(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(54)【発明の名称】空港滑走路ライトアプリケーションの赤外線源
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20220909BHJP
F21V 9/00 20180101ALI20220909BHJP
F21W 111/06 20060101ALN20220909BHJP
【FI】
F21S2/00 664
F21V9/00 300
F21W111:06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562066
(86)(22)【出願日】2020-04-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020028874
(87)【国際公開番号】W WO2020215030
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521455512
【氏名又は名称】サーフィス イグナイタ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】カロム、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハンナ、ジョージ シー
(57)【要約】
滑走路照明システムの滑走路進入灯として使用するための空港滑走路ライトであって、滑走路ライトは、滑走路照明システムのライト・ソケットで前記滑走路ライトを支持するように構成されたベースを有するライト本体を含み、前記ベースは、前記滑走路照明システムに前記滑走路ライトを電気的に接続するための電気的接続を含み、前記ライトは、更に、1以上の出力ウィンドウを含み、前記滑走路ライトは、高効率の赤外線源と、前記1以上の出力ウィンドウを通して外に前記赤外線源を向けるための1以上の赤外線リフレクタを有し、前記赤外線源は窒化ケイ素エレメントを有し、前記赤外線源は、非常に少ない電力消費で、検出可能な可視光を実質的には生成しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑走路照明システムの滑走路進入灯として使用するための空港滑走路ライトであって、
滑走路ライトは、関連した滑走路照明システムの関連したライト・ソケットで前記滑走路ライトを支持するように構成されたベースを有するライト本体を含み、
前記ベースは、前記関連した滑走路照明システムに前記滑走路ライトを電気的に接続するための電気的接続を含み、
前記ライトは、更に、1以上の出力ウィンドウを含み、
前記滑走路ライトは、
高効率の赤外線源と、
前記1以上の出力ウィンドウを通して外に前記赤外線源を向けるための1以上の赤外線リフレクタと、
を有し、
前記赤外線源は窒化ケイ素エレメントを有し、
前記赤外線源は、非常に少ない電力消費で、多量の赤外線を生成し、検出可能な可視光を実質的には生成しない、
空港滑走路ライト。
【請求項2】
更に、前記赤外線光源とは別に可視光源を含む請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項3】
前記可視光源は、前記赤外線光源から間隔をおいて配置された複数のライト・アセンブリを含む、請求項2に記載の空港滑走路ライト。
【請求項4】
前記滑走路ライトは中心軸を有し、前記赤外線光源は、前記中心軸の中心に置かれ、
前記空港滑走路ライトは、更に、前記赤外線光源から分離している複数の可視光アセンブリを含み、
前記複数の可視光アセンブリは、前記赤外線光源を取り囲み、前記中心軸と同軸である、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項5】
前記複数の可視光アセンブリは、複数のLEDライト・アセンブリを含む請求項4に記載の空港滑走路ライト。
【請求項6】
前記1以上の出力ウィンドウは、前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含む請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項7】
前記滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、3.5ミクロン~4.5ミクロンの範囲に最大フィルタポイントを有する、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項8】
前記少なくとも1個のフィルタは、2.5ミクロン~3.5ミクロンの範囲に最小フィルタポイントを有する、
請求項7に記載の空港滑走路ライト。
【請求項9】
前記滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、2.5ミクロン~3.5ミクロンの範囲に最小フィルタポイントを有する、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項10】
前記滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、ハイパスフィルタとローパスフィルタのうち少なくとも1個を含む、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項11】
前記ハイパスフィルタは、およそ1.5ミクロン未満の放射線をブロックし、
前記ローパスフィルタは、4ミクロンを上回る放射線をブロックする、
請求項10に記載の空港滑走路ライト。
【請求項12】
前記赤外線源は、セラミック・ブッシングによって支持された赤外線エレメントを含み、
前記赤外線エレメントは、窒化ケイ素エレメントであって、
前記赤外線源は、およそ華氏1,800度の最低温度と、およそ華氏3,000度の最高温度を有する、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項13】
前記赤外線源は、安定した状態の電流状態で、45~55オームの範囲の抵抗を有し、
前記安定した状態の電流状態は、120ボルトで0.7アンペア~2.2アンペアの範囲である、
請求項12に記載の空港滑走路ライト。
【請求項14】
前記滑走路ライトは中心軸を有し、
前記1以上の赤外線リフレクタは、前記中心軸と同軸の1つの中心に配置された赤外線リフレクタであって、
前記赤外線光源も前記中心軸と同軸であって、
前記滑走路ライトは、更に、前記中心軸と同軸であって、前記中心に配置された赤外線リフレクタのまわりに広がる環状ライトリングを含み、
前記滑走路ライトは、前記赤外線光源から一定間隔おいて配置され、前記環状ライトリングに対して固定された複数の可視光アセンブリを有する、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項15】
前記1以上の赤外線リフレクタは、焦点を有する放物線状のリフレクタであって、
前記赤外線源の前記窒化ケイ素エレメントは、ホットスポットを有し、
前記ホットスポットは、前記焦点と一直線上にある、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項16】
前記窒化ケイ素エレメントは、0.03インチ~0.08インチの範囲のエレメント厚さと0.10インチ~0.25インチの範囲のエレメント幅の長方形の断面形状を有する平らな形状である請求項15に記載の空港滑走路ライト。
【請求項17】
前記ホットスポットはホットスポット長を有し、
前記ホットスポット長は、およそ0.70インチ~0.30インチの範囲である、
請求項16に記載の空港滑走路ライト。
【請求項18】
前記放物線状のリフレクタの前記焦点は、前記放物線状のリフレクタの後端から0.15インチ~0.5インチに存在する請求項16に記載の空港滑走路ライト。
【請求項19】
前記ホットスポットはホットスポット長を有し、
前記ホットスポット長は、およそ0.70インチ~0.30インチの範囲である、
請求項18に記載の空港滑走路ライト。
【請求項20】
更に、前記赤外線光源から一定間隔おいて配置された可視光源を含み、
前記赤外線源は、前記可視光源と独立して選択的に操作可能である、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項21】
更に、電気システムを含み、
前記赤外線源は、第1の回路によって電源に電気的に接続されており、
前記可視光源は、第2の回路によって前記電源に電気的に接続されており、
前記電気システムは、更に、前記第1および第2の回路にそれぞれ独立して選択的に電力を供給するように、前記第1および第2の回路と前記電源の間に、スイッチを含む、
請求項20に記載の空港滑走路ライト。
【請求項22】
更に、操作システムを含み、
前記操作システムは、少なくとも1つの入力に基づいて、前記スイッチを操作可能にコントロールする、
請求項21に記載の空港滑走路ライト。
【請求項23】
前記少なくとも1つの入力は、ライトセンサーと、圧力センサーと、温度センサーと、光学センサーと、外部信号とのうちの少なくとも1つからの入力を含む請求項22に記載の空港滑走路ライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年4月18日に提出された、ここに参照として組み込まれる、米国仮出願番号62/835822の優先権を主張する。
【0002】
この出願の発明は、空港滑走路照明に関する。より詳しくは、本発明は、滑走路照明などに使用される新しい赤外線(infared(IR))源に関する。
【0003】
本開示は、空港滑走路で使用される進入灯に関し、より具体的には、滑走路進入灯に使用される省エネルギー半導体光源に関する。
【0004】
参照としての組み込み
この出願の発明は、滑走路照明のIR源に関する。キムへの特許番号9,853,413は、空港滑走路進入灯装置を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。この出願の発明は、滑走路照明のIR源に関する。ウォレスへの特許番号7,023,361は、カバート滑走路照明装置と方法を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。タートックへの特許公開番号米国2010/0080542は、赤外線LED装置と表面ヒーターを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ワン及びその他の者への特許公開番号米国2006/0083017は、航法援助のためのソリッドステート照明装置を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ワン及びその他の者への特許番号7,357,530は、航法援助のための照明装置を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ティドハーへの特許番号8,508,128は、熱結像装置によって探知可能な熱エネルギー放射線を提供するためのシステムを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ブッケマ及びその他の者への特許番号8,651,686は、離着陸場を照らすための照明ユニットを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。グラスナー及びその他の者への特許番号7,629,601は、LED自動点滅装置を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。コイペルス及びその他の者への特許番号7,300,186は、合図および/または目標をマークするために使われるブリスターライトを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ラエネン及びその他の者への特許番号7,175,314は、望ましくは空港エリアで、物を照らすための、および/または、レーンをマークするための単一指向性照明装置を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ラエネン及びその他の者への特許番号8,128,254は、フラッシュマウンテッドフラッシュライトを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。フォーセン及びその他の者への特許公開番号米国2009/0091268は、LEDを有する離着陸場照明を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ラニヤン及びその他の者への特許番号5,485,151は、離着陸場照明システムを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ハンスラー及びその他の者への特許番号7,083,315は、高架式離着陸場滑走路と誘導路の発光ダイオードを利用したエッジライトを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ラエネン及びその他の者への特許公開番号米国2010/0033966は、航空機のアプローチ誘導のためのグライド角度ライトを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。デブック及びその他の者への特許公開番号米国2013/0094192は、高架式離着陸場LEDライト装置を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。ヒューズへの特許番号6,600,274は、航空機照明システムのためのLED電流調整回路を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。バスティアーニ及びその他の者への特許番号9,206,961は、LED高架式照明設備と方法を開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。カサンドラ及びその他の者への特許番号9,657,906は、発光ダイオード滑走路端認識装置ライト・システムを開示しており、同じことを示すために参照として組み込まれ、この出願の明細書の一部を形成する。また、「照明システム ― 連邦航空局からの滑走路調整インジケータ・ライトを有するミディアム進入灯システム(Medium Approach Light System with Runway Alignment Indicator Lights(MALSR))」というタイトルの添付の記事は、この出願に参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0005】
空港滑走路進入灯は、航空機が滑走路に着陸するのを補助するのに用いられる。
先行技術の滑走路進入灯は、白熱電球とハロゲン灯のような熱源を含む。熱源は、可視光スペクトルの成分に加えて、赤外分光成分を発する。気象条件が有利で視界が良いとき、着陸の際のパイロットは、滑走路進入灯を見つつ、肉眼で可視スペクトルの成分を使用する。しかし、気象条件が有利でない、または、視界が悪いとき、パイロットは、安全な着陸のために熱源から発せられる赤外線を検出するためにコックピットに備えられた赤外線(infrared(IR))カメラまたはエンハンスト・フライト・ビジョン・システム(enhanced flight vision system(EFVS))を使用する。
【0006】
滑走路進入灯のために使用される熱源の電力消費は、非常に大きい(およそ100ワット~500ワット)。したがって、入力電力から光出力までエネルギーを変換する量子効率が非常に悪いので、熱源はとても効率が悪く、発生する光線パターンを必要な光線パターンに変換する光線成形メカニズムは高い結合損失に終わって難しい。
【0007】
その結果、エネルギー効率の良い発光ダイオード(light emitting diode(LED))光源による進入灯のニーズが、最近上昇している。しかし、エネルギー効率の良いLED(例えば、安定して光る白色光LEDと入口緑色光LED)は、実際的な状況で、可視スペクトルと、ほとんど赤外線でない波長しか有していない。そのように、ひどい又は視界不良の気象条件の間、LED光源を問題なく使用できないので、LED光源は次世代空港システムのための滑走路進入灯として適切でない。
【0008】
この問題を解決するために、空港滑走路進入灯で使用するのに効率的な赤外線(IR)の光源を見つける試みがなされてきた。しかしまだ、効率的で、滑走路照明に十分な光度のIR源のニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この出願の発明は、空港滑走路ライトに関する。特に、発明は滑走路ライトなどに使用される新しい赤外線(IR)源に関する。この点で、本発明は、空港滑走路で使用される進入灯に関し、より具体的には、滑走路進入灯に使用される省エネルギー半導体IR光源を含む進入灯に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの面によれば、提供されるのは、新しいIR源を利用した滑走路ライトのためのIR源を含む進入灯である。
【0011】
より詳しくは、本発明は、窒化ケイ素IR源を含むIR源を含んだ進入灯に関する。窒化ケイ素IR源は、滑走路アプリケーションに必要とされる強度の赤外線と、滑走路アプリケーションで必要とされるビーム形状で外に赤外線を向けるための放物線状リフレクタと共に使用するために必要とされる赤外線の焦点とを両方生成するとわかった。炭化ケイ素のような材料が過去には赤外線を生成するために使用されてきたが、出願人は、炭化ケイ素IR源は滑走路アプリケーションには効果的に機能しないことを発見した。この点で、炭化ケイ素IR源は、長年、実験室で使用されてきた。しかし、炭化ケイ素IR源は、実験室の環境では良く機能する一方で、出願人は、炭化ケイ素IR源は滑走路アプリケーションでは良く機能しないことを発見した。炭化ケイ素源は、滑走路アプリケーションに必要とされる距離、赤外線を送るために必要とされる強度の赤外線を生成しない。更に、炭化ケイ素IR源は放物線状リフレクタと共に使用するのに必要とされるビーム集中を有しない。放物線状リフレクタの焦点から距離を置いて赤外線が生成されるので、赤外線出力の多くが利用されない。更に、必要とされる赤外線出力を生成するための炭化ケイ素IR源のサイズの増大によって、赤外線のさらに多くが、放物線状リフレクタの焦点から離れて生成される。また更に、炭化ケイ素IR源が長期間操作された場合、炭化ケイ素IR源の電気特性、したがって、それらの光学特性も、時間とともに一定のままではない。炭化ケイ素源の特性は、大幅に変動する傾向があり、また、そのことは、滑走路アプリケーションの有効利用を妨げ、効率損失をより大きくする。したがって、炭化ケイ素IR源が使用される場合、そして、それらが滑走路アプリケーションのために必要とされる放物線状リフレクタのタイプで使用される場合、効率損失が存在する。窒化ケイ素を使用することによって、赤外線のレベルと波長の範囲の両方で、赤外線の強度が大幅に増加した。更に、赤外線は、よりしまった、または、より小さい赤外線の焦点を生成しうるし、より少ない消費電力で、非常に遠い距離に赤外線をばらまくための放物線状リフレクタと、とてもよく機能することが発見された。更に、窒化ケイ素源は、最小の変動で、時間とともに一定のままである赤外線源を生成する。
【0012】
本発明の、また更なる面によれば、IR源はPARスタイル・ランプ内で機能するように構成されており、この出願の進入灯は、既存の滑走路ライト・システムに単にネジ留めされても良い。したがって、この出願の発明は、得られるAC電圧ソケットで使用されても良い。このことは、一定の数のLEDライトをこの出願のPARスタイル・ライトに交換することを含んでも良く、これに限らない。
【0013】
本発明の、また更なる面によれば、PARスタイル・ライトは、既存の滑走路ライト・システムを修正する必要なく、IR源のIR出力を更に増すために修正されても良い。
【0014】
この出願の発明は、既存の滑走路ライト・システムと既存のAC電圧ソケットを利用しても良く、しかし、この出願の発明は、より少ないエネルギーで広帯域赤外線を生成するということが発見された。
【0015】
本発明の他の面によれば、進入灯は、高効率IR源と、高効率可視光源とを両方含んでも良く、進入灯は、より効率的に、IR出力と可視光出力との両方を生成しても良い。更に、2つの源のライトは、PARスタイル・ライトとして構成されても良く、滑走路ライト・システムで滑走路ライトの全部さえ交換するのに使用されても良い。
【0016】
本発明の更に他の面によれば、IR源は石英ウィンドウを含んでも良く、石英ウィンドウは、ライトのIR出力を更にもっと改良するために、PARスタイル・ライトを覆うカバーであっても良い。
【0017】
本発明の他の面によれば、IR源は、1以上のフィルタを含んでも良い。
【0018】
本発明のある面によれば、フィルタは石英ウィンドウを含む。
【0019】
本発明の他の面によれば、フィルタは一定のレベル未満の放射線をブロックする「ハイパス」フィルタを含んでも良い。実施例のあるセットでは、フィルタは、およそ1.5ミクロン未満である。実施例の他のセットでは、およそ2ミクロン未満である。
【0020】
本発明の更に他の面によれば、IR源は、一定のレベルを上回る放射線をブロックする「ローパス」フィルタを含んでも良い。
【0021】
更に他の面によれば、IR源は、2以上のフィルタを含みうる組合せフィルタを含んでも良い。例えば、フィルタは、「ハイパス」フィルタと「ローパス」フィルタを両方含んでも良く、IR源と組合せて使用された場合、特定の範囲の波長を生み出す。フィルタは、望ましい範囲の波長のみ通過することを許すIRバンドパスフィルタを含んでも良い。本質的に、IRバンドパスフィルタは、ローパスフィルタをハイパスフィルタの両方としてふるまうことができ、望ましい範囲外の周波数を除く(減ずる)。
【0022】
本発明の更なる面によれば、進入灯は、IR源と可視光源の全てを、互いに独立して操作するように構成された1以上の選択的コントロールを含んでも良い。結果として、IR源は独立して、および/または、気象条件次第で可視光源と組合せて、操作可能である。更に、IR源の選択的コントロールは、可視光源のみが必要とされているが、雪と氷がライトの可視性の効率を妨げている場合、ライトのレンズから氷と雪を解かすためなど、他の目的のために、使用されうる。
【0023】
発明の、これらおよび他の物、面、特徴、利点は、次の項目で記述される図面と共に取り上げられる以下に掲げる発明の詳細な説明を読めば、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
発明は特定の部品の物理的形状と部品の配列を採用しても良く、その望ましい実施例は詳細に記述されて、これの一部を構成する添付の図面に図示される。
【0025】
【
図1】MALSRまたはミディアム光度進入灯システムの模式図である。
【
図2】この出願の発明の、ある面によるライトの斜視図である。
【
図3】
図2に示されたランプのための反射器の斜視図である;
【
図4】
図2に示されたランプのためのIR素子組立体の拡大図である。
【
図5】可視光源も含む実施例の他の一組の部分断面図である。
【
図6】
図5に示されたライトの内部ライト組立体の斜視図である。
【
図7】発明の、ある面によるライトのための電気システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、示しているものは、発明の望ましく、そして代わりとなる実施形態を例示するだけの目的であり、同じものを限定する目的ではない図面に言及しつつ、この出願の発明は、空港滑走路ライトとして使用されうるライト100に関するものである。より詳しくは、発明は、滑走路などのために使用されうる高効率赤外線(IR)源110を含む滑走路照明100に関する。
【0027】
しかし、この出願のライトは滑走路での使用に特に十分に機能して、したがって、その関係で議論されることが分かっている一方で、この出願の発明は、より広範囲のアプリケーションであり、その広くて正確に制御可能な赤外線の出力は、広範囲にわたるアプリケーションで使用されることが可能であり、発明は滑走路のアプリケーションに限定されるべきではない。
【0028】
より詳細に、そして、この出願の発明の望ましい使用に関して、本発明は、空港滑走路照明システム10で使用される進入灯として使われる。滑走路照明100は、高い出力であるIR源110と、滑走路進入灯システム10のために使用されうる省エネルギー半導体IR光源とを含む。
【0029】
IR源の「理由」
放物線状リフレクタタイプ・オプティカル・ランプ(Parabolic reflector type potical lamps(PAR))は、様々なサイズで売り出され、ビーム形を出力して、多くの用途がある。放物線状リフレクタタイプ・オプティカル・ランプは、1/8インチで測られ、それらの外径により名付けられ、例えば、PAR20ランプは直径20×1/8インチすなわち2.5インチの出力レンズを有し、PAR38ランプは、外径38×1/8インチ=4.25インチであるものを有し、PAR56ランプは、外径56×1/8インチ=7.0インチであるものを有している。
【0030】
PAR38及びPAR56ランプは、上述のように、空港滑走路で地面灯として広く使用されている。この出願の発明の特別な目的のものは、空港のメイン滑走路の始まりから1/2マイル以上外へ伸び、入って来るパイロットが飛行機を適切に位置合わせし、きちんと鉛直角を制御するのに役立つ進入灯システムで使用されるものである。フェデックスと、ユナイテッド・パーセルと、非商業的なプライベートジェットの飛行機のような飛行機を助けるために、霧のかかった天気の中で着陸するために、飛行機はエンハンスト・フライト・ビジョン・システム(enhanced flight vision system(EFVS))を備えており、EFVSは、霧の中でも、可視光より、より伝わる赤外線に高感度のカメラを有する。これにより、そのような飛行機が、霧を通して「見る」ことが可能になり、視覚的に滑走路の始まりを見分けるのに十分近くにやって来ることが可能になり、着陸が中止されるべき「決定高度」を200フィートから100フィートまで下げることさえ可能になる。
【0031】
米国では現在のところ、進入灯システムでは、白熱、すなわち、加熱したタングステン・フィラメントPAR38sとPAR56sを用いる。これらは、可視光より非常に多くの赤外線を発し、それにより、これらは、EFVSカメラを備えている比較的少ない飛行機のために、霧のケースを除く大部分の条件下で、エネルギーの浪費を大きくしている。
【0032】
エネルギーを節約するために、米国エネルギー省は多くの白熱灯の製造に終止符を打ち、その代わりにLEDタイプのランプの使用を要求し、LEDタイプのランプは基本的に可視光だけを発する。このように、このことにより、そのようなランプが、EFVSカメラ(これらのカメラは、およそ100万ドルかかり、100超のそのようなカメラが現在使用中であり、FAAは旅客機でそれらを利用し始めることを望んでいる)に、霧の中で事実上不可視になるという事実は、進入灯システムでLEDライトの使用を妨げる最後のハードルである。
【0033】
この出願の発明は、産業上のこれらの課題を解決するために、必要とされる赤外線を作る。この出願の発明は、多くの形で生じることができる。
【0034】
第1の実施例は、滑走路などのために使用されうる赤外線(IR)源110を含むライト100である。この実施例では、IR源110を含むライト100は、たとえば、可視LEDタイプPARランプと並べて取り付けられうる進入灯システム10の固定具に単にネジ止めされるように構成されうる。この出願の発明と、現在利用できる可視LEDタイプPARランプとは、共に、それらが取って代わる白熱PARランプより少ないエネルギーを引き出し、最小限の可視光を発し、すべてのタイプのEFVSカメラによって検出可能な、かなり多くの赤外線を発する。
【0035】
図1を参照し、MALSRまたはミディアム光度進入灯システム10が示されている。これらのシステムは9個の長さ10フィートのバー12を含み、それぞれに、5個の白熱100~120ワットの白色光PAR38ランプが存在する。緑のフィルタ16を付けている18個の300ワットの白色光PAR56ランプも含まれ、これらは、そこを超えるとパイロットが着陸可能な、滑走路の入口20または始まりを形成する。900個のMALSRsが、米国の滑走路に存在し、世界中の滑走路に、多くの他の類似した、さらにより大きな進入灯システムが存在する。このように、世界中の空港に並べて簡便に取り付けられうる赤外線ランプに加えて、省エネルギーLEDタイプPARランプの非常に大きな必要性がある。
【0036】
この出願のPAR赤外線タイプ・ランプには他にも可能性がある用途がある。PAR赤外線タイプ・ランプの源の赤外線出力スペクトルは、1~10ミクロンの範囲にわたる。セキュリティタイプの用途のために、たとえば、3ミクロンより長い波長に、または、3~3.5ミクロンの範囲の波長に、ランプの発されたスペクトルを制限するために、様々なタイプのフィルタを使用することができる。
【0037】
より詳しくは、典型的なMALSRシステム10は、滑走路の入口20に沿って10フィート間隔をあけて18個の緑色ランプ(PAR56)16を使用する。更に、5個の白色ライト(PAR38)14を有する9個のライト・バー12が、200フィートごと離されて存在し、そして、滑走路入口から2,400フィートの距離にわたって、5個の配列された自動点滅装置22も、200フィートごと離されている。1,000フィート地点24には、最終アプローチのパイロットのために加えられた視覚的参考となる3個のライト・バー(15個のランプ)が存在する。配列されたフラッシング・ライトは、滑走路のセンターラインの経路に沿って加えられた視覚的ガイダンスを提供する。着陸決定又は中断の高度が200フィートで、計画したアプローチの視界は、少なくとも1,800フィートから0.5マイルである。
【0038】
また、この出願の発明は、IR源110を使用するPARタイプ・ランプ構成、例えばPAR38とPAR56を利用しても良い。IR源110は、広帯域の赤外線を生成するために、白熱のタングステンの代わりに、窒化ケイ素エレメントのIR源を含む。さらに、たとえIR源110がハイパワーで広域スペクトルの赤外線を生じるとしても、IR源110は、ほとんど可視光を生じない。この点では、赤外線源110は、従来のPARスタイルの電球によって作られた光の可視光の7%未満で可視光を生じることができる。さらに、上記のほとんど生じない可視光は、従来のPARスタイルの電球によって生み出される可視光の5%より低い可能性がある。IR源110は赤く輝き、そして、IR源110の可視光のピークの出力はPAR38白熱電球の可視光のピークの出力の、およそ2%未満でありえる。
【0039】
より詳しくは、そして、1セットの実施例を示す
図2~4に関して、ライト100は、既存のPAR電球に代わるように設計されている、および/または、他のタイプの電球および/または照明器具でもありえる、PAR構成を有する。ライト100は、ベース122と発明を損なうことのない広範囲にわたる格納装置でありえる囲い124を有するライト本体120を含む。囲い124は、ライト100の過熱を防ぐために、冷却フィン125を含んでも良い。ライト100は、1以上の出力ウィンドウ126を更に含み、出力ウィンドウ126は、既知の技術の手段によって囲い124に対して固定されうる出力ウィンドウ・アセンブリ127の一部であっても良い。ベース122は、ねじ山130と、電気ねじ山コンタクト132と、電気フットコンタクト134とを有する従来のPARスタイルのベースであっても良い。しかし、他の電気接続および/またはベースが、発明を損なうことなく使用されうる。また、ライト100は、広範囲にわたって従来の構成を有していても良く、全体的な電球構造に関する詳細は、既知の技術という点で、簡潔さのために提供されていない。ライト100は、消費電力の増加なしで赤外線と広帯域赤外線のかなりの量を生じる高効率IR源であるIR源110を含む内部ライト・アセンブリ136を含む。内部ライト・アセンブリ136は、囲い124および/または出力ウィンドウ・アセンブリ127に対してアセンブリ136を固定するために、1以上の固定構成138を含んでも良い。固定構成138は、囲い124に対してアセンブリ136を固定する留め具(このセットの実施例では図示されない)または既知の技術の他の留め具構成を含んでも良い。ライト100は、更に、1以上の赤外線リフレクタ140を含み、赤外線リフレクタ140は、PARタイプ・ランプ(たとえばPAR38とPAR56)と共に機能するように構成されたリフレクタに類似した放物線状のリフレクタを含む広範囲のリフレクタであっても良い。リフレクタ140はアセンブリ136の一部であっても良いし、および/または、構造そのものを形づくっていても良い。1セットの実施例では、IR源110は、広帯域赤外線を生じるために白熱のタングステンの代わりに窒化ケイ素エレメント152を含むエレメント150アセンブリを使用する。IR源110のエレメント・アセンブリ150は、セラミック・ベース154に取り付けられるIRエレメント152を有しても良い。源110は、1以上のワイヤー155経由で電気的に接続されている。
【0040】
1セットの実施例では、IRエレメント152は、エレメントの厚さとエレメントの幅の両方を有する長方形の断面形状で、窒化ケイ素から作られる平らなエレメントである。とはいえ、この出願の発明を損なうことなく、他の断面形状が使用されうる。たとえば、IRエレメント152は、長さと直径を有する丸い断面形状を有する円筒形であっても良い。図示されているように、IRエレメント152の長さは、エレメントの幅および/または直径よりかなり長くても良い。下記はエレメント152のいくつかの寸法であり、示された例では、幅と厚さを有する平らである。セラミック・ベース154は、アルミナおよび/またはコーディエライトおよび/またはステアタイトなどから作られるカスタムのブッシング・デザインであっても良い。図示されているように、ベース154は円筒形の構成であるが、これは必須ではない。エレメント152の抵抗は、望ましい結果次第であっても良い。
【0041】
1セットの実施例では、電流/室温がゼロの場合、エレメント152の抵抗は、およそ35オームで、フル電流で、エレメント152の抵抗は、およそ50オームまで上昇しても良い。とはいえ、これらの範囲は、発明を損なうことなく多様であっても良く、電流/室温がゼロの場合、エレメント152の抵抗は30~40オームの範囲であっても良く、フル電流で、エレメント152の抵抗は、およそ45~55オームまで上昇しても良い。更に、エレメント152は華氏およそ1,800度の最低温度と、華氏およそ3,000度の最大温度を有しうる。定常状態の電流は、120ボルトで、0.7アンペア~2.2アンペアの範囲にあっても良い。
【0042】
1セットの実施例では、エレメント・アセンブリ150の寸法は以下のようである。
突出した窒化ケイ素・エレメント152
長さ:0.820インチ+/-0.20インチ
幅:0.020インチ+/-0.020インチ
厚さ:0.075インチ+/-0.020インチ
セラミック・ブッシング154
長さ:1.350インチ+/-0.50インチ
直径:0.397インチ+/-0.20インチ
【0043】
他のセットの実施例では、エレメント・アセンブリ150の寸法とパラメータは以下のようである。
窒化ケイ素・エレメント(全体)152
長さ:1.2~1.8インチ
幅:0.14~0.20インチ
厚さ:0.03~0.05インチ
【0044】
実施例のこのセットでは、エレメント152の抵抗は、18~125オームの範囲であっても良い。作動電圧は、102ボルト~132ボルトの範囲であっても良い。電流は、120ボルトで0.4アンペア~1.4アンペアの範囲であっても良い。動作温度は、摂氏950度~摂氏1,350度の範囲であっても良く、最大動作温度は132ボルトで摂氏1,500度である。また、102ボルトでの温度に対する時間は、摂氏980度で、およそ8秒である。
【0045】
とはいえ、理解されうるように、アセンブリ150および/またはIRエレメント152および/またはブッシング154の寸法は、この出願の発明を損なうことのない、広範囲の寸法ならびに形状でありえる。更に、寸法および/または形状は、ライト・システムの全体的なIR出力を調節して、ライト100で使用される放物線状のリフレクタ140と共に機能するように、調整されうる。しかし、上述の寸法は、特定の放物線状のレンズまたはリフレクタと共に窒化ケイ素を利用する実施例に関するもので、他のタイプのリフレクタの焦点は、異なる寸法のエレメントを必要とする可能性がある。したがって、上で例示された寸法は、限定ではなく、示された実施例を説明するものである。
【0046】
示される実施例に関して、IR源110はホットスポット156を有し、赤外線のエネルギーが主にエレメント152のホットスポット156から生成される。リフレクタ140は、焦点158を含む放物線状のリフレクタである。示される実施例では、ホットスポット156は焦点158に少なくとも接近して配置される。エレメント152が窒化ケイ素IR源から作られるという点で、ホットスポット156は、高強度と著しいビーム集中との両方を備えており、高強度は焦点158に少なくとも接近して位置しており、赤外線出力の多くが利用され、ライト100から広がる。このことは、大幅に効率の損失を減らし、出力を増やして、ビーム形状を改善する。そして、それらすべては滑走路アプリケーションに非常に有益である。更に、ライトが高出力かつ高効率で長期間操作されることができるように、電気特性と、ゆえに電気特性の光学特性も、時間に関して一定のままである。そのうえ、ドリフトが実質上ない。示される実施例は、焦点を有する放物線状のリフレクタを備え、焦点は、リフレクタの後端159から、およそ0.15インチ~0.5インチの範囲に集中する。ホットスポットは、ホットスポット長160を有し、ホットスポットは、この焦点を利用するために配置されて、通常、焦点に対して中心を合わせて配置されても良い。ホットスポット長は、エレメント152を形成する窒化ケイ素片に沿った長さで、およそ0.70インチ~0.30インチの範囲であっても良い。この構成で、IR出力ビームは、10度または他の望ましい全幅の半値全幅の、最大化され、上手く形づくられたガウス・パターンとして発せられる。
【0047】
1セットの実施例によれば、出力ウィンドウ126は、アセンブリ127に、しっかりと付けられた石英ガラス・ウインドウで形成されうる。出力ウィンドウ126にクォーツ・ウインドウを含むことによって、4ミクロン未満のIR放射線は少ししか吸収されない又は吸収されず、そして、赤外線の2~4ミクロン範囲の放射線は、かなり存在する。白熱PARランプの従来のガラスの囲いは、およそ2ミクロンより長い波長の赤外線を完全に吸収する。使われるIRカメラは、2ミクロンより4ミクロンに非常に感度が高いという点で、このことは重要であり、そして、この出願の発明は、このより大きい感度を利用するために、この、より見つけられる範囲の赤外線を生じ、このことは今まで不可能だった。
【0048】
しかし、それでも更に、ライト100は1以上のフィルタ170を含んでも良い。実施例の1つのセットでは、石英ウィンドウ126がフィルタ170としてふるまう。他の実施例によれば、フィルタ170は「ハイパス」フィルタおよび/または「ローパス」フィルタを含んでも良い。ハイパスフィルタは、特定のレベル未満の放射線をブロックする。ローパスフィルタは、特定のレベルを上回る放射線をブロックする。実施例の1つのセットでは、ハイパスフィルタは、およそ1.5ミクロン未満の放射線をブロックする。実施例の他のセットでは、ハイパスフィルタは、およそ2ミクロン未満の放射線をブロックする。実施例の更に他のセットでは、ハイパスフィルタは、1~3ミクロンの範囲のレベル未満の放射線をブロックする。「ローパス」フィルタに関しては、特定のレベルを上回る放射線をブロックし、ローパスフィルタは、およそ4ミクロンを上回る放射線をブロックするように構成しても良い。実施例の更に他のセットでは、ローパスフィルタは、3~5ミクロンの範囲のレベルを上回る放射線をブロックする。更に、フィルタ170は、2以上のフィルタを含むことができる組合せフィルタを含んでも良い。例えば、フィルタ170は、特定の範囲の波長のIR源を生成することができるハイパスフィルタとローパスフィルタの両方を含んでも良い。
【0049】
これは、先行技術のIR源より、とても良く見つけられて、より少ないエネルギー消費の、集中的で目標とされた範囲のハイパワーな赤外線を生じるのに用いられることができる。
【0050】
この出願のライトは、標準的な白熱PAR38スタイル・ランプと比較して、使用可能な赤外線の出力のかなりの増加を生じることが分かっている。したがって、この出願の発明は、より少ない電力で、標準的なPARスタイル・ランプの赤外線の出力を大いに上回ることが可能である。
【0051】
また、この出願の発明は、1以上のフィルタ170を含んでも良い。これは、赤外線源110と組合せられて、より広域の赤外線出力と、より制御可能な出力との両方を提供する。更に、1以上のフィルタ170は、高度に制御された望ましいIR範囲をつくるために、源110によって生成された広域の強い赤外線を微調整するのに用いられうる。また、IRカメラが赤外線の特定の範囲でずっと感度が高い可能性があるという点で、これは重要で、この範囲の外の赤外線は、単なる無駄である。たとえば、飛行機で使用される赤外線カメラは、2ミクロンより4ミクロンに非常に感度が高く、この出願の発明は、このより大きい感度を利用するために、ワイドレンジの出力スペクトルを提供することができる。この点で、この出願の赤外線源110は、およそ1~10ミクロンの範囲にわたる赤外線の出力スペクトルを生じる。使用のタイプに基づいて、ランプの発されたスペクトルを制限する様々なタイプのフィルタも利用されても良い。これは、特定のレベル未満の放射線をブロックする上述のハイパスフィルタを含んでも良い。実施例の1セットでは、ハイパスフィルタは、およそ1.5ミクロン未満のIRをフィルタにかける。実施例の他のセットでは、IRは、およそ2ミクロン未満でフィルタにかけられる。発明は、特定のレベルを上回る放射線をブロックする「ローパス」フィルタも含んでも良く、および/または、それらの組合せを含んでも良い。
【0052】
実施例の1セットでは、赤外線源110は広域のIRを生成し、出力ウィンドウ126は、ローパスフィルタのようにふるまう石英ウィンドウを含む。出力ウィンドウ126は、可視から、4ミクロンまでの放射線を送り、光の伝送は、最大フィルタポイント(最大フィルタポイントを上回る赤外線はフィルタにかけられる)と定義されるポイントについて、およそ0に落ちる。実施例の1セットでは、上述のように、最大フィルタポイントは、およそ4ミクロンである。とはいえ、理解されるように、最大フィルタポイントは、正確な数、および/または、正確な整数でなくても良い。それゆえ、およそ4ミクロンの最大フィルタポイントを有することは、3.5ミクロン~4.5ミクロンの範囲の最大フィルタポイントであっても良い。実施例の他のセットでは、最大フィルタポイントは、3.7ミクロン~4.3ミクロンの範囲である。実施例の他のセットでは、最大フィルタポイントは、3.9ミクロン~4.1ミクロンの範囲である。実施例のまた他のセットでは、最大フィルタポイントは、4ミクロン~5ミクロンの範囲であっても良い。1以上のハイパスフィルタにとって、ハイパスフィルタは最小フィルタポイントにより定義されても良い。最小フィルタポイント未満の赤外線はフィルタにかけられる、あるいは除去される。実施例の1つのセットでは、最小フィルタポイントは、およそ3ミクロンである。とはいえ、理解されるように、最小フィルタポイントも、正確な数、および/または、正確な整数でなくても良い。それゆえ、およそ3ミクロンの最大フィルタポイントを有することは、2.5ミクロン~3.5ミクロンの範囲の最小フィルタポイントであっても良い。実施例の他のセットでは、最小フィルタポイントは、2.7ミクロン~3.3ミクロンの範囲である。実施例の他のセットでは、最小フィルタポイントは、2.9ミクロン~3.1ミクロンの範囲である。実施例のまた他のセットでは、最小フィルタポイントは、2ミクロン~4ミクロンの範囲である。ハイパスフィルタとローパスフィルタの両方を含むことによって、ライト100は、前者がおよそ3ミクロンの最小フィルタポイントであり、後者がおよそ4ミクロンの最大フィルタポイントである場合、およそ3~4ミクロンの範囲のIR放射線を生成することができ、1ミクロンのバンドパス結果になる。バンドパスタイプ・システムに関して、原則として、類似した結果は、およそ8ミクロンの最大フィルタポイントのローパスフィルタを、続くおよそ7ミクロンの最小フィルタポイントのハイパスフィルタと組合せることによって得られうる。そしてそれは、再びおよそ1ミクロンのバンドパス結果であるが、異なる1ミクロンのバンドパス結果になる。これは、カバートタイプ・アプリケーションなどの異なるアプリケーションに使用されうる。
【0053】
また更に、フィルタ170は様々な波長を送る1つのフィルタを含んでも良い。これは、波長の望ましい範囲だけを通過させるIRバンドパスフィルタを含んでも良い。基本的に、これは、ローパスフィルタとハイパスフィルタの両方としてふるまうことができ、当該フィルタは、望ましい範囲外の周波数を除く(減らす)。
【0054】
図5および
図6に関して、更に実施例の他の1セットが示されている。より詳細には、ライト200が示され、ライト200もPARのような構成を有していても良い。そして、ライト200はIR源210と可視光源212の両方を含む。また、この出願のIR源110、210は、実質的に可視光を生成しないで、ハイパワーで広域スペクトル赤外線を生成する。この点で、赤外線源110、210は、従来のPARスタイルの電球によって生成される可視光の7%未満の可視光を生成する。更に、上記の実質的に生成しない可視光は、従来のPARスタイルの電球によって生成される可視光の5%未満でありえる。これらのIR源(110、210)は赤く輝き、可視光のピーク出力は、PAR38白熱電球のピーク出力の、およそ2%未満でありえる。IR源210は、上述のIR源110と同じように構成されても良く、IR源110に関しての上記説明は、源210にも適用されても良く、説明は簡潔さのために繰り返されない。
【0055】
適宜、発明は可視光源を更に含んでも良い。
図5および
図6に示される実施例では、光源212は8個の独立した照明器具またはライト・アセンブリ214を含むが、8個より多く、または、8個未満のライト・アセンブリが、この出願の発明を損なうことなく使用されうる。ライト・アセンブリ214は、電気接続ワイヤー215を含む。この出願の他の実施形態と同様に、ライト200は、既存のPAR電球および/または他のタイプのどんな電球にでも取って代われるように設計されていても良い。更に、ライト200は、ライト200自身の照明器具(図示せず)に組み込まれうる。しかし、ライト200は可視光も生成するので、ライト200は滑走路照明システム10のすべてのライトに取って代わって使用されうる。
【0056】
ライト200は、ベース222と、囲い224と、1以上の出力ウィンドウ226とを有するライト本体220を含む。ベース222は、ねじ山230と、電気ねじ山コンタクト232と、電気フットコンタクト234とを有する従来のPARスタイルのベースであっても良い。また、ライト200は、広範囲にわたって従来の構成を有していても良く、全体的な電球構造に関する詳細は、既知の技術という点で、簡潔さのために提供されていない。示された実施例では、ライト200は、IR源210と可視光源212との両方をサポート可能な内部ライト・アセンブリ136を含む。ライト200は、消費電力の増加なしで赤外線と広帯域赤外線のかなりの量を生成する高効率IR源であるIR源210を含む。ライト200は、更に、1以上の赤外線リフレクタ240を含み、赤外線リフレクタ240は、PARタイプ・ランプ(たとえばPAR38とPAR56)で使用される構成と同じ一般的な構成を有するものを含むワイドレンジのリフレクタ、および/または、望ましいビーム集中を生成するようなワイドレンジのリフレクタであっても良い。とはいえ、赤外線リフレクタ240は、赤外線のばらまきのための関係で、従来のPAR電球では不可能な特定の使用のために構成されていても良い。実施例の1セットでは、IR源210は、上述したエレメント・アセンブリ150と同じ、または類似したエレメント・アセンブリ250を使用しても良く、エレメント・アセンブリ250は、更なる電力消費なく増加した強度で広帯域赤外線を生成するために、白熱のタングステンの代わりに窒化ケイ素エレメント252であっても良い。上述の実施例と同様に、IR源210のエレメント・アセンブリ250は、セラミック・ベース254等に取り付けられうる平らなIRエレメント252を有していても良く、セラミック・ベース254はワイヤー155経由で電気的に接続されている。
【0057】
示された実施例では、ライト200は、IR源210から独立している複数の可視光アセンブリ214を有している。とはいえ、多くの可視光源が、この出願の発明において利用されうる。より詳細には、ライト200は、ライト200が赤外線と可視光の両方を生成するように、IR源210と組合せて機能しうる、どんな種類の可視光源でも含むことができる。
【0058】
示された実施例では、可視光源214は、効率的に可視光を生成するという点でLED光源である。ライト200は、赤外線と可視光の両方がライト200によって発射されうるようなワイドレンジの構成を含んでも良い。示された実施例では、ライト200は、可視光源が赤外線源を取り巻く状態で、中心に配置された赤外線源を含む。特に、ライト200は、ライトリング242を含み、ライトリング242は、内部ライト・アセンブリ236の一部であっても良い。リング242は、リフレクタ240を取り囲み、可視光アセンブリ214は、リング242に対して固定され、リフレクタ240を一周取り囲む。アセンブリ214を形成している白色光LEDのグループは、PAR38白熱スポットライトの可視光出力および/またはPAR56白熱スポットライトの可視光出力の強度とビームパターンに匹敵する、および/または、強度を改善するように構成されうる。しかし、IR源210が、そのような白熱スポットライトの赤外線強度と波長範囲を大幅に超えるとわかった。
【0059】
PAR38型の場合、ライト200は、IRビーム形成のために、直径3インチの放物線状リフレクタ240を含んでも良い。このリフレクタは、リング242によって取り囲まれており、リングは環状のライトリングである。1つの実施例では、リング242は、少なくとも0.7インチの幅244を有する。他の実施例では、幅244は、少なくとも0.875インチである。実施例の他のセットでは、幅244は、2.5インチ未満である。また他の実施例では、幅244は2.0インチ未満である。リング242は、望ましくは、リングまわりに、そして、ライトの軸245まわりに、円周方向に間隔をあけて複数の可視光アセンブリ214を含む。実施例の1セットでは、ライト・アセンブリは、リング242まわりに均等に間隔をあけている。実施例の他のセットでは、少なくとも3個の可視光アセンブリ214が存在する。実施例のまた他のセットでは、少なくとも6個のライト・アセンブリ214が存在する。実施例のさらにまた他のセットでは、8個~10個の可視光アセンブリ214が存在する。光源および/またはライト・アセンブリは、どんな可視光生成システムでもありえる。上述したように、LEDライト源が、効率の点からみて、可視光を生成するのに、良く機能することが分かっている。ライト・アセンブリ214は、ナロービームレンズのついた8~10ワットの白色光LED、例えばCREEEXPL-830-1暖色性白色LEDであっても良い。可視光アセンブリは、可視光アセンブリの電子ドライバとフィン付きヒートシンクと共に、環状ライトリング242に取り付けられても良い。リング242は、アルミニウムを含むが、これに限らない、広範囲にわたる材料から製造されうる。1つの実施例では、リング242は環状で、3インチの内径と7インチの外径を有し、厚さ0.375インチである。更に、リング242は、リフレクタからリングまでの伝熱を最小にするために機械加工されうる。アセンブリ214のLEDドライバは、リングの前側に取り付けられたLEDに電力を供給するために、リング242の裏側に取り付けられても良く、LEDドライバは各々およそ8ワットで動いても良い。ドライバへの電気入力は、120ボルトACまで変動する。ドライバに加えて、フィン付きヒートシンク246が、リング242の裏側に取り付けられうる。そのうえ、囲い224は1以上のヒートシンク248を含んでも良い。
【0060】
実施例の1セットによると、出力ウィンドウ126は、石英ガラス・ウインドウで形成されうる。また更に、出力ウィンドウ126は、セクションがIR源210とインラインであるか可視光源212とインラインであるかどうかを含むパフォーマンスの目標に従って、1以上のセクションを有しても良い。これらのセクションは、別々の構成要素であっても良く、および/または、同じ構成要素の異なる部分であっても良い。この点で、出力ウィンドウ126は、出力ウィンドウ・アセンブリ260の一部であっても良く、出力ウィンドウ・アセンブリは、既知の技術の如何なる手段で囲い224に固定されても良い。ウィンドウ126は、IR源210だけを覆うウィンドウ・セクション126aを含んでも良い。ウィンドウ・セクション126aは、直径およそ3.5インチかつ厚さおよそ1/8インチの石英ガラスであっても良い。ウィンドウ・セクション126aは、IR源210の直径3インチの放物線状リフレクタ240の出力端を覆うように構成されうる。このウィンドウ・セクションは、IR源からのビームのうち1.0~3.8ミクロンの範囲のIRを、ごくわずかな減衰で伝える。ウィンドウは、ウィンドウの外側の端1/8インチを取り囲み、リング242の前面に取り付けられるナロー・リング(図示せず)を含むが、これに限らない、既知の技術の如何なる手段によって、決まった場所に保持されうる。
【0061】
各々のライト214の個々のカバーを含む別々のカバーやセクションが、可視光アセンブリ214のために使用されうる。また、出力ウィンドウ126のための石英ウィンドウを用いることで、4ミクロンまでIR放射線をほとんど又はまったく吸収せず、そして、ライトのかなりの放射線が2~4ミクロン範囲にある。白熱PARライトの従来のガラスの囲いは、およそ2ミクロンより長い波長の赤外線を完全に吸収する。このことは、使用されるIRカメラは、2ミクロンより4ミクロンで非常に感度が高く、この出願の発明は、このより大きい感度を利用するために、より検出可能な範囲の赤外線を生成し、これは今まで不可能であったという点で、重要である。しかし、これは、可視光には必要とされず、環状ウィンドウ・セクション126bがLEDを覆うのに使用され、環状ウィンドウ・セクション126bは基本的なガラスであっても良い。更に、ライトは、このライトのベースを形成する、円錐形で、フィンを取り付けられた伝熱の、電気的に電極されたカバー(図示せず)を含んでも良い。
【0062】
ライト100と同様に、ライト200は1以上のフィルタ270および/またはフィルタ270aを含んでも良い。更に、ライト200は、IR源210および/または可視光源212のための1以上のフィルタを含んでも良く、フィルタ270はIR源210に使用されうるし、そして、フィルタ270aは可視光源212に使用されうる。フィルタ270は、IR源だけを覆うように構成されても良く、それは望ましい実施例である。とはいえ、フィルタ270はライトの開口全体を覆うように構成されても良い。同様に、フィルタ270aは可視光源212だけを覆っても良く、および/または、ウィンドウ全体を覆っても良い。望ましい実施例では、フィルタ270aは可視光源だけを覆う。また更に、フィルタ270および/またはフィルタ270aは、石英ウィンドウを含んでも良く、および/または、石英ウィンドウの一部であっても良く、出力ウィンドウの一部であっても良い。フィルタ270に関して、これらのフィルタは、特定のレベル未満の放射線をブロックする「ハイパス」フィルタ272、および/または、特定のレベルを上回る放射線をブロックする「ローパス」フィルタ274を含んでも良く、より詳細には上述されている。
【0063】
更に、フィルタ270は、2以上のフィルタを含むことができる組合せフィルタを含んでも良く、示されるように、フィルタ270は、特定の範囲の波長のIR源を生成することができる「ハイパス」フィルタ272と「ローパス」フィルタ274の両方を含んでも良く、より詳細には上述されている。1以上のフィルタは、ウィンドウ126の一部であっても良い。また、1以上のフィルタは、望ましい範囲の波長だけを通過させる1以上のIRバンドパスフィルタを含んでも良いく、より詳細には上述されている。
【0064】
フィルタ270aは光の通過をコントロールするフィルタ(フィルタ272aと274aとして図面示される)を含んでも良いが、これらのフィルタは可視光をコントロールするように構成されても良い。例えば、フィルタ270aは、カラーパス・フィルタ272aを含んでも良く、フィルタは、可視光の色、および/または、可視光の強度、および/または、既知の技術の他のタイプの如何なる光フィルタ、を変更するのに使用されても良い。理解されうるように、フィルタ272aおよび/または、フィルタ274aは、ウィンドウ126の近くに示されているが、フィルタは、
図6に示されているように内部ライト・アセンブリ236の一部であっても良く、フィルタは、発明を損なうことなく、個々のライト・アセンブリ214の一部であっても、LEDライト自体の一部であっても良い。
【0065】
この出願のライトが、標準的な白熱PAR38スタイル・ランプと比較して光学出力のかなりの増加を生じることが分かっている。したがって、この出願の発明は、非常により少ない電力消費で、標準的なPARスタイル・ランプの出力を大いに上回ることができる。更に、ライト200は電力消費の増加なしで、赤外線の出力を増すのに加えて、さらに可視光も生成することもできる。
【0066】
また更なる実施例によると、IR源110、210は、選択的に操作可能な赤外線源であっても良い。理解されうるように、そして、より詳細には上述されているように、赤外線は、気象条件が好ましくない、または、可視性が悪いときに、主に必要である。これらの条件が発生した場合、パイロットは、安全な着陸のために、熱源から発せられた赤外線を検出するために、コックピットに備えられた赤外線(IR)カメラまたはエンハンスト・フライト・ビジョン・システム(EFVS)を使用する。より詳細には、IR源110、210は、可視光源から切り離して操作可能であっても良い。IR源110から生成される赤外線に関して、ライト全体100は、滑走路で使用される他の可視光源から切り離して操作可能であっても良い。より詳細には上述されているように、ライト100は、別々の器具でありえる可視光源と組合せて使用されうる。赤外線の使用を必要とする条件の時だけ、電力がIR源110に供給されても良い。したがって、ライト100は、選択的な使用のために、1以上のシステムおよび/または電子機器を含んでも良く、これらのうちいくつかがライト200に関して以下に述べられる。
【0067】
この点で、ライト200は、IR源210と可視光源212の両方を含み、IR源210と可視光源212が互いに独立に操作されうるように、選択的なコントロールが構成されていても良い。より詳細には、ライト200は、IR源210と可視光源212の間の独立した操作を可能にするために、ワイドレンジの内部電子機器を含んでも良く、また、ライト200は、独立した、または部分的に独立した、内部システムのコントロールおよびコントロールを可能にするためのシステムを含んでも良い。
【0068】
図7に関して、そのようなシステムは、ライト200のためのシステム300として模式的に示される。システム300はライト200のためのものであり、しかし、これらのシステムの一部がライト100のために使用されても良い。より詳細には、ライト200は、1以上のIR源210と可視光源212との両方を含み、可視光源は1以上のライト・アセンブリ214を含む。示された実施例では、源210は、広帯域の赤外線を生成するための窒化ケイ素エレメント252と、ライト内部の決まった場所にエレメントを保持するためのセラミック・ベース254とを含む。IR源210は、1以上のワイヤー155または等価物経由で電気的に接続されている。ライト・アセンブリ214は、接続ワイヤー215または等価物経由で電気システム300に操作可能に接続されている。
【0069】
システム300は第1の電気回路310と第2の電気回路312を含み、第1の電気回路310と第2の電気回路312は、基本的な有線システムおよび/またはワイヤーハーネスおよび/またはソリッド・ステート・システムを含むがこれに限らず、既知の技術の如何なる電気回路であっても良い。第1の回路310は、電気的にIR源210をシステム300に接続しており、ワイヤー155を含んでも良い。第2の回路312は、電気的にライト・アセンブリ214をシステム300に接続しており、ワイヤー215を含んでも良い。システム300は更に、回路310と回路312を電源232に操作可能に接続する1以上のスイッチ320を含み、スイッチ320は、環境条件または他の理由に基づいて、IR源210と可視光アセンブリ214の間で電力を選択的に送っても良い。回路310および/または回路312は、電圧の違いを含む届けられた電力におけるどんな変化でもコントロールしうるトランスおよび/または電子システム330と電子システム332を含んでも良い。とはいえ、理解されうるように、これらの変化は、この出願の発明を損なうことなく、ライト・アセンブリの中で直接処理しても良い。
【0070】
システム300は、更に、1以上のセンサー342を含みうる内部操作システム340を含みうる。これらのセンサーは、環境条件を検出するために、ワイドレンジのセンサーを含んでも良い。これらのセンサーは、内部センサーと外部センサーを両方含んでも良く、内部センサーと外部センサーは、滑走路で周囲のライトを検出するためのライトセンサー344、および/または、天候の変化を感知するための圧力センサー346、および/または、滑走路で周囲の温度を検出するための温度センサー348、および/または、ウィンドウが氷または雪などの何かの障害物を有するか否かを検出するためのウィンドウ226用光学センサー350を含むがこれに限らない。
【0071】
システム300、および/または、内部操作システム340は、更に、システム300、および/または、ライト200をコントロール可能な1以上のコンピューター360を含んでも良い。システム300、および/または、ライト200をコントロールすることは、効率および/または、IR源210と可視光源212の使用を最大にするために電力消費を管理することを含むが、これに限らない。内部と外部のコンピュータ・システムを両方含むどんな種類のコンピューターでも、この出願の発明を損なうことなく、使用されうる。出力信号362は、IR源210と可視光源212との間の電力潮流をコントロールするためにスイッチ320に送信されても良い。とはいえ、少なくとも1つの実施例では、スイッチ320は操作システム340の一部であっても良い。操作システム300および/または内部操作システム340は、更に、ライト200がオフの時でさえ、システム300の操作を持続することができる、および/または、操作システム340が異なる電圧などでも動くことが可能なようにシステム340への電力の流入を管理することができる、内部電力供給370を含んでも良い。
【0072】
操作システム340は、更に、システム300、340を、外部コンピューター360(図示せず)を含む外部操作システムおよびコントロールと通信可能にするために、1以上のアンテナおよび/またはトランシーバー382を含みうる通信システム380を含んでも良い。理解されうるように、通信システム380は、外部通信が、ライトの動作をコントロールできるように使用されうる。実施例の他のセットの実施例によると、システム300は、外部通信がスイッチング信号394で直接スイッチ320と通信可能にするための、1以上のアンテナおよび/またはトランシーバー392を含みうる、外部コンピューター・ネットワーク(図示せず、また、これに限らず)を含む独立型通信システム390を含んでも良い。
【0073】
システム300はベース232に電気的に取り付けられても良く、ベース232はシステムの電源であっても良く、ベース232は、システム300への入力電力潮流400を生成するための、ベース222の電気ねじ山コンタクト232と電気フットコンタクト234を含む。また、どのような電源および/または接続でも、ライト100、200に電力を供給するのに使用されうる。
【0074】
その結果、IR源は、気象条件次第で、可視光源に独立して、および/または、可視光源とともに作用することができる。更に、IR源の選択的なコントロールも、可視光源だけが必要とされる場合であるが、雪と氷がライトの可視性の効率を妨げている場合、ライトのレンズから、氷と雪を溶かすためなどの他の目的のために使用されうる。
【0075】
ここに図示され記述された発明の望ましい実施例に、かなりの重点が置かれる一方、他の実施例およびその同等がなされうること、そして、多くの変更が、発明の原則を逸脱しない範囲で望ましい実施例でなされうることは理解されるだろう。更に、上述の実施例は、この出願の発明のさらに他の実施例を作るために結合されうる。したがって、前述の説明的事項は、限定としてではなく、単に発明の実例として解釈されるべきであると明確に理解される。
【0076】
(付記1)
滑走路照明システムの滑走路進入灯として使用するための空港滑走路ライトであって、
滑走路ライトは、関連した滑走路照明システムの関連したライト・ソケットで前記滑走路ライトを支持するように構成されたベースを有するライト本体を含み、
前記ベースは、前記関連した滑走路照明システムに前記滑走路ライトを電気的に接続するための電気的接続を含み、
前記ライトは、更に、1以上の出力ウィンドウを含み、
前記滑走路ライトは、
高効率の赤外線源と、
前記1以上の出力ウィンドウを通して外に前記赤外線源を向けるための1以上の赤外線リフレクタと、
を有し、
前記赤外線源は窒化ケイ素エレメントを有し、
前記赤外線源は、非常に少ない電力消費で、多量の赤外線を生成し、検出可能な可視光を実質的には生成しない、
空港滑走路ライト。
【0077】
(付記2)
更に、前記赤外線光源とは別に可視光源を含む付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0078】
(付記3)
前記可視光源は、前記赤外線光源から間隔をおいて配置された複数のライト・アセンブリを含む、付記2に記載の空港滑走路ライト。
【0079】
(付記4)
前記滑走路ライトは中心軸を有し、前記赤外線光源は、前記中心軸の中心に置かれ、
前記空港滑走路ライトは、更に、前記赤外線光源から分離している複数の可視光アセンブリを含み、
前記複数の可視光アセンブリは、前記赤外線光源を取り囲み、前記中心軸と同軸である、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0080】
(付記5)
前記複数の可視光アセンブリは、複数のLEDライト・アセンブリを含む付記4に記載の空港滑走路ライト。
【0081】
(付記6)
前記1以上の出力ウィンドウは、前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含む付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0082】
(付記7)
前記滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、3.5ミクロン~4.5ミクロンの範囲に最大フィルタポイントを有する、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0083】
(付記8)
前記少なくとも1個のフィルタは、2.5ミクロン~3.5ミクロンの範囲に最小フィルタポイントを有する、
付記7に記載の空港滑走路ライト。
【0084】
(付記9)
前記滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、2.5ミクロン~3.5ミクロンの範囲に最小フィルタポイントを有する、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0085】
(付記10)
前記滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、ハイパスフィルタとローパスフィルタのうち少なくとも1個を含む、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0086】
(付記11)
前記ハイパスフィルタは、およそ1.5ミクロン未満の放射線をブロックし、
前記ローパスフィルタは、4ミクロンを上回る放射線をブロックする、
付記10に記載の空港滑走路ライト。
【0087】
(付記12)
前記赤外線源は、セラミック・ブッシングによって支持された赤外線エレメントを含み、
前記赤外線エレメントは、窒化ケイ素エレメントであって、
前記赤外線源は、およそ華氏1,800度の最低温度と、およそ華氏3,000度の最高温度を有する、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0088】
(付記13)
前記赤外線源は、安定した状態の電流状態で、45~55オームの範囲の抵抗を有し、
前記安定した状態の電流状態は、120ボルトで0.7アンペア~2.2アンペアの範囲である、
付記12に記載の空港滑走路ライト。
【0089】
(付記14)
前記滑走路ライトは中心軸を有し、
前記1以上の赤外線リフレクタは、前記中心軸と同軸の1つの中心に配置された赤外線リフレクタであって、
前記赤外線光源も前記中心軸と同軸であって、
前記滑走路ライトは、更に、前記中心軸と同軸であって、前記中心に配置された赤外線リフレクタのまわりに広がる環状ライトリングを含み、
前記滑走路ライトは、前記赤外線光源から一定間隔おいて配置され、前記環状ライトリングに対して固定された複数の可視光アセンブリを有する、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0090】
(付記15)
前記1以上の赤外線リフレクタは、焦点を有する放物線状のリフレクタであって、
前記赤外線源の前記窒化ケイ素エレメントは、ホットスポットを有し、
前記ホットスポットは、前記焦点と一直線上にある、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0091】
(付記16)
前記窒化ケイ素エレメントは、0.03インチ~0.08インチの範囲のエレメント厚さと0.10インチ~0.25インチの範囲のエレメント幅の長方形の断面形状を有する平らな形状である付記15に記載の空港滑走路ライト。
【0092】
(付記17)
前記ホットスポットはホットスポット長を有し、
前記ホットスポット長は、およそ0.70インチ~0.30インチの範囲である、
付記16に記載の空港滑走路ライト。
【0093】
(付記18)
前記放物線状のリフレクタの前記焦点は、前記放物線状のリフレクタの後端から0.15インチ~0.5インチに存在する付記16に記載の空港滑走路ライト。
【0094】
(付記19)
前記ホットスポットはホットスポット長を有し、
前記ホットスポット長は、およそ0.70インチ~0.30インチの範囲である、
付記18に記載の空港滑走路ライト。
【0095】
(付記20)
更に、前記赤外線光源から一定間隔おいて配置された可視光源を含み、
前記赤外線源は、前記可視光源と独立して選択的に操作可能である、
付記1に記載の空港滑走路ライト。
【0096】
(付記21)
更に、電気システムを含み、
前記赤外線源は、第1の回路によって電源に電気的に接続されており、
前記可視光源は、第2の回路によって前記電源に電気的に接続されており、
前記電気システムは、更に、前記第1および第2の回路にそれぞれ独立して選択的に電力を供給するように、前記第1および第2の回路と前記電源の間に、スイッチを含む、
付記20に記載の空港滑走路ライト。
【0097】
(付記22)
更に、操作システムを含み、
前記操作システムは、少なくとも1つの入力に基づいて、前記スイッチを操作可能にコントロールする、
付記21に記載の空港滑走路ライト。
【0098】
(付記23)
前記少なくとも1つの入力は、ライトセンサーと、圧力センサーと、温度センサーと、光学センサーと、外部信号とのうちの少なくとも1つからの入力を含む付記22に記載の空港滑走路ライト。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑走路照明システムの滑走路進入灯
および滑走路ライトとして使用するための空港滑走路ライトであって、
前記空港滑走路ライトは、関連した滑走路照明システムの関連したライト・ソケットで前記
空港滑走路ライトを支持するように構成されたベースを有するライト本体を含み、
前記ベースは、前記関連した滑走路照明システムに前記
空港滑走路ライトを電気的に接続するための電気的接続を含み
、
前記
空港滑走路ライトは、
1以上の出力ウィンドウと、
窒化ケイ素エレメントを有する赤外線源と、
前記1以上の出力ウィンドウを通して外に前記赤外線源
が生成した赤外線を向けるための1以上の赤外線リフレクタと、
を有し、
前記窒化ケイ素エレメントは、突出して、エレメントの長さを有し、
前記窒化ケイ素エレメントの断面形状は、エレメントの厚さと、エレメントの幅を有し、
前記エレメントの長さは、前記エレメントの厚さと前記エレメントの幅より長く、
前記窒化ケイ素エレメントは、赤外線のエネルギーが主に生成されるホットスポットを有し、
前記ホットスポットはホットスポット長を有し、
前記赤外線源は、
白熱PARスタイル・ランプより非常に少ない
エネルギー消費で、
窒化ケイ素エレメントの前記ホットスポットから発せられる多量の赤外線を生成し、検出可能な可視光を実質的には生成しない、
空港滑走路ライト。
【請求項2】
更に、前記赤外
線源とは別に可視光源を含む請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項3】
前記可視光源は、前記赤外
線源から間隔をおいて配置された複数のライト・アセンブリを含
む請求項2に記載の空港滑走路ライト。
【請求項4】
前記
空港滑走路ライトは中心軸を有し、前記赤外
線源は、前記中心軸の中心に置かれ、
前記空港滑走路ライトは、更に、前記赤外
線源から分離している複数の可視光アセンブリを含み、
前記複数の可視光アセンブリは、前記赤外
線源を取り囲み、前記中心軸と同軸である、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項5】
前記複数の可視光アセンブリは、複数のLEDライト・アセンブリを含む請求項4に記載の空港滑走路ライト。
【請求項6】
前記1以上の出力ウィンドウは、
少なくとも1個は石英製であり、前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含む請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項7】
前記
空港滑走路ライトは、
前記赤外線源のための少なくとも1個のフィルタを含み、
前記少なくとも1個のフィルタは、ハイパスフィルタとローパスフィルタのうち少なくとも1個を含む、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項8】
前記
窒化ケイ素エレメントは、セラミック・ブッシングによって支持され
ており、
前記
窒化ケイ素エレメントは、およそ華氏1,800度の最低温度と、およそ華氏3,000度の最高温度を有する、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項9】
前記
窒化ケイ素エレメントは、安定した状態の電流状態で、45~55オームの範囲の抵抗を有し、
前記安定した状態の電流状態は、120ボルトで0.7アンペア~2.2アンペアの範囲である、
請求項
8に記載の空港滑走路ライト。
【請求項10】
前記
空港滑走路ライトは中心軸を有し、
前記1以上の赤外線リフレクタは、前記中心軸と同軸の1つの中心に配置された赤外線リフレクタであって、
前記
窒化ケイ素エレメントも前記中心軸と同軸であって、
前記
空港滑走路ライトは、更に、前記中心軸と同軸であって、前記中心に配置された赤外線リフレクタのまわりに広がる環状ライトリングを含み、
前記
空港滑走路ライトは、前記赤外
線源から一定間隔おいて配置され、前記環状ライトリングに対して固定された複数の可視光アセンブリを有する、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項11】
前記1以上の赤外線リフレクタは、焦点を有する放物線状のリフレクタであって
、
前記
窒化ケイ素エレメントの前記ホットスポットは、前記焦点と一直線上にある、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項12】
前記窒化ケイ素エレメントは、0.03インチ~0.08インチの範囲
である前記エレメント
の厚さと0.10インチ~0.25インチの範囲
である前記エレメント
の幅の長方形の断面形状を有する平らな形状である請求項1
1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項13】
前記窒化ケイ素エレメントは、丸い断面形状を有する請求項11に記載の空港滑走路ライト。
【請求項14】
前記放物線状のリフレクタの前記焦点は、前記放物線状のリフレクタの後端から0.15インチ~0.5インチに存在する請求項1
2に記載の空港滑走路ライト。
【請求項15】
前記ホットスポット長は、およそ0.70インチ~0.30インチの範囲であ
る請求項1
4に記載の空港滑走路ライト。
【請求項16】
更に、前記赤外
線源から一定間隔おいて配置された可視光源を含み、
前記赤外線源は、前記可視光源と独立して選択的に操作可能である、
請求項1に記載の空港滑走路ライト。
【請求項17】
更に、電気システムを含み、
前記赤外線源は、第1の回路によって電源に電気的に接続されており、
前記可視光源は、第2の回路によって前記電源に電気的に接続されており、
前記電気システムは、更に、前記第1および第2の回路にそれぞれ独立して選択的に電力を供給するように、前記第1および第2の回路と前記電源の間に、スイッチを含む、
請求項
16に記載の空港滑走路ライト。
【請求項18】
更に、操作システムを含み、
前記操作システムは、少なくとも1つの入力に基づいて、前記スイッチを操作可能にコントロールする、
請求項
17に記載の空港滑走路ライト。
【請求項19】
前記少なくとも1つの入力は、ライトセンサーと、圧力センサーと、温度センサーと、光学センサーと、外部信号とのうちの少なくとも1つからの入力を含む請求項
18に記載の空港滑走路ライト。
【国際調査報告】