(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】物体を保持するための手段を含むパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
B65D6/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500914
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2020068750
(87)【国際公開番号】W WO2021004907
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519104318
【氏名又は名称】ピーエー コット エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピエール アラン コット
(72)【発明者】
【氏名】シモン ギユー
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB10
3E061AD04
3E061CA02
(57)【要約】
本発明は、底部及び周縁部(22)を有するケース(2)を備えるパッケージ(1)に関し、
パッケージ(1)は、周縁部(22)をもたらす側面に回転可能に取り付けられたカバー(3)と、運送される物体をケース(2)内で維持するための保持手段とをさらに備え、
保持手段は、周縁部(22)にケース(2)の底部の近くで回転可能に取り付けられたフレームを備え、保持手段は、フレームの内側で延在する弾性的に変形可能な手段と、フレームとカバー(3)の間を接続するための接続ロッドとをさらに備え、接続ロッドはカバー(3)及びフレームに回転可能に取り付けられ、接続ロッド、カバー(3)、周縁部(22)をもたらす側面、及びフレームは、一緒になって、変形可能な平行四辺形を形成することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(21)及び周縁部(22)を有するケース(2)を備えるパッケージ(1)であって、前記パッケージ(1)は、前記周縁部(22)をもたらす側面に、第1回転軸(A)の周りに回転可能に取り付けられたカバー(3)をさらに備え、前記カバー(3)は、
前記カバー(3)が前記周縁部(22)から距離を置く開位置と、
前記カバー(3)が前記ケース(2)に折り重なって前記ケース(2)を閉じる閉位置と、を取り得、
前記パッケージ(1)は、運送される物体(5)を前記ケース(2)内で維持するための保持手段(4)をさらに備え、
前記保持手段(4)は、前記周縁部(22)をもたらす側面に、前記ケース(2)の前記底部(21)の近くで、前記ケース(2)上の前記カバー(3)の前記第1回転軸(A)の真下の第2回転軸(B)の周りに回転可能に取り付けられたフレーム(41)を備え、前記フレーム(41)は、
前記フレーム(41)が、前記ケース(2)の前記底部(21)と実質的に平行に延在し、前記運送される物体(5)を囲む保持位置と、
前記フレーム(41)が前記ケース(2)の前記底部(21)から距離を置く取扱位置と、を取ることができ、
前記保持手段(4)は、前記フレーム(41)の内側で延在する弾性的に変形可能な手段(42)と、前記フレーム(41)と前記カバー(3)の間を接続するための接続ロッド(43)とをさらに備え、前記接続ロッド(43)は前記カバー(3)及び前記フレーム(41)に回転可能に取り付けられ、前記接続ロッド(43)、前記カバー(3)、前記周縁部(22)をもたらす側面、及び前記フレーム(41)は、一緒になって、変形可能な平行四辺形を形成することを特徴とする、パッケージ(1)。
【請求項2】
前記フレーム(41)は、互いに平行な2つの側材(411)と、前記周縁部(22)をもたらす側面の向かい側で前記2つの側材(411)を結合する横材(412)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のパッケージ(1)。
【請求項3】
前記横材(412)及び前記接続ロッド(43)は単一の組立部品を形成することを特徴とする、請求項2に記載のパッケージ(1)。
【請求項4】
前記接続ロッド(43)は平面パネルの形状を有することを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項5】
前記周縁部(22)は、一緒に接合され、2つ1組で対向する4つのパネルを備えることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項6】
前記周縁部(22)のそれぞれのパネルは、
それが前記ケース(2)の前記底部(21)と実質的に平行に延在する収納位置と、
それが前記ケース(2)の前記底部(21)に対して実質的に垂直に延在する使用位置と、を取り得ることを特徴とする、請求項5に記載のパッケージ(1)。
【請求項7】
前記ケース(2)は、前記パネルをそれらの使用位置に留めるための手段を備えることを特徴とする、請求項5又は6に記載のパッケージ(1)。
【請求項8】
前記弾性的に変形可能な手段(42)は伸縮性のある布地の形を取ることを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項9】
前記カバー(3)を前記閉位置に保持するための手段(7)を備えることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載のパッケージ(1)。
【請求項10】
前記カバー(3)を前記閉位置に保持するための手段(7)は、
前記カバー(3)に設けられた開口(71)と、
前記カバー(3)の前記ケース(2)に対する前記第1回転軸(A)から離れて前記周縁部(22)に設けられた孔(72)と、
前記開口(71)及び前記孔(72)を通過するカラー(73)と、を備えることを特徴とする、請求項9に記載のパッケージ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は物流の分野である。
【0002】
より具体的に、本発明は、パッケージを用いて2つの目的地の間で物体を搬送するための、パッケージ、又は物流梱包手段、即ち容器に関する。
【背景技術】
【0003】
全く安全に、心配のない方法で物体を運送するために、箱又はカートンのようなパッケージが知られている。
【0004】
一般に、パッケージは、運送される物体が収容される内部空間を一緒に定める底部及び周縁部を有するケースを備える。
【0005】
周縁部はケースの底部に対して可動であり得る。従って、それは、ケースの底部上に又は底部の延長上に折り畳まれ得る幾つかのパネルを備える。
【0006】
また、パッケージはケースに対して可動なカバーを備える。これらのカバーは、特に、カバーがケースの内部空間を閉じる閉位置を取り得る。
【0007】
運送される物体を保護できるように、運送される物体をケース内で維持する保持手段を備えるパッケージもある。
【0008】
ケース及びカバーに統合された発泡パネルの形を取る保持手段が知られている。発泡パネルは必要に応じてケースに取り付けられ得る。換言すれば、発泡パネルはそれらの存在が必要な場合に限りケースに統合され得る。
【0009】
より具体的に、発泡パネルは、ケースの底部、任意にその周縁部、及びカバーに固定される。
【0010】
それから、運送される物体は、発泡体に接触し、少なくとも底部の発泡体及びカバーの発泡体によって留められるように、内部空間に挿入される。
【0011】
この種類の保持手段は、その厚さ、換言すれば、それがケースの内部空間で占める空間という重大な欠点を有する。
【0012】
実際、発泡体はケースの内部空間の大部分を占める。しかし、発泡体は、運送される物体の外形に合わせて変形可能な保持手段を形成するように、弾力性を有する。
【0013】
しかし、物体のサイズに応じて、幾つかのパッケージが用意されるはずである。
【0014】
例えば、大きな物体と小さな物体に対して、同じケースを使用することはできない。小さな物体の場合、大きな物体に適したケース又はパッケージを使用すれば、発泡体が小さな物体と接触して適切に変形することはなく、従って小さな物体は損傷の危険性を伴ってケースの内部空間内で移動するかもしれない。
【0015】
それどころか、小さな物体を収容することを意図されたケースの内部空間に大きな物体を挿入すれば、内部空間における空間の不足のためにパッケージを使用できないことがあり、従ってケースの内部空間を実際に塞ぐようにカバーを適切に閉じることができない。その結果、物体は、実際に保護されず、パッケージを運ぶ人に見え、それは物体の盗難の危険に繋がり得る。
【0016】
その結果、運送者又は梱包専門業者は、運送される物体のサイズに応じていろいろなサイズのパッケージを持たなければならない。
【0017】
その上、パッケージを収納形態又は「平らな」保管形態に折り畳めるとしても、発泡体があることで、パッケージは不使用時にかさばる。
【0018】
実際、パッケージを折り畳むことで、その不使用時の空間要件を最適化できる。しかし、その装置を折り畳む際に発泡体を圧縮することは、運送される物体を保護する際の発泡体の有効性に影響を与え得る。発泡体が圧縮されると、それは、弾力性を失い、減圧時に適切に膨張しないかもしれない。これは、特に、発泡体の圧縮時間が長いほど当てはまる。
【0019】
従って、この弾力性の低下を避けるために、発泡体の過度な圧縮を避ける必要がある。これでは、パッケージの不使用時の空間要件を部分的にしか下げられない。
【0020】
その結果、運送者又は梱包専門業者は、パッケージを、それらの使用形態でなければ、部分的に折り畳んで、又は分解して、即ちいろいろなパッケージサイズについてケースから発泡体を分離して、保管できる広い部屋を利用しなければならない。そして、これは、概して最終消費者に請求されるかなりの保管費用を意味する。
【0021】
別の公知の技術によれば、保持手段はプラスチック製のエンベロープの形を取り、運送される物体はその中に入れられ、それから、エンベロープは変形され、その壁は運送される物体に接触してそれをその位置に維持する。
【0022】
第1の種類によれば、エンベロープはケースの底部に固定され得、それらの変形は、例えば、材料、概してプラスチック材料を収縮させるように加熱することで行われ得、その材料は物体と接触することで硬くなる。
【0023】
この解決策の欠点は、加熱によってエンベロープの変形を行う場合、この技術は特定の加熱装置の使用を必要とするので、だれでもエンベロープの変形を行うことができるわけではないという事実にある。
【0024】
実際、例えばヒーターのような加熱手段が使用されなければならず、それは特別な訓練を要するため、専門業者しかエンベロープを変形することができないかもしれない。
【0025】
その上、エンベロープがケースの底部に固定される場合、特に、ケースが厚紙から作られ、高すぎる熱が厚紙を燃やして破壊できるならば、これはケースの完全性にとっての重大な欠点となるだろう。
【0026】
加えて、運送される物体をエンベロープに挿入することは、不可能ではないとしても、困難であり得る。
【0027】
これは、特に、ケースが本来の形を取った、即ち内部空間が定められた時点で、運送される物体がエンベロープに挿入される場合に確かめられる。物体がエンベロープに挿入される際に、ケースの周縁部が特に重大な障害となる。
【0028】
これを克服するために、まずエンベロープに物体を挿入し、次にケースを形成し、最後にエンベロープを変形する必要があるかもしれない。
【0029】
これは、特にエンベロープを変形し又はケースを成形するために、専門業者にとって損失になり、個人にとって不可能になり得るかなりの処理時間を要することを意味する。
【0030】
また、第2の種類によれば、エンベロープはケースに収容されることを意図された板に固定され得る。この場合、エンベロープ内に物体を挿入してから、物体を固定及び維持するために、エンベロープの2つの壁を引き伸ばして物体を閉じ込めるように、板の縁を折り曲げることでエンベロープを変形する。これが完了すると、折り曲げられた板をケースに挿入でき、それからケース上で可動のカバーを閉じることができる。
【0031】
これらの保持手段も欠点を有する。
【0032】
実際、エンベロープに物体を挿入することは問題を引き起こさないが、板の変形、特にその縁を折ることは、複雑な取扱いとなり、物体が大きく、変形されるエンベロープが変形に対して強く抵抗する場合、成し遂げることが不可能にさえなる。従って、エンベロープの変形は、時間を食い、専門業者の意欲を失わせ得、従って、専門業者は、不完全な変形を行い、そうでなければより大きなパッケージを提案し、それは最終消費者のより高い運送費用に繋がる。
【0033】
さらに、これは、ケース、カバー、及び保持手段の保管を必要とし、それは、弊害をもたらす空間要件、従ってたいてい最終消費者に転嫁される追加費用を意味する。
【発明の概要】
【0034】
本発明の目的は特に従来技術の欠点を克服することにある。
【0035】
より具体的に、本発明の目的は、使いやすい保持手段を設けられ、全く安全な物体の運送を可能にするパッケージを提供することにある。
【0036】
さらに、本発明の目的は、不使用時に、幾つかのパッケージのための保管空間を制限するように、下げられた空間要件を有するそのようなパッケージを提供することにある。
【0037】
さらに、本発明の目的は、大きな物体と非常に小さな物体の両方を全く安全に運送するために適するそのようなパッケージを提供することにある。
【0038】
これらの目的、及び後に現れる他の目的は、パッケージに関する本発明のおかげで達成される。パッケージは、底部及び周縁部を有するケースを備え、パッケージは、周縁部をもたらす側面に、第1回転軸の周りに回転可能に取り付けられたカバーをさらに備え、カバーは、
-カバーが周縁部から距離を置く開位置と、
-カバーがケースに折り重なってケースを閉じる閉位置と、を取り得、
パッケージは、運送される物体をケース内で維持するための保持手段をさらに備え、保持手段は、周縁部をもたらす側面に、ケースの底部の近くで、ケース上のカバーの第1回転軸の真下の第2回転軸の周りに回転可能に取り付けられたフレームを備え、フレームは、
-フレームが、ケースの底部と実質的に平行に延在し、運送される物体を囲む保持位置と、
-フレームがケースの底部から距離を置く取扱位置と、を取ることができ、
保持手段は、フレームの内側で延在する弾性的に変形可能な手段と、フレームとカバーの間を接続するための接続ロッドとをさらに備え、接続ロッドはカバー及びフレームに回転可能に取り付けられ、接続ロッド、カバー、周縁部をもたらす側面、及びフレームは、一緒になって、変形可能な平行四辺形を形成することを特徴とする。
【0039】
そのようなパッケージによって、不使用時にそのサイズを制限しつつ、いろいろなサイズの物体を安全に運送することができる。
【0040】
実際、弾性的に変形可能な手段の変形によって、物体を覆う大きな面を得るだけでなく、パッケージの不使用時に僅かな厚さを得ることができる。従って、弾性的に変形可能な手段は、ケース中に、その中で大きな場所を占めることなく保持され得る。
【0041】
加えて、カバーがその閉位置に至ると、フレーム及び接続ロッドによって、弾性的に変形可能な手段が、運送される物体を覆い、それをケースの底部に押し付けるように変形することを強いられる点で、変形可能な平行四辺形の使用によって、保持手段を自動的にすることができる。
【0042】
好ましい実施形態によれば、フレームは、互いに平行な2つの側材と、周縁部をもたらす側面の向かい側で2つの側材を結合する横材とを備える。
【0043】
そのようなフレームの設計及び製造は容易である。さらに、中空の断面の使用によって、このフレームは、ケースの底部に物体を維持するために、変形に対する優れた耐性を提供する。
【0044】
有利に、横材及び接続ロッドは単一の組立部品を形成する。
【0045】
この単一の組立部品の主要な利点は、フレームの剛性を向上させ、その結果、ケース内での物体の保持を向上させることである。
【0046】
好ましくは、接続ロッドは平面パネルの形状を有する。
【0047】
平面パネルによって、フレーム上のカバーに加えられた力の均一な分布が可能になる。その上、接続ロッドを形成するパネルは、フレームがパッケージに入れられた物体の形状に応じて変形することを妨げるので、弾性的に変形可能な手段は、運送される物体の全て又は殆ど全ての形状に適合し得る。
【0048】
有利に、周縁部は、一緒に接合され、2つ1組で対向する4つのパネルを備える。
【0049】
従って、周縁部は、長方形、正方形、又は台形を取り、いろいろな形状の物体を入れることができる。その上、分かれたパネルの使用によって、保守の場合にパネルの1つだけを交換することが可能になる。分かれたパネルの1つは周縁部をもたらす側面を形成する。
【0050】
これにより、欠陥のある部品だけが交換されるので、費用に関して及び生体環境に関してはっきりした利点が提供される。
【0051】
好ましくは、周縁部のそれぞれのパネルは、
-それがケースの底部と実質的に平行に延在する収納位置と、
-それがケースの底部に対して実質的に垂直に延在する使用位置と、を取り得る。
【0052】
パネルをそれらの収納位置又は使用位置に配置できることで、パッケージを使用するときだけケースを形成することが可能になる。
【0053】
従って、パッケージは、使用を意図されていないとき、その空間要件を低減するために折り畳まれ、保管され得る。
【0054】
好ましくは、ケースは、パネルをそれらの使用位置に留めるための手段を備える。
【0055】
これらの留め手段は、特に運送される物体のケースへの挿入を可能にするために、ケースが形成されたときにパネルをそれらの使用位置に留めることができる。
【0056】
好ましくは、弾性的に変形可能な手段は伸縮性のある布地の形を取る。
【0057】
伸縮性のある布地の使用によって、運送される物体の良好な保持が可能になり、パッケージの不使用時の空間要件が低くなる。
【0058】
実際、カバーがその閉位置にあるとき、布地は、物体を完全に覆い、物体に圧力をかけて物体をケースの底部に押しつける。
【0059】
他方、パッケージが使用されないとき、布地が薄いため、折り畳まれたパッケージを特にコンパクトにすることができる。
【0060】
有利に、パッケージはカバーを閉位置に維持するための手段を備える。
【0061】
これらのカバーを閉位置に維持する手段は、物体がパッケージ内に維持されることを保証する。実際、カバーが適切に閉じられない場合、カバーが開き、弾性的に変形可能な手段が、それらの最初の形状、即ち伸びていない形状に戻る結果となる重大な危険がある。その場合、物体はもはやパッケージ内に保持されない。
【0062】
さらに、カバーを閉位置に保持するための手段は、運送中のパッケージの不可侵を確認するための構成要素としても使用され得る。
【0063】
この場合、カバーを閉位置に維持するための手段は、例えば、
-カバーに設けられた開口と、
-カバーのケースに対する第1回転軸から離れて周縁部に設けられた孔と、
-開口及び孔を通過するカラーと、を備える。
【0064】
これらのカバーを閉位置に保持するための手段の製造及び使用は容易である。
【0065】
本発明の他の特徴及び利点は、説明に役立つ非限定的な例として与えられた本発明の好ましい実施形態の以下の説明、及び添付図面を理解すると、より明瞭にわかってくるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】本発明によるパッケージの上面斜視図である。
【
図2】折り畳み形態における、本発明によるパッケージの上面斜視図である。
【
図3】第1成形ステップに従う、本発明によるパッケージの上面斜視図である。
【
図4】第2成形ステップに従う、本発明によるパッケージの上面斜視図である。
【
図5】第3成形ステップに従う、本発明によるパッケージの上面斜視図である。
【
図6】第4成形ステップに従う、本発明によるパッケージの上面斜視図である。
【
図7】本発明によるパッケージのための物体を保持するための手段の底面斜視図である。
【
図8】物体が挿入されていない本発明によるパッケージの概略縦断面図である。
【
図9】物体が挿入及び保持されている本発明によるパッケージの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1に関して、本発明によるパッケージ1が示されている。
【0068】
パッケージ1は、
-ケース2、
-カバー3、
-運送される物体5(
図9に示されている)をパッケージ内で保持するための保持手段4と、を備える。
【0069】
後述のように、カバー3は、ケース2に、第1回転軸Aの周りに回転可能に取り付けられる。そして、カバー3は、
-カバー3がケース2から距離を置く開位置と
-カバー3がケース2に折り重なってケース2を閉じる閉位置と、を取り得る。
【0070】
好ましくは、ケース2及びカバー3は、頑丈な材料から作られ、特に変形及び衝撃に対して耐性を有する。
【0071】
この目的で、発泡ポリプロピレンのような軽くて耐性のある材料が使用され得る。
【0072】
金属、プラスチック、又は複合材料(即ち幾つかの異なる材料から形成された材料)のような他の材料も使用され得る。
【0073】
例えば、プラスチック樹脂だけではなく布製の補強材を含む複合材料が使用され得る。
【0074】
従って、パッケージ1は、再利用可能であり、使用時の予測のつかない変化に、特にそれが受ける衝撃に対して耐性を有する。これにより、特に廃棄物に関してその環境への影響が制限される。
【0075】
実際、運送される物体5が搬送されると、パッケージ1は、別の物体5を送るためにすぐに再利用され、又はそれを再利用するだろう運送者に返却され得る。
【0076】
従って、パッケージの再生利用に関連した費用及び汚染は、パッケージの耐用期間の終わりに、即ち、パッケージ1が全く安全な物体の運送を可能にするには損傷しすぎたとき、又は発送回数が所定数に達したときに限られる。
【0077】
換言すれば、全て又は殆ど全て厚紙で作られた従来のパッケージは、概して、使い終わり次第、破壊及び再生利用される。しかし、本発明によるパッケージは、再生利用される前に数回使用され得る。
【0078】
その上、発泡ポリプロピレン、プラスチック、複合材料、又は金属材料の使用によって、パッケージは、気候条件に、特に慣習的に使用されているパッケージの厚紙を著しく損傷させる雨に耐えることができる。
【0079】
ケース2は、
-底部21と、
-底部21から延在する周縁部22と、を備える。
【0080】
ケース2は有利に折り畳み可能である。
【0081】
「折り畳み可能」は、周縁部22が、底部21に対して可動であり、-周縁部22が底部21と実質的に平行にある(
図2に示されるパッケージ1の折り畳み形態に対応する)収納位置と、-周縁部22が底部21に対して実質的に垂直に延在する使用位置と、を取り得ることを意味する。
【0082】
底部21及び周縁部22は一緒にケース2の内部空間23を定める。周縁部22は、ケース2の内部空間23にアクセスするための開口24を定める平行六面体形状を有する。
【0083】
有利に、底部21は、小さなサイズの物体5を収容することを意図されたキャビティを有してもよい。さらに、キャビティは接着性の表面を有する基部を有してもよい。
【0084】
図4、
図5、及び
図6に示されるように、周縁部22は、一緒に接合され、2つ1組で対向する4つのパネルを備え、
-前面パネル221と、
-後面パネル222と、
-2つの側面パネル223と、を備える。
【0085】
より具体的に、周縁部22は第1側面パネル223a及び第2側面パネル223bを備える。
【0086】
後面パネル222と前面パネル221は底部21に対して互いに反対側にある。
【0087】
同様に、第1側面パネル223aと第2側面パネル223bも、底部21に対して互いに反対側にあり、それぞれ前面パネル221を後面パネル223に接続する。
【0088】
以下に説明されるように、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223の1つは、周縁部22をもたらす側面を形成する。有利に、周縁部22をもたらす側面は後面パネル222によって形成される。
【0089】
前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223のそれぞれは、ケース2の底部21に可動に繋がれる。
【0090】
換言すれば、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223は、周縁部22がその使用位置又は収納位置を取ることができるように、底部21に対して枢動し得る。
【0091】
従って、前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223のそれぞれは、
-それが、底部21の延長上に又は底部21と重なるように、底部21と実質的に平行に延在する(
図2に示されるパッケージ1の折り畳み形態に対応する)収納位置と、
-それが底部21に対して実質的に垂直に延在する使用位置と、を取り得る。
【0092】
前面パネル221、後面パネル222、及び側面パネル223のそれぞれは、他のものから独立しており、それ故に他のものから独立してその収納位置又は使用位置を取り得る。
【0093】
有利な実施形態によれば、周縁部22、底部21、及びカバー3は、例えば発泡ポリプロピレンから一体的に形成される。従って、パッケージ1の異なる構成要素の間の旋回軸は、ヒンジとして機能する薄い厚さの材料によって作られる。
【0094】
変形例において、パッケージ1のそれぞれの構成要素は、独立して製造され、従来から知られているヒンジによって別の構成要素に取り付けられ得る。
【0095】
特にケース2の成形中に又は物体5の挿入中に、パッケージ1の使用状態を確保するために、ケース2は、周縁部22のパネルをそれらの使用位置で留めるための手段も備える。留め手段は、有利に、次の群、
-磁力、
-挿入、
-変形、
-支持又は干渉、によるものに属する。
【0096】
支持又は干渉による留め手段のために、それぞれの側面パネル223は側面パネル223から突出したフックを備える。従って、フックは側面パネル223の縁に対して空間を残し、この空間は前面パネル221又は後面パネル222を収容することを意図されている。
【0097】
それぞれのフックは弾性的に変形可能であり、前面パネル221及び後面パネル222が成形される際に、それらはそれぞれのフックを弾性的に変形して側面パネル223の縁に接触する。それから、それぞれのフックは、前面パネル221及び後面パネル222を側面パネル223の縁に押し付けて維持するように、その最初の形状を取り戻す。
【0098】
変形例において、留め手段225は前面パネル221及び後面パネル222に固定されたタブの形状を取ってもよい。これらのタブは、側面パネル223に作られたスロットに収容されることを意図されている。タブとスロットの間の協働は、有利に、タブがスロットに挿入された際、タブをスロットから外すために前面パネル221及び後面パネル222にかなりの引っ張り力をかけることを必要とするようにしっかりなされる。
【0099】
挿入による留め手段225のために、ピン又はスタッドのような挿入物が、側面パネル223、前面パネル221、及び後面パネル222に作られた開口に挿入される。この場合、前面パネル221及び後面パネル222、又は側面パネル223は、それぞれ、側面パネル223、又は前面パネル221及び後面パネル222に重なることを意図された折返し部を有する。そして、折返し部は、挿入物を受けることを意図された開口を有する。
【0100】
挿入物は、パネルの開口を通ることを意図された中央部分と、それぞれ中央部分の両側に位置する2つの折り曲げ可能な爪とを備えてもよい。そして、周縁部22の形状留めは、挿入物の中央部分をパネルの開口に挿入してから、周縁部のパネルが挿入物の2つの折り曲げ可能な爪の間に挟まれるように、折り曲げ可能な爪を折り曲げることで行われる。
【0101】
磁力による留め手段225の場合、周縁部22のそれぞれのパネルは磁石を設けられる。
【0102】
有利に、前面パネル221及び後面パネル222、又は側面パネル223は、それぞれ、側面パネル223、又は前面パネル221及び後面パネル222に重なることを意図された折返し部を有する。
【0103】
そして、折返し部はそれぞれ磁石を保持し、磁石は互いに向き合う別の磁石と協働することを意図されている。それらの協働を可能にするために、磁石は逆の極性を有する対を成す。換言すれば、例えば、側面パネル223の磁石は負の極性を有し、前面パネル221及び後面パネル222の磁石は正の極性を有し、又は逆が当てはまる。
【0104】
変形による留め手段225のために、側面パネル223は、前面パネル221及び後面パネル222に向けてそれぞれの縁から突出した突起部を有する。
【0105】
そして、前面パネル221及び後面パネル222は、それぞれ突起部と協働することを意図された凹部を有する。
【0106】
そして、突起部が対応する凹部に挿入されることで、突起部は、弾性的に変形し、その変形していない状態に戻ろうとすることで、凹部に力をかける。そして、これにより、パネルは互いに対して適所に保持され、それ故に周縁部22は使用位置に維持される。
【0107】
図1、
図3、
図4、
図5、及び
図6に示されるように、ケース2は、ユーザがパッケージ1と情報を交換することを可能にする電子対話インターフェース25をさらに備える。
【0108】
有利な態様によれば、電子対話インターフェース25は、一方でカバー3の閉位置を制御するための手段に、他方でその手段と通信するための通信ネットワークに接続される。
【0109】
この目的のために、電子対話インターフェース25は、ユーザがパッケージ1と情報を交換することを可能にする通信装置だけでなく、通信ネットワーク、より正確にサーバと通信するための通信手段(図示せず)を備える。
【0110】
好ましくは、電子対話インターフェース25は、いろいろな構成要素、即ち、電子対話インターフェース25、カバー3の閉位置を制御するための手段、及びリモートサーバの間の通信を可能にすることを意図されたスマートパネル(図示せず)を備える。
【0111】
電子対話インターフェース25と、カバー3の閉位置を制御するための手段との間の通信によって、特にパッケージ1内の物体5の安全を保証することが可能になる。
【0112】
図7に示される保持手段4は、
-周縁部22に回転可能に取り付けられたフレーム41と、
-フレーム41の内側で延在する弾性的に変形可能な手段42と、
-フレーム41とカバー3の間を接続するための接続ロッド43と、を備える。
【0113】
より具体的に、フレーム41は、周縁部22をもたらす側面に、即ち後面パネル222に、ケース2の底部21の近くで、第2回転軸Bの周りに回転可能に取り付けられる。
【0114】
第2回転軸Bは第1回転軸Aの真下に位置する。
【0115】
従って、フレームは、
-フレームがケースの底部と実質的に平行に延在し、運送される物体を囲む保持位置と、
-フレームがケースの底部から距離を置く取扱位置と、を取り得る。
【0116】
後面パネル222に対するフレーム41の回転は、特に、例えば、リング、フック、ピン、そうでなければ弾性体のような特別の手段6によって行われる。
【0117】
図7に示されるように、フレーム41は、第1側材411a及び第2側材411bを含む、互いに平行な2つの側材411と、側材411の間に配置された横材412とを備える。
【0118】
横材412は、フレーム41が回転可能に取り付けられた、周縁部22をもたらす側面の向かい側で、側材411に対して可動に繋がれて取り付けられる。
【0119】
まだ
図7を参照して、接続ロッド43はフレーム41とカバー3の両方に回転可能に取り付けられる。
【0120】
有利に、接続ロッド43は横材412と一体的に作られる。
【0121】
換言すれば、接続ロッド43と横材412は単一部品を形成する。
【0122】
これにより、以下に説明されるように、パッケージ1内での物体5の運送中の良好な保持を保証することができる。
【0123】
接続ロッド43は平面パネルの形状であり、その第1端はカバー3に回転可能に取り付けられ、第2端は、横材412を形成するが、フレーム41に、特に側材411のそれぞれに回転可能に取り付けられる。
【0124】
従って、カバー3、後面パネル222(即ち周縁部22をもたらす側面)、フレーム41、及び接続ロッド43は、変形可能な平行四辺形を形成する。
【0125】
この変形可能な平行四辺形は、以下に説明されるように、パッケージ1を使用する際に特に有利である。
【0126】
弾性的に変形可能な手段42は有利に伸縮性のある布地の形を取る。
【0127】
この伸縮性のある布地の主要な利点は、フレーム41がその保持位置にあるときに、伸縮性のある布地が物体5の全体を覆うことである。
【0128】
伸縮性のある布地は、物体5を完全に覆うことで、物体の全体に力を加え、この力は、物体をケース2の底部21に押し付け、従ってそれを固定する結果となる。
【0129】
最後に、パッケージは、カバー3を閉位置に維持するための手段7(
図1に見える)も備える。
【0130】
これらのカバー3を閉位置に維持する手段7は、
-カバー3に設けられた開口71と、
-カバー3のケース2に対する第1回転軸から離れて周縁部22に設けられた孔72と、
-開口71及び孔72を通過するカラー73と、を備える。
【0131】
従って、カラー73は、パッケージ1の完全性、特にパッケージが運送中に開けられていないことを確認するための視覚的手段を形成し得る。
【0132】
パッケージ1を使用するために、
図2から
図6に示されるように、ユーザはパッケージ1の形をその収納形態から形成する。
【0133】
図2に示されるその収納形態において、周縁部22のパネルはそれらの収納位置にあり、パッケージ1は次の通りであり、即ち、
-側面パネル223はケース2の底部21の上に折り畳まれ、
-前面パネル221は側面パネル223の上に折り畳まれ、
-後面パネル222は実質的にケースの底部21の延長上に延在し、
-カバー3は後面パネル222及び側面パネル223の上に折り畳まれ、
-フレーム41と接続ロッド43は、実質的に同一平面上にあり、側面パネル223の上かつ前面パネル221及びカバー3の下に位置する。
【0134】
パッケージ1の成形は以下に記述されるステップで行われる。
【0135】
図3に示される第1ステップにおいて、ユーザは前面パネル223をその使用位置に配置する。
【0136】
図4に示される第2ステップにおいて、ユーザは後面パネル222に対して実質的に垂直にカバー3を配置する。
【0137】
この取扱いは、フレーム41がカバー3と実質的に平行になり、接続ロッド43が後面パネル222と実質的に平行になるように、変形可能な平行四辺形を変形する効果を有する。より具体的に、フレーム41は、その時、後面パネル222及びカバー3に押し付けられ又はほぼ押し付けられている。
【0138】
図5に示される第3ステップにおいて、ユーザは側面パネル223をそれらの使用位置に配置する。
【0139】
図6に示される第4ステップにおいて、ユーザは、後面パネル222をその使用位置に配置し、カバー3をその閉位置に配置する。
【0140】
図7に示されるように、物体5がケース2に置かれていないとき、弾性的に変形可能な手段42は変形しない。
【0141】
他方、
図8に示されるように、物体5がケース2に挿入されると、弾性的に変形可能な手段42は物体5の外形に合わせて変形する。
【0142】
より具体的に、伸縮性のある布地は、物体5と接触して変形し、物体5に力をかけてそれをケース2の底部21に押し付ける。
【0143】
従って、物体5は、その運送中に維持され、品質低下の危険にさらされない。
【0144】
カバー3を動かすだけで、ケース2内の物体5を保持し、それどころかそれを自由にすることができる。
【0145】
実際、カバー3を動かすことで、変形可能な平行四辺形が変形する。
【0146】
カバー3がその閉位置にあるとき、それをその開位置に配置するように動かすことで、接続ロッド43によって、フレーム41がその保持位置からその取扱位置に切り替わる。
【0147】
弾性的に変形可能な手段42が、物体5によって変形され、より具体的に物体5の上に張られている場合、フレーム41をその保持位置からその取扱位置に切り替えることで、弾性的に変形可能な手段42が緩和され、それ故に物体5が自由になる。
【0148】
他方、逆の動きは物体5の保持をもたらす。
【0149】
カバー3をその閉位置に配置するようにカバー3を動かすことで、接続ロッド43によって、フレーム41はその取扱位置からその保持位置に切り替わる。
【0150】
そして、弾性的に変形可能な手段42は、物体5によって変形され、より具体的に物体5の上に張られて、それをケース2の底部21に押し付けてその運送中に保持する。
【0151】
有利な実施形態によれば、ケースの底部21は、ケース2内で物体を適所に保持する能力を高めることができる付着性被覆物を有してもよい。
【0152】
それ故、本発明によるパッケージ1は、運送される物体5の安全で自動的な保持を提供する。
【0153】
実際、物体をケース2内に保持することは、カバー3の簡単な取扱いによって達成される。そして、ユーザは、物体5の完全性をその運送中に心配しなくてもよく、それをケース2の底部に配置することだけを必要とする。
【0154】
その上、ユーザは、まったく同様に簡単に、即ちカバー3をその開位置に配置するだけで、パッケージから物体5を取り出すことができる。カバー3のこの位置において、保持手段4はもはや物体5に作用しない。
【国際調査報告】