(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(54)【発明の名称】遮断ガラスユニットのためのスペーサ
(51)【国際特許分類】
E06B 3/663 20060101AFI20220909BHJP
【FI】
E06B3/663 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502588
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020069901
(87)【国際公開番号】W WO2021009176
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ベルナー クスター
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マルヤン
(72)【発明者】
【氏名】バルター シュライバー
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016AA01
2E016BA01
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC01
2E016EA01
2E016EA02
2E016FA01
(57)【要約】
【課題】改善されたスペーサを提供し、改善された遮断ガラスユニット及びその製造のための簡便化された方法を提供する。
【解決手段】本発明は、遮断ガラスユニットのためのスペーサ(I)に関し、これは、少なくとも、第1のプラスチック(7)と第2のプラスチック(8)とから共押出された本体(1)を有し、第2のプラスチック(8)が、第1のプラスチック(7)よりも低い熱伝導率及び高い柔軟性を有している。本体は、第1の側壁(2.1)及びこれに平行に配置されている第2の側壁(2.2)、側壁(2.1、2.2)を互いに接続しているグレージング内側壁(3)、グレージング内側壁(3)に実質的に平行に配置されており、側壁(2.1、2.2)を互いに、直接に又は接続壁(6.1、6.2)を介して、接続している、外側壁(4)、側壁(2.1、2.2)、グレージング内側壁(3)及び外側壁(4)によって囲まれており、又は、側壁(2.1、2.2)、グレージング内側壁(3)、外側壁(4)、及び接続壁(6.1、6.2)によって囲まれている、キャビティ(5)、を有しており、本体は、第2のプラスチック(8)から形成される中空プロファイル材として設計されており、この中空プロファイル材において、第1のプラスチック(7)が、少なくともいくつかの領域において、内側で、プロファイル材に直接に隣接している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
- 第1のプラスチック(7)と第2のプラスチック(8)とから共押出された本体(1)、
を有しており、
この本体(1)が、
- 第1の側壁(2.1)及びこれに平行に配置されている第2の側壁(2.2)、
- 前記側壁(2.1、2.2)を互いに接続している、グレージング内側壁(3);
- 前記グレージング内側壁(3)に対して実質的に平行に配置されており、前記側壁(2.1、2.2)を互いに直接に又は接続壁(6.1、6.2)を介して接続している、外側壁(4);
- 前記側壁(2.1、2.2)、前記グレージング内側壁(3)、前記外側壁(4)によって囲まれており、又は、前記側壁(2.1、2.2)、前記グレージング内側壁(3)、前記外側壁(4)、及び前記接続壁(6.1、6.2)によって囲まれている、キャビティ(5)、
を有しており、
前記第2のプラスチック(8)が、前記第1のプラスチック(7)よりも低い熱伝導率及び高い柔軟性を有しており、
前記本体(1)が、前記第2のプラスチック(8)から形成される中空プロファイル材として設計されており、前記第1のプラスチック(7)が、この中空プロファイル材において、内側で、少なくともいくつかの領域で、前記中空プロファイル材に直接に隣接して、配置されている、
遮断ガラスユニットのためのスペーサ(I)。
【請求項2】
前記第1のプラスチック(7)が、少なくとも、前記側壁(2.1、2.2)の領域に配置されている、請求項1に記載のスペーサ(I)。
【請求項3】
前記第1のプラスチック(7)が、再生材料を含み又は再生材料でできており、
前記第2のプラスチック(8)が、再生材料を含まない、
請求項1又は2に記載のスペーサ(I)。
【請求項4】
前記第1のプラスチック(7)が、ガラス繊維補強プラスチックであり、特には、10%~40%のガラス繊維含有量を有するガラス繊維補強プラスチックであり、
前記第2のプラスチック(8)が、前記第1のプラスチック(7)よりも低いガラス繊維含有量を有しており、又はガラス繊維を含まないプラスチックである、
請求項1~3のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項5】
前記第1のプラスチック(7)及び前記第2のプラスチック(8)が、異なるポリマー又はコポリマーに基づいている、請求項1~4のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項6】
前記本体(1)の領域のうち、前記キャビティ(5)に直接に隣接する領域が、前記第1のプラスチック(7)からできており、
前記本体(1)の領域のうち、前記キャビティ(5)に直接に隣接しない領域が、前記第2のプラスチック(8)からできている、
請求項1~5のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項7】
前記本体(1)の、前記第1の側壁(2.1)、前記第2の側壁(2.2)、前記外側壁(4)、前記第1の接続壁(6.1)、及び前記第2の接続壁(6.2)が、前記第1のプラスチック(7)及び前記第2のプラスチック(8)からできており、このうち、前記キャビティ(5)に直接に隣接する前記本体(1)の領域が、前記第1のプラスチック(7)からできており、前記キャビティ(5)に直接に隣接しない前記本体(1)の領域が、前記第2のプラスチック(8)からできており、
前記本体(1)の前記グレージング内側壁(3)が、前記第2のプラスチック(8)からできている、
請求項1~5のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項8】
前記本体(1)の、前記第1の側壁(2.1)、前記第2の側壁(2.2)、前記グレージング内側壁(3)、前記第1の接続壁(6.1)、及び前記第2の接続壁(6.2)が、前記第1のプラスチック(7)及び前記第2のプラスチック(8)からできており、このうち、前記キャビティ(5)に直接に隣接する前記本体(1)の領域が、前記第1のプラスチック(7)からできており、前記キャビティ(5)に直接に隣接しない前記本体(1)の領域が、前記第2のプラスチック(8)からできており、
前記本体(1)の前記外側壁(4)が、前記第2のプラスチック(8)からできている
請求項1~5のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項9】
前記本体(1)の、前記第1の側壁(2.1)、前記第2の側壁(2.2)、前記第1の接続壁(6.1)、及び前記第2の接続壁(6.2)が、前記第1のプラスチック(7)及び前記第2のプラスチック(8)からできており、このうち、前記キャビティ(5)に直接に隣接する前記本体(1)の領域が、前記第1のプラスチック(7)からできており、前記キャビティ(5)に直接に隣接しない前記本体(1)の領域が、前記第2のプラスチック(8)からできており、
前記本体(1)の前記グレージング内側壁(3)及び前記外側壁(4)が、前記第2のプラスチック(8)からできている
請求項1~5のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項10】
前記グレージング内側壁(3)が、くぼみ部(11)を有しており、このくぼみ部は、前記側壁(2.1)及び(2.2)に実質的に平行に延在しており、ペインを収容するためのものである、
請求項1~9のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項11】
前記第1のプラスチック7及び/又は前記第2のプラスチック8が、発泡プラスチックである、請求項1~10のいずれか一項に記載のスペーサ(I)。
【請求項12】
前記第1のプラスチック(7)及び前記第2のプラスチック(8)を共押出して前記本体(1)を形成する工程を少なくとも含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のスペーサIを製造する方法。
【請求項13】
第1のペイン(13)、第2のペイン(14)、前記第1のペイン(13)と前記第2のペイン(14)との間に周縁的に配置されている請求項1~11のいずれか一項に記載のスペーサ(I)、を少なくとも有しており、
- 前記第1のペイン(13)が、前記第1の側壁(2.1)に、主要封止剤(17)を介して取り付けられており、
- 前記第2のペイン(14)が、前記第2の側壁(2.2)に、主要封止剤(17)を介して取り付けられており、
- 前記スペーサ(I)が、内部ペイン間空間(15)を、外部ペイン間空間(16)から分離しており、
- 二次封止剤(18)が、前記外部ペイン間空間(16)に配置されている、
遮断ガラスユニット(II)。
【請求項14】
請求項13に記載の遮断ガラスユニット(II)を製造する方法であって、少なくとも、
(a)請求項1~11に係るスペーサ(I)を提供し、
(b)前記スペーサ(I)を結合してスペーサ枠を形成し、
(c)第1のペイン(13)及び第2のペイン(14)を提供し、
(d)前記スペーサ(I)を、前記第1のペイン(13)と前記第2のペイン(14)との間に、主要封止剤(17)を介して固定し、
(e)前記ペイン(13、14)及び前記スペーサ(I)から構成されるペインアセンブリを押圧し、かつ
(f)前記外部ペイン間空間(16)を、二次封止剤(18)で、少なくとも部分的に充填する、
方法。
【請求項15】
請求項13に記載の遮断ガラスユニット(II)の、建物内部グレージング、建物外部グレージング、及び/又はファサードグレージングとしての、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断ガラスユニットのためのスペーサ、遮断ガラスユニット、遮断ガラスユニットを製造する方法、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
遮断(絶縁)ガラスユニットは、大抵の場合、ガラス又はポリマー材料でできている少なくとも2つのペインを有する。これらのペインは、スペーサによって画定されるガス空間又は真空空間を介して、互いから離されている。遮断ガラスの熱遮断能は、単層ペインガラスのそれよりも大幅に大きく、三重グレージングユニットにおいて、又は特別なコーティングによって、更に増加かつ向上させることができる。したがって、例えば、銀含有コーティングが、赤外放射の低減された透過性を可能にし、そのようにして、冬季における建物の冷却を低減する。
【0003】
ガラスの性質及び構造に加えて、遮断ガラスユニットの他の構成要素も、大きな重要性を有する。封止、特にスペーサは、遮断ガラスユニットの品質に大きな影響を有する。特に、スペーサとガラスペインとの間の接触箇所は、温度及び気候の変動に対して非常に感受性が高い。ペインとスペーサとの間の接続は、有機ポリマー例えばポリイソブチレンの接着性結合を介して形成される。接着性結合の物理的特性に対する温度変動の直接的な影響に加えて、ガラスそれ自体が、特には、接着性結合に影響を有する。ガラス及びスペーサは、異なる線熱膨張率を有しており、換言すると、温度の変化によって、これらは、異なって膨張する。例えば太陽光からの、温度における変化に起因して、ガラスが膨張し、又は冷却に伴って再び収縮する。スペーサは、同じ程度には、このような挙動をしない。結果として、この機械的な動きが、接着性結合を膨張又は収縮させ、接着性結合は、それ自体の弾性を介して、これらの挙動を、限定的な程度でのみ、補償することができる。遮断ガラスユニットの耐用期間の間に、上記の機械的応力が、接着性結合の部分的又は完全な面状の剥離を引き起こし得る。接着性結合のこの剥離は、結果として、遮断ガラスユニットの内部への湿分の侵入を可能にすることがある。これらの環境負荷は、ペインの領域における結露を生じることがあり、遮断効果の低下を生じることがある。したがって、ガラス及びスペーサの線膨張率をできる限り同等化することには価値がある。
【0004】
遮断ガラスユニットの熱遮断特性は、端部封止の領域、特にはスペーサの領域における熱伝導率によって、非常に大きく影響を受ける。金属スペーサの場合には、金属の高い熱伝導率が、ガラスの端部における熱橋の形成を引き起こす。この熱橋は、一方では、遮断ガラスユニットの端部領域における熱損失を引き起こし、他方では、高い湿度及び低い外部圧力を伴って、スペーサの領域において内側ペインにおける結露の形成を引き起こす。これらの問題を解決するために、熱的に最適化されたいわゆる「ウォームエッジ」システムが益々用いられており、このウォームエッジシステムでは、スペーサが、比較的低い熱伝導率を有する材料でできており、特にはプラスチックでできている。
【0005】
熱伝導率の観点からは、ポリマースペーサが、金属スペーサよりも好ましい。しかしながら、ポリマースペーサは、いくつかの不利な点を有する。1つには、湿分及びガス損失に対するポリマースペーサの耐漏洩性が不十分である。この点について種々の解決策が存在しており、特には、スペーサの外部側にバリアフィルムを適用することによる解決策が存在する(例えば、国際公開第2013/104507号参照)。
【0006】
第2に、プラスチックの線膨張率は、ガラスの線膨張率よりもはるかに高い。線膨張率を同等化するために、ガラス繊維を混ぜ入れることができる(例えば、欧州特許出願公開第0852280号明細書及び独国特許出願公開第19807454号明細書参照)。しかしながら、増加したガラス繊維の含有は、スペーサの熱伝導特性を悪化させるので、ここでは正確な最適化を行う必要がある。ガラス繊維及び類似のフィラーは、スペーサの長さ方向の剛性も向上させる。
【0007】
ガラス繊維補強ポリマースペーサは、非常にもろいので、金属スペーサとは対照的に、低温曲げを行うことはできない。遮断ガラスユニットのためのスペーサ枠を製造するためには、複数のスペーサを、プラグコネクタを介して接続する必要があり、かつ接着又は溶接する必要がある。それぞれの接続箇所は、慎重に封止される必要がある。曲げ性を向上させるための1つのアプローチは、ポリマー本体への金属ストリップの統合である(これは、例えば、国際公開第2015/043848号及び独国19807454号明細書に記載されている)。しかしながら、製造の間におけるポリマー本体への金属ストリップの統合は、非常に複雑である。
【0008】
ガラス繊維などの追加的なフィラーを有しないポリマースペーサは、柔軟性があり、十分に剛性ではない。しかしながら、(長さ方向におけるたわみと呼ばれる)長さ方向の剛性は、機械加工性のために重要である。長さ方向の剛性における向上は、本体への、金属ストリップの統合(上記参照)によって、又は金属要素の外的な適用によって、達成することができる(例えば、欧州特許第1055046号明細書、欧州特許出願公開第3241972号明細書)。しかしながら、金属ストリップの適用は、スペーサの熱伝導特性に悪影響を及ぼす。これはなぜならば、金属要素は、熱伝導性を増加させるからである。別個の金属要素の外的な適用における特別な困難性は、湿分の侵入に対する端部封止部の完全な封止である。
【0009】
遮断ガラスユニットの製造の間に、圧力を用いてスペーサ及びガラスペインを一緒に押圧する。これらは、スペーサの上に圧力を課し、これは、圧力が過大である場合に、スペーサに対する損傷を生じうる。
【0010】
独国特許出願第102011009359号明細書は、第1のプラスチック材料からできている中空プロファイル本体と第2のプラスチック材料からできている拡散バリア領域とを有するスペーサプロファイル材を開示しており、シートシリケートが、中空プロファイル材の外壁の少なくとも一部分として設計されて拡散バリアを形成する。
【0011】
国際公開第2015/086459号は、押出封止プロファイル材を有する遮断グレージングのためのスペーサを開示しており、国際公開第2018/050357号は、ペインを収容するための溝を有するスペーサを開示している。
【0012】
米国特許第4113905号明細書は、薄い押出コア、及びこのコアの上にキャストされる比較的厚い発泡層を含む複合発泡スペーサを開示している。
【0013】
上記で列記した課題及び個々の解決策は、相互に関係し、互いに影響するので、これらの課題の全てを受容可能な解決策へと統合する全体的な解決策を見出すことが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、上述の不利な点を有しない改善されたスペーサを提供することであり、改善された遮断ガラスユニット及びその製造のための簡便化された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、本発明に従って、独立請求項1に係る遮断ガラスユニットのためのスペーサによって達成される。本発明の好ましい態様が、従属請求項から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係るスペーサの実施態様の断面である。
【
図2】
図2は、本発明に係るスペーサの別の実施態様の断面である。
【
図3】
図3は、本発明に係るスペーサの別の実施態様の断面である。
【
図4】
図4は、本発明に係るスペーサの別の実施態様の断面である。
【
図5】
図5は、本発明に係るスペーサの別の実施態様の断面である。
【
図6】
図6は、本発明に係るスペーサの別の実施態様の断面である。
【
図7】
図7は、本発明に係るスペーサの別の実施態様の断面である。
【
図8】
図8は、本発明に係るスペーサの実施態様の断面の斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明に係る遮断ガラスユニットの実施態様の断面である。
【
図10】
図10は、本発明に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るスペーサを製造するための方法、本発明に係る遮断(絶縁)ガラスユニット、本発明に係る遮断ガラスユニットを製造するための方法、並びに本発明に係るそれらの使用が、さらなる独立請求項から明らかとなる。
【0018】
遮断ガラスユニットのための本発明に係るスペーサは、少なくとも本体を有しており、本体は、第1の側壁、これに平行に配置されている第2の側壁、グレージング内側壁、外側壁、及びキャビティを有する。キャビティは、側壁、グレージング内側壁、及び外側壁によって囲まれている。グレージング内側壁は、側壁に対して実質的に直交して配置されており、第1の側壁を第2の側壁に結合している。側壁は、本体の壁のうち、遮断ガラスユニットの外側ペインが取り付けられる壁である。グレージング内側壁は、本体の壁のうち、完成した遮断ガラスユニットにおける設置の後で内部ペイン間空間に面する壁である。外側壁は、グレージング内側壁に対して実質的に水平に配置されており、第1の側壁を第2の側壁に結合しており、第1の側壁は、直接に又は第1の接続壁を介して外側壁に接続しており、第2の側壁は、直接に又は第2の接続壁を介して外側壁に接続している。外側壁は、完成された遮断ガラスユニットにおける設置の後で、外部ペイン間空間に面する。本体のキャビティは、側壁、グレージング内側壁、及び外側壁によって囲まれており、又は、側壁、グレージング内側壁、外側壁、及び接続壁によって囲まれている。
【0019】
本発明によれば、本体が、第1のプラスチック及び第2のプラスチックを有しており、第2のプラスチックが、第1のプラスチックと比較して低い熱伝導率及び高い柔軟性を有している。
【0020】
本発明によれば、本体は、第2のプラスチックから形成される中空プロファイル材として実施されており、この中空プロファイル材において、第1のプラスチックが、内側で、少なくともいくつかの領域において、この中空プロファイル材に直接に隣接して、配置されている。
【0021】
好ましくは、第1のプラスチックが、第2のプラスチックから形成される中空プロファイル材の内側で、少なくとも側壁の領域に、配置されている。
【0022】
好ましくは、第2のプラスチックが、第1のプラスチックと比較して、少なくとも15%低い、特に好ましくは少なくとも20%低い、熱伝導率を有する。
【0023】
好ましくは、第2のプラスチックが、第1のプラスチックと比較して、少なくとも5%高い、特に好ましくは少なくとも10%高い、最も好ましくは少なくとも30%高い、柔軟性を有する。
【0024】
本発明によれば、スペーサの本体が、第1のプラスチックと第2のプラスチックとから共押出された本体であり、すなわち、本体が、第1のプラスチックを第2のプラスチックとともに共押出することによって製造されたものである。
【0025】
随意の第1の接続壁と随意の第2の接続壁が、好ましくは、外側壁に対して30°~60°の角度α(アルファ)で、延在している。第1の接続壁及び第2の接続壁の角度のある形状は、本体の安定性を向上させ、かつ、本発明に係るスペーサの比較的良好な結合性及び遮断性を可能にする。
【0026】
乾燥剤を、スペーサのキャビティに配置することができる。さらには、遮断ガラスユニットにおける内部ペイン間空間への接続を確立する穿孔を、グレージング内側壁に設けることができる。この場合、キャビティに存在する乾燥剤は、グレージング内側壁における穿孔を介して、内部ペイン間空間から湿分を吸収することができる。
【0027】
本発明に係るスペーサにおいて、第1のプラスチックが内側に配置されていることに起因して、これが、外側から不可視となっている。結果として、第1のプラスチックは、第2のプラスチックが満たす必要のある高い光学的な要件を、満たす必要がない。したがって、第1のプラスチックは、再生材料を含有することもでき、又は、再生材料から製造されてもよい。内側の第1のプラスチックを、再利用することもできる。さらには、内側の第1のプラスチックは、外側の第2のプラスチックのUV耐性と同様に高いUV耐性を有する必要はない。
【0028】
本発明に係るスペーサのさらなる利点は、内側に配置されている第1のプラスチックと組み合わされた、外側に配置されている第2のプラスチックに起因して、スペーサが、例えば遮断ガラスユニットを製造するための押圧手順の間に、応力に対して比較的感受性を有しないようになっていることである。外側に位置している第2のプラスチックは、全ての負荷を吸収する必要はなく、内側に位置する第1のプラスチックが、それらを吸収しうる。このようにして、機械的な力の分布が可能になる。さらには、第1のプラスチックと、比較的低い熱伝導率を有する第2のプラスチックとの組み合わせの結果として、遮断特性が向上しうる。
【0029】
本発明に係るスペーサの1つの実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維補強プラスチックであり、第2のプラスチックが、第1のプラスチックよりも低いガラス繊維含有量を有するプラスチックであるか、又はガラス繊維を含まない。好ましくは、ガラス繊維補強プラスチックのガラス繊維含有量が、10%~40%であり、特には25%~40%である。
【0030】
本発明に係るスペーサの1つの実施態様では、第1のプラスチックが、非発泡プラスチックであり、第2のプラスチックが、発泡プラスチックである。
【0031】
本発明に係る1つの実施態様では、第1のプラスチック及び第2のプラスチックが、いずれも、発泡プラスチックであり、第1のプラスチックが、ガラス繊維補強プラスチックである。
【0032】
第1のプラスチック及び第2のプラスチックは、同じポリマー又はコポリマーに基づくプラスチックであってよく、しかしながら、第1のプラスチックと第2のプラスチックとが、異なるポリマー又はコポリマーに基づいていてもよい。
【0033】
第1のプラスチック及び第2のプラスチックは、互いに独立に、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリプロピレン(PP)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を含有し、好ましくは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル-スチレン-アクリルエステル(ASA)、アクリロニトリル-ブタジエンスチレン-ポリカーボネート(ABS/PC)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、PET/PC、PBT/PC、及び/又は、これらのコポリマー若しくは混合物を含有する。
【0034】
上述のとおり、第1のプラスチックは、再生材料であってもよく、又は、第1のプラスチックが、再生材料を含有してよい。
【0035】
好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量40%のガラス繊維補強PPであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないPPである。
【0036】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量35%のガラス繊維補強SANであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないSANである。
【0037】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量35%のガラス繊維補強SANであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないTPUである。
【0038】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量35%のガラス繊維補強SANであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないPPである。
【0039】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量40%のガラス繊維補強PPであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないSANである。
【0040】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量40%のガラス繊維補強PPであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないTPUである。
【0041】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量30%のガラス繊維補強ABSであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないABSである。
【0042】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量30%のガラス繊維補強ABSであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないTPUである。
【0043】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量30%のガラス繊維補強ABSであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないPPである。
【0044】
別の好ましい実施態様では、第1のプラスチックが、ガラス繊維含有量40%のガラス繊維補強PPであり、第2のプラスチックが、ガラス繊維補強されていないABSである。
【0045】
好ましい実施態様では、第2のプラスチックが、発泡プラスチックである。
【0046】
好ましい実施態様では、少なくとも第1の側壁、第2の側壁、並びに、存在する場合の第1の接続壁及び第2の接続壁が、第1のプラスチック及び第2のプラスチックの両方でできており、これらのプラスチックは混合されておらず、その代わりに、互いに隣り合って配置されている。これらの壁が両方のプラスチックでできている態様では、第1のプラスチックが、本体のキャビティに直接に隣接しており、すなわち、内側に配置されており、かつ、第2のプラスチックが、外側に配置されており、すなわち、キャビティに直接に隣接していない。外側における第2のプラスチックの配置の結果として、比較的良好な遮断性、及び/又はバリアフィルムの比較的良好な接着性、及び/又は、比較的良好な外観を提供することができる。
【0047】
1つの実施態様では、スペーサの本体が、内側において、第1のプラスチックからなっており、かつ、外側において、第2のプラスチックからなっている。「内側」は、本体のうち、キャビティに隣接する領域を意味し、「外側」は、キャビティに隣接しない領域を意味する。したがって、この実施態様では、本体の、第1の側壁、第2の側壁、グレージング内側壁、外側壁、並びに、存在する場合の第1の接続壁及び第2の接続壁が、第1のプラスチック及び第2のプラスチックでできており、キャビティに直接に隣接する本体の領域が、第1のプラスチックでできており、キャビティに直接に隣接しない本体の領域が、第2のプラスチックでできている。したがって、この実施態様では、本体が、第1のプラスチックでできている中空プロファイル材を有しており、これが、第2のプラスチックによって完全に覆われており、又は、換言すると、第2のプラスチックから形成される中空プロファイル材を有しており、この中で、第1のプラスチックからできている中空プロファイル材が、内側で直接に隣接して配置されている。
【0048】
別の実施態様では、本体の、第1の側壁、第2の側壁、外側壁、並びに、存在する場合の第1の接続壁及び第2の接続壁が、第1のプラスチック及び第2のプラスチックからできており、このうち、キャビティに直接に隣接する本体の領域が、第1のプラスチックでできており、キャビティに直接に隣接しない本体の領域が、第2のプラスチックでできており、かつ、本体のグレージング内側壁が、第2のプラスチックでできている。したがって、この実施態様では、本体が、第2のプラスチックから形成されている中空プロファイル材からなり、この中空プロファイル材において、第1のプラスチックから形成される実質的にU字型のプロファイル材が、内側において、外側壁、第1の側壁、第2の側壁の領域、かつ存在する場合には第1の接続壁及び第2の接続壁の領域に、配置されている。
【0049】
別の実施態様では、本体の、第1の側壁、第2の側壁、グレージング内側壁、並びに、存在する場合の第1の接続壁及び第2の接続壁が、第1のプラスチック及び第2のプラスチックから形成されており、このうち、キャビティに直接に隣接する本体の領域が、第1のプラスチックでできており、キャビティに直接に隣接しない本体の領域が、第2のプラスチックでできており、本体の外側壁が、第2のプラスチックでできている。
【0050】
別の実施態様では、本体の、第1の側壁、第2の側壁、並びに、存在する場合の第1の接続壁及び第2の接続壁が、第1のプラスチック及び第2のプラスチックから形成されており、このうち、キャビティに直接に隣接する本体の領域が、第1のプラスチックでできており、キャビティに直接に隣接しない本体の領域が、第2のプラスチックでできており、本体の外側壁及びグレージング内側壁が、第2のプラスチックでできている。
【0051】
1つの実施態様では、本体が、追加的に、くぼみ部を有する。このくぼみ部は、中空体の側壁に平行に延在し、ペインを収容するために適している。くぼみ部の底部は、好ましくは、外側壁によって形成されている。結果として、くぼみ部の最大限可能な深さが得られ、くぼみ部に収容されたペインを安定化するための、くぼみ部の側部の領域が、最大化される。
【0052】
本体は、好ましくは、グレージング内側壁に沿って、5mm~80mmの幅、好ましくは10mm~20mmの幅を有する。本発明に関して、幅は、側壁の間に延在する寸法である。幅は、2つの側壁の、互いから離れて面する表面の間の距離である。グレージング内側壁の幅の選択は、遮断ガラスユニットのペインの間の距離を決定する。グレージング内側壁の正確な寸法は、遮断ガラスユニットの寸法及びペイン間空間の所望のサイズに依存する。
【0053】
本体は、好ましくは、側壁に沿って、5mm~15mmの高さを有し、特に好ましくは、5mm~10mmの高さを有する。高さに関するこの範囲において、スペーサは、有利な安定性を有し、他方で、遮断ガラスユニットにおいて有利には目立たない。さらに、スペーサのキャビティは、適切な量の乾燥材を収容するために有利なサイズを有する。スペーサの高さは、外側壁及びグレージング内側壁の、互いに離れて面している表面の間の距離である。
【0054】
グレージング内側壁、外側壁、接続壁、及び側壁は、好ましくは、0.5mm~1.5mmの厚みであり、特に好ましくは0.8mm~1.0mmの厚みである。
【0055】
本体は、好ましくは、キャビティ内に乾燥剤を含有しており、好ましくは、シリカゲル、分子ふるい(分子シーブ)、CaCl2、Na2SO4、活性炭、シリケート、ベントナイト、ゼオライト、及び/又はこれらの混合物を含有している。乾燥材は、遮断ガラスユニットのアセンブリの直前に、充填することができる。これは、完成された遮断ガラスユニットにおける、乾燥剤の特に高い吸収能力を確実にする。グレージング内側壁は、好ましくは、本体に収容されている乾燥剤による外部雰囲気湿分の吸収を可能にする開口部/穿孔を有する。
【0056】
第1の側壁及び第2の側壁は、スペーサの設置の間に遮断ガラスユニットの外側ペインが取り付けられる、スペーサの面である。第1の側壁及び第2の側壁は、互いに平行に延在している。
【0057】
本体の外側壁は、グレージング内側壁とは反対側の壁であり、遮断ガラスユニットの内部(内部ペイン間空間)から離れて外部ペイン間空間の方に向いている壁である。外側壁は、好ましくは、側壁に対して実質的に直交して延在する。
【0058】
柔軟性及び熱伝導性の点で異なる特性を有する2つのプラスチックを組み合わせることによって、スペーサの本体における特定の部位を、熱的又は機械的に最適化して設計することが可能になる。
【0059】
特に、第1のプラスチックでできている中空プロファイル材を、第2のプラスチックによって完全に覆う場合には、第2のプラスチックの適切な選択によって、さらなる特性の向上、例えばフィルムへの接着性、UV耐性又は外観の、向上が可能となる。したがって、例えば、上記でも記載したように、第1のプラスチックが再生材料であってよく、これが第2のプラスチックによって覆われてよく、それによって、完全に覆われる場合には、視覚的に魅力的な外観が確保される。
【0060】
本発明に係るスペーサの好ましい実施態様では、第1のプラスチック及び/又は第2のプラスチックが、発泡プラスチックである。このようにして、スペーサの熱特性を、さらに向上させることが可能となる。
【0061】
1つの実施態様では、スペーサが、バリアフィルムを有する。バリアフィルムは、好ましくは、外側壁、第1の接続壁、及び第2の接続壁、並びに、側壁のうちの少なくとも一部に、配置される。バリアフィルムは、例えば、接着剤によって本体に取り付けることができる。バリアフィルムは、例えば、7μm厚アルミニウムの金属含有バリア層、12μm厚ポリエチレンテレフタレート(PET)のポリマー層、及び10nm厚アルミニウムの金属含有薄層を有する。ポリエチレンテレフタレートは、7μm厚アルミニウム層を機械的損傷に対して保護するために特に適しており、これはなぜならば、PETフィルムは、特に高いせん断抵抗によって特徴づけられるからである。フィルム層は、例えば、アルミニウム層、すなわち金属含有バリア層及び金属含有薄層、が外側に位置するようにして、配置される。フィルムは、好ましくは、金属含有バリア層が外側壁に面するようにして、本体に配置される。この場合、金属含有薄層は、外部に面し、同時に、二次封止剤の材料のための接着層として機能する。このようにして、金属含有薄層は、バリア効果だけではなく、接着促進剤の機能も有する。バリアフィルムは、熱特性のさらなる向上のために、発泡ポリマー層を含有することができる。
【0062】
本発明は、本発明に係るスペーサを製造するための方法も含み、これは、少なくとも、第1のプラスチックと第2のプラスチックとを共押出して本体を形成する工程を含む。
【0063】
本発明は、さらに、遮断ガラスユニットを含み、これは、少なくとも、第1のペイン、第2のペイン、第1のペインと第2のペインとの間に周縁的に配置される本発明に係るスペーサ、内部ペイン間空間、及び外部ペイン間空間を有する。本発明に係るスペーサは、周縁スペーサ枠を形成するようにして配置される。第1のペインは、主要封止剤を介してスペーサの第1の側壁に取り付けられ、第2のペインは、主要封止剤を介して第2の側壁に取り付けられる。これは、主要封止剤が、第1の側壁と第1のペインとの間、及び、第2の側壁と第2のペインとの間に配置されることを意味している。主要封止剤は、本体の、側壁、又は随意に側壁に取り付けられるバリアフィルム、随意の接続壁、及び外側壁と、接触する。第1のペイン及び第2のペインは、平行に配置され、好ましくは一致して配置される。したがって、2つのペインの端部が、端部領域において面一で配置され、すなわち、それらは同じ高さを有する。内部ペイン間空間は、第1及び第2のペイン並びにグレージング内側壁によって画定される。外部ペイン間空間は、第1のペイン、第2のペイン、及び、本体の外側壁の上の随意のバリアフィルム又は本体の外側壁、によって画定される空間として規定される。外部ペイン間空間は、少なくとも部分的に、二次封止剤によって充填される。二次封止剤は、遮断ガラスユニットの機械的な安定性に寄与し、端部封止に作用する環境負荷の一部を吸収する。
【0064】
本発明に係る遮断ガラスユニットの好まし実施態様では、バリアフィルムの存在に伴って、主要封止剤が、第1及び第2の側壁の領域のうち、グレージング内側壁に隣接しておりバリアフィルムを有しない領域にまで、延在している。このようにして、主要封止剤が、本体とバリアフィルムとの間の移行部を覆い、そのようにして、遮断ガラスユニットの特に良好な封止が達成される。このようにして、バリアフィルムがプラスチックに隣接しているスペーサのキャビティへの、湿分の拡散が、低減される(界面拡散が比較的少ない)。
【0065】
本発明に係る遮断ガラスユニットの別の好まし実施態様では、外側壁の中央領域が二次封止剤を有しないように、二次封止剤が、第1のペイン及び第2のペインに沿って適用されている。「中央領域」は、2つの外側ペインに対して中央に位置する領域であり、これは、外側壁のうち、第1のペイン及び第2のペインに隣接する2つの外側領域とは対照的なものである。このようにして、遮断ガラスユニットの良好な安定性が得られ、一方で、同時に、二次封止剤のための材料コストが省かれる。同時に、この配置は、二次封止剤の2つのストランドを、それぞれ、外側ペインに隣接する外側領域において、外側壁に適用することによって、容易に形成される。
【0066】
別の好ましい実施態様では、外部ペイン間空間の全体が二次封止剤によって完全に充填されるように、二次封止剤が付着している。これは、遮断ガラスユニットの最大限の安定性をもたらす。
【0067】
好ましくは、二次封止剤が、ポリマー又はシラン変性ポリマーを含有しており、特に好ましくは、有機ポリスルフィド、シリコーン、室温加硫(RTV)シリコーンゴム、過酸化物加硫シリコーンゴム、及び/若しくは添加加硫シリコーンゴム、ポリウレタン、並びに又は、ブチルゴムを含有する。これらの封止剤は、特に良好な安定効果を有する。
【0068】
主要封止剤は、好ましくは、ポリイソブチレンを含有する。ポリイソブチレンは、架橋されたポリイソブチレン、又は非架橋ポリイソブチレンであってよい。
【0069】
遮断ガラスユニットの第1のペイン及び第2のペインは、好ましくは、ガラス、セラミック、及び/又はポリマーを含有し、特に好ましくは、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、ポリメチルメタクリレート、又はポリカーボネートを含有する。
【0070】
第1のペイン及び第2のペインは、2mm~50mmの厚み、好ましくは3mm~16mmの厚みを有しており、これら2つのペインは、異なる厚みを有することもできる。
【0071】
本発明に係る遮断ガラスユニットの好ましい実施態様では、スペーサ枠が、本発明に係る1又は複数のスペーサからなる。例えば、本発明に係る1つのスペーサを曲げることができ、それによって、完全な枠を形成することができる。また、本発明に係る複数のスペーサを、1又は複数のプラグコネクタによって、互いに連結することもできる。プラグコネクタは、長さ方向コネクタ又はコーナーコネクタとして実施することができる。そのようなコーナーコネクタは、例えば、封止剤を有するプラスチック成形部品として実施されてよく、これにおいて、2つの留め継ぎスペーサが隣接する。
【0072】
原則として、多様な形状の遮断ガラスユニットが可能であり、例えば、矩形、台形、及び丸みを帯びた形状が可能である。円い形状を製造するために、本発明に係るスペーサを、例えば、加熱された状態で曲げることができる。
【0073】
別の実施態様では、遮断グレージングが、2つ以上のペインを有する。この場合には、スペーサが、少なくとも1つの追加ペインが配置されるくぼみ部を有してよい。複数のペインは、積層ガラスペインであってもよい。
【0074】
本発明は、さらに、本発明に係る遮断ガラスユニットを製造するための方法を含み、これは、少なくとも、下記の工程を含む:
- 本発明に係るスペーサを提供すること、
- スペーサを結合して、スペーサ枠を形成すること、
- 第1のペイン及び第2のペインを提供すること、
- 第1のペインと第2のペインとの間に、主要封止剤を介して、スペーサを固定すること、
- 2つのペイン及びスペーサから構成されるペインアセンブリを押圧すること、並びに、
- 外部ペイン間空間を、二次封止剤で少なくとも部分的に充填すること。
【0075】
遮断ガラスユニットは、当業者に知られている、二重グレージングシステムに関する機械によって製造される。まず第一に、本発明に係るスペーサを有するスペーサ枠を、提供する。例えば、スペーサ枠を、溶接によって、接着によって、かつ/又は、プラグコネクタを用いて、製造する。第1のペイン及び第2のペインを提供し、スペーサ枠を、第1のペインと第2のペインとの間に、主要封止剤を介して固定する。スペーサ枠を、スペーサの第1の側壁によって、第1のペインの上に配置し、主要封止剤を介して固定する。そして、第2のペインを、第1のペインと一致させて、スペーサの第2の側壁の上に配置し、主要封止剤を介して同様に固定し、ペインアセンブリを押圧する。外部ペイン間空間を、少なくとも部分的に、二次封止剤で充填する。本発明に係る方法は、このようにして、遮断ガラスユニットの簡便かつ経済的な製造を可能にする。特別な新しい機械は、必要とされない。これはなぜならば、本発明に係るスペーサの設計のおかげで、従来から知られているスペーサのために既に利用可能であるような慣用的な機械を用いることができるからである。
【0076】
第1のペイン及び第2のペインを、本発明に係るスペーサ枠を提供する前に、提供してもよい。
【0077】
上述したとおり、スペーサ枠を提供するときには、スペーサの本体を、第1のプラスチックと第2のプラスチックとの共押出によって、製造する。
【0078】
本発明は、さらに、本発明に係る遮断ガラスユニットの、建物内部グレージング、建物外部グレージング、及び/又はファサードグレージングとしての使用を、含む。
【0079】
本発明の種々の実施態様は、別個に実施してよく、又は、任意の組み合わせで実施してよい。特に、上述した特徴、及び下記で説明する特徴を、示されている組み合わせで用いることができるだけではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせで、又は単独で、用いることができる。
【0080】
本発明を、下記で、図面及び例示的な実施態様を参照して、詳細に説明する。図面は、純粋に概略的な図であり、縮尺どおりではない。図面は、決して、本発明を限定しない。
【0081】
図1は、本発明に係るスペーサIの実施態様の断面を描写している。
図1に描写されている実施態様では、スペーサIが、本体1を有しており、この本体が、第1の側壁2.1、これに平行に配置されている第2の側壁2.2、グレージング内側壁3、外側壁4、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、及びキャビティ5から形成されている。第1の側壁2.1及び第2の側壁2.2は、互いに、グレージング内側壁3を介して接続している。外側壁4は、グレージング内側壁3に実質的に平行に配置されており、第1の接続壁6.1を介して第1の側壁2.1に接続しており、第2の接続壁6.2を介して第2の側壁2.2に接続している。第1の接続壁6.1及び第2の接続壁6.2は、随意である。代替的に、第1の側壁2.1及び第2の側壁2.2を、グレージング内側壁3に直接に接続させてもよい。キャビティ5は、第1の側壁2.1、グレージング内側壁3、第2の側壁2.2、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、及び外側壁4によって取り囲まれている。接続壁6.1、6.2は、好ましくは、外側壁4に対して、30°~60°の角度α(アルファ)で延在している。第1の接続壁6.1及び第2の接続壁6.2の角度のある形状は、本体の安定性を向上させ、かつ、本発明に係るスペーサIの良好な結合性及び遮断性を可能にする。
【0082】
本体1は、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできており、
図1に描写されている実施態様では、第1の側壁2.1、第2の側壁2.2、グレージング内側壁3、外側壁4、第1の接続壁6.1、並びに、第2の接続壁6.2を有しており、これらが第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできており、キャビティ5に直接に隣接する本体1の領域が、第1のプラスチック7でできており、キャビティ5に直接に隣接しない本体1の領域が、第2のプラスチック8でできている。したがって、
図1に描写されている実施態様では、本体1が、第1のプラスチック7から形成される中空プロファイル材からなり、これが、第2のプラスチック8で完全に覆われており、言い換えれば、本体1は、第2のプラスチック8から形成される中空プロファイル材からなり、この中空プロファイル材において、第1のプラスチック7からできている中空プロファイル材が、内側で直接に隣接して配置されている。
【0083】
本体1の壁厚は、例えば、1.5mmであり、第1のプラスチック7から形成される中空プロファイル材の壁厚は、0.75mmであり、第2のプラスチック8による覆いの厚みも、0.75mmである。グレージング内側表面3に沿う本体1の幅bは、例えば、12mmである。本体1の合計の高さgは、例えば、6.5mmである。
【0084】
第1のプラスチック7は、例えば、ガラス繊維含有量40%のポリプロピレン(PP)であり、第2のプラスチック8は、例えば、ガラス繊維を含有しないポリプロピレン(PP)である。
【0085】
キャビティ5は、(
図1で図示されていない)乾燥材9を収容することができる。遮断ガラスユニットにおける内部ペイン間空間15への接続を確立する(
図1で図示されていない)穿孔10を、グレージング内側壁3に形成することができる。この場合、乾燥材9は、グレージング内側壁3における穿孔10を介して内部ペイン間空間15から湿分を吸収することができる。
【0086】
本発明に係るスペーサIの、
図1に描写されている実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0087】
図2は、本発明に係るスペーサIの別の実施態様の断面を描写している。
図2に描写されている実施態様では、スペーサIが本体1を有しており、これが、第1の側壁2.1、これに平行に配置されている第2の側壁2.2、グレージング内側壁3、外側壁4、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、及びキャビティ5から形成されている。第1の側壁2.1及び第2の側壁2.2は、互いに、グレージング内側壁3を介して接続されている。外側壁4は、グレージング内側壁3に実質的に平行に配置されており、第1の接続壁6.1を介して第1の側壁2.1に接続しており、第2の接続壁6.2を介して第2の側壁2.2に接続している。キャビティ5は、第1の側壁2.1、グレージング内側壁3、第2の側壁2.2、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、及び外側壁4によって囲まれている。接続壁6.1、6.2は、好ましくは、外側壁4に対して30°~60°の角度α(アルファ)で延在している。第1の接続壁6.1及び第2の接続壁6.2の角度のある形状は、本体の安定性を向上させ、本発明に係るスペーサIの向上した結合性及び遮断性を可能にする。
【0088】
図2に描写されている実施態様では、グレージング内側壁3が、第2のプラスチック8でできている。第1の側壁2.1、第2の側壁2.2、外側壁4、第1の接続壁6.1、及び第2の接続壁6.2が、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできており、キャビティ5に直接に隣接している本体1の領域が、第1のプラスチック7でできており、キャビティ5に直接に隣接していない本体1の領域が、第2のプラスチック8でできている。したがって、
図2に描写されている実施態様では、本体1が、第2のプラスチック8でできてる中空プロファイル材からなり、この中空プロファイル材において、内側で、外側壁4、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、第1の側壁2.1、及び第2の側壁2.2の領域に、第1のプラスチック7でできており実質的にU字形状のプロファイル材が、配置されている。
【0089】
本体1の壁厚は、例えば、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8の両方から壁が形成されている領域において1.5mmであり、壁厚における第1のプラスチック7の部分が、0.75mmであり、壁厚における第2のプラスチック8の部分が、同様に、0.75mmである。第2のプラスチック8のみによって壁が形成されている領域では、壁厚は、例えば、0.75mmである。グレージング内側表面3に沿う本体1の幅bは、例えば、12mmである。本体1の合計の高さgは、例えば、6.5mmである。
【0090】
図2に描写されている実施態様では、第1のプラスチック7が、例えば、ガラス繊維含有量30%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であり、第2のプラスチックが、熱可塑性ポリウレタンである。
【0091】
キャビティ5は、(
図2には示されていない)乾燥剤9を収容することができる。遮断ガラスユニットIIにおいて内部ペイン間空間15への接続を確立する(
図2に示されていない)穿孔10を、グレージング内側壁3に形成することができる。この場合、乾燥材9は、グレージング内側壁3における穿孔10を介して、内部ペイン間空間15から湿分を吸収することができる。
【0092】
図2に描写されている本発明に係るスペーサIの実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0093】
図3は、本発明に係るスペーサIの別の実施態様の断面を描写している。
図3に描写されている実施態様では、スペーサIが、本体1を有しており、これが、第1の側壁2.1、これに平行に配置されている第2の側壁2.2、グレージング内側壁3、外側壁4、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、及びキャビティ5から形成されている。第1の側壁2.1及び第2の側壁2.2は、互いに、グレージング内側壁3を介して接続している。外側壁4は、グレージング内側壁3に実質的に平行に配置されており、第1の接続壁6.1を介して第1の側壁2.1に接続しており、かつ第2の接続壁6.2を介して第2の側壁2.2に接続している。キャビティ5は、第1の側壁2.1、グレージング内側壁3、第2の側壁2.2、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、及び外側壁4によって囲まれている。接続壁6.1、6.2は、好ましくは、外側壁4に対して30°~60°の角度α(アルファ)で延在している。第1の接続壁6.1及び第2の接続壁6.2の角度のある形状は、本体の安定性を向上させ、本発明に係るスペーサIの向上した結合性及び遮断性を可能にする。
【0094】
図3に描写されている実施態様では、外側壁4が、第2のプラスチック8からできている。第1の側壁2.1、第2の側壁2.2、グレージング内側壁3、第1の接続壁6.1、及び第2の接続壁6.2が、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8からできており、キャビティ5に直接に隣接する本体1の領域が、第1のプラスチック7でできており、キャビティ5に直接に隣接していない本体1の領域が、第2のプラスチック8でできている。したがって、
図3に描写されている実施態様では、本体1が、第2のプラスチック8から形成される中空プロファイル材からなっており、この中空プロファイル材において、内側で、グレージング内側壁3、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、第1の側壁2.1、及び第2の側壁2.2の領域に、第1のプラスチック7でできているプロファイル材が、配置されている。
【0095】
本体1の壁厚は、例えば、壁が第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8の両方によって形成されている領域では1.5mmであり、壁厚における第1のプラスチック7の部分が0.75mmであり、壁厚における第2のプラスチック8の部分が0.75mmである。壁が第2のプラスチック8のみから形成されている領域では、壁厚が、例えば、0.75mmである。グレージング内側表面3に沿う本体1の幅bは、例えば、12mmである。本体1の合計の高さgは、例えば、6.5mmである。
【0096】
図3に描写されている実施態様では、第1のプラスチック7が、例えば、ガラス繊維含有量30%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であり、第2のプラスチック8が、熱可塑性ポリウレタンである。
【0097】
キャビティ5は、(
図3には示されていない)乾燥剤9を収容することができる。遮断ガラスユニットIIにおいて内部ペイン間空間15への接続を確立する(
図3に示されていない)穿孔10を、グレージング内側壁3に作成することができる。この場合、乾燥材9は、グレージング内側壁3における穿孔10を介して、内部ペイン間空間15から湿分を吸収することができる。
【0098】
図3に描写されている本発明に係るスペーサIの実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0099】
図4は、本発明に係るスペーサIの別の実施態様の断面を描写している。
図4に描写されている実施態様は、
図2及び
図3に描写されているものとは、下記の点のみで異なる:すなわち、
図4に描写されている態様における本体1は、第2のプラスチック8から形成される中空プロファイル材からなっており、この中空プロファイル材において、内側で、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、第1の側壁2.1、及び第2の側壁2.2の領域のみに、第1のプラスチック7がでできているプロファイル材が、配置されている。したがって、この実施態様では、第1の接続壁6.1、第2の接続壁6.2、第1の側壁2.1、及び第2の側壁2.2が、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできており、グレージング内側壁3及び外側壁4が、第2のプラスチック8のみでできている。
【0100】
図4に描写されている本発明に係るスペーサIの実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0101】
図5は、本発明に係るスペーサIの別の実施態様の断面を描写している。
図5に描写されているスペーサIは、実質的に、
図1に描写されているスペーサIに対応しており、本体1が、グレージング内側壁3において、側壁2.1及び2.2に対して実質的に平行に延在しておりペインを収容するためのくぼみ部11を、有している。くぼみ部11の底部は、外側壁4によって形成されており、この壁4は、くぼみ部11の領域において、第2のプラスチック8のみからなっている。しかしながら、くぼみ部11の底部が、外側壁4に隣接しないことも可能であり、1又は両方のキャビティ5が、くぼみ部11の下方に延在することも可能であり、又は、くぼみ部11の底部が第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできていることも可能である。
【0102】
本体1の壁厚は、例えば、くぼみ部11の領域において0.5mmであり、本体1の他の領域において1mmである。グレージング内側表面3に沿う本体1の幅bは、例えば、25mmである。本体1の合計の高さgは、例えば、6.5mmである。
【0103】
第1のプラスチック7は、例えば、ガラス繊維含有量30%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であり、第2のプラスチック8は、ガラス繊維を含有しないアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)である。
【0104】
キャビティ5は、(
図5は示されていない)乾燥剤9を収容することができる。遮断ガラスユニットにおいて内部ペイン間空間15への接続を確立する(
図5に示されていない)穿孔10を、グレージング内側壁3に形成することができる。この場合、乾燥材9は、グレージング内側壁3における穿孔10を介して、内部ペイン間空間15から湿分を吸収することができる。
【0105】
図5に描写されている本発明に係るスペーサIの実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0106】
図6は、本発明に係るスペーサIの別の実施態様の断面を描写している。
図6に描写されているスペーサIは、
図3に描写されているスペーサIに実質的に対応しており、本体1が、グレージング内側壁3において、側壁2.1及び2.2に実質的に平行に延在しておりペインを収容するためのくぼみ部11を、有する。くぼみ部11の底部が、外側壁4によって形成されている。
図6に描写されている実施態様では、外側壁が、第2のプラスチック8のみからできている。くぼみ部11の底部が、外側壁4に隣接しないことも可能であり、1つの又は両方のキャビティ5がくぼみ部11の下方に延在することも可能であり、又は、くぼみ部11の底部が、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできていることも可能である。
【0107】
本体1の壁厚は、例えば、くぼみ部11の領域において0.5mmであり、本体1の他の領域において1mmである。グレージング内側表面3に沿う本体1の幅bは、例えば、25mmである。本体1の合計の高さgは、例えば、6.5mmである。
【0108】
第1のプラスチック7は、例えば、ガラス繊維含有量30%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であり、第2のプラスチック8は、ガラス繊維を含有しないアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)である。
【0109】
キャビティ5は、(
図6は示されていない)乾燥剤9を収容することができる。遮断ガラスユニットにおいて内部ペイン間空間15への接続を確立する(
図6に示されていない)穿孔10を、グレージング内側壁3に作成することができる。この場合、乾燥材9は、グレージング内側壁3における穿孔10を介して、内部ペイン間空間15から湿分を吸収することができる。
【0110】
図6に描写されている本発明に係るスペーサIの実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0111】
図7は、本発明に係るスペーサIの別の実施態様の断面を描写している。
図7に描写されているスペーサIは、
図4に描写されているスペーサIに実施的に対応しており、本体1が、側壁2.1及び2.2に実質的に平行に延在しておりペインを収容するためのくぼみ部11を、グレージング内側壁3に有している。くぼみ部11の底部が、外側壁4によって形成されている。
図7に描写されている実施態様では、外側壁が、第2のプラスチック8のみからできている。くぼみ部11の底部が、外側壁4に隣接しないことも可能であり、1つの又は両方のキャビティ5がくぼみ部11の下方に延在することも可能であり、又は、くぼみ部11の底部が、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできていることも可能である。
図7に描写されている実施態様では、くぼみ部の側壁が、第1のプラスチック7及び第2のプラスチック8でできている。
【0112】
本体1の壁厚は、例えば、くぼみ部11の領域において0.5mmであり、本体1の他の領域において1mmである。グレージング内側表面3に沿う本体1の幅bは、例えば、25mmである。本体1の合計の高さgは、例えば、6.5mmである。
【0113】
第1のプラスチック7は、例えば、ガラス繊維含有量30%のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)であり、第2のプラスチック8は、ガラス繊維を含有しないアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)である。
【0114】
キャビティ5は、(
図7は示されていない)乾燥剤9を収容することができる。遮断ガラスユニットにおいて内部ペイン間空間15への接続を確立する(
図7に示されていない)穿孔10を、グレージング内側壁3に形成することができる。この場合、乾燥材9は、グレージング内側壁3における穿孔10を介して、内部ペイン間空間15から湿分を吸収することができる。
【0115】
図7に描写されている本発明に係るスペーサIの実施態様の本体1は、第1のプラスチック7と第2のプラスチック8との共押出によって製造される。
【0116】
図8は、本発明に係るスペーサIの実施態様の断面の斜視図を描写している。
図8に描写されているスペーサIは、
図4に描写されているスペーサIに対応している。斜視図であることに起因して、グレージング内側壁3における穿孔10を、
図8において見ることができる。
【0117】
図9は、本発明に係る遮断ガラスユニットIIの断面図を描写しており、スペーサIが第1のペイン13と第2のペイン14との間に配置されており、このスペーサが、
図4に記載されているものに実質的に対応しており、
図9における遮断ガラスユニットIIで用いられているスペーサIは、バリアフィルム12を有する。バリアフィルム12は、外側壁4、第1の接続壁6.1、及び第2の接続壁6.2の上に配置されており、かつ、側壁2.1及び2.2の一部の上に配置されている。第1のペイン13、第2のペイン14及びバリアフィルム12が、遮断ガラスユニットIIの外部ペイン間空間16を画定している。第1のペイン13の端部21と第2のペイン14の端部22とが、同一の高さで配置されている。例えばシリコーンを含有する、二次封止剤18が、外部ペイン間空間16に配置されている。シリコーンは、端部封止部に作用する力を特に良好に吸収し、そのようにして、遮断ガラスユニットIIの高い安定性に貢献する。バリアフィルム12は、二次封止剤18とともに、内部ペイン間空間15を遮断し、本体1から内部ペイン間空間15への熱伝達を低減する。バリアフィルム12は、例えば、PURホットメルト接着剤によって、本体1に取り付けられてよい。主要封止剤17が、好ましくは、側壁2.1及び2.2とペイン13、14との間に配置されている。これは、例えば、ブチルを含有する。主要封止剤17は、バリアフィルム12と重なって、有り得る界面拡散を防止する。第1のペイン13及び第2のペイン14は、好ましくは、同一の寸法及び厚みを有している。ペインは、好ましくは、85%超の光学的透過率を有する。ペイン13、14は、好ましくは、ガラス及び/又はポリマーを含有し、好ましくは、フラットガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、ポリメチルメタクリレート、及び/又はこれらの混合物を含有する。第1のペイン13及び第2のペイン14は、例えば、3mmの厚みを有する。代替的な実施態様では、第1のペイン13及び/又は第2のペイン14が、複合ガラスペインとして実施されてよい。乾燥材9、例えば分子ふるい(分子シーブ)が、本体1のキャビティ5の中に配置されている。この乾燥剤9は、遮断ガラスユニットIIのアセンブリに先立って、スペーサIのキャビティ5の中に充填されてよい。グレージング内側壁3は、内部ペイン間空間15とのガス交換を可能にする穿孔10を有する。
【0118】
バリアフィルム12は、例えば、7μm厚アルミニウムの金属含有バリア層、12μm厚ポリエチレンテレフタレート(PET)のポリマー層、及び、10nm厚アルミニウムの金属含有薄層を、有する。ポリエチレンテレフタレートは、7μm厚アルミニウム層を機械的損傷に対して保護するために特に適している。これはなぜならば、PETフィルムは、特に高い引き裂き耐性によって特徴付けられるからである。フィルム層は、例えば、アルミニウム層、すなわち金属含有バリア層及び金属含有薄層が外側になるように、配置される。フィルムは、金属含有バリア層が外側壁4に面するようにして、本体1の上に配置される。この場合、金属含有薄層は、外側方向に面し、同時に、二次封止剤の材料のための接着層として機能する。このようにして、金属含有薄層が、バリア効果だけでなく、接着促進体としての機能も有する。
【0119】
図10は、本発明に係る遮断ガラスユニットIIを製造するための本発明に係る方法のフローチャートを描写している。第1工程Iにおいて、本発明に係るスペーサIを、提供する。第2工程IIにおいて、スペーサIを一緒に結合して、スペーサ枠を形成する。第3工程IIIにおいて、第1のペイン13及び第2のペイン14を、提供する。代替的には、第3工程IIIを、第1工程Iの前に行ってもよい。第4工程IVにおいて、スペーサIを、第1のペイン13と第2のペイン14との間に、主要封止剤17を介して固定する。第5工程Vにおいて、ペイン13、14及びスペーサIからなるペインアセンブリを、遮断ガラスプレスにおいて、押圧する。第6工程VIにおいて、外部ペイン間空間16を、少なくとも部分的に、二次封止剤18で充填する。
【符号の説明】
【0120】
I スペーサ
II 遮断ガラスユニット
1 本体
2.1 第1の側壁
2.2 第2の側壁
3 グレージング内側壁
4 外側壁
5 キャビティ
6.1 第1の接続壁
6.2 第2の接続壁
7 第1のプラスチック
8 第2のプラスチック
9 乾燥剤
10 グレージング内側壁における穿孔
11 くぼみ部
12 バリアフィルム
13 第1のペイン
14 第2のペイン
15 内部ペイン間空間
16 外部ペイン間空間
17 主要封止剤
18 二次封止剤
21 第1のペインの端部
22 第2のペインの端部
b グレージング内側壁に沿うポリマー本体の幅
g ペイン接触表面に沿う本体の合計高さ
【国際調査報告】