(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】プレス加工ビーム付きメス接点及び製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/187 20060101AFI20220912BHJP
H01R 43/16 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
H01R13/187 B
H01R43/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501056
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 GB2020051637
(87)【国際公開番号】W WO2021005362
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514193166
【氏名又は名称】ハイパータック ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】パトリス レホ
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063GA01
5E063GA05
5E063XA20
(57)【要約】
電気コネクタ用のメス電気接点であって、該メス電気接点は、開口と、周壁と、底部とを備えるオス電気接点用の導電性ソケットと、複数のプレス加工した導電性ビームを含むプレス加工したクラウンであって、前記複数のビームは前記ソケット内の前記周壁に沿って実質的に規則的に配置される、プレス加工したクラウンと、を備え、各ビームは、実質的に前記ソケットの前記開口から前記底部まで延びる主方向を有し、前記延びる主方向に沿う複数のコルゲーションを備え、該コルゲーションは、前記ソケットの内側に向かっての頂部と、前記周壁に向かっての谷とを含み、各ビームは、前記ソケットの前記底部に向かって前記オス電気接点の相対的変位上で前記オス電気接点と接触するときに弾性変形し、前記ソケット内に前記オス電気接点が挿入されるときに、前記コルゲーションの複数の前記頂部に前記オス電気接点を接触するように構成される、メス電気接点が記載される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ用のメス電気接点であって、該メス電気接点は、
開口と、周壁と、底部とを備えるオス電気接点用の導電性ソケットと、
複数のプレス加工した導電性ビームを含むプレス加工したクラウンであって、前記複数のビームは前記ソケット内の前記周壁に沿って実質的に規則的に配置される、プレス加工したクラウンと、を備え、
各ビームは、実質的に前記ソケットの前記開口から前記底部まで延びる主方向を有し、前記延びる主方向に沿う複数のコルゲーションを備え、該コルゲーションは、前記ソケットの内側に向かっての頂部と、前記周壁に向かっての谷とを含み、
各ビームは、前記ソケットの前記底部に向かって前記オス電気接点の相対的変位上で前記オス電気接点と接触するときに弾性変形し、前記ソケット内に前記オス電気接点が挿入されるときに、前記コルゲーションの複数の前記頂部に前記オス電気接点を接触するように構成される、メス電気接点。
【請求項2】
前記クラウンは、前記複数の導電性ビームが3ビームと90ビームとの間で構成される、請求項1に記載のメス電気接点。
【請求項3】
前記谷部は、前記周壁と接触している、請求項1または請求項2に記載のメス電気接点。
【請求項4】
前記プレス加工したクラウンは、前記複数のビームを互いに連結し、前記ソケットの前記開口で前記ソケットに機械的に接触させて、前記プレス加工したクラウンを前記ソケットに取り付けるように構成されたプレス加工したベースをさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項5】
各ビームは、前記ソケットの前記開口において前記ベースに取り付けられたカンチレバーを画定する、請求項4に記載のメス電気接点。
【請求項6】
各ビームは、前記ソケットの前記開口において前記ベースに取り付けられる、請求項4に記載のメス電気接点。
【請求項7】
1Aと1000Aとの間を含む電流を維持するように構成された、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項8】
前記クラウンは、銅ベリリウムなどの銅合金からなる材料からなる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項9】
前記クラウンは、例えば、12mmのような5mmと30mmとの間に構成された直径、及び13mmのような5mmと30mmとの間に構成された高さのような寸法を有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項10】
各ビームが、以下のようなN個のコルゲーションを含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【数1】
【請求項11】
前記複数のビーム内の前記オス電気接点のための受け入れスペースが、前記開口から前記ソケットの前記底部まで実質的に一定であるようにする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項12】
前記複数のビームは、前記ソケット内の前記周壁に沿って実質的に規則的に位置している、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項13】
前記複数のビームは、前記周壁の表面積の実質的に大部分を覆う、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項14】
前記ビームは、例えば1mmのような0.3mmと15mmとの間に構成された幅を有する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のメス電気接点。
【請求項15】
オス電気接点用の導電性ソケットを設けするステップであって、該ソケットは、開口と、周壁と、底部とを備えるステップと、
複数のコルゲーションを含む複数のプレス加工した導電性ビームを含む導電性クラウンをプレス加工するステップと、
前記複数のビームが前記ソケット内の前記周壁に沿って実質的に規則的に位置するように、前記プレス加工したクラウンを前記ソケット内に配置するステップであって、
各ビームは、実質的に前記ソケットの前記開口から前記底部まで延びる主方向を有し、前記複数のコルゲーションは、前記延びる主方向に沿って延び、前記コルゲーションは、前記ソケットの内側に向かっての頂部と、前記周壁に向かっての谷とを含み、
各ビームは、前記ソケットの前記底部に向かって前記オス電気接点の相対的変位上で前記オス電気接点と接触するときに弾性変形し、前記ソケット内に前記オス電気接点が挿入されるときに、前記コルゲーションの複数の前記頂部に前記オス電気接点を接触するように構成されるステップと、を有する、方法。
【請求項16】
請求項2から請求項14のいずれか1項に記載のメス電気接点を製造するための請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記クラウンの上部のリングで、または、前記ソケット内に設計され、前記クラウンの上部に折り畳まれた薄い壁で、前記クラウンを遮断することによって、前記ソケットの前記開口に前記プレス加工したクラウンを配置するステップをさらに有する、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記リングは、前記メス電気接点が配置されるコネクタの一部を形成するバレル内に力を加えて配置および/または接着される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オス電気接点用の導電性を備えソケットる、電気コネクタ用のメス電気接点に関するが、これに限定されない。本発明はまた、そのような接点の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタは、通常、絶縁体に嵌合された少なくとも1つの接点を備える。少なくとも1つの接点は、オス接点(例えば、ピン)と嵌合するように構成されたメス接点(例えば、ソケットを含む)を備えてもよく、および/またはメス接点(例えば、ソケットを含む)と嵌合するように構成されたオス接点(例えば、ピン)を備えてもよい。
【0003】
電気プラグは、通常、モバイルコネクタを備える。電気プラグは、オス接点(例えば、ピンを含む)および/またはメス接点(例えば、ソケットを含)を備えてもよい。電気レセプタクルは、通常、固定コネクタ(例えば、壁に固定されたもの)を備える。電気レセプタクルは、オス接点(例えば、ピンを含む)および/またはメス接点(例えば、ソケットを含む)を備えてもよい。電気プラグは、電気レセプタクルと嵌合することができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様および実施形態は、添付の特許請求範囲に記載されている。本発明のこれらおよび他の態様および実施形態も本明細書に記載する。
【0005】
本発明は、電気コネクタ用のメス電気接点に関するが、これに限定されない。メス電気接点は、プレス加工した導電性ビームを含むプレス加工した導電性クラウンを備える。ビームはメス電気接点のソケット内に配置される。ビームは、ソケット内に挿入されたオス電気接点の先端に接触する複数のコルゲーションを備える。
【0006】
また、本発明は、ソケットの製造方法に関する。
【0007】
複数の導電性ビーム及び複数のコルゲーションは、複数の電気接点を提供し、オス電気接点との信頼性のある電気的な接続を保証する。複数のビームは、ソケット内の周壁に沿って実質的に規則的に配置され、周壁の表面積の実質的に大部分(周壁の表面積の、例えば、50%を超える、例えば、75%を超える、例えば、90%を超える)を覆うことができる。開示から明らかなように、いくつかの実施例では、ソケット内のビームのレイアウトは、ビームによって覆われた周壁の表面積を最大にする傾向がある。複数のビーム及び複数のコルゲーションは、オス電気接点との強化された信頼性のある電気的な接続を保証する。
【0008】
クラウンと導電性ビームはプレス加工されており、低コストで製造が容易である。いくつかの実施例では、クラウンは、ソケットの開口に配置されてもよく、メス電気接点は、組み立てが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここで、本発明の態様を、例として、以下の添付図面を参照して説明する。
【0010】
【
図1A】斜視図での立面散乱図であり、この立面図は、第1の実施例のプレス加工クラウンを含む例示的なメス接点を概略的に例示する。
【
図1B】
図1Aの例示的なメス接点を概略的に例示する斜視図での立面図である。
【
図2A】斜視図での立面散乱図であり、この立面図は、第2の実施例のプレス加工クラウンを概略的に例示する。
【
図2B】
図2の例示的なクラウンを概略的に例示する側面図である。
【
図3】本発明の態様のいずれか1つの接点の製造方法の例示的工程を概略的に例示する。
【0011】
図面において、類似の要素は、同一の数値関係を有する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1A及び
図1Bは電気コネクタ(図には示されていない)用のメス電気接点1を概略的に例示する。
【0013】
接点1は、オス電気接点(図には示されていない)用の導電性ソケット2を備える。図では、ソケット2は一般的な回転円筒の形状をしているが、他の形状も想定され、回転していない円筒も想定されている。
【0014】
このソケット2は、メス接点にオス接点を挿入するための開口3と、周壁4及び底部5とを備えている。周壁4及び底部5はいずれも導電性である。いくつかの実施例では、底部5は実質的に平坦である。
【0015】
メス電気接点1は、複数のプレス加工導電性ビーム7を含むプレス加工クラウン6を更に含む。
【0016】
図1A及び
図1Bに示すように、複数のビーム7は、ソケット2内の周壁4に沿って実質的に規則的に配置されている。複数のビーム7は、周壁4の表面積(周壁の表面積の、例えば、50%より大きい、例えば、75%より大きい、例えば、90%より大きい)の実質的に大部分を覆うことができる。いくつかの実施例では、ソケット内のビームのレイアウトは、ビームによって覆われた周壁の表面積を最大にする傾向がある。複数のビーム及び複数のコルゲーションは、オス接点との強化された信頼性のある電気的な接続を保証する。
【0017】
いくつかの実施例では、各ビーム7は、実質的に開口3からソケット2の底部5への延長の主方向を有していてもよい。
【0018】
図に例示するように、各ビーム7は、ビーム7の延長の主方向に沿った複数のコルゲーション8を備えることができる。
【0019】
コルゲーション8は、ソケット2の内側に向かう頂部81と、周壁4に向かう谷部82とからなる。図の実施例では、各ビームは、3つのコルゲーションを含む。他の数のコルゲーションが想定され得る。非限定的な実施例として、各ビーム7は、以下のようなN個の数のコルゲーションを含み得る。
【数1】
【0020】
各ビーム7は、ソケット2の底部5に向かってオス接点の相対変位上にオス接点と接触するときに弾性変形するように構成されている。各ビーム7は、オス電気接点がソケット2に挿入されたときに、コルゲーション8の複数の頂部81上のオス電気接点と接触するように構成されている。複数のコルゲーション8及び複数の頂部81は、複数の電気接点を提供し、オス接点との信頼性のある電気的な接続を保証する。
【0021】
図1A及び
図1Bに例示される実施例では、クラウン6は、6つのビーム7を備える。
図2A及び
図2Bに例示される実施例では、クラウン6は、24のビーム7を含む。他の数のビームが想定されてもよい。ビーム7の数は、非限定的な例として、複数の導電性ビーム7が3~90のビームで構成されるようにすることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、各ビーム7は、周壁4と接触していてもよい。いくつかの実施例では、谷部82は周壁4に接触している。
【0023】
いくつかの実施例では、複数のビーム内のオス接点のための受け入れスペースは、開口3からソケット2の底部5まで実質的に一定である。受け入れスペース9は、オス接点との強化された信頼性のある電気的な接続を保証する。
【0024】
図に例示されているように、プレス加工クラウン6は、複数のビーム7を互いに連結し、ソケット2の開口3でソケット2に機械的に接触させて、プレス加工クラウンをソケット2に取り付けるように構成されたプレス加工ベース10を更に備えている。
図1Aに例示されているように、プレス加工ベース10は、周壁4内の肩部11と接触してもよく、固定リング12によって覆われてもよい。他の方法、例えば、リング上のソケットの薄い壁を折りたたむことによって、を想定してもよい。
【0025】
図に例示されているように、各ビーム7は、ソケット2の開口3においてベース10に取り付けられたカンチレバーを画定することができる。いくつかの実施例では、ビームは、ソケット2の底部5と接触しておらず、オス接点と接触したときにビーム7の弾性変形が強められることを可能にする。
【0026】
いくつかの実施例では、ビームは、ソケットの開口でベースに取り付けられてもよく、ソケットの底部に接触してもよい。
【0027】
メス接点1は、非限定的な例として、1Aと1000Aとの間を含む電流を維持するように構成することができる。
【0028】
クラウン6は、非限定的な例として、銅ベリリウムのような銅合金を含む材料で作ることができる。
【0029】
クラウン6は、例えば、直径が12mmのような5mmから30mmの間で構成されてもよく、高さが13mmのような5mmから30mmの間で構成されてもよい。ビームは、非限定的な例として、0.3mmから15mmの間で構成される幅、例えば1mmを有することができる。
【0030】
本発明は、また、ソケットの製造方法100に関する。
【0031】
図3に例示されるように、方法100は、以下のステップを有する。
S1において、オス電気接点用の導電性ソケットを設けるステップであって、該ソケットは、開口と、周壁と、底部とを備えるステップと、
S2において、複数のコルゲーションを含む複数のプレス加工した導電性ビームを含む導電性クラウンをプレス加工するステップと、
S3において、複数のビームがソケット内の周壁に沿って実質的に規則的に位置するように、プレス加工したクラウンをソケット内に配置するステップであって、
各ビームは、実質的に開口からソケットの底部まで延びる主方向を有し、複数のコルゲーションは、延びる主方向に沿って延び、コルゲーションは、ソケットの内側に向かっての頂部と、周壁に向かっての谷部とを含み、
各ビームは、ソケットの底部に向かってオス接点の相対的変位上でオス接点と接触するときに弾性変形し、ソケット内にオス電気接点が挿入されるときに、コルゲーションの複数の頂部にオス電気接点を接触するように構成されるステップと、を有する。
【0032】
方法100によって製造される接点は、本発明のいずれかに従う接点であってもよい。
【0033】
図1Aに例示されているように、ある実施例では、S3は、リング12をベース10の上部に備えるか、またはソケット内に設計され、クラウンの上部に折り畳まれた薄い壁を備えるように、クラウン6をブロックすることによって、プレス加工したクラウン6をソケット2の開口3に配置するステップを含んでもよい。リング12は、接点が配置されるコネクタの一部を形成するバレル14に有効に配置されてもよいが、接着などの他の方法が想定される。
【0034】
クラウンは、また、オス接点との電気的接触を強化するために、他の手段と組み合わせて使用してもよい。
【国際調査報告】