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特表2022-540599内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(54)【発明の名称】内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20220909BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
A61B17/32
A61B1/018 515
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500993
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 US2020041021
(87)【国際公開番号】W WO2021007217
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/871,450
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シグモン,ジョン・シィ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ジタード,ショーン・ディ
(72)【発明者】
【氏名】カルザース,クリストファー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ブリーン,リアム
(72)【発明者】
【氏名】スルチ,ビハー・シィ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160FF23
4C160NN01
4C160NN02
4C160NN08
4C160NN11
4C161DD03
4C161FF35
4C161GG11
4C161HH56
(57)【要約】
低侵襲手術を容易にするための医療機器は、ハウジングとアームを含んでよい。ハウジングは、内視鏡の外周面の周囲で係合するように構成されていてよく、第一のキャビティを含んでよい。アームは、少なくとも1つの切削面を含んでよく、第一のキャビティ内に可動式に受けられてよい。アームは、所定の周波数での少なくとも第一の面に沿った第一の所定の運動を行うように構成されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低侵襲手術を容易にするための医療機器において、
ハウジングであって、
内視鏡の外周面の周囲に係合するように構成され、
第一のキャビティを含む
ハウジングと、
少なくとも1つの組織剥離面を含むアームであって、前記第一のキャビティ内に可動式に受けられるアームと、を含み、前記アームの遠位端部分は、前記アームの近位部分の往復運動に対応する、少なくとも第一の平面に沿った所定の周波数の第一の所定の運動を行うように構成される医療機器。
【請求項2】
前記ハウジングは、内視鏡把持ツールを受け、方向付けるように構成された長さ方向ルーメンをさらに含み、
内視鏡の外周面との前記係合は、その中に内視鏡を摩擦嵌めを通じて受けるように構成された第二のキャビティによって提供される、
請求項1の医療機器。
【請求項3】
前記第一の所定の運動は前記アームの前記遠位端部分の振動運動を含み、前記振動運動の弧長は約0.5mm~約30mmであり、前記所定の周波数は約25Hz~約200Hzである、
請求項1又は2の医療機器。
【請求項4】
前記アームは前記アームの長さ方向軸に沿って湾曲する、
請求項1~3の何れか1項の医療機器。
【請求項5】
前記アームは、前記ハウジングに取り付けられたピンを横切って前後に往復運動可能な長い穴を含む、
請求項1~4の何れか1項の医療機器。
【請求項6】
前記振動システムはプルワイヤを含み、各々が各プルワイヤのそれぞれの近位端と遠位端との間に延び、
前記プルワイヤの前記遠位端は前記アームに取り付けられ、それによって前記プルワイヤの前記近位端を操作することにより、前記アームは前記第一の所定の運動を行う、
請求項1の医療機器。
【請求項7】
その中に前記アームのガイド部分の少なくとも一部を受けるように構成されたカムトラック溝を有するカムアセンブリを含み、
前記アームの前記ガイド部分は、前記カムアセンブリの回転に応答して前記カムトラック溝の少なくとも一部に沿って移動し、それによって前記アームは前記第一の所定の運動を行う、
請求項1の医療機器。
【請求項8】
遠位端と近位端との間に延びる接続ガイドをさらに含み、
前記接続ガイドの前記遠位端は前記アームに接続され、
前記接続ガイドの前記近位端と係合するように構成されたカム面を有するカムアセンブリをさらに含み、
前記接続ガイドの前記近位端は、前記カムアセンブリの回転に応答して前記カム面の少なくとも一部に沿って移動し、それによって前記アームは前記第一の所定の運動を行う、
請求項1の医療機器。
【請求項9】
前記アームに回転可能に接続されるギアアセンブリを含み、それによって前記ギアアセンブリの回転により前記アームは前記第一の所定の運動を行う、
請求項1の医療機器。
【請求項10】
制御手段を有する操作可能な内視鏡シャフトと、少なくとも1つの可視化要素と、をさらに含み、前記操作可能な内視鏡シャフトと一体に構成されるか、内視鏡アクセサリツールとして使用するために前記内視鏡シャフトに取外し可能に取り付けられるように構成される、
請求項1~9の何れか1項の医療機器。
【請求項11】
低侵襲手術を容易にするための医療機器において、
第一のキャビティを含むハウジングと、
少なくとも1つの組織剥離面を含み、前記第一のキャビティ内に回転可能に受けられるアームであって、第一の受容スロットと第二の受容スロットを含むアームと、
第一の接続部材であって、前記第一の接続部材の第一の遠位端と第一の近位端との間に延びる第一の接続部材と、
第二の接続部材であって、前記第二の接続部材の第二の遠位端と第二の近位端との間に延びる第二の接続部材と、
を含み、
前記第一の接続部材の前記第一の遠位端は前記第一の受容スロット内にスライド可能に受けられ、前記第二の接続部材の前記第二の遠位端は前記第二の受容スロット内にスライド可能に受けられ、
前記第一及び第二の近位端の操作によって、前記アームが前記ハウジングに関して少なくとも1つの弧に沿って回転するように構成される医療機器。
【請求項12】
振動システムをさらに含み、
前記振動システムは、第一の端部分と第二の端部分との間に延びるガイド部材を含み、
前記第一の接続部材の前記第一の近位端は前記第一の端部分に接続され、前記第二の接続部材の前記第二の近位端は前記第二の端部分に接続され、
前記ガイド部材の動きによって、前記第一及び第二の接続部材は、前記アームが前記ハウジングに関して回転するように移動するように構成される、
請求項11の医療機器。
【請求項13】
前記ガイド部材は第一の平面内で時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能であり、
前記ガイド部材が前記第一の平面内で前記時計回り方向に回転すると、それによって前記第一及び第二の接続部材の一方が引っ張られて、それによって前記アームが前記時計回り方向に回転し、
前記ガイド部材が前記第一の平面内で前記反時計回り方向に回転すると、それによって前記第一及び第二の接続部材の他方が引っ張られて、それによって前記アームは前記第一の平面内で前記反時計回り方向に回転する、
請求項12の医療機器。
【請求項14】
前記ガイド部材は駆動システムに接続され、それによって前記ガイド部材は回転して前記第一の平面から出ることができる、請求項13の医療機器。
【請求項15】
前記アームは前記ハウジングの第三の部分に回転可能且つ旋回可能に接続され、
前記ガイド部材は、前記ガイド部材の操作によって前記第一及び第二の接続部材の1つ又は2つが移動し、それによって前記アームは旋回して、前記第一の平面に関して斜めに第二の平面へと移動するように構成され、
前記ガイド部材の回転によって、前記アームは前記第二の平面内で回転する、
請求項13の医療機器。
【請求項16】
前記第一及び第二の接続部材はプルワイヤである、請求項11~15の何れか1項の医療機器。
【請求項17】
前記第一及び第二の近位端の前記操作によって、前記アームは前記ハウジングに関して、約0.5mm~30mmの弧長に沿って、約25Hz~約200Hzの周波数で回転する、請求項11~16の何れか1項の医療機器。
【請求項18】
前記アームは歯の構成の1つ又は複数の面を有する、請求項11~17の何れか1項の医療機器。
【請求項19】
前記ハウジングは第二のキャビティをさらに含み、
前記第二のキャビティは、その中に内視鏡を摩擦嵌めを通じて受けるように構成される、
請求項11~18の何れか1項の医療機器。
【請求項20】
低侵襲手術を容易にするための医療機器において、
第一のキャビティと第二のキャビティを含むハウジングと、
前記第一のキャビティ内に回転可能に受けられるアームであって、ガイド部分と接続部分を含むアームと、
前記第二のキャビティ内に回転可能に受けられるカムアセンブリであって、その中に前記ガイド部分の少なくとも一部をスライド可能に受けるように構成されたカムトラック溝を含むカムアセンブリと、を含み、
前記アームは前記ハウジングの第三の部分に前記接続部分を通じて回転可能に接続され、
前記カムアセンブリの回転によって、前記ガイド部分は前記カムトラック溝内で所定の軌道に沿ってスライドし、それによって前記アームは第一の平面内で回転するように付勢される医療機器。
【請求項21】
前記カムトラック溝は、前記カムアセンブリの前記回転によって、前記ガイド部分が上下に動き、それが前記アームを前記第一の平面内で回転するように付勢されるように構成される、
請求項20の医療機器。
【請求項22】
前記カムアセンブリが回転し、それによって前記ガイド部分が上方に移動すると、前記アームは前記第一の平面内で反時計回り方向に回転するように付勢され、
前記カムアセンブリが回転し、それによって前記ガイド部分が下方に移動すると、前記アームは前記第一の平面内で時計回り方向に回転するように付勢される、
請求項21の医療機器。
【請求項23】
前記カムアセンブリの第一の軸の周囲での回転により、前記アームは第二の軸の周囲で回転し、
前記第一の軸は前記第二の軸に対し概して垂直である、
請求項20又は21の医療機器。
【請求項24】
前記カムアセンブリは上部分、下部分、及び前記上部分と前記下部分との間に配置された中間部分を含み、
前記上部分は第一の上面と第一の底面を有し、前記第一の底面は前記第一の上面に向かって傾斜し、
前記下部分は第二の上面と第二の底面を有し、前記第二の上面は前記第二の底面から遠ざかるように傾斜し、
前記第一の底面、前記第二の上面、及び前記中間部分の外面は、前記カムアセンブリの前記回転によって、前記アームは前記第一の平面内での所定の振動運動を行うように構成される、
請求項20の医療機器。
【請求項25】
前記上部分、前記下部分、及び前記中間部分は実質的に円筒形の構成である、請求項24の医療機器。
【請求項26】
前記カムアセンブリはバレルカムとして構成される、請求項20~25の何れか1項の医療機器。
【請求項27】
前記カムアセンブリは駆動システムに接続され、それが第一の軸の周囲で回転可能である、請求項20の医療機器。
【請求項28】
前記ハウジングの前記第三の部分は、前記ハウジングの下部分に関して上方に移動するように構成される、請求項20の医療機器。
【請求項29】
前記カムアセンブリの前記回転によって、前記アームは前記第一の平面内で約0.5mm~約30mmの弧長に沿って、約25Hz~約200Hzの周波数で回転する、請求項20~28の何れか1項の医療機器。
【請求項30】
内視鏡であって、
低侵襲手術を容易にするために構成された、一体型の遠位値ツール端又は取外し可能なツール端を含み、前記ツール端は、
第一のキャビティを含むハウジングと、
少なくとも1つの組織剥離面を含むアームであって、前記第一のキャビティ内に可動式に受けられるアームと、を含み、前記アームの遠位端部分は前記アームの近位部分の往復運動に対応して、少なくとも第一の平面に沿った所定の周波数での第一の所定の運動を行うように構成され、前記アームは前記アームの長さ方向軸に沿って湾曲し、前記アームは、前記アームを前記第一のキャビティに固定するピンを横切って前後に往復運動するように構成された長円の穴を含み、前記往復運動は、前記アームが前記ピンに関して往復運動すると、前記少なくとも1つの組織剥離面が弧を描くのと一致する旋回運動を含む内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年7月8日に出願された米国仮特許出願第62/871,450号の優先権を主張する出願であり、同仮出願の全般を参照によって本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)は、胃腸(GI:gastrointestinal)管に沿って癌組織又はその他の病変を取り除く非侵襲的技法である。ESDは、癌組織又はその他の標的組織がGI壁の最初の内側の2層、すなわち粘膜層及び粘膜下層内にある場合に使用できる。GI管は4つの層からなる。すなわち、最も内側の層は粘膜(これには上皮、粘膜固有層、及び粘膜筋板が含まれるかもしれない)であり、その下に粘膜下層があり、次に固有筋層及び外膜と呼ばれる最も外側の層がある。これらの層の構造は、消化系の領域によって異なる。標的組織がGI壁のより深い層の何れかまで延びていると、外科的又は内視鏡的全層切除が必要かもしれない。西側世界における医師の平均的処置時間は約1~2時間であり、これは医師が領域全体を完全に剥離するために、何度も小さいカットを慎重に行わなければならないからである。この方式に伴う2つの主要な合併症は出血及び固有筋層と外膜の穿孔であり、合併症の頻度は、この処置の技術的な困難度からかなり高い。
【0003】
これらの医原性合併症が発生するのには幾つかの理由がある。第一に、切除中に粘膜弁が十分に持ち上げられないかもしれず、それが医師の視野の邪魔になり、医師は切除面を限定的にしか、又は全く見えなくなる。この状況では、医師がミスを犯し、予期せず血管を切断したり、筋肉を穿孔したりする可能性がある。第二に、切除面は見えるものの、範囲が狭く、粘膜下層線維が筋肉及び/又は血管に近いため、医師は小さいウィンドウでカットしなければならない。この状況では、医師がミスを犯し、予期せず血管を切断したり、筋肉を穿孔したりする可能性がある。第三に、医師は内視鏡及び解剖学的配置の限定から、カットを行うのに適した姿勢を取れず、それによって剥離面に到達しにくい。この状況では、医師がミスを犯し、予期せず血管を切断したり、筋肉を穿孔したりする可能性がある。第四に、電気外科発電機から高周波エネルギーを送達することによる電気焼灼によって操作される既存の利用可能な手術刀。電気焼灼利用に伴う固有の問題は、医師が血管や筋肉組織等の組織を意図せず偶発的に切断する可能性があるという医原性リスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ESDを安全に行うための医師の能力を向上させるような機器と方法を提供することが望ましい。特に、ESD中に医師による標的組織の可視性を高め、組織剥離をよりよく制御して非目的切断のリスクを減らし、及び/又はESDの処置時間を短縮するような機器と方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの一般的態様は低侵襲手術を容易にするための医療機器を含み、これは、内視鏡の外周面の周囲と係合するように構成され、第一のキャビティを含むハウジングと、少なくとも1つの組織剥離面を含み、第一のキャビティ内に可動式に受けられるアームと、を含み、アームは、アームの近位部分の往復運動に対応する、少なくとも第一の平面に沿った所定の周波数での第一の所定の運動を行うように構成される。
【0006】
本開示の他の一般的な態様は低侵襲手術を容易にするための医療機器を含み、これは、第一のキャビティを有するハウジングと、少なくとも1つの組織剥離面を含み、第一のキャビティ内で可動式に受けられるアームであって、第一の受容スロットと第二の受容スロットを含むアームと、第一の接続部材であって、第一の接続部材の第一の遠位端と第一の近位端との間に延びる第一の接続部材と、第二の接続部材であって、第二の接続部材の第二の遠位端と第二の近位端との間に延びる第二の接続部材と、を含み、第一の接続部材の第一の遠位端は第一の受容スロット内にスライド可能に受けられ、第二の接続部材の第二の遠位端は第二の受容スロット内にスライド可能に受けられ第一及び第二の近位端の操作によって、アームはハウジングに関する少なくとも1つの弧に沿って回転するように構成される。
【0007】
本開示の他の一般的な態様は、低侵襲手術を容易にするための医療機器を含み、これは、第一のキャビティと第三のキャビティを有するハウジングと、第一のキャビティ内に可動式に受けられるアームであって、ガイド部分と接続部分を含むアームと、第三のキャビティ内に回転可能に受けられるカムアセンブリであって、ガイド部分の少なくとも一部をスライド可能に受けるように構成されたカムトラック溝を含むカムアセンブリと、を含み、アームはハウジングの第三の部分に接続部分を通じて回転可能に接続され、カムアセンブリの回転によってガイド部分はカムトラック溝内の所定の軌道に沿ってスライドし、それによってアームは第一の平面内で回転するように付勢される。
【0008】
本願で開示される実施形態のその他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下のような図面と詳細な説明を詳しく参照すれば当業者にとって明らかであるか、明らかになるであろう。このようなその他のシステム、方法、特徴、及び利点の全てが本発明の範囲に含められるものとする。
【0009】
本開示は、次の図面と説明を参照するとよりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも正確な縮尺によっているとはかぎらず、本開示の原理を解説することに重点が置かれているが、図面の中には正しい縮尺によって描かれ、そのため、依拠してよいものもある。さらに、図中、各種の図を通じて同様の参照番号は対応する部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の特定の態様による内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップの第一の実施形態の斜視図を示す図である。
図2】本開示の特定の態様による、図1の内視鏡切除キャップのハウジングの一部の斜視図を示す図である。
図3】本開示の特定の態様による、図2のハウジングの一部の他の斜視図を示す図である。
図4】本開示の特定の態様による、図2のハウジングの一部の他の斜視図を示す図である。
図5】本開示の特定の態様による、図1の内視鏡切除キャップのハウジングの第三の部分の斜視図を示す図である。
図6】本開示の特定の態様による、図1の内視鏡切除キャップのハウジングの第二の部分の斜視図を示す図である。
図7】本開示の特定の態様による、図1の内視鏡切除キャップのアームの斜視図を示す図である。
図8】本開示の特定の態様による、図1の内視鏡切除キャップのカムアセンブリの斜視図を示す図である。
図9】本開示の特定の態様による、図8のカムアセンブリの他の斜視図を示す図である。
図10A】本開示の特定の態様による、内蔵型振動剥離器が第一の方向に移動している図1の内視鏡切除キャップの断面図を示す図である。
図10B】本開示の特定の態様による、内蔵型振動剥離器が第二の方向に移動している図1の内視鏡切除キャップの断面図を示す図である。
図11】本開示の特定態様による内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップの第二の実施形態の斜視図を示す図である。
図11A】本開示の特定の態様による、図11の内蔵型振動剥離器を振動させることができるように構成された振動システムの斜視図を示す図である。
図11B】本開示の特定の態様による、内蔵型振動剥離器が第一の平面の外へと移動している図11の内視鏡切除キャップの断面図を示す図である。
図12】別々に使用可能な内視鏡の遠位端上及びその周囲に取外し可能に配置されてよい、又は他の内視鏡作業の中で特に内視鏡切除を行うように構成された内視鏡の一体構成要素であってよい、(本願で開示される何れかの実施形態による)内視鏡切除要素の第三の実施形態を含む内視鏡の簡略図を示す図である。
図12A】往復運動剥離器とドレーン穴を含む内視鏡切除要素の側面図を示す図である。
図12B図12Aの内視鏡切除要素の底面図を示す図である。
図12C図12A~12Bの実施形態の剥離器の側面図を示す図である。
図12D図12A~12Cの実施形態の剥離器の回転させた斜視図を示す図である。
図13A】保持ピンに関して往復運動している剥離器の、それぞれ中央、最も左側、及び最も右側の位置を示す概略図である。
図13B】保持ピンに関して往復運動している剥離器の、それぞれ中央、最も左側、及び最も右側の位置を示す概略図である。
図13C】保持ピンに関して往復運動している剥離器の、それぞれ中央、最も左側、及び最も右側の位置を示す概略図である。
図13D図13A~13Cとそれによって影響を受ける剥離経路の概略図の集合図である。
図14】本開示の特定の態様による内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップの第四の実施形態の切欠き概略図を示す図である。
図15】本開示の特定の態様による内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップの第五の実施形態の切欠き概略図を示す図である。
図16】本開示の特定の態様による、内蔵型振動剥離器と長さ方向ルーメンを備える内視鏡切除キャップの第六の実施形態の斜視図を示す図である。
図16A】本開示の特定の態様による、図16の内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成されたアクセサリツールの正面図を示す図である。
図17】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成された振動剥離器の第一の実施形態の正面図を示す図である。
図18】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成された振動剥離器の第二の実施形態の正面図を示す図である。
図19】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成された振動剥離器の第三の実施形態の正面図を示す図である。
図20】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成された振動剥離器の第四の実施形態の概略図を示す図である。
図21】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成された振動(及び/又は回転)剥離器の第五の実施形態の斜視図及び断面図を示す図である。
図22】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成された回転(及び/又は振動)剥離器の第六の実施形態の概略図を示す図である。
図23】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成されたアームの歯の第一の実施形態の概略図を示す図である。
図24】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成されたアームの歯の第二の実施形態の概略図を示す図である。
図25】本開示の特定の態様による、内視鏡切除キャップに組み込まれるように構成されたアームの概略側面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に各種の態様を図面を参照しながら説明するが、図中、同様の要素は一般に同様の番号で識別されている。態様の各種の要素の関係と機能は、以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解されるかもしれない。しかしながら、態様は図面に示され、又は以下に明示的に説明されるものに限定されない。また、同じく理解すべき点として、図面は必ずしも正確な縮尺によって描かれているとはかぎらず(特定の図面は正確な図面により描かれており、したがって依拠してよい)、場合により、本明細書で開示される態様の理解に必要ではない、例えば従来の材料の構成やアセンブリ等は、省略されているかもしれない。
【0012】
本願で開示される実施形態の理解を促進するために、ここで、図面に示されている実施形態を参照し、具体的な文言を用いてそれを説明する。それでも、理解すべき点として、それによって本発明の範囲がいかようにも限定されるとは意図されず、本発明が関係する技術の当業者が通常着想するような、図示された装置の代替案やさらなる改良及び、その中に示されている本発明の原理のその他の応用も想定される。本願において、「近位」という用語は、医療処置中に概して医師に向かう方向を指し、「遠位」という用語は、医療処置中に概して患者の体内の標的部位に向かう方向を指す。「~のように構成される」という用語は、明記されている機能を完遂するため、及び/又は他の構成要素と相互作用し、又は対話するために特定の構成を必要とする構造的限定を具体的な方法で説明するために使用されており、単なる所期の、又は理論上の用途を説明するために使用されているのではない。関係を示す用語や「概して」、「約」、「実質的に」等のより広い用語は、当業者であれば、開示及び/又は特許請求項の明確で確定的な範囲を提供するのと理解されるであろう。例えば、「概して垂直」という用語は、参照点に関して正確に90.00度である必要はなく、それを含め、機能的に等価であるものを含むと理解されるであろう。
【0013】
低侵襲手術で使用するように構成された本願で開示される医療機器の実施形態の特定の態様は、対応する振動システムにより駆動されて特定の運動を行うことのできる内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップを提供する。剥離器の振動運動は、電気焼灼の代替的方法として、又はそれと併用されて、組織の鈍的剥離を行うかもしれない。振動剥離器の各種の実施形態は、本明細書で説明、図示されているように、所定の運動を行うために振動システムの様々な対応する実施形態によって駆動されてよい。振動剥離器の様々な実施形態が本明細書において、振動システムの1つ又は複数の対応する実施形態と協働するように記されているが、当業者であれば、本明細書と図面をよく参照することにより、振動剥離器の各種の実施形態及び/又はそれらの何れかの組合せが振動システムの他の実施形態及び/又はその何れかの組合せによってどのように駆動されてよいかが、過度の実験を行わずに理解できるであろう。
【0014】
内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップは、既存の内視鏡に取り付けて、内視鏡粘膜下層剥離術(ESD)等の困難で時間のかかる処置を容易にしてもよい。簡潔にするために、本願で開示される内蔵型振動剥離器の各種の実施形態は、GI組織切除の分野でのESDにおいて使用するための内視鏡切除キャップに組み込まれる振動切除器として説明され、図示されている。当業者であれば、本願の明細書と図面をよく参照することにより、振動剥離器を同じ又はその他の医療及び/若しくは実験的用途のための同じ又は他の機器にどのように組み込まれるかを容易に理解し、他のどの機器と使用が適当であるかが、過剰な実験を行わずにわかるであろう。例えば、振動剥離器は、経口内視鏡的筋層切開術(POEM:peroral endoscopic myotomy)、胃部経口内視鏡的筋層切開術(G-POEM:gastric peroral endoscopic myotomy)、内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)、及び胃腸管内の組織の用手切除が必要な他の処置で使用されるようにうまく実装されるかもしれない。
【0015】
図1~10Bを参照すると、内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップの実施形態が示されている。内視鏡切除キャップ100は、第一のキャビティ108、第二のキャビティ106、及び第三のキャビティ110を有するハウジング102を含んでよい。少なくとも1つの切削面125を有する本体142を含むアーム104は、第一のキャビティ108内に可動式に受けられてよい。別段の明確な記載がないかぎり、本願の解釈において、本明細書で使用される「切削(カット)」という用語は外科用メス刃等の手術刀に関連するタイプの鋭利な刃による切開ではなく、組織剥離のための鈍的組織破壊を指すと理解すべきである。言い換えれば、相違点は、ここでいう組織剥離は、胃腸粘膜の病変組織等のより疎性の組織を除去し、その下にある固有筋層を侵襲したり、それを傷つけたりしない点である。第二のキャビティ106は、内視鏡の外周面の周囲と係合するように構成されていてよく、それは例えば摩擦嵌め、取付構造(接着剤、螺合コネクタ、ストラップ等)及び/又は他の何れかの取付手段を使って(取外し可能又は取外し不能に)固定されてよい。振動システム124のカムアセンブリ126は、第三のキャビティ110内に回転可能に受けられてよく、それによってカムアセンブリ126の第二の所定の運動(例えば、回転)によって、アーム104は、少なくとも1つの第一の平面130に沿った所定の周波数の第一の運動128を行ってよい。
【0016】
幾つかの実施形態において、ハウジング102は上部分132と下部分114を含んでよく、これらは接続面120において相互に接続される(上部分132と下部分114は一体に形成されてもよい)。上部分132は第一の部分112、第二の部分116、及び第三の部分118を含んでよい。第三の部分118は、下部分114の接続面120に(例えば、ねじ機構又はその他の適当な機構を通じて)可動式に接続されてよく、それによって第三の部分118は接続面120に関して実質的に垂直に上方に移動するかもしれない(例えば、最大5mm)。第一のキャビティ108と第三のキャビティは、ハウジング102の異なる部分により設置されてよい。第二のキャビティ106は、ハウジング102の上部分132と下部分114の両方の少なくとも一部を通じて延びてよく(例えば、図4に示される通り)、その中に摩擦嵌めを通じて内視鏡を受けるように構成されてよい。ハウジング102は、下部分114内の尖った端部分188に向かって延びる概して円筒形の上部分132を有していてよく、第二のキャビティ106はその中をハウジング102の側面に沿って延びる(例えば、図1~4に示される通り)。ハウジングの全体的構成は、そこに連結される機器(例えば、内視鏡)の各種の構成に対応するために、希望及び/又は必要に応じて異なっていてもよく、その場合も本発明の範囲から逸脱しないと理解されたい。
【0017】
幾つかの実施形態において、内視鏡切除キャップ100はまた、1つ又は複数の長さ方向ルーメン(例えば、図16に示されるように長さ方向ルーメン16240)を含んでよく、これはその中でアクセサリツール(例えば、内視鏡把持ツール及び/又は剥離ツール)を受け、方向付けるように構成されている。1つ又は複数の長さ方向ルーメンを有する内視鏡切除キャップの例は2017年4月27日に公開された米国特許出願公開第2017/0112361号明細書(米国インディアナ州BloomingtonのCook Medical Technologies LLC)に記載されており、同公開の全体を参照によって本願に援用する。幾つかの実施形態において、アクセサリツールには、図16Aに示されるように吸引回転アクセサリツール16300を含んでよい。吸引回転アクセサリツール16300は、長さ方向ルーメン16240にフィットする遠位端に穴16302を有するカテーテル16308を含んでよい。カテーテル16308は、ユーザ端にかけられる真空16306を有していてよく、これはユーザ端において駆動システムにより回転可能であってよい。使用中、粘膜下層線維は吸引を介して穴16302に入るかもしれず、カテーテル16308の回転により引き伸ばされ、破壊されるかもしれない。吸引回転アクセサリツール16300の構成は、内視鏡切除キャップの長さ方向ルーメン16240の構成に対応するように、希望及び/又は必要に応じて異なっていてもよい。
【0018】
幾つかの実施形態において、アーム104は、近位端部分144と遠位端部分146との間に延び、第一の表面138と反対表面140を有する本体142を含んでよい。少なくとも1つの切削面125の1つ又は複数の表面は、歯の構成であってよい。例えば、切削面125は、相互に離間して配置された複数の切取り部208(例えば、図1で示されるように3つの切取り部)を有していてよく、それによって、複数の離散した剥離面210(例えば、図1に示されるように4つの剥離面)が形成されてよい。複数の切取り部208と剥離面210の数、構成(例えば、形状、寸法)、及び位置は、アームが第一の所定の運動128(例えば、振動運動)を行うときに、組織の鈍的剥離を行うために所望の鈍的切削面125を達成するために希望及び/又は必要に応じて異なっていてよく、これについてはより詳しく後述する。例えば、図10Aに示されるように、剥離面210aは、より大きい寸法の比較的平坦な面を有し、それゆえ、剥離平面が比較的大きい場合に組織を剥離するために使用されてよい。剥離面210bはより小さい寸法の比較的鋭利な面を有しており、それゆえ、剥離平面が比較的小さい場合に組織を剥離するために使用されてよい。使用中、内視鏡切除キャップ100は、所望の剥離面210が対応する剥離平面に対応するために剥離すべき組織に向けられるように、希望及び/又は必要に応じて向き付けられてよい。鈍的切削面125により、意図せず重要な構造を切断することを回避するために精密且つ慎重になる必要なく、組織を安全にカットする能力が提供されてよく、それによって合併症の発生率と処置時間が低減する。切取り部208は、幾つかの実施形態においては1つ又は複数のくぼんだ鋭利な切削面を含んでよい(図示せず)。
【0019】
アーム104はまた、本体142の近位端部分144に隣接して、第一の表面138から外向きに配置される接続部分134と、本体142の近位端部分144に隣接して、反対面140から外向きに延びるガイド部分136も含んでよい。任意選択により、アーム104はまた、本体142の近位端部分144に隣接して、反対面140から外向きに、ガイド部分136から離間して配置された第一の延長部190も含んでよい。
【0020】
接続部分134は、上部分132の第三の部分118の中(例えば、図5に示されるように第一の溝166の中)に回転可能に受けられるように構成され、位置付けられてよく、それによってアーム104は第一の平面130内で回転可能であってよい(例えば、図10A及び10Bに示される通り)。第三の部分118が下部分114の接続面120に関して垂直に上方に移動すると、アーム104はそれに対応して伸展し(例えば、接続面120から離れるように移動し)、また、下部分114に関して引っ込む(例えば、接続面120に向かって移動する)。有利な点として、この構成により、希望及び/又は必要に応じて組織をさらに深く剥離することができる。そのため、アーム104は2つの固定位置、すなわち伸展位置と引込み位置との間で移動可能であってよく、そこにはハウジング102の中で過剰に前進するのを防止するための確実停止ストッパと、内視鏡切除キャップ100を患者の体内に挿入しているときの外傷を防止するための引込み確実停止ストッパがある。
【0021】
任意選択により、第一の延長部190は、接続部分134が第三の部分118内に回転可能に受けられると、上部分132の第一の部分112内(例えば、図2及び3に示されるように第二の溝192内に)回転可能に受けられるように構成され、位置付けられてよい。第一の延長部190は任意選択によるものであるものの、第一の延長部190と第一の部分112とを接続することにより、アームの運動中にアーム104はさらによく支持され、安定するかもしれない。幾つかの実施形態において、接続部分134と第一の延長部190は各々、第一の平面130に概して垂直に延びる実質的に円筒形の構成(例えば、図7、10A、及び10Bに示される通り)を有していてよい。接続部分134と第一の延長部190の構成(例えば、形状、寸法)と位置は、アーム104がハウジング102の第三の部分118と第一の部分112との間に回転可能に接続されるかぎり、(例えば、所望の支持を提供し、及び/又は接触面間の摩擦を軽減するために、図5及び3に示されるように本体142、第一の溝166、及び第二の溝192の構成及び位置に対応するために)希望及び/又は必要に応じて異なっていてもよく、この場合も本発明の範囲から逸脱しないと理解されたい。
【0022】
アーム104のガイド部分136は、接続部分134と第一の延長部190がそれぞれ第一の溝166と第二の溝192内に受けられると、ガイド部分136がカムアセンブリ126のカムトラック溝194内にスライド可能に受けられるように構成され(例えば、図7、10A、及び10Bに示されるように円筒形か、又は他の何れかの適当な構成)、位置付けられてよく、それについてはより詳しく後述する。
【0023】
幾つかの実施形態において、カムアセンブリ126は、本願の図面に示されているようにバレルカムであってよいが、当業者は本開示によって、本開示の、その特許請求項を含む範囲内で、他のカム機構を使用することが可能となり、例えば、非限定的な例として、板カム、正面カム、及び/又は近位側の制御要素の動きを何れかの鋭利及び/又は鋭利でない剥離面を含むアームの振動運動に変換するように構成されたその他のカム又はギアである。本願で示されている例について、バレルカムは図8及び9に示されており、カムアセンブリ126は上部分148、下部分150、及び上部分148と下部分150との間に配置された中間部分152を含んでよい。上部分148は第一の上面154と第一の底面156を有していてよく、第一の底面156は第一の上面154に向かって傾斜してよい。下部分150は第二の上面158と第二の底面160を有していてよく、第二の上面158は第二の底面160に向かって傾斜してよい。
【0024】
カムアセンブリ126はまた、上部分148の第一の上面154から上方に延びる上接続部分162を含んでよい。上接続部分162は、ハウジング102の上部分132の第二の部分116に回転可能に接続される(例えば、図1及び6に示されるように第一のルーメン170内に受けられ)ように構成されてよい。カムアセンブリ126はまた、下部分150の第二の底面160から外側に延びる下接続部分164も含んでよい。下接続部分164は、ハウジング102の上部分132の第三の部分118と回転可能に係合する(例えば、図1及び5に示されるように、第一の切取り部168内に受けられる)ように構成されてよい。
【0025】
幾つかの実施形態において、カムアセンブリ126の上部分148、下部分150、中間部分152、上接続部分162、及び下接続部分164は、カムアセンブリ126を通って延びる第二のルーメン178を有する実質的に円筒形の構成であってよい。第二のルーメン178は、上接続部分162が第二の部分116の第一のルーメン170内に受けられると、第二の部分116の第二の延長部182(例えば、図6に示される通り)は第二のルーメン178内に回転可能に受けられるように構成されてよい。カムアセンブリ126が第三のキャビティ110内に位置付けられると、駆動システム184はハウジング102の下部分114の第一のチャネル122を通じて、及び第二のルーメン178の少なくとも一部を通って(例えば、図2、3、10A、及び10Bに示される通り)延びるワイヤ101を通じてカムアセンブリ126に接続されてよい。駆動システム184は、内視鏡切除キャップ100の外部のユーザ端に配置されるか、又は内視鏡のシャフト内に内蔵型された何れの適当なタイプのモータを含んでもよく、これは機械的運動を発生させ、及び/又は振動システムを制御するように構成される。例えば、駆動システム184のユーザ端における近位側の動き(例えば、回転運動)は、カムアセンブリ126までのワイヤ101の長さにわたって伝達されてよく、それによって、カムアセンブリ126が第一の軸186の周囲で(例えば、図9~10Bに示される通り)所定の周波数で回転し、それがガイド部材136とアームを介して遠位端146の所望の周波数、例えば約25Hz~約200Hzの周波数での振動運動に変換される。「約」という用語は、本明細書において、言及された正確な値のほか、その正確な値の上下両方を含む、その正確な値の5%以内の何れの値も含むと定義される。
【0026】
幾つかの実施形態において、図8及び9に示されるように、カムアセンブリ126の上及び下部分148及び150は、約1.5mm~約6mmの範囲の第一の外径172を有していてよい。上及び下接続部分162及び164は、約1mm~約4mmの範囲の、第一の外径172より小さい第二の外径174を有していてよい。中間部分152は、約0.5mm~約4mmの範囲の、第二の外径174より小さい第三の外径176を有していてよい。
【0027】
第一及び第三のキャビティ108及び110の受容/係合部分、例えば図5に示されるような第三の部分118の第一の切取り部168、図3に示されるような第一の部分112の第二の切取り部180、及び図6に示されるような第二の部分116の第二の延長部182と第一のルーメン170は、カムアセンブリ126の対応する部分が、カムアセンブリ126の回転中に必要な支持及び安定性を提供しながら、それぞれの対応表面間の摩擦を最小化するように、適当なクリアランスを設けて回転可能に受けられるように構成されてよい。ハウジング102の上部分132の第一、第二、及び第三の部分112、116、及び118並びにカムアセンブリ126の様々な部分の構成(例えば、形状、寸法、配置)は、例えば、これらに限定されないが、接続面120、アーム104、第二のキャビティ106、第一のチャネル122の構成(例えば、形状、寸法)及び位置並びにハウジング102がその中にアクセサリツールを受け、方向付けるための追加の長さ方向ルーメンを含むか否か等、各種の設計ニーズに対応して本明細書に記載の機能を果たすために、異なっていてよく、これらも本発明の範囲から逸脱しないと理解されたい。
【0028】
幾つかの実施形態において、カムトラック溝194は、中間部分152の第一の底面156、第二の上面158、及び外面196により画定されてよい。カムトラック溝194は、図9~10Bに示されるように、その中にガイド部分136の少なくとも一部をスライド可能に受けるように構成されてよく、それによってカムアセンブリ126が第一の軸186の周囲で回転すると、アーム104のガイド部分136はカムトラック溝194内で、所定の軌道198に沿ってスライドしてよく、それによってアーム104は第一の平面130に概して垂直な第二の軸200と第一の軸186の周囲での第一の平面130内の所定の振動運動128を行うように付勢されてよい。ガイド部分136の構成は、ガイド部分136の外面が第一の底面156及び第二の上面158と係合して、ガイド部分136の運動がカムアセンブリ126の回転により制御されるかぎり、希望及び/又は必要に応じて異なっていてもよく、これも本発明の範囲から逸脱しないと理解されたい。
【0029】
例えば図9に示されるように、上部分148の第一の底面156は、第一の上面154に平行な上平面202に関して角度βで第一の上面154に向かって傾斜してよい。下部分150の第二の上面158は、第二の底面160に平行な下平面200に関して角度αで第二の底面160から遠ざかるように傾斜してよい。角度β及びαは、同じでも異なっていてもよく、アーム104のガイド部分136がカムトラック溝194内でそれに沿ってスライドする異なる所定の軌道198を実現するために、希望及び/又は必要に応じて異なっていてもよい。幾つかの実施形態において、角度βは、約5度~約45度であってよく、角度αは約5度~45度であってよい。カムアセンブリ126の回転により、カムトラック溝194の傾斜面によって、ガイド部分136はハウジング102の下部分114に関して軸186に沿って上方又は下方に移動してよい(すなわち、カムアセンブリ126に関して所定の軌道198に沿って移動してよい)と理解されたい。
【0030】
図9に示される曲線199は、カムアセンブリ126に関する所定の軌道198を曲線へと延ばすことによって、カムアセンブリ126が1回転のサイクルを終了させるときのガイド部分136の上下運動の実際の軌道を表して、ガイド部分136の上方運動の第一の振幅204とカムトラック溝194内のガイド部分136の下方運動の第二の振幅206を示すと理解されたい。所定の軌道198(例えば、曲線の第一の振幅204、第二の振幅206、及び形状)は、角度β及びα、上部分148の第一の底面156の形状、並びに/又は下部分150の第二の上面158の形状を変化させることによって異なるようにしてもよいと理解されたい。例えば、角度β及びαが大きいほど、実現される第一及び第二の振幅204及び206は大きくなるかもしれない。所定の軌道198は様々な形状で構成されてよく、これには(ただし、これに限定されないが)曲線の波、正弦波、及び連続波が含まれる。表面156、158の大きさと構成は、カムアセンブリ126の回転に関する振動の弧長と周波数の両方に関してアームの振動運動に直接影響を与え、これにはカム1回転当たり複数回の振動を提供する能力が含まれる。
【0031】
図10A及び10Bに示されるように、カムアセンブリ126が第一の軸186の周囲で回転し、それによってガイド部分136がハウジング102の下部分114に関して上方に移動すると、アーム104は第一の平面130内で反時計回り方向に回転するように付勢されてよい(図10A)。すなわち、カムアセンブリ126が回転すると、アーム104のガイド部分136は、カムトラック溝194と係合して、カムアセンブリ126の回転運動をアーム104の振動運動に変換することによって、カム従動子として機能してよい。カムアセンブリ126を内視鏡切除キャップ100内での遠位端に配置することにより、近位側のユーザ端に配置して、力を長いカテーテルで伝達し、ユーザ端での回転運動からの力の伝達を喪失することとは対照的に、より大きな機械的利点が得られる。
【0032】
カムアセンブリ126が第一の軸186の周囲で回転し、それによってガイド部分136がハウジング102の下部分114に関して下方に移動すると、アーム104は第一の平面130内で時計回り方向に回転するように付勢されてよい(図10B)。第一の軸186の周囲でカムアセンブリ126が連続的に回転すると、アーム104は第一の平面130内で所定の弧長に沿って振動するかもしれない。所定の弧長は、カムトラック溝194の構成を変化させることによって(例えば、第一の振幅204及び第二の振幅206を変化させることにより角度β及びαを変化させることによって)、希望及び/又は必要に応じて異なるようにしてよい。例えば、第一及び第二の振幅204及び206が大きいほど、実現される弧長はより大きくなるかもしれない。幾つかの実施形態において、カムトラック溝194は、カムアセンブリ126の回転により、アーム104は、カムアセンブリの回転との相互作用に応答して、第一の平面130内で約0.5mm~約7.0mm、ただし最大約30mmの弧長に沿って振動するように構成されてよい。アーム104の振動周波数はまた、例えば約25Hz~約200Hzの所定の周波数で振動する駆動システム184を通じて事前に決定されてもよい。
【0033】
有利な点として、アーム104の鈍的切削面125のこのような(例えば、比較的小さい弧長に沿った比較的高い周波数での)振動運動は、見えるものの小さい様々な剥離平面内の粘膜下層のがん組織を鈍的に剥離することを可能にし、医師は領域全体を完全に剥離するために小さいカットを何度も慎重に行う必要がなく、それによってミスを犯し、予期せず血管を切断したり、筋肉を穿孔したりする可能性が低くなる。アーム104の振動運動により提供される鈍的剥離はまた、出血や穿孔等、電気焼灼に伴う固有の合併症を回避することも可能となる。
【0034】
図11~11Aを参照すると、内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップの他の実施形態が示されている。内視鏡切除キャップ11100は、上部分11132と下部分11114を有するハウジング11102を含んでよい。ハウジング11102は、第一のキャビティ11108と第二のキャビティ11106を含んでよい。第一のキャビティ11108は、アーム11104がその中に回転可能に受けられて、上部分11132の第三の部分11118に接続部分11134を通じて接続されるように構成され、位置付けられてよい。第二のキャビティ11106は、内視鏡の外周面の周囲に係合するように構成されてよい。幾つかの実施形態において、第二のキャビティ11106は、ハウジング11102の上部分11132と下部分11114の両方の少なくとも一部を通って延びていてよく(図4に示される構成と同様)、その中に内視鏡を摩擦嵌めを通じて受けるように構成されていてもよい。
【0035】
アーム11104は、より詳しく前述したように、複数の切取り部11208と複数の剥離面11210を備える少なくとも1つの切削面11125を含んでよい。幾つかの実施形態において、図11に示されるように、アーム11104は、第一の面11138上に第一の受容スロット11220と第二の受容スロット11222を含んでよい。第一の受容スロット11220と第二の受容スロット11222は、それぞれ第一の接続部材11224と第二の接続部材11226に可動式に接続されてよい。
【0036】
第一の接続部材11224は、第一の接続部材11224の第一の遠位端11224aと第一の近位端11224bとの間に延びていてよい。第二の接続部材11226は、第二の接続部材11226の第二の近位端11226aと第二の近位端11226bとの間に延びていてよい。第一の接続部材11224の第一の遠位端11224aは、第一の受容スロット11220の中にスライド可能に受けられてよく、第二の接続部材11226の第二の遠位端11226aは第二の受容スロット11222内にスライド可能に受けられてよく、それによって第一及び第二の近位端11224b及び11226bの操作によって、アーム11104は第一の平面11130内でハウジング11102に関して少なくとも1つの弧に沿って回転してよい。幾つかの実施形態において、第一及び第二の接続部材11224及び11226は、軸方向に張られたプルワイヤであってよく、これは柔軟なステンレススチールワイヤロープ、例えばUHMWPEファイバを含むポリマ組成物、その他のステンレススチール若しくは金属構成、又はその他のポリマ構成で構成されてよく、これは全ての実施形態に当てはまる。第一及び第二の接続部材11224及び11226の少なくとも一部は、それぞれ第一及び第二のシース11228及び11230を通って延びていてよい。第一及び第二のシース11228及び11230は、軸方向に圧縮された硬いシースであってよく、ポリマの外装を有するステンレススチールの密巻ばねで構成されてよい。第一及び第二の遠位端11224a及び11226aは各々、キャップ構成を有していてよく(ポリマ材料で構成されてよい)、これは、第一及び第二の遠位端11224a及び11226aはそれぞれ第一及び第二の受容スロット11220及び11222の中にスライド可能に受けられてよく、アーム11104の回転中にそこから外れないような(例えば、外に落ちない)形状及び大きさとされる。
【0037】
第一及び第二の接続部材11224及び11226はハウジング11102を通じて延びてよく、それによってそれらのそれぞれの第一及び第二の近位端11224b及び11226bはハウジング11102の下部分11114の外へと延び、振動システム11124に連結されて、アーム11104の回転を案内する。幾つかの実施形態において、図11Aに示されるように、振動システム11124は、第一の端部分11232aと第二の端部分11232bとの間に延びるガイド部材11232を含んでよい。ガイド部材11232は、ポリマ又は金属製の構成要素で構成されてよい。第一の接続部材11224の第一の近位端11224bは、ガイド部材11232の第一の端部分11232aに接続されてよく、第二の接続部材11226の第二の近位端11226bはガイド部材11232の第二の端部分11232bに接続されてよい。
【0038】
幾つかの実施形態において、振動システム11124は第一のポスト11234及び第二のポスト11236を含んでよく、これらはそれぞれ第一及び第二のシース11228及び11230の近位端に連結される。第一及び第二のポスト11234及び11236は各々、開口を含んでよく、これは、それぞれ第一及び第二の接続部材11224及び1126の第一及び第二の近位端11224b及び11226bがそれぞれガイド部材11232の第一の端部材11232a及び第二の端部分11232bに接続される前に、それぞれ通過できるように構成される。有利な点として、第一及び第二のシース11228及び11230並びに第一及び第二のポスト11234及び11236は、第一及び第二の接続部材11224及び11226に対して、運動中にその長さの少なくとも一部に沿って支持を提供するかもしれない。第一及び第二のポスト11234及び11236並びに第一及び第二のシース11228及び11230により、アーム11104の回転平面を、ガイド部材11232が第一の平面11130内で回転するとアーム11104が第一の平面11130内で回転するように画定することも可能となるかもしれない。
【0039】
ガイド部材11232は駆動システム(例えば、前述の駆動システム)に接続されてよく、それによってガイド部材11232は第一の平面11130内で回転可能であってよい。ガイド部材11232が第一の平面11130内で時計回り方向に回転すると、それによって第一及び第二の接続部材11224及び11226の一方(例えば、図11及び11Aに示されるように、第二の接続部材11226)が引っ張られ、アーム11104が第一の平面11130内で時計回り方向に回転してよい。ガイド部材11232が第一の平面11130内で反時計回り方向に回転すると、それによって第一及び第二の接続部材11224及び11226のもう一方(例えば、図11及び11Aに示されるように、第一の接続部材11224)が引っ張られて、アーム11104は第一の平面11130内で反時計回り方向に回転してよい。前述のように、振動システム11124と駆動システムは、アーム11104がハウジング11102に関して、所定の弧長(例えば、約0.5mm~約7.0mm、最大約30mm)に沿って所定の周波数(例えば、約25Hz~約200Hzで回転するように付勢されるかもしれない。所定の弧長は、アーム11104並びに第一及び第二の受容スロット11220及び11222の構成を変化させることによって、希望及び/又は必要に応じて異なるようにされてよく、その場合も本発明の範囲から逸脱しない。
【0040】
幾つかの実施形態において、アーム11104は、上部分11132の第三の部分11118に接続部分11134を通じて回転可能且つ旋回可能に接続されてよく、それによってガイド部材11132を操作することにより、第一及び第二の接続部材11224及び11226の1つ又は2つは、アーム11104が第一のキャビティ11108内で旋回によって第一の平面11130から外れてよい。例えば、図11Bに示されるように、アーム11104は旋回により第一の平面11130に関して角度φの第二の平面11133に入ってよい。角度φは、約0~約45度であってよい。この構成では、ガイド部材11132は、第二の平面11133内で回転可能であってよく、それによってガイド部材11132が回転すると、アーム11104は第二の平面11133内で回転してよい。
【0041】
有利な点として、この構成により、ユーザは内蔵型振動剥離器の高さを、組織により近い位置でのカットを容易にするように設定でき、また、切削面11125のエッジがよりよく見えるようにできる。換言すれば、剥離器は、回転して医師の視野(視界)に入ることができ(当初の剥離平面の外へと斜めに向かって)、それによって剥離平面がよく見え(例えば、視界の中心に近付く)、それによって正確なカットが容易になる。そうでなければ、剥離器の切削面が破壊の境界付近にあるかもしれず、そこでは切削平面がよく見えず、剥離器の振動運動が剥離平面までの医師の視野を遮り、それが不正確なカットの要因となるかもしれない。例えば図11Bに示されるように、アーム11104が旋回して第二の平面11133に入ると、切削面11125のエッジは、視野11135の境界11137ではなく内視鏡11139の視野11135の中央に近付き、それによって剥離平面と血管が常によく見える。それに加えて、アーム11104が旋回して様々な平面に入り、様々な平面内で振動できることによって、アーム11104は様々な剥離平面内の組織と相互作用することができ、これには難しい解剖学的位置におけるそれらも含まれる。有利な点として、内視鏡の限界、内視鏡の異なる位置の他、患者の解剖学的位置による内蔵型振動剥離器の様々な位置に対応することのできる、ある程度のフレキシビリティが提供される。
【0042】
図12~13Dは、内視鏡切除装置12100の他の実施形態を示す。図12は、一般的な非限定的内視鏡12311を示す。この、又は何れの内視鏡も、取外し可能に取り付けられた内視鏡切除キャップ(例えば、キャップ12311)を備えていてもよく、又は内蔵型内視鏡切除要素と一緒に構成されてもよく、それは明示的に図1~11B、14~20、及び23~25の何れをも含め、本明細書の実施形態の何れかに示されるものと同じタイプの振動又は往復運動剥離要素を用いる。当業者であれば、内視鏡12311がステアリングコントロール12313、少なくとも1つのアクセスポート12315、少なくとも1つの可視化要素(図示されないが、内視鏡技術に関する当業者であれば容易に理解できる)、及びシャフトの遠位端付近の1つ又は複数の端視及び/又は側視素子(図示せず)を含むステアラブルシャフト12317のほか、照明、洗浄、ツール及び/又は薬剤の通過のために存在するかもしれないその他の構造や、内視鏡技術において知られているその他の特徴を含むことがわかるであろう。留意すべき点として、「往復運動」という用語は、本明細書において、単に軸の周囲での回転だけでなく、固定された軸を横切る、その軸に関する回転の有無を問わない運動も含む運動を指すために使用されている。この往復運動構造及び機能のほか後述のアームの長さ方向の湾曲は、この実施形態と図11のそれとの違いであるが、その他の特徴は同様であるか、又はそれ以外に互換可能であり、図11Aの運動機構もまたこの実施形態でも使用されてよい。
【0043】
図12A及び12Bに示されるように、内視鏡切除キャップ12100は、上部分12132と下部分12114を有するハウジング12102を含む。これはまた、内視鏡の視野から物体を取り除くのを助けるように構成されたドレーン穴12117も含んでよい。ハウジング12102は、外側の第一のキャビティ12108と内側の第二のキャビティ12106を含んでよい。第一のキャビティ12108は、アーム12104がその中に受けられ、上部分12132の第三の部分12118に接続ピン12134を通じて横方向に往復運動するように接続されるように構成され、位置付けられてよい。第二のキャビティ12106は、内視鏡の外周面の周囲に取外し可能に係合するように構成されてよい(又は、切除部分が内視鏡と一体に構成されている実施形態では実質的になくてよい)。幾つかの実施形態において、第二のキャビティ12106は、ハウジング12102の上部分12132と下部分12114の両方の少なくとも一部を通って延びてよく(図4に示される構成と同様)、内視鏡をその中に摩擦嵌め又は、キャップを内視鏡アクセサリツールとして使用するために内視鏡に釈放可能に固定する、その他の釈放可能/取外し可能な取付手段を通じて受けるように構成されてよい。
【0044】
アーム12104は、少なくとも1つの切削面12125を含んでよく、これは複数の切取り部12208と複数の剥離面12210を有し、これについてはより詳しく後述する。この実施形態において、アーム12104は第一の受容チャネル12220と第二の受容チャネル12222を含む。第一の受容チャネル12220と第二の受容チャネル11222はそれぞれ、第一のプルワイヤ12224として具現化される第一の接続部材と第二のプルワイヤ12226として具現化される第二の接続部材のためのスライド可能な通路を提供する。図12C~12Dはそれぞれ、アーム12104の側面図と回転させた斜視図を示し、これはその近位-遠位の長さ方向軸に沿って湾曲し、また、剥離端と反対側に湾曲端を含む。長さ方向次元の湾曲(湾曲した想像線12104aと対比させて長さ方向軸の破線12104bに沿って示される)は、内視鏡の向きをアクセスしている体内通路内での正常なアラインメント状態から大きく変化させることなく、その遠位剥離面12210を標的組織に向かう向きとすることによって、アーム12104の操作中に有効な剥離動作を提供するように構成される。この図12Cのこの実施形態(例示的なアーム長さは0.48インチ、幅は0.28インチ)の直線軸12104bと湾曲12104aとの間の差は、ギャップCで表され、図の曲率半径は2インチで、ギャップCは0.03インチであり、これは実施形態では、曲率半径0.5~5インチ、対応するギャップは0.005~2インチとすることができ、これはアームの大きさによって異なっていてもよい。特に、角度は、標的組織に関する角度のために提供され、それによって医師が(キャップ又は一体の剥離器ツール端を有する)内視鏡を操作すると、アームの曲線は固有筋層へと向けられる。この湾曲は直線的な剥離器に対して利点を提供し、これは、それによって医師は、正しい剥離平面を狙いながら、内視鏡を能動領域内でその主軸に沿って前進させることができるからである。直線的な(本明細書の他の箇所で教示されるように調整可能ではない)剥離器を用いる実施形態では、医師は積極的にキャップ(又は一体化されたツール端)を有する内視鏡を固有筋層に向かって傾けて、重なる標的組織を崩壊させる必要がある。そのためには典型的に、内視鏡に何度も方向の微調整を行うことが必要となる。さらに、遠位視型内視鏡と整列される直線/調整不能剥離器の場合、内視鏡カメラの軌道は強制的に固有筋層に向けられて、アームが標的組織と接触することになり、これによって粘膜下層空間の見え方が限定されるかもしれない。したがって、湾曲アーム12104は、先行技術のシステムと機器に対する利点を提供する。
【0045】
第一のワイヤ12224は、アーム12104の片側へと延びてそこに接続され、第二のワイヤ12226はアーム12104の反対側へと延びてそこに接続され、第一及び第二のワイヤ(図示されないが、切除部分と近位側ワイヤ端との間)の長さの大部分はアームが図12B及び13Aに示されるように中立の中央位置にあるときに、平行であるか、又は概して平行であってよい。ワイヤ間のアーム12104を通じた長いスタジアム形状の穴12133によって、アームはピン12134に関して横方向に往復運動する(図の長円形の穴は平行な直線の辺を持つ長方形と半円形又は楕円の端から構成されるが、穴の形状は、ハウジングに関するアームの所望の動きを変化させるために、例えば楕円、アーチ状、又はそれ以外に、単純なピンの周囲での旋回回転ではなく、ピンを横切る往復運動を可能にするその他の形状の穴等、本願の範囲内で異なっていてもよい)。第一及び第二のワイヤ並びにピンのこのような配置と取付は、第一及び第二の近位側ワイヤを操作すると、アーム12104が第一の平面12130内で往復運動し、それによって剥離器面12210は、図13A(中心にある)、13B(左側のワイヤが引っ張られて、アーム12104が動き、その遠位端が最も左にあり、その近位端が最も右にある)、13C(右側のワイヤが引っ張られて、アーム12104が動き、その遠位端が最も右にあり、その近位端が最も左にある)、及び13Dに示されるように、ハウジング12102に関して少なくとも弧12211を描くように構成される。アームは、対応するワイヤを引っ張ったことに応答して、ピンを横切って前後に往復運動し、それと同時に前後に揺れ、運動の範囲はハウジング12102及びピンと穴の関係によって制限される。図13A、13B、及び13Cの合成である図13Dに示されるように、アームの遠位側端面は、近位側のアーム端が(ある程度の旋回運動と共に)ピンに関して前後に往復運動し、遠位側のアーム端がそれに対応して振動すると、標的組織と接触するために扁平な弧を描く。
【0046】
図14は、内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップ14100の他の実施形態を示し、これはアーム14104、接続ガイド14136、及び振動システム14124を含んでよい。接続ガイド14136は、アーム14104に接続された遠位端14136aと近位端14136bとの間に延びてよい。振動システム14124はカムアセンブリ14126を含んでよく、これは、接続ガイド14136の近位端14136bと係合するように構成されたカム表面14194を有する。カムアセンブリ14126は、駆動システム(例えば、プーリシステム)に連結されてよく、それによってカムアセンブリ14126は第一の平面14130内で回転可能であってよい。幾つかの実施形態において、図14に示されるように、第一の平面14130内のカムアセンブリ14126の回転によって、接続ガイド14136の近位端14136bはカム表面14194の少なくとも一部に沿って移動してよく、それによって、それに応答してアーム14104は所定の周波数での第一の所定の運動(例えば、所定の弧長に沿った振動運動)を行ってよく、これについてはより詳しく前述した。
【0047】
図15は、内蔵型振動剥離器を備える内視鏡切除キャップ15100の他の実施形態を示しており、振動システム15124はアーム15104に回転可能に接続されたギアアセンブリ15126を含んでよく、それによって第一の平面15130内のギアアセンブリ15126の回転によって、アーム15104は、第一の平面15130内の所定の周波数での第一の所定の運動(例えば、所定の弧長に沿った振動運動)を行ってよく、これについてはより詳しく前述した。ギアアセンブリ15126は、内視鏡切除キャップ15100のハウジング内に配置され、ユーザ端の駆動システム(例えば、あらゆる適当なタイプのモータ)により動力が提供されてよい。この実施形態において、アーム15104はギア構成を有していてよく、アーム15104の歯車の歯は剥離面15210としての機能を果たしてよい。
【0048】
図17~19は、同じ又は異なる切削目的のための内視鏡切除キャップに組み込むことのできるアームの3つの実施形態を示す。図17に示されるように、アーム17104は先端の尖った切削面17125を有していてよい。切削面17125は、組織を把持しやすくするための逆向きの切取り部/返しを有していてよく、それによってアーム17104はより効率的に線維を破壊し、処置時間が短縮されるかもしれない。図18に示されるように、アーム18104はT字形の構成を有し、比較的平坦な切削面18125と2つの比較的平坦なエッジ18129を有していてよい。T字形の構成によって、組織を引っかけることができるかもしれない。2つの比較的平坦なエッジ18129は、比較的平坦な切削面18125では剥離することのできない血管や線維組織を焼灼するように構成された焼灼面(例えば、電極)を含んでよい。図19に示されるように、アーム19104は湾曲した切削面19125を含んでよく、これは複数のU字形切取り部間に配置された1つ又は複数の歯19210を有する。切取り部の位置により、図17及び19に示される実施形態は、前方(遠位方向)への、及び側方(これらの実施形態の遠位-近位軸に関して横方向)への両方の移動で組織を剥離するかもしれず、図18に示される実施形態は、前方(遠位方向)への移動で組織を剥離するかもしれない。追加的又は代替的に、幾つかの実施形態において、切削面19125は不均一な特徴物を有する粗い表面を有していてよく、これは振動中に組織の鈍的剥離を行うかもしれない。何れのアームの実施形態も、及び上述のアームの実施形態の何れの変形及び組合せも、対応する振動システムと共に内視鏡切除キャップに組み込んで、所定の周波数での所定の振動運動を行うことができると理解されたい。
【0049】
アームの回転半径とアームの歯の高さは、回転の所望の弧長を実現するために、希望及び/又は必要に応じて異なっていてもよく、その場合も本発明の範囲から逸脱しない。例えば、図17~19に記されるように、アーム(17104、18104、19104)は、軸(17141、18141、19141)の周囲で回転可能であってよく、半径(17131、18131、19131)は約2.5mm~約10mmの範囲である。図19に示される実施形態において、1つ又は複数の歯19210は約0.1mm~約2mmの範囲の歯の高さ19143を有していてよく、アーム19104の回転の弧長は、振動1回につき約0.5mm~約7.0mmであってよく、最大30mmであってよい。
【0050】
アームの歯は様々な構成を有していてよく、それも本発明の範囲から逸脱しないと理解されたい。例えば、図23に示されるように、歯23210は、歯への入口開口23211が歯の基部23214間の底領域23213より小さい直径を有していてよく、それによって各歯が標的組織を捕捉し、切り裂くのを助ける。他の例に関して、図24に示されるように、歯24210は異なる高さの突起を有して、複数の組織密度を捕捉してよく、すなわち、より大きい歯(例えば、24210a及び24210b)はより疎性の組織を捕捉し、より小さい歯(例えば、24210c~24210e)は、ある程度より密性の組織を捕捉するが、固有筋層の、さらに密性の健康なその下の組織は捕捉しないかもしれない。幾つかの実施形態において、図25に示されるように、歯25210のエッジは面取りされた、非対称な円形、三角形、非対称の台形、又は希望及び/若しくは必要に応じた何れの適当な構成であってもよい。これらの歯/複数の歯の構成の各々において、各々が柔らかい標的組織(例えば、特に病変がある場合の腸粘膜及び粘膜下層組織)のみをカットし、及び/又は引き裂くが、その下の、又はそれ以外に隣接する健康な組織(例えば、健康な血管、筋組織)はそうしないことが好ましい。
【0051】
アーム及び対応する振動システムの他の実施形態が組織の鈍的剥離を行うように企図されてよい。幾つかの実施形態において、図20に示されるように、アーム20104は永久磁石であるか、又は永久磁石に直接取り付けられてよい。隣接する誘導子20124(例えば、強磁性材料の周囲に巻き回されたコイル)と交流電流によって、アーム20104は第一の状態20111と第二の状態20113との間で振動してよい。誘導子20124のための電源と回路構成は、ユーザ端に配置されてよい。この実施形態により、アームを振動システムの一部として組み込むことが可能となり、それゆえ、別の異なる振動システムが使用された場合に必要になるであろう連結機構成要素(例えば、ギア、レバー)が不要となる。
【0052】
幾つかの実施形態において、図21に示されるように、内視鏡切除キャップ21100は、キャップの遠位端21117の背後にアーム21104(例えば、回転刃構成を有する)を含んでよい。キャップの遠位端21117は複数の穴21115を含んでよく、それによって結合組織を穴21115を通じて吸引でき、アーム21104は裸眼視力より高速で回転してよく、それゆえ視界を遮らない。この実施形態によって、粘膜下層線維を安全に素早く剥離し、それと同時に血管が穴21115から入るのを防止することによって血管を避けることにより、鈍的剥離を行うことができるかもしれない。
【0053】
幾つかの実施形態において、アームは平行な2つのアーム構成要素を含んでよく、一方のアーム構成要素は固定され、もう一方は固定されたアーム構成要素に関して振動し、それによって動的アーム構成要素が作動されるとせん断動作が行われるかもしれず、これは本願の図面と実施形態を参照すれば容易に理解されるであろう(例えば、当業者であれば、このような実施形態のための、電動バリカンと同様に動作する一枚歯又は複数歯のアームの配置を容易に想像し、理解するであろう)。幾つかの実施形態において、アームはポリマ又は金属のワイヤ、ストリング、モノフィラメント、網組構造、又はその他を含んでよく、これは回転機構に取り付けられてよく、それによって、筋や動脈内に見られる組織を破壊することなく、結合組織の粘弾性を克服するように引張応力が調整され、ポリマコード付き草刈り機と同様に動作する。この実施形態により、アームは振動運動のための機構を必要とせずに鈍的剥離を行うことができる。例えば、図22に示されるように、剥離器はアーム22104が回転軸に垂直(図22の左側)又はカムアセンブリ22126を介して回転軸に平行(図22の右側)の何れかに回転及び/又は振動するキャップ設計の置換であってよい。幾つかの実施形態において、剥離器は、カテーテルを通るトルクケーブル/チューブを含むか、さらにはそれから構成されてよく、アームがトルクケーブル/チューブの遠位端に取り付けられる。
【0054】
1つの一般的態様には、ハウジングが内視鏡把持ツールを受け、方向付けるように構成された長さ方向ルーメンをさらに含む医療機器が含まれ、内視鏡の外周面の周囲との係合は、その中に摩擦嵌めを通じて内視鏡を受けるように構成された第二のキャビティによって提供される。
【0055】
実施例は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含んでよい。第一の所定の運動がアームの遠位端部分の振動運動を含み、振動運動の弧長は約0.5mm~約7.0mmであり(及び最大30mmであってよく)、所定の周波数が約25Hz~約200Hzである医療機器。アームがアームの長さ方向軸に沿って湾曲する医療機器。アームがハウジングに取り付けられたピンに関して往復運動可能な長い穴を含む医療機器。振動システムはプルワイヤを含み、各々が、各プルワイヤのそれぞれの近位端と遠位端との間に延び、プルワイヤの遠位端はアームに取り付けられて、プルワイヤの近位端を操作すると、アームは第一の所定の運動を行う医療機器。振動システムはカムアセンブリを含み、これはその中にアームのガイド部分の少なくとも一部を受けるように構成されたカムトラック溝を有し、アームのガイド部分はカムアセンブリの回転に応答してカムトラック溝の少なくとも一部に沿って移動して、アームが第一の所定の運動を行う医療機器。医療機器は、遠位端と近位端との間に延びる接続ガイドをさらに含み、接続ガイドの遠位端はアームに接続され、振動システムはカムアセンブリを含み、これは接続ガイドの近位端と係合するように構成されたカム表面を有し、接続ガイドの近位端は、カムアセンブリの回転に応答してカム表面の少なくとも一部に沿って移動して、アームが第一の所定の運動を行う。振動システムはアームに回転可に接続されたギアアセンブリを含み、ギアアセンブリの回転によってアームは第一の所定の運動を行う医療機器。振動システムは、アームに第一の所定の運動を行わせるように構成された交流電流が印加される誘導子を含む医療機器。
【0056】
1つの一般的態様は、低侵襲手術を容易にするための医療機器を含み、これは、第一のキャビティを含むハウジングと、少なくとも1つの組織剥離面を含み、第一のキャビティ内に回転可能に受けられるアームであって、第一の受容スロットと第二の受容スロットを含むアームと、第一の接続部材の第一の遠位端と第一の近位端との間に延びる第一の接続部材と、第二の接続部材の第二の遠位端と第二の近位端との間に延びる第二の接続部材と、を含み、第一の接続部材の第一の遠位端は第一の受容スロット内にスライド可能に受けられ、第二の接続部材の第二の遠位端は第二の受容スロット内にスライド可能に受けられ、第一及び第二の近位端の操作によって、アームはハウジングに関して少なくとも1つの弧に沿って回転する。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ又は複数のコンピュータ記憶装置上に記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が方法の動作を実行するように構成される。
【0057】
実施例は、以下の特徴の1つ又は複数を含んでよい。振動システムをさらに含み、振動システムは第一の端部分と第二の端部分との間に延びるガイド部材を含み、第一の接続部材の第一の近位端は第一の端部分に接続され、第二の接続部材の第二の近位端は第二の端部分に接続され、ガイド部材の運動によって第一及び第二接続部材が移動し、アームがハウジングに関して回転するように構成される医療機器。ガイド部材は第一の平面内で時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能であり、ガイド部材が第一の平面内で時計回り方向に回転すると、それによって第一及び第二の接続部材の一方が引っ張られて、アームが時計回り方向に回転し、ガイド部材が第一の平面内で反時計回り方向に回転すると、それによって第一及び第二の接続部材のもう一方が引っ張られて、アームは第一の平面内で反時計回り方向に回転する。ガイド部材が駆動システムに接続されて、それによってガイド部材は回転して第一の平面から出ることができる医療機器。アームは回転可能且つ旋回可能にハウジングの第三の部分に接続され、ガイド部材は、ガイド部材の操作によって第一及び第二の接続部材の1つ又は2つが移動して、アームは第一の平面に関してある角度で第二の平面へと入り、ガイド部材の回転によってアームは第二の平面内で回転する医療機器。第一及び第二の接続部材はフールワイヤである医療機器。第一及び第二の近位端を操作することによって、アームはハウジングに関して、約0.5mm~約30mmの弧長に沿って、約25Hz~約200Hzの周波数で回転する医療機器。アームは歯の構成の1つ又は複数の表面を有する医療機器。ハウジングは第二のキャビティをさらに含み、第二のキャビティはその中に内視鏡を摩擦嵌めを通じて受けるように構成される医療機器。
【0058】
1つの一般的な態様は、低侵襲手術を容易にするための医療機器を含み、これは、第一のキャビティと第二のキャビティを含むハウジングと、第一のキャビティ内に回転可能に受けられるアームであって、ガイド部分と接続部分を含むアームと、第二のキャビティ内に回転可能に受けられるカムアセンブリであって、その中にガイド部分の少なくとも一部をスライド可能に受けるように構成されたカムトラック溝を含むカムアセンブリと、を含み、アームはハウジングの第三の部分に接続部分を通じて回転可能に接続され、カムアセンブリの回転によって、ガイド部分はアームトラック溝内で所定の軌道に沿ってスライドし、それによってアームは第一の平面内で回転するように付勢される。
【0059】
実施例は以下の特徴の1つ又は複数を含んでよい。カムトラック溝が、カムアセンブリの回転によってガイド部分が上下に移動し、それがアームを第一の平面内で回転するように付勢する医療機器。カムアセンブリが回転し、それによってガイド部分が上方に移動すると、アームが第一の平面内で反時計回り方向に回転するように付勢され、カムアセンブリが回転し、それによってガイド部分が下方に移動すると、アームは第一の平面内で時計回り方向に回転するように付勢される医療機器。カムアセンブリの第一の軸の周囲での回転によって、アームは第二の軸の周囲で回転し、第一の軸は第二の軸に概して垂直である医療機器。カムアセンブリは上部分、下部分、及び上部分と下部分との間に配置された中間部分を含み、上部分は第一の上面と第一の底面を有し、第一の底面は第一の上面に向かって傾斜し、下部分は第二の上面と第二の底面を有し、第二の上面は第二の底面から遠ざかるように傾斜し、第一の底面、第二の上面、及び中間部分の外面は、カムアセンブリの回転によってアームが第一の平面内の所定の振動運動を行うように構成される医療機器。上部分、下部分、及び中間部分は実質的に円筒形の構成である医療機器。アームは、歯の構成の1つ又は複数の面を有する医療機器。カムアセンブリはバレルカムである医療機器。カムアセンブリは駆動システムに接続され、それによってそれが第一の軸の周囲で回転可能である医療機器。ハウジングの第三の部分はハウジングの下部分に関して上方に移動するように構成される医療機器。カムアセンブリの回転によってアームは第一の平面内で約0.5mm~約30mmの弧長に沿って、約25Hz~約200Hzの周波数で回転する医療機器。
【0060】
本開示の各種の実施形態を説明したが、本開示は付属の特許請求項及びそれらの等価物を考慮する以外に限定されないものとする。当業者であれば、前述の実施形態に、付属の特許請求項により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に様々な変更や改良を加えてよいことがわかり、これには図示されている異なるアームと刃の構成を実施形態間で相互に交換してよいこと、及び切除キャップの取外し可能な実施形態は、内視鏡への取外し可能な取付のためのアクセサリとして構成されてよく、又は内視鏡の一体部分として含められてよいことが明確に含まれる。さらに、本明細書に記載の利点は必ずしも本開示にそれ以外の利点がないことを意味するわけではなく、必ずしも本開示の個々の実施形態が記載されている利点の全てを実現すると予想されるわけではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図11A
図11B
図12
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2022-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
幾つかの実施形態において、振動システム11124は第一のポスト11234及び第二のポスト11236を含んでよく、これらはそれぞれ第一及び第二のシース11228及び11230の近位端に連結される。第一及び第二のポスト11234及び11236は各々、開口を含んでよく、これは、それぞれ第一及び第二の接続部材11224及び1126の第一及び第二の近位端11224b及び11226bがそれぞれガイド部材11232の第一の端部材11232a及び第二の端部分11232bに接続される前に、それぞれ通過できるように構成される。有利な点として、第一及び第二のシース11228及び11230並びに第一及び第二のポスト11234及び11236は、第一及び第二の接続部材11224及び11226に対して、運動中にその長さの少なくとも一部に沿って支持を提供するかもしれない。第一及び第二のポスト11234及び11236並びに第一及び第二のシース11228及び11230により、アーム11104の回転平面を、ガイド部材11232が第一の平面11130内で回転するとアーム11104が第一の平面11130内で回転するように画定することも可能となるかもしれない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
図12~13Dは、内視鏡切除装置12100の他の実施形態を示す。図12は、一般的な非限定的内視鏡12311を示す。この、又は何れの内視鏡も、取外し可能に取り付けられた内視鏡切除キャップ(例えば、キャップ12100)を備えていてもよく、又は内蔵型内視鏡切除要素と一緒に構成されてもよく、それは明示的に図1~11B、14~20、及び23~25の何れをも含め、本明細書の実施形態の何れかに示されるものと同じタイプの振動又は往復運動剥離要素を用いる。当業者であれば、内視鏡12311がステアリングコントロール12313、少なくとも1つのアクセスポート12315、少なくとも1つの可視化要素(図示されないが、内視鏡技術に関する当業者であれば容易に理解できる)、及びシャフトの遠位端付近の1つ又は複数の端視及び/又は側視素子(図示せず)を含むステアラブルシャフト12317のほか、照明、洗浄、ツール及び/又は薬剤の通過のために存在するかもしれないその他の構造や、内視鏡技術において知られているその他の特徴を含むことがわかるであろう。留意すべき点として、「往復運動」という用語は、本明細書において、単に軸の周囲での回転だけでなく、固定された軸を横切る、その軸に関する回転の有無を問わない運動も含む運動を指すために使用されている。この往復運動構造及び機能のほか後述のアームの長さ方向の湾曲は、この実施形態と図11のそれとの違いであるが、その他の特徴は同様であるか、又はそれ以外に互換可能であり、図11Aの運動機構もまたこの実施形態でも使用されてよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
アーム12104は、少なくとも1つの切削面12125を含んでよく、これは複数の切取り部12208と複数の剥離面12210を有し、これについてはより詳しく後述する。この実施形態において、アーム12104は第一の受容チャネル12220と第二の受容チャネル12222を含む。第一の受容チャネル12220と第二の受容チャネル1222はそれぞれ、第一のプルワイヤ12224として具現化される第一の接続部材と第二のプルワイヤ12226として具現化される第二の接続部材のためのスライド可能な通路を提供する。図12C~12Dはそれぞれ、アーム12104の側面図と回転させた斜視図を示し、これはその近位-遠位の長さ方向軸に沿って湾曲し、また、剥離端と反対側に湾曲端を含む。長さ方向次元の湾曲(湾曲した想像線12104aと対比させて長さ方向軸の破線12104bに沿って示される)は、内視鏡の向きをアクセスしている体内通路内での正常なアラインメント状態から大きく変化させることなく、その遠位剥離面12210を標的組織に向かう向きとすることによって、アーム12104の操作中に有効な剥離動作を提供するように構成される。この図12Cのこの実施形態(例示的なアーム長さは0.48インチ、幅は0.28インチ)の直線軸12104bと湾曲12104aとの間の差は、ギャップCで表され、図の曲率半径は2インチで、ギャップCは0.03インチであり、これは実施形態では、曲率半径0.5~5インチ、対応するギャップは0.005~2インチとすることができ、これはアームの大きさによって異なっていてもよい。特に、角度は、標的組織に関する角度のために提供され、それによって医師が(キャップ又は一体の剥離器ツール端を有する)内視鏡を操作すると、アームの曲線は固有筋層へと向けられる。この湾曲は直線的な剥離器に対して利点を提供し、これは、それによって医師は、正しい剥離平面を狙いながら、内視鏡を能動領域内でその主軸に沿って前進させることができるからである。直線的な(本明細書の他の箇所で教示されるように調整可能ではない)剥離器を用いる実施形態では、医師は積極的にキャップ(又は一体化されたツール端)を有する内視鏡を固有筋層に向かって傾けて、重なる標的組織を崩壊させる必要がある。そのためには典型的に、内視鏡に何度も方向の微調整を行うことが必要となる。さらに、遠位視型内視鏡と整列される直線/調整不能剥離器の場合、内視鏡カメラの軌道は強制的に固有筋層に向けられて、アームが標的組織と接触することになり、これによって粘膜下層空間の見え方が限定されるかもしれない。したがって、湾曲アーム12104は、先行技術のシステムと機器に対する利点を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図11A
図11B
図12
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】