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特表2022-540644輸送に便利な輸送用パレットやデッキ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(54)【発明の名称】輸送に便利な輸送用パレットやデッキ
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/32 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
B65D19/32 B
B65D19/32 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502019
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 IB2020056496
(87)【国際公開番号】W WO2021009635
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】755374
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520275744
【氏名又は名称】ア-ル デー ピー グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002561
【氏名又は名称】特許業務法人勝沼国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クーブレー ブルース
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA03
3E063BA05
3E063CA04
3E063CA16
3E063EE03
3E063EE05
3E063EE11
3E063FF03
(57)【要約】
荷重を担持してフォークリフトのフォークで持ち上げられるパレット1が開示されている。パレット1は、荷重を受けるための平面状のデッキ10と、デッキを支持するためにデッキの下方に設けられたシャーシとを備えている。シャーシは、曲げにおいて、パレットの荷重支持を補助するように作用する格子構成の一定の四辺形横断面の複数の中空ビーム112を有する。ビーム112は、デッキ10の面に平行に延び、それぞれ、デッキ10の面に垂直に面する垂直側壁と、デッキ10の面に平行に面する水平側壁によって配向されている。格子の2つのビームの各交差部では、2つのビームのうちの第1ビームは、2つのビームのうちの第2ビームが第1ビームを通過できるように、その垂直側壁の双方を除去されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重を担持し、フォークリフトのフォークで持ち上げられることができるパレットであって、前記パレットは、荷重を受けるための平面状のデッキと、前記デッキを支持するための前記デッキの下に設けられたシャーシとを備え、前記シャーシは、曲げにおいてパレットの荷重支持を補助するように作用する格子構成の複数の一定の四辺形セクションを有する中空ビームを有し、前記ビームはデッキの面に平行に間隔を空けて配置され、それぞれがデッキ面に垂直に面する垂直側壁とデッキ面に平行に面する水平側壁とによって配向され、前記格子の2つのビームの交差部では、前記2つのビームの第1ビームは、前記2つのビームの第2ビームが前記第1ビームを通過できるように、その双方の垂直側壁が除去されている、パレット。
【請求項2】
前記交差部で前記側壁が除去されたビームは、その下部水平側壁の少なくとも一部が前記交差部を越えて連続しており、前記第1ビームを通過するビームの下部水平側壁に平行かつ隣接して接している、請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記交差部で前記側壁が除去されたビームは、その上部水平側壁の少なくとも一部が前記交差部を越えて連続しており、前記第1ビームを通過するビームの上部水平側壁と平行かつ隣接して接している、請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項4】
前記第1ビームを通過するビームは、前記交差部に隣接して横切る切り込みがない、請求項1~3のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項5】
前記第1ビームを通過するビームは、前記交差部に隣接して横切る一定の横断面を有している、請求項1~4のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項6】
前記第1ビームを通過するビームは、前記2つのビームの側壁が互いに隣接する領域で、前記第1ビームに溶接されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項7】
前記パレットは輸送用パレットである、請求項1~6のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項8】
前記格子は、前記デッキの対向する辺の第1ペアの間に延在する前記ビームの少なくとも2つの第1セットと、前記デッキの対向する辺の第2ペアの間に延在する前記ビームの少なくとも2つの第2セットとからなる、請求項1~7のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項9】
前記ビームの第1および第2セットのうちの少なくとも1つが、フォークリフトのフォークが係合して前記パレットを持ち上げることができる前記デッキの底部を規定している、請求項1~8のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項10】
前記ビームの少なくとも1つの底部には、(a)工学設計プロファイル、(b)シート材料の二重壁のうちの少なくとも1つが設けられている、請求項1~9のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項11】
前記工学設計プロファイル及び/又は前記シート材料の二重壁は、前記ビームの底部における曲げ耐性を高めるように設けられている、請求項10に記載のパレット。
【請求項12】
前記工学設計プロファイル及び/又は前記シート材料の二重壁は、前記ビームの底部における二次慣性モーメントを増大させるように設けられている、請求項10に記載のパレット。
【請求項13】
前記ビームの前記第1および第2セットのうちの少なくとも1つのビームは横断面が四辺形であり、前記工学設計プロファイルは、前記ビームの内部に延びる前記シート材料のフランジである、請求項10~12のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項14】
前記ビームは、1層の前記シート材料壁構造と、2層の前記シート材料壁構造の双方によって構成されている、請求項10~13のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項15】
前記ビームは、前記ビームの下部領域において、1層の前記シート材料壁構造と、2層の前記シート材料壁構造の双方によって構成されている、請求項10~13のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項16】
複数の支持脚が、前記パレットが地面やデッキや類似または同一のパレットなどの水平表面上で安定して支持されるように、前記デッキから下方に延びている、請求項1~15のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項17】
前記支持脚は、前記デッキのトップパネルの一部として一体的に形成されている、請求項16に記載のパレット。
【請求項18】
前記パレットは収納ラックの平行なレール上にエッジ支持されることができる、請求項1~17のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項19】
前記パレットはシングルデッキパレットである、請求項1~18のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項20】
前記パレットは、同一のパレットと積み重ねられた状態で入れ子にすることができる、請求項1~19のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項21】
前記パレットは面取りされたコーナーである4つのコーナーを有している、請求項1~20のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項22】
ショックアブソーバが前記パレットの各コーナーに設けられている、請求項21に記載のパレット。
【請求項23】
前記ショックアブソーバはゴム製ブロックで提供される、請求項22に記載のパレット。
【請求項24】
荷重を担持し、フォークリフトのフォークで持ち上げられることができるパレットであって、前記パレットは、荷重を受けるための平面状のデッキと、前記デッキを支持するための前記デッキの下に設けられたシャーシとを備え、前記デッキは、荷重を支持するための頂部と、前記頂部に対向する底部と、少なくとも4つの辺とを有し、前記少なくとも4つの辺は、対向する辺の第1ペアと対向する辺の第2ペアを有し、前記シャーシは格子構成であり、前記デッキの対向する辺の第1ペアの間に延びるが前記デッキの対向する辺の第2ペアからは間隔を空けて配置された少なくとも2つの間隔を空けた平行なビームの第1セットと、前記デッキの対向する辺の第2ペアの間に延びるが前記デッキの対向する辺の第1ペアからは間隔を空けて配置された少なくとも2つの間隔を空けて平行なビームの第2セットとを有し、前記ビームの第1セットは、前記ビームの第2セットと直交し、前記格子の2つのビームの各交差部において、前記2つのビームの第1ビームは、第2ビームが前記第1ビームを通過できるようにノッチまたはスロットを有している、パレット。
【請求項25】
前記ビームは一定の四辺形横断面を有する中空のビームであり、前記ビームは前記デッキの面に平行に間隔を空けて配置され、それぞれが前記デッキ面に垂直に面する垂直側壁と、前記デッキ面に平行に面する水平側壁とによって配向されている、請求項24に記載のパレット。
【請求項26】
前記ノッチまたはスロットは、前記第1ビームの双方の垂直側壁を除去することによって形成される、請求項24又は25に記載のパレット。
【請求項27】
前記スロットは、前記第1ビームの垂直側壁の双方と、水平側壁の1つを除去することによって形成され、前記水平側壁の1つは前記デッキに近位である、請求項24又は25に記載のパレット。
【請求項28】
荷重を支持する頂部と前記頂部と対向する底部とを有するデッキと、少なくとも4つの辺とを有するシングルデッキパレットであって、前記少なくとも4つの辺は、対向する辺の第1ペアと対向する辺の第2ペアとを有し、前記底部はシャーシを有し、前記シャーシは、格子構成の一定の四辺形横断面を有する複数の直交する中空ビームを有して、曲げにおいて、前記パレット荷重支持を補助するように作用し、前記ビームは、前記デッキの面に平行に間隔を空けて配置され、それぞれが前記デッキの面に垂直に面する垂直側壁と前記デッキの面に平行に面する水平側壁とによって配向され、前記格子の2つのビームの交差部では、前記2つのビームのうちの第1ビームは、前記2つのビームのうちの第2ビームが前記第1ビームを通過できるように、その双方の垂直側壁が除去されている、シングルデッキパレット。
【請求項29】
前記格子構成は、前記デッキの対向する辺の第1ペアの間に延びる前記ビームの少なくとも2つの第1セットと、前記デッキの対向する辺の第2ペアの間に延びる前記ビームの少なくとも2つの第2セットとからなる、請求項28に記載のパレット。
【請求項30】
前記ビームの前記第1および第2のビームセットのうちの少なくとも1つが、フォークリフトのフォークが係合して前記パレットを持ち上げることができる前記デッキの底部を規定している、請求項28又は29に記載のパレット。
【請求項31】
前記パレットは、前記デッキから垂れ下がり、前記デッキの一部または底部の下に突出して、表面に前記パレットを支持するのを助ける、離散的に分配された複数の一次支持脚を備える、請求項1~30のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項32】
前記パレットは、収納ラックのレール上に前記パレットを支持するための複数の離散的な二次支持脚をさらに備え、各二次支持脚は、前記デッキの底部の下に突出し、前記ラックのレールと前記パレットのデッキとの間にフォークリフトのフォークを通すことができるように、前記デッキの底部を前記ラックの上に上昇させるために、前記一次支持脚と前記デッキの4つの側面のうちの関連する少なくとも1つとの中間に設けられている、請求項31に記載のパレット。
【請求項33】
前記一次支持脚と前記二次支持脚の双方が、フォークリフトの2本のフォークが前記一次支持脚と前記二次支持脚の双方の間を通過して前記デッキの底部を支承するまで入るように、間隔を空けて配置されている、請求項32に記載のパレット。
【請求項34】
前記デッキの対向する辺の第1ペアの間の前記デッキの幅は、前記パレットが前記二次支持脚で支持されることができる前記収納ラックの2つの離間した平行なレールの間のギャップよりも大きい、請求項33に記載のパレット。
【請求項35】
前記複数の一次支持脚は、前記一次支持脚が前記収納ラックのレールの間に入ることができるように、前記対向する辺の第1ペアに沿って内側に間隔を置いて隣接して配置されている、請求項34に記載のパレット。
【請求項36】
前記対向する辺の第1ペアのそれぞれに沿って設けられた前記一次支持脚は、前記一次支持脚が前記収納ラックのレールの間に入ることができるように、前記対向する辺の第1ペアの間で間隔を置いて配置されている、請求項34又は35に記載のパレット。
【請求項37】
前記一次支持脚は、前記対向する辺の第1ペアのそれぞれに沿って設けられ、前記パレットが前記二次支持脚によって前記レール上に支持されているときに、前記レールに対する前記パレットの横方向の動きによって、前記対向する辺の第1ペアのいずれかが前記収納ラックのレールから落下するのを防止するように、間隔を置いて配置されている、請求項34~36のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項38】
前記対向する辺の第1ペアのそれぞれに隣接して設けられた前記一次支持脚は、前記デッキが前記二次支持脚によって前記レール上に支持されているときに、前記対向する辺の第1ペアのそれぞれに隣接する前記一次支持脚が前記レールと係合して、前記レールの横方向への前記パレットの移動を実質的に防止するように、前記対向する辺の第1ペアの間に間隔を置いて設けられている、請求項37に記載のパレット。
【請求項39】
前記対向する辺の第1ペアのそれぞれに沿って設けられた前記一次支持脚は、前記一次支持脚が前記デッキのベースから離れるように突出するに従って、各一次支持脚が前記対向する辺の第1ペアの隣接する1つから離れるようにテーパーするように、リードインを有している、請求項37又は38に記載のパレット。
【請求項40】
前記一次支持脚はそれぞれ前記デッキのベースからの突起を含み、各突起は、前記一次支持脚が前記デッキのベースから延びるにつれて、前記対向する辺の第1ペアのそれぞれから少なくとも一部が内側にテーパーするようになっている、請求項37~39のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項41】
前記複数の一次支持脚は、前記一次支持脚がそれぞれの第2の辺の中間に位置し、前記一次支持脚がそれぞれの第2の辺に隣接するように、前記対向する辺の第2ペアに沿って間隔を置いて隣接して配置されている、請求項37~40のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項42】
前記対向する辺の第2ペアのそれぞれに沿って設けられた前記一次支持脚は、前記パレットが前記対向する辺の第2ペアのそれぞれに近い前記デッキの一部によってレール上でエッジで支持されているときに、前記レールに対する前記パレットの横方向の動きによって、前記対向する辺の第2ペアのいずれかが前記収納ラックのレールから落ちるのを防止するように、間隔を置いて配置されている、請求項41に記載のパレット。
【請求項43】
前記対向する辺の第2ペアのそれぞれに沿って設けられた前記一次支持脚は、前記一次支持脚が前記デッキのベースから離れるように突出するに従って、前記一次支持脚が前記対向する辺の第2ペアの隣接する一つから離れるようにテーパーするように、リードインを有している、請求項41又は42に記載のパレット。
【請求項44】
前記一次支持脚が前記デッキの底面から突出する距離は、前記二次支持脚が前記デッキから突出する距離よりも大きい、請求項41~43のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項45】
前記対向する辺の第2ペアのそれぞれに隣接して設けられた前記一次支持脚は、前記デッキが前記レール上にエッジで支持されているときに、前記対向する辺の第2ペアのそれぞれに隣接する前記一次支持脚が前記レールに係合して、前記パレットの前記レールの横方向の移動を実質的に防止するように、前記対向する辺の第2ペアの間で間隔を置いて設けられている、請求項41~44のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項46】
前記デッキはトップパネルを有しており、前記一次支持脚は前記トップパネルから垂れ下がっている、請求項31~45のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項47】
前記一次支持脚は前記デッキのトップパネルと一体的に形成されている、請求項46に記載のパレット。
【請求項48】
前記トップパネルは、前記一次支持脚の数に対応し、別のパレットの一次支持脚と入れ子になるように形成された複数の一次中空窪みを有している、請求項46又は47に記載のパレット
【請求項49】
入れ子にすることは、前記トップパネルの前記複数の一次中空窪みの中に、別のパレットの一次支持脚を少なくとも部分的に受け入れることを含む、請求項48に記載のパレット。
【請求項50】
前記トップパネルは、前記二次支持脚の数に対応し、別のパレットと入れ子になるように形成された複数の二次中空窪みを有している、請求項32に直接的または間接的に従属する請求項46~49のいずれか1項に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送用パレット及び/又はそれに有用なデッキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品を保管・輸送するための輸送用パレットは、主に木材のパネルとビームを組み合わせたツインデッキ構造になっている。パレットの上部と下部は、通常、平行に配置された木製パネルで構成されており、これらのパネルが一体となってパレットを積層構造にしている。これにより、パレットは曲げやねじりに対して高い耐荷重強度を有している。木製であるため、比較的安価である。通常、パレットは、荷重を運んでいるとき、フォークリフトのフォークを受けて持ち上げられるように設計されている。
【0003】
しかし、木製の輸送用パレットにはいくつかの欠点がある。
【0004】
1つの欠点は、このパレットに荷重を載せて国境を越えて輸送するときに生じる。木材を使用しているため、ある国の規則は、到着した海港や空港から国内に入る前に木材を燻蒸することを要求する。このことには費用と時間がかかり得る。燻蒸処理をせずに放置すると、木製パレット内で微生物が繁殖し、不衛生になる可能性がある。
【0005】
他の欠点は、木製パレットは水を吸って重くなり、弱くなるということである。また、木製パレットは衝撃にも影響を受けやすい。フォークリフトが高速でパレットに突っ込むことによるリーダーボードの破損は、一般的な故障原因である。
【0006】
もう一つの欠点は、例えば元の場所に戻るために、輸送にコストがかかり、そのため木製パレットは1回使用しただけで廃棄されることが多いことである。また、ツインデッキのパレットでは、スペースが大きくなるため、経済的に輸送することができない。入れ子状に積み重ね可能なパレットはこの問題を解決する。US7690215やUS3664272がその例である。このように入れ子状に積み重ね可能なパレットは、通常、シングルデッキのパレットである。ツインデッキは通常入れ子状に積み重ねることができない。しかし、ツインデッキの「積層」構造を持たないことは、そのようなシングルデッキパレットの強度を低下させる。US5596933に示されているようなスチールビームを導入して、シングルデッキパレットの耐荷重強度を高めることはできる。より高い強度が必要な場合は、より多くの/より厚いスチールビームを追加することができる。あるいは、平面曲げに耐えるように、ビームの二次慣性モーメントを大きくすることもできるが、これはビームの高さを高くすることで実現できる。より多くの/より厚いスチールビームは、パレットの重量を増やし、このことは製造コストや輸送コストが高くなるため好ましくない。また、ビームの高さを高くすると、積み重ねたパレットのコンパクトさを損ない、このことは保管や返送のコストを増加させ得る。
【0007】
パレットは、デッキがなく、2本の平行なパレット支持レールを持つ収納ラックに収納されることがある。典型的には、パレットは、収納ラックの2つの平行なレール上で、パレットの2つの対向するエッジで支持される。収納ラックには2つの形式があり、1つ目はパレットを2本のレールの一端から順次積み込むドライブスルー形式で、2つ目はパレットをレール上に降ろしてレール方向に対して横方向に積み込む標準ラック形式である。パレットの上に荷重がかかると、2本のレールの間でパレットが曲がってしまう。そのため、パレットは、荷重を受けても崩れないような曲げ強度を必要とする。シングルデッキパレットは、同種のパレットとの入れ子状の積み重ねに適しているが、同程度の重量とサイズのツインデッキパレットに比べて曲げ強度が弱いことがあり得る。さらに、シングルデッキパレットの標準ラックへの積み降ろしには問題がある。フォークリフトのフォークは、レールとパレットのデッキの間に隙間を必要とする。
【0008】
複数のビームが格子状に配置されたシャーシを持つパレットを設計する場合、少なくとも各ビームの接合部や交差部で過剰な溶接が必要になることがある。また、過剰な溶接を有するシャーシは、溶接部にクラックが発生したり、特に疲労やパレットの荷重や過負荷により溶接部に発生する可能性のあるその他の損傷が発生するリスクがあるため、信頼性が低く、強度も高くない場合がある。格子状に配置されたビームが非金属製であっても、ビームの各接合部や交差部に過剰な固定・接着手段(ネジ、釘、接着剤など)が必要になる場合がある。亀裂や破損及び/又は他の損傷が、特に疲労やパレットの荷重や過負荷により、固定・接着手段やシャーシのそのような部分に生じることが典型的にある。また、ビームは、疲労やパレットの荷重・過負荷により、誤ってパレットの残りの部分から外れたり、落下したりすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの目的は、上述の欠点の少なくとも一部を解決し、及び/又は、ユーザーに有用な選択肢を提供する輸送用パレットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、荷重を担持し、フォークリフトのフォークで持ち上げられることができるパレットが提供され、該パレットは、荷重を受けるための平面状のデッキと、前記デッキを支持するための前記デッキの下に設けられたシャーシとを備え、前記シャーシは、曲げにおいてパレットの荷重支持を補助するように作用する格子構成の複数の一定の四辺形セクションを有する中空ビームを有し、、前記ビームはデッキの面に平行に間隔を空け、それぞれがデッキ面に垂直に面する垂直側壁とデッキ面に平行に面する水平側壁とによって配向され、前記格子の2つのビームの交差部では、前記2つのビームの第1ビームは、前記2つのビームの第2ビームが前記第1ビームを通過できるように、その双方の垂直側壁が除去されている。
【0011】
一実施形態では、交差部で側壁が除去されたビームは、その下部水平側壁の少なくとも一部が交差部にかけて連続しており、該部分は、最初に述べたビームを通るビームの下部水平側壁に水平に、好ましくは隣接し、接触している。
【0012】
一実施形態では、交差部で側壁が取り除かれたビームは、その上部水平側壁の少なくとも一部が交差部にかけて連続しており、該部分は、最初に述べたビームを通るビームの上部水平側壁に水平に、好ましくは隣接し、接触している。
【0013】
一実施形態では、最初に述べたビームを通過するビームは、交差部に隣接して横切って切り込みがない。
【0014】
一実施形態では、最初に述べたビームを通過するビームは、交差部に隣接して横切って一定の断面を有している。
【0015】
一実施形態では、最初に述べたビームを通過するビームは、2つのビームの側壁が互いに隣接する領域で最初に述べたビームに溶接されている。
【0016】
一実施形態では、最初に述べたビームを通過するビームは、2つのビームの側壁が下部水平側壁以外で互いに隣接する領域で最初に述べたビームに溶接されている。
【0017】
一実施形態では、ビームは横断面において正方形または長方形である。
【0018】
一実施形態では、ビームの高さがデッキの厚さを実質的に規定している。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つのビームがシートメタルで作られている。
【0020】
一実施形態では、すべての前記ビームはシートメタルから作られている。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つのビームがシートメタルからロール成形されている。
【0022】
一実施形態では、すべての前記ビームがシートメタルからロール成形されている。
【0023】
一実施形態では、シートメタルの厚さは1.8mm以下である。
【0024】
一実施形態では、シートメタルの厚さは約1mmである。
【0025】
一実施形態では、パレットは形状において正方形である。
【0026】
一実施形態では、パレットは形状において長方形である。
【0027】
一実施形態では、パレットは輸送用パレットである。
【0028】
一実施形態では、格子は、デッキの対向する辺の第1ペアの間に延在する前記ビームの少なくとも2つの第1セットと、デッキの対向する辺の第2ペアの間に延在する前記ビームの少なくとも2つの第2セットとを備えている。
【0029】
一実施形態では、ビームの前記第1および第2セットのうちの少なくとも1つが、フォークリフトのフォークが係合してパレットを持ち上げることができるデッキの底部を規定している。
【0030】
一実施形態では、ビームの少なくとも1つの底部には、(a)工学設計プロファイル、(b)前記シート材料の二重壁の少なくとも1つが設けられている。
【0031】
一実施形態では、前記工学設計プロファイル及び/又は前記シート材料の二重壁は、ビームの底部における曲げ耐性を高めるように設けられている。
【0032】
一実施形態では、前記工学設計プロファイル及び/又は前記シート材料の二重壁は、ビームの底部における二次慣性モーメントを増大させるように設けられている。
【0033】
一実施形態では、前記シート材料の工学設計プロファイルは、ビームの底部におけるプロファイルの曲げ耐性を高めるように設けられている。
【0034】
一実施形態では、前記シート材料の工学設計プロファイルは、ビームの底部におけるプロファイルの二次慣性モーメントを増加させるように設けられている。
【0035】
一実施形態では、前記シート材料の工学設計プロファイルは、ビームの底部におけるプロファイルの二次慣性モーメントを増加させるように設けられている。
【0036】
一実施形態では、ビームの第1セットは同じ横断面形状である。
【0037】
一実施形態では、ビームの第2セットは同じ横断面形状である。
【0038】
一実施形態では、ビームの第1セットは少なくとも700mの長さである。
【0039】
一実施形態では、ビームの第1セットは少なくとも800mの長さである。
【0040】
一実施形態では、ビームの第1セットは少なくとも900mの長さである。
【0041】
一実施形態では、ビームの第1セットは少なくとも1000mの長さである。
【0042】
一実施形態では、ビームの第1セットは少なくとも1100mの長さである。
【0043】
一実施形態では、ビームの第1セットは少なくとも1200mの長さである。
【0044】
一実施形態では、ビームの第2セットは少なくとも700mの長さである。
【0045】
一実施形態では、ビームの第2セットは少なくとも800mの長さである。
【0046】
一実施形態では、ビームの第2セットは少なくとも900mの長さである。
【0047】
一実施形態では、ビームの第2セットは少なくとも1000mの長さである。
【0048】
一実施形態では、ビームの第2セットは少なくとも1100mの長さである。
【0049】
一実施形態では、ビームの第2セットは少なくとも1200mの長さである。
【0050】
一実施形態では、ビームの第1セットは800m以下の長さである。
【0051】
一実施形態では、ビームの第1セットは900m以下の長さである。
【0052】
一実施形態では、ビームの第1セットは1000m以下の長さである。
【0053】
一実施形態では、ビームの第1セットは1100m以下の長さである。
【0054】
一実施形態では、ビームの第1セットは1200m以下の長さである。
【0055】
一実施形態では、ビームの第2セットは800m以下の長さである。
【0056】
一実施形態では、ビームの第2セットは900m以下の長さである。
【0057】
一実施形態では、ビームの第2セットは1000m以下の長さである。
【0058】
一実施形態では、ビームの第2セットは1100m以下の長さである。
【0059】
一実施形態では、ビームの第2セットは1200m以下の長さである。
【0060】
一実施形態では、ビームの第1および第2セットのうちの少なくとも1つのビームは横断面が四辺形であり、工学設計プロファイルは、ビームの内部に延びる前記シート材料のフランジである。
【0061】
一実施形態では、ビームは、前記シート材料壁構造の1層と、前記シート材料壁構造の2層の双方によって構成されている。
【0062】
一実施形態では、ビームは、ビームの下部領域において、前記シート材料壁構造の1層と、前記シート材料の2層の方法によって構成されている。
【0063】
一実施形態では、複数の支持脚が、パレットが地面やデッキや類似または同一のパレットなどの水平表面に安定して支持されるように、デッキから下方に延びている。
【0064】
一実施形態では、支持脚は、デッキのトップパネルの一部として形成されている(好ましくは一体的に形成されている)。
【0065】
一実施形態では、パレットは収納ラックの平行なレール上にエッジ支持されることができる。
【0066】
一実施形態では、パレットはシングルデッキパレットである。
【0067】
一実施形態では、パレットは、同一のパレットと積み重ねられた状態で入れ子にすることができる。
【0068】
一実施形態では、パレットは面取りされた4つのコーナーを有している。
【0069】
一実施形態では、ショックアブソーバがパレットの各コーナーに設けられている。
【0070】
一実施形態では、ショックアブソーバはゴム製ブロックで提供される。
【0071】
一実施形態では、パレットのデッキは長方形で、長さが1200mm、幅が1000mmである。
【0072】
一実施形態では、パレットの総重量は約17kgである。
【0073】
一実施形態では、パレットの総重量は30kg以下、好ましくは25kg以下、好ましくは23kg以下である。
【0074】
一実施形態では、ビームは中間ビームである。
一実施形態では、2つのビームの各格子または交差部において、溶接がビームの垂直側壁で行われる。
【0075】
一実施形態では、2つのビームの各格子または交差部において、溶接がビームの垂直側壁のみで行われる。
【0076】
一実施形態では、2つのビームの各格子または交差部において、溶接がビームの垂直側壁と水平側壁の1つのみで行われる。
【0077】
一実施形態では、2つのビームの各格子または交差部において、溶接がビームの水平側壁では行われない。
一実施形態では、ビームの各々は、そのビームが延びる長手方向の軸に平行なデッキ辺の各々から間隔を空けて(または間隔を置いて)配置されている。
【0078】
一実施形態では、シャーシの各コーナーはコーナーブラケットで固定されている。
【0079】
一実施形態では、各コーナーブラケットはL字型である。
【0080】
一実施形態では、各コーナーブラケットは溶接によってシャーシに固定されている。
【0081】
一実施形態では、溶接は2つのビームの各(または少なくとも1つの)交差部で行われる。
【0082】
一実施形態では、2つのビームの各(または少なくとも1つの)交差部において、溶接がビームの水平側壁のみで行われる。
【0083】
一実施形態では、2つのビームの各(または少なくとも1つの)交差部において、溶接がビームの垂直側壁のみで行われる。
【0084】
一実施形態では、2つのビームの各(または少なくとも1つの)交差部において、溶接がビームの水平および垂直側壁の双方で行われる。
【0085】
一実施形態では、2つのビームの各(または少なくとも1つの)交差部において、溶接がビームの水平側壁の1つのみで行われる。
【0086】
一実施形態では、2のビームの各(または少なくとも1つの)交差部において、溶接がームの水平側壁の1つのみで行われる。
【0087】
一実施形態では、溶接はビームまたはビーム(複数)の工学設計プロファイルで行われる。
【0088】
一実施形態では、溶接はビームまたはビーム(複数)の工学設計プロファイルの下で行われる。
【0089】
一実施形態では、溶接はビームまたはビーム(複数)の工学設計プロファイルの上で行われる。
【0090】
一実施形態では、2つのビームが互いに接触する各(または少なくとも1つの)部分において、溶接が行われる。
【0091】
一実施形態では、2つのビームが互いに接触する各(または少なくとも1つの)部分において、溶接がビームの水平側壁のみで行われる。
【0092】
一実施形態では、2つのビームが互いに接触する各(または少なくとも1つの)部分において、溶接がビームの垂直側壁のみで行われる。
【0093】
一実施形態では、2つのビームが互いに接触する各(または少なくとも1つの)部分において、溶接がビームの水平および垂直側壁の双方で行われる。
【0094】
一実施形態では、2つのビームが互いに接触する各(または少なくとも1つの)部分において、溶接がビームの水平側壁の1つのみで行われる。
【0095】
一実施形態では、2つのビームが互いに接触する各(または少なくとも1つの)部分において、溶接がビームの水平側壁の1つのみで行われる。
【0096】
一実施形態では、デッキから遠位の少なくとも1つまたは各ビームの水平面は、前記少なくとも1つまたは各ビームの2つの端部の間に延びる長手方向に延びるスロットを備える。
【0097】
一実施形態では、溶接は、長手方向に延びるスロットに沿って、間隔を空けた構成で行われる。
【0098】
本発明の別の態様では、荷重を担持し、フォークリフトのフォークで持ち上げられることができるパレットが提供され、該パレットは、荷重を受ける平面的なデッキと、該デッキを支持するためにデッキの下に設けられたシャーシとを備え、デッキは、荷重を支持するための上部と、上部に対向する底部と、少なくとも4つの辺とを有し、前記少なくとも4つの辺は、対向する辺の第1ペアと対向する辺の第2ペアを有し、前記シャーシは格子構成であり、デッキの対向する辺の第1ペアの間に延びるがデッキの対向する辺の第2ペアから間隔を空けて配置された少なくとも2つの間隔を空けて平行なビームの第1セットと、デッキの対向する辺の第2ペアの間に延びるがデッキの対向する辺の第1ペアから間隔を空けて配置された少なくとも2つの間隔を空けて平行なビームの第2セットとを有し、前記ビームの第1セットは、前記ビームの第2セットと直交し、格子の2つのビームの各交差部において、前記2つのビームの第1ビームは、第2ビームが通過できるようにノッチまたはスロットを有している。
【0099】
一実施形態では、ビームは一定の四辺形横断面を有する中空のビームであり、ビームはデッキの面に平行に間隔を空けて配置され、それぞれがデッキ面に垂直に面する垂直側壁とデッキ面に平行に面する水平側壁とによって配向されている。
【0100】
一実施形態では、ノッチまたはスロットは、前記第1ビームの双方の垂直側壁を除去することによって形成される。
【0101】
一実施形態では、前記スロットは、前記第1ビームの垂直側壁の双方と、水平側壁の1つを除去することによって形成され、前記水平側壁の1つは前記デッキに近位である。
【0102】
一実施形態では、パレット及び/又はデッキは、前述の、又は、後述の一種である。
【0103】
さらなる側面では、以下の:荷重を支持する頂部と前記頂部と対向する底部とを有するデッキと、少なくとも4つの辺とを有するシングルデッキパレットが提供され、該少なくとも4つの辺は、対向する辺の第1ペアと対向する辺の第2ペアとを有し、前記底部はシャーシを有し、前記シャーシは、格子構造の一定の四辺形横断面を有する複数の直交する中空ビームを有して、曲げにおいて、パレット荷重支持を補助するように作用し、前記ビームは、デッキの面に平行に間隔を空けて配置され、それぞれがデッキ面に垂直に面する垂直側壁とデッキ面に平行に面する水平側壁とによって配向され、前記格子の2つのビームの交差部では、前記2つのビームのうちの第1ビームは、前記2つのビームのうちの第2ビームが前記第1ビームを通過できるように、その双方の垂直側壁が除去されている。
【0104】
一実施形態では、格子構成は、デッキの対向する辺の第1ペアの間に延びる前記ビームの少なくとも2つの第1セットと、デッキの対向する辺の第2ペアの間に延びる前記ビームの少なくとも2つの第2セットとからなる。
【0105】
一実施形態では、ビームの第1および第2のビームセットのうちの少なくとも1つが、フォークリフトのフォークが係合してパレットを持ち上げることができるデッキの底部を規定している。
【0106】
一実施形態では、パレット及び/又はデッキは、前述の、又は、後述の一種である。
【0107】
さらに別の側面では、上記の記述のいずれか1つに定義されたパレットが提供され、該パレットは、デッキから垂れ下がり、デッキの一部または底部の下に突出して、表面にパレットを支持するのを助ける、離散的に分配された複数の一次支持脚を備える。
【0108】
一実施形態では、パレットは、収納ラックの間隔を空けた平行なレールによってエッジで支持されることができる。
【0109】
一実施形態では、パレットは、さらにデッキから垂れ下がり、デッキの底部の下に突出して表面にパレットを支持する、離散的に分配された複数の一次支持脚をさらに備える。
【0110】
一実施形態では、パレットは、収納ラックのレール上でパレットを支持するための複数の離散的な二次支持脚をさらに備え、各二次支持脚は、デッキの底部の下に突出し、ラックのレールとパレットのデッキとの間にフォークリフトのフォークを通すことができるように、デッキの底部をラックの上に上昇させるために、一次支持脚とデッキの4つの側面のうちの関連する少なくとも1つとの中間に設けられている。
【0111】
一実施形態では、一次支持脚と二次支持脚の双方が、フォークリフトの2本のフォークが一次支持脚と二次支持脚の双方の間を通過してデッキの底部を支承するように、間隔を空けて配置されている。
【0112】
一実施形態では、デッキの対向する辺の第1ペアの間のデッキの幅は、パレットが二次支持脚で支持されることができる収納ラックの2つの離間した平行なレールの間のギャップよりも大きい。
【0113】
一実施形態では、複数の一次支持脚は、一次支持脚が収納ラックのレールの間に入ることができるように、対向する辺の第1ペアに沿って内側に間隔を置いて隣接して配置されている。
【0114】
一実施形態では、対向する辺の第1ペアのそれぞれに沿って設けられた一次支持脚は、前記一次支持脚が収納ラックのレールの間に入ることができるように、対向する辺の第1ペアの間で間隔を置いて配置されている。
【0115】
一実施形態では、一次支持脚は、対向する辺の第1ペアのそれぞれに沿って設けられ、パレットが二次支持脚によってレール上に支持されているときに、レールに対するパレットの横方向の動きによって、対向する辺の第1ペアのいずれかが収納ラックのレールから落下するのを防止するように、間隔を置いて配置されている。
【0116】
一実施形態では、対向する辺の第1ペアのそれぞれに隣接して設けられた一次支持脚は、デッキが二次支持脚によってレール上に支持されているときに、対向する辺の第1ペアのそれぞれに隣接する一次支持脚がレールと係合して、レールの横方向へのパレットの移動を実質的に防止するように、対向する辺の第1ペアの間に間隔を置いて設けられている。
【0117】
一実施形態では、対向する辺の第1ペアのそれぞれに沿って設けられた一次支持脚は、一次支持脚がデッキのベースから離れるように突出するに従って、各一次支持脚が対向する辺の第1ペアの隣接する1つから離れるようにテーパーするように、リードインを有している。
【0118】
一実施形態では、一次支持脚はそれぞれデッキのベースからの突起を含み、各突起は、一次支持脚がデッキのベースから延びるにつれて、対向する辺の第1ペアのそれぞれから少なくとも一部が内側にテーパーするようになっている。
【0119】
一実施形態では、複数の一次支持脚は、一次支持脚がそれぞれの第2の辺の中間に位置し、一次支持脚がそれぞれの第2の辺に隣接するように、対向する辺の第2ペアに沿って間隔を置いて隣接して配置されている。
【0120】
一実施形態では、対向する辺の第2ペアのそれぞれに沿って設けられた一次支持脚は、パレットが対向する辺の第2ペアのそれぞれに近いデッキの一部によってレール上でエッジで支持されているときに、レールに対するパレットの横方向の動きによって、対向する辺の第2ペアのいずれかが収納ラックのレールから落ちるのを防止するように、間隔を置いて配置されている。
【0121】
一実施形態では、対向する辺の第2ペアのそれぞれに沿って設けられた一次支持脚は、一次支持脚がデッキのベースから離れるように突出するに従って、一次支持脚が対向する辺の第2ペアの隣接する一つから離れるようにテーパーするように、リードインを有している。
【0122】
一実施形態では、一次支持脚がデッキの底面から突出する距離は、二次支持脚がデッキから突出する距離よりも大きくなっている。
【0123】
一実施形態では、対向する辺の第2ペアのそれぞれに隣接して設けられた一次支持脚は、ラックがレールにエッジで支持されているときに、対向する辺の第2ペアのそれぞれに隣接する一次支持脚がレールに係合して、パレットのレールの横方向の移動を実質的に防止するように、対向する辺の第2ペアの間に間隔を置いて設けられている。
【0124】
一実施形態では、対向する辺の第2ペアのそれぞれに沿って設けられた一次支持脚は、一次支持脚がデッキのベースから離れるように突出するに従って、各一次支持脚が対向する辺の第2ペアのうち隣接する1つから離れるようにテーパーするように、リードインを有している。
【0125】
一実施形態では、デッキの対向する辺の第1ペアのそれぞれに隣接する一次支持脚は、デッキの関連する辺から内方にセットされている。
【0126】
一実施形態では、複数の一次支持脚は、デッキから格子形式で分配されている。
【0127】
一実施形態では、パレットは、少なくとも4つの一次支持脚を備え、該少なくとも4つの一次支持脚のうち4つは、対向する2つの辺のそれぞれに隣接してそれぞれの一端部に設けられている。
【0128】
一実施形態では、デッキは、辺の第1ペアと辺の第2ペアの交差部に4つのコーナーを有し、4つの一次支持脚は4つのコーナーのそれぞれに、または4つのコーナーに向かってが設けられている。
【0129】
一実施形態では、デッキは四辺形の形状を有している。
【0130】
一実施形態では、デッキは長方形または正方形の形状を有している。
【0131】
一実施形態では、デッキは1つ以上の丸められたまたは面取りされたコーナーを有している。
【0132】
一実施形態では、複数の一次支持脚は、対向する辺の第1ペアのそれぞれから内方にセットされている。
【0133】
一実施形態では、複数の一次支持脚は、対向する辺の第1ペアと対向する辺の第2ペアの双方に沿って、内方に間隔をあけて隣接している。
【0134】
一実施形態では、二次支持脚は、対向する辺の第1ペアに沿って隣接して配置された一次支持脚の中間にのみ設けられている。
【0135】
一実施形態では、二次支持脚は、対向する辺の第2ペアのペアに沿って隣接して配置された一次支持脚の中間には設けられていない。
【0136】
一実施形態では、二次支持脚の数は、デッキの対向する辺の第1ペアのそれぞれに直接隣接して設けられている一次支持脚の数に対応する。
【0137】
一実施形態では、パレットは、少なくとも4つの二次支持脚を備えており、前記少なくとも4つの二次支持脚のうち4つは、対向する辺の第1セットのそれぞれに隣接して、それぞれの端部に設けられた4つの一次支持脚と関連している。
【0138】
一実施形態では、対向する辺の第1セットの方向に沿った二次支持脚の幅は、対向する辺の第1セット方向に沿った一次支持脚の幅よりも小さい。
【0139】
一実施形態では、二次支持脚の少なくともいくつかは、デッキから垂れ下がっている。
【0140】
一実施形態では、二次支持脚の少なくともいくつかは、一次支持脚の少なくともいくつかに依存している。
【0141】
一実施形態では、二次支持脚は、対向する辺の第1ペアのそれぞれに隣接して配置された一次支持脚から垂れ下がっている。
【0142】
一実施形態では、パレットは、フォークリフトがラックのレールに実質的に垂直な方向にパレットにアクセスできるように、複数の二次支持脚上でラックのレールに支持されてよい。
【0143】
一実施形態では、パレットは、フォークリフトがラックのレールと実質的に平行な方向にパレットにアクセスできるように、デッキの対向する辺の第2セット上に支持されてよい。
【0144】
一実施形態では、一次支持脚及び対向する辺の第2ペアの第2ペアの間のデッキは、対向する辺の第2辺で支持されたパレットがデッキの棚部上に支持されるように、棚部を有している。
【0145】
一実施形態では、デッキはトップパネルを有しており、一次支持脚はトップパネルから垂れ下がっている。
【0146】
一実施形態では、一次支持脚はデッキのトップパネルと一体的に形成されている。
【0147】
一実施形態では、トップパネルは、一次支持脚の数に対応し、好ましくはこれまでにまたは以下に記載されているように、別のパレットの一次支持脚と入れ子になるように形成された複数の一次中空窪みを有している。
【0148】
一実施形態では、入れ子にすることは、トップパネルの複数の一次中空窪みの中に、別のパレットの一次支持脚を少なくとも部分的に受け入れることを含む。
【0149】
一実施形態では、トップパネルは、二次支持脚の数に対応し、好ましくはこれまでにまたは以下に記載されているように、別のパレット好ましくは別のシングルデッキパレットと入れ子になるように形成された複数の二次中空窪みを有している。
【0150】
一実施形態では、入れ子にすることは、トップパネルの複数の二次中空窪みの中に、別のパレットの二次支持脚を少なくとも部分的に受け入れることを含む。
【0151】
一実施形態では、一次窪みは、パレットのデッキ及び入れ子になったパレットのデッキが、フォークリフトのフォークがデッキ間を通過できるように分離されたままになるように、パレットのデッキに向かって突出する1つ以上の三次支持脚を含んでいる。
【0152】
別の態様では、これまでにまたは以下に記載されたパレットラックとパレットのシステムが提供され、パレットは、以下の
複数の二次支持脚の上でパレットラックのレールに支持されているシングルデッキパレットでであって、パレットの対向する辺がラックのレールと実質的に平行である、シングルデッキパレット、または
デッキの対向する端部で支持されているシングルデッキパレットでであって、パレットの対向する端部がラックのレールと実質的に平行である、シングルデッキパレットパレット、である。
【0153】
一実施形態では、パレットは上述した一種である。
【0154】
さらに別の態様では、これまでにまたは以下に説明する複数のパレットが提供され、パレットは、互いに入れ子状態で提供されるシングルデッキパレットである。
【0155】
一実施形態では、二次支持脚がデッキのすべての辺に沿って設けられている。
【0156】
一実施形態では、第1直交方向の隣接する2つの一次支持脚間の平行ビームの間隔は、第2直交方向の隣接する2つの支持脚間の平行ビームの間隔とは異なる。
【0157】
一実施形態では、ビームと隣接する一次支持脚との間の間隔は、前記直交方向の隣接する全ての支持脚の間のビームに対して同じである。
【0158】
本発明の他の態様は、例示としてのみ与えられる以下の説明、及び添付の図面を参照して明らかになるであろう。
【0159】
本明細書で、特許明細書、その他の外部文書、またはその他の情報源を参照しているところは、これは一般的に、本発明の特徴を議論するための文脈を提供することを目的としている。特に明記されていない限り、このような外部文書への参照は、いかなる法域においても、このような文書またはこのような情報源が先行技術であること、または当該技術分野における一般的な知識の一部を形成していることを認めるものとは解釈されない。
【0160】
以下の説明では、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横」、「縦」およびその派生語は、図面上で方向付けられているように本発明に関係するものとする。しかし、本発明は、反対に明示的に規定されている場合を除き、様々な代替的な変形を想定することができることを理解されたい。また、添付の図面に図示され、以下の説明に記載されている特定のデバイスは、本発明の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的なものとはみなされない。
【0161】
「含む(comprise)」という用語は、法域によって、排他的な意味と包括的な意味のいずれかを持つことがあることを認める。本明細書では、特に断りのない限り、「含む」という用語は包括的な意味を持つものとし、記載されている成分や要素だけでなく、他の指定されていない成分や要素も含めることができるものとする。また、「含む」、「含まれる」、「含んでいる」という用語は、システムに関連して、あるいは方法やプロセスにおける1つ以上のステップに関連して使用される場合、同様の意味を持つ。
【0162】
以上および以下で使用される「及び/又は」という用語は、「および」または「または」、あるいはその双方を意味する。
【0163】
以上及び以下で使用する場合、名詞の後に続く「(s)」は、その名詞の複数及び/又は単数を意味する。
【0164】
特許請求の範囲で使用されている場合、他に記載がない限り、「ための(for)」という言葉は、「~に適している」という意味にのみ解釈され、例えば、記載されている目的のために特別に「適応」または「構成」されているわけではない。
【0165】
本明細書では、「プラスチック」という用語は、広範囲の合成または半合成の重合製品を指す一般的な用語であり、一般的には炭化水素系ポリマーからなると解釈される。
【0166】
本明細書では、方法のステップが順番に記載されている場合、その順番は、他に論理的な解釈方法がない場合を除き、ステップがその順番で時系列的に並べられることを必ずしも意味しない。
【0167】
上記および下記に引用されているすべての出願、特許、出版物の全開示内容(もしあれば)は、参照によりここに組み込まれる。
【0168】
本明細書では、「プラスチック」という用語は、広範囲の合成または半合成の重合製品の総称であり、一般的には炭化水素系ポリマーからなると解釈される。PLAも想定されている。
【0169】
本明細書では、方法のステップが順番に記載されている場合、その順番は、他に論理的な解釈方法がない場合を除き、ステップがその順番で時系列的に並べられることを必ずしも意味しない。
【0170】
本発明が関連する技術分野の当業者にとっては、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構造の多くの変更や広く異なる実施形態および応用が示唆されるであろう。本明細書の開示および説明は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味でも限定的なものであることを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0171】
本発明の好ましい実施形態は、例示のみで、図面を参照して説明される。
図1】本発明の好ましい態様のパレットを上方から示した斜視図である。
図2図1のパレットの底面斜視図である。
図3図1のパレットの上面図である。
図4図1のパレットの底面図である。
図5図1のパレットの側面図である。
図6図1のパレットの端面図である。
図7】2つのパレットを入れ子にして積層した状態を示す断面図である。
図8図1のパレットの断面斜視図である。
図9図9Aは、標準ラックに収納された物品を運ぶパレットを、ラックの平行なレール上に置いた状態を正面から見た図である。図9Bは、図9AのAA方向から見た図である。
図10図10Aは、図1に示したような種類のパレットをドライブスルーラックに載せて、物品を運んでいる様子を示している。図10Bは、図10AのBB方向から見た図である。
図11図11Aは、パレットの変形例を示す側面図である。図11Bは、パレットのさらなる変形例を示す側面図である。図11Cは、パレットのさらなる変形例を示す側面図である。
図12図12Aは、パレットの変形例を示す端面図である。図12Bは、パレットの変形例を示す端面図である。図12Cは、パレットのさらなる変形例を示す端面図である。
図13図13Aは、周囲ビームと支持脚を有する本発明の実施形態によるパレットの底面図である。図13Bは、支持脚を有するが周囲ビームを有さない本発明の別の実施形態によるパレットの一実施形態の底面図である。図13Cは、周囲ビームを有するが、支持脚がない本発明のさらに別の実施形態によるパレットの底面図である。図13Dは、支持脚と周囲ビームを持たないパレットの一実施形態を示す底面図である。図13Eは、図13A図13Dのパレットを持ち上げるためのフォークリフトのフォークを示す図である。
図14図13Aのパレットの底面斜視図である。
図15図13Dのパレットの断面斜視図であり、図15Aは、パレットのデッキとフォークリフトのフォークを示す側面図である。図15Bは、レールに端部で支持されたパレットのデッキの側面図であり、荷重を受けたときのデッキのたわみを示している。図15Cは、パレットのデッキの側面図であり、不均等な荷重と、そのような荷重から生じるデッキの不均等な曲率を示している。
図16図16は、本発明のパレットに使用するデッキのシャーシの一例の金属フレームワークの上面平面図である。図16Aは、図16のA部の詳細図である。
図17図17は、図16のシャーシの底面図である。図17Aは、図17のB部の詳細図である。
図18図18Aは、本発明のパレットで使用するためのデッキのシャーシに使用されるか、またはシャーシを規定するためのビームの一例を示す図である。図18Bは、図18Aのビームの上部平面図である。図18Cは、図18Aのビームの側面図である。図18Dは、本発明のパレットで使用するためのデッキのシャーシを規定するために使用することができるビームの別の例を示す図である。図18Eは、図18Dのビームの側面図である。図18Fは、図18Dのビームの端面図である。これは、図18Aまたは18Dのビームの、ノッチまたはスロットを構成していない位置におけるビームの長手方向軸に直交する平面での断面図と考えることもできる。
図19図19A~19Bは、2つのビームが、2つのビームの一方のノッチで、交差部や格子で結合されている様子を示す底面部分斜視図である。図19Cは、2本のビームのうち、一方のビームのスロットにある交差部または格子で2本のビームが結合されている状態を示す上面斜視図である。
図20図20Aは、2本のビームを、溶接が可能な交差部や格子に配置した状態を示す図である。図20Bは、ビームに荷重をかけたときに、ビームの水平方向の壁が張力を受けている状態を示す図である。
図21図21Aは、本発明のパレットに使用するデッキのシャーシの一例の金属フレームワークの底面斜視図である。図21Bは、図21Aの筐体の底面平面図である。図21Cは、図21Bの筐体をXX方向から見た図である。図21Dは、図21Bの筐体をYY方向から見た図である。図21Eは、図21Aの筐体の上面平面図である。
図22図22Aは、図21BのC部の詳細図である。図22Bは、図21BのD部の詳細図である。図22Cは、図21BのE部の詳細図である。図22Dは、図21BのF部の詳細図である。図22Eは、図21EのG部の詳細図である。図22Fは、図21EのH部の詳細図である。図22Gは、図21Cの方向V-Vに沿った断面図である。図22Hは、図21Eの方向ZZに沿った断面図である。
図23図23Aは、図21Aのシャーシのビームの1つを示す斜視図である。図23Bは、図23Aのビームの端面図である。図23Cは、図23Aのビームの上部平面図である。図23Dは、図23Aのビームの側面図である。
図24図24Aは、図21Aのシャーシのビームの別の1つの斜視図である。図24Bは、図24Aのビームの端面図である。図24Cは、図24Aのビームの上部平面図である。図24Dは、図24Aのビームの側面図である。
図25図25は、図21Aのシャーシのコーナーブラケットを示している。
【発明を実施するための形態】
【0172】
図1および図2を参照すると、シングルデッキパレット1が示されている。シングルデッキパレット1は、収納ラックの間隔を空けた平行なレールで端部で支持されることができる。また、フォークリフトのフォークによって持ち上げることも可能である。シングルデッキパレット1は、荷重を支持するための頂面11と底面12とを有するデッキ10(平面形状を定義する)で構成されていてよい。好ましい構造およびデッキに使用される材料については、以下でさらに説明する。
【0173】
パレット1のデッキ10は、少なくとも4つの辺を有しており、ここで、fは、対向する辺の第1ペア13と対向する辺の第2ペア14とを含む。パレットは、デッキの対向する辺の少なくとも1ペアに沿ってエッジで支持されることができる。最も好ましい形態では、デッキは、長方形または正方形などの実質的に四辺形の形状になる。さらに、デッキは、産業界で一般的に使用されるパレットの標準化されたサイズに対応することができる。
【0174】
好ましい形態では、パレットは正方形または長方形の平面形状であり、例として以下の寸法(エッジ支持モードでの好ましい合計最小耐荷重を示す)であってよい。
・600×800(2000kg)
・1000×1200(2000kg)
・1000×1000(2000kg)
その他のデッキサイズは以下の通りであってよい。
・1000×1200
・1006×1206
・1016×1219
・1067×1067
・1200×1200
・1020×1200
・1060×1200
・1100×1100
・1165×1165
・1166×1242
好ましい形態では、例えば図1および図2に示すように、デッキの周囲の大部分は、対向する辺の第1ペア13および対向する辺の第2ペア14を規定するように形成されている。対向する辺の第1および第2ペアは、デッキ10の4つのコーナーで互いに交差する。いくつかの実施形態では、デッキは、1つまたは複数の面取りされたコーナーを有してよい(図1参照)。加えて、または代わりに、デッキのコーナーは、ゴム製のカバー(例えば、ゴムブロック)などのショックアブソーバまたはコーナーのそれぞれのためのアタッチメントを有してよい。
【0175】
パレットは、離散的に分配された複数の一次支持脚15を有してよい。複数の離散的に分配された一次支持脚15は、図2の図に示されている。複数の一次支持脚15は、好ましくは、デッキ10から垂れ下がり、デッキ10の底面12よりも下に突出して、地面や収納ラックのデッキなどの表面にパレットのデッキを、地面/収納ラックのデッキよりも高く支持するような態様で、支持するように配置されている。このグランドクリアランスは、フォークリフトのフォークがデッキの下を通過し、その後、デッキで(デッキ10の底面12で支持することで)パレットを持ち上げることを可能にする。すべての一次支持脚は、好ましくは、デッキ10から等しい距離突出する。
【0176】
少なくとも2つの一次支持脚15は、好ましくは、デッキ10の各エッジに隣接して配置され、パレットが地面や別のデッキや他の水平または実質的に水平な表面上で支持されているときに、デッキ上に担持された物品に安定したプラットフォームを提供する。そのため、デッキの各コーナーに一つずつ隣接して、少なくとも4つの一次支持脚があってよい。さらに、支持脚は、各エッジに沿って、またはエッジに配置された支持脚の中間に、さらなる支持脚を設けてよい。
【0177】
好ましくは、一次支持脚15は、その基部に、液体が流通するための開口部を有する。デッキ10は、好ましくは、空気穴を有する。好ましくは、トップパネルまたは頂面は一体型であり、エッジリップを有していてもよい。エッジリップは、滑り止めのコーティングが施されていてよい。
【0178】
図1および図2に示すように、パレット10はさらに、複数の離散的な二次支持脚16を有してよい。フォークリフトの2本のフォークが、一次支持脚15と二次支持脚16の双方の間を通過して、デッキの底面を支承するような間隔を確保するために、一次支持脚は、デッキから格子形式で配設されてよい。例えば、そのような格子形式の1つが、図2から4に示されており、そこでは、9つの一次支持脚15がデッキの下に突出し、整列されたた行と列に配置されている。
【0179】
一次支持脚15、特に周囲の一次支持脚は、デッキ10の側面に最も近いものであり、以下で説明するように、辺の第1ペア13および辺の第2ペア14のいずれかまたは双方に対して目的に応じた空間的関係を有することができる。
【0180】
図9A-9Bおよび図10A-10Bに示すように、二次支持脚16は、特定の条件において、デッキ10をレール19の上に上昇させるように、パレット1をラック17のレール19上にエッジで支持するために使用されることができる。このような上昇は、フォークリフトのフォークがレールとデッキの間の隙間を通過し、その後、デッキ10の底面に係合してパレット1を持ち上げることを可能にする。このような構成でパレットを収容するために使用され得るラッキングシステムは、標準ラッキングとして知られることがある。
【0181】
各二次支持脚16は、好ましくは、デッキ10の底面12の下に突出する。それらはすべて、好ましくは、デッキ10から等しい距離に突出する。
【0182】
好ましい形態では、二次支持脚16は、隣接するエッジの端部の近くに配置されており、パレット1が標準ラックレールにエッジで支持されているときに、パレット1に担持される物品に安定したプラットフォームを提供するのに役立つ。
【0183】
平面図において、二次支持脚16は、好ましくは、一次支持脚15と、デッキ10の4つの辺のうちの隣接する1つとの中間にそれぞれ設けられる。例えば、図1および図2に示すように、多数の一次支持脚15が、辺の第1ペア13のそれぞれに沿って隣接して設けられている。そして、これらの一次支持脚15のそれぞれと、辺の第1ペア13のそれぞれの一つとの中間に、二次支持脚16のそれぞれが設けられている。他の実施形態では、二次支持脚16は、辺の第1ペア13および辺の第2ペア14のいずれかまたは双方に沿って、それらの中間的な構成で提供されてよい。
【0184】
図3および図4は、パレット1の上方および下方から見た図であり、デッキ10の頂面11、デッキ10の底面12、および一次支持脚15と二次支持脚16を示している。
【0185】
二次支持脚16がパレット10をラック17のレール19上に支持している格納構成では、二次支持脚は、デッキ10の底面12をラック17、特にラック17のレール19の上に上昇させる役割を果たしている。このデッキ10の底面の高さは、少なくとも、ラック17のレール19とパレット1のデッキ10との間にフォークリフトのフォークを通すことができるような高さでなければならない。
【0186】
図5には、パレット1の側面図が示されている。二次支持脚16は、外側の一次支持脚15と辺の第1ペア13との中間の好ましい位置に示されている。いくつかの形態のパレット(図示せず)では、二次支持脚16は、辺の第2ペア14のそれぞれに沿っても設けられている。しかし、好ましい形態では、辺の第2ペア14のそれぞれに沿って二次支持脚16が設けられていない。代わりに、デッキ10の底面12の棚部20が、一次支持脚15と辺の第2ペア14のそれぞれとの間に設けられている。これは、例えば、図10bに示されており、以下で説明するように、パレットをドライブスルーラックに適したものにするために設けられている。
【0187】
図1および図2に見られるように、一次支持脚15および二次支持脚16の双方は、距離Dを隔てて配置されたフォークリフトの2本のフォーク100が、一次支持脚15および二次支持脚16の双方の間を通過して、デッキ10の底面12を支承するように入ることができるように、水平方向に間隔をあけて配置されている。一次支持脚と二次支持脚のこの間隔は、辺の第1ペア13または辺の第2ペア14の長さのいずれかの方向の間隔であってよい。しかし、好ましい形態では、一次支持脚と二次支持脚のこの水平方向の間隔は、パレットが4ウェイパレットとして使用できるように、辺の第1ペア13と辺の第2ペア14の双方の方向にある。このような構成において、フォークリフトの2本のフォークは、フォークリフトのフォークが辺の第1ペア13、または辺の第2ペア14のいずれでも実質的に垂直な方向に導入されたときに、一次支持脚と二次支持脚の双方の間を通過し、デッキの底面を支承するように入ることができる。
【0188】
二次支持脚16を収容するために、一次支持脚15は、辺の第1ペア13のそれぞれから内方にセットされてよい。これは、特に、図1および図2に見られる構成において、そこでは二次支持脚16が一次支持脚15と辺の第1ペア13の一方との中間に配置されているが、各一次支持脚15と辺の第1ペア13の関連する隣接部分との間にも直接配置されている。
【0189】
いくつかの形態では、二次支持脚16は、一次支持脚15と辺の第1ペア13の一つの隣接部分との間に直接存在しないように、辺の第1ペア13に沿って異なる位置に設けられてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、二次支持脚16は、辺の第1ペア13のそれぞれまで延びることができる。
【0191】
セカンダリ支持脚16は、デッキ10および一次支持脚15のいずれか一方または双方から垂れ下がって設けられてもよい。二次側支持脚16の3つの構成例を図11A図11Cに示す。図11Aでは、二次側支持脚16は、デッキ10および一次側支持脚15の双方から垂れ下がり、かつ、潜在的可能に一体的に形成されている。図11Bでは、二次支持脚16は、それらの関連する一次支持脚15からのみ垂れ下がるように提供される。図11Cでは、周囲の二次支持脚16は、辺の第2ペア14に対して特定の関係で提供される。二次支持脚16は、好ましくは少なくとも部分的に入れ子にすることが可能であるが、入れ子にすることが可能でなくてもよい。
【0192】
パレット1は、収納ラックのレールにエッジで支持されていてもよい。このようなエッジでの支持を提供する好ましい形態は、辺の第2ペア14のそれぞれに沿って配置された一次支持脚15を、辺の第2ペアのそれぞれの一つから内方にセットして、棚部20を提供することである。辺の第2ペア14に沿ったパレット1の図であって、パレットがエッジで支持され得る棚部20を示す図が、図10bに示されている。二次支持脚16が一次支持脚15に対して辺の第1ペア13に沿った対応する位置に設けられていない場合、辺の第1ペア13のいずれかの端部にある二次支持脚16は、この形式のラック支持のための棚部20を提供するために、辺の第2ペア14から内方にセットされる必要もあるかもしれない。
【0193】
好ましい形態では、辺の第2ペア14のそれぞれに隣接する棚部20により、パレットを一対のレール19上で辺の第2ペアの長さに沿ってエッジで支持することができる。
【0194】
好ましい実施形態では、一次支持脚15は、辺の第1ペア13および辺の第2ペア14の双方から内方にセットされており、二次支持脚16は、辺の第2ペア14から少なくとも内方にセットされている。
【0195】
パレット1は、ラックのレール上に支持されることができ、パレットのデッキ10は、パレットがその辺の第1ペア13またはその辺の第2ペア14が収納ラックのレールと実質的に平行になるように配向されているときに、フォークリフトが持ち上げるためにその底部にアクセス可能である。
【0196】
パレット1が使用される可能性のある支持ラック17の図が、図9Aから9Bおよび10Aから10Bに示されている。これらの図に示すように、支持ラック17は、複数のアップライト18と、関連する複数の平行なレール19とを有している。図9および図10に示す構成は例示であり、支持ラック17の高さ、幅、およびレール19の列数のバリエーションなど、一般的に使用される任意の数のバリエーションが本発明の範囲内で提供されることができる。
【0197】
パレット1の第1のラック構成が図9Aおよび9Bに示されている。この構成では、辺の第1ペア13は、支持ラックのレール19と実質的に平行に配向されている。このようにレール19に対して配向されるとき、パレット1は二次支持脚16によってレール19上に支持される。
【0198】
図9Aおよび図9Bに示すように、二次支持脚16に支持されているとき、レール19とパレットのデッキ10との間には、フォークリフトのフォークがデッキ10とレール19との間に入り得るような隙間が設けられる。
【0199】
二次支持脚16に支持されているとき、パレット1は、レール19の長さ方向に垂直な方向であるラックの側方から、フォークリフトでアクセスすることができる。
【0200】
したがって、デッキ10の底面12から離れる二次支持脚16の突出深さは、異なる厚さのフォークリフトのフォークのため、またはフォークリフトのフォークのための異なる所望のクリアランスのためなど、用途に応じて選択されることができる。
【0201】
第2のラッキング構成が図10Aおよび10Bに示されている。この構成では、パレットの辺の第2ペア14は、支持ラック17のレール19と実質的に平行に配向されている。パレットは、辺の第2ペア14のそれぞれに隣接して配置されているデッキ10の棚部20に沿ってレール19に支持されている。パレット1によって提供される任意の二次的な支持脚16は、この保管構成においてレール上に支承される必要はない。辺の第2ペア14がレール19と実質的に平行な状態でラック17に支持されているとき、パレット1は、レール19の細長い方向に平行な方向、すなわち支持ラック17の長さに沿った方向に、フォークリフトによってアクセスされることになる。
【0202】
好ましくは、パレットがレール19によって支持されることになる辺のペアのいずれかの間のデッキ10の幅は、支持ラック17の間隔を空けた2本のレール19の間のギャップよりも大きくなければならない。例えば、パレットが二次支持脚16に支持される場合、提案された辺の第1ペア13の間のデッキ10の幅は、支持ラック17の平行な2本のレールの間のギャップよりも大きい幅でなければならない。同様に、辺の第2ペア14がレール19と実質的に平行に配向されるように、パレットがデッキ10の棚部20上で支持される場合、辺の第2ペア14の間のデッキ10の幅は、レール19の間のギャップよりも大きくなければならない。
【0203】
好ましくは、いずれの支持方向においても、複数の一次支持脚は、辺の第1ペアおよび辺の第2ペアのうちの少なくとも1つに沿って内側に間隔を空けて隣接して配置されることになるが、好ましくは、双方の辺のペアに沿って内側に間隔を空けて隣接して配置される。したがって、一次支持脚15は、パレットがレールに支持されるときは、収納ラックのレール19の間に位置することになる。
【0204】
また、支持ラック17のレール19に対する少なくとも一次支持脚15の特定の間隔が望ましい場合もある。
【0205】
レール19上の棚部20で端部が支持されているパレット構成の場合、辺の第1ペア13に沿った周囲の一次支持脚15の間隔は、パレットがレール上で端部で支持されているときに、2つのレール19の横方向へのパレットの移動を制御するために使用されてよい。一次支持脚15は、レール19の間に位置するようになる。周囲の一次支持脚15を、レールとデッキの外側エッジ14との間の隙間よりもその隣接するレール19に近づけて設けることにより、一次支持脚は、レール上でのパレットの横方向の動きを制限することによってパレットがレールから落下するのを防止するように作用することができる。
【0206】
同様に、辺の第2ペア14に沿った一次支持脚15の位置は、パレットが二次支持脚16で支持されているときに、レール19に対するパレット1の横方向の動きを制限するように設計されてもよい。
【0207】
パレット1がデッキの棚部20にエッジで支持されているときに、レール19上のパレットの横方向の動きを制限するように、辺の第1ペア13に沿った一次支持脚15の分布の構成例を図10Bに示す。
【0208】
二次支持脚16は、パレット1のすべての側面に沿って配置されてもよい。それらは、好ましくは、一次支持脚15のより外側に位置するが、代わりに、少なくともいくつかの例では、その隣接する一次支持脚15の内側に位置してもよい。
【0209】
同様に、パレット1がその二次支持脚16に支持されているときに、レール19上でのパレット1の横方向の動きを制限するような、辺の第2ペア14に沿った一次支持脚15の分布を示す例示的な実施形態が、図9Bに示されている。
【0210】
いくつかの形態では、辺の第1ペアおよび辺の第2ペアに沿った一次支持脚の配置は、パレットが支持されているレールから滑り落ちるのを防止するようなものであってよい。他の形態では、一次支持脚の間隔は、パレットがレールの横方向に移動するのを制限するか、あるいは実質的に防止するために、パレットをレール19に対して横方向にロックするようになっていてもよい。
【0211】
一次支持脚15とレール19との間の移動制限関係を許容しつつ、特に支持ラック17に装填する際に一次支持脚15とレール19との間の望ましくない係合を防止するために、一次支持脚15の少なくとも周囲部分にはリードインが設けられていてよい。このようなリードインは、一次支持脚がデッキのベースから離れるように突出するに従って、一次支持脚が辺の第1ペア13または辺の第2ペア14の隣接する一方から離れるようにテーパーされていることを特徴としてもよい。例えば、図2の実施形態を参照すると、デッキ10の周囲に関する一次支持脚15は、一次支持脚が下方に延びるにつれて、辺の第1ペア13および辺の第2ペア14に隣接する少なくともそれらの部分がデッキの辺から離れるようにテーパーするようなリードインを有している。
【0212】
一次支持脚がデッキの下に伸びる距離は、二次支持脚がデッキの下に伸びる距離よりも大きいことが好ましい。二次側支持脚の距離は、例えば、デッキの底面から30mmとすることができる。一次側支持脚の距離は、例えば、95mmである。
【0213】
好ましい形態では、デッキ10の頂面11は、複数の一次中空窪み21を有するトップパネルによって規定されてよい。これらの一次中空窪み21は、支持脚15の数に対応するものであり、別のシングルデッキパレットの一次支持脚と入れ子になるように形成される。このような一次中空窪み21は、例えば、図1に見られる。
【0214】
図7は、入れ子構成になった2つのパレット1の断面図である。
【0215】
本発明のシングルデッキパレットの互いへの積み重ねた状態のより完全な入れ子を提供するために、各パレットのデッキのトップパネルは、二次支持脚16の数および位置に対応する複数の二次中空窪み22をさらに含んでいてよい。二次中空窪み22は、別のシングルデッキパレットの二次支持脚と入れ子になるように形成されている。
【0216】
シングルデッキパレットが一緒に入れ子にされる場合、パレットを分離するためにフォークリフトのフォークがパレットのデッキ間を通ることができるように、パレット同士の入れ子の程度を制限することが望ましい場合がある。この目的のために、一次中空窪み21または存在する場合の二次中空窪み22のいずれかまたは双方が、少なくとも1つの三次支持脚23を備えてもよい。一実施形態による三次側支持脚23が、図7および8に示されている。三次支持脚23は、窪みの基部からデッキ10の頂面11に向かって上向きに延びている。入れ子状態のパレットのデッキの互いの間隔は、1つ以上の三次支持脚23の高さを変化させることによって制御することができる。
【0217】
ある構成では、デッキのトップパネルは、プラスチック材料でできている。これは、例として、圧縮成形、真空成形、または射出成形されたものであってよい。好ましくは、一次支持脚は一次窪みを規定し、二次支持脚が二次窪みを規定する。
【0218】
なお、上述したパレット1は、上述したような支持脚や窪みを含んでいてもよいが、必ずしもそうである必要はない。パレット1は、図13Cおよび図13Dに示すように、支持脚や窪みのない単純な構成であってもよい。図13Cおよび図13Dに示すように、パレット1は、デッキ10を支持するためにデッキ10の下方に配置されたシャーシ110を備えて構成されていてもよい。
【0219】
ツインデッキ構造に頼らずに、図13A、13B、13C、13Dに見られる本発明のシングルデッキパレット1は、金属ビーム112のフレームまたはシャーシ110から強度を得ている。シャーシ110の一例は、シャーシ110の上面図である図16と、シャーシ110の底面図である図17にも示されている。金属ビームのシャーシ110は、主に、パレット1/デッキ10の耐荷重能力を提供する。パレット1/デッキ10が、例えば、辺の第1ペア13または辺の第2ペア14のいずれかに沿ってエッジで支持されている場合、レール間のギャップにわたって延びるシャーシ110のビームは、曲げにおいて、パレットの荷重を支承するように作用する。そのため、ビームの数と、曲げにおける二次慣性モーメントが、主な設計要素となる。
【0220】
好ましい形態では、パレット1は、第1の方向(すなわち、第1対向辺13の一方から第1対向辺13の他方へ)に延びる平行なビームと、第1の方向に直交する第2の方向(すなわち、第2対向辺14の一方から第2対向辺14の他方へ)に延びる平行なビームのデッキから構成されている。好ましくは、図13A~13Dに示すように、各方向に延びる4本のビームがある。好ましくは、ビーム112は、図18A~18Fに示すように、一定の四辺形(例えば、長方形または正方形の断面)の中空ビームである。ビーム112は、少なくとも、ビーム112がデッキ/パレットの側面13、14およびコーナー113から間隔を置いて配置されていることを意味する中間ビームとして配置されている。言い換えれば、ビーム112の各々は、そのビームが延びる長手方向軸に平行なデッキ10の辺13,14の各々から間隔を空けて(または間隔を置いて)配置されてよい。また、ビーム112は、パレット1の周囲ビームを規定し、あるいは、パレット1の周囲ビームとして配置されてよい。
【0221】
図13Aおよび13Cに示されている周囲ビーム111は、純粋に任意である。これは、荷重は典型的にはパレット1の中央に置かれ、したがって、強度が必要なのはパレット1/デッキ10の中間/中間部分に位置するクロスメンバー/ビーム112であるためである。図13Bおよび図13Dに示すように、シャーシ110は、パレット1/デッキ10の辺の第1ペア13からまたはその間を走る複数のビーム112と、パレット1の辺の第2ペア13の間を走るビームとで構成されており、パレット1には周囲ビーム13が存在しない。ビーム112の各々は、図18A~18Fに見られるように、好ましくは中空の四辺形横断面(例えば矩形横断面)を有する。
【0222】
辺のペア13の間に延びるビーム112は、辺のペア14の間に延びるビームと直角であることが好ましい。辺のペア13の間に延びるビーム112は、好ましくは、互いにも平行である。同様に、図13Aに見られるように、辺のペア14の間に延びるビーム122も互いに平行である。また、デッキ10のないシャーシ110のみを示す図16および図17を参照されたい。図示されているように、複数の直交するビーム112は、曲げにおいて、パレットの荷重支持を補助するために作用する格子構造(または格子)を提供する。横断面が中空の四辺形(例えば、長方形または正方形の横断面)であることにより、ビームは、デッキ10の平面に対して垂直に面する垂直側壁112A、112A′と、デッキ10の平面に対して平行に面する水平側壁112B、112B′とに配向される。ビーム112は、パレットを持ち上げることができるように、フォークリフトのフォークを受け入れることができるような形状および構成になっており、位置決め/配置されてよい。
【0223】
格子の2つのビームの交差部(交差部Iなど)において、2つのビームのうちの第1ビームは、2つのビームのうちの第2ビームが第1ビームが通過できるようにするために、その双方の垂直側壁112A、112A′が除去されていることが好ましい。そのようなビームの例は、図18A-Eに示されている。
【0224】
図18Aに示すように、ビーム112は、その双方の垂直側壁112A、112A′と、2つの水平側壁のうちの1つ(上部水平側壁112B)が、ビーム112が別のビームと交差するように構成されている部分で、除去されている。ビーム112の上部水平側壁112Bは、シャーシ110がデッキ10を支持しているときにデッキ10に近位の水平側壁であり、下部水平側壁112B′は、シャーシ110がデッキ10を支持しているときにデッキ10に遠位の壁であることが理解されるであろう。上部水平側壁112Bと2つの垂直側壁を除去することにより、ノッチ150がビーム112に形成される。
【0225】
図19A-Bは、そのようなノッチ構造の2つのビームがどのように結合されて、シャーシ110内のビーム112の各交差部Iに格子を形成するかを示している。図19A-Bでは、2つのビームのうちの第1ビームが参照数字112′で示され、第1ビームを通過する第2のビームが参照数字112′′で示されている。第2のビーム112′′は、第1ビーム112′と同じ種類のものであってもよいが、そうでなくてもよいことが理解されるであろう。言い換えれば、第2のビーム112′′は、第1ビーム112′に形成されたノッチ150内に受け入れられることが可能な任意の適切なビームであり得る。
【0226】
以上のことから、格子の2つのビーム112′、112′′の交差部において、2つのビームのうちの第1ビーム112′は、その垂直側壁112Aと、水平側壁の1つ(デッキに近接している上部水平オール112B)の双方が除去されて、2つのビームのうちの第2のビーム112′′が第1ビーム112′を通過することを可能にするノッチ150を提供することができることが理解できる。
【0227】
あるいは、格子の2つのビーム112′、112′′の交差部において、2つのビームのうちの第1ビーム112′は、その垂直側壁112A、112A′の双方が除去されるが、水平側壁(すなわち、デッキに近接する上部水平側壁112Bと、デッキから遠位の下部水平側壁112B′)は除去されずに残され、連続していることが可能である。このような構成により、2つのビームのうちの第2ビーム112′′が第1ビーム112′′を通過することを可能にするスロット160が、第1ビーム112′に形成されることになる。
【0228】
図18Dに示すように、ビーム112は、ビーム112が別のビームと交差するように構成されている部分で、その双方の垂直側壁112A,112A′が除去されている。しかし、上部水平側壁112Bと下部水平側壁112B′の双方は取り除かれていない。ビーム112の上部水平側壁112Bは、シャーシ110がデッキ10を支持しているときに、デッキ10に近接する水平側壁であり、下部水平側壁112B′は、デッキ10に遠位の側壁であることが理解されるであろう。2つの下部垂直側壁を除去するだけで、ビーム112にスロット160が形成される。
【0229】
図19Cは、そのようなスロット構成で、2つのビームがどのように結合され、シャーシ110内のビーム112の各交差部Iに格子を形成することができるかを示している。図19Cでは、2つのビームのうちの第1ビームが参照数字112′で示され、第1ビームを通過する第2ビームが参照数字112′′で示されている。第2ビーム112′′は、第1ビーム112′と同じ種類のものであってもよいが、そうである必要はないことが理解されよう。言い換えれば、第2ビーム112′′は、第1ビーム112′に形成されたスロット160内に受けられることが可能な任意の適切なビームであり得る。
【0230】
このような構成を有することで、2つの直角に配向されたビーム112の格子の接合部/交差部で必要とされる溶接が少なくて済むことが理解できる。例えば、2つのビーム112′、112′′の各格子または交差部/接合部では、溶接はビームの垂直側壁でのみ行われてよい。接合部/交差部または格子におけるビームの水平側壁では、溶接はほとんどまたは全く生じないかもしれない。ある構成では、溶接は、ビームの上部水平側壁で行われてもよい。ある構成では、溶接はビームの上部水平側壁および垂直側壁で行われてよいが、ビームの下部水平側壁120Bでは、溶接が必要ない場合がある(図20A参照)。第1ビーム112′の下部側壁112Bが第2ビーム112′′を支持するために連続しているため、ビーム112′および112′′の下部水平側壁120Bに溶接が適用されない場合でも、第2ビーム112′′は落下しない。
【0231】
このことは、接合部での溶接が少なくて済むため、溶接部に発生するクラックや、特に疲労やパレットの荷重や過負荷によって通常溶接部に発生する可能性のあるその他の損傷を完全に防止または回避できるという点で有利である。特に、交差部におけるビームの双方のうちの一つの下部水平側壁112B′は連続している。これは、ビームの曲げモーメント応力が最も高い領域(底部)で双方のビーム112、112′′が材料の連続性を有することを意味する。交差部の2つのビーム112′、112′′が、一方のビームだけがその下部水平側壁を連続させることができる突き合わせ関係にある場合には、不連続性はない。
【0232】
図20Bは、ビームに荷重Lがかかっている状態を示している。荷重を支える下部水平側壁に張力Tが発生している。また、図20Bには、ビームの応力・ひずみ図の一例が示されている。
【0233】
図13Aおよび13Cに示すように、金属ビームの格子は、周囲ビーム111を含んでいてもよいが、上述したように、そのような周囲ビーム111は純粋に任意である。周囲ビーム111は、コーナー113で合流してもよく、コーナー113は、直角コーナーまたは面取りコーナーのいずれかである。好ましい形態としての面取りコーナーが、図13A図13Dに示されている。なお、コーナーは丸められてよい。周囲ビームのコーナーにおける面取り構造は、パレットのコーナー領域に追加の強度を提供する。コーナー領域113は、例えば、ショックアブソーバ114を示す図13Aの左下のコーナーに示されるように、衝撃吸収要素を追加で搭載してもよい。ショックアブソーバは、ゴムまたはプラスチック材料で作られていてよい。
【0234】
一例では、周囲ビーム111は、CまたはU断面形状を有する。好ましい形態では、C字型の周囲ビーム111の領域116は、フレーム110の最も外側の部分である。ビームは、箱型または台形の形状であることも可能である。
【0235】
あるいは、より好ましくは、周囲ビーム111も、ビーム112と同様の中空の四辺形横断面(例えば矩形横断面)であってもよい。周囲ビーム111とビーム112とが交差する格子において、周囲ビーム111またはビーム112のいずれかが、好ましくは、2つのビーム111,112のうちの第2ビームが第1ビームを通過できるようにするために、その双方の垂直側壁112Aが除去されている。格子の2つのビーム111,112の交差部において、2つのビーム111,112のうちの一つは、好ましくは、2つのビームのうちの第2ビームが第1ビームを通過できるようにするために、その垂直側壁112Aの双方だけでなく、水平側壁の一方も除去されていることが可能である。上述したように、周囲ビーム111は純粋に任意であり、最も好ましい実施形態では、好ましくは、パレットはそのような周囲ビーム111を有していない。
【0236】
図21A~Eは、上述したようなパレット1に使用されるか、またはパレット1の一部となり得るシャーシ210の別の例を示す。図21Aは、上述したようなパレット1のいくつかの実施形態で使用するためのデッキのシャーシ210の金属フレームワークの底面斜視図である。図21Bは、図21Aのシャーシの底面平面図である。図21Cは、図21Bのシャーシの方向XXにおける図であり、図21Dは、図21Bのシャーシの方向YYにおける図である。図21Eは、図21Aのシャーシの上面図である。
【0237】
図のように、直交する複数のビーム212A~212Lは、曲げにおいてパレットの荷重支持を補助するように作用する格子構成を提供する。
【0238】
図22A~22Fは、図21Bおよび21Eの様々なセクションの詳細図である。具体的には、図22Aは、図21BのセクションCの詳細図である。図22Bは、図21BのセクションDの詳細図である。図22Cは、図21BのセクションEの詳細図である。図22Dは、図21BのセクションFの詳細な図である。図22Eは、図21EのセクションGの詳細な図である。図22Fは、図21EのセクションHの詳細な図である。図22Gは、図21Cの方向VVに沿った断面図を示す。図22Hは、図21Eの方向ZZに沿った断面図である。図22A~22Fでは、溶接された部分Wも示されている。溶接部Wは一例として示されているだけである。なお、図21A~Eのシャーシは、図22A~Fに示すものと全く同じ方法で溶接される必要はなく、図22A~Fに示すものよりも少ない溶接でも同様に可能である。
【0239】
図23A~23Dは、ビーム212A~212Hがどのように見えるかを示している。具体的には、図23Aは、ビームの1つの斜視図を示している(212Aと符号付けされているが、ビーム212A~212Hのいずれか1つであってもよい)。図23Bは、図23Aのビーム212Aの端面図である。図23Cは、図23Aのビーム212Aの上面図である。図23Dは、図23Aのビームの側面図である。
【0240】
同様に、図24A~24Dは、ビーム212I~212Lがどのように見えるかを示している。具体的には、図24Aは、ビームの1つの斜視図を示している(212Iと符号付けされているが、ビーム212I~212Lのいずれか1つであってもよい)。図24Bは、図24Aのビームの端面図である。図24Cは、図24Aのビームの上面平面図である。図24Dは、図24Aのビームの側面図である。
【0241】
図示されているように、ビーム212A~212Lは、横断面が中空の四辺形(例えば、長方形または正方形の横断面)であってもよい。このような断面であることにより、ビームは、デッキ10の平面に対して垂直に面する垂直側壁213A、213B、213C、213Dと、デッキ10の平面に対して平行に面する水平側壁215A、215B、215C、215Dとすることができる。
【0242】
ビーム212A~212Lは、パレットを持ち上げることができるように、フォークリフトのフォークを受けることができるように、位置決め/配置された形状および構成であってよい。
【0243】
図24Aに示すように、格子の2つのビームの交差部(交差部Jなど)において、2つのビームのうちの第1ビームは、2つのビームのうちの第2ビームが第1ビームを通過できるようにするために、その双方の垂直側壁213C,213Dが除去されていることが好ましい。また、図24Bに示すように、ビーム221Iは、ビーム112が別のビーム(好ましくは、ビーム212E~212Hのいずれか1つである)と交差するように構成されている部分で、その垂直側壁213C,213Dの双方と、2つの水平側壁のうちの1つ(上部水平側壁215C)が除去されていてもよい。上部水平側壁215Cは、シャーシ210がデッキ10を支持しているときに、デッキ10に近接する水平側壁であり、下部水平側壁215Dは、デッキ10に遠位の壁であることが理解されるであろう。上部水平サイドウォール112Bおよび2つの垂直サイドウォールを除去することにより、ビーム212I,212Lにノッチ250が形成される。
【0244】
図22Cは、そのようなノッチ構成の2本のビームを接合して、シャーシ210のビーム212E~212Lの各交差部Jで格子を形成する方法を示している。
【0245】
上述のような構成にすることで、格子の接合部/交差部での2つの直角方向のビーム212E~212Lの溶接が少なくて済むことが理解できる。図22A~22Fの詳細図は、溶接Wが必要となる場所の一例を示している。好ましくは、溶接は、各格子または2つのビームの交差部/接合部でのみ必要とされる場合がある。溶接は、ビームの垂直側壁でのみ行われてもよい。溶接は、ビームの垂直側壁でのみ行われ、ビームの水平側壁ではほとんど、あるいは全く行われないかもしれない。
【0246】
接合部での溶接が少なくて済むため、溶接部にクラックが発生するリスクや、特に疲労やパレットの荷重や過負荷によって溶接部に発生する可能性のあるその他の損傷を防止することができる。コーナーは、図21A~Eに示すように、L字型であってもよい。コーナーは、コーナーブラケット217を有していてよい。図25は、シャーシの各コーナーに溶接(溶接された領域をWで示す図22A参照)またはその他の方法で取り付けられてもよいコーナーブラケットの例を示している。領域217は、ショックアブソーバなどの衝撃吸収要素を追加で搭載してもよい。ショックアブソーバは、ゴムまたはプラスチックの材料で作られていてもよい。
【0247】
したがって、上記から、本発明のパレット1は、その上に荷重を受けるためのデッキ/パレットデッキと、デッキ10を支持するためにデッキ10の下に設けられたシャーシ110,210(図16,17,21A~21Eに示すようなもの)とを含んでいてもよいことが理解されるであろう。デッキは、積荷を支持するための頂面118と、頂面に対向する底面と、少なくとも4つの辺とを有し、少なくとも4つの辺は、対向する辺の第1ペア13と対向する辺の第2ペア14とを有している。シャーシ110,210は、図16,17,21A~21Eに示すような格子構成に形成されている。図示されているように、シャーシ110,210は、デッキの対向する辺の第1ペアの間に延在するが、デッキの対向する辺の第2ペアからは間隔を空けて配置された少なくとも2つの間隔を空けて配置された平行なビームの第1セットを有している。また、図13D~13D、16、17、21A~21Eに示すように、シャーシ110、210はまたデッキの対向する辺の第2ペアの間に延在するが、デッキの対向する辺の第1ペアからは間隔を空けて配置された少なくとも2つの間隔を空けて配置された平行なビームの第2セットも有している。ビームの第1セットは、ビームの第2セットと直交している。格子の2つのビームの各交差部において、前記2つのビームのうちの第1ビームは、第2ビームが第1ビームを通過できるように、ノッチ150、250またはスロット160を有する。
【0248】
好ましい形態では、すべてのビーム112,212A~212Lは、同一平面上にある。好ましい形態では、すべてのビーム112,212A~212Lは、一緒になって、デッキ10の底面12を規定するように、同じ高さである。デッキの底面12は、それゆえ、(ビームの不連続な格子はあるが)平面的な構成であり、フォークリフトのフォークが底面でデッキを支えることを可能にする。
【0249】
フレーム/シャーシ110、210は、任意にプラスチックによって包囲される。プラスチックは、パレット1の頂面11を定義するトップパネル118を定義してもよい。好ましい形態では、プラスチックは、パレット1の底面を画定するように、周囲ビームの周囲についても、また、ビームの底面上にも延びていてよい。フレームのプラスチックの封入は、一緒に接着されたプラスチックの少なくとも2つの部分から提供されてもよい。一次部品は、トップパネル118および支持脚を定義し、追加の部品は、フレームによって下から受けられるプラスチックである。トップパネルは、繊維強化プラスチックで作られていてもよい。トップパネルは、曲げの間ビームが横方向に逸脱するのではなく、曲げの間ビームを柱状に保つのに役立つように適合され、形成されてもよい。
【0250】
あるいは、プラスチックは、単にトップパネル118と一次および二次支持脚15、16を規定し、フレーム110はプラスチックに固定またはその他の方法で接着されていてもよい。
【0251】
いくつかの形態では、プラスチックは、ビーム格子110に対して圧縮成形されてもよいし、ビーム格子に対して射出成形されてもよい。
【0252】
トップパネルは、パレット上の物品や荷重を支える場所である。荷重はビームに均等に分散され得る。しかし、多くの場合、パレットは不均等な荷重分布を持ち得る。さらに、パレットは、不均一な荷重分布と、デッキの底部におけるフォークリフトのフォークの点荷重を引き起こすような方法で、フォークリフトのフォークによって持ち上げられることがある。また、フォークリフトがスピードに乗ってデッキの辺にぶつかることがあり、これがパレットの破損につながることがある。
【0253】
図15aを参照すると、フォークリフトがパレット1を持ち上げる際に、フォークリフトのフォーク100が、図15aに見られるように点荷重を生じさせるやり方で、デッキ10の底面(すなわち、デッキのビームの底面)に接触することがあることが分かる。ビームまたは(複数)ビーム112,212A~212L上のこの点荷重Lは、デッキの底面におけるビーム112,212A~212Lの壁の折り目または破砕をもたらす可能性がある。この点荷重がビームの底部を損傷し、それによってパレットの強度が低下する可能性を回避するための1つの方法は、ビーム112,212A~212Lのゲージ厚を増加させることである。しかし、ゲージの厚さを増やすと、ビームの重量が増え、その結果、パレットの重量も増えてしまう。フォークリフトによるリフティングモードの損傷が発生する可能性が最も高い場所は、ビーム112,212A~212Lの底部領域であることを考慮すると、底面領域でビームの強度を高めることは、ビーム112,212A~212Lの重量を実質的に増加させることなく達成できることが分かった。
【0254】
ビーム112、212A~212Lは、薄いゲージの冷間圧延鋼板から製造することができるが、下部側壁112B′、215B、215Dの底面131、231における図18A~18E、23B、24Bに見られるような領域130、230のような工学設計された壁のプロファイルによって、必要とされるところでは、フォークポイントの負荷による折り目/曲げに対する耐性が強化される。領域130,230での工学設計プロファイルは、例えば、図18A~18E,23B,24Bに見られるように、矩形断面のビームの中空部に延びる内部フランジである。工学設計プロファイルは、ビームの底面の二次慣性モーメントを強化し、その結果、ビームのこの領域の、例えば、ビームの底面上のフォークリフトのフォークの端の点荷重に起因する折り目のついた損傷または衝撃損傷に対する抵抗を強化する。言い換えれば、ビーム112、212A~212Lは、薄いゲージのスチールのままであってもよいが、底面領域の強度を高めるために底面領域に形状を有していてもよい。これにより、ビーム112、212A~212Lは、ビームの他の部分にそのような強化された強度構成が必要とされないことから、依然として低重量のままである。
【0255】
別の形態では、ビーム112、212A~212Lの底面の強度は、薄いゲージングシートを底面でシートの層を2倍にするように形成することで高めることができる。
【0256】
同様に、周囲ビーム(存在する場合)は、底面の板金を2重にすることで、底面の周囲ビームの衝撃による損傷を防ぐことができる。このように、ビームを構成する板金を形成することで、ビームの局所的な強度を向上させることができるため、ビーム全体を形成する板金の厚みを増やすことなく、軽量化を図ることができる。
【0257】
ビームの二重化領域は、ビームの全長に渡っているのが好ましい。しかし、別の構成では、二重化された領域をビームの両端の間に設けても、耐曲げ性が向上する。
【0258】
上述したように、フォークリフトのフォーク100は、デッキ1の下で一次支持脚15の間の位置に到達することができる。一次支持脚15の間の水平方向の間隔は、フォークリフトのフォークにとって支持脚間の十分な幅方向のクリアランスを可能にするようなものである。
【0259】
フォークリフトのフォーク(典型的には100mm幅)が、ビーム112(フォーク方向に延びるビーム112)が設けられている場所のパレットの底面に確実に接触するように、ビーム112は、一次支持脚の間のギャップの間に位置することが好ましい。図13には、フォークリフトのフォーク100(図13E)が通過するための隙間Gが見られる。フォークリフトのフォーク100は、ビーム(単数または複数)112にかかってくる。パレットが例えば地面に保管されており、一次支持脚がパレットを地面に支持している場合、フォークリフトのフォークがデッキの下を通過する唯一の隙間は、隣接する一次支持脚間の隙間である。フォークリフトのフォークの幅が通常100mmであることを考慮すると、一次支持脚間の隙間Gと、その隙間におけるビーム112の位置は、フォークリフトのフォークが常にビーム112に接触するようなものであることが好ましく、また、隣接する一次支持脚の隙間Gの間に延びる双方または複数のビーム112が設けられている場合には、その双方または複数のビーム112に接触することが好ましい。
【0260】
一例を挙げると、距離Kは好ましくは100mm以下で、フォークリフトのフォークが一次支持脚に突き当たっても、その反対側ではフォークがビーム112の下に収まるようになっている。同様に、ビーム間の距離K2は、図13に示すように、フォークリフトのフォークが平行な中間ビームの間の隙間に滑り込むことができないように、100mm未満であってもよい。一例では、例えば、間隔KおよびK2は、約70mmである。同様に、間隔は、他の方向にそのようなものであってもよいが、詳細には説明されていないが、パレットのデッキの下に到達するフォークリフトのフォークが、パレットの中間ビーム上に必ず来るようにするために、これがどのように機能するかは、当業者には理解できるであろう。他の軸の間隔は、図のような軸とは異なっていてもよい。
【0261】
図13Eでは、1本のフォークリフトフォークしか示されていないが、通常、パレットを持ち上げるために2本のフォークリフトフォークが使用され、もう1本のフォークリフトフォークは、上述のギャップに隣接するギャップに入ることが理解されるであろう。前述したように、フォークリフトのフォークは、他の方向に間隔をあけて配置された隣接する一次支持脚のギャップの間で、図13に示す方向に対して横方向にデッキの下に到達することもできる。
【0262】
本発明のパレットは、軽量な構造とすることができる。これにより、輸送/返送コストを削減することができる。また、パレットを手で扱うことができるようになる。一例として、エッジで支持が可能であり、2500kgの均等な荷重を支えることができるパレットのいくつかの重量は、以下の通りであってもよい。
(a) 1200x800で約18kg
(b) 1200×1000で約22kg。
【0263】
パレットの高さが50%以下に入れ子にして、さらに返送コストを節約することができる。
【0264】
主に金属フレーム/シャーシにプラスチックを加えた高さで規定されるパレットのデッキは、高さが30~60mm程度である。
【0265】
薄い金属板を冷間圧延して所望のビーム形状にすることで、中間ビームと周囲ビームの少なくとも一方を軽量構造にしつつ、局所的な補強を施して耐衝撃性や耐クリープ性を向上させることができる。好ましい形態では、使用されるスチールゲージは、好ましくは0.045から1.8mmの厚さである。好ましくは、シートゲージの厚さは1mmである。周囲ビームや中間ビームに使用できるプロファイルの寸法やその他の特性の例を以下に示す。
【0266】
ビーム112、212A-212Lは、1枚の冷延鋼板、またはプロファイルの半分ずつの2枚の冷延鋼板から作られ、必要に応じてシートの2つの端部を連続溶接またはスポット溶接で接合して箱型に形成される。
【0267】
パラメータ
【0268】
【表1】
【0269】
荷重の配分は、荷重の大きさよりもパレットの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。図15Bに見られるように、各サイドサポート(ラックのレール19など)の間に中央に印加された荷重を有するパレットは、レールの間に延びるデッキのビームの実質的に均等な曲げプロファイルをもたらす。しかし、図15Bに見られるように、パレットの不均一な荷重分布は、不均一な曲げプロファイルをもたらし、その結果、レール19の一方及び/又はその近傍での高い曲率R1は、対向する他方のレールでのまたはその近傍でのR2と比較して高くなる可能性がある。高い曲率R1は、(図15Aの荷重Lが図15Bの荷重Lと同じであっても)、物品が載っているパレットの上部の領域の傾斜を考慮すると、パレット上に積み上げられた物品が領域R1でより容易に転倒することになる。したがって、パレットを設計する際には、不均一な荷重分布を考慮し、ビームが十分な剛性を持ち、破損するほど曲がったり、パレットの上部に大きな傾斜ができて上部の物品が不安定になることがないようにすることが重要である。また、物品が傾いているために、物品自身が押しつぶされる可能性もある。
【0270】
したがって、上述のようなパレットの設計は、パレット上に最大2トンの荷重を運び、十分な強度を持ちながら、デッキの厚さを減らすことによって、及び/又は、また、ツインデッキ形式を提供しないということによって、入れ子にすることができ、良好で望ましい結果を達成することができることが理解されるであろう。さらに、パレットの重量とパレットの強度との間の緊張も損なわれることなく適切に提供される。このパレットは、十分な強度を持ちながら、手で扱えるように十分に軽量である。さらに、このパレットは、かなりの程度の摩耗及び破損、及び、例えばフォークリフトのフォークによる潜在的な損傷にも対応できる。
【0271】
ここでは、デッキと一次支持脚、好ましくは二次支持脚で構成される輸送用パレットなどのパレットについて説明しているが、デッキは輸送用木枠の一部として使用することも可能で、例えば、ここで説明したようなデッキと、デッキの上を垂直に延びる側壁で構成される木枠(crate)などがある。側壁は、物品を収納するための筐体/木枠を形成する。側壁は、複数の同じように積み重ねられた木枠を、支持脚を介してではなく、木枠のフットプリントの中間に位置するデッキの端部で1つのパレットから他のパレットへと荷重移動させることもできる。
【0272】
本明細書に記載されている本発明は、標準的なラッキング、および好ましくはドライブスルーラッキングと組み合わせて、本明細書に記載されているようなシングルデッキパレットを入れ子にするシステムからもなる。本明細書で説明したパレットは、標準的なラッキング及び/又はドライブスルーラッキングでの使用に適していることが理解されるであろう。本発明のパレットは、好ましくは、非バイオ素材でできている。本発明のパレットは、好ましくは、プラスチックおよび金属から作られる。
【0273】
パレットは、フォークがパレットの4つの辺から入ることができる4ウェイパレットであることが好ましい。隣接する一次支持脚の間のエントリーポート(隙間)は、一次支持脚がデッキから等距離に伸びていることから、すべての面で同じ高さであることが好ましい。
【0274】
オプションの周囲フレームを設けることで、ドライブスルーラックへの収納を容易にすることができる。デッキの平行な2辺の外側にある棚部は、一次支持脚の外側にあり、パレットのドライブスルーラックが可能である。また、支持脚がドライブスルーラックのレールに近似した間隔で配置されていることと協働して、パレットをドライブスルーラックのレールに固定し、パレットがラックから滑り落ちるのを防ぐことができる。
【0275】
支持脚とコーナーは、破損した場合は交換することができる。
【0276】
前述の説明の中で、既知の等価物を持つ要素または整数が参照されている場合、そのような等価物は、あたかも個別に記載されているかのように含まれている。
【0277】
本発明を例示し、特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、修正及び/又は改良を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15
図15A
図15B
図15C
図16
図16A
図17
図17A
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
図22H
図23A
図23B
図23C
図23D
図24A
図24B
図24C
図24D
図25
【国際調査報告】