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特表2022-540777有機化合物におけるまたはこれに関する改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】有機化合物におけるまたはこれに関する改善
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20220912BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577031
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2020062179
(87)【国際公開番号】W WO2020165464
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】1909222.0
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】モイセン,ルース シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブリエール,トマ
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス,ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】ケハヤ,リンダ
(72)【発明者】
【氏名】コンタリス,イオアンニス
(72)【発明者】
【氏名】マギー,クリストファー ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】プレイデル-ピアース,クリストファー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
ヒト対象のウェルビーイングに対する試験オーラルケアフレーバー組成物の影響を評価する方法、ならびにヒト対象のウェルビーイングを増強させるためのオーラルケアフレーバー組成物を調製するまたは最適化する方法、ウェルビーイングを増強させるオーラルケアフレーバー組成物、およびこれらを含有する消費者製品が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象のウェルビーイング(well-being)に対する試験オーラルケアフレーバー組成物の影響を、以下のステップを実施することによって評価する方法:
a) 1人以上のヒト対象に、複数のウェルビーイング属性を得点化させることによって、彼らの歯を磨く前におよび試験オーラルケアフレーバー組成物の不存在下で彼らのウェルビーイングを評価させること:
i. ここで、ウェルビーイング属性は、「不安ではない」、「悲しくない」、「せわしなくない」、「いらいらしていない」、「ストレスを受けていない」、「幸せである」、「楽観的である」、「わくわくしている」、「満たされている」、「やる気がある」、「元気がある」、「興味津々である」、「退屈ではない」、「疲れていない」、「精神的に機敏である」、「穏やかである」、「落ち着いている」、および「忍耐力がある」を包含し;ならびに
ii. ここで、各ウェルビーイング属性は、対応する重みを有する;
b) 歯磨き前のおよび試験オーラルケアフレーバー組成物の不存在下の基本のウェルビーイング得点を、各ウェルビーイング属性の得点に対応する重みを乗じて積を出すことおよびすべてのウェルビーイング属性についてのこれらの積を合計することによって、計算すること;
c) 試験オーラルケアフレーバー組成物でのウェルビーイング得点を決定するために、試験オーラルケアフレーバー組成物を含む練り歯磨きでの歯磨き後にステップa)およびb)を繰り返すこと;ならびに
d) 試験オーラルケアフレーバー組成物でのウェルビーイング得点から基本のウェルビーイング得点を減じることによって、ウェルビーイングに対する試験オーラルケアフレーバー組成物の影響を決定すること。
【請求項2】
ウェルビーイング属性の重みが、以下のとおりである、請求項1に記載の方法:
【表1】
【請求項3】
ヒト対象のウェルビーイングを増強させるためのオーラルケアフレーバー組成物を調製するまたは最適化する方法であって、方法が、以下のステップ:
a~d) 請求項1または2に記載の方法に従って、ヒト対象のウェルビーイングに対する1以上のオーラルケアフレーバー組成物の影響を決定すること;および
e) ウェルビーイングに対して肯定的な影響を伴うオーラルケアフレーバー組成物を選択すること、
を含む、前記方法。
【請求項4】
以下のステップ:
f) ウェルビーイングに対して肯定的な影響を有するそれらのオーラルケアフレーバー組成物において、存在するオーラルケアフレーバー成分を比較すること;
g) それらのオーラルケアフレーバー組成物に共通する感覚刺激属性を同定すること;および
h) ステップg)において同定された感覚刺激物質を伴うオーラルケアフレーバー成分の増大した割合を伴う、新しいオーラルケアフレーバー組成物を創作すること、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップh)において、アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合が増大される、および/またはペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合が増大される、および/またはユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、およびスイートからなる群から選択される感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合が増大される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
以下を含むオーラルケアフレーバー組成物:
(i) アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここでアニス感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも3.0wt%、より好ましくは少なくとも5.0wt%、さらにより好ましくは少なくとも7.0wt%、および最も好ましくは少なくとも8.0wt%である;
(ii) ペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、ペパーミント感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも50wt%、より好ましくは少なくとも55wt%、および最も好ましくは少なくとも60wt%である;ならびに
(iii) 別の感覚刺激属性を有する少なくとも1のオーラルケアフレーバー成分、ここで、該他の感覚刺激属性は、ユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、およびスイートからなる群から選択される。
【請求項7】
アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分が、アネトール、スターアニスオイル、スターアニスオイル再構築物、タラゴンオイル、タラゴンオイル再構築物、アニシードオイル、アニシードオイル再構築物、フェンネルオイル、フェンネルオイル再構築物、バジルオイル、バジルオイル再構築物、(1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のオーラルケアフレーバー組成物。
【請求項8】
ペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分が、ペパーミントオイル、ペパーミントオイル再構築物、L-メントール、ラセミのメントール、L-イソメントン、ラセミのイソメントン、メンチルアセタート、メントフラン、2-ブタン-2-イルシクロヘキサン-1-オン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6または7に記載のオーラルケアフレーバー組成物。
【請求項9】
(iii.1)~(iii.11)の少なくとも1を以下の量で含む、請求項6~8のいずれか一項に記載のオーラルケアフレーバー組成物:
(iii.1) ユーカリ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、ユーカリ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である;ならびに/または
(iii.2) スペアミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここでスペアミント感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である;ならびに/または
(iii.3) ウィンターグリーン感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、ウィンターグリーン感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である;ならびに/または
(iii.4) ハーブ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、ハーブ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも12wt%、および最も好ましくは少なくとも15wt%である;ならびに/または
(iii.5) シトラス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、シトラス感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である;ならびに/または
(iii.6) フローラル感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、フローラル感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも5.0wt%、より好ましくは少なくとも8.0wt%、および最も好ましくは少なくとも12.0wt%である;ならびに/または
(iii.7) フルーティ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、フルーティ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも8.0wt%、より好ましくは少なくとも10.0wt%、および最も好ましくは少なくとも12.0wt%である;ならびに/または
(iii.8) 冷却感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、冷却感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも1.0wt%、より好ましくは少なくとも1.5wt%、および最も好ましくは少なくとも2.0wt%である;ならびに/または
(iii.9) 加温感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、加温感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも0.10wt%、より好ましくは少なくとも0.15wt%、および最も好ましくは少なくとも0.20wt%である;ならびに/または
(iii.10) スパイシー感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、スパイシー感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%、および最も好ましくは少なくとも20wt%である; ならびに/または
(iii.11) スイート感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、スイート感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%、および最も好ましくは少なくとも20wt%である。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載のオーラルケアフレーバー組成物であって、ここで、別の感覚刺激属性を有する少なくとも1のオーラルケアフレーバー成分が、以下からなる群から選択される:
(iii.1) ユーカリオイル、ユーカリオイル再構築物、ユーカリプトール、およびそれらの混合物からなる群から選択されるユーカリ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.2) スペアミントオイル、スペアミントオイル再構築物、trans-カルベオール、cis-カルベオール、L-カルボン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるスペアミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.3) ウィンターグリーンオイル、ウィンターグリーンオイル再構築物、エチルサリチラート、サリチル酸メチル、およびそれらの混合物からなる群から選択されるウィンターグリーン感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.4) カモミールオイル、カモミールオイル再構築物、ジュニパーベリーオイル、ジュニパーベリーオイル再構築物、ラバンジンオイル、ラバンジンオイル再構築物、ラベンダーオイル、ラベンダーオイル再構築物、ローズマリーオイル、ローズマリーオイル再構築物、セージオイル、セージオイル再構築物、タイムオイル、タイムオイル再構築物、チモール、およびそれらの混合物からなる群から選択されるハーブ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.5) ベルガモットオイル、ベルガモットオイル再構築物、シトラール、グレープフルーツオイル、グレープフルーツオイル再構築物、レモングラスオイル、レモングラスオイル再構築物、レモンオイル、レモンオイル再構築物、D-リモネン、L-リモネン、ライムオイル、ライムオイル再構築物、マンダリンオイル、マンダリンオイル再構築物、オレンジオイル、オレンジオイル再構築物、オレンジビターオイル、オレンジビターオイル再構築物、オレンジブラッドオイル、オレンジブラッドオイル再構築物、タンジェリンオイル、タンジェリンオイル再構築物、およびそれらの混合物からなる群から選択されるシトラス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.6) シトロネロール、ゼラニウムオイル、ゼラニウムオイル再構築物、ゲラニルアセタート、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール、イオノンアルファ、イオノンベータ、ジャスミンオイル、ジャスミンオイル再構築物、リナロール、フェニルエチルアルコール、3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オールおよび3,7-ジメチルオクタ-7-エン-1-オールの混合物、テトラヒドロゲラニオール、バラオイル、バラオイル再構築物、テルピネオールアルファ、イランイランオイル、イランイランオイル再構築物、およびそれらの混合物からなる群から選択されるフローラル感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.7) カシラン、cis-3-ヘキセニルアセタート、ダマセノン、ダマスコンベータ、デカラクトンガンマ、ジメチルスルフィド、ドデカラクトンガンマ、エチル2-酪酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ヘプタン酸エチル、エチルヘキサノアート、エチルイソ-ブチラート、乳酸エチル、酢酸ヘキシル、イソ-アミルアセタート、イソ-アミルブチラート、イソ-アミルプロピオナート、ラズベリーケトン、trans-2-ヘキセナール、およびそれらの混合物からなる群から選択されるフルーティ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.8) N-(4-シアノメチルフェニル)p-メンタンカルボキサミド、2-イソプロピル-5-メチル-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド、3-(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル)オキシプロパン-1,2-ジオール、(1R,2R,5S)-5-メチル-2-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサン-1-オール、エチル2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセタート、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド、N-エチル-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサン-1-カルボキサミド、N,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミド、(2E)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-N,N-ジフェニルアクリルアミド、2-(p-トリルオキシ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)-N-((チオフェン-2-イル)メチル)アセトアミド、[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル]2-ヒドロキシプロパノアート、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ-2-ヒドロキシプロパン、2-ヒドロキシプロピル(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル)カーボネート、9-メチル-6-(1-メチルエチル)-1,4-ジオキサスピロ-[4,5]デカン-2-メタノール、メンチルラクタート,モノ-メンチルスクシナート、メンチルメチルエーテル、1-メチル-3-ヒドロキシブチラート、2-{[5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル]オキシ}エタノール、2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-メチルシクロヘキサン-1-オール、およびそれらの混合物からなる群から選択される冷却感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.9) カプサイシン、トウガラシオレオレジン、ギンゲロール、ノニバミド、ピペリン、バニリルブチルエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される加温感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに/または
(iii.10) カシアオイル、カシアオイル再構築物、桂皮アルデヒド、クローブバッドオイル、クローブバッドオイル再構築物、クローブリーフオイル、クローブリーフオイル再構築物、オイゲノール、ジンジャーオイル、ジンジャーオイル再構築物、ジンジャーオレオレジン、ブラックペッパーオイル、ブラックペッパーオイル再構築物、カルダモンオイル、カルダモンオイル再構築物、ナツメグオイル、ナツメグオイル再構築物、シナモンリーフオイル、シナモンリーフオイル再構築物、シナモンバークオイル、シナモンバークオイル再構築物、サフラレイン(safraleine)、およびそれらの混合物からなる群から選択されるスパイシー感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分; ならびに/または
(iii.11) アセチルメチルカルビノール、ベンズアルデヒド、桂皮アルコール、デカラクトンデルタ、エチルマルトール、フェヌグリークオイル、フェヌグリークオイル再構築物、フラネオール、ヘキサラクトンガンマ、ヘリオトロピン、イソブタバン、ノナラクトンガンマ、オクタラクトンガンマ、p-メチルアセトフェノン、マルトール、ミルラオイル、ミルラオイル再構築物、バニラオイル、バニラオイル再構築物、バニリン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるスイート感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分。
【請求項11】
請求項6~10のいずれか一項に記載のオーラルケアフレーバー組成物と好適なベースとを含む、オーラルケア消費者製品。
【請求項12】
請求項6~10のいずれか一項に記載のオーラルケアフレーバー組成物の、ヒト対象のウェルビーイングを増強させるための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヒト対象のウェルビーイングに対するオーラルケアフレーバー組成物の影響を測定する方法に、ウェルビーイングを増強させるオーラルケアフレーバー組成物を調製するまたは最適化する方法に、ウェルビーイングを増強させるオーラルケアフレーバー組成物に、ならびにオーラルケアフレーバー組成物を含有する消費者製品に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ウェルビーイング(または、より正確には「主観的ウェルビーイング」)は、一般に人々が簡単には説明できない複雑な概念である。ほとんどの人々は単純に、ウェルビーイングを、幸せの気持ちまたはおそらく落ち着きと同一視しているだろう。学術的文献において時として使用されるウェルビーイングのより正確な定義は、人による彼または彼女の人生の情動的および認知的評価としてのウェルビーイングを指している。この定義において、所謂「情動的」要素は、人の気分および感情を指す。経験した気分および感情が心地良い(例として、喜び、高揚、愛情、等)ときには肯定的情動が生じ、一方で経験した気分および感情が不快である(例として、罪悪、怒り、恥、等)ときには情動は否定的であると考えられる。心理学的には、情動的バランスが、肯定的情動が否定的情動を上回るようなときに、人は幸せの気分を経験する。
【0003】
主観的ウェルビーイングの他の重要な要素(所謂「認知的」要素)は、広域的観点(例として、人生全体)、ならびに人間関係、人生設計(the control one has over one’s life)、目的意識およびその類似物における満足の意味などでの狭域的観点の両方における、人による彼または彼女の人生満足度の評価を指す。
【0004】
ウェルビーイングは大抵、自己申告の方法を、典型的には質問票の形態のものを使用して測定される。
回答者は、一連の質問がされ、その各々は、ウェルビーイングの情動的または認知的要素に対する効果を有すると考えられる異なる主観的状態に関係がある測定基準に関する。これは、主観的ウェルビーイング、例として、悲しみ、疲労、忍耐、苛立ち等に対する肯定的または否定的影響を有する主観的状態を包含し得る。例として、「あなたは悲しいですか?」という型の各質問について、回答者は、例として、あまり該当しない、から、非常に該当する、までの、極端間の評定尺度上で各主観的状態の該当性を評定するように求められる。回答者の回答データを統計分析に供することによって、ウェルビーイングを定量化することが可能である。このように、多くの指標がウェルビーイングおよび関係がある概念を測定するために開発されている。しかしながら、どの質問を聞くべきかを知ることは、かかる測定技法の信頼性に有意に影響を及ぼし得る。
【0005】
主観的ウェルビーイングを測定または評定する信頼し得る手段は、ウェルビーイングパラメータに付随する経済的、政治的および社会学的重要性のために、20世紀後半から強く所望されている。ウェルビーイングもまた、より最近、ランドリーケア、ハウスホールドケア、およびパーソナルケア製品などの、消費者製品の開発および商業化における設計パラメータとして、重要性が増大していると推測されている。これらの製品の製造業者は、現代の消費者が彼らの購入する製品から感情的体験を求めていること、ならびに、彼らが個人的なつながりを感じるブランドおよび彼らに健康とウェルビーイングの感覚を提案するブランドに彼らがとくに興味があることを認識している。
【0006】
フレグランスおよびフレーバーは、消費者製品企業によって、心地良くとても好まれる匂いおよび味を彼らの製品に付与するために幅広く採用され、これは消費者の好みを促進してこの理由によって購買決定に影響を与えるものである。しかしながら、競争の激化する市場において、単なる好みでは、1のブランドをその競合物に対して差別化するのに充分ではないことが多い。結果的に、彼らの製品の市場取引において、消費者製品企業は、広範囲な製品利益に頻繁に言及しており、それは典型的には多様な広告キャンペーンを通じて、ならびに彼らの製品のパッケージングおよびラベリング上で伝えられ、それらは共に彼らのブランディング戦略の重要な部分を形成する。新しい差別化効果は常に探し求められており、およびフレーバーはしばしばそれらの効果を達成する手段として採用されてきた。例えば、フレーバーは、衛生効果、悪臭緩和効果等などのオーラルケアに関連し得る、実際のまたは認識される機能的効果を創るために採用されてきた。
【0007】
その機能的効果に加えて、匂いおよび味は、ヒト対象における感情的反応を引き出すことが知られている。ヒトの感情に対する匂いの一時的に有益な心理学的効果は、学術的文献において広く研究されている。例えば、ヒト対象の情動的(すなわち感情的)体験に対する匂いの効果は、C. Chrea et al. (2009), “Mapping the semantic space for the subjective experience of emotional responses to odour s”, Chemical Senses, 34 (2009) 49-62およびS. Delplanque et al. “How to map the affective semantic space of Scents”, Cognition & Emotion 26(5) (2012) 885-898によって研究されている。とりわけ、これらの論文は、質問票の形態における言語的測定方法を記載し、ここで、測定期間は、香り付きおよびフレーバー付き製品から発生する匂いによって誘発される様々な気分および感情を差別化することが可能であるように選択される。しかしながら、これらの論文において、ウェルビーイングの認知的側面は、過小評価されており(under-estimated)、および嗅覚的機能に関連する記憶的側面に限定されている。
【0008】
特許文献もまた、心地良い気分の状態(例えば、2008/050086 A1を参照)および睡眠の質(WO 2016/146673 A1を参照)を創るように具体的に設計される消費者製品用の香料組成物を記載する。しかしながら、これらの先行技術文献のすべてが、包括的概念としてのウェルビーイングの情動的および認知的側面の両方を実際に取り上げることなく、ウェルビーイングの個別の感情的側面(例として、幸せまたは睡眠の質)のみに触れている。
【0009】
よって、ヒト対象の主観的ウェルビーイングに対するフレーバー組成物の効果を測定する方法、ならびにヒト対象のウェルビーイングを増強させるフレーバー組成物を設計する方法を提供する必要性が未だにある。より具体的には、ウェルビーイングに対するオーラルケアフレーバー組成物の効果を測定するような、および、ヒト対象のウェルビーイングをとくに歯磨きの際に増強させるオーラルケア組成物を設計するような方法を提供する必要性が未だにある。
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
第1の側面において、本発明は、ヒト対象のウェルビーイングに対する試験オーラルケアフレーバー組成物の影響を評価する方法であって、方法が、以下のステップ:
a) 1人以上のヒト対象に、複数のウェルビーイング属性を得点化させることによって、歯磨き前および試験オーラルケアフレーバー組成物の不在における彼らのウェルビーイングを評価させること;
i) ここで、ウェルビーイング属性は、「不安ではない」、「悲しくない」、「せわしなくない」、「いらいらしていない」、「ストレスを受けていない」、「幸せである」、「楽観的である」、「わくわくしている」、「満たされている」、「やる気がある」、「元気がある」、「興味津々である」、「退屈ではない」、「疲れていない」、「精神的に機敏である」、「穏やかである」、「落ち着いている」、および「忍耐力がある」を包含し;ならびに
ii) ここで、各ウェルビーイング属性は、対応する重みを有する;
b) 歯磨き前および試験オーラルケアフレーバー組成物の不在における基本のウェルビーイング得点を、各ウェルビーイング属性の得点に対応する重みを乗じて積を出すことおよびすべてのウェルビーイング属性についてのこれらの積を合計することによって、計算すること;
c) 試験オーラルケアフレーバー組成物でのウェルビーイング得点を決定するために、試験オーラルケアフレーバー組成物を含む練り歯磨きでの歯磨き後にステップa)およびb)を繰り返すこと;ならびに
d) 試験オーラルケアフレーバー組成物でのウェルビーイング得点から基本のウェルビーイング得点を減じることによって、ウェルビーイングに対する試験オーラルケアフレーバー組成物の影響を決定すること、
を含む、前記方法を提供する。
【0011】
第2の側面において、本発明は、ヒト対象のウェルビーイングを増強させるためのオーラルケアフレーバー組成物を調製するまたは最適化する方法であって、方法が、以下のステップ:
a~d) 上に記載される方法に従って、ヒト対象のウェルビーイングに対する1以上のオーラルケアフレーバー組成物の影響を評価すること;および
e) ウェルビーイングに対して肯定的な影響を伴うオーラルケアフレーバー組成物を選択すること、
を含む、前記方法を提供する。
【0012】
第3の側面において、本発明は、以下を含むオーラルケアフレーバー組成物を提供する:
(i) アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここでアニス感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも3.0wt%、より好ましくは少なくとも5.0wt%、さらにより好ましくは少なくとも7.0wt%、および最も好ましくは少なくとも8.0wt%である;
(ii) ペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分、ここで、ペパーミント感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも50wt%、より好ましくは少なくとも55wt%、および最も好ましくは少なくとも60wt%である;ならびに
(iii) 別の感覚刺激属性を有する少なくとも1のオーラルケアフレーバー成分、ここで、該他の感覚刺激属性は、ユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、およびスイートからなる群から選択される。
【0013】
該オーラルケアフレーバー組成物は、本発明の方法に従って調製または最適化されてもよい。
【0014】
第4の側面において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物と好適なベースとを含む、オーラルケア消費者製品を提供する。
第5の側面において、本発明は、本発明に従うオーラルケアフレーバー組成物の、ヒト対象のウェルビーイングを増強させるための使用を提供する。
【0015】
発明の詳細な説明
先行技術の欠点を取り上げる際に、本出願人は、実験心理学の測定、消費者試験、および統計分析を採用して、オーラルケアフレーバー組成物とヒト対象のウェルビーイングとの間の関係性についての広範な研究を実行してきた。
より具体的には、本出願人は、ウェルビーイングの概念をウェルビーイングの情動的または認知的要素に対する効果を有する主要属性に細分化する質問票を用いて、ウェルビーイングに対するオーラルケアフレーバー組成物の影響を信頼性をもって評価するための手段を提供する。主要属性は、ウェルビーイングの包括的概念に対する各属性の相対的な重要性を反映するやり方において、重み付けされる。
本発明の方法はとくに高感度であり、オーラルケアフレーバーが標準的な消費者試験技法を使用して試験された場合、好みまたはオーラルケアフレーバーの強さのノイズの下にさもなくば隠れてしまうかもしれないウェルビーイングに関する、検知困難なオーラルケアフレーバーの性能の認識を検知することができる。このように、本発明の方法は、オーラルケアフレーバー組成物の創作者に、所望のオーラルケアフレーバー組成物に到達するために必要とされる設計反復の数を低減させることを可能にする、有用な創作ツールを提案する。
【0016】
ウェルビーイング測定基準は、ウェルビーイングを評価するのに最も関係がある側面(dimension)を同定するために、実験心理学およびウェルビーイングの言語属性の教師無しクラスタリング(unsupervised clustering)を適用することによって定義された。ウェルビーイング属性は、情動的、幸福に関する、社会的、および物理的側面などの、ウェルビーイングの様々な側面を考慮する。これらの側面は、情動的(感情的)および認知的(理性的)構成要素の両方を有してもよい。
【0017】
典型的な言語的ウェルビーイング属性は、例えば、「活動的である」、「冒険心がある」、「怒っている」、「心配している」、「恥じている」、「退屈である」、「穏やかである」、「注意深い」、「明晰である」、「快適である」、「自信がある」、「充足している」、「大胆である」、「落ち込んでいる」、「不愉快である」、「エネルギッシュである」、「熱心である」、「わくわくしている」、「恐れている」、「いらいらしている」、「幸せである」、「健康的である」、「衝動的である」、「己の状況をコントロールしている」、「不安定である」、「興味津々である」、「苛立っている」、「元気がある」、「孤立している」、「喜んでいる」、「孤独である」、「愛されている」、「精神的に機敏である」、「やる気がある」、「神経質である」、「楽観的である」、「忍耐力がある」、「落ち着いている」、「休まっている」、「せわしない」、「悲しんでいる」、「安全である」、「満たされている」、「自意識がある」、「自尊心がある」、「社会的環境にあるとき社交的である」、「ストレスを受けている」、「サポートされている」、「驚いている」、「脅かされている」、「疲れている」、「不安である」、「脆弱である」、「ウェルビーイング」、「価値がある」または「気掛かりがある」などを包含する。
【0018】
研究の過程において、18の言語属性が、香料組成物の出現に関連するおよび香料品質の変化に関連するウェルビーイング認識の変化に対して、とくに応答性であることが見出された。したがって、これらの属性は、香料がどのようにヒト対象のウェルビーイングに影響し得るかを調査するためにとくにに関係する。これらの属性は、以下のとおりである:「不安ではない」、「退屈ではない」、「穏やかである」、「わくわくしている」、「疲れていない」、「いらいらしていない」、「幸せである」、「興味津々である」、「元気がある」、「精神的に機敏である」、「やる気がある」、「楽観的である」、「忍耐力がある」、「落ち着いている」、「せわしない」、「悲しくない」、「満たされている」、および「ストレスを受けていない」。これらの18のウェルビーイング属性は、以降、WB-18属性と称される。
【0019】
驚くべきことに、「恥じている」、「孤立している」、「孤独である」、「愛されている」、「社会的環境にあるとき社交的である」、「サポートされている」、および「価値がある」などの、社会的側面に関連するウェルビーイング属性は、香料組成物の文脈において無関係であることまたは適用できないことが見出された。ゆえに、WB-18属性は、個々人の情動的(感情的)および認知的(理性的)側面の両方を主に考慮している。
【0020】
このウェルビーイング測定基準は、オーラルケアフレーバー組成物の場合において、改変なしに適用された:
【0021】
ウェルビーイング属性の重み付けは、以下のとおり決定される:
a) 1人以上のヒト対象に、WB-18属性の各々についてウェルビーイング得点wbiを提供させることによって、彼らの歯を磨く前および試験オーラルケアフレーバー組成物の不在における彼らのウェルビーイングを評価させること;
b) 総合的なウェルビーイングに対する各ウェルビーイング属性の影響を決定するために、ステップa)において得られたウェルビーイング得点に対して、因子分析、とりわけ主成分分析を適用し、M個のウェルビーイング因子Fをもたらすこと;
i) ここで、ウェルビーイング因子Fjの各々は、すべてのウェルビーイング因子の分散の合計のパーセンテージとして表される分散vjを有する;
ii) ここで、ウェルビーイング因子Fjの各々は、njの負荷量の合計のパーセンテージとして表される負荷量ljを有するウェルビーイング属性の有限数njを含む;および
iii) ここで、ウェルビーイング属性のいずれも、1を超えるウェルビーイング因子において現れない;ならびに
c) 方程式1
【数1】
に従って、試験オーラルケアフレーバーの不在におけるウェルビーイング得点を計算すること。
【0022】
主成分分析は、以下を明らかにした:
- ウェルビーイング属性「不安ではない」、「悲しくない」、「せわしなくない」、「いらいらしていない」、「ストレスを受けていない」は、分散v1を有する第1ウェルビーイング因子F1に関連する;
- ウェルビーイング属性「幸せである」、「楽観的である」、「わくわくしている」、「満たされている」、分散v1「やる気がある」、「元気がある」は、分散v2を有する第2ウェルビーイング因子F2に関連する;
- ウェルビーイング属性「興味津々である」および「退屈ではない」は、分散v3を有する第3ウェルビーイング因子F3に関連する;
- ウェルビーイング属性「疲れていない」および「精神的に機敏である」は、分散v4を有する第4ウェルビーイング因子F4に関連する;
- ウェルビーイング属性「穏やかである」、「落ち着いている」、および「忍耐力がある」は、分散v5を有する第5ウェルビーイング因子F5に関連する;
- 分散v1は、すべてのウェルビーイング因子の分散の合計の48%である;
- 分散v2は、すべてのウェルビーイング因子の分散の合計の24%である;
- 分散v3は、すべてのウェルビーイング因子の分散の合計の12%である;
- 分散v4は、すべてのウェルビーイング因子の分散の合計の9%である;
- 分散v5は、すべてのウェルビーイング因子の分散の合計の7%である;
【0023】
さらに、以下のことが見出された、
- 第1ウェルビーイング因子F1のうち、ウェルビーイング属性「不安ではない」の負荷量は22.2%であり、ウェルビーイング属性「悲しくない」の負荷量は21.5%であり、ウェルビーイング属性「せわしなくない」の負荷量は20.5%であり、ウェルビーイング属性「いらいらしていない」の負荷は20.1%であり、およびウェルビーイング属性「ストレスを受けていない」の負荷量は15.7%である;
- 第2ウェルビーイング因子F2のうち、ウェルビーイング属性「幸せである」の負荷量は19.6%であり、ウェルビーイング属性「楽観的である」の負荷量は19.2%であり、ウェルビーイング属性「わくわくしている」の負荷量は17.2%であり、ウェルビーイング属性「満たされている」の負荷量は16.3%であり、ウェルビーイング属性「やる気がある」の負荷量は13.9%であり、およびウェルビーイング属性「元気がある」の負荷量は13.8%である;
- 第3ウェルビーイング因子F3のうち、ウェルビーイング属性「興味津々である」の負荷量は51.0%であり、およびウェルビーイング属性「退屈ではない」の負荷量は49.0%である;
- 第4ウェルビーイング因子F4のうち、ウェルビーイング属性「疲れていない」の負荷量は51.0%であり、およびウェルビーイング属性「精神的に機敏である」の負荷量は49.0%である;ならびに
- 第5ウェルビーイング因子F5のうち、ウェルビーイング属性「穏やかである」の負荷量は38.0%であり、ウェルビーイング属性「落ち着いている」の負荷量は32.0%であり、およびウェルビーイング属性「忍耐力がある」の負荷量は30.0%である。
【0024】
したがって、本発明の態様において、各ウェルビーイング属性は、以下の表に従う重みを有する:
【表1】
【0025】
好ましくは、パネリストによって好まれないオーラルケアフレーバー組成物は、これらのオーラルケアフレーバー組成物がウェルビーイングに対する肯定的な評価を生成しそうではないため、評価される試験オーラルケアフレーバー組成物のリストから除外される。残りの試験オーラルケアフレーバー組成物の好みの程度は、予め定義された尺度に従ってなお変動してもよい。例えば、「私は、このオーラルケアフレーバーを少し好む」、「このオーラルケアフレーバーは素敵だ」、または「私はこのオーラルケアフレーバーが大好きだ」などの語彙が、好みを定義するために使用されてもよい。好ましくは、好みの強さは、例えば、1(私はそれを極度に嫌う)~9(私はそれを極度に好む)など、好みの連続的な範囲に亘るスライダーボタンを動かすことによって表されてもよい。スライダーは、物理的デバイス、またはバーチャルの、例えば、デジタルタッチスクリーン上などのものであってもよい。
【0026】
同様に、スライダーは、本明細書に上述されたウェルビーイング属性を得点化させるために、有利に使用されてもよい。この場合において、スライダーの動きの根拠となる連続的な尺度は、好ましくは、極めて否定的な得点から極めて肯定的な得点に及ぶ。
ゆえに、本発明の態様において、試験オーラルケアフレーバー組成物の強度を等しくするように注意がなされたとしても、試験オーラルケアフレーバー組成物の強度はヒト対象によってもまた評価される。
【0027】
同じ強度における一般にとても好まれる複数のオーラルケアフレーバー組成物に対してウェルビーイング評価を実施することによって、驚くべきことに、ウェルビーイングに対する影響の分散は、オーラルケアフレーバーの好みの分散とも、個々のヒト対象によって認識されるとおりのオーラルケアフレーバーの強度の分散とも相関しないことが見出された。これは、例2に示される。よって、ウェルビーイングに対する肯定的な影響は、オーラルケアフレーバー組成物の好みから独立している。これは、決定的な結果であり、当業者によって予測され得なかった。この即時の利点は、消費者研究において、さもなければ見落とされていただろう隠れた機能を解明することが可能になることである。
【0028】
一態様において、本発明の方法は、以下のステップ:
f) ウェルビーイングに対して肯定的な影響を有するオーラルケアフレーバー組成物を比較すること;
g) それらのオーラルケアフレーバー組成物に共通する感覚刺激属性を同定すること;および
h) ステップg)において同定された感覚刺激属性を伴うオーラルケアフレーバー成分の増大した割合を伴う、新しいオーラルケアフレーバー組成物を創作すること、
をさらに含む。
【0029】
「感覚刺激属性」によって、フレーバー組成物の匂いおよび味を記述する言語的記述子(descriptor)が意味される。「冷却」、または「加温」などの三叉神経化学反応は、感覚刺激属性としてもまたみなされる。オーラルケアにおいて、冷却剤の冷却効果は、とくに関係がある。
【0030】
オーラルケアフレーバー組成物および個々のオーラルケアフレーバー成分は、それらの感覚刺激属性によって特徴付けされてもよい。オーラルケアフレーバー創作は部分的に科学であり部分的に芸術であって、オーラルケアフレーバー組成物およびオーラルケアフレーバー成分の感覚刺激属性についての絶対的に規定された定義はないが、それにもかかわらず、熟練したフレーバリストは、いくらかの主観の余地があるだろうことを認知しつつ、オーラルケアフレーバー組成物および成分を一般的な感覚刺激属性に割り当てることができるだろう。
【0031】
オーラルケアフレーバー組成物にとってとくに関係のある感覚刺激属性は、アニス、ペパーミント、ユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、スイート、グリーン、アルデヒド性、土臭い/麝香、ウッディ、および動物性を包含する。
【0032】
感覚刺激属性のこの選択は、熟達したフレーバリストに、フレーバリストのパレットに含有されるすべてのオーラルケアフレーバー成分の感覚刺激属性を特徴付けさせることを可能にする。それにもかかわらず、本明細書全体の内容を彼らの一般常識と共に読む熟練したフレーバリストにとって、主観が存在するこの語彙の一部またはすべてを改変することは過度の負担を生じさせず、およびかかる改変はウェルビーイングの認識に肯定的に影響するのに有用なオーラルケアフレーバー成分の選択に影響しないだろう。
【0033】
本出願人は、今や、ある感覚刺激属性が他のものよりもより肯定的にウェルビーイングに影響すること、およびオーラルケアフレーバー成分の分類が、ウェルビーイングの認識に対するそれらの影響に従い、可能であることを発見した。
【0034】
とりわけ、アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合、および/またはペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合、および/またはユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、およびスイートからなる群から選択される感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合の増大が、ヒト対象のウェルビーイングの増強をもたらしたことが見出された。
【0035】
したがって、本発明の一態様において、アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合、および/またはペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合、および/またはユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、およびスイートからなる群から選択される感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分の割合は、ステップh)において増大された。
【0036】
ゆえに、本発明は、熟達したフレーバリストに、ウェルビーイングの増大を誘導するまたはそれに関連するだろうオーラルケアフレーバー組成物に彼らが迅速に到達しそうであるやり方において、どのようにオーラルケアフレーバー組成物を配合するかを教示する。効果は、それらが信頼的かつ再現的に測定され得ることが充分に述べられている。本明細書に開示される教示に従って作られるオーラルケアフレーバー組成物は、快楽的に心地良く、広範囲のオーラルケア製品に好適であり、および付加された機能性を保有していなかったとしても適切であろう充分な快適性/受容性のものである。
【0037】
本発明の方法は、以下:
- 否定性、つまり対象が感じていると報告している心配、悲しさ、せわしなさ、いらいら、および/またはストレスの程度、の低減を促進すること;ならびに/もしくは
- 肯定性、つまり対象が感じていると報告している幸せ、楽観、わくわく、満足、やる気、および/または元気の程度、の増大を促進すること;ならびに/もしくは
- 興味、つまり対象が感じていると報告しているより多くの興味、および/またはより少ない退屈さの程度、の増大を促進すること;ならびに/もしくは
- 疲労、つまり対象が感じていると報告しているより少ない疲労、および/またはより多い精神的な機敏性の程度、の減少を促進すること;ならびに/もしくは
- 平穏、つまり対象が感じていると報告している穏やかさ、落ち着き、および/または忍耐力の程度、の増大を促進すること、
によって、ヒト対象のウェルビーイングを増強させるオーラルケアフレーバー組成物の調製または最適化を可能にすることが見出された。
【0038】
本発明の文脈において、用語「オーラルケアフレーバー成分」は、顕著かつ識別し得る感覚刺激効果をオーラルケアフレーバー組成物に提供する機能を有する成分を指す。オーラルケアフレーバー成分は、強い嗅覚および味の印象を提供することが意図される高度に機能する成分、ならびに弱い嗅覚および味の印象を提供することが意図されるあまり機能しない成分を包含する。
【0039】
本発明はまた、ヒト対象のウェルビーイングを増強させることを可能にするオーラルケアフレーバー組成物を提供する。
【0040】
本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、以下を含む:
(i) アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;
(ii) ペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;ならびに
(iii) 別の感覚刺激属性を有する少なくとも1のオーラルケアフレーバー成分、ここで、該他の感覚刺激属性は、ユーカリ、スペアミント、ウィンターグリーン、ハーブ、シトラス、フローラル、フルーティ、冷却、加温、スパイシー、およびスイートからなる群から選択される。
【0041】
アニス感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも3.0wt%、より好ましくは少なくとも5.0wt%、さらにより好ましくは少なくとも7.0wt%、および最も好ましくは少なくとも8.0wt%である。典型的には、アニス感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の量は、マウスウォッシュ組成物における使用のために意図されたオーラルケアフレーバー組成物のために、より低く、例として、少なくとも約3.0wt%であり、および意図される使用が別のオーラルケア消費者製品におけるものである場合により高くてもよく、例として、少なくとも7.0wt%である。
【0042】
ペパーミント感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも50wt%、より好ましくは少なくとも55wt%、および最も好ましくは少なくとも60wt%である。
【0043】
本出願を通して、用語「オイル」は、抽出方法に関係なく、完全に天然のエッセンシャルオイルおよびエキスならびに天然のエッセンシャルオイルおよびエキスに由来するオイルと、追加の成分を含んでもよい改変されたエッセンシャルオイルおよびエキスとの両方を包含することを意味する。
本出願を通して、用語「再構築物」は、対応するエッセンシャルオイルと同様のフレーバー印象を提供するオーラルケアフレーバー成分の混合物を指す。
【0044】
一態様において、アニス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、アネトール((E)-1-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)ベンゼン)、スターアニスオイル、スターアニスオイル再構築物、タラゴンオイル、タラゴンオイル再構築物、アニシードオイル、アニシードオイル再構築物、フェンネルオイル、フェンネルオイル再構築物、バジルオイル、バジルオイル再構築物、1-(シクロプロピルメチル)-4-メトキシベンゼン(toscanol)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0045】
一態様において、ペパーミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、ペパーミントオイル、ペパーミントオイル再構築物、L-メントール(L-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール)、ラセミのメントール((D/L)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール)、L-イソメントン(L-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン)、ラセミのイソメントン((D/L)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン)、メンチルアセタート([(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル]アセタート)、メントフラン(3,5-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾフラン)、2-ブタン-2-イルシクロヘキサン-1-オン(Freskomenthe)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0046】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.1)ユーカリ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、ユーカリ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である。
【0047】
一態様において、ユーカリ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、ユーカリオイル、ユーカリオイル再構築物、ユーカリプトール((1S,4S)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.2)スペアミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、スペアミント感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である。
【0049】
一態様において、スペアミント感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、スペアミントオイル、スペアミントオイル再構築物、trans-カルベオール((1R,5S)-2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オール)、cis-カルベオール((1R,5R)-2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オール)、L-カルボン((5R)-2-メチル-5-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-2-エン-1-オン)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.3)ウィンターグリーン感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、ウィンターグリーン感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である。
【0051】
一態様において、ウィンターグリーン感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、ウィンターグリーンオイル、ウィンターグリーンオイル再構築物、エチルサリチラート(エチル2-ヒドロキシベンゾアート)、サリチル酸メチル(メチル2-ヒドロキシベンゾアート)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0052】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.4)ハーブ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、ハーブ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも12wt%、および最も好ましくは少なくとも15wt%である。
【0053】
一般に、用語「ハーブ感覚刺激属性」は、本発明に使用される特定の感覚刺激属性として個別に列挙されたもの以外のハーブに由来する、すべてのフレーバーディレクションを包含することを意味する。これは、数ある中でも、カモミール、ローズマリー、セージ、タイム、ラベンダー、およびジュニパーを含む。
【0054】
一態様において、ハーブ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、カモミールオイル、カモミールオイル再構築物、ジュニパーベリーオイル、ジュニパーベリーオイル再構築物、ラバンジンオイル、ラバンジンオイル再構築物、ラベンダーオイル、ラベンダーオイル再構築物、ローズマリーオイル、ローズマリーオイル再構築物、セージオイル、セージオイル再構築物、タイムオイル、タイムオイル再構築物、チモール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.5)シトラス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、シトラス感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも20wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、および最も好ましくは少なくとも30wt%である。
【0056】
一態様において、シトラス感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、ベルガモットオイル、ベルガモットオイル再構築物、シトラール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール)、グレープフルーツオイル、グレープフルーツオイル再構築物、レモングラスオイル、レモングラスオイル再構築物、レモンオイル、レモンオイル再構築物、D-リモネン((4R)-1-メチル-4-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-1-エン)、L-リモネン((4S)-1-メチル-4-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサ-1-エン)、ライムオイル、ライムオイル再構築物、マンダリンオイル、マンダリンオイル再構築物、オレンジオイル、オレンジオイル再構築物、オレンジビターオイル、オレンジビターオイル再構築物、オレンジブラッドオイル、オレンジブラッドオイル再構築物、タンジェリンオイル、タンジェリンオイル再構築物、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.6)フローラル感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、フローラル感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも5.0wt%、より好ましくは少なくとも8.0wt%、および最も好ましくは少なくとも12.0wt%である。
【0058】
一態様において、フローラル感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール)、ゼラニウムオイル、ゼラニウムオイル再構築物、ゲラニルアセタート((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート)、ゲラニオール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール)、ヒドロキシシトロネラール(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール)、イオノンアルファ((E)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキサ-2-エニル)ブタ-3-エン-2-オン)、イオノンベータ((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン)、ジャスミンオイル、ジャスミンオイル再構築物、リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール)、フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタノール)、3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オールおよび3,7-ジメチルオクタ-7-エン-1-オール(ロジノール)の混合物、テトラヒドロゲラニオール、バラオイル、バラオイル再構築物、テルピネオールアルファ(2-(4-メチル-1-シクロヘキサ-3-エニル)プロパン-2-オール)、イランイランオイル、イランイランオイル再構築物、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0059】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.7)フルーティ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、フルーティ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも8.0wt%、より好ましくは少なくとも10.0wt%、および最も好ましくは少なくとも12.0wt%である。
【0060】
一態様において、フルーティ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、カシラン(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン)、cis-3-ヘキセニルアセタート((Z)-ヘキサ-3-エニルアセタート)、ダマセノン((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン)、ダマスコンベータ((E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)ブタ-2-エン-1-オン)、デカラクトンガンマ(5-ヘキシルオキソラン-2-オン)、ジメチルスルフィド((メチルスルファニル)メタン)、ドデカラクトンガンマ(5-オクチルオキソラン-2-オン)、エチル2-酪酸メチル(エチル2-メチルブタノアート)、酢酸エチル、酪酸エチル(エチルブタノアート)、ヘプタン酸エチル、エチルヘキサノアート、エチルイソ-ブチラート(エチル2-メチルプロピオナート)、乳酸エチル(エチル2-ヒドロキシプロパノアート)、酢酸ヘキシル、イソ-アミルアセタート(3-メチルブチルアセタート)、イソ-アミルブチラート(3-メチルブチルブタノアート)、イソ-アミルプロピオナート(3-メチルブチルプロピオナート)、ラズベリーケトン(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン)、trans-2-ヘキセナール、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0061】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.8)冷却感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、冷却感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも1.0wt%、より好ましくは少なくとも1.5wt%、および最も好ましくは少なくとも2.0wt%である。当業者は、冷却感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の強さが成分に応じて変化してもよいこと、および、したがって、必須量もまた変化してもよいことを十分に把握するだろう。とりわけ、高い強さのクーラント、例として2-(p-トルイルオキシ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)-N-((チオフェン-2-イル)メチル)アセトアミド(Freezestorm)などのものが、前述されたものよりも低い量で使用されてもよい。
【0062】
一態様において、冷却感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、N-(4-シアノメチルフェニル)p-メンタンカルボキサミド(Evercool 180)、2-イソプロピル-5-メチル-N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド(Evercool 190)、3-(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル)オキシプロパン-1,2-ジオール(Coolact P)、(1R,2R,5S)-5-メチル-2-プロパ-1-エン-2-イルシクロヘキサン-1-オール(Coolact 10)、エチル2-[[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサンカルボニル]アミノ]アセタート(WS-5)、(1R,2S,5R)-N-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド(WS-12)、N-エチル-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキサン-1-カルボキサミド(WS-3)、N,2,3-トリメチル-2-プロパン-2-イルブタンアミド(WS-23)、(2E)-3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-N,N-ジフェニルアクリルアミド(ICool MC6)、2-(p-トルイルオキシ)-N-(1H-ピラゾール-5-イル)-N-((チオフェン-2-イル)メチル)アセトアミド(Freezestorm)、[(1R,2S,5R)-5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル]2-ヒドロキシプロパノアート(Frescolat ML)、2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ-2-ヒドロキシプロパン(Frescolat MGC)、2-ヒドロキシプロピル(5-メチル-2-プロパン-2-イルシクロヘキシル)カーボネート(Frescolat MPC)、9-メチル-6-(1-メチルエチル)-1,4-ジオキサスピロ-[4,5]デカン-2-メタノール(Frescolat MGA)、メンチルラクタート,モノ-メンチルスクシナート、メンチルメチルエーテル、1-メチル-3-ヒドロキシブチラート、2-{[5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル]オキシ}エタノール(Coolact 5)、2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-メチルシクロヘキサン-1-オール(Coolact 38D)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0063】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.9)加温感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、加温感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも0.10wt%、より好ましくは少なくとも0.15wt%、および最も好ましくは少なくとも0.20wt%である。
【0064】
一態様において、加温感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、ギンゲロール、ノニバミド、ピペリン、バニリルブチルエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0065】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.10)スパイシー感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、スパイシー感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%、および最も好ましくは少なくとも20wt%である。
【0066】
一態様において、スパイシー感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、カシアオイル、カシアオイル再構築物、桂皮アルデヒド、クローブバッドオイル、クローブバッドオイル再構築物、クローブリーフオイル、クローブリーフオイル再構築物、オイゲノール、ジンジャーオイル、ジンジャーオイル再構築物、ジンジャーオレオレジン、ブラックペッパーオイル、ブラックペッパーオイル再構築物、カルダモンオイル、カルダモンオイル再構築物、ナツメグオイル、ナツメグオイル再構築物、シナモンリーフオイル、シナモンリーフオイル再構築物、シナモンバークオイル、シナモンバークオイル再構築物、サフラレイン(safraleine)(2,3,3-トリメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0067】
一態様において、本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、(iii.11)スイート感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分を含み、ここで、スイート感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも15wt%、および最も好ましくは少なくとも20wt%である。
【0068】
一態様において、スイート感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分は、アセチルメチルカルビノール(3-ヒドロキシペンタン-2-オン)、ベンズアルデヒド、桂皮アルコール、デカラクトンデルタ(6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン)、エチルマルトール(2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン)、フェヌグリークオイル、フェヌグリークオイル再構築物、フラネオール(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフラン-3-オン)、ヘキサラクトンガンマ(5-エチルオキソラン-2-オン)、ヘリオトロピン(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド)、イソブタバン(4-ホルミル-2-メトキシフェニル2-メチルプロパノアート)、ノナラクトンガンマ(5-ペンチルオキソラン-2-オン)、オクタラクトンガンマ(5-ブチルオキソラン-2-オン)、p-メチルアセトフェノン(1-(4-メチルフェニル)エタノン)、マルトール(3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン)、ミルラオイル、ミルラオイル再構築物、バニラオイル、バニラオイル再構築物、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0069】
本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、他の感覚刺激属性を有するさらなるオーラルケアフレーバー成分を含んでもよい。実例として、オーラルケアフレーバー組成物は、以下の1以上を含んでもよい:
(iv.1) アルデヒド性感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;および/または
(iv.2) 動物性感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;および/または
(iv.3) グリーンリーフ感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分;および/または
(iv.4) 土臭い/麝香感覚刺激属性を有する1以上のオーラルケアフレーバー成分。
【0070】
一態様において、アルデヒド性感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも0.10wt%、より好ましくは少なくとも0.15wt%、および最も好ましくは少なくとも0.20wt%である。
【0071】
一態様において、動物性感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも1.0wt%、より好ましくは少なくとも1.5wt%、および最も好ましくは少なくとも2.0wt%である。
【0072】
一態様において、グリーンリーフ感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも0.05wt%、より好ましくは少なくとも0.10wt%、および最も好ましくは少なくとも0.20wt%である。
【0073】
一態様において、ここで、土臭い感覚刺激属性を有するオーラルケアフレーバー成分の総量は、オーラルケアフレーバー組成物の少なくとも0.10wt%、より好ましくは少なくとも0.15wt%、および最も好ましくは少なくとも0.20wt%である。
【0074】
本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、オイルフリーの形態において表されてもよく、またはそれらはカプセル化されていてもよい。オーラルケアフレーバー組成物をカプセル化することについて、いくつかのカプセル化媒体が当該技術分野において知られている。具体的なカプセル化媒体は、多糖類またはタンパク質などの、天然または修飾された天然ポリマーで形成されたマイクロカプセルを包含する。
【0075】
本発明のオーラルケアフレーバー組成物は、あらゆる種類のオーラルケア消費者製品に対して、所望の匂い印象を付与するために使用されてもよい。
【0076】
オーラルケア消費者製品は、練り歯磨き、デンタルクリーム、ゲルまたは歯磨き粉、オドンティック(odontic)、義歯錠剤、義歯クリーナー、義歯固定剤、マウスウォッシュ、ならびに歯垢除去液体を包含し、典型的には水/アルコール溶液、保湿剤、甘味料、発泡剤、顔料、および任意に酵素;歯磨き前または後のリンス配合物、チューイングガム、ロゼンジ、およびキャンディを含む。練り歯磨きおよびゲル歯磨きは、典型的には、研磨艶出し材料、発泡剤、フレーバー剤、保湿剤、バインダー、増粘剤、甘味剤、ホワイトニング/ブリーチング/ステイン除去剤、水、および任意に酵素を包含する。
【0077】
オーラルケア消費者製品は、界面活性剤、乳化剤、ポリマー、充填剤および溶媒などの様々な機能的成分の配合混合物を含む。これらの配合混合物は、大抵、「ベース」と称される。
【0078】
本発明の方法は、コンピュータ手段によって促進されてもよい。
コンピュータ手段は、当該技術において一般的に知られているおよび使用される好適なハードウェアおよびソフトウェア構成要素を含んでもよい。
【0079】
コンピュータ手段は、オーラルケアフレーバー成分またはオーラルケアフレーバー組成物のデータベースを、コンピュータ可読形態で含んでもよい。各オーラルケアフレーバー成分またはオーラルケアフレーバー組成物について、データベースは、その成分または組成物の少なくとも1の定義づけするパラメータ、特性または機能を含有してもよい。とりわけ、各オーラルケアフレーバー成分または組成物について、上に記載の方法に従って定義づけられたウェルビーイング得点が割り当てられてもよい。
【0080】
コンピュータ手段は、配合者に、データベースからオーラルケアフレーバー成分を選択させること、および選択されたオーラルケアフレーバー成分を含有するオーラルケアフレーバー組成物についてウェルビーイング得点を計算させることを、可能とするために構築されおよび動作可能とされた、データプロセシング手段を含んでもよい。
以降、本発明は、例を参照してさらに詳細に記載される。しかしながら、これらの例は説明のためのみのものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではないことが理解されるものである。
【0081】
例1: ウェルビーイング測定基準(WB-18)の開発
A. ウェルビーイング属性の同定
予備研究において、言語的ウェルビーイング属性の広い選択が検討され、および匂いの作用に対して感度があることが示されたものが保持された。これらの属性のうち最も関係のあるものは、対照、悪臭および/または香料条件の間の、および重要なことには、心地良い香料の間の有意差を示したものであった。これは、主成分分析に従い、香料に対して最も高い感度を示した18の属性の部分集合に繋がった。そのように同定されたWB-18属性は、以下の表1中に挙げられる。
各アイテムは、タッチスクリーン上でバーチャルスライダーを移動させるパネリストによって評価された。4つの異なる研究にわたる138名のパネリストは、評価を完了した。
【0082】
パネリストはまず、試験香料組成物の不存在下でおよびこれへの曝露前にWB-18属性の2つのベースライン測定を完了し、第二のベースライン測定は第一のものの直後に完了された。因子分析(上記参照)は、平均化されたベースラインデータに適用され、5つのウェルビーイング因子および関連する分散、ならびに5つのウェルビーイング因子内の各ウェルビーイング属性についての負荷量を決定した(表1参照)。因子負荷量は、いくつかのウェルビーイング属性間にあり得る相関がために、オブリミン回転での主軸因子分析に基づく。
【表2】
表1:主成分分析から得られたウェルビーイング属性、因子および因子負荷量
【0083】
上記分析に基づき、各ウェルビーイング属性についての重み付けが、表2に示されるとおり決定された:
【表3】
表2:ウェルビーイング属性の重み付け
【0084】
B. ウェルビーイング研究のためのメソドロジープロトコル
17歳と61歳との間の539名の対象(264名の男性および275名の女性)が、本研究のために募集された。対象は、正常なまたは矯正視力を有し、良好な口腔衛生を保つネイティブな英語スピーカーであり、英国における一般市民から募集された。すべての対象は、知る限りにおいて、彼らの嗅覚(sense of smell)における欠点、嗅覚(olfactory)過敏または神経学的疾患を有さないことを供述した。試験オーラルケアフレーバー組成物は、標準的なシリカ混濁練り歯磨きへ1 wt.-%のレベルで、練り歯磨きの総重量に基づく0.25wt.-%の用量の甘味料サッカリンナトリウムと一緒に組み込まれた。各参加者は、試験オーラルケアフレーバー組成物を伴う6つの異なるサンプルを受け取り、1日1サンプルを、彼らが選択するほぼ同時刻に嗅ぎ、オンラインで得点化するよう指示された。
毎日、参加者はまず、彼らの歯を磨く前におよび試験オーラルケアフレーバー組成物の不存在下で、WB-18属性を得点化した。
【0085】
参加者は次いで、試験オーラルケアフレーバー組成物を含有する練り歯磨きで彼らの歯を磨き、歯磨きの動作が完了された後5分以内にWB-18属性を得点化した。
【0086】
ウェルビーイング属性は、各評価のために各参加者について無作為に割り振られた。
参加者はまた、どの程度強く彼らが各フレーバーを好んだかまたは嫌ったかに関連する得点を提供し、1(私はそれを極度に嫌う)~9(私はそれを極度に好む)の尺度で好み評点を提供した。
【表4】
【0087】
加えて、参加者は、1(極度に弱い)~9(極度に強い)の尺度で強度評点を提供した。
【表5】
【0088】
C. 試験オーラルケアフレーバー組成物
本研究において、以下の11の試験オーラルケアフレーバー組成物が調製および試験された(表3):
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【0089】
D. ウェルビーイングに対する試験オーラルケアフレーバー組成物の影響の測定
12の試験練り歯磨きが調製され、セクションC(表3)からの11の試験オーラルケアフレーバー組成物を各々伴うものと、およびフレーバー付けされていない練り歯磨きのうちの1であった。試験練り歯磨きは、セクションBに記載された方法に従うウェルビーイング評価のための研究の参加者に渡された。
【0090】
参加者は、彼らの歯を磨く前のおよび試験オーラルケアフレーバー組成物の不存在下の(w/o)各ウェルビーイング属性についての第一の個人ウェルビーイング得点(=ベース)ウェルビーイング得点)xi、ならびに各試験オーラルケアフレーバー組成物の存在下で(w)彼らの歯を磨き終わった直後の第二の個人ウェルビーイング得点yiを提供して、WB-18属性を評価した。対応するウェルビーイング得点は、各ウェルビーイング属性の個人得点をセクションAにおいて決定されたとおりの重み付け(表2参照)を乗じることおよび個人得点を合計することによって、計算された。
【0091】
最後に、ウェルビーイング増強得点は、ベースウェルビーイング得点(すなわち第一の個人ウェルビーイング得点xiの和にそれらの重み付けを乗じたもの)を試験オーラルケアフレーバー組成物でのウェルビーイング得点(すなわち第二の個人ウェルビーイング得点yiの和にそれらの重み付けを乗じたもの)から減じることによって計算された。すべての参加者にまたがる平均的な結果は、表4において示される。
【表7】
表4:試験練り歯磨きでの歯磨き前および後の平均化されたウェルビーイング得点、ならびにパーセントでのウェルビーイング増強
【0092】
例2:ウェルビーイング認識と好み/強度との間の相関の欠如
ウェルビーイングに対する影響が試験オーラルケアフレーバー組成物の好みおよび/または強度と連動していないことを確認するために、好みおよび強度のパネリストの個人評点(例1、セクションB)ならびにウェルビーイング得点(例1、セクションD)に対して、主成分分析が実施された。対応する相関係数は、表5において報告される:
【表8】
表5:オーラルケアフレーバーの好み、オーラルケアフレーバー強度およびウェルビーイング得点に関連する相関マトリックス
【0093】
表5から明らかなとおり、ウェルビーイング得点は、パネリスト間のオーラルケアフレーバーの好みのバリエーションにも、パネリスト間のオーラルケアフレーバー強度認識のバリエーションにも相関しない。
【国際調査報告】