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特表2022-541004単一制御型スイッチを伴うバイアス供給装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】単一制御型スイッチを伴うバイアス供給装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220913BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501232
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020041771
(87)【国際公開番号】W WO2021011450
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/873,680
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519027693
【氏名又は名称】エーイーエス グローバル ホールディングス, プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ヒエン ミン
(72)【発明者】
【氏名】バン ジル, ギデオン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084BB21
2G084CC04
2G084CC05
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD38
2G084DD55
2G084HH02
2G084HH06
2G084HH15
2G084HH20
2G084HH25
2G084HH26
2G084HH30
2G084HH54
2G084HH56
5F004AA16
5F004BA09
5F004CA06
(57)【要約】
バイアス供給装置、プラズマ処理システム、およびそれらに関連付けられた方法が、開示される。あるバイアス供給装置は、スイッチの第一のノードと出力ノードとの間に結合された第一のインダクタを備え、第二のインダクタの第一のノードが、出力ノードまたはスイッチの第一のノードのうちの一方に結合されている。電圧源が、スイッチの第二のノードと第二のインダクタの第二のノードとの間に結合されている。リターンノードとスイッチの第二のノードおよび第二のインダクタの第二のノードのうちの一方との間で、接続が、なされている。バイアス供給装置は、スイッチを通した電流がフルサイクルを完了するようにスイッチを閉鎖することを繰り返し行うことによって出力ノードとリターンノードとの間での周期的電圧の印加を引き起こすように構成された制御装置も備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的電圧を印加するためのバイアス供給装置であって、該バイアス供給装置は、
出力ノードと、
リターンノードと、
スイッチと、
該スイッチの第一のノードと該出力ノードとの間に結合された第一のインダクタと、
該出力ノードまたは該スイッチの該第一のノードのうちの一方に結合された第二のインダクタの第一のノードと、
該スイッチの第二のノードと該第二のインダクタの第二のノードとの間に結合された電圧源と、
該リターンノードと該スイッチの該第二のノードおよび該第二のインダクタの該第二のノードのうちの一方との間の接続と、
制御装置と
を備え、
該制御装置は、該スイッチを通した電流がフルサイクルを完了するのに十分なだけの長い時間にわたって該スイッチを閉鎖することを繰り返し行うことによって該出力ノードと該リターンノードとの間での該周期的電圧の印加を引き起こすように構成され、該フルサイクルは、ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻るものである、バイアス供給装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記電圧源の電圧と前記繰り返されるスイッチ閉鎖間の時間とを調整し、所望の周期的電圧を達成するように構成されている、請求項1に記載のバイアス供給装置。
【請求項3】
前記制御装置は、プロセッサまたはフィールドプログラマブルゲートアレイのうちの少なくとも1つを含み、該制御装置は、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体を含み、該非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、その上に格納された命令を備え、該命令は、前記スイッチの動作を制御するための該プロセッサによる実行または該フィールドプログラマブルゲートアレイの構成を行うためのものである、請求項1に記載のバイアス供給装置。
【請求項4】
周期的電圧を印加するためのバイアス供給装置であって、該バイアス供給装置は、
出力ノードと、
リターンノードと、
スイッチと、
変換器であって、該変換器の一次巻線の第一のノードは、該スイッチの第一のノードに結合され、該変換器の二次巻線の第一のノードは、該出力ノードに結合され、該変換器の該二次巻線の第二のノードは、該リターンノードに結合されている、変換器と、
該スイッチの第二のノードと該変換器の該一次巻線の第二のノードとの間に結合された電圧源と、
制御装置と
を備え、
該制御装置は、該スイッチを通した電流がフルサイクルを完了するのに十分なだけの長い時間にわたって該スイッチを閉鎖することを繰り返し行うことによって該出力ノードと該リターンノードとの間での該周期的電圧の印加を引き起こすように構成され、該フルサイクルは、ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻るものである、バイアス供給装置。
【請求項5】
前記スイッチの前記第二のノードは、前記リターンノードに結合されている、請求項4に記載のバイアス供給装置。
【請求項6】
前記変換器の前記一次巻線の前記第二のノードは、前記リターンノードに結合されている、請求項4に記載のバイアス供給装置。
【請求項7】
前記制御装置は、プロセッサまたはフィールドプログラマブルゲートアレイのうちの少なくとも1つを含み、該制御装置は、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体を含み、該非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体は、その上に格納された命令を備え、該命令は、前記スイッチの動作を制御するための該プロセッサによる実行または該フィールドプログラマブルゲートアレイの構成を行うためのものである、請求項4に記載のバイアス供給装置。
【請求項8】
プラズマ処理システムであって、該プラズマ処理システムは、
プラズマチャンバーであって、該プラズマチャンバーは、
プラズマを含むためのボリュームと、
入力ノードと、
リターンノードと
を含む、プラズマチャンバーと、
バイアス供給装置であって、該バイアス供給装置は、
スイッチと、
該スイッチの第一のノードと該プラズマチャンバーの該入力ノードとに間に結合された第一のインダクタと
を含む、バイアス供給装置と、
該チャンバーの該入力ノードまたは該スイッチの該第一のノードのうちの一方に結合された第二のインダクタの第一のノードと、
該スイッチの第二のノードと該第二のインダクタの第二のノードとの間に結合された電圧源と、
該リターンノードと該スイッチの該第二のノードまたは該第二のインダクタの該第二のノードのうちの一方との間の接続と、
該プラズマが該プラズマチャンバー内にあるときにプラズマ負荷の電圧の所望の波形を達成するように該スイッチおよび該電圧源を制御する手段と
を備えている、プラズマ処理システム。
【請求項9】
前記制御する手段は、前記プラズマ負荷の前記電圧の前記所望の波形を達成するように前記電圧源の前記電圧と繰り返されるスイッチ閉鎖間の時間とを調整する手段を含む、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項10】
前記制御する手段は、前記スイッチの各閉鎖に関して、該スイッチを通した電流がフルサイクルを完了するのに十分なだけの長い時間にわたって該スイッチを閉鎖する手段を含み、該フルサイクルは、ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻るものである、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項11】
前記リターンノードは、接地リターンを備えている、請求項8に記載のプラズマ処理システム。
【請求項12】
プラズマ処理システムであって、該プラズマ処理システムは、
プラズマチャンバーであって、該プラズマチャンバーは、
プラズマを含むためのボリュームと、
入力ノードと、
リターンノードと
を含む、プラズマチャンバーと、
バイアス供給装置であって、該バイアス供給装置は、
スイッチと、
変換器であって、該変換器の一次巻線の第一のノードは、該スイッチの第一のノードに結合され、該変換器の二次巻線の第一のノードは、該プラズマチャンバーの該入力ノードに結合され、該変換器の該二次巻線の第二のノードは、該リターンノードに結合されている、変換器と、
該スイッチの第二のノードと該変換器の該一次巻線の第二のノードとの間に結合された電圧源と
を含む、バイアス供給装置と、
該プラズマが該プラズマチャンバー内にあるときにプラズマ負荷の電圧の所望の波形を達成するように該スイッチおよび該電圧源を制御する手段と
を備えている、プラズマ処理システム。
【請求項13】
前記制御する手段は、前記プラズマ負荷の前記電圧の前記所望の波形を達成するように前記電圧源の前記電圧と繰り返されるスイッチ閉鎖間の時間とを調整する手段を含む、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項14】
前記制御する手段は、前記スイッチの各閉鎖に関して、該スイッチを通した電流がフルサイクルを完了するのに十分なだけの長い時間にわたって該スイッチを閉鎖する手段を含み、該フルサイクルは、ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻るものである、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項15】
前記スイッチの前記第二のノードは、前記リターンノードに結合されている、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項16】
前記変換器の前記一次巻線の前記第二のノードは、前記リターンノードに結合されている、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【請求項17】
前記リターンノードは、接地リターンを備えている、請求項12に記載のプラズマ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(米国特許法第119条のもとでの優先権の主張)
本特許出願は、2019年7月12日に出願された“A SINGLE CONTROLLED SWITCH, SINGLE SUPPLY EV SOURCE WITH ION CURRENT COMPENSATION”と題する仮出願第62/873,680号に対する優先権を主張し、仮出願第62/873,680号は、本明細書の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に明示的に援用される。
【0002】
(背景)
(分野)
本発明は、概して給電装置に関連し、より具体的には、プラズマ処理のために電圧を印加するための給電装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
多くのタイプの半導体が、プラズマベースのエッチング技術を使用して作製される。エッチングされるものが導体である場合、基板導体の表面にわたって実質的に均一な負電圧を生み出すために、接地に対して負である電圧が、導電性基板に印加され得、基板導体は、正に帯電したイオンを導体に引き寄せ、結果として、導体に衝突する正イオンは、実質的に同じエネルギーを有する。
【0004】
しかしながら、基板が誘電体である場合、変動しない電圧は、基板の表面にわたって電圧をかけることに対して効果がない。しかし、交流(AC)電圧(例えば、高周波数ACまたは無線周波数(RF))は、AC電界が基板の表面上に電圧を誘導するように、導電性プレート(またはチャック)に印加され得る。ACサイクルの正のピーク中、基板は、電子を引き寄せ、電子は、正イオンの質量に比べて軽く、従って、多くの電子が、サイクルの正のピーク中に基板の表面に引き寄せられる。結果として、基板の表面は、負に帯電し、ACサイクルの残りの間、負に帯電した表面にイオンが引き寄せられることを引き起こす。そして、イオンが基板の表面に衝突すると、衝突は、基板の表面から材料を取り除き、エッチングを実現する。
【0005】
多くの例では、狭いイオンエネルギー分布を有することが望ましいが、正弦波の波形を基板に印加することは、イオンエネルギーの広い分布を誘導し、所望のエッチングプロファイルを遂行するプラズマ処理の能力を制限する。狭いイオンエネルギー分布を達成するための公知の技術は、費用がかかり、非効率的であり、制御が難しく、プラズマ密度に悪影響を及ぼし得る。結果として、これらの公知の技術は、商業的に取り入れられてこなかった。従って、現在の技術の欠点に対処し他の新規かつ革新的な特徴を提供するシステムおよび方法が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(概要)
本明細書に開示されるいくつかの実装形態のある態様は、制御する手段として、1つの可変電圧供給のみを必要とする共振回路において単一制御型スイッチと共にスイッチング周波数を利用することによって上述のニーズに対処し、劇的に単純化された回路が所望の狭いエネルギー分布を提供することを可能にする。
【0007】
別の態様は、出力ノードと、リターンノードと、スイッチと、第一のインダクタと、第二のインダクタと、電圧源とを備えた給電装置として特徴付けられ得る。第一のインダクタは、スイッチの第一のノードと出力ノードとの間に結合され、第二のインダクタの第一のノードは、出力ノードまたはスイッチの第一のノードのうちの一方に結合されている。電圧源は、スイッチの第二のノードと第二のインダクタの第二のノードとの間に結合され、リターンノードとスイッチの第二のノードおよび第二のインダクタの第二のノードのうちの一方との間で、接続が、なされている。制御装置は、スイッチを通した電流がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するのに十分なだけの長い時間にわたってスイッチを閉鎖することを繰り返し行うことによって出力ノードとリターンノードとの間での周期的電圧の印加を引き起こすように構成されている。
【0008】
さらに別の態様は、出力ノードと、リターンノードと、スイッチと、変換器と、電圧源とを備えた給電装置として特徴付けられ得る。変換器の一次巻線の第一のノードは、スイッチの第一のノードに結合され、変換器の二次巻線の第一のノードは、出力ノードに結合され、変換器の二次巻線の第二のノードは、リターンノードに結合されている。電圧源は、スイッチの第二のノードと変換器の一次巻線の第二のノードとの間に結合されている。給電装置は、スイッチを通した電流がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するのに十分なだけの長い時間にわたってスイッチを閉鎖することを繰り返し行うことによって出力ノードとリターンノードとの間での周期的電圧の印加を引き起こすように構成された制御装置も備えている。
【0009】
本明細書に開示される別の態様は、プラズマチャンバーおよびバイアス供給装置を備えたプラズマ処理システムである。プラズマチャンバーは、プラズマを含むためのボリュームと、入力ノードと、リターンノードとを備えている。バイアス供給装置は、スイッチと、第一のインダクタと、第二のインダクタと、電圧源とを含む。第一のインダクタは、スイッチの第一のノードとプラズマチャンバーの入力ノードとの間に結合され、第二のインダクタの第一のノードは、チャンバーの入力ノードまたはスイッチの第一のノードのうちの一方に結合されている。電圧源は、スイッチの第二のノードと第二のインダクタの第二のノードとの間に結合されている。リターンノードとスイッチの第二のノードまたは第二のインダクタの第二のノードのうちの一方との間で、接続が、なされている。プラズマ処理システムは、プラズマがプラズマチャンバー内にあるときにプラズマ負荷の電圧の所望の波形を達成するようにスイッチおよび電圧源を制御する手段も備えている。
【0010】
さらに別の態様は、プラズマチャンバーおよびバイアス供給装置を備えたプラズマ処理システムとして特徴付けられ得る。プラズマ処理チャンバーは、プラズマを含むためのボリュームと、入力ノードと、リターンノードとを備え、バイアス供給装置は、スイッチ、変換器、および電圧源を備えている。変換器の一次巻線の第一のノードは、スイッチの第一のノードに結合され、変換器の二次巻線の第一のノードは、プラズマチャンバーの入力ノードに結合され、変換器の二次巻線の第二のノードは、リターンノードに結合されている。電圧源は、スイッチの第二のノードと変換器の一次巻線の第二のノードとの間に結合されている。プラズマ処理システムは、プラズマがプラズマチャンバー内にあるときにプラズマ負荷の電圧の所望の波形を達成するようにスイッチおよび電圧源を制御する手段も含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
(図面の簡単な説明)
図1図1は、本明細書に開示されるバイアス供給装置が利用され得る例示的プラズマ処理環境を描写したブロック図である。
【0012】
図2図2は、例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0013】
図3図3は、プラズマ処理チャンバーの態様を電気的に表した回路図である。
【0014】
図4図4は、図3中のプラズマ処理チャンバーと共に動作させられたときの図2中のバイアス供給装置の電気的態様のタイミングを描写したタイミング図である。
【0015】
図5A図5Aは、シース電圧対時間、および結果として生じるイオンフラックス対イオンエネルギーのグラフ描写である。
【0016】
図5B図5Bは、図5Aに描写されたシース電圧を生成し得る周期的電圧波形のグラフである。
【0017】
図6A図6Aは、別のシース電圧、および結果として生じるイオンフラックス対イオンエネルギーを描写している。
【0018】
図6B図6Bは、図6Aに描写されたシース電圧を生成し得る周期的電圧波形のグラフである。
【0019】
図7A図7Aは、さらに別のシース電圧、および結果として生じるイオンフラックス対イオンエネルギーを描写している。
【0020】
図7B図7Bは、図7Aに描写されたシース電圧を生成し得る周期的電圧波形のグラフである。
【0021】
図8図8は、図2のバイアス供給装置によって印加され得る周期的電圧波形と、それに対応するシース電圧とを描写したグラフを含む。
【0022】
図9図9は、図2のバイアス供給装置によって印加され得る別の周期的電圧波形と、それに対応するシース電圧とを描写したグラフを含む。
【0023】
図10図10は、図2のバイアス供給装置によって印加され得る別の周期的電圧波形と、それに対応するシース電圧とを描写したグラフを含む。
【0024】
図11図11は、別の例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0025】
図12図12は、図11のバイアス供給装置によって印加され得る周期的電圧波形と、それに対応するシース電圧とを描写したグラフを含む。
【0026】
図13図13は、図11のバイアス供給装置によって印加され得る別の周期的電圧波形と、それに対応するシース電圧とを描写したグラフを含む。
【0027】
図14図14は、図11のバイアス供給装置によって印加され得るさらに別の周期的電圧波形と、それに対応するシース電圧とを描写したグラフを含む。
【0028】
図15A図15Aは、いくつかの実施形態に関して詳しく検討され得る方法を描写したフローチャートである。
【0029】
図15B図15Bは、いくつかの実施形態に関して詳しく検討され得る別の方法を描写したフローチャートである。
【0030】
図16A図16Aは、例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0031】
図16B図16Bは、別の例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0032】
図16C図16Cは、別の例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0033】
図16D図16Dは、別の例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0034】
図16E図16Eは、別の例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0035】
図16F図16Fは、別の例示的バイアス供給装置を描写した回路図である。
【0036】
図17図17は、本明細書に開示される制御を実装するために利用され得るコンポーネントを描写したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(詳細な説明)
本明細書において、「例示的(exemplary)」という用語は、「例(example、instance)または例示(illustration)として役立つ」を意味するように使用される。本明細書中で「例示的」と記載される任意の実施形態は、他の実施形態より好ましい、または有利であると必ずしも解釈されない。
【0038】
予備的留意事項として、以下の図面中のフローチャートおよびブロック図は、様々な実施形態に従ったシステム、方法およびプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性および動作を例示している。これに関して、これらのフローチャートまたはブロック図におけるいくつかのブロックは、指定された論理機能(単数または複数)を実装するための1つ以上の実行可能な命令を備えたモジュール、セグメント、またはコードの一部を表し得る。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに記された機能が図面に記された順序を守らずに行われ得ることにも、留意されたい。例えば、連続的に示された2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行され得、または、ブロックは、含まれる機能性に依存して、ときに逆順序で実行され得る。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロックと、ブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせとが、指定された機能もしくは行為を実施する専用のハードウェアベースのシステム、または、専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実装されることができることにも、留意されたい。
【0039】
本開示の目的に関して、ソースジェネレータは、そのエネルギーが主にプラズマを発生させそれを維持することに向けられたものであり、一方、「バイアス供給装置」は、そのエネルギーがプラズマからのイオンおよび電子を引き寄せるための表面電位を発生させることに主に向けられたものである。
【0040】
新規のバイアス供給装置のいくつかの実施形態が、本明細書に記載され、それらは、プラズマ処理チャンバー内の基板支持体に周期的電圧関数を印加するために使用され得る。
【0041】
まず図1を参照すると、バイアス供給装置が利用され得る例示的プラズマ処理環境(例えば、成膜またはエッチングシステム)が、示されている。プラズマ処理環境は、プラズマチャンバー101に直接、および間接的に結合された多くの機器を含み得、プラズマチャンバー101の中に、プラズマ102と、ワークピース103(例えばウェハ)とを含むボリュームが、含まれている。機器は、真空取扱機器およびガス配送機器(示されていない)と、1つ以上のバイアス供給装置108と、1つ以上のソースジェネレータ112と、1つ以上のソースマッチングネットワーク113とを含み得る。多くの用途では、単一のソースジェネレータ112からの電力が、1つ以上のソース電極105に接続されている。ソースジェネレータ112は、比較的高い周波数のRFジェネレータ(例えば、13.56MHz~120MHz)であり得る。一般に、電極105は、誘導結合プラズマ(ICP)源、別のRF周波数でバイアスされた二次上側電極を有するデュアル容量結合プラズマ源(CCP)、ヘリコンプラズマ源、マイクロ波プラズマ源、マグネトロン、または独立に動作させられる他のなんらかのプラズマエネルギーの源を伴って実装され得るものを表している。
【0042】
図1に描写されたシステムの変形例では、ソースジェネレータ112およびソースマッチングネットワーク113は、リモートプラズマ源に置換され得るか、またはリモートプラズマ源で増補され得る。システムの他の変形例は、単一のバイアス供給装置108のみを含み得る。
【0043】
以下の開示は概してプラズマベースのウェハ処理に言及するが、実装形態は、プラズマチャンバー内での任意の基板処理を含むことができる。いくつかの例では、本明細書に開示されるシステム、方法及び装置を使用して、基板以外の物体が、処理されることができる。言い換えれば、本開示は、大気圧より低圧のプラズマ処理チャンバー内での任意の物体のプラズマ処理を対象とし、物理的または化学的手段による表面の変更、表面下の変更、成膜または除去に影響を及ぼす。
【0044】
図2を参照すると、周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置208が、示されている。示されているように、バイアス供給装置208は、出力210(出力ノード210とも称される)と、スイッチ220と、電圧源230とを含む。加えて、第一のインダクタ240が、スイッチと出力との間に結合され、第二のインダクタ250が、電圧源と出力との間に結合されている。制御装置260も、示されており、制御装置260は、本明細書にさらに記載されるように、スイッチ220を開閉し、出力において電圧を生成するように構成されている。例えば、制御装置260は、出力210(出力ノード210とも称される)と接地接続270(リターンノード270とも称される)との間での周期的電圧の印加を引き起こすように構成され得、それは、スイッチを通した電流がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するのに十分なだけの長い時間にわたってスイッチを閉鎖することを繰り返し行うことによって行われる。出力210を通して負荷に配送された電流は、負荷と共通の接地接続270を通してバイアス供給装置208に返される。
【0045】
図3を簡潔に参照すると、プラズマチャンバー101内のプラズマ負荷の態様を電気的に描写した回路図が、示されている。示されているように、プラズマチャンバー101は、チャック静電容量Cch(チャックおよびワークピース103の静電容量を含む)によって表され得、プラズマチャンバー101は、プラズマチャンバー101への入力310(入力ノード310とも称される)と、基板の表面における電圧V(本明細書ではシース電圧とも称される)を表すノードとの間に位置付けられている。加えて、リターンノード307(接地への接続であり得る)が、描写されている。処理チャンバー内のプラズマ102は、シース静電容量Cと、ダイオードと、電流源との並列組み合わせによって表される。ダイオードは、非線形のダイオードのようなプラズマシースの性質を表し、プラズマシースは、印加されたAC電界の整流をもたらし、それによって、直流(DC)電圧降下が、ワークピース103とプラズマ102との間に現れる。
【0046】
再び図2を参照して、スイッチ220は、(多くの電界効果スイッチのように)ボディダイオードを含み、ボディダイオードは、スイッチがオン状態であるように制御されていないときでも逆電流を可能にする。本出願人は、スイッチ220が(ボディダイオードのおかげで)スイッチを通した電流の第一の反転中にいつでもオフにされることができる(従って、制御のタイミング臨界を低減させることができる)という利点において、ボディダイオードが使用され得ることを見出した。他のタイプのスイッチが使用され得るが、スイッチは、炭化ケイ素金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(SiC MOSFET)によって具体化され得る。制御装置からの駆動信号211が電気的または光学的であり得ることが、認識されるべきである。本明細書に開示された(例えば、図11および図16A~16F中の)他のバイアス供給装置に描写されたスイッチもボディダイオードを含み得ること、および、他のバイアス供給装置のそれらのスイッチが駆動信号211によって駆動され得ることも、理解されるべきである。
【0047】
図4を参照すると、イオン電流Iイオンが適切に補償されているときのバイアス供給装置208およびプラズマ処理チャンバー101の電気的態様を描写した波形が、示されており、それは、第二のインダクタLを通した電流iL2がイオン電流Iイオンに等しいときに起こる。本開示のある態様は、Lを通した電流iL2がイオン電流Iイオンに等しくあるようにどのように調整するかという問題に対処する。図4に示されているように、スイッチ220(本明細書ではスイッチSとも称される)は、第一のインダクタ240を通した(従って、スイッチ220を通した)電流がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するように制御され得る。電流サイクルの前半における電流iL2のピーク値は電流サイクルの後半における電流iL2のピーク値と異なり得ることが、認識されるべきである。制御装置260は、電圧源230の電圧と繰り返されるスイッチ閉鎖間の時間とを調整し、Vにおける所望の周期的電圧を達成するようにも構成され得る。
【0048】
図5A図7Bを簡潔に参照すると、プラズマチャンバー101内のイオンエネルギーの分布に対するイオン電流補償の効果を理解するために有用な背景資料が、描写されている。まず、IL2=Iイオンである動作のモードにおける図5Aおよび図5Bへの参照が、なされる。図5Aに示されているように、シース電圧がパルス間で実質的に一定であるとき、実質的に単一エネルギーのイオンエネルギー分布関数を生成するために、対応するイオンエネルギーの分散570は、比較的狭い。図5Aにおけるシース電圧を生成するためにバイアス供給装置108によって印加され得る非対称周期的電圧関数が、図5Bに示されている。
【0049】
図6Aおよび図6Bを参照すると、補償不足のイオン電流に関連付けられたシース電圧、イオンフラックス、および非対称周期的電圧波形(バイアス供給装置によって出力される)の態様が、示されている。図6Aに示されているように、イオン電流Iイオンが保証不足であるとき、シース電圧は、傾斜状の挙動においてあまり負でなくなり、イオンエネルギーのより広い分散672を生成する。図6Aに描写されたシース電圧を実現するために基板支持体に印加され得る周期的電圧が、図6Bに示されている。示されているように、周期的電圧波形の負の傾斜状部分は、図5Bの周期電圧波形の傾斜状部分(図6B中では破線として示されている)より低い傾きを伴って降下する。そのようなイオンエネルギーの分散672が故意に行われ得ることに留意されたい。
【0050】
図7Aおよび図7Bは、過補償のイオン電流に関連付けられたシース電圧、イオンフラックス、および非対称周期的電圧波形(バイアス供給装置によって出力される)の態様を描写している。図7Aに示されているように、イオン電流が過補償であるとき、シース電圧は、傾斜状の挙動においてより負になり、イオンエネルギーのより広い分散774も生成する。図7Aに描写されたシース電圧を実現するために基板支持体に印加され得る周期的電圧波形が、図7Bに示されている。示されているように、周期的電圧関数の負の傾斜状部分は、イオン電流を補償する周期電圧波形の傾斜状部分(点線として示されている)より大きな率で降下する。そのようなイオンエネルギーの分散774は、故意になされ得、それは、所望され得る。
【0051】
図2図3および図4に戻ってそれらを参照すると、本出願人は、バイアス供給装置の出力Vにおいて印加される周期的電圧のパルス繰り返し率を制御することによって、Lを通した電流iL2が(従って補償電流が)制御され得ることを見出した。そして、パルス繰り返し率は、スイッチの開閉のタイミングによって制御され得る。本出願人は、一回のスイッチオンの後、次のオンまでの時間が修正された場合に何が起こるかを検証した。例えば、本出願人は、スイッチSの二回目のオンがわずかに早く起こり、スイッチがオンである期間の間にVが定数である場合、印加される電圧Vに何が起こるかを検討した。この場合、二回目のオンは同じ初期条件を伴って開始するので、印加される電圧Vの第二の電圧パルスの形状は、同じはずである。ここで、パルス間の時間はより短く、印加される電圧Vの平均はより高いので、従って、Lを通した電流は、増大するはずである。iL2の増大は、印加される電圧Vの下方傾きを増大させ、第二のパルスの大きさをさらに増大させる。従って、パルス繰り返し率を増大させることは、イオン電流補償を増大させるハンドルである。これは、図8~10が示しているように、シミュレーションを通して確認されている。
【0052】
図8を参照すると、それは、図3に示されたような負荷に接続された図2の回路に関するバイアス供給装置の出力電圧Vおよびシース電圧Vを描写したグラフであり、図8では、電圧源230Vが5kVのDC電圧を提供し、300kHzにおけるVのパルス繰り返し率を提供するようにスイッチが開閉されるとき、L=3μH、L=4mH、Cch=1.5nF、C=1nF、およびIイオン=3Aである。イオン電流は補償不足であるので、これらのパラメータを伴って回路を動作させることは、-5kVの初期シース電圧Vが-2.6kVに上昇することをもたらす。図2に示されているように、スイッチ閉鎖の繰り返し率は、Vのパルス繰り返し率と同じであり得、スイッチを閉鎖することは、スイッチを通した電流IL1がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するのに十分なだけの長い時間にわたって行われ得る。Vにおける周期的電圧のサイクル中、電流IL2が実質的に一定であり得ることも、認識されるべきである。
【0053】
次に図9を参照すると、バイアス供給装置の出力電圧Vおよびシース電圧Vを描写したグラフが、示されており、それは、電圧源230Vが4.5kVのDC電圧を提供し、650kHzのパルス繰り返し率を提供するようにスイッチが開閉されることを除いて、図8と同じパラメータを伴う。イオン電流が正確に補償されるので、これらのパラメータを伴ってバイアス供給装置を動作させることは、-5kVの一定のシース電圧をもたらす。
【0054】
図10を参照すると、バイアス供給装置の出力電圧Vおよびシース電圧Vを描写したグラフが、示されており、それは、電圧源Vが4.25kVに等しいDC電圧を提供し、800kHzのパルス繰り返し率を伴うVを提供するようにスイッチが開閉されることを除いて、図8と同じパラメータを伴う。イオン電流が過補償であるので、これらのパラメータを伴って回路を動作させることは、-5kVの初期シース電圧が-5.25kVに減少することをもたらす。
【0055】
次に図11を参照すると、周期的電圧関数を出力1110(出力ノード1110とも称される)に結合する変換器1160を含むバイアス供給装置の回路の回路図が、示されている。示されているように、バイアス供給装置は、電圧源1130と、スイッチ1120および変換器1160に結合されたインダクタ1140とを含む。制御装置1150は、スイッチに結合され、制御装置は、スイッチを開閉し、出力において非対称電圧を生成するように構成されている。インダクタ1140は、別個のインダクタであり得るか、または変換器1160の漏洩インダクタンスの一部であり得る。シミュレーションの目的のために、変換器は、2つの完全に結合されたインダクタとしてモデル化される。変換器の巻線間の寄生容量は、Cによってモデル化される。
【0056】
図12は、図3に示されたような負荷に接続された図11の回路に関するバイアス供給装置出力電圧Vおよびシース電圧Vを描写したグラフであり、図12では、図11のバイアス供給装置の電圧源が422VDCを印加し、制御装置がスイッチを開閉し、出力において300kHzのパルス繰り返し率を伴う周期的電圧を生成するとき、L=50nH、Lp=56μH、L=5.6mH、C=1.26nF、Cch=1.5nF、C=1nF、およびIイオン=3Aである。イオン電流が補償不足であるので、これらのパラメータを伴ってバイアス供給装置を動作させることは、-5kVの初期シース電圧が-2.8kVに増大することをもたらす。
【0057】
図13は、バイアス供給装置の出力電圧Vおよびシース電圧Vを描写したグラフであり、それは、図11のバイアス供給装置の電圧源が281VDCを印加し、制御装置がスイッチを開閉し、出力において775kHzのパルス繰り返し率を伴う周期的電圧を生成することを除いて、図12と同じパラメータを伴う。イオン電流が正確に補償されるので、これらのパラメータを伴って回路を動作させることは、-5kVの一定のシース電圧をもたらす。
【0058】
図14は、バイアス供給装置の出力電圧Vおよびシース電圧Vを描写したグラフであり、それは、図11のバイアス供給装置の電圧源が212VDCを印加し、制御装置がスイッチを開閉し、出力において1MHzのパルス繰り返し率を伴う周期的電圧を生成することを除いて、図12と同じパラメータを伴う。イオン電流が過補償であるので、これらのパラメータを伴って回路を動作させることは、-5kVの初期シース電圧が-5.24kVに減少することをもたらす。
【0059】
次に図15Aを参照すると、本明細書に開示される実施形態に関して(例えば、図16A~16Dに関して)詳しく検討され得る方法を描写したフローチャートが、示されている。示されているように、第一のインダクタ(本明細書では小型誘導素子とも称される)の第一のノードが、スイッチの第一のノードに接続され、小型誘導素子の第二のノードが、出力ノードに接続され、容量結合プラズマ負荷が、出力ノードとリターンノードとの間に接続される(ブロック1510)。第一のインダクタ(大型誘導素子とも称される)の第一のノードは、小型誘導素子のいずれかのノードに接続され得る(ブロック1520)。示されているように、電圧源が、スイッチの第二のノードと大型誘導素子の第二のノードとの間に接続され、電圧源のいずれかのノードが、リターンノードに接続される(ブロック1530)。動作時、スイッチは、スイッチを通した電流がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するのに十分なだけの長い時間にわたって閉鎖することを繰り返し行われる(ブロック1540)。加えて、電圧源の電圧と繰り返されるスイッチ閉鎖間の時間との各々は、プラズマ負荷の電圧の所望の波形を達成するように調整され得る(ブロック1550)。例えば、所望の波形は、(例えば、図5Aに示されたような)イオンエネルギーの狭い分布、または(例えば、図6Aおよび図7Aに示されたような)イオンエネルギーのより広い分布を達成するシース電圧であり得る。
【0060】
図15Bは、本明細書に開示される実施形態に関して(例えば、図16Eおよび図16Fに関して)詳しく検討され得る方法を描写した別のフローチャートである。示されているように、変換器の一次巻線の第一のノードが、スイッチの第一のノードに接続され、変換器の二次巻線の第一のノードが、出力ノードに接続され、容量結合プラズマ負荷が、出力ノードと変換器の二次の第二のノードとの間に接続される(ブロック1511)。加えて、電圧源が、スイッチの第二のノードと変換器の一次巻線の第二のノードとの間に接続される(ブロック1521)。動作時、スイッチは、スイッチを通した電流がフルサイクル(ゼロからピーク値に進み、ゼロに戻り、逆方向のピーク値に進み、ゼロに戻る)を完了するのに十分なだけの長い時間にわたって閉鎖される(ブロック1531)。加えて、電圧源の電圧と繰り返されるスイッチ閉鎖間の時間との各々は、プラズマ負荷の電圧の所望の波形を達成するように調整され得る(ブロック1541)。例えば、上で検討されたように、所望の波形は、(例えば、図5Aに示されたような)イオンエネルギーの狭い分布、または(例えば、図6Aおよび図7Aに示されたような)イオンエネルギーのより広い分布を達成するシース電圧であり得る。
【0061】
図16Aを参照すると、容量結合プラズマ負荷1602(プラズマチャンバー、例えばプラズマチャンバー101に伴って存在している)に周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置1601が、示されている。バイアス供給装置1601の出力ノード1604は、プラズマ負荷1602の入力ノード1605に接続し、バイアス供給装置1601のリターンノード1606は、プラズマチャンバー101のリターンノード1607に接続している。リターンノード1606および1607は、バイアス供給装置およびプラズマ負荷の両方のシャーシまたはエンクロージャを通して頻繁に行われ、これらは典型的に接地電位に保たれるので、典型的に、接地、シャーシ接地、またはアース接地とも称される。示されているように、バイアス供給装置1601は、電圧源としてDC供給装置1603を利用し、DC供給装置の正出力端子は、接地に接続され、大型インダクタL2は、小型インダクタL1の負荷側に接続されている。
【0062】
示されているように、第一のインダクタL1が、スイッチSの第一のノード1670と出力ノード1604との間に結合され、第二のインダクタL2の第一のノード1672が、出力ノード1604に結合されている。電圧源は、スイッチSの第二のノード1674と第二のインダクタL2の第二のノード1676との間に結合されている。そして、リターンノード1606とスイッチSの第二のノード1674との間で、接続が、なされている。
【0063】
図16Bを参照すると、容量結合プラズマ負荷1612に周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置1611が、示されている。示されているように、バイアス供給装置1611は、DC供給装置1613を利用し、DC供給装置1613の負出力端子は、接地に接続され、大型インダクタLは、小型インダクタLの負荷側に接続されている。示されているように、第一のインダクタL1が、スイッチSの第一のノード1670と出力ノード1604との間に結合され、第二のインダクタL2の第一のノード1672が、出力ノード1604に結合されている。電圧源は、スイッチSの第二のノード1674と第二のインダクタL2の第二のノード1676との間に結合され、リターンノード1606と第二のインダクタL2の第二のノード1676との間で、接続が、なされている。
【0064】
図16Cを参照すると、容量結合プラズマ負荷1622に周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置1621が、示されている。示されているように、バイアス供給装置1621は、DC供給装置1623を利用し、DC供給装置1623の正出力端子は、接地に接続され、大型インダクタLは、小型インダクタLのスイッチ側に接続されている。示されているように、第一のインダクタL1が、スイッチSの第一のノード1670と出力ノード1604との間に結合されている。そして、第二のインダクタL2の第一のノード1672が、スイッチSの第一のノード1670に結合されている。電圧源は、スイッチSの第二のノード1674と第二のインダクタL2の第二のノード1676との間に結合され、リターンノード1606とスイッチSの第二のノード1674との間で、接続が、なされている。
【0065】
図16Dを参照すると、容量結合プラズマ負荷1632に周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置1631が、示されている。示されているように、バイアス供給装置1631は、DC供給装置1633を利用し、DC供給装置1633の負出力端子は、接地に接続され、大型インダクタLは、小型インダクタLのスイッチ側に接続されている。示されているように、第一のインダクタL1が、スイッチSの第一のノード1670と出力ノード1604との間に結合されている。そして、第二のインダクタL2の第一のノード1672が、スイッチSの第一のノード1670に結合されている。電圧源は、スイッチSの第二のノード1674と第二のインダクタL2の第二のノード1676との間に結合されている。示されているように、リターンノード1606と第二のインダクタL2の第二のノード1676との間で、接続が、なされている。
【0066】
図16Eを参照すると、容量結合プラズマ負荷1642に周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置1641が、示されている。示されているように、バイアス供給装置1641は、(電圧源として)DC供給装置1643を利用し、DC供給装置1643の正出力端子は、接地に接続され、プラズマ負荷1642に接続するために、変換器1644が、使用される。変換器は、一次巻線(LLPおよびLで表される)と二次巻線(LおよびLLSで表される)とを含む。変換器の一次巻線の第一のノード1680は、スイッチSの第一のノード1670に結合されている。変換器の二次巻線の第一のノード1682は、出力ノード1604に結合されている。そして、変換器の二次巻線の第二のノード1684は、リターンノード1606に結合されている。DC供給装置1643(電圧源)は、スイッチSの第二のノード1674と変換器の一次巻線の第二のノード1686との間に結合されている。
【0067】
図16Fを参照すると、容量結合プラズマ負荷1652に周期的電圧関数を印加するための例示的バイアス供給装置1651が、示されている。示されているように、バイアス供給装置1651は、電圧源としてDC供給装置1653を利用し、DC供給装置1653の負出力端子は、接地に接続され、負荷に接続するために、変換器1654が、使用される。図16Eおよび図16Fの両方におけるバイアス供給装置1641、1651は、変換器を含む。そして、示されているように、変換器の一次巻線の第一のノードは、スイッチの第一のノードに結合され、変換器の二次巻線の第一のノードは、出力ノードに結合され、変換器の二次巻線の第二のノードは、リターンノードに結合されている。変換器は、一次巻線(LLPおよびLで表される)と二次巻線(LおよびLLSで表される)とを含む。変換器の一次巻線の第一のノード1680は、スイッチSの第一のノード1670に結合されている。変換器の二次巻線の第一のノード1682は、出力ノード1604に結合されている。そして、変換器の二次巻線の第二のノード1684は、リターンノード1606に結合されている。DC供給装置1643(電圧源)は、スイッチSの第二のノード1674と変換器の一次巻線の第二のノード1686との間に結合されている。示されているように、変換器の一次巻線の第二のノード1686は、リターンノード1607に結合するように構成されている。
【0068】
本明細書に開示される実施形態に関して記載される方法は、ハードウェアにおいて直接具体化され得、非一時的有形プロセッサ読み取り可能な記憶媒体内でエンコードされたプロセッサ実行可能なコードにおいて具体化され得るか、またはそれら2つの組み合わせにおいて具体化され得る。例えば、図17を参照すると、本明細書に開示される制御態様を具体化するために利用され得る物理コンポーネントを描写したブロック図が、示されている。示されているように、この実施形態では、ディスプレイ1312および不揮発性メモリ1320が、バス1322に結合され、バス1322は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)1324と、(N個の処理コンポーネントを含む)処理部分1326と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)1327と、N個の送受信機を含む送受信機コンポーネント1328とにも結合されている。図17に描写されたコンポーネントは物理コンポーネントを表しているが、図17は、詳細なハードウェア図であることを意図されておらず、従って、図17に描写されたコンポーネントの多くは、共通の構成物によって具体化され得るか、または追加の物理コンポーネント間で分散され得る。さらに、図17を参照して記載される機能コンポーネントを実装するために、他の既存および未だ開発段階の物理コンポーネントおよびアーキテクチャが利用され得ることが、企図されている。
【0069】
一般に、このディスプレイ1312は、ユーザインターフェースをユーザに提供するように動作し、いくつかの実装形態では、ディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイによって具体化される。一般に、不揮発性メモリ1320は、データと、機械実行可能なコード(本明細書に記載の方法を実現することに関連付けられた実行可能なコードを含む)とを格納する(例えば、永続的に格納する)ように機能する非一時的メモリである。例えば、いくつかの実施形態では、不揮発性メモリ1320は、単一制御型スイッチで基板をバイアスする方法の実行を促進するためのブートローダコード、オペレーティングシステムコード、ファイルシステムコード、および非一時的プロセッサ実行可能なコードを含む。
【0070】
多くの実装形態では、不揮発性メモリ1320はフラッシュメモリ(例えば、NANDまたはONENANDメモリ)によって具体化されるが、他のメモリタイプも同様に利用され得ることが、企図されている。不揮発性メモリ1320からのコードを実行することが可能であり得るが、不揮発性メモリにおける実行可能なコードは、典型的に、RAM1324に読み込まれ、処理部分1326におけるN個の処理コンポーネントのうちの1つ以上によって実行される。
【0071】
一般に、RAM1324に関するN個の処理コンポーネントは、不揮発性メモリ1320に格納された命令を実行するように動作し、本明細書に開示されるアルゴリズムおよび機能の実行を可能にする。いくつかのアルゴリズムが本明細書に開示されているが、これらのアルゴリズムのうちのいくつかはフローチャートに表されていないことが、認識されるべきである。本明細書に記載の方法を実現するためのプロセッサ実行可能なコードは、不揮発性メモリ1320に永続的に格納され得、RAM1324に関するN個の処理コンポーネントによって実行され得る。当業者が理解するように、処理部分1326は、ビデオプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、グラフィックス処理ユニット(GPU)、または他のハードウェア処理コンポーネント、もしくはハードウェアコンポーネントとソフトウェア処理コンポーネントとの組み合わせ(例えば、FPGA、もしくはデジタルロジック処理部分を含むFPGA)を含み得る。
【0072】
加えて、または代替において、非一時的FPGA構成命令が、不揮発性メモリ1320に永続的に格納され得、(例えば、起動中に)アクセスされ得、本明細書に開示されるアルゴリズム(例えば、限定されないが、図15Aおよび図15Bを参照して記載されたアルゴリズムを含む)を実装するためのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を構成し得る。
【0073】
入力コンポーネント1330は、信号(例えば、開示されるバイアス供給装置の出力において取得される電流および電圧を示す信号)を受信し得る。加えて、入力コンポーネント1330は、バイアス供給装置108とソースジェネレータ112との間で位相情報および/または同期信号を受信し得、位相情報および/または同期信号は、プラズマ処理チャンバー101内の環境、および/またはソースジェネレータと単一スイッチバイアス供給装置との間の同期制御の1つ以上の態様を示す。入力コンポーネントにおいて受信される信号は、例えば、同期信号、様々な発生器および給電ユニットへの電力制御信号、またはユーザインターフェースからの制御信号を含み得る。当業者は、方向性結合器および電圧-電流(VI)センサなど(限定を伴わない)の多様なタイプのセンサのうちの任意のものが電圧および電流などの電力パラメータをサンプリングするために使用され得ることと、電力パラメータを示す信号がアナログドメインにおいて発生させられ得、デジタルドメインに変換され得ることとを直ちに理解するであろう。
【0074】
一般に、出力コンポーネントは、1つ以上のアナログまたはデジタル信号を提供し、本明細書に記載のスイッチの開閉および電圧源の制御を実現するように動作する。
【0075】
描写された送受信機コンポーネント1328は、無線または有線ネットワークを介して外部デバイスと通信するために使用され得るN個の送受信機チェーンを含む。N個の送受信機チェーンの各々は、特定の通信方式(例えば、WiFi(登録商標)、Ethernet(登録商標)、Profibusなど)に関連付けられた送受信機を表し得る。
【0076】
当業者に理解されるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具体化され得る。従って、本開示の態様は、完全ハードウェアの実施形態、完全ソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態をとり得、それらは全て、概して本明細書中で「回路」、「モジュール」または「システム」と称され得る。さらに、本開示の態様は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体(単数または複数)において具体化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体は、その上に具体化されたコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを有する。
【0077】
本明細書中で使用される場合、「A、BまたはCのうちの少なくとも1つ」の記載は、「A、B、Cのいずれか、またはA、BおよびCの任意の組み合わせ」を意味することを意図されている。開示される実施形態の先の記載は、任意の当業者が本開示を作製または使用することを可能にするように提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には直ちに明らかであり、本明細書中で画定される一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。従って、本開示は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されておらず、本明細書に開示される原理および新規特徴と整合する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0078】
開示される実施形態の先の記載は、任意の当業者が本発明を作製または使用することを可能にするように提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には直ちに明らかであり、本明細書中で画定される一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。従って、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されておらず、本明細書に開示される原理および新規特徴と整合する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17
【国際調査報告】