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特表2022-540888非空気圧タイヤで使用するための温度安定性ポリマーブレンド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】非空気圧タイヤで使用するための温度安定性ポリマーブレンド
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/00 20060101AFI20220912BHJP
   C08L 81/06 20060101ALI20220912BHJP
   C08L 71/10 20060101ALI20220912BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20220912BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20220912BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
C08L67/00
C08L81/06
C08L71/10
C08L63/00 A
C08K5/17
C08J3/20 D CFD
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502288
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2020033385
(87)【国際公開番号】W WO2021021273
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】62/879,593
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリーベル、ジャレッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョンジェ
【テーマコード(参考)】
4F070
4J002
【Fターム(参考)】
4F070AA47
4F070AA52
4F070AA58
4F070AB08
4F070AB09
4F070AB11
4F070AB16
4F070AB23
4F070AC46
4F070AC87
4F070AE08
4F070FA03
4F070FA17
4F070FB06
4F070FC05
4J002CD004
4J002CD164
4J002CF001
4J002CF101
4J002CH083
4J002CN032
4J002EN006
4J002FD144
4J002FD203
4J002GN01
(57)【要約】

本明細書では、非空気圧タイヤでの使用に好適なポリマーブレンド、ポリマーブレンドを調製するためのプロセス、並びに非空気圧タイヤ及びポリマーブレンドを組み込んだ、非空気圧タイヤの構成要素が開示される。ポリマーブレンドは、熱可塑性ポリエステルエラストマー、高温熱可塑性ポリマー、相溶化剤樹脂、遅延架橋剤、及び活性化剤を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度安定性ポリマーブレンドであって、
a.
i.約50~約100℃、好ましくは約50~約80℃のTg、又は
ii.約200~約280、好ましくは約210~約260℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、熱可塑性ポリエステルエラストマー、好ましくはポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーと、
b.
i.約200~約300℃、好ましくは約200~約275℃のTg、又は
ii.約300~約400℃、好ましくは約320~約390℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、高温熱可塑性ポリマー、好ましくはポリスルホンポリマーと、
c.相溶化剤樹脂、好ましくはフェノキシ樹脂と、
d.遅延架橋剤、好ましくはエポキシ化合物と、
e.活性化剤、好ましくはアミン系活性化剤と、を含み、
(a)及び(b)の総量は、100部であり、(a)は、30~95部、好ましくは30~80部、より好ましくは30~50部の量で存在し、(b)は、5~70部、好ましくは20~70部、より好ましくは50~70部の量で存在する、温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項2】
前記ポリマーブレンドは、
1:150以上、好ましくは1:100以上、より好ましくは1:20以上の、175℃での対数貯蔵弾性率G’の-40℃での対数貯蔵弾性率G’に対する比、又は
少なくとも1億サイクルに対して前記ポリマーブレンドの引張強度の少なくとも95%を維持するひずみ制御サイクル疲労特性、のうちの少なくとも1つを呈する、請求項1に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項3】
(a)は、ポリアルキレン-テレフタレート-ポリアルキレンエーテルグリコールコポリマー又はポリアルキレン-ナフタレート-ポリアルキレンエーテルグリコールコポリマー、好ましくはポリブチレンテレフタレート-ポリメチレンエーテルグリコールを含む、請求項1又は2に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項4】
(b)は、ポリエーテルスルホンポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項5】
(b)は、ポリフェニルスルホンポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項6】
前記相溶化剤樹脂(c)は、フェノキシ樹脂を含み、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約5~約20重量%、好ましくは、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約8~約15重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項7】
前記相溶化剤樹脂は、約15,000~約60,000グラム/モル、好ましくは約20,000~約50,000グラム/モルのMwを有する、請求項6に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項8】
前記遅延架橋剤(d)は、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約0.5~約15重量%、好ましくは、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約1~約5重量%の量で存在し、エポキシ化植物油及びポリエポキシド化合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項9】
少なくとも1種の活性化剤(e)は、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約0.1~約10重量%、好ましくは(a)及び(b)の総重量に基づいて、約0.5~約2重量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項10】
a.前記ブレンドが、50~100MPaの25℃での弾性率E’を有すること、又は
b.前記ブレンドが、275℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下の温度で射出成形を介して加工可能であること、のうちの少なくとも1つを満たす、請求項1~9のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンドから作製された構成要素を含む、非空気圧タイヤ。
【請求項12】
前記構成要素は、1つ以上のスポークである、請求項11に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項13】
温度安定性ポリマーブレンドを調製するためのプロセスであって、
高温熱可塑性ポリマー、好ましくはポリスルホンポリマーを加熱して、前記ポリマーを溶融させることであって、前記高温熱可塑性ポリマーは、
a.約200~約300℃、好ましくは約200~約275℃のTg、又は
b.約300~約400℃、好ましくは約320~約390℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、ことと、
(i)熱可塑性ポリエステルエラストマー、好ましくはポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマー、(ii)相溶化剤樹脂、好ましくはフェノキシ樹脂、(iii)遅延架橋剤、好ましくはエポキシ化合物、及び(iv)任意選択で活性化剤を、前記溶融ポリマーと混合して、ブレンドを形成することと、を含み、
前記熱可塑性ポリエステルエラストマーは、
c.約50~約100℃、好ましくは約50~約80℃のTg、又は
d.約200~約280、好ましくは約210~約260℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを満たし、
前記加熱及び前記混合は、押出機、好ましくは二軸押出機で行う、プロセス。
【請求項14】
前記加熱は、300~400℃まで、好ましくは320~350℃までである、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
(ii)~(iv)のうちのいずれかを混合する前に、前記溶融ポリマーを少なくとも100℃、好ましくは約125~約200℃冷却することを更に含む、請求項13又は14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記相溶化剤樹脂は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマーと共に添加される、請求項13~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記遅延架橋剤は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマーと共に添加される、請求項13~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記高温熱可塑性ポリマー及び前記熱可塑性ポリエステルエラストマーはそれぞれ、ペレット形態で提供される、請求項13~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
(i)~(iv)の前記混合中にせん断が加えられてブレンドを生成する、請求項13~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記相溶化剤樹脂及び前記遅延架橋剤は、せん断を加える前に添加される、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記ブレンドを押出成形してペレットを生成することを更に含む、請求項13~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
好ましくは約265℃以下、好ましくは約240℃以下の温度で、前記ペレットから成形体を射出成形することを更に含む、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記成形体は、非空気圧タイヤ用のスポークである、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
請求項22又は23に記載のプロセスによって作製された非空気圧タイヤスポーク。
【請求項25】
請求項22に記載のプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、非空気圧タイヤでの使用に好適なポリマーブレンド、ポリマーブレンドを調製するためのプロセス、並びに非空気圧タイヤ及びポリマーブレンドを組み込んだ、非空気圧タイヤの構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイヤは空気で膨張させているが、非空気圧タイヤは、空気膨張に依存せずに車両の重量を支持するか、又は路面からの衝撃を吸収する点でエアレスと考えることができる。非空気圧タイヤは、メンテナンスがより少なく、穿刺リスクがないことに関して利点を提供する。非空気圧タイヤには、様々な設計が提案されており、その一部では、内部リム状構造に(直接的又は間接的に)接続され、外側バンド又はリング及び比較的薄いゴム層によって被覆されたスポークのネットワークを使用する。そのような設計では、スポークは、車両重量の支持を提供するように機能し、スポークの構築及び構成は、非空気圧タイヤ全体の設計において重要である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、非空気圧タイヤでの使用に好適なポリマーブレンド、ポリマーブレンドを調製するためのプロセス、並びに非空気圧タイヤ及びポリマーブレンドを組み込んだ、非空気圧タイヤの構成要素が開示される。
【0004】
第1の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンドが提供される。第1の実施形態によれば、ポリマーブレンドは、(a)(i)約50~約100℃、好ましくは約50~約80℃のTg、又は(ii)約200~約280、好ましくは約210~約260℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、熱可塑性ポリエステルエラストマー、好ましくはポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーと、(b)(i)約200~約300℃、好ましくは約200~約275℃のTg、又は(ii)約300~約400℃、好ましくは約320~約390℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、高温熱可塑性ポリマー、好ましくはポリスルホンポリマーと、(c)相溶化剤樹脂、好ましくはフェノキシ樹脂と、(d)遅延架橋剤、好ましくはエポキシ化合物と、(e)活性化剤、好ましくはアミン系活性化剤と、を含み、(a)及び(b)の総量は、100部であり、(a)は、30~95部、好ましくは30~80部、より好ましくは30~50部の量で存在し、(b)は、5~70部、好ましくは20~70部、より好ましくは50~70部の量で存在する。
【0005】
第2の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンドを調製するためのプロセスが提供される。第2の実施形態によれば、プロセスは、高温熱可塑性ポリマー(好ましくはポリスルホンポリマー)を加熱して、ポリマーを溶融することであって、高温熱可塑性ポリマーは、(a)約200~約300℃、好ましくは約200~約275℃のTg、又は(b)約300~約400℃、好ましくは約320~約390℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、ことと、(i)熱可塑性ポリエステルエラストマー(好ましくはポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマー)、(ii)相溶化剤樹脂(好ましくはフェノキシ樹脂)、(iii)遅延架橋剤(好ましくはエポキシ化合物)、及び(iv)任意選択で活性化剤を、溶融ポリマーと混合して、ブレンドを形成することと、を含み、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、(c)約50~約100℃、好ましくは約50~約80℃のTg、又は(d)約200~約280、好ましくは約210~約260℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを満たし、加熱及び混合は、押出機、好ましくは二軸押出機で行う。
【0006】
第3の実施形態では、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドから作製された構成要素を有する非空気圧タイヤが開示される。
【0007】
第4の実施形態では、(第2の実施形態のプロセスの実施形態による)射出成形プロセスによって作製された非空気圧タイヤスポーク及び1つ以上のそのようなスポークを含む非空気圧タイヤが開示される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書では、非空気圧タイヤでの使用に好適なポリマーブレンド、ポリマーブレンドを調製するためのプロセス、並びに非空気圧タイヤ及びポリマーブレンドを組み込んだ、非空気圧タイヤの構成要素が開示される。
【0009】
第1の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンドが提供される。第1の実施形態によれば、ポリマーブレンドは、(a)(i)約50~約100℃、好ましくは約50~約80℃のTg、又は(ii)約200~約280、好ましくは約210~約260℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、熱可塑性ポリエステルエラストマー、好ましくはポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーと、(b)(i)約200~約300℃、好ましくは約200~約275℃のTg、又は(ii)約300~約400℃、好ましくは約320~約390℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、高温熱可塑性ポリマー、好ましくはポリスルホンポリマーと、(c)相溶化剤樹脂、好ましくはフェノキシ樹脂と、(d)遅延架橋剤、好ましくはエポキシ化合物と、(e)活性化剤、好ましくはアミン系活性化剤と、を含み、(a)及び(b)の総量は、100部であり、(a)は、30~95部、好ましくは30~80部、より好ましくは30~50部の量で存在し、(b)は、5~70部、好ましくは20~70部、より好ましくは50~70部の量で存在する。
【0010】
第2の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンドを調製するためのプロセスが提供される。第2の実施形態によれば、プロセスは、高温熱可塑性ポリマー(好ましくはポリスルホンポリマー)を加熱して、ポリマーを溶融することであって、高温熱可塑性ポリマーは、(a)約200~約300℃、好ましくは約200~約275℃のTg、又は(b)約300~約400℃、好ましくは約320~約390℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する、ことと、(i)熱可塑性ポリエステルエラストマー(好ましくはポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマー)、(ii)相溶化剤樹脂(好ましくはフェノキシ樹脂)、(iii)遅延架橋剤(好ましくはエポキシ化合物)、及び(iv)任意選択で活性化剤を、溶融ポリマーと混合して、ブレンドを形成することと、を含み、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、(c)約50~約100℃、好ましくは約50~約80℃のTg、又は(d)約200~約280、好ましくは約210~約260℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを満たし、加熱及び混合は、押出機、好ましくは二軸押出機で行う。
【0011】
第3の実施形態では、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドから作製された構成要素を有する非空気圧タイヤが開示される。
【0012】
第4の実施形態では、(第2の実施形態のプロセスの実施形態による)射出成形プロセスによって作製された非空気圧タイヤスポーク及び1つ以上のそのようなスポークを含む非空気圧タイヤが開示される。
温度安定性ポリマーブレンド
【0013】
上述のように、本明細書で開示される第1の実施形態は、温度安定性ポリマーブレンドに関する。以下でより詳細に論じられるように、ポリマーブレンドの温度安定性態様は、商業用車両(例えば、トラクタトレーラ又はバス)の運転中に非空気圧タイヤが遭遇する可能性があるような、広範囲の温度にわたってその強度を維持するブレンドの能力を指す。全ての実施形態に関して本明細書で使用される場合、「温度安定性」という語句は、その弾性率の少なくとも90%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%以上、90~99%、90~98%、90~97%、90~96%、90~95%など)を、-40~190℃の温度範囲にわたって維持するブレンドの能力を指し、弾性率は、50%弾性率又は100%弾性率のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方でのMPa測定値を指す。広範囲の温度にわたってその強度を維持することに加えて、ポリマーブレンドはまた、好ましくは、両方とも以下でより詳細に論じられるように、特定の範囲内の弾性率を有し、かつ射出成形を介して加工可能である。温度安定性ポリマーブレンドは、最終的に架橋される(すなわち、遅延架橋剤による)ため、それは温度安定性架橋ポリマーブレンドであると見なすこともでき、「温度安定性ポリマーブレンド」という語句の本明細書のそれぞれの例は、「温度安定性架橋ポリマーブレンド」を指すと考えられるべきである。
【0014】
一般に、温度安定性ポリマーブレンドは、それぞれ以下でより詳細に論じられるような、(a)熱可塑性ポリエステルエラストマー、(b)高温熱可塑性ポリマー、(c)相溶化剤樹脂、(d)遅延架橋剤、及び(e)活性化剤を含む。温度安定性ポリマーブレンドを調製するために使用される成分(a)~(e)のそれぞれの特定の量は、変化してもよい。好ましくは、(a)及び(b)の総量が100部であると見なされる場合、(a)は、30~95部(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95部)、好ましくは30~80部(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80部)、より好ましくは30~50部(例えば、30、32、34、35、36、38、40、42、44、45、46、48、又は50部)の量で存在し、(b)は、5~70部(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、又は70部)、好ましくは20~70部(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、又は70部)、より好ましくは50~70部(例えば、50、52、54、55、56、58、60、62、64、65、66、68、又は70部)の量で存在する。温度安定性ポリマーブレンドを調製するために使用される相溶化剤樹脂(c)の量は、変化してもよい。好ましい実施形態では、相溶化剤樹脂(c)は、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約5~約20重量%又は5~20重量%(例えば、5、6、8、10、12、14、15、16、18、又は20重量%)の量で、好ましくは(a)及び(b)の総重量に基づいて、約8~約15重量%又は8~15重量%(例えば、8、10、12、14、又は15重量%の量で使用される。非限定的な例として、(a)が40部の量で使用され、(b)が60部の量で使用される場合、(c)は、10部((a)及び(b)の総重量に基づいて10重量%に相当するであろう)の量、又は15部((a)及び(b)の総重量に基づいて15重量%に相当するであろう)の量で使用され得る。温度安定性ポリマーブレンドを調製するために使用される架橋剤(d)の量は、変化してもよい。好ましい実施形態では、架橋剤(d)は、約0.5~約5重量%又は0.5~5重量%(例えば、(a)及び(b)の総重量に基づいて、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は5重量%、好ましくは(a)及び(b)の総重量に基づいて、約1~約5重量%又は1~5重量%(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は5重量%)の量で使用される。非限定的な例として、(a)が40部及び(b)が60部の量で使用される場合、(d)は、10部((a)及び(b)の総重量に基づいて10重量%に相当するであろう)の量、又は15部((a)及び(b)の総重量に基づいて15重量%に相当するであろう)の量で使用され得る。温度安定性ポリマーブレンドを調製するために使用される活性化剤(e)の量は、変化してもよい。好ましい実施形態では、活性化剤(e)は、(a)及び(b)の総重量に基づいて、約0.1~約10重量%又は0.1~10重量%(例えば、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、又は10重量%)の量で、好ましくは(a)及び(b)の総重量に基づいて、約0.5~約2重量%又は0.5~2重量%(例えば、0.5、1、1.5、又は2重量%)の量で使用される。活性化剤の量が、(a)及び(b)の総重量に基づいて、重量に基づく量の前述の範囲のうちの1つ以内にあると提示することにより、(a)及び(b)の総量が100部に設定され、活性化剤の量がそれに応じて計算されることを意味する。非限定的な例として、(a)及び(b)の総重量に基づいて、5重量%の活性化剤の使用は、(a)及び(b)の合計量が100部として5部の活性化剤と同等であると理解することができる。特定の好ましい実施形態では、(a)~(e)のそれぞれは、上述の好ましい範囲又は量で使用される。特定の特に好ましい実施形態では、(a)~(e)のそれぞれは、上述のより好ましい範囲又は量で使用される。
【0015】
第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンド及び/又は温度安定性ポリマーブレンドから作製された非空気圧タイヤスポーク及び/又はそのようなスポークを含有する非空気圧タイヤは、ポリウレタンポリマーを含有しない。換言すれば、そのような実施形態では、1重量%未満(例えば、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%以下)のポリウレタンポリマー、より好ましくは0重量%のポリウレタンポリマーが、温度表ポリマーブレンド、温度表ポリマーブレンドから作製された非空気圧タイヤスポーク、及び/又はそのようなスポークを含む非空気圧タイヤに存在する。
【0016】
第1の実施形態~第4の実施形態の他の実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマーの少なくとも一部は、本明細書で論じられる熱可塑性ポリエステルエラストマーと同様のTg及び/又は本明細書で論じられる熱可塑性ポリエステルエラストマーと同様の溶融温度を有する熱可塑性ポリウレタンによって置き換えられる。
【0017】
第1の実施形態のサブ実施形態として、温度安定性ポリマーブレンドのペレット化版、温度安定性ポリマーブレンドのロッド又はストランド、温度安定性ポリマーブレンドから作製された非空気圧タイヤの構成要素(例えば、スポーク)、及び温度安定性ポリマーブレンドから作製された少なくとも1つの構成要素、好ましくは、タイヤのインナーリムと外側バンド又はリングとを接続する1つ以上のスポークを有する非空気圧タイヤが本明細書に開示される。
熱可塑性ポリエステルエラストマー
【0018】
上述のように、第1の実施形態~第4の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドは、熱可塑性ポリエステルエラストマー(成分(a))を含む。熱可塑性ポリエステルエラストマーは、一般に、熱可塑性ブロック及びエラストマーブロックの両方を含むコポリマーであると理解され、エラストマーの性能利点(例えば、低温での可撓性)及び熱可塑性樹脂の性能利点(例えば、高温での強度の保持)を有するコポリマーを提供する。ブレンドで使用するための好適な熱可塑性ポリエステルエラストマーは、以下の(i)約50~約100℃又は50~100℃(例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100℃)、好ましくは約50~約80℃又は50~80℃(例えば、50、52、54、55、56、58、60、62、64、65、66、68、70、72、74、75、76、78、又は80℃)のTg、及び(ii)約200~約280℃又は200~280℃(例えば、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、又は280℃)、好ましくは約210~約260℃又は210~260℃(例えば、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、又は260℃)の溶融温度のうちの少なくとも1つを満たすこととなる。第1の実施形態~第4の実施形態の好ましい実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、上述の好ましい範囲又は量内のTg及び溶融温度の両方を有する。第1の実施形態~第4の実施形態の特に好ましい実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、上述の好ましい範囲又は量内のTg及び溶融温度の両方を有する。Tg及び溶融温度の両方は、ISO11357などの標準的な方法に従って決定することができる。特に、熱可塑性ポリエステルエラストマー材料は、一般に2つのTgを有し、前述のTg値は、曲線図表からのより高いTgを指すものとして理解されるべきである。
【0019】
前述の特性を有する様々な熱可塑性ポリエステルエラストマーを、温度安定性ポリマーブレンドの調製に使用してもよい。1種又は2種以上の熱可塑性ポリエステルエラストマーが利用されてもよい。好ましい実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーであり、特定のそのような実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマーのうちの少なくとも90重量%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)、少なくとも95重量%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)、少なくとも98%(例えば、98%、98.5%、99%、99.5%、又は100%)、少なくとも99重量%、又は更に100重量%を、ポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーが占める。ポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーは、ジカルボン酸誘導体(例えば、テレフタレート又はナフタレート)と1つ以上のジオール(例えば、ブタンジオール、プロパンジオール)との反応によって生成することができるポリエステルブロック(又はポリエステルセグメント)の形態の「ハード」部分を含み、ポリアルキレンエーテルグリコールに基づくことができるポリエーテルブロック(又はポリエーテルセグメント)の形態の「ソフト」部分又はエラストマー部分もまた含む。ポリエステルブロック及びポリエーテルブロックの相対量は、ポリエステルブロックからの総単位の重量%が、全コポリマーの30~90重量%(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90重量%)、好ましくは全コポリマーの30~40重量%(例えば、30、32、34、35、36、38、又は40重量%)で、ポリエーテルブロックからの総単位の重量%が、全コポリマーの10~70重量%(例えば、10、20、30、40、50、60、又は70重量%)、好ましくは全コポリマーの60~70重量%(例えば、60、62、64、65、66、68、又は70重量%)で変化し得る。使用に好適な例示的なポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーとしては、ポリアルキレン-テレフタレート-ポリアルキレンエーテルグリコールコポリマー及びポリアルキレン-ナフタレート-ポリアルキレンエーテルグリコールコポリマーが挙げられ、ポリブチレンテレフタレート-ポリメチレンエーテルグリコールなどのポリアルキレンテレフタレート-ポリアルキレンエーテルグリコールコポリマーが好ましい。特定の実施形態では、ポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーのポリアルキレンエーテルグリコール部分は、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリメチレンエーテルグリコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0020】
様々なポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーが市販されており、ポリマーブレンド中の熱可塑性ポリエステルエラストマー(a)としての使用に好適であり得、様々なグレードのHytrel(登録商標)(DuPont(商標)から入手可能)、Riteflex(登録商標)(Celanese Corporationから入手可能)、Arnitel(登録商標)(DSM Engineering Plasticsから入手可能)、Pelprene(登録商標)(Toyobo U.S.A.,Inc.から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。前述の熱可塑性ポリエステルエラストマーの好適なグレードは、本明細書に記載の他の特性(例えば、Tg及び溶融温度)を使用して選択することができる。例えば、Toyobo製のPelprene(登録商標)ブランドのうち、高い可撓性及び高融点を有する超熱耐性Sタイプ又はPタイプが有用であり得る。
【0021】
第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマーは、以下の特性:(a)20~70(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、若しくは70)、又は30~60(例えば、30、35、40、45、50、55、若しくは60)のショアD硬度(ISO868により、15秒で測定)、(b)平行方向で、70~130kN/m(例えば、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、若しくは130kN/m)、若しくは75~125kN/m(例えば、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、若しくは125kN/m)、及び/又は、垂直方向で、60~130kN/m(例えば、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、若しくは130kN/m)、若しくは70~125kN/m(例えば、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、若しくは125kN/m)の引き裂き強度(ISO150-34-1により測定)、(c)40~100kJ/m(例えば、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100kJ/m)及び50~90kJ/m(50、55、60、65、70、75、80、85、又は90kJ/m)を含む、少なくとも40kJ/mの23℃でのノッチ付き衝撃強度(ISO179/1eAにより測定)、(d)20~100MPa(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100MPa)、又は20~90MPa(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、若しくは90MPa)の曲げ弾性率(ISO178により測定)、(e)20~40MPa(例えば、20、25、30、35、若しくは40MPa)、又は22~38MPa(例えば、22、24、26、28、30、32、34、36、若しくは38MPa)、又は24~36MPa(例えば、24、26、28、30、32、34、若しくは36MPa)の破断時の応力(ISO527により測定)、あるいは(f)少なくとも600%又は600~1000%(例えば、600、650、700、750、800、850、900、950、若しくは1000%)、又は650~950%(例えば、650、700、750、800、850、900、若しくは950%)、又は700~900%(例えば、700、750、800、850、若しくは900%)の破断時の公称歪み(ISO527により測定)のうちの少なくとも1つを有する。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、前述の(a)~(c)のそれぞれが満たされる。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、前述の(a)~(c)のそれぞれが満たされ、(d)~(f)のうちの少なくとも1つもまた満たされる。第1の実施形態~第4の実施形態の更に他の実施形態では、(a)~(f)のそれぞれが満たされる。
高温熱可塑性ポリマー
【0022】
上述のように、高温熱可塑性ポリマー(成分(b))は、温度安定性ポリマーブレンドの調製に使用される。このポリマーは、そのTg及びその溶融温度の両方(以下でより詳細に論じられる)が熱可塑性ポリエステルエラストマー(成分(a))の対応する特性よりも高いため、高温であると称される。高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリエステルエラストマーのみの使用と比較すると、温度安定性ポリマーブレンドが特性の著しい損失を伴わずに比較的高い温度で動作することを可能にする。ブレンドで使用するための好適な高温熱可塑性ポリマーは、(i)約200~約300℃又は200~300℃(例えば、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、若しくは300℃)、好ましくは約200~約275℃又は200~275℃(例えば、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、若しくは275℃)のTg、又は(ii)約300~約400℃又は300~400℃(例えば、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、若しくは400℃)、好ましくは約320~約390℃又は320~390℃(例えば、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、若しくは390℃)の溶融温度のうちの少なくとも1つを有することとなる。好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマーは、上記の範囲又は量のうちの1つ以内のTg及び溶融温度の両方を有する。特に好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマーは、上述の好ましい範囲又は量内のTg及び溶融温度の両方を有する。Tg及び溶融温度の両方は、ISO11357などの標準的な方法に従って決定することができる。
【0023】
前述の特性を有する様々な高温熱可塑性ポリマーを、温度安定性ポリマーブレンドの調製に使用してもよい。1種又は2種以上の高温熱可塑性ポリマーが利用されてもよい。好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマーは、ポリスルホンポリマーであり、特定のそのような実施形態では、高温熱可塑性ポリマーのうちの少なくとも90重量%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%)、少なくとも95重量%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%)、少なくとも98%(例えば、98重量%、99重量%、若しくは100重量%)、少なくとも99重量%(例えば、99%、99.5%、若しくは100%)、又は更に100重量%を、ポリスルホンポリマーが占める。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマーのうちの90~100重量%、90~99重量%、90~95重量%、95~100重量%、又は95~99重量%を、ポリスルホンポリマーが占める。高温熱可塑性ポリマーの特に好ましいポリマーとしては、ポリエーテルスルホンポリマー及びポリフェニルスルホンポリマーが挙げられる。
【0024】
一般に、ポリエーテルスルホンポリマーは、以下の構造を有すると理解することができ、括弧内の繰り返し単位のそれぞれが構造(I)を有すると見なすことができる。
【化1】
特に、それぞれのフェニル基(構造(I)に示されるように、あるいは、ビフェニル、ビスフェノールA、又は一般に、芳香族若しくはヘテロ芳香族構造を有する任意の他のアリール基であってもよい)は、-[O-Ar-SO-Ar-]-として表すことができ、式中、Arは、芳香族又はヘテロ芳香族構造のアリール基である。ポリエーテルスルホンポリマーのMwは、変化してもよいが、一般に、ポリスチレン標準によりASTM D5296を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されたときに、約20,000~約100,000グラム/モル又は20,000~100,000グラム/モル(例えば、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、若しくは100,000グラム/モル)、好ましくは約40,000~約80,000グラム/モル又は40,000~80,000グラム/モル(例えば、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、若しくは80,000グラム/モル)である。ポリエーテルスルホンポリマーでは、芳香族基又はヘテロ芳香族基のそれぞれは、任意選択で1個以上の一価置換基(例えば、1、2、3、又は4個の置換基)を含むことができ、それぞれの芳香族基又はヘテロ芳香族基についての一価置換基は、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ金属スルホネート若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ金属ホスホネート若しくはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される。特定の実施形態では、ポリエーテルスルホンポリマーは、少なくとも75重量%(例えば、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%)の、芳香族基又はヘテロ芳香族基が非置換の構造(I)の繰り返し単位を含み、好ましくはそのような実施形態では、90重量%超(例えば、91重量%、95重量%、99重量%、100重量%)の、芳香族基又はヘテロ芳香族基が非置換の構造(I)の繰り返し単位を含み、99重量%超(例えば、99.1重量%、99.5重量%、又は100重量%)、又は更に100重量%の、芳香族基又はヘテロ芳香族基が非置換の構造(I)の繰り返し単位を含む。他の実施形態では、ポリエーテルスルホンポリマーは、少なくとも75重量%(例えば、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%)の、芳香族基又はヘテロ芳香族基が置換された構造(I)の繰り返し単位を含み、好ましくはそのような実施形態では、85重量%超(例えば、86重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%)の、芳香族基又はヘテロ芳香族基が置換された構造(I)の繰り返し単位を含み、95重量%超(例えば、96重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、又は100重量%)、99重量%超(例えば、99.1重量%、99.5重量%、又は100重量%)、又は更に100重量%の、芳香族基又はヘテロ芳香族基が置換された構造(I)の繰り返し単位を含む。
【0025】
一般に、ポリフェニルエーテルスルホンポリマーは、以下の構造を有すると理解することができ、括弧内の繰り返し単位のそれぞれが構造(II)を有すると見なすことができる。
【化2】
そのようなポリフェニルエーテルスルホンポリマーのMwは、変化してもよいが、一般に、ポリスチレン標準によりASTM D5296を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって決定されたときに、約20,000~約100,000グラム/モル又は20,000~100,000グラム/モル(例えば、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、若しくは100,000グラム/モル)、好ましくは約40,000~約80,000グラム/モル又は40,000~80,000グラム/モル(例えば、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、若しくは80,000グラム/モル)である。ポリフェニルエーテルスルホンポリマーでは、フェニル基のそれぞれは、任意選択で1個以上の一価置換基(例えば、1、2、3、又は4個の置換基)を含むことができ、それぞれのフェニル基についての一価置換基は、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、又はフッ素)、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ金属スルホネート若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ金属ホスホネート若しくはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び第四級アンモニウムからなる群から独立して選択される。特定の実施形態では、ポリエーテルスルホンポリマーは、少なくとも75重量%(例えば、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%)の、フェニル基が非置換の構造(I)の繰り返し単位を含み、好ましくはそのような実施形態では、90重量%超(例えば、91重量%、95重量%、99重量%、100重量%)の、フェニル基が非置換の構造(I)の繰り返し単位を含み、99重量%超(例えば、99.1重量%、99.5重量%、又は100重量%)、又は更に100重量%の、フェニル基が非置換の構造(I)の繰り返し単位を含む。他の好ましい実施形態では、ポリエーテルスルホンポリマーは、少なくとも75重量%(例えば、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%)の、フェニル基が置換された構造(I)の繰り返し単位を含み、好ましくはそのような実施形態では、85重量%超(例えば、86重量%、90重量%、95重量%、99重量%、又は100重量%)の、フェニル基が置換された構造(I)の繰り返し単位を含み、95重量%超(例えば、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、又は100重量%)、99重量%超(例えば、99.1重量%、99.5重量%、又は100重量%)、又は更に100重量%の、フェニル基が置換された構造(I)の繰り返し単位を含む。
【0026】
様々なポリエーテルスルホンポリマーが市販されており、ポリマーブレンド中の高温熱可塑性ポリマー(b)としての使用に好適であり得、様々なグレードのVeradel(登録商標)(Solvay(商標)から入手可能)、LNP(商標)THERMOCOMP(商標)及びLNP(商標)LUBRICOMP(商標)を含むLNP(商標)(SABICから入手可能)、Ultrason(登録商標)E(BASFから入手可能)、RTP1400シリーズ(RTP Companyから入手可能)、及びLUVOCOM(登録商標)(Lehmann&Vossから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。様々なポリフェニルスルホンポリマーもまた市販されており、ポリマーブレンド中の高温熱可塑性ポリマー(b)としての使用に好適であり得、様々なグレードのAccudel(登録商標)、Radel(登録商標)及びVeriva(登録商標)(全てSolvay(商標)から入手可能)、Ultrason(登録商標)P(BASFから入手可能)、Europlex(登録商標)(Evonikから入手可能)、並びにSustason(登録商標)(Rochlingから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。前述の高温熱可塑性ポリマーの好適なグレードは、本明細書に記載の他の特性(例えば、Tg及び溶融温度)を使用して選択することができる。
【0027】
第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、約8,000~約120,000グラム/モル又は8,000~120,000グラム/モル(例えば、8,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、110,000、若しくは120,000グラム/モル)、好ましくは約15,000~約90,000グラム/モル又は15,000~90,000グラム/モル(例えば、15,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000;若しくは90,000グラム/モル)、より好ましくは約20,000~約55,000グラム/モル又は20,000~55,000グラム/モル(例えば、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、若しくは55,000グラム/モル)のMnを有し、特定のそのような実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、ポリエーテルスルホンポリマー、好ましくはポリフェニルエーテルスルホンポリマーである。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、約20,000~約350,000グラム/モル又は20,000~350,000グラム/モル(例えば、20,000、30,000、40,000、50,000、100,000、150,000、200,000、250,000、300,000、若しくは350,000グラム/モル)、好ましくは約50,000~約250,000グラム/モル又は50,000~250,000グラム/モル(例えば、50,000、100,000、150,000、200,000、若しくは250,000グラム/モル)、より好ましくは約60,000~約150,000グラム/モル又は60,000~150,000グラム/モル(例えば、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、110,000、120,000、130,000、140,000、若しくは150,000グラム/モル)のMwを有し、特定のそのような実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、ポリエーテルスルホンポリマー、好ましくはポリフェニルエーテルスルホンポリマーである。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、約1.5~約4又は1.5~4(例えば、1.5、2、2.5、3、3.5、若しくは4)、好ましくは約1.9~約3.8又は1.9~3.8(例えば、1.9、2、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3、3.1、3.3、3.5、3.7、若しくは3.8)、より好ましくは約2~約3.5又は2~3.5(例えば、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、若しくは3.8)のMw/Mnを有し、特定のそのような実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、ポリエーテルスルホンポリマー、好ましくはポリフェニルエーテルスルホンポリマーである。第1の実施形態~第4の実施形態の好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、前述の範囲内、好ましくは前述の好ましい範囲内、より好ましくは前述のより好ましい範囲内のMw、Mn、及びMw/Mnを有し、特定のそのような実施形態では、高温熱可塑性ポリマー(b)は、ポリエーテルスルホンポリマー、好ましくはポリフェニルエーテルスルホンポリマーである。高温熱可塑性ポリマーのMw値及びMn値は、ポリスチレン標準を使用してGPCによって決定することができる。
相溶化剤樹脂
【0028】
上述のように、相溶化剤樹脂(成分(c))は、温度安定性ポリマーブレンドの調製に使用される。相溶化剤樹脂は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(成分(a))と高温熱可塑性ポリマー(成分(b))とのより均質な混合又はブレンドを達成するのに有用であり得、そうでなければ高温熱可塑性ポリマーに必要とされたであろう温度よりも低い温度でその2つの混合物を加工することができる。
【0029】
温度安定性ポリマーブレンドを調製する際に、様々な種類の樹脂を相溶化剤樹脂として使用することができる。好ましい実施形態では、相溶化剤樹脂は、フェノキシ樹脂であり、特定のそのような実施形態では、相溶化剤樹脂の少なくとも90重量%(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%)、少なくとも95重量%(例えば、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%)、少なくとも98重量%(例えば、98%、99%、若しくは100%)、少なくとも99重量%(例えば、99%、99.5%、若しくは100%)又は更に100重量%を、フェノキシ樹脂が占める。一般に、フェノキシ樹脂は、ビスフェノールAと、エピクロロヒドリンなどのエポキシと、から調製され得る。一般に、フェノキシ樹脂は、以下の構造を有すると理解することができ、括弧内の繰り返し単位のそれぞれが構造(II)を有すると見なすことができ、
【化3】
式中、nは、約50~約250(例えば、50、75、100、125、150、175、200、225、又は250)である。相溶化剤樹脂のMwは、変化してもよいが、約15,000~約60,000グラム/モル又は15,000~60,000グラム/モル(例えば、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、又は60,000グラム/モル)のMwが好ましく、約20,000~約50,000グラム/モル又は20,000~50,000グラム/モル(例えば、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、又は50,000グラム/モル)のMwが特に好ましい。前述のMw範囲は、相溶化剤樹脂として好ましいフェノキシ樹脂(複数可)の使用に等しく適用されると理解されるべきである。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、相溶化剤樹脂は、室温で固体となり、温度安定性ポリマーブレンドの調製において(溶液ではなく)固体形態(例えば、ペレット又は粉末、好ましくはペレット)で使用されることとなる。温度安定性ポリマーブレンドを調製するために使用される相溶化剤樹脂の量は、変化してもよい。上記のように、好ましくは、相溶化剤樹脂は、((a)及び(b)の総重量に基づいて)約5~約20%の量、より好ましくは((a)及び(b)の総重量に基づいて)約8~約15%の量で使用される。相溶化剤樹脂の量が、(a)及び(b)の総重量に基づいて、重量に基づく量の前述の範囲のうちの1つ以内にあると提示することにより、(a)及び(b)の総量が100部に設定され、相溶化剤樹脂の量がそれに応じて計算されることを意味する。非限定的な例として、(a)及び(b)の総重量に基づいて、5重量%の相溶化剤樹脂の使用は、(a)及び(b)の合計量を100部として5部の相溶化剤樹脂と同等であると理解することができる。特定の実施形態では、フェノキシ樹脂は、官能化されていてもよく、フェノキシ樹脂は、(例えば、末端基では)、エポキシ基、ヒドロキシル基、アミン基、フッ素基、シロキサン基、及び/又はアミド基のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0030】
様々なフェノキシ樹脂が市販されており、ポリマーブレンド中の相溶化剤樹脂(c)としての使用に好適であり得、PKHA、PKHB、PKHB+PKHC、PKHH、PKHJ、PKFE、PKHP、及びPKHBなどの、InChem Corp.製の様々なグレードの固体グレード(PhenoxyVeradel(登録商標)で販売(Solvay(商標)から入手可能)、Nippon Steel & Sumikin Chemical Co.,Ltd.製のYP50S、及びMitsubishi Chemical製のjER(商標)(以前のEpikote(商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
遅延架橋剤
【0031】
上述のように、遅延架橋剤(成分(d))は、温度安定性ポリマーブレンドの調製に使用される。(通常の架橋剤とは対照的に)遅延架橋剤の使用は、ブレンドが(例えば、射出成形によって)成形された後までブレンドの架橋を遅延させるという利点を提供し、それにより、特に非空気圧タイヤなどのタイヤ構成要素として(例えば、スポークとして)使用するための、熱可塑性物品を上回る性能上の利点を有する熱硬化性物品を作り出す。
【0032】
温度安定性ポリマーブレンドを調製する際に、様々な種類の化合物を遅延架橋剤として利用することができる。好ましい実施形態では、遅延架橋剤は、エポキシ化合物である。温度安定性ポリマーブレンドを調製する際の、遅延架橋剤としての使用には、様々なエポキシ化合物が好適であり得る。特に好ましい種類のエポキシは、エポキシ化植物油及びポリエポキシド化合物である。
【0033】
一般に、ポリエポキシド化合物は、2つ以上のエポキシ官能基を組み込んだコポリマー及びターポリマーを含むものとして理解され得る。2つ以上のエポキシ官能基を含むポリエポキシド化合物はまた、エポキシ含有モノマーの複数の重合を含むものとして説明することができる。より具体的には、好適なポリエポキシドコポリマーは、グリシジル又はフェニルグリシジルなどのエポキシモノマーと、イソシアネート又はアルデヒドなどの第2のモノマーと、を含む。好適なポリエポキシドターポリマーは、グリシジル又はフェニルグリシジルなどのエポキシモノマーと、イソシアネート、アルデヒド、芳香族アミン、(メタ)アクリレート、又はクレゾールなどの第2のモノマー及び第3のモノマーと、を含む。遅延架橋剤としての使用に好適なポリ-エポキシド化合物の非限定的な例としては、ポリ(エチレン-co-メチルアクリレート-co-グリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレン-co-グリシジルメタクリレート)、ポリ[(o-クレジルグリシジルエーテル)-co-ホルムアルデヒド)、ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-co-ホルムアルデヒド)、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、トリグリシジルイソシアヌレート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0034】
第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、遅延架橋剤がポリエポキシド化合物である場合、遅延架橋剤は、1つ以上の種類のエポキシ樹脂から、より具体的にはグリシジルエポキシ樹脂、非グリシジルエポキシ樹脂、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、遅延架橋剤は、グリシジルエポキシ樹脂を含み、特定のそのような実施形態では、遅延架橋剤は、グリシジルエポキシ樹脂からなる。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、遅延架橋剤は、非グリシジルエポキシ樹脂を含み、特定のそのような実施形態では、遅延架橋剤は、非グリシジルエポキシ樹脂からなる。例示的なタイプのグリシジルエポキシ樹脂は、グリシドキシエーテル(例えば、ビスフェノールA及びノボラックエポキシ樹脂のグリシジルエーテル)、グリシドキシ-エステル、及びグリシドキシ-アミンを含む。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、遅延架橋剤は、グリシドキシエーテル樹脂を含み、特定のそのような実施形態では、遅延架橋剤は、グリシドキシエーテル樹脂からなる。非グリシジルエポキシ樹脂の例示的な種類としては、脂肪族エポキシ樹脂及び脂環式樹脂が挙げられる。
【0035】
遅延架橋剤がエポキシ化植物油である場合、様々な植物油が基油となってもよい。より具体的には、好適なエポキシ化植物油としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマワリ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化キャノーラ油、エポキシ化トウモロコシ油、エポキシ化亜麻油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化ゴマ油、エポキシ化カシューナッツ油、エポキシ化マカダミアナッツ油、エポキシ化綿実油、エポキシ化ホホバ油、エポキシ化パーム油、エポキシ化ココナツ油、エポキシ化パーム油、エポキシ化キリ油、エポキシ化された、エポキシ化ピーナッツ油が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、ラードなどの動物源油のエポキシ化形態を利用してもよい。好ましくは、エポキシド化合物がエポキシ化植物油である場合、エポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油が使用され、それぞれ一般的に様々な供給元から入手可能である。
活性化剤
【0036】
上述のように、活性化剤(成分(e))は、温度安定性ポリマーブレンドの調製に使用される。活性化剤の使用は、ブレンドの熱硬化性物品への硬化につながる反応に必要な活性化エネルギーを低下させるのに有益であり得る。温度安定性ポリマーブレンドを硬化させる際の活性化剤の役割から、活性化剤は、硬化剤と呼ばれることがある。
【0037】
温度安定性ポリマーブレンドを調製する際に、様々な種類の化合物を活性化剤として利用することができる。活性化剤としての使用に好適な化合物の非限定的な例としては、アミン系化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、無水物、及びフェノール化合物が挙げられる。好ましくは、活性化剤は、アミン系化合物である。
【0038】
第1の実施形態~第4の実施形態によれば、アミン系化合物が活性化剤として使用される場合、ジアミン、ポリアミン、及びアミドを含む、脂肪族、脂環式、及び芳香族アミンを含む様々な種類の化合物が好適であり得る。好ましくは、アミン系化合物は、脂肪族アミン、より好ましくは第一級又は第二級脂肪族アミンである。より具体的には、好適な脂肪族アミンには、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、N-N-ジメチルプロピレンジアミン、N-N-ジエチルプロピレンジアミン、エチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジプロぺンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、及びそれらの組み合わせなどの化合物を挙げることができる。好適な脂環式アミンとしては、N-アミノエチルピペラジン、ピペリジン、メンタンジアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,5-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,5-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,4-ビス(4-アミノシクロヘキシルメチル)シクロヘキシルアミン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4’-ビス(4-シクロヘキシルメチル)ジシクロヘキシルアミン、2,2-ビス(4-アミノ-3-メチルシロキシル)プロパン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンビス(メチルアミン)(ノルボルナンジアミン)、3,3,5-トリメチル-N-(プロパン-2-イル)-5-[(プロパン-2-イルアミノ)メチル]シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、及びそれらの組み合わせなどの化合物を挙げることができる。好適な芳香族アミンとしては、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ベンジルジメチルアミン、トリス-2,4,6-ジメチルアミノメチルフェノール、ジアミノジフェニルスルホン、及びそれらの組み合わせなどの化合物を挙げることができる。
【0039】
フェノール化合物を活性化剤として使用する場合、クレゾール、ビスフェノールA、t-ブチルフェノール、ノニルフェノール、及びノボラックを含む様々な種類の化合物が好適であり得る。より具体的な例としては、フェノール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ビスフェノールAフェノール-ホルムアルデヒドノボラック樹脂、ジシアンジアミド、ジシクロペンタジエン-フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール-ノボラック樹脂、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
カルボン酸化合物が活性化剤として使用される場合、カルボン酸及びC~C24(例えば、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、又はC24)カルボン酸の金属塩(例えば、金属は、Ba、Cd、Ca、Ce、Cu、Fe、La、Pb、Mn、Na、Zn、又はZr)を含む様々な種類の化合物が好適であり得る。
【0041】
チオール化合物を活性化剤として使用する場合、脂肪族チオール化合物、芳香族チオール化合物、複素環含有チオール化合物、及びメルカプト基を有する化合物(特に少なくとも2つのメルカプト基を含有する化合物)を含む様々な種類の化合物が好適であり得る。より具体的には、好適な脂肪族チオール化合物としては、メタンジチオール、プロパンジチオール、シクロヘキサンジチオール、2-メルカプトエチル-2,3-ジメルカプトスクシネート、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、1,2-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリトリトールテトラ(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラ(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(β-チオプロピオネート)、プロポキシ化アルカンのトリグリシジルエーテルのトリメルカプタン誘導体、及びジペンタエリトリトールポリ(β-チオプロピオネート)、脂肪族チオールのハロゲン置換誘導体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適な芳香族チオール化合物としては、ジ-、トリス-又はテトラ-メルカプトベンゼン、ビス-、トリス-又はテトラ-(メルカプトアルキル)ベンゼン、ジメルカプトビフェニル、トルエンジチオール、ナフタレンジチオール、芳香族チオールのハロゲン置換誘導体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適な複素環含有チオール化合物としては、アミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、アルコキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、アリールオキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、1,3,5-トリス(3-メルカプトプロピル)イソシアヌレート、複素環含有チオールのハロゲン置換誘導体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。メルカプト基を含む好適なチオール化合物としては、ビス-、トリス-又はテトラ(メルカプトアルキルチオ)ベンゼン、ビス-、トリス-又はテトラ(メルカプトアルキルチオ)アルカン、ビス(メルカプトアルキル)ジスルフィド、ヒドロキシアルキルスルフィドビス(メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシアルキルスルフィドビス(メルカプトアセテート)、メルカプトエチルエーテルビス(メルカプトプロピオネート)、1,4-ジチアン-2,5-ジオールビス(メルカプトアセテート)、チオジグリコール酸ビス(メルカプトアルキルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトアルキルエステル)、4,4-チオ酪酸ビス(2-メルカプトアルキルエステル)、3,4-チオフェンジチオール、ビスマスチオール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の好ましい実施形態では、活性化剤がチオール化合物である場合、第一級チオール(又は末端チオール)化合物が利用される。
【0042】
活性化剤として無水物化合物を使用する場合、芳香族無水物、脂環式無水物、及び脂肪族無水物を含む酸無水物を含む、様々な種類の化合物が好適であり得る。より具体的には、好適な酸無水物としては、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、クエン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルエトラヒドロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチレンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセンジルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ナジン酸無水物、メチルナジン酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ-4-メチルフタル酸無水物、コハク酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルスチレン-無水マレイン酸コポリマー、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸ポリ無水物、及びそれらの混合物が挙げられる。より具体的には、好適な脂環式無水物としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジン酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、上記の他の脂環式無水物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適な脂肪族無水物としては、ポリセバシン酸ポリ無水物、ポリアゼライン酸ポリ無水物、プロピオン酸無水物、無水酢酸、酪酸無水物、上記の任意の他の脂肪族無水物、及びそれらの組み合わせなどの化合物が挙げられる。好適な芳香族無水物としては、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、上記の任意の他の芳香族無水物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
温度安定性ポリマーブレンドの特性
【0043】
第1の実施形態~第4の実施形態によれば、温度安定性ポリマーブレンドの特性は、変化してもよい。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンドは、以下の、(a)少なくとも10MPa(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50MPa以上)、好ましくは少なくとも11MPa(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50MPa以上)、又は少なくとも12MPa(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50MPa以上)の最大応力(破断時の応力又はTbとも呼ばれる)、(b)少なくとも90%(例えば、90%、95%、100%、105%、110%、120%、130%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%以上)、好ましくは少なくとも100%(例えば、90%、95%、100%、105%、110%、120%、130%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%以上)の破断点伸び(Ebとも呼ばれる)、(c)少なくとも10MPa(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20MPa以上)、好ましくは少なくとも11MPa(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20MPa以上)、又は少なくとも12MPa(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20MPa以上)のM50、(d)少なくとも10MPa(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25MPa以上)、好ましくは少なくとも11MPa(例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25MPa以上)、又は少なくとも12MPa(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25MPa以上)のM100、又は(e)少なくとも8MPa%(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90MPa以上)、好ましくは少なくとも9MPa%(例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90MPa%以上)、又は少なくとも10MPa%(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90MPa以上)の靱性(mm/mm単位でx軸での引張破断点における曲線下面積の積分として測定)のうちの少なくとも1つを満たすこととなる。Eb及びTbの測定値は、タイヤ構成要素に組み込まれたときに特に関係する、ゴム組成物の耐引裂性の指標を提供する。略語M50は、50%伸びの際の引張応力のために使用され、略語M100は、100%伸びの際の引張応力のために使用される。これらの値は、50%の弾性率及び100%の弾性率と称されることもあるが、それらは真の弾性率測定値を表していない。靱性は、破砕に耐えるか、又は破砕に抵抗する材料の能力を指す。前述の特性(すなわち、Eb、Tb、M50、M100、靱性)は、ASTM D-412に記載されている標準手順を使用して決定することができる。試料を(毎秒20%の)一定速度でひずませ、得られた力を、伸張(ひずみ)の関数として記録する。特性は、23℃(室温)で試験して決定される。試料は、高温(約105~155℃)で8~16時間硬化させてもよい。硬化後、室温試験を実行する前に、室温試験用のサンプルを、室温で少なくとも24時間実験室内に据えることによって調整してもよい。
【0044】
第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、温度安定性ポリマーブレンドは、以下の、(a)1:150以上(例えば、1:150、1:140、1:130、1:120、1:110、1:100、1:90、1:80、1:70、1:60、1:50、1:40、1:30、1:20、1:10、1:5以上)、好ましくは1:100以上(例えば、1:100、1:90、1:80、1:70、1:60、1:50、1:40、1:30、1:20、1:10、1:5以上)、より好ましくは1:20以上(例えば、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2以上)の175℃での対数貯蔵弾性率G’の-40℃での対数貯蔵弾性率G’に対する比、又は(b)少なくとも1億サイクルに対してその引張強度の少なくとも95%(例えば、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%、又はそれ以上)を維持するひずみ制御サイクル疲労特性(この特性は、25℃で10Hzの周波数で、正(15%)の引張と負(15%)の圧縮との間の周期的負荷によって測定することができ、引張強度がひずみを維持するために必要なニュートン単位の力である)のうちの少なくとも1つを呈する。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、175℃での対数貯蔵弾性率G’の-40℃での対数貯蔵弾性率G’に対する比は、1:150~1:10又は1:150~1:5、好ましくは1:100~1:5、より好ましくは1:20~1:5である。特に、前述の比率は、示された温度範囲にわたって対数貯蔵弾性率G’が変化しないブレンドを示す1:1の比率により近いことがより好ましくなると理解され得るため、「以上」と記載されている。第1の実施形態~第4の実施形態の特定の実施形態では、ひずみ制御サイクル疲労特性は、上記の条件に従って、95~99%、95~98%、95~97%、96~99%、96~98%、又は96~97%に維持される。第1の実施形態~第4の実施形態の好ましい実施形態では、(a)及び(b)の両方が満たされ、好ましくは(a)の好ましい範囲、より好ましくは(a)のより好ましい範囲が満たされる。対数貯蔵弾性率G’の比は、ASTM D5279-13に従って測定することができる。ひずみ制御サイクル疲労特性は、ASTM E606/E606M-12のガイダンスを使用して測定することができる。
温度安定性ポリマーブレンドを調製するためのプロセス
【0045】
上記のとおり、本明細書において開示されている第2の実施形態は、温度安定性ポリマーブレンドを調製するための方法に関する。一般に、このプロセスは、高温熱可塑性ポリマーを加熱してポリマーを溶融することと、(i)熱可塑性ポリエステルエラストマー、(ii)相溶化剤樹脂、(iii)遅延架橋剤、及び(iv)任意選択で活性化剤を、溶融ポリマーと混合して、ブレンドを形成することと、を含む。高温熱可塑性ポリマー及び他の成分は、上記のとおりである。第2の実施形態の好ましい実施形態では、前述の工程のそれぞれは、押出機、より好ましくは二軸押出機で行う。一般に、第2の実施形態のプロセスで使用される高温熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、相溶化剤樹脂、遅延架橋剤、及び活性化剤は、上述のとおりである。換言すれば、第1の実施形態に関してこれらの構成要素について上述した選択肢のそれぞれは、本明細書に完全に記載されているかのように、第2の実施形態のプロセスに適用されると理解されるべきである。第2の実施形態のプロセスの好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマー及び熱可塑性ポリエステルエラストマーはそれぞれ、ペレット形態で提供される。更に、第2の実施形態のプロセスの好ましい実施形態では、相溶化剤樹脂、遅延架橋剤、及び活性化剤のそれぞれは、ペレット又は他の固体形態で提供される。上述のように、本明細書で開示される第1の実施形態は、温度安定性ポリマーブレンドに関する。第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドは、本明細書で一般に論じられるような第2の実施形態によるプロセスによって調製してもよい、又は第2の実施形態のプロセスとは異なるプロセスによって調製してもよい。換言すれば、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドは、第2の実施形態のプロセスによって調製されたブレンドのみに限定されると見なされるべきではない。
【0046】
一般に、第2の実施形態のプロセスによれば、好ましくは第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドを調製するとき、高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリエステルエラストマーの添加前に、(例えば、加熱により)溶融されるべきである。前述のように、高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリエステルエラストマーの溶融温度よりも高い溶融温度を有する。好ましくは、高温熱可塑性ポリマーは、容器又は他の混合装置に添加され、加熱されてポリマーの溶融をもたらすこととなる。第2の実施形態のプロセスの特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマーの加熱及び溶融は、押出機、好ましくは二軸押出機で行われる。前述のように、第2の実施形態のプロセスの好ましい実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマー、相溶化剤樹脂、遅延架橋剤、及び活性化剤の高温熱可塑性ポリマーとの混合は、押出機、より好ましくは二軸押出機で行われる。特定のそのような実施形態では、利用される二軸押出機は、プロセスの異なる工程のために異なる温度に設定することができる、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6など)の加熱ゾーンを含む。好ましくは、熱可塑性ポリエステルエラストマー(及び他の成分)が、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加されると、(例えば、二軸押出機の使用により)混合物にせん断が加えられて、ブレンドの生成を補助する。第2の実施形態の好ましい実施形態では、高温熱可塑性ポリマーは、300~400℃(例えば、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、又は400℃)、好ましくは320~350℃(例えば、320、325、330、335、340、345、又は350℃)に加熱される。第2の実施形態の特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマーは、その溶融温度よりも50~100℃(例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100℃以上)高い温度に加熱されて、溶融がもたらされる。第2の実施形態のプロセスの特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマーは、任意のせん断を加える前に溶融される。第2の実施形態のプロセスの他の実施形態では、溶融プロセス中に、せん断混合を高温熱可塑性ポリマーに加えることができる。
【0047】
上述のように、第2の実施形態のプロセスによれば、熱可塑性ポリエステル樹脂は、溶融高温熱可塑性ポリマーと混合される。第2の実施形態の特定の実施形態では、溶融高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリエステル樹脂を添加する前に、少なくとも100℃(例えば、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、又は300℃)冷却され、好ましくは熱可塑性ポリエステル樹脂を添加する前に約125~約200℃又は125~200℃(例えば、125、135、145、155、165、175、185、195、又は200℃)冷却され、そのような実施形態によれば、溶融高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリエステル樹脂と混合する前に、約275℃以下(例えば、275、265、255、245、235、225、215、205、195、185、175℃以下)、250℃以下(例えば、250、240、230、220、210、200、190、180、170、160℃以下)、225℃以下(例えば、225、215、205、195、185、175、165℃以下)の温度であってもよい。そのような冷却は、熱可塑性ポリエステル樹脂への損傷を回避し、より均質な混合物を達成する際に有益であり得る。第2の実施形態のプロセスの他の実施形態では、溶融高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリエステル樹脂の添加前に冷却されないが、その代わりに、熱可塑性ポリエステル樹脂の添加は、溶融高温熱可塑性ポリマーを冷却するように作用する。第2の実施形態のプロセスの特定の実施形態では、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加する前に、熱可塑性ポリエステル樹脂は、それ自体が溶融される。第2の実施形態のプロセスの他の実施形態では、熱可塑性ポリエステル樹脂は、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加されるとき、固体形態(例えば、ペレット)である。第2の実施形態のプロセスによれば、相溶化剤樹脂は、熱可塑性ポリエステルエラストマーと共に溶融高温熱可塑性ポリマーに添加されてもよいか、又は混合物を溶融高温熱可塑性ポリマーに添加する前に、熱可塑性ポリエステルエラストマーと予備混合されてもよい。あるいは、相溶化剤樹脂は、熱可塑性ポリエステルエラストマーの添加直後に(好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内、又は更に1分以内)、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加されてもよい。相溶化剤樹脂が、熱可塑性ポリエステルエラストマーに相応して、又はそれと共に溶融高温熱可塑性ポリマーに添加される、第2の実施形態の実施形態では、それぞれの成分は、別個であってもよい(例えば、それぞれの成分は、それ自体のペレット若しくは他の固体形態で存在する)、又は相溶化剤樹脂及び熱可塑性ポリエステルエラストマーは、予備混合されてもよい(例えば、一緒に溶融されて、再ペレット化又は粉末化される)。
【0048】
第2の実施形態のプロセスによれば、任意選択で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドを調製するとき、遅延架橋剤は、熱可塑性ポリエステルエラストマーの前に、それと一緒に、又はそれと予備混合されて、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加されてもよい。第2の実施形態の好ましい実施形態では、溶融高温熱可塑性ポリマーは、遅延架橋剤の添加前に少なくとも100℃冷却される、好ましくは、遅延架橋剤の添加前に約125~約200℃冷却される。遅延架橋剤が、(遅延架橋剤のほとんどではあるが、必ずしも全てではないについて通常の)約100℃未満の融点を有する第1の実施形態~第4の実施形態の実施形態では、遅延架橋剤は、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加するために、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂と共に添加されるか、又は予備混合される。一般に、遅延架橋剤は、熱可塑性ポリエステルエラストマーの添加前、熱可塑性ポリエステルエラストマーの添加に相応して、又は熱可塑性ポリエステルエラストマーの添加直後に(好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内、又は更に1分以内)、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加してもよい。相溶化剤樹脂が、熱可塑性ポリエステルエラストマーの添加に相応して、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加される第2の実施形態のプロセスの実施形態では、それぞれの成分は、別個であってもよい(例えば、それぞれの成分は、それ自体のペレット若しくは他の形態で存在するか、又は遅延架橋剤及び熱可塑性ポリエステルエラストマーは、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加する前に、予備混合されてもよい(例えば、一緒に溶融されて、再ペレット化又は粉末化される)。第2の実施形態の特定の実施形態では、熱可塑性ポリエステルエラストマー、相溶化剤樹脂、遅延架橋剤、及び活性化剤のそれぞれは、互いに一緒に又は時間に応じて、ただし別個の形態で(例えば、それぞれの成分は、それ自体のペレット又は粉末形態で存在する)、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加される。混合が押出機で行われる第2の実施形態の好ましい実施形態では、相溶化剤樹脂及び活性化剤の添加は、押出機の後の部分に遅延される(例えば、押出機のバレルの長さの最後の20%でポートを介して生じる)。あるいは、相溶化剤樹脂及び活性化剤のそれぞれが、高温熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、及び遅延架橋剤の部分と別々に配合され、ペレット化され、その後、それぞれのペレットを混合して、射出成形する、第2の実施形態の実施形態が特に想定されている。
【0049】
第2の実施形態のプロセスによれば、任意選択で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドを調製するとき、活性化剤は、高温熱可塑性ポリマーと(容器へのその添加と共に又はポリマーの溶融後のいずれかで)混合されるか、又は活性化剤は、熱可塑性ポリエステルエラストマーの前に、それと一緒に、又はそれと予備混合されて、溶融高温熱可塑性ポリマーに添加されてもよい。
【0050】
第2の実施形態のプロセスの特定の実施形態では、高温熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、相溶化剤樹脂、遅延架橋剤、及び活性化剤が混合されてブレンドを生成すると、ブレンドが押出成形され、好ましくは温度安定性ポリマーブレンドのペレットを生成する。ペレタイザーを取り付けるか、又は他の方法でペレタイザーで構成された押出機は、ペレットを調製するのに有用であり得る。第2の実施形態のプロセスの他の実施形態では、ブレンドは、非ペレット化形態(例えば、ストランド又はロッド)に押出成形される。
温度安定性ポリマーブレンドの使用
【0051】
温度安定性ポリマーブレンド(例えば、ペレット形態)は、射出成形を受けて、ペレットから成形体を調製することができる。好ましくは、射出成形は、約265℃以下又は265℃以下(例えば、265、255、245、235、225、215、205、195、185、175、165以下)、より好ましくは240℃以下(例えば、240、230、220、210、200、190、180、170℃以下)の温度で行われ、特定のそのような実施形態では、射出成形は、180~265℃(例えば、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、又は265℃)、より好ましくは200~240℃(例えば、200、205、210、215、220、225、230、235、又は240℃)の温度で行われる。射出成形が行われる温度を(例えば、上記のような最大温度又は範囲に対して)制御することは、熱可塑性ポリエステルエラストマー又はブレンドの他の成分の潜在的な劣化を回避するのに有益であり得る。特定の実施形態では、射出成形部品が形成された後、射出成形部品は、熱処理を受けて、確実に十分な架橋又は硬化を起こし、特定のそのような実施形態では、熱処理は、150℃以下(例えば、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60℃以下)、好ましくは約80~約120℃又は80~120℃(例えば、80、85、90、95、100、105、110、115、又は120℃)の温度で行われる。
【0052】
温度安定性ポリマーブレンドの好ましい使用は、非空気圧タイヤ用の構成要素の(例えば、射出成形による)調製物である。好ましくは、非空気圧タイヤの構成要素は、1つ以上のスポークである。本明細書で使用される場合、「スポーク」という用語は、細長いスポーク(例えば、米国特許第7,013,939号)及び(例えば、米国特許第8,104,524号及び同第8,176,957号に開示かつ図示されるような)相互接続されたウェブ要素の両方を含むと理解すべきである。しかしながら、一般に、本明細書に開示されるスポークは、非空気圧タイヤにおける任意の特定の形状又は構成に限定されると、必ずしも考えられるべきではない。以下は、本明細書に完全に開示されていると考えられるべきである。第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドから作製されたペレット。第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドから作製されたロッド又はストランド。スポークが好ましくは射出成形によって作製される、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドから作製された非空気圧タイヤスポーク。本明細書に開示される第1の実施形態による温度安定性ポリマーブレンドを射出成形するプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、)ブレンドは、射出成形前に、好ましくはペレット形態である、非空気圧タイヤ。本明細書に開示される第1の実施形態による温度安定性ポリマーブレンドを圧縮成形するプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、)ブレンドは、圧縮成形前に、好ましくはペレット形態である、非空気圧タイヤ。本明細書に開示される第1の実施形態による温度安定性ポリマーブレンドをブロー成形するプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、)ブレンドは、ブロー成形の前に、好ましくはペレット形態である、非空気圧タイヤ。本明細書に開示される第1の実施形態による温度安定性ポリマーブレンドを3D印刷(又は付加製造)するプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、)ブレンドは、印刷/製造前に、好ましくはペレット形態である、非空気圧タイヤ。第2の実施形態のプロセスによって生成された温度安定性ポリマーブレンドから作製されたペレット。第2の実施形態のプロセスによって生成された温度安定性ポリマーブレンドから作製されたストランド又はロッド。第2の実施形態によるプロセスによって作製された非空気圧タイヤスポークであって、第2の実施形態のプロセスは、そのプロセスによって生成されたブレンドの射出成形を含む、非空気圧タイヤスポーク。好ましくはペレット形態で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドを射出成形することによって、非空気圧タイヤスポークを調製するためのプロセス。第2の実施形態によるプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、第2の実施形態は、そのプロセスによって生成されたブレンドの射出成形を含む、非空気圧タイヤ。好ましくはペレット形態で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドを射出成形することによって、1つ以上のスポークを調製することを含む、非空気圧タイヤを調製するためのプロセス。第2の実施形態によるプロセスによって作製された非空気圧タイヤスポークであって、第2の実施形態のプロセスは、そのプロセスによって生成されたブレンドの圧縮成形を含む、非空気圧タイヤスポーク。好ましくはペレット形態で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドを圧縮成形することによって、非空気圧タイヤスポークを調製するためのプロセス。第2の実施形態によるプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、第2の実施形態は、そのプロセスによって生成されたブレンドの圧縮成形を含む、非空気圧タイヤ。第2の実施形態によるプロセスによって作製された非空気圧タイヤスポークであって、第2の実施形態のプロセスは、そのプロセスによって生成されたブレンドのブロー成形を含む、非空気圧タイヤスポーク。好ましくはペレット形態で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドをブロー成形することによって1つ以上のスポークを調製することを含む、非空気圧タイヤを調製するためのプロセス。第2の実施形態によるプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、第2の実施形態は、そのプロセスによって生成されたブレンドのブロー成形を含む、非空気圧タイヤ。好ましくはペレット形態で、第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドをブロー成形することによって、非空気圧タイヤを調製するためのプロセス。第2の実施形態によるプロセスによって作製された非空気圧タイヤスポークであって、第2の実施形態のプロセスは、そのプロセスによって生成されたブレンドの3D印刷(又は付加製造)を含み、ブレンドは、印刷/製造前に、好ましくはペレット形態である、非空気圧タイヤスポーク。第1の実施形態に記載の温度安定性ポリマーブレンドを3D印刷(又は付加製造)することによって非空気圧タイヤスポークを調製するためのプロセスであって、ブレンドは、印刷/製造前に、好ましくはペレット形態である、プロセス。第2の実施形態によるプロセスによって作製された1つ以上のスポークを組み込んだ非空気圧タイヤであって、第2の実施形態は、そのプロセスによって生成されたブレンドの3D印刷(又は付加製造)を含み、ブレンドは、印刷/製造前に、好ましくはペレット形態である、非空気圧タイヤ。第1の実施形態の温度安定性ポリマーブレンドの3D印刷(又は付加製造)によって1つ以上のスポークを調製することを含む非空気圧タイヤを調製するためのプロセスであって、ブレンドは、印刷/製造前に、好ましくはペレット形態である、プロセス。
【0053】
本出願は、本明細書において開示されている組成物及び方法の実施形態が開示される数値範囲全体で実行できるため、明確な範囲限界が明細書内に言葉どおりに言及されていなくても、開示される数値範囲内の任意の範囲を支持する、いくつかの数値範囲限界を開示している。実質的に任意の複数又は単数の用語を本明細書で用いることに関して、当業者は、状況又は用途に適切となるように、複数から単数へ、又は単数から複数へ置き換えることができる。様々な単数又は複数の置き換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的に記述されている場合がある。
【0054】
一般的に、当業者は、本明細書及び特に添付の特許請求の範囲で使用された用語は、概して「オープン」な用語を意図していることを理解するだろう。例えば、用語「含む」は、「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「挙げられる」は、「挙げられるがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。更に、当業者は、前置きされた請求項の記載において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該請求項中に明示的に記載されるものとし、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しないことを理解するだろう。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲には、請求項の記載を前置きするために、前置き語句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含む場合がある。しかしながら、かかる語句の使用は、同じ請求項が、前置き語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び、「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の前置きが、そのように前置きされた請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、かかる記載を1つのみ含む発明に限定することを意味するものとして解釈されてはならず(例えば、「a」又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、請求項の記載の前置きに使用される定冠詞の使用についても同じことが言える。加えて、前置きされた請求項の記載において特定の数が明示的に記載される場合でも、当業者は、このような記載が、少なくとも記載される数を意味するものと典型的には解釈されるべきであることを理解している(例えば、他の修飾語句を持たない明らかな記載である「2つの記載」は、典型的には、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうち少なくとも1つ」に類似する慣例表現を用いる場合、一般に、このような構成は、当業者がその慣例表現を理解し得るという意味において意図される(例えば、「A、B、及びCのうち少なくとも1つを有するシステム」として、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、並びに/又は、A、B、及びCを共になどを有するシステムが挙げられ得るが、これらに限定されない)。更に、当業者は、事実上、2つ以上の代替用語を示す任意の離接的単語又は語句は、明細書、請求項、又は図面を問わず、これらの用語のうちの1つ、これらの用語のうちのいずれか、又はこれらの用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることを、理解するであろう。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。特許、特許出願、及び非特許文献を含むがこれらに限定されない全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。組成物及び方法の様々な態様並びに実施形態を本明細書に開示してきたが、他の態様及び実施形態が、当業者には明らかであろう。本明細書で開示されている様々な態様及び実施形態は、例示目的であり、特許請求の範囲により示されている真の範囲及び趣旨を限定することを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度安定性ポリマーブレンドであって、
a.
i.50~100℃のTg、又は
ii.200~280の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する熱可塑性ポリエステルエラストマーと、
b.
i.200~300℃のTg、又は
ii.300~400℃の溶融温度、のうちの少なくとも1つを有する高温熱可塑性ポリマーと、
c.相溶化剤樹脂と、
d.遅延架橋剤と、
e.活性化剤と、を含み、
(a)及び(b)の総量は、100部であり、(a)は、30~95部の量で存在し、(b)は、5~70部の量で存在する、温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項2】
(a)は、ポリエーテル-ポリエステルブロックコポリマーであり、(b)は、ポリスルホンポリマーであり、(c)は、フェノキシ樹脂であり、(d)は、エポキシ化合物であり、(e)は、アミン系である、請求項1に記載の温度安定性ポリマーブレンド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の温度安定性ポリマーブレンドから作製された構成要素を含む、非空気圧タイヤ。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれか一項に記載の温度安定性ポリマーブレンドを調製するためのプロセスであって、前記プロセスは、
前記高温熱可塑性ポリマー(b)を加熱して、前記ポリマーを溶融することと、
前記熱可塑性ポリエステルエラストマー(a)、前記相溶化剤樹脂(c)、前記遅延架橋剤(d)、及び前記活性化剤(e)を前記溶融ポリマーと混合して、ブレンドを形成することと、を含み、
前記加熱及び前記混合は、押出機内で行う、プロセス。
【請求項5】
前記ブレンドを押出成形してペレットを生成することと、前記ペレットから非空気圧タイヤ用のスポークを射出成形することと、を更に含む、請求項4に記載のプロセス。

【国際調査報告】