IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーラ・インテリジェント・システムズ・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図1
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図2
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図3
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図4
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図5
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図6
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図7
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図8
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図9
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図10
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図11
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図12
  • 特表-デジタルレーダの省電力 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】デジタルレーダの省電力
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/931 20200101AFI20220912BHJP
   G01S 7/40 20060101ALI20220912BHJP
【FI】
G01S13/931
G01S7/40 113
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503574
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020070296
(87)【国際公開番号】W WO2021011967
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/875,821
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】520489868
【氏名又は名称】オーラ・インテリジェント・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AURA INTELLIGENT SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョンア
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB17
5J070AC02
5J070AD09
5J070AE01
5J070AF03
5J070AH12
5J070AK06
(57)【要約】
装置(400)は、送信アンテナ(205)のセットおよび受信アンテナ(305)のセットを含むレーダ回路(402)と、MACコントローラ(422)および構成回路(430)を含む、レーダ回路(402)に動作可能に接続されたコントローラ(420)と、を含み、コントローラ(420)は、最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力の報告に応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別し、測定構成に基づいて、レーダ回路の電力制御構成を識別し、電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別するように構成され、レーダ回路(402)は、測定報告および電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高度無線システムの装置であって、
送信アンテナのセットおよび受信アンテナのセットを含むレーダ回路と、
媒体アクセス制御(MAC)コントローラおよび構成回路を含む、前記レーダ回路に動作可能に接続されたコントローラを、を備え、前記コントローラは、
最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力の報告に応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別し、
前記測定構成に基づいて、前記レーダ回路の電力制御構成を識別し、
前記電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別するように構成され、
前記レーダ回路は、前記測定報告および前記電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信するように構成される、装置。
【請求項2】
前記電力制御モードは、ワンタイム制御モード、周期制御モード、または所定の期間制御モードのうちの少なくとも1つとして決定される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーダ回路は、
前記通常モードにおいて、対応する送信電力に基づいて一定の電力で前記第1の信号を送信し、
前記低電力モードにおいて、最大電力範囲、経路損失の推定、雑音および干渉の測定、またはターゲットとする信号対雑音比のうちの少なくとも1つに基づいて、前記送信電力のピーク電力未満の電力で前記第1の信号を送信し、または、
シンボル、スロット、サブキャリア、またはビームのうちの少なくとも1つを備える事前構成に基づいて前記第1の信号がブランキングされる、ブランク送信モードまたは部分ブランク送信モードを備える前記アイドルモードで前記第1の信号を送信するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラに含まれる前記MACコントローラは、干渉管理、ならびにスケジューリングおよび測定構成に基づいて、波形パラメータのセット、ブランクフォーマットのセット、および電力管理を識別するように構成され、
前記レーダ回路は、
レーダ波形に基づいて、オブジェクトに送信される前記第1の信号の同相成分および直交成分を生成し、
前記同相成分および直交成分を含む、前記オブジェクトから反射される第2の信号を受信するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、最大経路損失、レーダ最大送信電力、ターゲット信号対干渉雑音比(SINR)、または雑音レベルのうちの少なくとも1つに基づいて前記送信電力を識別するようにさらに構成され、前記送信電力は、広帯域電力制御モードまたはサブバンド電力制御モードを備える前記電力制御モードに基づいて静的に、半静的に、または動的に構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記レーダ回路は、
広帯域電力制御モードで全帯域幅にわたって前記送信電力で前記第1の信号を送信する、または、
サブバンド電力制御モードで全帯域幅の各サブバンドにわたって前記送信電力で前記第1の信号を送信するようにさらに構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記レーダ回路は、後続の送信のために第1のサイズの予め構成されたステップだけ前記送信電力を低減するために第1の電力ランピングを実行するようにさらに構成され、前記送信電力は最初に、前記レーダ回路において最大送信電力に設定される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記レーダ回路は、前記低減済み送信電力が前記レーダ回路において最小送信電力に達すると、前記低減済み送信電力を第2のサイズの予め構成されたステップだけさらに低減するために第2の電力ランピングを実行するようにさらに構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラは、測定に使用されるフレームのセット、サブフレームのセット、スロットのセット、サブチャネルのセット、およびビームのセットを含むリソースのブランキングセットを使用して前記測定ギャップを生成するようにさらに構成され、
前記測定ギャップは、
周期的測定構成または非周期的測定構成、
事象ベースの測定、
1つまたは複数の測定基準点、
前記1つ以上の測定基準点から計算された雑音分散、
広帯域測定、または、
サブバンド測定のうちの少なくとも1つに基づいて構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラは、
チャネルを介して少なくとも1つのポータブル電子デバイスから受信した少なくとも1つの信号を識別し、前記チャネルは前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスに関連付けられており、
前記識別された少なくとも1つの信号に基づいて前記第1の信号を送信するかどうかを決定し、
前記第1の信号および前記送信電力の前記決定に基づいて前記電力オフセットを識別するようにさらに構成され、
前記レーダ回路は、
前記第1の信号を送信するようにさらに構成され、ここで前記送信電力は、前記電力オフセットおよび前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスの少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される、または、
前記チャネルを介して前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスに前記第1の信号を送信するようにさらに構成され、前記送信電力は、前記電力オフセットおよび前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスの前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
高度無線システムの方法であって、
最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力の報告に応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別するステップと、
前記測定構成に基づいて、レーダ回路の電力制御構成を識別するステップと、
前記電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別するステップと、
前記測定報告および前記電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信するステップと、を備える方法。
【請求項12】
前記電力制御モードは、ワンタイム制御モード、周期制御モード、または所定の期間制御モードのうちの少なくとも1つとして決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記通常モードにおいて、対応する送信電力に基づいて一定の電力で前記第1の信号を送信するステップと、
前記低電力モードにおいて、最大電力範囲、経路損失の推定、雑音および干渉の測定、またはターゲットとする信号対雑音比のうちの少なくとも1つに基づいて、前記送信電力のピーク電力未満の電力で前記第1の信号を送信するステップ、または、
シンボル、スロット、サブキャリア、またはビームのうちの少なくとも1つを備える事前構成に基づいて前記第1の信号がブランキングされる、ブランク送信モードまたは部分ブランク送信モードを備える前記アイドルモードで前記第1の信号を送信するステップ、をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
干渉管理、ならびにスケジューリングおよび測定構成に基づいて、波形パラメータのセット、ブランクフォーマットのセット、および電力管理を識別するステップと、
レーダ波形に基づいて、オブジェクトに送信される前記第1の信号の同相成分および直交成分を生成するステップと、
前記同相成分および直交成分を含む、前記オブジェクトから反射される第2の信号を受信するステップと、をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
最大経路損失、レーダ最大送信電力、ターゲット信号対干渉比(SINR)、または雑音レベルのうちの少なくとも1つに基づいて前記送信電力を識別するステップをさらに備え、前記送信電力は、広帯域電力制御モードまたはサブバンド電力制御モードを備える前記電力制御モードに基づいて静的に、半静的に、または動的に構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
広帯域電力制御モードで全帯域幅にわたって前記送信電力で前記第1の信号を送信するステップ、または、
サブバンド電力制御モードで全帯域幅の各サブバンドにわたって前記送信電力で前記第1の信号を送信するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
後続の送信のために第1のサイズの予め構成されたステップだけ前記送信電力を低減するために第1の電力ランピングを実行するステップをさらに備え、前記送信電力は最初に、前記レーダ回路において最大送信電力に設定される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記低減済み送信電力が前記レーダ回路において最小送信電力に達すると、前記低減済み送信電力を第2のサイズの予め構成されたステップだけさらに低減するために第2の電力ランピングを実行するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
測定に使用されるフレームのセット、サブフレームのセット、スロットのセット、サブチャネルのセット、およびビームのセットを含むリソースのブランキングセットを使用して前記測定ギャップを生成するステップをさらに備え、
ここで前記測定ギャップは、
周期的測定構成または非周期的測定構成、
事象ベースの測定、
1つまたは複数の測定基準点、
前記1つ以上の測定基準点から計算された雑音分散、
広帯域測定、または、
サブバンド測定のうちの少なくとも1つに基づいて構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
チャネルを介して少なくとも1つのポータブル電子デバイスから受信した少なくとも1つの信号を識別するステップであって、前記チャネルは前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスに関連付けられている、ステップと、
前記識別された少なくとも1つの信号に基づいて前記第1の信号を送信するかどうかを決定するステップと、
前記第1の信号および前記送信電力の前記決定に基づいて前記電力オフセットを識別するステップと、
前記第1の信号を送信するステップであって、ここで前記送信電力は、前記電力オフセットおよび前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスの少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される、ステップ、または、
前記チャネルを介して前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスに前記第1の信号を送信するステップであって、前記送信電力は、前記電力オフセットおよび前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスの前記少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される、ステップ、をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、省電力スキームに関する。より具体的には、本開示は、レーダシステムの省電力動作に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルおよび/またはアナログ波形ならびに信号処理に基づくレーダが、商業的な高解像度レーダ用途において台頭している。この傾向は、自動車の安全性および自動運転、インフラストラクチャおよび産業用途において生じる高性能要件および干渉の課題によって加速される。ミッションクリティカルな用途では、多くの車両レーダおよび有害な妨害信号の存在下で堅牢な性能が必要である。高解像度撮像レーダは、信号をデジタル領域に変換するために広帯域幅アナログ-デジタル変換(ADC)を必要とする。加えて、撮像レーダには多数のチャネルが必要であり、これはデバイスのコストおよび電力消費をさらに増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、レーダの省電力動作を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、高度無線システム(advanced wireless system)の装置が提供される。この装置は、送信アンテナのセットおよび受信アンテナのセットを含むレーダ回路を備える。高度無線システムの装置は、レーダ回路に動作可能に接続された、媒体アクセス制御(MAC)コントローラおよび構成回路を含むコントローラをさらに含み、コントローラは、最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力の報告に応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別し、測定構成に基づいて、レーダ回路の電力制御構成を識別し、電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別するように構成される。高度無線システムの装置のレーダ回路は、測定報告および電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信するように構成される。
【0005】
別の実施形態では、高度無線システムの方法が提供される。方法は、最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力の報告に応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別するステップと、測定構成に基づいて、レーダ回路の電力制御構成を識別するステップと、電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別するステップと、測定報告および電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信するステップと、を備える。
【0006】
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲から当業者には容易に明らかになり得る。
【0007】
以下の詳細な説明を行う前に、本特許文書全体で使用される特定の単語および語句の定義を説明することが有利であり得る。「結合する」という用語およびその派生語は、2つ以上の要素が互いに物理的に接触しているか否かにかかわらず、それらの要素間の任意の直接的または間接的な通信を指す。「送信する」、「受信する」、および「通信する」という用語、ならびにそれらの派生語は、直接的および間接的な通信の両方を包含する。「含む」および「備える」という用語、ならびにそれらの派生語は、限定されない包含を意味する。「または」という用語は、包括的であり、および/またはを意味する。「~と関連付けられる」という語句ならびにその派生語は、含む、~内に含まれる、~と相互接続する、~を含有する、~内に含有される、~と接続する、~にもしくは~と結合する、~と通信可能である、~と協働する、インターリーブする、並置する、~に近接する、~にもしくは~と結合される、~の特性を有する、~の特性を有する、または~との関係を有するなどの意味である。「コントローラ」という用語は、少なくとも1つの動作を制御する任意のデバイス、システム、またはその一部を意味する。そのようなコントローラは、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアおよび/またはファームウェアとの組合せで実装されてもよい。任意の特定のコントローラに関連付けられる機能は、ローカルまたはリモートにかかわらず、集中型または分散型であってもよい。「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、列挙された項目のうちの1つまたは複数の異なる組合せが使用されてもよく、リスト内の1つの項目のみが必要であってもよいことを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにAおよびBおよびCという組合せのいずれかを含む。
【0008】
さらに、以下に説明する様々な機能は、各々がコンピュータ可読プログラムコードから形成され、コンピュータ可読媒体で具現化される1つまたは複数のコンピュータプログラムによって実施またはサポートすることができる。「アプリケーション」および「プログラム」という用語は、適切なコンピュータ可読プログラムコードでの実装に適合された、1つまたは複数のコンピュータプログラム、ソフトウェアコンポーネント、命令セット、手順、機能、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、またはそれらの一部を指す。「コンピュータ可読プログラムコード」という語句は、ソースコード、オブジェクトコード、および実行可能コードを含む任意の種類のコンピュータコードを含む。「コンピュータ可読媒体」という語句は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、または任意の他の種類のメモリなど、コンピュータによってアクセス可能な任意の種類の媒体を含む。「非一時的な」コンピュータ可読媒体は、一時的な電気信号または他の信号を伝送する有線、無線、光、または他の通信リンクを除外する。非一時的なコンピュータ可読媒体は、書き換え可能な光ディスクまたは消去可能なメモリデバイスなど、データを永続的に記憶することができる媒体、およびデータを記憶し、後で上書きすることができる媒体を含む。
【0009】
他の特定の単語および語句の定義は、この特許文書の全体にわたって提供される。当業者は、ほとんどの場合ではないにしても多くの場合において、そのような定義が、そのような定義された単語および句の以前および将来の使用に適用されることを理解すべきである。
【0010】
図面の簡単な説明
本開示のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による例示的な無線ネットワークを示す。
図2】本開示の実施形態による例示的なgNBを示す。
図3】本開示の実施形態による例示的なUEを示す。
図4】本開示の実施形態による例示的なレーダシステムデバイスおよびコントローラアーキテクチャを示す。
図5】本開示の実施形態による例示的なレーダシステム電力制御機構を示す。
図6】本開示による可変送信電力動作のための方法のフローチャートを示す。
図7】本開示の実施形態による電力ランピングを用いた例示的な送信電力を示す。
図8】本開示の実施形態による測定のための例示的な基準点を示す。
図9】本開示の実施形態による広帯域雑音推定のための方法のフローチャートを示す。
図10】本開示の実施形態によるサブバンド雑音および干渉推定のための方法のフローチャートを示す。
図11】本開示の実施形態によるV2Xによって支援される例示的なレーダ電力制御を示す。
図12】本開示の実施形態によるV2Xによって支援されるレーダ電力制御の例示的なシステムアーキテクチャを示す。
図13】本開示の実施形態によるレーダの省電力のための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
以下に説明する図1から図13、およびこの特許文書において本開示の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のみを目的としており、決して本開示の範囲を限定するために解釈されるべきではない。当業者は、本開示の原理が、任意の種類の適切に配置されたデバイスまたはシステムにおいて実装され得ることを理解するであろう。
【0013】
図1図3は、無線通信システムにおいて、直交周波数分割多重(OFDM)または直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信技術を用いて実施されるさまざまな実施形態を記載する。図1図3は、デジタルレーダ、アナログレーダ、もしくはハイブリッドレーダを含むレーダ技術、またはそれらの関連する機能もしくは動作を使用することができる。図1図3の説明は、異なる実施形態が実施され得る方法に対する物理的または構造的な制限を意味するものではない。本開示の異なる実施形態は、任意の適切に配置された通信システムで実施されてもよい。
【0014】
図1は、本開示の実施形態による例示的な無線ネットワークを示す。図1に示す無線ネットワークの実施形態は、例示のみを目的としている。本開示の範囲から逸脱することなく、無線ネットワーク100の他の実施形態を使用することができる。
【0015】
図1に示すように、無線ネットワークは、gノードB(gNB)101、gNB102、およびgNB103を含む。gNB101は、gNB102およびgNB103と通信する。gNB101はまた、インターネット、専用インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、または他のデータネットワークなどの少なくとも1つのネットワーク130と通信する。
【0016】
gNB102は、gNB102のカバレッジエリア120内の第1の複数のユーザ機器(UE)にネットワーク130への無線ブロードバンドアクセスを提供する。第1の複数のUEは、小企業(SB)に位置し得るUE111、企業(E)内に位置し得るUE112、WiFiホットスポット(HS)に位置し得るUE113、第1の住宅(R)に位置し得るUE114、第2の住宅(R)に位置し得るUE115、携帯電話、無線ラップトップ、無線PDAなどのモバイルデバイス(M)に位置し得るUE116を含む。gNB103は、gNB103のカバレッジエリア125内の第2の複数のUEにネットワーク130への無線ブロードバンドアクセスを提供する。第2の複数のUEは、UE115およびUE116を含む。いくつかの実施形態では、gNB101~103のうちの1つまたは複数は、5G、LTE、LTE-A、WiMAX、WiFi、または他の無線通信技術を使用して、互いに、およびUE111~116と通信することができる。
【0017】
ネットワークタイプに応じて、「基地局」または「BS」という用語は、送信ポイント(TP)、送受信ポイント(TRP)、拡張基地局(eNodeBまたはeNB)、5G基地局(gNB)、マクロセル、フェムトセル、WiFiアクセスポイント(AP)、または他の無線対応デバイスなど、ネットワークへの無線アクセスを提供するように構成された任意のコンポーネント(またはコンポーネントの集合)を指すことができる。基地局は、1つまたは複数の無線通信プロトコル、例えば、5G 3GPP new radio interface/acess(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、高速パケットアクセス(HSPA)、Wi-Fi802.11a/b/g/n/acなどに従って無線アクセスを提供することができる。便宜上、「BS」および「TRP」という用語は、本特許文書において、遠隔端末への無線アクセスを提供するネットワークインフラストラクチャコンポーネントを指すために交換可能に使用される。また、ネットワークタイプに応じて、「ユーザ機器」または「UE」という用語は、「移動局」、「加入者局」、「遠隔端末」、「無線端末」、「受信ポイント」、または「ユーザデバイス」などの任意のコンポーネントを指すことができる。便宜上、「ユーザ機器」および「UE」という用語は、本特許文書において、UEがモバイルデバイス(携帯電話またはスマートフォンなど)であるか、通常は固定デバイス(デスクトップコンピュータまたは自動販売機など)と見なされるかにかかわらず、BSに無線でアクセスする遠隔無線機器を指すために使用される。
【0018】
点線はカバレッジエリア120および125のおおよその範囲を示し、これらは例示および説明の目的のためだけにほぼ円形として示されている。カバレッジエリア120および125などのgNBと関連付けられたカバレッジエリアは、gNBの構成ならびに自然および人工の障害物と関連付けられた無線環境の変動に応じて、不規則な形状を含む他の形状を有することができることを明確に理解されたい。
【0019】
以下により詳細に説明するように、UE111~116のうちの1つまたは複数は、高度無線通信システムにおけるデータおよび制御情報の受信信頼性のための回路、プログラミング、またはそれらの組合せを含む。特定の実施形態では、gNB101~103のうちの1つまたは複数は、高度無線システムにおける3D撮像、位置特定、および位置決めのための効率的な合成開口アンテナアレイ設計およびビームフォーミングのための回路、プログラミング、またはそれらの組合せを含む。
【0020】
図1は、無線ネットワークの一例を示しているが、図1に対して様々な変更を加えることができる。例えば、無線ネットワークは、任意の適切な配置で任意の数のgNBおよび任意の数のUEを含むことができる。また、gNB101は、任意の数のUEと直接通信し、それらのUEにネットワーク130への無線ブロードバンドアクセスを提供することができる。同様に、各gNB102~103は、ネットワーク130と直接通信し、UEにネットワーク130への直接的な無線ブロードバンドアクセスを提供することができる。さらに、gNB101、102および/または103は、外部電話ネットワークまたは他の種類のデータネットワークなどの他のまたは追加の外部ネットワークへのアクセスを提供することができる。
【0021】
図1に示すように、gNB101、102、および103は、本開示の実施形態による通信部(例えば、回路、モジュール、インターフェース、機能など)の1つとして、図4および5に示すようなレーダシステムを採用してもよい。また、UE111~116は、本開示の実施形態による通信部(例えば、回路、モジュール、インターフェース、機能など)の1つとして、図4および図5に示すような、デジタルレーダシステム、アナログレーダシステム、またはハイブリッドレーダシステムを含むレーダシステムを採用してもよい。
【0022】
図2は、本開示の実施形態による例示的なgNB102を示す。図2に示すgNB102の実施形態は、例示のみを目的としており、図1のgNB101および103は、同じまたは同様の構成を有することができる。しかしながら、gNBは多種多様な構成であり、図2は、本開示の範囲をgNBの特定の実施態様に限定しない。
【0023】
図2に示すように、gNB102は、複数のアンテナ205a~205n、複数のRFトランシーバ210a~210n、送信(TX)処理回路215、および受信(RX)処理回路220を含む。gNB102はまた、コントローラ/プロセッサ225、メモリ230、およびバックホールまたはネットワークインターフェース235を含む。
【0024】
TX処理回路215は、コントローラ/プロセッサ225からアナログまたはデジタルデータ(音声データ、ウェブデータ、電子メール、またはインタラクティブビデオゲームデータなど)を受信する。TX処理回路215は、発信ベースバンドデータを符号化、多重化、および/またはデジタル化して、処理済みのベースバンド信号またはIF信号を生成する。RFトランシーバ210a~210nは、発信される処理済みのベースバンド信号またはIF信号をTX処理回路215から受信し、ベースバンド信号またはIF信号を、アンテナ205a~205nを介して送信されるRF信号にアップコンバートする。
【0025】
RFトランシーバ210a~210nは、アンテナ205a~205nから、UEまたはネットワーク100内の任意の他のオブジェクトによって反射された信号などの到来RF信号を受信する。RFトランシーバ210a~210nは、入力RF信号をダウンコンバートしてIF信号またはベースバンド信号を生成する。IF信号またはベースバンド信号は、RX処理回路220に送られ、RX処理回路は、ベースバンド信号またはIF信号をフィルタリング、復号、デジタル化、および/または解凍もしくは相関付けすることによって、処理済みのベースバンド信号を生成する。RX処理回路220は、さらなる処理のために、処理済みのベースバンド信号をコントローラ/プロセッサ225に送信する。
【0026】
コントローラ/プロセッサ225は、gNB102の全体的な動作を制御する1つまたは複数のプロセッサまたは他の処理デバイスを含むことができる。例えば、コントローラ/プロセッサ225は、周知の原理に従って、RFトランシーバ210a~210n、RX処理回路220、およびTX処理回路215による順方向チャネル信号の受信および逆方向チャネル信号の送信を制御することができる。コントローラ/プロセッサ225は、より高度な無線通信機能などの追加の機能もサポートすることができる。例えば、コントローラ/プロセッサ225は、複数のアンテナ205a~205nからの発信信号が異なるように重み付けされて発信信号を所望の方向に効果的に操縦するビームフォーミングまたは指向性ルーティング動作をサポートすることができる。多種多様な他の機能のいずれも、コントローラ/プロセッサ225によってgNB102でサポートすることができる。
【0027】
コントローラ/プロセッサ225はまた、OSなどメモリ230に常駐するプログラムおよび他のプロセスを実行することができる。コントローラ/プロセッサ225は、実行プロセスによる要求に応じてメモリ230にデータを出し入れすることができる。
【0028】
コントローラ/プロセッサ225はまた、バックホールまたはネットワークインターフェース235に結合される。バックホールまたはネットワークインターフェース235は、gNB102がバックホール接続またはネットワークを介して他のデバイスまたはシステムと通信することを可能にする。インターフェース235は、任意の適切な有線または無線接続を介した通信をサポートすることができる。例えば、gNB102がセルラー通信システムの一部(例えば、5G、LTE、またはLTE-Aをサポートするもの)として実装される場合、インターフェース235は、gNB102が有線または無線バックホール接続を介して他のgNBと通信することを可能にすることができる。gNB102がアクセスポイントとして実装される場合、インターフェース235は、gNB102が有線もしくは無線ローカルエリアネットワークを介して、または有線もしくは無線接続を介して(インターネットなどの)より大きなネットワークと通信することを可能にすることができる。インターフェース235は、イーサネット(登録商標)またはRFトランシーバなどの有線または無線接続を介した通信をサポートする任意の適切な構造を含む。
【0029】
メモリ230は、コントローラ/プロセッサ225に結合されている。メモリ230の一部はRAMを含むことができ、メモリ230の別の部分はフラッシュメモリまたは他のROMを含むことができる。
【0030】
図2はgNB102の一例を示しているが、図2に対して様々な変更を加えることができる。例えば、gNB102は、図2に示す任意の数の各コンポーネントを含むことができる。特定の例として、地上局(例えば、アクセスポイント)は、いくつかのインターフェース235を含むことができ、コントローラ/プロセッサ225は、異なるネットワークアドレス間でデータをルーティングするためのルーティング機能をサポートすることができる。別の特定の例として、TX処理回路215の単一のインスタンスおよびRX処理回路220の単一のインスタンスを含むものとして示されているが、gNB102は、それぞれの複数のインスタンス(RFトランシーバごとに1つなど)を含むことができる。また、図2の様々なコンポーネントを組み合わせたり、さらに細分化したり、または省略したりすることができ、特定の必要に応じて追加のコンポーネントを追加することができる。
【0031】
図2に示すように、gNB102は、図4および図5に示すようなレーダシステムを含むことができる。プロセッサ340は、レーダ402、502を制御するために図4および図5に示すような420、520を含むことができ、または図4および図5に示すようなコントローラ420、520は、図4に示すようなレーダ402を制御するために、および図5に示すようなレーダ506を制御するために、独立して実装され、図2に示すようなコントローラ225と共存することができる。
【0032】
図3は、本開示の実施形態による例示的なUE116を示す。図3に例示するUE116の実施形態は、例示のみを目的としており、図1のUE111~115は、同じまたは類似の構成を有することができる。しかしながら、UEは多種多様な構成であり、図3は、本開示の範囲をUEの特定の実施態様に限定しない。
【0033】
高度な通信装置は、すべての機能ブロックに基づいてハイブリッドビームフォーミング動作を提供する図2および図3の送信機または受信機アレイを指すことができ、基地局(BS、gNB)の一部として図2に、またはUEとして図3に実装することができる。
【0034】
図3に示すように、UE116は、アンテナ305、無線周波数(RF)トランシーバ310、TX処理回路315、受信(RX)処理回路325を含む。UE116はまた、プロセッサ340、入力/出力(I/O)インターフェース(IF)345、タッチスクリーン350、ディスプレイ355、メモリ360を含む。メモリ360は、オペレーティングシステム(OS)361および1つまたは複数のアプリケーション362を含む。
【0035】
RFトランシーバ310は、アンテナ305から、ネットワーク100のgNBによって送信された到来RF信号を受信する。RFトランシーバ310は、到来RF信号をダウンコンバートして中間周波数(IF)信号またはベースバンド信号を生成する。IF信号またはベースバンド信号は、RX処理回路325に送られ、RX処理回路は、ベースバンド信号またはIF信号をフィルタリング、復号、および/またはデジタル化し、および/または解凍もしくは相関付けすることによって、処理済みのベースバンド信号を生成する。RX処理回路325は、(例えば、ウェブブラウジングデータのための)さらなる処理のために、処理済みのベースバンド信号をプロセッサ340に送信する。
【0036】
TX処理回路315は、プロセッサ340から発信ベースバンドデータ(ウェブデータ、電子メール、インタラクティブビデオゲームデータなど)を受信する。TX処理回路315は、発信ベースバンドデータを符号化、多重化、および/またはデジタル化して、処理済みのベースバンド信号またはIF信号を生成する。RFトランシーバ310は、発信される送信処理済みのベースバンド信号またはIF信号をTX処理回路315から受信し、ベースバンド信号またはIF信号を、アンテナ305を介して送信されるRF信号にアップコンバートする。
【0037】
プロセッサ340は、1つまたは複数のプロセッサまたは他の処理デバイスを含み、UE116の全体的な動作を制御するために、メモリ360に記憶されたOS361を実行することができる。例えば、プロセッサ340は、周知の原理に従って、RFトランシーバ310、RX処理回路325、およびTX処理回路315による順方向チャネル信号の受信および逆方向チャネル信号の送信を制御することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ340は、少なくとも1つのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。
【0038】
プロセッサ340はまた、ビーム管理のためのプロセスなど、メモリ360に常駐する他のプロセスおよびプログラムを実行することができる。プロセッサ340は、実行プロセスによる要求に応じてメモリ360にデータを出し入れすることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ340は、OS361に基づいて、またはgNBもしくはオペレータから受信した信号に応答して、アプリケーション362を実行するように構成される。プロセッサ340はまた、ラップトップコンピュータおよびハンドヘルドコンピュータなどの他のデバイスに接続する能力をUE116に提供するI/Oインターフェース345に結合される。I/Oインターフェース345は、これらのアクセサリとプロセッサ340との間の通信路である。
【0039】
プロセッサ340はまた、タッチスクリーン350およびディスプレイ355に結合される。UE116のオペレータは、タッチスクリーン350を使用してUE116にデータを入力することができる。ディスプレイ355は、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、またはウェブサイトなどからのテキストおよび/または少なくとも限定されたグラフィックをレンダリングすることができる他のディスプレイであってもよい。
【0040】
メモリ360は、プロセッサ340に結合されている。メモリ360の一部はランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができ、メモリ360の別の部分はフラッシュメモリまたは他の読み出し専用メモリ(ROM)を含むことができる。
【0041】
図3はUE116の一例を示しているが、図3に対して様々な変更を加えることができる。例えば、図3の様々なコンポーネントを組み合わせたり、さらに細分化したり、または省略したりすることができ、特定の必要に応じて追加のコンポーネントを追加することができる。特定の例として、プロセッサ340は、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)および1つまたは複数のグラフィック処理装置(GPU)などの複数のプロセッサに分割することができる。また、図3は、携帯電話またはスマートフォンとして構成されたUE116を示しているが、UEは、他の種類のモバイルまたは固定デバイスとして動作するように構成することができる。
【0042】
図3に示すように、UE116は、図4および図5に示すようなレーダシステムを含むことができる。プロセッサ340は、レーダ402、502を制御するために図4および図5に示すような420、520を含むことができ、または図4および図5に示すようなコントローラ420、520は、レーダ402、502を制御するために、独立して実装され、図3に示すようなプロセッサ340と共存することができる。
【0043】
本開示は、レーダシステムのための省電力スキームを提供する。以下の2つの省電力モードが提供されてもよい。一実施形態では、電力制御が提供される。そのような実施形態では、雑音電力、ターゲット距離および/または経路損失の測定および推定に基づいて適応電力設定が提供される。別の実施形態では、アイドルモードが提供される。そのような実施形態では、電力動作を低減するためのシンボル/サブキャリア/スロット/サブフレームのブランキングまたは部分ブランキングを伴う動作(例えば、ブランクフォーマット)が提供される。
【0044】
別の実施形態では、広帯域およびサブバンド測定のための測定構成が導入される。さらに別の実施形態では、電力制御精度を改善するために、車両対すべて(V2X)によって支援される電力制御のさらなる強化が導入される。
【0045】
デジタル波形および/またはアナログ波形ならびに信号処理に基づくレーダが、商業的な高解像度レーダ用途において台頭している。この傾向は、自動車の安全性および自動運転、インフラストラクチャおよび産業用途において生じる高性能要件および干渉の課題によって加速される。ミッションクリティカルな用途では、多くの車両レーダおよび有害な妨害信号の存在下で堅牢な性能が必要である。
【0046】
高解像度撮像レーダは、信号をデジタル領域に変換するために広帯域幅アナログ-デジタル変換(ADC)を必要とする。また、撮像レーダには多数のチャネルが必要であり、これはコストおよび電力消費をさらに増加させる。
【0047】
本開示のデジタル波形は、低ピーク対平均電力比(PAPR)および干渉/妨害波抑制能力を含み、一般的なOFDM波形と比較して電力増幅器(PA)効率を改善する。本開示のビームフォーミングアンテナは、長距離動作に十分なリンクバジェットを提供しながら、送信電力を低減する。
【0048】
本開示では、電力制御および1組の省電力モードは、平均送信電力およびブランキングを低下させることによって消費電力を大幅に削減することが規定される。
【0049】
本開示では、3つの動作モードがあり得る。通常モードの一例では、レーダは、ピーク送信電力で定電力送信を使用することが多い。低電力モードの別の例では、最大距離、ターゲット距離の経路損失推定値、および/または雑音および干渉推定値を考慮して、電力制御アルゴリズムに基づいて、ピーク送信電力未満の送信電力が使用される。アイドルモードのさらに別の例では、特定のシンボル/スロット/サブキャリアまたはビームのブランキングが提供され、追加の電力節約がもたらされる。
【0050】
省電力モード(例えば、電力制御モード)は、1回有効(例えば、ワンタイム制御モード)としたり、定期的に構成(例えば、周期制御モード)またはタイマで構成(例えば、所定の期間制御モード)したりすることができる。
【0051】
電力制御は、レーダ送信機の送信電力を設定する。電力は、システム構成、処理利得を含む受信機処理、多入力多出力(MIMO)/ビームフォーミングモード、背景雑音およびクラッタ測定、ならびに干渉信号および妨害信号に応じて適応的に決定される。
【0052】
干渉を最小にし、容量を最大にするために、要求される性能を満たしながら送信電力が最小レベルに設定される。多くの場合、定誤警報率(CFAR)検出器が使用され、検出閾値は、誤警報の必要な確率によって決定される。ターゲット検出性能は、検出後の信号対干渉比(SINR)ターゲットに依存する。SINRターゲットは、検出性能ターゲットを満たす最小SINR値である。電力制御により、デバイスはピーク電力を回避することによって消費電力を大幅に削減することができる。
【0053】
【数1】
【0054】
一実施形態では、送信電力は、ビーム形成/MIMOモード、省電力モード、SIRターゲットであるSIRTarget_dB、ターゲット距離および伝搬環境に応じた最大伝搬損失、最大送信電力、受信機処理利得、PAバックオフ、フェージングチャネルを考慮するための電力オフセット(追加マージン)、雑音分散推定誤差、干渉および妨害波、ならびに送信機/受信機の挙動の不完全性といった構成パラメータおよび測定結果のうちの少なくとも1つに基づいて、電力制御アルゴリズムによって適応的に設定される。
【0055】
一実施形態では、省電力のためのアーキテクチャが提供される。一例では、アーキテクチャは、波形パラメータ(例えば、ブランクパターン(フォーマット)の設定)の構成、電力管理構成および電力制御アルゴリズム、干渉管理、スケジューラ、および測定構成を備える媒体アクセス制御(MAC)コントローラを含む。別の例では、アーキテクチャは、構成に従う波形生成およびRFを備える送信機を含む。さらに別の例では、アーキテクチャは、Rx処理回路および測定回路を含む受信機を備える。
【0056】
図4は、本開示の実施形態による例示的なレーダシステムデバイスおよびコントローラアーキテクチャ400を示す。図4に示すレーダシステムデバイスおよびコントローラアーキテクチャ400の実施形態は、例示のみを目的としている。図4は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0057】
図4に示すように、レーダシステムデバイスおよびコントローラ400は、レーダ402およびコントローラ420を含む。レーダ402は、TXアンテナデジタル-アナログ変換(DAC)および無線周波数(RF)404、RXアンテナアナログ-デジタル変換(ADC)およびRF406、送信機408、受信機410、およびMAC412を含む。さらに、コントローラ420は、MACエンティティ422および構成エンティティ430を含む。MAC(例えば、MACコントローラ)422は、電力制御回路424、スケジューリング動作を行うスケジューラ426、および干渉管理428を含む。構成430は、信号構成回路432、測定構成を行う測定構成回路434、省電力構成回路436を含む。
【0058】
図4に示すように、コントローラ420は、構成エンティティ430およびMACエンティティ422を含む。構成エンティティ430は、信号構成、測定構成、および省電力構成の設定を担当する。コントローラ内のMACエンティティ422は、無線リソースを動的に管理する役割を担い、電力制御、スケジューラ、および干渉管理回路(例えば、モジュール)を備える。
【0059】
レーダ回路(例えば、モジュール)におけるMACエンティティ422は、レーダ回路のトランシーバにおける送信電力設定を決定する。
【0060】
ステップ1の一実施形態では、送信電力および最大RF帯域幅などのデバイス能力が、レーダ(例えば、レーダ402)からコントローラ420に報告される。
【0061】
ステップ2の別の実施形態では、雑音および干渉の測定などのために、測定構成がコントローラ420からレーダ(例えば、レーダ402)に送信される。
【0062】
ステップ3のさらに別の実施形態では、測定は、周期的または非周期的にレーダ(例えば、レーダ402)からコントローラ420に報告される。
【0063】
ステップ4のさらに別の実施形態では、電力、時間シンボル/スロット/フレーム、および周波数リソースなどの無線リソースは、コントローラ420内に存在するMAC422内の電力制御、スケジューラ、および干渉管理エンティティ(例えば、428)において決定される。レーダは、無線リソースに基づいて送信用の信号構造を構築する。
【0064】
図4に示すように、レーダ402は、ステップ1において、デバイス能力報告をコントローラ420に送信する。ステップ2において、コントローラ420は、測定構成をレーダ402に送信する。ステップ2’において、コントローラ420は、電力制御構成をレーダ402に送信する。ステップ3において、レーダ402は、測定報告をコントローラ420に送信する。ステップ4において、コントローラ420は、無線リソースに関する情報を送信する。
【0065】
図5は、本開示の実施形態による例示的なレーダシステム電力制御機構500を示す。図5に示すレーダシステム電力制御機構500の実施形態は、例示のみを目的としている。図5は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0066】
図5に示すように、レーダシステム電力制御機構500は、レーダ502およびコントローラ520を含む。レーダ502は、Txアンテナ(デジタル-アナログ変換)DACおよび無線周波数(RF)504、Rxアンテナアナログ-デジタル変換(ADC)およびRF506、送信機508、受信機510、およびMAC(デバイス)512を含む。さらに、コントローラ520は、MAC(コントローラ)エンティティ522および構成エンティティ530を含む。MAC(コントローラ)522は、電力制御回路524、スケジューラ526、干渉管理528を含む。構成エンティティ530は、信号構成回路532、測定構成回路534、省電力構成回路536を含む。
【0067】
図5に示すように、レーダ402は、ステップ1において、デバイス能力報告をコントローラ520に送信する。デバイス能力報告は、最大電力および電力バックオフを含む。ステップ2において、コントローラ520は、測定構成をレーダ502に送信する。測定構成は、測定ギャップ、開始/終了パラメータ、およびサブバンド構造を含む。ステップ2’において、コントローラ420は、電力制御構成をレーダ402に送信する。測定報告は、雑音変動、SINR分布、受信電力分布、平均受信電力、サブバンド妨害波帯域幅および電力スペクトル密度(PSD)、ならびに送信電力を含む。
【0068】
ステップ3において、レーダ402は、測定報告をコントローラ420に送信する。ステップ4において、コントローラ420は、無線リソースに関する情報を送信する。
【0069】
コントローラベースの電力制御の一実施形態では、いくつかの例があり得る。
デバイス能力報告の一例では、最大送信電力、電力バックオフ、およびアンテナ構成などのデバイス能力がコントローラエンティティ520に報告される。
【0070】
測定構成の一例(例えば、図5に示すような534)では、設定された測定ギャップ構成は、シンボル/スロット/フレームまたはサブチャネル構造、開始/終了タイマ、ならびに周期性および持続時間を含む。
【0071】
【数2】
【0072】
デバイスベースの電力制御の一実施形態では、電力制御アルゴリズムをレーダモジュールで実施することができる。この場合、任意選択で、図5のステップ2’において、コントローラ520は、レーダ回路(例えば、図5に示すようなレーダ502のようなモジュール)に電力制御構成パラメータを送信する。
【0073】
電力制御構成の一実施形態では、検出後ターゲットSIRであるSIRTarget_dB、最大ターゲット距離に対応する最大双方向経路損失、受信機の処理利得、および送信電力マージンといった電力制御構成パラメータが設定される。
【0074】
【数3】
【0075】
無線および電力増幅器の設計に応じて、各サブバンドの最大送信電力は異なるように設定されてもよい。
【0076】
一例では、単一の送信電力増幅器がサブバンド間で共有される。そのような実施形態では、各サブバンドの最大送信電力は、各サブバンドに等しく分割することができる。
【0077】
一例では、PAは、異なるサブバンド帯域幅を有するサブバンドごとに分離される。そのような実施形態では、最大送信電力は、帯域幅と共にサブバンドごとに指定することができる。
【0078】
パワーランピングに関しては、実際には、経路損失変動やシャドウフェージングによる推定誤差やチャネル変動がある。測定誤差によるミス検出を回避するために、周期的に大電力での送信が発生する。後続の送信で、送信電力が順次低減される。電力ランプダウンはステップサイズに依存する。一例では、ステップサイズは、固定ステップサイズ、線形増減ステップサイズ、または幾何学的ステップサイズとして決定される。
【0079】
図6は、本開示による可変送信電力動作のための方法600のフローチャートを示す。図6に示す方法600の実施形態は、例示のみを目的としている。図6は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0080】
図6に示すように、方法600は、ステップ602において開始する。図6に示すような方法600は、UE(図1に示すような111~116)および/または基地局(図1に示すような101~103)によって実行することができ、ここで、UEおよびBS(例えば、gNB)は、図4および図5に示すようなレーダシステムを採用することができる。さらに、図4および図5に示すようなスタンドアロンのレーダシステムは、図6に示すような方法600を実行することができる。
【0081】
ステップ602において、周期性は、送信電力T_Ramp_Up_Periodicityのランプアップ、電力ランプステップサイズP_Step_DownおよびP_Step_Upのために構成される。ステップ604において、送信の開始時に、最大送信電力で送信が実行される。ステップ606において、電力制御アルゴリズムは、ターゲット送信電力レベルを計算する。ステップ608において、後続の送信で、電力がターゲット送信電力レベルに達するまで、構成されたステップサイズP_Step_Downだけ電力をランプダウンする。ステップ610において、方法は、PTx,がPTx,Targetより小さいか判定する。ステップ610において、はいである場合、方法600は、ステップ612において、構成されたステップサイズP_Step_Upだけ送信電力を増加させる。ステップ610において、いいえである場合、方法600はステップ608を実行する。
【0082】
一実施形態では、前述のステップ602、604および606が繰り返される。一実施形態では、ステップ606および608は、周期的な電力ステップアップのために一定の送信電力レベルを維持するように修正することができる。
【0083】
一例では、電力制御アルゴリズムは、ターゲット送信電力レベルを計算する。そのような例では、後続の送信で、電力がターゲット送信電力レベルに達するまで、構成されたステップサイズP_Step_Downだけ電力をランプダウンする。電力がPTx,Targetに達すると、方法600は、送信電力レベルをPTx,Targetに保つ。
【0084】
一例では、時間が送信電力ランプアップ期間に達した場合、方法600は、送信電力をP_Step_Upだけ増加させる。
【0085】
図7は、本開示の実施形態による電力ランピング700を用いた送信電力の例を示す。図7に示す電力ランピング700を用いた送信電力の実施形態は、例示のみを目的としている。図7は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0086】
図7に示すように、本開示の実施形態による電力ランピングスキームに従って、パラメータが構成され、電力が調整される。
【0087】
アイドルモード動作の一実施形態では、異なる粒度で信号をブランキングすることによって省電力モードがイネーブルされる。信号がシンボル内に存在するか否かに応じて、2つの種類のブランク送信が存在し得る。
【0088】
ブランク送信方式の一実施形態では、時間領域において、シンボル、スロット、およびサブフレームのサブセットは、ユースケースに応じてブランキングされ、ブランキングは、サブサンプリング、またはスロット/サブフレーム内のアクティブ信号の持続時間を短縮することによって行われる。一例では、空間領域において、広いビーム幅を使用しながら走査回数が減らされ、受信機では、レンジ/ドップラー処理およびビームフォーミングのための受信機処理を、完全にまたは部分的にオフにするかアイドル状態のままにすることができ、雑音および測定のための処理を依然としてオンにすることができる。
【0089】
部分ブランク送信スキームの一実施形態では、表1および表2に示すように、周波数領域において、1つまたは複数のサブチャネルがブランキングされ、コード(すなわち、ユニークなコードで識別されたシーケンス)が送信のために選択された非ブランクサブチャネルにマッピングされ、他のサブチャネルはブランクのままであり、受信機では、ブランクサブチャネルの信号受信および復号はアイドル状態のままにすることができ、サブチャネルおよびマルチチャネル伝送アーキテクチャでは、ブランクサブチャネルのサブチャネル受信機処理は、完全にまたは部分的にオフまたはアイドル状態のままにすることができる。
【0090】
表1は、低電力モードを示す。表2は、低電力動作を示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
表3は、通常モードおよび省電力モード動作のシステムパラメータを示す。
【0094】
【表3】
【0095】
一実施形態では、ビームまたはアンテナポートごとの測定サブチャネル(スロット/サブバンド)における干渉測定が提供される。一実施形態では、雑音フロア測定が提供される。
【0096】
一実施形態では、2つの種類の干渉が存在し得る。一例では、異なる速度(例えば、減算)との相関干渉が提供される。一例では、無相関雑音プラス干渉(例えば、開ループ電力制御)が提供される。
【0097】
一実施形態では、測定目的のためにフレーム、サブフレーム、スロット、シンボル、サブチャネル、およびビームのサブセットをブランキングすることによって作成される測定ギャップが提供される。測定ギャップの間、送信機が完全にアイドルであるか、または信号の一部(選択されたサブチャネルを除く)がアイドルであるかのいずれかである。
【0098】
一実施形態では、測定ギャップは、周期的または非周期的な測定のために構成される。
周期的な測定の一実施形態では、測定のためのフレーム、サブフレーム、スロット、シンボル、サブチャネルおよび/またはビーム番号が提供される。そのような実施形態では、測定ギャップの周期性および持続時間が提供される。
【0099】
非周期的な測定の一実施形態では、測定は、信号電力またはSINRが特定の閾値を下回るかまたはそれを超えるなどの特定の事象の後に行うことができる。条件が満たされると、ブランクまたは部分ブランク送信が行われる。
【0100】
測定のための受信機処理を図8に示す。測定のための可能な基準点を、用途に応じて図8に示す。
【0101】
図8は、本開示の実施形態による測定のための例示的な基準点800を示す。図8に示す測定のための基準点800の実施形態は、例示のみを目的としている。図8は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0102】
図8に示すように、測定のための基準点800は、離散フーリエ変換(DFT)802ブロック、複素共役804ブロック、空間処理ブロック806、測定点ブロック808、ドップラーDFTブロック810、逆高速フーリエ変換(IFFT)ブロック812、複素乗算ブロック814、FFTブロック816、サイクリックプレフィクス(CP)除去ブロック818、アナログ-デジタル変換(ADC)ブロック822、およびアナログビームフォーミング(BF)ブロック824を含む。
【0103】
ドップラーDFTブロック810、IFFTブロック、複素乗算ブロック814、FFTブロック816、およびCP除去ブロック818は、処理ブロック820においてドップラー処理および距離処理を行うように構成される。処理ブロック820は、並列に実施されてもよい。
【0104】
図8に示すように、構成されたブランクシンボル、スロット、またはサブフレームのサンプルから、雑音(および干渉)電力が推定される。
【0105】
一実施形態では、処理後の雑音電力は、図8に示すように、ドップラーDFT810とIFFT812との間の測定点(2)に対応する、IFFTの出力における距離処理(例えば、図8に示すような814、816および818を含む)後に推定される。平均処理後雑音電力は、距離窓にわたって電力を合計し、距離ビンの数を除算することによって計算される。
【0106】
【数4】
【0107】
図9は、本開示の実施形態による広帯域雑音推定のための方法900のフローチャートを示す。図9に示す方法900の実施形態は、例示のみを目的としている。図9は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0108】
図9に示すように、電力推定は、電力制御アルゴリズムに従って送信電力を設定するために使用され得る。
【0109】
図9に示すように、方法900は、ステップ902において開始する。図9に示すような方法900は、UE(図1に示すような111~116)および/または基地局(図1に示すような101~103)によって実行することができ、ここで、UEおよびBS(例えば、gNB)は、図4および図5に示すようなレーダシステムを採用することができる。さらに、図4および図5に示すようなスタンドアロンのレーダシステムは、図9に示すような方法900を実行することができる。
【0110】
図9に示すように、方法900は、ステップ902において開始する。ステップ902において、方法900は、測定点における信号に基づいて雑音電力を生成する。ステップ904において、方法900は、雑音電力に基づいて平均雑音電力を推定する。ステップ906において、方法900は、処理前雑音電力を推定する。
【0111】
図9に示すように、サブバンド雑音電力は、構成されたブランクサブバンドの電力スペクトル密度を推定することによって推定され得る。測定点は、図8に示すように、複素乗算ブロック814とFFTブロック816との間の(3)として示すFFTの出力にある。サブバンドの帯域幅は、構成および構成された波形に依存する。
【0112】
雑音には、熱雑音と、広帯域干渉と、周波数変調連続波(FMCW)またはチャープレーダ干渉、およびFM妨害波などの狭帯域干渉とが含まれる。
【0113】
本開示では、熱雑音と、広帯域干渉と、FMCWまたはチャープレーダ干渉、およびFM妨害波などの狭帯域干渉とをまとめて「雑音」および「狭帯域干渉」と呼ぶ。
【0114】
雑音と狭帯域干渉とを区別するために、閾値を適用することができる。測定点に合わせてスケーリングされたCFAR閾値を適用することができる。閾値を上回る信号は狭帯域干渉であり、閾値を下回る信号は雑音である。
【0115】
図10は、本開示の実施形態によるサブバンド雑音および干渉推定のための方法1000のフローチャートを示す。図10に示す方法1000の実施形態は、例示のみを目的としている。図10は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0116】
図10に示すように、方法1000は、ステップ1002において開始する。図10に示すような方法1000は、UE(図1に示すような111~116)および/または基地局(図1に示すような101~103)によって実行することができ、ここで、UEおよびBS(例えば、gNB)は、図4および図5に示すようなレーダシステムを採用することができる。さらに、図4および図5に示すようなスタンドアロンのレーダシステムは、図10に示すような方法1000を実行することができる。
【0117】
図10に示すように、方法1000は、ステップ1002において開始する。ステップ1002において、方法1000は、サブキャリアごとに雑音電力を生成する。ステップ1004において、方法1000は、電力が閾値より大きいかどうかを判定する。ステップ1004において、電力が閾値を超える場合、方法1000はステップ1006およびステップ1008を実行する。ステップ1006およびステップ1008を通じて、方法1000は、サブバンドごとに平均狭帯域干渉電力を生成する。ステップ1004において、電力が閾値を超えない場合、方法1000はステップ1010および1012を実行する。ステップ1010およびステップ1012を通じて、方法1000は、サブバンドごとに平均雑音電力を生成する。
【0118】
V2V通信がセットアップされると、通信が確立された車両への伝搬損失が、カバレッジエリア内の2台の車両間で利用可能になる。また、トラフィックチャネルのSIRターゲットは、ターゲットデータレートのために利用可能である。
【0119】
レーダ信号の送信電力は、隣接するレーダ間の経路損失情報を使用することによって高めることができる。多くの隣接するレーダを有するシステムの場合、高度道路交通システムまたはスマートシティのインフラストラクチャなどのインフラストラクチャは、レーダターゲット距離だけ離れている2台の車両を見つけることができる。インフラストラクチャは、シーケンス割り当ておよび測定ギャップを用いてレーダを構成する。提供された情報から、レーダ受信機は、隣接車両からのレーダ信号を検出し推定することができる。
【0120】
図11は、本開示の実施形態によるV2Xによって支援される例示的なレーダ電力制御1100を示す。図11に示すレーダ電力制御1100の実施形態は、例示のみを目的としている。図11は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0121】
図11は、レーダシーケンスAを放射する車両AとレーダシーケンスBを放射する車両Bとの間のV2X支援電力制御シナリオを示す。車両Bは、車両Aに対するレーダターゲット距離付近にある。図11に示すように、レーダ電力制御1100は、車両A1102、車両B1104、および信号灯(例えば、信号機またはスマートポール)1106を含む。
【0122】
図11に示すように、車両A1102のレーダは、V2Xによって接続されたインフラストラクチャを介してシーケンスAに割り当てられる。車両B1104のレーダは、V2Xによって接続されたインフラストラクチャを介してシーケンスBに割り当てられる。信号灯1106は、レーダシーケンスCに割り当てられる。
【0123】
V2Xは、車両A1102のレーダが隣接するレーダ信号を検出するための測定区間を割り当てる。車両A1102には、車両BのシーケンスID、構成、および送信電力が通知される。車両B1104は、シーケンスBでレーダ信号を送信する。車両A1102は、シーケンスBの受信機処理を実行し、距離およびドップラーを検出する。
【0124】
車両A1102は、車両Bのレーダ信号を検出することにより、車両A1102と車両B1104との間の経路損失を推定する。車両A1102については、ターゲット距離に対する経路損失が推定され、経路損失情報を使用して送信電力が設定される。
【0125】
図11に示すように、信号灯1106から車両B1104に放射されるレーダシーケンスCは約150メートルの範囲であり得、車両A1102から放射されるレーダシーケンスAおよび車両Bから放射されるレーダシーケンスBは約300メートルの範囲であり得る。
【0126】
進行中のV2V通信を有する2つの車両(例えば、図11に示すような1102および1104)について、設定可能な電力オフセットをトラフィックチャネルSIRターゲットに対して定義することができる。V2V接続性を有する複数のターゲットの場合、レーダ送信電力は、ターゲット距離内のすべてのターゲットの最大ターゲットSIRから計算される。
【0127】
図12は、車両に実装され得るような、本開示の実施形態によるV2Xによって支援されるレーダ電力制御の例示的なシステムアーキテクチャ1200を示す。図12に示すシステムアーキテクチャ1200の実施形態は、例示のみを目的としている。図12は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0128】
図12は、V2X支援電力制御のアーキテクチャおよびインターフェースを示す。図12に示すように、システムアーキテクチャ1200は、レーダ(例えば、レーダ回路および/またはシステム)1202、レーダMAC1204、車両BのV2Xインターフェース(例えば、V2X回路および/またはシステム)1206、および車両AのV2Xインターフェース1208を含む。
【0129】
図12に示すように、レーダ1202は、図11に示すような信号灯1106から放射されるレーダシーケンスCを含む。
【0130】
図13は、本開示の実施形態によるレーダの省電力のための方法1300のフローチャートを示す。図13に示す方法1300の実施形態は、例示のみを目的としている。図13は、本開示の範囲をいかなる特定の実施態様にも限定しない。
【0131】
図13に示すように、方法1300は、ステップ1302において開始する。図13に示すような方法1300は、UE(図1に示すような111~116)および/または基地局(図1に示すような101~103)によって実行することができ、ここで、UEおよびBS(例えば、gNB)は、図4および図5に示すようなレーダシステムを採用することができる。さらに、図4および図5に示すようなスタンドアロンのレーダシステムは、図13に示すような方法1300を実行することができる。さらに、図11および図12に示すようなレーダシステムを含むV2X通信のための車両は、図13に示すような方法1300を実行することができる。
【0132】
図13に示すように、方法1300は、ステップ1302において開始する。ステップ1302において、方法1300は、最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力を報告することに応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別する。
【0133】
続いて、ステップ1304において、方法1300は、測定構成に基づいて、レーダ回路の電力制御構成を識別する。
【0134】
一実施形態では、電力制御モードは、ワンタイム制御モード、周期制御モード、または所定の期間制御モードのうちの少なくとも1つとして決定される。
【0135】
次に、ステップ1306において、方法1300は、電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別する。
【0136】
最後に、ステップ1308において、方法1300は、測定報告および電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信する。
【0137】
一実施形態では、本方法は、通常モードにおいて、対応する送信電力に基づいて一定の電力で第1の信号を送信し、低電力モードにおいて、最大電力範囲、経路損失の推定、雑音および干渉の測定、またはターゲットとする信号対雑音比のうちの少なくとも1つに基づいて、送信電力のピーク電力未満の電力で第1の信号を送信し、または、シンボル、スロット、サブキャリア、またはビームのうちの少なくとも1つを備える事前構成に基づいて第1の信号がブランキングされる、ブランク送信モードまたは部分ブランク送信モードを備えるアイドルモードで第1の信号を送信する。
【0138】
一実施形態では、方法1300は、干渉管理、ならびにスケジューリングおよび測定構成に基づいて、波形パラメータのセット、ブランクフォーマットのセット、および電力管理を識別し、レーダ波形に基づいて、オブジェクトに送信されるべき第1の信号の同相成分および直交成分を生成し、同相成分および直交成分を含む第2の信号を受信し、第2の信号はオブジェクトから反射される。
【0139】
一実施形態では、方法1300は、最大経路損失、レーダ最大送信電力、ターゲット信号対干渉雑音比(SINR)、または雑音レベルのうちの少なくとも1つに基づいて送信電力を識別し、送信電力は、広帯域電力制御モードまたはサブバンド電力制御モードを備える電力制御モードに基づいて静的に、半静的に、または動的に構成される。
【0140】
一実施形態では、方法1300は、広帯域電力制御モードで全帯域幅にわたって送信電力で第1の信号を送信する、または、サブバンド電力制御モードで全帯域幅の各サブバンドにわたって送信電力で第1の信号を送信する。
【0141】
一実施形態では、方法1300は、後続の送信のために第1のサイズの予め構成されたステップだけ送信電力を低減するために第1の電力ランピングを実行する。そのような実施形態では、送信電力は最初に、レーダ回路において最大送信電力に設定される。
【0142】
一実施形態では、方法1300は、第1の電力ランピングによって低減された低減済み送信電力がレーダ回路において最小送信電力に達すると、低減済み送信電力を第2のサイズの予め構成されたステップだけさらに低減するために第2の電力ランピングを実行する。
【0143】
一実施形態では、方法1300は、測定に使用されるフレームのセット、サブフレームのセット、スロットのセット、サブチャネルのセット、およびビームのセットを含むリソースのブランキングセットを使用して測定ギャップを生成する。そのような実施形態では、測定ギャップは、周期的または非周期的測定構成、事象ベースの測定、1つまたは複数の測定基準点、1つ以上の測定基準点から計算された雑音分散、広帯域測定、またはサブバンド測定のうちの少なくとも1つに基づいて構成される。
【0144】
一実施形態では、方法1300は、チャネルを介して少なくとも1つのポータブル電子デバイスから受信した少なくとも1つの信号を識別し、チャネルは少なくとも1つのポータブル電子デバイスに関連付けられており、そして識別された少なくとも1つの信号に基づいて第1の信号を送信するかどうかを決定し、第1の信号および送信電力の決定に基づいて電力オフセットを識別し、第1の信号を送信し、ここで送信電力は、電力オフセットおよび少なくとも1つのポータブル電子デバイスの少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される、またはチャネルを介して少なくとも1つのポータブル電子デバイスに第1の信号を送信し、送信電力は、電力オフセットおよび少なくとも1つのポータブル電子デバイスの少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される。
【0145】
例示的な一実施形態では、高度無線システムの装置または方法は、送信アンテナのセットおよび受信アンテナのセットを含むレーダ回路と、レーダ回路に動作可能に接続された、媒体アクセス制御(MAC)コントローラおよび構成回路を含むコントローラと、を含む。コントローラは、最大電力および電力バックオフを含むデバイス能力の報告に応答して、測定ギャップ、パラメータのセット、およびサブバンド構造を含む測定構成を識別し、測定構成に基づいて、レーダ回路の電力制御構成を識別し、電力制御構成に対応する測定報告に基づいて、通常モード、低電力モード、またはアイドルモードのうちの少なくとも1つを含む電力制御モードを識別するように構成され、レーダ回路は、測定報告および電力制御モードに基づいて決定された送信電力で第1の信号を送信するように構成されている。
【0146】
上記の例示的な実施形態では、電力制御モードは、ワンタイム制御モード、周期制御モード、または所定の期間制御モードのうちの少なくとも1つとして決定される。
【0147】
上記の例示的な実施形態のいずれかでは、レーダ回路は、通常モードにおいて、対応する送信電力に基づいて一定の電力で第1の信号を送信し、低電力モードにおいて、最大電力範囲、経路損失の推定、雑音および干渉の測定、またはターゲットとする信号対雑音比のうちの少なくとも1つに基づいて、送信電力のピーク電力未満の電力で第1の信号を送信し、または、シンボル、スロット、サブキャリア、またはビームのうちの少なくとも1つを備える事前構成に基づいて第1の信号がブランキングされる、ブランク送信モードまたは部分ブランク送信モードを備えるアイドルモードで第1の信号を送信するように構成される。
【0148】
上記の例示的な実施形態のいずれかでは、コントローラに含まれるMACコントローラは、干渉管理、ならびにスケジューリングおよび測定構成に基づいて、波形パラメータのセット、ブランクフォーマットのセット、および電力管理を識別するように構成され、レーダ回路は、レーダ波形に基づいて、オブジェクトに送信される第1の信号のための同相成分および直交成分を生成し、同相成分および直交成分を含む、オブジェクトから反射される第2の信号を受信するようにさらに構成される。
【0149】
上記の例示的な実施形態のいずれかにおいて、コントローラは、最大経路損失、レーダ最大送信電力、ターゲット信号対干渉雑音比(SINR)、または雑音レベルのうちの少なくとも1つに基づいて送信電力を識別するようにさらに構成され、送信電力は、広帯域電力制御モードまたはサブバンド電力制御モードを備える電力制御モードに基づいて静的に、半静的に、または動的に構成される。
【0150】
上記の例示的な実施形態のいずれかでは、レーダ回路は、広帯域電力制御モードで全帯域幅にわたって送信電力で第1の信号を送信する、または、サブバンド電力制御モードで全帯域幅の各サブバンドにわたって送信電力で第1の信号を送信するようにさらに構成される。
【0151】
上記の例示的な実施形態のいずれかでは、レーダ回路は、後続の送信のために第1のサイズの予め構成されたステップだけ送信電力を低減するために第1の電力ランピングを実行するようにさらに構成され、送信電力は最初に、レーダ回路において最大送信電力に設定される。
【0152】
上記の例示的な実施形態のいずれかにおいて、レーダ回路は、低減済み送信電力がレーダ回路において最小送信電力に達すると、低減済み送信電力を第2のサイズの予め構成されたステップだけさらに低減するために第2の電力ランピングを実行するようにさらに構成される。
【0153】
上記の例示的な実施形態のいずれかにおいて、コントローラは、測定に使用されるフレームのセット、サブフレームのセット、スロットのセット、サブチャネルのセット、およびビームのセットを含むリソースのブランキングセットを使用して測定ギャップを生成するようにさらに構成され、測定ギャップは、周期的測定構成または非周期的測定構成、事象ベースの測定、1つまたは複数の測定基準点、1つ以上の測定基準点から計算された雑音分散、広帯域測定、またはサブバンド測定のうちの少なくとも1つに基づいて構成される。
【0154】
上記の例示的な実施形態のいずれかでは、コントローラは、チャネルを介して少なくとも1つのポータブル電子デバイスから受信した少なくとも1つの信号を識別し、チャネルは少なくとも1つのポータブル電子デバイスに関連付けられており、そして識別された少なくとも1つの信号に基づいて第1の信号を送信するかどうかを決定し、第1の信号および送信電力の決定に基づいて電力オフセットを識別するようにさらに構成され、レーダ回路は第1の信号を送信するようにさらに構成され、ここで送信電力は、電力オフセットおよび少なくとも1つのポータブル電子デバイスの少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される、またはチャネルを介して少なくとも1つのポータブル電子デバイスに第1の信号を送信するようにさらに構成され、送信電力は、電力オフセットおよび少なくとも1つのポータブル電子デバイスの少なくとも1つのポータブル電子デバイスターゲットSINRに基づいて決定される。
【0155】
本出願における説明は、任意の特定の要素、ステップ、または機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない必須または重要な要素であることを暗示するものとして読まれるべきではない。特許される主題の範囲は、許容される特許請求の範囲によってのみ定義される。さらに、「のための手段」または「のためのステップ」という正確な単語が特定の請求項で明示的に使用され、その後に機能を識別する特定のフレーズが続く場合を除き、請求項のいずれも、添付の特許請求の範囲または特許請求の範囲の要素のいずれかに関して米国特許法112条(f)項を適用することを意図していない。特許請求の範囲内の「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「コンポーネント」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」、または「コントローラ」などの用語の使用は、特許請求の範囲自体の特徴によってさらに修正または強化されるように、当業者に既知の構造を指すと理解および意図されており、米国特許法112条(f)項を適用することを意図していない。
【0156】
本開示は特定の実施形態ならびに一般に関連する方法を記載しているが、これらの実施形態および方法の変更および置換は当業者には明らかであろう。したがって、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義または限定するものではない。以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、および変更も可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】