(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】プリズム及びマルチビームレーザーレーダー
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20220913BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G02B26/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502063
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 CN2021077794
(87)【国際公開番号】W WO2021175141
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】202010146628.8
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522013326
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲レイ▼神智能系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEISHEN INTELLIGENT SYSTEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】4th Floor, No. 1 Commercial Building, Cultural Center, Bogang Road, Bogang Community, Shajing Street, Bao’an District Shenzhen, Guangdong 518104 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】胡小波
(72)【発明者】
【氏名】白芳
【テーマコード(参考)】
2H045
5J084
【Fターム(参考)】
2H045AA02
2H045AA03
2H045BA02
2H045BA22
2H045BA23
2H045CA82
2H045DA02
5J084AA05
5J084AC02
5J084BA04
5J084BA07
5J084BA35
5J084BA36
5J084BA38
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5J084BB02
5J084BB04
5J084BB11
5J084BB13
5J084EA07
(57)【要約】
本願の実施例は、走査回転軸の回りに設置された少なくとも3つの側面を含み、そのうちの少なくとも2つの側面が反射面であり、その全ての反射面のうち、少なくとも2つの反射面と回転プリズムの走査回転軸との間の夾角が異なる回転プリズムと、走査回転軸の回りに回転するように回転プリズムを駆動する回転機構と、それぞれ回転プリズムの両側に位置し、且つ前記走査回転軸に対して非対称設置されており、それらのレーザー出射面の間の夾角が180度より小さいことで、回転プリズムが走査回転軸の回りに転動する時に少なくとも2つの方位に対応する走査範囲を形成する2組の受光発光コンポーネントとを含むマルチビームレーザーレーダー及び自律走行車を開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査回転軸の回りに設置された少なくとも3つの側面を含み、そのうちの少なくとも2つの前記側面が反射面であり、その全ての反射面のうち、少なくとも2つの前記反射面とその走査回転軸との間の夾角が異なる回転プリズムと、
前記走査回転軸の回りに回転するように前記回転プリズムを駆動する回転機構と、
それぞれ前記回転プリズムの両側に位置し、且つ前記走査回転軸に対して非対称設置されており、それらのレーザー出射面の間の夾角が180度より小さいことで、前記回転機構が前記走査回転軸の回りに転動するように前記回転プリズムを駆動する時に少なくとも2つの方位に対応する走査範囲を形成する2組の受光発光コンポーネントとを含むマルチビームレーザーレーダー。
【請求項2】
2組の前記受光発光コンポーネントの中心と前記回転プリズムの中心との連結線の夾角が180°より小さいことを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項3】
2組の前記受光発光コンポーネントの形成した走査範囲は水平方向において重畳しなく、又は部分的に重畳することを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項4】
2組の前記受光発光コンポーネントは、前記回転プリズムが回転する時に第1走査範囲を形成する第1受光発光コンポーネントと、前記回転プリズムが回転する時に第2走査範囲を形成する第2受光発光コンポーネントとを含み、
前記第1受光発光コンポーネントの前記第1走査範囲での垂直走査分解能が前記第2受光発光コンポーネントの前記第2走査範囲での垂直走査分解能より大きく、
前記回転プリズムの走査回転軸と平行する方向が垂直方向であることを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項5】
前記第1受光発光コンポーネントと前記第2受光発光コンポーネントは異なるパルス周波数を有することを特徴とする請求項4に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項6】
前記第1走査範囲の水平角が0°~180°であり、前記第2走査範囲の水平角が0°~180°であることを特徴とする請求項4に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項7】
前記受光発光コンポーネントの数量が2より大きいことを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項8】
各組の前記受光発光コンポーネントは少なくとも1つのレーザー照射ユニットと少なくとも1つのレーザー受光ユニットを含み、前記レーザー照射ユニットは複数のレーザー発生装置を含み、同一の前記レーザー照射ユニットにおける各前記レーザー発生装置の出射レーザー光にゼロでない夾角が存在し、同一の前記レーザー照射ユニットの複数のレーザー発生装置が同一の回路基板に集積されており、
前記レーザー受光ユニットは、それぞれ対応するレーザー発生装置の出射した、被検出目標によって反射したレーザー光を受光する複数の光電検出器を含み、同一の前記レーザー受光ユニットの複数の光電検出器が同一の回路基板に集積されていることを特徴とする請求項1又は4に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項9】
同一の前記レーザー照射ユニットにおける各前記レーザー発生装置の出射レーザー光は発散状態で並べられ、又は集光状態で並べられていることを特徴とする請求項8に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項10】
前記レーザー照射ユニットの複数のレーザー発生装置の全ての出射レーザー光が同一の出射平面にあり、前記レーザー照射ユニットの複数のレーザー発生装置の各出射レーザー光の照射仰角が異なることを特徴とする請求項8に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項11】
前記レーザー照射ユニットにおける複数のレーザー発生装置がシングルユニットで並べられている時に、同一グループにおける前記レーザー受光ユニットにおける複数の光電検出器がシングルユニットで並べられ、前記レーザー照射ユニットにおける複数のレーザー発生装置がマルチユニットで並べられている時に、同一グループにおける前記レーザー受光ユニットにおける複数の光電検出器がマルチユニットで並べられ、各組の前記レーザー照射ユニットは少なくとも2つの前記レーザー発生装置を含み、各組の前記レーザー受光ユニットは少なくとも2つの前記光電検出器を含むことを特徴とする請求項8に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項12】
各組の前記受光発光コンポーネントの前記レーザー照射ユニットと前記レーザー受光ユニットとが1つのモジュールに集積されていることを特徴とする請求項8に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項13】
各組の前記受光発光コンポーネントは、前記レーザー照射ユニットと前記回転プリズムとの間に設置されており、前記レーザー照射ユニットの照射したレーザー光をアライメントしてから前記回転プリズムの反射面へ照射する1つの照射レンズモジュールと、前記レーザー受光ユニットと前記回転プリズムとの間に設置されており、前記回転プリズムの反射面の反射したレーザー光を集光させてから前記レーザー受光ユニットへ照射する1つの受光レンズモジュールとを更に含むことを特徴とする請求項8に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項14】
前記回転プリズムの全ての反射面と前記走査回転軸との夾角が0°以上且つ10°以下であることを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項15】
任意の前記反射面は、前記走査回転軸との夾角が隣接する2つの反射面と前記走査回転軸との夾角よりも同時に大きく、又は、隣接する2つの反射面と前記走査回転軸との夾角よりも同時に小さいことを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項16】
前記回転プリズムの少なくとも1つの反射面は、前記走査回転軸に沿って順次分布した少なくとも2つの反射領域を含み、各反射領域と前記走査回転軸との夾角が完全に同様なものではないことを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項17】
前記少なくとも2つの反射領域の数量が3以上の時に、前記回転プリズムの中央に位置する前記反射領域と前記走査回転軸との夾角が、前記回転プリズム両側に位置する前記反射領域と前記走査回転軸との夾角より大きいことを特徴とする請求項16に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項18】
前記回転プリズムの複数の前記側面が囲んで中空軸を形成し、前記回転機構が前記回転プリズムの中空軸内に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー
【請求項19】
前記回転プリズムに設置されており、前記回転プリズムの角度情報及び/又は前記回転機構の速度情報を検出、出力するエンコーダ、及び/又は、
前記回転機構、前記エンコーダ及び前記受光発光コンポーネントにおける前記レーザー照射ユニットと前記レーザー受光ユニットがそれぞれ接続されている主制御盤を更に含むことを特徴とする請求項8に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項20】
マルチビームレーザーレーダーであって、
筐体と、2組の前記受光発光コンポーネントの出射方向に対向して設置された2つのフィルター領域を備えるフィルターマスクとを更に含み、前記筐体と前記フィルターマスクが密閉外部ケースを形成して前記マルチビームレーザーレーダーを保護することを特徴とする請求項1に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項21】
2つの前記フィルター領域は円弧面構造であることを特徴とする請求項20に記載のマルチビームレーザーレーダー。
【請求項22】
自律走行モードを有する車両本体と、
前記車両本体の前部及び/又は後部の両側に設置された請求項1~21のいずれか一項に記載のマルチビームレーザーレーダーとを含む自律走行車。
【請求項23】
前記マルチビームレーザーレーダーが前記車両本体のライト内に設置されていることを特徴とする請求項22に記載の自律走行車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年3月5日に中国知識財産権局に提出された、出願番号が202010146628.8で、発明の名称が「マルチビームレーザーレーダー及び自律走行車」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
本願の実施例は、レーザーレーダーの技術に関し、特に、マルチビームレーザーレーダー及び自律走行車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザー技術の発達及び応用に伴い、レーザー走査技術は、測定、交通、運転補助及び移動ロボット等の分野で広く応用されてきている。レーザーレーダーは、目標の位置、速度、姿勢等の特徴量をレーザーによって検出するレーダーシステムであり、その基本的な原理は、先に目標へ検出用レーザー光を照射し、続いて目標から反射した信号を受信し、照射信号と受信信号の情報を比較することで、目標の距離、方位、高さ、速度、姿勢ないし形状等の情報を取得できることである。
【0003】
現在、応用場所によっては、レーザーレーダーの種々の性能パラメータ標準に対する要求が異なり、例えば、大きい測量範囲を必要とする場合もあるし、大視野範囲を必要とすると共に近距離でできる限り死角を無くす等を要求する場合もあるが、これらのパラメータ標準を同時に達成することは困難である。レーザーレーダーの多くの要素は互いに影響し、例えば、大視野範囲のレーザーレーダーは、角分解能が制約されることになり、高分解能は更にコスト、体積、デバッグ等に制約されることになり、それは高いコスト、大きい体積、複雑なデバッグ方式に繋がり、普及応用に不利である。
【発明の概要】
【0004】
本願の各種の実施例によれば、マルチビームレーザーレーダー及び自律走行車を提供する。
【0005】
第1態様では、本願の実施例は、
走査回転軸の回りに設置された少なくとも3つの側面を含み、そのうちの少なくとも2つの前記側面が反射面であり、その全ての反射面のうち、少なくとも2つの前記反射面と前記回転プリズムの走査回転軸との間の夾角が異なる回転プリズムと、
前記走査回転軸の回りに回転するように前記回転プリズムを駆動する回転機構と、
それぞれ前記回転プリズムの両側に位置し、且つ前記走査回転軸に対して非対称設置されており、それらのレーザー出射面の間の夾角が180度より小さいことで、前記回転機構が前記走査回転軸の回りに転動するように前記回転プリズムを駆動する時に少なくとも2つの方位に対応する走査範囲を形成する2組の受光発光コンポーネントとを含むマルチビームレーザーレーダーを提供する。
【0006】
第2態様では、本願の実施例は、更に、
自律走行モードを有する車両本体と、
前記車両本体の前部及び/又は後部の両側に設置された上記のいずれか一項に記載のマルチビームレーザーレーダーとを含む自律走行車を提供する。
【0007】
本願の1つ又は複数の実施例については下記の図面を参照しながら詳細に説明する。本願の他の特徴及びメリットは明細書、図面及び特許請求の範囲によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の記述に用いられる図面について簡単に説明するが、当然ながら、下記の図面は単に本願の実施例の一部であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の実施例の図面を得ることができる。
【0009】
【
図1】本願の実施例に係るマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図である。
【
図2】
図1に示すマルチビームレーザーレーダーの上面図である。
【
図3】本願の実施例に係る別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図である。
【
図4】本願の実施例におけるレーザー発生装置の出射状態の模式図である。
【
図5】本願の実施例におけるレーザー発生装置の出射状態の模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る更に別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る更に別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る更に別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図である。
【
図9】本願の実施例に係るフィルターマスクの構成の上面図である。
【
図10】本願の実施例に係るフィルターマスクの構成の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において本願の実施例を詳細に説明し、実施例の例示的な例を図面に示し、その中で、同じ又は類似的な符号は初めから終わりまで同じ又は類似的な素子或いは同じ又は類似的な機能を有する素子を表す。以下において図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本願を解釈することを目的とし、本願を限定するものと理解してはならない。
【0011】
本願の実施例で使用される用語は特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を限定する意図がない。注意として、本願の実施例に記載の「上」、「下」、「左」、「右」等の方位詞は図面に示す角度に応じて記載されるものであり、本願の実施例を限定するものと理解してはならない。また、本明細書においては、1つの素子が別の素子の「上」又は「下」に形成されると記載した時に、直接的に別の素子の「上」又は「下」に形成されていてもよいし、中間素子を介して間接的に別の素子の「上」又は「下」に形成されていてもよいことを理解されたい。用語の「第1」、「第2」等はただ説明するためのものに過ぎず、何らかの順序、数量又は重要性を意味することもなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な定義を理解してもよい。
【0012】
図1は本願の実施例に係るマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図を示し、
図2は
図1に示すマルチビームレーザーレーダーに対応する上面図である。
図1と
図2を参照すると、本実施例に係るマルチビームレーザーレーダーは回転プリズム10、回転機構30及び2組の受光発光コンポーネント20を含む。
図1と
図2に示すように、回転プリズム10は、頂面11、底面12及び頂面11と底面12との間に位置する少なくとも3つの側面13(
図1において4つの側面を例として解釈説明するが、本願を限定するものではない)を含み、少なくとも3つの側面13が走査回転軸の回りに設置されており、そのうちの少なくとも2つの側面13が反射面であり、回転プリズム10の全ての反射面のうち、少なくとも2つの反射面と回転プリズム10の走査回転軸との間の夾角が異なる。回転機構30は、走査回転軸の回りに回転するように回転プリズム10を駆動する。2組の受光発光コンポーネント20は、それぞれ回転プリズム10の両側に位置し、且つ走査回転軸に対して非対称設置されている。2組の受光発光コンポーネント20のレーザー出射面の間の夾角が180°より小さいことで、2組の受光発光コンポーネント20は異なる方位からレーザー光を照射して、同一の回転プリズム10の回転に伴って走査してから少なくとも2つの方位へ照射して対応する走査範囲を形成することができ、それによって、該レーザーレーダーを取り付けた自律体に対して少なくとも2つの方位の走査検出を可能にして、自律体の異なる方位にそれぞれ1つのレーザーレーダーを取り付ける必要がなく、コストが低く且つ構造が簡単なメリットを有する。他の実施例では、各部材の中心の位相位置関係を限定することによって2組の受光発光コンポーネント20の回転プリズム10に対する位置を説明してもよい。具体的には、2組の受光発光コンポーネント20の中心と回転プリズム10の中心との連結線が180°より小さい角αを形成する。各組の受光発光コンポーネント20は、回転プリズム10が走査回転軸の回りに転動する時に走査範囲を形成するレーザー照射ユニット21と、レーザー受光ユニット22とを含む。
【0013】
選択可能に、頂面11と底面12との間に位置する少なくとも3つの側面13が共に反射面であり、回転プリズム10の全ての反射面のうち、少なくとも2つの反射面と回転プリズム10の走査回転軸との間の夾角が異なる。頂面11と底面12との間に位置する少なくとも3つの側面13が全て反射面であるようにならない場合に比べて、回転プリズム10の反射面の数量を増加して、マルチビームレーザーレーダーのビーム数を更に拡張することができる。
【0014】
ここで、方位とは位置方向を指す。東、南、西、北は基本的な方位であり、東北、東南、西北、西南は中間方位である。1組の受光発光コンポーネント20の形成する走査範囲が少なくとも1つの方位をカバーするので、それぞれ回転プリズム10の両側に位置し、且つ走査回転軸に対して非対称設置され、それらのレーザー出射面の間の夾角が180度より小さい2組の受光発光コンポーネント20を設置することによって、回転機構30が走査回転軸の回りに転動するように回転プリズム10を駆動する時に、少なくとも2つの方位に対応する走査範囲を形成する。
【0015】
いくつかの実施例では、受光発光コンポーネント20の数量が2より大きく、各組の受光発光コンポーネント20は、それぞれ回転プリズム10の少なくとも両側に位置し、且つ走査回転軸に対して非対称設置されており、いずれか2組の受光発光コンポーネント20のレーザー出射面の間の夾角が180°より小さく、それによって、各組の受光発光コンポーネント20は異なる方位からレーザー光を照射して、幅広い水平走査角度を実現することができる。
【0016】
本実施例に係るマルチビームレーザーレーダーを自動運転車、自律ロボット等の分野に用いてもよいし、3Dマッピング、障害物回避等に単独して適用してもよいことが理解可能である。受光発光コンポーネント20は検出レーザー光を照射し且つ反射光を受光し、検出レーザー光は赤外線レーザー光であってもよく、反射光を受光するには受光素子として光電検出器を用いてもよく、具体的に実施する時に実際の状況に応じて選択可能である。ここで、受光発光コンポーネント20の照射した検出レーザー光は回転プリズム10の反射面によって反射されてから被検出目標に伝送され、被検出目標の反射した反射光は回転プリズム10の反射面によって反射されてから同一の受光発光コンポーネント20によって受光される。回転機構30は回転プリズム10を駆動して回転させ、例えば、電動機であってもよい。回転プリズム10が回転する時に、各受光発光コンポーネント20の照射した検出レーザー光は水平走査を実現して、対応する走査範囲を形成することができる。本実施例では、水平方向とは回転プリズムの走査回転軸に垂直な方向を指し、垂直方向とは回転プリズムの走査回転軸と平行する方向を指し、これについて他のところで繰り返して説明しない。具体的に実施する時に、各受光発光コンポーネント20は、異なる視角の走査範囲を形成するように、共に多経路出力及び多経路受光のように設置してもよい。
【0017】
選択可能に、
図2に示すように、2組の受光発光コンポーネント20の形成した走査範囲は水平方向において重畳しない。いくつかの実施例では、2つの受光発光コンポーネント20の形成した走査範囲は水平方向において部分的に重畳してもよい。
【0018】
本実施例の技術的解決手段においては、回転プリズムの少なくとも2つの側面が反射面であり、且つ少なくとも2つの反射面と回転プリズムの走査回転軸との間の夾角が異なるように設置することによって、回転機構が回転プリズムを駆動して回転させる時に、各反射面は1本の光線に水平走査を行わせることができ、それぞれの反射面はこの1本の光線を複数本の光線に変化させて、走査するビーム数を増加することができる。走査回転軸に対して非対称設置され、回転プリズムが走査回転軸の回りに転動する時にそれぞれのレーザー照射ユニットが走査範囲を形成する2組の受光発光コンポーネントを設置することによって、2組の受光発光コンポーネントは異なる方位からレーザー光を照射し、且つ同一の回転プリズムの回転に伴って走査してから少なくとも2つの方位へ照射して対応する走査範囲を形成することができ、それによって、該レーザーレーダーを取り付けた自律体に対して少なくとも2つの方位の走査検出を可能にして、自律体の異なる方位にそれぞれ1つのレーザーレーダーを取り付ける必要がなく、コストが低く且つ構造が簡単なメリットを有する。
【0019】
選択可能に、2組の受光発光コンポーネント20は、回転プリズム10が回転する時に第1走査範囲を形成する第1受光発光コンポーネントと、回転プリズム10が回転する時に第2走査範囲を形成する第2受光発光コンポーネントとを含み、第1受光発光コンポーネントの第1走査範囲内での垂直走査分解能が第2受光発光コンポーネントの第2走査範囲内での垂直走査分解能より大きい。一般的には、自律体の移動過程で、方位によっては、障害物走査検出要求が異なり、例えば、自律体の走行誘導をする時に、道路前方の障害物の距離をより精確に知る必要があり、そして、検出できる距離が遠いほど良いが、側面に対しては、方向変換等の操作の参照になるように近距離範囲内の障害物の走査をすればよい。従って、本実施例におけるレーザーレーダーは、一方の受光発光コンポーネント20の角度分解能が他方の受光発光コンポーネント20の角度分解能より大きく、それによって、使用要求に対応できると共に、製品コストを低下させることができる。別の実施例では、2組の受光発光コンポーネント20を異なるパルス周波数にしてもよく、例えば、遠距離検出を必要とする受光発光コンポーネント20に対して採用されるパルス周波数が、障害物検出のみを必要とする受光発光コンポーネントより小さく、それによって遠距離障害物の距離検出を実現すると共に、近距離障害物の走査検出を実現することができる。
【0020】
例示的に、
図2を参照し続けると、そのうちの第1の受光発光コンポーネントにおけるレーザー照射ユニット21aはレーザー光L1を照射し、第2の受光発光コンポーネントにおけるレーザー照射ユニット21bはレーザー光L2を照射し、回転プリズム10の回転中に、レーザー光L1は走査して第1走査範囲S1を形成し、レーザー光L2は走査して第2走査範囲S2を形成する。四面体の回転プリズムを例とすれば、そのうちの第1の受光発光コンポーネントにおけるレーザー照射ユニット21aは垂直方向において異なる角度となるレーザー光をX条出射し、それぞれのレーザー光が回転している四面体プリズムによって、垂直に上向きする(又は垂直に下向きするようになり、具体的にはプリズム設計に依存する)4本のレーザー光に変わるので、X条のレーザー光は4X本のレーザー光に変わって走査検出を行って、第1走査範囲S1を形成する。第1走査範囲S1のレーザー光は検出目標表面で乱反射してから、再度四面体プリズムを通して、それぞれ第1の受光発光コンポーネントにおけるレーザー受光ユニット(
図2に示されていない)中の対応するX個の異なる光電検出器によって受光される。異なる角度のレーザー光は対応する光電検出器のみによって受光可能である。第1走査範囲S1の水平角を0~180度に到達させ、検出距離を100メートル、200メートル、300メートル又はより遠い距離に到達させるように、実際のニーズに応じて対応するパラメータを設置してもよく、該走査範囲では水平方向と垂直方向のビーム数分布がより密である。
【0021】
第2の受光発光コンポーネントにおけるレーザー照射ユニット21bは垂直方向において異なる角度となるレーザー光をY条(YはXと同じであっても異なってもよく、具体的に実施する時に実際のニーズに応じて設計可能である)出射し、それぞれのレーザー光が回転している四面体プリズムによって、垂直に上向きする4本のレーザー光に変わるので、Y条のレーザー光は4Y本のレーザー光に変わって走査検出を行って、第2走査範囲S2を形成する。第2走査範囲S2のレーザー光は検出目標表面で乱反射してから、再度四面体プリズムを通して、それぞれ第2におけるレーザー受光ユニット(
図2に示されていない)中の対応するY個の異なる光電検出器によって受光される。異なる角度のレーザー光は対応する光電検出器のみによって受光可能である。第2走査範囲S2の水平角を0~180度に到達させ、垂直方向角を0度~180度に到達させるように、実際のニーズに応じて対応するパラメータを設置してもよく、その検出距離が近く、水平方向と垂直方向の分布が疎であり、死角補償を主な作用とし、即ち、従来のレーザーレーダーは遠距離検出レーダーと死角補償レーダーの2種を含むが、本実施例におけるマルチビームレーザーレーダーはそれらを兼備したレーダーであり、つまり遠距離検出と死角補償を同時に実現可能である。レーザーレーダーの全体的な水平走査角度が180度より大きくなることが可能であり、甚だしい場合には270度を超えることも可能であり、それによって幅広い視野範囲の走査を実現する。
【0022】
上記実施例を基に、
図3は本願の実施例に係る別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図を示す。
図3を参照すると、選択可能に、各組の受光発光コンポーネント20は少なくとも1つのレーザー照射ユニット21と少なくとも1つのレーザー受光ユニット22を含み、レーザー照射ユニット21は複数のレーザー発生装置211を含み、同一のレーザー照射ユニット21における各レーザー発生装置211の出射レーザー光にゼロでない夾角が存在し、同一のレーザー照射ユニット21の複数のレーザー発生装置211が同一の回路基板に集積されており、レーザー受光ユニット22は複数の光電検出器221を含み、各光電検出器221は、対応するレーザー発生装置211の出射した、被検出目標によって反射したレーザー光を受光し、同一のレーザー受光ユニット22の複数の光電検出器221が同一の回路基板に集積されている。
【0023】
各レーザー照射ユニット21に複数のレーザー発生装置211を含み、各レーザー受光ユニット22に複数の光電検出器221を含むように設置することによって、マルチビームレーザーレーダーの鉛直方向での視野角を効果的に増大できることが理解可能である。具体的に実施する時に、レーザー発生装置211はレーザーダイオードLD又は垂直共振器面発光型レーザーVCSELであってもよく、ここで、LD又はVCSELは共に自由空間出力又はファイバ結合出力を採用してもよく、レーザー発生装置211は更にファイバレーザー、ガスレーザー又は固体レーザー等であってもよい。光電検出器221はアレイにて配列された複数のアバランシェダイオード(Avalanche Photo Diode:APD)であってもよいし、単独の大面領域APD、焦点面アレイ検出器、単独して設置され又はアレイにて設置されたシリコン光電子増倍管(multi-pixelphoton counter:MPPC)検出器或いは当業者に知られている他の種類のアレイ検出器であってもよい。
【0024】
選択可能に、同一のレーザー照射ユニットにおける各レーザー発生装置の出射レーザー光は発散状態で並べられ、又は集光状態で並べられている。
【0025】
例示的に、
図4及び
図5はそれぞれ本願の実施例におけるレーザー発生装置の出射状態の模式図を示し、
図4及び
図5には4つのレーザー発生装置を含むレーザー照射ユニットを模式的に示しており、他の実施例では、更に8、16等の他の数量であってもよく、具体的に実施する時に実際のニーズに応じて選択可能である。
図4及び
図5を参照すると、4つのレーザー発生装置の全てのレーザー光が同一の出射平面Mにあり、同一の受光発光コンポーネントにおける各レーザー光の照射仰角が異なる。4つの空間角がそれぞれ異なる場合に、4つのレーザー発生装置は16本の走査線を発生可能である。
図4の4本のレーザ光は発散状態で並べられ、
図5の4本のレーザー光は集光状態で並べられている。
【0026】
上記実施例では、複数のレーザー発生装置及び複数の光電検出器をそれぞれ1つの回路基板に集積することによって、一括的なデバッグ、デバッグ難度簡単化、コスト低減が可能になる。具体的に実施する時に、複数のレーザー発生装置と複数の光電検出器をシングルユニットで並べてもよいし、マルチユニットで並べてもよく、本願の実施例がそれを限定するものではないことを説明する必要がある。具体的には、レーザー照射ユニットにおける複数のレーザー発生装置をシングルユニット(1行1列)で並べる時に、同一グループにおけるレーザー受光ユニットにおける複数の光電検出器をシングルユニットで並べ、レーザー照射ユニットにおける複数のレーザー発生装置をマルチユニット(複数行複数列)で並べる時に、同一グループにおけるレーザー受光ユニットにおける複数の光電検出器をマルチユニットで並べ、ここで、各組のレーザー照射ユニットに少なくとも2つのレーザー発生装置を含み、各組のレーザー受光ユニットに少なくとも2つの光電検出器を含む。別の実施例では、一括的な取付とデバッグを図るように、レーザー照射ユニットとレーザー受光ユニットを1つのモジュールに集積してもよい。
【0027】
図6は本願の実施例に係る更に別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図を示す。
図6を参照すると、選択可能に、各組の受光発光コンポーネント20は、更に、レーザー照射ユニット21と回転プリズム10との間に設置されており、レーザー照射ユニット21の照射したレーザー光をアライメントしてから回転プリズム10の反射面へ照射する1つの照射レンズモジュール23と、レーザー受光ユニット22と回転プリズム10との間に設置されており、回転プリズム10の反射面の反射したレーザー光を集光させてからレーザー受光ユニット22へ照射する1つの受光レンズモジュール24とを含む。
【0028】
レーザー照射ユニット21におけるレーザー発生装置211が直接出射したレーザー光の品質がレーダー距離検出要求に対応できない場合があるので、レーザー照射ユニット21の出射レーザー光を集束させてアライメントして、レーザー光を比較的小さい発散角で照射させて、遠距離目標検出を実現する照射レンズモジュール23を、レーザー照射ユニット21の光出射側に設置してもよいことが理解可能である。被検出目標の反射したレーザー光は空間伝送で減衰が発生するので、レーザー受光ユニット22にできる限り多い反射光を収集させるように、レーザー受光ユニット22の入光側に受光レンズモジュール24を設置してもよく、具体的に実施する時に、受光レンズモジュール24の視野範囲を0°~180°の間にする。
【0029】
図6に示されているいずれも2枚のレンズを含む照射レンズモジュールと受光レンズモジュールが各レンズモジュールの構造を例示的に示すためのものに過ぎず、具体的に実施する時に実際の光路条件に応じてレンズモジュールの構造を設計可能であることを説明する必要がある。
【0030】
選択可能に、全ての反射面と回転プリズムの走査回転軸との夾角が0°以上10°以下である。
【0031】
反射面と走査回転軸との夾角を0°~10°の間に設置することによって、回転プリズムの反射面傾斜角度が大き過ぎることを回避して、回転プリズム回転時の安定性を高めることができる。
【0032】
ある実施例では、回転プリズムは少なくとも4つの反射面を含んでもよい。選択可能に、任意の反射面は、走査回転軸との夾角が隣接する2つの反射面と走査回転軸との夾角よりも同時に大きく、又は隣接する2つの反射面と走査回転軸との夾角よりも同時に小さい。例を挙げて説明すれば、回転プリズムの4つの反射面の時計回りの走査回転軸との夾角をそれぞれ∠1、∠2、∠3、∠4とし、∠1=0°、∠2=2°、∠3=1°、∠4=1.5°のように設定する。∠2が∠1と∠3よりも同時に大きく、∠3が∠2と∠4よりも同時に小さく、このように設置することで、回転中に回転プリズムをより安定化させることができる。更に、回転プリズムの少なくとも1つの反射面を層化構造にしてもよく、例えば、走査回転軸の方向に順次少なくとも2つの反射領域を分布し、且つ各反射領域と走査回転軸との夾角が完全に同様であるようにならなく、このようにして複数のレーザー発生装置の出射したレーザー光が層化構造を通す時に鉛直方向において非均一に分布可能である。一実施例では、各反射領域のうち、中央に位置する反射領域と走査回転軸との夾角を、両側に位置する反射領域と走査回転軸との夾角より大きくしてもよく、それによって垂直方向において中央が密で上方と下方が疎である分布を形成する。
【0033】
図7は本願の実施例に係る更に別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図を示す。
図7を参照すると、選択可能に、回転プリズム10の複数の側面が囲んで中空軸14を形成し、回転機構30が回転プリズム10の中空軸14内に設置されている。
【0034】
回転機構30を回転プリズム10の中空軸14内に設置することによって、レーザーレーダーの体積を効果的に低減でき、小型化の発展に寄与することが理解可能である。
【0035】
図8は本願の実施例に係る更に別のマルチビームレーザーレーダーの構成の模式図を示す。
図8を参照すると、選択可能に、本実施例に係るマルチビームレーザーレーダーは、更に、回転プリズム10に設置されており、回転プリズム10の角度情報及び/又は回転機構30の速度情報を検出、出力するエンコーダ40、及び/又は、回転機構30、エンコーダ40及び受光発光コンポーネント20におけるレーザー照射ユニットとレーザー受光ユニットがそれぞれ接続されている主制御盤50を含む。例示的に、一実施例では、エンコーダ40はリアルタイムに回転プリズム10の角度情報を出力し、回転機構30の速度情報をフィードバックすることができ、回転機構30の回転速度を制御するように制御システムにフィードバックする。ここで、エンコーダ40としては光電コードディスク、磁気コードディスク等の種類のエンコーダを使用してもよく、具体的に実施する時に実際の状況に応じて選択可能である。
【0036】
各受光発光コンポーネント20の具体的な構造、即ちレーザー照射ユニットとレーザー受光ユニットが
図8に示されていないので、主制御盤5が受光発光コンポーネント20に接続されるように模式的に示されていることが理解可能であり、具体的に実施する時に、主制御盤50は、レーザーレーダーの機能を実現するために、電源、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、ネットワークインターフェースカードマイクロチップ及びアナログディジタル変換器(ADC)等の構造を含んでもよく、具体的に実施する時に実際の条件に応じて設計可能である。
【0037】
選択可能に、本願の実施例に係るマルチビームレーザーレーダーは、更に、密閉外部ケースを形成してマルチビームレーザーレーダーを保護する、筐体及びフィルターマスクを含み、回転プリズム10、回転機構30及び各受光発光コンポーネント20が全て外部ケース内に位置し、フィルターマスクは2組の受光発光コンポーネント20の出射方向に対向して設置された2つのフィルター領域を備え、2つのフィルター領域は共に円弧面を採用してもよく、2つのフィルター領域の境界箇所は、円滑に移行させてもよく、又は所定の角度で繋ぎ合わせてもよく、それによって、大きい射出角度を提供して、本実施例におけるレーザーレーダーの大走査範囲要求に対応することができる。例示的に、
図9と
図10はそれぞれ本願の実施例に係るフィルターマスクの構成の上面図であり、マルチビームレーザーレーダー走査範囲対応領域のフィルターマスクの形状を円弧面にすることによって、マルチビームレーザーレーダーの体積を低減することができ、一方、大きい入射角でフィルターマスクに入射する時にレーザー透過率が低くなって、反射率が増加して、レーダーの遠距離検出特性に影響を与え、更にレーダー近距離光干渉の問題に繋がるので、フィルターマスクを円弧面に設計することによって、光線がフィルターマスクに入射する角度が大き過ぎることを回避して、マルチビームレーザーレーダーの性能を高めることができる。
【0038】
本願の実施例は、更に、自律走行モードを有する車両本体と、車両本体の前部及び/又は後部の両側に設置された上記実施例に係るいずれか1種のマルチビームレーザーレーダーとを含む自律走行車を提供する。本実施例に係る自律走行車は上記実施例に係るいずれか1種のマルチビームレーザーレーダーを含み、マルチビームレーザーレーダーと同じ又は対応する技術的効果を有し、ここで詳細な説明を省略する。
【0039】
いくつかの実施例では、上記レーザーレーダーを車両のライトの近傍に設置してもよいし、車両のライトと共に1つのモジュールに集積してもよい。この時に、マルチビームレーザーレーダーは、つまり、車体の2つの面が交わったところに位置する。この時に、マルチビームレーザーレーダーにおける一方の受光発光コンポーネント20は車両前方領域の障害物に対する距離検出を実現でき、他方の受光発光コンポーネント20は死角補償するためのものとなって、側面領域の障害物検出を実現し、それによって、車両に取り付けるレーザーレーダーの数量を低減してコストを大幅に低下させることができ、更に車両の見栄えの向上に寄与する。
【0040】
本願の上記実施例はただ本願を明らかに説明するための例に過ぎず、本願の実施形態を限定するものではないことが明らかであろう。当業者であれば、上記説明を基に更に他の異なる形の変化又は変更を施すことができる。ここで全ての実施形態を包括的に挙げる必要がないし、実現することも不可能である。本願の主旨及び原則を逸脱しない限り行ったいかなる修正や同等な取り替え、改良等も本願の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】