(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】痙攣した頭蓋内動脈の血管内交感神経支配除去のためのカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220908BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502478
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020041363
(87)【国際公開番号】W WO2021011292
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハイスミス・デビー・イー
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア・アリエル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK16
4C160KK24
4C160KK39
4C160KK64
4C160MM32
(57)【要約】
装置は、カテーテル本体を有するカテーテルと、カテーテルの遠位端に接続されたエンドエフェクタとを有するカテーテルアセンブリを含む。カテーテルアセンブリは、任意選択で、外部シース又は導入ツールを含む。エンドエフェクタは、複数のスパインを有するスパインアセンブリを含む。電極は、スパインアセンブリの各スパインに関連付けられる。電極は、それぞれのスパインに沿って縦方向に互い違いにされている。スパインは、スパインが円形の配置を画定するように、カテーテル本体の縦軸から外向きに延びる。縦方向に間隔を置いた電極を備えたこの配置は、細長い円周方向の切除パターンが達成されるように螺旋状配列を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置で使用するためのカテーテルであって、
(a)縦軸を画定するカテーテル本体と、
(b)遠位端で前記カテーテル本体に接続されたスパインアセンブリと、を含み、前記スパインアセンブリは、
(i)複数のスパインであって、各スパインは遠位端を有し、各スパインは遠位に延び、前記スパインの少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延びる、複数のスパインと、
(ii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極は前記スパインの1つに接続されている、複数の電極と、
(iii)複数の温度センサであって、各温度センサは前記スパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を含む、カテーテル。
【請求項2】
各スパインは遠位に異なる長さまで延びる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
各電極はそれぞれのスパインの前記遠位端に配置されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
各温度センサはそれぞれのスパインの前記遠位端に配置されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記複数のスパインの各スパインは前記スパインアセンブリの中央頂点から延びる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
各スパインは小さい順に異なる長さまで遠位に延びる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記複数のスパインは、外向きに膨張して管状血管の内壁に接触するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記複数のスパインは膨張状態に向かって弾性的に付勢される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記複数のスパインの前記弾性付勢は、第1温度で前記複数のスパインが前記膨張状態をとるように構成されるように、そして第2温度で前記複数のスパインが収縮状態をとるように構成されるように、温度に依存する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
冷却液を送達するように構成された灌注機構を更に含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記複数の電極のうちの1つに接続された導体を更に含み、前記導体は、RFエネルギーを前記電極に伝達するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記複数の電極の各電極は、前記複数の温度センサの前記温度センサの1つに接続されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記複数の電極が縦方向に互い違いにされている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記複数の電極が縦方向に不規則に間隔を置いて配置されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記複数の電極は螺旋状配列を画定する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
医療処置で使用するための装置であって、
(a)縦軸を画定するカテーテル本体を有するカテーテルと、
(b)遠位端で前記カテーテル本体に接続されたスパインアセンブリであって、
(i)複数のスパインであって、各スパインは遠位端を有し、各スパインは遠位に延び、前記スパインの少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延び、前記複数のスパインは妨害されないときに膨張位置に向かって付勢される、複数のスパインと、
(ii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極は前記スパインの1つに接続されている、複数の電極と、
(iii)複数の温度センサであって、各温度センサは前記スパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を含む、スパインアセンブリと、
(c)導入部材であって、前記スパインアセンブリ上を選択的に摺動し、前記導入部材が前記スパインアセンブリ上に配置されたときに前記複数のスパインが収縮位置をとるようにし、前記導入部材が前記スパインアセンブリ上に配置されないときに前記複数のスパインが前記膨張位置をとることを可能にするように構成された、導入部材と、を含む、装置。
【請求項17】
医療処置で使用するためのカテーテルであって、
(a)縦軸を画定するカテーテル本体と、
(b)遠位端で前記カテーテル本体に接続されたスパインアセンブリと、を含み、前記スパインアセンブリは、
(i)複数のスパインであって、各スパインは近位端と遠位端を有し、前記複数のスパインのそれぞれの前記近位端は前記カテーテル本体に接続され、前記複数のスパインは展開前位置に関連する第1状態をとるように構成され、前記複数のスパインは展開位置に関連する第2状態をとるように更に構成されている、複数のスパインと、
(ii)前記複数のスパインのそれぞれの前記遠位端に接続され、非外傷性であるように構成された先端と、
(iii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極は前記スパインの1つに接続されている、複数の電極と、
(iv)複数の温度センサであって、各温度センサは前記スパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を備える、カテーテル。
【請求項18】
前記展開前位置では、前記複数のスパインが偏向されず、前記展開位置では、前記複数のスパインが偏向される、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記複数のスパインは、前記複数のスパインが前記展開前位置に関連する前記第1状態から前記展開位置に関連する前記第2状態に移動するときに前記縦軸から外向きに曲がるように構成されたエルボをそれぞれ含み、前記エルボは、前記複数のスパインが前記展開位置に関連する前記第2状態から前記展開前位置に関連する前記第1状態に移動するとき、前記縦軸に向かって内向きに収縮するように構成されている、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記スパインアセンブリは、前記先端に接続された並進可能部材を含み、前記並進可能部材は、前記複数のスパインを前記展開前位置に関連する前記第1状態から前記展開位置に関連する前記第2状態に作動させるように縦方向に並進するように構成されている、請求項17に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2019年7月17日に出願された「痙攣した頭蓋内動脈の血管内交感神経支配除去のためのカテーテル」と題された米国仮特許出願第62/875,070号の優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
特定の状況では、対象の治療は、対象の組織を切除してその組織の挙動又は他の特性を変更する手順で実施することができる。対象が痙攣した頭蓋内動脈を呈するいくつかの状況では、切除を使用し、痙攣した頭蓋内動脈の血管内交感神経支配除去を生じさせることができる。そのような切除手順は、血管内使用のために構成されたカテーテルの使用を含み得る。これらのカテーテルは、所望の方法で正確で制御された切除を提供するように構成され得る。
【0003】
いくつかのカテーテルが実施され、使用されたが、本発明者らよりも以前に、本明細書に記載、例示及び特許請求される本発明を実施又は使用したものは存在しないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療手技の概略図である。
【
図2】カテーテルアセンブリが
図1の対象の動脈に接近する、例示的な導入ツール及び導入ツールと共に使用可能な例示的なカテーテルを含む例示的なカテーテルアセンブリの側面図を示す。
【
図3】導入ツールの遠位に延長されたカテーテルのエンドエフェクタを備えた
図2のカテーテルアセンブリの斜視図を示す。
【
図4】
図3のカテーテルのエンドエフェクタの遠位端の斜視図を示す。
【
図5】
図3のカテーテルのエンドエフェクタの端面図を示す。
【
図6A】スパインの外向きの表面を示す、
図3のカテーテルのエンドエフェクタのスパインの1つの斜視図を示す。
【
図6B】スパインの外向きの表面を示す、
図3のカテーテルのエンドエフェクタと共に使用可能な別の例示的なスパインの斜視図を示す。
【
図7】
図6Aの線7-7に沿って取られた、
図6Aのカテーテルのスパインの断面の部分的な側面図を示す。
【
図8】展開位置にあるカテーテルのエンドエフェクタを示す、別の例示的なカテーテルアセンブリの側面図を示す。
【
図9】カテーテルが事前に展開された位置にある、
図8のカテーテルの側面図を示す。
【
図11】
図9のカテーテルのスパインのうちの1つの縦断面における部分的な側面図を示す。
【0005】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく一例として例示するものである。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0007】
本明細書に記載の教示、表現、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わされてもよい。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれるものとする。本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能にする好適な寸法の許容範囲を示す。更に具体的には、「約」又は「およそ」という用語は、記載される値の±10%の値の範囲を指すことができ、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指すことができる。更に、本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「対象」という用語は、任意のヒト対象又は動物対象を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0008】
I.例示的なカテーテルシステムの概要
図1は、頭蓋内切除システムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。特に、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を握る医師(PH)を示す。カテーテルアセンブリ(100)は、以下で更に説明されるように、可撓性カテーテル(120)のエンドエフェクタを含む。カテーテル(120)は、患者(PA)の脳(B)の痙攣した頭蓋内動脈を切除するために、患者(PA)に配置される。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と連結される。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)とも連結されるが、これは単なる任意装備である。一組の磁界発生器(20)は、患者(PA)の下に配置され、ケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)とも結合される。接地パッド(24)は、患者(PA)の頭(H)の下に配置され、ケーブル(26)を介して誘導駆動システム(10)に接続される。
【0009】
本例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)と、ディスプレイ(18)とを含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)と、第2のドライバモジュール(16)とを含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と連結される。第1のドライバモジュール(14)は、エンドエフェクタの電極にRF電力を提供して組織を切除するように動作可能である。そのような電極の構成の様々な例を、以下でより詳しく説明する。そのような電極は、単極RFエネルギーを組織に、又は両極RFエネルギーを組織に印加するように動作可能であり得る。いくつかの変形例では、第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ内の1つ以上の位置センサから位置表示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサ(図示せず)は、位置センサからの位置表示信号を処理し、それにより、患者(PA)内のカテーテル(120)のエンドエフェクタの位置を決定するように動作可能である。
【0010】
第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁界発生器(20)とケーブル(26)を介して接地パッド(24)と結合される。他の変形例では、接地パッド(24)及びケーブル(26)は、第1のドライバモジュール(14)と結合され、それによって制御され得る。第2のドライバモジュール(16)は、磁界発生器(20)を作動させ、患者(PA)の頭(H)及び脳(B)の周りに交番磁界を生成するように動作可能である。例えば、磁界発生器(20)は、患者(PA)の頭(H)内に脳(B)を含む所定の作業体積内に交番磁場を生成するコイルを含み得る。
【0011】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと連結され、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に得られた一組の画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づいてもよい。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造のビューはまた、以下で更に説明されるように、エンドエフェクタの位置センサからの信号に基づいて動的に変化し得る。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタが患者(PA)内を移動すると、位置センサからの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタが患者(PA)内を移動するときにエンドエフェクタの周りの患者の解剖学的構造の領域を描写するために、ディスプレイ(18)の患者の解剖学的構造をリアルタイムで更新し得る。更に、コンソール(12)のプロセッサは、術前又は術中に得られた画像によって検出されるか、エンドエフェクタの他の感知手段によって検出されるように、痙攣した組織部位の位置を示すためにディスプレイ(18)を駆動し得る。単に一例として、コンソール(12)のプロセッサは、ディスプレイ(18)を駆動し、照射された点、十字線、又は他の形態の痙攣した組織部位の視覚的表示を重ね合わせるなどにより、痙攣した組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像に重ね合わせることができる。
【0012】
コンソール(12)のプロセッサはまた、ディスプレイ(18)を駆動し、照射された点、十字線、エンドエフェクタのグラフィック表現、又は他の形態の視覚的表示を重ね合わせるなどにより、エンドエフェクタの現在の位置を患者の解剖学的構造の画像に重ね合わせることができる。そのような重ね合わせられた視覚的表示はまた、医師(PH)が患者(PA)内でエンドエフェクタを動かすときに、ディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内をリアルタイムで移動することができ、したがって、エンドエフェクタが患者(PA)内を移動するときに、患者(PA)又は対象内のエンドエフェクタの位置についてオペレータにリアルタイムの視覚的フィードバックを提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供された画像は、エンドエフェクタを見る光学機器(即ち、カメラ)を必ずしも持たなくても、患者(PA)内のエンドエフェクタの位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じビューでは、ディスプレイ(18)は、上記のように、痙攣した組織部位の位置を同時に視覚的に表示することができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、痙攣した組織部位及び患者(PA)の隣接する解剖学的構造の画像に関連するエンドエフェクタのリアルタイムの位置を観察することができる。
【0013】
本例の流体源(42)は、生理食塩水又はいくつかの他の好適な灌注流体を収容する袋を含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)へと流体を選択的に運ぶように動作可能なポンプ(44)と更に連結された可撓性チューブを含む。いくつかの変形形態では、導管(40)、流体源(42)、及びポンプ(44)は、完全に省略される。これらの構成要素が含まれる変形例では、エンドエフェクタは、以下で更に説明するように、灌注流体を流体源(42)から患者(PA)の標的部位に伝達するように構成され得る。そのような灌注は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであるような任意の好適な方式で提供されてもよい。
【0014】
II.互い違いの自由端を有する例示的なカテーテルエンドエフェクタ
図2は、断面で示された動脈(A)の形態の例示的な組織構造に隣接するカテーテルアセンブリ(100)の部分を示す。動脈(A)は側壁(W)を有する管状構造である。示されるように、カテーテル(120)は、開放端(132)を有する導入ツール(130)内に配置される。カテーテル(120)は、カテーテル本体(122)及びエンドエフェクタ(200)を含む。カテーテル本体(122)は、カテーテルアセンブリ(100)の近位端から遠位端まで延びる縦軸(LA)を画定する。導入ツール(130)内に配置されたカテーテル(120)を備えたカテーテルアセンブリ(100)は、動脈(A)内で、切除が適用され得る近くの所望の位置に誘導され得る。
図2に示すように、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)が導入ツール(130)内に配置されると、エンドエフェクタ(200)は収縮状態をとる。
【0015】
図3は、
図2と同様であるが、導入ツール(130)から遠位に延びたカテーテル(120)を備えたカテーテルアセンブリ(100)の部分を示す。エンドエフェクタ(200)は、カテーテル本体(122)の遠位端に接続される。
図3に示されるこの配置では、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)は、
図2に示される配置とは対照的に、導入ツール(130)によって解放される。エンドエフェクタ(200)は、カテーテル本体(122)によって画定された縦軸(LA)から外向きに膨張するように、従来の変形例では弾性的に付勢される。例えば、エンドエフェクタ(200)が他の方法で導入ツール(130)によって解放される又は拘束されない場合、エンドエフェクタ(200)は膨張状態をとる。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(200)の弾性付勢は温度に依存するので、導入ツール(130)によって解放することに加えて、エンドエフェクタ(200)は、上記のように膨張状態をとる前に特定の温度に到達しなければならない。例えば、エンドエフェクタ(200)が室温又は華氏約70度の場合、エンドエフェクタ(200)は収縮したままになる可能性があり、一方、エンドエフェクタ(200)は、エンドエフェクタ(200)がより高い温度、例えば、華氏約85度を超えるか、体温又は華氏約99度にあるときに、膨張状態をとることができる。
【0016】
エンドエフェクタ(200)は、複数のスパイン(204)を備えたスパインアセンブリ(202)を含む。
図3~
図4Bの図示された変形例では、各スパイン(204)は、各スパイン(204)の一部がエンドエフェクタ(200)の中心から外向きに膨張又は偏向し得る変曲点又はヒンジ(206)を含む。しかしながら、そのような変曲点又はヒンジ(206)は、全ての変形例で必要とされるわけではなく、他の変形例では、スパイン(204)の外向きの膨張は、曲がるのではなく、より緩やかになる又は湾曲する可能性がある。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(200)又はスパインアセンブリ(202)がニチノールから作られる場合があり、しかしながら、本明細書の教示を考慮すると、他の材料を使用することができ、当業者には明らかである。膨張状態では、エンドエフェクタ(200)のスパイン(204)の一部は、
図2の動脈(A)などの管状血管の内壁(W)に接触するように構成される。この接触により、以下で更に説明するように、エンドエフェクタ(200)を切除手順で使用することが可能になる。
【0017】
図4及び
図5を参照すると、各スパイン(204)は遠位端を有し、各スパイン(204)は遠位に延び、スパイン(204)の少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延びる。図示された変形例では、しかし全ての変形例で必須ではないが、全てのスパイン(204)は、異なる長さまで遠位に延びる。一変形例では、各スパイン(204)は、小さい順に異なる長さまで遠位に延びる。例えば、そのような変形例の1つでは、スパイン(204)は円形の配置であり、長さの小さい順に遠位に延びる。このように、最長のスパイン(204)を除き、スパインアセンブリ(202)の互いのスパイン(204)は、更に遠位に延びる少なくとも1つの隣接するスパイン(204)を有することになる。最短のスパイン(204)は、両方の隣接するスパイン(204)が更に遠位に延びるが、最長のスパイン(204)の場合、隣接するスパイン(204)は、更に遠位に延びることはない。この配置では、スパインアセンブリ(202)の各スパイン(204)の遠位端は、螺旋状の形状又はパターンで構成される。
【0018】
図5の図示された変形例を参照すると、各スパイン(204)は、スパインアセンブリ(202)の中央頂点(208)から延びる。中央頂点(208)はリング(210)に囲まれ、各スパイン(204)はリング(210)に接続され、リング(210)から遠位に延びる。このように、スパイン(204)は、リング(210)を介して間接的に接続される。他の変形例では、リング(210)は省略され得、又は別の接続構造に置き換えられ得る。リング(210)が省略された変形例では、各スパイン(204)は、それぞれの近位端で直接互いに接続され得る。
【0019】
カテーテルアセンブリ(100)は、エンドエフェクタ(200)が縦軸(LA)から離れるように偏向された位置にエンドエフェクタ(200)を移動できるように関節運動するように更に構成可能である。カテーテルアセンブリ(100)が関節運動しない場合、スパインアセンブリ(202)は、中央頂点(208)が縦軸(LA)に沿うように、カテーテル本体(122)と位置合わせされる。しかしながら、カテーテルアセンブリ(100)が関節運動する場合、スパインアセンブリ(202)の中央頂点(208)は、縦軸(LA)から離れるように偏向される。
【0020】
図5に見られるように、エンドエフェクタ(200)は、複数の電極(260)を含む。
図5の図示された変形例では、各電極(260)は、複数のスパイン(204)のうち対応するスパイン(204)に接続される。また、図示された変形例では、各電極(260)は、それぞれの個別のスパイン(204)の遠位端に配置される。上記のように、電極(260)は、RFエネルギーを伝達して組織を切除するように構成される。また上で述べたように、電極(260)のいくつかの変形例は、単極RFエネルギーを組織に適用するように構成されるが、電極(260)の他の変形例は、両極RFエネルギーを組織に適用するように構成される。
【0021】
図7を参照すると、各スパイン(204)の電極(260)は、エネルギー源から電極(260)にRFエネルギーを伝達するように構成された導体として機能するリード線(212A)に接続される。
図7の図示された例では、RFエネルギーを電極(260)に伝達するリード線(212A)は、接続(216)で電極(260)に接続される。接続(216)は、いくつかの変形例では端子接続、又は他の変形例でははんだ接続であり得る。更に、リード線(212A)を電極(260)に接続する他の方法は、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかになる。
図5、
図6A及び
図7に示す例では、電極(260)は、深絞りカップ型電極として示される。
図6Bは、スパイン(204)の遠位端にあるリング電極として示された電極(260)で構成されたスパイン(204)を示す。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(200)のスパイン(204)は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかであるように、任意の適切なスタイルの電極(260)で構成され得る。
【0022】
上に示して説明したように、異なる長さまで遠位に延びるスパイン(204)と、スパインアセンブリ(202)の各スパイン(204)の遠位端に配置された電極(260)とを備えたカテーテル(120)は、縦方向に互い違い又は間隔を置いて配置された複数の電極(260)を有する。いくつかの変形例では、電極(260)の縦方向の間隔は不規則であり、隣接する電極(260)間の間隔は変化する。少なくとも1つの変形例で上に説明されるように、スパイン(204)の遠位端は、螺旋状の形状又はパターンを画定する。したがって、この螺旋状の形状又はパターンを有し、電極(260)が各スパイン(204)の遠位端に配置されたいくつかの変形例では、カテーテル(120)は、螺旋状配列を画定する複数の電極(260)を有する。このように、電極(260)は、使用中に円周方向の切除を作成する。一例のカテーテル(120)では、円周方向の切除は、およそ又は約1.0からおよそ又は約1.5センチメートルの長さにわたって達成される。したがって、カテーテル(120)は、いくつかの変形例では、およそ又は約1.5からおよそ又は約1.8ミリメートルの直径を有する動脈内に適合するように構成される。限定ではなく単なる例として、カテーテル(120)の直径は、およそ又は約1.25ミリメートルである。本明細書の教示を考慮すると、他の切除パターンを達成するためのカテーテル(120)の他のサイズ並びにスパイン(204)及び関連する電極(260)の構成は、当業者には明らかである。
【0023】
カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)は、灌注機構(280)で更に構成される。例えば、
図5~
図6Bに示すように、例示的な灌注機構(280)は、エンドエフェクタ(200)の各スパイン(204)の遠位端の近くに配置される。
図6Aは、1つは最遠端にあり、他の1つはスパイン(204)の外向きの遠位部分にある複数の灌注機構(280)を有するスパイン(204)を示す。
図7を参照すると、灌注機構(280)は、スパイン(204)の遠位端内の流体チャンバ(282)に接続される。流体チャンバ(282)は更に、
図1に関して上記のように流体導管(40)及び流体源(42)と最終的に接続可能な灌注管(284)に接続される。上記のように、これらの灌注機構はいくつかの変形例では省略される場合がある。
【0024】
カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)は、様々なセンサで更に構成される。
図6A~
図7に示すように、スパインアセンブリ(202)の各スパイン(204)は、位置センサ(270)及び力センサ(290)を含む。上記のように、位置センサ(270)は、患者(PA)内の解剖学的特徴に対するエンドエフェクタ(200)の位置を伝達するように構成される。力センサ(290)は、医師(PH)にフィードバックを提供するように構成されたので、医師(PH)は、そうでなければ患者(PA)の動脈又は他の組織の意図しない穿刺を引き起こす可能性のある過剰な力を回避できるようにする。
図7に示すように、スパイン(204)の位置センサ(270)及び力センサ(290)は、スパイン(204)内のそれぞれのリード線(212B、212C)に接続される。リード線(212B、212C)は、カテーテル(120)の管腔を通って延び、最終的にケーブル(30)に接続され、ケーブル(30)は、上記のようにカテーテルアセンブリ(100)を誘導駆動システム(10)に結合する。
図6A及び
図6Bの従来の例では、スパイン(204)の位置センサ(270)及び力センサ(290)は、スパイン(204)の外向きの表面(214)上に配置される。しかしながら、他の変形例では、位置センサ(270)又は力センサ(290)は、スパイン(204)の他の表面上に配置され得る。
【0025】
カテーテル(120)のエンドエフェクタ(200)はまた、温度センサ(220)を含み、ここで、各スパイン(204)は、少なくとも1つの温度センサ(220)に接続される。いくつかの変形例では、各温度センサ(220)はそれぞれのスパインの遠位端に配置される。また、いくつかの変形例では、各温度センサ(220)は、それぞれのスパイン(204)の電極(260)に接続される。例えば、
図7に見られるように、温度センサ(220)は電極(260)のボア内に適合される。別の例として、
図6Bでは、リング型電極(260)を用い、温度センサ(220)は、各スパイン(204)の外向きの表面(214)に沿って配置され、隣接する電極(260)は、接触配置である。これらの構成のいずれか1つにおいても、温度センサ(220)は、電極(260)の温度を測定して伝達するように構成される。電極(260)が動脈壁(W)又は他の組織に接触するように構成される場合、医師(PH)は、温度センサ(220)を使用し、電極(260)が切除部位で生成する温度を知ることができる。
【0026】
いくつかの変形例では、温度センサ(220)は、熱電対又はサーミスタを含み得る。
図7の図示された実施形態では、熱電対は、エナメル線の対(213)によって形成される。線対の一本の線は銅線、例えば、番号「40」の銅線である。線対の他の線は、コンスタンタン線である。線対のこれらの線は、互いにねじられ、ポリアミドなどの短い細いプラスチックチューブで覆われ、熱伝導率の高いエポキシで覆われた遠位端を除き、互いに電気的に絶縁される。線は、カテーテル本体(122)の中央管腔を通って延び、次に、制御ハンドル(110)を通って、温度モニタ(図示せず)に接続可能なコネクタ(図示せず)まで延びる。あるいは、温度感知手段は、サーミスタであってもよい。本発明で使用するのに好適なサーミスタは、Thermometrics(New Jersey)により販売されているModel No.AB6N2-GC14KA143E/37Cである。一変形例では、温度センサ(220)と電極(260)は、導体を共有することによって接続される。言い換えれば、リード線(212A)は電極(260)に接続され、温度センサ(220)にも接続される。この構成では、リード線(212A)は、例えば温度センサ(220)が熱電対として構成された線対(213)の線の1つとして機能する場合がある。構造の形式に関係なく、温度センサ(220)からのフィードバックを利用し、感知された温度が閾値を超えたときにアラートを提供し、及び/又は切除中にRFエネルギーの送達を自動的に調整することができる。
【0027】
依然として、
図7に示すように、エンドエフェクタ(200)のスパイン(204)は、少なくとも部分的に非導電性材料(222)によって覆われる。いくつかの変形例では、非導電性材料(222)は、電極(260)を除いてスパイン(204)を完全に覆う。非導電性材料は、場合によっては熱可塑性であり、使用され得る他の非導電性材料は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかである。
【0028】
カテーテル(120)の別の特徴は、カテーテル本体(122)の近位端が遠位端よりも大きな剛性を有することである。それにより、カテーテル(120)の位置決めが可能になるが、それでも非外傷性の遠位端が提供される。更に、
図7に示すように、各スパイン(204)は、鈍い接触面を提供するために、その遠位端が丸い形を有するように構成され得る。
【0029】
III.ジョイント構成を備えた例示的なカテーテルエンドエフェクタ
図8~
図11は、カテーテル(120)などのカテーテル用の別の例示的なエンドエフェクタ(300)を示す。例えば、カテーテルアセンブリ(100)は、カテーテル(120)が上記のエンドエフェクタ(200)の代わりにエンドエフェクタ(300)と接続するように、他の変形例で修正され得る。したがって、
図1に関する上記の議論は、カテーテル(120)がエンドエフェクタ(200)又はエンドエフェクタ(300)のどちらで構成されるかにかかわらず、カテーテルアセンブリ(100)に適用されることを理解されたい。
【0030】
図8~
図10に示すように、カテーテル(120)は、エンドエフェクタ(300)がカテーテル本体(122)から縦方向に遠位に延びるように、エンドエフェクタ(300)で構成される。エンドエフェクタ(300)は、複数のスパイン(304)を有するスパインアセンブリ(302)を含む。各スパイン(304)は、近位端及び遠位端を含む。エンドエフェクタは、基部(306)及び先端(308)を更に含む。基部(306)はカテーテル本体(122)の遠位端に接続される。スパイン(304)は、カテーテル本体(122)から、より具体的には、エンドエフェクタ(300)の基部(306)から縦方向に延びる。スパイン(304)は、それらの遠位端で先端(308)に接続される。先端(308)は非外傷性になるように構成され、従来の変形例では丸くて鈍くなる。上記のように、カテーテル本体(122)は、縦軸(LA)を画定する。
【0031】
図8と
図9を比較すると、
図9に示すように、スパイン(304)は、展開前位置に関連する第1状態をとるように構成される。
図8に示すように、スパイン(304)は更に、展開位置に関連する第2状態をとるように構成される。展開前位置では、スパインアセンブリ(302)は、第1円周を画定する円筒形を形成する。少なくともいくつかの変形例では、第1円周は一般に基部(306)と先端(308)の円周と一致する。展開位置では、スパインアセンブリ(302)は、第2円周を画定する膨張バスケット形状を形成する。
図8に見られるように、第2円周は、それらのそれぞれの最大寸法で第1円周よりも大きくなる。円周を比較する代わりに、又はそれに加え、展開前位置と展開位置とのスパインアセンブリ(302)によって画定された直径に基づいて同様の比較を行うことができる。例えば、スパインアセンブリ(302)は、その展開位置に比べてその展開前位置に小さい直径を画定する。
【0032】
スパインアセンブリ(302)とその展開前位置及び展開位置を説明する別の方法は、たわみの観点からである。例えば、
図9の展開前位置では、スパインアセンブリ(302)のスパイン(304)は、縦軸(LA)から偏向されないが、
図8の展開位置では、スパインアセンブリ(302)のスパイン(304)は、縦軸(LA)から外向きに偏向される。スパイン(304)が固定長を有する一例では、展開前位置で、スパインアセンブリ(302)は、
図9に(Z)として示される長さを画定する。展開位置では、スパインアセンブリ(302)は、
図8に(Y)として示される長さを画定する。更に、長さ(Z)と長さ(Y)を比較すると、展開前位置では、スパインアセンブリ(302)が展開位置にあるときよりもスパインアセンブリ(302)の長さが長くなることがわかる。
【0033】
エンドエフェクタ(300)の状態とスパインアセンブリ(302)の位置を制御するという点で、一変形例では、エンドエフェクタ(300)のスパイン(304)は、カテーテル本体(122)によって画定された縦軸(LA)から外向きに膨張するように弾性的に付勢され、この弾性付勢は温度に依存する。したがって、エンドエフェクタ(300)は、
図8に示すように、膨張又は偏向状態をとる前に、特定の温度に到達しなければならない。例えば、エンドエフェクタ(300)が室温又は華氏約70度にあるとき、エンドエフェクタ(300)は偏向されないままであり得、又は収縮したままであり得、一方、エンドエフェクタ(300)は、エンドエフェクタ(300)がより高い温度、例えば、華氏約85度を超える場合、あるいは体温又は華氏約99度である場合、膨張又は偏向状態をとることができる。
【0034】
他の変形例では、エンドエフェクタ(300)のスパインアセンブリ(302)の弾性付勢は温度に依存する必要がない。例えば、シースと見なされ得る導入ツール(130)は、エンドエフェクタ(300)で構成されたカテーテル(120)と共に使用され得る。導入ツールがエンドエフェクタ(300)を取り囲み又は妨害するとき、スパインアセンブリ(302)は、縦軸(LA)に向かって内向きに収縮し、導入ツール(130)が取り外されるまでその状態に保持される。導入ツール(130)の後退又は導入ツール(130)に対して遠位のカテーテル(120)の前進のいずれかで、エンドエフェクタ(300)及び関連するスパインアセンブリ(302)は、導入ツール(130)によって妨害されない、又は解放される。この動作により、スパインアセンブリ(302)は、他の方法で制限されない場合にとるように弾性的に付勢されたその膨張状態又は偏向状態をとることができる。
【0035】
他の変形例では、スパインアセンブリ(302)のスパイン(304)は、弾性的に付勢される場合と付勢されない場合がある。例えば、カテーテル(120)は、基部(306)に対する先端(308)の位置を制御する並進可能部材で構成され得、延伸位置から収縮位置に移動し得る。そうすることで、スパインアセンブリ(302)は、その展開前位置からその展開位置に移動される。スパイン(304)がそれらの膨張状態に弾性的に付勢される1つの変形例では、並進可能部材に張力を受けないか、さもなければ並進可能部材を伸ばさないとき、スパインアセンブリ(302)は、その中立位置又はホーム位置に自由に移動でき、これは、弾性付勢に基づく
図8の膨張状態と一致する。そのような変形では、スパインアセンブリ(302)は、並進可能部材を遠位に伸ばすことにより、その収縮状態又は展開前位置に移動される。場合によっては、並進可能部材は1つ以上のスパイン(304)であるが、他の変形例では、並進可能部材はスパイン(304)から分離される場合がある。
【0036】
スパイン(304)が弾性的に付勢される場合と付勢されない場合があるいくつかの変形例では、展開前位置から展開位置に移動するときにスパイン(304)によってとられる一貫した形状を達成するために、スパイン(304)は、位置を変更するときにスパイン(304)が一貫して曲がるように、エルボ又はジョイント(310)で構成される。いくつかの変形例では、エルボ又はジョイント(310)は、例えば、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかであるニチノール又は他の適切な材料などの形状記憶合金材料を使用することによって成形され得る。いくつかの変形例では、エルボ又はジョイント(310)は、機械的ジョイントとして表され得、即ち、スパイン(304)は、ジョイント接続によって複数の部品で結合され得る。いずれか又は他のアプローチでは、エルボ又はジョイント(310)は、スパイン(304)が展開前位置又は第1状態から展開位置又は第2状態に移動するとき、縦軸(LA)から外向きに曲がるように構成される。エルボ又はジョイント(310)は、スパイン(304)が展開位置又は第2状態から展開前位置又は第1状態に移動するとき、縦軸(LA)に向かって内向きに収縮するように更に構成される。
図8の図示された変形例では、各スパイン(304)は、1つのエルボ又はジョイント(310)で構成される。他の変形例では、各スパイン(304)は、複数のエルボ又はジョイント(310)で構成され得る。
【0037】
スパインアセンブリ(302)をその展開前位置からその展開位置に移動するために使用されるモードに関係なく、展開位置又は膨張状態では、エンドエフェクタ(300)のスパイン(304)の一部は、
図2及び
図8の動脈(A)などの管状血管の内壁(W)に接触するように構成される。この接触により、以下で更に説明するように、エンドエフェクタ(300)を切除手順で使用することが可能になる。
【0038】
エンドエフェクタ(300)のスパインアセンブリ(302)は、RFエネルギーを印加し、それによって組織を切除するように構成された複数の電極(360)を含む。電極(360)のいくつかの変形例は、単極RFエネルギーを組織に適用するように構成され、電極(360)の他の変形例は、両極RFエネルギーを組織に適用するように構成される。図示された変形例では、各電極(360)は、スパイン(304)の1つに接続される。更に、それぞれのスパイン(304)の各電極(360)は、屈曲部又はエルボ又はジョイント(310)でそれぞれのスパイン(304)に接続される。このように、スパイン(304)がその展開位置に移動すると、電極(360)は動脈(A)の内壁(W)に接触し、それによってRFエネルギーが電極(360)に伝達されると、切除のための接触を提供する。
図8の図示された変形例では、各スパイン(304)は、1つのエルボ又はジョイント(310)及びエルボ又はジョイント(310)にある又はその近くに1つの電極(360)で構成される。上記の他の変形例では、スパイン(304)は、それぞれのスパイン(304)の各エルボ又はジョイント(310)が電極(360)を含むように、複数のエルボ又はジョイント(310)及び同様に複数の電極(360)で構成され得る。
【0039】
依然として、
図8及び
図9を参照すると、電極(360)は、それらがエンドエフェクタ(300)の近位端から遠位端まで互い違いになるように縦方向に間隔を置いて配置される。更に、いくつかの変形例では、電極(360)は、隣接する電極(360)間の間隔が一定であるように、縦方向に等間隔に配置される。しかしながら、他のいくつかの変形例では、電極(360)は、隣接する電極(360)間の間隔が変化する場所で、縦方向に不規則に間隔を置いて配置される。
図8及び
図9に見られるように、一変形例では、複数の電極(360)の各電極(360)は、小さい順に異なる長さまで遠位に延び、各電極(360)は、そのすぐ近位に隣接する電極(360)よりも更に遠位に配置される。電極の縦方向の間隔に加え、スパインアセンブリ(302)のスパイン(304)は、カテーテル(120)が他の方法で関節運動されない場合、共通の中心又は中心頂点として縦軸(LA)を有する円形パターンで配置される。
図10は、展開位置にあるスパイン(304)でこれを示す。縦方向に間隔を置いた電極(360)とスパイン(304)の円形配置とのこの組み合わせは、電極(360)が螺旋状配列を画定することを提供する。これは、スパインアセンブリ(302)が展開前位置と展開位置にある場合である。螺旋状配列を使用すると、使用中に膨張又は延長された円周方向の切除パターンが達成される。
【0040】
一例のカテーテル(120)では、円周方向の切除は、およそ又は約1.0からおよそ又は約1.5センチメートルの長さにわたって達成される。したがって、カテーテル(120)は、いくつかの変形例では、およそ又は約1.5からおよそ又は約1.8ミリメートルの直径を有する動脈内に適合するように構成される。限定ではなく単なる例として、カテーテル(120)の直径は、およそ又は約1.25ミリメートルである。本明細書の教示を考慮すると、他の切除パターンを達成するためのカテーテル(120)の他のサイズ並びにスパイン(304)及び関連する電極(360)の構成は、当業者には明らかである。
【0041】
図11を参照すると、図示された変形例の電極(360)は、リング電極として構成される。このように、電極(360)は、それぞれのスパイン(304)の周りに連続的に延びる。この構成は、内壁(W)と直接接触して配置される必要のあるスパイン(304)の周囲に沿った特定の点位置なしに、電極(360)と動脈(A)の内壁(W)との接触を促進する。更に、他の変形例では、リング電極の代わりに、又はリング電極に加え、他のスタイルの電極を使用することができる。本明細書の教示を考慮すると、電極(360)の他の配置及びスタイル又は構成は、当業者には明らかである。
【0042】
図11に示すように、各電極(360)は、組織を切除するためにRFエネルギーを電極(360)に伝達するように構成された導体であるリード線(312A)に接続される。リード線(312A)は、いくつかの変形例では電極(360)で構成された端子接続で、又は他の変形例でははんだ接続として、それぞれの電極(360)に接続され得る。リード線(312A)は、カテーテル(120)の管腔を通って近位に延び、カテーテルアセンブリ(100)を出て、最終的に、切除手順のためのRFエネルギー源を含む誘導駆動システム(10)に接続される。
【0043】
エンドエフェクタ(300)のスパインアセンブリ(302)はまた、複数の温度センサ(320)を含み、各スパイン(304)は、少なくとも1つの温度センサ(320)を有する。いくつかの変形例では、スパイン(304)の各温度センサ(320)は、それぞれのスパインの電極(360)の近くに配置されるか、電極(360)に接触して配置される。例えば、
図11に見られるように、温度センサ(320)は電極(360)に接触する。この構成では、温度センサ(320)は、電極(360)又はその近くの温度を測定及び伝達するように構成される。電極(360)が動脈壁(W)又は他の組織に接触するように構成される場合、医師(PH)は、温度センサ(320)を使用し、電極(360)が切除部位で生成する温度を知ることができる。
【0044】
いくつかの変形例では、温度センサ(320)は、熱電対又はサーミスタを含み得る。
図11の図示された実施形態では、熱電対は、リード線(312A)の一部(312A1)とコンスタンタン線(312D)とによって形成される。線(312A1、312D)は、互いにねじられ、ポリアミドなどの短い細いプラスチックチューブで覆われ、熱伝導率の高いエポキシで覆われた遠位端を除き、互いに電気的に絶縁される。線(312A1)は残りのリード線(312A)に接続され、線(312A、312D)はカテーテル本体(122)の中央管腔を通って延び、次に制御ハンドル(110)を通って温度モニタ(表示されない)に接続可能なコネクタ(表示されない)まで延びる。あるいは、温度感知手段は、サーミスタであってもよい。本発明で使用するのに好適なサーミスタは、Thermometrics(New Jersey)により販売されているModel No.AB6N2-GC14KA143E/37Cである。
【0045】
依然として、
図11を参照すると、エンドエフェクタ(300)のスパイン(304)は、少なくとも部分的に非導電性材料(322)によって覆われる。いくつかの変形例では、非導電性材料(322)は、電極(360)を除いてスパイン(304)を完全に覆う。非導電性材料は、場合によっては熱可塑性であり、使用され得る他の非導電性材料は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかである。
【0046】
カテーテル(120)のエンドエフェクタ(300)は、灌注機構(380)で更に構成される。例えば、
図11に示すように、例示的な灌注機構(380)は、エンドエフェクタ(300)の先端(308)に配置される。示されるように、先端(308)は、複数の灌注機構(380)を有し、少なくとも1つは最遠端にあり、別の少なくとも1つは先端(308)の外向きの遠位部分にある。他のいくつかの変形例では、灌注機構(380)は、代わりに又は更に、切除部位を冷却するために電極(360)の近くに位置することができる。
図11を参照すると、灌注機構(380)は、先端(308)内の流体チャンバ(382)に接続される。流体チャンバ(382)は更に、
図1に関して上記のように流体導管(40)及び流体源(42)と最終的に接続可能な灌注管(384)に接続される。上記のように、このような灌注機構はいくつかの変形例では省略される場合がある。
【0047】
カテーテル(120)のエンドエフェクタ(300)は、他の様々なセンサで更に構成される。
図11を参照すると、スパインアセンブリ(302)の各スパイン(304)は、位置センサ(370)及び力センサ(390)を含む。上記のように、位置センサ(370)は、患者(PA)内の解剖学的特徴に対するエンドエフェクタ(300)の位置を伝達するように構成される。力センサ(390)は、医師(PH)にフィードバックを提供するように構成されたので、医師(PH)は、患者(PA)の動脈又は他の組織の意図しない穿刺を引き起こす可能性のある過剰な力を回避できるようにする。
図11を参照すると、スパイン(304)の位置センサ(370)及び力センサ(390)は、スパイン(304)内のそれぞれのリード線(312B、312C)に接続される。リード線(312B、312C)は、カテーテル(120)の管腔を通って延び、最終的にケーブル(30)に接続され、ケーブル(30)は、上記のようにカテーテルアセンブリ(100)を誘導駆動システム(10)に結合する。
図11の従来の例では、スパイン(304)の位置センサ(370)及び力センサ(390)は、スパイン(304)の外向きの表面(314)上に配置される。しかしながら、他の変形例では、位置センサ(370)又は力センサ(390)は、スパイン(304)の他の表面上に配置され得、そのような配置は、本明細書の教示を考慮して当業者には明らかである。
【0048】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出における任意の時点で提示され得るいずれの特許請求の適用範囲をも限定することを意図したものではないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、あくまでも例示的な目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、その他の多くの方式で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者らによって又は本発明者らの利益の承継者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。なんらかの特許請求が、本出願において、又は以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0049】
医療処置で使用される、縦軸を画定するカテーテル本体を含む、カテーテル。カテーテルはまた、遠位端でカテーテル本体に接続されたスパインアセンブリを含む。スパインアセンブリは、(i)複数のスパインであって、各スパインは遠位端を有し、各スパインは遠位に延び、スパインの少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延びる、複数のスパインと、(ii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極はスパインの1つに接続されている、複数の電極と、(iii)複数の温度センサであって、各温度センサはスパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を含む。
【実施例2】
【0050】
各スパインは、遠位に異なる長さまで延びる、実施例1に記載のカテーテル。
【実施例3】
【0051】
各電極は、それぞれのスパインの遠位端に配置されている、実施例1~2のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例4】
【0052】
各温度センサは、それぞれのスパインの遠位端に配置されている、実施例1~3のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例5】
【0053】
各スパインの遠位端は、鈍い接触面を提供するために丸くなる、実施例1~4のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例6】
【0054】
複数のスパインの各スパインはスパインアセンブリの中央頂点から延びる、実施例1~5のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例7】
【0055】
各スパインは、小さい順に異なる長さまで遠位に延びる、実施例1~6のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例8】
【0056】
複数のスパインの各スパインはニチノールでできている、実施例1~7のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例9】
【0057】
複数のスパインは、外向きに膨張して管状血管の内壁に接触するように構成されている、実施例1~8のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例10】
【0058】
複数のスパインは、膨張状態に向かって弾性的に付勢される、実施例1~9のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例11】
【0059】
複数のスパインの弾性付勢は、第1温度で複数のスパインが膨張状態をとるように構成されるように、そして第2温度で複数のスパインが収縮状態をとるように構成されるように、温度に依存する、実施例10に記載のカテーテル。
【実施例12】
【0060】
各温度センサは熱電対を含む、実施例1~11のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例13】
【0061】
複数の電極のうち1つ以上はリング電極を含む、実施例1~12のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例14】
【0062】
複数の電極のうち1つ以上は深絞りカップ型電極を含む、実施例1~12のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例15】
【0063】
位置センサを更に含む、実施例1~14のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例16】
【0064】
冷却液を送達するように構成された灌注機構を更に含む、実施例1~15のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例17】
【0065】
力センサを更に含む、実施例1~16のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例18】
【0066】
カテーテルは関節運動するように構成される、実施例1~17のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例19】
【0067】
複数の電極のうち1つに接続された導体を更に含み、導体は、RFエネルギーを電極に伝達するように構成されている、実施例1~18のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例20】
【0068】
複数の電極の各電極は、複数の温度センサの温度センサの1つに接続されている、実施例1~19のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例21】
【0069】
複数の電極の各電極は、導体を共有することにより、複数の温度センサの温度センサの1つに接続されている、実施例20に記載のカテーテル。
【実施例22】
【0070】
複数のスパインが少なくとも部分的に非導電性材料で覆われる、実施例1~21のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例23】
【0071】
非導電性材料は熱可塑性である、実施例22に記載のカテーテル。
【実施例24】
【0072】
カテーテル本体の近位端は、遠位端で非外傷性でありながらカテーテルを配置することを可能にするために、遠位端よりも大きな剛性を有する、実施例1~23のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例25】
【0073】
複数の電極が縦方向に互い違いにされている、実施例1~24のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例26】
【0074】
複数の電極が縦方向に不規則に間隔を置いて配置されている、実施例1~25のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例27】
【0075】
複数の電極は螺旋状配列を画定する、実施例1~26のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例28】
【0076】
医療処置で使用するための装置であって、縦軸を画定するカテーテル本体を有するカテーテルを含む、装置。この装置はまた、遠位端でカテーテル本体に接続されたスパインアセンブリを含む。スパインアセンブリは、(i)複数のスパインであって、各スパインは遠位端を有し、各スパインは遠位に延び、スパインの少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延び、複数のスパインは、妨害されないときに膨張位置に向かって付勢される複数のスパインと、(ii)複数の電極であって、組織を切除するように構成され、各電極はスパインの1つに接続された複数の電極と、(iii)複数の温度センサであって、各温度センサはスパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を含む。この装置はまた、導入部材であって、スパインアセンブリ上を選択的に摺動し、導入部材がスパインアセンブリ上に配置されたときに複数のスパインが収縮位置をとるようにし、導入部材がスパインアセンブリ上に配置されないときに複数のスパインが膨張位置をとることを可能にするように構成された、導入部材を含む。
【実施例29】
【0077】
医療処置で使用するためのカテーテルであって、縦軸を画定するカテーテル本体と、遠位端でカテーテル本体に接続されたスパインアセンブリと、を含む、カテーテル。スパインアセンブリは、複数のスパインを含み、各スパインは近位端と遠位端を有し、複数のスパインのそれぞれの近位端はカテーテル本体に接続され、複数のスパインは、展開前位置に関連する第1状態をとるように構成され、複数のスパインは、展開位置に関連する第2状態をとるように更に構成されている。スパインアセンブリは、複数のスパインのそれぞれの遠位端に接続された先端、組織を切除するように構成された複数の電極、及び複数の温度センサを含み、先端は非外傷性になるように構成され、各電極はスパインの1つに接続され、各温度センサは、スパインの1つに接続される。
【実施例30】
【0078】
複数のスパインはバスケット構造を画定する、実施例29に記載のカテーテル。
【実施例31】
【0079】
展開前位置では、複数のスパインが偏向されず、展開位置では、複数のスパインが偏向される、実施例29~30のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例32】
【0080】
第1状態をとった複数のスパインは、第2状態をとった複数のスパインよりも小さい円周を有する、実施例29~31のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例33】
【0081】
複数のスパインはニチノールを含む、実施例29~32のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例34】
【0082】
複数の電極が縦方向に互い違いにされている、実施例29~33のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例35】
【0083】
複数の電極が縦方向に不規則に配置されている、実施例29~34のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例36】
【0084】
複数の電極は螺旋状配列を画定する、実施例29~35のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例37】
【0085】
複数のスパインは、複数のスパインが展開前位置に関連する第1状態から展開位置に関連する第2状態に移動するときに縦軸から外向きに曲がるように構成されたエルボをそれぞれ含む、実施例29~36のいずれか一項以上に記載のカテーテル。エルボは、複数のスパインが展開位置に関連する第2状態から展開前位置に関連する第1状態に移動するときに縦軸に向かって内向きに収縮するように構成されている。
【実施例38】
【0086】
エルボの各々は、その上に配置された複数の電極のうち1つを有する、実施例37に記載のカテーテル。
【実施例39】
【0087】
複数のスパインが展開位置に関連する第2状態にあるとき、複数の電極が血管の内壁に接触するように構成されている、実施例29~38のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例40】
【0088】
複数のスパインのそれぞれは複数のエルボを含む、実施例37~39のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例41】
【0089】
スパインアセンブリは、先端に接続された並進可能部材を含み、並進可能部材は、複数のスパインを展開前位置に関連する第1状態から展開位置に関連する第2状態に作動させるように縦方向に並進するように構成されている、実施例29~40のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例42】
【0090】
先端は並進可能部材と一致して縦方向に並進するように構成されている、実施例41に記載のカテーテル。
【実施例43】
【0091】
並進可能部材は、カテーテル本体に対して並進可能である、実施例41~42のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例44】
【0092】
並進可能部材は、複数のスパインを展開前位置に関連する第1状態から展開位置に関連する第2状態に移動させるように近位に並進可能であるように構成されている、実施例41~43のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例45】
【0093】
カテーテル本体は、スパインアセンブリをシースで、且つ選択的に覆い又は覆わないように構成されたシースに対して縦方向に並進可能である、実施例29~44のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例46】
【0094】
複数の電極のうち各電極は、小さい順に異なる長さまで遠位に延びる、実施例29~45のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例47】
【0095】
複数のスパインは、展開位置に関連する第2状態に向かって弾性的に付勢される、実施例29~46のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例48】
【0096】
複数のスパインの弾性付勢は、第1温度で複数のスパインが展開前位置をとるように構成されるように、第2温度で複数のスパインが展開位置をとるように構成されるように、温度に依存する、実施例47に記載のカテーテル。
【実施例49】
【0097】
各温度センサは熱電対を含む、実施例29~48のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例50】
【0098】
複数の電極のうち1つ以上がリング電極を含む、実施例29~49のいずれか一項に記載のカテーテル。
【実施例51】
【0099】
位置センサを更に含む、実施例29~50のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例52】
【0100】
冷却液を送達するように構成された灌注機構を更に含む、実施例29~51のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例53】
【0101】
力センサを更に含む、実施例29~52のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例54】
【0102】
カテーテルは関節運動するように構成されている、実施例29~53のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例55】
【0103】
複数の電極のうち各電極は導体に接続され、導体はRFエネルギーを電極に伝達するように構成されている、実施例29~54のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例56】
【0104】
複数の電極のうち各電極は、複数の温度センサの温度センサの1つに接続されている、実施例29~55のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例57】
【0105】
複数の電極のうち各電極は、導体を共有することにより、複数の温度センサの温度センサの1つに接続されている、実施例29~56のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例58】
【0106】
複数のスパインが少なくとも部分的に非導電性材料で覆われる、実施例29~57のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【実施例59】
【0107】
非導電性材料は熱可塑性である、実施例58に記載のカテーテル。
【実施例60】
【0108】
カテーテル本体の近位端は、遠位端で非外傷性でありながらカテーテルを配置することを可能にするために、遠位端よりも大きな剛性を有する、実施例29~59のいずれか一項以上に記載のカテーテル。
【0109】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0110】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現され得る。このような可能な修正のうちのいくつかについて述べたが、その他の修正が当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形形態、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0111】
〔実施の態様〕
(1) 医療処置で使用するためのカテーテルであって、
(a)縦軸を画定するカテーテル本体と、
(b)遠位端で前記カテーテル本体に接続されたスパインアセンブリと、を含み、前記スパインアセンブリは、
(i)複数のスパインであって、各スパインは遠位端を有し、各スパインは遠位に延び、前記スパインの少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延びる、複数のスパインと、
(ii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極は前記スパインの1つに接続されている、複数の電極と、
(iii)複数の温度センサであって、各温度センサは前記スパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を含む、カテーテル。
(2) 各スパインは遠位に異なる長さまで延びる、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 各電極はそれぞれのスパインの前記遠位端に配置されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 各温度センサはそれぞれのスパインの前記遠位端に配置されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記複数のスパインの各スパインは前記スパインアセンブリの中央頂点から延びる、実施態様1に記載のカテーテル。
【0112】
(6) 各スパインは小さい順に異なる長さまで遠位に延びる、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記複数のスパインは、外向きに膨張して管状血管の内壁に接触するように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記複数のスパインは膨張状態に向かって弾性的に付勢される、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記複数のスパインの前記弾性付勢は、第1温度で前記複数のスパインが前記膨張状態をとるように構成されるように、そして第2温度で前記複数のスパインが収縮状態をとるように構成されるように、温度に依存する、実施態様8に記載のカテーテル。
(10) 冷却液を送達するように構成された灌注機構を更に含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0113】
(11) 前記複数の電極のうちの1つに接続された導体を更に含み、前記導体は、RFエネルギーを前記電極に伝達するように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) 前記複数の電極の各電極は、前記複数の温度センサの前記温度センサの1つに接続されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記複数の電極が縦方向に互い違いにされている、実施態様1に記載のカテーテル。
(14) 前記複数の電極が縦方向に不規則に間隔を置いて配置されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) 前記複数の電極は螺旋状配列を画定する、実施態様1に記載のカテーテル。
【0114】
(16) 医療処置で使用するための装置であって、
(a)縦軸を画定するカテーテル本体を有するカテーテルと、
(b)遠位端で前記カテーテル本体に接続されたスパインアセンブリであって、
(i)複数のスパインであって、各スパインは遠位端を有し、各スパインは遠位に延び、前記スパインの少なくとも2つは遠位に異なる長さまで延び、前記複数のスパインは妨害されないときに膨張位置に向かって付勢される、複数のスパインと、
(ii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極は前記スパインの1つに接続されている、複数の電極と、
(iii)複数の温度センサであって、各温度センサは前記スパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を含む、スパインアセンブリと、
(c)導入部材であって、前記スパインアセンブリ上を選択的に摺動し、前記導入部材が前記スパインアセンブリ上に配置されたときに前記複数のスパインが収縮位置をとるようにし、前記導入部材が前記スパインアセンブリ上に配置されないときに前記複数のスパインが前記膨張位置をとることを可能にするように構成された、導入部材と、を含む、装置。
(17) 医療処置で使用するためのカテーテルであって、
(a)縦軸を画定するカテーテル本体と、
(b)遠位端で前記カテーテル本体に接続されたスパインアセンブリと、を含み、前記スパインアセンブリは、
(i)複数のスパインであって、各スパインは近位端と遠位端を有し、前記複数のスパインのそれぞれの前記近位端は前記カテーテル本体に接続され、前記複数のスパインは展開前位置に関連する第1状態をとるように構成され、前記複数のスパインは展開位置に関連する第2状態をとるように更に構成されている、複数のスパインと、
(ii)前記複数のスパインのそれぞれの前記遠位端に接続され、非外傷性であるように構成された先端と、
(iii)組織を切除するように構成された複数の電極であって、各電極は前記スパインの1つに接続されている、複数の電極と、
(iv)複数の温度センサであって、各温度センサは前記スパインの1つに接続されている、複数の温度センサと、を備える、カテーテル。
(18) 前記展開前位置では、前記複数のスパインが偏向されず、前記展開位置では、前記複数のスパインが偏向される、実施態様17に記載のカテーテル。
(19) 前記複数のスパインは、前記複数のスパインが前記展開前位置に関連する前記第1状態から前記展開位置に関連する前記第2状態に移動するときに前記縦軸から外向きに曲がるように構成されたエルボをそれぞれ含み、前記エルボは、前記複数のスパインが前記展開位置に関連する前記第2状態から前記展開前位置に関連する前記第1状態に移動するとき、前記縦軸に向かって内向きに収縮するように構成されている、実施態様17に記載のカテーテル。
(20) 前記スパインアセンブリは、前記先端に接続された並進可能部材を含み、前記並進可能部材は、前記複数のスパインを前記展開前位置に関連する前記第1状態から前記展開位置に関連する前記第2状態に作動させるように縦方向に並進するように構成されている、実施態様17に記載のカテーテル。
【国際調査報告】