(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】フィルタまたはフィルタホイールの入射角を変化させる装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02B 21/00 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
G02B21/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502041
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 US2020041523
(87)【国際公開番号】W WO2021011344
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518244644
【氏名又は名称】レアサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AA09
2H052AD33
2H052AD34
(57)【要約】
フィルタまたはフィルタホイールの入射角を変化させる装置、システム、および方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1のフィルタを含む第1のフィルタ組立体と、
カムとを含み、
前記カムは、前記第1のフィルタ組立体の一部分に接触するとともに前記第1のフィルタ組立体を第1の位置から第2の位置に回転させるよう構成されている、システム。
【請求項2】
前記第1の位置は、第1の入射角であり、前記第2の位置は、第2の入射角であり、前記第1の入射角および前記第2の入射角は、前記フィルタを通る光の経路に対する角度である、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および前記第2の入射角は、0°から89.9°までの範囲にある、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および前記第2の入射角は、約5°から約60°までの範囲にある任意の入射角から選択され、前記第1の入射角と前記第2の入射角は、互いに等しくない、請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記カムに隣接して配置されたモータをさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記フィルタ組立体は、
ベースと、
リテーナとをさらに含み、
前記第1のフィルタは、前記ベースと前記リテーナとの間に位置している、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記ベースおよび前記リテーナは各々、本体および前記本体から前記第1のフィルタに向かって延びる1つ以上の突起を有する、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記フィルタ組立体は、2つ以上の軸受をさらに含み、前記ベースの第1の側部は、1つ以上の軸受を有し、前記ベースの反対側の第2の側部は、1つ以上の軸受を有する、請求項6記載のシステム。
【請求項9】
モータセグメントおよびフィルタセグメントを有するアダプタをさらに含み、前記アダプタは、前記モータに隣接して配置されている、請求項5記載のシステム。
【請求項10】
前記モータセグメントは、前記モータのスピンドルを挿入させることができるスピンドルボアを備えた本体を有する、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記モータセグメントは、ある特定の点を超える前記カムの回転または運動を阻止するよう前記モータから遠ざかる方向に突き出た停止部をさらに有する、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記フィルタセグメントは、第1のアームおよび第2のアームに隣接して配置されたスタンチョンを有し、前記第1および前記第2のアームは各々、前記フィルタ組立体の軸受のうちの少なくとも1つを受け入れるような寸法形状の少なくとも1つの切欠きを有する、請求項9記載のシステム。
【請求項13】
前記スタンチョンは、前記フィルタ組立体上における行程限度を設定するストッパを有する、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記ストッパは、ねじ、ロッド、だぼ、ポスト、ばね、オーバーハング、またはこれらの組み合わせである、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
1つ以上の追加のフィルタ組立体をさらに含み、追加のフィルタ組立体の各々は、フィルタを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
同一の帯域通過プロフィールを有するフィルタは、2つとない、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
同一の帯域通過プロフィールを有するフィルタが少なくとも2つある、請求項15記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、一般に、スペクトルセレクタに関し、特に、フィルタまたはフィルタホイールの入射角を変化させる装置またはシステムに関する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2019年7月12日に出願された米国特許仮出願第62/873,390号の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0003】
本明細書において言及する全ての刊行物および特許出願を参照により引用し、個々の刊行物または特許出願が具体的にかつ個々に参照により引用されているかのごとくこれらの記載内容全体が本明細書の一部を成すものとする。
【背景技術】
【0004】
サンプルは、分析のために画像化されるべき関心のある物質を含む場合が多い。これら関心のある物質は、検出して画像化することが望ましい場合のある複数のバイオマーカーおよび/または成分を含む場合がある。現行のフィルタおよび画像化機器は、限定された数の標識(ラベル)を任意所与の一時点において使用できるにすぎない。その結果、医療従事者、研究者、および懸濁液関連従事者は、サンプルをより効率的かつ正確に画像化するシステムおよび方法を求め続けている。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、システムであって、第1のフィルタを含む第1のフィルタ組立体と、カムとを含み、カムは、第1のフィルタ組立体の一部分に接触するとともに第1のフィルタ組立体を第1の位置から第2の位置に回転させるよう構成されていることを特徴とするシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2A】例示のフィルタ組立体の分解組立図である。
【
図2B】例示のフィルタ組立体の分解組立図である。
【
図2C】例示のフィルタ組立体の分解組立図である。
【
図5C】例示のスペクトルセレクタの等角図である。
【
図5D】例示のスペクトルセレクタの等角図である。
【
図5E】第1の位置にある例示のスペクトルセレクタを示す図である。
【
図5F】第1の位置にある例示のスペクトルセレクタを示す図である。
【
図5G】第2の位置にある例示のスペクトルセレクタを示す図である。
【
図5H】第2の位置にある例示のスペクトルセレクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、フィルタまたはフィルタホイールの入射角を変化させるシステムおよび方法に関する。
【0008】
以下の説明において、「光」という用語は、多重化および画像化の種々の使用および観点を表すために使用される。この「光」という用語は、電磁スペクトルの可視部分中の電磁線の表示に限定されず、電磁スペクトルの紫外線部分および赤外線部分中の放射線を表すことも意図されている。
【0009】
以下の説明において、「サンプル」という用語は、生物学的流体、生物学的半固体、生物学的固体(これは、固体、例えば組織のままである場合があり、あるいは任意適当な仕方で液化されている場合がある)、懸濁液、懸濁液の一部分、懸濁液の一成分などを表すために使用される。例えば、凝固防止全血に関し、サンプルは、凝固防止全血(すなわち、懸濁液)、バフィコート(すなわち、懸濁液の一部分)または循環腫瘍細胞(すなわち、懸濁液の成分)である。便宜上、言及するサンプルは、全血であり、ただし、理解されるべきこととして、図示するとともに本明細書において説明する方法およびシステムは、任意適当なサンプル、例えば尿、血液、骨髄、バフィコート、嚢胞液、腹水、糞便、精液、脳骨髄液、乳頭吸引液、唾液、羊水、粘液膜分泌物、眼房水、硝子体液、嘔吐物、膣分泌物(膣液)、および任意他の生物学的流体または半固形物に使用される。例えば、サンプルは、組織試料であっても良く、あるいは、脂肪組織、副腎、骨髄、乳房、尾状核(caudate)、小脳、大脳皮質、頸管、子宮、結腸、子宮内膜、食道、ファロピウス管(卵管)、心筋、海馬、視床下部、腎臓、肝、肺、リンパ節、卵巣、すい臓、下垂体、前立腺、唾液腺、骨格筋、皮膚、小腸、大腸、脾臓、胃、精巣(睾丸)、甲状腺、または膀胱由来の物質であっても良い。
【0010】
以下の説明において、「標的分析物」または「標的物質」という用語は、関心のある生物学的物質を表すために用いられる。標的分析物は、サンプルの一フラクション、例えばバフィコート、細胞、例えば卵(ova)、胎児物質(例えば、トロホブラスト、有核赤血球、胎児赤血球、胎児白血球、胎児DNA、胎児RNAなど)、循環腫瘍細胞(“CTC”)、循環内皮細胞、免疫細胞(すなわち、ナイーブもしくは記憶B細胞またはナイーブもしくは記憶T細胞)、間葉系幹細胞、幹細胞、小胞、例えばエクソソーム、リポソーム、タンパク、核酸、生物学的分子、包囲膜を含む天然由来のまたは人工的に調製された顕微鏡的単位、寄生生物(例えば、スピロヘータ、例えば、ライム病を引き起こすボレリア・ブルグトルフェリ、マラリア誘発物質)、微生物、ウイルス、または炎症細胞であって良いこともまた理解されるべきである。例えば、標的分析物は、脂肪組織、副腎、骨髄、乳房、尾状核、小脳、大脳皮質、頸管、子宮、結腸、子宮内膜、食道、ファロピウス管(卵管)、心筋、海馬、視床下部、腎臓、肝、肺、リンパ節、卵巣、すい臓、下垂体、前立腺、唾液腺、骨格筋、皮膚、小腸、大腸、脾臓、胃、精巣(睾丸)、甲状腺、または膀胱由来の腫瘍細胞である。
【0011】
以下の説明において、「非標的分析物」という用語は、標的分析物ではない生物学的物質を表すために用いられる。
【0012】
以下の説明において、「バイオマーカー(生体指標)」という用語は、標的分析物もしくは標的物質上または標的分析物もしくは標的物質内に存在する物質(すなわち、標的分析物内に例えば食菌作用を介して内在化された細胞内または細胞外標的分析物など)を表すために用いられる。バイオマーカーとしては、ペプチド、タンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、エピトープ、イソフォルム、DNA、RNAなどが挙げられるが、これらには限定されない。バイオマーカーは、投薬のための標的分子であるのが良い。
【0013】
以下の説明において、「親和性分子」という用語は、別の分子に結合しまたはこれと相互作用することができる分子であればどのようなものであってもこれを表すために用いられる。相互作用または結合は、共有であっても良くまたは非共有であっても良い。親和性分子としては、抗体、ハプテン、タンパク質、アプタマー、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または別の分子と相互作用しもしくは結合する任意の適当な分子(例えば、バイオマーカー、結合ペアの分子またはビオチンまたはアビジン(これらには限定されない)を含む相補分子、その他)が挙げられるが、これらには限定されない。
【0014】
以下の説明において、「検出構成成分(detection moiety)」という用語は、検出のための信号を提供し、それによりサンプルまたは検体内の別の化合物、別の物質、分析物などの存在を示す化合物または物質を表すために用いられる。検出構成成分は、蛍光性であっても良く、例えば蛍光性プローブであり、あるいは発色性であっても良く、例えば発色性染料である。蛍光性プローブは、反応性染料、有機染料、蛍光性タンパク質、量子ドット、非タンパク質有機分子、ナノ粒子(例えば、ナノダイヤモンド)などであるのが良い。
【0015】
以下の説明において、「チャネル」という用語は、1つ以上の検出構成成分によって提供された信号に基づいて色または範囲を説明するために用いられている。色または色範囲は、選択されたフィルタおよび/または信号の波長に基づいて得られる。例えば、チャネルは、紫色、青色、緑色、黄色、橙色、赤色、エンジ色などであって良い。さらに、複数のチャネルが用いられる場合、各チャネルは、特有の色または色範囲を有する。例えば、第1のチャネルは、緑色であるのが良く、第2のチャネルは、橙色であるのが良い。2つ以上の検出構成成分は、互いに異なる強調度を呈する信号をもたらすことができるが、これら信号は、用いられるフィルタセットに基づいて同一のチャネル内に存在するのが良いことが注目されるべきである。例えば、第1の検出構成成分は、488nmの波長を有する信号を提供し、第2の検出構成成分は、500nmの波長を有する信号を提供する。例えこれらの波長が互いに同一ではなくても、チャネルのうちの1つ内のフィルタセットは、488nmと500nmの両方の波長を通し、それによりこれら両方の波長を同時に画像化することができ、それにより488nm発光および500nm発光を含む単一の画像を生じさせることができる。
【0016】
以下の説明において、「染料」または「標識」という用語は、区別なく用いられ、これらは、検出構成成分に結合されまたはこれと相互作用する親和性分子を表すために用いられる。結合または相互作用は、直接的または間接的である。直接的結合または相互作用は、バイオマーカーと検出構成成分との共有結合性または非共有結合性相互作用を含む。間接的結合または相互作用は、結合ペアを形成する少なくとも第1および第2の相補分子の使用を含む。第1および第2の相補分子は、組み合わせ状態で、以下の方法、すなわち、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合性相互作用、非共有結合性相互作用、共有結合性相互作用、親和性相互作用などのうちの少なくとも1つの仕方で結合しまたは相互作用する結合ペアである。結合ペアとしては、免疫型結合ペア、例えば抗原抗体反応、抗原抗体フラグメント、ハプテン‐抗ハプテン、または一次抗体‐二次抗体、非免疫型結合ペア、例えばビオチン‐アビジン、ビオチン‐ストレプトアビジン、葉酸‐葉酸結合タンパク質、ホルモン‐ホルモン受容体、レクチン‐特定の炭水化物、酵素‐酵素、酵素‐基質、酵素‐基質類似体、酵素‐偽基質(酵素活性によっては触媒できない基質類似体)、酵素‐補因子、酵素‐モジュレータ、酵素‐阻害剤、またはビタミンB12‐内因子が挙げられるが、これらには限定されない。結合ペアの他の適当な例としては、相補的核酸フラグメント(相補的ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含む)、プロテインA抗体、プロテインG抗体、核酸‐核酸結合タンパク質、ポリマーリンカー(例えば、ポリエチレングリコール)、またはポリヌクレオチド‐ポリヌクレオチド結合タンパク質が挙げられる。結合ペアは、増幅法に含まれる場合がありまたは増幅法として使用できる。増幅法はまた、信号を増大させるようバイオマーカーに結合されまたはこれと相互作用する検出構成成分の数を増大させるよう実施される。一実施形態では、結合ペアが用いられる場合、染料は、あらかじめ共役されるのが良く、例えば、標識化、染色、または付加ステップ中、親和性分子がサンプルに付加されたときの検出構成成分に既に結合されまたは相互作用するようになっている。一実施形態では、結合ペアが用いられる場合、染料がサンプル内に共役されるのが良く、その結果、標識化、染色、または付加ステップが親和性分子‐最初の結合分子抱合体、第2の結合ペア分子‐検出構成成分抱合体の導入(任意所望のまたは適当な順序で)含む少なくとも2つのサブステップを含むようになっており、第1および第2の結合ペア分子は、互いに相補するとともに互いに結合しまたは相互作用する。
【0017】
さらに、「複数の染料」は、親和性分子および/または検出構成成分が互いに異なる2つまたは3つ以上の染料を表すために使用される場合がある。例えば、抗CK-Alexa 647が抗EpCAM-Alexa 647とは異なる。別の例として、抗CK-Alexa 647は、抗CK-Alexa 488とは異なる。
【0018】
以下の説明において、「抱合体」という用語は、第2の化学物質、分子、構成成分などに結合されまたはこれと相互作用する第1の化学物質、分子、構成成分などを表すために用いられる。結合または相互作用は、直接的または間接的である。直接的結合または相互作用は、バイオマーカーと検出構成成分との共有結合性または非共有結合性相互作用を含む。間接的結合または相互作用は、結合ペアを形成する少なくとも第1および第2の相補分子の使用を含む。第1および第2の相補分子は、組み合わせ状態で、以下の方法、すなわち、疎水性相互作用、イオン性相互作用、水素結合性相互作用、非共有結合性相互作用、共有結合性相互作用、親和性相互作用などのうちの少なくとも1つの仕方で結合しまたは相互作用する結合ペアである。結合ペアとしては、免疫型結合ペア、例えば抗原抗体反応、抗原抗体フラグメント、ハプテン‐抗ハプテン、または一次抗体‐二次抗体、非免疫型結合ペア、例えばビオチン‐アビジン、ビオチン‐ストレプトアビジン、葉酸‐葉酸結合タンパク質、ホルモン‐ホルモン受容体、レクチン‐特定の炭水化物、酵素‐酵素、酵素‐基質、酵素‐基質類似体、酵素‐偽基質(酵素活性によっては触媒できない基質類似体)、酵素‐補因子、酵素‐モジュレータ、酵素‐阻害剤、またはビタミンB12‐内因子が挙げられるが、これらには限定されない。結合ペアの他の適当な例としては、相補的核酸フラグメント(相補的ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含む)、プロテインA抗体、プロテインG抗体、核酸‐核酸結合タンパク質、ポリマーリンカー(例えば、ポリエチレングリコール)、またはポリヌクレオチド‐ポリヌクレオチド結合タンパク質が挙げられる。
【0019】
以下の説明において、「信号」という用語は、データを1つの場所または源から別の場所または検出器に伝える電流または電磁場を表すために用いられる。例えば、信号を検出構成成分によって発光させることができ、それにより標的分析物、例えば細胞上または細胞内の検出構成成分の存在を伝えることができる。
【0020】
以下の説明において、「ノイズ」という用語は、望ましくない信号または信号の捕捉中、伝送中、送信中、処理中、および/または変換中における信号の改変を説明するために用いられている。「ノイズ」は、非包括的であるとの明示の指定がなければ、「自己蛍光」または「バックグラウンド」を含み、ただし、「自己蛍光」または「バックグラウンド」は、「ノイズ」を含むものではない。換言すると、「自己蛍光」および「バックグラウンド」は、「ノイズ」のサブセット(部分的な集まり)である。加うるに、「ノイズ」は、別のチャネルからの検出構成成分の漏れおよび/または意図しない/望ましくない信号を含む。例えば、488nmで励起された検出構成成分は、500nmで励起された検出構成成分の発光曲線とオーバーラップする発光テールを有するのが良い。488nm検出構成成分の発光テールは、500nm検出構成成分チャネル内のノイズであると見なされる。
【0021】
以下の説明において、「基準チャネル」という用語は、隠されているにせよ表示にされているにせよいずれにせよ、ノイズおよび/または自己蛍光/バックグラウンドを捕捉するチャネルを説明するために用いられ、かかるノイズおよび/または自己蛍光/バックグラウンドは、捕捉前であるにせよ捕捉と同時であるにせよまたは捕捉後であるにせよいずれにせよ、1つ以上の検出構造成分によって提供される1つ以上の信号の1つ以上の像の収集時に存在する。
【0022】
図1Aは、蛍光顕微鏡の光路を示している。この光路は、励起光104、例えば可視、赤外(“IR”)または紫外(“UV”)スペクトルの光を放出する励起源102を含む。励起光104は、少なくとも第1の励起波長106および第2の励起波長108を含む複数の波長を有する。励起光104は、励起スペクトルセレクタ110と相互作用し、その結果、第1の励起波長106は、励起スペクトルセレクタ110を通り、第2の励起波長108は、励起スペクトルセレクタ110を通ることがないよう遮断される。次に、第1の励起波長106は、第2のフィルタ112で反射される。第2のフィルタ112は、第1の励起光106の方向を対物レンズ114に向け直す。
【0023】
対物レンズ114は、第1の励起波長106を受け取って第1の励起波長をサンプルまたはそのフラクション134上、その中、またはその近くの一点または表面のところに集束させる。第1の励起波長106は、サンプルまたはそのフラクション134上またはその中の第1の検出構成成分(図示せず)を刺激し、それにより第1の検出構成成分(図示せず)が第1の発光波長を有する第1の発光116を放出する。第1の発光116は、対物レンズ114によって捕捉され、第2のフィルタ112を通って戻され、発光スペクトルセレクタ130を通り、そして発光検出器140に至る。発光検出器140は、画像データを捕捉するための電荷結合素子(“CCD”)、CMOSカメラ、科学CMOSカメラ、フォトダイオード、光電子増倍管などであるのが良く、画像データは、次に、画像にコンパイルされ、コンピュータまたは関連ソフトウェアまたはプログラムによって処理されて分析されるのが良い。
【0024】
励起源102は、励起光104もまた放出する。しかしながら、励起光104は、いまや、励起スペクトルセレクタ110と相互作用し、その結果、第2の励起波長108は、励起スペクトルセレクタ110を通り、第1の励起波長106は、励起スペクトルセレクタ110を通らないよう遮断される。次に、第2の励起波長108は、第2のフィルタ112で反射される。第2のフィルタ112は、第2の励起光108の方向を対物レンズ114中に向ける。対物レンズ114は、第2の励起波長108を受け取って第2の励起波長をサンプルまたはそのフラクション134上、その中、またはその近くの一点または表面のところに集束させる。第2の励起波長108は、サンプルまたはそのフラクション134上またはその中の第1の検出構成成分(図示せず)を刺激し、それにより第1の検出構成成分(図示せず)が第2の発光波長を有する第2の発光118を放出する。第2の発光118は、対物レンズ114によって捕捉され、第2のフィルタ112を通って戻され、発光スペクトルセレクタ130を通り、そして発光検出器140に至る。
【0025】
説明したプロセスを任意の数の検出構成成分について任意の回数にわたって実施することができる。
【0026】
第2のフィルタ112は、各々、二色性、多色性、帯域幅、帯域除去、または任意適当なフィルタであって良い。
【0027】
サンプルまたはそのフラクション134は、ベース132上またはカバー136とベース132との間に配置されるのが良い。カバー136およびベース132は、画像化を可能にするよう光学的に明澄であるのが良い。サンプル134,カバー136、およびベース132は、サンプル134を必要に応じてx方向、y方向、またはz方向に動かすようプラットホーム128上に配置されるのが良い。プラットホーム128は、第1の励起波長106をサンプルまたはそのフラクション134内、その上、またはその近くに対物レンズ114によって集束させることができるアパーチュア138を有するのが良い。プラットホーム128は、駆動装置120によって駆動されるのが良く、駆動装置120は、サンプル134を位置決めするためにz方向駆動装置124、x方向駆動装置122、およびy方向駆動装置126のうちの少なくとも1つを含む。駆動装置120は、モータ、例えばサーボモータまたはステッピングモータ、圧電アクチュエータ、ソレノイドなどであるのが良い。
【0028】
光路は、境界光信号のSN比を増大させるよう、例えば共焦点顕微鏡に設けられたカットオフアパーチュア(図示せず)をさらに含むのが良い。
【0029】
ベース132は、ガラス、不活性金属、金、銀、アルミニウム、錫、銅、青銅、クロム、コバルト、ニッケル、パラジウム、プラチナ、マンガン、亜鉛、チタン、ニオブ、モリブテン、タングステン、または適当な半金属を含む(これらには限定されない)金属、有機物または無機物、およびプラスチック材料、例えばポリオキシメチレン(“Delrin(登録商標)”)、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(“ABS”)コポリマー、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエステル、カルボキシメチルセルロース、エーテルセルロース、エチレンビニロンアセテートコポリマー、ナイロン、ポリアセタール、ポリアセテート、ポリアクリロニトリルおよび他のニトリル樹脂、ポリアクリロニトリル‐塩化ビニルコポリマー、ポリアミド、芳香族ポリアミド(「アラミド」)、ポリアミド‐イミド、ポリアリレート、ポリアリレン酸化物、ポリアリレン硫化物、ポリアリルスルホン、ポリベンジミダゾーレ、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメタクリレート、ポレオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアロマ、ポリオキサジアゾール、ポリパラキシレン、ポリフェニレンオキシド(“PPO”)、改質PPO、ポリスチレン、ポリスルホン、フッ素含有ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルハライド、例えば、ポリ塩化ビニル‐ビニルアセテート、コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンクロリド、特殊ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエン‐スチレンコポリマーその他、およびこれらの組み合わせで構成されるのが良い。カバー136は、光学的に透明な物質で構成されるのが良い。
【0030】
図1Bは、励起源102が別々の光106,108として第1および第2の励起波長を放出することを除き、
図1Aの蛍光顕微鏡の光路とほぼ同じ蛍光顕微鏡の光路を示している。
【0031】
一実施形態では、励起スペクトルセレクタ110または発光スペクトルセレクタ130は、所与の波長を遮断しまたは通すフィルタであるのが良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ110または発光スペクトルセレクタ130は、ノッチフィルタであっても良く帯域除去フィルタであっても良くまたは帯域通過フィルタであっても良い。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ110または発光スペクトルセレクタ130は、回折格子から成る。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ110または発光スペクトルセレクタ130は、フィルタホイールから成る。一実施形態では、励起スペクトルセレクタ110または発光スペクトルセレクタ130は、フィルタまたはフィルタホイールフィルタから成り、フィルタまたはフィルタホイールフィルタは、かかるフィルタまたはフィルタホイールの傾斜角、旋回角、または調節角に基づいて所与の波長を遮断しまたは通過させるよう再角度づけ可能である(例えば、
図3Aおよび
図3Bに示されているように)。一実施例として、第1の励起波長106は、励起スペクトルセレクタ110を通過し、第2の励起波長108は、励起スペクトルセレクタ110の角度に起因してこの励起スペクトルセレクタ110を通過するのが阻止される。この場合、励起スペクトルセレクタ110を再角度づけ(θ)すると―例えば、光学的選択サブストレート130に連結されたドライバ(図示せず)によってまたは磁気的手段によって、それにより光学的選択サブストレート130を適当な方向に引き付けまたは反発させる―第1の励起波長106を遮断するとともに第2の励起波長108を通過させることができる。ドライバ(図示せず)は、モータ、例えばサーボモータまたはステッピングモータであっても良く圧電アクチュエータであっても良くソレノイドなどであっても良い。この実施例では、励起スペクトルセレクタ110について説明しているが、光学的経路は、このように限定されることはない。再角度づけ手法を発光スペクトルセレクタ130に適用するとある特定の発光周波数を遮断したり通過させたりすることができる。
【0032】
図1Cは、励起スペクトルセレクタ110が光路中に組み込まれていないことを除き、
図1Bの蛍光顕微鏡と同じ蛍光顕微鏡の光路を示す図である。
【0033】
スペクトルセレクタ
図2A~
図2Eは、フィルタ組立体200を示している。フィルタ組立体200は、ベース204およびリテーナ206を有するケース内にフィルタ202を保持している。一実施形態では、ベース204およびリテーナ206は各々、フィルタ202とベース204およびリテーナ206の他の部分との直接的な接触を阻止するようベース204およびリテーナ206からフィルタ202に向かって延びる1つ以上の突起208を有する。例えば、ベース204およびリテーナ206は各々、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上の突起216を有するのが良い。
【0034】
ベース204は、フィルタ202を受け入れるような寸法形状であるのが良い。ベース204は、光がフィルタ202まで進むことができ、フィルタ202を通ることができ、かつ/あるいはフィルタ202から進むことができるようにするベース窓210をさらに有する。ベース204は、1つ以上の軸受212をさらに有する。1つ以上の軸受212は、励起/放出光とフィルタ202との間の入射角を変化させるようフィルタ202、ベース204、およびリテーナ206の回転および/または並進を可能にする。
【0035】
リテーナ206は、ベース204内に嵌まりまたはベース204の頂部に装着するような寸法形状のものであるのが良い。リテーナ206は、光がフィルタ202まで進むことができ、フィルタ202を通ることができ、かつ/あるいはフィルタ202から進むことができるようにするリテーナ窓214をさらに有する。
【0036】
カムがフィルタ204と放出また励起光との間の入射角を変化させるようフィルタ組立体200、特にフィルタ組立体200の軸受208のうちの1つと係合するよう構成されている。このカムは、本体および本体から延びる尾部を有し、尾部は、フィルタ組立体200の1つ以上の軸受に係合する係合面を有する。カムの尾部は、任意適当な形状または形態のものであって良く、例えば、長方形、立方体状、ピラミッド形、湾曲状、フック状、角(つの)形、これらの組み合わせなどである。さらに、尾部はカムを回したときに任意他のコンポーネントに当たるのを回避するような寸法形状のものであるのが良い。一実施形態では、本体は、本体を少なくとも部分的に貫通してモータまたはコネクタと嵌合し、それによりモータとカムを隣接配置するためのボアを有する。一実施形態では、本体は、本体から外方に延びてモータまたはコネクタと嵌合し、それによりモータとカムを隣接させるための突出部を有する。一実施形態では、カムおよびモータは、単一部品である。
【0037】
一実施形態では、カム300は、
図3A~
図3Dに示されているように角のような形をしている尾部304を有する。カム300は、本体302および本体から延びる尾部304を有し、この尾部は、フィルタ組立体200の1つ以上の軸受に係合する係合面308を有する。本体302は、本体を少なくとも部分的に貫通してモータまたはコネクタと嵌合し、それによりモータとカム300を隣接して配置するためのボア310を有する。角の形は、少なくとも1つの山部306a、少なくとも1つの谷部306bおよび先端部306cを有する。一実施形態では、角形の尾部304は、本体302と第1の山部との間に位置する第1の谷部、第1の山部、第2の山部および先端部を有する。一実施形態では、角形尾部304は、本体302から直接移行する第1の山部、第1の谷部、および先端部を有する。
【0038】
図4A~
図4Dは、アダプタ400を示している。アダプタ400は、モータセグメント402およびフィルタセグメント404を有する。モータセグメント402は、モータ(図示せず)と係合し、フィルタセグメント404は、フィルタ組立体200に係合している。
【0039】
モータセグメント402は、モータスピンドルの配置のために通すことができるスピンドルボア408およびアダプタをモータに取り付けるための1つ以上の取り付けボア410を備えた本体406を有する。一実施形態では、モータセグメント402は、ある特定の点を超えるカム300の回転または運動を阻止するようモータから遠ざかる方向に突き出た停止部412をさらに有する。
【0040】
フィルタセグメント404は、第1のアーム416および第2のアーム418に隣接して配置されたスタンチョンまたは支柱414を有する。スタンチョン414は、アダプタ400内にまたはこの近くに配置されたときにフィルタ組立体上における行程限度を設定するためのストッパ428を有する。ストッパ428は、ねじ、ロッド、だぼまたは合わせピン、ポスト、ばね、オーバーハング、これらの組み合わせなどであるのが良い。
【0041】
第1のアーム416は、フィルタ組立体200の軸受212のうちの少なくとも1つを受け入れるような寸法形状の切欠き426を有する。第2のアーム418は、モータセグメント402の近くに位置するとともに/あるいはこれに隣接して配置されている。第2のアーム418は、フィルタ組立体200の軸受212のうちの少なくとも1つを受け入れるような寸法形状の切欠き420を有する。第2のカム418は、1つ以上の段部424を備えた内側フェース422をさらに有し、1つ以上の段部424は、フィルタ組立体200の最大走行距離を設定するとともに/あるいはフィルタ組立体200に設けられたばね(図示せず)によって及ぼされる張力を設定するよう内側フェース422に沿う種々の箇所に配置されている。
【0042】
図5A~
図5Dは、スペクトルセレクタ500の一実施形態を示している。スペクトルセレクタ500は、フィルタ組立体200、モータ502から延びまたはこれに隣接して配置されたカム300、およびアダプタ400を有する。スペクトルセレクタ500は、フィルタ組立体200のフィルタ202と放出/励起光との間の入射角範囲をもたらす。例えば、入射角は、0゜、1゜、2゜、3゜、4゜、5゜、6゜、7゜、8゜、9゜、10゜、11゜、12゜、15゜、20゜、25゜、30゜、40゜、45゜、50゜、60゜、70゜、75゜、80゜、85゜、または89.9゜であるのが良い。一実施形態では、入射角は、最大90゜まで(しかしながら90゜を含まない)であるのが良い。一実施形態では、入射角は、90゜未満であるのが良い。一実施形態では、入射角は、0゜~89.9゜であるのが良い。加うるに、入射角を例えば互いに異なる波長の別々の像を収集するよう第1の時点から第2の時点に変化させることができる。
【0043】
図5Eおよび
図5Fは、第1の位置にある例示のスペクトルセレクタ500を示している。
図5Gおよび
図5Hは、第2の位置にある例示のスペクトルセレクタ500を示している。フィルタ202を第1の位置から第2の位置に動かしまたは回転させるため、フィルタ組立体200の軸受212のうちの少なくとも1つに係合するカム300がカム300を一部としまたはカムが隣接して配置されているモータ502の作動に起因して回転してまたは並進する。フィルタ組立体200に向かうカム300の回転または並進により、係合面308は、フィルタ組立体200に係合し、その結果、フィルタ組立体200は、1つ以上の軸受212に沿って回転しまたは並進するようになる。フィルタ202を第2の位置から第1の位置に移動させまたは回転させるため、フィルタ組立体200の軸受212のうちの少なくとも1つに係合するカム300は、カム300を一部としまたはカム300が隣接して配置されているモータ502の作動に起因して回転してまたは並進する。フィルタ組立体200から遠ざかるカム300の回転または並進により、フィルタ組立体は、係合面308の別の部分に接触し、それによりフィルタ組立体200の高さおよび/または角度を変化させる。フィルタ組立体200は、重力によるにせよ、ばね426によって及ぼされる力によるにせよ、またはこれらの組み合わせによるにせよ、いずれにせよ、カム300に向かって回転しまたは並進する。変形例として、フィルタ組立体200から遠ざかるカム300の回転または並進により、係合面308は、フィルタ組立体200から離脱する。フィルタ組立体200は、重力に起因するにせよ、外力(例えば、ばね426によって及ぼされる外力)によるにせよ、またはこれらの組み合わせによるにせよ、いずれにせよ、カム300に向かって回転しまたは並進する。
【0044】
第1および第2の位置について説明したが、スペクトルセレクタは、多くの所望の位置を取ることができ、各位置は、異なる入射角を有する。単一のフィルタ組立体200について説明したが、複数のフィルタおよび/またはフィルタ組立体を有するフィルタホイールを用いることができる。一実施形態では、複数のフィルタ組立体は、ホイールまたは円形パターンを成して配置され、その結果、ホイールモータの回転によりフィルタ組立体が共通軸線回りに回転するようになる。フィルタ組立体の各々は、画像化のためアダプタ400内に入ることができる。次に、ホイールモータを始動させてフィルタ組立体を回転させて出し、そして別のフィルタ組立体に交換する。一実施形態では、各フィルタ組立体は、アダプタを有し、その結果、
図5A~
図5Hに示されているように、モータに固定されたアダプタが存在しないようになっている。複数のフィルタ組立体およびアダプタがホイールまたは円形パターンを成して配置され、その結果、ホイールモータの回転によりフィルタ組立体およびアダプタが共通軸線回りに回転するようになっている。アダプタは、モータに一時的に取り付けても良く、あるいはモータに近接して位置しても良く、その結果、カムは、フィルタ組立体の1つ以上の軸受に係合するようになっている。次に、ホイールモータを始動させてフィルタ組立体およびアダプタを回転させてモータから遠ざけて別のフィルタ組立体およびアダプタまたは1つ以上の追加のフィルタ組立体に交換する。一実施形態では、各追加のフィルタ組立体は、同一の帯域通過プロフィールを有するフィルタが2つとして存在しないような状態でフィルタを含む。一実施形態では、各追加のフィルタ組立体は、同一の帯域通過プロフィールを有するフィルタが少なくとも2つ存在するような状態でフィルタを含む。
【0045】
上述したように、入射角を変化させることにより、発光/励起波長の選択が可能であり、それにより例えば2つ以上の検出構成成分がオーバーラップしたスペクトルを有するときに複数の発光/励起波長にわたる様々な像を得ることができる。例えば、一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで50nm以下のスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで10nm以下のスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで1~50nmのスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで10~50nmのスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、検出構成成分は、これらのピークのところで1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、75nm、80nm、90nm、または100nmのスペクトルの差を有するのが良い。一実施形態では、連続して並ぶスペクトル(例えば、ピークのところ)相互間の差は、同一であるのが良い(例えば、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分は、10nmだけ離され、第2の検出構成成分と第3の検出構成成分は、10nmだけ離される)。一実施形態では、連続して位置するスペクトル(例えば、ピークのところ)相互間の差は、互いに異なるのが良い(例えば、第1の検出構成成分と第2の検出構成成分は、10nmだけ離され、第2の検出構成成分と第3の検出構成成分は、25nmだけ離される)。
【0046】
一特徴または一要素が本明細書において別の特徴または要素「上」に位置していると記載されている場合、これは、他の特徴または要素上に直接位置する場合があり、または介在する特徴または要素もまた存在している場合がある。これとは対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素「上に直接」位置していると記載されている場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、一特徴または一要素が別の特徴または要素に「隣接配置され」、「連結され」、「取り付けられ」、または「結合され」と記載されている場合、これは、他の特徴または要素に直接連結され、取り付けられ、もしくは結合されている場合があり、または介在する特徴または要素が存在している場合がある。これとは対照的に、特徴または要素が別の特徴または要素に「直接連結され」、「直接取り付けられ」、または「直接結合され」と記載されている場合、これは介在する特徴または要素は存在しない。一実施形態に対して説明しまたは図示しているが、説明されまたは図示されている特徴または要素は、他の実施形態に当てはまる。また、当業者であれば理解されるように、別の特徴に「隣接して」設けられている構造または特徴への言及は、この隣接の特徴とオーバーラップしまたはその下に位置する部分を有する場合がある。
【0047】
本明細書で用いられる用語法は、特定の実施形態についてのみ説明するためであり、かかる用語法は、本発明を限定するものではない。例えば、原文明細書で用いられている単数形“a”、“an”、および“the”は、別段の明示の指定がなければ、複数形をも含むものである。さらに理解されるように、“comprises”(訳文では、「~を有する」としている場合が多い)および/または“comprising”という用語は、本明細書で用いられる場合、記載した特徴、ステップ、操作、要素および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは2つ以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネントおよび/またはこれらの群の存在または追加を排除しない。本明細書で用いられている「および/または」という表現は、関連の列記したアイテムのうちの1つまたは2つ以上の任意の組み合わせおよび全ての組み合わせを含んでおり、この表現を“/”と省略表記している場合がある。
【0048】
空間的に、図形的に、または数的に関連性のある用語、例えば、「~の下に」、「~より下に」、「~の下の」、「~の上に」、「~の上の方に」、「~よりも高い」などは、本明細書においては、図面に示されているように1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を説明するために説明の便宜上用いられている場合がある。理解されるように、空間的に関連性のある用語は、図面に示された向きに加えて、使用または操作の際に異なる向きを含むことが意図されている。例えば、図示の装置、システム、または方向を逆にした場合、他の要素または特徴の「~の下の」または「~の下の方に」と記載された要素は、他の要素または特徴「の上に」向く。かくして、例示の用語「~の下に」は、上と下の向きの両方を含む場合がある。もしくは、装置が別の方向に差し向けられる場合があり(90゜または他の向きに回転され)、本明細書で用いられる空間的に関連性のある記述はそれに従って解釈される。同様に、「~の上方に」、「~の下方に」、「~に垂直の」、「~に水平の」などは、特段の指定がなければ、説明の目的で本明細書において用いられている。
【0049】
「第1」および「第2」という用語は、本明細書においては、種々の特徴/要素(ステップを含む)を説明するために用いられている場合があるが、これら特徴/要素は、別段の指定がなければ、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、一特徴/要素を別の特徴/要素から識別するために用いられている場合がある。かくして、以下に説明する第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれる場合があり、同様に、以下に説明する第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれる場合があり、このことは、本発明の教示から逸脱しない。
【0050】
原文明細書および以下の原文特許請求の範囲全体を通じて、別段の必要がなければ、“comprise”およびその語尾変化、例えば“comprises”および“comprising”は、種々のコンポーネントを方法および物品(例えば、装置および方法を含む構成物および機器)において共同して用いることができることを意味している。例えば、“comprising”という用語は、任意の記載された要素またはステップを含めることを示唆するが、任意他の要素またはステップを排除することを意味していないと理解される。
【0051】
本明細書および特許請求の範囲において、実施例に用いられるものとして、しかも別段の明示の指定がなければ全ての数は、単語の前に「約」または「ほぼ」が位置しているように読まれるべきであり、これは、この用語が明示的に現れていない場合であってもそうである。「約」または「ほぼ」という語句は、記載された値および/または位置が値および/または位置の妥当な予想範囲内にあるということを示すために大きさおよび/または位置を記載している場合に使用される場合がある。例えば、数値は、記載された値(または値の範囲)の±0.1%、記載された値(または値の範囲)の±1%、記載された値(または値の範囲)の±2%、記載された値(または値の範囲)の±5%、記載された値(または値の範囲)の±10%などの値を有する場合がある。本明細書において与えられている任意の数値はまた、別段の指定がなければ、約またはほぼその値を含むものと理解されるべきである。例えば、値「10」が示されている場合、「約10」もまた示されている。本明細書において列記された任意の数値範囲は、本明細書において包含された全ての部分範囲を含むことが意図されている。また、当業者によって適切に理解されるように、値が示されている場合、その値「以下」、「その値以上」およびこれら値相互間の考えられる範囲もまた示されていることは言うまでもない。例えば、値「X」が示されている場合、「X以下」、ならびに「X以上」(例えば、Xは数値である)もまた示されている。また、本願全体を通じて、データが多くの互いに異なるフォーマットで提供されており、このデータが終点および始点ならびにデータ点の任意の組み合わせによる範囲を表している。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点「15」が示されている場合、10超、10以上、10未満、10以下、10に等しい、ならびに15超、15以上、15未満、15以下、15に等しいが開示されているとともに10~15とみなされることは言うまでもない。また、2つの特定の単位相互間の各単位もまた開示されていることは言うまでもない。例えば、10および15が示されている場合、11、12、13,14もまた示されている。
【0052】
種々の例示の実施形態を上述したが、多くの変更のうちの任意のものを特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、種々の実施形態に対して行うことができる。例えば、種々の説明した方法ステップを実施する順序を変形実施形態では変更する場合が多くあり、他の変形実施形態では、1つまたは2つ以上の方法ステップが全て省かれる場合がある。種々の装置およびシステム実施形態のオプションとしての特徴が含まれている実施形態もあれば、含まれていない実施形態もある。したがって、上記説明は、主として、例示目的であり、本発明の範囲が特許請求の範囲に記載されているかのように本発明の範囲を限定するものと解されるべきではない。
【0053】
本明細書に含まれる実施例および例は、例示のためであって限定する目的ではなく、本発明の主題を実施する特定の実施形態を示している。上述したように、他の実施形態を利用するとともに特定の実施形態から導き出すことができ、その結果、構造上および論理上の置換および変更を本発明の範囲から逸脱することなく実施できる。単に便宜上であって本発明の範囲を任意の単一の本発明または本発明の技術的思想に自発的に制限することを意図せず、事実、2以上が開示されている場合、本発明の主題のかかる実施形態を本明細書では個々にまたはひとまとめに「本発明」という表現によって言及する場合がある。かくして、特定の実施形態を本明細書において図示するとともに説明したが、同一の目的を達成するよう工夫された構成を図示の特定の実施形態に代えて用いることができる。本開示内容は、種々の実施形態の任意かつ全ての改造例または変形例を含むものである。上述の実施形態、および本明細書において具体的に説明した他の実施形態の組み合わせは、上述の説明を検討すると、当業者には明らかになろう。
【0054】
上記説明は、例示目的で、本発明の徹底的な理解を提供するよう特定の用語体系を用いた。しかしながら、当業者には明らかなように、特定の細部は、本明細書において説明したシステムおよび方法を実施するために必要とされるわけではない。特定の実施形態の上述の説明は、図示および説明の目的のために例示的に提供されている。上記説明は、本開示内容が全てでありまたは本開示内容を説明した形態そのものに限定することを意図していない。多くの改造および変形が上記教示を考慮して可能である。実施形態は、本開示内容の原理および実用的な利用可能性を最もよく説明し、それにより当業者が本開示内容および意図した特定の用途に合った種々の変更を加えた種々の実施形態を最適利用することができるようにするために図示されるとともに説明されている。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の記載およびその均等範囲によって定められる。
【国際調査報告】