(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】シリアル フレーク (CEREAL FLAKES)
(51)【国際特許分類】
A23L 7/00 20160101AFI20220912BHJP
A23L 7/104 20160101ALI20220912BHJP
A23L 7/135 20160101ALI20220912BHJP
A23L 7/25 20160101ALI20220912BHJP
A23L 7/178 20160101ALI20220912BHJP
【FI】
A23L7/00
A23L7/104
A23L7/135
A23L7/25
A23L7/178
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578204
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-31
(86)【国際出願番号】 EP2020068460
(87)【国際公開番号】W WO2021001401
(87)【国際公開日】2021-01-07
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512320560
【氏名又は名称】カトリック ユニヴェルシテット ルーヴェン
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】デルクール,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】レメンス,エリエン
(72)【発明者】
【氏名】デ ブライアー,ニールス
(72)【発明者】
【氏名】デレア,ロメ
【テーマコード(参考)】
4B023
4B025
【Fターム(参考)】
4B023LE26
4B023LG05
4B023LG06
4B023LK07
4B023LP06
4B023LP07
4B023LP14
4B023LP16
4B023LQ01
4B023LQ03
4B025LB10
4B025LB16
4B025LG04
4B025LG05
4B025LG26
4B025LP01
4B025LP04
4B025LP07
4B025LP09
4B025LP14
4B025LP15
4B025LP19
(57)【要約】
本発明は、乾燥物質ベースで少なくとも4.0%(w/w)のマルトース及び1.0%(w/w)のマルトトリオースを含有するホール穀粒シリアルフレーク製品を製造するステップを含む方法に関し、以下のステップを含む: a)非剥皮シリアルの発芽若しくはモルト化(擬似-)シリアルを提供するステップ、 b)任意に糖を添加するステップ、 c)ステップa)またはb)の組成物を、デンプンからマルトース及びマルトトリオースの酵素放出を可能にする時間・温度、湿潤状態でインキュベートするステップ、 d)インキュベートされた組成物をさらに加熱するステップ、 e)加熱された組成物をフレーク化するステップ、及びf)フレーク化された組成物を乾燥するステップ。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを含む、乾燥物基準で、少なくとも4.0%(w/w)のマルトース及び1.0%(w/w)のマルトトリオースを含有する全粒(ホール穀粒ともいう)シリアルフレーク製品(whole grain cereal flake product)を製造する方法:
a)非剥皮シリアルの発芽若しくはモルト化(擬似-)シリアルを提供すること、
b)任意に糖を添加すること、
c)ステップa)またはb)の組成物を、マルトース及びマルトトリオースのデンプンからの酵素放出を可能にする時間・温度で、湿潤状態で、インキュベートすること、
d)インキュベートされた組成物をさらに加熱すること、
e)加熱された組成物をフレーク化すること、及び
f)フレーク化された組成物を乾燥すること。
【請求項2】
非剥皮発芽(擬似-)シリアルが提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップc)において、インキュベーションが、水分含量の減少を可能にする条件下で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記水分含量が25g以下の組成に低減される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
モルト化(擬似-)シリアルが提供され、その後湿潤化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップa)におけるモルト化(擬似-)シリアルケーネル(kernels)が、グリットなどの粉砕ケーネルフラグメントである、請求項1または5に記載の方法。
【請求項7】
非剥皮シリアルが、大麦及び/または小麦である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ステップb)において、グルコース及び/またはフルクトース及び/またはショ糖が、乾燥物質100g当たり6gまでの量で添加される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ステップa)、c)またはd)において、水分含量が組成物100g当たり水20~50gの間である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ステップc)、d)、e)またはf)における組成物が、3.5~7.0の間のpHを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ステップc)における温度が、10~130℃の間である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステップc)における温度が50~80℃の間である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ステップc)における時間が、10~180分の間である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ステップc)における時間が、20~60分の間である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ステップc)及び/またはd)が90℃を超える温度までの段階的な昇温を使用して行われ、それによって、上昇の間、組成物は、デンプンからのマルトース及びマルトトリオースの酵素的放出を可能にするのに十分に長い期間である、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記段階的な昇温は、加圧調理プロセスの一部として達成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
可溶性マルトース及びマルトトリオース含有量の合計が乾燥物基準で少なくとも5.0%であることを特徴とする、発芽若しくはモルト化非剥皮(擬似-)シリアルから製造された(擬似-)シリアルフレーク製品。
【請求項18】
シリアルが、小麦である、請求項17に記載のフレーク製品。
【請求項19】
ショ糖含量が、乾燥物基準で、最大で5.0%である、請求項17または18に記載のシリアルフレーク製品。
【請求項20】
3~20の間の相対甘味を有する、請求項17~19のいずれか1項に記載のシリアルフレーク製品であって、ここで、該相対甘味は、以下のように定義される:
〔グルコース含有量(g /100g DS(乾燥固体の意味)
*74 + フルクトース含有量(g/100gDS)
*110 + ショ糖含有量(g /100gDS)
*100 + マルトース含有量(g/100g DS)
*50 + マルトトリオース含有量(g/100gDS)
*30)/100〕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアルフレークの製造に関する。本発明は、シリアルフレークの製造におけるモルト化(malted)シリアル、典型的には全粒(whole grain: ホール穀粒)モルト化シリアルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
朝食シリアルは、Fast & Caldwell(1990)American Associationof Cereal Chemists, St. Paul, MN, USA, 372p and Delcour&Hoseney(2010) Principles of Cereal Science and Technology, 3rd ed. AACC International, St. Paul, MN, USA, 270p に記述された多様な方法によって調製される。小麦(Wheat:flour)は、シリアルフレークの製造のための一般的な原料である[Oliveira et al.(2015)Int. J. Food Sci. Technol. 50, 1504-1514]。
【0003】
問題は、市販のシリアルフレークが、しばしば、高含量の添加糖を有し[Woods &Walker(2007)Nutrition & Dietetics 64, 226-233]、その結果、1食分の重量基準で、より少ないかまたは全く糖を添加しない場合よりも、望ましいミネラル及びビタミンをより少なく含有することである。
【0004】
さらに、消費者は、健康に有益な食物繊維及びミネラル及びビタミンのような栄養素が多いホールミール(wholemeal)を望む。しかしながら、穀粒の剥皮(peeling)または真珠化(pearling:精白)〔ケーネル(kernels)の外層を、調理の前に、シリアルフレーキング(flaking)プロセスの一部として(部分的に)除去するプロセス〕は、全粒製品(whole grain product)として販売することができないことをもたらす。残念ながら、外側層の存在は、加工シリアル(processed cereal)の不快なストロー様(straw-like)の口当たりをもたらすので、問題となるのであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】American Association of Cereal Chemists, St.Paul, MN, USA, 372p, 1990
【非特許文献2】AACC International, St. Paul, MN,USA,270p, 2010
【非特許文献3】Int. J. Food Sci. Technol. 50,1504-1514, 2015
【非特許文献4】Nutrition & Dietetics 64,226-233, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ホール小麦穀粒(whole wheat grains)又は水熱処理することによるそのような穀粒又はその粉砕画分を単独で又は原料ビル(ingredient bill)の一部として、高レベルの甘い固有糖(intrinsicsaccharides)を有するフレークの製造に関する。
【0007】
本発明の方法は、より少ない糖添加が必要とされるか、または糖添加が必要とされないので、改善された栄養価、独特の風味プロファイル、及びよりクリーンな(cleaner:より何も書いてなくて恰好がよい)ラベルを有するシリアルフレークを製造することを可能にする。
【0008】
本発明の方法は、非剥皮全粒小麦モルト(non-peeled whole grain wheat malts)を使用することによって、心地よい口当たりを有する全粒シリアル(whole grain cereals)を提供する。
【0009】
発芽穀粒(sprouted grains)の使用は、ストロー様の口当たりのない、全粒製品である、十分に体系化された(structured)シリアルフレークへの適切な加工を可能にする。
【0010】
発芽穀粒の酵素によって生成された糖の存在は、炉焼中(during kilning:焙焼)生成された化合物と組み合わせて、糖を添加しなくても、甘い味覚を与える。
【0011】
発芽穀粒の使用は、添加された糖を含有しない美味しい全粒シリアル製品をもたらす。
【0012】
これは、健康上の利益が、全粒製品にもたらさられる(ascribed)ので重要である。
【0013】
本発明の実施形態は、出発物質として、湿潤発芽シリアル(moistened sprouted cereal)を使用する。これにより、乾燥したモルト化(malted)シリアルを湿らせる不必要なステップが回避される。発芽シリアルを乾燥させるためのエネルギーの節約及びその後の湿潤のための水の節約とは別に、乾燥ステップの不在は、アクリルアミドの形成を減少させる。
【0014】
本発明の方法は、EBC <10のフレーク製品を製造することを可能にする。(European Brewery convention colour unit).
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、以下の記載に要約される:
態様1
乾燥物基準で少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1.5%(w/w)、少なくとも2%(w/w)、少なくとも3%(w/w)または少なくとも4%(w/w)のマルトース及び少なくとも0.3%(w/w)、少なくとも0.4%(w/w)、少なくとも0.5%(w/w)、少なくとも0.7%(w/w)、少なくとも0.9%(w/w)または少なくとも1.0%(w/w)のマルトトリオースを含有するシリアルフレーク生成物の
製造方法であって、以下のステップを含む:
a)モルト化(malted:大麦・ライ麦などを水に漬けて発芽させ乾燥させたものの意味)若しくは発芽(擬似-)シリアル(cereal:穀類)、またはモルト化若しくは発芽(擬似-)シリアルと(擬似-)シリアル(擬禾穀類あるいは擬穀類)との混合物を提供すること、
典型的には、湿潤(100gの組成物当たり15~25gの水)非剥皮・発芽(擬似-)シリアルを提供すること、
b)任意選択的に砂糖を添加する〔また、砂糖は、ステップb)の前若しくは後に添加することも可能である〕、
c)ステップa)またはb)の組成物を、デンプンからマルトース及びマルトトリオースの酵素的放出を可能にする、そして、任意選択的に、水分含量を、典型的には25%(w/w)未満、20%(w/w)未満、15%(w/w)未満、10%(w/w)までまたは8%(w/w)まで同時に若しくはその後に下げる、時間、温度で、湿潤状態下で、インキュベートする、
d)インキュベートした組成物をさらに加熱し、
e)加熱した組成物をフレーク化し、そして、
f)フレーク化した組成物を乾燥させる。
本発明の方法において、ステップd)は酵素を不活性化し、微生物を死滅させ、シリアルを軟化させる。
態様2
前記ステップa)における前記(擬似-)シリアル又は前記モルト化若しくは発芽(擬似-)シリアルが、穀粒(grains)又は剥皮穀粒(peeled grains)、ケーネル(kernels:仁)又は剥皮ケーネルであることを特徴とする態様1に記載の方法。
態様3
前記ステップa)における前記(擬似-)シリアル又は前記モルト化若しくは発芽(擬似-)シリアル穀粒(grains)は、粉砕穀粒フラグメント又は粉砕ケーネル(kernels)、例えば、ホールミール、粉若しくはグリットである、態様1に記載の方法。
態様4
ステップa)における組成物が、100 U、125 U、150 Uまたは200U/g乾燥物/時間を超えるα-アミラーゼ活性を有する、態様1~3のいずれか一項に記載の方法。
態様5
ステップa)における組成物が、400 U、500 U/g乾燥物/時間を超えるα-アミラーゼ活性を有する、態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
態様6
ステップa)において、モルト化若しくは発芽シリアル、またはモルト化若しくは発芽シリアルとシリアルとの混合物を、湿潤状態で提供する、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
態様7
前記発芽若しくはモルト化シリアル及び/または前記シリアルが、オオムギ及び/若しくは小麦であり、好ましくは、モルト化若しくは発芽シリアルが、小麦である、態様1~6のいずれか一項に記載の方法。
態様8
前記モルト化若しくは発芽シリアルが小麦であり、前記シリアルが小麦である態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
態様9
ステップa)において、非乾燥モルト化(すなわち、発芽)(擬似-)シリアルを提供する、態様1~8のいずれか1項に記載の方法。
態様10
ステップa)において、モルト化(擬似-)シリアルを提供する、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
態様11
ステップb)において、糖(sugar)を、15gまで、10gまで、若しくは6gまで/100g乾燥物、の量で添加する、態様1~10のいずれか1項に記載の方法。
態様12
糖が、シュークロースである、態様11に記載の方法。
態様13
ステップc)において、水分含量が100グラム組成物当たり12~50グラム又は20~50グラムである[したがって、100グラムの組成物は12~50グラムの水又は20~50グラムの水を含み、残りは、(擬似-)シリアル、典型的にはモルト化又は発芽(擬似-)シリアルである]、態様1~12のいずれか1項に記載の方法。
態様14
ステップc)における組成物が、3.5~7.0の間のpHを有する、態様1~13のいずれか一項に記載の方法。
態様15
前記pHが、食品グレードの酸によって達成される、態様14に記載の方法。
態様16
前記食品グレードの酸が、クエン酸または乳酸である、態様15記載の方法。
態様17
前記ステップc)における温度が、10~70、80若しくは90℃までの間である、態様1~16のいずれか一項に記載の方法。
態様18
前記ステップc)における温度が、60~80℃の間、又は40~65℃の間である、態様1~17のいずれか1項に記載の方法。
態様19
前記ステップc)における時間が、10~180分の間、または3~180分の間である、態様1~18のいずれか一項に記載の方法。
態様20
ステップb)が、30~90分若しくは10~90分の間の時間にわたって行われる、態様1~19のいずれか一項に記載の方法。
態様21
ステップc)及びd)が、70、80または90℃を超える温度まで段階的に昇温することを用いて実施され、それにより、その増加する間、該組成物が、デンプンからのマルトース及びマルトトリオースの酵素的放出を可能にするのに十分に長い期間である、態様1~20のいずれか一項に記載の方法。
態様22
前記段階的に昇温が、加圧調理プロセスまたは押し出し調理プロセスの、前に若しくはその一部として、達成されることを特徴とする態様21に記載の方法。
態様23
前記段階的に昇温は、加圧調理プロセスの、前に若しくはその一部として、達成されることを特徴とする態様21に記載の方法。
態様24
モルト化若しくは発芽 (擬似-)シリアルと(擬似-)シリアル乾燥物との間の重量比が、3/1から1/3の間で変化する、態様1から21のいずれか一項に記載の方法。
態様25
モルト化若しくは発芽(擬似-)シリアルと(擬似-)シリアル乾燥物との間の重量比が、3/1から1/10までの間で変化する、態様1から24までのいずれか一項に記載の方法
態様26
ステップa)において、非モルト化(擬似-)シリアルをさらに添加することなく、モルト化若しくは発芽(擬似-)シリアルを提供する、態様1~25のいずれか一項に記載の方法
。
態様27
乳化剤、ビタミンまたはミネラルのうちの1つ以上をさらに添加する、態様1~26のいずれか一項に記載の方法。
態様28
モルト化若しくは発芽小麦と、穀粒、剥皮穀粒(peeled grains)、ケーネル (kernels:仁)、剥皮ケーネルグリット(peeled kernels grits)、ホールミール(whole meal)または小麦粉の1種以上とからなる、小麦シリアルフレーク製品であって、乾燥物基準で、その可溶性マルトース及びマルトトリオース含量の合計が、少なくとも1.2%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)または5%(w/w)であることを特徴とする、小麦シリアルフレーク製品。
態様29
マルトトリオースに対するマルトースの重量比が15~3の間であることを特徴とする態様28に記載のシリアルフレーク製品。
態様30
乾燥物基準で、ショ糖(sucrose)含量が最大で10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)又は7.0%(w/w)である、態様28又は29に記載のシリアルフレーク製品。
態様31
乾燥物基準で、ショ糖含量が最大5.0%であることを特徴とする態様28又は29に記載のシリアルフレーク製品。
モルト化若しくは発芽シリアルの量が、少なくとも95%(w/w)であるシリアル製品。
態様32
相対甘味度が、3~20の間を有する、態様28~31のいずれか1項に記載のシリアルフレーク製品であり、ここで、相対甘味度は次のように定義される:
(グルコース含量*74 + フルクトース含量*110 + ショ糖含量*100 + マルトース含量*50 + マルトトリオース含量*30)/100。
態様33
次のステップを含む、乾燥物基準で、少なくとも4.0%(w/w)のマルトース及び1.0%(w/w)のマルトトリオースを含有する全粒シリアルフレーク製品を製造する方法:
a)非剥皮シリアルの、発芽若しくはモルト化(擬似-)シリアルを提供すること、
b)任意に糖(sugar)を添加すること、
c)ステップa)またはb)の組成物を、マルトース及びマルトトリオースのデンプンからの酵素放出を可能にする時間、温度で、湿潤状態で、インキュベートすること、
d)インキュベートされた組成物をさらに加熱すること、
e)加熱された組成物をフレーク化すること、及び
f)フレーク化された組成物を乾燥すること。
態様34
非剥皮発芽(擬似-)シリアルが提供される、態様33に記載の方法。
態様35
ステップc)において、インキュベーションが、水分含量の減少を可能にする条件下で行われる、態様33に記載の方法。
態様36
前記水分含量が、25g以下の組成に低減される、態様35に記載の方法。
態様37
モルト化(擬似-)シリアルが提供され、その後湿潤化される、態様33に記載の方法。
態様38
ステップa)におけるモルト化(擬似-)シリアルが、グリットなどの粉砕ケルネル(ケーネルともいう)(kernel)フラグメントである、態様33または37に記載の方法。
態様39
非剥皮シリアルが、大麦及び/または小麦である態様33~38のいずれか1項に記載の方法。
態様40
ステップb)において、グルコース及び/またはフルクトース及び/またはショ糖が、乾燥物質100g当たり6g(6g/100g乾燥物)までの量で添加される、態様33~39のいずれか1項に記載の方法。
態様41
ステップa)、c)またはd)において、水分含量が、組成物100g当たり水20~50gの間である、態様33~40のいずれか1項に記載の方法。
態様42
ステップc)、d)、e)またはf)における組成物が、3.5~7.0の間のpHを有する、態様33~41のいずれか1項に記載の方法。
態様43
ステップc)における温度が、10~130℃の間である、態様33~42のいずれか1項に記載の方法。
態様44
ステップc)における温度が、50~80℃の間である態様33~43のいずれか1項に記載の方法。
態様45
ステップc)における時間が、10~180分の間である、態様33~44のいずれか1項に記載の方法。
態様46
ステップc)における時間が、20~60分の間である、態様33~45のいずれか1項に記載の方法。
態様47
ステップc)及び/またはd)が、90℃を超える温度までの段階的な昇温を使用して行われ、それによって、上昇の間、組成物は、デンプンからのマルトース及びマルトトリオースの酵素的放出を可能にするのに十分に長い期間を可能にする、態様33~46のいずれか1項に記載の方法。
態様48
前記段階的な昇温は、加圧調理プロセスの一部として達成される、態様47に記載の方法。
態様49
可溶性マルトース及びマルトトリオース含有量の合計が、乾燥物基準で少なくとも5.0%であることを特徴とする、発芽若しくはモルト化非剥皮(擬似-)シリアルから調製された(擬似-)シリアルフレーク製品。
態様50
シリアルが、小麦である、態様49に記載のフレーク製品。
態様51
乾燥物基準でショ糖含量が、最大5.0%である、態様49または50に記載のシリアルフレーク製品。
態様52
3、5、若しくは8~15若しくは20の間の相対甘味度を有する、態様49~51のいずれか1項に記載のシリアルフレーク製品であって、ここで、相対甘味度は次のように定義される、シリアルフレーク製品:
〔グルコース含有量(g /100g DS(乾燥固体、以下同様)*74 + フルクトース含有量(g /100g DS)*110 + ショ糖含有量(g /100g DS)*100 + マルトース含有量(g /100g DS)*50+マルトトリオース含有量(g /100gDS)*30)/100〕。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、シリアルフレーク製造プロセスで使用される原料のスキームである。
【
図2】
図2は、水和(hydration)を水で行い、静置を室温(RT)で30分間行った標準的なシリアルフレーク製造のスキームである。
【
図3】
図3は、水和を緩衝液で行い、静置を50℃で60分間行った、改変シリアルフレーク製造のスキーム(改変プロセスと呼ぶ)である。
【
図4】
図4は、
図1に示した原料に由来するホールミール(whole meal)中の糖類含量[%乾燥物(以下dmと記す)]であり、糖類含量の平均値は、同一の文字を共有しない場合、有意に異なる(p <0.05)。
【
図5】
図5 は、
図1に示した原料から、
図2に示した標準的な方法を用いて製造したシリアルフレーク中の糖類含量[%乾燥物(dm)]である。糖類含量の平均値は、同一の文字を共有しない場合、有意に異なる(p<0.05)。
【
図6】
図6は、
図1に示した原料から、
図2に示した標準ステップ又は
図3に示した改変プロセスを用いて製造したシリアルフレーク中の糖類含量[%(dm)]であり、同一の文字を共有しない場合の糖類含量の平均値は有意に異なる(p<0.05)。
【
図7】
図7は、
図1に示した原料に由来するホールミール(whole meal)の糖類含量[%乾燥物(dm)]であり、糖類含量の平均値は、同一の文字を共有しない場合、有意に異なる(p<0.05)。
【
図8】
図8は、
図2に示した標準的な方法を用いて、
図1に示した原料から製造したシリアルフレーク中の糖類含量[乾燥物の%(dm)]であり、糖類含量の平均値は、同一の文字を共有しない場合、有意に異なる(p<0.05)。
【
図9】
図9は、小麦モルト及び工業的に製造されたシリアルフレーク中の糖含有量[乾燥物質の%(dm)]を示す。
【
図10】
図10は、異なる水分含量で、70℃で60分間インキュベートした小麦モルト中のマルトース及びマルトトリオース含量[乾燥物質の%(dm)]を示す。
【
図11】
図11は、28%及び70℃の水分含量で、異なるインキュベーション時間で、インキュベートした小麦モルト中のマルトース及びマルトトリオース含量[乾燥物質の%(dm)]を示す。
【
図12】
図12は、28%の水分含量で、60分間、異なるインキュベーション温度でインキュベートした小麦麦芽中のマルトース及びマルトトリオース含量[乾燥物質の%(dm)]を示す。
【
図13】
図13は、シリアルフレーク製造に使用することができる小麦モルト中の糖含量[乾燥物質の%(dm)]を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
シリアルは、栽培された稲科植物(Cultivated grasses)(Poaceae:稲科またはGramineae:稲科)の食用穀物を指す。その例は、小麦、オオムギ、ライムギ、モロコシ、トウモロコシ及びイネである。本発明の文脈において、フレーク製品を製造するための典型的な穀物は、小麦及びオオムギである。
【0018】
擬似シリアル(Pseudocereals)とは、ヒユ(Amaranthaceae)科、タデ(Polygonaceae)科、またはアカザ(Chenopodiaceae)科の食用穀物をいう。その例は、それぞれ、アマランス(amaranth)、ソバ(buckwheat)、及びキノア(quinoa)である。
【0019】
本発明の文脈において、(a)(擬似-)シリアル(ズ)は、「シリアルまたは擬似シリアル」を指す。剥皮(peeling)またはパーリング(pearling:真珠化若しくは精白)という用語は、(擬似)シリアルの外層(通常、全穀物質量の4~8%)が除去される処理を指す。
【0020】
モルト化の完全なプロセスは、ダイアスタティックモルト(diastatic malts:糖化性モルト)を製造するために工業的に使用され、(擬似-)シリアル穀粒を浸漬し(steeping)、それらを発芽させ、そして、ばい燥(kilning:キルニング)という後続のステップからなる。本発明の文脈において、使用されるプロセスに応じて、キルニングは必ずしも必要ではない。モルト化(擬似-)シリアルという用語は、ここでは発芽(擬似-)シリアルの酵素活性の大部分を保持し、デンプンからのマルトース及びマルトトリオースの実質的な酵素放出を可能にする温度で、浸漬、発芽及び乾燥された任意の(擬似-)シリアルに使用される。
【0021】
乾燥はより長い時間の貯蔵を可能にし、シリアルを発芽させるステップとシリアルフレークを製造するプロセスとを切り離すことを可能にし、それによって、水をモルト化シリアルに添加されなければならない。
【0022】
発芽(擬似-)シリアルという用語は、ここでは浸漬及び発芽されたが、その後乾燥されていない任意の(擬似-)シリアルに使用される。発芽(擬似-)シリアルを乾燥させないことは、発芽(擬似-)シリアルの酵素活性の大部分を等しく保持し、デンプンからのマルトース及びマルトトリオースの実質的な酵素放出を可能にする。
【0023】
本出願における特定の例では、発芽シリアルは、非乾燥モルトとも呼ばれる。
【0024】
モルト化材料に乾燥させない発芽材料(a sprouted material without drying toa malted material)は、シリアルフレークの製造に直ちに進むことを可能にする。これは、モルト化シリアルの使用と比較して、乾燥のためのエネルギーの有意な節約、及びその後の湿潤のための水の節約をもたらす。省略された乾燥ステップは、また、典型的には、アクリルアミドの生成、酵素活性の低下、及び着色の増加をもたらす。
【0025】
上記に加えて、グラム乾燥物質基準において、このようなモルト化(擬似-)シリアルは、100または200 U/g乾燥物質/時間の最小α-アミラーゼ活性を含有する。この材料は、さらなる粉砕(grinding)または製粉(milling)の有無にかかわらず、本発明の方法において使用され得る。
【0026】
発芽またはモルト化の接頭辞なしである、「(擬似-)シリアル」とは、浸漬前の出発物質を指すか、または浸漬及び発芽段階を受けていないものを指す。
【0027】
「シリアルフレーク製品」とは、シリアル、モルト化シリアル、または発芽材料(またはこれらの2つまたは3つの混合物)のいずれが出発材料として使用されたにもかかわらず、特許請求された(本件発明の)方法によって得られた加熱フレーク化及び乾燥材料をいう。
【0028】
(擬似-)シリアルフレークの製造において添加される糖は、ショ糖、またはグルコース、フルクトース及び/若しくはショ糖の混合物、であり得る。
【0029】
食品グレードの酸は、クエン酸、酢酸、フマル酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸または酒石酸である。
【0030】
2つの技術が、主にシリアルフレークの製造に使用されている。第1のものは、穀物または穀物粒子を、高温及び高圧で、約1~2時間蒸気処理する加圧調理である。蒸気処理された塊は一般に、小さなセグメントに破砕され、制御された条件下で乾燥される。次いで、グリット片は、約24時間焼戻(temper)されるか、またはスチールロール(steel rolls)の間で直接フレーク化される。次いで、得られたフレークを乾燥させ、高温下でトーストして、適切な風味及び色を得る〔Fast and Caldwell, 1990、上記; Tribelhorn (1995) Breakfast Cereals, Handbook of CerealScience and Technology, in: Lorenz & Kulp (Eds.) Dekker,M., New York, USA, 762 p.〕
【0031】
第2のものは、押し出し調理である。これは、汎用性のある低コストで非常に効率的な食品加工技術である[Oliveiraら(2015) Int. J. Food Sci.Technol.5,1504-1514]。押出機は、プレコンディショニングシステム、供給システム、スクリュー、バレル、及びカッターを有するダイからなる[Navaleら(2015) J. Readyto Eat Food 2, 66-80]。シリアルフレーク製造のために、押出されたペレットはスチールローラーの間でフレーク化され得、得られたフレークは典型的には特定のクリスプなテクスチャー(噛み具合)、フレーバー及び色を得るためにトーストされる[Dingら(2006) J. of Food Eng.73,142-148; Le Corre(2006) Cereal Foods World 51,302-305]。
【0032】
小麦、スペルト(spelt:ドイツ小麦)、米及び大麦穀粒は、一般に剥皮される(peeled)〔すなわち、真珠化(pearled)、精白化(polished)〕;このような処理において、良好な官能品質を確実にするために、4~8%の外層が、シリアルフレーク製造の前に除去される[Fast and Caldwell,1990、上記に引用]。残念ながら、得られるフレークは、全粒穀物(whole grain:ホール穀粒)製品の要件を満たさない。
【0033】
定義は以下の通りである:「全粒(whole grain:ホール穀粒)は、外皮(hull)及び殻(husk)のような食べられない部分を除去した後、無傷の(intact)、粉砕された(ground)、ひび割れた(cracked)、またはフレーク状のカーネル(kernel)からなる。主要な構造的形態学的成分:デンプン性胚乳(starchy endosperm)、胚芽(germ)及びふすま(bran)は、無傷のカーネル中に存在するのと同じ相対比率で存在する。安全性及び品質に合致する加工方法によって生じる、成分のわずかな損失、すなわち、穀粒(grain)の2%/ふすま(bran)の10%未満、が許容される」[van der Kamp etal.(2014)Food& Nutrition Res. 58, 1-8]。
【0034】
本発明の一態様において、本明細書に記載の方法では、得られるフレークについて、良好な官能品質を得るために、加圧調理の前に穀粒(grain)を剥皮する必要がない。
【0035】
全粒ベースの製品(whole grain-based product)は、その摂取が、肥満(Andersonら(1994) Am. J. Clin. Nutr. 59, 1242-1247.)、糖尿病II型(de Munter et al.(2007) PLOS Med. 4, 1385-1395),循環器系疾患(Liu et al. (1999) Am. J. Clin. Nutr. 70, 412-149)及び癌(Slavinら(2000) J. Am. Coll. Nutrition 19、300-307)などの食事関連障害を発症するリスクを低減し得るので、健康な食事の重要な部分であるに値する。
【0036】
それらの健康上の利点は主に、高濃度の、食物繊維及びB-ビタミン、ミネラル、ポリフェノール及びメチル供与体のような生物活性化合物の存在に起因する(Shewry及びHey(2015)Foodand Energy Security 4,178-202)。
【0037】
シリアルフレークの甘味は、デンプン分解酵素によって放出される固有糖類の供給源として、発芽穀粒(sproutedgrain)を使用することによって増強することができる。実際、相対甘味度は、対照ホールミール(whole meal)と比較して、モルト化小麦では7~9倍に増加した〔
図13参照及び発芽及び水熱処理ホールミール(発芽小麦1A)においては、5.5倍〕。したがって、この原料は、朝食用フレークに加えて砂糖のレベルを低下させるために使用することができる。
【0038】
結論として、合理的に改変された製造プロセス(例えば、モルト化シリアルの使用)における高レベルの加水分解酵素を有するこれらの新規な成分の使用は、固有の糖含有量を有するシリアルフレークをもたらし、これは、生成物に甘い味覚をおこし、そしてメイラード反応(カラメル及びトースト芳香)におけるフレーバー前駆体として役立つ。さらに、小麦穀粒(wheat grains)の栄養プロファイルを十分に活用することによって、消費者のニーズに寄与する、よりクリーン(cleaner)ラベル(糖を添加しない)を有するシリアルフレークを得ることができる。
【実施例】
【0039】
実施例1
1.1 材料
冬小麦[Cellule冬小麦、含水:12.6%、タンパク質含量:乾燥物(dm)の9.7%]は、Limagrain(Avelgem, Belgium)によって親切に供給された。塩、ショ糖及びグルコースは食品グレードであった。KelloggのAll-Branフレークは地元のスーパーマーケットから得た。それらは、66%のホール小麦粉、21%の小麦ふすま及び6%のオートムギ粉から作られ、ビタミン及びFeで強化されており、比較のために準備した。
【0040】
1.2 方法
1.2.1 小麦の浸漬、発芽及び水熱処理
シリアルフレーク製造におけるそれらの機能性を研究するために、対照小麦穀粒(grain)を、
図1に示す3つのレジメを用いて加工した。
【0041】
(i)標準的な発芽条件(15℃で29時間浸漬し、15℃で48時間発芽)により発芽小麦1を得、
(ii)対照小麦及び発芽小麦1を、フィチン酸塩加水分解に至適な条件(50℃、pH 3.8で8時間)で水熱処理し、次いでオートクレーブ(SystecVX-55、Systec、Linden、ドイツ)で調理し(121℃、10分間)、対照小麦A及び発芽小麦1Aをそれぞれ得た。そして、
(iii)フィチン酸塩とAXの両方の加水分解に至適な発芽条件(15℃で36時間浸漬し、26℃で48時間発芽)により、発芽小麦2が得られる。
【0042】
処理した小麦粒を、液体窒素(N
2)を用いて瞬間凍結し、凍結乾燥した(5%の水分含量まで)。次いで、これら4種類の処理小麦粒及び対照小麦を、シリアルフレーク生産前にホールミール(whole meal)(<500μm)に粉砕した(mill)(FOSS Tecator cyclotec 1093サンプルミル、デンマーク、ヒラード)。さらに、本発明者らは、また、75%対照小麦及び25%発芽小麦1(ブレンド1)若しくは25%発芽小麦2(ブレンド2)のいずれか、を使用するホールミールブレンド(whole meal blends)を調製した(
図1)。
【0043】
1.2.2 シリアルフレークの製造
1.2.2.1 標準的なシリアルフレーク製造
Joye et al.(2011) Food Chem.129,395-401; De Brier et al.(2015) LWT-Food Sci Technol.62, 668-674; De Brier et al.(2015) J. Cereal Sci.62, 66-72と実質的に同様に、358g dmの小麦ホールミール、30gのショ糖、10.0gのグルコース及び2.0gの塩からなる処方から、シリアルフレークをパイロットスケールで作製した。ショ糖、グルコース及び塩を、成分表示中の30%の水分含量を得るのに必要な量の水(160ml)に溶解した(
図2)。次いで、全ての成分を、StephanUMS 5電子ミキサー(Hameln, Germany)中で2分間ブレンドし、手で混合し、次いで再び30秒間混合して、適切な均質化を確実にした。室温(RT)で30分間静置した後、混合物をBrabender (Duisburg, Germany)単軸スクリュー押出機(65~100℃、1~4バール、スクリュー速度100rpm、ノズル直径6mm)で押し出して、25~28%の水分レベルを有するペレットを形成した(Sartorius Moisture AnalyserMA30,Gottingen, Germany)。
【0044】
次いで、これらを、RTで、ローラーミル(Shule, Hamburg, Germany)を用いて、ギャップ設定0.25mmでフレーク化し、一晩風乾した。必要に応じて、得られたフレークを、クライメートチャンバー(climate chamber)(HC0057、Heraeus Votsch、Hanau、Germany)中、30℃及び80%相対湿度で4時間、12~15%の含水率に調整した。最後に、それらをドラムロースター(PROBAT-WERKE von Gimborn Maschinenfabrik, Emmerich am Rhein, Germany)中で3分間、248℃でトーストし、3~5%の水分レベルを得た。混合直後、押出開始前(すなわち、静置後)、押出後(after extrusion)、フレーキング後(after flaking)、及び焙煎後(after roasting)に試料を取り出した。
【0045】
焙煎フレーク(roasted flakes)を除く全てのサンプルを-20℃で保存した。凍結乾燥後、これらの試料及び焙煎フレークの一部を、IKAミル(Staufen, Germany)で粉砕した。
【0046】
1.2.2.2 改変シリアルフレーク製造
改変プロセスでは、水(160ml)の代わりに、160mlの100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 3.8)を成分に添加し、RTで30分間の代わりに、50℃で60分間成分混合物を静置した(
図3)。サンプルを取り出し、保存し、凍結乾燥し、上記のように粉砕した(ground)。
【0047】
1.2.3 フレークの分析
Dionex ICS5000システム(Dionex, Sunnyvale, CA, USA)を用いて、Pulsed Amperometric Detection(PAD)を用いた高速陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)を行い、発芽、水熱処理、及び(改変)シリアルフレーク製造中に形成された、可溶性糖(soluble saccharides)を3連で定量した。80~100mgのサンプルに10.0mlの脱イオン水を添加し、抽出(30分、150rpm、7℃)及び遠心分離(10分、1,500g、7℃)することによって、水性抽出物を得た。
【0048】
次いで、上清のアリコート(aliquot)(50μl)を、950μlの脱イオン水に添加し、濾過(0.22μm)後、アリコート(12.5μl)を、Carbopac PA-100ガード(guard)及びPA-100アニオン交換(250×4mm)カラムに注入した。平衡化中の移動相(1.0ml/分)及び実験の最初の5分間は、100mM NaOHであった。次いで、100mM NaOH中の酢酸ナトリウム濃度を、25分間にわたって3.6mM/分で増加させた。グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、マルトトリオース及びラムノース(抽出前に試料に添加し、12.5μL中0.125μgを最終的に注入した内部標準)を使用して、糖類を同定及び定量した(dmの%w/w)。異なる試料中の総可溶性糖含量(dmの%)を、ここでは、測定されたグルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース及びマルトトリオース含量の合計として計算した。
【0049】
得られた試料(原料またはシリアルフレーク)の可溶性糖含有量(g/100g)を用いて、下記の式[Lavic(2011)各種甘味料の相対甘味値。XP055434432]を用いて、相対甘味値を算出した:
【0050】
相対甘味度=
〔(グルコース含量)*74+(フルクトース含量)*110+(ショ糖含量)*100+(マルトース含量)*50+(マルトトリオース含量)*30〕/100
【0051】
グルコース、フルクトース、マルトース及びマルトトリオースの相対甘味係数(relative sweetness factor)が、それぞれ、74、110、50及び30で、100の相対甘味値(relative sweetness value)を有するショ糖と比較した。
【0052】
原料(
図1)及び/またはフレーク中の、α-アミラーゼ活性を、わずかな変更を伴う、De Brierら(2015)LWT-Food Sci. Technol. 62,668-674及びDe Brierら(2015) J. Cereal Sci. 62, 66-72、に記載されているように、アミラザイム(Amylazyme)方法(Megazyme, Bray, Ireland)を用いて3連で測定した。
【0053】
基質タブレット(substrate tablet)を、40℃で5~50倍希釈したプレインキュベート抽出物1.0mlに添加し、インキュベーションの5~120分後に反応を停止させた。抽出物の希釈及びインキュベーション時間は、発芽時間に依存し、ランバート-ベールの法則が適用可能であるように選択した。1つのαアミラーゼ単位は、乾燥物1g当たりの酵素活性として定義され、吸光度(590nm)が、40℃でのインキュベーション1時間当たり1.00上昇する。
【0054】
1.3 結果と議論
1.3.1 対照小麦及び発芽小麦粒(sprouted wheat grains)又はこれらの混合物から得たシリアルフレーク
1.3.1.1 シリアルフレーク中の可溶性糖含有量
図4は、対照小麦、発芽小麦1及び発芽小麦2に由来するホールミール(whole meal)の糖組成を表す。発芽は、デンプン加水分解の結果として、グルコース、マルトース及びマルトトリオース含量の有意な増加をもたらした。さらに、早期発芽の間の最も重要なエネルギー源であるショ糖レベルの有意な増加があった[Aokiら(2006) Plant Physiol.141,1255-1263; Benincasaら(2019) Nutrients 11,1-29]。
【0055】
さらに、15℃(発芽小麦1)の代わりの26℃での発芽(発芽小麦2)は、実質的により高い糖含量をもたらし、これは、シリアルフレークに固有の甘味を与えることができる。
【0056】
図5は、7.5%のショ糖及び2.5%のグルコースを含む成分ビル(bill:表示)から
図2に特定された標準的な方法で製造されたシリアルフレークの糖含有量を表す。
【0057】
市販フレークのショ糖含量は、ラベルに記載された量と一致して、dmの約15%に達した。発芽小麦1、ブレンド1及びブレンド2の使用は、明らかに、α-アミラーゼ作用の結果として、マルトース及びマルトトリオースのレベルの増加をもたらした。
【0058】
Kruma et al.(2018) Agronomy Res. 16, 1405-1416は、押出、焙煎、及び糖の添加のいずれによっても製造されなかったシリアルフレークにおいて、40%の発芽シリアル(トリチカル、オート麦及びオオムギ)を使用した場合、dmの1.5%、50%の発芽シリアル(ライムギ、オート麦及びオオムギ)を使用した場合、dmの2.2%、の糖類(主にショ糖及びマルトース)含量を示した。
【0059】
それらは、糖含量の増加がデンプンの酵素的加水分解に起因すると考えられた。
【0060】
1.3.2 改変シリアルフレーク製造
本節では
図1の原料から製造されたシリアルフレークの特性について、
図3の改変製造手順を用いて検討し、該当する場合には
図2に示した標準的な方法を用いた加工の結果と比較する。
【0061】
1.3.2.1 シリアルフレーク中の可溶性糖含有量
先に述べたように、マルトトリオースのレベルは、対照小麦よりも発芽小麦(含有ブレンド)に由来するフレークにおいて高かった(
図6)。
【0062】
1.3.3 水熱処理(発芽)小麦穀粒(wheat grains:小麦粒)使用における、シリアルフレーク特性への影響
本節では、水熱処理(発芽)小麦粒から調製したシリアルフレークの特性を、
図2に示した標準的な方法を用いて検討した。該当する場合には、
図1に示した他の原料を用いた処理の結果と比較した。
【0063】
1.3.3.1 シリアルフレーク中の可溶性糖含有量
シリアルフレークの甘味は、デンプン分解酵素によって放出される固有の糖の供給源として、発芽穀粒(sprouted grains)を使用することによって増強することができる。
図7は、対照(A)及び発芽小麦1(A)に由来するホールミールの糖組成を表す。
【0064】
対照小麦の水熱処理は、ショ糖含量を有意に減少させたが、インベルターゼ作用を示す、グルコース及びフルクトース含量は増加した[Kashem et al.(1995) J. Ntl. Sci. Found. Sri Lanka 23, 55-61]。ここで使用される加工条件は、酵素が4.5~5.5のpH範囲が至適活性であるので、小麦インベルターゼ作用に有利であったかもしれない[Krishnanet al.(1985) Plant Physiol.78, 241-245]。さらに、小麦における中性及び酸性インベルターゼの両方は、35~50℃の範囲の至適活性温度を有する。先に述べたように、小麦の発芽中にグルコース及びショ糖レベルの有意な増加が生じた(cfr.セクション1.3.1.1)。
【0065】
次に、発芽穀粒を水熱処理した場合(発芽小麦1A)、その至適条件(pH 5.0、68℃)により近い条件下でのα-アミラーゼ作用の結果として、マルトース及びマルトトリオースレベルのそれぞれ16倍及び18倍の増加が、得られた[Singh & Kayastha(2014)Food Chem. 162, 1-9]。
【0066】
対照小麦Aについて観察されたものと一致して、発芽小麦1Aにおけるインベルターゼ作用の結果として、ショ糖レベルの減少ならびにフルクトース及びグルコースレベルの増加が見出された。
【0067】
グルコースレベルの14倍の増加は、α-グルコースのような他の酵素の作用の結果であった[Kruger & Reed(1988) Enzymes and color, Wheat: Chemistry and Technology. American Association of Cereal Chemists, St. Paul, MN,USA,p.441-500]。
【0068】
この原料の相対甘味値は4.4であると計算されたが、対照のホールミールのそれは0.8であると評価されたので、シリアルフレークレシピにおける発芽小麦1Aの使用は興味深い。この固有の甘味は、製造業者がシリアルフレーク中の添加糖のレベルを減少させることを可能にする[Pagand et al.(2017) Cereal Foods World 62,221-226]。例えば、90gの対照ホールミール及び10gのショ糖を含有する朝食フレークレシピは、10.7の相対甘味値を有する。
【0069】
発芽小麦1Aに由来する朝食フレークにおいて同じ相対甘味値を得るために、レシピは、発芽小麦1Aに由来する93.4gのホールミール及びわずか6.6gのショ糖からなるであろう。従って、ショ糖の添加を34%減少させることができる。
【0070】
次のステップにおいて、水熱処理(発芽)小麦から製造されたシリアルフレーク中の糖類の組成を評価した(
図8)。レシピに7.5%ショ糖及び2.5%グルコースを配合した場合、対照小麦と対照小麦Aとの間で糖組成及び糖含有量の明確な差は観察されなかった。水熱処理後の有意に低いマルトース含有量は、予想外であった。発芽小麦1(発芽小麦1A)の水熱処理は、α‐グルコシダーゼ作用の結果としてグルコースレベルを有意に増加させた。
【0071】
実施例2
2.1 方法
2.1.1 モルト化穀粒(malted grains)に由来する小麦フレークの製造
ホール小麦フレークを工業規模で製造した。小麦モルトは以下の規格を有した:含水量5.6%、タンパク質含量dmの11.2%、EBC色3.5及びα-アミラーゼ活性約6,900 U/h/g dm。モルト化ホール小麦穀粒(malted wholewheat grains)を最初に洗浄して異物を除去した。全ての成分を圧力調理器に添加した。次いで、調理した塊を、乾燥/焼き戻(temper)した後、塊を破壊した。次に、破砕した調理済み塊をロール間でフレーク化し、フレークを熱風トーストした(hot-air toasted)。最後に、得られたフレークを、IKAミルで粉砕した後、可溶性糖含有量を定量した(cfr.1.2.3)。
【0072】
僅かな変更を伴って、De Brier et al.(2015) LWT- Food Sci. Techn. 62, 668-674に記載されているように、モルト化小麦穀粒中のα-アミラーゼ活性(
図13)をアミラザイム方法(Megazyme, Bray, Ireland)を用いて3連で測定した。基質タブレット(substrate tablet)を、40℃で5~50倍希釈したプレインキュベート抽出物1.0mlに添加し、インキュベーションの5~120分後に反応を停止させた。抽出物の希釈及びインキュベーション時間は、発芽時間に依存し、ランバート-ベールの法則(Lambert-Beer Law)が適用可能であるように選択した。1つのα-アミラーゼ単位は、乾燥物1g当たりの酵素活性として定義され、40℃でのインキュベーション1時間当たりの吸光度(590nm)は1.00上昇する。
【0073】
2.1.2 モルト化小麦粒(malted wheat grains)のインキュベーション
モルト化小麦粒(50.0g)のインキュベーションを、22~41%の水分含量及び40~80℃の温度で10~120分間、密閉Schottガラス瓶中で行った。インキュベーション後、マルトース及びマルトトリオース含有量(cfr.1.2.3)を定量する前に、粒子を、液体N2でフラッシュ凍結し、凍結乾燥し、粉砕して(IKAミル)ホールミールにした。
【0074】
2.2 結果と議論
2.2.1 シリアルフレーク中の可溶性糖含有量
図9は、工業的に製造されたシリアルフレークの糖組成を表す。シリアルフレーク製造プロセスにおいて高α-アミラーゼ活性レベルで小麦モルト(wheat malt)を使用した場合、dm の5.7%の可溶性糖含有量が得られたフレーク中に見出され、これは使用した原料中のもの(dm の5.9%)に匹敵する。ショ糖含量は低かったが、グルコース及びフルクトース含量は原料中よりも高く、シリアルフレーク製造中のインベルターゼ作用を示した。原料中のdm の0.03%からフレーク中のdm の0.33%へのマルトトリオース含有量の増加は、シリアルフレーク製造中のα-アミラーゼ作用に起因する。したがって、固有の糖類を放出するデンプン分解酵素の供給源としてモルト化穀粒(malted grains)を使用することによって、ホール穀粒(全粒ともいう)フレークの甘味を増強することができる。実際、通常の小麦に由来する商業的に入手可能な小麦フレーク中の可溶性糖含有量は、dmのわずか1.6%であった。
【0075】
さらに、本発明は得られるフレークに良好な官能品質を得るために、加圧調理の前に穀物を剥皮する必要がない。実際、モルト処理(malting)は、シリアル細胞壁に構造変化を引き起こし[Autio et al.(2001) J. Institute Brewing 107, 19-25;DeBacker et al.(2010) Plant Physiol. Biochem.48,90-97]、穀粒に天然の甘味を与え、その結果、ふすまを保持しても、最終製品の品質が悪くならない。結果として、我々の技術は、美味しいホール穀粒フレーク(whole grain flakes)を製造することを可能にする。
【0076】
2.2.2 インキュベートしたモルト化小麦穀粒(wheat grains:小麦粒ともいう)中の可溶性糖含量
モルト化穀粒中の可溶性糖含量をさらに増加させるために、高温・湿潤状態でのインキュベーションステップを実施し、その結果を本節で検討した。注目すべきことに、インキュベーションステップは、シリアルフレーク製造プロセスの一部であってもよい。
【0077】
2.2.2.1 マルトース及びマルトトリオース含量に対する含水量の影響
マルトース及びマルトトリオース含量は、70℃で60分間インキュベートした小麦モルトの含水量を増加させた場合に、増加した(
図10)。これは、アミラーゼが湿潤状態でより活性成分であるため、論理的である。例えば、Roder et al.(2009)Food Chem. 113, 471-478は、小麦デンプンに対するα-アミラーゼ作用が、含水量が30%に達するまで比較的低く、それから急激に上昇することを見出した。
【0078】
2.2.2.2 マルトース及びマルトトリオース含量に対するインキュベーション時間の影響
マルトース及びマルトトリオース含量は、70℃及び28%の水分含量で小麦モルトのインキュベーション時間を増加させた場合に増加した(
図11)。これは、アミラーゼが、それらの至適温度(55~68℃)に近い温度で活性化されることが可能であることが予想された[Daba et al.(2012) Enz.Microbial Technol. 51, 245-251; Singh & Kayastha(2014)Food Chem. 162, 1-9]。
【0079】
2.2.2.3 マルトース及びマルトトリオース含有量に対するインキュベーション温度の影響
一般に、マルトース及びマルトトリオース含有量は、28%の水分含有量で60分間の小麦モルトのインキュベーション中に温度を上昇させた場合に増加した(
図12)。しかし、最高マルトース含量(dmの2.6%)は、75℃でインキュベートした小麦麦芽(小麦モルトともいう)で見出されたが、最高マルトトリオース含量(dmの0.8%)は80℃でインキュベートした小麦麦芽で見出された。
【0080】
結論として、糖化性モルト小麦に由来するフレーク中の可溶性糖類含量、従って固有の相対甘味を最大にする場合、60~80℃の範囲の温度で60分を超える時間、湿潤状態(>28%)下でインキュベーションステップを実施し、デンプンからマルトース及びマルトトリオースの酵素的放出を可能にすることが興味深い。
【0081】
実施例3
3.1. 方法
3.1.1. 小麦モルト
使用した小麦モルトは、以下の仕様を有する:含水率 6~12%、タンパク質含量 10~12%dm、EBC(European Brewery Convention unit)色<10、α-アミラーゼ活性 20~400U/h/gdm、及び総数可溶性糖含量 dm の9~13%。
【0082】
3.1.2. モルト化穀粒に由来する小麦フレークの製造
ホール小麦フレークは工業規模で製造される(cfr.2.1.1)。モルト化ホール小麦穀粒(小麦粒ともいう)は最初に、異物を除去するために洗浄される。全ての成分を圧力調理器に添加する。次いで、調理された塊は、塊を破壊する前に、乾燥/焼き戻しされる。次に、破砕した調理済み塊をロール間でフレーク化し、フレークを熱風トーストする。最後に、得られたフレークをIKAミルで粉砕した後、可溶性糖含有量を定量する(cfr.1.1.3)。
【0083】
3.1.3. 小麦フレークのテクスチャー(texture:噛み具合)分析
フレークのテクスチャーは、De Brier et al. LWT- Food Sci Techn. 62, 668-674によって記載されているように、1 kNロードセルを備えたInstron 5943(Norwood, MA,USA)材料試験機を用いて検討した。.
【0084】
試験は、5枚ブレードKramer剪断セルを用いて、バルク(15.0g)中にて10倍で行った。細胞のブレードは、朝食フレークを細胞の底部の開放空間に押し通した。試料を室温で120mm/分で圧縮する。最大力(Fmax, [N])は、試料の硬度の尺度である。
【0085】
破断の空間周波数(Nsr、[mm-1])、平均破砕力(Fcr、[N])及びクリスプネス仕事(Wc[N.mm])は、以下の式を使用して力-変位曲線から計算される(Agbisitら(2007) J. Texture Studies 38,199-219)。
【0086】
Nsr = n/d
Fcr = s/d
Wc = Fcr/Nsr
ここで、sは曲線下面積、nはピークの数、dはプローブの移動距離である。
【0087】
シリアルフレークの最も重要な品質パラメーターは、それらのテクスチャーがミルクに浸漬されるのにどれほど良好に耐えるかである(De Brierら(2015)LWT- Food Sci Techn. 62, 668-674)。約15.0gの朝食フレークを、基本的にSachettiら(2003)及びDe Brierら(2015 LWT‐Food Sci. Techn. 62, 668-674)のように、連続撹拌(200rpm)下、23±1℃のティーシーブ(sieve:こし器)中で、300mlの半脱脂ミルクに30秒間6回浸漬する。浸漬したフレークを30秒間排水して、表面から余分なミルクを除去し、上記のようにテクスチャー分析を行う。
【符号の説明】
【0088】
Control wheat:対照小麦
Hydrothermal processing:水熱処理
Autoclave cooking:圧力釜調理
Steeping:浸漬
Sprouting:発芽
Sprouted wheat:発芽小麦
Blend:ブレンド(混合調製)
Mixing of ingredients:成分の混合
Hydration with water:水による水和
Resting:静置
RT:室温
Extrusion:押し出し
Flaking:フレーキング(剥離)
Drum roasting:ドラム焙煎
Modified process:改変工程
Hydration with buffer:バッファーによる水和
Saccharide content:ショ糖含量
Wheat malt(raw material):小麦モルト(原料)
Flakes derived from wheat malt:小麦モルト由来フレーク
Commercial wheat flakes:商用小麦フレーク
【国際調査報告】