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特表2022-540945摩耗検知特徴を含む摺動支持アセンブリを有する乾燥機機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】摩耗検知特徴を含む摺動支持アセンブリを有する乾燥機機器
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/06 20060101AFI20220912BHJP
【FI】
D06F58/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503440
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2020103052
(87)【国際公開番号】W WO2021008625
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】16/515,285
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517417854
【氏名又は名称】青島海爾▲滾▼筒洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER DRUM WASHING MACHINE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District,Qingdao,Shandong 266101,China
(71)【出願人】
【識別番号】522021734
【氏名又は名称】ハイアール ユーエス アプライアンス ソリューションズ, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520405433
【氏名又は名称】海▲爾▼智家股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,アレクシス クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ハスラー,ブラッド
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AB24
3B166AB29
3B166AE02
3B166BA12
3B166BA72
3B166CA01
3B166CB11
3B166EA03
3B166EA11
3B166EA12
3B166EA15
3B166EB03
3B166EB12
3B166EB17
3B166GA02
3B166GA49
3B166HA34
3B166JM02
3B166JM04
(57)【要約】
摩耗検知特徴を含む摺動支持アセンブリ(120)を含む乾燥機機器(10)が提供される。摺動支持アセンブリ(120)が、頂部支持部材(102)に取り付けられ、回転するドラム(26)を支持するために用いられる。摺動支持アセンブリ(120)は、接触回路(122)を含み、当該接触回路は、乾燥機機器(10)の頂部支持部材(102)の上に位置する2本の電気リード線(130)を含む。摺動支持部材(124)が、接触回路(122)の上方に位置し、回転中にドラム(26)を支持して2本の電気リード線(130)の間の開回路を保持するために用いられる。制御部(84)が、2本の電気リード線(130)の間の抵抗値を監視することによって、抵抗値が低下したとき、摺動支持部材(124)が故障したことを確定し、それに応じてユーザに通知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体と、
回転可能に前記筺体内に取り付けられ、乾燥待ち衣類を収容するためのチャンバーを画成するドラムと、
前記ドラムの前部に隣接して位置する頂部支持部材と、
前記ドラムと前記頂部支持部材との間に位置する摺動支持アセンブリと、を含み、
前記摺動支持アセンブリは、
2本の電気リード線を含む接触回路と、
前記接触回路の上方に位置して、回転中に前記ドラムを支持するための摺動支持部材と、を含む、乾燥機機器。
【請求項2】
前記2本の電気リード線が、平坦金属板で終端される、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項3】
前記摺動支持部材が前記2本の電気リード線と前記ドラムの間に位置するとき、2本の電気リード線が開回路を形成し、且つ、前記摺動支持部材が故障し或いは摩耗したとき、前記ドラムが2本の電気リード線と接触して閉回路を形成する、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項4】
前記接触回路が、前記2本の電気リード線によって制御部に通信接続される、押しボタン又は圧力センサーを、含む、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項5】
前記摺動支持アセンブリが、前記ドラムの前リップに隣接して位置する、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項6】
前記摺動支持アセンブリが、前記頂部支持部材に取り付けられる、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項7】
前記摺動支持部材が、絶縁性プラスチック又はゴム材からなる、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項8】
前記乾燥機機器が、前記頂部支持部材の周りに周方向に沿って間隔を開けた複数の摺動支持アセンブリを含む、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項9】
前記接触回路に通信接続される制御部を更に含み、
前記制御部は、
前記摺動支持部材の故障を検知することと、
前記摺動支持部材が故障したとき、ユーザに通知することと、に用いられるように構成される、請求項1に記載の乾燥機機器。
【請求項10】
前記摺動支持部材の故障を検知することは、
前記2本の電気リード線の間の抵抗値を測定することと、
抵抗値が低下したとき、前記2本の電気リード線が電気的に短絡していることを確定することと、を含む、請求項9に記載の乾燥機機器。
【請求項11】
摺動支持部材の故障をユーザに通知することは、表示灯を点灯すること、又は警告メッセージを乾燥機機器のディスプレイに表示させること、を含む、請求項9に記載の乾燥機機器。
【請求項12】
摺動支持部材の故障をユーザに通知することは、ユーザの移動デバイスに通知を送信することを含む、請求項9に記載の乾燥機機器。
【請求項13】
乾燥機機器に用いられる摺動支持アセンブリであって、
2本の電気リード線を含み、且つ、乾燥機機器の頂部支持部材上に位置する接触回路と、
前記接触回路の上方に位置して回転中にドラムを支持するための摺動支持部材と、
前記接触回路に通信接続される制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記摺動支持部材の故障を検知することと、
前記摺動支持部材が故障したとき、ユーザに通知することと、に用いられるように構成される、
摺動支持アセンブリ。
【請求項14】
前記2本の電気リード線が、平坦金属板で終端される、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【請求項15】
前記摺動支持部材が前記2本の電気リード線と前記ドラムの間に位置するとき、前記2本の電気リード線が開回路を形成し、且つ、前記摺動支持部材が故障し或いは摩耗したとき、ドラムが前記2本の電気リード線と接触して閉回路を形成する、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【請求項16】
前記接触回路が、前記2本の電気リード線によって前記制御部に通信接続される、押しボタン又は圧力センサーを、含む、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【請求項17】
前記摺動支持部材が、絶縁性プラスチック又はゴム材からなる、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【請求項18】
前記乾燥機機器が、前記頂部支持部材の周りに周方向に沿って間隔を開ける複数の摺動支持アセンブリを含む、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【請求項19】
前記摺動支持部材の故障を検知することは、
前記2本の電気リード線の間の抵抗値を測定することと、
抵抗値が低下したとき、前記2本の電気リード線が電気的に短絡していることを確定することと、を含む、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【請求項20】
摺動支持部材の故障をユーザに通知することは、表示灯を点灯すること、又は警告メッセージを乾燥機機器のディスプレイに表示させること、を含む、請求項13に記載の摺動支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、概して乾燥機機器分野に関し、具体的には、乾燥機機器の摺動支持アセンブリに用いられる摩耗検知システム及び特徴に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機機器は、通常、筺体を含み、ドラムが回転可能に筺体に取り付けられる。動作中、モータは、例えばドラムが画成するチャンバー内にある物を回転するようにドラムを回転する。乾燥機機器は、通常、加熱器アセンブリを更に含み、当該加熱器アセンブリが、チャンバー内にある水分を含んだ物を乾燥させるように、加熱された空気にチャンバーを通過させる。典型的には、空気処理部又はブロワーが、加熱した空気の流れを駆動して、加熱した空気の流れにチャンバーからトラップ管路を通過させて排出管路に到達させ、排出管路から加熱された空気を乾燥機機器から排出するために用いられる。
【0003】
伝統的な乾燥機機器は、回転中にドラムの前リップを支持する頂部支持部材を含む。これについて、頂部支持部材は、通常、プラスチック部材であり、1つ以上の摺動支持部材、又は他の耐久的で摩擦係数の低いパッド若しくは部材であり、回転中にドラムを支持する。しかし、繰り返されるサイクルと数時間のドラム回転を経ると、これらの摺動支持部材は、摩耗又は損傷を避けられず、ドラムが反って非耐久的な頂部支持部材に当接して回転する。摺動支持部材が使用寿命の終了後又は故障した後に直ちに交換されなければ、頂部支持部材及び/又はドラムが損傷される可能性があり、非常に高価な部材交換と修理プロセスが発生する。なお、伝統的な乾燥機機器は、摺動支持部材がいつ摩耗或いは故障したかを、検知できない。
【0004】
従って、乾燥機機器に用いられる、改善した摺動支持部材のシステムは有用である。より具体的には、摩耗を表示するデバイス又はシステムを含む摺動アセンブリを有する乾燥機機器が特に有益である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様及び利点は、以下の説明で部分的に説明され、或いは、前記説明から明らかになってもよく、或いは、本発明の実施によって理解されてもよい。
【0006】
本開示の一態様では、筺体と、回転可能に筺体内に取り付けられて乾燥待ち衣類を収容するためのチャンバーを画成するドラムと、ドラムの前部に隣接して位置する頂部支持部材と、を含む、乾燥機機器を提供する。摺動支持アセンブリは、ドラムと頂部支持部材との間に位置し、2本の電気リード線を含む接触回路と、接触回路の上方に位置して回転中にドラムを支持するための摺動支持部材と、を含む。
【0007】
本開示の他の一態様では、乾燥機機器に用いられる摺動支持アセンブリを提供する。摺動支持アセンブリは、2本の電気リード線を含み且つ乾燥機機器の頂部支持部材の上に位置する接触回路と、接触回路の上方に位置して回転中にドラムを支持するための摺動支持部材と、接触回路に通信接続される制御部と、を含む。制御部は、摺動支持部材の故障を検知し、摺動支持部材が故障したときにユーザに通知するために用いられるように構成される。
【0008】
以下の説明及び添付の請求項を参照することで、本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点がより理解しやすくなる。図面は本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成し、本発明の実施例を示し、本明細書とともに本発明の原理を説明するために使用される。
【0009】
本明細書には、当業者にとって本発明の完全且つ実現可能な開示内容が記載されており、その最適な形態を含む。明細書は、図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の例示的な実施例に係る乾燥機機器の斜視図である。
図2図1の例示的な乾燥機機器の一部透視斜視図であり、そのうち、例示的な乾燥機機器のいくつかの部材を表示するために例示的な乾燥機機器の筺体が部分的に取り除かれた。
図3】本主題の例示的な実施例に係る図1の例示的な乾燥機機器の頂部支持部材の背面図である。
図4】本主題の例示的な実施例に係る図3の例示的な頂部支持部材の背面斜視図である。
図5】本主題の例示的な実施例に係る図3の例示的な頂部支持部材の斜視図である。
図6】本主題の例示的な実施例に係る図3の例示的な頂部支持部材の上面図である。
図7】本主題の例示的な実施例に係る図3の例示的な頂部支持部材のクローズアップの背面図である。
図8】本主題の例示的な実施例に係る乾燥機のドラムの背面図であり、乾燥機のドラムが図3の例示的な頂部支持部材上に乗っている。
【0011】
本明細書及び図面における符号の繰り返しの使用は、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を示すためである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、本発明の実施例を詳細に参照し、その1つ以上の例が図面に示されている。各例は、本発明を限定するのではなく、本発明を説明するために提供される。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更を加えることができることは、当業者にとって明らかなものである。例えば、一実施例の一部として示され或いは説明される特徴は、別の実施例とともに使用でき、更に別の実施例をもたらすことができる。したがって、本発明は、添付の請求項及びそれらの同等物の範囲内に収まるこのような修正及び変更を含むことを意図している。
【0013】
図1は、本主題の例示的な実施例に係る乾燥機機器10を示す。図2は、乾燥機機器10の他の斜視図を提供し、そのうち、乾燥機機器10のハウジング又は筺体12が、乾燥機機器10のいくつかの部材を表示するために、部分的に取り除かれている。乾燥機機器が特定の実施例の文脈で説明されているが、本明細書に開示された示唆を使用して、乾燥機機器10は一例としてのみ提供されていることを理解すべきである。異なる外観及び異なる特徴を有する他の乾燥機機器も本主題とともに利用され得る。
【0014】
乾燥機機器10では、垂直方向V、横方向L、前後方向Tを定義する。垂直方向Vと、横方向Lと、前後方向Tとは、互いに直交し、直交系を形成する。筺体12は、前面板14と後面板16と、前面板14と後面板16によって隔てられる一対の側板18と20と、底部板22と、頂部カバー24と、を含む。筺体12内には、容器又はドラム26があり、ドラム26は、チャンバー28を画成し、チャンバー28は、乾燥待ち物(例えば、衣類、亜麻織物など)を、収容するために用いられる。ドラム26は、例えば、前後方向Tに沿って前部と後部の間に延びる。例示的な実施例において、ドラム26は、筺体12内に、例えば前後方向Tと平行する軸線回りに回転できる。ドア30は、回転可能に筺体12に取り付けられ、ドラム26への選択的なアクセスを提供するために使用される。
【0015】
空気処理部32(例えば、ブロワー、ファン)は、気流(図には示していない)を駆動して入口空気通路34と空気排出通路36を通過させるように、提供されてもよい。具体的には、空気処理部32はモータ38を含んでもよく、モータ38は、ブロワーのファン40と機械的に連通されてもよく、これによって、モータ38が、ブロワーのファン40を回転する。空気処理部32は、以下でより詳細に説明されるように、空気を吸引して空気にドラム26のチャンバー28を通過させるように(例えば、チャンバー28にある物を乾燥するために)、構成される。好ましくて例示的な実施例において、乾燥機機器10は、ドラム26から独立して空気処理部32のファン40を回転させるための追加のモータ(図には示していない)を更に含む。
【0016】
ドラム26は、加熱アセンブリ50に加熱された空気を受けるように(例えば、ドラム26のチャンバー28内に設けられる湿った物を乾燥するために)、構成されてもよい。加熱アセンブリ50は、チャンバー28に熱接続される加熱部52を含む。例えば、加熱部52は、チャンバー28に流れる空気を加熱するための抵抗発熱体又は気体バーナを1つ以上含む。上記の通り、乾燥機機器10の動作中に、モータ38は、空気が空気処理部32によって吸引されてドラム26のチャンバー28を通過するように、空気処理部32のファン40を回転する。とりわけ、空気処理部32は周囲の空気を入口54に入れさせるので、その周囲の空気は、入口54を通過して、加熱アセンブリ50に画成される空気入口通路に入る。その周囲の空気は、加熱アセンブリ50内において加熱されて、加熱された空気として加熱アセンブリ50から離れる。このように加熱された空気は、空気処理部32に吸引されて、入口管路56を含む空気入口通路34を通過して、ドラム26に至る。加熱された空気は、ドラム26の後壁に位置した管路56の出口58によって、ドラム26に入る。
【0017】
チャンバー28において、加熱空気は、例えば、チャンバー28内に位置する湿った物から、水分を除去できる。その内部の空気は、順次、チャンバー28から流れて、筺体12に位置する出口アセンブリを通過する。出口アセンブリは、通常、空気排出通路36を画成し、且つ、トラップ管路60と空気処理部32と排出管路62とを含む。排出管路62は、空気処理部32によってトラップ管路60と流れ可能に連通される。より具体的には、排出管路62は、排出入口64と排出出口66の間に延びる。図に示す実施例によれば、排出入口64は、空気処理部32の下流に位置し、空気処理部32と流れ可能に連通され、排出出口66は、筺体12の後面板16内に画成される。乾燥サイクル中に、内部空気は、チャンバー28から流れてトラップ管路60を通過して、例えば、気流の出口流れ部分として空気処理部32に至る。図に示すように、空気は、更に流れて空気処理部32を通過して、排出管路62に至る。
【0018】
内部空気は、排出管路62によって、乾燥機機器10から排出される。一部の実施例において、外部管路(図には示していない)は、排出管路62と流れ可能に連通されるように提供される。例えば、外部管路が後面板16において筺体12に付けられてもよい(例えば、直接的に或いは間接的に付けられる)。任意の適切な接続部(例えば、カラー、治具)は、いずれも外部管路を排出管路62に接合できる。住宅の環境において、外部管路が室外環境(例えば、乾燥機機器10が取り付けられた家庭又は建物の外部)と流れ可能に連通されてもよい。乾燥リサイクル中に、内部空気が、これにより室外環境へ排出される前に排出管路62から流れ、外部管路を通過する。
【0019】
例示的な実施例において、トラップ管路60はフィルタ部分68を含んでもよく、当該フィルタ部分68は、内部空気がチャンバー28から吸引されるに従ってリント(糸くず)その他の粒子を除去するための、メッシュフィルタ又は他の適切なデバイスを含む。内部空気は、排出管路62を通過する前に空気処理部32に吸引され、フィルタ部分68を通過する。衣類物品は、乾燥された(或いは、乾燥サイクルが他の方式で完成された)後に、ドラム26から取り出され、例えば、ドア30が開けられてチャンバー28にアクセスすることによって取り出される。フィルタ部分68は、更に着脱可能であってもよい。これにより、ユーザは乾燥サイクルの間にリントを収集し、収集したリントを処理することができる。
【0020】
1つ以上の選択入力器80(例えば、つまみ、押しボタン、タッチパネルインターフェイスなど)が、筺体後フラップ82上に設けられてもよく、且つ、処理デバイス又は制御部84と通信可能であってもよい。制御部84において生成された信号は、選択入力器80の位置に応じて、モータ38と加熱アセンブリ50と他のシステム部材とを操作する。また、ディスプレイ86(例えば、表示灯、又はスクリーン)が、筺体後フラップ82に設けられてもよい。ディスプレイ86は、制御部84と通信可能であり、制御部84からの信号に応じて情報を表示可能である。
【0021】
本明細書に使用される、「処理デバイス」又は「制御部」は、単一の素子に画成されるものではなく、1つ以上のマイクロプロセッサ又は半導体デバイスを意味することができる。処理デバイスは、乾燥機機器10を操作するために、プログラムされてもよい。処理デバイスは、1つ以上の保存素子(例えば、非一時的な記憶媒体)、を含み、或いは、1つ以上の保存素子と関連する。いくつかのこのような実施例において、保存素子は、電気的に消去可能なプログラム可能読取り専用記憶装置(EEPROM)を含む。通常、保存素子は、処理デバイスがアクセス可能で処理デバイスが実行できる命令を含む情報を保存できる。好ましくは、前記命令はソフト、又は任意の命令セット及び/又はデータセットであってもよい。これらの命令セット及び/又はデータセットは、処理デバイスに実行される時、処理デバイスに動作を実行させる。いくつかの実施例において、命令は機器10を動作させ、サイクル又は動作モードを実行させるように構成されるパッケージを含む。
【0022】
いくつかの実施例において、乾燥機機器10は、1つ以上のセンサーを含み、乾燥機機器の改善された動作を促進するために用いられてもよい。例えば、乾燥機機器10は、乾燥機機器10の内部温度を測定するように通常動作可能な1つ以上の温度センサー、及び/又は空気が機器10を通過して流れる時に空気の速度(例えば、メートル/秒を単位とする空気の流速、又は立方メートル/秒を単位とする体積速度)を測定するように通常動作可能な1つ以上の気流センサーを含む。いくつかの実施例において、制御部84は、温度センサーが検知する1つ以上の温度、或いは、気流センサーからの空気流量測定に基づいて、加熱アセンブリ50の動作を変えるように構成される。
【0023】
ここで、主に図3図4を参照し、乾燥機機器10は、前仕切板100と、前面板14に取り付けられた頂部支持部材102と、を含んでもよい。具体的には、例えば、前仕切板100は、前面板14の背面に直接取り付けられてもよく、且つ、開口104を画成してもよい。当該開口104によって、チャンバー28にアクセスできる。前仕切板100は、通常、チャンバー28の前端部を画成可能である。また、前仕切板100は、トラップ管路60、フィルタ部分68、センサー又はその他の乾燥機部材等、乾燥機機器の複数の部材を収容し或いは支持することが可能である。
【0024】
頂部支持部材102は、前仕切板100に直接取り付けられてもよく、且つ、通常、ドラム26が回転するときにドラムを支持して複数の他の乾燥機部材を収容するように構成されてもよい。これについて、頂部支持部材102は、通常ドラム26と筺体12の前部に位置し、例えば、ドラム26の前リップ106(図2に示す)に隣接する。頂部支持部材102が外表面108を画成し、後述するように、ドラム26が当該外表面108上で回転可能である。図3に最良に示すように、頂部支持部材102は、必要な時にチャンバー28が照明されるようにバルブ112を収容するための、バルブハウジング110を画成可能である。バルブ112に電力を供給するための電子部品(図には示していない)が、頂部支持部材102の後ろに収容されてもよく、例えば、キャビティに収容され、且つ、操作可能に制御部84に接続されてもよく、制御部がバルブ112の作動を調節できる。例示的な実施例によれば、頂部支持部材102は、他のセンサー(例えば、温度及び/又は湿度センサーその他の乾燥機部材)を収容可能である。
【0025】
ここで、主に図3乃至図8を参照し、本主題の例示的な実施例により頂部支持部材102をより詳細に説明する。上記で簡単に説明したように、頂部支持部材102は、前面板14の後ろの固定的な位置に取り付けられてもよく、ドラム26が回転する時にドラムを支持するために用いられる。具体的には、頂部支持部材102は、ドラム26の上半部の周りに、周方向Cに沿って延びてもよい。頂部支持部材102は、代表的には、径方向Rに沿ってドラム26の前リップ106の内部に位置し、ドラム26及びその収容物の重量は、頂部支持部材102の頂部外表面108によって垂直方向に支持される。
【0026】
より具体的には、頂部支持部材102は、1つ以上の摺動支持アセンブリ120によって、ドラム26を支持してもよく、前記摺動支持アセンブリ120は、頂部支持部材102に取り付けられ、且つ、頂部支持部材102とドラム26との間に位置する。具体的に図5から図7に最良に示されているように、乾燥機機器100は、頂部支持部材102の頂部外表面108上に周方向Cに沿って間隔を開ける4つの摺動支持アセンブリ120を含んでもよい。これによって、摺動支持アセンブリ120は、ドラム26の支持前リップ106に直接係合することができる。4つの摺動支持アセンブリ120が示されているが、代替的な実施例によれば、乾燥機機器10はドラム26の重量と回転を支持するために必要に応じて任意の適切な数量、サイズ、位置及び構造の摺動支持アセンブリ120を含んでもよいことを理解すべきである。
【0027】
ここで、具体的に図8を参照し、本主題の例示的な実施例により、例示的な摺動支持アセンブリ120の構造を説明する。図に示すように、摺動支持アセンブリは、接触回路122と摺動支持部材124とを含む。摺動支持部材124は、頂部支持部材102の外表面に直接取り付けられ、且つ、回転中にドラム26を直接接触して支持するようにデザインされている。これについて、摺動支持部材124は、任意の適切な耐久材料で制作可能であり、これによって、摺動支持部材124の適切な使用寿命中に、ドラム26と頂部支持部材102との間の摩擦と相互作用とを受ける。例えば、摺動支持部材124は、適切な剛性且つ耐久性のあるプラスチック、ゴム、又は他の適切なポリマー材料からなってもよい。また、以下で詳細に説明される理由により、好ましくは、摺動支持部材124は、電気絶縁性又は非導電性の材料からなる。
【0028】
なお、摺動支持部材124は、代表的には、乾燥機機器10の寿命中に、摩耗し或いは劣化する。これについて、一定期間後に、摺動支持部材124を構成するゴムその他の材料が磨耗され、これによって、ドラム26が摺動支持部材124の上に摺動しなくなり、頂部支持部材102上に直接乗ってしまう。頂部支持部材102は、代表的には、摺動支持部材124が故障し或いは不具合がある場合にドラム26を直接支持するのに適した材料では構成されていない。本明細書で使用されるように、摺動支持部材124が既に寿命終了、摩耗、故障などしたことを意味する用語は、通常、摺動支持部材124が既にドラム26を支持する(例えば、頂部支持部材102とドラム26との間の分離を保持することによって)というその所期の目的を果たせなくなる時間を意味する。
【0029】
以下で詳細に説明するように、接触回路122は、任意の構造、デバイス、回路、又は、ドラム26と頂部支持部材102との間の直接接触を検知することに適した手段であってもよい。したがって、接触回路122は、通常、摺動支持部材124が故障したときにユーザ又はメンテナンス技術者へ指示又は通知を提供するように構成されてもよい。これによって、頂部支持部材102又は乾燥機機器10の他の部材が損傷される前に、容易且つ迅速に、摺動支持部材124を交換できる。なお、摺動支持部材124を事前に交換することは、頂部支持部材102又は乾燥機機器10の他の部材が損傷された後でメンテナンスを行うことに比べて、大幅に安価且つ容易である。
【0030】
図8に示すように、例示的な実施例によれば、接触回路122は、2本以上の電気リード線130を含む。具体的には、電気リード線130は、頂部支持部材102の外表面108上に或いはその上方に露出される任意の導電性の接触点又は端子であってもよい。以下のように、例えば、図に示す実施例によれば、2本の電気リード線130の各電気リード線は、平坦金属板132で終端され、後述するような閉回路を形成するための付加表面領域が提供される。電気リード線130は、平坦金属板132に接続された電線134を更に含み、前記電線134は、制御部84、又は、接触回路122に用いられる他の適切な専用制御部に電気的に接続される。
【0031】
図に示すように、摺動支持部材124は、接触回路122の上方に位置し、或いは、より具体的に、平坦金属板132その他の適切な電気端子の上方に位置する。このようにして、代表的には、金属その他の導電性材料からなるドラム26が、開回路電気リード線130間の回路に接触したり、その回路を閉じたりしないように、摺動支持部材124は、ドラム26の回転を支持する。制御部84は、乾燥機機器10の全寿命中に、開回路電気リード線130間の抵抗値又は導電性を監視可能である。摺動支持部材124が最終的に故障し或いは摩耗したとき、ドラム26は、電気リード線130と直接接触し、例えば、隣接する平坦金属板132間に電気的なブリッジ接続を提供する。とりわけ、抵抗値がある抵抗閾値以下に減少し或いは低下した場合に、制御部84は、接触回路122が既に短絡され或いは閉じられたことを検知可能である。制御部84は、接触回路122が既に閉じられたことを検知可能であり、且つ、応答アクションを生成可能である。
【0032】
接触回路122は、上記において、平坦金属板132に電気的に接続される2本の電気リード線130を含むと説明したが、本主題の範囲内において、摺動支持アセンブリ120に変化と修正を加えてもよいことを理解すべきである。例えば、代替的な実施例によれば、複数の摺動支持アセンブリ120には、1つのみ(又は、全部より少ない)の接触回路122を含む。また、摺動支持アセンブリ120は、代わりに、2本の電気リード線130によって制御部84に通信的に接続される圧力センサー又は押しボタンを含んでもよい。この点において、摺動支持部材124が摩耗したとき、ドラムは、圧力センサーに閾値分の圧力を提供し、これによって、制御部84がトリガされてユーザに故障通知を提供する。
【0033】
例えば、例示的な実施例によれば、制御部84が実行する応答アクションは、ユーザに摺動支持部材が既に故障したという通知を提供することであってもよい。この点について、制御部84は、メンテナンスが必要であることをユーザに通知するよう、ディスプレイ86における特定のメッセージをトリガしてもよく、或いは、表示灯を点灯させてもよい。他の実施例によれば、以下のように、制御部84は、リモートサーバ、外部ネットワーク、及び/又は、リモートデバイス(例えば、移動電話)と通信し、このような指示を提供してもよい。
【0034】
再び図1を参照し、外部通信システム190の模式図は、本主題の例示的な実施例に従って、説明される。通常、外部通信システム190は、ユーザと、機器と、リモートサーバ又はネットとの間が通信可能にすることに用いられるように構成される。具体的に、示した実施例によれば、例えば、通知の受信、確認の提供、操作データの入力などのために、乾燥機機器10は、直接的に(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)などによって)、或いは、間接的に(例えば、ネットワーク194によって)、リモートデバイス192及びリモートサーバ(図には示していない)と通信してもよい。
【0035】
通常、リモートデバイス192は、ユーザからの通信又は命令を提供し或いは受信するために用いられる任意の適切なデバイスであってもよい。これについて、リモートデバイス192は、例えば、個人電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、又は他の移動デバイスを含んでもよい。また、代替的に、機器とユーザとの間の通信は、機器制御パネル(例えば、制御パネル82)によって、直接実現されてもよい。
【0036】
通常、ネットワーク194は、任意のタイプの通信ネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク194は、ワイヤレスネットワークと、ワイヤードネットワークと、パーソナルエリアネットワークと、ローカルエリアネットワークと、ワイドエリアネットワークと、インターネットと、セルラネットワークとのうちの1つ以上を含んでもよい。通常、ネットワークとの通信は、複数の通信プロトコル(例えば、TCP/IP、HTTP、SMTP、FTP)、エンコーディング若しくはフォーマット(例えば、HTML、XML)、及び/又は、保護方式(例えば、VPN、セキュアHTTP、SSL)を利用可能である。
【0037】
本願において、本主題の例示的な実施例に従って、外部通信システム190を説明した。しかし、本願に係る外部通信システム190の例示的な機能及び構成は、本願の各態様を説明しやすくするための例示的なものにすぎないことを理解すべきである。システムの構成は、変化可能であり、例えば、他の通信デバイスを用いて直接的に或いは間接的に1つ以上の機器と通信してもよく、他の通信プロトコル及びステップが実行されてもよい。これらの変化と修正は本主題の範囲内にあると考えられる。
【0038】
ここで記載された明細書は、数例を使用して最適な形態を含み、本発明を開示し、且つ、これによって任意の当業者が本発明を実施することができ、その実施は、任意のデバイス又はシステムを製造及び使用することと、任意の組み合わせた方法を実行することを含む。本発明の特許性の範囲は、請求項の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。このような他の例が、請求項の文字通りの文言と異ならない構造要素を含む、或いは、請求項の文字通りの文言と実質的な違いを有しない等価な構造要素を含む場合、これらの他の例は請求項の範囲内にあるものと意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】