0073】
この混合物は、0.5体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.1体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.2体積%の通気剤としての界面活性剤と、3.1体積%の水とをさらに含有する。
【0074】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0075】
多孔質ガラス球のサイズは、0.25~0.5mmの範囲である。
【0076】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0077】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,9の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0078】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,3の範囲内であり、水溶液の密度は1,380kg/mである。
【0079】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および性質は、微細スタッコプラスターに似ている。
【0080】
実施例8
【0081】
断熱プラスター混合物は、79体積%の多孔質ガラス球と、2体積%の中空ガラス微小球と、10.8体積%のケイ酸カリウム水溶液と、4.4体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.8体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0082】
この混合物は、1体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.3体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、1.2体積%水とをさらに含有する。
【0083】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0084】
多孔質ガラス球のサイズは、0.25~0.5mmの範囲である。
【0085】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0086】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,8の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0087】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,3の範囲内であり、水溶液の密度は1,375kg/mである。
【0088】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および性質は、微細スタッコプラスターに似ている。
【0089】
実施例9
【0090】
断熱プラスター混合物は、75体積%の多孔質ガラス球と、3体積%の中空ガラス微小球と、12体積%のケイ酸カリウム水溶液と、6体積%のケイ酸ナトリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、0.3体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0091】
混合物は、1.5体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、1体積%のステアリン酸カルシウムとオレイン酸ナトリウムとの1:2の比率の混合物と、0.6体積%の通気剤としての界面活性剤と、0.5体積%の水とをさらに含有する。
【0092】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0093】
多孔質ガラス球のサイズは、0.25~0.5mmの範囲である。
【0094】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0095】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,9の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0096】
ケイ酸ナトリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとのモル比は3,3の範囲内であり、水溶液の密度は1,380kg/mである。
【0097】
得られた混合物はこね粉のような堅さ(粘度)を有し、スプレッダーを用いて、または2~4ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および性質は、微細スタッコプラスターに似ている。このプラスターは高レベルの耐水性を示し、耐火性、殺菌性および抗真菌性を備える。
【0098】
実施例10
【0099】
断熱プラスター混合物は、80体積%の中空ガラス微小球と、9.6体積%のケイ酸カリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、2.4体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0100】
この混合物は、2体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.8体積%の通気剤としての界面活性剤と、5.1体積%の水とをさらに含有する。
【0101】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0102】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0103】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,9の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0104】
得られた混合物はペースト状の粘度を有し、スプレッダーを用いて、または1~2ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および性質は、微細石膏プラスターに似ている。この混合物は、天井およびあらゆる種類の床下での使用に適している。
【0105】
実施例11
【0106】
断熱プラスター混合物は、78体積%の中空ガラス微小球と、13体積%のケイ酸カリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、1.5体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0107】
この混合物は、3体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、2.4体積%の通気剤としての界面活性剤と、2体積%の水とをさらに含有する。
【0108】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0109】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0110】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,8の範囲内であり、水溶液の密度は1,240kg/mである。
【0111】
得られた混合物はペースト状の粘度を有し、スプレッダーを用いて、または1~2ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および性質は、微細石膏プラスターに似ている。この混合物は、天井およびあらゆる種類の床下での使用に適している。
【0112】
実施例12
【0113】
断熱プラスター混合物は、82体積%の中空ガラス微小球と、5体積%のケイ酸カリウム水溶液と、0.1体積%の水-ガラス-バインダー安定剤と、5体積%のスチレン-アクリレート分散液とを含有する。
【0114】
混合物は、0.4体積%の0.01%濃度の銀のコロイド水溶液と、0.5体積%の通気剤としての界面活性剤と、7体積%の水とをさらに含有する。
【0115】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの98%水溶液の形態の親水性アルコキシルアルキルアンモニア塩が、水-ガラス-バインダー安定剤として使用される。
【0116】
中空ガラス微小球のサイズは、0.065mmである。
【0117】
ケイ酸カリウム水溶液中の二酸化ケイ素と酸化カリウムとのモル比は3,8~4.1の範囲内であり、水溶液の密度は1230~1250kg/mの範囲である。
【0118】
得られた混合物はペースト状の粘度を有し、スプレッダーを用いて、または1~2ミリメートルの層に直接メーソンリー上に噴霧することによって塗布される。その外観および性質は、微細石膏プラスターに似ている。この混合物は、天井およびあらゆる種類の床下での使用に適している。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明による断熱プラスター混合物は特に、メーソンリー、プラスター、木材用、および配向性ストランドボード(OSB)用、石膏プラスターボード用、ならびに金属、ガラスおよび他の表面用の薄層断熱材として使用することができる。
【国際調査報告】