(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】除草剤としての置換ピリダジノン
(51)【国際特許分類】
C07D 401/10 20060101AFI20220912BHJP
C07D 403/10 20060101ALI20220912BHJP
C07D 417/10 20060101ALI20220912BHJP
C07D 405/10 20060101ALI20220912BHJP
C07D 413/10 20060101ALI20220912BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20220912BHJP
C07D 409/10 20060101ALI20220912BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20220912BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20220912BHJP
A01N 43/58 20060101ALI20220912BHJP
A01N 43/647 20060101ALI20220912BHJP
A01N 43/78 20060101ALI20220912BHJP
A01N 43/76 20060101ALI20220912BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20220912BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
C07D401/10 CSP
C07D403/10
C07D417/10
C07D405/10
C07D413/10
C07D471/04 104Z
C07D409/10
C07D487/04 144
A01P13/00
A01N43/58 B
A01N43/647
A01N43/78 101
A01N43/76 101
A01N43/90 103
A01N43/80 101
A01N43/90 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502509
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2020070243
(87)【国際公開番号】W WO2021009335
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520222106
【氏名又は名称】シンジェンタ クロップ プロテクション アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100218578
【氏名又は名称】河井 愛美
(72)【発明者】
【氏名】リン ケネス ブルース
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ クリストファー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シャナハン スティーヴン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】キツィウ クリスティアナ
(72)【発明者】
【氏名】セダン ピーター ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フィニー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ドライス-ルフィーヴァ ヴァレリー
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4H011
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE03
4C050FF02
4C050GG01
4C050HH04
4C063AA01
4C063BB06
4C063CC28
4C063CC42
4C063CC52
4C063CC62
4C063CC76
4C063CC81
4C063CC94
4C063DD06
4C063DD07
4C063DD14
4C063DD22
4C063DD28
4C063EE03
4C065AA04
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH06
4C065JJ01
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP14
4H011AB01
4H011BA05
4H011BB09
4H011BB10
4H011BC03
4H011DA13
4H011DD04
(57)【要約】
本発明は、式(I)の除草性置換フェニル-ピリダジン-ジオン及び置換フェニル-ピリダジノン誘導体、並びにこのような誘導体の調製のために使用されるプロセス及び中間体に関する。本発明はさらに、このような誘導体を含む除草性組成物、並びに望ましくない植物の成長の防除におけるこのような化合物及び組成物の使用、特に、有用な植物の作物における雑草、例えば、広葉双子葉雑草の防除における使用に及ぶ。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
又はその塩若しくはN-オキシド
[式中、
R
1は、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6アルコキシ、C
1~C
2アルコキシ-C
1~C
2アルキル-、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4ハロアルキル、シアノ-C
1~C
4アルキル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル及びC
2~C
4ハロアルキニルからなる群から選択され;
R
2は、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、-S(O)
mC
1~C
6アルキル、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル及びC
2~C
6ハロアルキニルからなる群から選択され;
Gは、水素、又はC(O)R
3であり;
R
3は、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6アルキル-S-、C
1~C
6アルコキシ、-NR
4R
5、及び1個若しくは複数のR
6で任意に置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
各R
4及びR
5は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、及びC
3~C
6シクロアルキルからなる群から独立に選択されるか、或いはR
4及びR
5は一緒に、モルホリニル環を形成することができ;
R
6は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ及びC
1~C
3ハロアルコキシからなる群から選択され;
X及びYは、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、シクロプロピル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンであり;
Dは、置換若しくは非置換のナフタレン環系、又は酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の8~10員二環式飽和、部分飽和若しくは不飽和の複素環式環系であり、Dが置換されているとき、それは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR
8で置換されているか、且つ/又は少なくとも1個の環窒素原子上においてR
9で置換されており;
各R
8は、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、C
1~C
6ハロアルキルカルボニル-、C
3~C
6シクロアルキルカルボニル-、C
1~C
6アルキル-S(O)
m-、-S(O)
m-C
1~C
6ハロアルキル、-S(O)
m-C
3~C
6シクロアルキル、-O-S(O)
2C
1~C
3アルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6ハロアルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
3~C
6シクロアルキル、シアノ-C
1~C
6-アルキル-、-NR
4R
5、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル、-C(S)NH
2、C
1~C
6アルキルアミノチオカルボニル-、ジ(C
1~C
6アルキル)アミノチオカルボニル-、C
3~C
6-シクロアルキルアミノ-チオカルボニル-S(O)
2NH
2、-S(O)
2NHC(O)C
1~C
3アルキル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル-、ジ(C
1~C
6アルキル)アミノスルホニル-、C
3~C
6-シクロアルキルアミノ-スルホニル-、-C(O)OH、-C(O)OC
1~C
6アルキル、-C(O)NHS-(O)
2C
1~C
6アルキル、-C(O)NR
4R
5、-NR
4C(O)NR
4R
5、C
1~C
6アルキルカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6ハロアルキルカルボニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6アルコキシカルボニルアミノ-、C
1~C
6アルコキシカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6アルキルスルホニルアミノ-、C
1~C
6アルキルスルホニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6ハロアルキルスルホニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
3~C
6シクロアルキルスルホニルアミノ-、C
3~C
6シクロアルキルスルホニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6アルキルアミノカルボニルアミノ-、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ、ジ(C
1~C
6アルキル)アミノカルボニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルアミノカルボニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルアミノ-カルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ、ジ(C
1~C
6ハロアルキル)アミノカルボニルアミノ-、ジ(C
1~C
6ハロアルキル)アミノ-カルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、ヒドロキシアミノ-、ヒドロキシ(C
1~C
6アルキル)アミノ、C
1~C
6アルコキシアミノ、C
1~C
6アルコキシ(C
1~C
6アルキル)アミノ、C
1~C
6ハロアルコキシアミノ、C
1~C
6ハロアルコキシ(C
1~C
6アルキル)アミノ;又はフェニル環、5~6員ヘテロアリール環及び3~6員ヘテロシクリル環からなる群から選択される環系であり、前記環系は、0~5個のR
16で置換されており;
mは、0、1、又は2の整数である;
各R
9は、独立に、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、ヒドロキシル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
3~C
6-シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6ハロアルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
3~C
6シクロアルキル、シアノ-C
1~C
6-アルキル-、又はフェニル環、5~6員ヘテロアリール環及び3~6員ヘテロシクリル環からなる群から選択される環系であり、前記環系は、0~5個のR
16で置換されており;
各R
16は、独立に、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ又はC
1~C
6ハロアルコキシであり;
Wは、
【化2】
であり、式中、
「a」は、フェニル-ピリダジノン/フェニル-ピリダジンジオン部分への付着点を示し、
「b」は、環Dへの付着点を示し、
R
10、R
12、R
14及びR
15は、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであるか;或いはR
10及びR
12は、それらが接合している炭素原子と一緒に、C
3~C
6炭素環式環を形成し;
R
11及びR
13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであり、ただし、R
11又はR
13の1つがハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであるとき、他方は水素である]。
【請求項2】
Gが、水素又はC(O)R
3であり、R
3が、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル、メトキシ、エトキシ、又はtert-ブトキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが、水素、ハロゲン、又はC
1ハロアルキルである、請求項1~2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
Yが、水素、C
1~C
3アルキル、シクロプロピル、C
1~C
3ハロアルキル、又はハロゲンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、ピリダジノン/ピリダジンジオン部分に関してオルトである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Yが、-W-D部分に関してオルトである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R
1が、メチル、エチル、n-プロピル、シクロプロピル、プロパルギル、又はC
1ハロアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
2が、水素、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル及びC
2~C
6ハロアルキニルからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Dが、置換若しくは非置換のナフタレン、インドリジン、インドール、イソ-インドール、インドリン、イソインドリン、3-H-インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、1H-インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキソール、プリン、4H-キノリジン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、1-8-ナフチリジン、プテリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、イミダゾ[1,2-a]ピラジン又は1H-ベンゾトリアゾール環系であり、Dが置換されているとき、それが、少なくとも1個の環炭素原子上においてR
8で置換されているか、且つ/又は少なくとも1個の環窒素原子上においてR
9で置換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Dが、置換若しくは非置換のナフタレン、インドリジン、インドール、イソ-インドール、3-H-インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、1H-インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、4H-キノリジン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、1-8-ナフチリジン、又はプテリジン環系であり、Dが置換されているとき、それが、少なくとも1個の環炭素原子上においてR
8で置換されているか、且つ/又は少なくとも1個の環窒素原子上においてR
9で置換されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
各R
8が、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、C
1~C
6アルキル-S(O)
m-、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル又はC
2~C
6ハロアルキニルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
各R
9が、独立に、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、ヒドロキシル、C
1~C
4アルコキシ、又はC
1~C
4アルキルチオである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
Wが、W1であり、R
10、R
11、R
12、及びR
13のそれぞれが、水素である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
Wが、W2であり、R
14及びR
15のそれぞれが、水素である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
Wが、シス
【化3】
又はトランス
【化4】
である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の除草性化合物と、農学的に許容できる製剤助剤とを含む除草性組成物。
【請求項17】
少なくとも1種の追加の有害生物防除剤をさらに含む、請求項16に記載の除草性組成物。
【請求項18】
前記追加の有害生物防除剤が、除草剤又は除草剤緩和剤である、請求項17に記載の除草性組成物。
【請求項19】
望ましくない植物成長を制御する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又は請求項16~18のいずれか一項に記載の除草性組成物を、前記望ましくない植物又はその場所に施用する工程を含む方法。
【請求項20】
除草剤としての請求項1~15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の除草性置換フェニル-ピリダジン-ジオン及び置換フェニル-ピリダジノン誘導体、並びにこのような誘導体の調製に使用される方法及び中間体に関する。本発明はさらに、このような誘導体を含む除草性組成物、並びに望ましくない植物成長の制御におけるこのような化合物及び組成物の使用:特に、有用な植物の作物における、広葉双子葉植物雑草などの雑草の防除における使用に及ぶ。
【背景技術】
【0002】
除草性のピリダジノンが、国際公開第2009/086041号パンフレットから公知である。さらに、除草性の5/6員ヘテロシクリル置換ピリダジノンが、国際公開第2011/045271号パンフレットから公知である。一方、国際公開第2013/160126号パンフレットには、除草活性を示すインドリル-ピリダジノン誘導体が記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、意外なほど良好な除草活性を示す、式(I)の置換フェニル-ピリダジン-ジオン及び置換フェニル-ピリダジノン誘導体の発見に基づくものである。
【0004】
このように、第1の態様において、式(I)の化合物
【化1】
又はその塩若しくはN-オキシドを提供し、式中、
R
1は、C
1~C
4アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6アルコキシ、C
1~C
2アルコキシ-C
1~C
2アルキル-、C
2~C
4アルケニル、C
1~C
4ハロアルキル、シアノ-C
1~C
4アルキル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル及びC
2~C
4ハロアルキニルからなる群から選択され;
R
2は、水素、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
3~C
6シクロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、-S(O)
mC
1~C
6アルキル、アミノ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ジアルキルアミノ、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル及びC
2~C
6ハロアルキニルからなる群から選択され;
Gは、水素、又はC(O)R
3であり;
R
3は、C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
1~C
6アルキル-S-、C
1~C
6アルコキシ、-NR
4R
5、及び1個若しくは複数のR
6で任意に置換されていてもよいフェニルからなる群から選択され;
各R
4及びR
5は、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、及びC
3~C
6シクロアルキルからなる群から独立に選択されるか、或いはR
4及びR
5は一緒に、モルホリニル環を形成することができ;
R
6は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ及びC
1~C
3ハロアルコキシからなる群から選択され;
X及びYは、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、シクロプロピル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ、又はハロゲンであり;
Dは、置換若しくは非置換のナフタレン環系、又は酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の8~10員二環式飽和、部分飽和若しくは不飽和の複素環式環系であり、Dが置換されているとき、それは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR
8で置換されているか、且つ/又は少なくとも1個の環窒素原子上においてR
9で置換されており;
各R
8は、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6-シクロアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、C
1~C
6アルキルカルボニル-、C
1~C
6ハロアルキルカルボニル-、C
3~C
6シクロアルキルカルボニル-、C
1~C
6アルキル-S(O)
m-、-S(O)
m-C
1~C
6ハロアルキル、-S(O)
m-C
3~C
6シクロアルキル、-O-S(O)
2C
1~C
3アルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6ハロアルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
3~C
6シクロアルキル、シアノ-C
1~C
6-アルキル-、-NR
4R
5、-C(C
1~C
3アルキル)=N-O-C
1~C
3アルキル、-C(S)NH
2、C
1~C
6アルキルアミノチオカルボニル-、ジ(C
1~C
6アルキル)アミノチオカルボニル-、C
3~C
6-シクロアルキルアミノ-チオカルボニル-S(O)
2NH
2、-S(O)
2NHC(O)C
1~C
3アルキル、C
1~C
6アルキルアミノスルホニル-、ジ(C
1~C
6アルキル)アミノスルホニル-、C
3~C
6-シクロアルキルアミノ-スルホニル-、-C(O)OH、-C(O)OC
1~C
6アルキル、-C(O)NHS-(O)
2C
1~C
6アルキル、-C(O)NR
4R
5、-NR
4C(O)NR
4R
5、C
1~C
6アルキルカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6ハロアルキルカルボニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6アルコキシカルボニルアミノ-、C
1~C
6アルコキシカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6アルキルスルホニルアミノ-、C
1~C
6アルキルスルホニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6ハロアルキルスルホニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
3~C
6シクロアルキルスルホニルアミノ-、C
3~C
6シクロアルキルスルホニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、C
1~C
6アルキルアミノカルボニルアミノ-、C
1~C
6アルキルアミノカルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ、ジ(C
1~C
6アルキル)アミノカルボニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルアミノカルボニルアミノ-、C
1~C
6ハロアルキルアミノ-カルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ、ジ(C
1~C
6ハロアルキル)アミノカルボニルアミノ-、ジ(C
1~C
6ハロアルキル)アミノ-カルボニル(C
1~C
6アルキル)アミノ-、ヒドロキシアミノ-、ヒドロキシ(C
1~C
6アルキル)アミノ、C
1~C
6アルコキシアミノ、C
1~C
6アルコキシ(C
1~C
6アルキル)アミノ、C
1~C
6ハロアルコキシアミノ、C
1~C
6ハロアルコキシ(C
1~C
6アルキル)アミノ;又はフェニル環、5~6員ヘテロアリール環及び3~6員ヘテロシクリル環からなる群から選択される環系であり、前記環系は、0~5個のR
16で置換されており;
mは、0、1、又は2の整数である;
各R
9は、独立に、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、ヒドロキシル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
3~C
6-シクロアルキル、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルコキシ-C
1~C
3アルキル-、C
1~C
6ヒドロキシアルキル-、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6アルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
1~C
6ハロアルキル、-C
1~C
3アルキル-S(O)
m-C
3~C
6シクロアルキル、シアノ-C
1~C
6-アルキル-、又はフェニル環、5~6員ヘテロアリール環及び3~6員ヘテロシクリル環からなる群から選択される環系であり、前記環系は、0~5個のR
16で置換されており;
各R
16は、独立に、ハロゲン、シアノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシ又はC
1~C
6ハロアルコキシであり;
Wは、
【化2】
であり、式中、
「a」は、フェニル-ピリダジノン/フェニル-ピリダジンジオン部分への付着点を示し、
「b」は、環Dへの付着点を示し、
R
10、R
12、R
14及びR
15は、それぞれ独立に、水素、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであるか;或いはR
10及びR
12は、それらが接合している炭素原子と一緒に、C
3~C
6炭素環式環を形成し;
R
11及びR
13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C
1~C
3アルキル、又はC
1~C
3ハロアルキルであり、ただし、R
11又はR
13の1つがハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであるとき、他方は水素である。
【0005】
式(I)の化合物は、不斉中心を含有してもよく、単一の鏡像異性体、任意の割合の鏡像異性体の対として存在してもよく、又は、2つ以上の不斉中心が存在する場合、考えられる全ての比率のジアステレオ異性体を含む。典型的に、鏡像異性体の1つが、他の可能な鏡像異性体と比較して向上した生物学的活性を有する。
【0006】
同様に、二置換アルケンがある場合、これらは、E体若しくはZ体で又は任意の割合の両方の混合物として存在してもよい。
【0007】
さらに、式(I)の化合物は、別の互変異性体と平衡状態にあり得る。例えば、式(I-i)の化合物、すなわち、式(I)(式中、R
2が水素であり、Gが水素である)の化合物は、少なくとも3つの互変異性体として描かれ得る:
【化3】
【0008】
全ての互変異性体(単一の互変異性体又はその混合物)、ラセミ混合物及び単一の異性体が、本発明の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
【0009】
各アルキル部分は、単独で又はより大きい基(アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、又はジアルキルアミノカルボニルなど)の一部として、直鎖状又は分枝鎖状であり得る。典型的に、アルキルは、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、又はn-ヘキシルである。アルキル基は、一般に、C1~C6アルキル基(既により狭く定義されている場合を除く)であるが、好ましくは、C1~C4アルキル又はC1~C3アルキル基であり、より好ましくは、C1~C2アルキル基(メチルなど)である。
【0010】
アルケニル及びアルキニル部分は、直鎖状又は分枝鎖状の形態であり得、アルケニル部分は、必要に応じて、(E)-又は(Z)-立体配置のいずれかのものであり得る。アルケニル又はアルキニル部分は、典型的に、C2~C4アルケニル又はC2~C4アルキニル、より詳細には、ビニル、アリル、エチニル、プロパルギル又はプロパ-1-イニルである。アルケニル及びアルキニル部分は、任意の組合せで1つ又は複数の二重及び/又は三重結合を含有し得るが;好ましくは、1つのみの二重結合(アルケニルの場合)又は1つのみの三重結合(アルキニルの場合)を含有する。
【0011】
好ましくは、シクロアルキルという用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを指す。
【0012】
本明細書の文脈において、用語「アリール」は好ましくは、フェニルを意味する。用語「ヘテロアリール」は、本明細書において使用されるように、少なくとも1個の環ヘテロ原子を含有する単環式若しくは二環式芳香族環系を意味する。好ましくは、単環式環系は、1個、2個若しくは3個の環ヘテロ原子を含有し、二環式環系は、1個、2個、3個若しくは4個の環ヘテロ原子を含有し、各ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される。
【0013】
典型的には、単環式ヘテロアリール環は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、又は1,3,5-トリアジニル環からなる群から選択される。
【0014】
典型的には、二環式ヘテロアリール環系は、インドリジン、インドール、イソ-インドール、3-H-インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、1H-インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、プリン、4H-キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、1-8-ナフチリジン、又はプテリジン環系からなる群から選択される。
【0015】
ヘテロシクリル基及び複素環式環(単独で又はより大きな基、例えば、ヘテロシクリル-アルキル-の部分として)は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する環系であり、単環式若しくは二環式形態でよく、部分飽和若しくは完全飽和であり得る。好ましくは、ヘテロシクリル基は、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択される2個までのヘテロ原子を含有する。複素環式基の例は、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル及び7-オキサ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルを含む。ヘテロ原子として単一の酸素原子を含有するヘテロシクリル基が最も好ましい。
【0016】
ハロゲン(又はハロ)は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を包含する。これに対応じて、同じことが、ハロアルキル又はハロフェニルなどの他の定義の文脈におけるハロゲンに当てはまる。
【0017】
1~6個の炭素原子の鎖長を有するハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル、2,2,3,3-テトラフルオロエチル及び2,2,2-トリクロロエチル、ヘプタフルオロ-n-プロピル及びパーフルオロ-n-ヘキシルである。
【0018】
アルコキシ基は、好ましくは、1~6個の炭素原子の鎖長を有する。アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ又はtert-ブトキシ又はペンチルオキシ又はヘキシルオキシ異性体、好ましくは、メトキシ及びエトキシである。2つのアルコキシ置換基が同じ炭素原子上に存在し得ることも理解されるべきである。
【0019】
ハロアルコキシは、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ又は2,2,2-トリクロロエトキシ、好ましくは、ジフルオロメトキシ、2-クロロエトキシ又はトリフルオロメトキシである。
【0020】
C1~C6アルキル-S-(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ又はtert-ブチルチオ、好ましくは、メチルチオ又はエチルチオである。
【0021】
C1~C6アルキル-S(O)-(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル又はtert-ブチルスルフィニル、好ましくは、メチルスルフィニル又はエチルスルフィニルである。
【0022】
C1~C6アルキル-S(O)2-(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル又はtert-ブチルスルホニル、好ましくは、メチルスルホニル又はエチルスルホニルである。
【0023】
基Q
【化4】
は、本明細書においてピリダジンジオン/ピリダジノン部分と呼ばれ、式中、Bが、分子の残りの部分(すなわち、任意選択的に置換されるフェニルW-D部分)に対する結合点を示す。
【0024】
本発明は、式(I)の化合物が、アミン(例えばアンモニア、ジメチルアミン及びトリエチルアミン)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基又は第四級アンモニウム塩基とともに形成し得る農学的に許容できる塩も含む。塩形成剤として使用されるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、アルコキシド及び炭酸水素塩及び炭酸塩の中でも、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物及び炭酸塩が強調されるが、ナトリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物及び炭酸塩が特に強調される。対応するトリメチルスルホニウム塩も使用され得る。本発明に係る式(I)の化合物は、塩形成の際に形成され得る水和物も含む。
【発明を実施するための形態】
【0025】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、W、D、G、X、Y、Z、及びmの好ましい値は、以下に記載されるとおりであり、本発明に係る式(I)の化合物は、前記値の任意の組合せを含み得る。当業者は、実施形態の任意の規定の組の値が、組合せが互いに矛盾しない場合、実施形態の任意の他の組の値と組み合わされ得ることを理解するであろう。
【0026】
好ましくは、R1が、メチル、エチル、プロピル(特に、n-又はc-プロピル)、プロパルギル又はC1ハロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R1が、メチル、エチル、シクロプロピル、プロパルギル又はC1フルオロアルキルである。さらにより好ましくは、R1が、メチル、エチル、シクロプロピル又はプロパルギルである。最も好ましくは、R1はメチルである。
【0027】
好ましくは、R2が、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3アルコキシ-C1~C3アルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル及びC2~C6ハロアルキニルからなる群から選択される。より好ましくは、R2が、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、シクロプロピル、トリフルオロメチル及びメトキシメチル、さらにより好ましくは、クロロ、シクロプロピル、トリフルオロメチル又はメチル、最も好ましくは、クロロ又はメチルからなる群から選択される。本発明の実施形態の1つの組において、R2が水素である。実施形態のさらなるセットでは、R2は、シクロプロピルであり、実施形態の第3のセットでは、R2は、メチルであり、実施形態の第4のセットでは、R2は、トリフルオロメチルであり、実施形態の第5のセットでは、R2は、クロロである。本明細書に記載のように、Gは、水素又は-C(O)-R3であり得、R3は、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6アルキル-S-、C1~C6アルコキシ、-NR4R5、及び1個若しくは複数のR6で任意に置換されていてもよいフェニルからなる群から選択される。本明細書に定義されているように、各R4及びR5は、水素、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ-、及びC3~C6シクロアルキルからなる群から独立に選択されるか;或いはこれらは一緒に、モルホリニル環を形成することができる。好ましくは、R4及びR5は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ及びプロポキシからなる群からそれぞれ独立に選択される。R6は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ及びC1~C3ハロアルコキシからなる群から選択される。好ましくは、R6は、ハロゲン、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びエトキシからなる群から選択される。
【0028】
好ましくは、R3は、C1~C4アルキル、C2~C3アルケニル、C2~C3アルキニル、C1~C4アルコキシ、又は-NR4R5であり、R4及びR5は一緒に、モルホリニル環を形成する。より好ましくは、R3は、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル、メトキシ、エトキシ、又はtert-ブトキシである。
【0029】
実施形態の1つのセットでは、Gは、水素又は-C(O)-R3であり、ここで、R3は、C1~C4アルキル、C2~C3アルケニル、C2~C3アルキニル又は-C1~C3アルコキシである。実施形態のさらなるセットでは、Gは、水素又は-C(O)-R3であり、ここで、R3は、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル又はメトキシである。しかし、Gが、水素、又は-C(O)-R3であり、ここで、R3が、イソプロピルであることが特に好ましい。
【0030】
Xが、好ましくは、水素、ハロゲン、又はC1ハロアルキル、より好ましくは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はC1フルオロアルキル、さらにより好ましくは、水素、フルオロ、クロロ又はトリフルオロメチルである。実施形態の1つの組において、Xが、ピリダジノン/ピリダジン-ジオン部分(基Q)に対してオルト(6位)であるのが好ましい。Xが、フルオロ、クロロ又はC1-ハロアルキル(特に、C1フルオロアルキル)であり、ピリダジノン/ピリダジン-ジオン部分(基Q)に対してオルト(6位)であるのが特に好ましい。最も好ましくは、Xは、フルオロであり、且つピリダジノン/ピリダジンジオン部分に関してオルト(6位)である。
【0031】
Yが、好ましくは、水素、C1~C3アルキル、シクロプロピル、C1~C3ハロアルキル、又はハロゲンである。より好ましくは、Yが、水素、クロロ、フルオロ、又はブロモである。
【0032】
実施形態の1つの組において、Yが、W-D部分に対してオルト(3位)であるのが好ましい。実施形態のさらなる組において、Yが、ピリダジノン/ピリダジン-ジオン部分(基Q)に対してパラである。
【0033】
Yが、W-D部分に対してオルト(3位)であり、ハロゲン、特に、クロロ又はフルオロ;より好ましくは、クロロであるのが特に好ましい。
【0034】
実施形態の1つの特に好ましいセットでは、Xは、フルオロであり、且つピリダジノン/ピリダジンジオン部分に関してオルト(6位)であり、Yは、クロロであり、且つ-W-D部分に関してオルト(3位)である。
【0035】
本明細書に記載のように、Dは、置換若しくは非置換のナフタレン環系、又は酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の8~10員二環式飽和、部分飽和若しくは不飽和の複素環式環系であり、Dが置換されているとき、それは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR8で置換されているか、且つ/又は、適当であるとき、環窒素原子上においてR9で置換されている。好ましい実施形態の1つのセットでは、環系Dは、環炭素原子を介して分子の残りに連結している。
【0036】
好ましくは、Dは、置換若しくは非置換のナフタレン環系であるか、又は酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の8~10員二環式複素環式環である。より好ましくは、Dは、置換(本明細書に記載のように少なくとも1個のR8及び/若しくはR9で)又は非置換のナフタレン、インドリジン、インドール、イソ-インドール、インドリン、イソインドリン、3-H-インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、1H-インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキソール、プリン、4H-キノリジン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、1-8-ナフチリジン、プテリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、イミダゾ[1,2-a]ピラジン又は1H-ベンゾトリアゾール環系である。
【0037】
さらにより好ましくは、Dは、置換(本明細書に記載のように少なくとも1個のR8及び/若しくはR9で)又は非置換のナフタレン、インドリジン、インドール、イソ-インドール、3-H-インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、1H-インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、4H-キノリジン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、1-8-ナフチリジン、又はプテリジン環系である。
【0038】
より好ましくは、そのような実施形態では、Dは、置換(本明細書に記載のように)又は非置換のナフタレン、キノリン、テトラヒドロキノリン、インドール、又はベンゾオキサゾール環である。
【0039】
好ましくは、各R8は、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C3アルコキシ-C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルコキシ-C1~C3アルキル-、C1~C3アルコキシ-C1~C3アルコキシ-C1~C3アルキル-、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C1~C6ヒドロキシアルキル-、C1~C6アルキルカルボニル-、C1~C6ハロアルキルカルボニル-、C3~C6シクロアルキルカルボニル-、C1~C6アルキル-S(O)m-、-S(O)m-C1~C6ハロアルキル、-S(O)m-C3~C6シクロアルキル、-O-S(O)2C1~C3アルキル、-C1~C3アルキル-S(O)m-C1~C6アルキル、-C1~C3アルキル-S(O)m-C1~C6ハロアルキル、-C1~C3アルキル-S(O)m-C3~C6シクロアルキル、シアノ-C1~C6-アルキル-、-NR4R5、-C(C1~C3アルキル)=N-O-C1~C3アルキル、-C(S)NH2、C1~C6アルキルアミノチオカルボニル-、ジ(C1~C6アルキル)アミノチオカルボニル-、C3~C6-シクロアルキルアミノ-チオカルボニル-S(O)2NH2、-S(O)2NHC(O)C1~C3アルキル、C1~C6アルキルアミノスルホニル-、ジ(C1~C6アルキル)アミノスルホニル-、C3~C6-シクロアルキルアミノ-スルホニル-、-C(O)OH、-C(O)OC1~C6アルキル、-C(O)NHS-(O)2C1~C6アルキル、-C(O)NR4R5、-NR4C(O)NR4R5、C1~C6アルキルカルボニル(C1~C6アルキル)アミノ-、C1~C6ハロアルキルカルボニルアミノ-、C1~C6ハロアルキルカルボニル(C1~C6アルキル)アミノ-、C1~C6アルコキシカルボニルアミノ-、C1~C6アルコキシカルボニル(C1~C6アルキル)アミノ-、C1~C6アルキルスルホニルアミノ-、C1~C6アルキルスルホニル(C1~C6アルキル)アミノ-、C1~C6ハロアルキルスルホニルアミノ-、C1~C6ハロアルキルスルホニル(C1~C6アルキル)アミノ-、C3~C6シクロアルキルスルホニルアミノ-、C3~C6シクロアルキルスルホニル(C1~C6アルキル)アミノ-、C1~C6アルキルアミノカルボニルアミノ-、C1~C6アルキルアミノカルボニル(C1~C6アルキル)アミノ、ジ(C1~C6アルキル)アミノカルボニルアミノ-、C1~C6ハロアルキルアミノカルボニルアミノ-、C1~C6ハロアルキルアミノ-カルボニル(C1~C6アルキル)アミノ、ジ(C1~C6ハロアルキル)アミノカルボニルアミノ-、ジ(C1~C6ハロアルキル)アミノ-カルボニル(C1~C6アルキル)アミノ-、ヒドロキシアミノ-、ヒドロキシ(C1~C6アルキル)アミノ、C1~C6アルコキシアミノ、C1~C6アルコキシ(C1~C6アルキル)アミノ、C1~C6ハロアルコキシアミノ、C1~C6ハロアルコキシ(C1~C6アルキル)アミノであり;
より好ましくは、各R8は、独立に、酸素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ-C1~C3アルキル-、C1~C6アルコキシ、C1~C3アルコキシ-C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ-C1~C3アルコキシ-C1~C3アルキル-、C3~C6シクロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6ヒドロキシアルキル-、C1~C6アルキルカルボニル-、C1~C6アルキル-S(O)m-、アミノ、C1~C6アルキルアミノ、C1~C6ジアルキルアミノ、-C(C1~C3アルキル)=N-O-C1~C3アルキル又はC2~C6ハロアルキニルである。
【0040】
さらにより好ましくは、各R8は、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシである。さらにより好ましくは、各R8は、独立に、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、クロロ、フルオロ、ヒドロキシル、又はC1~C3アルコキシである。
【0041】
好ましくは、各R9は、独立に、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、ヒドロキシル、C1~C4アルコキシ、又はC1~C4アルキルチオである。より好ましくは、各R9は、独立に、C1~C4アルキル、又はC1~C4アルコキシである。さらにより好ましくは、各R9は、独立に、C1~C4アルキルである。最も好ましくは、各R9は、メチルである。
【0042】
mは、0、1、又は2の整数である。好ましくは、mは、0又は2である。
【0043】
Wは、分子の残りに(すなわち、フェニル-ピリダジノン/フェニル-ピリダジンジオン部分に)環系Dを連結するリンカー部分として作用する。式(I)の化合物(ここで、リンカーは、W1及びW3である)は、除草性であり、一方、式(I)の化合物(ここで、リンカーは、W2であるは、除草性であるだけでなく、W1リンカーを担持する式(I)の化合物の生成における有用な中間体であり得る。このように、実施形態の1つのセットでは、Wは、W1又はW3(好ましくはW1)であり、一方、実施形態の第2のセットでは、Wは、W2である。
【0044】
Wの具体例は、-CH
2-CH
2-、及び-CH=CH-、-C≡C-、シス
【化5】
及びトランス
【化6】
を含む。好ましい実施形態では、Wは、-CH
2-CH
2-、-CH=CH-、又は-C≡C-である。
【0045】
好ましくは、R10、R11、R12及びR13は、水素又はC1~C3アルキルからそれぞれ独立に選択される。実施形態の1つのセットでは、R10、R11、R12、及びR13は、全て水素である。
【0046】
好ましくは、R14及びR15は、水素又はC1~C3アルキルからそれぞれ独立に選択される。実施形態の1つのセットでは、R14及びR15は、両方とも水素である。
【0047】
式(I)の化合物における実施形態の1つの好ましいセットでは、
R1は、メチル、エチル、シクロプロピル、プロパルギル又はC1フルオロアルキルであり;
R2は、クロロ、シクロプロピル、トリフルオロメチル又はメチルであり;
Gは、水素又は-C(O)-R3であり、R3は、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル、メトキシ、エトキシ、又はtert-ブトキシであり;
Xは、フルオロ、クロロ又はC1-ハロアルキルであり、且つピリダジノン/ピリダジンジオン部分に関してオルトであり;
Yは、-W-D部分に関してオルトであり;
Dは、置換若しくは非置換のナフタレン環系、又は酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1個、2個、3個、若しくは4個のヘテロ原子を含有する置換若しくは非置換の8~10員二環式飽和、部分飽和若しくは不飽和の複素環式環系であり、Dが置換されているとき、それは、少なくとも1個の環炭素原子上においてR8で置換されているか、且つ/又は少なくとも1個の環窒素原子上においてR9で置換されており;
各R8は、独立に、ヒドロキシル、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル又はC1~C6アルコキシであり;
各R9は、独立に、C1~C4アルキル、又はC1~C4アルコキシであり;
Wは、W1であり;
R10、R11、R12、及びR13は、全て水素である。
【0048】
式(I)の化合物における実施形態のさらにより好ましいセットでは、
R1は、メチルであり;
R2は、メチルであり;
Gは、水素又は-C(O)-R3であり、R3は、イソプロピル、t-ブチル、メチル、エチル、プロパルギル、メトキシ、エトキシ、又はtert-ブトキシであり;
Xは、フルオロであり、且つピリダジノン/ピリダジンジオン部分に関してオルトであり;
Yは、クロロであり、且つ-W-D部分に関してオルトであり;
Dは、置換若しくは非置換のナフタレン、インドリジン、インドール、イソ-インドール、インドリン、イソインドリン、3-H-インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、1H-インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキソール、プリン、4H-キノリジン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、1-8-ナフチリジン、プテリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、イミダゾ[1,2-a]ピラジン又は1H-ベンゾトリアゾール環系であり、Dが置換されているとき、それは、1個若しくは2個の環炭素原子上においてR8で置換されているか、且つ/又は1個の環窒素原子上においてR9で置換されており;
各R8は、独立に、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、クロロ、フルオロ、ヒドロキシル、又はC1~C3アルコキシであり;
R9は、C1~C4アルキルであり;
Wは、W1であり;
R10、R11、R12、及びR13は、全て水素である。
【0049】
下記の表1~4は、本発明の式(I)の化合物の2752の具体例を例示する。
【0050】
本発明の除草性化合物。X及びYの位置を説明するために使用される付番系は、明瞭にする目的のみのために示される。
【化7】
【0051】
表1は、上記で示すような式(I)の688の化合物A-1.001からA-1.688を提供し、ここで、Gは、水素であり、Wは、-CH2-CH2-であり、R1、R2、X、Y、Dは、下記の表Aにおける、それぞれ、化合物番号1.001~1.688について定義されている通りである。
【0052】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【0053】
表2は、上記で示すような式(I)の688の化合物A-2.001からA-2.688を提供し、ここで、Gは、水素であり、Wは、(E)-CH=CH-であり、R1、R2、X、Y、Dは、上記の表Aにおける、それぞれ、化合物番号1.001~1.688について定義されている通りである。
【0054】
表3は、上記で示すような式(I)の688の化合物A-3.001からA-3.688を提供し、ここで、Gは、-(C=O)iPrであり、Wは、-CH2-CH2-であり、R1、R2、X、Y、Dは、上記の表Aにおける、それぞれ、化合物番号1.001~1.288について定義されている通りである。
【0055】
表4は、上記で示すような式(I)の688の化合物A-4.001からA-4.688を提供し、ここで、Gは、-(C=O)iPrであり、Wは、(E)-CH=CH-であり、R1、R2、X、Y、Dは、上記の表Aにおける、それぞれ、化合物番号1.001~1.288について定義されている通りである。
【0056】
本発明の化合物は、下記のスキームによって調製し得、ここで、置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、W、D、G、X、Y、Z、及びmは、(他に明確に記述しない限り)本明細書の上に記載されている定義を有する。
【0057】
本発明の特定の化合物(I-ii)は、反応スキーム1において示すように化合物(2)から調製し得る。化合物(I-ii)は、式(I)の化合物であり、ここで、Wは、-CH2-CH2-である。
【0058】
反応スキーム1
【化8】
化合物(I-ii)は、適切な溶媒[例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、酢酸又は酢酸エチル]中、適切な触媒[例えば、Pd/C、Pd/CaCO
3、Rh/Al
2CO
3又はスポンジニッケル]の存在下で、-10~100℃の温度にて、水素ガスによる化合物(2)の接触水素化によって調製し得る。
【0059】
代わりに、化合物(I-ii)はまた、-10~100℃の温度にて適切な触媒の存在下で適切な溶媒中の適切な水素源による処理によって、化合物(2)の触媒的移動水素化によって調製し得る。適切な系の例は、Pd/C、Pd(OAc)2又はPd(OH)2/Cの存在下でのジクロロメタン/水又はジクロロメタン/メタノール混合物中のテトラヒドロキシジボロン(J. Am. Chem. Soc., 2016, 138, 6107-6110)、又はPd/Cの存在下でのエタノール中のジエチル1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチル-3,5-ピリジンジカルボキシレートである(Tetrahedron Letters, 2009, 50, 1026)。
【0060】
代わりに、化合物(I-ii)はまた、-10~200℃の温度にて適切な溶媒中の適切な前駆体からin situで生じたジイミドによる還元によって調製し得る。ジイミドの生成のための適切な試薬の例は、任意に適切な塩基の存在下での置換アリールスルホニルヒドラジド、例えば、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルヒドラジドを含む。適切な塩基の例は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムを含む。適切な溶媒は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル及びジメチルホルムアミドを含む。
【0061】
化合物(2)は、記載されている鈴木プロトコル又はHeckプロトコルによって、反応スキーム2において示すように化合物(3)及び化合物(4)から調製し得る。鈴木プロトコルを用いるとき、化合物(4)は、有機ホウ素化合物、例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム塩である。Heckプロトコルを用いるとき、化合物(4)は、スチレンである。
【0062】
反応スキーム2
【化9】
鈴木プロトコル
化合物(2)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、適切な溶媒中、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(4)の処理によって調製し得る。適切な塩基の例は、炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びフッ化カリウムである。適切な触媒の例は、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf)・DCM]、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、並びに酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系である。適切な溶媒の例は、水、1,4-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(4)は市販であるか[例えば、4,4,5,5-テトラメチル-2-[(E)-2-(2-ナフチル)ビニル]-1,3,2-ジオキサボロラン]、又は公知の方法によって作製することができる。鈴木プロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0063】
鈴木プロトコルの条件は、エステル基を切断する傾向があり、その結果、反応スキーム2はまた、出発材料(3)がエステル部分を含有する[Gがアシル基であるように]が、生成物(2)がエステル部分を含有しない[Gが水素であるように]反応について説明し得ることを当業者は認識する。
【0064】
Heckプロトコル
化合物(2)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(4)の処理によって調製し得る。さらなる溶媒は、任意選択で含まれてもよい。適切な塩基の例は、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンである。適切な触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、パラジウム(II)アセテート及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系、並びにパラダサイクルプレ触媒、例えば、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)からin situで形成される触媒系である。任意のさらなる溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(4)は市販されている[例えば、2-ビニルナフタレン]か、又は公知の方法によって作製することができる。Heckプロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、Gは、イソブチリルである。
【0065】
化合物(3-i)は、反応スキーム3において示すように化合物(5)から調製し得る。
【0066】
反応スキーム3
【化10】
化合物(3-i)は、適切な溶媒[例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル又はトルエン]中、適切な塩基[例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジン]の存在下で、-10~60℃の温度にて、化合物(5)及び塩化イソブチリルの処理によって調製し得る。触媒[例えば、4-(ジメチルアミノ)ピリジン]は、任意選択で含まれてもよい。
【0067】
化合物(5)は、溶媒[例えば、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド又はトルエン]中、50~200℃の温度にて、化合物(6)を塩基(例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムヘキサメチルジシラジド又はリチウムヘキサメチルジシラジド)と共に加熱することによって、反応スキーム4において示すように化合物(6)から調製し得る。従来の加熱又はマイクロ波加熱を使用し得る。
【0068】
反応スキーム4
【化11】
化合物(6)は、反応スキーム5において示すようにフェニル酢酸(7)から調製し得る。
【0069】
反応スキーム5
【化12】
反応スキーム5に関して、ヒドラジン(8)の一例は、メチルヒドラジンであり、ケトエステル(10)の一例は、ピルビン酸エチルである。ヒドラゾン(9)の一例は、国際公開第2016/008816号に記載されている方法によって調製したエチル(2E/Z)-2-(メチルヒドラゾノ)プロパノエートである。フェニル酢酸(7)の一例は、反応スキーム10によって合成し得る(2-ブロモ-6-フルオロ-フェニル)酢酸である。フェニル酢酸(7)のさらなる例は、反応スキーム11によって合成し得る(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸である。
【0070】
本発明の特定の化合物(I-iii)は、反応スキーム6において示すように化合物(11)から、又は反応スキーム12において示すように化合物(I-iv)から調製し得る。化合物(I-iii)は、式(I)の化合物であり、ここで、Wは、-CH2-CH2-であり、Gは、水素である。
【0071】
反応スキーム6
【化13】
化合物(I-iii)は、溶媒[例えば、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド又はトルエン]中、50~200℃の温度にて、化合物(11)を塩基(例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムヘキサメチルジシラジド又はリチウムヘキサメチルジシラジド)と共に加熱することによって調製し得る。従来の加熱又はマイクロ波加熱を使用し得る。
【0072】
化合物(11)は、以下の反応スキーム7において示すように化合物(12)から調製し得る。
【0073】
反応スキーム7
【化14】
化合物(12)は、反応スキーム8において示すように化合物(13)から調製することができる。多くの化合物(13)が市販されている[例えば、メチル2-フェニルアセテート及びメチル2-(2-フルオロフェニル)アセテート]。
【0074】
反応スキーム8
【化15】
反応スキーム8に関して、ホスホラン(15)は、反応スキーム9によって作製することができる。
【0075】
反応スキーム9
【化16】
反応スキーム9に関して、適切な塩基の例は、水素化ナトリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラジド及びカリウムtert-ブトキシドである。化合物(16)は、求電子試薬であり、ここで、LGは、脱離基[例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、トシレート又はメシレート]である。多くの化合物(16)が市販されている[例えば、4-クロロベンジルブロミド又は2-クロロ-5-クロロメチルチアゾール]。
【0076】
反応スキーム10
【化17】
反応スキーム10に関して、(2-ブロモ-6-フルオロ-フェニル)酢酸エチルエステルは、Lundgren et al. JACS 2016, 138, 13826-13829に記載されるように調製し得る。
【0077】
反応スキーム11
【化18】
反応スキーム11に関して、2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼンは、市販されている。
【0078】
反応スキーム12
【化19】
化合物(I-iii)は、0℃~100℃の温度にて、水及び適切な溶媒[例えば、メタノール、エタノール又はテトラヒドロフラン]の混合物中、金属水酸化物[例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム又は水酸化カリウム]によって化合物(I-iv)を処理することによって;或いはアルコール溶媒[例えば、メタノール又はエタノール]中、金属炭酸塩[例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム]によって化合物(I-iv)を処理することによって調製し得る。化合物(I-iv)は、式(I)の化合物であり、式中、Wは、-CH
2-CH
2-であり、Gは、C(O)R
3である。
【0079】
化合物(2)は、記載されている鈴木プロトコル又はHeckプロトコルによって、反応スキーム13において示すように化合物(14)及び化合物(15)から調製し得る。鈴木プロトコルを用いるとき、化合物(14)は、有機ホウ素化合物、例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はトリフルオロホウ酸カリウム塩であり、化合物(15)は、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物化合物、例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフレートである。Heckプロトコルを用いるとき、化合物(14)は、スチレンであり、化合物(15)は、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物化合物、例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフレートである。
【0080】
反応スキーム13
【化20】
鈴木プロトコル
化合物(2)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、適切な溶媒中、10~150℃の温度にて、化合物(14)及び化合物(15)の処理によって調製し得る。適切な塩基の例は、炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びフッ化カリウムである。適切な触媒の例は、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf)・DCM]、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、並びに酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系である。適切な溶媒の例は、水、1,4-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(15)は市販されているか、又は公知の方法によって作製することができる。鈴木プロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(14)の例は、イソブチリルエステル(14-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0081】
鈴木プロトコルの条件は、エステル基を切断する傾向があり、その結果、反応スキーム13はまた、出発材料(14)がエステル部分を含有する[Gがアシル基であるように]が、生成物(2)がエステル部分を含有しない[Gが水素であるように]反応について説明し得ることを当業者は認識する。
【0082】
Heckプロトコル
化合物(2)は、10~150℃の温度にて適切な塩基及び適切な触媒の存在下で化合物(15)による化合物(14)の処理によって調製し得る。さらなる溶媒を任意に含み得る。適切な塩基の例は、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンである。適切な触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、パラジウム(II)アセテート及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系、並びにパラダサイクルプレ触媒、例えば、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)からin situで形成される触媒系である。任意選択のさらなる溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(15)は市販されているか、又は公知の方法によって作製することができる。Heckプロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(14)の例は、イソブチリルエステル(14-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0083】
化合物(14-ii)(ここで、Jは、有機ホウ素種、例えば、ボロン酸エステルである)は、反応スキーム14において示すように化合物(3)及び化合物(16)から調製し得る。
【0084】
反応スキーム14
【化21】
化合物(14-ii)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(16)の処理によって調製し得る。さらなる溶媒は、任意選択で含まれてもよい。適切な塩基の例は、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンである。適切な触媒の例は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh
3)
4]、酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、並びにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系である。任意選択のさらなる溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(16)は、市販されている(例えば、ビニルボロン酸MIDAエステル若しくはビニルボロン酸ピナコールエステル)か、又は公知の方法によって作製することができる。Heckプロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0085】
反応スキーム15
【化22】
化合物(14-iii)(ここで、Jは、水素である)は、上記の反応スキーム15において示すように化合物(3)から調製し得る。
【0086】
化合物(14-iii)は、任意選択で適切な塩基の存在下で、適切な触媒の存在下で、10~150℃の温度にて、適切な溶媒中、化合物(3)及びトリブチル(ビニル)スタンナンの処理によって調製し得る。任意選択の塩基の例は、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンである。適切な触媒の例は、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf)・DCM]、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd(PPh3)4]、酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系、並びにパラダサイクル触媒前駆体、例えば、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)からin situで形成される触媒系である。適切な溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0087】
化合物(18)は、反応スキーム16において示すように薗頭反応によって化合物(3)から調製し得る。
【0088】
反応スキーム16
【化23】
化合物(18)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(17)の処理によって調製し得る。任意選択で、さらなる溶媒を加えてもよい。適切な塩基の例は、トリエチルアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンである。適切な触媒の例は、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド[Pd(PPh
3)Cl
2]、酢酸パラジウム(II)及びトリフェニルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系、並びにパラダサイクル触媒前駆体、例えば、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)からin situで形成される触媒系である。任意選択で、銅触媒、例えば、ヨウ化銅(I)をまた加えてもよい。適切なさらなる溶媒の例は、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン及びN,N-ジメチルホルムアミドである。特定の有用性を有する化合物(3)の例は、イソブチリルエステル(3-i)であり、ここで、Gは、イソブチリルである。
【0089】
薗頭反応の条件は、エステル基を切断する傾向があり、その結果、反応スキーム16はまた、出発材料(3)がエステル部分を含有する[Gがアシル基であるように]が、生成物(18)がエステル部分を含有しない[Gが水素であるように]反応について説明し得ることを当業者は認識する。
【0090】
化合物(19)は、鈴木反応を介して、反応スキーム17において示すように化合物(3)及び化合物(20)から調製し得、ここで、化合物(20)は、適切な有機ホウ素種、例えば、ボロン酸、ボロン酸エステル又はカリウムトリフルオロホウ酸塩である。
【0091】
反応スキーム17
【化24】
化合物(19)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で、適切な溶媒中、10~150℃の温度にて、化合物(3)及び化合物(20)の処理によって調製し得る。適切な塩基の例は、炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及びフッ化カリウムである。適切な触媒の例は、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf)・DCM]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリ-tertブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの混合物からin situで形成される触媒系、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びトリシクロヘキシルホスフィンの混合物からin situで形成される触媒系、パラダサイクル触媒前駆体、例えば、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)からin situで形成される触媒系、並びにパラダサイクル触媒前駆体、例えば、クロロ[(トリシクロヘキシルホスフィン)-2-(2’-アミノビフェニル)]パラジウム(II)からin situで形成される触媒系である。適切な溶媒の例は、水、1,4-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンを含む。いくつかの化合物(20)は市販されているか、又は公知の方法によって作製することができる(例えば、Org. Process Res. Dev. 2012, 16, 87-95に記載されている方法を参照されたい)。鈴木反応において特定の有用性を有する化合物(3)の例は、ベンジルエーテル(3-ii)であり、ここで、Gは、ベンジルである。
【0092】
反応スキーム18
【化25】
化合物(I9-ii)は、適切な溶媒[例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、酢酸又は酢酸エチル]中、適切な触媒[例えば、Pd/C、Pd/CaCO
3、Rh/Al
2CO
3又はスポンジニッケル]の存在下で、-10~100℃の温度にて、水素ガスによる化合物(19-i)の接触水素化によって調製し得る。
【0093】
本発明のある特定の化合物(I-ii)は、反応スキーム19において示すように化合物(21)から調製し得る。化合物(I-ii)は、式(I)の化合物であり、式中、Wは、-CH2-CH2-である。
【0094】
反応スキーム19
【化26】
化合物(I-ii)は、適切な塩基及び適切な触媒の存在下で適切な溶媒中10~150℃の温度にて、化合物(15)による化合物(21)([B]は、トリアルキルボラン、アルキルボロン酸、アルキルボロン酸エステル又はアルキルカリウムトリフルオロホウ酸塩であり得る)の処理によって調製し得る。適切な塩基の例は、炭酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及びフッ化カリウムである。適切な触媒の例は、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl
2(dppf).DCM]、[1,3-ビス(2,6-ジ-3-ペンチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン](3-クロロピリジル)ジクロロパラジウム(II)[Pd-PEPPSI(商標)-IPent]、パラダサイクルプレ触媒からin situで形成される触媒系、例えば、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)[RuPhos-Pd-G2]、[ジシクロヘキシル[2’,4’,6’-トリス(1-メチルエチル)[1,1’-ビフェニル]-2-イル]ホスフィン](メタンスルホナト-κO)[2’-(メチルアミノ-κN)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-κC]パラジウム[XPhos-Pd-G4]、及び[(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)ジ-tert-ブチルホスフィン](メタンスルホナト-κO)[2’-(メチルアミノ-κN)[1,1’-ビフェニル]-2-イル-κC]パラジウム[APhos-Pd-G4]である。適切な溶媒の例は、水、1,4-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びトルエンである。多くの化合物(15)は市販であるか、又は公知の方法によって作製することができる。鈴木プロトコルにおいて特定の有用性を有する化合物(21)の例は、イソブチリルエステル(21-i)であり、Gは、イソブチリルである。
【0095】
鈴木プロトコルの条件は、エステル基を切断する傾向があり、その結果、反応スキーム19はまた、出発材料(21)がエステル部分を含有する[Gがアシル基であるように]が、生成物(I-ii)がエステル部分を含有しない[Gが水素であるように]反応について説明し得ることを当業者は認識する。
【0096】
反応スキーム20
【化27】
化合物(21)は、0℃~100℃の温度にて適切な触媒の任意の添加を伴う適切な溶媒中の適切なヒドロホウ素化試薬(22)を使用したアルケン(14-iii)のヒドロホウ素化によって調製し得る。ヒドロホウ素化試薬の例は、ボラン、ジクロロボラン、ジブロモボラン、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン[ピナコールボラン]、1,3,2-ベンゾジオキサボロール[カテコールボラン]又は9-ボリルビシクロ[3.3.1]ノナン[9-BBN]を含む。適切な溶媒の例は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、2-メトキシ-2-メチル-プロパン[MTBE)及びジエチルエーテルを含む。適切な触媒の例は、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド[[Ir(COD)Cl]
2]、及び4-ジフェニルホスファニルブチル(ジフェニル)ホスファン[DPPB]からin situで形成される触媒系を含む[J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 9200-9201]。
【0097】
[B]が、アルキルボロン酸エステルである場合、これは、0~40℃の温度にて適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン[DCM]中のメチルボロン酸[MeB(OH)2]及びトリフルオロ酢酸による処理によって、対応するボロン酸へと変換することができる[Org. Lett., 2019, 21, 3048-3052]。[B]が、アルキルボロン酸又はエステルである場合、これは、0~40℃の温度にて適切な溶媒、例えば、メタノール又はアセトン中のフッ化水素カリウムによる処理によって、対応するアルキルカリウムトリフルオロホウ酸塩へと変換し得る。
【0098】
本発明による化合物は、無修飾の形態の除草性薬剤として使用することができるが、これらは一般に、配合アジュバント、例えば、担体、溶媒及び表面活性物質を使用した様々な方法で組成物へと配合される。配合物は、様々な物理的形態、例えば、散布剤、ゲル、水和剤、水分散性粒剤、水分散性錠剤、発泡ペレット、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、水中油型エマルジョン、油フロアブル剤、水性分散液、油性分散液、サスポエマルジョン、カプセル懸濁液、乳化性粒剤、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として水又は水混和性有機溶媒を伴う)、含浸ポリマーフィルムの形態、又は例えば、Manual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides,United Nations,First Edition, Second Revision(2010)から公知の他の形態でよい。このような配合物は、直接使用することができるか、又は使用前に希釈することができる。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒によって行うことができる。
【0099】
配合物は、微粉化固体、粒剤、溶液、分散物又はエマルジョンの形態の組成物を得るために、例えば、有効成分と配合アジュバントとを混合することによって調製することができる。有効成分はまた、他のアジュバント、例えば、微粉化固体、鉱油、野菜若しくは動物起源の油、野菜若しくは動物起源の変性油、有機溶媒、水、表面活性物質又はこれらの組合せと共に配合することができる。
【0100】
有効成分はまた、微細マイクロカプセル中に含有することができる。マイクロカプセルは、多孔性担体中に有効成分を含有する。これは、有効成分が制御された量で環境中へと放出されることを可能とする(例えば、持続放出)。マイクロカプセルは通常、0.1~500ミクロンの直径を有する。これらは、カプセル重量の約25~95重量%の量で有効成分を含有する。有効成分は、一体化した固体の形態、固体若しくは液体分散物中の細かい粒子の形態、又は適切な溶液の形態でよい。封入膜は、例えば、天然又は合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学修飾されたポリマー及びキサントゲン酸デンプン又は当業者には公知の他のポリマーを含むことができる。代わりに、有効成分がベース物質の固体マトリックス中の微粉化粒子の形態で含有される微細マイクロカプセルを形成することができるが、マイクロカプセルは、それら自体は封入されていない。
【0101】
本発明による組成物の調製に適した配合アジュバントは、それ自体公知である。液体担体として、水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物性油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、アビエチン酸ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファ-ピネン、d-リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ-ブチロラクトン、グリセロール、酢酸グリセロール、二酢酸グリセロール、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、酢酸オクチルアミン、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びより高い分子量のアルコール、例えば、アミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドンなどを使用し得る。
【0102】
適切な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライトクレイ、シリカ、アタパルジャイトクレイ、多孔質珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実穀、コムギ粉、大豆粉、軽石、木粉、粉末クルミ穀、リグニン及び同様の物質である。
【0103】
多数の表面活性物質は、固体及び液体配合物の両方において、特に、使用の前に担体で希釈することができるそれらの配合物において有利に使用することができる。表面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又はポリマーであり得、これらは、乳化剤、湿潤剤若しくは懸濁化剤として、又は他の目的のために使用することができる。典型的な表面活性物質は、例えば、アルキルスルフェートの塩、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホネートの塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物、例えば、ノニルフェノールエトキシレート;アルコール/アルキレンオキシド付加生成物、例えば、トリデシルアルコールエトキシレート;セッケン、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホネートの塩、例えば、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えば、ジ(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えば、オレイン酸ソルビトール;第四級アミン、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ステアリン酸ポリエチレングリコール;酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマー;並びにモノ及びジアルキルリン酸エステルの塩;並びにまた、例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual, MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey(1981)に記載されているさらなる物質を含む。
【0104】
殺虫性配合物中で使用することができるさらなるアジュバントは、結晶化阻害剤、粘度調節剤、懸濁化剤、染料、抗酸化剤、発泡剤、吸光剤、混合助剤、消泡剤、錯化剤、中和又はpH調整物質及び緩衝液、腐食防止剤、香料、湿潤剤、吸収増進剤、微量栄養素、可塑剤、流動促進剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、不凍剤、殺菌薬、並びに液体及び固体肥料を含む。
【0105】
本発明による組成物は、野菜若しくは動物起源の油、鉱油、このような油のアルキルエステル、又はこのような油の混合物、及び油誘導体を含む添加物を含むことができる。本発明による組成物中の油添加物の量は一般に、施用される混合物をベースとして0.01~10%である。例えば、油添加物は、噴霧混合物を調製した後で、望ましい濃度で噴霧タンクに加えることができる。好ましい油添加物は、鉱油又は野菜起源の油、例えば、ナタネ油、オリーブ油又はヒマワリ油、乳化植物性油、野菜起源の油のアルキルエステル、例えば、メチル誘導体、又は動物起源の油、例えば、魚油又は牛脂を含む。好ましい油添加物は、C8~C22脂肪酸のアルキルエステル、特に、C12~C18脂肪酸のメチル誘導体、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル(それぞれ、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル及びオレイン酸メチル)を含む。多くの油誘導体は、Compendium of Herbicide Adjuvants,10th Edition,Southern Illinois University,2010から公知である。
【0106】
除草性組成物は一般に、0.1~99重量%、特に、0.1~95重量%の式(I)の化合物と、好ましくは、0~25重量%の表面活性物質を含む、1~99.9重量%の配合アジュバントとを含む。本発明の組成物は一般に、0.1~99重量%、特に、0.1~95重量%の本発明の化合物と、好ましくは、0~25重量%の表面活性物質を含む、1~99.9重量%の配合アジュバントとを含む。市販の製品は好ましくは、濃縮物として配合し得る一方、最終使用者は希釈した配合物を通常用いる。
【0107】
施用の割合は、広範な限度内で変化し、土壌の性質、施用の方法、作物、防除する有害生物、一般的な気候条件、並びに施用の方法、施用の時及び標的作物によって左右される他の要因によって決まる。一般的ガイドラインとして、化合物は、1~2000l/ha、特に、10~1000l/haの割合で施用し得る。
【0108】
好ましい配合物は、下記の組成物(重量%)を有数ことができる:
乳化性濃縮物:
有効成分:1~95%、好ましくは、60~90%
表面活性剤:1~30%、好ましくは、5~20%
液体担体:1~80%、好ましくは、1~35%
【0109】
粉剤:
有効成分:0.1~10%、好ましくは、0.1~5%
固体担体:99.9~90%、好ましくは、99.9~99%
【0110】
懸濁液濃縮物:
有効成分:5~75%、好ましくは、10~50%
水:94~24%、好ましくは、88~30%
表面活性剤:1~40%、好ましくは、2~30%
【0111】
水和剤:
有効成分:0.5~90%、好ましくは、1~80%
表面活性剤:0.5~20%、好ましくは、1~15%
固体担体:5~95%、好ましくは、15~90%
【0112】
粒剤:
有効成分:0.1~30%、好ましくは、0.1~15%
固体担体:99.5~70%、好ましくは、97~85%
【0113】
本発明の組成物は、少なくとも1種のさらなる殺有害生物剤をさらに含み得る。例えば、本発明による化合物はまた、他の除草剤又は直物成長調節剤と組み合わせて使用することができる。好ましい実施形態では、さらなる殺有害生物剤は、除草剤及び/又は除草剤の毒性緩和剤である。
【0114】
このように、式(I)の化合物は、1種若しくは複数の他の除草剤と組み合わせて使用して、様々な除草性混合物を提供することができる。このような混合物の具体例は、(「I」は、式(I)の化合物を表す):-I+アセトクロール;I+アシフルオルフェン(アシフルオルフェン-ナトリウムを含めた);I+アクロニフェン;I+アメトリン;I+アミカルバゾン;I+アミノピラリド;I+アミノトリアゾール;I+アトラジン;I+ベフルブタミド-M;I+ベンキトリオン;I+ベンスルフロン(ベンスルフロン-メチルを含めた);I+ベンタゾン;I+ビシクロピロン;I+ビラナホス;I+ビスピリバック-ナトリウム;I+ビキスロゾン;I+ブロマシル;I+ブロモキシニル;I+ブタクロール;I+ブタフェナシル;I+カルフェントラゾン(カルフェントラゾンエチルを含めた);I+クロランスラム(クロランスラム-メチルを含めた);I+クロリムロン(クロリムロン-エチルを含めた);I+クロロトルロン;I+クロルスルフロン;I+シンメチリン;I+クラシホス;I+クレトジム;I+クロジナホップ(クロジナホップ-プロパルギルを含めた);I+クロマゾン;I+クロピラリド;I+シクロピラニル;I+シクロピリモレート;I+シクロスルファムロン;I+シハロホップ(シハロホップブチルを含めた);I+2,4-D(そのコリン塩及び2-エチルヘキシルエステルを含めた);I+2,4-DB;I+デスメディファム;I+ジカンバ(そのアルミニウム、アミノプロピル、ビス-アミノプロピルメチル、コリン、ジクロロプロップ、ジグリコールアミン、ジメチルアミン、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩を含めた);I+ジクロスラム;I+ジフルフェニカン;I+ジフルフェンゾピル;I+ジメタクロール;I+ジメテナミド-P;I+ジクワットジブロミド;I+ジウロン;I+エピリフェナシル;I+エタルフルラリン;I+エトフメセート;I+フェノキサプロップ(フェノキサプロップ-P-エチルを含めた);I+フェノキサスルホン;I+フェンキノトリオン;I+フェントラザミド;I+フラザスルフロン;I+フロラスラム;I+フロルピラウキシフェン(フロルピラウキシフェン-ベンジルを含めた);I+フルアジホップ(フルアジホップ-P-ブチルを含めた);I+フルカルバゾン(フルカルバゾン-ナトリウムを含めた);I+フルフェナセット;I+フルメツラム;I+フルミオキサジン;I+フルオメツロン;I+フルピルスルフロン(フルピルスルフロン-メチル-ナトリウムを含めた);I+フルロキシピル(フルロキシピル-メプチルを含めた);I+ホメサフェン;I+ホラムスルフロン;I+グルホシネート(そのアンモニウム塩を含めた);I+グリフォセート(その二アンモニウム、イソプロピルアンモニウム及びカリウム塩を含めた);I+ハラウキシフェン(ハラウキシフェン-メチルを含めた);I+ハロキシホップ(ハロキシホップ-メチルを含めた);I+ヘキサジノン;I+ヒダントシジン;I+イマザモックス;I+イマザピック;I+イマザピル;I+イマゼタピル;I+インダジフラム;I+ヨードスルフロン(ヨードスルフロン-メチル-ナトリウムを含めた);I+イオフェンスルフロン(イオフェンスルフロン-ナトリウムを含めた);I+イオキシニル;I+イソプロツロン;I+イソオキサフルトール;I+ランコトリオン;I+MCPA;I+MCPB;I+メコプロプ-P;I+メソスルフロン(メソスルフロン-メチルを含めた);I+メソトリオン;I+メタミトロン;I+メタザクロール;I+メチオゾリン;I+メトラクロール;I+メトスラム;I+メトリブジン;I+メトスルフロン;I+ナプロパミド;I+ニコスルフロン;I+ノルフルラゾン;I+オキサジアゾン;I+オキサスルフロン;I+オキシフルオルフェン;I+パラコートジクロリド;I+ペンディメタリン;I+ペノクスラム;I+フェンメディファム;I+ピクロラム;I+ピノキサデン;I+プレチラクロール;I+プリミスルフロン-メチル;I+プロメトリン;I+プロパニル;I+プロパキザホップ;I+プロピリスルフロン;I+プロピザミド;I+プロスルホカルブ;I+プロスルフロン;I+ピラクロニル;I+ピラフルフェン(ピラフルフェン-エチルを含めた);I+ピラスルホトール;I+ピリデート;I+ピリフタリド;I+ピリミスルファン;I+ピロキサスルホン;I+ピロキスラム;I+キンクロラック;I+キンメラック;I+キザロホップ(キザロホップPエチル及びキザロホップ-P-テフリルを含めた);I+リムスルフロン;I+サフルフェナシル;I+セトキシジム;I+シマジン;I+S-メタロクロル;I+スルフェントラゾン;I+スルホスルフロン;I+テブチウロン;I+テフリルトリオン;I+テンボトリオン;I+テルブチラジン;I+テルブトリン;I+テトフルピロリメト;I+チエンカルバゾン;I+チフェンスルフロン;I+チアフェナシル;I+トルピラレート;I+トプラメゾン;I+トラルコキシジム;I+トリアファモン;I+トリアレート;I+トリアスルフロン;I+トリベニュロン(トリベニュロン-メチルを含めた);I+トリクロピル;I+トリフロキシスルフロン(トリフロキシスルフロン-ナトリウムを含めた);I+トリフルジモキサジン;I+トリフルラリン;I+トリフルスルフロン;I+3-(2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)フェニル)-5-メチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-5-カルボン酸エチルエステル;I+4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン;I+4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン;I+(4R)1-(5-tert-ブチルイソオキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン;I+3-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5,5-ジメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,4,4-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3,5-トリオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-エチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-4,4,6,6-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+3-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン;I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5,5-ジメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+6-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,4,4-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3,5-トリオン;I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン;I+4-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,6,6-テトラメチル-テトラヒドロピラン-3,5-ジオン;I+4-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,6,6-テトラメチル-テトラヒドロピラン-3,5-ジオン;I+4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボン酸(その農芸化学的に許容されるエステル、例えば、メチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート、プロパ-2-イニル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレート及びシアノメチル4-アミノ-3-クロロ-5-フルオロ-6-(7-フルオロ-1H-インドール-6-イル)ピリジン-2-カルボキシレートを含めた);I+3-エチルスルファニル-N-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド;I+3-(イソプロピルスルファニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド;I+3-(イソプロピルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド;I+3-(エチルスルホニルメチル)-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-8-カルボキサミド;I+エチル2-[[3-[[3-クロロ-5-フルオロ-6-[3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]-2-ピリジル]オキシ]アセテート;I+6-クロロ-4-(2,7-ジメチル-1-ナフチル)-5-ヒドロキシ-2-メチル-ピリダジン-3-オン;I+1-[2-クロロ-6-(5-クロロピリミジン-2-イル)オキシ-フェニル]-4,4,4-トリフルオロ-ブタン-1-オン及びI+5-[2-クロロ-6-(5-クロロピリミジン-2-イル)オキシ-フェニル]-3-(ジフルオロメチル)イソオキサゾールを含む。式(I)の化合物の混合パートナー(mixing partner)はまた、例えば、The Pesticide Manual,Fourteenth Edition,British Crop Protection Council,2006に言及されているように、エステル又は塩の形態であってもよい。
【0115】
式(I)の化合物は、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農薬との混合物中で使用することもでき、その例が、The Pesticide Manualに示されている。
【0116】
混合パートナーに対する式(I)の化合物の混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0117】
混合物は、上記の製剤に有利に使用され得る(その場合、「活性成分」は、混合パートナーとの式(I)の化合物のそれぞれの混合物に関する)。
【0118】
本発明の式(I)の化合物はまた、除草剤緩和剤と合わせ得る。好ましい組合せ(ここで、「I」は、式(I)の化合物を表す)は、I+ベノキサコール、I+クロキントセット(クロキントセット-メキシルを含めた);I+シプロスルファミド;I+ジクロルミド;I+フェンクロラゾール(フェンクロラゾール-エチルを含めた);I+フェンクロリム;I+フルキソフェニム;I+フリラゾールI+イソオキサジフェン(イソオキサジフェン-エチルを含めた);I+メフェンピル(メフェンピル-ジエチルを含めた);I+メトカミフェン;I+N-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド及びI+オキサベトリニルを含む。
【0119】
特に好ましいのは、式(I)の化合物とシプロスルファミド、イソオキサジフェン(イソオキサジフェン-エチルを含めた)、クロキントセット(クロキントセット-メキシルを含めた)及び/又はN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチル-アミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドとの混合物である。
【0120】
式(I)の化合物の毒性緩和剤はまた、例えば、The Pesticide Manual,14th Edition(BCPC),2006に言及されているように、エステル又は塩の形態であってもよい。クロキントセット-メキシルへの言及は、国際公開第02/34048号パンフレットに開示されるように、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用され、フェンクロラゾール-エチルへの言及は、フェンクロラゾールにも適用されるなどである。
【0121】
好ましくは、毒性緩和剤に対する式(I)の化合物の混合比は、100:1~1:10、特に、20:1~1:1である。
【0122】
混合物は、上記の配合物中で有利に使用することができる(この場合、「有効成分」は、毒性緩和剤を有する式(I)の化合物のそれぞれの混合物に関する)。
【0123】
本発明の式(I)の化合物は、除草剤として有用である。したがって、本発明は、前記植物又はそれらを含む生息地に、有効量の本発明の化合物又は前記化合物を含有する除草性組成物を施用することを含む、望まれない植物を防除するための方法をさらに含む。「防除」は、殺滅、成長の減少若しくは遅延又は発芽の防止若しくは減少を意味する。一般に、防除される植物は、好ましくない植物(雑草)である。「場所」は、植物が成長している領域又は成長する予定である領域を意味する。
【0124】
式(I)の化合物の施用率は、広い限度内で変化し、土壌の性質、施用方法(出芽前又は出芽後;まき溝への施用;非耕地施用(no tillage application)など)、作物、防除される雑草、一般的気候条件、及び施用方法によって左右される他の要因、施用時間及び標的作物に応じて決まり得る。本発明に係る式(I)の化合物は、一般に、10~2000g/ha、特に、50~1000g/haの率で施用される。
【0125】
施用は、一般に、組成物を噴霧することによって、典型的に、広い領域用のトラクターに取り付けられた噴霧器によってなされるが、散粉(dusting)(粉剤用)、点滴(drip)又は灌注(drench)などの他の方法を使用することもできる。
【0126】
本発明に係る組成物が使用され得る有用な植物は、穀物、例えば大麦及び小麦、綿花、アブラナ、ヒマワリ、トウモロコシ、米、ダイズ、テンサイ、サトウキビ及び芝生などの作物を含む。
【0127】
作物は、果樹、ヤシの木、ココヤシの木又は他の木の実などの木も含み得る。ブドウ、果実の低木、果実植物及び野菜などのつる植物も含まれる。
【0128】
作物は、従来の品種改良方法又は遺伝子組み換えによって除草剤又は除草剤の種類(例えばALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD阻害剤)に対する耐性を与えられた作物も含むことが理解されるべきである。従来の品種改良方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックス(imazamox)に対する耐性を与えられた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え方法によって除草剤に対する耐性を与えられた作物の例としては、例えば、RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商標名で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ種が挙げられる。
【0129】
作物はまた、遺伝子組み換え方法によって害虫に対する耐性を与えられた作物、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに耐性がある)、Bt綿花(メキシコワタノミゾウムシに耐性がある)及びさらにBtジャゲイモ(コロラドハムシに耐性がある)であることが理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt 176トウモロコシ雑種である。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素、又はこのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例が、欧州特許出願公開第A-451878号明細書、欧州特許出願公開第A-374753号明細書、国際公開第93/07278号パンフレット、国際公開第95/34656号パンフレット、国際公開第03/052073号パンフレット及び欧州特許出願公開第A-427529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1つ又は複数の毒素を発現する1つ又は複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿花)、Bollgard(登録商標)(綿花)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料はいずれも、除草剤に対して耐性があると同時に、昆虫の摂食に対して耐性があり得る(「多重(stacked)トランスジェニック事象)。例えば、種子は、殺虫性のCry3タンパク質を発現する能力を有することができると同時にグリホサートに対して耐性がある。
【0130】
作物はまた、従来の品種改良方法又は遺伝子組み換えによって得られ、いわゆる出力形質(例えば向上した貯蔵安定性、より高い栄養価及び向上した風味)を含む作物を含むことが理解されるべきである。
【0131】
他の有用な植物は、例えばゴルフ場、芝地、公園及び沿道における芝草、又は芝生用に商業的に栽培された芝草、及び花又は低木などの鑑賞植物を含む。
【0132】
本発明の式(I)の化合物及び組成物は典型的には、多種多様の単子葉及び双子葉雑草種を防除するために使用することができる。典型的には防除することができる単子葉種の例は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、ブラキアリアプランタギネア(Brachiaria plantaginea)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、ウスゲケイヌビエ(Echinochloa crus-galli)、ホソムギ(Lolium perenne)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、キビ(Panicum miliaceum)、スズメノカタビラ(Poa annua)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)及びソルガム(Sorghum bicolor)を含む。防除することができる双子葉種の例は、イチビ(Abutilon theophrasti)、アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、シロザ(Chenopodium album)、ショウジョウソウモドキ(Euphorbia heterophylla)、ヤエムグラ(Galium aparine)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ソバカズラ(Polygonum Convolvulus)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、ノガラシ(Sinapis arvensis)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、ハコベ(Stellaria media)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及びオナモミ(Xanthium strumarium)を含む。雑草はまた、作物とみなされ得るが、作物の領域の外側で成長する植物(「エスケープ(escape)」)、又は前に植えられていた異なる作物から残された種子から成長する植物(「ボランティア(volunteer)」)を含み得る。このようなボランティア又はエスケープは、特定の他の除草剤に対して耐性であり得る。
【0133】
ここで、本発明の様々な態様及び実施形態が、例としてより詳細に例示される。本発明の範囲から逸脱せずに細部の変更を行うことができることが理解されよう。
【実施例】
【0134】
実施例1
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(2-メチル-6-キノリル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(A-3.034)の調製
【化28】
1.1 3-アリル-2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン
リチウムジイソプロピルアミドの溶液(テトラヒドロフラン中2M、3.6ml、7.2mmol)を、N
2下で-78℃に冷却した。2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン(1.0g、4.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液を、-78℃にて滴下で添加した。混合物を同じ温度にて45分間撹拌し、その後、臭化アリル(0.3ml、5.7mmol)で処理した。反応を-78℃にて2時間続け、次いで、室温に温めた。反応物を飽和NH
4Cl(水溶液)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機物を分離し、保持し、次いで、ブラインで洗浄した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、3-アリル-2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン(1.2g、100%)を油として得た。
【化29】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H:7.34-7.30(m,1H),7.01-6.96(m,1H),5.94-5.83(m,1H),5.10-5.00(m,2H),3.64-3.58(m,2H).
【0135】
1.2 2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸
2つ口フラスコ中の3-アリル-2-ブロモ-1-クロロ-4-フルオロ-ベンゼン(15.0g、60.1mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液を、-78℃に冷却した。1つの側管を、KIの水溶液を含有するトラップに連結した。出発材料が完全に消費されるまで(5時間)、オゾンを溶液に通して泡立たせた。空気を溶液に通して10分間泡立たせ、過剰なオゾンを除去した。硫化ジメチル(44ml、601mmol)を加え、混合物を室温に温めた。反応を室温にて16時間続けた。
【0136】
混合物をブライン(2×100mL)で洗浄し、有機層を保持した。有機物をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(15.3g)を得て、これをそれ以上精製することなく次のステップのために使用した。
【0137】
粗2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(15.3g、60.8mmol)を、tert-ブタノール(92mL)及び水(46mL)の混合物に溶解し、次いで、0℃に冷却した。2-メチルブタ-2-エン(64.5mL、608mmol)、リン酸二水素ナトリウム(34.6g、243mmol)及び亜塩素酸ナトリウム(16.5g、163mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌し、次いで、ブライン(150mL)及び2Mの塩酸(150mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、メタ重亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、淡黄色の固体を得た。粗固体を、水(100mL)及び2.0MのNaOH(30mL)の混合物に溶解した。水溶液を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、有機物を廃棄した。濃塩酸(20mL)を加えることによって水層を酸性化し、白色の懸濁液の形成がもたらされた。混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸(8.0g、49%)を白色の固体として得た。
【化30】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ
H:12.79(br.s,1H),7.67-7.59(m,1H),7.39-7.31(m,1H),3.82(s,2H).
【0138】
1.3 2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-N-メチル-アセトヒドラジド
撹拌した2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)酢酸(2.0g、7.5mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液に0℃にて、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩[EDC・HCl](1.4g、9.0mmol)を加え、それに続いて、メチルヒドラジン(0.4ml、7.5mmol)を滴下で添加した。反応混合物の温度を0℃にて3時間維持した。次いで、反応物を水でクエンチし、ジクロロメタン中に抽出した。有機物を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させた。減圧下での濃縮によって、粗2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-N-メチル-アセトヒドラジド(1.8g、81%)を得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
【化31】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ
H:7.59(dd,J=8.9及び5.4,1H),7.30(t,J=8.9,1H),4.91(s,2H),4.10(br.s,2H),3.02(s,3H).
【0139】
1.4 2-{[2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-アセチル]-メチル-ヒドラゾノ}-プロピオン酸エチルエステル
撹拌した2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-N-メチル-アセトヒドラジド(1.8g、6.09mmol)のエタノール(5ml)溶液に、ピルビン酸エチル(0.7ml、6.7mmol)を滴下で添加した。反応物を80℃にて4時間加熱した。次いで、反応混合物を室温へと冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、所望の化合物2-{[2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-アセチル]-メチル-ヒドラゾノ}-プロピオン酸エチルエステル(1.8g、75%)をオフホワイト色の固体として得た。
【化32】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H:7.40-7.35(m,1H),7.04-6.98(m,1H),4.32(q,J=7.1,2H),4.24(s,2H),3.41(s,3H),2.32(s,3H),1.36(t,J=7.1,3H).
【0140】
1.5 4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
2-{[2-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-アセチル]-メチル-ヒドラゾノ}-プロピオン酸エチルエステル(500mg、1.27mmol)をアセトニトリル(2.5ml)に溶解し、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン[DBU](0.47ml、3.2mmol)で処理した。マイクロ波照射を1時間使用して混合物を125℃へと加熱した。次いで、反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を水に溶解し、2Nの塩酸でpH1へと酸性化した。混合物をDCMで抽出し、有機物を分離し、ブライン溶液で洗浄した。有機溶液をNa
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗製物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(340mg、77.1%)をオフホワイト色の固体として得た。
【化33】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ
H:11.01(s,1H),7.77-7.73(m,1H),7.39(t,J=8.7,1H),3.58(s,3H),2.24(s,3H).
【0141】
1.6 [5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
撹拌した4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.4g、4.02mmol)のジクロロメタン(32ml)溶液に、室温にてトリエチルアミン(1.1ml、8.06mmol)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン[DMAP](49mg、0.40mmol)及び塩化イソブチリル(0.6ml、4.83mmol)を加えた。
【0142】
完了したと判断すると、反応物をジクロロメタン及び水で希釈した。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗製物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離液、酢酸エチル/ヘキサンの勾配)によって精製し、[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.47g、87%)を得た。
【化34】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ
H:7.51-7.47(m,1H),7.10-7.05(m,1H),3.82(s,3H),2.60-2.55(m,1H),2.25(s,3H),1.02-0.98(m,6H).
【0143】
1.7 2-メチル-6-[(E)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル]キノリン
4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.73mL、4.32mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.25mL、7.20mmol)を、撹拌した6-ブロモ-2-メチル-キノリン(800mg、3.6mmol)及びクロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(92mg、0.18mmol)のトルエン(14mL)溶液に加えた。反応混合物を、窒素下で95℃へと4時間加熱した。
【0144】
完了すると、反応混合物を室温へと冷却し、次いで、(DCMで溶出する)Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ-ヘキサンの勾配)によって精製し、2-メチル-6-[(E)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル]キノリン(886mg、83%収率)を得た。
【化35】
1H NMR(400MHz,溶媒)δ ppm 1.34(s,12H)2.74(s,3H)6.29(d,J=18.46Hz,1H)7.26-7.29(m,1H)7.55(d,J=18.4Hz,1H)7.77(d,J=1.47Hz,1H)7.85-7.92(m,1H)7.94-7.99(m,1H)8.02(d,J=8.4Hz,1H).
【0145】
1.8 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(2-メチル-6-キノリル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(A-4.034)
撹拌した[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(1.03g、2.47mmol)、Cs2CO3(2.43g、7.40mmol)、2-メチル-6-[(E)-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル]キノリン(0.874g、2.96mmol)及びPd(dppf)Cl2.DCM(0.101g、0.123mmol)の1,4-ジオキサン(21mL)及び水(6mL)溶液を加熱還流させた。
【0146】
16時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、ジオキサンの大部分を除去し、次いで、水及びEtOAcで希釈した。有機層を分離し、水相をEtOAcの部分(2×)で抽出した。次いで、水相のpHを2MのHCl(水溶液)でpH2に調節し、次いで、EtOAcのさらなる部分で抽出した。
【0147】
粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ-ヘキサンの勾配)によって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(2-メチル-6-キノリル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(86mg、7%収率、A-4.034)及び4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(2-メチル-6-キノリル)ビニル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(51mg、5%収率、A-2.034)を得た。
【化36】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 1.11(app t,J=7.1Hz,6H)2.23(s,3H)2.63-2.71(m,1H)2.74(s,3H)3.69(s,3H)6.81(d,J=16.4Hz,1H)7.04(t,J=8.7Hz,1H)7.15(d,J=16.5Hz,1H)7.27(s,1H)7.45(dd,J=8.9,5.07Hz,1H)7.63(d,J=1.7Hz,1H)7.75-7.81(m,1H)7.94(d,J=8.8Hz,1H)8.01(d,J=8.3Hz,1H)
.
【化37】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.24(s,3H)2.66(s,3H)3.66(s,3H)6.72(d,J=16.4Hz,1H)6.93-7.07(m,2H)7.26(s,1H)7.38(dd,J=8.9,5.14Hz,1H)7.55(d,J=1.7Hz,1H)7.66(dd,J=8.8,2.0Hz,1H)7.84(d,J=8.8Hz,1H)7.99(d,J=8.4Hz,1H)
【0148】
1.9 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(2-メチル-6-キノリル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(A-3.034)
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(2-メチル-6-キノリル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(56mg、0.12mmol、4.034)を、3バールのH2にて5%Pd/C触媒(24mg)上でテトラヒドロフラン(0.3mL)中の接触水素化に供した。
【0149】
完了すると、反応混合物を、DCMで溶出するCelite(登録商標)のパッドを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗残渣を得た。
【0150】
残渣をシリカ上へと吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ-ヘキサン)によって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(2-メチル-6-キノリル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(15mg、27%収率、A-3.034)を得て、さらに還元された生成物の混合物を質量に基づいた逆相分取HPLCによってさらに精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(6mg、11%収率、A-3.030)を得た。
【化38】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 0.97(dd,J=7.0,4.4Hz,6H)2.24(s,3H)2.47-2.57(m,1H)2.73(s,3H)2.79-3.09(m,4H)3.84(s,3H)7.00(t,J=8.6Hz,1H)7.25(d,J=8.3Hz,1H)7.49(app d,J=1.1Hz,3H)7.90(d,J=8.4Hz,1H)7.96(d,J=8.3Hz,1H).
【化39】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 0.96(dd,J=7.03,2.02Hz,6H)1.25(d,J=6.24Hz,3H)1.58-1.69(m,1H)1.90-1.98(m,1H)2.24(s,3H)2.54(dt,J=13.94,6.97Hz,1H)2.63-2.84(m,6H)3.39(td,J=6.51,3.12Hz,1H)3.83(s,3H)6.52(br d,J=6.48Hz,1H)6.72-6.79(m,2H)6.96(t,J=8.62Hz,1H)7.40(dd,J=8.80,5.14Hz,1H).
【0151】
実施例2
4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(1H-インドール-5-イル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(A-1.021)の調製
【化40】
2.1 5-ベンジルオキシ-4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
臭化ベンジル(0.19mL、1.58mmol)を、撹拌した4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(500mg、1.44mmol)及びK
2CO
3(0.22g、1.58mmol)のアセトン(2.9mL)懸濁液に加え、混合物を2時間加熱還流させた。
【0152】
完了すると、反応混合物をRTへと冷却し、次いで、濾過した(アセトンで溶出する)。濾液を真空中で濃縮し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ-ヘキサンの勾配)によって精製し、5-ベンジルオキシ-4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(560mg、89%収率)を得た。
【化41】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.29(s,3H)3.77(s,3H)4.59-4.76(m,2H)7.09(dd,J=8.93,7.95Hz,1H)7.13-7.20(m,2H)7.29-7.36(m,3H)7.52(dd,J=8.93,5.38Hz,1H).
【0153】
2.2 2-[(E)-2-[2-(5-ベンジルオキシ-2,6-ジメチル-3-オキソ-ピリダジン-4-イル)-6-クロロ-3-フルオロ-フェニル]ビニル]-6-メチル-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-4,8-ジオン
撹拌した5-ベンジルオキシ-4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.00g、2.28mmol)、クロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(59mg、0.11mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL、4.57mmol)及び6-メチル-2-ビニル-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-4,8-ジオン(0.50g、2.74mmol)のTHF(23mL)溶液を、90℃にて5時間、次いで、70℃にてさらに16時間加熱した。
【0154】
反応混合物を室温に冷却し、次いで、DCMで希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過し、DCMのさらなる部分で溶出させた。濾液を真空中で濃縮し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/メタノールの勾配)によって精製し、5-ベンジルオキシ-4-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン;2-[(E)-2-[2-(5-ベンジルオキシ-2,6-ジメチル-3-オキソ-ピリダジン-4-イル)-6-クロロ-3-フルオロ-フェニル]ビニル]-6-メチル-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-4,8-ジオン(904mg、74%収率)を得た。
【化42】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.26(s,3H)2.79(s,3H)3.73(s,7H)4.60(s,2H)5.97(d,J=18.6Hz,1H)6.76(d,J=18.5Hz,1H)7.02(t,J=8.6Hz,1H)7.09(dd,J=6.7,3.00Hz,2H)7.29-7.34(m,3H)7.44(dd,J=8.9,5.1Hz,1H).
【0155】
2.3 5-ベンジルオキシ-4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(1H-インドール-5-イル)ビニル]フェニル]-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
マイクロ波バイアルに、2-[(E)-2-[2-(5-ベンジルオキシ-2,6-ジメチル-3-オキソ-ピリダジン-4-イル)6-クロロ-3-フルオロ-フェニル]ビニル]-6-メチル-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-4,8-ジオン(300mg、0.56mmol)、5-ブロモ-1H-インドール(163mg、0.84mmol)、Pd(dppf)Cl2.DCM(23mg、0.028mmol)及びK3PO4.H2O(512mg、2.22mmol)を加えた。次いで、バイアルをキャップし、N2でパージし、その後、THF(5.6mL)及び水(0.2mL)を添加した。次いで、反応混合物をマイクロ波照射下で90℃へと30分間加熱した。
【0156】
反応混合物を室温に冷却し、次いで、水(20mL)及びEtOAc(20mL)に分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機物を集め、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。
【0157】
粗生成物を質量に基づいた逆相分取HPLCによって精製し、5-ベンジルオキシ-4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(1H-インドール-5-イル)ビニル]フェニル]-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(45mg、16%収率)を得た。
【化43】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.20(s,3H)3.76(s,3H)4.70(d,J=5.3Hz,2H)6.53(t,J=2.1Hz,1H)6.78-6.86(m,1H)6.88-6.94(m,1H)7.01(t,J=8.6Hz,1H)7.12-7.17(m,2H)7.19(t,J=2.8Hz,1H)7.21-7.25(m,1H)7.29-7.35(m,4H)7.47(dd,J=8.9,5.3Hz,1H)7.55(s,1H)8.25-8.44(m,1H).
【0158】
2.4 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(1H-インドール-5-イル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(A-1.021)
5-ベンジルオキシ-4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(1H-インドール-5-イル)ビニル]フェニル]-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(45mg、0.09mmol)を、3バールのH2にて5%Pd/C触媒(38mg×2)上でテトラヒドロフラン(0.23mL)中の接触水素化に供した。
【0159】
完了すると、反応混合物をDCMで溶出するCelite(登録商標)のパッドを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、粗残渣を得た。
【0160】
残渣をシリカ上へと吸着させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ-ヘキサン)によって精製し、4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(1H-インドール-5-イル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(24mg、65%収率、A-1.021)を得た。
【化44】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ ppm 2.18(s,3H)2.70-2.96(m,4H)3.69(s,3H)6.44(ddd,J=3.0,2.0,0.7Hz,1H)6.78(dd,J=8.3,1.6Hz,1H)6.89(t,J=8.6Hz,1H)7.14-7.18(m,1H)7.18-7.26(m,2H)7.37(dd,J=8.8,5.14Hz,1H)8.21(br s,1H).
【0161】
実施例3
4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.343)の調製
【化45】
3.1 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(6-メチル-4,8-ジオキソ-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-2-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
[5-(2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(5.00g、11.97mmol、1.0当量)、6-メチル-2-ビニル-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-4,8-ジオン(2.63g、14.36mmol、1.2当量)及びクロロ[(トリ-tert-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(307mg、0.60mmol、0.05当量)を、凝縮器、撹拌棒及び窒素バブラーを備えた250mlの丸底フラスコ中に充填した。窒素流に対して、THF(100mL)、それに続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.2mL、23.94mmol、2.0当量)を加え、混合物を3時間加熱還流させた。
【0162】
反応混合物を室温へと冷却し、次いで、DCM中で希釈し、Celite(登録商標)を通して濾過し、さらなる部分のDCMで洗浄した。次いで、溶離液を濃縮乾固した。
【0163】
粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(6-メチル-4,8-ジオキソ-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-2-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(5.91g、11.4mmol、95%収率)をオフホワイト色の固体として得た。
【化46】
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=7.63(dd,J=5.1,8.9Hz,1H),7.31(t,J=8.9Hz,1H),6.65(d,J=18.3Hz,1H),5.68(d,J=18.3Hz,1H),4.24(dd,J=11.9,17.2Hz,2H),3.95-3.83(m,2H),3.70(s,3H),2.66(spt,J=7.0Hz,1H),2.16(s,3H),0.90(d,J=7.0Hz,3H),0.89(d,J=7.0Hz,3H)
【0164】
3.2 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(4.343)
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(6-メチル-4,8-ジオキソ-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-2-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(700mg、1.35mmol)、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf).DCM](55mg、0.067mmol)、6-ブロモ-1-メチル-ベンゾトリアゾール(371mg、1.75mmol)及びリン酸カリウム(1.17g、5.39mmol)を、10~20mlのマイクロ波バイアルに加えた。2-メチルテトラヒドロフラン(10ml)及び水(0.5ml)を加え、次いで、反応混合物を排気によって脱気し、窒素(×3)で再充填した。反応混合物をマイクロ波照射下で120℃へと60分間加熱した。
【0165】
反応混合物をcelite(登録商標)のプラグを通して濾過し、EtOAc及びEtOHで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、茶色のガム(853mg)を得た。粗材料を、シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲル上の自動化フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(4.343)をオレンジ色のガム(622mg、87%収率)として得た。
【0166】
精製した材料をアセトニトリル(10ml)に溶解し、SiliCycle SiliaMetS(登録商標)チオール(SH)金属捕捉剤樹脂(622mg)で室温にて処理した。懸濁液を室温にて1.5時間撹拌し、次いで、濾過し、樹脂を除去し、さらなるアセトニトリルで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(4.343)を白色の固体(583mg、87%収率)として得た。
【化47】
1H NMR(400MHz,クロロホルム)7.96(d,J=9.0Hz,1H),7.39-7.49(m,3H),7.15(d,J=16.3Hz,1H),7.05(t,J=8.7Hz,1H),6.81(d,J=16.3Hz,1H),4.29(s,3H),3.68(s,3H),2.67(spt,J=7.0Hz,1H),2.23(s,3H),1.13(d,J=7.0Hz,3H),1.09(d,J=7.0Hz,3H)
【0167】
3.3 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(496mg、1.00mmol)を、3バールのH2にて5%Pd/C(50%湿潤)触媒(0.21g)上でEtOAc(10mL)中の18時間の接触水素化に供した。
【0168】
反応混合物をCelite(登録商標)のパッドを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、粗残渣(503mg)を得て、これを質量に基づいた逆相HPLCによって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエートを無色のガム(332mg、67%収率)として得た。
【化48】
1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.92(d,J=8.6Hz,1H),7.43(dd,J=5.1,8.7Hz,1H),7.24(br s,1H),7.17(dd,J=1.3,8.6Hz,1H),7.01(t,J=8.7Hz,1H),4.26(s,3H),3.81(s,3H),3.11-2.91(m,3H),2.86-2.72(m,1H),2.54(spt,J=7.0Hz,1H),2.25(s,3H),0.98(d,J=7.1Hz,3H),0.96(d,J=7.0Hz,3H)
【0169】
3.4 4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.343)の調製
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(332mg、0.67mmol)を、エタノール(5ml)中で室温にて撹拌した。水酸化リチウム一水和物(85mg、2.00mmol)の水(2ml)溶液を滴下で添加し、反応物を室温にて21時間撹拌した。
【0170】
エタノール溶媒を減圧下で除去し、次いで、残渣を水(20ml)で希釈した。2MのHCl(水溶液)を添加することによって水相を約pH3~4に酸性化し、次いで、EtOAc(3×10ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮し、白色の固体(240mg)を得た。粗残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配で溶出するシリカ上の自動化フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(3-メチルベンゾトリアゾール-5-イル)エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.343)を白色の固体(196mg、69%)として得た。
【化49】
1H NMR(400MHz,アセトニトリル)δ ppm 7.83(d,J=8.6Hz,1H),7.57(dd,J=5.2,8.8Hz,1H),7.33(s,1H),7.10-7.18(m,2H),4.22(s,3H),3.64(s,3H),2.84-3.07(m,4H)2.21(s,3H)
【0171】
実施例4
4-[2-[2-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)エチル]-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.350)の調製
【化50】
4.1 4-[2-[(E)-2-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)ビニル]-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン
[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[(E)-2-(6-メチル-4,8-ジオキソ-1,3,6,2-ジオキサザボロカン-2-イル)ビニル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(500mg、0.96mmol)、5-ブロモ-1,3-ベンゾチアゾール(309mg、1.44mmol)、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン複合体[PdCl2(dppf).DCM](4mg、0.05mmol)及び炭酸カリウム(403mg、2.89mmol)を、10~20mlのマイクロ波バイアルへと窒素雰囲気下で加えた。脱気したアセトニトリル(8ml)及び水(2ml)を加え、混合物をマイクロ波照射下で150℃へと30分間加熱した。
【0172】
反応混合物を濃縮乾燥した。残渣を水(10ml)で処理し、水相を1MのHCl(水溶液)の添加によってpH4へと酸性化した。DCM(20ml)を加え、層を分離した。水相をDCM/MeOH(8:1)(2×10ml)でさらに抽出し、次いで、合わせた有機抽出物を乾燥させ、濃縮し、茶色の油を得た。粗材料を、シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲル上の自動化フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、4-[2-[(E)-2-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)ビニル]-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オンを白色の固体(302mg、73%収率)として得た。
【0173】
得られた生成物を、メタノール/酢酸エチルの3:2混合物(25ml)に溶解した。溶液を活性炭(100mg)で処理し、次いで、室温にて1時間撹拌した。混合物をcelite(登録商標)を通して濾過し、次いで、さらなる3:2のMeOH/EtOAc(10ml)で洗浄した。濾液をSiliCycle SiliaMetS(登録商標)チオール(SH)金属捕捉剤樹脂(300mg)で処理し、次いで、室温にて16時間撹拌した。混合物を濾過し、樹脂を除去し、次いで、濾液を真空中で濃縮し、オフホワイト色の固体(286mg)を得た。
【化51】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.84(br s,1H),9.41(s,1H),8.14(d,J=8.4Hz,1H),8.00(d,J=1.5Hz,1H),7.62(dd,J=5.1,8.7Hz,1H),7.54(dd,J=1.5,8.4Hz,1H),7.29(t,J=8.7Hz,1H),7.09(d,J=16.5Hz,1H),6.74(d,J=16.5Hz,1H),3.54(s,3H),2.18(s,3H)
【0174】
4.2 4-[2-[2-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)エチル]-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.350)
4-[2-[(E)-2-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)ビニル]-3-クロロ-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(835mg、1.95mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、窒素雰囲気下にて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.70ml、16.0mmol)を加えた。撹拌した反応混合物を70℃へと加熱し、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルヒドラジド(5.17g、15.6mmol)を4時間に亘り少しずつ加え、次いで、混合物を16時間加熱還流させた。さらなるN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.70ml、9.80mmol)を反応混合物に加え、それに続いて2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルヒドラジド(3.24g、9.77mmol)を加え、混合物をさらに6時間加熱還流させた。
【0175】
反応混合物を室温に冷却し、次いで、シリカ上へと直接濃縮した。粗材料を、シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲル上の自動化フラッシュクロマトグラフィーによって部分的に精製した。得られた材料を質量に基づいた逆相HPLCによってさらに精製し、4-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-[4-(メチルスルファニルメチル)フェニル]エチル]フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.350)を淡黄色の固体(227mg、27%収率)として得た。
【化52】
1HNMR(500MHz,DMSO-d6)δ ppm 10.84(br.s,1H),9.35(s,1H),8.03(d,J=8.3Hz,1H),7.71(d,J=1.0Hz,1H),7.55(dd,J=5.2,8.8Hz,1H),7.23(t,J=8.8Hz,1H),7.16(dd,J=1.0,8.3Hz,1H),3.62(s,3H),2.93-2.70(m,4H),2.26(s,3H)
【0176】
実施例5
[3-クロロ-2-[2-(2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)エチル]-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.361)の調製
【化53】
5.1 [5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート
次いで、オーブンで乾燥させた丸底フラスコに、Ir(COD)Cl
2(299mg、0.45mmol)及び4-ジフェニルホスファニルブチル(ジフェニル)ホスファン(0380mg、0.89mmol)を充填した。フラスコを排気し、窒素(×3)で再充填し、次いで、THF(75mL)を加え、反応物を室温にて30分間撹拌した。[5-(3-クロロ-6-フルオロ-2-ビニル-フェニル)-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート[実施例4に記載したように調製](6.7g、17.8mmol)のTHF溶液を滴下で添加し、混合物を10分間撹拌し、それに続いて、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.02mL、20.8mmol)を滴下で添加した。反応物を60℃にて一晩撹拌した。
【0177】
24時間後、反応物を室温に冷却し、次いで、真空中で濃縮した。粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し、[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(4.50g、51%収率)を黄色の固体として得た。
【化54】
1H NMR(500MHz,クロロホルム)δ=7.35(dd,J=5.2,8.9Hz,1H),6.90(t,J=8.6Hz,1H),3.81(s,3H),2.59(t,J=8.5Hz,2H),2.53(spt,J=7.0Hz,1H),2.24(s,3H),1.32-1.16(m,12H),1.08-1.00(m,2H),0.98(d,J=7.0Hz,3H),0.94(d,J=7.0Hz,3H).
【0178】
5.2 [3-クロロ-2-[2-(2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)エチル]-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.361)
5-ブロモ-2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール(70mg、0.30mmol)を、2~5mlのマイクロ波バイアル中に充填した。[5-[3-クロロ-6-フルオロ-2-[2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル]フェニル]-1,3-ジメチル-6-オキソ-ピリダジン-4-イル]2-メチルプロパノエート(100mg、0.20mmol)を、1,4-ジオキサン(2ml)中の溶液として加え、それに続いて、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(RuPhos Pd-G2)(26mg、0.03mmol)を1,4-ジオキサン(2ml)中の溶液として加えた。炭酸カリウムの2M水溶液(0.30ml、0.61mmol)を加え、混合物をマイクロ波照射下で140℃へと80分間加熱した。
【0179】
反応混合物を室温に冷却し、次いで、事前に湿らせた0.5gシリカ-TMTカートリッジを通して濾過し、アセトニトリル(2×2ml)で洗浄した。濾液を濃縮乾燥し、次いで、質量に基づいた逆相HPLCによって精製し、[3-クロロ-2-[2-(2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)エチル]-6-フルオロ-フェニル]-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-ピリダジン-3-オン(1.361)を白色の固体(15mg、17%収率)として得た。
【化55】
1H NMR(500MHz,クロロホルム)δ ppm 7.43(dd,J=5.2,8.7Hz,1H),6.99(t,J=8.7Hz,1H),6.56(d,J=7.7Hz,1H),6.40-6.36(m,2H),3.74(s,3H),2.85-2.78(m,1H),2.77-2.61(m,3H),2.30(s,3H),1.65(s,3H),1.64(s,3H)
【0180】
化合物1.019、1.021、1.027、1.028、1.036、2.034、3.030、3.034、4.034、1.339、1.340、1.341、1.342、1.344、1.345、1.346、1.347、1.348、1.349、1.351、1.352、1.353、1.354、1.355、1.356、1.044、1.053、1.357、1.358、1.359、1.360、2.362、2.363、及び4.342を、上記で記載したような一般的方法を使用して調製した。下記の表5は、これらの化合物の構造及びNMR特性決定データを示す。
【0181】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【0182】
生物学的実施例
B1 出芽後の有効性-試験1
種々の試験種の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種する:-イヌホオズキ(Solanum nigrum)(SOLNI)、アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)。温室における制御された条件(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)下での栽培から8日後(出芽後)、0.5%のTween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、CAS RN 9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的な活性成分の製剤に由来する散布水溶液を植物に散布する。化合物を、250g/haで施用する。次に、試験植物を、温室における制御された条件(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)下で温室において成長させ、1日2回水をやる。13日後、植物に生じたダメージのパーセンテージについて試験を評価する。生物学的活性が、5段階評価で評価される(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)。表中の空試験値は、化合物を該当する種について試験しなかったことを示す。
【0183】
【0184】
B2 出芽後の有効性-試験2
種々の試験種の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種する:-アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、ウスゲケイヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、トウモロコシ(Zea mays)(ZEAMX)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)。制御条件下にて温室において(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)8日の栽培の後(出芽後)、0.5%Tween20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、CAS RN9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の工業用有効成分の配合物に由来する噴霧水溶液を植物に噴霧する。化合物を250g/haで施用する。次いで、温室において制御条件下にて温室において(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)試験植物を成長させ、1日2回水をやる。13日後、植物へともたらされた損傷百分率について試験を評価する。生物活性を5ポイントスケールでアセスメントする(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)。表におけるブランク値は、その種に対して化合物を試験しなかったことを示す。
【0185】
【0186】
B3 出芽前の有効性-試験1
種々の試験種の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種した:イヌホオズキ(Solanum nigrum)(SOLNI)、アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、ウスゲケイヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)。制御条件下にて温室において(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)1日間の栽培の後(出芽前)、0.5%Tween20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、CAS RN9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の工業用有効成分の配合物に由来する噴霧水溶液を植物に噴霧した。化合物を250g/haで施用する。次いで、温室において制御条件下にて(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)試験植物を成長させ、1日2回水をやった。13日後、植物へともたらされた損傷百分率について試験を評価する。生物活性を5ポイントスケールでアセスメントする(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)。表におけるブランク値は、その種に対して化合物を試験しなかったことを示す。
【0187】
【0188】
B4 出芽前の有効性-試験2
種々の試験種の種子を、ポット中の標準的な土壌に播種した:アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、ウスゲケイヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE)、トウモロコシ(Zea mays)(ZEAMX)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)。制御条件下にて温室において(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)1日間の栽培の後(出芽前)、0.5%Tween20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、CAS RN9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の工業用有効成分の配合物に由来する噴霧水溶液を植物に噴霧した。化合物を250g/haで施用する。次いで、温室において制御条件下にて(24/16℃、昼間/夜間;14時間の照明;65%の湿度)試験植物を成長させ、1日2回水をやった。13日後、植物へともたらされた損傷百分率について試験を評価する。生物活性を5ポイントスケールでアセスメントする(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)。表におけるブランク値は、その種に対して化合物を試験しなかったことを示す。
【0189】
【国際調査報告】