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  • 特表-接線流溶血検出血液検査装置 図1
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  • 特表-接線流溶血検出血液検査装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(54)【発明の名称】接線流溶血検出血液検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/50 20060101AFI20220909BHJP
   G01N 33/72 20060101ALI20220909BHJP
【FI】
G01N33/50 L
G01N33/72 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503426
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2019064636
(87)【国際公開番号】W WO2021015808
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/876,211
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・カウフマン
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・レデン
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー・サンプローニ
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA07
2G045BA08
2G045BB04
2G045DA51
2G045GC12
2G045HA10
2G045HB07
(57)【要約】
本明細書では、接線流溶血血液検査アセンブリ、装置および方法が開示される。本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念は、患者の液体検査サンプルを反応容器に注入する装置、キットおよび方法に関する。より具体的には、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念は、反応容器内への液体検査サンプルの能動的注入を促進する気密封止を形成するプラグを含む改善された液体検査サンプル注入装置、およびキット、ならびにそれらに関連する使用方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液検査アセンブリであって:
血液を含むレセプタクルであって、該レセプタクルから血液を移送するように構成されたポートを有するレセプタクルと;
血液検査装置とを含み、該血液検査装置は:
上面、底面および少なくとも1つの外側側壁を有するベース部分であって、該ベース部分をレセプタクルのポートに連結するレセプタクルコネクタを含み、レセプタクルから血液の移送を受け取る上面と底面との間の内部空洞をさらに含み、ベース部分の上面内に配置されるとともに内部空洞と流体連通している少なくとも1つの液体サンプル貫流ポートを含むベース部分と;
少なくとも1つのサンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆い該少なくとも一部と流体連通して配置され、内部空洞内の血液の流れに対して平行に向けられているフィルタアセンブリと;
上面、底面、少なくとも1つの外壁を有する上部部分であって、フィルタアセンブリを見るために上部部分を貫通して配置された少なくとも1つの観察窓をさらに含む上部部分と
を含む、前記血液検査アセンブリ。
【請求項2】
フィルタアセンブリは、第1のフィルタ、第2のフィルタおよび第3のフィルタを含む、請求項1に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項3】
第1のフィルタは血漿分離膜を含む、請求項2に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項4】
第3のフィルタには、対象の検体が存在する場合に色が変化する少なくとも1種の試薬が配置されている、請求項2に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項5】
対象の検体はヘモグロビンである、請求項4に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項6】
少なくとも1種の試薬は、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’5,5’テトラメチルベンジジンおよびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項5に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項7】
第1のフィルタは、液体サンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆いその上に配置され、第2のフィルタは、第1のフィルタを覆いその上に配置され、第3のフィルタは、第2のフィルタを覆いその上に配置されている、請求項2に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項8】
血液検査装置は、実質的にフィルタアセンブリを覆って配置されたフィルタアセンブリキャップをさらに含む、請求項1に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項9】
血液検査装置は少なくとも1つの封止部をさらに含み、該少なくとも1つの封止部には観察窓が配置され、少なくとも1つの封止部は、フィルタアセンブリキャップと上部部分の底面との間に配置されて、少なくとも1つの封止部の観察窓がフィルタアセンブリキャップおよび上部部分の観察窓と位置合わせされるようにする、請求項8に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項10】
上部部分およびベース部分は、上部部分の少なくとも1つの締結具チャネルとベース部分の少なくとも1つの締結具チャネルとを通過し、それにより上部部分およびベース部分を互いに固定する、締結具アセンブリにより、互いに固定されている、請求項1に記載の血液検査アセンブリ。
【請求項11】
血液検査装置であって:
上面、底面および少なくとも1つの外側側壁を有するベース部分であって、該ベース部分をレセプタクルのポートに連結するレセプタクルコネクタを含み、レセプタクルから血液の移送を受け取る上面と底面との間の内部空洞をさらに含み、ベース部分の上面内に配置されるとともに内部空洞と流体連通している少なくとも1つの液体サンプル貫流ポートを含むベース部分と;
少なくとも1つのサンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆い該少なくとも一部と流体連通して配置され、内部空洞内の血液の流れに対して平行に向けられているフィルタアセンブリと;
上面、底面、少なくとも1つの外壁を有する上部部分であって、フィルタアセンブリを見るために上部部分を貫通して配置された少なくとも1つの観察窓をさらに含む上部部分と
を含む前記血液検査装置。
【請求項12】
フィルタアセンブリは、第1のフィルタ、第2のフィルタおよび第3のフィルタを含む、請求項11に記載の血液検査装置。
【請求項13】
第1のフィルタは血漿分離膜を含む、請求項12に記載の血液検査装置。
【請求項14】
第3のフィルタには、対象の検体が存在する場合に色が変化する少なくとも1種の試薬が配置されている、請求項12に記載の血液検査装置。
【請求項15】
対象の検体はヘモグロビンである、請求項14に記載の血液検査装置。
【請求項16】
少なくとも1種の試薬は、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’5,5’テトラメチルベンジジンおよびそれらの組合せからなる群から選択されている、請求項15に記載の血液検査装置。
【請求項17】
第1のフィルタは、液体サンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆いその上に配置され、第2のフィルタは、第1のフィルタを覆いその上に配置され、第3のフィルタは、第2のフィルタを覆いその上に配置されている、請求項12に記載の血液検査装置。
【請求項18】
実質的にフィルタアセンブリを覆って配置されたフィルタアセンブリキャップをさらに含む、請求項11に記載の血液検査装置。
【請求項19】
血液検査装置は少なくとも1つの封止部をさらに含み、少なくとも1つの封止部には観察窓が配置され、少なくとも1つの封止部は、フィルタアセンブリキャップと上部部分の底面との間に配置されて、少なくとも1つの封止部の観察窓がフィルタアセンブリキャップおよび上部部分の観察窓と位置合わせされるようにする、請求項18に記載の血液検査装置。
【請求項20】
方法であって:
血漿分離膜と試薬を含む少なくとも1つのフィルタとを有する血液検査装置を、血液細胞および血漿を有する血液を含むシリンジに連結することと;
血液の血液サンプルをシリンジから血液検査装置内の血漿分離膜に通して、血液細胞から血漿を分離することであって、血液サンプルは血漿分離膜に対して平行に流れることと;
少なくとも1つのフィルタを分離した血漿で飽和させることと;
少なくとも1つのフィルタに配置された試薬を比色分析して、血液サンプル内の溶血の程度を決定することと
を含む前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年7月19日出願の米国仮特許出願第62/876,211号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。上記の特許出願の内容全体が、参照によって明白に本明細書に組み入れられている。
【0002】
連邦政府の支援による研究および開発に関する声明
適用なし。
【背景技術】
【0003】
ポイントオブケア検査は、一般に、救急治療室のような患者ケアの場所にまたはその近くにおける医療用検査を指す。そのような検査の望ましい結果とは、多くの場合、患者ケアにおける次に行うべき一連の行動を決定するための迅速かつ正確な臨床検査結果である。多くのそのようなポイントオブケア検査は、単に例として患者の血液サンプル等、患者の液体検査サンプルの分析を伴う。
【0004】
これらの検査の多くは、全血、赤血球および白血球等の相対的に大きい部分から分離された血漿、または血清を使用する。これらのサンプルには、例えば、患者からのサンプルの取得、分析前の血液サンプルの取扱い、全血分離プロセスにおける不備に起因する、かつ/または、例として溶血性貧血のような患者の病状に起因する溶血の結果として、壊れた血球が残存していることが多い。場合により、これらの溶血血球は、分析検査結果の完全性を妨げる可能性がある。
【0005】
例えば、(溶血からもたらされる)患者の血液サンプル中の遊離ヘモグロビンは、多くの検査において干渉をもたらす可能性があり、それにより、信号の減少、測定精度の低下または偽陽性結果に至る。一例として、患者の溶血血液サンプルにおけるカリウム濃度が著しく上昇し、カリウムレベルの診断結果において誤診のリスクが高くなる可能性があることが分かっている。溶血は、例えば、アルブミン、アミラーゼ、ビリルビン、カルシウム、コレステロール、アルカリ性リン酸塩、アラニンアミノトランスフェラーゼ、心筋トロポニンIおよび心筋トロポニンTの読取りもまた妨げる可能性がある。
【0006】
溶血が発生したか否かを判断するために、多くの検査が開発されてきた。血液サンプル中のヘモグロビンレベルまたは溶血を決定するために使用される1つの一般的な試薬は、Drabkin試薬である。Drabkin試薬は、重炭酸ナトリウム、フェリシアン化カリウムおよびシアン化カリウムの混合物であり、それらは、患者の血液サンプル中の赤血球を溶解し、それに続いてヘモグロビンをシアンメトヘモグロビンに転化させるように機能し、その後、このシアンメトヘモグロビンが、単一波長を使用する分光光度計で測定される。したがって、Drabkin試薬を使用して、細胞内ヘモグロビンとともに、潜在的に血漿または血清サンプル中の遊離ヘモグロビンを測定することができる。
【0007】
Drabkin試薬を用いてサンプルを処理するために、分光光度計は、約540nmの波長に設定され、吸光度は、水リファレンスに対してブランク補正される。ブランク補正に続き、水リファレンスおよびサンプルに対して試験管が準備される。1つの例では、各試験管に、5ミリリットルのDrabkin試薬溶液が加えられる。次いで、サンプル試験管に必要に応じて20マイクロリットルの患者の血液サンプルが加えられ、血液サンプルを溶解させるように複数回上下にピペット操作される。サンプルは、周囲条件に応じて設定時間(例として約15分間等)放置され、ヘモグロビンをシアンメトヘモグロビンに転化させる。次いで、それぞれのサンプルの吸光度が、約540ナノメートルの波長で読み取られる。そして、その結果は、検量線を用いて解釈される。
【0008】
しかしながら、Drabkin試薬は、細胞内および細胞外の両方のヘモグロビンを測定するため、患者の血液サンプルにおいて特定の時点に存在する遊離ヘモグロビンの程度の正確な像を提供するには効果的ではなく、遊離ヘモグロビンのこうした量は溶血を示す。
【0009】
いくつかのヘモグロビン検出検査は、公開された特許出願に記載されている。例えば、特許文献1は、クロマトグラフ検出パッドを使用して溶血を検出する技法について記載している。加えて、特許文献2は、膜を使用して血漿から血液を分離した後、血漿の色を決定することにより溶血を検出する技法について記載している。技法は、非特許文献1にも記載されている。しかしながら、この文献に記載されている技法は、溶血検出および定量化に、大量のサンプル、長い待ち時間および二次工程を必要とする。
【0010】
ともにFremmingらに発行された特許文献3および特許文献4は、サンプラキャップを開示しており、このサンプラキャップは、サンプラからサンプルキャップを取り外すことなく検査サンプルを分析装置に移送するように使用することができる。このサンプラはシリンジであるが、サンプラキャップは、血液サンプル内で溶血が発生したか否かを判断するいかなる方法も含まない。したがって、溶血した血液が分析装置内に移送される可能性があり、これは、アッセイおよび検査の実施を妨げる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2015191450号
【特許文献2】米国特許出願公開第20170248618号
【特許文献3】米国特許第7,896,818号
【特許文献4】米国特許第8,444,621号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「Membrane-Based,Sedimentation-Assisted Plasma Separator for Point of Care Applications」、Changchun Liuら、Analytical Chemistry、2013年、85巻21号、10463~10470頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、溶血の結果として患者の血液サンプル中に存在する遊離ヘモグロビンの量を迅速にかつ正確に検出することができる、改良された溶血検出および血漿分離装置が目下必要とされている。本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念が向けられているのは、こうした装置、キットおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書に組み入れられるとともにその一部を構成する添付図面は、本明細書に記載する1つまたはそれ以上の実施態様を示し、説明と合わせて、これらの実施態様を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念に従って構築された血液検査装置の非限定的な実施形態の分解斜視図である。
図2図1の断面矢印xに沿って見た血液検査装置の断面図であり、患者の血液サンプルが血液検査装置のベース部分の内部空洞を通って流れている。
図3】本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念に従って血液検査アセンブリを形成するように、レセプタクルに取り付けられた図1の血液検査装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図面における同じ参照番号は、同じかまたは同様の要素を特定する可能性がある。
【0017】
例示的な図面、実験、結果および実験室手順により、本発明の概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明の概念がその適用において、以下の説明に述べる、または図面、実験および/もしくは結果に示す構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明の概念は、他の実施形態が可能であるか、または、さまざまな方法で実施または実行することができる。したがって、本明細書で使用する言い回しは、あり得る最も広い範囲および意味が与えられるように意図されており、実施形態は、網羅的ではなく例示的であるように意図されている。また、本明細書で採用する語法および用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとしてみなされるべきではないことを理解されたい。
【0018】
本明細書において別段の定義がない限り、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念に関連して使用する科学用語および技術用語は、当業者が一般に理解する意味を有するものとする。さらに、別段文脈から必要でない限り、単数形の用語は複数を含むものとし、複数形の用語は単数を含むものとする。上述した技法および手順は、概して、本技術分野において既知である従来の方法に従って、かつ本明細書を通して引用し考察するさまざまな一般的およびより特定の参照文献に記載されているように、実施される。本明細書に記載する分析化学、有機合成化学、ならびに医薬品化学および創薬化学に関連して利用する術語と、そうしたものの実験室手順および技法とは、本技術分野において既知であるとともに一般に使用されるものである。
【0019】
本明細書で言及するすべての特許、公開特許出願および非特許刊行物は、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念が関連する当業者の技術レベルを示す。本出願の任意の部分で参照するすべての特許、公開特許出願および非特許刊行物は、本明細書では、各個々の特許または刊行物が参照によって組み入れられることを具体的にかつ個々に示されている場合と同程度まで、それらの全体が参照によって明白に本明細書に組み入れられる。
【0020】
本明細書に開示しかつ請求項に係る装置、キットおよび/または方法のすべてを、本開示に鑑みて過度の実験なしに作成し実行することができる。本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念の組成物および方法について、好ましい実施形態に関して記載しているが、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する組成物および/または方法に対して、かつ本明細書に記載する方法の工程においてまたは一連の工程において、変形形態を適用することができることが、当業者には明らかとなろう。当業者には明らかであるすべてのこうした同様の置換形態および変更形態が、添付の特許請求の範囲によって規定される発明の概念の趣旨、範囲および概念にあるようにみなされる。
【0021】
本開示に従って利用する場合の以下の用語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有するように理解されるものとする。
【0022】
特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語とともに使用する場合の「1つの(a)」または「1つの(an)」という語の使用は、「1つの」を意味する場合があるが、「1つまたはそれ以上の」、「少なくとも1つの」および「1つまたは2つ以上の」の意味とも一貫している。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、別段文脈が明確に示さない限り複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物」との言及は、1つもしくはそれ以上、2つもしくはそれ以上、3つもしくはそれ以上、4つもしくはそれ以上、またはそれより多くの数の化合物を指す可能性がある。「複数」という用語は、「2つまたはそれ以上」を指す。特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すように明示的に示されていない限り、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように使用されているが、本開示は、代替物のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。本出願を通して、「約」という用語は、値が、その値を求めるために採用されている装置、方法に対する誤差の固有の変動、または研究対象の間に存在する変動を示すために使用される。例えば、ただし限定としてではなく、「約」という用語が利用されるとき、示されている値は、当業者には理解されるように、指定された値から±20%または±10%、または±5%、または±1%、または±0.1%変動する可能性があり、それは、こうした変動が、開示する方法を実施するのに適切であるためである。「少なくとも1つの」という用語の使用は、限定されないが、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100等を含む、2以上の任意の量と同様に1を含むように理解されよう。「少なくとも1つの」という用語は、それに続く用語に応じて、最大100もしくは1000またはそれより大きい数に及ぶ場合があり;加えて、より高い限界もまた満足のいく結果をもたらす可能性があるため、100/1000という量は限定的であるようにみなされるべきではない。加えて、「X、YおよびZのうちの少なくとも1つ」という用語の使用は、Xのみ、YのみおよびZのみとともに、X、YおよびZの任意の組合せを含むように理解されよう。序数の用語(すなわち、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等)の使用は、単に2つまたはそれ以上の項目を識別することを目的とするものであり、例えば、いかなる順番もしくは順序、或る項目の別の項目に対する重要性、または任意の追加の順序も意味するようには意図されていない。
【0023】
本明細書および特許請求の範囲で用いる場合の「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」等の含むの任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」等の有するの任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」等の含むの任意の形態)または「含む(containing)」(ならびに「含む(contains)」および「含む(contain)」等の含むの任意の形態)は、包含的または非限定的(open-ended)であり、追加の列挙しない要素または方法工程を排除しない。
【0024】
本明細書で用いる場合の「またはそれらの組合せ」という用語は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列および組合せを指す。例えば、「A、B、Cまたはそれらの組合せ」は:A、B、C、AB、AC、BCまたはABC、および特定の文脈において順序が重要である場合は、同様にBA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BACまたはCABのうちの少なくとも1つを含むように意図されている。この例を続けると、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB等、1つまたはそれ以上の項目または用語の繰返しを含む組合せが明白に含まれる。当業者であれば、別段文脈から明らかでない限り、典型的には、任意の組合せにおける項目または用語の数に制限はないことが理解されよう。
【0025】
本明細書で用いる場合の「実質的に」という用語は、続いて記載されている事象もしくは状況が完全に発生すること、または、続いて記載されている事象もしくは状況がかなりの範囲もしくは程度まで発生することを意味する。例えば、「実質的に」という用語は、続いて記載されている事象または状況が、少なくとも90%の確率で、または少なくとも95%の確率で、または少なくとも98%の確率で発生することを意味する。
【0026】
本明細書で用いる場合の「~と関連する」という言い回しは、2つの部分の互いに対する直接的な関連と、2つの部分の互いに対する間接的な関連との両方を含む。関連の非限定的な例としては、1つの部分の別の部分への直接的な結合によるかもしくはスペーサ基を介する共有結合、1つの部分の別の部分への直接的なまたはそれらの部分に結合された特定的結合対メンバーによる非共有結合、1つの部分を別の部分において溶解することによるかまたは合成による等、1つの部分の別の部分への組込み、および1つの部分を別の部分にコーティングすることが挙げられる。
【0027】
本明細書で用いる場合の「液体検査サンプル」という用語は、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念に従って利用することができる任意のタイプの生物学的流体サンプルを含むように理解されよう。利用することができる生物学的サンプルの例としては、限定されないが、全血またはその任意の部分(すなわち、血漿または血清)、唾液、痰、脳脊髄液(CSF)、腸液、腹腔内液(intraperotineal fluid)、嚢胞液、汗、間質液、涙液、粘液、尿、膀胱洗浄液(bladder wash)、精液、組合せ等が挙げられる。本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念に従って利用されるサンプルの体積は、約0.1~約100マイクロリットルである。本明細書で用いる場合の、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念に従って利用される液体検査サンプルに関連する場合の「体積」という用語は、約0.1マイクロリットル~約100マイクロリットル、または約1マイクロリットル~約75マイクロリットル、または約2マイクロリットル~約60マイクロリットル、または約50マイクロリットル以下、または約40マイクロリットル以下を意味する。本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念の1つの非限定的な実施形態において、液体検査サンプルは、約10マイクロリットル~約30マイクロリットルの体積を含みかつ/またはそうしたものからなる患者の全血サンプルである。
【0028】
「患者」という用語は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。いくつかの実施形態では、患者は哺乳動物である。いくつかの他の実施形態では、患者はヒトである。処置目的の「哺乳動物」は、ヒト、家畜および農用動物、非ヒト霊長類、ならびに犬、馬、猫、牛等の動物園、スポーツまたはペットの動物を含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。
【0029】
「血漿」という用語は、身体を通して細胞およびタンパク質を運ぶ、全血サンプル内の血液細胞を浮遊状態で保持する責務を有する血液の液体成分を指す。1つの非限定的な実施形態では、血漿は、単に例として、血清アルブミン、グロブリンおよびフィブリノーゲン等の溶解したタンパク質および/または検体、グルコース、凝固因子、単に例としてナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、重炭酸塩、塩化物イオン等の電解質、ホルモン、二酸化炭素および酸素を含みかつ/またはそれらからなることができる。
【0030】
ここで特定の実施形態を参照すると、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念は、患者の液体検査サンプルを反応容器に注入する装置、キットおよび方法に関する。より具体的には、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念は、反応容器内への液体検査サンプルの能動的注入を促進する気密封止を形成するプラグを含む改善された液体検査サンプル注入装置、およびキット、ならびにそれらに関連する使用方法に関する。
【0031】
本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念の装置、キットおよび方法において、生物学、化学または生化学の分析およびアッセイの分野において使用される事実上任意の試薬を使用することができることが企図されている。これらの試薬は、対象の検体に結合したときに物理的にかつ/または化学的に変化する可能性があり、それにより、試薬-検体複合体によって生成される信号の強度、性質、周波数またはタイプが、流体サンプル内に存在する検体の濃度に正比例または反比例することが企図されている。これらの試薬は、対象の検体と反応しているときに色の変化を示す可能性がある、指示染料、金属、酵素、ポリマー、抗体、ならびに電気化学的反応性の成分および/または化学物質を含むことができる。
【0032】
液体検査サンプル内に含まれる可能性があるタンパク質、ペプチドおよび核酸の多重化パネルのために、限定されないが、イムノアッセイ、核酸捕捉アッセイ、脂質に基づくアッセイおよび血清学に基づくアッセイを含むアッセイを開発することができ、こうしたタンパク質およびペプチドとしては、例えば限定されないが、アルブミン、微量アルブミン、コレステロール、トリグリセライド、高密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、ヘモグロビン、ミオグロビン、α-1-マイクログロブリン、免疫グロブリン、酵素、タンパク質、糖タンパク質、プロテアーゼ阻害剤、薬物、サイトカイン、クレアチニンおよびブドウ糖が挙げられる。本明細書において開示しかつ/または請求項に係る装置、キットおよび方法は、限定なしに、全血、血漿、血清または尿を含む、任意の液体検査サンプルの分析に使用することができる。1つの態様によれば、溶血を有する疑いのあるサンプルにおける溶血の存在(すなわち、壊れた細胞の赤血球断片、ヘモグロビン等)を決定する装置、システムおよびプロセスが提供される。
【0033】
本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念のいくつかの実施形態では、サンプルは、赤血球、白血球および血小板を含む、大量の全血細胞を含む全血サンプルである。このサンプル内で、溶血の程度は、その中のヘモグロビンの量に相関する可能性がある。本明細書で用いる場合の「ヘモグロビン」という用語は、採取された血液から得られるありとあらゆるヘモグロビン分子を指すことが理解され、こうしたヘモグロビン分子は、酸素化、脱酸素化、二量体、四量体またはさまざまな重合形態にある。ヘモグロビンは、赤血球の酸素運搬色素および主タンパク質として一般に知られている。ヘモグロビンは、4つのタンパク質鎖、すなわち2つのα鎖および2つのβ鎖から構成されており、各鎖に鉄原子を含むリング状ヘム基がある。酸素は、これらの鉄原子に可逆的に結合する。ヘモグロビンは、その酸素化状態では、オキシヘモグロビンと称される場合があり、鮮やかな赤色を特徴とする。ヘモグロビンは、還元状態では、デオキシヘモグロビンと称される場合があり、青紫色を特徴とする。
【0034】
本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念の別の態様によれば、溶血を示す機能を有する採血アセンブリのための装置、システムおよびプロセスが提供される。
【0035】
本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念の別の態様によれば、血漿分離機能を有する血液検査装置、システム、付属品およびプロセスが提供される。
【0036】
本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念の別の態様によれば、溶血を示す機能を有する血液検査装置、システム、付属品およびプロセスが提供される。
【0037】
ここで図、特に図1を参照すると、そこには、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念に従って構築された血液検査装置10の非限定的な実施形態の分解斜視図が示されている。この非限定的な実施形態では、血液検査装置10は、ベース部分14と、フィルタアセンブリ27と、フィルタアセンブリキャップ38と、少なくとも1つの観察窓45が貫通して配置されている少なくとも1つの封止部42と、少なくとも1つの観察窓54が貫通して配置されている上部部分46と、さまざまな構成要素を互いに固定して血液検査装置10を形成する少なくとも1つの締結具アセンブリ60とを含みかつ/またはそれらからなる。
【0038】
1つの非限定的な実施形態では、ベース部分14は、上面16と、底面18と、少なくとも1つの外側側壁20と、上面16内に配置された少なくとも1つの液体サンプル貫流ポート22と、レセプタクルコネクタ24と、少なくとも1つの締結具チャネル26とを含みかつ/またはそれらからなる。加えて、図2に関してより詳細に考察するように、ベース部分14は、(図3に示すように)レセプタクル70から患者の液体検査サンプルを受け取る内部空洞66をさらに含む。
【0039】
図1では形状が実質的に円形であるように示されているが、当業者であれば、ベース部分14は、限定なしに、円形、卵形、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、十二角形、または本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の数の辺を有する多角形を含む、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の形状とすることができることを容易に理解するはずである。加えて、図1では、血液サンプル等、患者の液体検査サンプルがベース部分14から第1のフィルタ28に流れるのを可能にする(図2により詳細に示す)単一の液体サンプル貫流ポート22を含むものとして示されているが、当業者であれば、ベース部分14の上面16が、限定なしに、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個以上の液体サンプル貫流ポート22を含む、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の数の液体サンプル貫流ポート22を含みかつ/またはそれからなることができることを容易に理解するはずである。加えて、図1では円形の液体サンプル貫流ポート22を含むものとして示されているが、液体サンプル貫流ポート22は、構造がそのように限定されるものではなく、1つまたはそれ以上のトレンチ、窪み、チャネル、および/または本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる他の任意の構造を含むことができることが容易に理解されるはずである。図1は、それぞれ3つの締結具チャネル26、44および56を含みかつ/またはそれらからなる、ベース部分14と、少なくとも1つの封止部42と、上部部分46とを示すが、ベース部分14、少なくとも1つの封止部42および上部部分46は、限定なしに1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個以上の締結具チャネルを含む、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の数の締結具チャネルを含むことができることもまた理解されたい。限定なしに、本技術分野において一般に既知である接着剤の使用によることを含む、本技術分野において一般に既知である任意の方法を介して、血液検査装置10を形成するさまざまな構成要素をともに接合または嵌合することができるため、血液検査装置10は、いかなる締結具チャネルを有することも必須ではない。
【0040】
図1に示すように、1つの非限定的な実施形態では、少なくとも1つの外側側壁20は、ポート21を含みかつ/またはポート21からなることができる。1つの非限定的な実施形態では、ポート21は、患者の液体検査サンプルをフィルタアセンブリ27内に導入するために(図3により詳細に示すように)レセプタクル70を利用する場合に生み出されるいかなる変位空気も放散する役割を果たす。別の非限定的な実施形態では、ポート21は、機器、例えば例として血液ガス分析装置に血液検査装置10(または血液検査アセンブリ100)を固定する連結機構(図示せず)と置き換えることができる。1つの非限定的な実施形態では、連結機構は、単に例として、ルアーロックもしくはオスおよびメス嵌合連結、または本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる他の任意の構造とすることができる。したがって、使用者は、サンプルが連結機構を介して機器に輸送される前、輸送される間、または輸送された後のいずれかにおいて、患者の血漿サンプルにおける溶血の存在を検査することができる。
【0041】
ベース部分14は、少なくともヘモグロビンに対して不活性でもある任意の好適な液体不透過性材料から形成することができる。例えば、限定なしに、ベース部分14は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、フルオロポリマー、ポリエステル、ガラス、金属、セラミック、好適な複合材料、および当業者であれば理解されるようなそれらの組合せを含む材料から形成することができる。さらに、ベース部分14は、電磁スペクトルの可視部の光に対して不透明である材料から構築することができる。
【0042】
1つの非限定的な実施形態では、少なくとも1つの液体サンプル貫流ポート22は、ベース部分14の上面16内に、かつ(図2に示すような)内部空洞66の少なくとも一部と流体連通して配置される。内部空洞66は、レセプタクルコネクタ24を介して(図3に示すような)レセプタクル70から患者の液体検査サンプルを受け取り、レセプタクルコネクタ24は、血液検査装置10をレセプタクル70に連結する。
【0043】
1つの非限定的な実施形態では、図1に示すように、フィルタアセンブリ27は、第1のフィルタ28と、第2のフィルタ32と、任意の第3のフィルタ36とを含みかつ/またはそれらからなる。図1では、3つの別個のフィルタを含みかつ/またはそれらからなるように示されているが、当業者であれば、フィルタアセンブリ27は、限定なしに、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個以上のフィルタを含む、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の数のフィルタを含むことができることを容易に理解するはずである。図1に示すように、第1のフィルタ28、第2のフィルタ32および第3のフィルタ36は、上下に位置合わせして積み重ねることができる。第1のフィルタ28、第2のフィルタ32および第3のフィルタ36は、同じサイズおよび形状とすることができ、例えば、図1に示す実施形態では、第1のフィルタ28、第2のフィルタ32および第3のフィルタ36は、形状が円形である。しかしながら、当業者であれば、第1のフィルタ28、第2のフィルタ32および第3のフィルタ36は、異なるサイズおよび/または形状とすることができることが容易に理解するはずである。フィルタアセンブリ27は、ベース部分14の内部空洞66内の患者の液体検査サンプルの流れがフィルタアセンブリ27に対して接線方向である(すなわち、患者の液体検査サンプルの流れがフィルタアセンブリに対して平行である)ように構成されている。例えば毛管作用を介して、全血および血漿は、フィルタアセンブリ27に対して平行に/接線方向に流れ、フィルタアセンブリ27のさまざまなフィルタを通って垂直に移動し、これにより、結果までの時間およびサンプルの無駄の両方が削減されるとともに、例えば、患者の液体検査サンプル(例えば、患者の全血サンプル)によるフィルタアセンブリ27の詰まりからもたらされる、作業流の妨げが防止される。
【0044】
1つの非限定的な実施形態では、フィルタアセンブリ27の第1のフィルタ28は、液体サンプル貫流ポート22の少なくとも一部を覆ってベース部分14の上面16の上に配置されている。したがって、患者の液体検査サンプルがベース部分14の内部空洞66内に存在するとき、液体検査サンプルは、液体サンプル貫流ポート22に押し通され、例えば毛管作用を介して、第1のフィルタ28内に引き込まれ、その中に存在するいかなる空気も、例えば、血液検査装置10の縁部まで、またはフィルタアセンブリ27を含むさまざまなフィルタを通して、内部で変位する。第1のフィルタ28は、患者の全血サンプルを含むさまざまな血液細胞を血漿から分離し、その後、血漿を第2のフィルタ32まで通すように設計することができる。例えば、図1に示す実施形態では、第1のフィルタ28は、患者の全血サンプルにおける全血細胞から、血漿および溶血生成物、例えばヘモグロビンを隔離することができる。一実施形態では、第1のフィルタ28は、本技術分野では市販されているような血漿分離膜を含む。いくつかの実施形態では、血漿分離膜は非対称材料を含み、非対称材料は、その上に複数の全血細胞を保持することができる一方で、血漿および小分子/複合体がそこを通って移動するのを可能にする。複数の異なる血漿分離膜が市販されており、血液検査装置10で使用されるのに好適である可能性がある。例えば、血漿分離膜は、(目下、商標VividTMで販売されている)Pall Corporationから市販されているような非対称ポリスルホン材料を含むことができる。代替的に、第1のフィルタ28は、血漿および溶血(存在する場合)からの成分を含むサンプルを内部に提供することができる、他の任意の好適な材料または装置を含むことができる。
【0045】
フィルタアセンブリ27の第1のフィルタ28により患者の全血サンプルから血漿が分離されると、分離された血漿は第2のフィルタ32に提供される。第2のフィルタ32には所定の色が与えられ、第2のフィルタ32は、背景を形成し、分離された血漿におけるヘモグロビン(存在する場合)と反応する少なくとも1種の試薬を含みかつ/またはそうした試薬からなることができ;しかしながら、第2のフィルタ32が、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成するために少なくとも1種の試薬を含みかつ/または少なくとも1種の試薬からなることは必須ではないことが容易に理解されるはずである。血漿は、例えば毛管作用を介して、第2のフィルタ32内に引き込まれ、第2のフィルタ32を飽和させる。第2のフィルタ32に存在する場合、少なくとも1種の試薬(図示せず)は、血漿と反応し、色が変化して、溶血の状態または許容されないレベルの溶血を示すことができる。第2のフィルタ32は、一貫した色の背景を提供し、したがって、1つの非限定的な実施形態では第3のフィルタ36の上に配置される少なくとも1種の試薬の色の比色比較に役立つ。1つの非限定的な実施形態では、第2のフィルタ32は黒色ろ紙であるが、他の色を使用することができることを理解されたい。
【0046】
本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念に従って、さまざまな検体が存在する場合に色変化を示すために利用することができる試薬の非網羅的リストを、以下の表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
本明細書の他の場所で考察するように、フィルタアセンブリ27は、第3のフィルタ36を含みかつ/または第3のフィルタ36からなることができ、この第3のフィルタ36に、血漿サンプルにおいて溶血が低い場合に、ヘモグロビンの検出および視覚化を促進する少なくとも1種の試薬を組み込むことができる。こうした試薬は、上記表1に詳述されている。分離された血漿サンプルは、例えば毛管作用を介して、第2のフィルタ32から第3のフィルタ36まで進む。1つの非限定的な実施形態では、第3のフィルタ36は白色ろ紙であるが、他の色を使用することができることを理解されたい。別の非限定的な実施形態では、フィルタアセンブリ27の第3のフィルタ36の上に試薬は配置されておらず;むしろ、分離された血漿サンプル内にヘモグロビンが存在する場合、第3のフィルタ36が溶血の結果としてのヘモグロビンを含む分離された血漿サンプルと接触したとき、ヘモグロビンは第3のフィルタ36(すなわち、白色ろ紙)の色を変化させる可能性がある。第3のフィルタ36には所定の色が与えられ、第3のフィルタ36は、背景を形成し、分離された血漿内におけるヘモグロビン(存在する場合)と反応する少なくとも1種の試薬を含みかつ/またはそうした試薬からなることができ;しかしながら、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成するために少なくとも1種の試薬を含みかつ/または少なくとも1種の試薬からなることは必須ではないことが容易に理解されるはずである。
【0049】
血液検査装置10は、さらに、フィルタアセンブリ27の一部または全体のいずれかを覆って配置されるフィルタアセンブリキャップ38を含みかつ/またはそれからなる。1つの非限定的な実施形態では、図1に示すように、フィルタアセンブリキャップ38は、フィルタアセンブリ27を構成するフィルタと実質的に同じサイズおよび形状(すなわち、円形)であり;しかしながら、フィルタアセンブリキャップ38は、フィルタアセンブリ27を構成するフィルタのサイズおよび形状と同じである場合も異なる場合もあることを理解されたい。1つの非限定的な実施形態では、フィルタアセンブリキャップは、フィルタアセンブリ27の第2のフィルタ32および/または第3のフィルタ36に配置された少なくとも1種の試薬との対象の検体(すなわち、ヘモグロビン)の反応からもたらされる、第2のフィルタ32および/または第3のフィルタ36に関連する色変化を見ることができるように、実質的に透明な材料から構築されている。フィルタアセンブリキャップ38を構築する好適な材料としては、限定されないが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、フルオロポリマー、ポリエステル、ガラス、好適な複合材料、および当業者には理解されるようなそれらの組合せが挙げられる。フィルタアセンブリキャップ38は、フィルタアセンブリ38を封止するようにも作用することができ、これは、フィルタアセンブリ27からの血漿サンプルの蒸発の軽減に役立つ。加えて、フィルタアセンブリキャップ38によるフィルタアセンブリ27の封止は、さらに、生物学的に有害である可能性のある物質に使用者がさらされるのを軽減するかまたはなくすように作用する。
【0050】
1つの非限定的な実施形態では、血液検査装置10は、少なくとも1つの観察窓45が貫通して配置されている少なくとも1つの封止部42をさらに含みかつ/またはそうした封止部42からなる。図1に示すように、1つの非限定的な実施形態では、少なくとも1つの封止部42は、ベース部分14の上面16と実質的に同じサイズおよび形状(すなわち、円形)であり;しかしながら、少なくとも1つの封止部42は、上面16またはベース部分14のサイズおよび形状の両方と同じである場合もあれば異なる場合もあることを理解されたい。1つの非限定的な実施形態では、少なくとも1つの封止部42は、ベース部分14の上面16、フィルタアセンブリ27およびフィルタアセンブリキャップ38の全体を覆って配置され、それにより、ベース部分14の上面16と上部部分46の底面50との間でのフィルタアセンブリ27およびフィルタアセンブリキャップ38の封止を容易にする。少なくとも1つの封止部42は、複数の締結具チャネル44をさらに含み、締結具チャネル44は締結具アセンブリ60と係合し、それにより、血液検査装置10を固定するとともに形成する。
【0051】
1つの非限定的な実施形態では、少なくとも1つの封止部は、本技術分野において一般に既知である材料から形成されたガスケットである。
【0052】
少なくとも1つの封止部42を貫通して配置された少なくとも1つの観察窓45は、少なくとも1つの観察窓45がフィルタアセンブリキャップ38の上に実質的に配置されて、使用者が、例として、溶血からもたらされる血漿サンプルにおけるヘモグロビンの存在等、対象の検体の存在を示す、第2のフィルタ32および第3のフィルタ36の上に存在する少なくとも1種の試薬と患者の血漿サンプルとの反応に関連する、任意の色変化を見ることができるように、向けられている。
【0053】
血液検査装置10は、上部部分46をさらに含みかつ/またはそれからなり、上部部分46は、上面48と、底面50と、少なくとも1つの外側側壁52と、上面48と底面50との間に延びて上部部分46を貫通して配置された少なくとも1つの観察窓54と、少なくとも1つの締結具チャネル56とを含む。
【0054】
図1では、形状が実質的に円形であるように示されているが、当業者であれば、上部部分46は、限定なしに、円形、卵形、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、十二角形、または本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の数の辺を有する多角形を含む、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の形状とすることができることを容易に理解するはずである。上部部分46は、少なくともヘモグロビンに対して不活性でもある任意の好適な液体不透過性材料から形成することができる。例えば、限定なしに、上部部分46は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、フルオロポリマー、ポリエステル、ガラス、金属、セラミック、好適な複合材料、および当業者であれば理解されるようなそれらの組合せを含む材料から形成することができる。さらに、上部部分46は、電磁スペクトルの可視部の光に対して不透明である材料から構築することができる。
【0055】
上部部分46の少なくとも1つの観察窓54は、少なくとも1つの観察窓54が、少なくとも1つの封止部42の少なくとも1つの観察窓45と実質的に位置合わせされるとともにその上に配置されるように向けられている。したがって、上部部分46の少なくとも1つの観察窓54を通して見ることにより、使用者は、第2のフィルタ32および/または第3のフィルタ36の上に配置された少なくとも1種の試薬と、例えば、患者の分離された血漿サンプル内に存在するヘモグロビン等、患者の液体検査サンプル内に存在する対象の検体との反応からもたらされる、第2のフィルタ32および/または第3のフィルタ36に関連する任意の色変化を見ることができる。
【0056】
図1に示すように、上部部分46は、上部部分46を貫通して配置された複数の締結具チャネル56をさらに含む。1つの非限定的な実施形態では、上部部分46の複数の締結具チャネル56は、少なくとも1つの封止部42の締結具チャネル44と、ベース部分14の締結具チャネル26とに位置合わせされるように構成されている。したがって、係合すると、締結具アセンブリ60は、上部部分46の締結具チャネル56と、少なくとも1つの封止部42の締結具チャネル44と、ベース部分14の締結具チャネル26とを通して嵌まり、それにより、ベース部分14と上部部分46との間でフィルタアセンブリ27、フィルタアセンブリキャップ38および少なくとも1つの封止部42を固定するとともに封止して、血液検査装置10を形成する。1つの非限定的な実施形態では、締結具アセンブリ60は、例として3つの2Mボルトおよび3つの2Mナット等、複数のナットおよびボルトを含みかつ/またはそうしたものからなる。別の非限定的な実施形態では、ベース部分14と、少なくとも1つの封止部42と、上部部分46とは、いかなる締結具チャネルも含まず、血液検査装置10は、本技術分野において一般に既知である任意の接着剤を利用することにより、さまざまな構成要素を互いに接着することによって形成される。血液検査装置10の封止および固定により、封止された血液検査装置10からの患者の液体検査サンプルのこぼれまたは漏れからもたらされる偶発的な生物学的有害な曝露がさらに防止されるかまたは低減する。
【0057】
ここで図2を参照すると、そこには、図1の断面矢印xに沿って見た血液検査装置10の断面図が示されており、そこでは、患者の血液サンプルが、血液検査装置10のベース部分14の内部空洞66を通って流れている。
【0058】
図2に示すように、1つの非限定的な実施形態では、ベース部分14のレセプタクルコネクタ24は、レセプタクル70のポート76(図3に示す)に血液検査装置10を固定するロッキング機構62と、レセプタクル70のポート76から血液検査装置10のベース部分14の内部空洞66内に患者の液体検査サンプルを受け取るための開口部64とを含む。図2ではルアーロックを含むものとして示されているが、当業者であれば、ロッキング機構62は、限定なしに、任意のオスおよびメス嵌合連結、または本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる他の任意の構造を含む、本技術分野において一般に既知である任意のロッキング機構を介して、血液検査装置10をレセプタクル70に固定することができる。
【0059】
血液検査装置10がレセプタクル70に固定されると、患者の液体検査サンプル(すなわち、全血サンプル)は、(例えば、双方向矢印Yの経路に沿って)開口部64を通ってベース部分14の内部空洞66内に入る。図2に示すように、患者の液体検査サンプルの流れは、フィルタアセンブリ27に対して接線方向である。患者の液体検査サンプルは、内部空洞66に入ると、内部空洞66内で流れ(そのうちの一部は、ポート76を介してレセプタクルに再度入り)、一方で、患者の液体検査サンプルの少なくとも一部は、少なくとも1つのサンプル貫流ポート22を通過し、第1のフィルタ28内に引き込まれる。患者の液体検査サンプルが全血サンプルである場合、第1のフィルタ28は、全血サンプルから血漿を分離し、その後、分離された血漿は、例えば毛管作用を介して、第2のフィルタ32まで進む。第2のフィルタは、血漿サンプル内に存在する対象の検体、例えば、例として、溶血の結果として血漿サンプルに存在するヘモグロビンを検出するための少なくとも1種の試薬を含む。対象の検体が存在する場合、少なくとも1種の試薬と対象の検体との反応により、第2のフィルタの色が変化する可能性があり、使用者は、患者の液体検査サンプル(すなわち、血漿)内に存在する対象の検体(すなわち、ヘモグロビン)の濃度を決定するように、上記色の変化を、色の変化に関連する既知の濃度と比較することができる。存在する場合、その後、患者の液体検査サンプルは、例えば毛管作用を介して、第3のフィルタ36まで進み、第3のフィルタ36もまた、患者の液体検査サンプル(すなわち、血漿)に対象の検体(すなわち、ヘモグロビン)が存在する場合に患者の液体検査サンプルと反応して、第3のフィルタ36に色変化をもたらす、少なくとも1種の試薬を含むことができる。同様に、使用者は、患者の液体検査サンプル(すなわち、血漿)内に存在する対象の検体(すなわち、ヘモグロビン)の濃度を決定するように、第3のフィルタ36の色変化を、色変化/カラーチャートに関連する既知の濃度と比較することができる。
【0060】
ベース部分14の内部空洞66内の患者の液体検査サンプルの接線流の結果として、患者の液体検査サンプルがフィルタアセンブリ27を通って垂直に移動しなければならない距離が低減し、その結果、結果までの時間が短縮される。加えて、接線流により、さまざまな検査および/またはアッセイを行うために必要な患者の液体検査サンプルの量が低減することになる。同様に、フィルタアセンブリ27を構成するフィルタの詰まりが低減するようにサンプルの無駄が削減され、それにより、作業流の妨げが防止される。
【0061】
ここで図3を参照すると、そこには、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念に従って血液検査アセンブリ100を形成するように、レセプタクル70に取り付けられた図1の血液検査装置10の分解斜視図が示されている。
【0062】
血液検査アセンブリ100の血液検査装置10の機能および構造は、図1および図2に関して記載した血液検査装置10の記載と同一である。レセプタクル70は、図3では、シリンジ72、プランジャ74およびポート76を含むものとして示されているが、当業者であれば、レセプタクル70は、限定なしに、ベース部分14をレセプタクル70に固定するポートを有するバキュテイナを含む、本明細書に開示しかつ/または請求項に係る発明の概念を達成することができる任意の構造とすることができることを容易に理解するはずである。
【0063】
血液検査アセンブリ100の作動方法において、検査対象の血液のサンプルが、レセプタクル70内に配置される。血液検査装置10のベース部分14のレセプタクルコネクタ24は、レセプタクル70のポート76に連結することができ、或る量の血液が、ポート76を通り、レセプタクルコネクタ24の開口部64を通って、血液検査装置10のベース部分14の内部空洞66内に移送される。血液が内部空洞66内に移送される際、内部空洞66内の空気は、内部空洞66の縁部に向けられる。血液が内部空洞66に入る際、血液は、ベース部分14の上面に配置された少なくとも1つのサンプル貫流ポート22を通って拡散され、第1のフィルタ28に適用される。第1のフィルタ28は、血漿から血球および血小板を分離し、血漿を第2のフィルタ32に渡す。血漿は、第2のフィルタ32を飽和させ、血漿サンプルに対象の検体が存在する場合、第2のフィルタ32は、第2のフィルタ32に配置された少なくとも1種の試薬と対象の検体(すなわち、ヘモグロビン)との反応に起因して色が変化し、この色変化は、分離された血漿サンプルに存在する対象の検体の濃度に直接関連する。そして、存在する場合、分離された血漿サンプルは、第2のフィルタ32から第3のフィルタ36まで進む。第3のフィルタ36を実質的に飽和させたとき、第3のフィルタ36は、同様に、第3のフィルタ36に配置された少なくとも1種の試薬と対象の検体(すなわち、ヘモグロビン)との反応の結果として、色が変化する可能性があり、この色変化は、分離された血漿サンプルに存在する対象の検体の濃度に直接関連する。第2のフィルタ、および存在する場合は第3のフィルタ36の色変化は、使用者が、封止部の少なくとも1つの観察窓45と上部部分46の少なくとも1つの観察窓56とを通して見ることができる。そして、使用者は、第2のフィルタ32および存在する場合は第3のフィルタ36の色を、(例えば、既知のカラーチャートまたは検量線を介して)血漿サンプルにおける溶血ならびにヘモグロビンの存在および/または濃度を示す既知の色と比較することにより、血液が溶血を有するか否かを判断することができる。その後、血液検査装置10は、レセプタクル70から取り外して廃棄することができる。血液サンプルが許容不可能なレベルの溶血を有していない場合、血液サンプルを血液ガス分析装置のカートリッジに提供すること等、従来の技法を使用して、血液サンプルを検査することができる。
【0064】
発明の概念の非限定的な例
血液検査アセンブリであって:血液を含むレセプタクルであって、レセプタクルから血液を移送するように構成されたポートを有するレセプタクルと;血液検査装置とを含み、血液検査装置は:上面、底面および少なくとも1つの外側側壁を有するベース部分であって、ベース部分をレセプタクルのポートに連結するレセプタクルコネクタを含み、レセプタクルから血液の移送を受け取る上面と底面との間の内部空洞をさらに含み、ベース部分の上面内に配置されるとともに内部空洞と流体連通している少なくとも1つの液体サンプル貫流ポートを含むベース部分と;少なくとも1つのサンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆いその少なくとも一部と流体連通して配置され、内部空洞内の血液の流れに対して平行に向けられているフィルタアセンブリと;上面、底面、少なくとも1つの外壁を有する上部部分であって、フィルタアセンブリを見るために上部部分を貫通して配置された少なくとも1つの観察窓をさらに含む上部部分とを含む、血液検査アセンブリ。
【0065】
フィルタアセンブリは、第1のフィルタ、第2のフィルタおよび第3のフィルタを含む、血液検査アセンブリ。
【0066】
第1のフィルタは血漿分離膜を含む、血液検査アセンブリ。
【0067】
第3のフィルタには、対象の検体が存在する場合に色が変化する少なくとも1種の試薬が配置されている、血液検査アセンブリ。
【0068】
対象の検体はヘモグロビンである、血液検査アセンブリ。
【0069】
少なくとも1種の試薬は、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’5,5’テトラメチルベンジジンおよびそれらの組合せからなる群から選択されている、血液検査アセンブリ。
【0070】
第1のフィルタは、液体サンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆いその上に配置され、第2のフィルタは、第1のフィルタを覆いその上に配置され、第3のフィルタは、第2のフィルタを覆いその上に配置されている、血液検査アセンブリ。
【0071】
血液検査装置は、実質的にフィルタアセンブリを覆って配置されたフィルタアセンブリキャップをさらに含む、血液検査アセンブリ。
【0072】
血液検査装置は少なくとも1つの封止部をさらに含み、少なくとも1つの封止部には観察窓が配置され、少なくとも1つの封止部は、フィルタアセンブリキャップと上部部分の底面との間に配置されて、少なくとも1つの封止部の観察窓がフィルタアセンブリキャップおよび上部部分の観察窓と位置合わせされるようにする、血液検査アセンブリ。
【0073】
上部部分およびベース部分は、上部部分の少なくとも1つの締結具チャネルとベース部分の少なくとも1つの締結具チャネルとを通過し、それにより上部部分およびベース部分を互いに固定する、締結具アセンブリにより、互いに固定されている、血液検査アセンブリ。
【0074】
血液検査装置であって:上面、底面および少なくとも1つの外側側壁を有するベース部分であって、ベース部分をレセプタクルのポートに連結するレセプタクルコネクタを含み、レセプタクルから血液の移送を受け取る上面と底面との間の内部空洞をさらに含み、ベース部分の上面内に配置されるとともに内部空洞と流体連通している少なくとも1つの液体サンプル貫流ポートを含むベース部分と;少なくとも1つのサンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆いその少なくとも一部と流体連通して配置され、内部空洞内の血液の流れに対して平行に向けられているフィルタアセンブリと;上面、底面、少なくとも1つの外壁を有する上部部分であって、フィルタアセンブリを見るために上部部分を貫通して配置された少なくとも1つの観察窓をさらに含む上部部分とを含む血液検査装置。
【0075】
フィルタアセンブリは、第1のフィルタ、第2のフィルタおよび第3のフィルタを含む、血液検査装置。
【0076】
第1のフィルタは血漿分離膜を含む、血液検査装置。
【0077】
第3のフィルタには、対象の検体が存在する場合に色が変化する少なくとも1種の試薬が配置されている、血液検査装置。
【0078】
対象の検体はヘモグロビンである、血液検査装置。
【0079】
少なくとも1種の試薬は、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、3,3’5,5’テトラメチルベンジジンおよびそれらの組合せからなる群から選択されている、血液検査装置。
【0080】
第1のフィルタは、液体サンプル貫流ポートの少なくとも一部を覆いその上に配置され、第2のフィルタは、第1のフィルタを覆いその上に配置され、第3のフィルタは、第2のフィルタを覆いその上に配置されている、血液検査装置。
【0081】
実質的にフィルタアセンブリを覆って配置されたフィルタアセンブリキャップをさらに含む、血液検査装置。
【0082】
血液検査装置は少なくとも1つの封止部をさらに含み、少なくとも1つの封止部には観察窓が配置され、少なくとも1つの封止部は、フィルタアセンブリキャップと上部部分の底面との間に配置されて、少なくとも1つの封止部の観察窓がフィルタアセンブリキャップおよび上部部分の観察窓と位置合わせされるようにする、血液検査装置。
【0083】
方法であって:血漿分離膜と試薬を含む少なくとも1つのフィルタとを有する血液検査装置を、血液細胞および血漿を有する血液を含むシリンジに連結することと;血液の血液サンプルをシリンジから血液検査装置内の血漿分離膜に通して、血液細胞から血漿を分離することであって、血液サンプルは血漿分離膜に対して平行に流れることと;少なくとも1つのフィルタを分離した血漿で飽和させることと;少なくとも1つのフィルタに配置された試薬を比色分析して、血液サンプル内の溶血の程度を決定することとを含む方法。
【0084】
上記説明から、本明細書に開示した発明の概念が、目的を遂行するように、かつ本明細書で述べた利点とともに本明細書に開示した発明の概念に固有の利点を達成するように十分に適用されることが明らかである。本開示の目的で、本明細書に開示する発明の概念の目下好ましい実施形態について記載したが、当業者には容易に想到するとともに、本明細書に開示しかつ請求項に係る発明の概念の範囲および適用範囲内で達成される、多くの変更を行うことができることが理解されよう。
図1
図2
図3
【国際調査報告】