(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】目標スペクトル照明のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 90/30 20160101AFI20220908BHJP
【FI】
A61B90/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500919
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 US2020041010
(87)【国際公開番号】W WO2021007212
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】2825 Airview Boulevard Kalamazoo MI 49002 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモズィーク, ヴォイチェフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスティングス, シーン
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジャコビ、 リーフ
(57)【要約】
可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で目標を照らす手術用ライトは、第1のスペクトルを有する光を発するように構成された第1の光源と、可視スペクトルの一部を含まない第2のスペクトルを有する光を発するように構成された第2の光源と、白色光と比較して可視スペクトルの一部の光において寄与が低減された光で目標を照らすために、第1および第2の光源を同時に作動するように構成されたコントローラと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で目標を照らす手術用ライトであって、
可視スペクトルの前記一部を含む第1のスペクトルを有する光を発するように構成された第1の光源と、
可視スペクトルの前記一部を含まない第2のスペクトルを有する光を発するように構成された第2の光源と、
白色光と比較して可視スペクトルの前記一部の光において寄与が低減された光で前記目標を照らすために、前記第1および前記第2の光源を同時に作動するように構成されたコントローラと、
を有する、手術用ライト。
【請求項2】
前記第2のスペクトルは、前記第1のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有する
請求項1に記載の手術用ライト。
【請求項3】
前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルを含む
請求項2に記載の手術用ライト。
【請求項4】
前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有する
請求項1乃至3の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1および前記第2の光源によって提供される光の相対的な量を制御して、前記目標における光に対する可視スペクトルの前記一部の光の相対的な寄与を調整するように構成される
請求項1乃至4の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項6】
前記コントローラは、前記目標における照度を一定に維持しながら、可視スペクトルの前記一部の光の寄与を調整するように構成される
請求項1乃至5の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項7】
可視スペクトルの前記一部は、可視スペクトルの赤色部分の少なくとも一部を含む
請求項1乃至6の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項8】
前記第2の光源は、前記第2のスペクトルにわたって光を発するが可視スペクトルの前記一部には光を発しないように構成された少なくとも1つのエミッタを含む
請求項1乃至7の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項9】
前記第2の光源は、前記第1のスペクトルの少なくとも一部にわたって光を発するように構成された少なくとも1つの光エミッタと、可視スペクトルの前記一部にある光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタと、を含む
請求項1乃至8の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項10】
前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み、前記少なくとも1つのフィルタは前記少なくとも1つの光学部品上に配置されている
請求項9に記載の手術用ライト。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光学部品はレンズを含む
請求項10に記載の手術用ライト。
【請求項12】
前記少なくとも1つの光学部品はミラーを含む
請求項10に記載の手術用ライト。
【請求項13】
前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み、前記フィルタは前記少なくとも1つの光エミッタと前記少なくとも1つの光学部品との間に配置されている
請求項9に記載の手術用ライト。
【請求項14】
前記第1および前記第2の光源は、それぞれ、少なくとも1つの固体白色光エミッタを含む
請求項1乃至13の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項15】
前記第1の光源および前記第2の光源の少なくとも一方は、異なる色温度を有する複数の白色光エミッタを含む
請求項1乃至14の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項16】
前記第1の光源は、前記第1のスペクトルを有する光を集合的に発する異なる複数のスペクトル範囲を有する複数の狭帯域光エミッタを含む
請求項1乃至15の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項17】
前記第1および前記第2の光源の少なくとも一方は、複数の光生成ユニットを含み、各光生成ユニットは、少なくとも1つの固体光エミッタと前記少なくとも1つの固体光エミッタによって発せられた光を操作するための少なくとも1つの光学部品とを含む
請求項1乃至16の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項18】
各光生成ユニットは、複数の固体光エミッタを含む
請求項17に記載の手術用ライト。
【請求項19】
各光生成ユニットは、前記複数の固体光エミッタからの光を統合するための光学インテグレータを含む
請求項18に記載の手術用ライト。
【請求項20】
前記第2の光源の少なくとも1つの光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学部品上に配置されたフィルタを含む
請求項17または18に記載の手術用ライト。
【請求項21】
前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタと逆に向いている前記少なくとも1つの光学部品の外面に配置されている
請求項20に記載の手術用ライト。
【請求項22】
前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタに向いている前記少なくとも1つの光学部品の内面に配置されている
請求項20に記載の手術用ライト。
【請求項23】
前記第1の光源の複数の光生成ユニットは、前記第2の光源の複数の光生成ユニットと混ざり合っている
請求項17乃至22の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項24】
前記第1の光源の複数の光生成ユニットは複数の第1のアレイに配置され、前記第2の光源の複数の光生成ユニットは複数の第2のアレイに配置され、前記第1のアレイと前記第2のアレイとは交互に配置されている
請求項17乃至23の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項25】
前記手術用ライトは、手術台の上方に吊り下げられるように構成される
請求項1乃至24の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項26】
前記手術用ライトはハウジングを含み、前記第1および前記第2の光源は前記ハウジングに取り付けられている
請求項1乃至25の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項27】
前記コントローラは、第1のモードでは前記第1および前記第2の光源を同時に作動させ、前記第1のスペクトルを有する光のみで前記目標を照らすための第2のモードでは前記第2の光源を非作動にする、ように構成される
請求項1乃至26の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項28】
ユーザによるモード選択のためのユーザインターフェースを有する
請求項1乃至27の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項29】
可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で目標を照らす方法であって、該方法は、
可視スペクトルの前記一部を含む第1のスペクトルを有する光を第1の光源から発することと、
可視スペクトルの前記一部を含まない第2のスペクトルを有する光を第2の光源から同時に発することと、
白色光と比較して可視スペクトルの前記一部の光において寄与が低減された光で前記目標が照らされるように、前記第1および前記第2の光源からの光で前記目標を同時に照らすことと、
を含む、方法。
【請求項30】
前記第2のスペクトルは、前記第1のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有する
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルを含む
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有する
請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のスペクトルを有する光のみで前記目標を照らすために、前記第1の光源が作動したまま前記第2の光源を非作動にすることをさらに含む
請求項29乃至32の何れか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の光源を非作動にすることは、より広いスペクトル光のモードのユーザ選択に応答して前記第2の光源を非作動にすることを含む
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記目標を照らす光に対する可視スペクトルの前記一部の光の相対的な寄与を調整するために、前記第1および前記第2の光源によって発せられる光の相対的な量を制御することをさらに含む
請求項29乃至34の何れか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記目標における照度を一定に維持しながら、可視スペクトルの前記一部の光の寄与を調整することを含む
請求項29乃至35の何れか1項に記載の方法。
【請求項37】
可視スペクトルの前記一部は、可視スペクトルの赤色部分の少なくとも一部を含む
請求項29乃至36の何れか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の光源は、前記第2のスペクトルにわたって光を発するが可視スペクトルの前記一部には光を発しないように構成された少なくとも1つのエミッタを含む
請求項29乃至37の何れか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の光源は、前記第1のスペクトルの少なくとも一部にわたって光を発するように構成された少なくとも1つの光エミッタと、可視スペクトルの前記一部にある光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタと、を含む
請求項29乃至38の何れか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み、前記少なくとも1つのフィルタは前記少なくとも1つの光学部品上に配置されている
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つの光学部品はレンズを含む
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの光学部品はミラーを含む
請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み、前記フィルタは前記少なくとも1つの光エミッタと前記少なくとも1つの光学部品との間に配置されている
請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記第1および前記第2の光源は、それぞれ、少なくとも1つの固体白色光エミッタを含む
請求項29乃至43の何れか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の光源および前記第2の光源の少なくとも一方は、異なる色温度を有する複数の白色光エミッタを含む
請求項29乃至44の何れか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の光源は、前記第1のスペクトルを有する光を集合的に発する異なる複数のスペクトル範囲を有する複数の狭帯域光エミッタを含む
請求項29乃至45の何れか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1および前記第2の光源の少なくとも一方は、複数の光生成ユニットを含み、各光生成ユニットは、少なくとも1つの固体光エミッタと前記少なくとも1つの固体光エミッタによって発せられた光を操作するための少なくとも1つの光学部品とを含む
請求項29乃至46の何れか1項に記載の方法。
【請求項48】
各光生成ユニットは、複数の固体光エミッタを含む
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
各光生成ユニットは、前記複数の固体光エミッタからの光を統合するための光学インテグレータを含む
請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の光源の少なくとも1つの光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学部品上に配置されたフィルタを含む
請求項47乃至49の何れか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタと逆に向いている前記少なくとも1つの光学部品の外面に配置されている
請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタに向いている前記少なくとも1つの光学部品の内面に配置されている
請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の光源の複数の光生成ユニットは、前記第2の光源の複数の光生成ユニットと混ざり合っている
請求項47乃至52の何れか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の光源の複数の光生成ユニットは複数の第1のアレイに配置され、前記第2の光源の複数の光生成ユニットは複数の第2のアレイに配置され、前記第1のアレイと前記第2のアレイとは交互に配置されている
請求項47乃至53の何れか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記第1および前記第2の光源は、手術台の上方に吊り下げられている
請求項29乃至54の何れか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記第1および前記第2の光源は、ハウジングに取り付けられている
請求項29乃至55の何れか1項に記載の方法。
【請求項57】
手術用ライトであって、
複数の光生成ユニットであって、各光生成ユニットは、
第1のスペクトルを有する光を発する少なくとも1つの第1の光エミッタと、
第2のスペクトルを有する光を発する少なくとも1つの第2の光エミッタと、
前記光生成ユニットが前記第1および前記第2のスペクトルの混合である光を発するように、前記第1および前記第2の光エミッタからの光を混合するように構成された少なくとも1つの光学素子と、
を含む、前記複数の光生成ユニットと、
前記複数の光生成ユニットによって生成される光のスペクトルを調整するために、前記少なくとも1つの第1の光エミッタおよび前記少なくとも1つの第2の光エミッタの相対的な強度を調整するように構成されたコントローラと、
を有する、手術用ライト。
【請求項58】
前記複数の光生成ユニットは、照明目標において第1の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第1の光生成ユニットと、前記照明目標において第2の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第2の光生成ユニットと、を含み、前記コントローラは、前記照明目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整するようにさらに構成される
請求項57に記載の手術用ライト。
【請求項59】
前記第2の照明パターンは環状パターンである
請求項58に記載の手術用ライト。
【請求項60】
前記複数の光生成ユニットは、前記照明目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含む
請求項58または59に記載の手術用ライト。
【請求項61】
前記複数の光生成ユニットは複数のサブアセンブリに配置されており、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む
請求項58乃至60の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項62】
前記第1のスペクトルを有する光は第1の色温度を有する白色光であり、前記第2のスペクトルを有する光は第2の色温度を有する白色光である
請求項57乃至61の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項63】
前記複数の光生成ユニットが同一のスポットに向けられるように、前記複数の光生成ユニットを取り付けるための湾曲シャーシを有する
請求項57乃至62の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項64】
前記少なくとも1つの光学素子はコーラーチャネルを含む
請求項57乃至63の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項65】
前記少なくとも1つの光学素子はマイクロレンズアレイを含む
請求項64に記載の手術用ライト。
【請求項66】
前記コーラーチャネルはコリメート光学系に統合されている
請求項64または65に記載の手術用ライト。
【請求項67】
各光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学素子からの光をコリメートするためのコリメート光学系を含む
請求項57乃至66の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項68】
手術用ライトで目標を照らす方法であって、該方法は、
第1のスペクトルを有する第1の光を、前記手術用ライトの少なくとも1つの第1の光エミッタから発することと、
第2のスペクトルを有する第2の光を、前記手術用ライトの少なくとも1つの第2の光エミッタから発することと、
前記手術用ライトの少なくとも1つの光学素子によって前記第1および前記第2の光を混合することと、
前記少なくとも1つの光学素子からの前記混合された光で前記目標を照らすことと、
前記目標を照らす前記混合された光のスペクトルを調整するために、前記第1および前記第2の光の相対的な強度を調整することと、
を含む、方法。
【請求項69】
前記手術用ライトはそれぞれが第1および第2の光エミッタを含む複数の光生成ユニットを含み、少なくとも1つの第1の光生成ユニットは第1の照明パターンを生成するように構成され、少なくとも1つの第2の光生成ユニットは第2の照明パターンを生成するように構成され、前記方法は、照明の前記目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整することをさらに含む
請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第2の照明パターンは環状パターンである
請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記複数の光生成ユニットは、照明の前記目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含む
請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
前記複数の光生成ユニットは複数のサブアセンブリに配置されており、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む
請求項69乃至71の何れか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記手術用ライトはそれぞれが第1および第2の光エミッタを含む複数の光生成ユニットを含み、前記手術用ライトは前記複数の光生成ユニットが同一のスポットに向けられるように前記複数の光生成ユニットを取り付けるための湾曲シャーシを含む
請求項68乃至72の何れか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記第1のスペクトルを有する前記第1の光は第1の色温度を有する白色光であり、前記第2のスペクトルを有する前記第2の光は第2の色温度を有する白色光である
請求項68乃至73の何れか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも1つの光学素子はコーラーチャネルを含む
請求項68乃至74の何れか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記少なくとも1つの光学素子はマイクロレンズアレイを含む
請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記コーラーチャネルはコリメート光学系に統合されている
請求項75または76に記載の方法。
【請求項78】
前記手術用ライトはそれぞれが第1および第2の光エミッタを含む複数の光生成ユニットを含み、各光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学素子からの光をコリメートするためのコリメート光学系を含む
請求項68乃至77の何れか1項に記載の方法。
【請求項79】
手術用ライトであって、
複数の光生成ユニットであって、
照明目標において第1の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第1の光生成ユニットと、
前記照明目標において第2の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第2の光生成ユニットと、
を含む、前記複数の光生成ユニットと、
前記照明目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整するように構成されたコントローラであって、前記照明目標における照明パターンは前記第1の照明パターンと前記第2の照明パターンとの組み合わせである、前記コントローラと、
を有する、手術用ライト。
【請求項80】
前記第2の照明パターンは環状パターンである
請求項79に記載の手術用ライト。
【請求項81】
前記複数の光生成ユニットは、前記照明目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含む
請求項79または80に記載の手術用ライト。
【請求項82】
前記複数の光生成ユニットは複数のサブアセンブリに配置されており、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む
請求項79乃至81の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項83】
前記第1の照明パターンは前記第2の照明パターンよりもカバーエリアが小さく、前記手術用ライトは前記第2の光生成ユニットよりも少ない数の前記第1の光生成ユニットを有する
請求項79乃至82の何れか1項に記載の手術用ライト。
【請求項84】
手術用ライトで目標を照らす方法であって、該方法は、
前記手術用ライトの少なくとも1つの第1の光生成ユニットから光を発することであって、前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットは照明目標において第1の照明パターンを生成するように構成されている、前記発することと、
前記手術用ライトの少なくとも1つの第2の光生成ユニットから光を発することであって、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットは前記照明目標において第2の照明パターンを生成するように構成されている、前記発することと、
前記照明目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整することであって、前記照明目標における照明パターンは前記第1の照明パターンと前記第2の照明パターンとの組み合わせである、前記調整することと、
を含む、方法。
【請求項85】
前記第2の照明パターンは環状パターンである
請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記手術用ライトは、前記照明目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含む
請求項84または85に記載の方法。
【請求項87】
前記手術用ライトは複数のサブアセンブリに配置された複数の光生成ユニットを含み、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む
請求項84乃至86の何れか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記第1の照明パターンは前記第2の照明パターンよりもカバーエリアが小さく、前記手術用ライトは前記第2の光生成ユニットよりも少ない数の前記第1の光生成ユニットを有する
請求項84乃至87の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年7月8日に出願された米国仮出願番号62/871,586の利益を主張し、その内容全体は本明細書に参照により組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、手術用ライトに関し、特に、切開手術のための手術用ライトに関する。
【背景技術】
【0003】
手術用ライトは、切開手術中に目標手術領域を照らすために、目標手術領域に比較的高い強度の光を提供するために手術室で使用される。目標手術領域は、外科医による直接観察のために、1つ以上の手術用ライトによって照らされることがある。したがって、多くの従来の手術用ライトは、目標内の組織がその真の色に従って見えるように、自然光に近い光を提供するように構成されている。手術中、目標組織は一般に血液で灌流されており、したがって、その光景は赤色によって支配されることがある。この単一色の支配のために、組織の異なる部分間のコントラストは、外科医が組織の様々な特徴又は様々な解剖学的構造を識別するのが困難となるように、低くなる場合があり、これは、眼精疲労及び倦怠感につながる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態によれば、手術用ライトは、第1のスペクトルを有する光と当該第1のスペクトルに含まれる可視スペクトルの一部を欠く第2のスペクトルとを有する光との組み合わせで目標を照らすように構成される。それによって、目標組織は、第2のスペクトルに欠ける可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で照らされ得る。いくつかの実施形態によれば、第1のスペクトルは、単独で又は第2のスペクトルと組み合わせて、可視スペクトルを包含することができ、これは、組織の自然な外観の1つ以上の側面を維持しながら、白色光に対する第2のスペクトルに欠けている可視スペクトルの一部の低減された寄与のために、目標の特徴間のコントラストを増大させることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1のスペクトルを有する光は白色光であり、第2のスペクトルを有する光は赤色光の少なくとも一部を欠いており、その結果、目標は白色光に対して低減された赤色寄与を有する光によって照明され、目標によって反射される赤色光の量が減少する。切開手術の手順において、組織から反射される赤色光を低減させるが排除しないことで、組織の外観を維持しながら、コントラストの増加、グレアの減少、及び疲労の減少を提供することができる。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で目標を照らす手術用ライトは、可視スペクトルの前記一部を含む第1のスペクトルを有する光を発するように構成された第1の光源と、可視スペクトルの前記一部を含まない第2のスペクトルを有する光を発するように構成された第2の光源と、白色光と比較して可視スペクトルの前記一部の光において寄与が低減された光で前記目標を照らすために、前記第1および前記第2の光源を同時に作動するように構成されたコントローラと、を有する。
【0007】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2のスペクトルは、前記第1のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有し得る。
【0008】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルを含み得る。
【0009】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有し得る。
【0010】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記コントローラは、前記第1および前記第2の光源によって提供される光の相対的な量を制御して、前記目標における光に対する可視スペクトルの前記一部の光の相対的な寄与を調整するように構成され得る。
【0011】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記コントローラは、前記目標における照度を一定に維持しながら、可視スペクトルの前記一部の光の寄与を調整するように構成され得る。
【0012】
これらの実施形態の何れかにおいて、可視スペクトルの前記一部は、可視スペクトルの赤色部分の少なくとも一部を含み得る。
【0013】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は、前記第2のスペクトルにわたって光を発するが可視スペクトルの前記一部には光を発しないように構成された少なくとも1つのエミッタを含み得る。
【0014】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は、前記第1のスペクトルの少なくとも一部にわたって光を発するように構成された少なくとも1つの光エミッタと、可視スペクトルの前記一部にある光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタと、を含み得る。
【0015】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み得、前記少なくとも1つのフィルタは前記少なくとも1つの光学部品上に配置され得る。
【0016】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学部品はレンズを含み得る。
【0017】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学部品はミラーを含み得る。
【0018】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み得、前記フィルタは前記少なくとも1つの光エミッタと前記少なくとも1つの光学部品との間に配置され得る。
【0019】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1および前記第2の光源は、それぞれ、少なくとも1つの固体白色光エミッタを含み得る。
【0020】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源および前記第2の光源の少なくとも一方は、異なる色温度を有する複数の白色光エミッタを含み得る。
【0021】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源は、前記第1のスペクトルを有する光を集合的に発する異なる複数のスペクトル範囲を有する複数の狭帯域光エミッタを含み得る。
【0022】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1および前記第2の光源の少なくとも一方は、複数の光生成ユニットを含み得、各光生成ユニットは、少なくとも1つの固体光エミッタと前記少なくとも1つの固体光エミッタによって発せられた光を操作するための少なくとも1つの光学部品とを含み得る。
【0023】
これらの実施形態の何れかにおいて、各光生成ユニットは、複数の固体光エミッタを含み得る。
【0024】
これらの実施形態の何れかにおいて、各光生成ユニットは、前記複数の固体光エミッタからの光を統合するための光学インテグレータを含み得る。
【0025】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源の少なくとも1つの光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学部品上に配置されたフィルタを含み得る。
【0026】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタと逆に向いている前記少なくとも1つの光学部品の外面に配置され得る。
【0027】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタに向いている前記少なくとも1つの光学部品の内面に配置され得る。
【0028】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源の複数の光生成ユニットは、前記第2の光源の複数の光生成ユニットと混ざり合い得る。
【0029】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源の複数の光生成ユニットは複数の第1のアレイに配置され得、前記第2の光源の複数の光生成ユニットは複数の第2のアレイに配置され得、前記第1のアレイと前記第2のアレイとは交互に配置され得る。
【0030】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトは、手術台の上方に吊り下げられるように構成され得る。
【0031】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトはハウジングを含み得、前記第1および前記第2の光源は前記ハウジングに取り付けられ得る。
【0032】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記コントローラは、第1のモードでは前記第1および前記第2の光源を同時に作動させ、前記第1のスペクトルを有する光のみで前記目標を照らすための第2のモードでは前記第2の光源を非作動にする、ように構成され得る。
【0033】
これらの実施形態の何れかにおいて、ユーザによるモード選択のためのユーザインターフェースを有し得るる。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で目標を照らす方法は、可視スペクトルの前記一部を含む第1のスペクトルを有する光を第1の光源から発することと、可視スペクトルの前記一部を含まない第2のスペクトルを有する光を第2の光源から同時に発することと、白色光と比較して可視スペクトルの前記一部の光において寄与が低減された光で前記目標が照らされるように、前記第1および前記第2の光源からの光で前記目標を同時に照らすことと、を含む。
【0035】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2のスペクトルは、前記第1のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有し得る。
【0036】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルを含み得る。
【0037】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1のスペクトルは、前記第2のスペクトルよりも狭いスペクトル範囲を有し得る。
【0038】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記方法は、前記第1のスペクトルを有する光のみで前記目標を照らすために、前記第1の光源が作動したまま前記第2の光源を非作動にすることをさらに含み得る。
【0039】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源を非作動にすることは、より広いスペクトル光のモードのユーザ選択に応答して前記第2の光源を非作動にすることを含み得る。
【0040】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記方法は、前記目標を照らす光に対する可視スペクトルの前記一部の光の相対的な寄与を調整するために、前記第1および前記第2の光源によって発せられる光の相対的な量を制御することをさらに含み得る。
【0041】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記方法は、前記目標における照度を一定に維持しながら、可視スペクトルの前記一部の光の寄与を調整することを含み得る。
【0042】
これらの実施形態の何れかにおいて、可視スペクトルの前記一部は、可視スペクトルの赤色部分の少なくとも一部を含み得る。
【0043】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は、前記第2のスペクトルにわたって光を発するが可視スペクトルの前記一部には光を発しないように構成された少なくとも1つのエミッタを含み得る。
【0044】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は、前記第1のスペクトルの少なくとも一部にわたって光を発するように構成された少なくとも1つの光エミッタと、可視スペクトルの前記一部にある光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタと、を含み得る。
【0045】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み得、前記少なくとも1つのフィルタは前記少なくとも1つの光学部品上に配置され得る。
【0046】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学部品はレンズを含み得る。
【0047】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学部品はミラーを含み得る。
【0048】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源は少なくとも1つの光学部品を含み得、前記フィルタは前記少なくとも1つの光エミッタと前記少なくとも1つの光学部品との間に配置され得る。
【0049】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1および前記第2の光源は、それぞれ、少なくとも1つの固体白色光エミッタを含み得る。
【0050】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源および前記第2の光源の少なくとも一方は、異なる色温度を有する複数の白色光エミッタを含み得る。
【0051】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源は、前記第1のスペクトルを有する光を集合的に発する異なる複数のスペクトル範囲を有する複数の狭帯域光エミッタを含み得る。
【0052】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1および前記第2の光源の少なくとも一方は、複数の光生成ユニットを含み得、各光生成ユニットは、少なくとも1つの固体光エミッタと前記少なくとも1つの固体光エミッタによって発せられた光を操作するための少なくとも1つの光学部品とを含み得る。
【0053】
これらの実施形態の何れかにおいて、各光生成ユニットは、複数の固体光エミッタを含み得る。
【0054】
これらの実施形態の何れかにおいて、各光生成ユニットは、前記複数の固体光エミッタからの光を統合するための光学インテグレータを含み得る。
【0055】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の光源の少なくとも1つの光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学部品上に配置されたフィルタを含み得る。
【0056】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタと逆に向いている前記少なくとも1つの光学部品の外面に配置され得る。
【0057】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記フィルタは、前記少なくとも1つの固体光エミッタに向いている前記少なくとも1つの光学部品の内面に配置され得る。
【0058】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源の複数の光生成ユニットは、前記第2の光源の複数の光生成ユニットと混ざり合い得る。
【0059】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の光源の複数の光生成ユニットは複数の第1のアレイに配置され得、前記第2の光源の複数の光生成ユニットは複数の第2のアレイに配置され得、前記第1のアレイと前記第2のアレイとは交互に配置され得る。
【0060】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1および前記第2の光源は、手術台の上方に吊り下げられ得る。
【0061】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1および前記第2の光源は、ハウジングに取り付けられ得る。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、手術用ライトは、複数の光生成ユニットであって、各光生成ユニットは、第1のスペクトルを有する光を発する少なくとも1つの第1の光エミッタと、第2のスペクトルを有する光を発する少なくとも1つの第2の光エミッタと、前記光生成ユニットが前記第1および前記第2のスペクトルの混合である光を発するように、前記第1および前記第2の光エミッタからの光を混合するように構成された少なくとも1つの光学素子と、を含む、前記複数の光生成ユニットと、前記複数の光生成ユニットによって生成される光のスペクトルを調整するために、前記少なくとも1つの第1の光エミッタおよび前記少なくとも1つの第2の光エミッタの相対的な強度を調整するように構成されたコントローラと、を有する。
【0063】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは、照明目標において第1の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第1の光生成ユニットと、前記照明目標において第2の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第2の光生成ユニットと、を含み得、前記コントローラは、前記照明目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整するようにさらに構成され得る。
【0064】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の照明パターンは環状パターンであり得る。
【0065】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは、前記照明目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含み得る。
【0066】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは複数のサブアセンブリに配置され、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含み得る。
【0067】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1のスペクトルを有する光は第1の色温度を有する白色光であり得、前記第2のスペクトルを有する光は第2の色温度を有する白色光であり得る。
【0068】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記ライトは、前記複数の光生成ユニットが同一のスポットに向けられるように、前記複数の光生成ユニットを取り付けるための湾曲シャーシを有し得る。
【0069】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学素子はコーラーチャネルを含み得る。
【0070】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学素子はマイクロレンズアレイを含み得る。
【0071】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記コーラーチャネルはコリメート光学系に統合され得る。
【0072】
これらの実施形態の何れかにおいて、各光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学素子からの光をコリメートするためのコリメート光学系を含み得る。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、手術用ライトで目標を照らす方法は、第1のスペクトルを有する第1の光を、前記手術用ライトの少なくとも1つの第1の光エミッタから発することと、第2のスペクトルを有する第2の光を、前記手術用ライトの少なくとも1つの第2の光エミッタから発することと、前記手術用ライトの少なくとも1つの光学素子によって前記第1および前記第2の光を混合することと、前記少なくとも1つの光学素子からの前記混合された光で前記目標を照らすことと、前記目標を照らす前記混合された光のスペクトルを調整するために、前記第1および前記第2の光の相対的な強度を調整することと、を含む。
【0074】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトはそれぞれが第1および第2の光エミッタを含む複数の光生成ユニットを含み得、少なくとも1つの第1の光生成ユニットは第1の照明パターンを生成するように構成され得、少なくとも1つの第2の光生成ユニットは第2の照明パターンを生成するように構成され得、前記方法は、照明の前記目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整することをさらに含み得る。
【0075】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の照明パターンは環状パターンであり得る。
【0076】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは、照明の前記目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含み得る。
【0077】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは複数のサブアセンブリに配置され得、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む。
【0078】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトはそれぞれが第1および第2の光エミッタを含む複数の光生成ユニットを含み得、前記手術用ライトは前記複数の光生成ユニットが同一のスポットに向けられるように前記複数の光生成ユニットを取り付けるための湾曲シャーシを含み得る。
【0079】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1のスペクトルを有する前記第1の光は第1の色温度を有する白色光であり得、前記第2のスペクトルを有する前記第2の光は第2の色温度を有する白色光であり得る。
【0080】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学素子はコーラーチャネルを含み得る。
【0081】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記少なくとも1つの光学素子はマイクロレンズアレイを含み得る。
【0082】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記コーラーチャネルはコリメート光学系に統合され得る。
【0083】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトはそれぞれが第1および第2の光エミッタを含む複数の光生成ユニットを含み得、各光生成ユニットは、前記少なくとも1つの光学素子からの光をコリメートするためのコリメート光学系を含む。
【0084】
手術用ライトは、複数の光生成ユニットであって、照明目標において第1の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第1の光生成ユニットと、前記照明目標において第2の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第2の光生成ユニットと、を含む、前記複数の光生成ユニットと、前記照明目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整するように構成されたコントローラであって、前記照明目標における照明パターンは前記第1の照明パターンと前記第2の照明パターンとの組み合わせである、前記コントローラと、を有する。
【0085】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の照明パターンは環状パターンであり得る。
【0086】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは、前記照明目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含み得る。
【0087】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記複数の光生成ユニットは複数のサブアセンブリに配置され得、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む。
【0088】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の照明パターンは前記第2の照明パターンよりもカバーエリアが小さくあり得、前記手術用ライトは前記第2の光生成ユニットよりも少ない数の前記第1の光生成ユニットを有し得る。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、手術用ライトで目標を照らす方法は、前記手術用ライトの少なくとも1つの第1の光生成ユニットから光を発することであって、前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットは照明目標において第1の照明パターンを生成するように構成されている、前記発することと、前記手術用ライトの少なくとも1つの第2の光生成ユニットから光を発することであって、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットは前記照明目標において第2の照明パターンを生成するように構成されている、前記発することと、前記照明目標における照明パターンを調整するために、前記少なくとも1つの第2の光生成ユニットによって生成された光の強度に対する前記少なくとも1つの第1の光生成ユニットによって生成された光の強度を調整することであって、前記照明目標における照明パターンは前記第1の照明パターンと前記第2の照明パターンとの組み合わせである、前記調整することと、を含む。
【0090】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第2の照明パターンは環状パターンであり得る。
【0091】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトは、前記照明目標において第3の照明パターンを生成するように構成された少なくとも1つの第3の光生成ユニットを含み得る。
【0092】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記手術用ライトは複数のサブアセンブリに配置された複数の光生成ユニットを含み得、各サブアセンブリは少なくとも1つの第1の光生成ユニットと少なくとも1つの第2の光生成ユニットとを含む。
【0093】
これらの実施形態の何れかにおいて、前記第1の照明パターンは前記第2の照明パターンよりもカバーエリアが小さくあり得、前記手術用ライトは前記第2の光生成ユニットよりも少ない数の前記第1の光生成ユニットを有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【
図1】いくつかの実施形態による手術用照明システムを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による複数の光生成ユニットを含む手術用ライトを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による光生成ユニットの構成を示す図である。
【
図4A】
図3の光生成ユニットのフィルタを位置決めするための様々な位置を示す図である。
【
図4B】
図3の光生成ユニットのフィルタを位置決めするための様々な位置を示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による広スペクトル光と狭スペクトル光の両方を生成する光生成ユニットを示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による放物面鏡を含む光生成ユニットの構成を示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による複数のミラーを含む光生成ユニットを示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による中央ミラーユニットに向かって光を発する複数の光生成ユニットを有する手術用ライトを例示する図である。
【
図9】様々な実施形態による異なるモードで動作する手術用ライトによって目標に提供される光のスペクトルを示す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による
図9の複数のモードによる光で照らされた対象の組織の画像を提供する図である。
【
図11】いくつかの実施形態による
図9の5つの光モードに対する演色評価数のチャートを示す図である。
【
図12】いくつかの実施形態による目標を照明するための方法1200のブロック図である。
【
図13】いくつかの実施形態による調整可能な照明スペクトル、調整可能な輝度、及び調整可能なスポットサイズに対して構成された手術用ライトを示す図である。
【
図14】いくつかの実施形態による光生成ユニットの第1及び第2のセットによって生成される目標における照明パターンの例を示す図である。
【
図15A】いくつかの実施形態による光生成ユニットの2つのセットによって生成される光の相対的な強度を変化させることによって生成される異なるスポットサイズを示す図である。
【
図15B】いくつかの実施形態による光生成ユニットの2つのセットによって生成される光の相対的な強度を変化させることによって生成される異なるスポットサイズを示す図である。
【
図15C】いくつかの実施形態による光生成ユニットの2つのセットによって生成される光の相対的な強度を変化させることによって生成される異なるスポットサイズを示す図である。
【
図15D】いくつかの実施形態による光生成ユニットの2つのセットによって生成される光の相対的な強度を変化させることによって生成される異なるスポットサイズを示す図である。
【
図15E】いくつかの実施形態による光生成ユニットの2つのセットによって生成される光の相対的な強度を変化させることによって生成される異なるスポットサイズを示す図である。
【
図16】いくつかの実施形態による
図13の手術用ライトの複数の光生成ユニットのサブアセンブリを示す図である。
【
図17】いくつかの実施形態による複数の光生成ユニットの複数の光エミッタによって発せされる光を混合し方向付けるための光学配置を示す図である。
【
図18】様々な実施形態による複数の光生成ユニットの複数の光エミッタによって発せられる光を混合し方向付けるための代替的な光学配置を示す図である。
【
図19】いくつかの実施形態による目標において3つの異なる照明パターンを生成するための3つの異なる光生成ユニットを含む手術用ライトを示す図である。
【
図20】いくつかの実施形態による
図19の手術用ライトの複数の光生成ユニットのサブアセンブリを示す図である。
【
図21】様々な実施形態による3つの異なる光生成ユニットによって生成される異なる複数の照明パターンの光フィールドにわたる照度の例を示す図である。
【
図22A】シミュレーションされた照明パターンを示す図である。
【
図22B】シミュレーションされた照明パターンを示す図である。
【
図22C】シミュレーションされた照明パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
次に、本明細書に記載されるシステム及び方法の様々な態様及び変形例の実装及び実施形態について詳細に言及する。システム及び方法のいくつかの例示的なバリエーションが本明細書に記載されているが、システム及び方法の他のバリエーションは、記載された態様の全て又は一部の組み合わせを有する任意の適切な方法で組み合わされた本明細書に記載されたシステム及び方法の態様を含むことができる。
【0096】
組織の外観は、照明光の色を変更することによって、具体的には、低減された照明を使用することによって制御することができる。しかし、単に照明スペクトルの範囲を小さくすると、手術シーンが不自然に見え、他の組織を区別することが困難又は不可能になる可能性がある。したがって、様々な実施形態によるシステム及び方法は、広スペクトル照明と、広スペクトル照明に対して減衰した部分を有する照明とを混合し、低減されたスペクトル照明から減衰した可視スペクトルの部分における光の寄与が低減されるが除去されない光で目標を照明するものである。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、手術用ライトは、白色光などの広いスペクトルを有する光を発するための第1の光源を含む。手術用ライトは、第1の光源からの光に対してスペクトルの低減した部分を有する光を発するための第2の光源を含む。例えば、第2の光源は、赤色、又はオレンジ、黄色、緑、青、藍、又は紫のうちの1つ又はそれ以上の色を減衰させてもよい。いくつかの実施形態によれば、これらの色のうちの1つ又は複数が、第2の光源の光から完全に省略される。本明細書で使用されるように、用語「減衰」は、完全に省略することを包含し、したがって、減衰されるスペクトルの一部は、完全に省略されるスペクトルの一部を含むことができる。第1及び第2の光源は、目標が広いスペクトルにわたる光によって照明されるが、スペクトルの減衰部分の寄与が広いスペクトルを有する光と比較して低減されるように、同時に作動させることができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、スペクトルの減衰部分の寄与を低減することによる1つ以上の利点を提供しながら、組織の自然な外観の少なくともいくつかの態様を維持することができる。
【0098】
例えば、いくつかの実施形態では、第1の光源は白色光を発し、第2の光源は可視スペクトルの赤色部分の少なくとも一部を欠いた光を発する。これは、白色光エミッタによって発せられた光から赤をフィルタリングすることによって行うことができ、又は可視スペクトルの赤の部分の少なくとも一部を生成しない1つ以上のエミッタを使用することによって行うことができる。第1及び第2の光源は、目標が第1及び第2の光源からの光の組み合わせによって照らされるように、同時に作動される。低減された赤の寄与は、目標からの赤の量を低減し、これは、切開手術の場合、外科医の目によって知覚されるように、術野の赤の飽和の量を低減することによって、コントラストを増大し、グレアを低減し、又は疲労を低減することができる。他の実施形態では、可視スペクトルの異なる部分が第2の光源から減衰され、これは、例えば、目標組織の様々な特徴の外観を向上させることができる。
【0099】
様々な実施形態の以下の説明では、実施可能な特定の実施形態が例示的に示されている添付の図面を参照するものとする。他の実施形態及び例を実施することができ、本開示の範囲から逸脱することなく変更を行うことができることを理解されたい。
【0100】
さらに、以下の説明で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図されていることも理解されたい。また、本明細書で使用される「及び/又は(and/or)」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての可能な組み合わせを指し、包含することが理解される。さらに、本明細書で使用される場合、用語「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(comprises)」、及び/又は「含む(comprising)」は、述べられた特徴、数値、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又は単位の存在を規定するが、1以上の他の特徴、数値、ステップ、操作、要素、構成要素、単位、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが理解されよう。
【0101】
本開示のある態様は、アルゴリズムの形態で本明細書に記載されたプロセスステップおよび命令を含む。本開示のプロセスステップおよび命令は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで具現化され得、ソフトウェアで具現化される場合、様々なオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォーム上に常駐し、そこから操作されるようにダウンロードされ得ることに留意されたい。以下の議論から明らかなように特に別段の記載がない限り、本明細書を通じて、「処理(processing)」、「計算(computing)」、「計算(calculating)」、「決定(determining)」、「表示(displaying)」、「生成(generating)」などの用語を利用する議論は、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタまたは他のかかる情報記憶、送信または表示デバイス内で物理的(電子)量として表されるデータを操作および変換するコンピュータシステムまたは同様の電子計算デバイスの動作およびプロセスを指すことが理解されよう。
【0102】
いくつかの実施形態における本開示はまた、本明細書における操作を実行するための装置に関するものである。この装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよいし、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータで構成されてもよい。このようなコンピュータプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、例えば、フロッピーディスク、USBフラッシュドライブ、外部ハードドライブ、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、特定用途向け集積回路(ASIC)、または電子命令の格納に適した任意のタイプの媒体に格納されてよく、それぞれがコンピュータシステムバスに結合されても良いが、これだけに限られない。さらに、本明細書で言及されるコンピュータは、単一のプロセッサを含んでもよいし、計算能力を高めるために複数のプロセッサ設計を採用したアーキテクチャであってもよい。
【0103】
本明細書に記載された方法、装置、およびシステムは、特定のコンピュータまたは他の装置と本質的に関連するものではない。様々な汎用システムも、本明細書の教示に従ったプログラムと共に使用することができ、または、必要な方法ステップを実行するためにより特殊な装置を構築することが便利であることが判明することもある。これらのシステムの様々な必要な構造は、以下の説明から現れるであろう。さらに、本発明は、任意の特定のプログラミング言語を参照して説明されない。本明細書に記載される本発明の教示を実施するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解されよう。
【0104】
図1は、いくつかの実施形態による手術用照明システム100の概略図を示している。手術用照明システム100は、第1のスペクトルを有する光と第2のスペクトルを有する光との混合で被験者106の目標組織104を照明するための手術用ライト102を含む。手術用ライト102は、第1の光源108及び第2の光源110を含む。第1の光源108は、光112で組織104を照明するために、第1のスペクトルを有する光112を発する。第1のスペクトルは、最低波長から最高波長までの範囲の光の波長を有する連続スペクトルであってもよいし、赤、緑、及び青のエミッタの組み合わせによって提供されるスペクトルなど、第1のスペクトルを有する光の最低波長から最高波長の間の少なくとも一部の波長が光に存在しない不連続スペクトルであってもよい。第2の光源110は、光114で組織104を照明するために、第2のスペクトルを有する光114を発する。第2の光源110からの光114は、可視スペクトルの一部の光を有さないか、又は可視スペクトルの一部の光は、第1の光源から発せられる光に対する可視スペクトルのその部分の相対的な寄与に関して減衰される。第1及び第2の光源108、110は、第1のスペクトル光112及び第2のスペクトル光114が、目標において又は目標に到達する前に結合して、第1のスペクトル光112及び第2のスペクトル光114の混合で組織104を照明できるように同時に作動させることができる。したがって、組織は、第2の光源110によって発せられた光114から欠けた可視スペクトルの部分の光の相対的な寄与が、白色光に対する可視光のその部分の相対的な寄与に関して減少する、広いスペクトルにわたる光で照らされ得る。いくつかの実施形態では、第2の光源110の光114から欠ける可視スペクトルの部分の光の相対的な量を低減するが排除せず、それによって組織から反射されるその光の量を低減するが排除せず、組織の特徴間のコントラストの改善、疲労の軽減、及び/又はグレアの軽減などの利益をユーザに提供しながら組織の通常の外観を維持することが可能である。
【0105】
いくつかの実施形態では、第1のスペクトルは、第2のスペクトルよりも広い。例えば、第1のスペクトルは、可視スペクトルであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のスペクトルは、第2のスペクトルよりも狭いが、第2のスペクトルに欠けている可視スペクトルの部分を含む。例えば、第2のスペクトルは、赤または青などの所定の色を欠いていてもよく、第1のスペクトルは、第2のスペクトルから欠けている赤または青などのその色だけを含んでいてもよい。様々な実施形態によれば、第1及び/又は第2のスペクトルは、紫外線及び/又は赤外光などの非可視光波長を含む。
【0106】
手術用照明システム100は、第1及び第2の光源108、110を制御するためのコントローラ122を含む。コントローラ122は、図示のように手術用ライト102の構成要素とすることができ、又は手術用ライト102に動作可能に結合されることができる。コントローラ122は、第1及び第2の光源108、110が、第1及び第2のスペクトル光を組織に提供するために、それぞれの光112、114を同時に発するように、第1及び第2の光源108、110を制御する。いくつかの実施形態において、コントローラ122は、異なる動作モードに従って第1及び第2の光源108、110を制御することができる。例えば、第1のモードでは、両方の光源が作動されて第1及び第2のスペクトル光を組織に提供し、第2のモードでは、第2の光源110が非作動化されて組織が第1のスペクトル光のみで照明されるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、組織が第2のスペクトル光だけで照明されるように、第1の光源108が非作動化され、第2の光源110が作動される第3のモードが含まれ得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、手術用ライト102は、第1及び第2の光源108、110を収容するハウジング124を含む。いくつかの実施形態において、コントローラ122は、ハウジング124内に収容される。ハウジング124は、手術室における手術台148の上方など、対象106の上方に手術用ライト102を吊り下げることができるように、吊り下げアームアセンブリ126に取り付けられてもよい。吊り下げアームアセンブリ126は、天井又は他の適切な支持体に取り付けることができる。
【0108】
第1の光源108は、個別に又は集合的に光112の第1のスペクトルにわたる光を発生する1つ以上の第1の光エミッタ116を含む。1つ又は複数の光学素子130が、1つ又は複数の光エミッタ116の前に設けられ、光を集束、コリメート、収集、均質化、及び/又は方向付けることなどにより、対象の組織に光を供給するために1つ又は複数の光エミッタによって発せられた光を操作することができる。1つ又は複数の光学素子130は、例えば、1つ又は複数のレンズ、ミラー、コリメータ、及びフィルタを含むことができる。
【0109】
第2の光源110は、少なくとも狭スペクトル光114の狭スペクトル範囲にわたる光を生成するための1つ又は複数の第2の光エミッタ118を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の光エミッタ118は、狭スペクトル光114の狭スペクトル範囲のみにわたって光を生成するように構成される。言い換えれば、これらの実施形態では、1つ以上の第2の光エミッタ118は、第2の光源110によって発せられた光114から減衰したスペクトルの部分において光を発しない。他の実施形態では、1つ以上のフィルタ120は、第2の光源110によって発せられた光114から減衰されたスペクトルの部分(全体又は少なくとも一部)をフィルタリングするために提供される。これらの実施形態では、1つ以上の第2の光エミッタによって発せられた光は、第2の光源110によって発せられた光114から減衰したスペクトルの部分の光を含み、1つ以上のフィルタ120は、スペクトルのフィルタされた部分が第2の光源110によって提供された光114から減衰するようにこの光をフィルタリングする。いくつかの実施形態では、第2の光源110は、被験者の組織に提供するための1つ又は複数の第2の光エミッタ118からの光を操作するための1つ又は複数の光学素子128を含む。以下でさらに議論するように、1つ又は複数のフィルタ120は、1つ又は複数の第2の光エミッタ118と1つ又は複数の光学素子128との間、1つ又は複数の光学素子128の下流、及び/又は1つ又は複数の光学素子128の1つ又は複数の表面上に直接など、1つ又は複数の第2の光エミッタ118からの光路に沿って任意の適した場所に配置することが可能である。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1の光源は、第2の光源よりも狭いスペクトル範囲にわたって光を発する。第2の光源のスペクトル範囲は、可視スペクトルの一部を欠いていてもよく、第1の光源は、第2の光源の光に欠けている可視スペクトルの部分において光を発してもよい。例えば、第1の光源は赤色のみの光を発し、第2の光源は可視スペクトルの赤色部分の少なくとも一部を欠く光を発し得る。いくつかの実施形態では、第2の光源のスペクトル範囲は、第1の光源によって提供される可視スペクトルの部分を除く可視スペクトルの全てを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の光源は、第2の光源からの光に欠けている可視スペクトルの部分のみを発生させるエミッタを含む。他の実施形態では、第1の光源は、第2の光源のスペクトルの一部で光を生成するエミッタを含み、第2の光源のスペクトルの一部で光をフィルタリングするためのフィルタも含む。例えば、第1の光源は、白色光エミッタと、第1の光源によって提供される可視スペクトルの部分(例えば、赤、青、又は緑のうちの1つ)以外をフィルタリングするためのフィルタとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の光源は、第1の光源によって提供される可視スペクトルの部分をフィルタリングするためのフィルタを含む。例えば、第2の光源は、白色光エミッタと、第1の光源によって提供される可視スペクトルの部分(例えば、赤、青、又は緑のうちの1つ)をフィルタリングするためのフィルタとを含んでもよい。他の実施形態では、第2の光源は、第1の光源によって提供される可視スペクトルの部分を生成しない1つ又は複数の狭帯域のエミッタを含む。例えば、第2の光源は、1つ又は複数の緑色及び青色エミッタを含んでもよく、第1の光源は、1つ又は複数の赤色エミッタを含んでもよい。
【0112】
様々な実施形態による第1及び第2の光源の1つ以上の光エミッタは、白熱灯(ハロゲンランプ又はタングステンフィラメント)、放電ランプ、固体、レーザー、又は蛍光灯の光エミッタなど、任意のタイプの光エミッタを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の光源のエミッタは、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、又はポリマー発光ダイオード(PLED)などの1つ又は複数のタイプの固体光エミッタを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の光源の光エミッタは、赤色、緑色、及び青色LEDなどの狭スペクトル光エミッタである。いくつかの実施形態では、第1及び第2の光源の光エミッタは、白色光LEDなどの広帯域スペクトル光エミッタを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の光源は、同じタイプ又は種類のエミッタを有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の光源は、蛍光体を含むことができる。例えば、第1の光源は、第2の光源と同じタイプ又は種類のエミッタを使用することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の光源は、両方とも、少なくとも1種類の白色光LEDを使用する。
【0113】
様々な実施形態による第1及び第2の光源はそれぞれ、目標に適切な照明パターンを提供するために手術用ライトに配置される複数の光生成ユニットを含むことができる。
図2は、システム100の手術用ライト102として使用することができる例示的な手術用ライト200を例示している。手術用ライト200は、対象の組織を照明するための光を発生させる複数の光生成ユニット202を含む。
【0114】
手術用ライト200は、部屋(例えば、手術室)内に配置され、部屋の特定の領域に増加した光を提供するように構成される。手術用ライト200は、手術室内に配置することができるが、手術用ライト200は、処置室、救急室、患者室など、目標とする増加した光が望まれる任意の領域に配置することもできる。手術用ライト200は、ライトアセンブリ252と、ライトアセンブリ252を手術室内の静的又は可動な構造体に接続するためのアーム254とを含む。例えば、アーム254は、手術室の壁又は天井に接続されたサスペンションシステム126に直接接続することができ、手術室の壁又は天井に直接接続された更なるアームアセンブリ(図示せず)又はサスペンションシステムに接続することができ、又は手術室内に位置する可動アセンブリに直接又は間接的に接続することができる。
【0115】
図示された例では、手術用ライト200のアーム254は、ライトアセンブリ252からの光を手術室内の特定の領域に向けるために回転させることができる(サスペンションシステムは、ライトアセンブリ252を手術室内に選択的に配置することができるようにする)。手術用ライト200は、手術用ライト200の位置決めを移動させるためのハンドルアセンブリ276を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ276は、ユーザが、手術用ライト200によって提供される光の1つ以上の態様を変更すること、例えば、オン、オフ、光の強度の増加および減少、第1および第2の光源の相対強度の増加および/または減少、ならびに/または1つ以上の第1/第2の光源の混合プリセットに従った手術用ライトのモードの変更、を可能にする。いくつかの実施形態では、これらの制御のいずれかが、1つ以上の機械的ボタン又はダイヤル、タッチパネル(例えば、装置上又は壁又は他の装置上などの遠隔に位置する)、音声制御、遠隔制御(例えば、RF、IR)、及び/又はジェスチャー制御を介して提供可能である。
【0116】
光生成ユニット202は、組織に広スペクトル光を提供するための第1の光源208を一緒に形成する一組の第1の光生成ユニット202aと、組織に狭スペクトル光を提供するための第2の光源210を一緒に形成する一組の第2の光生成ユニット202bを含む。
【0117】
図示の実施形態では、一組の第1の光生成ユニット202aは、複数の第1の光源アレイ204に配置され、一組の第2の光生成ユニット202bは、複数の第2の光源アレイ206に配置されている。図示の実施形態では、第1の光源アレイ204と第2の光源アレイ206の数は同数である。しかしながら、他の実施形態は、第2の光源アレイよりも多くの第1の光源アレイを含むことができ、又は第1の光源アレイよりも多くの第2の光源アレイを含むことができる。第1及び第2の光生成ユニット202a、202bは、任意の適切な方法で配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、光生成ユニット202a、202bは、互いの間に散在しており、これは、均等に分散されていることを含み得る。例えば、
図2に示される実施形態では、光生成ユニット202aは、光生成ユニットの各リング内で光生成ユニット202bと交互に配置され得る。
【0118】
光生成ユニット202aは、第1の光源208が作動されると、光生成ユニット202aの各々が発光するように一緒に駆動させることができる。同様に、光生成ユニット202bは、第2の光源210が作動されると、光生成ユニット202bの各々が発光するように、一緒に駆動させることができる。第1の光生成ユニット202aは、同じ広スペクトル光を生成するように構成されてもよく、組織において広スペクトル光の均一なスポットを提供するように配置されてもよい。第2の光生成ユニット202bは、広スペクトル光のスペクトルの一部を省略した同じ狭スペクトル光を生成するように構成されてもよく、組織において狭スペクトル光の均一なスポットを提供するように配置されてもよい。第1及び第2の光生成ユニット202a、202bは、両方が作動されたとき、混合光の均一なスポットが組織において提供されるように、互いに対して配置され得る。第1及び第2の光生成ユニット202a、202bの任意の適切な数及び組み合わせが提供され得る。いくつかの実施形態では、より多くの第1の光生成ユニット202aが、第2の光生成ユニット202bよりも多く提供される。他の実施形態では、より多くの第2の光生成ユニット202bが第1の光生成ユニット202aより多く提供される。他の実施形態では、同数の第1及び第2の光生成ユニット202a、202bが提供されてもよい。
【0119】
以下でさらに説明するように、いくつかの実施形態では、第2の光生成ユニット202bはそれぞれ、第2の光源210によって発せられた光から減衰する光の部分をフィルタリングするための1つ以上のフィルタを含んでいる。いくつかの実施形態において、複数のフィルタ214を含むプレート212は、光の部分をフィルタリングするために、各第2の光源アレイ206の上など、第2の光生成ユニット202bの上に配置され得る。
【0120】
図3は、手術用ライト102の第1の光源108及び/又は第2の光源110、又は手術用ライト200の光生成ユニット202のためのような、手術用ライトに使用され得る、いくつかの実施形態による光生成ユニット300の構成を示す。光生成ユニット300は、光を生成するための少なくとも1つの固体光エミッタ302を含む。少なくとも1つのエミッタ302は、少なくとも1つのエミッタ302を駆動するための回路の少なくとも一部を含む基板304上に搭載される。いくつかの実施形態では、マイクロレンズアレイ又は他のタイプの光学インテグレータなどの第1の光学素子306は、少なくとも1つのエミッタ302によって発せられた光を統合する(例えば、均質化する)ために少なくとも1つのエミッタ302上に位置決めされる。
【0121】
第2の光学素子308は、第1の光学素子306からの光を方向付けるために、第1の光学素子306の上に配置されてもよく、このことは、第1の光学素子306からの光をコリメート及び/又は集束することを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の光学素子308は、全内部反射(TIR)素子である。
【0122】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのエミッタ302は、広スペクトル光を生成する。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ302は、複数のエミッタ302からの集合光が一緒になって広スペクトル光を提供するように、異なる帯域で光を生成する各エミッタで提供される。他の実施形態では、各エミッタ302は、広スペクトル光を生成する。いくつかの実施形態では、同じ広スペクトル光を生成する複数のエミッタが提供される。いくつかの実施形態では、異なる広スペクトル光を生成する複数のエミッタが提供される。例えば、エミッタ302は、第1の色温度を有する白色光を生成してもよく、第2のエミッタ302aは、第1の色温度と異なる第2の色温度を有する白色光を生成してもよい。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、光生成ユニット300は、組織に広範なスペクトル光を提供するために、第1の光源208などの第1の光源で使用するように構成することができる。例えば、少なくとも1つのエミッタ302は、1つ又は複数の白色光エミッタのような1つ又は複数の広スペクトルエミッタを含むことができる。他の実施形態では、少なくとも1つのエミッタ302は、広スペクトル光を提供するために結合する複数の狭スペクトルエミッタであり得る。例えば、少なくとも1つのエミッタ302は、赤色、緑色、及び青色LEDを含むことができる。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、光生成ユニット300は、広スペクトルの一部が減衰されたより狭いスペクトル光を提供するために、第2の光源210などの第2の光源で使用するように構成することができる。いくつかの実施形態では、光生成ユニット300は、減衰されるべきスペクトルの部分を含まない低減されたスペクトルで光を発する1つ以上のエミッタ302を含むことによって、第2の光源で使用するために構成される。例えば、スペクトルの赤色部分が第2の光源によって発せられる光から完全に省略される実施形態では、1つ以上のエミッタ302は、青色及び緑色LEDを含むことができるが、赤色LEDを含まない。
【0125】
いくつかの実施形態では、光生成ユニット300は、1つ又は複数のエミッタ302の下流の光路に1つ又は複数のフィルタを含むことによって、低減したスペクトル光を提供するように構成することができる。
図4A及び
図4Bは、狭帯域光を生成するように光生成ユニットを構成するために光生成ユニット300上にフィルタを位置付けるための様々な位置を示している。フィルタ402は、第1の光学素子306の内面及び/又は外面をコーティングすることなどにより、第1の光学素子306上に設けることができる。フィルタ404は、第2の光学素子308の外面312の上に配置される第3光学素子上に設けることができる。第3の光学素子は、例えば、レンズ又はガラス被覆とすることができる。フィルタ408は、外面312上に直接設けることができる。フィルタ406は、第2の光学素子308の内面314(第1の光学素子306に面する面)に設けられることができる。フィルタ410は、第2の光学素子308の円錐形の外面に設けることができる。様々な実施形態は、これらのフィルタのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0126】
図5は、より広いスペクトル光とより狭いスペクトル光の両方を生成し、手術用ライト102及び手術用ライト200を含む、本明細書に記載のシステムのいずれかの様々な実施形態で使用することができる光生成ユニットの実施形態を示す図である。光生成ユニット500は、フィルタ502が第1のエミッタ504の上に配置される一方で、第2のエミッタ506の上にはフィルタが設けられないことを除いて、光生成ユニット300と同様に構成される。第1及び第2のエミッタ504,506は、広スペクトル光を生成するように構成され得る。フィルタ502は、第2の光源の光から減衰される広スペクトルの部分をフィルタリングする。第1の光学素子508は、光生成ユニット500によって発せられる光が広帯域スペクトル光と狭帯域スペクトル光との混合となるように、2つのエミッタからの光を統合する(例えば、均質化する)。本実施形態では、第1の光源は、複数の光生成ユニット500からの第1のエミッタ504を含むことができ、第2の光源は、複数の光生成ユニット500からの第2のエミッタ506を含むことができる。第1のエミッタのグループは、複数の光生成ユニット500から広帯域スペクトル光を提供することができ、複数の光生成ユニット500から狭帯域スペクトル光を提供することができ、及び/又は複数の光生成ユニットから広帯域スペクトル光及び狭帯域スペクトル光の混合を提供することができるように、グループとして作動することができ、第2のエミッタの集合体は、複数の光生成ユニット500から広帯域スペクトル光を提供することができるようにグループとして作動することができる。
【0127】
図6は、いくつかの実施形態による、光生成ユニット600を示す図である。光生成ユニット600は、広いスペクトル光を生成する1つ又は複数のLEDなどの複数の光エミッタを含むことができる光エミッタアセンブリ602を含む。光エミッタアセンブリ602は、ほぼ放物面ミラー604の中心に配置され、光エミッタからの光をビームに向ける。光生成ユニット600は、光路に1つ以上のフィルタを含むことによって、より狭帯域の光を発するように構成することができる。例えば、ミラー604は、減衰されるべき広帯域スペクトルの部分をフィルタリングするためのフィルタ材料で被覆され得る。他の実施形態では、フィルタは、光エミッタアセンブリ602のエミッタとミラー604との間に配置することができる。
【0128】
図7は、いくつかの実施形態による、光生成ユニット700を示す図である。光生成ユニット700は、中央反射器704に向かって光を発する光エミッタ702を含む。中央反射器704は、光エミッタ702からの光を放物面反射器706に向けて反射し、光を光生成ユニット700から外部に向ける。光生成ユニット700は、広スペクトルエミッタ702を含み、光路に1つ以上のフィルタ708を設けることによって、より狭いスペクトル光を生成するように構成され得る。1つ以上のフィルタ708は、エミッタ702と中央反射器704との間、中央反射器704に直接、又は放物面反射器706に直接、配置することができる。光生成ユニット700は、広スペクトルエミッタを含み、1つ以上のフィルタ708を省略することによって、広スペクトル光を発するように構成することができる。上述したように、手術用ライトは、狭スペクトル照明を提供するためのフィルタ708を備えて構成された少なくとも1つの光生成ユニット700と、広スペクトル照明を提供するためのフィルタ708を備えずに構成された少なくとも1つの光生成ユニット700とを含むことによって、組み合わせた広帯域及び狭帯域照明を提供するために構成され得る。広帯域光生成ユニットと狭帯域光生成ユニットの相対的な数及び/又はそれらが駆動されるそれぞれの方法は、狭帯域照明と広帯域照明の所望の組み合わせに合わせることが可能である。
【0129】
図8は、複数の光生成ユニット802が壁806に沿って配置され、光生成ユニット802からの光を手術用ライト800の中心から外側に反射する中心ミラーユニット804に向かって光を発するように内側に向けられる手術用ライト800を示す。各光生成ユニット802は、1つ以上の光エミッタ808と、1つ以上の光エミッタ808からの光を操作するための1つ以上の光学素子810(複数の異なるタイプの光学素子を含むことができる)とを含むことができる。光生成ユニット802の一部は、光路の長い1つ又は複数の位置に1つ又は複数のフィルタ812を含むことによって、狭帯域光を発するように構成され得る。例えば、フィルタは、エミッタ808と光学素子810との間、2つの光学素子810の間、又は光学素子810の下流に配置され得る。
【0130】
上述したように、手術用ライトは、第1のスペクトルを有する光を発する第1の光源と、可視スペクトルの一部の光が低減されるか又は完全に欠落した第2のスペクトルを有する光を発する第2の光源とを含むことができる。第2の光源は、所望のスペクトル範囲を有する光を発するために、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の光源からの光は、赤色スペクトルの少なくとも一部において光を欠くことができる。他の実施形態では、スペクトルの青色部分又は緑色部分が、第2の光源からの光から欠落することができる。いくつかの実施形態では、可視スペクトルの複数の異なる部分が、第2の光源からの光から減少又は省略され得る。これらは単なる例であり、当業者であれば、適切なフィルタ及び/又は光エミッタの使用を介して任意のスペクトルの光を提供するように第2の光源を構成することができることを理解するであろう。
【0131】
様々な実施形態によれば、1つ以上のフィルタが、狭帯域の光をフィルタリングするために第2の光源に含まれる。1つ又は複数のフィルタは、吸収フィルタ及び/又は干渉/ダイクロイックフィルタを含むことができる。1つ又は複数のフィルタは、レンズ又はミラーの1つ又は複数の表面をダイクロイックフィルタコーティング又は吸収色素コーティングでコーティングすることによるように、1つ又は複数の光学系に直接配置することができる。
【0132】
いくつかの実施形態によれば、第2の光源の1つ又は複数のフィルタは、可視スペクトルの比較的狭い部分の光をフィルタリングすることができる。例えば、第2の光源によって提供される光が赤色光の少なくとも一部を欠くように、赤色光の少なくとも一部をフィルタリングするために1つ又は複数のフィルタを設けることができる。第2の光源は、第2の光源によって提供される光のスペクトルが可視光の他の色を含み、赤色光の少なくとも一部のみを欠くように、赤色光の少なくとも一部が白色光からフィルタリングされるように構成されることが可能である。
【0133】
様々な実施形態によれば、第2の光源は、オレンジ光、黄光、緑光、シアン光、青光、又は紫光、又はこれらの色の任意の組み合わせなど、可視スペクトルの他の部分を省略するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第2の光源は、赤、オレンジ、緑、シアン、青、又は紫のうちのいずれか1つの色など、単一の色を省略するように構成される。他の実施形態では、第2の光源は、赤色光の少なくとも一部及びオレンジ色光の少なくとも一部をフィルタリングすることなどにより、2つ以上の色を省略するように構成される。
【0134】
いくつかの実施形態では、第2の光源は、400~450nmの波長の少なくとも一部、450~490nmの波長の少なくとも一部、490~520nmの波長の少なくとも一部、520~560nmの波長の少なくとも一部、560~590nmの波長の少なくとも一部、590~635nmの波長の少なくとも一部、または635~700nmの波長の少なくとも一部を含む狭バンドを除く可視光スペクトル全体に光を提供するように構成される。
【0135】
いくつかの実施形態では、第1の光源は、白色光などの可視スペクトルにわたる光を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の光源は、可視スペクトルの一部のみにわたって光を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の光源は、第2の光源で欠けている可視スペクトルの部分のみにおいて光を提供するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、第2の光源は赤色光を欠いており、第1の光源は赤色光のみを発し、又は、第2の光源は青色光を欠いており、第1の光源は青色光のみを発する。
【0136】
いくつかの実施形態では、フィルタリングを介するなどして第2の光源の光から減衰される可視光スペクトルの部分は、第2の光源によって発せられる光に含まれる可視スペクトルの部分よりも少なくてもよい。様々な実施形態によれば、第2の光源の光から減衰される可視光スペクトルの部分は、可視光スペクトルの50%未満、可視光スペクトルの40%未満、可視光スペクトルの30%未満、可視光スペクトルの10%未満、又は可視光スペクトルの5%未満の範囲である。いくつかの実施形態によれば、第2の光源の光から減衰する可視光スペクトルの部分は、1つ以上のバンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、及び/又はノッチフィルタを用いてエミッタによって発せられる光からフィルタにかけることができる。
【0137】
様々な実施形態による手術用ライトは、広スペクトル光及び狭スペクトル光の任意の所望の組み合わせを提供するように構成及び制御される第1及び第2の光源を含むことができる。
図9は、様々な実施形態による、異なるモードで動作する手術用ライトによって目標に提供される光のスペクトルを示す図である。曲線902は、第1の光源のみが作動される第1のモードのスペクトルを示す。図示されているように、第1の光源からの光は、425nm未満から700nm超までの範囲の光の全ての波長を含む広スペクトル白色光である。曲線904は、第2の光源のみが作動される第2のモードのスペクトルを示している。第2の光源は、可視スペクトルの赤色部分を含む約600nm以上の波長を有する光を省略した、より狭いスペクトルで光を発する。このように、第2の光源が発する光のスペクトルは、第1の光源のスペクトルに比べて狭い。第2の光源が発する光は、425nm以下から約600nmまでの連続した範囲の波長を含む。
【0138】
図示の実施形態では、第2の光源は、フィルタ閾値以上の波長を有する光をフィルタリングする1つ以上のフィルタを含み、図示の実施形態では約600nmである。第2の光源の1つ又は複数のエミッタは、第1の光源の1つ又は複数のエミッタと同じ(すなわち、同じタイプのエミッタ)であり、したがって、約600nmのフィルタリング閾値未満である第2の光源が提供する光のスペクトルは、約600nm未満の曲線904の形状を曲線902と比較して分かるように、第1の光源が提供するスペクトルと実質的に同じである。例えば、両方のスペクトルは、約450nmのピークと約480nmのディップを含む。
【0139】
図示された実施形態では、第2の光源は、第2のモードで提供される目標における照度が、第1のモードで提供される目標における照度と同じになるように構成及び/又は制御される。したがって、フィルタ閾値の下のスペクトルの部分における光の強度は、閾値の省略された部分における光の不足を補うために、第1の光源モードの対応する部分よりも大きくなっている。凡例に示すように、第1の光源モードと第2の光源モードとの両方の照度は、約90kluxである。
【0140】
曲線906、908、及び910は、3つの異なる動作モードによる、第1及び第2の光源の発光の3つの異なる組み合わせから生じる発光スペクトルを示している。例えば、曲線906は、目標における光の50%が第1の光源(広帯域光源)によって提供され、残りの50%が第2の光源(狭帯域光源)によって提供される、第3のモードに対応する。第2の光源は約600nmのフィルタ閾値以上の光を提供しないので、600nm以上の光は第1の光源によってのみ提供され、したがって、第1の光源モードの約半分の強度となる(曲線902を参照)。図示された実施形態では、第1及び第2の光源は、第1及び第2のモードと実質的に同じ照度(約90klux)を提供するように制御される。したがって、フィルタ閾値以下のスペクトルの部分における光の強度は、第1のモードの対応する部分よりも大きいが、第2のモードの対応する部分よりも小さい。
【0141】
曲線908は、光の10%が第1の光源によって提供され、残りの90%が第2の光源によって提供される第4のモードに対する発光スペクトルを示す。曲線910は、光の25%が第1の光源によって提供され、残りの75%が第2の光源によって提供される第5のモードのための発光スペクトルを示す。第4モード及び第5モードのいずれにおいても、目標における照度が第1のモードと同じ約90kluxとなるように、第1の光源及び第2の光源が制御される。
【0142】
図10は、
図9に関して上述した5つのモードによる光で照明された被検体の組織の画像を提供する。画像1002は、
図9の曲線902によって表される第1のモードに従って、第1の光源のみによって照明された組織を示す。対象組織内に存在する血液の量に起因して、画像は、組織の異なる部分間のコントラストがほとんどない相当量の赤色を含む。
【0143】
画像1004は、
図9の曲線904によって表される第2のモードにおいて、第2の光源だけで照明された組織を示す。第2の光源は赤色光をフィルタリングするので、画像1004は、組織によって反射される照明光に赤色がないため、実質的に赤色を有さない。第1のモードの画像1002と比較して、第2のモードの画像1010は、組織の異なる部分間のコントラストが改善されている。
【0144】
画像1006は、モード3の50%白色光で照明された組織を示す。画像1008は、モード4の25%の白色光で照明された組織を示し、画像1010は、モード5の10%の白色光で照明された組織を示している。画像を左から右に比較すると、赤色光の相対的な寄与が減少するにつれて、コントラストは概して増加するが、組織の外観がより不自然になることが分かる。白色光と赤色光の相対的な量を調整することで、術者の好みに応じたコントラストと自然な外観のバランスを得ることができる。
【0145】
図11は、CIE013.3”Method of measuring and specifying color rendering properties of light sources ”による演色評価数(CRI)と、
図9の5つの光モードに対する15色のテストカラーと平均CRI(Ra)のグラフである。第1の光源(白色光源)に対するCRIは、線1102によって提供される。第1の光源のR9(赤)CRIは、90を超える高い値である。第2の光源(赤色省略光源)についてのR9_CRIは、もちろん、線1104によって示されるように、非常に低い。線1106、1108、1110で示すように、3つの混合モードに対するR9_CRIも、白色光に対する赤色の寄与が低いため、非常に低くなっている。
【0146】
図12は、いくつかの実施形態による、可視スペクトルの一部の寄与が低減された光で目標を照らすための方法1200のブロック図である。方法1200は、
図1の手術用ライト102などの手術用ライトによって実行することができる。ステップ1202では、目標において低減される可視スペクトルの部分を含む第1のスペクトルを有する光が、第1の光源によって発される。第1の光源は、手術用ライト102の第1の光源108のような、手術用ライトの構成要素であってもよい。第1のスペクトルは、目標での寄与が白色光と比較して低減される可視スペクトルの部分を含むことができる。第1のスペクトルは、可視スペクトルの実質的にすべてを包含してもよいし、可視スペクトルの一部分のみを包含してもよい。また、第1のスペクトルは、第1のスペクトル範囲の上側および下側のしきい値内のすべての波長の光が発される連続的なスペクトル範囲であってもよいし、可視スペクトルの離散的な部分を含む不連続的なスペクトルであってもよい。第1の光源によって発される光は、固体白色光エミッタなどの白色光源によって生成されてもよく、赤、緑、および青の光エミッタなど、一緒になって白色光を実質的にシミュレートする狭帯域の光エミッタの組み合わせによって生成されてもよく、または、例えば、ちょうど赤色光、ちょうど青色光、ちょうど緑色光、これらのいずれかのちょうど一部などを含む、白色光よりも狭いスペクトル範囲を生成する1つ以上の狭帯域の光エミッタによって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のスペクトルは、可視スペクトルの赤、緑、および青の部分を包含する。
【0147】
ステップ1204において、可視スペクトルの部分を含まない白色光に比べて減少した第2のスペクトルを有する光が、第1の光源の光と同時に第2の光源から発される。第2の光源は、手術用ライト102の第2の光源110のように、第1の光源を含む手術用ライトの構成要素とすることができる。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルを有する光は、可視スペクトルの部分の光をフィルタリングすることによって発される。他の実施形態では、第2のスペクトルを有する光は、一緒になって可視スペクトルの部分の光を生成しない1つ以上のエミッタから光を生成することによって発される。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルは、第1のスペクトルよりも狭い。例えば、第1のスペクトルは、可視スペクトルを包含し、第2のスペクトルは、目標において低減される可視スペクトルの部分よりも少ない可視スペクトルを包含してもよい。いくつかの実施形態では、第2のスペクトルは、第1のスペクトルよりも広い。例えば、第2のスペクトルは、目標で低減されている可視スペクトルの部分を除いた可視スペクトルを包含し、第1のスペクトルは、目標で低減されている可視スペクトルの部分だけを包含してもよい。いくつかの実施形態では、目標で低減されている可視スペクトルの部分は、1つの特定の色の光(例えば、赤色光、緑色光、青色光など)であり、第1のスペクトルは、特定の色(例えば、赤色光、緑色光、または青色光)だけを包含し、第2のスペクトルは、特定の色以外の可視スペクトルの部分(例えば、緑色と青色の光、赤色と緑色の光、または赤色と青色の光)を包含している。
【0148】
ステップ1206では、被験者の目標組織などの目標が、白色光と比較して第2の光源の光から省略され、第1の光源の光に含まれる可視スペクトルの部分の光の寄与が低減された光で目標が照らされるように、第1および第2の光源からの光で照らされる。このように、第1の光源からの光と第2の光源からの光の組み合わせが目標を照らす。いくつかの実施形態では、第1の光源のみ、または第1の光源と第2の光源の組み合わせは、広いスペクトルにわたる光(例えば、白色光)で目標を照らすので、目標は、広いスペクトルにわたる光で照らされることになる。しかし、目標を照らす光には、目標で削減される可視スペクトルの部分の寄与が欠けているまたは削減されている第2の光源からの光が含まれているため、目標を照らす光に対する第2の光源が発する光から省略された可視スペクトルの部分の寄与は、白色光に比べて低減することができる。様々な実施形態によれば、第1の光源からの光および第2の光源からの光は、目標に到達する前に光が混合されるように、目標において、または手術用ライト自体において混合され得る。
【0149】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2の光源は、目標を照らす第1および第2のスペクトル光の混合を調整するように制御することができる。いくつかの実施形態によれば、第2の光源(可視スペクトルの一部を欠く光源)からの光の相対的な量を減らすことで、光によって照らされる対象組織の異なる部分の間のコントラストを高め、関心のある特徴の外観を向上させることができる。しかし、第2の光源によって発される光の相対的な量を減少させ、それによって可視スペクトルの省略された部分の光の量を減少させることは、組織の不自然な外観を増加させる可能性があり、これは一部のユーザにとって望ましくない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、手術用ライトは、ユーザが第1および第2の光源からの光の混合を選択することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、手術用ライトは、すべての第1のスペクトル光、すべての第2のスペクトル光、50%の第1のスペクトル光、25%の第1のスペクトル光、10%の第1のスペクトル光など、第1および第2の光源からの光のプリセットされた混合を含むことができる。
【0150】
いくつかの実施形態によれば、第1および第2の光源からの光の相対的な混合は、第2の光源の一方または両方に供給される電力を調整することによって調整される。いくつかの実施形態では、第1および第2の光源からの光の相対的な混合は、目標における光の総量を維持しながら調整される。例えば、目標における光の50%が第1および第2の光源のそれぞれによって提供される50-50モードから、100%の第1の光源モードに移行する際に、第1の光源に供給される電力を2倍にしてもよい。いくつかの実施形態では、目標での光の総量を維持するために第1および/または第2の光源によって提供される光の量は、1つまたは複数の光エミッタをオン/オフすることによって調整されてもよい。例えば、第1または第2の光源からの光を2倍にするためには、活性化される第1または第2の光源のエミッタの数を2倍にしてもよい。
【0151】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ハウジング上のスイッチや、ライトを再配置するために使用されるハンドル上のスイッチなど、手術用ライト上のユーザインターフェースを介して、第1および第2のスペクトル光の混合を選択することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、手術用ライトに動作可能に接続された1つまたは複数のコントローラ上のインターフェースを使用して、光の組み合わせを選択することができる。例えば、ユーザは、光の組み合わせを変更するために、(例えば、有線または無線接続を介して)手術用ライトにコマンドを提供するコントローラに接続されたリモートコントロールまたはマイクロフォンに入力を提供することができる。
【0152】
図13は、様々な実施形態による、調整可能な照明スペクトル、調整可能な明るさ、および調整可能なスポットサイズのために構成されている手術用ライト1300を示す。様々な実施形態によれば、手術用ライト1300は、システム100の手術用ライト102に使用することができる。以下でさらに説明するように、手術用ライト1300は、対象者の組織を照らすための調整可能なスペクトルの光を発することができる複数の光生成ユニット1302を含む。手術用ライト1300は、対象において異なるスポットサイズおよび/または形状を生成する複数の異なるセットの光生成ユニット1302を含むことができ、異なるセットの光生成ユニットの相対的な強度の調整を介して、対象におけるスポットサイズの調整を可能にする。様々な実施形態によれば、光生成ユニット1302は、
図1のシステム100に関して上述した原理に従って、目標において異なる光源からの光の調整可能な混合を提供するように制御することができる、少なくとも2つの異なる光源を含む。
【0153】
様々な実施形態によると、光生成ユニット1302の少なくとも一部は、異なるスペクトルの光を生成する複数の光エミッタを含み、目標における照明の所望のスペクトルおよび強度を達成するために、スペクトルの調整可能な混合を提供するように制御することができる。以下でさらに説明するように、異なるスペクトルを発する複数のエミッタを含む光生成ユニット1302は、光生成ユニット1302で異なるスペクトルを混合するための1つまたは複数の光学部品を含むことができる。目標においてではなく、手術用ライト1300内で異なる光スペクトルを混合することで、カラーリンギングなど、目標で異なる色が混合されるときに発生し得る望ましくない効果を回避することができる。
【0154】
手術用ライト1300は、調整可能なスペクトルおよび/または調整可能なスポットサイズを生成する光生成ユニットと、調整可能なスペクトルおよび/または調整可能なスポットサイズを生成しない1つまたは複数の光生成ユニットとを含む、光生成ユニットの任意の適切な配置を含むことができる。図示された実施形態では、4つの「マイクロスポット」光生成ユニット1350は、目標で小さな光スポットを生成するように構成されており、調整可能なカラーおよび/または調整可能なスポットサイズを含まなくてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、手術用ライト1300は、その上に取り付けられた光生成ユニットが、照明目標の推定位置(タスクプレーン)における単一のスポットに向けられることを可能にする湾曲シャーシ1330を含む。
【0156】
様々な実施形態によれば、手術用ライト1300は、目標において第1の照明パターンを生成するように構成および配置された第1のセットの光生成ユニット1302Aと、目標において第2の照明パターンを生成するように構成および配置された第2のセットの光生成ユニット1302Bとを含む。様々な実施形態によれば、光生成ユニット1302A,Bのセットの相対的な強度を変化させて、目標において異なる照明スポットパターンを生成することができる。
【0157】
図14は、いくつかの実施形態による、第1のセットの光生成ユニット1302Aによって生成された目標における照明パターン1402と、第2のセットの光生成ユニット1302Bによって生成された目標における照明パターン1404の例を示す。図示された実施形態では、第1のセットの光生成ユニット1302Aは、第2のセットの光生成ユニット1302Bよりも小さい円形の照明パターンを目標で生成するように構成されている。手術用ライト1300は、異なるスポットサイズを生成するために、2つのセットの光生成ユニットの相対的な強度を変化させるように制御することができる。
【0158】
図15A~Eは、様々な実施形態による、手術用ライト1300の2つのセットの光生成ユニット1302A,Bによって生成される光の相対的な強度を変化させることによって生成される異なる複数のスポットサイズを示す。
図15Aは、照明パターン1402を生成する光生成ユニット1302Aの第1のセットのみから光を提供することによって得られる目標での照明パターンを示す図である。
図15Eは、照明パターン1404を生成する第2のセットの光生成ユニット1302Bのみから光を提供することによって得られる目標での照明パターンを示す図である。
図15Bは、第1の光生成ユニット1302Aからの寄与率が75%、第2の光生成ユニット1302Bからの寄与率が25%であることによる目標での照明パターンを示す図である。
図15Dは、第2の光生成ユニット1302Bから75%の寄与を提供し、第1の光生成ユニット1302Aから25%の寄与を提供することによって得られる目標での照明パターンを示す図である。
図15Cは、第1および第2の光生成ユニットから等しい寄与を提供することによって得られる目標での照明パターンを示す。
【0159】
このように、様々な実施形態によれば、目標における照明パターンは、異なる光生成ユニット1302A,Bの相対的な強度を調整することによって調整することができる。また、照明パターン(スポットサイズ)の変更は、可動部を設けることなく実現できる。言い換えれば、所定の位置に固定されているが、異なる照明パターンを生成する光生成ユニットの相対的な強度を調整することによって、目標におけるスポットサイズを調整することができる。
【0160】
様々な実施形態によれば、光生成ユニット1302A,Bは、シャーシ1330に固定的に取り付けられるサブアセンブリ1304に配置され得る。いくつかの実施形態では、各サブアセンブリ1304は、少なくとも1つの第1の光生成ユニット1302Aと、少なくとも1つの第2の光生成ユニット1302Bとを含む。サブアセンブリ1304の一例は、
図16に示されている。
図16のサブアセンブリ1304は、1つの第1の光生成ユニット1302Aと、2つの第2の光生成ユニット1302Bとを含む。第2の光生成ユニット1302Bの照明パターンは、第1の光生成ユニット1302Aの照明パターンよりも大きくすることができるので、目標で同様の照度を提供するために、サブアセンブリ1304における第2の光生成ユニット1302Bの数を大きくすることができる。光生成ユニット1302A,Bの相対的な数は、単に例示的なものであり、他の実施形態は、第1および/または第2の光生成ユニット1302A,Bの任意の適切な数および組み合わせを含むことができる。
【0161】
光生成ユニット1304は、プリント回路基板1306と、プリント回路基板に取り付けられた複数の光エミッタ1308とを含み、少なくとも1つの光エミッタ1308は、光生成ユニットのそれぞれの位置に配置されている。各光生成ユニット1302A,Bに対して、任意の適切な数の光エミッタ1308を設けることができる。少なくとも1つの光エミッタ1308の上には、少なくとも1つの光エミッタ1308が発する光を操作するための少なくとも1つの光学部品が取り付けられている。図示の実施形態では、第1の光生成ユニット1302Aは、少なくとも1つの光エミッタ1308の上に配置される第1の光学部品1310と、第1の光学部品の上に配置される第2の光学部品1312とを含む。様々な実施形態によれば、第1の光学コンポーネント1310は、光エミッタ1308によって発された光を混合(均質化)するように構成されており、したがって、第1および第2の光生成ユニット1302A,Bの両方に対して同じであってもよい。いくつかの実施形態では、第2の光学部品1312は、目標において照明パターンを生成するように構成され、したがって、目標において異なる照明パターンを生成するために、第2の光学部品は、第2の光生成ユニット1302Bについて、第1の光生成ユニットとは異なっていてもよい。
【0162】
様々な実施形態によれば、光生成ユニット1302A,Bは、調整可能なスペクトルを有する光を生成するように構成されている。光生成ユニット1302A,Bはそれぞれ、異なる光のスペクトルを生成する複数の光エミッタ1308を含むことができる。光生成ユニットが発する光のスペクトル、および照度は、光生成ユニットの光エミッタ1308の相対的な強度を変化させることによって調整することができる。光生成ユニットの1つまたは複数の光学部品は、エミッタからの光が目標ではなく光生成ユニットで混合されるように、エミッタからの光を結合するように構成することができる。
【0163】
いくつかの実施形態による光生成ユニット1302A,Bの一例は、
図3の光生成ユニット300である。光生成ユニット1302A,Bのために構成された光生成ユニット300は、第1のスペクトルを有する光を発する少なくとも1つの第1の光エミッタ302と、第1の光とは異なる第2の光のスペクトルを有する少なくとも1つの第2の光エミッタ302aとを含む。いくつかの実施形態では、第1の光スペクトルは、第1の色温度を有する白色光であり、第2の光スペクトルは、第1の色温度とは異なる第2の色温度を有する白色光(例えば、温白色2800Kおよび冷白色6500K)である。光生成ユニット1302A,Bによって生成される光のスペクトルは、エミッタの相対的な強度を変化させることによって、第1の色温度から第2の色温度までの範囲で調整することができる。いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のエミッタは、単色の光などの狭帯域の光を生成する。任意の適切な数の第1および第2の光エミッタ302,302aを使用することができる。いくつかの実施形態では、光生成ユニットは、赤、緑、および青のエミッタのような、2つ以上の異なるスペクトルを生成するエミッタを含む。
【0164】
光生成ユニット1302A,Bのために構成された光生成ユニット300は、エミッタ308からの光を統合するように構成された第1の光学素子306を含むことができる。第1の光学素子306は、例えば、複数のコーラー(Kohler)チャネル(例えば、
図3の第1の光学素子306の各ファセットおよび
図16の第1の光学部品1310の各ファセット)を含むマイクロレンズアレイとすることができ、このマイクロレンズアレイは、各チャネルにおいて光源を撮像するように構成されており、その結果、目標において均質な色分布を実現することができる。
【0165】
第2の光学素子308は、第1の光学素子306からの光をコリメートおよび/またはフォーカスするように構成される。第2の光学素子308は、全内部反射(TIR)素子とすることができる。いくつかの実施形態によれば、第2の光学素子308は、目標に異なる照明スポットサイズを作成するために、第1および第2の光生成ユニット1302A,Bに対して異なっている。例えば、第1の光生成ユニット1302Aのための第2の光学素子308は、第2の光生成ユニット1302Bの第2の光学素子308よりも小さいスポットサイズを目標で生成するように構成することができる。
【0166】
様々な実施形態によれば、光生成ユニット1302A,Bは、上述した原理に従って、スペクトルの減少した光を生成するか、またはスペクトルの一部からの寄与率が低い光を生成するように構成することができる。例えば、光生成ユニット1302A,Bの1つまたは複数は、光エミッタによって生成されるスペクトルの一部をフィルタリングする、
図4Aおよび4Bに例示されるようなフィルタを含むことができる。いくつかの実施形態では、光生成ユニット1302A,Bの1つ以上は、第1のエミッタ302からの広スペクトルの光と、第2のエミッタ302aからのスペクトルの一部を省略した光とを混合し、その結果、
図5に示されるような、広スペクトルを有するが、スペクトルの省略された部分からの寄与が低減された光を生成するように構成することができる。
【0167】
図17は、様々な実施形態による、第1および第2の光生成ユニット1302A,Bのエミッタによって発される光を混合および方向付けするための代替的な光学配置を示す。エミッタ302,302aは、レンズの代わりに中央のコーラーチャネル1706と組み合わされたTIR部分1704を含む単一の光学素子1702によって覆われている。TIR部分1704の外面の一部1708は、より良い混合のために、ライトフィールド内の異なるエミッタ302,302aの画像をぼかすために、ファセット加工することができる。
【0168】
図18は、様々な実施形態による、第1および第2の光生成ユニット1302A,Bの光エミッタによって発された光を混合および方向付けするための別の代替的な光学配置を示す。
図18の光学配置は、エミッタ302,302aを覆う第1の光学素子1802と、第1の光学素子1802を覆う第2の光学素子1804とを含む。第1の光学素子1802は、マイクロレンズアレイの内向きレンズの機能を提供し、第2の光学素子1804の対応するレンズ1810に光源(エミッタ302,302a)を結像させる。第2の光学素子1804の第1のレンズは、第1の光学素子1802の対応するレンズのメインレベルを仮想的にソースに戻して結像する。中央主レンズ部分1806およびTIR部分1808は、ライトフィールド内の仮想ソースを撮像する。
【0169】
図19は、各光生成サブアセンブリが、手術用ライト1300の2つの異なる光生成ユニットとは対照的に、目標において3つの異なる照明パターンを生成するための3つの異なる光生成ユニットを含むことを除いて、
図13の手術用ライト1300に類似した手術用ライト1900を示す図である。手術用ライト1900は、目標において第1の照明パターンを生成するために構成された複数の第1の光生成ユニット1902と、目標において第2の照明パターンを生成するために構成された複数の第2の光生成ユニット1904と、目標において第3の照明パターンを生成するための複数の第3の光生成ユニット1906とを含む。目標における照明パターンは、第1、第2、および第3の光生成ユニットの相対的な強度を調整することによって変化させることができる。
【0170】
様々な実施形態によれば、3つの光生成ユニットは、複数のサブアセンブリ1908に配置することができる。サブアセンブリ1908の一例は、
図20に示されている。サブアセンブリ1908は、第1、第2、および第3の光生成ユニット1902、1904、1906の各々の1つを含むことができる。
【0171】
図21および
図22A-Cは、様々な実施形態による、3つの異なる光生成ユニットによって生成される異なる照明パターンの例を示しており、
図21はライトフィールド全体の照度を図示し、
図22A-Cはシミュレーションされた強度を図示している。第1の光生成ユニット1902は、第1の照明パターン2102を生成することができ(
図22A)、第2の光生成ユニット1904は、第2の照明パターン2104を生成することができ(
図22B)、第3の光生成ユニット1906は、第3の照明パターン2106を生成することができる(
図22C)。第1の照明パターン2102は、中心部の強度が最も高い円形のパターンとすることができる。第2及び第3照明パターン2104,2106は、中心部の強度がゼロである環状パターンである。第3照明パターン2106は、第2照明パターン2104よりも広がりがある。第1、第2、および第3の光生成ユニットの相対的な強度を変化させて、異なる照明スポットサイズを生成することができる。例えば、第1および第2の光生成ユニット1902、1904からの光を組み合わせて、破線2108で表される照明パターンを提供することができる。第3の光生成ユニット1906からの光を加えることで、破線2110で表される照明パターンを提供することができる。
【0172】
様々な実施形態によれば、光生成ユニット(光生成ユニット1302A,Bおよび光生成ユニット1902~1906など)は、コントローラ(
図1のコントローラ122など)によって制御されて、目標において望ましい光スペクトル、強度、および/またはスポットサイズを生成することができる。様々な実施形態によれば、光生成ユニットのサブアセンブリ(サブアセンブリ1304またはサブアセンブリ1908など)は、互いに同一に動作する。例えば、所定のスポットサイズの場合、光生成ユニットの相対的な強度は、1つのサブアセンブリから次のサブアセンブリまで実質的に同じになる。同様に、様々な実施形態によれば、光生成ユニットの少なくとも一部からのスペクトルは、1つの光生成ユニットから次の光生成ユニットまで同一とすることができる。いくつかの実施形態では、各光生成ユニットによって生成されるスペクトルは同じである。
【0173】
したがって、いくつかの実施形態によれば、
図13の手術用ライト1300または
図19の手術用ライト1900などの手術用ライトからスポットサイズを調整する方法は、手術用ライトのコントローラでスポットサイズのコマンドを受信することと、これに応答して、コントローラが、コマンドされたスポットサイズが達成されるまで、一組の第1の光生成ユニット(それぞれが第1の照明パターンを生成する)の強度および/または一組の第2の光生成ユニット(それぞれが第2の照明パターンを生成する)の強度および/または他の光生成ユニット(他の照明パターンを生成する)の強度を調整することとを含む。指令されたスポットサイズは、わずか1セットの光生成ユニットを介して、すべてのセットの光生成ユニットよりも少ない数の光生成ユニットを用いて、またはすべての光生成ユニットの組み合わせを用いて達成することができる。いくつかの実施形態では、手術用ライトの第1の光生成ユニットのすべてが、同じ強度レベルに指令される。同様に、手術用ライトのすべての第2の光生成ユニットは、同じ強度レベルに指令されることができ、これは、第1の光生成ユニットの強度レベルと同じであってもよいし、異なっていてもよい。様々な実施形態によれば、第1および第2の光生成ユニット(および該当する場合は他の光生成ユニット)の相対的な強度レベルは、目標における所定の照度を維持することに基づいて調整することができる。例えば、より大きなスポットサイズがユーザによって命令された場合、ユーザの命令に応じて、より大きなスポットサイズの光生成ユニットによって提供される光の強度を増加させることができ、目標における照度レベルを維持するために、より小さなスポットサイズの光生成ユニットによって提供される光の強度を減少させることができる。
【0174】
様々な実施形態によれば、
図13の手術用ライト1300または
図19の手術用ライト1900などの手術用ライトから目標での光のスペクトルを調整する方法は、手術用ライトのコントローラで所望のスペクトル(例えば、所望の白色光の色温度)のコマンドを受信することと、それに応答して、コントローラが、目標での所望のスペクトルを達成するために、光生成ユニットの少なくとも2つの異なるスペクトルを発する少なくとも2つの異なるエミッタの相対的な強度を調整することと、を含む。様々な実施形態によれば、少なくとも2つの異なるエミッタを有する各光生成ユニットは、少なくとも2つの異なるエミッタを有する全ての光生成ユニットが同じスペクトルを有する光を発するように、他の光生成ユニットと同一に駆動される。
【0175】
様々な実施形態によれば、本明細書に記載されたシステムおよび方法のいずれかによる手術用ライトによって提供される光のスポットサイズおよび/またはスペクトルを調整するためのコマンドは、手術用ライトのハウジング上の1つまたは複数のセレクタを介して、手術用ライトのノブを介して、手術用ライトに通信可能に結合されたウォールコントロールを介して、手術用ライトのための何らかの他のリモートコントロールを介して、または手術用ライトに通信可能に結合されたイメージングシステムを介して、または任意の他の適切なユーザ入力を介して受け取ることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、スポットサイズ、スペクトル、および/または手術用ライトによって提供される光の他の態様は、手術シーンの1つまたは複数のパラメータを監視し、目標の照明の所定の特性を維持および/または達成するために手術用ライトによって提供される照明を調整する、画像処理システムなどのシステムからのコマンドに基づいて変更することができる。例えば、イメージングシステムは、手術シーンから反射する赤色のレベルを監視し、照明における赤色の相対的な寄与を低減するように手術用ライトに命令してもよい。
【0176】
上述の説明は、説明のために、特定の実施形態を参照して説明されている。しかし、上記の例示的な議論は、網羅的であることや、本発明を開示された正確な形態に限定することを意図したものではない。上記の教示に鑑みて、多くの修正および変形が可能である。実施形態は、技術の原理とその実用的な応用を最もよく説明するために選択され、記述されたものである。当業者は、それによって、企図された特定の使用に適した様々な変更を伴う技術および様々な実施形態を最もよく利用することができる。
【0177】
本開示および実施例は、添付の図を参照して完全に説明されたが、様々な変更および修正が当業者に明らかになることに留意されたい。そのような変更および修正は、特許請求の範囲によって定義される開示および実施例の範囲内に含まれると理解されるべきである。最後に、本出願で参照された特許および刊行物の開示全体を、参照により本明細書に組み込む。
【国際調査報告】