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特表2022-540593修正された小柱状金属縫合糸アンカーインプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(54)【発明の名称】修正された小柱状金属縫合糸アンカーインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/68 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
A61B17/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500963
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-03-01
(86)【国際出願番号】 US2020041371
(87)【国際公開番号】W WO2021007414
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/872,116
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/979,676
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・アール・ウォルシュ
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・クルメナッハ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL30
4C160LL54
(57)【要約】
縫合材料を骨に取り付けるためのアンカー装置は、第1の端部および第2の端部を有する本体部分を含む。本体部分は、第1の端部と第2の端部との間に中央ボアを少なくとも部分的に画定する小柱状メッシュコアを含む。小柱状メッシュコアは、小柱状メッシュコアを通る骨の成長を受け入れる/可能にする/容易にするように構成された複数の開口を含む。本体部分はまた、小柱状メッシュコアの外側に沿って螺旋状に延在する少なくとも1つのねじ山を含む。アンカー装置は、中央ボア内に少なくとも部分的に配置され、本体部分に回転可能に結合された支柱をさらに含み、支柱は、本体部分の第2の端部から延在し、縫合材料を用いて軟組織を骨に取り付けるように構成されたフォークを備える。本体部分および支柱は生体適合性材料から付加製造される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合材料を骨に取り付けるためのアンカー装置であって、
第1の端部および第2の端部を有する本体部分であって、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に中央ボアを少なくとも部分的に画定する小柱状メッシュコア、ならびに
前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記小柱状メッシュコアの外側に沿って螺旋状に延在する少なくとも1つのねじ山
を備える本体部分と、
前記中央ボア内に少なくとも部分的に配置されかつ前記本体部分に回転可能に結合された支柱であって、前記本体部分の前記第2の端部から延在しかつ前記縫合材料を用いて軟組織を前記骨に取り付けるように構成されたフォークを備える、支柱と、
を備えるアンカー装置。
【請求項2】
前記小柱状メッシュコアが、前記中央ボアと前記外側との間に複数の開口を備え、前記複数の開口が、前記小柱状メッシュコアを通る骨の成長を容易にするように構成された、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項3】
前記本体部分および前記支柱が生体適合性材料から付加製造された、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項4】
前記生体適合性材料がチタンを含む、請求項3に記載のアンカー装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ねじ山が中実体を含む、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項6】
前記小柱状メッシュコアと少なくとも1つの前記ねじ山が同時に形成された、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項7】
前記本体部分が、前記第1の端部から延在しかつ少なくとも部分的に前記中央ボアを画定する中実体の内壁を備え、前記内壁が、前記第2の端部の方へ部分的な距離だけ延在する、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項8】
前記小柱状メッシュコアが前記内壁の周囲を囲むように、前記内壁が、前記第1の端部から前記小柱状メッシュコアに沿って延在する、請求項7に記載のアンカー装置。
【請求項9】
前記本体部分が、前記第1の端部において中実体のリングを備え、前記小柱状メッシュコアが、前記リングから前記第2の端部まで延在する、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項10】
前記支柱が、前記中央ボア内に配置された頭部と、前記頭部から延在するシャンクとを備え、前記フォークが前記シャンクから延在する、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項11】
前記中央ボア内に前記頭部を保持するように、前記本体部分の前記第2の端部の内径が前記頭部の外径より小さい、請求項10に記載のアンカー装置。
【請求項12】
前記シャンクが、前記中央ボア内での前記頭部の軸方向移動を容易にするように所定の長さを有する、請求項11に記載のアンカー装置。
【請求項13】
前記小柱状メッシュコアが、三重周期最小表面(TPMS)、オルトフォーム格子、およびボロノイ格子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアンカー装置。
【請求項14】
縫合材料を骨に取り付けるためのアンカー装置であって、
第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部と前記第2の端部との間に中央ボアを少なくとも部分的に画定する小柱状メッシュコアを備える本体部分であって、前記小柱状メッシュコアが、前記小柱状メッシュコアを通る骨の成長を容易にするように構成された複数の開口を備える、本体部分と、
前記中央ボア内に少なくとも部分的に配置されかつ前記本体部分に回転可能に結合された支柱であって、前記本体部分の前記第2の端部から延在しかつ前記縫合材料を用いて軟組織を前記骨に取り付けるように構成されたフォークを備える、支柱と、
を備え、前記本体部分および前記支柱が生体適合性材料から付加製造されたアンカー装置。
【請求項15】
前記本体部分が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記小柱状メッシュコアの外側に沿って螺旋状に延在する少なくとも1つのねじ山を備えており、少なくとも1つの前記ねじ山が中実体を含む、請求項14に記載のアンカー装置。
【請求項16】
前記本体部分が、前記第1の端部から延在しかつ少なくとも部分的に前記中央ボアを画定する中実体の内壁を備え、前記内壁が、前記第2の端部の方へ部分的な距離だけ延在し、前記小柱状メッシュコアが前記内壁の周囲を囲むように、前記内壁が、前記第1の端部から前記小柱状メッシュコアに沿って延在する、請求項14に記載のアンカー装置。
【請求項17】
前記本体部分が、前記第1の端部において中実体のリングを備え、前記小柱状メッシュコアが、前記リングから前記第2の端部まで延在する、請求項14に記載のアンカー装置。
【請求項18】
前記支柱が、前記中央ボア内に配置された頭部と、前記頭部から延在するシャンクとを備えており、前記フォークが前記シャンクから延在する、請求項14に記載のアンカー装置。
【請求項19】
前記中央ボア内に前記頭部を保持するように前記本体部分の前記第2の端部の内径が前記頭部の外径より小さく、前記シャンクが、前記中央ボア内での前記頭部の軸方向移動を容易にするように所定の長さを有する、請求項18に記載のアンカー装置。
【請求項20】
前記小柱状メッシュコアが、三重周期最小表面(TPMS)、オルトフォーム格子、およびボロノイ格子のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のアンカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその内容全体が本明細書に援用される、2019年7月9日に出願された米国仮特許出願第62/872,116号および2020年2月21日に出願された米国仮特許出願第62/979,676号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の分野は一般に、縫合糸アンカーに関し、より詳細には、付加製造によって形成された小柱状縫合糸アンカーおよびその修正版に関する。
【背景技術】
【0003】
軟組織が骨から剥がれたとき、再建手術を実行するために、損傷した組織を骨に縫合することを含め、外科的修復技術がしばしば実施され必要となる。歴史的には、患部の安定性を持続させ、関節炎の発生および身体の一部分の全体的な使用/機能の喪失を回避させることを期待して、靭帯または腱の損傷した2つの端部が互いに縫合される。医学の進歩により、縫合糸を骨アンカーに取り付けることによって、あるいは縫合糸または縫合関連材料(すなわち、腱移植片など)を、患者の骨内に外科的に作成された穴に骨アンカーによって押し込むことによって、損傷を安定化させるこのプロセスが改良された。骨アンカーは、損傷を安定化させ、縫合糸/縫合関連材料が穴から後退して損傷を再び不安定化するのを防ぐように「蓋」として機能するように、縫合糸/縫合関連材料を穴に押し込むように挿入される。骨アンカーによって、外科医は縫合糸または縫合関連材料を用いて組織を骨に接続することができる。少なくともいくつかの既知の縫合糸アンカーは、骨に形成された穴にアンカーをねじ込むことによって、骨に取り付けられる。しかしながら、いくつかの現状のアンカーは、時間の経過とともに骨から後退する、または外傷下で骨から分離する場合があることが知られている。
【0004】
さらに、少なくともいくつかの既知のアンカーは、PEEKなどのプラスチックから形成されており、破損や脱落しやすい。このようなプラスチックのアンカーは、中実体であり、骨と一体化せず、それによって分離する場合がある。さらに、少なくともいくつかの既知のプラスチックのアンカーは、機械加工によって製造され、したがって、必要とされるほど小さく機械加工することができない。加えて、プラスチックは、患者によっては生体反応の危険性が高く、アンカーを外科的に除去する必要がある場合がある。少なくともいくつかの既知のアンカーは、複数の部品を含み、使用前に組立を必要とし、それによって、製造時間やコストが増加する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、縫合材料および/または組織同種移植片/自己移植片を骨に取り付けるためのアンカー装置が提供される。アンカー装置は、第1の端部および第2の端部を有する本体部分を含む。本体部分は、第1の端部と第2の端部との間に中央ボアを少なくとも部分的に画定する小柱状メッシュコアを含む。本体部分はまた、第1の端部と第2の端部との間で小柱状メッシュコアの外側に沿って螺旋状に延在する少なくとも1つのねじ山を含む。アンカー装置は、中央ボア内に少なくとも部分的に配置され、本体部分に回転可能に結合された支柱をさらに含み、支柱は、本体部分の第2の端部から延在し、縫合材料を用いて軟組織を骨に取り付けるように構成されたフォークを備える。
【0006】
別の実施形態では、縫合材料を骨に取り付けるためのアンカー装置が提供される。アンカー装置は、第1の端部および第2の端部を有する本体部分を含む。本体部分は、第1の端部と第2の端部との間に中央ボアを少なくとも部分的に画定する小柱状メッシュコアを含む。小柱状メッシュコアは、小柱状メッシュコアを通る骨の成長を容易にするように構成された複数の開口を含む。アンカー装置はまた、中央ボア内に少なくとも部分的に配置され、本体部分に回転可能に結合された支柱を含む。支柱は、本体部分の第2の端部から延在し、縫合材料を用いて軟組織を骨に取り付けるように構成されたフォークを含む。本体部分および支柱は生体適合性材料から付加製造される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】小柱状縫合糸アンカーの第1の実施形態の斜視図である。
図2図1に示す小柱状縫合糸アンカーの正面図である。
図3図1に示す小柱状縫合糸アンカーの断面図である。
図4】アンカーの本体とアンカーの支柱との間の相互作用を示す、図1に示す小柱状縫合糸アンカーの一部分の拡大図である。
図5】アンカーの本体の例示的なねじ山を示す、図1に示す小柱状縫合糸アンカーの一部分の拡大図である。
図6】小柱状縫合糸アンカーの第2の実施形態の斜視図である。
図7図6に示す小柱状縫合糸アンカーの正面図である。
図8図6に示す小柱状縫合糸アンカーの断面図である。
図9】アンカーの本体とアンカーの支柱との間の相互作用を示す、図6に示す小柱状縫合糸アンカーの一部分の拡大図である。
図10】アンカーの本体の例示的なねじ山を示す、図6に示す小柱状縫合糸アンカーの一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、小柱状縫合糸アンカー装置100の第1の実施形態の斜視図である。図2は、小柱状縫合糸アンカー装置100の正面図である。図3は、小柱状縫合糸アンカー装置100の断面図である。例示的な実施形態では、アンカー装置100は、本体部分102および支柱104を含む。本体部分102は、第1の端部106と反対側の第2の端部108とを含み、第1の端部106から第2の端部108まで延在する小柱状メッシュコア110からなる。メッシュコア110は、第1の端部106から第2の端部108まで本体部分102を貫通して延在する中央ボア112を画定する。さらに、本体部分102は、第1の端部106において、ドライバ工具を受け入れるように構成された開口113を含む。例示的な実施形態では、開口113は、トルクス(登録商標)(六葉)形状の開口である。開口113は、アンカー装置100を骨にねじ込む、かつ骨から取り出すための様々な道具に適合するために、十字または四角などの他の形状を想定することができることを理解すべきである。より詳細には、開口113の形状は、アンカー装置100の大きさに基づくことができ、より小さいアンカー装置100は、図示の六葉形状を有する。さらに、六葉形状は、ドライバ工具と接触するアンカー装置100の表面積を増加させ、その結果、開口113が剥がれる危険性を低減する。
【0009】
例示的な実施形態では、メッシュコア110はまた、中央ボア112からメッシュコア110の外側116まで延在する複数の開口114を含む。骨に植え込まれると、開口114によって、周囲の骨はメッシュコア110の中に、かつメッシュコア110を通って成長して、アンカー装置100を骨にしっかりと固定することができる。例示的な実施形態では、メッシュコア110は、三重周期最小表面(TPMS: triply periodic minimal surface)、オルトフォーム(orthofoam)格子、およびボロノイ格子のうちの少なくとも1つを含む。概して、メッシュコア110は、本明細書に記載されるような作用を促進する任意の様式のメッシュを含む。
【0010】
加えて、例示的な実施形態では、メッシュコア110は、0.20ミリメートル(mm)の目標のストラット、および0.40ミリメートルの目標の細孔を含む。すなわち、開口114は約0.40mmの大きさであり、開口114を画定するメッシュ材料自体は、約0.15~約0.20mmの大きさの複数のストラットからなる。より詳細には、開口114は、約0.15mmの大きさの複数の細孔開口と、約0.40mmの長さの複数のチャネル開口との組合せからなることができる。本明細書では、「細孔開口」という用語は、メッシュコア110の外筒に対して垂直に見たときに、小さな開口114を記述するために使用される。概して、開口114およびストラットは、本明細書に記載されるようなアンカー装置100の作用を促進する任意の大きさにすることができる。例示的な実施形態では、メッシュコア110はまた、約0.175mmの粗さの大きさ、および約2500の粗さの周波数を含む。本明細書では、「粗さの大きさ」は、メッシュコア110を構成する粗さの特徴(山および谷)の平均高さを記述するために使用され、「粗さの周波数」は、メッシュコア110の1.0立方の試料における粗さの特徴の山/谷の数を記述するために使用される。
【0011】
アンカー装置100は、骨内にある間でのアンカー装置100の本体部分全体にわたる骨統合/骨内成長の手段を提供することによって重要な技術的利点を提供する。メッシュコア110のメッシュ/多孔性によって、骨は、アンカー装置100の3次元小柱状メッシュ本体を通って円周方向に統合することができる。アンカー装置100が植え込まれた後、患者の骨は、メッシュコア110の小柱状メッシュの中に、かつそれを通って成長し始め、したがって、アンカー装置100を骨の中に固定する。骨がメッシュコア110を通ってそれ自体に完全に統合/融合されると、アンカー装置100は、全体強度を実質的に増大し、アンカー装置100の骨からの離脱を大きく低減または除去する。
【0012】
図3で最もよくわかるように、本体部分102はまた、第1の端部106から延在し、中央ボア112を少なくとも部分的に画定する中実体の内壁118を含む。内壁118は、第2の端部108の方へ本体部分102の長さに沿って部分的な距離だけ延在する。例えば、内壁118は、第1の端部106と第2の端部108との間のほぼ中間まで延在してもよい。例示的な実施形態では、内壁118は、メッシュコア110が内壁118の周囲を囲むように、メッシュコア110に沿って延在する。
【0013】
本体部分102はまた、第1の端部106と第2の端部108との間でメッシュコア110の外側116に沿って螺旋状に延在する少なくとも1つのねじ山120を含む。メッシュコア110が開口114を有する小柱状である一方、ねじ山120は、中実体でいかなる開口または空洞も含んでいない。中実体のねじ山120は、アンカー装置100を骨の中に保持するために、骨材料とのよりよい係合を容易にする。
【0014】
そのまま図3を参照すると、支柱104は、頭部122と、頭部122から延在するシャンク124と、シャンク124から延在するフォーク126とを含む。例示的な実施形態では、頭部122は、中央ボア112内に配置され、本体部分102の第2の端部108の内径D2よりも大きい外径D1を含んで、頭部122を中央ボア112内に保持する。支柱104は、支柱104が本体部分102に対して自由に回転することができるように、本体部分102に回転可能に結合される。本明細書でさらに詳細に説明するように、フォーク126は、縫合糸、同種移植片、自己移植片、および他の縫合関連材料(すなわち、腱移植片など)を用いて軟組織を骨に取り付けるように構成される。
【0015】
例示的な実施形態では、アンカー装置100は、生体適合性材料から付加製造される。詳細には、アンカー装置100は、生体適合性金属材料から付加製造される。より詳細には、アンカー装置100は、限定するものではないが、Grade 23チタンなどのチタンから付加製造される。したがって、本体部分102と支柱104は、製造後に組立の必要がないように一緒に付加製造される。さらに、付加製造によって、製造中にメッシュコア110とねじ山120を同時に形成することができる。
【0016】
本明細書で説明するように、開口114を有するメッシュコア110を付加製造することによって、骨はアンカー装置100の中に、かつそれを通って成長することができ、それは、アンカーが外れる、または後退する可能性を少なくすることによって必然的に手術部位を強化する。さらに、アンカー装置100は、挿入中に壊れることがあるPEEK選択肢とは対照的に、チタン構造体がインプラント自体を強化するので、従来の骨アンカーを超える利点を提供する。別の利点は、PEEKの低い骨親和性とは対照的に、チタンが骨親和性であることである。
【0017】
本体部分102とフォーク/サドルを取り付けられた支柱104との同時製造はまた、アンカー装置100が一体品設計を有するので、単独に製造されたフォークが、植込み前にアンカー本体から分離することを外科医が懸念する必要がないので、市場における他の選択肢と比較して有利である。アンカー装置100はまた、外科医が、アンカー装置100を挿入する前に、縫合糸/移植片に針および/または縫合糸を取り付けることを可能にする。この選択肢は、アンカー装置100が骨にねじ込まれた後に外科医が縫合糸に針を取り付ける必要がなく、それによって患者の骨または軟組織のいかなる破壊または意図しない損傷も回避されるので、潜在的な患者に安全性の利点を提供する。
【0018】
次に図2を参照すると、本体部分102およびメッシュコア110は、約2.50ミリメートル(mm)~約3.0mmの第1の幅W1を含む。本明細書では、「約」という用語は、許容範囲を表すために使用され、含まれる範囲の0.1mm以内の測定値を含む。ねじ山120は、約0.50mm~約0.075mmの第2の幅W2を含む。したがって、アンカー装置100は、約3.5mm~約4.5mmの全幅W3を含む。
【0019】
同様に、例示的な実施形態では、本体部分102は、約5.5mmの第1の長さL1を含む。フォーク126は、約2.60mm~約2.90mmの第2の長さL2を含む。アンカー装置100は、約8.50mm~約8.70mmの全長の第3の長さL3を含む。
【0020】
そのまま図2を参照すると、フォーク126は、第1のプロング128と、第1のプロング128から間隔を空けて配置された第2のプロング130とを含む。より詳細には、フォーク126は、プロング128とプロング130との間に、縫合材料を受け入れるためにトラフとして構成された縫合糸トラフまたはギャップ132を画定する。例示的な実施形態では、フォーク126は、プロング128とプロング130の対向する外面134の間にとられた約2.50mmの外幅Woを定める。各プロング128および130はまた、斜めに向けられた内面136を含み、その結果、各プロング128および130は遠位方向に幅が先細りになる。より詳細には、対向する内面136は、約13.5度および約14.5度の角度αを定める。さらに、フォーク126は、プロング128および130の近位端において対向する内面136の間にとられた約1.40mm~約2.00mmの内幅Wiを定める。縫合糸および縫合関連材料は、フォーク126のプロング128および130に手で通され、ぴんと張るようにドライバ工具に固定され、それによって縫合糸を縫合糸トラフ132に着座させて、アンカー装置100をドライバ工具(図示せず)に固定することができる。縫合糸および縫合関連材料は、特定の操作の必要性に応じて針が取り付けられていても、または取り付けられていなくても、縫合糸トラフ132を通過することができる。加えて、フォーク126は、特別な縫合糸通し工具を必要とせずに、アンカー装置の遠位面に縫合糸/縫合関連材料を容易に取り付けるための手段を提供する。
【0021】
例示的な実施形態では、フォーク126は、各プロング128および130の近位端において肩部138を含む。肩部138は、第2の端部108に対して約40度の角度βを肩部138が形成するように、本体部分102の第2の端部108に対して斜めに向けられて、フォーク126の回転の摩擦を低減する。さらに、肩部138は、約0.25mmの半径を含むように丸められている。
【0022】
図4は、本体部分102と支柱104との間の相互作用を示す、アンカー装置100の一部分の拡大図である。より詳細には、図4は、中央ボア112の空洞140内に配置された頭部122を示す。例示的な実施形態では、メッシュコア110は、第2の端部108において第1の厚さT1を、第2の端部108のすぐ近位において第2の厚さT2を含む。さらに、メッシュコア110は、第2の厚さT2を有するメッシュコア110の部分のすぐ近位に第3の厚さT3を含む。例示的な実施形態では、第2の厚さT2は、中央ボア112が空洞140を画定して頭部122を収めるように、第1の厚さT1および第3の厚さT3よりも薄い。一実施形態では、第3の厚さT3は、第1の厚さT1よりも厚い。あるいは、第3の厚さT3は、第1の厚さT1と実質的に同様である。
【0023】
例示的な実施形態では、第1の厚さT1を有するメッシュコア110の第2の端部108は、支柱104の頭部122の直径D1よりも小さい中央ボア112の直径D2を定める。同様に、第3の厚さT3を有するメッシュコア110の部分は、頭部122の直径D2よりも小さい中央ボアの直径D3を定める。したがって、頭部122は、空洞140内に拘束され、第2の端部108を通って本体部分102から取り外すことができない。代替の実施形態では、メッシュコア110は、第1の厚さT1および第2の厚さT2のみを含み、フォーク126の肩部138は、本体部分102の第2の端部108に接触して、支柱104が中央ボア112内を軸方向に過剰に動くのを防止する。より詳細には、一実施形態では、第2の端部108の遠位面141は約10度の角度σの向きにされ、本体部分102をフォーク126から分離してフォーク126の回転の摩擦を低減する。
【0024】
図4に示すように、空洞140は、頭部122の直径D1よりも大きい直径D4を含み、第2の端部108の直径D2は、シャンク124の直径D5よりも大きい。加えて、空洞140の軸方向長さは、頭部122の軸方向長さよりも長い。したがって、頭部122およびシャンク124は、中央ボア112内で自由に回転することができるだけでなく、限定的な軸方向移動も許容され、本体部分102に対して斜めに向けることもできる。本体部分102に対して斜めになることができることによって、アンカー装置100を様々な角度で患者の骨に固定することができ、支柱104を本体部分102と平行な向きにする必要はない。頭部122およびシャンク124が入る(メッシュコア110の第2の端部108内の)組込み隙間を有して結合された円筒形の本体部分102によって、フォーク126は本体部分102に対して妨げられずに360度回転することができる。
【0025】
図5は、ねじ山120の詳細を示す、本体部分102の拡大図である。例示的な実施形態では、ねじ山120は、ねじ山120の上方のメッシュコア110の外面116に対して約93度の角度γの向きにされた上面142を含む。ねじ山120はまた、外面116から延在する湾曲部分146と、湾曲部分146から延在する平面部分148とを含む底面144を含む。例示的な実施形態では、湾曲部分146は、約0.8mmの半径を定め、平面部分148は、ねじ山120の下の外面116に対して約125度の角度θの向きにされている。さらに、ねじ山120は、約0.05mmの半径で丸められた縁150を含む。
【0026】
手術時、縫合糸および縫合関連材料は、フォーク126のプロング128および130に手で通され、ぴんと張るようにドライバ工具に固定され、それによって縫合糸を縫合糸トラフ132に着座させて、アンカー装置100をドライバ工具(図示せず)に固定することができる。次いで、ドライブ工具は、開口113に挿入され、支柱104の頭部122に接触して、患者の骨に予め作られた穴の中に縫合糸および/または縫合関連材料をフォーク126によって押し込む。次いで、ドライバ工具は、アンカー装置100および縫合糸/縫合関連材料を骨にねじ込むために回転することができる。次いで、縫合糸および/または縫合関連材料は、上記と同じ態様で別途作成された穴に縫合糸/縫合関連材料を引っ張ることによって、医者の選択に応じて他の組織に接着/固定される。縫合糸または縫合関連材料は、骨への植込み後にアンカー装置100のいずれかの側から出る。治癒過程の間での、メッシュコア110を通る骨内成長/骨統合は、骨内にアンカー装置100をさらに安定化させる。
【0027】
この外科的に植え込まれるアンカーは、骨内にある間での、インプラントのコア/本体全体に骨統合/骨内成長の手段を提供することによって重要な技術的利点を提供する。アンカーのメッシュ/多孔性によって、骨は、インプラントの3次元小柱状メッシュ本体を通って円周方向に統合することができる。
【0028】
別の利点は、このインプラントは構造体全体にアイレットがないので、縫合糸を通す必要がないことである。さらに、360度回転するフォークは、単に、手で張力をかけて縫合糸をフォークの歯の中に保持することによって、動的状態から安定させることができ、それによって、外科医は植込み過程全体を通してインプラント全体を制御することができる。
【0029】
このインプラントの設計は、骨統合によってアンカーの機械的破損を除去する、または大幅に減らすことによって、したがって、ハードウェアの離脱を除去する、または大幅に減らすことによって臨床的な利点を提供する。
【0030】
要約すると、本実施形態は、組織を骨に取り付ける際に使用するための、付着されたフォーク縫合糸トラフを有する3Dプリントされた骨統合小柱状金属骨アンカーを説明している。アンカーは、大径、小径、ドライブヘッド、および遠位に配置された自由に関節運動するフォークを有する、小柱状メッシュコア体の周りに中実のねじ付き骨アンカーを含む。縫合糸トラフは、縫合糸および縫合関連材料の直径以上に広い幅と、縫合糸および縫合関連材料の直径以上に大きい小径の下の深さとを有するフォークの歯の間に形成される。骨アンカーを骨に挿入する間、縫合糸はフォークの縫合糸トラフ内に着座している。本実施形態は、骨アンカーを骨に挿入する前に、縫合糸および縫合関連材料に針を取り付けることを可能にし、インプラントが外れる可能性を低減する骨統合/骨内成長を可能にし、植込み前に別個のフォークがアンカードライバーから分離するという外科医の懸念を除去する一体品設計を可能にする。
【0031】
図6は、小柱状縫合糸アンカー装置200の斜視図である。図7は、小柱状縫合糸アンカー装置200の正面図である。図8は、小柱状縫合糸アンカー装置200の断面図である。図9は、アンカーの本体とアンカーの支柱との間の相互作用を示す、アンカー装置200の一部分の拡大図である。例示的な実施形態では、アンカー200は、本体部分202および支柱204を含む。本体部分202は、第1の端部206と反対側の第2の端部208とを含み、第1の端部206から第2の端部208まで延在する小柱状メッシュコア210からなる。メッシュコア210は、第1の端部206から第2の端部208まで本体部分202を貫通して延在する中央ボア212を画定する。さらに、本体部分202は、第1の端部206において、ドライバ工具を受け入れるように構成された開口213を含む。例示的な実施形態では、開口213は、正方形の開口である。開口213は、アンカー装置200を骨にねじ込む、かつ骨から取り出すための様々な道具に適合するために、十字または六葉などの他の形状を想定することができることを理解すべきである。より詳細には、開口213の形状は、アンカー装置200の大きさに基づくことができる。
【0032】
例示的な実施形態では、メッシュコア210はまた、中央ボア212からメッシュコア210の外側216まで延在する複数の開口214を含む。骨に植え込まれると、開口214によって、周囲の骨はメッシュコア210の中に、かつメッシュコア210を通って成長し、アンカー装置200を骨にしっかりと固定することができる。例示的な実施形態では、メッシュコア210は、三重周期最小表面(TPMS)、オルトフォーム格子、およびボロノイ格子のうちの少なくとも1つを含む。概して、メッシュコア210は、本明細書に記載されるような作用を促進にする任意の様式のメッシュを含む。
【0033】
加えて、例示的な実施形態では、メッシュコア210は、0.20ミリメートル(mm)の目標のストラット、および0.40ミリメートルの目標の細孔を含む。すなわち、開口214は約0.40mmの大きさであり、開口214を画定するメッシュ材料自体は、約0.15~約0.20mmの大きさの複数のストラットからなる。より詳細には、開口214は、約0.15mmの大きさの複数の細孔開口と、約0.40mmの長さの複数のチャネル開口との組合せからなることができる。本明細書では、「細孔開口」という用語は、メッシュコア210の外筒に対して垂直に見たときに、小さな開口214を記述するために使用される。概して、開口214およびストラットは、本明細書に記載されるようなアンカー装置200の作用を促進する任意の大きさにすることができる。例示的な実施形態では、メッシュコア210はまた、約0.175mmの粗さの大きさ、および約2500の粗さの周波数を含む。本明細書では、「粗さの大きさ」は、メッシュコア210を構成する粗さの特徴(山および谷)の平均高さを記述するために使用され、「粗さの周波数」は、メッシュコア210の1.0立方の試料における粗さの特徴の山/谷の数を記述するために使用される。
【0034】
アンカー装置200は、骨内にある間でのアンカー装置200の本体部分全体にわたる骨統合または骨内成長の手段を提供することによって重要な技術的利点を提供する。メッシュコア210の多孔性によって、骨は、アンカー装置200の3次元小柱状メッシュ本体を通って円周方向に統合することができる。アンカー装置200が植え込まれた後、患者の骨は、メッシュコア210の小柱状メッシュの中に、かつそれを通って成長し始め、したがって、アンカー装置200を骨の中に固定する。骨がメッシュコア210を通ってそれ自体に完全に統合/融合されると、アンカー装置200は、全体強度を実質的に増大し、アンカー装置200の骨からの離脱を大きく低減または除去する。
【0035】
図8で最もよくわかるように、本体部分202はまた、第1の端部206から延在し、中央ボア212を少なくとも部分的に画定する中実体の内側リング218を含む。内側リング218は、第2の端部208の方へ本体部分202の部分的な長さだけ延在する。例えば、内側リング218は、約0.5mmの長さ延在してもよい。例示的な実施形態では、内側リング218は、中央ボア212から、メッシュコア210の外面216と実質的に面一である内側リング218の外面219まで、本体部分102の全厚さを半径方向に延在する。
【0036】
本体部分202はまた、第1の端部206と第2の端部208との間でメッシュコア210の外側216に沿って螺旋状に延在する少なくとも1つのねじ山220を含む。例示的な実施形態では、ねじ山220はまた、第1の端部206においてリング218の外面219に沿って延在してもよい。メッシュコア210が開口214を有する小柱状である一方、ねじ山220は、中実体でいかなる開口または空洞も含んでいない。中実体のねじ山220は、アンカー装置200を骨の中に保持するために、骨材料とのよりよい係合を容易にする。
【0037】
図8および図9を参照すると、支柱204は、頭部222と、頭部222から延在するシャンク224と、シャンク224から延在するフォーク226とを含む。例示的な実施形態では、頭部222は、中央ボア212内に配置され、本体部分202の第2の端部208の内径D7よりも大きい外径D6を含んで、頭部222を中央ボア212内に保持する。支柱204は、支柱204が本体部分202に対して自由に回転することができるように、本体部分202に回転可能に結合される。本明細書でさらに詳細に説明するように、フォーク226は、縫合糸、同種移植片、自己移植片、および他の縫合関連材料(すなわち、腱移植片など)を用いて軟組織を骨に取り付けるように構成される。
【0038】
例示的な実施形態では、アンカー装置200は、生体適合性材料から付加製造される。詳細には、アンカー装置200は、生体適合性金属材料から付加製造される。より詳細には、アンカー装置200は、チタンから付加製造される。したがって、本体部分202と支柱204は、製造後に組立の必要がないように一緒に付加製造される。さらに、付加製造によって、製造中にメッシュコア210とねじ山220を同時に形成することができる。
【0039】
本明細書で説明するように、開口214を有するメッシュコア210を付加製造することによって、骨はアンカー装置200の中に、かつそれを通って成長することができ、それは、アンカーが外れる、または後退する可能性を少なくすることによって必然的に手術部位を強化する。さらに、アンカー装置200は、挿入中に壊れることがあるPEEK選択肢とは対照的に、チタン構造体がインプラント自体を強化するので、従来の骨アンカーを超える利点を提供する。別の利点は、PEEKの低い骨親和性とは対照的に、チタンが骨親和性であることである。
【0040】
本体部分202とフォーク/サドルが取り付けられた支柱204との同時製造はまた、アンカー装置200が一体品設計を有するので、単独に製造されたフォークが、植込み前にアンカー本体から分離することを外科医が懸念する必要がないので、市場における他の選択肢と比較して有利である。アンカー装置200はまた、外科医が、アンカー装置200を挿入する前に、縫合糸/移植片に針および/または縫合糸を取り付けることができる。この選択肢は、アンカー装置200が骨にねじ込まれた後に外科医が縫合糸に針を取り付ける必要がなく、それによって患者の骨または軟組織のいかなる破壊または意図しない損傷も回避されるので、潜在的な患者に安全性の利点を提供する。
【0041】
次に図7を参照すると、本体部分202およびメッシュコア210は、約2.50ミリメートル(mm)~約3.0mmの幅W4を含む。本明細書では、「約」という用語は、許容範囲を表すために使用され、含まれる範囲の0.1mm以内の測定値を含む。ねじ山220は、約0.50mm~約0.075mmの幅W5を含む。したがって、アンカー装置200は、約3.5mm~約4.5mmの全幅W6を含む。
【0042】
同様に、例示的な実施形態では、本体部分202は、約5.5mmの長さL4を含む。フォーク226のプロング228および230は、約2.25mm~約2.35mmの長さL5を含む。アンカー装置200は、支柱204が本体部分202内に完全に着座されているとき、約8.50mm~約8.70mmの全長L6を含む。図8および図9で最もよくわかるように。支柱204は、中央ボア212内を軸方向に移動することができる。支柱204が本体部分202から完全に延ばされると、アンカー装置200の全長L6は、約12.5mmまで伸びる。したがって、支柱204は、本体部分202に対して軸方向に約4.0mm移動することができる。
【0043】
アンカー装置200の「伸縮」ピストンのような特徴によって、フォーク226は、ねじ回しの先端ドライバの長さを介して4mmの深さまで突っ込む/並進移動することができ、それによって、縫合糸/縫合関連材料を、骨内に予め開けられた穴の最大深さまで挿入して、本体部分202のねじ220を骨内に前進させることによって前記穴内に付着することができる。ねじ本体部分202の前進の間、本体部分202の第2の端部208とフォーク226の近位端との間の距離は(ピストンの上昇と同様に)減少する。縫合材料を最大深さに配置することは、骨内での縫合材料の接触表面積を最大にすることを確実にし、修復の全体的な強度をさらに増加させ、修復の失敗の機会を減少させる。
【0044】
そのまま図7を参照すると、フォーク226は、第1のプロング228と、第1のプロング228から間隔を空けて配置された第2のプロング230とを含む。より詳細には、フォーク226は、プロング228とプロング230との間に、縫合材料を受け入れるためにトラフとして構成された縫合糸トラフまたはギャップ232を画定する。例示的な実施形態では、フォーク226は、プロング228とプロング230の対向する外面234の間にとられた約2.50mm~約3.0mmの外幅W7を定める。各プロング228および230はまた、斜めに向けられた内面236を含み、その結果、各プロング228および230は遠位方向に幅が先細りになる。より詳細には、対向する内面236は、約14.0度および約14.9度の角度αを定める。さらに、フォーク226は、プロング228および230の近位端において対向する内面236の間にとられた約1.40mm~約2.00mmの内幅W8を定める。
【0045】
縫合糸および縫合関連材料は、フォーク226のプロング228および230に手で通され、ぴんと張るようにドライバ工具に固定され、それによって縫合糸を縫合糸トラフ232に着座させて、アンカー装置200をドライバ工具(図示せず)に固定することができる。縫合糸および縫合関連材料は、特定の操作の必要性に応じて針が取り付けられていても、または取り付けられていなくても、縫合糸トラフ232を通過することができる。加えて、フォーク226は、特別な縫合糸通し工具を必要とせずに、アンカー装置の遠位面に縫合糸/縫合関連材料を容易に取り付けるための手段を提供する。
【0046】
例示的な実施形態では、フォーク226は、各プロング228および230の近位端において肩部238を含む。肩部238は、第2の端部208に対して約40度の角度βを肩部238が形成するように、本体部分202の第2の端部208に対して斜めに向けられて、フォーク226の回転の摩擦を低減する。さらに、肩部238は、約0.25mmの半径を含むように丸められている。
【0047】
図9は、本体部分202と支柱204との間の相互作用を示す、アンカー装置200の一部分の拡大図である。より詳細には、図9は、中央ボア212の空洞240内に配置された頭部222を示す。例示的な実施形態では、メッシュコア210は、第2の端部208において厚さT4を、第2の端部208のすぐ近位において厚さT5を含む。例示的な実施形態では、厚さT4は、中央ボア212が空洞240を画定して頭部222を収めるように、厚さT5よりも厚い。
【0048】
例示的な実施形態では、厚さT4を有するメッシュコア210の第2の端部208は、支柱204の頭部222の直径D6よりも小さい中央ボア212の直径D7を定める。さらに、リング218は、頭部222の直径D6よりも小さい内径D8を含む。したがって、頭部222は、ボア212内に拘束され、本体部分202から取り外すことができない。加えて、フォーク226の肩部238は、本体部分202の第2の端部208に接触して、支柱204が中央ボア212内を軸方向に過剰に動くのを防止する。より詳細には、一実施形態では、第2の端部208の遠位面241は約10度の角度αの向きにされ、本体部分202をフォーク226から分離してフォーク226の回転の摩擦を低減する。
【0049】
図9に示すように、空洞240は、頭部222の直径D6よりも大きい直径D9を含み、第2の端部208の直径D7は、シャンク224の直径D10よりも大きい。加えて、空洞240の軸方向長さは、頭部222の軸方向長さよりも長い。したがって、頭部222およびシャンク224は、中央ボア212内で自由に回転することができるだけでなく、軸方向移動も許容され、本体部分202に対して斜めに向けることもできる。本体部分202に対して斜めになることができることによって、アンカー装置200を様々な角度で患者の骨に固定することができ、支柱204を本体部分202と平行な向きにする必要はない。頭部222およびシャンク224が入る(メッシュコア210の第2の端部208内の)組込み隙間を有して結合された円筒形の本体部分202によって、フォーク226は本体部分202に対して妨げられずに360度多軸回転することができる。
【0050】
図10は、ねじ山220の詳細を示す、本体部202の拡大図である。例示的な実施形態では、ねじ山220は、ねじ山220の上方のメッシュコア210の外面216に対して約93度の角度γの向きにされた上面242を含む。ねじ山220はまた、外面216から延在する湾曲部分246と、湾曲部分246から延在する平面部分248とを含む底面244を含む。例示的な実施形態では、湾曲部分246は、約0.8mm~約1.16mmの半径を定め、平面部分248は、ねじ山220の下の外面216に対して約125度の角度θの向きにされている。さらに、ねじ山220は、約0.20mm~約0.25mmの半径で丸められた縁250を含む。
【0051】
手術時、縫合糸および縫合関連材料は、フォーク226のプロング228および230に手で通され、ぴんと張るようにドライバ工具に固定され、それによって縫合糸を縫合糸トラフ232に着座させて、アンカー装置200をドライバ工具(図示せず)に固定することができる。次いで、ドライブ工具は、開口213に挿入され、支柱204の頭部222に接触して、患者の骨に予め作られた穴の中に縫合糸および/または縫合関連材料をフォーク226によって押し込む。次いで、ドライバ工具は、アンカー装置200および縫合糸/縫合関連材料を骨にねじ込むために回転することができる。次いで、縫合糸および/または縫合関連材料は、上記と同じ態様で別途作成された穴に縫合糸/縫合関連材料を引っ張ることによって、医者の選択に応じて他の組織に接着/固定される。縫合糸または縫合関連材料は、骨への植込み後にアンカー装置200のいずれかの側から出る。治癒過程の間での、メッシュコア210を通る骨内成長/骨統合は、骨内にアンカー装置200をさらに安定化させる。
【0052】
この外科的に植え込まれるアンカーは、骨内にある間での、インプラントのコア/本体全体に骨統合/骨内成長の手段を提供することによって重要な技術的利点を提供する。アンカーのメッシュ/多孔性によって、骨は、インプラントの3次元小柱状メッシュ本体を通って円周方向に統合することができる。
【0053】
別の利点は、このインプラントは構造体全体にアイレットがないので、縫合糸を通す必要がないことである。さらに、360度回転するフォークは、単に、手で張力をかけて縫合糸をフォークの歯の中に保持することによって、動的状態から安定させることができ、それによって、外科医は植込み過程全体を通してインプラント全体を制御することができる。
【0054】
このインプラントの設計は、骨統合によるアンカーの機械的破損を除去する、または大幅に減らすことによって、したがって、ハードウェアの離脱を除去する、または減らすことによって臨床的な利点を提供する。
【0055】
要約すると、本実施形態は、組織を骨に取り付ける際に使用するための、付着されたフォーク縫合糸トラフを有する3Dプリントされた骨統合小柱状金属骨アンカーを説明している。アンカーは、大径、小径、ドライブヘッド、および遠位に配置された自由に関節運動するフォークを有する、小柱状メッシュコア体の周りに中実のねじ付き骨アンカーを含む。縫合糸トラフは、縫合糸および縫合関連材料の直径以上に広い幅と、縫合糸および縫合関連材料の直径以上に大きい小径の下に深さとを有するフォークの歯の間に形成される。骨アンカーを骨に挿入する間、縫合糸はフォークの縫合糸トラフ内に着座している。本実施形態は、骨アンカーを骨に挿入する前に、縫合糸および縫合関連材料に針を取り付けることを可能にし、インプラントが外れる可能性を低減する骨統合/骨内成長を可能にし、植込み前に別個のフォークがアンカードライバーから分離するという外科医の懸念を除去する一体品設計を可能にする。
【0056】
本開示のアンカー装置を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって記載されるような本開示の意図および範囲から逸脱することなく、それらに対して様々な変更、改変、および置換を行うことができることを理解すべきである。
【0057】
本開示の様々な実施態様の特定の特徴は、いくつかの図に示され、他の図には示されていないことがあるが、これは単なる便宜上のことである。本開示の原理に従って、図の任意の特徴は、任意の他の図の任意の特徴と組み合わせて参照および/または特許請求することができる。
【0058】
本明細書では、最良の形態を含む例を用いて様々な態様を開示し、任意の装置またはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み入れられた方法の実行を含め、当業者がこれらの態様を実施できるようにしている。特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違ない構成要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違ない等価の構成要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図されている。
【符号の説明】
【0059】
100 アンカー装置
102 本体部分
104 支柱
106 第1の端部
108 第2の端部
110 メッシュコア
112 中央ボア
113 開口
114 開口
116 外側
118 内壁
120 ねじ山
122 頭部
124 シャンク
126 フォーク
128 プロング
130 プロング
132 縫合糸トラフ
134 外面
136 内面
138 肩部
140 空洞
141 遠位面
142 上面
144 底面
146 湾曲部分
148 平面部分
150 縁
200 アンカー装置
202 本体部分
204 支柱
206 第1の端部
208 第2の端部
210 メッシュコア
212 中央ボア
213 開口
214 開口
216 外側
218 内側リング
219 外面
220 ねじ山
222 頭部
224 シャンク
226 フォーク
228 プロング
230 プロング
232 縫合糸トラフ
234 外面
236 内面
238 肩部
240 空洞
241 遠位面
242 上面
244 底面
246 湾曲部分
248 平面部分
250 縁
D1 直径、外径
D2 直径、内径
D3 直径
D4 直径
D5 直径
D6 直径、外径
D7 直径、内径
D8 内径
D9 直径
D10 直径
L1 長さ
L2 長さ
L3 長さ
L4 長さ
L5 長さ
L6 全長
T1 厚さ
T2 厚さ
T3 厚さ
T4 厚さ
T5 厚さ
W1 幅
W2 幅
W3 全幅
W4 幅
W5 幅
W6 幅
W7 外幅
W8 内幅
Wi 内幅
Wo 外幅
α 角度
θ 角度
σ 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】