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特表2022-540770可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/20 20060101AFI20220912BHJP
   G01N 3/34 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
G01N3/20
G01N3/34 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576691
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020037710
(87)【国際公開番号】W WO2020263606
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】62/865,641
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/900,210
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ レベスク
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ティー.カーボーン
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA07
2G061AB05
2G061BA15
2G061CB01
2G061DA01
2G061EA01
2G061EB05
2G061EC07
(57)【要約】
可撓性基板試験システムであって、試験対象の可撓性基板の第1の部分を保持するように構成された第1の基板支持構造と、可撓性基板の第2の部分を保持するように構成された第2の基板支持構造と、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造をそれぞれの角度で動かし、可撓性基板を折り曲げるように構成された1つ以上のアクチュエータと、アクチュエータが第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造を動かす間、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造に対する負荷を測定するように構成されたロードセルとを備える、可撓性基板試験システム。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板試験システムであって、
試験対象の可撓性基板の第1の部分を保持するように構成された第1の基板支持構造と、
前記可撓性基板の第2の部分を保持するように構成された第2の基板支持構造と、
前記第1の基板支持構造及び前記第2の基板支持構造をそれぞれの角度で動かし、前記可撓性基板を折り曲げるように構成された1つ以上のアクチュエータと、
前記アクチュエータが前記第1の基板支持構造及び前記第2の基板支持構造を動かす間、該第1の基板支持構造及び該第2の基板支持構造に対する負荷を測定するように構成されたロードセルと、
を備える、可撓性基板試験システム。
【請求項2】
前記ロードセルからの負荷情報に基づいて前記可撓性基板に対する負荷を求めるように構成された制御回路部を更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項3】
前記1つ以上のアクチュエータは、前記第1の基板支持構造及び前記第2の基板支持構造を同時に動かすように構成される、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項4】
前記1つ以上のアクチュエータは、単一の入力シャフトを駆動することによって、前記第1の基板支持構造及び前記第2の基板支持構造を動かすように構成される、請求項3に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項5】
前記入力シャフトは、前記第1の基板支持構造を動かすように構成された第1の二次シャフト、及び前記第2の基板支持構造を動かすように構成された第2の二次シャフトに結合される、請求項4に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項6】
前記第1の二次シャフトは、前記第1の基板支持構造に、第1の歯車システムによって定義された第1の軸の周りを回転させるように構成された前記第1の歯車システムを介して前記第1の基板支持構造に結合され、前記第2の二次シャフトは、前記第2の基板支持構造に、第2の歯車システムによって定義された第2の軸の周りを回転させるように構成された前記第2の歯車システムを介して前記第2の基板支持構造に結合される、請求項5に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項7】
前記第1の歯車システム及び前記第2の歯車システムは、前記可撓性基板の前記第1の部分及び前記可撓性基板の前記第2の部分を同時にかつ比例して回転させるように構成される、請求項6に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項8】
前記第1の軸及び前記第2の軸は、前記基板内に複数の折り曲げ部を生成するように離間される、請求項6に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項9】
前記第1の基板支持構造は、第1の表面を有する第1のプレートを備え、前記第2の基板支持構造は、第2の表面を有する第2のプレートを備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項10】
前記可撓性基板試験システムは、折り曲げ及び展開中に、前記第1の表面の第1の面及び前記第2の表面の第2の面を鉛直方向に位置決めするように構成される、請求項9に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項11】
前記第1の基板支持構造を保持し、該第1の基板支持構造の前記第1の表面に対し平行な方向における該第1の基板支持構造の運動を制限するように構成された第1の並進リンク機構を更に備える、請求項9に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項12】
前記第2の基板支持構造を保持し、該第2の基板支持構造の前記第2の表面に対し平行な方向における該第2の基板支持構造の運動を制限するように構成された第2の並進リンク機構を更に備える、請求項11に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項13】
前記第1の並進リンク機構は、前記第1の基板支持構造に結合された第1の4バーリンク機構を含み、前記第2の並進リンク機構は、前記第2の基板支持構造に結合された第2の4バーリンク機構を含む、請求項12に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項14】
前記第1の基板支持構造及び前記第2の基板支持構造は、0度よりも大きく360度以下の角度まで前記基板を折り曲げるように構成される、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項15】
前記第1の基板支持構造は、最大90度まで回転するように構成され、前記第2の基板支持構造は、最大90度まで回転して、最大180度の角度まで前記基板を折り曲げるように構成される、請求項14に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項16】
前記可撓性基板の折り曲げ又は展開中に前記ロードセルによって測定される動的負荷に基づいて、前記可撓性基板に対する負荷を求めるように構成された制御回路部を更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項17】
前記可撓性基板の折り曲げ又は展開の完了時に前記ロードセルによって測定される静的負荷に基づいて、前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成された制御回路部を更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項18】
可撓性基板に対する負荷を測定する方法であって、
アクチュエータを介して、試験対象の可撓性基板の第1の部分及び該可撓性基板の第2の部分を動かして、該可撓性基板を折り曲げるか又は展開することと、
前記動かした結果として生じる前記可撓性基板に対する負荷を測定することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記可撓性基板の前記第1の部分を動かすことは、該可撓性基板の該第1の部分を保持する第1の基板支持構造を回転させることを含み、前記可撓性基板の前記第2の部分を動かすことは、該可撓性基板の該第2の部分を保持する第2の基板支持構造を回転させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
可撓性基板試験システムであって、
試験対象の可撓性基板の第1の側部を保持するように構成された第1の表面を備える第1のプレートと、
前記第1のプレートを保持し、該第1のプレートの前記第1の表面に対し平行な方向における前記第2のプレートの運動を制限するように構成された第1の並進リンク機構と、
前記可撓性基板の第2の側部を保持するように構成された第2の表面を備える第2のプレートと、
前記第2のプレートを保持し、該第2のプレートの前記第2の表面に対し平行な方向における前記第2のプレートの運動を制限するように構成された第2の並進リンク機構と、
前記第1のプレート及び前記第2のプレートをそれぞれの角度で動かして、前記基板を、0度よりも大きく180度以下の角度まで折り曲げるように構成された1つ以上のアクチュエータと、
前記アクチュエータが前記第1のプレート及び前記第2のプレートを動かす間、該第1のプレート及び該第2のプレートに対する負荷を測定するように構成されたロードセルと、
を備える、可撓性基板試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「METHODS AND APPARATUS TO PERFORM LOAD MEASUREMENTS ON FLEXIBLE SUBSTRATES」と題する2019年6月24日に出願された米国特許出願第62/865,641号及び「METHODS AND APPARATUS TO PERFORM LOAD MEASUREMENTS ON FLEXIBLE SUBSTRATES」と題する2020年6月12日に出願された米国特許出願第16/900,210号の利益を主張する。米国特許出願第62/865,641号及び同第16/900,210号の全体は、引用することにより明確に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、材料試験に関し、より詳細には、可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
組立体の信頼性試験、又は組立体の構成要素を動かすことは、構成要素の意図した及び/又は意図していない動きを繰り返し行って、定義された最小数の動きサイクルについて構成要素及び/又は組立体が確実に動作することを検証することを伴う場合がある。例えば、可撓性基板の信頼性試験は、デバイスの連続動作について試験し、及び/又は様々な故障モードをモニタリングしながら、1つ以上の方式で基板を繰り返し屈曲させることを伴う場合がある。
【発明の概要】
【0004】
可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置が、特許請求の範囲においてより完全に記載されるように、実質的に、図面のうちの少なくとも1つによって示され、これに関連して説明されるように開示される。
【0005】
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本開示の態様による、可撓性基板上で機械的特性試験を実行するための例示的な可撓性基板試験システムを示すブロック図である。
図1B】本開示の態様による、可撓性基板上で機械的特性試験を実行するための例示的な可撓性基板試験システムを示すブロック図である。
【0007】
図1C】基板上で複数の折り曲げを行うように構成された別の例示的な可撓性基板試験システムのブロック図である。
【0008】
図2図1の可撓性基板試験システムの例示的な実施態様のブロック図である。
【0009】
図3】開位置又は平坦な位置にある第1のプレート及び第2のプレートを示す、図1の可撓性基板試験システムの例示的な実施態様の斜視図である。
【0010】
図4】開位置又は平坦な位置にある、第1のプレート及び第2のプレートを省いた図3の例示的な可撓性基板試験システムの斜視図である。
【0011】
図5】中間位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システムの斜視図である。
【0012】
図6】中間位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システムの別の斜視図である。
【0013】
図7】閉位置又は折り曲げられた位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システムの斜視図である。
【0014】
図8】閉位置又は折り曲げられた位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システムの側面図である。
【0015】
図9図3の並進リンク機構(translation linkage)の部分分解図である。
【0016】
図10図1A図9の例示的な可撓性基板試験システムによって行うことができる、可撓性基板に対する負荷を測定する例示的な方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0018】
従来の可撓性基板試験システムは、折り曲げ又は展開中の可撓性基板に対する負荷又は応力を測定しない。代わりに、従来の可撓性基板試験システムは、欠陥解析並びに他の静的試験及び解析等の試験を伴うことができる。
【0019】
開示される例示的な可撓性基板試験システム及び方法は、折り曲げ及び/又は展開等の変形中の可撓性基板に対する動的負荷及び/又は静的負荷の測定を含む、可撓性基板の応力試験を提供する。いくつかの開示される例示的なシステム及び方法は、可撓性基板試験システム自体によって可撓性基板に引き起こされる追加の応力を低減又は最小化する。例えば、いくつかの開示される可撓性基板試験システムは、可撓性表示スクリーン等の可撓性基板の反復的折り曲げ及び展開を提供する固定具を備える。開示される例は、基板の端部が合わせて折り曲げられるか又は展開される際に固定具が可撓性基板に対する更なる圧縮又は張力を引き起こさないように固定具を構成し、例えば可動部を誘導する。
【0020】
2つの90度の屈曲を行う従来の可撓性基板試験システムと対照的に、開示される例示的な試験システムは、試験用取付具から試験対象の基板に対し生じる応力(例えば、折り曲げに起因して材料が自然にかつ必然的に受ける応力以外の応力)を低減又は阻止する。2つの90度の屈曲を行ういくつかの従来の試験システムは、基板のセクションが、材料の張力及び圧縮に対する緩衝材として機能するように用いられるように材料を保持することによって、そのような応力を除去しようとする。
【0021】
従来の試験システムと対照的に、開示される例示的な試験システムは、基板が開位置又は展開した位置において完全に延びることができるが、試験用取付具の回転によって生じる引張応力を受けないように基板の一部分を回転させるように幾何学的に構成される。結果として、開示される例示的な試験システム及び可撓性基板の試験用取付具は、反復的応力測定中の可撓性基板に対する応力のより正確な測定値を提供する。
【0022】
開示される例示的な可撓性基板試験システムは、試験対象の可撓性基板の第1の部分を保持するように構成された第1の基板支持構造と、可撓性基板の第2の部分を保持するように構成された第2の基板支持構造と、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造をそれぞれの角度で動かし、可撓性基板を折り曲げるように構成された1つ以上のアクチュエータと、アクチュエータが第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造を動かす間、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造に対する負荷を測定するように構成されたロードセルとを備える。
【0023】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は、0度よりも大きく360度以下の角度まで基板を折り曲げるように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の基板支持構造は、最大90度まで回転するように構成され、第2の基板支持構造は、最大90度まで回転して、最大180度の角度まで基板を折り曲げるように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、1つ以上のアクチュエータは、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造を同時に動かすように構成される。
【0024】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、1つ以上のアクチュエータは、単一の入力シャフトを駆動することによって、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造を動かすように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、入力シャフトは、第1の基板支持構造を動かすように構成された第1の二次シャフト、及び第2の基板支持構造を動かすように構成された第2の二次シャフトに結合される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の二次シャフトは、第1の基板支持構造に、第1の歯車システムによって定義された第1の軸の周りを回転させるように構成された第1の歯車システムを介して第1の基板支持構造に結合され、第2の二次シャフトは、第2の基板支持構造に、第2の歯車システムによって定義された第2の軸の周りを回転させるように構成された第2の歯車システムを介して第2の基板支持構造に結合される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の歯車システム及び第2の歯車システムは、可撓性基板の第1の部分及び可撓性基板の第2の部分を同時にかつ比例して回転させるように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の軸及び第2の軸は、基板内に複数の折り曲げ部を生成するように離間される。
【0025】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、ロードセルからの負荷情報に基づいて可撓性基板に対する負荷を求めるように構成された制御回路部を備える。
【0026】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の基板支持構造は、第1の表面を有する第1のプレートを備え、第2の基板支持構造は、第2の表面を有する第2のプレートを備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、可撓性基板試験システムは、折り曲げ及び展開中に、第1の表面の第1の面及び第2の表面の第2の面を鉛直方向に位置決めするように構成される。
【0027】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、第1の基板支持構造を保持し、第1の基板支持構造の第1の表面に対し平行な方向における第1の基板支持構造の運動を制限するように構成された第1の並進リンク機構を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、第2の基板支持構造を保持し、第2の基板支持構造の第2の表面に対し平行な方向における第2の基板支持構造の運動を制限するように構成された第2の並進リンク機構を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1の並進リンク機構は、第1の基板支持構造に結合された第1の4バーリンク機構を含み、第2の並進リンク機構は、第2の基板支持構造に結合された第2の4バーリンク機構を含む。
【0028】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、可撓性基板の折り曲げ又は展開中にロードセルによって測定される動的負荷に基づいて、可撓性基板に対する負荷を求めるように構成された制御回路部を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、可撓性基板の折り曲げ又は展開の完了時にロードセルによって測定される静的負荷に基づいて、可撓性基板に対する負荷を求めるように構成された制御回路部を備える。
【0029】
可撓性基板に対する負荷を測定する、開示される例示的な方法は、アクチュエータを介して、試験対象の可撓性基板の第1の部分を動かすことと、及び、可撓性基板を折り曲げ、又は展開するように可撓性基板の第2の部分を動かすことと、動かした結果として生じる可撓性基板に対する負荷を測定することとを含む。
【0030】
いくつかの例示的な方法において、可撓性基板の第1の部分を動かすことは、可撓性基板の第1の部分を保持する第1の基板支持構造を回転させることを伴い、可撓性基板の第2の部分を動かすことは、可撓性基板の第2の部分を保持する第2の基板支持構造を回転させることを伴う。
【0031】
いくつかの他の開示される例示的な可撓性基板試験システムは、試験対象の可撓性基板の第1の側部を保持するように構成された第1の表面を備える第1のプレートと、第1のプレートを保持し、第1のプレートの第1の表面に対し平行な方向における第1のプレートの運動を制限するように構成された第1の並進リンク機構と、可撓性基板の第2の側部を保持するように構成された第2の表面を備える第2のプレートと、第2のプレートを保持し、第2のプレートの第2の表面に対し平行な方向における第2のプレートの運動を制限するように構成された第2の並進リンク機構と、第1のプレート及び第2のプレートをそれぞれの角度で動かして、基板を、0度よりも大きく180度以下の角度まで折り曲げるように構成された1つ以上のアクチュエータと、アクチュエータが第1のプレート及び第2のプレートを動かす間、第1のプレート及び第2のプレートに対する負荷を測定するように構成されたロードセルとを備える。
【0032】
図1A及び図1Bは、可撓性基板102上で機械的特性試験を実行するための例示的な可撓性基板試験システム100を示すブロック図である。図1Aは、開位置、平坦な位置又は展開された位置にある可撓性基板試験システム100を示す。図1Bは、閉位置又は折り曲げられた位置にある試験システム100を示す。例示的な可撓性基板102は、可撓性表示スクリーン、又は他のデバイス、構造、材料、及び/又は任意の他の基板としてもよい。図1のシステム100は、可撓性基板102の折り曲げ及び展開を繰り返し行い、基板102に対する応力(例えば、折り曲げ力)を測定するように構成される。
【0033】
例示的なシステム100は、第1のプレート104、第2のプレート106、アクチュエータ110、第1のロードセル112a及び第2のロードセル112b、並びに第1の並進リンク機構114a及び第2の並進リンク機構114bを備える。システム100は、追加の特徴、例えば構造支持部若しくはフレーミング、処理回路部、通信及び/又は入力/出力(I/O)回路部、及び/又は任意の他の構成要素等を備えることができる。ロードセル112a、112bは、折り曲げ及び/又は展開中の負荷測定値(例えば、動的負荷の測定値)及び/又は折り曲げ及び/又は展開プロセスの終了時の負荷測定値(例えば、静的負荷の測定値)を出力することができる。
【0034】
可撓性基板102は、折り曲げられると、基板102における屈曲部120又は折り曲げ部の対向する端部に第1の側部116及び第2の側部118を有するとみなされる。第1の側部116及び第2の側部118。図1は、展開された又は平坦な位置(実線)及び折り曲げられた位置(点線)にある基板を示す。
【0035】
第1のプレート104は第1の基板支持構造であり、基板102の第1の側部116が取り付けられたか又は付着され、第1の表面122に対し静止状態で保持される第1の表面122を有する。第2のプレート106は第2の基板支持構造であり、基板102の第2の側部118が取り付けられたか又は付着され、第2の表面124に対し静止状態で保持される第2の表面124を有する。プレート104、106は、基板102が折り曲げられているときに曲線120を形成する基板102の部分によって架橋された間隙によって分離されている。
【0036】
図1Aにおける第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は、第1のプレート及び第2のプレートであるが、他の例において、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は異なっていてもよい。例えば、他の第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は、基板102をプレートに取り付けることなく折り曲げを可能にするように基板102の一部分を保持するためのクリップ又はクランプを備えてもよい。
【0037】
アクチュエータ110は、第1のプレート104及び第2のプレート106に結合され、これらのプレート104、106を動かす。図1A及び図1Bに示すように、アクチュエータ110は、基板102が展開される、開位置、平坦な位置又は展開された位置(図1A)と、基板102が折り曲げられる、閉位置又は折り曲げられた位置(図1B)との間でプレート104、106を動かす。いくつかの例において、アクチュエータ110は、それぞれのリンク機構を介して第1のプレート104及び第2のプレート106に取り付けられたモーターとすることができる。
【0038】
ロードセル112a、112bは、アクチュエータ110がプレート104、106を動かしている間、それぞれ第1のプレート104及び第2のプレート106に対する負荷を測定する。特に、ロードセル112a、112bは、基板102の第1の側部116によって第1のプレート104に対し加えられる負荷、及び基板102の第2の側部118によって第2のプレート106に対し加えられる負荷を測定することによって、基板102が折り曲げられる際の基板102に対する応力を測定する。
【0039】
並進リンク機構114a、114bは、ロードセル112a、112bがそれぞれ第1のプレート104及び第2のプレート106によって負荷をかけられる方向以外の方向における第1のプレート104及び第2のプレート106の動きを制限する。例えば、ロードセル112aが、第1の表面122の平面に対し垂直な方向における負荷を測定するように構成される場合、並進リンク機構114aは、(例えば、第1のプレート104及び/又は基板102の表面に対し直交する方向において)負荷が第1のプレート104からロードセル112aに伝達されることを可能にしながら、第1の表面122の平面に対し平行な方向における第1のプレート104の動きを制限する。同様に、ロードセル112bが、第2の表面124の平面に対し垂直な方向における負荷を測定するように構成される場合、並進リンク機構114bは、(例えば、第2のプレート及び/又は基板102に表面に対し直交する方向において)負荷が第2のプレート106からロードセル112bに伝達されることを可能にしながら、第2の表面124の平面に対し平行な方向における第2のプレート106の動きを制限する。
【0040】
例示的な並進リンク機構114a、114bは、それぞれ、ロードセル112a、112bに対し固定されたフレームに結合された1つ以上の4バーリンク機構を備えることができる。いくつかの例において、並進リンク機構114a、114bは、ロードセル112a、112bの過負荷を阻止するように、ロードセル112a、112bに向かう方向において更に制限される。例えば、停止点は、この停止点を越えてロードセル112aに向かう4バーリンク機構(複数の場合もある)及び第1のプレート104の動きを阻止するように、フレームに取り付けることができる。
【0041】
動作時に、例示的なロードセル112a、112bは、試験測定値から予荷重を減算するために、基板102を第1のプレート104及び第2のプレート106に固定した後にバイアス又はオフセットすることができる。例えば、ロードセル112a、112bにおける予荷重は、プレート104、106の重量、並進リンク機構114a、114bの重量、並びに第1のプレート104における基板102の第1の側部116の重量及び第2のプレート106における基板102の第2の側部の重量に起因して生じる場合がある。ロードセル112a、112bにおける予荷重を求めることによって、ロードセル112a、112bは、折り曲げ及び展開中に基板102にかかる応力を測定するように較正又はオフセットすることができる。
【0042】
いくつかの例において、試験システム100は、第1のプレート104及び第2のプレート106が鉛直方向に位置決めされ、これらのプレート104、106が水平方向に動かされるように位置決めされる。例えば、プレート104、106の回転軸は、鉛直である、すなわち上下方向に真っ直ぐであり、プレート104、106の重量は、ロードセル112a、112bに向けられていない。
【0043】
固定具に起因して基板102に対し応力を発生させることを低減又は阻止するために、回転軸126a、126b(例えば、旋回点)は基板102からオフセットされる。オフセットの長さは、例えば、基板102の折り曲げ半径rに基づくことができる。基板102が開位置に展開されるとき、プレート104、106間の距離(例えば、基板102によって架橋された距離)もこの半径に基づくことができ、約3.14*rの距離等であり、これは、折り曲げられた位置又は閉位置にある基板102の折り曲げられた部分の外周に概ね等しい。さらに又は代替的に、軸126a、126bとプレート104、106との間のオフセットは、プレート104、106間の距離が約2*rとなるように半径に基づいて構成することができる。軸126a、126bを構成し、静止軸126a、126b及び所望の折り曲げ半径に基づいてプレート104、106を構成することによって、試験システム100は、基板102が展開されたときに完全に延び、折り曲げに起因して基板102に対し張力又は圧縮応力を引き起こすことなく、所望の折り曲げ半径まで折り曲げられることを可能にする。いくつかの例では、折り曲げ半径は、基板102の早期故障を引き起こす場合があり、これは試験の一部として測定することができる。
【0044】
図1Aの例において、ロードセル112a、112bによって出力される測定値は、第1のプレート104及び第2のプレート106の重量、及び/又は第1のプレート104の慣性負荷、及び/又は第2のプレート106の慣性負荷について補償され、可撓性基板102に対する力、応力又は負荷の測定値が提供される。例えば、結果としてロードセル112によって測定可能な力が生じる、第2のプレート106の重量の一部分及び第2のプレート106の慣性負荷の一部分は、折り曲げ運動中に連続的に変化する場合がある。処理システム(例えば、以下で開示されるプロセッサ203)は、第1のプレート104、第2のプレート106及び/又はアクチュエータ110の特性、折り曲げ方向、折り曲げ速度及び/又は折り曲げ経路、及び/又は、折り曲げ及び/又は展開プロセス中に生じる任意の他の動的力に基づいて、ロードセル112a、112bから受信した測定値を補償するように構成することができる。
【0045】
図1Cは、基板102上で複数の折り曲げを行うように構成された別の例示的な可撓性基板試験システム150のブロック図である。図1Cの例示的な可撓性基板試験システム150は、第1のプレート104及び第2のプレート106を備え、第3のプレート等の第3の基板支持構造152を更に備える。
【0046】
図1Cの例において、軸126a、126bは、基板102における複数の折り曲げ(例えば、三重以上の折り曲げ)を生じさせるように十分オフセットされる。例えば、基板102の中心部分等の基板102の第3の部分154は、静止した支持構造152に固定されるのに対し、プレート104、106は、軸126a、126bに対応する複数の軸に沿って折り曲げを行うように作動される。
【0047】
さらに又は代替的に、単一折り曲げ軸及び二重折り曲げ軸が上記で開示されているが、他の例は、対応する基板支持構造(例えば、プレート)、及び基板支持構造の回転を制御する対応する歯車システムを用いて、三重以上の折り曲げ軸を有してもよい。さらに、図1Cの例は、第3のセクション154の同じ側部に向けて基板の双方のセクション116、118を折り曲げるように構成されるが、他の例では、プレート104、106及び軸126a、126bは、第3のセクション154の対向する側部に向かってセクション116、118を折り曲げるように構成される(例えば、U字型の折り曲げではなくZ字型の折り曲げ)。
【0048】
図2は、図1Aの可撓性基板試験システム100の例示的な実施態様のブロック図である。図2に示すように、可撓性基板試験システム100は、試験用取付具201及びコンピューティングデバイス202を備える。
【0049】
例示的なコンピューティングデバイス202は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、オールインワンコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとしてもよい。図2のコンピューティングデバイス202は、プロセッサ203を備え、プロセッサ203は、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。いくつかの例において、プロセッサ203は、FPGA、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ203は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示的なマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとしてもよい。バス212は、プロセッサ203、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0050】
例示的なネットワークインターフェース214は、コンピューティングデバイス201を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0051】
図2の例示的なI/Oインターフェース216は、プロセッサ203に入力を提供する及び/又はプロセッサ203から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ203に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含んでもよい。例示的な伸び計システム100は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示的なI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含んでもよい。
【0052】
コンピューティングデバイス202は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。図2の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0053】
試験用取付具201は、コンピューティングデバイス202に結合される。図2の例において、試験用取付具201は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。いくつかの例において、試験用取付具201は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース214及び/又はI/Oインターフェース216に結合される。
【0054】
試験用取付具201は、フレーム228と、ロードセル230と、材料固定具236と、制御プロセッサ238とを備える。フレーム228は、試験を行う試験用取付具201の他の構成要素に剛体の構造支持体を提供する。ロードセル230は、図1Aのロードセル112を実装することができ、把持部248(例えば、プレート104、106)を介してアクチュエータ246によって試験対象の材料(例えば、基板102)に加えられた力を測定する。
【0055】
アクチュエータ246は、把持部248が試験対象の材料を把持するか又は他の形でアクチュエータ246に結合している間、試験対象の材料に力を加え、及び/又は試験対象の材料の変位を強制する。
【0056】
試験用取付具201の構成要素に力及び/又は運動を与えるのに用いることができる例示的なアクチュエータは、電気モーター、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、中継器及び/又はスイッチを含む。例示的な試験用取付具201は、サーボモーター又は直接駆動リニアモーター等のモーターを用いるが、他のシステムは、異なるタイプのアクチュエータを用いてもよい。例えば、システムの要件に基づいて、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び/又は任意の他のタイプのアクチュエータを用いてもよい。
【0057】
例示的な把持部248は、試験されている機械的特性及び/又は試験対象の材料に依拠して、プラテン、クランプ及び/又は他のタイプの固定具を含む。把持部248は、手動入力により手動で構成、制御し、及び/又は制御プロセッサ238によって自動的に制御することができる。
【0058】
試験システム100は、1つ以上の入力デバイス252を含む1つ以上の制御パネル250を更に備えることができる。入力デバイス252は、オペレーター制御パネル上に位置するボタン、スイッチ及び/又は他の入力デバイスを含むことができる。例えば、入力デバイス252は、把持部248を所望の位置まで押す(jog)(例えば、位置決めする)ようにアクチュエータ246を制御するボタン、把持部248を(例えば、別のアクチュエータを介して)開閉するように制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は、試験用取付具201の動作を制御する任意の他の入力デバイスを備えてもよい。
【0059】
例示的な制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス202と通信して、例えばコンピューティングデバイス202から試験パラメータを受信し、及び/又は、測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス202に報告する。例えば、制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス202との通信を可能にする1つ以上の通信及び/又はI/Oインターフェースを備えることができる。制御プロセッサ238は、所与の方向に動き、及び/又はアクチュエータ246の速度を制御するようにアクチュエータ246を制御し、試験対象の材料を把持又は解放するように固定具(複数の場合もある)236を制御し、及び/又は、変位トランスデューサ232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。いくつかの例において、制御プロセッサ238は、アクチュエータ246のモータエンコーダーをモニタリングして、折り曲げ角をモニタリングし、これを用いてパルスあたりの折り曲げの度合いの比を確立することができる。
【0060】
例示的な制御プロセッサ238は、試験標本(例えば、基板102)が試験用取付具201における試験を受ける反復運動試験プロセスを実施するように構成される。例えば、一連の折り曲げ及び展開運動中又はその後の基板102に対する応力を測定するために、制御プロセッサ238は、ロードセル230をモニタリングして基板102に対する応力を測定しながら、アクチュエータ246を、把持部248(例えば、第1のプレート104及び第2のプレート106)を動かすように制御する。
【0061】
例示的なプロセッサ203は、可撓性基板102の折り曲げ又は展開の終了時にロードセル230によって測定される負荷に基づいて、可撓性基板102における静的負荷を求めることができる。静的負荷測定は、基板102が折り曲げ又は展開プロセスに続いて弛緩することを可能にするように、弛緩時間を満了させた後に行うことができる。さらに又は代替的に、例示的なプロセッサ203は、可撓性基板102の折り曲げ又は展開中にロードセル230によって測定される負荷に基づいて、可撓性基板102における動的負荷を求めてもよい。例示的なプロセッサ203は、負荷測定値からの第1のプレート104の重量及び/又は第2のプレート106の重量及び慣性負荷の影響の除去等の、ロードセル(複数の場合もある)230からの測定値の補償を行うことができる。
【0062】
図3は、開位置又は平坦な位置における第1のプレート104及び第2のプレート106を示す、図1Aの可撓性基板試験システム100の例示的な実施態様の斜視図である。図4は、開位置又は平坦な位置にある、第1のプレート及び第2のプレートを省いた図3の例示的な可撓性基板試験システム100の斜視図である。図5は、中間位置(例えば、開位置と閉位置との間)にある、図3の例示的な可撓性基板試験システム100の斜視図である。図6は、中間位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システムの別の斜視図である。図7は、閉位置又は折り曲げられた位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システム100の斜視図である。図8は、閉位置又は折り曲げられた位置にある、図3の例示的な可撓性基板試験システム100の側面図である。
【0063】
例示的な並進リンク機構114a、114bはそれぞれ、第1の4バーリンク機構302a、302b、第2の4バーリンク機構304a、304b、及びフレーム306a、306bを備える。フレーム306a及びロードセル112aは、回転組立体310aへの取付によって互いに対し静止している。フレーム306b及びロードセル112bは、回転組立体310bへの取付けによって互いに対し静止している。第1の4バーリンク機構302a、302b及び第2の4バーリンク機構304a、304bは、それぞれ、最も内側のリンクを介して第1のプレート104又は第2のプレート106に取り付けられるように構成される。第1の4バーリンク機構302a及び第2の4バーリンク機構304aは、第1のプレート104からの負荷が、第1のプレート104の表面に対し垂直な方向において(例えば、ロードセル112aに結合された拡張ポスト308により)ロードセル112aに伝達されることを可能にしながら、基板102が装着される第1のプレート104の表面に対し平行な方向(図3において方向X及びYとして示される)における第1のプレート104の動きを制限する。
【0064】
ロードセル112a、112bの過負荷を回避するために、フレーム306a、306bは、第1の4バーリンク機構302及び第2の4バーリンク機構304及び/又は第1のプレート104又は第2のプレート106が停止点を越えてロードセル112a、112bに向かって進むことを阻止するように構成された停止点を備える。停止点は、例えば、第1の4バーリンク機構302a、302b及び/又は第2の4バーリンク機構304a、304bの下側に接触するように構成されたピン又は他の剛体の締結具と、フレーム306a、306bの上面と、フレーム306a、306bの上面に結合されたバンパー又は剛体のオフセットとを用いて実装され、第1のプレート104又は第2のプレート106との接触及び/又は任意の他の技法により停止点を提供してもよい。
【0065】
回転アーム301a、301bは、基板102の折り曲げ及び展開を行うために、第1のプレート104及び第2のプレート106を回転及び並進させるように構成される。回転アーム301a、301bは、回転軸312a、312b(例えば、旋回点)に結合される。アクチュエータは、入力シャフト314を駆動することによって、回転アーム301a、301bの双方を同時に回転させることができる。入力シャフト314は、回転アーム301a、301bに結合されたそれぞれの歯車システム318a、318bを駆動する二次シャフト316a、316bに結合される。いくつかの例において、ギア比は、双方のプレート104、106を同時にかつ比例して折り曲げさせるように入力シャフト314と回転アーム301aとの間、及び入力シャフト314と回転アーム301bとの間で同じである。
【0066】
図3の例は、基板102の折り曲げ経路を定義する歯車システム318a、318bを含むが、他の例では、ガイドは異なっていてもよい。例えば、他のガイドは、複数のギアを有することを含んでもよく、ここで、第1のギアは自由に回転し、基板102の第1の側部の縁部と位置合わせされ、第2のギアは、第1のギアと噛み合わされ、基板102の第2の半分に対し固定される。他の例示的なガイドは、互いに対し垂直に配置された2つの線形アクチュエータの組み合わせを含むことができ、組み合わせにおける一方の線形アクチュエータが他方の線形アクチュエータに装着されている。第1のプレート104及び第2のプレート106は、アクチュエータの組み合わせのそれぞれに取り付けられ、x-y平面において自由に動き、折り曲げ経路を描くことができる。複数の線形アクチュエータが、ガイドが異なる半径の折り曲げ部及び/又は非円形の折り曲げ部を含む様々なタイプの経路を実施することを可能にすることができる。いくつかの他の例示的なガイドが、折り曲げ経路を画定する一連のリンク機構を備えることができる。
【0067】
図9は、図4図8の並進リンク機構の部分展開図である。特に、例示的な並進リンク機構114aは、それぞれ中間リンク機構906、908、910、912と別個の4バーリンク機構302、304の内側リンク機構902、904と共に示される。中間リンク機構906~912は、内側リンク機構902、904をフレーム306に結合する。フレーム306は、4バーリンク機構302、304の一部分としての役割を果たす。
【0068】
図10は、図1A図11の例示的な可撓性基板試験システムによって行うことができる、可撓性基板に対する負荷を測定する例示的な方法1000を表すフローチャートである。例示的な方法1000は、以下で図1A及び図2を参照して開示される。
【0069】
ブロック1002において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、ロードセル112、230を較正して、第1の基板支持構造及び/又は第2の基板支持構造(複数の場合もある)(例えば、第1のプレート104、第2のプレート106)、並進リンク機構114の重量、及び/又はロードセル112、230による測定に影響を及ぼす任意の他の力を補償する。
【0070】
ブロック1004において、第1の基板支持構造(例えば、第1のプレート104)は、可撓性基板102の第1の部分を静止状態に保持する。ブロック1006において、第2の基板支持構造(例えば、第2のプレート106)は、可撓性基板102の第2の部分を保持する。
【0071】
ブロック1008において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を折り曲げるか否かを判断する。例えば、プロセッサ203は、折り曲げサイクル(例えば、折り曲げ及び展開)が行われるか否かを判断することができる。折り曲げが行われない場合(ブロック1008)、制御はブロック1008を反復し、折り曲げを待機する。
【0072】
折り曲げが行われる場合(ブロック1008)、ブロック1010において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を折り曲げる折り曲げ方向において第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造(例えば、第1のプレート104及び第2のプレート106)を動かすようにアクチュエータ110を制御する。いくつかの例において、歯車システム又は他のガイドを用いて、折り曲げ中の可撓性基板102の曲げ半径及び/又は折り曲げ経路を制御することができる。ブロック1012において、ロードセル112a、112b、230は、折り曲げ中の可撓性基板102に対する動的負荷(複数の場合もある)を測定し、及び/又は折り曲げ後の可撓性基板102に対する静的負荷(複数の場合もある)を測定する。
【0073】
ブロック1014において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を展開するか否かを判断する。展開が行われない場合(ブロック1014)、制御はブロック1014を反復し、展開を待機する。
【0074】
展開が行われる場合(ブロック1014)、ブロック1016において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を展開する展開方向において第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造を動かすようにアクチュエータ110を制御する。いくつかの例において、歯車システム又は他のガイドを用いて、展開中の可撓性基板102の曲げ半径及び/又は折り曲げ経路を制御することができる。ブロック1018において、ロードセル112、230は、展開中の可撓性基板102に対する動的負荷(複数の場合もある)を測定し、及び/又は展開後の可撓性基板102に対する静的負荷(複数の場合もある)を測定する。
【0075】
ブロック1020において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、折り曲げサイクルを繰り返すか否かを判断する。例えば、可撓性基板102は、複数の折り曲げサイクルを伴う試験プロセスを受ける場合がある。折り曲げサイクルが繰り返される場合(ブロック1020)、制御はブロック1008に戻る。折り曲げサイクルが繰り返されない場合(ブロック1020)、例示的な方法1000は終了する。
【0076】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0077】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0078】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】