(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】電子機器ケース、および、電子機器ケースと共に用いられる化粧品アプリケータ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20220912BHJP
A45D 33/00 20060101ALI20220912BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
A45C11/00 E
A45D33/00 625A
A45D33/00 625B
H04M1/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502042
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2020069259
(87)【国際公開番号】W WO2021005113
(87)【国際公開日】2021-01-14
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522012949
【氏名又は名称】パウト ケース リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【氏名又は名称】岸本 達人
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【氏名又は名称】山本 典輝
(72)【発明者】
【氏名】チョディエバ,ナフィッサ
【テーマコード(参考)】
3B045
5K023
【Fターム(参考)】
3B045BA26
3B045CE07
3B045DA22
3B045FC06
5K023AA07
5K023DD06
5K023LL06
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP02
5K023PP05
5K023PP12
(57)【要約】
本開示は、電子機器ケースの第1面側に電子機器を保持するハウジング(14)と;前記ケースの反対面側に、前記ハウジングから摺動して格納可能に設けられた、摺動可能な引き出しであって、前記引き出しは、化粧品を保管するための、前記引き出しの内側面と磁気的に相互作用するように配置された、着脱自在であり、選択可能なトレー(30)を含有する引き出しと;前記引き出し内に配置された化粧品アプリケータ(12)であって、前記化粧品アプリケータは、前記ブラシが前記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定でき、かつ、利用者によってつかまれた際には放出できるように、前記引き出しの内側面と磁気的に相互作用するように配置された化粧品アプリケータと、を有する電子機器ケースを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器ケースの第1面側に電子機器を保持するハウジングと;
前記ケースの反対面側に、前記ハウジングから摺動して格納可能に設けられた引き出しであって、着脱自在に配置され、前記引き出しの表面と磁気的に相互作用するように配置された、化粧品を保管するためのトレーまたはトレー・アセンブリを有する引き出しと;
前記引き出し内に配置された化粧品アプリケータであって、前記アプリケータを前記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定でき、かつ、利用者によってつかまれた際には放出できるように、前記引き出しの表面と磁気的に相互作用するように配置された化粧品アプリケータと、
を有する電子機器ケース。
【請求項2】
前記ハウジングが、携帯電話を受け入れる大きさである、請求項1に記載の電子機器ケース。
【請求項3】
前記ハウジングが、スマートフォンを受け入れる大きさである、請求項2に記載の電子機器ケース。
【請求項4】
利用者によってつかまれた際には放出できるように、前記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定されたブラシを有する、請求項1または請求項2に記載の電子機器ケース。
【請求項5】
化粧品保持トレー、または、トレー・アセンブリ、または、アプリケータ・アセンブリとかみ合う前記引き出しの領域の大部分を覆うように配置された磁性シートを有する、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項6】
前記ブラシが金属製であり、前記磁性シートに磁気的に引き付けられるように配置されている、請求項5に記載の電子機器ケース。
【請求項7】
略円筒形であり、利用者によってつかまれた際には放出できるように、前記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定されるように配置されたブラシスリーブを有する、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項8】
前記スリーブがその内部に、伸縮自在に伸長する、1つ以上のブラシ要素を有する、請求項7に記載の電子機器ケース。
【請求項9】
前記スリーブが金属であり、前記ハウジング内の磁性シートに磁気的に引き付けられるように配置されている、請求項7に記載の電子機器ケース。
【請求項10】
前記引き出しが、開く量を制限し、前記ハウジングからの前記引き出しの、望まれない離脱のリスクを低減するための止め具を有する、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の電子機器ケース。
【請求項11】
少なくとも1つの磁界強度の高い領域と、少なくとも1つの磁界強度の低い領域とを規定するように、生じる磁界の強度が磁性材料のシートの全体に渡って変化する、請求項8に記載の電子機器ケース。
【請求項12】
前記磁性シートの中心の領域が、端の領域よりも、生じる磁界が強い、請求項11に記載の電子機器ケース。
【請求項13】
前記磁性シートが、前記シート上に、または前記シート内に一体的に配置された多数の個別の磁石を有する非磁性材料のシートである、請求項8に記載の電子機器ケース。
【請求項14】
請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載の電子機器ケースと共に用いられる化粧品アプリケータ・アセンブリであって、
略円筒形であり、前記電子機器ケースの前記磁性シートを引き付けるために金属で構成されているハウジングを有する、化粧品アプリケータ・アセンブリ。
【請求項15】
前記アプリケータがブラシである、請求項14に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項16】
前記アプリケータが、前記略円筒形ハウジング内に、伸縮自在に配置されたブラシを有する、請求項14または請求項15に記載の化粧品アプリケータ。
【請求項17】
電子機器ケースの第1面側に電子機器を保持し、前記電子機器ケースの背面を規定する後壁を有するハウジングと;
前記後壁に設けられたコネクタと;
前記ケースの前記後壁上の前記コネクタに、放出可能に取り付けられた化粧品ケースと、
を有する電子機器ケース。
【請求項18】
前記化粧品ケースが、外側ハウジングと;前記外側ハウジングから摺動して格納可能な引き出しであって、化粧品を保管するための、前記引き出しの内側面と磁気的に相互作用するように配置された、着脱自在であり、選択可能なトレーまたはトレー・アセンブリを有する引き出しと、を有する、請求項17に記載の電子機器ケース。
【請求項19】
前記化粧品ケースは、前記引き出し内に配置された化粧品アプリケータを有し、前記化粧品アプリケータは、前記アプリケータが前記引き出し内の適切な位置に着脱自在に固定され、利用者によってつかまれた際には放出できるように、前記引き出しの内側面と磁気的に相互作用するように配置されている、請求項17に記載の電子機器ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器ケース、および、電子機器ケースと共に用いられる化粧品アプリケータ・アセンブリに関する。特定の実施態様において本開示は、携帯電話ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンケース内に化粧料(以下、「化粧品」という)を備えることが知られている。これは、今日では、ほとんどの場合、人々は外出時に携帯電話を持っているため、自分の化粧品を持っていることを確実にするための便利な方法を利用者に提供する。
【0003】
スマートフォンケース内に、何らかの形態の化粧品コンパートメントを設けることを記載する多くの出願が存在する。例えば、国際公開第2017/055、840号;米国特許第8、602、039号;米国特許出願公開第2011/089、078号;米国特許出願公開第2018/344、004号;米国特許出願公開第2014/144、796号;および米国特許出願公開第2018/069、585号が挙げられる。国際公開第2017/055、840号に開示されている電話ケースはうまく機能するが、上記に列挙した全ての出願の機器の改良が望まれている。
【0004】
図1および
図2は、国際公開第2017/055、840号に記載された化粧品コンパートメントを有するスマートフォンケースの図を示す。国際公開第2017/055、840号に見られ、記載されているように、スマートフォンケース1は弾力性のある側壁2および後壁3を有し、カメラおよびコントロール開口4を備えている。カメラ開口の下方に向かって、側壁はケースの厚くなる部分に滑らかにならされ、ケースの側面に沿って内向きのガイドとリブとを有する。上記ガイドは、カメラから離れた端ではない、メインカメラ開口の近くに、リブのない同様な構成7によって左右に接合されている。
【0005】
さらなる後壁9、周壁10および前方に向いているレセプタクル11を有するコンパートメント8が設けられている。上記コンパートメント8の側部の周壁は、リブを補完する溝を有し、それによってコンパートメントは、側壁2の範囲内でのみ伸長するように滑り込むことができ、または、コンパートメントを露出させるように滑り出ることができる。この構成では、
図1および
図2に示すように、「セルフィー」モードのスマートフォンカメラを鏡として用いながら、利用者が化粧品を塗布することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一形態によれば、電子機器ケースの第1面側に電子機器を保持するハウジングと;上記ケースの反対面側に、上記ハウジングから摺動して格納可能に設けられた摺動可能な引き出しであって、内側面など、上記引き出しの表面と磁気的に相互作用するように配置された、着脱自在であり、選択可能な、化粧品を保管するためのトレーを有する引き出しと;上記引き出し内に配置された化粧品アプリケータであって、ブラシを上記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定でき、かつ、利用者によってつかまれた際には放出できるように、内側面など、上記引き出しの表面と磁気的に相互作用するように配置された化粧品アプリケータと、を有する電子機器ケースを提供する。
【0007】
一実施態様においては、上記ハウジングが、携帯電話を受け入れる大きさである。
【0008】
一実施態様においては、上記ハウジングが、スマートフォンを受け入れる大きさである。
【0009】
一実施態様において上記電子機器ケースは、利用者によってつかまれた際には放出できるように、上記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定されたブラシを有する。
【0010】
一実施態様においては、上記ブラシが磁性材料から形成される。一実施態様においては、上記ブラスはステンレススチールなどの金属製であり、その内部に配置された、上記ブラシが組み合わせユニットとして磁性を有することを確実にする、1つ以上の永久磁石を有する。
【0011】
一実施態様においては、上記ブラシが金属製であり、上記ハウジング内に設けられた磁石に磁気的に引き付けられるように配置されている。
【0012】
一実施態様において上記電子機器ケースは、略円筒形であり、利用者によってつかまれた際には放出できるように、前記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定されるように配置されたブラシスリーブを有する。
【0013】
一実施態様において上記電子機器ケースは、化粧品保持トレー、または、および、アプリケータ・アセンブリとかみ合う上記引き出しの領域の大部分を覆うように配置された磁性シートを有する。
【0014】
一実施態様においては、上記ブラシスリーブが金属であり、上記ハウジング内の磁性シートに磁気的に引き付けられるように配置されている。
【0015】
一実施態様においては、上記引き出しが、開く量を制限し、上記ハウジングからの引き出しの、望まれない離脱のリスクを低減するための止め具を有する。
【0016】
一実施態様においては、少なくとも1つの磁界強度の高い領域と、少なくとも1つの磁界強度の低い領域とを規定するように、磁界の強度が変化する。
【0017】
一実施態様においては、上記シートの中心の領域が、端よりも、磁石が強い。
【0018】
一実施態様においては、上記シートが、上記シート内に一体的に配置された多数の個別の磁石を含有する非磁性材料のシートである。
【0019】
本開示の第二形態によれば、本開示の第一形態の電子機器ケースと共に用いられる化粧品アプリケータ・アセンブリであって、略円筒形であり、上記電子機器ケースの上記磁性シートを引き付けるために金属で構成されているハウジングを有する、化粧品アプリケータ・アセンブリを提供する。
【0020】
一実施態様においては、上記アプリケータがブラシである。好ましい実施態様においては、上記アプリケータは、両端にフィラメントと、中央に保持するためのハンドルとを有するブラシである。
【0021】
一実施態様においては、上記アプリケータが、上記略円筒形ハウジング内に、伸縮自在に配置されたブラシを有する。
【0022】
本開示の第三形態によれば、電子機器ケースの第1面側に電子機器を保持し、上記電子機器ケースの背面を規定する後壁を有するハウジングと;上記後壁上に設けられたコネクタと;上記ケースの上記後壁上の上記コネクタに、放出可能に取り付けられた化粧品ケースと、を有する電子機器ケースを提供する。
【0023】
一実施態様においては、上記化粧品ケースが、外側ハウジングと;上記外側ハウジングから摺動して格納可能な引き出しであって、化粧品を保管するための、上記引き出しの内側面と磁気的に相互作用するように配置された、着脱自在であり、選択可能なトレーを有する引き出しと、を有する。
【0024】
一実施態様においては、上記化粧品ケースは、上記引き出し内に配置された化粧品アプリケータを有し、上記化粧品アプリケータは、上記アプリケータが上記引き出し内の適切な位置に着脱自在に固定され、利用者によってつかまれた際には放出できるように、上記引き出しの内側面と磁気的に相互作用するように配置されている。
【0025】
本開示のさらなる形態よれば、電子機器ケースの第1面側に電子機器を保持するハウジングと;
上記ケースの反対面側に、上記ハウジングから摺動して格納可能に設けられた引き出しであって、着脱自在に配置され、上記引き出しの内側表面と磁気的に相互作用するように配置された、化粧品を保管するためのトレーまたはトレー・アセンブリを有する引き出しと;
上記引き出し内に配置された化粧品アプリケータであって、上記ブラシが上記引き出し内の適切な位置に、着脱自在に固定でき、かつ、利用者によってつかまれた際には放出できるように、上記引き出しの面と磁気的に相互作用するように配置された化粧品アプリケータと、を有する電子機器ケースであって、上記引き出しが磁性材料のシートを有し、少なくとも1つの磁界強度の高い領域と、少なくとも1つの磁界強度の低い領域とを規定するように、生じる磁界の強度が磁性材料のシートの全体に渡って変化する、電子機器ケースを提供する。
【0026】
一例においては、ブラシなどのアプリケータが保管されることが期待される、磁性シートの領域における高透磁率の材料の細長い一片を提供することにより、これは達成される。これは、上記高透磁率材料が設けられていない、上記磁性シートの他の部分に比べ、上記アプリケータによって経験された磁界が低減されることを意味する。
【0027】
一実施態様においては、上記シートがステンレススチールなどの金属製であり、その内部に配置された、上記シートが組み合わせユニットとして磁性を有することを確実にする、1つ以上の永久磁石を有する。磁界強度の高い領域においては、単位領域当たりの永久磁石の濃度がより高くてもよい。上記永久磁石は小さいことが好ましく、直径がおよそ0.5~3mm、好ましくは直径1~2mmである。上記磁石は、丸、楕円、長方形、正方形、ひし形、台形などの任意の適切な形状を取りうる。1平方センチメートル当たりの磁石の密度は、上記シートのいかなる特定の領域において所望の磁界強度を達成するために変化される。言い換えると、使用中にアプリケータが保管される領域に比べ、例えば平方センチメートルなどの単位面積当たりのより高い密度は、トレーが配置される領域に設けられてもよい。一例においては、上記磁性シートの形成には、磁性粉または磁性粒子が用いられる。磁性層のシート、または、シート全体自体を形成するために、非磁性材料が上記磁性粉と混合されてもよく、上記磁性層またはシートにおける磁性粉の相対濃度は、上記シート全体に渡って磁界強度を変化させることの所望される効果を達成できるように、上記シートの領域に渡って変化させる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の実施態様を、添付の図面を参照して詳細に説明する:
【
図1】
図1は、化粧品コンパートメントを有するスマートフォンケースの例を示す。
【
図2】
図2は、化粧品コンパートメントを有するスマートフォンケースの例を示す。
【
図3】
図3は、化粧品コンパートメントを有するスマートフォンケースの概略分解組立図を示す。
【
図4】
図4は、
図3のアセンブリの電話ケース・シェルの図を示す。
【
図5】
図5は、
図3のアセンブリのトレー部品の概略図を示す。
【
図6】
図6は、
図3のアセンブリのトレー部品の概略図を示す。
【
図7】
図7は、さらなる形態に係るスマートフォン・アセンブリの概略分解組立表現図を示す。
【
図8】
図8は、
図7のアセンブリにおいて用いられる、再構成可能なトレー・アセンブリの概略を示す。
【
図13】
図13は、
図7に係るアセンブリの、取り外された化粧品ケース・ハウジングを示す。
【
図14】
図14は、別の再構成可能なトレー・アセンブリを示す。
【
図15】
図15は、別の再構成可能なトレー・アセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図3は、スマートフォン・ケース・アセンブリの分解組立図を示す。上記スマートフォン・ケース・アセンブリは、スマートフォン・ケース14と、化粧品アセンブリ18との両方を有する。上記スマートフォン・ケース・アセンブリは、外側背板17と共に、電話ケース・シェル15a、および、ライニング15bを有する。上記スマートフォン・ケース・アセンブリの上記外側背板17は、使用時には外側後部21によって覆われる後開口部19を有する。上記外側後部21は、電話ケース・シェル15の後表面と共に、化粧品アセンブリ18を収納する。以下により詳細に記載されるように、利用者による便利な使用および相互作用を提供するために、化粧品アセンブリ18内に適合するようにサイズ決定および配置された、ブラシの形態のアプリケータ・アセンブリ12が設けられている。
【0030】
一般に、スマートフォン・ケース・アセンブリは全体的な外囲器を有し、携帯スマートフォンおよび化粧品アセンブリ18を受け入れるような大きさおよび配置のスマートフォン・ケース14を有する。上記化粧品アセンブリ18は、化粧品と、化粧品を保持するためのトレー(当技術分野では「ゴデット」と呼ばれることもある)などの様々な構成部品と、を収納する役割を果たす。化粧品アセンブリ18内には磁性シート20が設けられており、その機能については以下により詳細に説明する。
【0031】
重要なことに、内側トレー22には、使用時に化粧品アセンブリ18と、アプリケータ・ブラシ12の両方を受け入れる大きさの開口部24が設けられている。これは、内側トレー22内で、利用者が所望する化粧品要素26を有するトレーと、ブラシまたはアプリケータ・アセンブリ12との両方を保管できることを意味する。
【0032】
アプリケータまたはブラシ・アセンブリ12は使用時に、磁性シート20に引き付けられ、磁気的にかみ合うような材料から作られる。アプリケータまたはブラシ・アセンブリ12は、略円筒形であり、および/または、磁石または何らかの他の磁性材料に引き付けられる金属材料から作製される、外側ハウジングまたはスリーブ28を備えてもよい。
【0033】
化粧品アセンブリ18は、上部および下部のそれぞれのトレー・ホルダ32および34と共に、金属製トレー30を有する。
【0034】
磁性シートは開口部24内に配置され、トレー30との磁気的な相互作用を介して、トレーが化粧品アセンブリ・ハウジング内の適切な位置に、具体的にはトレー20内の開口部24内に着脱自在に固着されることを確実にする。磁気的な相互作用の性質は、利用者が化粧品ケース内に保管された特定のトレーを、所望のように、容易に、かつ再構成可能に変更することができることを意味する。さらに、開口部24内に配置されたブラシまたはアプリケータ・アセンブリ12は、利用者にとって常に容易にアクセス可能である。磁性シートおよび金属トレーおよびアプリケータを設ける代わりに(または、設けると共に)、そのような金属シートを設けることができ、トレーおよびブラシを磁性材料で形成してもよいことが理解されるのであろう。
【0035】
図4は、
図3のシェル15a、ライニング15b、および、背板17によって構成される電話ケース・シェルの図(反対側の側面図、背面図、および底面図)を示す。図から分かるように、スマートフォン・ケース内には、ケースから電話機を取り外すことなく、利用者によってカメラおよび電話制御部にアクセスすることを可能にする、通常の開口部が設けられている。さらに、ケース・シェルは、化粧品コンパートメントを収納するための領域36を規定するように成形される。領域36は、使用中の化粧品アセンブリ18が配置される容積を規定する、一段高い面取り縁部37を有している。レール38(または溝)は、化粧品引き出し上のガイド(またはレール)とかみ合うように設けられ、電話ケース・シェルから化粧品引き出しが、摺動可能に格納されることを可能にする。
【0036】
図5および
図6を参照すると、トレーまたは化粧品アセンブリ18の一例が示されている。
図5は上部トレー・ホルダ44を有し、
図6は下部トレー・ホルダ46を示す。図から分かるように側面溝48および49は、下部および上部のそれぞれのトレー・ホルダに設けられ、これらのトレー・ホルダは一緒になって、化粧品アセンブリ18のレール38とかみ合うための溝を規定している。これは、スマートフォン・シェル14に対する摺動可能なかみ合いを可能にする。
【0037】
摺動可能な引き出しは、ハウジング・アセンブリから格納可能であり、トレーを保管するための磁石の配置は、利用者の好みおよび所望に応じた、化粧品の変更可能な選択を可能にする。一実施態様においては、止め具59(
図3および
図7参照)を設けて、引き出しの動きを制限し、不注意にケースから完全に外れることを防止することができる。これは、ばね付勢された突起など、または他の同等の構成部品でもよい。
【0038】
重要なことは、化粧品ケース内のブラシ28の形態の化粧品アプリケータ12を設け、ケース(すなわち、その中の磁性シート20)と磁気的に相互作用するように配置することにより、化粧品を有するが、それを塗布する手段がないという状況に利用者が陥る可能性を低くすることを保証することである。さらに、上記磁気的なかみ合いは、利用者が異なる形態のアプリケータを必要とするとき、または既存のアプリケータが壊れているか、または摩耗しているために単にアプリケータを交換したいだけのときにも、アプリケータを異なるアプリケータに交換できることを保証する。ケース内でのアプリケータとシートとの磁気的なかみ合いは、紛失したり、誤って置かれたりしにくくなることを保証する。
【0039】
磁性シートは、任意の適した磁性材料から形成されてもよく、使用時に必要なときにブラシを取り外すことが困難であるほど強固な連結を形成することなく、トレー30と、ブラシ・アセンブリ12とのかみ合いのために充分な磁力を提供できるように選択される。
【0040】
一例において磁性シート20は、シートが加えることができる磁力が、シート20の表面領域の全体にわたって一定かつ均一であるように、均一な磁性材料で形成されてもよい。別の例において磁性シートは、上記シートの異なる部分が、それぞれの構成部品に対する異なる強度の保持力を提供するように、その表面領域にわたって可変の磁界強度を有するように提供されてもよい。それは、より強い磁力がトレー30を適した位置に保持するために使用され得る一方で、より弱く、より容易に打ち勝てる力がアプリケータ・アセンブリ12を保持するために使用され得ることを意味するため、これは本明細書に記載されるような化粧品ケースの場合に特に望ましい。
【0041】
この可変性を達成するための1つの便利で容易な方法は、アプリケータ12が保管されることが期待される磁性シートの領域に配置された、細長い一片の高透磁率の材料を提供することによる。これは、高透磁率材料が設けられていない磁性シートの他の部分と比較して、アプリケータ・アセンブリ12が受ける磁場が減少することを意味する。
【0042】
一例において上記シートは、ステンレススチールなどの金属で形成され、その内部または一側面(典型的には、トレーおよびアプリケータとかみ合う側とは反対側)に配置された、上記シートが組み合わせユニットとして磁性を有することを確実にする、1つ以上の永久磁石を有する。磁界強度のより高い領域は、単位領域当たりの永久磁石の濃度がより高くてもよい。上記永久磁石は小さいことが好ましく、直径がおよそ0.5~3mm、好ましくは直径1~2mmである。上記磁石は、丸、楕円、長方形、正方形、ひし形、台形などの任意の適切な形状を取りうる。1平方センチメートル当たりの磁石の密度は、上記シートのいかなる特定の領域における所望の磁界強度を達成するために変化される。言い換えると、使用中にアプリケータが保管される領域に比べ、例えば平方センチメートルなどの単位面積当たりのより高い密度は、トレーが配置される領域に設けられてもよい。
【0043】
一例において上記磁性シートは、非磁性層と個別の磁石との組合せが磁性シートを規定できるように、層上に、または層内に一体的に配置された多数の個別の磁石をとともに、例えばプラスチック、または、ポリマーのような非磁性材料の層を有していてもよい。
【0044】
一例においては、磁界強度のより低い領域が片側に設けられ、磁性シートの長さ、すなわち、携帯電話の縦軸にほぼ平行な長さにわたって伸長し、その結果、アプリケータまたはブラシを片側に容易に保管することができる。別の例では、磁界強度のより低い領域が、シートを横切って伸長する、すなわち携帯電話の横軸にほぼ平行な、シートの上部または下部に設けられる。磁界強度のより低い領域はこれらの領域のいずれかまたは両方に(引き出しに沿って、または、引き出しを横切って)提供されてもよく、利用者に、アプリケータを保管するための場所の選択肢を提供する。
【0045】
図7は、第2の実施態様の概略分解組立図を示す。いくつかの構成部品は、
図3を参照して上述したものと同様に設けられるが、実施態様間にはいくつかの有意な差異がある。
【0046】
図7を参照すると、多数の個々のトレー・フレーム52と化粧品トレー54とから構成されるトレー・アセンブリ50が設けられている。この場合も、アプリケータ56が、化粧品ハウジング58内に配置されるよう、設けられている。トレー・フレーム52は例えば、
図5および
図6に例示されるように、所定のアレイ内とは対照的に、個々の構成部品として設けられる。これにより利用者は、化粧品およびトレーの所望の配置または構成を収容するように、化粧品トレー58を選択的に構成することができる。
【0047】
図3に関連して上述したように、磁性シート60が設けられており、これは、トレーまたは金属トレー55と、磁性シートとの間の磁気的な相互作用を提供するのに役立ち、これにより、トレー55が化粧品ハウジング58内に着脱自在に固定されたままであることを保証する。この実施態様の重要な特徴は、化粧品トレー54と磁性シート60との間の磁気的な相互作用のおかげで、利用者が必要に応じてトレーを摺動させて、個々の化粧品トレーおよびその化粧品の位置を、所望のときに変化させることができるところにある。
【0048】
上述のように、シートによって提供される磁力は、シートの表面領域全体にわたって均一であることが好ましいが、いくつかの実施態様においては、例えば、アプリケータ56をトレー50よりもハウジングからより容易に取り外すことができるように、変化を設けることもできる。一実施態様においては、磁性シートの異なる領域が、変更される可能性が低い化粧品トレーを保管する領域に、磁界強度がより高い1つの領域と、変更される可能性がより高い化粧品トレーを保管する領域に、磁界強度がより低い1つの領域と、を規定するように配置される。当業者であれば、これは、必要に応じて、または設計による所望に応じて設定することができることを理解するのであろう。
【0049】
図8は、
図7に示され、
図7を参照して上述したトレーおよび化粧品トレー・アセンブリの分解組立図を示す。図示されているように金属製のトレー55は、化粧品54を収容するように配置され、トレー・フレーム52内に収容されている。
【0050】
図8に示されるトレーの任意の個々のトレー、または、選択されたトレーは、他のトレーが保持されたまま、取り外すことができることが理解される。
【0051】
図9は、ケース・ハウジング59から摺動されたトレー58を有するアセンブリの概略図を示す。磁性シート60は、化粧品トレーおよびアプリケータ(ブラシ)56と同様に見える。
【0052】
この実施態様によって提供されるさらなる重要な特徴は、化粧品トレーの再構成可能性および個々の性質と共に、または、それとは独立して、外側電話ハウジングから摺動可能な化粧品トレー・アセンブリの完全な着脱自在性に関する。
【0053】
図9を参照すると、図から分かるように、ロック機構62が設けられている。この非限定的な例においては、ロック機構が、携帯電話ケースのハウジングの背面に適切な開口部64にかみ合うように配置された回転可能な十字型の形態である。
【0054】
図10を参照すると、電話ケース・シェルは十字型の開口部66を有し、ケースが接続されたときに、化粧品ケースの十字型62がこの開口部を通って挿入されるように配置されていることが示されている。十字型の開口部66は、ケース背壁の平面表面65の上方に突出する円形突起部67の内部に形成されている。
図11は電話ケース・シェルと共に組み立てられた際に、上記突起部を取り囲む形状の開口部82を有するアセンブリのオーバーモールド80を示す。
【0055】
図12は、化粧品ケースの構成部品の図である。十字型のロック部材76が、化粧品ケースの外側表面68上に設けられている。電話ケース・アセンブリに接続されている場合、上記表面68は上記電話ケース自身の背面と同一平面に位置する。電話ケース・シェル内の十字型の開口部66は、上記シェルの軸に対して特定の方法で構成される。十字型のロック部材66は、化粧品ケースおよび電話ケースが位置合わせされると、十字型の開口部および十字型のロック部材76の間の相互作用によって、2つが互いにロックされるように、例えば45度十字型の開口部と位相がずれるように、ケースの外側表面68上に設けられる。2つを互いにロックするために、上記十字型のロック部材76は、開口部66と位置合わせされている。次いで、それに押し付けられ、次いで、化粧品ケースは、電話ケースに対して45度回転され、同時に、2つが互いにプレスされる。次いで、これら2つは、互いにロックされ、事実上、一体化された単一の(しかし、所望される場合には分離可能である)構成を規定する。
【0056】
化粧品アセンブリ18が携帯電話ケース自体に固定されていないときに、利用者が化粧品を塗布することができるように配置された鏡70が設けられている。言い換えれば、
図12および
図13に示すアセンブリは、利用者が自分の携帯電話ケースに接続するか否かを選択することができる、独立した化粧品ケースである。
【0057】
再度
図13を参照すると、着脱自在な化粧品ケースは、上述したロック部材66とかみ合う表面68を有する。鏡70が設けられており、この例においては、表面68上の凹部領域72内に配置されている。
図9に示すように、携帯電話ケースと一緒に組み立てられると、化粧品ケースの外側部分として機能する外側ケース74が設けられている。
【0058】
この例においても、化粧品ケースは、外側ハウジング74の内外に摺動するように配置された摺動可能な引き出し76を備えている。ロックラッチ部材78が設けられており、これは引き出し79を閉鎖構成にロックするように機能する。
【0059】
図7~
図13に関連して上述したように、磁性シート60が引き出し内に設けられており、すでに上述したように、個々の化粧品トレーの選択的な再構成を可能にする。
【0060】
したがって、
図13の化粧品ケースが携帯電話ケースの外側ハウジングに接続されていない場合、携帯電話ケースは、ほとんどの点で、単に周知の携帯電話用の保護外側ハウジングであるように見えることが理解されるであろう。しかしながら、様々な開口部を設けることにより、
図13の化粧品ケースを、選択的かつ再構成可能に携帯電話ケースに接続すること、または携帯電話ケースから切り離すことが可能になり、したがって、アセンブリ全体が規定される。十字型の開口部および十字型の部材の形態のロック部材は、化粧品ケースを携帯電話ケースに容易かつ確実に接続する方法を提供するので、この例において特に有用である。さらに、相互作用する構成部材(開口部66およびロック部材76)の十字型により、2つのケースのロックを確実にする方法が提供され、この2つがロックされたときの位置合わせも可能となる。ロックシステムの他の例も使用することができる。
【0061】
図14および
図15は、その他の再構成可能なトレー・アセンブリを示す。この例においては、フルサイズのトレー86およびハーフサイズのトレー88の両方を有するトレー・アセンブリが示されている。一般的な構造は同じであり、両者はサイズのみが異なるため、以下の説明はフルサイズのトレー86に関連するが、他のサイズのトレーにも同様に適用されることが理解されるのであろう。
【0062】
トレー・アセンブリ86は、片側に沿って開口部90を有するフレーム88を有する。使用時には、トレー92が化粧品94で満たされ、その後、側面の開口部90を通してフレーム88内へ摺動させることができる。フレーム内に入ると、適切な大きさの磁性シート96が、トレー92の背面に接着される。シート96は、フレーム88の長方形の寸法内に収まるように寸法決めされる。言い換えれば、フレーム88の背面98上の開口部は、磁性シート96を受け入れるような大きさとされている。磁性シートの厚さは、フレーム88内の開口部90の一方の側を規定する側部材100の厚さに対応させることができる。したがって、磁性シート96は、フレーム88の後方平面と同一平面上に位置する。
【0063】
図15を参照すると、2つのフルサイズのトレー・アセンブリ86と、2つのハーフサイズのトレー・アセンブリ88が設けられており、図示のように、引き出し102内に配置されるように示されている。磁性シート104が引き出し内に設けられ、使用時には、トレー・アセンブリ86および88の背面に設けられた磁性シートを引き付け、引き出し102内に固定されたトレー・アセンブリおよび磁性シート104との間のかなり頑丈で硬い磁気的なかみ合いを確実にする。ブラシ106は、利用者が必要なときに引き出しからブラシを容易に取り外すことができるように、磁性シート104と磁気的に相互作用するように設けられる。使用に際して、各トレーおよびトレー・アセンブリは上述したように、トレーまたはトレー・アセンブリおよび引き出し自身の間の磁気的な相互作用によって、引き出し内の適切な位置に着脱自在に固定される。
【0064】
本開示の実施態様は、図示された例を特に参照して説明されてきた。しかしながら、本開示の範囲内で、記載された例に対する変更および改良がなされてもよいことが理解されるのであろう。
【国際調査報告】