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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】コンベヤ装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20220908BHJP
   B65G 13/071 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B65G47/52 101B
B65G13/071 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513454
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2020074915
(87)【国際公開番号】W WO2021048042
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】19196734.8
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521268576
【氏名又は名称】インターロール ホールディング アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Interroll Holding AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】フランジュール,エグザヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】シルドハウアー,ウーヴェ
【テーマコード(参考)】
3F033
3F044
【Fターム(参考)】
3F033BB01
3F033BB05
3F033BC03
3F044AA01
3F044CD08
3F044CE02
(57)【要約】
a)第1コンベヤトラック(310a~310d)を規定する第1列に配列された複数のラック要素(310a~310d)であって、前記第1コンベヤトラック(310)は、第1運搬方向に沿って物体(40、140、340)を案内及び運ぶように適合される、複数のラック要素(310a~310d)と、b)第2コンベヤトラック(320)を規定する第2列に配列された複数のラック要素(320a~320d)であって、前記第2コンベヤトラック(320)は、第2運搬方向に沿って物体(40、140、340)を案内及び運ぶように適合され、前記第2コンベヤトラック(320)は、前記第2運搬方向に延在し、かつ、前記第2運搬方向に対して前記第1コンベヤトラック(310)までの横方向距離に位置決めされ、各ラック要素は、上部負荷面(11)及び結合インタフェース(12)を有する可動キャリア装置を備える、複数のラック要素(320a~320d)と、c)牽引装置(21)及び駆動装置(30)を有するロボットユニット(20)であって、前記牽引装置(21)は、前記第1運搬方向又は前記第2運搬方向に沿って前記ロボットユニット(20)を移動させるように適合され、前記駆動装置(30)は、前記可動キャリア装置(10)の前記結合インタフェース(12)に係合して前記可動キャリア装置(10)を駆動するように適合される、ロボットユニット(20)と、d)前記ロボットユニット(20)を載せるように適合された交差横断ラック要素(350)であって、前記交差横断ラック要素(350)は、物体を載せるように適合された上部横断負荷面(11)と、横断結合インタフェース(12)と、を有する横断可動負荷支持装置(10)を備え、前記交差横断ラック要素(350)は、前記第1コンベヤトラック(310)から前記第2コンベヤトラック(320)に及びその逆に前記第2運搬方向に対して横方向に移動するように適合され、前記交差横断ラック要素(350)は、前記第1コンベヤトラック(310)に結合し、かつ、前記交差横断ラック要素(350)の第1位置において、前記第1コンベヤトラック(310)のラック要素(310a~310d)の前記可動キャリア装置(10)の前記負荷面(10)に及びその逆に、前記横断負荷面(11)上に位置決めされた物体(40)を移送するように適合され、前記第1位置において、前記交差横断ラック要素(350)は、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)から前記第1コンベヤトラック(310)の前記ラック要素(310a~310d)に及びその逆に移動することができるように、前記第1コンベヤトラック(310)の前記ラック要素(310a~310d)に結合され、前記交差横断ラック要素(350)は、前記第2コンベヤトラック(320)に結合し、かつ、前記交差横断ラック要素(350)の第2位置において、前記第2コンベヤトラック(320)のラック要素(320a~320c)の前記可動キャリア装置(10)の前記負荷面(11)に及びその逆に、前記横断負荷面(11)上に位置決めされた物体を移送するようにさらに適合され、前記第2位置において、前記交差横断要素(350)は、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)から前記第2コンベヤトラック(320)の前記ラック要素(320a~320c)に及びその逆に移動することができるように、前記第2コンベヤトラック(320)の前記ラック要素(320a~320c)に結合される、交差横断ラック要素(350)と、を備えるコンベヤ装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1コンベヤトラック(310a~310d)を規定する第1列に配列された複数のラック要素(310a~310d)であって、前記第1コンベヤトラック(310)は、第1運搬方向に沿って物体(40、140、340)を案内及び運ぶように適合される、複数のラック要素(310a~310d)と、
b)第2コンベヤトラック(320)を規定する第2列に配列された複数のラック要素(320a~320d)であって、
前記第2コンベヤトラック(320)は、第2運搬方向に沿って物体(40、140、340)を案内及び運ぶように適合され、
前記第2コンベヤトラック(320)は、前記第2運搬方向に延在し、かつ、前記第2運搬方向に対して前記第1コンベヤトラック(310)まである横方向距離に位置決めされ、
各ラック要素は、上部負荷面(11)及び結合インタフェース(12)を有する可動キャリア装置を備える、複数のラック要素(320a~320d)と、
c)牽引装置(21)及び駆動装置(30)を有するロボットユニット(20)であって、
前記牽引装置(21)は、前記第1運搬方向又は前記第2運搬方向に沿って前記ロボットユニット(20)を移動させるように適合され、前記駆動装置(30)は、前記可動キャリア装置(10)の前記結合インタフェース(12)に係合して前記可動キャリア装置(10)を駆動するように適合される、ロボットユニット(20)と、
d)前記ロボットユニット(20)を載せるように適合された交差横断ラック要素(350)であって、
前記交差横断ラック要素(350)は、物体を載せるように適合された上部横断負荷面(11)と、横断結合インタフェース(12)と、を有する横断可動負荷支持装置(10)を備え、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記第1コンベヤトラック(310)から前記第2コンベヤトラック(320)に及びその逆に前記第2運搬方向に対して横方向に移動するように適合され、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記第1コンベヤトラック(310)に結合し、かつ、前記交差横断ラック要素(350)の第1位置において、前記第1コンベヤトラック(310)のラック要素(310a~310d)の前記可動キャリア装置(10)の前記負荷面(10)に及びその逆に、前記横断負荷面(11)上に位置決めされた物体(40)を移送するように適合され、
前記第1位置において、前記交差横断ラック要素(350)は、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)から前記第1コンベヤトラック(310)の前記ラック要素(310a~310d)に及びその逆に移動することができるように、前記第1コンベヤトラック(310)の前記ラック要素(310a~310d)に結合され、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記第2コンベヤトラック(320)に結合し、かつ、前記交差横断ラック要素(350)の第2位置において、前記第2コンベヤトラック(320)のラック要素(320a~320c)の前記可動キャリア装置(10)の前記負荷面(11)に及びその逆に、前記横断負荷面(11)上に位置決めされた物体を移送するようにさらに適合され、
前記第2位置において、前記交差横断要素(350)は、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)から前記第2コンベヤトラック(320)の前記ラック要素(320a~320c)に及びその逆に移動することができるように、前記第2コンベヤトラック(320)の前記ラック要素(320a~320c)に結合される、交差横断ラック要素(350)と、を備えるコンベヤ装置。
【請求項2】
前記交差横断ラック要素(350)は、前記ロボットユニットの前記牽引装置(21)が前記交差横断ラック要素(350)の前記横方向移動を引き起こすように前記ロボットユニット(20)に結合されるように適合され、又は、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記横断牽引結合インタフェースを介して前記ロボットユニット(20)から前記横断牽引装置(21)に伝達される駆動力が、載せられる前記ロボットユニットと共に前記交差横断ラック要素(350)の横方向移動を駆動するように、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)によって載せられるときに前記ロボットユニット(20)の前記牽引装置(21)又は前記駆動装置(30)に結合するように適合された横断牽引結合インタフェースを有する横断牽引装置(21)を備え、又は、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記交差横断ラック要素の前記横方向移動を引き起こすための交差横断牽引装置を備える、請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記横断結合インタフェース(12)は、前記ロボットユニット(20)の前記駆動装置(30)に結合するように適合され、前記駆動装置から前記横断可動キャリア装置に前記横断結合インタフェース(12)を介して伝達される力は、前記横断負荷支持面(11)上に位置決めされた物体(40)を運搬する、請求項1又は2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記可動キャリア装置(10)及び/又は前記横断可動キャリア装置(10)は複数のアイドルローラ(10a、10b、10c)を備え、
第1表面セクション、特に、前記アイドルローラの上部周面セクション又は第1軸方向周面は、それぞれ、前記荷重支持面(11)及び前記横断負荷支持面(11)を規定し、
第2表面セクション、特に、前記アイドルローラの下部周面セクション又は第2軸方向周面は、それぞれ、前記結合インタフェース(12)及び前記横断結合インタフェース(12)を規定する、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記第1コンベヤトラック(310)及び前記第2コンベヤトラック(320)のうちの少なくとも1つは、それぞれ、前記第1コンベヤトラック及び前記第2コンベヤトラックを形成する2つのラック要素の間に結合端又はギャップ(310g、320g)を備え、前記ギャップは、前記第1位置及び前記第2位置において、それぞれ、前記交差横断ラック要素(350)を占有するような寸法を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項6】
コンベヤ装置、特に、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンベヤ装置を構成するための方法であって、
a)グラフィカルユーザインタフェース上に既定の仮想モジュールのリストを提供することであって、前記リストは、少なくとも3つの異なる仮想モジュールを備え、前記リストは、
仮想コンベヤモジュールによって表されるコンベヤモジュールの運搬容量を特徴付ける第1運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想コンベヤモジュールと、
前記コンベヤ装置に物体を入力することができる第1ステーションを表す少なくとも1つの仮想開始モジュールと、
前記コンベヤ装置から物体を出力するための仮想終了モジュールによって表される第2ステーションの出力容量を特徴付ける第2運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想終了モジュールと、を包含し、
前記既定の仮想モジュールのリスト及び前記少なくとも1つのパラメータは電子ストレージに保存される、提供することと、
b)グラフィカルユーザインタフェースフィールドを提供することであって、ユーザは、コンベヤ装置のコンベヤ設定を表す仮想設定を構成するために前記既定の仮想モジュールのリストから選択された複数の仮想モジュールを配置することができる、提供することと、
c)前記第1運搬パラメータ及び前記第2運搬パラメータ並びに前記仮想設定に基づいて、シミュレーションモードで、前記仮想設定によって表されるコンベヤ装置の運搬作業を計算することと、
d)物体の数が前記コンベヤ装置から物体を出力する前記第2ステーションの前記容量と同等以上であるように多数の物体が1回あたり前記第2ステーションに運搬されるように、前記第1ステーションから前記第2ステーションに十分な物体を運搬することができるように前記コンベヤ装置が十分な運搬容量を有するかどうかを、前記運搬作業から計算することと、
e)ステップd)で実行された前記計算が、前記仮想設定によって表された前記コンベヤ設定が、前記第2ステーションの前記容量を満たすのに十分な運搬容量を有することを明確にしたかどうかを特徴付ける信号を、ユーザインタフェースを介して出力することと、を含む、コンベヤ装置を構成するための方法。
【請求項7】
コンベヤ装置を構成するための方法であって、
a)グラフィカルユーザインタフェース上に既定の仮想モジュールのリストを提供することであって、前記リストは、少なくとも3つの異なる仮想モジュールを備え、前記リストは、
仮想コンベヤモジュールによって表されるコンベヤモジュールの運搬容量を特徴付ける第1運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想コンベヤモジュールと、
前記コンベヤ装置に物体を入力するための仮想開始モジュールによって表される第1ステーションの入力容量を特徴付ける第3運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想開始モジュールと、
前記コンベヤ装置から物体を出力することができる第2ステーションを表す少なくとも1つの仮想終了モジュールと、を包含し、
前記既定の仮想モジュールのリスト及び前記少なくとも1つのパラメータは電子ストレージに保存される、提供することと、
b)グラフィカルユーザインタフェースフィールドを提供することであって、ユーザは、コンベヤ装置のコンベヤ設定を表す仮想設定を構成するため、前記既定の仮想モジュールのリストから選択された複数の仮想モジュールを配置することができる、提供することと、
c)前記第1運搬パラメータ及び前記第3運搬パラメータ並びに前記仮想設定に基づいて、シミュレーションモードで、前記仮想設定によって表されるコンベヤ装置の運搬作業を計算することと、
d)前記コンベヤ装置に入力されたすべての物体を前記第1ステーションから前記コンベヤ装置に前記第2ステーションに運搬することができるように、前記コンベヤ装置が十分な運搬容量を有するかどうかを前記運搬作業から計算することと、
e)ステップd)で実行された前記計算が、前記仮想設定によって表される前記コンベヤ設定が前記第1ステーションの前記容量を満たすのに十分な運搬容量を有することを明らかにしたかどうかを特徴付ける前記信号を、ユーザインタフェース介して出力することと、を含む、コンベヤ装置を構成するための方法。
【請求項8】
前記計算ステップc)において、キャリアの負荷容量及びコンベヤドライブの移動速度が前記第1運搬パラメータに含まれ、前記第1ステーション及び前記第2ステーションの間の運搬15距離が前記仮想設定から導出され、前記計算ステップd)において、前記負荷容量及び前記移動速度は、互いに乗算され、かつ、前記運搬距離によって除算され、前記コンベヤ装置の送達速度を計算し、前記送達速度は、それぞれ、前記第1ステーション又は前記第2ステーションの前記入力容量又は前記出力容量と比較される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想コンベヤモジュールによって表される前記コンベヤモジュールは、物体を運ぶ及び案内するように適合されたラック要素であり、かつ、ロボットユニットに結合するようにさらに適合され、前記リストは、前記ロボットユニットを表す第2仮想コンベヤモジュールをさらに備え、コンベヤパラメータは、前記ラック要素に沿った前記ロボットユニットの並進移動速度を特徴付ける前記第2コンベヤモジュールに関連付けられ、前記計算ステップc)において、前記第1ステーションから前記第2ステーションまでの運搬距離の長さは、前記案内及び運搬ユニットを表し、かつ、前記仮想設定を形成する複数の前記仮想コンベヤモジュールの配列から計算され、前記第1ステーション及び前記第2ステーションの間の前記仮想設定に沿った前記ロボットユニットの移動距離は前記移動速度に基づいて計算される、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ロボットユニットを載せるように適合された交差横断ラック要素が、前記ロボットユニットの前記並進移動に対して傾斜方向に配向される交差横断を実施するように構成された第3仮想コンベヤモジュールによって表され、
交差横断移動速度は、前記第3仮想コンベヤモジュールに関連付けられたコンベヤパラメータに包含され、
前記仮想設定は、
第1コンベヤライン、及び、前記第1コンベヤラインまである距離に配列された第2コンベヤラインであって、
各々が複数の前記仮想コンベヤモジュールを備える第1コンベヤライン及び第2コンベヤラインと、
前記第1コンベヤライン及び前記第2コンベヤラインを接続する第3仮想コンベヤラインと、を備え、
前記第1ステーションは前記第1コンベヤラインに位置決めされ、前記第2ステーションは前記第2コンベヤラインに位置決めされ、
前記計算ステップc)において、交差横断距離は、前記第1コンベヤラインから前記第2コンベヤラインまで前記ロボットユニットを移動させるために前記交差横断ラック要素によって移動させられる距離として前記仮想設定に基づいて計算され、前記交差横断移動距離及び前記交差移動速度から計算された移動時間は前記計算ステップd)において考慮される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記既定の仮想モジュールのリストは、工作機械を表す仮想工作機械モジュールを備え、前記仮想工作機械モジュールに関連付けられた運搬パラメータは、前記工作機械の周囲の安全フェンスを表す仮想安全フェンスを規定し、
前記仮想コンベヤモジュールによって表される前記コンベヤモジュールは、物体を運ぶ及び案内するように適合されたラック要素であり、かつ、ロボットユニットに結合するようにさらに適合され、前記リストは、前記ロボットユニットを表す第2仮想コンベヤモジュールをさらに備え、コンベヤパラメータは、前記ラック要素に沿った前記ロボットユニットの並進移動速度を特徴付ける前記第2コンベヤモジュールに関連付けられ、前記計算ステップc)において、前記第1ステーションから前記第2ステーションまでの運搬距離の長さは、前記案内及び運搬ユニットを表し、かつ、前記仮想設定を形成する複数の前記仮想コンベアモジュールの配列から計算され、前記第1ステーション及び前記第2ステーションの間の前記仮想設定に沿った前記ロボットユニットの移動距離は前記移動速度に基づいて計算され、
前記計算ステップc)において、前記ロボットユニットは、前記仮想安全フェンスによって表される前記安全フェンスを通過するように計算される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
運搬方向に沿って延在する複数のラック要素(310a~310d、320a~320c)であって、前記ラック要素の各々が、可動キャリア装置(10)によって規定される可動負荷支持面(11)を備える、複数のラック要素(310a~310d、320a~320c)と、
ロボットユニット(20)として構成された第2コンベヤモジュールであって、
前記ロボットユニット(20)は、
前記運搬方向に前記ラック要素に沿って前記駆動ロボットユニット(20)を駆動するための牽引装置(21)と、
前記可動キャリア装置(10)に結合し、かつ、前記可動キャリア装置(10)を駆動するように適合された駆動装置(30)であって、前記可動キャリア装置(10)への前記駆動装置(30)の前記結合が、前記駆動装置(30)に前記可動負荷支持面(11)を移動させることを可能にする、駆動装置(30)と、を備える、第2コンベヤモジュールと、
前記コンベヤ装置に物体を入力することができる第1ステーションを表す少なくとも1つの工作機械(600)と、
保護ゾーン(610)を取り囲むフェンス(620)であって、前記工作機械(620)は前記保護ゾーン(610)内に位置決めされる、フェンス(620)と、
前記保護ゾーン(610)に隣接し、かつ、前記フェンス(620)によって前記保護ゾーン(610)から分離された人間の作業ゾーン(630)と、備え、
前記ラック要素は、前記人間の作業ゾーンから前記フェンスを通じて前記保護ゾーンに延在する運搬トラックを規定し、
前記ロボットユニット(20)は、前記人間の作業ゾーンから前記保護ゾーンに及びその逆に、前記ラック要素を駆動するように適合される、コンベヤ構成。
【請求項13】
前記ロボットユニットは前端及び後端を有し、少なくとも1つの前方飛行時間センサが前記前端に位置決めされ、及び好ましくは、少なくとも1つの後方飛行時間センサが前記後端に位置決めされ、
センサ信号を受信するための前記前方飛行時間センサに結合された制御ユニットをさらに備え、前記制御ユニットは、前記センサ信号を解釈して、前記運搬方向に障害物を識別し、かつ、障害物が駆動モードで識別される場合に前記牽引装置を停止させるように制御するように適合される、請求項12又は請求項1~5のいずれか1項に記載のコンベヤ構成。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記センサ信号を解釈して、前記可動キャリア装置の上部に物体を識別し、かつ、前記牽引装置を制御して前記物体の下方に前記ロボットユニットを位置決めするように適合される、請求項13に記載のコンベヤ構成。
【請求項15】
物体を取り扱い、かつ、工作機械で前記物体を機械加工する方法であって、
運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップを含み、前記ラック要素は、前記人間の作業ゾーンから、フェンスによって人間の作業ゾーンから分離された工作機械ゾーンまで延在し、
前記ラック要素の各々は、可動キャリア装置によって規定された可動負荷支持面を備え、
ロボットユニットは牽引装置を備え、駆動装置は、前記ラック要素に沿って前記牽引装置によって駆動され、
前記駆動装置は、前記可動キャリア装置に結合し、かつ、前記可動キャリア装置を駆動し、
前記物体は、前記可動キャリア装置の上部に位置決めされ、
前記物体は、人間によって前記人間の作業ゾーンで人間によって取り扱われ、かつ、前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記工作機械によって前記物体を機械加工するために前記人間の作業ゾーンから前記工作機械ゾーンに、前記ロボットユニットと同期して前記可動キャリア装置の上部で前記ラック要素に沿って移動させられる、又は、
前記物体は、前記工作機械ゾーンで前記工作機械によって機械加工され、かつ、前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記工作機械ゾーンから前記人間の作業ゾーンに、前記ロボットユニットと同期して前記可動キャリア装置の上部で前記ラック要素に沿って移動させられ、かつ、前記人間の作業ゾーンで人間によって取り扱われる、方法。
【請求項16】
前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記ロボットユニットによって第1コンベヤトラックの運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップと、
第2コンベヤトラックに、交差横断ラック要素によって前記ロボットユニット及び前記物体を輸送するステップと、
前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記ロボットユニットによって前記第2コンベヤトラックの運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップと、を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ装置及びそのようなコンベヤ装置を構成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤ装置は、物体のイントラロジスティクス取り扱いのための複数の用途で使用される。多くの場合、そうしたコンベヤ装置は、物体を運搬、分類及び分配するために使用される。これらの物体は、パレット、プラットフォーム、ボックスなどのキャリア上に配置され得る。
【0003】
一般に、例えば、コンベヤベルトユニット又はコンベヤドライブを含むコンベヤローラユニットなどの単一のコンベヤユニットからそのようなコンベヤ装置を構築することが知られている。このような構成では、高い運搬容量を達成することができる。運搬方向は、コンベヤ装置の出発点と到着点とを接続する複数の運搬ユニットの配置及び配列によって事前に規定される。このようなコンベヤ装置は、事前に規定された運搬経路での大容量運搬タスクに効率的であることが証明されているが、より低い容量要件を有するかなりばらつきのある運搬経路及び到着地には、さらなる異なるタイプのコンベヤ装置が好ましい。この異なるタイプのコンベヤ装置は無人搬送車(AGV)を採用しており、無人搬送車(AGV)は、イントラロジスティクス環境で部分的又は完全に自律的に運転し、かつ、物体を輸送するように適合されている。このようなAGVベースのコンベヤ装置は、コンベヤ装置によって運搬される物体を人間が作業又は処理しているエリアに設置される場合、かなりの安全設備を必要とする。AGVベースのコンベヤ装置のさらなる欠点は、例えば、コンベヤベルト設備又はコンベヤローラ設備などのコンベヤドライブを有する固定コンベヤユニットから形成されたコンベヤ装置と比較して、容量がかなり小さいことである。AGVベースのコンベヤ装置のこの運搬容量の低さは、イントラロジスティクスコンベヤ装置で動作するAGVの数を増やすことによってある程度補償され得るが、これは、コストを増加させ、かつ、衝突を回避する必要があるので複数のAGVの自己妨害の可能性の増加によって制限される。
【0004】
コンベヤ装置の設計及び設定に関連する最初の問題は、一般に、特定のイントラロジスティクス環境の要求及び要件を満たすような方法におけるそのようなコンベヤ装置の構成にある。例えば、コンベヤ装置は、工作機械によって機械加工される物体を送達する、又は、工作機械によって機械加工される物体を載せるのに役立ち得る。このような場合、コンベヤ装置の運搬容量は、工作機械の生産能力に対応するため、十分に高くなければならない。他の用途では、入力ポートを通じて時間あたり送達される物体の事前に規定された速度を有する入力ポートがコンベヤ装置に接続され得る。こうした場合、コンベヤ装置の運搬容量は、前記入力ポートを介して送達された物体を載せ、かつ、これらの物体を運搬する又はこれらの物体を到着地に分配するため、十分に高くなければならない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1目的は、既知のコンベヤ装置及び既知のAGVベースのコンベヤ構成と比較して、効率的な変動性対容量比を有するコンベヤ装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、ユーザが、便利で効率的な方法で特定の運搬タスクの実際の必要性に従ってコンベヤ装置を構成することを可能にすることである。
【0006】
これらの目的は、コンベヤ装置によって本発明の第1態様に従って達成され、コンベヤ装置は、第1コンベヤトラックを規定する第1列に配列された複数のラック要素であって、前記第1コンベヤトラックは、第1運搬方向に沿って物体を案内及び運ぶように適合される、複数のラック要素と、第2コンベヤトラックを規定する第2列に配列された複数のラック要素であって、前記第2コンベヤトラックは、第2運搬方向に沿って物体を案内及び運ぶように適合され、前記第2コンベヤトラックは、前記第2運搬方向に延在し、かつ、前記第2運搬方向に対して前記第1コンベヤトラックに対してある横方向距離に位置決めされ、各ラック要素は、上部負荷面及び結合インタフェースを有する可動キャリア装置を備える、複数のラック要素と、牽引装置及び駆動装置を有するロボットユニットであって、前記牽引装置は、前記第1運搬方向又は前記第2運搬方向に沿って前記ロボットユニットを移動させるように適合され、前記駆動装置は、前記可動キャリア装置の前記結合インタフェースに係合して前記可動キャリア装置を駆動するように適合される、ロボットユニットと、前記ロボットユニットを載せるように適合された交差横断ラック要素であって、前記交差横断ラック要素は、物体を載せるように適合された上部横断負荷面及び横断結合インタフェースを有する横断移動可能負荷支持装置を備え、前記交差横断ラック要素は、前記第1コンベヤトラックから前記第2コンベヤトラックに及びその逆に、前記第2運搬方向に対して横方向に移動するように適合され、前記交差横断ラック要素は、前記第1コンベヤトラックに結合し、かつ、前記交差横断ラック要素の第1位置で、前記横断負荷面上に位置決めされた物体を、前記第1コンベヤトラックのラック要素の前記可動キャリア装置の前記負荷面に及びその逆に、移送するようにさらに適合され、前記第1位置において、前記交差横断ラック要素は、前記ロボットユニットが前記交差横断ラック要素から前記第1コンベヤトラックの前記ラック要素に及びその逆に移動することができるように、前記第1コンベヤトラックの前記ラック要素に結合され、前記交差横断ラック要素は、前記第2コンベヤトラックに結合し、かつ、前記交差横断ラック要素の第2位置で、前記横断負荷面上に位置決めされた物体を、前記第2コンベヤトラックのラック要素の前記可動キャリア装置の前記負荷面に及びその逆に、移送するようにさらに適合され、前記第2位置において、前記交差横断要素は、前記ロボットユニットが前記交差横断ラック要素から前記第2コンベヤトラックの前記ラック要素に及びその逆に移動することができるように、前記第2コンベヤトラックの前記ラック要素に結合される、交差横断ラック要素と、を備える。
【0007】
本発明に係るコンベヤ装置は2つのコンベヤトラックを備え、3以上のコンベヤトラックがコンベヤ装置に含まれ得ることが理解される。各コンベヤトラックは複数のラック要素を備える。これらのラック要素は、コンベヤ装置のモジュール構成が可能であるように互いに同様であってもよい。しかしながら、コンベヤトラックの特定の要件を満たすために様々なラック要素が採用されてもよい。コンベヤトラックは、直線の運搬方向に沿って延在してもよく、又は、湾曲した運搬方向を有してもよい。2つのコンベヤトラックは、互いに横方向距離に位置決めされる。これは、第1コンベヤトラックのラック要素が、第2コンベヤトラックのラック要素に対して平行かつ距離を置いた位置に配列され得るように実現されてもよい。通常、この横方向距離は、第1運搬方向に沿って第1コンベヤトラックに沿って運搬される物体がこの第1運搬方向に沿って第2コンベヤトラックに運搬され得ないように理解されてもよい。
【0008】
ラック要素は通常、フレーム状の構成として構築される。各ラック要素は可動キャリア装置を備える。これらの可動キャリア装置は各々、コンベヤ装置によって運搬されるべき物体又は物体用のキャリアを支持するように適合及び意図された上部負荷面を有する。可動キャリア装置は、複数のローラ、特に、ローラドライブを有しないローラ、すなわち、直線の又は湾曲したアイドルローラ運搬トラックがそうしたラック要素によって形成されるように互いに実質的に平行な構成で配列されたアイドルローラを備えてもよい。ラック要素は、2、3、4、5又はそれ以上のそうしたアイドルローラを備えてもよい。代替として、可動キャリア装置は、運搬方向に沿って延在するエンドレスベルトを備えてもよく、そうしたエンドレスベルトの上面セクションは、物体又はキャリアを載せるための上部負荷面を規定する。
【0009】
可動キャリア装置は結合インタフェースをさらに備える。そうした結合インタフェースは、前記可動キャリア装置を駆動するためのドライブに結合するのに役立つ。可動キャリア装置が複数のアイドルローラを備える場合、この結合インタフェースは、ドライブがこの下部セクションに結合することができるように、ローラの周面の下部セクションによって形成されてもよい。代替として、スプロケットホイール又はポリVホイールのようなそうしたローラに接続された横方向の周セクション又は特定の結合要素が結合インタフェースとして機能し得る。複数のアイドルローラのうちのローラは互いに結合されていないことが好ましいことが理解される。したがって、1つのアイドルローラが、隣接する別のアイドルローラに力又はトルクを伝達し得ない。これによって、各アイドルローラの個別の駆動が可能になり、及びしたがって、前記アイドルローラの上部上の物体の運搬の高度に可変な制御が達成される。エンドレスベルトの場合、下部ベルトセクション、すなわち、ベルトの下部ストランドが結合面として機能してもよい。好ましくは、前記運搬方向に沿って一列に配列された複数のエンドレスベルトがコンベヤトラックの各々で採用され、上述したように、物体の運搬を非常に可変的に制御するのと同じ理由で各エンドレスベルトの個別の駆動が可能にされるように、これらのエンドレスベルトが互いに力又はトルク伝達のために結合されないことが理解される。
【0010】
コンベヤ装置はロボットユニットをさらに備える。このロボットユニットは、床を横切って、又は、例えば、第1コンベヤトラック及び第2コンベヤトラックのラック要素で構成されるレール構成上のもののような案内構成で、ロボットユニットを駆動するための牽引装置を備える。この牽引装置は、好ましくは、ロボットユニットが自走可能であり、かつ、この牽引装置を介してコンベヤトラックに沿って移動することができるように、ロボットユニットに備えられた牽引ドライブによって駆動される。牽引装置は、2、3又は4以上のホイール又はクローラなどを備えてもよい。
【0011】
ホイールは、各ホイールが水平軸周りで回転可能であり、すべての前記軸が互いにオフセットされるような状態で3以上のホイールが存在するように配列されてもよい。ロボットユニットは、牽引装置の上部負荷面と下部接触平面との間の垂直距離が2メートル未満、特に、1.5メートル未満又は1メートル未満になるように、設計されてもよい。これによって、ラック要素内で動作する前記牽引装置を有するラック要素へのロボットユニットの効率的な統合が達成され得る。ロボットユニットはさらに、その駆動方向に沿って2メートル未満、特に、1.5メートル未満の水平方向長さを有してもよい。これによって、前記ロボットユニットの長さは、標準化されたパレットの長さに対応し、及びしたがって、そうしたパレットの非常に可変的な出荷が達成される。
【0012】
ロボットユニットは駆動装置をさらに備える。駆動装置は、結合インタフェースを介して可動キャリア装置に結合するように適合される。駆動装置は、ロボットユニットのこの駆動ユニットを介して自律的に推進されるように、ロボットユニットに搭載されて設置された駆動ユニットによって駆動されることが好ましい。
【0013】
コンベヤトラックを形成するロボットユニット及びラック要素のこの構成は、ロボットユニットの駆動装置を介して可動キャリア装置を駆動することによって、コンベヤトラックに沿って複数の物体又は単一の物体と共にキャリアを移動させることによって物体を運搬することを可能にする。物体又はキャリアのこの運搬は、牽引装置によるコンベヤトラックに沿ったロボットユニットの移動と同期されることができる。これによって、ロボットユニットとコンベヤトラックに沿った物体又はキャリアとの同期移動が達成されることができ、及びしたがって、ロボットユニットを使用する個別の可変の移動が達成される。ロボットユニット自体は、物体又はキャリアの負荷を支持しないが、代わりに、この負荷は、可動キャリア装置を介してラック要素によって支持される。しかしながら、ロボットユニットは、駆動エネルギーを供給して、コンベヤトラックに沿って前記物体又はキャリアを移動させる。一例として、可動キャリア装置がローラ又はエンドレスベルトにより形成されている場合、牽引装置は、牽引速度で運搬方向に沿ってロボットユニットを移動させ得、駆動装置は、牽引速度の2倍の駆動速度で運搬方向と反対の方向に移動し得る。これによって、例えば、ローラ又はエンドレスベルトのような可動キャリア装置は、上部負荷面に配置された物体とロボットユニットとのコンベヤトラックに沿った同期移動が達成されるように、ロボットユニットの牽引速度で上部負荷面が運搬方向に駆動されるように駆動される。
【0014】
制御ユニットは、特に、そうした同期移動を制御するように牽引装置及び駆動装置を制御するように適合されたロボットユニットの一部として、及び好ましくは、ロボットユニットに備えられて、コンベヤ装置に含まれてもよいことが理解される。制御ユニットは、牽引装置及び駆動装置が同じ速度で反対方向に駆動されるように、異なる運搬状況、例えば、静止した上部負荷面を有するコンベヤトラックに沿ったロボットユニットの移動を制御し得ることがさらに理解される。さらに、ロボットユニットの上方の位置からの物体の排出、又は、ロボットユニットの上方の位置への物体の収集が、牽引装置が静止状態に維持され、かつ、駆動装置が駆動されるように制御されてもよい。
【0015】
コンベヤ装置は交差横断ラック要素をさらに備える。この交差横断ラック要素は、第1コンベヤトラック及び第2コンベヤトラックを形成するラック要素とは異なる。交差横断ラック要素は、第1コンベヤトラック及び第2コンベヤトラックを接続するように機能し、及びしたがって、第1コンベヤトラック又は第2コンベヤトラックに沿った運搬方向に対して横方向の移動を実行するように構成される。ロボットユニットは、交差横断ラック要素及びロボットユニットとの同期移動が行われるように、交差横断ラック要素に接続してもよく、又は、他の方法で交差横断ラック要素に位置決めされてもよい。これは、例えば、交差横断ラック要素が、ロボットユニットの牽引装置によって係合されることができるレール状の牽引面を備えるという点で達成されることができる。そのようなレールは、ロボットユニット用のレールを有するラック要素にも交差横断ラック要素が結合する場合に、ロボットユニットの牽引装置用の連続牽引プラットフォームが確立されるように形成されてもよい。
【0016】
交差横断ラック要素は横断可動負荷支持装置をさらに備える。この横断可動負荷支持装置は、ラック要素の可動負荷支持装置にいくらか類似していてもよく又は同一であってもよい。この横断可動負荷支持装置は、横断負荷面と、横断結合インタフェースと、を備え、これらは、ラック要素の負荷面及び結合インタフェースとほぼ同様又は同一であってもよい。これによって、物体又はキャリアは、交差横断ラック要素によって支持されることができ、かつ、横断結合インタフェースを介して、前記横断可動負荷支持装置をその駆動装置によって駆動するロボットユニットとの対応の相互作用によって運搬されることができる。概して、ロボットユニットと物体又はキャリアとは、そのような横方向移動を実行する交差横断ラック要素によって、共に同時に横方向に移動させられてもよい。これによって、ロボットユニットと物体又はキャリアとの両方が、第1コンベヤトラックから第2コンベヤトラックに又はその逆に移送されることができる。
【0017】
交差横断ラック要素は、第1位置で第1コンベヤトラックに結合し、かつ、第2位置で第2コンベヤトラックに結合するように適合され、その結果、ロボットユニットは、そのような結合が確立された後に交差横断ラック要素への接続を解除し、交差横断ラック要素を離れ、かつ、それぞれ第1コンベヤトラック又は第2コンベヤトラックに沿って移動し得る。さらに、この結合は、物体又はキャリアを交差横断ラック要素から第1コンベヤトラック及び第2コンベヤトラックにそれぞれ運搬することを可能にし得る。したがって、概して、ロボットユニットによって第1コンベヤトラックに沿って物体又はキャリアを運搬し、この物体又はキャリアをロボットユニットと同時に交差横断ラック要素に位置決めし、その後、ロボットユニットと共に物体又はキャリアを第2コンベヤトラックに移動させ、及びその後、ロボットユニットによって第2コンベヤトラックに沿って物体を運搬することが可能である。このオプションは、低い投資コストで大きな容量を有する非常に可変的な運搬アクションを切り開く。
【0018】
好ましい第1実施形態によれば、
前記交差横断ラック要素は、前記ロボットユニットの前記牽引装置が前記交差横断ラック要素の前記横方向運動を引き起こすように、前記ロボットユニットに結合されるように適合され、又は
前記交差横断ラック要素は横断牽引装置を備え、横断牽引装置は、前記横断牽引結合インタフェースを介して前記ロボットユニットから前記横断牽引装置に伝達される駆動力が、載せられる前記ロボットユニットと共に交差横断ラック要素の横方向移動を駆動するように、前記交差横断ラック要素によって前記ロボットユニットが載せられるときに、前記牽引装置又は前記ロボットユニットの前記駆動装置に結合するように適合され、又は
前記交差横断ラック要素は、前記交差横断ラック要素の前記横方向移動を引き起こすための交差横断牽引装置を備える。
【0019】
本実施形態によれば、ロボットユニットの牽引装置は、ロボットユニットが交差横断ラック要素に固定された状態で、交差横断ラック要素の横断移動を引き起こし得る。そのような実施形態では、牽引装置は床に直接接触し、これによって、ロボットユニットの結合ユニットと交差横断ラック要素とを推進する。したがって、ロボットは、交差横断ラック要素に載せられ、必要に応じて、ロボットユニットと交差横断ラック要素との間のそれぞれの結合インタフェースによって、回転させられてもよく又は他の方法でその向きを変更されてもよい。
【0020】
代替の実施形態によれば、横断牽引装置は交差横断ラック要素に設けられ得る。この横断牽引装置は、ロボットユニットの牽引装置又は駆動装置のいずれかに結合されることを可能にする。これによって、力又はトルクが前記牽引装置又は駆動装置から横断牽引装置に伝達されて、交差横断ラック要素を横断方向に移動させることができる。これによって、交差横断ラック要素の移動は、ロボットユニットによって、特に、牽引装置又は駆動装置を駆動するためにロボットユニットに取り付けられたドライブのうちの1つに結合することによって、駆動される。横断牽引結合インタフェースは、解除状態の交差横断ラック要素に対するロボットユニットの移動を可能にし、かつ、ロボットユニットが交差横断ラック要素内で静止して前記横断牽引結合インタフェースの結合状態での横断移動を駆動するために解除可能であるように適合されることができる。本実施形態の一般的な代替として、交差横断ラック要素は、前記横断牽引装置を直接駆動し、これによって、ロボットユニットの有無にかかわらず横断牽引装置の自律的な移動を提供する交差横断牽引ドライブを備えてもよいことが理解される。
【0021】
さらに、交差横断ラック要素は、横方向移動を引き起こす独自の駆動ユニットを備えてもよい。これは、例えば、交差横断ラック要素に装着された従動ホイール又はクローラトラックであってもよい。
【0022】
さらに好ましい実施形態によれば、前記横断結合インタフェースは前記ロボットユニットの前記駆動装置に結合するように適合され、前記横断結合インタフェースを介して前記駆動装置から前記横断可動キャリア装置に伝達される力が、前記横断負荷支持面上に位置決めされた物体を運搬する。本実施形態によれば、横断結合インタフェースは、ロボットユニットの駆動装置による横断可動キャリア装置の駆動を可能にする。駆動装置と横断可動キャリア装置との間のこの結合は、前記コンベヤトラックのうちの1つにおける可動キャリア装置の結合インタフェースへの駆動装置の結合と同様又は同一の方法で設計及び達成され得る。この結合によって、物体又はキャリアは、前記交差横断ラック要素に又は前記交差横断ラック要素から運搬されることができる。特に、交差横断ラック要素は、ラック要素から形成されたコンベヤトラックに統合されてもよく、かつ、物体又はキャリアは、前記コンベヤトラックの端部位置又は中間位置の前記交差横断ラック要素を含む前記コンベヤトラックに沿って運搬されてもよい。
【0023】
前記可動キャリア装置及び/又は前記横断可動キャリア装置は複数のアイドルローラを備え、第1表面セクション、特に、アイドルローラの上部周面セクション又は第1軸方向周面が、それぞれ、負荷支持面及び横断負荷支持面を規定し、第2表面セクション、特に、アイドルローラの下部周面セクション又は第2軸方向周面セクションが、それぞれ、結合インタフェース及び横断結合インタフェースを規定することがさらに好ましい。本実施形態によれば、可動キャリア装置は、アイドルローラ、すなわち、一体型駆動ユニットを有しないローラを備える。そうしたアイドルローラは、円筒形又は円錐形のローラ本体を備えてもよく、そうしたローラ本体の周面は、この周面の周方向セクション又は軸方向セクションのいずれかが、物体又はキャリアを運搬するための、かつ、ロボットユニットの駆動装置に結合するためのこれらの機能面/インタフェースを規定するように、負荷支持面及び結合インタフェースの両方を規定する。第1表面セクション及び第2表面セクションは角度セクションとして規定され、物体又はキャリアへの及び駆動装置への摩擦又はフォームロック接触がそれぞれ確立されることが理解される。可動キャリア装置を駆動する過程で、アイドルローラの周面全体がそうした負荷伝達及び駆動伝達に従事するが、しかしながら、この従事は、特に、特定の固定角度でのみ行われる。
【0024】
さらに好ましい実施形態によれば、第1コンベヤトラック及び第2コンベヤトラックのうちの少なくとも1つが、それぞれ、前記第1コンベヤトラック及び前記第2コンベヤトラックを形成する2つのラック要素の間の結合端又はギャップを備え、前記ギャップは、それぞれ、前記第1位置及び前記第2位置で前記交差横断ラック要素を載せるための寸法を有する。交差横断ラック要素は、第1コンベヤトラック又は第2コンベヤトラックの始点又は終点に位置決めされて、物体又はキャリア及びロボットユニットを交差横断ラック要素から第1コンベヤトラック又は第2コンベヤトラックに移動させ、若しくは、これらのコンベヤトラックのうちの1つから物体又はキャリア及びロボットユニットを載せ得ることが理解される。しかしながら、特定の実施形態では、2つのラック要素の間にギャップが提供され、ギャップは、交差横断ラック要素がこのギャップを埋めて、それぞれ、第1コンベヤトラック又は第2コンベヤトラックを完成させることができるような寸法を有する。これによって、第1コンベヤトラックの任意の位置から第2コンベヤトラックの任意の位置に及びその逆に、物体又はキャリアが効率的に運搬されることができる。特に、物体又はキャリアと共にロボットユニットを第1コンベヤトラック又は第2コンベヤトラックの一方の端部まで駆動して前記物体/キャリア及び前記ロボットユニットの横断移動を可能にする必要はない。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、本目的は、コンベヤ装置、特に上述したようなコンベヤ装置を構成するための方法によって解決され、当該方法は、
a)グラフィカルユーザインタフェース上に既定の仮想モジュールのリストを提供することであって、前記リストは、少なくとも3つの異なる仮想モジュールを備え、前記リストは、仮想コンベヤモジュールによって表されるコンベヤモジュールの運搬容量を特徴付ける第1運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想コンベヤモジュールと、コンベヤ装置に物体を入力することができる第1ステーションを表す少なくとも1つの仮想開始モジュールと、コンベヤ装置から物体を出力するために仮想終了モジュールによって表される第2ステーションの出力容量を特徴付ける第2運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想終了モジュールと、を包含し、前記既定の仮想モジュールのリスト及び前記少なくとも1つのパラメータが電子ストレージに保存される、提供することと、
b)グラフィカルユーザインタフェースフィールドを提供することであって、ユーザは、コンベヤ装置のコンベヤ設定を表す仮想設定を構成するために前記既定の仮想モジュールのリストから選択された複数の仮想モジュールを配置し得る、提供することと、
c)前記第1運搬パラメータ及び前記第2運搬パラメータ並びに前記仮想設定に基づいて、シミュレーションモードで、前記仮想設定によって表されるコンベヤ装置の運搬作業を計算することと、
d)物体の数がコンベヤ装置から物体を出力する第2ステーションの容量と同等以上であるように多数の物体が1回あたり前記第2ステーションに運搬されるように、前記第1ステーションから前記第2ステーションに十分な物体を運搬することができるように前記コンベヤ装置が十分な運搬容量を有するかどうかを前記運搬作業から計算することと、
e)ステップd)で実行された計算が、前記仮想設定によって表されたコンベヤ設定が、第2ステーションの容量を満たすのに十分な運搬容量を有することを表したかどうかを特徴付ける信号を、ユーザインタフェースを介して出力することと、を含む。
【0026】
本発明のこの態様によれば、モジュール式運搬装置が提供され、この運搬装置を効率的に構成するための方法により、ユーザが、構成された運搬装置の効率的な使用及び十分な容量を予測することを可能にする。この予測は、最初にレイアウトプロセスにおけるコンベヤ装置の設定を規定し、及びその後、このレイアウトプロセスから得られたデータに基づいて運搬プロセス及びコンベヤ容量のシミュレーションを計算することによって、本発明に従って達成される。
【0027】
好ましい実施形態によれば、ステップb)は、コンベヤ装置が設置されることになる空間の幾何学的境界及び潜在的な組み込み構成要素を記述する幾何学的データを読み込むことと、グラフィカルユーザインタフェースフィールドで前記境界及び構成要素をユーザに表示することと、を含んでもよい。例えば、DXF/DWGデータファイルが提供されて、そうした境界及び構成要素を規定してもよい。
【0028】
レイアウトプロセスでは、ユーザは、事前に規定された仮想モジュールから、コンベヤ装置を構成して設計するために使用されるモジュールを選択してもよい。ユーザは、単一の仮想モジュール又は複数の同一の仮想モジュールを選択し、かつ、これらのモジュールを、実際の応用のコンベヤ装置で実現されることを意図するそうした配列で仮想フィールドに配列してもよい。これらの既定の仮想モジュールのリスト及びコンベヤ装置の設定が仮想的に構築される仮想フィールドの提供は、コンピュータの画面、タッチスクリーンを有する電子手持ち式装置などのグラフィカルユーザインタフェースを介して行われる。各仮想モジュールには、そうしたモジュールの運搬特性を特徴付ける関連のパラメータを有する。一例として、そうしたパラメータは、運搬速さ又は運搬速度、コンベヤモジュールの長さ、若しくは、このモジュールの運搬容量を計算することに関連する任意のさらなるパラメータを含み得る。ユーザはさらに、物体又はキャリアを駆動することによって運搬作業を引き起こしているロボットユニットを表す仮想モジュールを選択してもよい。
【0029】
ユーザがグラフィカルユーザインタフェース上の仮想設定でコンベヤ装置を規定した後、仮想設定などのコンベヤモジュールの間の機能していない接続を指摘する妥当性チェックが実施されてもよい。
【0030】
仮想設定は仮想開始モジュール及び仮想終了モジュールをさらに備える。これらのモジュールは、それぞれ、コンベヤ装置の構成及び仮想設定のどこに位置決めされてもよいことが理解される。コンベヤ装置によって実行されるべきタスクに応じて、開始モジュール及び終了モジュールは、入ってくる又は出ていく物体又はキャリアを表し、開始モジュール又は終了モジュールのうちの少なくとも1つは、入ってくる又は出ていく物体又はキャリアの速度を規定する。この速度は、単位時間あたりに入ってくる物体又はキャリアの数、単位時間あたりに入ってくる又は出ていく物体又はキャリアの重量、単位時間あたりに入ってくる又は出ていく物体又はキャリアの長さの合計などの幾何学的寸法、若しくは、これらの物体/キャリアのコンベヤ容量を計算することに関連する入ってくる又は出ていく物体又はキャリアの速度を特徴付ける任意の他のパラメータ、として規定されてもよい。これは典型的なコンベヤのタスク及び条件を表すので、特に、開始モジュール及び終了モジュールの両方がこうしたパラメータによって特徴付けられてもよく、入ってくる物体又はキャリアの最初に特定された速度が、終了点で出ていく物体及びキャリアの2番目に特定された異なる速度まで、運搬されることになる。
【0031】
本方法のステップa)及びb)に従ったレイアウトプロセスで配列された仮想モジュールによって規定された、そのように規定されたコンベヤ装置に基づいて、電子プロセッサによってシミュレーションが実行され、モジュールの配列と、各モジュールの運搬容量を特徴付けるパラメータとが、レイアウトプロセスで事前に規定された入ってくる又は出ていく速度に基づいてシミレーションされる。この計算は、本方法のステップc)及びd)に従って、コンベヤ装置の構成が開始点又は終了点でのニーズを満たすのに十分な容量を提供するかどうかを明らかにする。ステップc)及びd)のシミュレーションプロセスの結果を特徴付けるそれぞれの信号がユーザインタフェースを介して出力される。この信号は、容量の要件が満たされているか否かをユーザに示す単純なバイナリ信号であってもよい。しかしながら、信号は、コンベヤ装置の全体的な容量のボトルネックを表すモジュールをマークする、又は、容量を増大させるモジュールのレイアウトへの変更又は改善を提案する、高度な信号であってもよい。一例として、ユーザに出力される信号は、開始モジュール又は終了モジュールの容量のニーズを満たすために、第2ロボットユニットがコンベヤ装置に設置されるべきであることを信号で伝え得る。さらに、ロボットユニットが開始モジュールから終了モジュールまでのより短い経路に沿って物体及びキャリアを運搬することを可能にするためのコンベヤトラックの短縮が信号によって反映され得る。さらに、容量を大幅に減少させるボトルネック位置が特定された場合、これは、信号によって強調され、及び/又は、この位置での容量を増大させるための平行なコンベヤトラックが信号を介して提案されることができる。
【0032】
本発明のこの態様の代替案によれば、本発明の基礎となる目的は、コンベヤ装置を構成するための方法によって解決され、本方法は、
a)グラフィカルユーザインタフェース上に既定の仮想モジュールのリストを提供することであって、前記リストは、少なくとも3つの異なる仮想モジュールを備え、前記リストは、仮想コンベヤモジュールによって表されるコンベヤモジュールの運搬容量を特徴付ける第1運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想コンベヤモジュールと、コンベヤ装置に物体を入力するための仮想開始モジュールによって表される第1ステーションの入力容量を特徴付ける第3運搬パラメータに関連付けられた少なくとも1つの仮想開始モジュールと、コンベヤ装置から物体を出力することができる第2ステーションを表す少なくとも1つの仮想終了モジュールと、を包含し、前記既定の仮想モジュールのリスト及び前記少なくとも1つのパラメータは電子ストレージに保存される、提供することと、
b)グラフィカルユーザインタフェースフィールドを提供することであって、ユーザは、前記既定の仮想モジュールのリストから選択された複数の仮想モジュールを配置して、コンベヤ装置のコンベヤ設定を表す仮想設定を構成し得る、提供することと、
c)前記第1運搬パラメータ及び前記第3運搬パラメータ並びに前記仮想設定に基づいて、シミュレーションモードで、前記仮想設定によって表されるコンベヤ装置の運搬作業を計算することと、
d)コンベヤ装置に入力されたすべての物体を前記第1ステーションからコンベヤ装置に前記第2ステーションに運搬することができるように、前記コンベヤ装置が十分な運搬容量を有するかどうかを前記運搬作業から計算することと、
e)ステップd)で実行された計算が、前記仮想設定によって表されるコンベヤ設定が第1ステーションの容量を満たすのに十分な運搬容量を有することを明らかにしたかどうかを特徴付ける信号を、ユーザインタフェース介して出力することと、を含む。
【0033】
本発明の上述した態様に対するこの代替案は、物体又はキャリアが特定の速度でコンベヤ装置に入力される、コンベヤの開始モジュールにおける事前に規定された容量に基づいている。本方法では、レイアウトプロセス及びシミュレーションでの容量の計算は基本的に、第1代替案と同じ方法で行われるが、第1代替案では、ユーザに出力される信号が、開始位置から終了位置に物体又はキャリアを運搬してこの終了位置で排出される物体の特定の速度を満たすための十分な運搬容量があるかどうかを明確に示し、第2代替案では、特定の速度でコンベヤ装置に開始位置で入力される物体を終了位置まで運搬するための運搬容量が十分であるかどうかを明確に示す。したがって、第1代替案では、開始位置が終了位置でのニーズ及び速度を満たすのに十分な任意の速度で物体を提供し得ることが想定される一方で、第2代替案は、既定の速度で物体を入力する開始位置のニーズ及び速度を満たすのに十分な任意の速度で物体を終了位置が出力することができるという推定に基づいて信号を計算する。しかしながら、どちらの代替案でも、仮想空間内のコンベヤ装置のレイアウトがシミュレーションを実行するための基礎を形成し、かつ、シミュレーションは、開始位置から終了位置までの仮想設定によって表されるコンベヤ装置の運搬容量を計算する。
【0034】
両方の代替実施形態において、前記計算ステップc)において、キャリアの負荷容量及びコンベヤドライブの移動速度は前記第1運搬パラメータに含まれ、前記第1ステーション及び前記第2ステーションの間の運搬距離が前記仮想設定から導出され、前記計算ステップd)において、前記負荷容量及び前記移動速度は、互いに乗算され、かつ、前記運搬距離で除算されて、前記コンベヤ装置の送達速度を計算し、前記送達速度は、前記第1ステーション又は前記第2ステーションの前記入力容量又は前記出力容量とそれぞれ比較されることが好ましい。この好ましい実施形態によれば、計算ステップc)及びd)は、第1ステーション及び第2ステーションの間の仮想設定によって規定される運搬経路の長さ、同時に運搬されるべき物体の数、及び、これらの物体の運搬速度を考慮する。その後、これらのパラメータに基づいて、運搬容量がそれぞれ入力容量又は出力容量以上であるかどうかが計算されて比較されることができる。負荷容量及び移動速度は、第1ステーション及び第2ステーションの間のコンベヤ経路に包含される各単一のコンベヤモジュールについて規定されてもよく、及び、計算ステップc)によるシミュレーションでは、このような各コンベヤモジュールの単一容量が計算されてもよく、かつ、運搬経路全体に沿った積分計算が実行されて運搬容量を決定してもよいことが理解される。
【0035】
さらに好ましい実施形態によれば、前記仮想コンベヤモジュールによって表される前記コンベヤモジュールは、物体を運び及び案内するように適合され、かつさらに、ロボットユニットに結合するように適合されたラック要素であり、前記リストは、前記ロボットユニットを表す第2仮想コンベヤモジュールをさらに備え、コンベヤパラメータは、前記ラック要素に沿った前記ロボットユニットの並進移動速度を特徴付ける前記第2コンベヤモジュールに関連付けられ、前記計算ステップc)において、前記第1ステーションから前記第2ステーションまでの運搬距離の長さが、前記ラック要素を表し、かつ、前記仮想セットアップを形成する複数の前記仮想コンベヤモジュールの配列から計算され、前記第1ステーション及び前記第2ステーションの間の前記仮想設定に沿った前記ロボットユニットの移動距離が前記移動速度に基づいて計算される。本実施形態によれば、仮想コンベヤモジュールの設定によって表されるコンベヤ装置は、先で論じたラック要素に対応し得る案内及び運搬ユニットとして構成されたラック要素から構成され、ラック要素は、運搬されるべき物体又はキャリアを運ぶのに役立ち、及びさらに、前記物体又はキャリアを案内し、かつさらに、ロボットユニットを案内するのに役立つ。この特定の構成により、コンベヤトラックを形成するために互いに隣接して位置決めされることができるラック要素を使用して、コンベヤ装置の可変で柔軟な設定を可能にする。ロボットユニットは、前記コンベヤトラックに沿って前記物体又はキャリアと同時にロボットユニットを移動させることによって、そうしたコンベヤトラックに沿って物体又はキャリアを運搬するのに役立つ。本態様では、ロボットユニットは第2仮想コンベヤモジュールによって表され、したがって、ユーザが、コンベヤ装置に存在するべき1、2又はそれ以上のそうしたロボットユニットを選択し、及びしたがって、運搬容量を計算するための重要なパラメータを規定することを可能にする。本実施形態に係るコンベヤモジュールによって表されるコンベヤ装置の設定が前述のコンベヤ装置の構成に対応し得ること、及び、そうした構成に包含される任意の関連する幾何学的又は機能的パラメータが、コンベヤ装置を仮想的に規定するためにユーザによって使用される仮想コンベヤモジュールに関連付けられたコンベヤパラメータによって表されてもよいことが理解される。
【0036】
前記ロボットユニットを載せるように適合された交差横断ラック要素は、前記ロボットユニットの前記並進移動に対して傾斜方向に配向された交差横断を実施するように構成された第3仮想コンベヤモジュールによって表されることがさらに好ましく、交差横断移動速度は、前記第3仮想コンベヤモジュールに関連付けられるコンベヤパラメータに包含され、前記仮想設定は、第1コンベヤライン及び前記第1コンベヤラインに対してある距離に配列された第2コンベヤラインを備え、前記第1コンベヤライン及び前記第2コンベヤラインの各々は、複数の前記仮想コンベヤモジュールと、前記第1コンベヤライン及び前記第2コンベヤラインを接続する第3仮想コンベヤモジュールと、を備え、前記第1ステーションは前記第1コンベヤラインに位置決めされ、前記第2ステーションは前記第2コンベヤラインに位置決めされ、前記計算ステップc)において、交差移動距離は、前記第1コンベヤラインから前記第2コンベヤラインに前記ロボットユニットを移動させるために前記交差横断ラック要素が移動した距離として、前記仮想設定に基づいて計算され、前記交差移動距離及び前記交差移動速度から計算された移動時間は前記計算ステップd)において考慮される。
【0037】
本方法のこのさらに好ましい実施形態によれば、コンベヤ装置の仮想設定は、本発明の第1態様で前述した交差横断ラック要素を備え、前記交差横断ラック要素は、第3仮想コンベヤモジュールと、運搬容量を計算するためのこの交差横断ラック要素の関連の特性を特徴付けるコンベヤパラメータと、によって表される。これによって、コンベヤ装置の可変で複雑なアーキテクチャが構成されて仮想設定で表されることができ、前記第1ステーションと前記第2ステーションとの間の運搬経路に包含される様々なコンベヤモジュールの単一及びローカルのパラメータ及び距離を含むとともに実施する、第1ステーションと第2ステーションとの間の運搬容量が計算されることができる。前記交差横断ラック要素の幾何学的特性及び機能的特性は、前述した交差横断ラック要素のものと同一であってもよいことが理解される。
【0038】
さらに好ましい実施形態によれば、既定の仮想モジュールの前記リストは、工作機械を表す仮想工作機械モジュールを備え、前記仮想工作機械モジュールに関連付けられた運搬パラメータは、前記工作機械の周囲の安全フェンスを表す仮想安全フェンスを規定し、前記仮想コンベヤモジュールによって表される前記コンベヤモジュールは、物体を運ぶ及び案内するように適合され、かつ、ロボットユニットに結合するようにさらに適合されたラック要素であり、前記リストは、前記ロボットユニットを表す第2仮想コンベヤモジュールをさらに備え、コンベヤパラメータは、前記ラック要素に沿った前記ロボットユニットの並進移動速度を特徴付ける前記第2コンベヤモジュールに関連付けられ、前記計算ステップc)において、前記第1ステーションから前記第2ステーションまでの運搬距離の長さが、前記案内及び運搬ユニットを表し、かつ、前記仮想設定を形成する複数の前記仮想コンベヤモジュールの配列から計算され、かつ、前記第1ステーション及び前記第2ステーションの間の前記仮想設定に沿った前記ロボットユニットの移動距離が前記移動速度に基づいて計算され、前記計算ステップc)において、前記ロボットユニットは、前記仮想安全フェンスによって表される前記安全フェンスを通過するように計算される。
【0039】
本実施形態及び本発明の態様によれば、工作機械は、コンベヤ装置によって供給される設定に含まれる。そうした工作機械は、前記工作機械によって機械加工された物体がコンベヤ装置に入力される、又は、工作機械によって機械加工されるべき物体が、十分な運搬容量を有するコンベヤ装置から出力されるという点で、開始モジュール又は終了モジュール、すなわち、第1ステーション又は第2ステーションを形成し得る。工作機械は、工作機械の周囲の領域又はセクタに人間が進入するのを防ぐフェンスによって保護される。このフェンスは、運搬パラメータとして規定された仮想安全フェンスによって表される。本実施形態では、コンベヤ装置は、工作機械に及び工作機械から物体を運搬することができる、すなわち、フェンスを横切ることができる。しなしながら、このフェンスの横切りは、運搬容量を変化させ得るという点で、運搬パラメータとして考慮される。最初の例として、フェンスの外側の安全要件が人間の存在を考慮しなければならない一方で、これは保護領域/セクタの内側では考慮されるべきではないので、コンベヤ速度は、フェンスの外側よりも保護領域又はセクタの内側の方が速い場合がある。さらに、フェンスを横切ると、フェンスの領域での運搬速度が一時的に低下し得る。さらに、例えば、ラック要素へのキャリアの積み降ろしのような運搬容量に関連する人間の相互作用は、保護領域/セクタの外側でのみ起こり得るが、内側では起こり得ない。運搬容量に影響を与えるこれらの側面は、仮想設定におけるフェンスの位置及び前記仮想工作機械に関連付けられた運搬パラメータによって表され得る。具体的な問題として、ロボットユニットは、フェンスを横切るように、すなわち、保護領域/セクタの内側及び外側で運搬アクションを行うように適合される。これによって、物体又はキャリアをそうした保護領域内に、又は、そうした保護領域から移送するために異なるコンベヤ装置が必要とされないという点で、運搬速度は概して増加し得る。本発明によれば、コンベヤ装置のこの特定の設定が、コンベヤ装置のレイアウトにおいて、及び、仮想レイアウトに従ったそのように構成されたコンベヤ装置の運搬容量のシミュレーションにおいて考慮される。
【0040】
本発明のさらなる態様として、物体は、運搬方向に沿って延在する複数のラック要素であって、前記ラック要素の各々は、可動キャリア装置によって規定される可動負荷支持面を備える、複数のラック要素と、ロボットユニットとして構成された第2コンベヤモジュールであって、前記ロボットユニットは、前記駆動ロボットユニットを前記運搬方向に前記ラック要素に沿って駆動するための牽引装置と、前記可動キャリア装置に結合し、かつ、前記可動キャリア装置を駆動するように適合された駆動装置と、を備え、前記駆動装置の前記可動キャリア装置への前記結合は、前記駆動装置が前記可動負荷支持面を移動させることを可能にする、第2コンベヤモジュールと、物体をコンベヤ装置に入力することができる第1ステーションを表す少なくとも1つの工作機械と、保護ゾーンを取り囲むフェンスであって、前記工作機械は、前記保護ゾーン内に位置決めされ、前記保護ゾーンに隣接し、かつ、前記フェンスによって前記保護ゾーンから分離される人間の作業ゾーンをさらに備え、前記ラック要素は、前記人間の作業ゾーンから前記フェンスを通って前記保護ゾーンに延在する運搬トラックを規定し、前記ロボットユニットは、前記人間の作業ゾーンから前記保護ゾーンに及びその逆に、前記ラック要素内で駆動するように適合される、フェンスと、を備えるコンベヤ構成によって解決される。
【0041】
本実施形態によれば、コンベヤ装置と、レイアウト及び運搬容量のシミュレーションに関して前述したようなコンベヤ装置の仮想設定とは、対応のラック要素と、少なくとも1つのロボットユニットと、1つのフェンスで保護される少なくとも工作機械のコンベヤ構成と、を備えるコンベヤ構成で具体化される。ロボットユニットは、保護フェンスを通じて工作機械に物体を運搬するように、及び/又は、前記工作機械から前記保護フェンスを通じて人間の作業ゾーンに物体を運搬するように適合される。これによって、そうした物体を保護された工作機械に及び保護された工作機械から効率的に運搬することが、同時に、工作機械の周囲の保護領域の外側にあるそれらの物体で人間の作業を行う簡単なオプションによって達成される。
【0042】
前記ロボットユニットは前端及び後端を有し、少なくとも1つの前方飛行時間センサが前記前端に位置決めされ、かつ好ましくは、少なくとも1つの後方飛行時間センサが前記後端に位置決めされ、前記ロボットユニットは、センサ信号を受信するための前記前方飛行時間センサに結合された制御ユニットをさらに備え、前記制御ユニットは、前記センサ信号を解釈して、運搬方向の障害物を識別し、かつ、駆動モードで障害物が特定された場合に前記牽引装置を停止させるように制御するように適合されることがさらに好ましい。
【0043】
本実施形態によれば、ロボットユニットは、前端に少なくとも1つの飛行時間センサ(ToFセンサ)を備える。ロボットユニットは、複数の飛行時間型センサ、例えば、後端のさらなる飛行時間センサ又は複数の飛行時間センサを備えてもよいことが理解される。飛行時間センサは、信号を送信し、かつ、その経路上の表面で反射された後にこの信号を受信するセンサとして理解される。センサは、信号の前記送信と前記受信との間の経過時間を計算し、そこから信号を反射した表面までの距離を計算するように適合される。これによって、飛行時間センサは、ロボットユニットを取り巻く環境を安価なコストでリアルタイムに撮影することを可能にする。ロボットユニットの飛行時間センサは、運搬方向の障害物を識別するために採用される。これによって、飛行時間センサの信号を受信するように適合された制御ユニットは、ToFセンサによって識別されたそのような障害物との衝突が回避されるようにロボットユニットの移動を制御することができる。通常、そうした衝突の回避は、ロボットユニットの牽引装置を停止することによって実現されてもよい。これによって、ロボットユニットの安全な駆動が達成される。
【0044】
前記制御ユニットは、前記センサ信号を解釈して、前記可動キャリア装置の上部の物体を識別し、かつ、前記牽引装置を制御して、前記物体の下方に前記ロボットユニットを位置決めするように適合されることがさらに好ましい。本実施形態によれば、ToFセンサは、可動キャリア装置の上部の物体を識別するためにさらに採用される。ロボットユニットはそうした物体と衝突し得ないが、むしろそうした物体の下方を通過する可能性があるので、そうした物体は運搬方向の障害物ではない。しかしながら、ToFセンサは、物体を識別し、かつ、ロボットユニットを前記物体の真下に位置決めするために採用される。前記ロボットユニットが前記物体の真下の可動キャリア装置に駆動装置を結合し、その後、前記可動キャリア装置に結合されている前記駆動装置によってロボットユニット及び物体の同時移動による運搬アクションを実施することを可能にするために、ToFセンサ及び制御ユニットと牽引装置とのそうした機能及び相互作用が必要とされる。
【0045】
ToFセンサは、コンベヤの隣に立っている人間又は物体を検出するためにも使用されてもよい。コンベヤの隣の人間又は物体を検出するとき、制御ユニットは、地面のライトの点滅のような音響信号又は光信号をアクティブにするように適合されてもよく、かつ、移送されている負荷と運搬面の上方に寄り掛かる人間/物体との間の衝突の場合にエネルギーを制限するため、及び、ロボットチャネルに人間/物体が侵入した場合の停止距離を短縮するため、移動速度を遅くしてもよい。
【0046】
本発明のさらなる態様は、物体を取り扱い、かつ、工作機械で前記物体を機械加工する方法であり、
運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップを含み、前記ラック要素は、前記人間の作業ゾーンから、フェンスによって前記人間の作業ゾーンから分離された工作機械ゾーンまで延在し、前記ラック要素の各々が、可動キャリア装置によって規定された可動負荷支持面を備え、牽引装置及び駆動装置を備えるロボットユニットが、前記ラック要素に沿って前記牽引装置によって駆動され、前記駆動装置が、前記可動キャリア装置に結合し、かつ、前記可動キャリア装置を駆動し、前記物体は、前記可動キャリア装置の上部に位置決めされ、前記物体は、人間によって前記人間の作業ゾーンで人間によって取り扱われ、かつ、前記可動キャリア装置の上部の前記ラック要素に沿って、前記工作機械によって前記物体を機械加工するために前記人間の作業ゾーンから前記工作機械ゾーンに、前記可動キャリア装置に結合された前記駆動装置によって前記ロボットユニットと同期して移動させられる、又は、前記物体は、前記工作機械ゾーンで前記工作機械によって機械加工され、かつ、前記可動キャリア装置の上部で前記ラック要素に沿って、前記工作機械ゾーンから前記人間の作業ゾーンに、前記可動キャリア装置に結合された前記駆動装置によって前記ロボットユニットと同期して移動させられ、かつ、前記人間の作業ゾーンの人間によって取り扱われる。
【0047】
本方法は、前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、第1コンベヤトラックの運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記ロボットユニットによって前記物体を運搬するステップと、交差横断ラック要素によって第2コンベヤトラックに前記ロボットユニット及び前記物体を輸送するステップと、前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記第2コンベヤトラックの運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記ロボットユニットによって前記物体を運搬するステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0048】
本方法及び本方法の好ましい実施形態によれば、物体は、人間の作業ゾーン内の人間によって取り扱われ、かつ、ロボットユニットによってその人間の作業ゾーンから保護ゾーンに運搬される。この運搬は、運搬方向に沿った運搬と、前記運搬方向に対して横方向の交差横断運搬と、で行われてもよい。これによって、保護ゾーンと人間の作業ゾーンとの間を高速で通過する柔軟な運搬アクションが達成され、かつ、前記保護ゾーンに出入りするように運搬される物体での人間の安全な作業が達成される。
【0049】
本発明の好ましい実施形態は図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1a-cは、3つの異なる動作モードにおける本発明に係るコンベヤ装置の一部の概略側面図を示す。
図2】センサ検出フィールドの概略図とともに本発明に係るロボットユニットの概略図を示す。
図3】センサ検出動作モードでのコンベヤ装置の一部の概略側面図を示す。
図4】さらなるセンサ検出動作モードにおけるコンベヤ装置の一部の概略側面図を示す。
図5】本発明に係るコンベヤ装置の一部の概略斜視図を示す。
図6】レイアウトプロセスの第1ステップのスクリーンショットを示す。
図7】レイアウトプロセスの第2ステップのスクリーンショットを示す。
図8】レイアウトプロセスの第3ステップのスクリーンショットを示す。
図9】レイアウトプロセスの第4ステップのスクリーンショットを示す。
図10】レイアウトプロセスの第5ステップのスクリーンショットを示す。
図11】運搬アクションのシミュレーション後の信号出力のスクリーンショットを示す。
図12】工作機械を含むコンベヤ設定のスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
最初に図1a~図1cを参照すると、水平軸周りに回転可能な円筒体を有する複数のアイドルローラ10a、10b、10c…を備えるローラトラックが側面図で示されている。これらのローラは、水平面に沿って並んで配列されており、及びしたがって、ローラ本体の周方向セクションによってローラの上部に負荷支持面を規定する。
【0052】
同様に、ローラの下面セクションは、ロボットユニットの駆動装置に結合するように適合された結合インタフェースを規定する。したがって、複数のローラ10a~10cは、負荷支持面11及び結合インタフェース12を有する可動キャリア装置10を形成する。
【0053】
ロボットユニット20はローラ10a~10cの下方に位置決めされる。このロボットユニット20は、ロボットユニット20の4隅に4つのホイール21a、21bを有する牽引装置21を備える。牽引装置21は、ローラトラックを備えるトラック要素に一体であってもよく、かつ、水平牽引力を伝達するように適合された牽引面に接触している。牽引装置21a、21bを用いて、ロボットユニット20は、牽引面(例えば、床又はレール構成)上を運搬方向に及びその逆に移動することができる。
【0054】
ロボットユニットは駆動装置30をさらに備える。駆動装置30は、特に、ロボットユニット20の上部に水平な上部ベルト平面31を有するベルトドライブを備える。ベルトドライブ全体が上方に持ち上げられて、ベルトドライブ及びその上部ベルト面31の、可動キャリア装置の結合インタフェース12への係合を確立することができる。
【0055】
図1aは、ロボットユニット20が牽引装置21a、21bによって水平方向に駆動される第1動作モードを示している。駆動装置は、可動キャリア装置の結合インタフェースに結合されておらず、及びしたがって、ローラ10a~10cによって形成された可動キャリア装置10の上部に配置された物体40は静止状態に維持される。
【0056】
図1bは第2動作モードを示している。この第2動作モードでは、ロボットユニット20は、牽引装置21a、21bによって駆動される牽引速度で運搬方向Aに移動する。駆動装置30は、可動キャリア装置10に結合され、かつ、ある方向の牽引速度の2倍の駆動速度で駆動され、上部ベルト面31は、運搬方向Aと反対の方向Cに移動する。アイドルローラ10a~10cはしたがって、運搬方向Aの牽引速度に等しい周方向速度で時計回りに駆動される。したがって、牽引方向Aと同じ方向の運搬速度が負荷支持面11で生成され、物体40は、ロボットユニットの牽引速度に対応する運搬速度で方向Bに運搬される。この第2動作モードでは、ロボットユニット20と運搬される物体40とは、牽引速度で可動キャリア装置10に沿って同期して移動する。
【0057】
第1動作モードは、牽引速度Aと同じ駆動速度で上部ベルト面31に対して反対方向にベルトドライブ30を駆動することによって物体40を静止状態に維持するための持ち上げられた駆動装置30によって確立されることができることが理解される。このような場合、アイドルローラ10a~10cは非回転状態に維持され、及びしたがって、物体40は静止状態に維持される。特に、そうした制御方法によって、持ち上げられた装置が省略され、かつ、駆動装置は、結合インタフェースと恒久的に接触され続けることができる。
【0058】
図1cは、牽引装置21a、21bが静止しており、及びしたがって、ロボットユニット20が移動しない第3動作モードを示している。駆動装置30は、持ち上げられて結合インタフェース12に結合され、図1bに示す第2動作モードのように反時計回り方向に駆動される。この第3動作モードでは、したがって、物体40は、ロボットユニットの上方の位置から外に運搬され、及びしたがって、この位置から排出される。この排出モードは、代替として、ロボットユニットの上方に位置決めされていない物体がロボットユニットの上方の位置に引き込まれるように、駆動装置の移動を制御する収集モードとして駆動されることができることが理解される。
【0059】
図1a~図1cの原理に従って示される特定の設定において、ロボットユニット20自体が物体40の重量負荷を支持せず、及びしたがって、この重量が支持されることができるような寸法を有する必要もなく、かつ、安全な状態でそのような物体を載せるための特定のストップ又はフレームなどを有する必要もないことに注意することが重要である。代わりに、ロボットユニット20は、物体40の重量負荷を支持する可動キャリア装置10に駆動力を伝達するために結合する。したがって、ロボットユニット120自体が、可動キャリア装置の結合インタフェースへの安全な結合を確立するように適合される必要があるだけであり、及びその後、それ自体がドライブを含まない可動キャリア装置に駆動力を伝達する。
【0060】
図2は、図1に示すロボットユニットと同様に、前端120a及び後端120bを有する、主としてロボットユニット120を示している。図に示すように、飛行時間センサ122a、122bは、それぞれ、前端及び後端に位置決めされる。飛行時間センサ122a、122bは、図1に示すような可動キャリア装置10と同様に、ロボットユニットの前後の駆動方向の空間と、アイドルローラ10a、10b、10cによって形成される可動キャリア装置の上方の空間と、をカバーするセンサ範囲セクタ123a、123bを監視する。
【0061】
図3は、ToFセンサの第1動作モードを示している。この第1モードでは、ToFセンサが採用されて、可動キャリア装置の上部にあるパレットによって表されるキャリア140を検出する。図に示すように、第1の傾斜したToFセンサ222aは、可動キャリア装置の2つの隣接したアイドルローラの間のギャップを通って到達する照準線を有するような角度に向けられる。さらに、2つのToFセンサ222b、222cは、傾斜したToFセンサ122aと同じ端部に位置決めされ、かつ、垂直に向けられた照準線を有する。したがって、互いに平行であり、かつ、運搬方向に互いに距離を置いている2つの隣接する照準線が可動キャリア装置の上方の空間を監視する。3つのToFセンサ222a~222cのセンサ信号は、ロボットユニットのボード上に配置され得る制御ユニットによって受信されてもよく、又は、静止ユニットであり得る制御ユニットにデータ接続を介して転送されてもよい。これらのセンサ信号を分析することによって、可動キャリア装置の上部に位置決めされたパレットが検出されることができ、及びさらに、そのようなパレットの前端又は後端がその位置に対して検出されることができる。これによって、そのようなパレットの下方のロボットユニットの正確な位置決めが、それに応じて牽引装置を駆動することによって制御されることができる。ここでは、パレットに代えて、任意の他の運搬される物体が使用されることができる。
【0062】
図4は、第2動作モードを示しており、飛行時間センサ222bがロボットユニットの前端に位置決めされ、及び、さらなる飛行時間センサ222eがロボットユニット220の後端に位置決めされる。この動作モードでは、ToFセンサ222b、222eは、水平な照準線を有しており、及びしたがって、ロボットユニットの前又はロボットユニット220の背後にある障害物を検出し得る。したがって、ロボットユニットの任意の水平の駆動方向で障害物が検出されることができ、それに応じて牽引装置が停止されて、そのような障害物との衝突を回避することができる。
【0063】
前端及び後端に少なくとも1つ、好ましくは2つの追加のTOFセンサが提供され、これらは、ロボットユニットの上方のローラの存在をチェックするための専用である。これらのToFセンサの信号は、制御ユニットによって処理され、構造が安定していない場合、例えば、ローラトラックが終了する場合又はローラトラックにギャップが存在する場合、商品が運搬されないことを確実にする。これによって高い安全レベルが確保される。
【0064】
図5はコンベヤ装置の概略の設定を示している。コンベヤ装置は第1運搬トラック310及び第2運搬トラック320を備える。運搬トラック310、320は、パレット340又は任意の他の物体が、第1運搬トラック310上で第1運搬方向に、及び、平行であるが第2運搬トラック上で第1運搬方向まである横方向距離にある第2運搬方向に、運搬され得るように、互いに平行な構成で配列される。
【0065】
したがって、2つのコンベヤトラックは互いにある横方向距離にある。各コンベヤトラックは、複数のラック要素310a~310d及び320a~320dで構成される。
【0066】
各コンベヤトラック310、320は、複数のアイドルローラによって形成され、かつ、パレットを運ぶことができ、かつ、図1に記載の可動キャリア装置と同様に、コンベヤトラックに沿って運搬方向にそのようなパレットが移動することを可能にする可動キャリア装置を備える。アイドルローラによって形成されたこの可動キャリア装置の下には、アイドルローラの下方に空きスペースが存在する。この空きスペースでは、図1図4の1つに記載されたユニットと同様のロボットユニットが、コンベヤトラックに沿って移動し、及びそれによって、駆動装置を用いてアイドルローラを駆動することができる。これによって、そうしたロボットユニットによってコンベヤトラックに沿って伝達される駆動力によってパレットが運搬されることができる。
【0067】
交差横断(cross traverse)ラックモジュール350は、パレットのような物体を第1コンベヤトラックから第2コンベヤトラックに又はその逆に移送するために配列される。交差横断ラック要素350は、運搬方向に対して横断方向Dに前記交差横断ラック要素350を移動させるように適合された牽引装置(図示せず)を備える。交差横断ラック要素350は、図1に記載の可動キャリア装置10を備え、可動キャリア装置10は、物体を載せるように適合された上部横負荷面11及び横結合インタフェース12を有する(横断ラック要素350では明示的に示されていない、参照は前の図の説明に基づいてなされる)。
【0068】
ラック要素310aとラック要素310bとの間、及び、ラック要素320aとラック要素320bとの間にギャップ310g、320gが存在する。このギャップ310g、320gは、交差横断ラック要素350がこのギャップに適合してこのギャップを埋めるような寸法を有している。交差横断ラック要素350がそのようなギャップ310g、320gのいずれかに位置決めされる場合、ラック要素及び交差横断ラック要素によって形成される可動キャリア装置は、パレット340のような物体がコンベヤトラックの全長上を移動することを可能にする上部連続負荷支持面を規定する。
【0069】
交差横断ラック要素350は、この点で、ラック要素のものと同様の可動キャリア装置を備え、かつ、図1に関して説明される。さらに、この可動キャリア装置の下方の空間は、ロボットユニットを載せるように適合された交差横断ラック要素に存在する。交差横断ラック要素350は、そのようなロボットユニットをパレットと同時に又はそうしたパレットから独立して、第1コンベヤトラックのギャップから第2コンベヤトラックのギャップに又はその逆に移送し得る。これによって、パレット及びロボットユニットは2つのコンベヤトラック310、320の間で移送されることができる。交差横断ラック要素350は、コンベヤトラックの2つのギャップ間の横方向の移動を駆動するための駆動ユニットを備えてもよく、若しくは、牽引装置又は駆動装置がそれぞれ、交差横断ラック要素の横断移動を駆動し得るように、牽引装置又はロボットユニットの駆動装置に結合するように適合された結合インタフェースを備えてもよい。
【0070】
図6図10は、グラフィカルユーザインタフェースの仮想モードでのレイアウトプロセスのシーケンスを示している。図に示すように、コンピュータ装置の画面は、コンベヤ装置を仮想的に構成するための事前にプログラムされたビジュアルレイアウタを表示するために使用される。第1に、ユーザによるドラッグアンドドロップによって選択されることができるモジュールのリストが表示フィールド410に示されている。リストは2つのエントリ410a、410bを包含しており、かつ、はるかに多くのモジュールがそうしたリストに包含され得ることが理解される。図6に示すレイアウトステップでは、ユーザは、モジュール「プロセス」410cを選択し、このモジュールを、仮想コンベヤ装置がレイアウトされることができるレイアウタフィールド420にドラッグした。
【0071】
図に示すように、コンベヤ装置の一部はレイアウタフィールドですでに構成されている。構成された仮想コンベヤ装置は、合計3つのコンベヤトラック430~432を備えている。2つのコンベヤトラック430、431は、合計4つのラックモジュールから構成される。パレット入力はコンベヤトラック431の左端に規定され、パレット出力はコンベヤトラック430の左端に規定される。コンベヤトラック432は単一のラック要素から構成される。3番目のコンベヤトラック432から、コンベヤトラック430、431に存在するギャップ内に延在する通路は、交差横断ラック要素433が3つのコンベヤトラック430~432を接続することを可能にし、その結果、パレット及びロボットユニットがこれらのコンベヤトラックの間で移送されることができる。
【0072】
さらに、パレットディスペンサ434は、ラック要素、交差横断ラック要素及びパレットディスペンサを表す仮想モジュールの構成として表示されるコンベヤ装置の第4列に存在する。ラック要素、交差横断ラック要素及びパレットディスペンサは、メニューポイント「装置」411の下の装置のリストで選択されることができることが理解される。
【0073】
さらに、第1コンベヤトラック430及び第2コンベヤトラック431の左端にフォークリフト操作435a、435bを規定する操作モジュール、並びに、コンベヤトラック430~432の右端に人間の操作を規定する操作モジュールは仮想設定で規定される。これらの操作モジュールは、モジュールのリストのメニューポイント「操作」412の下で選択されることができることが理解される。
【0074】
図7は、パレットI/Oモジュールについて、この仮想モジュール436がパレット入力又はパレット出力を表すかを選択することができるレイアウトステップを示している。
【0075】
図8は、仮想レイアウトステップを示しており、人間の操作437について、コンベヤトラック430の右端に容量が規定される。この仮想レイアウトステップでは、1時間あたり7パレットの容量が、このモジュールで提供される最大容量であるように規定される。
【0076】
図9には、パレット流量比が規定される仮想レイアウトステップが示されている。この比率は、コンベヤトラック431の左端でのフォークリフト435aの操作を介して入力されたパレットがすべて、第2コンベヤトラック431の右端にある人間の操作モジュールに移送されることを規定する。さらに、このモジュールで人間の操作を受けた後、パレットの30%は、第1コンベヤトラック430の左端のパレット出力を介して出力され、かつ、パレットの70%がパレットディスペンサ434に運搬される。
【0077】
図10は、さらなる仮想レイアウトステップを示しており、パレットディスペンサ434から、第1コンベヤトラック430の右端の人間の操作モジュールに分配されたパレットが、フォークリフト435bに排出されるべき第1コンベヤトラック430の左端のパレット出力に100%運搬されることが規定される。
【0078】
さらに図11に目を向けると、コンベヤ装置の概略斜視図がグラフィカルユーザインタフェースに示されている。この図は、前記コンベヤ装置で行われる運搬プロセスの3次元シミュレーションで表示される。運搬プロセスは、運搬プロセスのシミュレーションされた仮想ビデオがユーザに表示されるように順番に表示される。ユーザは、運搬プロセスのそのようなビデオシミュレーションを分析することによって、運搬プロセスで運搬されるロボットユニット又は物体の衝突又はボトルネック又は非効率的な移動経路を特定し得る。さらに、シミュレーションされたコンベヤ装置内の入力装置又は出力装置又はコンベヤモジュールの不十分な容量が識別され得る。
【0079】
図に示すように、信号500は、運搬プロセスの完全なサイクルの結果としてユーザに出力される。この信号500では、ロボットユニットの活動が、特定され、かつ、質及び量で分類される。ロボットユニットのアイドルアクションの速度、空での移動アクションの速度、負荷付きでの移動アクションの速度、ロボットユニットの空での交差横断移動アクションの速度、並びに、ロボットユニットの荷積の速度及び除荷アクションの速度が示される。すべてのロボットアクション又はこれらのロボットアクションの少なくとも2つのこの表示を使用すると、ユーザは、ロボットユニットの移動経路のプログラミング又はコンベヤ装置の設定のプログラミングを最適化する、若しくは、コンベヤ装置に容量をさらに追加してボトルネックを排除することを可能にする。
【0080】
図12は、工作機械600を備えるコンベヤ装置のレイアウトを示している。工作機械600は、コンベヤ装置によって工作機械に運搬され、かつ、工作機械から離れる物体を機械加工するのに役立つ。工作機械は、図12に示すレイアウトでそうしたシミュレーションが実行された場合、図11に示す容量のシミュレーションで考慮される、工作機械パラメータとしての特定の容量によって特徴付けられる。
【0081】
工作機械は、保護領域610によって取り囲まれる。この保護領域610を人間の作業空間630から区切るフェンス620が、人間の作業空間630と保護空間610との間の境界を規定する。フェンス620は、人間が実際のコンベヤ装置の保護領域610に進入するのを物理的に妨害し、かつ、前記保護領域を取り囲む破線によって仮想的に描かれる。
【0082】
図に示すように、ロボットユニットは、人間の作業空間630から出て、運搬経路640上の保護領域610に入り、かつ、この運搬経路640を介して保護領域を離れ得る。運搬パラメータが、保護領域610に、又は、保護領域610内のロボットユニットの移動速度に関する情報を包含するフェンス620に割り当てられ得、これは、人間の作業空間における保護領域外の移動速度とは異なり得る。この異なる移動速度は、仮想コンベヤ装置を表す仮想レイアウトによって表されるコンベヤ装置の運搬プロセスの仮想シミュレーションで考慮され得る。
【符号の説明】
【0083】
10 可動キャリア装置
10a、10b、10c ローラ
11 負荷支持面
12 結合インタフェース
20 ロボットユニット
21 牽引装置
30 駆動装置
31 上部ベルト平面
40 物体
120 ロボットユニット
120a、120b 前端、後端
122a、122b 飛行時間センサ
123a、123b センサ範囲セクタ
140 パレット
222a~222e 飛行時間センサ
310 第1運搬トラック
310a~310d ラック要素
310g ギャップ
320 第2運搬トラック
320a~320d ラック要素
320g ギャップ
340 パレット
350 交差横断ラックモジュール
4111 メニューポイント「装置」
412 メニューポイント「操作」
430~432 コンベヤトラック
433 横断ラック要素
434 パレットディスペンサ
435a、435b フォークリフト
436 仮想モジュール
437 人間の操作
500 信号
600 工作機械
610 保護領域
620 フェンス
630 人間の作業空間
640 ロボットユニットの運搬経路
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1コンベヤトラック(310a~310d)を規定する第1列に配列された複数のラック要素(310a~310d)であって、前記第1コンベヤトラック(310)は、第1運搬方向に沿って物体(40、140、340)を案内及び運ぶように適合される、複数のラック要素(310a~310d)と、
b)第2コンベヤトラック(320)を規定する第2列に配列された複数のラック要素(320a~320d)であって、
前記第2コンベヤトラック(320)は、第2運搬方向に沿って物体(40、140、340)を案内及び運ぶように適合され、
前記第2コンベヤトラック(320)は、前記第2運搬方向に延在し、かつ、前記第2運搬方向に対して前記第1コンベヤトラック(310)まである横方向距離に位置決めされ、
各ラック要素は、上部負荷面(11)及び結合インタフェース(12)を有する可動キャリア装置を備える、複数のラック要素(320a~320d)と、
c)牽引装置(21)及び駆動装置(30)を有するロボットユニット(20)であって、
前記牽引装置(21)は、前記第1運搬方向又は前記第2運搬方向に沿って前記ロボットユニット(20)を移動させるように適合され、前記駆動装置(30)は、前記可動キャリア装置(10)の前記結合インタフェース(12)に係合して前記可動キャリア装置(10)を駆動するように適合される、ロボットユニット(20)と、
d)前記ロボットユニット(20)を載せるように適合された交差横断ラック要素(350)であって、
前記交差横断ラック要素(350)は、物体を載せるように適合された上部横断負荷面(11)と、横断結合インタフェース(12)と、を有する横断可動負荷支持装置(10)を備え、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記第1コンベヤトラック(310)から前記第2コンベヤトラック(320)に及びその逆に前記第2運搬方向に対して横方向に移動するように適合され、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記第1コンベヤトラック(310)に結合し、かつ、前記交差横断ラック要素(350)の第1位置において、前記第1コンベヤトラック(310)のラック要素(310a~310d)の前記可動キャリア装置(10)の前記負荷面(10)に及びその逆に、前記横断負荷面(11)上に位置決めされた物体(40)を移送するように適合され、
前記第1位置において、前記交差横断ラック要素(350)は、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)から前記第1コンベヤトラック(310)の前記ラック要素(310a~310d)に及びその逆に移動することができるように、前記第1コンベヤトラック(310)の前記ラック要素(310a~310d)に結合され、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記第2コンベヤトラック(320)に結合し、かつ、前記交差横断ラック要素(350)の第2位置において、前記第2コンベヤトラック(320)のラック要素(320a~320c)の前記可動キャリア装置(10)の前記負荷面(11)に及びその逆に、前記横断負荷面(11)上に位置決めされた物体を移送するようにさらに適合され、
前記第2位置において、前記交差横断要素(350)は、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)から前記第2コンベヤトラック(320)の前記ラック要素(320a~320c)に及びその逆に移動することができるように、前記第2コンベヤトラック(320)の前記ラック要素(320a~320c)に結合される、交差横断ラック要素(350)と、を備えるコンベヤ装置。
【請求項2】
前記交差横断ラック要素(350)は、前記ロボットユニットの前記牽引装置(21)が前記交差横断ラック要素(350)の前記横方向移動を引き起こすように前記ロボットユニット(20)に結合されるように適合され、又は、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記横断牽引結合インタフェースを介して前記ロボットユニット(20)から前記横断牽引装置(21)に伝達される駆動力が、載せられる前記ロボットユニットと共に前記交差横断ラック要素(350)の横方向移動を駆動するように、前記ロボットユニット(20)が前記交差横断ラック要素(350)によって載せられるときに前記ロボットユニット(20)の前記牽引装置(21)又は前記駆動装置(30)に結合するように適合された横断牽引結合インタフェースを有する横断牽引装置(21)を備え、又は、
前記交差横断ラック要素(350)は、前記交差横断ラック要素の前記横方向移動を引き起こすための交差横断牽引装置を備える、請求項1に記載のコンベヤ装置。
【請求項3】
前記横断結合インタフェース(12)は、前記ロボットユニット(20)の前記駆動装置(30)に結合するように適合され、前記駆動装置から前記横断可動キャリア装置に前記横断結合インタフェース(12)を介して伝達される力は、前記横断負荷支持面(11)上に位置決めされた物体(40)を運搬する、請求項1又は2に記載のコンベヤ装置。
【請求項4】
前記可動キャリア装置(10)及び/又は前記横断可動キャリア装置(10)は複数のアイドルローラ(10a、10b、10c)を備え、
第1表面セクション、特に、前記アイドルローラの上部周面セクション又は第1軸方向周面は、それぞれ、前記荷重支持面(11)及び前記横断負荷支持面(11)を規定し、
第2表面セクション、特に、前記アイドルローラの下部周面セクション又は第2軸方向周面は、それぞれ、前記結合インタフェース(12)及び前記横断結合インタフェース(12)を規定する、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項5】
前記第1コンベヤトラック(310)及び前記第2コンベヤトラック(320)のうちの少なくとも1つは、それぞれ、前記第1コンベヤトラック及び前記第2コンベヤトラックを形成する2つのラック要素の間に結合端又はギャップ(310g、320g)を備え、前記ギャップは、前記第1位置及び前記第2位置において、それぞれ、前記交差横断ラック要素(350)を占有するような寸法を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンベヤ装置。
【請求項6】
運搬方向に沿って延在する複数のラック要素(310a~310d、320a~320c)であって、前記ラック要素の各々が、可動キャリア装置(10)によって規定される可動負荷支持面(11)を備える、複数のラック要素(310a~310d、320a~320c)と、
ロボットユニット(20)として構成された第2コンベヤモジュールであって、
前記ロボットユニット(20)は、
前記運搬方向に前記ラック要素に沿って前記駆動ロボットユニット(20)を駆動するための牽引装置(21)と、
前記可動キャリア装置(10)に結合し、かつ、前記可動キャリア装置(10)を駆動するように適合された駆動装置(30)であって、前記可動キャリア装置(10)への前記駆動装置(30)の前記結合が、前記駆動装置(30)に前記可動負荷支持面(11)を移動させることを可能にする、駆動装置(30)と、を備える、第2コンベヤモジュールと、
前記コンベヤ装置に物体を入力することができる第1ステーションを表す少なくとも1つの工作機械(600)と、
保護ゾーン(610)を取り囲むフェンス(620)であって、前記工作機械(620)は前記保護ゾーン(610)内に位置決めされる、フェンス(620)と、
前記保護ゾーン(610)に隣接し、かつ、前記フェンス(620)によって前記保護ゾーン(610)から分離された人間の作業ゾーン(630)と、備え、
前記ラック要素は、前記人間の作業ゾーンから前記フェンスを通じて前記保護ゾーンに延在する運搬トラックを規定し、
前記ロボットユニット(20)は、前記人間の作業ゾーンから前記保護ゾーンに及びその逆に、前記ラック要素を駆動するように適合される、コンベヤ構成。
【請求項7】
前記ロボットユニットは前端及び後端を有し、少なくとも1つの前方飛行時間センサが前記前端に位置決めされ、及び好ましくは、少なくとも1つの後方飛行時間センサが前記後端に位置決めされ、
センサ信号を受信するための前記前方飛行時間センサに結合された制御ユニットをさらに備え、前記制御ユニットは、前記センサ信号を解釈して、前記運搬方向に障害物を識別し、かつ、障害物が駆動モードで識別される場合に前記牽引装置を停止させるように制御するように適合される、請求項6又は請求項1~5のいずれか1項に記載のコンベヤ構成。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記センサ信号を解釈して、前記可動キャリア装置の上部に物体を識別し、かつ、前記牽引装置を制御して前記物体の下方に前記ロボットユニットを位置決めするように適合される、請求項7に記載のコンベヤ構成。
【請求項9】
物体を取り扱い、かつ、工作機械で前記物体を機械加工する方法であって、
運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップを含み、前記ラック要素は、前記人間の作業ゾーンから、フェンスによって人間の作業ゾーンから分離された工作機械ゾーンまで延在し、
前記ラック要素の各々は、可動キャリア装置によって規定された可動負荷支持面を備え、
ロボットユニットは牽引装置を備え、駆動装置は、前記ラック要素に沿って前記牽引装置によって駆動され、
前記駆動装置は、前記可動キャリア装置に結合し、かつ、前記可動キャリア装置を駆動し、
前記物体は、前記可動キャリア装置の上部に位置決めされ、
前記物体は、人間によって前記人間の作業ゾーンで人間によって取り扱われ、かつ、前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記工作機械によって前記物体を機械加工するために前記人間の作業ゾーンから前記工作機械ゾーンに、前記ロボットユニットと同期して前記可動キャリア装置の上部で前記ラック要素に沿って移動させられる、又は、
前記物体は、前記工作機械ゾーンで前記工作機械によって機械加工され、かつ、前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記工作機械ゾーンから前記人間の作業ゾーンに、前記ロボットユニットと同期して前記可動キャリア装置の上部で前記ラック要素に沿って移動させられ、かつ、前記人間の作業ゾーンで人間によって取り扱われる、方法。
【請求項10】
前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記ロボットユニットによって第1コンベヤトラックの運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップと、
第2コンベヤトラックに、交差横断ラック要素によって前記ロボットユニット及び前記物体を輸送するステップと、
前記駆動装置が前記可動キャリア装置に結合された状態で、前記ロボットユニットによって前記第2コンベヤトラックの運搬方向に沿って延在する複数のラック要素に沿って前記物体を運搬するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】