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特表2022-540516内容物を同時に送出するための入れ子式貯留部を備えた容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(54)【発明の名称】内容物を同時に送出するための入れ子式貯留部を備えた容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20220908BHJP
   B65D 17/32 20060101ALI20220908BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20220908BHJP
【FI】
B65D83/00 G
B65D17/32
B65D81/32 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518682
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020066458
(87)【国際公開番号】W WO2021133739
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】62/953,585
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522112962
【氏名又は名称】イン-カン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィドラー,ロバート ローレンス
【テーマコード(参考)】
3E013
3E014
3E093
【Fターム(参考)】
3E013AB02
3E013AC01
3E013AD12
3E013AE03
3E013AF05
3E013AF26
3E014PA01
3E014PB03
3E014PB05
3E014PC08
3E014PD23
3E014PF06
3E093AA13
3E093CC10
3E093EE20
(57)【要約】
少なくとも二つの内室を有して二つの別個の液体を貯留し、二つの液体を単一の開口部を出るまで混合させずに単一の開口部を通して分注する液体貯留分注デバイスである。このデバイスは、第1液を貯留するための容器と、その容器の蓋の下に取り付けられて第2液を貯留する第1貯留部と、頂部の上の開封機構であって、頂部に注ぎ口を作り出すとともに第1貯留部からシールを除去して第1および第2液が注ぎ口を出るまでこれらの分離状態を維持しつつ注ぎ口を通して第1および第2液の同時の分注を可能にする開封機構と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留および分注するための複室貯留分注デバイスであって、
外装を含む少なくとも一つの側壁と底部とを有する容器であって、前記側壁および前記底部が協働して前記容器の内部を画定するように構成される容器と、
前記容器に取り付けて前記容器の前記内部を閉鎖する大きさおよび形状にされた頂部であって、該頂部に前記容器の前記内部に流体連通する注ぎ口を作り出す開封機構を有する頂部と、
前記容器の前記内部で前記頂部から垂下する第1貯留部であって、該第1貯留部の中に封止された第1室を形成するように共働する壁および該壁の上の蓋を有し、前記第1室に流体連通する前記壁の分注開口部および前記第1室に流体連通する前記壁のベント開口部を含む第1貯留部と、
前記第1貯留部の前記壁に取り外し可能に取り付けられるように構成されるとともに前記分注開口部および前記ベント開口部を覆う大きさおよび形状にされたシールであって、前記開封機構が前記頂部に前記注ぎ口を作り出すことに対応して前記第1貯留部の前記壁から部分的に剥がれて前記ベント開口部および前記分注開口部を露出させるように構成されるシールと、
を備える複室貯留分注デバイス。
【請求項2】
前記第1貯留部における前記分注開口部は、前記分注開口部から分注された液体が前記注ぎ口を出た液体と前記容器の前記内部の外側だけで混合しかつ前記容器の前記内部の中では混合しないように前記開封機構に隣接して配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記分注開口部および前記ベント開口部を覆う前記シールは、前記シールが前記第1貯留部の前記壁から部分的に剥がされて前記分注開口部および前記ベント開口部を露出させるときに、前記第1貯留部の前記壁に取り付けられたままであるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1貯留部に第2室をさらに備え、該第2室は、分注開口部およびベント開口部を有し、前記シールは、前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部を覆うように構成されるとともに、前記開封機構が前記頂部に注ぎ口を作り出すことに対応して、封止された前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部を露出させるようにも構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記容器の前記内部で前記頂部から垂下する第2貯留部をさらに備え、該第2貯留部は、該第2貯留部に第2室を形成する壁および該壁上の蓋を有するとともに、前記第2室に流体連通する分注開口部および前記第2室に流体連通するベント開口部を含み、
前記シールは、前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部を覆うようにも構成され、前記開封機構が前記頂部に開口部を作り出すことに対応して部分的に剥がれて前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部ならびに前記第1貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部を露出させるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも第1液および第2液を貯留および分注するためのデバイスであって、
外装および内部と該内部を画定するように構成された少なくとも一つの側壁および底部とを有する容器であって、前記内部が前記第1液を貯留可能な容器と、
前記容器の前記内部を閉鎖するための前記容器の頂部であって、外表面および内表面と前記容器の前記内部に流体連通する注ぎ口を前記頂部に作り出すように構成された前記外表面上のリングプル開封機構とを有し、該リングプル開封機構が前記頂部のスコア線付き部分を第1容器の前記内部の中へ曲げて前記注ぎ口を形成するように動作可能な頂部と、
前記頂部の前記内部側の第1貯留部であって、前記貯留部の中に第1室を形成する壁および該壁の上の蓋を有するとともに、封止された前記第1室に流体連通する分注開口部を含む第1貯留部と、
前記分注開口部を覆うように構成された取り外し可能なシールであって、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置され、かつ前記頂部の前記スコア線付き部分が前記容器の前記内部の中へ曲げられたときに前記頂部の前記スコア線付き部分に当接され、かつ前記頂部の前記スコア線付き部分を前記容器の前記内部の中へ曲げることに対応して前記第1貯留部に取り付けられたまま前記第1貯留部から部分的に十分に除去されて前記分注開口部を露出させる大きさおよび形状にされるシールと、
を備える、デバイス。
【請求項7】
前記第1貯留部の前記分注開口部は、前記容器の前記内部から前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液と、前記第1液を注ぐのと同時に前記第1貯留部の前記分注開口部を通って分注された前記第2液とが、前記容器の前記外装の上だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される大きさおよび形状にされる、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1貯留部に形成されたベント開口部をさらに備え、前記シールは、前記分注開口部に加えて前記ベント開口部を覆うように構成され、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分が前記頂部に前記注ぎ口を形成することに対応して前記分注開口部に加えて前記ベント開口部を露出させるようにさらに構成される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1貯留部に第2室をさらに備え、該第2室は、分注開口部とベント開口部とを有し、前記シールは、前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も覆う大きさおよび形状にされ、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して、シールされた前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるように前記頂部の前記スコア線付き部分と共働するように構成され、前記第2室の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1室の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2室の前記分注開口部を通って分注された第3液が前記容器の外側だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記容器の前記内部において前記頂部の前記内表面から垂下する第2貯留部をさらに備え、該第2貯留部は、前記第2貯留部に第2室を形成する壁および該壁の上の蓋を有し、前記第2貯留部は、前記第2室に流体連通する分注開口部と該室に流体連通するベント開口部とを含み、前記シールは、前記第2貯留部の前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も覆う大きさおよび形状にされ、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して前記頂部の前記スコア線付き部分と共働して前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるようにさらに構成され、前記第2貯留部の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1貯留部の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2貯留部の前記分注開口部を通って分注された第3液体が前記容器の外側だけで混ざり合うように前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
少なくとも第1液および第2液を貯留および分注するためのデバイスであって、
外装と内部とを有し、該内部が前記第1液を貯留可能な容器と、
前記容器の頂部であって、外表面、反対側の内表面、および前記頂部の前記外表面の上の開封機構を有し、スコア線付き部分をさらに含み、前記開封機構が前記頂部の前記スコア線付き部分を第1容器の内部の中へ曲げて前記容器の前記内部に流体連通する注ぎ口を前記頂部に形成するように動作可能なリングを備える頂部と、
上縁を備えた側壁、該側壁上の底壁、および前記側壁の前記上縁に取り付けられるように構成されて前記貯留部に前記第2液を貯留可能な第1室を形成するシール可能な蓋を有する第1貯留部であって、前記上縁に隣接して前記側壁に形成された分注開口部と前記上縁に隣接して前記側壁に形成されたベント開口部とをさらに含み、前記分注開口部および前記側部開口部が前記第1室に流体連通し、前記スコア線付き部分に隣接して前記頂部の前記スコア線付き部分を覆うことなく前記頂部の前記内部側に取り付けられる大きさおよび形状にされる第1貯留部と、
前記第1貯留部の前記側壁に取り外し可能に接着されるように構成され、前記分注開口部および前記ベント開口部を覆う大きさおよび形状にされたシールであって、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して前記第1貯留部に配置され、前記頂部の前記スコア線付き部分が前記第1容器の前記内部の中へ曲げられたときに前記頂部の前記スコア線付き部分に当接され、かつ、前記頂部の前記スコア線付き部分の曲がりおよび前記スコア線付き部分の当接に対応して、前記第1貯留部に取り付けられたままで、前記分注開口部を露出させるのに十分な程度に前記第1貯留部から部分的に除去されるように構成されたシールと、を備える、デバイス。
【請求項12】
前記第1貯留部の前記分注開口部は、前記注ぎ口が前記頂部に形成されたときに前記注ぎ口に隣接するように配置され、前記注ぎ口を通って前記容器の前記内部から注がれる前記第1液と、前記第1液が前記注ぎ口を通って注がれるのと同時に前記分注開口部を通って前記第1貯留部から分注される前記第2液とが、前記容器の前記外装の上だけで混ざり合うように構成されている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記開封機構は、前記頂部に前記注ぎ口を作り出す前に前記頂部に前記ベント開口部を作り出して前記容器の前記内部の圧力を低減するように構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1貯留部の中に第2室をさらに備え、該第2室は、前記シールによって覆われた分注開口部およびベント開口部を有し、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるように前記頂部の前記スコア線付き部分と共働するように構成され、シールされた前記第2室の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1室の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2室の前記分注開口部を通って分注された第3液が前記容器の外側だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記容器の前記内部において前記頂部の前記内表面から垂下する第2貯留部をさらに備え、該第2貯留部は、壁および該壁に取り付けられて前記第2貯留部の中に第2室を形成するように構成された蓋を有し、前記第2貯留部は、前記第2室に流体連通する分注開口部と該室に流体連通するベント開口部とを含み、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して前記頂部の前記スコア線付き部分と共働して前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるように構成され、前記第2貯留部の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1貯留部の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2貯留部の前記分注開口部を通って分注された第3液が前記容器の前記内部の外側だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される、請求項11に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体材料を貯留および送出するための容器に関し、より詳細には、別個の複数の液体を貯留するとともに、それらの液体が注ぎ口を出るまで混合しない同時送出を提供する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者に利便性を提供する試みにおいて、飲料製品の製造者は、二つ以上の液体を事前に混合して単一の容器の中に入れる。これは、二つの容器に入った二つの別個の製品を購入し、飲料の消費時にまたは消費前にこれらを混合する必要を回避する。この問題は、硬化剤および硬化剤によって固められる化合物など、使用前に二つ以上の液体系製品がベースにならなければならない場合にも生じる。複数の液体の貯留と、仕切られることもある単一の容器からの複数の液体の分注を可能にするために、さまざまな設計が提案されている。この手法は、設計および製造段階において問題を作り出す。加えて、場合により二つの液体が容器から出る位置まで分離状態を維持することが重要である。多くの設計では、開封時に元の容器の内側で液体を混合させており、これは場合によっては望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、複数の液体を貯留するとともに、それらの液体が容器から分注されるまで、それらの液体の分離状態を維持する容器、およびその製造方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一つの態様では、液体貯留分注デバイスが提供され、このデバイスは少なくとも二つの内部貯留部を含んで二つの別個の液体を貯留し、その二つの液体を単一の開口部を通して、これらが単一の開口部を出るまでそれらの液体を混合することなく分注する。このデバイスは、容器の内部に第1液を貯留するための容器と、その容器の内部の蓋の下に取り付けられて第2液を第1液と混合させずに貯留する第1貯留部とを含む。このデバイスは、容器の頂部に開封機構をさらに含み、この開封機構は、頂部に注ぎ口を作り出し、第1貯留部からシールを除去して、第1および第2液が注ぎ口を出るまでこれらの分離状態を維持しつつ、注ぎ口を通した第1および第2液の同時分注を可能にする。
【0005】
本開示の別の態様によれば、単室貯留部が、容器の内側に取り付けられ、容器を開封する通常の動作によって開封されて、複数の液体を消費者へ送出して容器の内部の外側で、好ましくは消費者の口内で混合することを可能にする。
【0006】
他の実装形態は、追加の別個の液体を分注することを可能にする内部貯留部の中の複室を特徴としてもよい。あるいは、貯留部内室の内容物を分注する際により調整された流量を可能にするために、可変のサイズのドレーン開口部もしくはベント開口部またはその両方が提供される。
【0007】
本開示の別の実装形態によれば、内側容器は、外側容器の内側に設置され、外側容器内に別個に貯留された第1製品を補完する二次液体製品を収容する。両方の容器へのアクセスは、外部容器の蓋にある既存のタブ機構の機械的機能を利用することによって同時に実現される。既存の機構タブ機能を開封することにより、この下方向の動作は、アルミニウムホイルのシールを剥がして内部容器の開口部をむき出しにし、それによって真空を破ることを可能にして、二次液体製品を、外部容器の開口部から出るまで分離して開口部から流出させることが可能になる。
【0008】
液体の分離は、実際の分注点を出るまで維持される。二つの液体のこの分離は、使用時点まで各液体の最高の品質を温存することになる。
【0009】
本開示の一つの態様によれば、液体を貯留および分注するための複室貯留分注デバイスが提供される。前記デバイスは、外装を含む少なくとも一つの側壁と底部とを有する容器であって、前記側壁および前記底部が協働して前記容器の内部を画定するように構成される容器と、前記容器に取り付けて前記容器の前記内部を閉鎖する大きさおよび形状にされた頂部であって、該頂部に前記容器の前記内部に流体連通する注ぎ口を作り出す開封機構を有する頂部と、前記容器の前記内部で前記頂部から垂下する第1貯留部であって、該第1貯留部の中に封止された第1室を形成するように共働する壁および該壁の上の蓋を有し、前記第1室に流体連通する前記壁の分注開口部および前記第1室に流体連通する前記壁のベント開口部を含む第1貯留部と、前記第1貯留部の前記壁に取り外し可能に取り付けられるように構成されるとともに前記分注開口部および前記ベント開口部を覆う大きさおよび形状にされたシールであって、前記開封機構が前記頂部に前記注ぎ口を作り出すことに対応して前記第1貯留部の前記壁から部分的に剥がれて前記ベント開口部および前記分注開口部を露出させるように構成されるシールと、を含む。
【0010】
前述の実装形態の別の態様によれば、前記第1貯留部における前記分注開口部は、前記分注開口部から分注された液体が前記注ぎ口を出た液体と前記容器の前記内部の外側だけで混合しかつ前記容器の前記内部の中では混合しないように前記開封機構に隣接して配置される。
【0011】
前述の実装形態のさらに別の態様によれば、前記分注開口部および前記ベント開口部を覆う前記シールは、前記シールが前記第1貯留部の前記壁から部分的に剥がされて前記分注開口部および前記ベント開口部を露出させるときに、前記第1貯留部の前記壁に取り付けられたままであるように構成される。
【0012】
前述の実装形態のさらに別の態様によれば、前記デバイスは、前記第1貯留部に第2室を含み、該第2室は、分注開口部およびベント開口部を有し、前記シールは、前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部を覆うように構成されるとともに、前記開封機構が前記頂部に注ぎ口を作り出すことに対応して、封止された前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部を露出させるようにも構成される。
【0013】
前述の実装形態のさらに更なる態様によれば、前記デバイスは、前記容器の前記内部で前記頂部から垂下する第2貯留部を含み、該第2貯留部は、該第2貯留部に第2室を形成する壁および該壁上の蓋を有するとともに、前記第2室に流体連通する分注開口部および前記第2室に流体連通するベント開口部とを含み、前記シールは、前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部を覆うようにも構成され、前記開封機構が前記頂部に開口部を作り出すことに対応して部分的に剥がれて前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部ならびに前記第1貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部を露出させるように構成される。
【0014】
本開示の別の実装形態によれば、少なくとも第1液および第2液を貯留および分注するためのデバイスが提供される。前記デバイスは、外装および内部と該内部を画定するように構成された少なくとも一つの側壁および底部とを有する容器であって、前記内部が前記第1液を貯留可能な容器と、前記容器の前記内部を閉鎖するための前記容器の頂部であって、外表面および内表面と前記容器の前記内部に流体連通する注ぎ口を前記頂部に作り出すように構成された前記外面上のリングプル開封機構とを有し、該リングプル開封機構が前記頂部のスコア線付き部分を前記第1容器の前記内部の中へ曲げて前記注ぎ口を形成するように動作可能な頂部と、前記頂部の前記内部側の第1貯留部であって、前記貯留部の中に前記第1室を形成する壁および該壁の上の蓋を有するとともに、封止された前記第1室に流体連通する分注開口部を含む第1貯留部と、前記分注開口部を覆うように構成された取り外し可能なシールであって、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置され、かつ前記頂部の前記スコア線付き部分が前記容器の内部の中へ曲げられたときに前記頂部の前記スコア線付き部分に当接され、かつ前記頂部の前記スコア線付き部分を前記容器の前記内部の中へ曲げることに対応して前記第1貯留部に取り付けられたまま前記第1貯留部から部分的に十分に除去されて前記分注開口部を露出させる大きさおよび形状にされるシールと、を含む。
【0015】
前述の実装形態の別の態様によれば、前記第1貯留部の前記分注開口部は、前記容器の前記内部から前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた第1液と、前記第1液を注ぐのと同時に前記第1貯留部の前記分注開口部を通って分注された第2液とが、前記容器の前記外装の上だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される大きさおよび形状にされる。
【0016】
前述の実装形態のさらに別の態様によれば、前記デバイスは、第1貯留部に形成されたベント開口部を含み、前記シールは、前記分注開口部に加えて前記ベント開口部を覆うように構成され、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分が前記頂部に前記注ぎ口を形成することに対応して前記分注開口部に加えて前記ベント開口部を露出させるように構成される。
【0017】
前述の実装形態のさらに別の態様によれば、前記デバイスは、第1貯留部内に第2室を含み、該第2室は、分注開口部とベント開口部とを有し、前記シールは、前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も覆う大きさおよび形状にされ、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して、シールされた前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるように前記頂部のスコア線付き部分と共働するように構成され、前記第2室の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1室の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2室の前記分注開口部を通って分注された第3液が前記容器の外側だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される。
【0018】
前述の実装形態のさらに更なる態様によれば、前記デバイスは、前記容器の前記内部において前記頂部の前記内表面から垂下する第2貯留部を含み、該第2貯留部は、前記第2貯留部に第2室を形成する壁および該壁の上の蓋を有し、前記第2貯留部は、前記第2室に流体連通する分注開口部と該室に流体連通するベント開口部とを含み、前記シールは、前記第2貯留部の前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も覆う大きさおよび形状にされ、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して前記頂部の前記スコア線付き部分と共働して前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるようにさらに構成され、前記第2貯留部の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1貯留部の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2貯留部の前記分注開口部を通って分注された第3液が前記容器の外側だけで混ざり合うように前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される。
【0019】
本開示の更なる態様によれば、少なくとも第1液および第2液を貯留および分注するためのデバイスが提供される。前記デバイスは、外装と内部とを有し、該内部が前記第1液を貯留可能な容器と、前記容器の頂部であって、外表面、反対側の内表面、および前記頂部の外表面上の開封機構を有し、スコア線付き部分をさらに含み、前記開封機構が前記頂部の前記スコア線付き部分を第1容器の内部の中へ曲げて前記容器の前記内部に流体連通する注ぎ口を前記頂部に形成するように動作可能なリングを備える頂部と、上縁を備えた側壁、該側壁上の底壁、および前記側壁の前記上縁に取り付けられるように構成されて前記貯留部に前記第2液を貯留可能な第1室を形成するシール可能な蓋を有する第1貯留部であって、前記上縁に隣接して前記側壁に形成された分注開口部と前記上縁に隣接して前記側壁に形成されたベント開口部とをさらに含み、前記分注開口部および前記側部開口部が前記第1室に流体連通し、前記スコア線付き部分に隣接して前記頂部の前記スコア線付き部分を覆うことなく前記頂部の前記内部側に取り付けられる大きさおよび形状にされる第1貯留部と、前記第1貯留部の前記側壁に取り外し可能に接着されるように構成され、前記分注開口部および前記ベント開口部を覆う大きさおよび形状にされたシールであって、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して前記第1貯留部に配置されるように、前記頂部の前記スコア線付き部分が前記第1容器の内部の中へ曲げられたときに前記頂部の前記スコア線付き部分に当接され、かつ、前記頂部の前記スコア線付き部分の曲がりおよび前記スコア線付き部分の当接に対応して、前記第1貯留部に取り付けられたままで、前記分注開口部を露出させるのに十分な程度に前記第1貯留部から部分的に除去されるように構成されたシールと、を含む。
【0020】
前述の実装形態の別の態様によれば、前記第1貯留部の前記分注開口部は、前記注ぎ口が前記頂部に形成されたときに前記注ぎ口に隣接するように配置され、前記注ぎ口を通って前記容器の前記内部から注がれた第1液と、前記第1液が前記注ぎ口を通って注がれるのと同時に前記分注開口部を通って前記第1貯留部から分注される前記第2液とが、前記容器の前記外装の上だけで混ざり合うように構成されている。
【0021】
前述の実装形態の別の態様によれば、前記開封機構は、前記頂部に前記注ぎ口を作り出す前に前記頂部に前記ベント開口部を作り出して前記容器の前記内部の圧力を低減するように構成される。
【0022】
前述の実装形態のさらに別の態様によれば、前記デバイスは、前記第1貯留部の中に第2室を含み、該第2室は、前記シールによって覆われた分注開口部およびベント開口部を有し、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して前記第2室の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるように前記頂部の前記スコア線付き部分と共働するように構成され、シールされた前記第2室の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1室の前記分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2室の分注開口部を通って分注された第3液が前記容器の外側だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される。
【0023】
前述の実装形態のさらに別の態様によれば、前記デバイスは、前記容器の前記内部において前記頂部の内表面から垂下する第2貯留部を含み、該第2貯留部は、壁および該壁に取り付けられて前記第2貯留部の中に第2室を形成するように構成された蓋を有し、前記第2貯留部は、前記第2室に流体連通する分注開口部と該室に流体連通するベント開口部とを含み、前記シールは、前記頂部の前記スコア線付き部分からの接触に対応して前記頂部の前記スコア線付き部分と共働して前記第2貯留部の前記分注開口部および前記ベント開口部も露出させるように構成され、前記第2貯留部の前記分注開口部は、前記頂部の前記注ぎ口を通って注がれた前記第1液、前記第1貯留部の分注開口部を通って分注された前記第2液、および前記第2貯留部の分注開口部を通って分注された第3液体が前記容器の前記内部の外側だけで混ざり合うように、前記頂部の前記スコア線付き部分に隣接して配置される。
【0024】
本開示の前述および他の特徴および利点は、添付の図を併用して、以下の詳細な説明からよりよく把握されるようになるため、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の一つの実装形態によって形成された複数の入れ子式のシールされた容器の分解図である。
図2A図1の容器の第1貯留部および頂部の分解図である。
図2B図1の容器の第1貯留部および頂部の組み立て図である。
図3A】本開示による、図1および図2の容器を使用するステップを示す部分的に切断された正面立面図である。
図3B】本開示による、図1および図2の容器を使用する別のステップを示す部分的に切断された正面立面図である。
図3C】本開示による、図1および図2の容器を使用する別のステップを示す部分的に切断された正面立面図である。
図3D】本開示による、図1および図2の容器を使用する別のステップを示す部分的に切断された正面立面図である。
図3E】本開示による、図1および図2の容器を使用する別のステップを示す部分的に切断された正面立面図である。
図4A】二つの液体の別個の貯留を示す側面図である。
図4B】単一の注ぎ口を通る二つの液体の分注を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、開示するさまざまな実装形態の完璧な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載される。しかし、これらの具体的な詳細の一つ以上を用いることなく、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実装形態が実施されてもよいことを、当業者は認識するであろう。他の場合、飲料缶、ステイオンタブ(sta-tab)、および保持式リングプル開封機構に関するよく知られた構造、ならびに加圧式飲料缶の設計および製造は、実装形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細には示さず、または説明しない。
【0027】
内容が別途要求しない限り、後続の明細書および特許請求の範囲を通じて、用語「備える」および「備える(comprises)」、および「備えている」などの変形例は、制限の無い、包含的意味、すなわち「それだけに限定されずに含む」として解釈されるものとする。
【0028】
本明細書を通じて「一つの実装形態」または「一実装形態」への参照は、その実装形態に関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも一つの実装形態内に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じてさまざまな場所における句「一つの実装形態」または「一実装形態」の出現は、必ずしもすべて同じ実装形態を参照しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、一つ以上の実装形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。例示を簡単にし、明確にするために、適切と考えられる場合、対応するまたは類似する要素またはステップを示すために図の中で参照番号が反復され得ることが、理解されよう。
【0029】
本明細書および付属の特許請求の範囲に使用されるとき、単数の形態「一つ(a)」、「一つ(an)」、および「その(the)」は、内容が別途明確に指定しない限り複数の指示対象を含む。内容が別途明確に指定しない限り、用語「または」は、その最も広範な意味で、すなわち「および/または」の意味として全般的に使用されることも留意されたい。
【0030】
本明細書に提供する開示の見出しおよび要約書は、便宜上にすぎず、実装形態の範囲または意味を解釈するものではない。
【0031】
総括
本開示は、主に、いくらかの圧力下で内部に貯留された液体を有する、飲料および液体の貯留分注容器で使用するように設計される。これらの容器は、通常、容器の頂部に保持されたプルリングを使用して開封される。消費者は、プルリングの一端を持ち上げて頂部のスコア線付きセクションを分離して、容器内の液体へのアクセス開口部を作り出す。「Easy-open Ecology End」と題する米国特許第4,030,631号は、今日使用されている保持式リングプル開封機構を説明している。この機構は、最初に、リングの一端において消費者の指などによる持ち上げ動作を使用することにより、第2種てことして動作する。リングの中間を頂部に取り付けるリベットが、リベットを引っ張るリングの最初の上方向運動に応答して、頂部に初期ベント開口部を作り出す。
【0032】
その結果、リベットによる頂部の最初の破断により、ベント開口部が作り出されて缶の内側の圧力を放出する。この圧力は、頂部の一部を缶の内部に押し下げる第2のステップに抵抗する可能性がある。リングがその上向き動作を継続するにつれて、リングの突出部は、スコア線によって取り囲まれた缶頂部の一部を押し下げる。リングの突出部がスコア線付きセクションを下方向に押し出して注ぎ口を形成するとき、リングは、頂部に取り付けられたままである。'631号特許に説明されているように、「スコア線の破断時に形成されたパネルは、タブの継続的な持ち上げに対応して下方向に強制される。タブは、このとき、第1種てことして動作し、その際、スコア線の残りの部分を破断することによってパネルを下方向に付勢して、注ぎ口を形成する。ここでも、第1種てことしてのタブの動作は、二次または別のベントスコア線の破断に依存しない。パネルは、注ぎ口を形成する開口部を通って下方向に付勢されるため、従来の分離可能な開封帯は解消され、それによって可能性のあるゴミ源、切断された開封帯をさらに低減する。」
【0033】
容器の説明
本開示の一つの態様によれば、複数の液体を貯留および分注するための複室貯留分注デバイス10が提供され、このデバイスが図1図4Bに示される。図1の分解図でより明確に分かるように、デバイス10は、外装18を含む少なくとも一つの側壁16と底部20を有する容器14を含む。側壁16および底部20は、容器14の頂部が開放された内部22を協働して画定するように構成される。容器14は、この容器14に取り付けられて内部22を閉鎖する大きさおよび形状にされた頂部24を受け入れるように構成される。頂部24が側壁16の末端縁26に封止状態で取り付けられることで、(図4A図4Bに示す容器14の内部22の圧力の下で)液Aの貯留を可能にする。
【0034】
頂部24は、リベット31によって開封機構30が取り付けられるむき出しの外表面28を有する。開封機構は、容器14の内部22に流体連通する注ぎ口32(たとえば図3Dを参照)を頂部24に作り出す。この種の開封機構30は、よく知られており、容易に商業的に入手可能であるため、本明細書では詳細には説明しない。簡潔に、開封機構30を使用する順序が、図3A図3Eを併用して説明される。開封機構30は、第1の端部34に消費者の指先端を受け入れる大きさおよび形状にされた開口部33を有する。(図4A図4Bに示す)消費者70は、開口部33を使用して開封機構30の第1の端部34を引き上げる。この機構30が引き上げられるとき、リベット31は、頂部24に容器14の内部22の圧力を抜く開口部を作り出す。消費者70が機構30の引き上げを継続すると、反対側の第2の端部36は、スコア線付きの、または別の形で脆弱化された領域38内の頂部24の外表面28を押し込む。第2の端部36からの圧力は、スコア線付き領域38の一部が頂部24に接続された状態のまま、スコア線付き領域38を押しやり、容器14の内部22の中へ入れる。これにより、頂部24に注ぎ口32が作り出される。消費者70は、次いで、開封機構30の第1の端部34をその元の位置に押し戻して、注ぎ口32をよけるようにその端部を移動させ、注ぎ口32から飲むのに頂部24が妨げられないようにする。
【0035】
第1貯留部40は、容器14の内部22において頂部24の内表面42から垂下している。第1貯留部40は、側壁44と、側壁44の上縁48上の蓋46とを有し、これらの側壁および蓋が共働して第1貯留部40内にシールされた第1室49を形成する。使用時において、蓋46は、接着剤などの従来の手段を使用して頂部24の内表面42に固定される。この手段は、容易に商業的に利用可能であるため、本明細書では詳細には説明しない。この取り付けは十分に強固であり、本明細書において以下で説明する開封プロセスにおいて、頂部24に取り付けられた第1貯留部40を保持する。
【0036】
第1貯留部40は、側壁44に少なくとも一つ、この実装形態では、二つの分注開口部50を含み、これらの分注開口部は、第1室49に流体連通する。各分注開口部50は、側壁において、側壁44の上縁48のすぐ下になるように形成される。各分注開口部50は、第1室49内に貯留された流体または液B(図4A図4Bに示す)が、分注開口部50を通って第1貯留部を出ることを可能にする大きさおよび形状にされる。この実装形態では、各開口部は、円形の形状を有するように示されているが、正方形、長方形、三角形、および他の幾何学的形状などの他の形状が同様に使用できることを理解されたい。
【0037】
図に見られるように、第1貯留部40は、C字形状の平面外形形状を有する。この形状は、側壁44において、長さに沿って半径が変化する円形断面形状を有するハーフパイプ形状の谷部52を作り出す。谷部52は、他の幾何学的断面形状を有することができるが、その形状は、スコア線付き領域38のための隙間または空間を提供し、スコア線付き領域を収容する大きさおよび形状にされる必要がある。このスコア線付き領域は、後で容器14が開封されたときに、谷部52内へ折り込まれるフラップになる。分注開口部50は、谷部52を形成する側壁44の一部に形成され、互いに隣接するように側壁に沿って水平に配置される。しかし、容器14が、最初に、垂直配向から液体が重力によって分注開口部50を出るように分注開口部が液体の表面下にある状態の配向へ傾けられるときに、シールされた第1室49内の液体Bをその分注開口部から分注可能であるように上縁48に極めて接近している限りにおいて、分注開口部は、谷部52の反対側に配置されてもよい。各分注開口部50は、好ましくは、谷部52において、谷部52の外側コーナ45近くに配置されて、以下でより完全に論議するように、この開口部のシールを可能にする。
【0038】
第1貯留部40の第1室49から液体Bを分注することを容易にするために、第1貯留部40の側壁44において、第1室49に流体連通する少なくとも一つのベント開口部54が形成される。各ベント開口部54は、図に示す円形形状などのほとんどすべての形状を有することができる。最も重要なことに、各ベント開口部54は、側壁44の上縁48からある距離を置いて谷部52内の側壁44上に配置され、その距離は、各分注開口部50から側壁の上縁48までの距離より短い。この距離設定により、液体Bが各分注開口部50を出るのと同時に空気が第1室49に入ることができ、かつ液Bがベント開口部54から出ないことが保証される。加えて、各ベント開口部54は、谷部52において、谷部52の外側コーナまたは隆起部45の近くに配置され、以下でより完全に論議するように、各ベント開口部54のシールを可能にする。
【0039】
シール56は、谷部52内の第1貯留部40の側壁44に取り外し可能に取り付けるように構成され、各分注開口部50およびベント開口部54を覆う大きさおよび形状にされる。シール56は、開封機構30の作動に対応して第1貯留部40の側壁44から部分的に剥がれるように構成され、各ベント開口部54および各分注開口部50を露出させ、その結果、以下でより完全に説明するように、頂部24に注ぎ口32を作り出す。
【0040】
好ましい実装形態では、シール56は、実質的に長方形の形状を有する。シールは、谷部52の内側の側壁44の一部に沿って下方へ延びる第1脚部58と、谷部52を渡るように延びる中央部分60と、谷部52における反対側の側壁44の内側に沿って下方へ延びる第2脚部62とを有するのに十分な長さおよび幅を有している。これにより、各分注開口部50および各ベント開口部54は、それぞれの脚部58、62によって覆われる。加えて、シール56の中央部分60は、頂部24のスコア線付き領域38の直下に配置される。この部分は、スコア線付き領域38の下面に取り付けられて、以下で説明する開封プロセスにおいて、スコア線付き領域38の移動に対する良好な反応を確保することができる。
【0041】
図3A図3Eに示すように、スコア線付き領域38が開封機構30によって容器14の内部22に押し込まれると、そのスコア線付き領域38がフラップとなる。このフラップは、シール56の中央部分60を下方向へ押し、それぞれの第1および第2の脚部58、62を側壁44から剥がし、各分注開口部50および各ベント開口部54を露出させる。シール56は、スコア線付き領域38に取り付けられているため、容器14の内部22の中に貯留された第1液Aの中へ落下することはない。
【0042】
シール56、第1貯留部40およびその蓋46、ならびに容器14および開封機構30を有する容器の頂部24は、すべて、食品等級の材料から作製される。第1貯留部40は、食品等級のプラスチックで作製されてもよく、蓋46は、ホイルまたは適切なプラスチック材料で作製されてもよい。好ましくは、シール56は、事前に型押しされ、その形状を保持することができるPETコーティングされたホイルなどのホイル材料から作製される。製造時に、第1貯留部40は、液Bを内部の第1室49に導入する前に、側壁44上にシール56が配置される。貯留部40は、液Bが充填された後、蓋46によって覆われる。この貯留部は、次いで、頂部24の内部側42に取り付けられ、その後、頂部24は、容器14の上縁26に付けられる。
【0043】
使用において、まず、頂部24を開封するのに開封機構30が使用されて注ぎ口32を作り出すとともに、各分注開口部50および各ベント開口部54を露出させる。その後、消費者70は、図4A図4Bに示すように容器14を保持して斜めに傾けることができ、液Aが容器14の内部22から出ることを可能にする。また、液Bは、各分注開口部50を介して第1貯留部40を出る。二つの液AおよびBは、注ぎ口32を出るまで分離状態を維持する。この場合、これらの液体は、消費者70の口72内で混ざり合う。
【0044】
この可用性を高めるために、さまざまな変更を本開示に加えることができることを理解されたい。たとえば、第1貯留部40は、二つ以上の内室を有する大きさおよび形状にすることができる。このとき、各室は、各室固有の液体を貯留し、各室固有の分注およびベント開口部を有しており、各室固有の分注およびベント開口部はすべて、同じシールによって覆われる。あるいは、複数の貯留部を容器14の内部22において頂部24に配置することができ、それぞれ貯留部は、各々固有のシールを有し、各シールは、容器が開封されるときに頂部24のスコア線付き領域38によって引き剥がされる。
【0045】
上記した様々な実施形態を組み合わせて更なる実施形態を提供することができる。本明細書を参照し、および/または2019年12月26日出願の米国仮特許出願第62/953,585号を含む出願データシートにおいてリストされる、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献公報は、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる。様々な特許、出願、および公報の概念を使用することが必要な場合、本実施形態の態様を改変して、さらに追加的な実施形態を提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 デバイス
14 容器
16 側壁
18 外装
20 底部
22 内部
24 頂部
28 外表面
30 開封機構
32 注ぎ口
38 スコア線付き領域
40 第1貯留部
42 内表面
44 側壁
46 蓋
48 上縁
49 第1室
50 分注開口部
54 ベント開口部
56 シ-ル
A 第1液
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
【国際調査報告】