(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】医療システム、デバイス、および関連の方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/01 20060101AFI20220912BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
A61B1/01 511
A61M25/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502195
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2020041298
(87)【国際公開番号】W WO2021011273
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ルバスール、エイミー
(72)【発明者】
【氏名】バルバート、ルイス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アブナー、ウィリアム ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161DD03
4C161FF11
4C161GG22
4C161JJ11
4C267AA05
(57)【要約】
医療システム(10)は、ハンドル(22)、少なくとも1つのルーメンを有する挿入部分(24)、ルーメンに流体結合されたポート(38)、および接続部分(18)を含む挿入デバイス(12)を含む。医療システムは、ハンドル(50)、挿入部分(52)、および挿入デバイスの接続部分に結合されるように構成された接続部分(20)を含む医療デバイス(14)をも含む。医療デバイスの接続部分は、挿入デバイスと医療デバイスとの間に電子的および物理的接続を形成するように挿入デバイスの接続部分に結合されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル、少なくとも1つのルーメンを有する挿入部分、前記ルーメンに流体結合されたポート、および接続部分を含む挿入デバイスと、
ハンドル、挿入部分、および前記挿入デバイスの前記接続部分に結合されるように構成された接続部分を含む医療デバイスとを備え、
前記医療デバイスの前記接続部分は、前記挿入デバイスと前記医療デバイスとの間に電子的および物理的接続を形成するように前記挿入デバイスの前記接続部分に結合されるように構成される、医療システム。
【請求項2】
前記医療デバイスの前記挿入部分は、前記ポートを通るとともに前記ルーメンを通って前記挿入デバイスの前記挿入部分内に挿入されるように構成される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記挿入デバイスの前記接続部分は、凹状ポートと、前記凹状ポートを可動に覆うための1つまたは複数のドアとを含む、請求項1または2に記載の医療システム。
【請求項4】
前記挿入デバイスの前記接続部分および前記医療デバイスの前記接続部分は、摩擦嵌めを介して共に結合されるように構成される、請求項3に記載の医療システム。
【請求項5】
前記医療デバイスの前記接続部分は、前記1つまたは複数のドアを開き前記医療デバイスを前記挿入デバイスに結合するために前記医療デバイスから延びる1つまたは複数の延長部分を含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記医療デバイスの前記接続部分は、ピンを含み、前記挿入デバイスの前記接続部分は、ピン穴を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項7】
前記挿入デバイスの前記接続部分および前記医療デバイスの前記接続部分は、ロッキング機構を介して結合され、前記ロッキング機構は、幅広端部部分および曲げ可能なアームを有する少なくとも2つの爪を含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項8】
前記挿入デバイスの前記コネクタ部分は、前記幅広端部部分および前記曲げ可能なアームを有する前記少なくとも2つの爪を含み、前記医療デバイスの前記接続部分は、前記幅広端部部分の一部分を受けるための窪みを含む、請求項7に記載の医療システム。
【請求項9】
制御ユニットをさらに含み、前記制御ユニットは、アンビリカスを介して前記挿入デバイスに物理的および電子的に結合される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記アンビリカスを通じて前記挿入デバイスおよび前記医療デバイスの両方へ電力を送達し、前記挿入デバイスの前記挿入部分の遠位端上の1つまたは複数の遠位構成要素に給電し、且つ前記医療デバイスの前記挿入部分の遠位端上の1つまたは複数の遠位構成要素に給電する、請求項9に記載の医療システム。
【請求項11】
前記挿入デバイスは、前記挿入デバイスの前記遠位構成要素から、および前記医療デバイスの前記遠位構成要素から信号を受信するためのコントローラを含む、請求項9または10に記載の医療システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記挿入デバイスの前記遠位構成要素からの、および前記医療デバイスの前記遠位構成要素からの前記受信された信号を復調および/または圧縮するように構成される、請求項11に記載の医療システム。
【請求項13】
前記復調および/または圧縮は、64QAMキャリアまたは直交周波数分割多重を含む、請求項12に記載の医療システム。
【請求項14】
前記挿入デバイスおよび前記医療デバイスは、前記挿入デバイスに結合された単一のアンビリカスによって給電される、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の医療システム。
【請求項15】
前記単一のアンビリカスは、単一の同軸ケーブルを含む、請求項14に記載の医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般に医療システム、デバイス、および方法に関する。詳細には、本開示の態様は、医療デバイスを物理的および電子的に結合するための医療システム、デバイス、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡または他の好適な挿入デバイスなど医療デバイスは、内視鏡検査、腹腔鏡検査、関節鏡検査、女性生殖器系検査、胸腔鏡検査、膀胱鏡検査など様々なタイプの診断および外科的手技のために使用される。これらの手技の多くは、挿入デバイスを患者の身体内のある位置に送達することを含む。さらに、多数の手技は、挿入デバイス内のルーメンを通じて医療デバイスを送達することを含む。特に、そのような手技は、外科的切開を通じて、または天然の解剖学的な開口部(たとえば、口、腟、または直腸)を介して対象者の身体内に挿入デバイス(たとえば、十二指腸鏡)を挿入し、標的部位において、挿入デバイスを通じて挿入される補助医療デバイス(たとえば、可視化機能付きカテーテル)を用いて手技または手術を実施することによって実施され得る。
【0003】
挿入デバイスおよび医療デバイスはそれぞれ、1つまたは複数の照明デバイス(たとえば、LED)、可視化デバイス(たとえば、カメラ)などを有し得、これらは電力源、ディスプレイデバイスなどを必要とする。挿入デバイスおよび医療デバイスはそれぞれ、挿入デバイスおよび医療デバイスを電力源、コントローラ、ユーザインターフェース、ディスプレイなどに結合するために、アンビリカス(umbilicus)または他のケーブルまたはワイヤを有し得る。アンビリカスまたは他のケーブルまたはワイヤは、医療手技中、ユーザの動きの妨げもしくは邪魔となり得、および/または手技中、誤って捻れ、もしくは切断されるおそれがある。さらに、挿入デバイスおよび医療デバイスはそれぞれ、挿入デバイスおよび医療デバイスのそれぞれのために、給電、制御、可視化するための別々の主要デバイスを必要とし得る。アンビリカス、ケーブル、ワイヤ、および複数の主要デバイスは、医療手技の継続時間、コスト、およびリスクを増大し得る。
【0004】
本開示のデバイスおよび方法は、上記の欠点のいくつかを修正し、または従来技術の他の態様に対処し得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例は、とりわけ、医療デバイスを結合し、それらの医療デバイスを用いて1または複数の医療手技を実施するためのシステムおよびデバイス、ならびにその関連の使用方法に関する。本明細書に開示されている例のそれぞれは、他の開示されている例のいずれかに関連して記載されている特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0006】
一例では、医療システムは、ハンドル、少なくとも1つのルーメンを有する挿入部分、ルーメンに流体結合されたポート、および接続部分を含む挿入デバイスを含み得る。また、医療システムは、ハンドル、挿入部分、および挿入デバイスの接続部分に結合されるように構成された接続部分を含む医療デバイスを含み得る。医療デバイスの接続部分は、挿入デバイスと医療デバイスとの間に電子的および物理的接続を形成するように挿入デバイスの接続部分に結合されるように構成され得る。
【0007】
医療システムは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。医療デバイスの挿入部分は、ポートを通り、ルーメンを通って挿入デバイスの挿入部分内に挿入されるように構成され得る。挿入デバイスの接続部分は、凹状ポートと、凹状ポートを可動に覆うための1つまたは複数のドアとを含み得る。挿入デバイスの接続部分および医療デバイスの接続部分は、摩擦嵌めを介して共に結合されるように構成され得る。医療デバイスの接続部分は、1つまたは複数のドアを開き医療デバイスを挿入デバイスに結合するために医療デバイスから延びる1つまたは複数の延長部分を含み得る。医療デバイスの接続部分は、ピンを含み得、挿入デバイスの接続部分は、ピン穴を含み得る。挿入デバイスの接続部分および医療デバイスの接続部分は、ロッキング機構を介して結合され得、ロッキング機構は、幅広端部部分および曲げ可能なアームを有する少なくとも2つの爪を含み得る。挿入デバイスのコネクタ部分は、幅広端部部分および曲げ可能なアームを有する少なくとも2つの爪を含み得、医療デバイスの接続部分は、幅広端部部分の一部分を受けるための窪みを含み得る。
【0008】
医療システムは、制御ユニットをさらに含み得、制御ユニットは、アンビリカスを介して挿入デバイスに物理的および電子的に結合され得る。制御ユニットは、アンビリカスを通じて挿入デバイスおよび医療デバイスの両方へ電力を送達し得、挿入デバイスの挿入部分の遠位端上の1つまたは複数の遠位構成要素に給電し、医療デバイスの挿入部分の遠位端上の1つまたは複数の遠位構成要素に給電する。挿入デバイスは、挿入デバイスの遠位構成要素から、および医療デバイスの遠位構成要素から信号を受信するためにコントローラを含み得る。コントローラは、挿入デバイスの遠位構成要素からの、および医療デバイスの遠位構成要素からの受信された信号を復調および/または圧縮するように構成され得る。復調および/または圧縮は、64QAMキャリアまたは直交周波数分割多重を含み得る。挿入デバイスおよび医療デバイスは、挿入デバイスに結合された単一のアンビリカスによって給電され得る。単一のアンビリカスは、単一の同軸ケーブルを含み得る。
【0009】
他の態様では、医療デバイスは、ハンドルと、少なくとも1つのルーメンを有する挿入部分と、ルーメンに流体結合されたポートと、別の医療デバイスの別の接続部分に結合されるように構成された接続部分とを含み得る。接続部分は、医療デバイスを別の医療デバイスに電子的および物理的に結合するように構成され得る。
【0010】
医療デバイスは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。医療デバイスは、ハンドルに結合され医療デバイスを制御ユニットに結合するように構成されたアンビリカスをさらに含み得る。アンビリカスは、医療デバイスおよび別の医療デバイスの両方に給電するために、医療デバイスへ電力を送達するように構成され得る。医療デバイスは、医療デバイスおよび別の医療デバイスの両方の遠位構成要素から信号を受信するように構成されたコントローラをさらに含み得る。コントローラは、医療デバイスおよび別の医療デバイスの両方の遠位構成要素から受信された信号を復調および/または圧縮し、アンビリカスを介して制御ユニットへ信号を送信するように構成され得る。
【0011】
さらに他の態様では、方法が、挿入デバイスの挿入部分の遠位部分を患者身体に挿入する工程を含み得る。挿入デバイスは、挿入部分に結合されたハンドルを含み得る。また、方法は、医療デバイスのハンドルを挿入デバイスのハンドルに結合する工程を含み得る。医療デバイスは、医療デバイスのハンドルに結合された挿入部分を含み得、医療デバイスのハンドルを挿入デバイスのハンドルに結合することは、医療デバイスと挿入デバイスとの間に電子的および物理的接続を形成し得る。また、方法は、医療デバイスの挿入部分を、挿入デバイスのルーメンを通じて患者身体内に挿入する工程と、患者身体内での手技を可視化および/または実施する工程とを含み得る。
【0012】
方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。方法は、アンビリカスを介して挿入デバイスのハンドルを制御ユニットに結合する工程をも含み得る。挿入デバイスは、挿入デバイスおよび医療デバイスの両方の遠位構成要素から信号を受信するように構成されたコントローラをさらに含み得る。コントローラは、挿入デバイスおよび医療デバイスの両方の遠位構成要素から受信された信号を復調および/または圧縮し、アンビリカスを介して制御ユニットへ信号を送信するように構成され得る。制御ユニットは、アンビリカスを介して挿入デバイスおよび医療デバイスの両方へ電力を送達するように構成され得る。
【0013】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は共に、例示的、説明的なものにすぎず、特許請求されている本開示を制限するものではないことを理解されたい。
本明細書に組み込まれその一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示すものであり、その説明と共に本開示の原理を説明するように働く。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の態様による、結合された構成にある2つの医療デバイスを含む例示的な医療システムの図。
【
図2】本開示の態様による、結合されていない構成にある
図1の例示的な医療システムの図。
【
図3】本開示の態様による、
図1および
図2の例示的な医療システムの少なくとも一部分のための制御システムの概略図。
【
図4】
図1および
図2の例示的な医療システムの一部分の代替構成の図。
【
図5】本開示の態様による、例示的な治療方法のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の例は、医療手技中、組織を可視化および/または操作することの有効性、効率、および/または安全性を促進し改善するためのデバイスおよび方法を含む。たとえば、本開示の態様は、ユーザ(たとえば、医師、医療技術者、または他の医療サービス提供者)が2つの医療デバイス(たとえば、挿入デバイスおよび医療デバイス)のハンドルを物理的および電子的に接続することができるようにし得る。また、本開示の態様は、ユーザが患者の身体内のある場所へ挿入デバイスを送達し、また、たとえば患者の身体内の組織または物質を可視化、切除、エネルギー供給、治療、または他の方法で操作するために患者の身体内のその場所へ挿入デバイスの内部ルーメンを通じて医療デバイスを送達することができるようにし得る。
【0016】
本開示の実施形態は、様々な医療手技を実施するためのシステム、ならびに膵管胆道合流システムおよび/または任意の他の好適な患者解剖学の可視化を得るための方法に関し得る。本明細書に記載の様々な実施形態は、単回使用または使い捨て医療デバイスを含んでよい。より具体的には、例示的な実施形態では、医療システムは、ファーターの乳頭または大乳頭にアクセスするために、可視化デバイスならびに/またはアクセスデバイス、たとえばニードルナイフおよび/もしくは切開刀を送達および配置するように構成され得る。ファーターの乳頭は、一般に、膵管および共通の総胆管が小腸の十二指腸内に注ぐ開口を形成する。肝管および胆嚢は、共通の総胆管内に注ぐ。一般に、内視鏡手技または胆管手技は、医療デバイスを胆管樹に沿って好適な場所へ進め、次いで適切な介入を実施することを必要とし得る。本明細書に開示されている医療デバイスおよび方法は、領域の中でもとりわけ、乳頭および/または膵管胆道合流システムへのアクセスおよび可視化(ならびに可視化のための送達システムおよびアクセスデバイス)を提供する。たとえば、挿入デバイスは、乳頭へアクセスするために送達され得る十二指腸鏡であってよく、医療デバイスは、十二指腸鏡を通じて挿入され、遠位に、十二指腸鏡の挿入部分を越えて胆管内に延長され得る。
【0017】
2つの医療デバイスのハンドルの物理的および電子的結合は、さらに、両医療デバイスの照明デバイス(たとえば、LED)、可視化デバイス(たとえば、カメラ)などに給電するために、また両医療デバイス上の1つまたは複数のセンサからの情報を送り、受信するために、2つの医療デバイスが単一の主要機器に接続されることを可能にし得る。本開示のいくつかの態様は、内視鏡、腹腔鏡、関節鏡、または他のタイプの手技を実施する際に使用されてよい。たとえば、開示されている態様は、十二指腸鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸内視鏡、カテーテル、診断もしくは治療ツールもしくはデバイス、または他の医療デバイスと共に使用されてよい。
【0018】
次に、上記の、および添付の図面に示されている本開示の例を詳細に参照する。可能なときはいつでも、同じまたは同様の部分を参照するために、同じ符号が図面を通して使用される。
【0019】
本明細書では、「近位」および「遠位」という用語は、例示的な医療デバイスの構成要素の相対位置を参照するために使用される。本明細書で使用されるとき、「近位」は、身体の外部に比較的近い、または医療デバイスを使用する医療専門家に近い位置を指す。それに対して、「遠位」は、医療デバイスを使用する医療専門家から比較的離れた、または身体の内部に近い位置を指す。本明細書で使用されるとき、「備える(comprises)」「備える(comprising)」「有する(having)」「含む(including)」という用語またはその他の変形形態は、一連の要素を備えるデバイスまたは方法がそれらの要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されていない、またはそれらに固有の他の要素を含み得るように、非排他的に含むことをカバーすることが意図されている。別段述べられていない限り、「例示的な」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で使用されるとき、「約(about)」「実質的に(substantially)」および「約(approximately)」という用語は、述べられている値の+/-10%内の値の範囲を示す。
【0020】
図1および
図2は、挿入デバイス12および医療デバイス14を含む医療システム10を示す。
図1は、挿入デバイス12および医療デバイス14を結合された構成で示し、
図2は、挿入デバイス12および医療デバイス14を結合されていない構成で示す。
図1は、医療デバイス14の第1の側を示し、
図2は、第1のとは反対側の医療デバイス14の第2の側を示す。挿入デバイス12は、内視鏡、十二指腸鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸内視鏡、または他のタイプの医療デバイスであってよい。一態様では、挿入デバイス12は、単回使用タイプの医療デバイスであってよい。他の態様では、挿入デバイス12は、再使用可能なタイプの医療デバイスであってよい。医療デバイス14は、1つまたは複数の照明デバイス(たとえば、LED)および1つまたは複数の可視化デバイス(たとえば、カメラ)を有するカテーテル、たとえばBoston Scientific Corporationによって製造販売されているSpyScope(商標)デバイスであってよい。挿入デバイス12および医療デバイス14は、
図2に示されているように、挿入デバイス12上のコネクタ18および医療デバイス14上のコネクタ20によって形成される接続16を介して物理的および電子的に結合され得る。
【0021】
挿入デバイス12は、ハンドル部分22および挿入部分24を有し得、これらは、医療手技中、対象者の体腔内に挿入され得る。挿入部分24は、ハンドル部分22に接合され得る。応力除去部分26がハンドル部分22および挿入部分24を橋渡し得る。アンビリカス28がハンドル部分22から延び、別の応力除去部分30がハンドル部分16およびアンビリカス28を橋渡し得る。
図3に示されているように、アンビリカス28は、挿入デバイス12を(たとえば、カメラ、映像、光、または他の光学的制御を含む光学的制御を提供するための)制御ユニット、空気および/もしくは水供給ならびに/または吸引供給など構成要素または主要機器に接続するために使用され得る。
【0022】
ハンドル部分22は、挿入デバイス12を含む手技の前、最中、または手技の後、オペレータによって挿入デバイス12を制御するために使用されるいくつかの構成要素を含み得る。たとえば、ハンドル部分22は、ステアリング構成要素32を含み得る。ステアリング構成要素32は、挿入部分24の遠位部分(図示せず)がそれることを制御するために使用され得る。ステアリング構成要素32は、ステアリングアセンブリの一部であってよい。たとえば、ステアリング構成要素32は、挿入部分24の遠位部分をそらせるために使用される2つのノブ34、36を含み得る。ノブ34、36の一方は、第1の軸に沿って挿入部分24の遠位部分をそらせるために使用され得、ノブ34、36の他方は、第1の軸を横断する第2の軸に沿って挿入部分24の遠位部分をそらせるために使用され得る。たとえば、ノブ34は、挿入部分20の遠位部分を左右方向にそらせるように動作可能であり得、ノブ36は、挿入部分24の遠位部分を上下方向にそらせるように動作可能であり得る。図示されていないが、ステアリング構成要素32は、挿入部分24の遠位部分が左右および/もしくは上下方向に動かないように制限するために、または他の方法で挿入部分24の遠位部分の位置をロックするために使用され得る1つまたは複数のロッキング機構を含んでもよい。
【0023】
挿入デバイス12は、いくつかのポートおよび/または弁をも含み得る。たとえば、ハンドル部分22は、1つまたは複数の器具または他のデバイス(たとえば、医療デバイス14の一部分)を、挿入部分24の作業チャネルを通じて挿入デバイス12の遠位端へ通すために使用され得る作業チャネルポート38を含み得る。作業チャネルポート38は、漏れを防止するために弁を含み得る。挿入デバイス12は、空気、水、および/または吸引を提供するために弁40、42などの流体構成要素をも含み得る。弁40、42は、アンビリカス28、ハンドル部分22、および/または挿入部分24内の管に接続し得、その結果、弁40、42を押圧する、または他の方法で作動させることにより、対応する機能が可能になる。たとえば、弁40は、挿入部分24の1つまたは複数のルーメンを通じて空気および/または水を提供するために使用され得、弁42は、吸引を提供するために使用され得、挿入部分24の1つまたは複数のルーメンに接続し得る。また、挿入デバイス12は、挿入部分24の遠位端における昇降作動部(図示せず)を上および/または下に動かすために使用され得る昇降レバー44など他の構成要素を含んでよい。たとえば、昇降レバー44は、挿入デバイス12が十二指腸鏡である場合使用され得る。
【0024】
さらに、挿入部分24の遠位端は、1つまたは複数の遠位構成要素108(
図3)、たとえば照明デバイス(たとえば、LED)、1つまたは複数の可視化デバイス(たとえば、カメラ)などを含み得る。1つまたは複数の遠位構成要素108は、挿入デバイス12のハンドル部分22内のコントローラ104、および制御ユニット102に結合され得る。
【0025】
医療デバイス14は、ハンドル部分50および挿入部分52を含み得る。
図1に示されているように、ハンドル部分50は、接続16を介して挿入デバイス12のハンドル部分22に結合され得る。挿入部分52は、医療手技中、挿入部分52が挿入部分24の遠位端先端を通ってそれを遠位に越えて対象者の身体内に延び得るように、作業チャネルポート38を通るとともに挿入デバイス12の挿入部分24を通って挿入される。挿入部分52は、ハンドル部分50に接合され得る。応力除去部分54は、ハンドル部分50および挿入部分52を橋渡し得る。
【0026】
ハンドル部分50は、挿入デバイス52に関わる手技の前、最中、または手技の後、オペレータによって挿入デバイス52を制御するために使用されるいくつかの構成要素を含み得る。たとえば、ハンドル部分50は、ステアリング構成要素56を含み得る。ステアリング構成要素56は、挿入部分52の遠位部分(図示せず)をそらせることを制御するために使用され得る。ステアリング構成要素56は、ステアリングアセンブリの一部であってよい。たとえば、ステアリング構成要素56は、挿入部分24の遠位部分をそらせるために使用される2つのノブ58、60を含み得る。挿入デバイス12に関して上記で論じたように、ノブ58、60の一方は、第1の軸(たとえば、左右方向)に沿って挿入部分52の遠位部分をそらせるために使用され得、ノブ58、60の他方は、第1の軸を横断する第2の軸(たとえば、上下方向)に沿って挿入部分52の遠位部分をそらせるために使用され得る。図示されていないが、ステアリング構成要素56は、挿入部分52の遠位部分が左右および/もしくは上下方向に動かないように制限するために、または他の方法で挿入部分52の遠位部分の位置をロックするために使用され得る1つまたは複数のロッキング機構を含んでもよい。図示されていないが、医療デバイス14は、いくつかのポートおよび/または弁を含み得る。
【0027】
さらに、挿入部分52の遠位端は、1つまたは複数の遠位構成要素110(
図3)、たとえば照明デバイス(たとえば、LED)、1つまたは複数の可視化デバイス(たとえば、カメラ)などを含み得る。1つまたは複数の遠位構成要素110は、医療デバイス14のハンドル部分50内のコントローラ106、挿入デバイス12のハンドル部分22内のコントローラ104、および制御ユニット102に結合され得る。
【0028】
上述のように、挿入デバイス12および医療デバイス14は、接続16を介して結合され得る。挿入デバイス12は、コネクタ18を含み、医療デバイス14は、コネクタ20を含む。コネクタ18は、たとえば、応力除去部分26の近位でありステアリング構成要素32の遠位であるハンドル部分22上の中間位置に位置決めされ得る。同様に、コネクタ20は、たとえば、応力除去部分54の近位でありステアリング構成要素56の遠位であるハンドル部分50上の中間位置に位置決めされ得る。一態様では、コネクタ18は雌コネクタであってよく、コネクタ20は雄コネクタであってよい。他の態様では、コネクタ18は雄コネクタであってよく、コネクタ20は雌コネクタであってよい。
【0029】
図2に示されているように、挿入デバイス12のコネクタ18は、カバーを形成するための1つまたは複数の可動ドア62と、凹状ポート64とを含み得る。1つまたは複数の可動ドア62は、たとえば凹状ポート64の両側で、凹状ポート64の縁部に枢動可能に結合され得る。1つまたは複数の可動ドア62は、凹状ポート64を遮断するように付勢され得、しかし凹状ポート64を露出する、または別の方法でそのアクセスを提供するように枢動可能であり得る。可動ドア62は、医療デバイス14が挿入デバイス12に接続されていないとき、たとえば異なる手技中、挿入デバイス12の位置決め中、または医療手技の前、凹状ポート64のための侵入保護を提供し得る。凹状ポート64は、1つまたは複数のピン穴68を含み得る接続部分66を含む。接続部分66は、1つまたは複数のピン穴68を形成するように凹状ポート64から外向きに延び得る。ピン穴68は、コントローラ104に電子的に接続され得る。
【0030】
図示されていないが、他の態様では、挿入デバイス12のコネクタ18は、剥離カバーリングまたは引き裂きカバーリングを含み得る。たとえば、剥離カバーリングまたは引き裂きカバーリングは、医療デバイス14のコネクタ20が挿入デバイス12のコネクタ18内に挿入または他の方法で結合されたとき穴が開き、または除去され得る。剥離カバーリングまたは引き裂きカバーリングは、可動ドア62に加えて使用されても可動ドア62なしで使用されてもよい。この態様では、剥離カバーリングまたは引き裂きカバーリングは、凹状ポート64またはコネクタ20の他の構成要素を保護する助けとなり得る。さらに、剥離カバーリングまたは引き裂きカバーリングは、挿入デバイス12が以前に医療デバイスに結合されたことがあるか、および/またはそれと共に使用されたことがあるかを示す助けともなり得る。
【0031】
医療デバイス14のコネクタ20は、1つまたは複数のピン72を含む接続部分70を含み得る。ピン72は、コントローラ106に電子的に接続され得る。1つまたは複数のピン72は、コントローラ104とコントローラ106との間に電子接続を形成するように、対応するピン穴68内で受け取られるように構成され得る。さらに、8つのピン72および8つのピン穴68が
図2に示されているが、コネクタ20およびコネクタ18は、任意の数のピン、ピン穴、または他の接続要素を含み得るので、本開示はそのように限定されない。一態様では、コネクタ18は、6つのピン穴68を含み得、コネクタ20は、6つのピン72を含み得る。
【0032】
接続部分70は、ピン72を囲み、しかしそこから離隔され得る1つまたは複数の延長部分74を含み得る。延長部分74は、たとえば挿入デバイス12との結合中、ピン72を保護するために、および/またはピン72がピン穴68に結合されることを可能にするように可動ドア62を開く助けとなるように、ハンドル部分50からピン72よりも遠く延び得る。さらに、延長部分74は、挿入デバイス上のコネクタ18の接続部分66に当接しそれを囲むように構成され得る。たとえば、コネクタ20をコネクタ18に結合することは、延長部分74と接続部分66との間の摩擦嵌めを形成し得、医療デバイス14を挿入デバイス12に物理的に結合する。
【0033】
一態様では、コネクタ18およびコネクタ20を切断するために必要とされる力の量は、医療手技中、挿入デバイス12および医療デバイス14に与えられ得る力より大きく(たとえば、約2倍に)なり得る。したがって、コネクタ18およびコネクタ20は、医療手技が完了した後、医療手技の一部分が切断を必要とするときまたは意図されるとき、医療デバイス14がユーザまたは他の医療専門家によって挿入デバイス12から切断されるのみであることを確実にする助けとなり得る。
【0034】
図2および上記の考察は、医療デバイス14が挿入デバイス12内のソケットに差し込まれるようにピン穴68を含む挿入デバイス12とピン72を含む医療デバイス14とを開示しているが、本開示はそのように限定されない。たとえば、挿入デバイス12は、ピンを含み得、医療デバイス14は、ピン穴を含み得る。代替として、挿入デバイス12および医療デバイス14は、1つまたは複数の他の技法を介して物理的および電子的に接続されてよい。さらに、
図4を参照して下記で論じられているように、コネクタ18およびコネクタ20は、医療手技中、挿入デバイス12および医療デバイス14のうちの1つまたは複数の操作中に接続が維持されるように医療デバイス14を挿入デバイス12にしっかりと、かつ開放可能に接続する助けとなるように、1つまたは複数の異形形状を含み得る。
【0035】
図3に示されているように、挿入デバイス12および医療デバイス14の様々な構成要素は、制御システム100を形成するように結合され得る。制御システム100は、制御ユニット102を含む。制御ユニット102は、ユーザインターフェース、ディスプレイなどのうちの1つまたは複数を有する主要ボックス(たとえば、主要機器)であってよい。制御ユニット102は、アンビリカス28を介して挿入デバイス12に結合され得る。挿入デバイス12および医療デバイス14が接続16を介して結合された状態で、制御ユニット102は、アンビリカス28を介して挿入デバイス12および医療デバイス14の両方へ電力を送達し、接地を提供し得る。さらに、制御ユニット102はまた、双方向デジタル通信を実施するために、アンビリカス28を介して挿入デバイス12および医療デバイス14の両方との間で情報および信号を受信および送信し得る。たとえば、制御ユニット102は、挿入デバイス12内(たとえば、ハンドル部分22内)のコントローラ104に結合され得る。さらに、制御ユニット102は、医療デバイス14内(たとえば、ハンドル部分50内)のコントローラ106に結合され得る。この態様では、コントローラ106は、医療デバイス14内のコントローラ106が挿入デバイス12内のコントローラ104を介して制御ユニット102に間接的に結合されるように、接続16を介してコントローラ104に結合され得る。他の態様では、挿入デバイス12、医療デバイス14、または制御ユニット102のうちの1つまたは複数は、挿入デバイス12および医療デバイス14が互換であること、挿入デバイス12および医療デバイス14のうちの1つまたは複数が医療手技に適していることなどの示唆を提供する、またはその証明をシグナリングし得る。
【0036】
制御ユニット102は、挿入デバイス12の遠位構成要素108から、また医療デバイス14の遠位構成要素110から信号を受信し得る。一態様では、コントローラ104は、挿入デバイス12からの映像信号および医療デバイス14からの映像信号を単一の伝動媒体にまとめるためにデジタル変調を実施し得る。たとえば、アンビリカス28は、単一の同軸ケーブルを含み得る。この態様では、挿入デバイス12からの映像信号は、1つのチャネルで送信されてよく、医療デバイス14からの映像信号は、別のチャネルで送信されてよい。
【0037】
一例では、制御ユニット102は、アンビリカス28との8ピン接続を含み得る。2つのピンは、遠位構成要素108および110(たとえば、LED)を駆動するためにインターインテグレーテッドサーキットを提供し得る。4つのピンは、高速信号通信の2本の線を提供し得、2つのピンは、電力および接地を提供し得る。したがって、インターインテグレーテッドサーキット、高速信号通信、電力、および接地は、制御ユニット102を挿入デバイス12内のコントローラ104に接続し得る。一例では、コネクタ18およびコネクタ20は、6ピン接続を含み得る。この態様では、2つのピンが医療デバイス14の遠位構成要素110(たとえば、LED)を駆動するためにインターインテグレーテッドサーキットを提供し得る。2つのピンは、たとえば医療デバイス14の遠位端における撮像ユニットから、それぞれクロックまたはタイミング情報、およびデータを運び得る。最後に、2つのピンは、電力および接地のための専用であり得る。この態様では、挿入デバイス12内のコントローラ104は、挿入デバイス12および医療デバイス14の両方からの情報が制御ユニット102へ送達されることを可能にするために、復調または圧縮手順を実施し得、一方、制御ユニット102はまた、情報、電力、接地などを挿入デバイス12および医療デバイス14の両方へ提供し得る。
【0038】
さらに、デジタル変調は、直角位相振幅変調(QAM)を利用し得る。たとえば、デジタル変調は、波の振幅および位相を操作し、64個の異なる離散的な状態のうちの1つにすることによって、単一の波がデータの6ビットを表すことを可能にし得る64QAMキャリアを利用し得る。代替として、デジタル変調は、直交周波数分割多重(OFDM)を含み得る。OFDMは、単一の送信源から情報を送信するために複数のサブキャリアを利用し得、これは、信号ノイズを低減し、広帯域応用例のために高いデータレートスループットを提供し得る。この態様では、OFDMは、サブキャリアの1つのセットが挿入デバイス12の遠位構成要素108から情報を送信し、サブキャリアの別のセットが医療デバイス14の遠位構成要素110から情報を送信することを可能にし得る。さらに、他のデジタル変調またはデータ圧縮技法が使用されてもよい。これらの態様のいずれにおいても、デジタル変調またはデータ圧縮は、挿入デバイス12および医療デバイス14からの情報信号をまとめる助けとなり得、アンビリカス28に必要とされるサイズ、およびアンビリカス28をコントローラ102に結合するための接続ピンおよび/または構成要素の必要とされる数を削減する助けとなり得、したがって、アンビリカス28および制御システム100の他の構成要素の複雑さおよび/またはコストを削減する。
【0039】
上記の考察は復調および/または圧縮が挿入デバイス12のコントローラ104によって実施されることを含むが、本開示はそのように限定されない。たとえば、一態様では、医療デバイス14のコントローラ106が医療デバイス14の遠位構成要素110からの信号を復調および/または圧縮してよく、挿入デバイス12のコントローラ104は、挿入デバイス12の遠位構成要素108からの信号を復調および/または圧縮してよい。
【0040】
図4は、挿入デバイス12の例示的なコネクタ18Aを医療デバイス14の例示的なコネクタ20Aに解放可能に結合するために使用され得る例示的なロッキング機構80を示す。上記で論じられているピンおよびピン穴は、見やすくするために
図4では省略されていることに留意されたい。ロッキング機構80は、挿入デバイス12から離れるように延びる2つの爪82を含み得る。爪82は、幅広端部部分84と、挿入デバイス12のハンドル部分22に接続されたアーム86とを含み得る。さらに、医療デバイス14のコネクタ20Aは、コネクタ20Aをコネクタ18Aに結合するように幅広端部部分84と位置合わせされ得る窪み90を含み得る。
【0041】
コネクタ20Aをコネクタ18Aに結合するために、コネクタ20Aの接続部分70Aは、挿入デバイス12のハンドル部分22に向かって、たとえばコネクタ18Aの接続部分66Aに向かって延び得る。接続部分70Aは、幅広端部部分84と相互作用し、アーム86を外向きに屈曲させる、または曲げさせ得る。接続部分70Aをさらに動かすと、幅広端部部分84が窪み90と位置合わせされ、アーム86がそれらの通常の、弛緩した曲がっていない位置に戻り得る。幅広端部部分84および窪み90が位置合わせされた状態で、上記で論じられているように、挿入デバイス12および医療デバイス14は、アーム86を外向きに曲げ、接続部分70Aを挿入デバイス12のハンドル部分22から除去するために必要とされる力が医療手技中、挿入デバイス12および医療デバイス14に与えられ得る力より大きくなり得るように結合され得る。アーム86および窪み90は、湾曲した、または角度の付いた形状を有し得、これは、医療デバイス14および挿入デバイス12を結合または結合解除する際に助けとなり得る。さらに、アーム86は、医療デバイス14および挿入デバイス12を結合または結合解除する際に支援するために、ユーザによって手動で外向きに曲げられてよい。医療システム10は、たとえば係合/係合解除のための対応する特徴部を含む、挿入デバイス12および医療デバイス14を解放可能に取り付けるための任意の締結機構を含み得ることを理解されたい。
【0042】
ロッキング機構80は、挿入デバイス12の一部として示されているが、本開示はそのように限定されない。たとえば、ロッキング機構は、医療デバイス14から延びてよく、挿入デバイス12の一部分に解放可能に固定されてよい。さらに、他の態様では、ロッキング機構は、挿入デバイス12からも医療デバイス14からも延びてよく、これらは、それぞれ医療デバイス14および挿入デバイス12の一部分に解放可能に固定されてよい。代替として、またはそれに加えて、医療システム10は、医療デバイス14を挿入デバイス12に解放可能に物理的および電子的に結合するために、1つまたは複数の他の結合特徴部を含み得る。
【0043】
図5は、患者の体腔を治療または可視化するための例示的な治療方法500を表すフロー図である。方法500は、ユーザが挿入デバイス12の挿入部分24を患者内に挿入または位置決めする工程502を含む。工程502は、アンビリカス28を介して挿入デバイス12を主要機器、たとえば制御ユニット102に結合する予備工程を含み得る。また、工程502は、挿入部分24の遠位端における1つまたは複数の遠位構成要素108(たとえば、照明および/または撮像デバイス)を用いて患者の内部部分を可視化することを含む。さらに、工程502は、ステアリング構成要素32のうちの1つまたは複数を介して挿入部分24を操ることを含み得る。
【0044】
工程504では、ユーザは、医療デバイス14のハンドル部分50を挿入デバイス12のハンドル部分22に結合してよい。たとえば、医療デバイス14のコネクタ20またはコネクタ20Aは、それぞれ挿入デバイス12のコネクタ18またはコネクタ18Aに結合され得る。さらに、医療デバイス14を挿入デバイス12に結合することは、医療デバイス14を挿入デバイス12に物理的および電子的に接続することを含み得る。上記で論じたように、接続は、摩擦嵌めであってよく(
図1および
図2)、異形であるとともに付勢された係合(
図4)、または別の解放可能な結合機構を含み得る。
【0045】
工程506では、医療デバイス12の挿入部分52が、挿入デバイス12のルーメンを通じて挿入され得る。たとえば、挿入部分52は、ハンドル部分22内のポート38を通り、挿入部分24を通って挿入され得る。一態様では、医療デバイス12の挿入部分52は、挿入デバイス12の挿入部分24の遠位端と位置合わせされた位置へ送達され得る。他の態様では、医療デバイス12の挿入部分52は、挿入デバイス12の挿入部分24の遠位端を遠位に越える位置へ送達され得る。この態様では、挿入部分52の遠位端は、ステアリング構成要素56を介して制御され得る。どちらの態様でも、挿入デバイス12の挿入部分22の遠位端に対する医療デバイス14の挿入部分52の遠位端の位置は、ポート38に対する挿入部分52の位置を介して制御され得る。換言すれば、挿入部分52の遠位端を挿入デバイス12の挿入部分22の遠位端に対して延ばすようにポート38を通じてねじ込まれ、または遠位に挿入され得る。また、挿入部分52は、挿入部分52の遠位端を挿入デバイス12の挿入部分22の遠位端に対して引き込むように、ポート38から近位に収縮され得る。
【0046】
次に、工程508は、患者内で手技を可視化および/または実施することを含み得る。手技を可視化および/または実施することは、患者内の組織または他の物質を可視化、治療、および/または他の方法で操作することを含み得る。たとえば、ユーザは、患者の内部部分を照明および/または可視化するために、挿入デバイス12の遠位構成要素108または医療デバイス14の遠位構成要素110のうちの1つを利用し得る。一態様では、挿入デバイス12の挿入部分22は、たとえば、工程502において乳頭にアクセスおよび/またはそれを可視化するために使用され得、医療デバイス14の挿入部分52は、たとえば、工程508において対象者の胆管にアクセスおよび/またはそれを可視化するために延ばされ得る。さらに、遠位構成要素108または遠位構成要素110からの信号が、アンビリカス28を通じて制御ユニット102に送信され得、解析、記憶、表示などが行われる。さらに、挿入デバイス12および/または医療デバイス14は、空洞内の組織または他の物質を治療するために、1つまたは複数の追加の医療構成要素(たとえば、電極、グラスパ、ナイフなど)を含み得る。
【0047】
前述の態様は、解放可能な物理的および電子的接続を形成するように医療デバイス14が挿入デバイス12に直接結合されることを可能にし得る。その結果、挿入デバイス12は、医療デバイス14が制御ユニット102または別の制御ユニットに結合される必要なしにアンビリカス28を介して制御ユニット102に結合され得、したがって、医療システム10のためのケーブルまたはワイヤの数を削減する。ドア62または他の要素は、挿入デバイス12上のコネクタ18のための侵入保護のためにヒンジ式カバーを提供する助けとなり得る。コネクタ18およびコネクタ20のそれぞれのサイズおよび構成は、一体化されたロッキング機構を介して医療デバイス14を挿入デバイス12に固定するために摩擦結合を形成する助けとなり得る。追加として、または代替として、挿入デバイス12および医療デバイス14のうちの1つまたは複数は、
図4を参照して論じられているように、ロッキング機構80を含み得る。
【0048】
前述の態様のうちの1つまたは複数は、単一のアンビリカス28を介して、たとえば、制御ユニット102内の単一の電力源によって挿入デバイス12および医療デバイス14が給電されることを可能にし得る。制御ユニット102は、挿入デバイス12および医療デバイス14の両方に電力を提供し得る。電力は、挿入デバイス12および医療デバイス14両方の照明デバイス(たとえば、LED)、可視化デバイス(たとえば、カメラ)、および他の要素に給電するために十分なものであり得る。さらに、前述の態様のうちの1つまたは複数は、単一のアンビリカス28を介して、挿入デバイス12上の1つまたは複数の遠位構成要素108、および医療デバイス14上の遠位構成要素110からの出力信号、たとえば映像出力が制御ユニット102へ出力され、たとえばモニタ上で表示されることを可能にし得る。さらに、前述の態様のうちの1つまたは複数は、追加の結合機構を必要とすることなしに挿入デバイス12および医療デバイス14が互いにしっかりと、かつ開放可能に結合されることを可能にし得る。したがって、挿入デバイス12および医療デバイス14は、少ない数のケーブルまたはワイヤで、医療手技中、給電され、情報を送信するように構成され得、医療手技中の有用性を改善する。さらに、挿入デバイス12および医療デバイス14は、追加の結合機構を必要とすることなく共に保持され、および/または操られ得る。
【0049】
医療システム10、制御システム100、および方法500は、追加のアンビリカス、ワイヤ、ケーブルなどを必要とすることなしに上記の手順のいずれかを実施するために使用され得、これは、全体的な手技時間、構成要素コストを削減し、および/または対象者に対するリスクを低減し得る。
【0050】
本明細書には、本開示の原理について、特定の応用例のための例示的な態様を参照して記載されているが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。本明細書に提供されている教示にアクセスできる当業者なら、本明細書に記載の態様の範囲内にすべて入る均等物の追加の修正、応用、態様、および代替を認識するであろう。したがって、本開示は、前述の説明によって限定されると考えられるべきでない。
【国際調査報告】