(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】免疫細胞によって合成され、分泌される機能的バインダー
(51)【国際特許分類】
C12N 5/10 20060101AFI20220913BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20220913BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20220913BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20220913BHJP
C12P 21/02 20060101ALN20220913BHJP
【FI】
C12N5/10
C12N5/0783
C07K16/28 ZNA
C07K19/00
C12P21/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502230
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 IB2020056659
(87)【国際公開番号】W WO2021009694
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507335687
【氏名又は名称】ナショナル ユニヴァーシティー オブ シンガポール
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】島崎 紀子
(72)【発明者】
【氏名】カンパナ,ダリオ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG20
4B064AG27
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA94X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4H045AA11
4H045AA20
4H045BA41
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA22
4H045EA28
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、単鎖可変断片(scFv)ドメイン;結晶性断片(Fc)ドメイン、並びにscFvドメイン及びFcドメインをつなぐヒンジドメインを含むインビボ機能的リガンド(IFL)に関する。IFLは、標的受容体に特異的に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、及び補体依存性細胞傷害作用(CDC)並びにサイトカイン刺激を引き起こすことが可能である。IFLは、自己切断ペプチドを介してキメラ抗原受容体につながれてもよい。IFLは、ナチュラルキラー細胞又はTリンパ球などの免疫細胞において発現されてもよい。IFLを作製するためのベクター、宿主細胞、及び方法もまた、記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチドを発現する免疫細胞であって、前記ペプチドは、
a)単鎖可変断片(scFv)ドメイン;
b)結晶性断片(Fc)ドメイン;並びに
c)前記scFvドメイン及びFcドメインをつなぐヒンジドメイン
を含む、免疫細胞。
【請求項2】
前記scFvドメインは、免疫グロブリン可変軽(V
L)ドメイン、免疫グロブリン可変重(V
H)ドメイン、並びに前記V
L及びV
Hドメインをつなぐリンカードメインを含む、請求項1に記載の免疫細胞。
【請求項3】
前記リンカードメインは、(G
4S)
xであり、xは、1~100の整数である、請求項2に記載の免疫細胞。
【請求項4】
前記リンカードメインは、(G
4S)
3である、請求項3に記載の免疫細胞。
【請求項5】
前記scFvドメインは、CD19に結合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項6】
前記scFvドメインは、CD20に結合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項7】
前記scFvドメインは、CD22、CD38、CD7、CD2、CD3、上皮増殖因子受容体(EGFR)、CD123、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、メソテリン、ヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、ジシアロガングリオシド(GD2)、PD-L1(CD274)、CD80、又はCD86に結合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項8】
前記Fcドメインは、免疫グロブリン定常重2(C
H2)ドメイン及び免疫グロブリン定常重3(C
H3)ドメインを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項9】
前記Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインである、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項10】
前記ペプチドは、前記scFvドメインに対してN末端にあるシグナルペプチドをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項11】
前記ペプチドは、キメラ受容体に前記Fcドメインをつなぐ自己切断ペプチドをさらに含み、前記キメラ受容体は、受容体ドメイン、ヒンジ及び膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達ドメイン、並びに細胞質シグナル伝達ドメインを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項12】
前記自己切断ペプチドは、2Aペプチドである、請求項11に記載の免疫細胞。
【請求項13】
前記受容体ドメインは、CD16である、請求項11に記載の免疫細胞。
【請求項14】
前記ヒンジ及び膜貫通ドメインは、CD8αヒンジ及び膜貫通ドメインである、請求項11に記載の免疫細胞。
【請求項15】
前記共刺激ドメインは、4-1BB共刺激ドメインである、請求項11に記載の免疫細胞。
【請求項16】
前記細胞質シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞質シグナル伝達である、請求項11に記載の免疫細胞。
【請求項17】
前記キメラ受容体は、CD16V-4-1BB-CD3ζである、請求項11に記載の免疫細胞。
【請求項18】
前記scFvドメインは、CD19又はCD20に結合する、前記Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインである、及び前記ヒンジドメインは、IgG1ヒンジドメインである;前記ペプチドは、前記scFvドメインに対してN末端にあるCD8αシグナルペプチドをさらに含む;前記ペプチドは、CD16V-4-1BB-CD3ζであるキメラ受容体をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項19】
前記ペプチドは、次の突然変異の1つ以上をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞:S239D;S267E;H268F;又はI332E。
【請求項20】
前記ペプチドは、次の突然変異の1つ以上をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞:E345K;E430G;又はS440Y。
【請求項21】
前記ペプチドは、リンカーによって前記FcドメインにつながれたIL-15をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項22】
前記FcドメインにIL-15をつなぐ前記リンカーは、配列番号51;A(EAAK)
4ALEA(EAAAK)
4A;(EAAAK)
z;A(EAAAK)
zA;及び(XP)
wからなる群から選択される、zは、1~100の整数である;Xは、任意のアミノ酸である、及びwは、1~100の整数である、請求項21に記載の免疫細胞。
【請求項23】
前記ペプチドは、リンカーによって前記Fcドメインにつながれた、4-1BB(CD37)、CD28、又はOX40(CD134)に結合するリガンドをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項24】
前記FcドメインにIL-15をつなぐ前記リンカーは、配列番号51;A(EAAK)
4ALEA(EAAAK)
4A;(EAAAK)
z;A(EAAAK)
zA;及び(XP)
wからなる群から選択される、zは、1~100の整数である;Xは、任意のアミノ酸である、及びwは、1~100の整数である、請求項23に記載の免疫細胞。
【請求項25】
前記免疫細胞は、ナチュラルキラー細胞である、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【請求項26】
前記免疫細胞は、Tリンパ球細胞である、請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月17日に提出された米国仮特許出願第62/875,455号明細書の利益を主張する。上記の出願の全教示は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
ASCIIテキストファイル中のデータの参照による援用
本出願は、本出願と同時に提出される以下のASCIIテキストファイル中に含有される配列表を参照によって援用する:
a)ファイル名:44591154001_SEQUENCELISTING.txt;2020年7月15日に作成、サイズ35KB。
【背景技術】
【0003】
癌免疫療法は、概して、腫瘍細胞を選択的に攻撃するように免疫反応を誘導することに関する。癌を治療するための免疫療法のツールボックスは、キメラ抗原受容体(CAR)誘導Tリンパ球の出現によってかなり充実したものになった。CAR-T細胞による臨床経験は、Tリンパ球が、適切に活性化された場合に、化学療法に対する抵抗性を克服し、腫瘍量における大きな低下、疾患の安定、並びにB細胞白血病及びリンパ腫を有する患者の中には腫瘍根絶につながり得ることを実証する。18-26CAR-T細胞において、T細胞の刺激は、抗体に似た特性を有するキメラ分子の発現を介して生じる。
【0004】
現在のCAR T細胞による手法は、免疫系が癌細胞を標的にする潜在能力を最大限には利用していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
単鎖可変断片(scFv)ドメイン;結晶性断片(fragment crystallizable)(Fc)ドメイン;並びにscFvドメイン及びFcドメインをつなぐヒンジドメインを含むペプチドが、本明細書において記載される。本明細書において記載されるペプチドをコードする核酸;本明細書において記載されるペプチドをコードする核酸を含むベクター;本明細書において記載されるペプチドを発現する免疫細胞(例えばナチュラルキラー細胞及びT細胞);並びに本明細書において記載されるペプチドを発現する免疫細胞を作製するための方法もまた、記載される。
【0006】
scFvドメインは、免疫グロブリン可変軽(VL)ドメイン、免疫グロブリン可変重(VH)ドメイン、並びにVL及びVHドメインをつなぐリンカードメインを含むことができる。リンカードメインは、(G4S)xとすることができ、xは、1~100の整数である。リンカードメインは、(G4S)3とすることができる。
【0007】
scFvドメインは、CD19、CD20、CD22、CD38、CD7、CD2、CD3、上皮増殖因子受容体(EGFR)、CD123、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、メソテリン、ヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、ジシアロガングリオシド(GD2)、PD-L1(CD274)、CD80、又はCD86に結合することができる。
【0008】
Fcドメインは、免疫グロブリン定常重2(CH2)ドメイン及び免疫グロブリン定常重3(CH3)ドメインを含むことができる。Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインとすることができる。
【0009】
ペプチドは、scFvドメインに対してN末端にあるシグナルペプチドをさらに含むことができる。
【0010】
ペプチドは、キメラ受容体にFcドメインをつなぐ自己切断ペプチドをさらに含むことができ、キメラ受容体は、受容体ドメイン;ヒンジ及び膜貫通ドメイン;共刺激シグナル伝達ドメイン;並びに細胞質シグナル伝達ドメインを含む。
【0011】
自己切断ペプチドは、2Aペプチドとすることができる。受容体ドメインは、CD16とすることができる。ヒンジ及び膜貫通ドメインは、CD8αヒンジ及び膜貫通ドメインとすることができる。共刺激ドメインは、4-1BB共刺激ドメインとすることができる。細胞質シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞質シグナル伝達とすることができる。キメラ受容体は、CD16V-4-1BB-CD3ζとすることができる。
【0012】
ある特定の実施形態において、scFvドメインは、CD19又はCD20に結合する;Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインである;及びヒンジドメインは、IgG1ヒンジドメインである;ベクターは、scFvドメインに対してN末端にあるCD8αシグナルペプチドをさらに含む;並びにベクターは、CD16V-4-1BB-CD3ζであるキメラ受容体をさらに含む。
【0013】
ベクターは、マウス幹細胞ウイルス(murine stem cell virus)(MSCV)とすることができる。
【0014】
ペプチドは、リンカーによってFcドメインにつながれたIL-15をさらに含むことができる。FcドメインにIL-15をつなぐリンカーは、配列番号51;A(EAAK)4ALEA(EAAAK)4A;(EAAAK)z;A(EAAAK)zA;及び(XP)wからなる群から選択され、zは、1~100の整数である;Xは、任意のアミノ酸である、及びwは、1~100の整数である。
【0015】
T細胞受容体(TCR)βドメイン;TCRβドメインにつながれた第1の結晶性断片(Fc)ドメイン;TCRαドメイン;TCRαドメインにFcドメインをつなぐ自己切断ペプチド;及びTCRαドメインにつながれた第2のFcドメインを含むペプチドが、本明細書において記載される。ペプチドは、T細胞受容体(TCR)βドメインにつながれたシグナルペプチドをさらに含むことができる。第1のFcドメインは、第2のFcドメインと同じものとすることができる。第1のFcドメインは、第2のFcドメインと異なるものとすることができる。ペプチドをコードする核酸及びペプチドをコードする核酸を含むベクターもまた、記載される。
【0016】
好都合なことに、本明細書において記載されるペプチドは、T細胞及びNK細胞などの免疫細胞によって分泌することができる。結果として、免疫細胞は、腫瘍細胞を標的にし、死滅させることができ、抗体の体外からの投与を必要としない。分泌されたペプチドが、NK細胞表面のFc受容体に結合した場合、NK細胞は、抗体依存性細胞傷害を発揮することができる。Fc受容体を形質導入したT細胞もまた、抗体依存性細胞傷害を発揮することができる。さらに、ペプチドは、マクロファージの細胞表面のFc受容体の相互作用を通して、マクロファージによる腫瘍細胞の食作用を引き起こすことができる。最終的に、ペプチドは、補体結合を誘発することによって、腫瘍細胞を死滅させることができる。
【0017】
前述のことは、同様の参照記号が様々な図の全体にわたって同じ部分を指す添付の図面において示されるように、例示の実施形態についての以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、その代わりに、実施形態を示すことに重点を置いている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A-C】
図1A~Cは、インビボ機能的リガンド(IFL)の設計及び発現を示す図である。
図1Aは、IFL構築物の略図である。軽鎖(VL)及び重鎖(VH)の可変ドメインから構成される単鎖可変断片(scFv)は、IgG1ヒンジを通して免疫グロブリンG1(IgG1)の重鎖の3つの定常ドメインのうちの2つ(CH2、CH3)から構成される、修飾された結晶性断片ドメイン(Fc)と融合される。
図1Bは、GFPのみ(「コントロール」、左のパネル)、抗CD20 IFL遺伝子(「aCD20 IFL」、真ん中のパネル)、又は抗CD19 IFL遺伝子(「aCD19 IFL」、右のパネル)を形質導入したNK細胞において、抗ヒトIgG Fc抗体による細胞内染色によって検出されるGFP及びIFLの発現を示すフローサイトメトリーのドットプロットである。各四分画領域(quadrant)の細胞のパーセンテージを示す。
図1Cは、形質導入されたTリンパ球において
図1Bと同じように染色している。
【
図2】
図2は、IFLがそれらの同系のバインダーに対して特異的であることを示す図である。
図2は、GFPのみ(「コントロール」)、抗CD20 IFL、又は抗CD19 IFLを形質導入したNK細胞(上のパネル)又はT細胞(下のパネル)から得られた培養上清とインキュベーションしたインキュベーション後の、Jurkat(CD20-、CD19-)、Ramos(CD20+、CD19+)、及びRS4;11(CD20-、CD19+)細胞の標識を示すフローサイトメトリーのヒストグラムである。標的細胞の表面に結合したIFLは、フィコエリトリンにコンジュゲートされたヤギ抗ヒトIgG抗体によって検出した。
【
図3A-C】
図3A~Cは、IFLの合成及びグリコシル化を示す図である。
図3Aは、抗CD20 IFLを形質導入した同じドナー由来のNK細胞又はT細胞によって分泌されるIFLのレベルを示すプロットである。各記号は、試験した3人のドナーのうちの1人の結果を示す。
図3Bは、MALDI-TOF MSによるN-グリカンプロファイリングに従う、形質導入されたNK細胞(左のパネル)又はT細胞(真ん中のパネル)から分泌されたIFLのフコシル化グリカン(濃青色)及び非フコシル化グリカン(淡青色)のパーセンテージを示す円グラフである。リツキシマブによる結果を、比較のために示す。
図3Cは、形質導入されたNK細胞若しくはT細胞によって分泌されるIFLにおける又はリツキシマブにおけるグリカンの種々のタイプのそれぞれの相対的強度のパーセンテージを示す棒グラフである。模式的な構造は、グリカンの種々のタイプを示す。
【
図4A-B】
図4A~Bは、免疫細胞由来IFLによって媒介されるCDC及びADCPを示す図である。
図4Aは、Ramos(左のパネル)及びSUDHL-4細胞(右のパネル)を0.05μg/mLのリツキシマブ又はNK細胞若しくはT細胞由来のIFLと、5%の補体の存在下又は非存在下においてインキュベートした時の結果を示す図である。細胞の死滅は、フローサイトメトリーによって生細胞をカウントすることによって測定した。
図4Bは、NK細胞又はT細胞由来のIFL(0.1μg/mL)を、48時間、THP-1細胞あり又はなしで共培養したRamos細胞に追加した時の結果を示すプロットである。細胞の死滅は、Incucyteにより標的生細胞をカウントすることによって測定した。
【
図5A-C】
図5A~Cは、免疫細胞由来IFLによって媒介されるADCCを示す図である。
図5Aは、Raji細胞を、GFPのみ(「NK-GFP」)又は抗CD20 IFL(「NK-IFL」)を形質導入したNK細胞と、1:1のE:T比で培養した時の結果を示す図である。コントロールとして、Ramosを、NK細胞なしで(「no NK」)又は1μg/mlのリツキシマブの存在下においてNK-GFPと培養した。Ramos生細胞の数を、Incucyteを使用して、72時間、8時間毎にカウントした。
図5Bは、RS4;11、OP-1、及びNalm-6に対する、GFPのみ又は抗CD19 IFLを形質導入したNK細胞の細胞傷害作用を示すプロットである。E:T 2:1比での4時間のアッセイについてのデータを示す。各記号は、1人のドナー由来のNK細胞により得られた結果を示す;バーは、中央値に相当する。
図5Cは、RS4;11細胞を、4時間、E:T 2:1の比で、培地のみ又はGFPのみ若しくは抗CD20若しくは抗CD19 IFLを形質導入したNK細胞とインキュベートした時の結果を示すプロットである。各記号は、1人のドナー由来のNK細胞により得られた結果を示す。
【
図6A-D】
図6A~Dは、免疫細胞由来IFLによって媒介されるADCCを示す図である。
図6Aは、CD16V-4-1BB-CD3ζを有するIFLを含有する遺伝子構築物の略図である。
図6Bは、GFPのみ(「コントロール」)又はIFL-P2A-CD16-41BB-CD3ζ(「IFL+CD16R」)を形質導入したT細胞におけるCD16の表面発現を示すフローサイトメトリーのドットプロットである。各四分画領域の細胞のパーセンテージを示す。
図6Cは、同じ細胞において抗ヒトIg Fc抗体により細胞内染色した後のIFLの発現を示すフローサイトメトリーのドットプロットである。
図6Dは、Ramos細胞を、示される種々の構築物を形質導入したT細胞あり又はなしで共培養した時の結果のグラフである。Ramos生細胞の数は、Incucyteによって72時間、8時間毎にカウントした。
【
図7A-B】
図7A~Bは、インビボにおけるIFLの血漿濃度及び抗腫瘍活性を示す図である。
図7Aは、NOD-SCID-IL2RGnullマウスに、抗CD20 IFL-P2A-CD16-41BB-CD3ζを形質導入した2×10
7T細胞を静脈内注射した時の結果を示すグラフである。血漿におけるIFLのレベルは、ELISAによって測定した。
図7Bは、NOD-SCID-IL2RGnullマウス(n=18)が、ルシフェラーゼにより標識された2×10
5Daudiの1回の腹腔内(i.p.)注射を受けた時の結果を示すグラフである。12匹のマウスにおいて、発明者らは、Daudi注射の3及び6日後に、抗CD20 IFL-P2A-CD16V-4-1BB-CD3ζ(n=6)又はGFPのみ(n=6)を形質導入した2×10
7T細胞の2回のi.p.注射剤を投与した;6匹のさらなるマウスに、培地のみを注射した。カプラン-マイヤー曲線は、様々な群における無病生存のパーセンテージを示す。
【
図8A-E】
図8A~Eは、IFL変異体の例を示す図である。
図8Aは、Fc受容体又は補体に対する親和性を増加させるための多型を有するIFLの模式図である。
図8Bは、六量体の形成を促進するための多型を有するIFLの模式図である。
図8Cは、リンカーを通してサイトカインと融合しているIFLの模式図である。
図8Dは、IFLについてのバインダーとしてのTCRα及びβ鎖の細胞外ドメインの模式図である。
図8Eは、共刺激分子に結合するリガンドと融合しているIFLの模式図である。
【
図9A-B】
図9A~Bは、インターロイキン-15(IL-15)に連結され(
図8Cを参照)、免疫細胞によって分泌される抗CD20 IFLによって媒介されるADCCを示す図である。グラフは、CD20+リンパ腫細胞Ramosを、1:1 E:T比で、GFPのみ(「NK-GFP」)、抗CD20 IFL(「NK-IFL」)、又はIL-15に連結された抗CD20 IFL(「NK-IFL-IL15」)を形質導入したNK細胞と培養した実験の結果を示す。コントロールとして、Ramos細胞は、NK細胞なしで培養した(「no NK」)。
図9Aの実験において、IL-2は追加しなかった;
図9Bの実験において、培養は、40IU/mL IL-2で実行した。Ramos生細胞の数は、Incucyte System機器により測定する生細胞イメージング(life-cell imaging)を使用して72時間、8時間毎にカウントした。
【発明を実施するための形態】
【0019】
例示の実施形態の説明について以下に記す。
【0020】
モノクローナル抗体は、癌の最新治療に不可欠である。抗体は、細胞死の直接的な誘発、補体活性化、及び免疫細胞の関与を含むいくつかのメカニズムを介して抗腫瘍活性を発揮する。腫瘍細胞に結合した抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を引き起こすことができる。1-6ナチュラルキラー(NK)細胞の表面に発現されるFc受容体(FcγR)の関与に起因するADCCは7、抗体の臨床有効性において重要な役割を果たす;Fcに対してより高い親和性を有する受容体につながる、FcγRIIIa(FCRG3A又はCD16)をコード化する遺伝子の多型は、患者においてより良好な抗腫瘍効果と関連した。2,8-16抗体の抗腫瘍活性の根底にある他の重要なメカニズムは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を通してのマクロファージ及び補体依存性細胞傷害作用(CDC)による腫瘍細胞の排除を含む。7,17
【0021】
癌を治療するための免疫療法のツールボックスは、キメラ抗原受容体(CAR)誘導Tリンパ球の出現によってかなり充実したものになった。CAR-T細胞による臨床経験は、Tリンパ球が、適切に活性化された場合に、化学療法に対する抵抗性を克服し、腫瘍量における大きな低下、疾患の安定、並びにB細胞白血病及びリンパ腫を有する患者の中には腫瘍根絶につながり得ることを実証する。18-26CAR-T細胞において、T細胞の刺激は、抗体に似た特性を有するキメラ分子の発現を介して生じる。27-31腫瘍特異的T細胞活性化につながる別のアプローチは、刺激及び共刺激シグナルを含むキメラ受容体の構成要素としての高親和性CD16の発現を通してのものである。32そのような受容体は、抗体療法の抗腫瘍効果をかなり強化する可能性を有する。CAR-T細胞と比較して、それは、ADCP及びCDCなどの、他の抗体媒介性のメカニズムと共同で働き、協調的な抗腫瘍効果をもたらす。さらに、わずかに発現された抗原に対して多数の抗体を使用することによって、活発なT細胞反応を誘起することができる。
【0022】
免疫細胞が、抗体に似た機能を有するバインダーを産生するのを可能にする方法が、本明細書において記載される。これらのインビボ機能的リガンド(IFL)は、ADCC、ADCP、及びCDC並びにサイトカイン刺激を引き起こすことが可能である。これらは、エフェクター機能を最適化するために、NK細胞及びT細胞において、CD16キメラ受容体と一緒に発現させることができる。
【0023】
本明細書において記載される特定の実施例は、典型としてCD20+及びCD19+B細胞を標的にするが、このアプローチは、癌及び他の疾患の病因となる細胞のマーカーとなる他の抗原を標的にすることに適用可能である。
【0024】
B細胞非ホジキンリンパ腫並びにCD20及びCD19
B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)は、リンパ性血液細胞の癌である。NHLは、不可避的に進行し、治療しなければ致命的となる。標準治療は、化学療法、抗体療法、チロシンキナーゼ阻害剤による療法、及び血液幹細胞移植術を含む。CD20及びCD19は、B細胞NHL(B-NHLとも称される)において広範囲に発現されるB細胞特異的抗原である。
【0025】
本明細書において記載されるベクターは、修飾T細胞を産出するために使用することができ、これは、さらには、NHLの標的治療に使用することができる。本明細書において記載されるプロセスは、CD20+及びCD19+B細胞を破壊するために標的にし、それにより、NHLを根絶する及び/又はその重症度を減少させることができるトランスジェニックT細胞を作り出すために使用することができる。
【0026】
急性リンパ性白血病及びCD19
急性リンパ性白血病(ALL)はまた、リンパ系血球の癌である。ALLは、急速に進行し、治療しなければ致命的となる。標準治療は、化学療法及び血液幹細胞移植術を含む。CD19は、ALLの大半の症例において、すべての白血病細胞上に発現されるB細胞特異性抗原である。
【0027】
本明細書において記載されるベクターは、修飾T細胞を産出するために使用することができ、これは、さらには、ALLの標的治療に使用することができる。本明細書において記載されるプロセスは、CD19+B細胞を破壊するために標的にし、それにより、ALLを根絶する及び/又はその重症度を減少させることができるトランスジェニックT細胞を作り出すために使用することができる。
【0028】
核酸
本明細書において使用されるように、「核酸」という用語は、多数のヌクレオチドモノマー(たとえばリボヌクレオチドモノマー又はデオキシリボヌクレオチドモノマー)を含むポリマーを指す。「核酸」は、たとえば、DNA(たとえばゲノムDNA及びcDNA)、RNA、並びにDNA-RNAハイブリッド分子を含む。核酸分子は、天然に存在する、組換え、又は合成とすることができる。加えて、核酸分子は、一本鎖、二本鎖、又は三本鎖とすることができる。ある実施形態では、核酸分子は、修飾することができる。二本鎖ポリマーの場合、「核酸」は、分子の一方又は両方の鎖を指すことができる。
【0029】
用語「ヌクレオチド」及び「ヌクレオチドモノマー」は、天然に存在するリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドモノマー並びに天然に存在しないその誘導体及びアナログを指す。したがって、ヌクレオチドは、たとえば天然に存在する塩基(たとえばアデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、イノシン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、又はデオキシシチジン)を含むヌクレオチド及び当技術分野において知られている修飾塩基を含むヌクレオチドを含むことができる。
【0030】
本明細書において使用されるように、用語「配列同一性」は、配列が、パーセンテージとして表される最大レベルの同一性を達成するようにアライメントされた場合に、2つのヌクレオチド配列又は2つのアミノ酸配列が同じ位置に同じ残基を有する程度を指す。配列アライメント及び比較のために、典型的に、1つ配列が参照配列として指定され、これと試験配列を比較する。参照配列及び試験配列の間の配列同一性は、参照配列及び試験配列が最大レベルの同一性を達成するように参照配列及び試験配列をアライメントした際に同じヌクレオチド又はアミノ酸を共有する、参照配列の全長にわたる位置のパーセンテージとして表される。一例として、最大レベルの同一性を達成するようにアライメントした際に、試験配列が、参照配列の全長にわたって同じ位置の70%に同じヌクレオチド又はアミノ酸残基を有する場合、2つの配列は、70%の配列同一性を有するとみなされる。
【0031】
最大レベルの同一性を達成するための比較のための配列のアライメントは、適切なアライメント方法又はアルゴリズムを使用して、当業者によって容易に実行することができる。いくつかの場合では、アライメントは、最大レベルの同一性をもたらすために、導入されたギャップを含むことができる。例として、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所的相同性アルゴリズム、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、Pearson&Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性検索方法、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実現(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、並びに目視検査(一般にAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biologyを参照されたい)を含む。
【0032】
配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列及び参照配列をコンピューターに入力し、必要であれば、その後の座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムにより、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列と比較した、試験配列についての配列同一性パーセントを計算する。配列同一性パーセントを決定するために一般的に使用されるツールは、National Center for Biotechnology Information,National Library of Medicine,of the United States National Institutes of Healthで入手可能なProtein Basic Local Alignment Search Tool(BLASTP)である。(Altschul et al.,J Mol Biol.215(3):403-10(1990))。
【0033】
様々な実施形態では、2つのヌクレオチド配列又は2つのアミノ酸配列は、少なくとも、たとえば70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の配列同一性を有することができる。本明細書において記載される1つ又はそれ以上の配列に対する配列同一性パーセントを確かめる場合、本明細書において記載される配列は参照配列となる。
【0034】
ベクター
「ベクター」、「ベクター構築物」、及び「発現ベクター」という用語は、宿主を形質転換し、導入された配列の発現(たとえば転写及び翻訳)を促進するように、DNA配列又はRNA配列(たとえば外来遺伝子)を宿主細胞の中に導入することができる運搬手段を意味する。ベクターは、伝播性の物質であるDNAを典型的に含み、この中に、タンパク質をコードする外来性DNAが、制限酵素技術によって挿入される。ベクターの一般的なタイプは、「プラスミド」であり、これは、一般に、追加の(外来性の)DNAを容易に受け入れることができる二本鎖DNAの独立した分子であり、適した宿主細胞の中に容易に導入することができる。プラスミド及び真菌ベクターを含む多くのベクターは、様々な真核生物及び原核生物の宿主における複製及び/又は発現について記載されている。
【0035】
「発現する」及び「発現」という用語は、遺伝子及びDNA配列中の情報が現れるのを可能にすること又は引き起こすこと、たとえば、対応する遺伝子又はDNA配列の転写及び翻訳に関与する細胞の機能を活性化することによってタンパク質を産生することを意味する。DNA配列は、タンパク質などのような「発現産物」を形成するために、細胞中で又はそのそばで発現される。発現産物自体、たとえば結果として生じるタンパク質は、細胞によって「発現される」と言うこともできる。ポリヌクレオチド又はポリペプチドは、たとえば、それが、外来性の若しくは本来のプロモーターのコントロール下で外来性の宿主細胞において又は外来性のプロモーターのコントロール下で本来の宿主細胞において発現される又は産生される場合、組換えで発現される。遺伝子送達ベクターは、プロモーターに作動可能に連結される導入遺伝子(たとえば、酵素をコードする核酸)及びベクターが導入される宿主細胞における導入遺伝子の発現に必要とされる他の核酸エレメントを一般に含む。遺伝子発現に適したプロモーター及び送達構築物は、当技術分野において知られている。組換えプラスミドはまた、細胞における酵素の発現のための誘発性の又は調節可能なプロモーターを含むこともできる。
【0036】
様々な遺伝子送達運搬手段は、当技術分野において知られており、ウイルス及び非ウイルス(たとえばネイキッドDNA、プラスミド)ベクターを含む。遺伝子送達に適したウイルスベクターは、当業者らに知られている。そのようなウイルスベクターは、たとえば、ヘルペスウイルス、バキュロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)、及びマウス幹細胞ウイルス(MSCV)に由来するベクターを含む。ウイルスベクターは、複製する又は複製しないウイルスベクターとすることができる。そのようなベクターは、本明細書において開示される若しくは引用される又はその他当業者らに知られている方法を使用して、多くの適切な宿主細胞の中に導入することができる。
【0037】
遺伝子送達のための非ウイルスベクターは、とりわけ、ネイキッドDNA、プラスミド、トランスポゾン、及びmRNAを含む。非限定的な例は、pKKプラスミド(Clonetech)、pUCプラスミド、pETプラスミド(Novagen,Inc.、Madison、Wis.)、pRSET又はpREPプラスミド(Invitrogen、San Diego、Calif.)、pMALプラスミド(New England Biolabs、Beverly、Mass.)を含む。そのようなベクターは、本明細書において開示される若しくは引用される又はその他当業者らに知られている方法を使用して、多くの適切な宿主細胞の中に導入することができる。
【0038】
ある実施形態では、ベクターは、配列内リボソーム進入部位(IRES)を含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、アンピシリン抵抗性遺伝子(Amp)などのような選択マーカーを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、緑色蛍光タンパク質(GFP)又はmCherryなどのような蛍光タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、核酸は、EcoRI及びXhoIの間のpMSCV-IRES-GFPの中にサブクローニングするのに適している。いくつかの実施形態では、ベクターは、所望の遺伝子の挿入のためのマルチプルクローニングサイト(MCS)を含有する。
【0039】
遺伝子コードは、ほとんどのアミノ酸が多数のコドン(「シノニム」又は「同義」コドンと呼ばれる)によって表されるという点で縮重しているが、特定の生物によるコドン使用頻度が、非ランダムであり且つ特定の三つ組コドンに偏っていることは、当技術分野において理解されている。したがって、いくつかの実施形態では、ベクターは、特定のタイプの宿主細胞における発現のために最適化された(たとえばコドン最適化を通して)ヌクレオチド配列を含む。コドン最適化は、興味があるタンパク質をコードしているポリヌクレオチドが、そのポリヌクレオチドにおける特定のコドンを、同じアミノ酸をコードするが、核酸が発現されている宿主細胞において一般的に使用される/認識されるコドンと交換するように修飾されるプロセスを意味する。いくつかの態様では、本明細書において記載されるポリヌクレオチドは、T細胞における発現のためにコドン最適化される。
【0040】
インビボ機能的リガンド
図1Aは、インビボ機能的リガンド(IFL)構築物の略図である。IFLは、単鎖可変断片(scFv)ドメイン、修飾された結晶性断片(Fc)ドメイン、及びscFv及び修飾されたFcドメインをつなぐヒンジドメインを含む。好ましくは、IFLを分泌経路の方へ向け、最終的に、細胞によって分泌させるN末端シグナルペプチド(リーダーペプチド)が、含まれる。表面タンパク質のシグナルペプチドが、一般に適しており、例として、CD8αシグナルペプチドがある。
【0041】
scFvドメインは、典型的に、免疫グロブリン可変軽(V
L)ドメイン、免疫グロブリン可変重(V
H)ドメイン、並びにV
L及びV
Hドメインをつなぐリンカードメインを含む。V
L及びV
Hドメインの相対的な位置は逆にすることができるが、それらは、両方とも、
図1Aにおいて示されるように、修飾されたFcドメインに対してN’にある。
【0042】
scFvドメインは、腫瘍細胞の抗原などの、興味がある抗原を標的にする。本明細書において記載されるある特定のscFvは、抗CD19単鎖可変断片(抗CD19 scFv)である。本明細書において記載される別の特定のscFvは、抗CD20単鎖可変断片(抗CD20 scFv)である。
【0043】
本明細書において記載される実施形態は、抗CD19構築物及び抗CD20構築物に関するものであるが、同様のアプローチを、CD22、CD123、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、メソテリン、ヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、ジシアロガングリオシド(GD)-2、PD-L1(CD274)、CD80、又はCD86などの他の標的抗原に対する構築物を産出するために適用することができる。例えば、
図5Aにおける模式図に基づいて、抗CD19 scFv部分は、様々な標的抗原に特異的に結合する様々なscFvと交換することができる。CD22、CD123、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、メソテリン、ヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、ジシアロガングリオシド(GD2)、PD-L1(CD274)、CD80、又はCD86を含む他の標的が、適している。
【0044】
ヒンジドメインは、scFv及び修飾されたFcドメインをつなぐが、いくつかの場合において、ヒンジドメインは、Fcドメインの一部とみなされてもよい。ヒンジドメインの例は、IgGヒンジドメインである。構築物はまた、CD8αシグナルペプチドなどのようなN末端シグナルペプチドを含むこともできる(配列番号21及び22を参照)。
【0045】
VL及びVHドメイン間の様々なリンカードメインが、適している。いくつかの実施形態では、リンカードメインは、(G4S)xとすることができ、xは、1~100の整数である;好ましくは、xは、1~10の整数である;さらにより好ましくは、xは、2~5の整数である。いくつかの実施形態では、リンカードメインは、(G4S)3とすることができる。他の実施形態では、リンカードメインは、1つ又はそれ以上のグリシン残基(たとえば(G)yとすることができ、yは、2~100の整数である。他の実施形態では、リンカードメインは、(EAAAK)3、(G4S)x、(G4S)3、及び(G)yとすることができ、可動性リンカーの例となるが、(EAAAK)3は、より剛性のリンカーの例となる。
【0046】
様々なヒンジドメインが、適している。いくつかの実施形態では、ヒンジドメインは、IgGヒンジドメインとすることができる。いくつかの実施形態では、ヒンジは、複数のアミノ酸残基とすることができる。いくつかの実施形態において、ヒンジドメインは、IgE、IgA、IgD、又はCD8α由来のヒンジドメインとすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、構築物は、
図6Aにおいて示されるように、キメラ受容体もコードするバイシストロニックベクターである。キメラ受容体は、受容体ドメイン、ヒンジ及び膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達ドメイン、並びに細胞質シグナル伝達ドメインを含むことができる。
図6Aの構築物において、キメラ受容体は、自己切断ペプチドである2Aペプチドによって、修飾されたFcドメインとつながれる。scFvドメイン及びFcドメインとキメラ受容体をつなぐことによって、両方のタンパク質の同時発現を、単一のベクターから発現させることができる。2Aペプチドの例は、P2A(配列番号43及び44)、T2A(配列番号45及び46)、E2A(配列番号47及び48)、並びにF2A(配列番号49及び50)であるが、他の2Aペプチドが当技術分野において知られている。
【0048】
IFLの設計に対する修飾
本研究において試験されるIFL構築物の設計は、いくつかのその機能を増強する及び/又はその特異性の範囲を広げるために、さらに修飾することができる。例えば、修飾されたFcは、NK細胞及びマクロファージにおけるFc受容体に対するその親和性を増加させ、したがってADCC及びADCPを増強するために並びに/又は補体に結合するその能力を増加させるために、さらに改変することができる。41-43
【0049】
ある修飾において(
図8A)、FcのC
H2ドメイン中に導入された2つの突然変異の例(239位においてアスパラギン酸の代わりにセリン、S239D;及び332位においてグルタミン酸の代わりにイソロイシン、I332E)は、Fc受容体に対する親和性を改善するためになされる;2つの他の突然変異(S267E及びH268F)は、補体結合を増加させるためになされる。
41,43
【0050】
別の修飾において(
図8B)、FcのC
H2ドメイン中に導入された突然変異の例(E345K、E430G、及びS440Y)は、六量体形成を促進するためになされる。IFL六量体は、ADCC及びCDCを増加させることができるであろう。
44,48
【0051】
別の修飾において(
図8C)、IL-15が、IFL構築物に追加される;このサイトカインは、免疫細胞の活性化及び増加を促進する。
45,46IFL及びIL-15は、リンカーによってつながれる。IFL構築物とサイトカインとの間の種々のリンカードメインが、適している。いくつかの実施形態において、リンカードメインは、その対応するヌクレオチド配列(配列番号51)によって産生される配列番号52のアミノ酸である。いくつかの実施形態において、リンカードメインは、A(EAAK)
4ALEA(EAAAK)
4Aとすることができる。他の実施形態において、リンカードメインは、(EAAAK)
z及びA(EAAAK)
zAとすることができ、zは、1~100の整数である;好ましくは、zは、2~5の整数である。他の実施形態において、リンカードメインは、(XP)
wとすることができ、Xは、任意のアミノ酸を指定する;好ましくは、Xは、アラニン、リシン、又はグルタミン酸であり、wは、1~100の整数である。
【0052】
別の修飾において(
図8E)、4-1BB(CD137)、CD28、又はOX40(CD134)などの免疫細胞の共刺激分子に結合するリガンドが、IFL構築物に追加される。IFL及び共刺激リガンドは、リンカーによってつながれる。IFL構築物と共刺激リガンドとの間の種々のリンカードメインが、適しており、一般に、
図8CのIFL構築物とサイトカインとの間の適しているリンカードメインと同じである。
【0053】
図8Dは、IFLの結合ドメインが、エプスタイン-バーウイルスに対して誘導されるT細胞受容体(TCR)の細胞外ドメインである構築物を示す。
47そのようなIFLは、ウイルス感染した又は癌化した(oncogenically transformed)細胞によって産生されるペプチドを認識することができ、MHC/HLA分子と関連して細胞膜上に発現させることができる。そのため、そのようなIFLは、抗体又は抗体に由来するscFvによって認識することができないウイルスペプチド又は癌細胞によって産生されるペプチドを標的とするために使用することができるであろう。
【0054】
トランスジェニック宿主細胞を作製するための方法
トランスジェニックナチュラルキラー(NK)細胞又はトランスジェニックT細胞などのようなトランスジェニック宿主細胞を作製するための方法が、本明細書において記載される。トランスジェニック宿主細胞は、たとえば、宿主細胞の中に、本明細書において記載される1つ又はそれ以上のベクターの実施形態を導入することによって作製することができる。
【0055】
一実施形態では、方法は、IFLをコードする核酸を含むベクターを宿主細胞の中に導入することを含む。いくつかの実施形態では、バイシストロニックベクターなどのような核酸は、キメラ受容体と共にIFLを発現する。いくつかの実施形態では、2つの別々のベクターは、IFL及びキメラ受容体を発現する、トランスジェニックT細胞などのようなトランスジェニック細胞を作り出すために使用することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の核酸は、宿主細胞のゲノムの中に統合される。いくつかの実施形態では、宿主ゲノムの中に統合される核酸は、たとえば相同組換え、CRISPRベースのシステム(たとえばCRISPR/Cas9;CRISPR/Cpf1)、及びTALENシステムを含む、当技術分野において知られている様々な適した手法のいずれかを使用して、宿主細胞の中に導入することができる。
【0057】
宿主細胞
種々の宿主細胞が、トランスジェニック宿主細胞を作製するのに適している。最も一般的には、宿主細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞又はTリンパ球細胞などの免疫細胞である。
【0058】
本明細書において使用されるように、「ナチュラルキラー細胞」(「NK細胞」)は、免疫系の一種の細胞傷害性リンパ球を指す。NK細胞は、速やかな反応をウイルス感染した細胞にもたらし、がん化した細胞に応答する。典型的に、免疫細胞は、感染した細胞の表面で主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子によって提示される病原体由来のペプチドを検出し、サイトカイン放出を引き起こし、溶解又はアポトーシスを引き起こす。しかしながら、NK細胞は、病原体由来のペプチドがMHC分子上に存在するかどうかにかかわらず、ストレスがかかっている細胞を認識する能力を有するので、他に類を見ない細胞である。NK細胞は、標的を死滅させるために事前の活性化を必要としないと当初考えられたため、「ナチュラルキラー」と命名された。NK細胞は、大型顆粒リンパ球(LGL)であり、骨髄において分化し、成熟することが知られており、NK細胞は、次いで、骨髄から血液循環中に入る。腫瘍細胞の表面の抗原に抗体が結合している場合、NK細胞はまた、腫瘍細胞を死滅させることもできる;抗体のFc部分は、NK細胞の表面のFc受容体(CD16)に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)として知られているプロセスである細胞傷害作用を引き起こす。
【0059】
本明細書において使用されるように、「Tリンパ球」又は「T細胞」は、胸腺において成熟するリンパ球を指す。T細胞は、さらに特徴づけられ、Tヘルパー(TH)細胞、T細胞傷害性(TC)細胞、及びT調節性(Treg)細胞を含む亜集団に分けることができる。TH及びTC細胞は、膜糖タンパク質CD4及びCD8の存在又は非存在に従って特徴づけることができる。一般に、TH細胞は、それらの表面にCD4を発現するが、TC細胞は、それらの表面にCD8を発現する。Tヘルパー細胞は、TH1細胞及びTH2細胞としてさらに特徴づけることができる。T細胞はまた、CD16及びシグナル伝達分子をコードする受容体を形質導入した場合、ADCCを発揮することもできる。32
【0060】
いくつかの態様において、NK細胞又はT細胞は、哺乳動物細胞である。「哺乳動物」又は「哺乳類」の例は、霊長類(例えばヒト)、イヌ科の動物、ネコ科の動物、げっ歯類、ブタ、反芻動物、及びその他同種のものを含む。特定の例は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、モルモット、ラット、及びマウスを含む。特定の態様において、哺乳動物T又はNK細胞は、ヒトT又はNK細胞である。
【0061】
IFLをコードする核酸を含むベクターを宿主細胞の中に導入すると同時に、宿主細胞は、IFLを発現するトランスジェニック宿主細胞になる。典型的に、IFLは、トランスジェニック宿主細胞によって分泌される。
【0062】
値及び範囲
特に明記しない限り又は特に文脈及び当業者の理解から明白でない限り、範囲として表される値は、特に文脈が明確に指示しない限り、様々な実施形態において指定される範囲内の任意の特定の値又は部分範囲と考えることができる。数値に関する「約」は、特に指定のない限り又は特に文脈から明白でない限り、その値の±8%、いくつかの実施形態では±6%、いくつかの実施形態では±4%、いくつかの実施形態では±2%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%以内にある値の範囲を一般に指す。
【実施例】
【0063】
材料及び方法
細胞
ヒト細胞株RS4;11及びNalm-6(B細胞白血病)、Ramos、Raji、及びDaudi(B細胞リンパ腫)、並びにJurkat(T細胞白血病)を、American Type Culture Collection(Rockville、MD)から得た。B細胞白血病細胞株OP-1は、発明者らの研究所で確立した。33発明者らは、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を含有するマウス幹細胞ウイルス(MSCV)-配列内リボソーム進入部位(IRES)-緑色蛍光タンパク質(GFP)レトロウイルスベクター(Vector Development and Production Shared Resource of St.Jude Children’s Research Hospital、Memphis、TNからの)によりNalm-6及びDaudiを形質導入した。発明者らはまた、mCherry遺伝子を含有するMSCVレトロウイルスベクターによりRamos及びRajiを形質導入した。形質導入した細胞は、MoFloセルソーター(Beckman Coulter、Brea、CA)を使用して、それぞれ、それらのGFP又はmCherry発現について選択した。Nalm-6が表面にCD20を発現するように、発明者らは、サイトメガロウイルスプラスミド(pCMV6)ベクター(Origene、Rockville、MD)中のヒトCD20遺伝子をMSCV-IRES-GFPベクターの中にサブクローニングし、CD20遺伝子によりNalm-6を形質導入した。CD20を発現しているNalm-6細胞は、抗CD20抗体(BD Biosciences、San Jose、CA)による染色後に、MoFloソーターを使用して選択した。細胞株は、10%胎児ウシ血清(FBS、Thermo Fisher Scientific)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンを有するRPMI-1640(ThermoFisher Scientific、Waltham、MA)中で培養した。
【0064】
末梢血は、National University Hospital Blood Bank、Singaporeで健康なドナーから寄付された血小板の廃棄物から得た。単核細胞は、Lymphoprep(Axis-Shield、Oslo、Norway)による密度勾配遠心分離によって単離し、RPMI-1640中で2回洗浄した。ウイルス形質導入のために、NK細胞を、発明者らの研究所において以前に確立した遺伝子修飾K562-mb15-41BBLにより、単離した単核細胞から増加させた。34,35T細胞は、T cell TransAct(Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、Germany)によって活性化し、インターロイキン-2(IL-2、Proleukin、Novartis、Basel、Switzerland、100IU/mL)を有するTexMACS培地(Miltenyi Biotec)中で培養した。
【0065】
プラスミド及びウイルス形質導入
発明者らは、ヒト免疫グロブリンG1(IgG1)の修飾された結晶性断片ドメイン(Fc)と連結している単鎖可変断片(scFv)から構成されるIFLを設計した。シグナルペプチド、CD20に対するscFv、及びIgG1の修飾されたFcのアミノ酸の配列は、DrugBank(http://www.drugbank.ca;受入番号DB00073)において記載されるリツキシマブの配列から得た。CD19に対するscFv配列は、発明者らの研究所において以前に開発された抗CD19-41BB-CD3ζCAR由来のものとした。31重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、(Gly4Ser)3をコードする可動性リンカー配列によって結んだ。連結されたscFvを、シグナルペプチド及びヒンジにつなぎ、続いて、IgG1の定常重ドメイン2及び3(CH2、CH3)につないだ。抗CD20 IFLを、CD16V-4-1BB-CD3ζと融合させ、これは、T細胞に、自己切断2Aペプチド(P2A)を通して、発明者らの研究所によって以前に記載された通り、ADCCを発揮させることができた。36遺伝子を、GFPあり又はなしで、MSCVベクターの中にサブクローニングした。
【0066】
レトロウイルスベクターによる遺伝子形質導入は、以前に記載される通り、実行した。37簡単に述べると、MSCVレトロウイルスベクターを、RetroNectinコーティング(Takara、大津、日本)チューブに追加し、16時間4℃でインキュベートした。次いで、活性化されたNK細胞又はTリンパ球を、上清の除去の後にチューブに追加し、24時間5%CO2中37℃でインキュベートした。形質導入手順を、次の日、もう一回繰り返した。形質導入した細胞を、RPMI-1640、IL-2を有する10%FB中で維持した。
【0067】
IFL発現及び特異性の決定
IFL発現を検出するために、形質導入した細胞を、8E試薬(発明者らの研究所において開発された透過処理試薬)によって透過処理した後に、フィコエリトリン(PE)コンジュゲート抗ヒトIgG抗体(SouthernBiotech、West Grove、PA)により染色した。細胞表面のCD16及びCD3発現は、それぞれ抗CD16-PE(clone B73.1、BD Biosciences)及び抗CD3-APC(clone SK7、BD Biosciences)によって、決定した。
【0068】
IFLの特異性については、形質導入した細胞由来の培養上清を、Jurkat(CD20ネガティブ、CD19ネガティブ)、Ramos(CD20ポジティブ、CD19ポジティブ)、又はRS4;11(CD20ネガティブ、CD19ポジティブ)に1μg/mLで追加し、10分間インキュベートした。細胞表面に結合したIFLを、PEコンジュゲート抗ヒトIgG抗体により検出した。細胞染色は、BD LSRFortessa(BD Biosciences)を使用して解析した。
【0069】
IFL濃度の測定及びグリコシル化解析
形質導入した細胞由来の培養上清中のIFL濃度を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって測定した。簡単に述べると、IFL又はリツキシマブを含有する培養上清を、1時間、PEコンジュゲート抗ヒトIgG抗体によりコーティングされたプレート上でインキュベートし、洗浄した。その後に、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート抗リツキシマブ抗体(MB2A4、Bio-rad、Hercules、CA)をプレートに追加し、1時間インキュベートした。蛍光を、QuantaBlu Fluorogenic Peroxidase Substrate(Thermo Fisher)を追加した後に、Infinite 200 PRO(Tecan、Mannedorf、Switzerland)によって測定した。IFL濃度を、リツキシマブにより調製した検量線によって決定した。
【0070】
グリコシル化解析は、Proteodynamics(Riom、France)によって実行した。簡単に述べると、形質導入した細胞の培養上清中のIFLを、透析膜(Amicon Ultra-15 Centrifugal Filter Units、Merck Millipore、Burlington、MA)によって濃縮し、NAB Protein G Spinキット(Thermo Fisher)を使用して精製した。精製したIFLを、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び1%β-メルカプトエタノール中で変性させ、PNGase F(Promega、Fitchburg、WI)によって脱グリコシルした。PNGaseによって放出されたN-グリカンを、Hypercarb Hypersep 200mg(Thermo Fisher)で精製し、Autoflex speed mass spectrometer(Bruker、Billerica、MA)を使用するMALDI-TOF MS解析の前に、水酸化ナトリウム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びヨウ化メチル(ICH3)によって多メチル化した(permethylate)。
【0071】
インビトロにおける細胞傷害作用アッセイ
CDCアッセイのために、5%補体(Sigma-Aldrich、Saint Louis、MO)あり又はなしのRPMI/10%FBS培地中のRamos又はSUDHL-4を平板培養し、リツキシマブ又は抗CD20 IFLを、0.05μg/mlで追加した。生細胞を、2時間、5%CO2中37℃でのインキュベーションの後に、Accuri CD6(BD Biosciences)によってカウントした。
【0072】
ADCPを試験するために、mCherryにより標識したRamos細胞を、0.1μg/mlの抗CD20 IFL又はリツキシマブの存在下において、48時間、1:1の比で、THP-1あり又はなしで培養した。Ramos細胞を、IncuCyte Zoom System(Essen BioScience、Ann Arbor、MI)によってカウントした。
【0073】
ADCCアッセイのために、カルセインAM(Thermo Fisher)により染色した標的細胞を、4時間、2:1のエフェクター対標的(E:T)比で、形質導入したNK細胞又はTリンパ球と共培養した。標的生細胞を、フローサイトメトリーによってカウントした。他の試験において、mCherryを発現する標的細胞を、5%CO2中37℃で、IL-2(NK細胞については200IU/mL、T細胞については100IU/mL)と共にNK細胞又はTリンパ球とインキュベートした。コントロールとして、リツキシマブを、1.0μg/mlで、GFPのみを有するNK細胞に追加した。標的細胞を、3日間、8時間毎に、IncuCyte Zoom Systemを使用してカウントした。
【0074】
マウスモデルにおけるIFL動態及び力学
T細胞から分泌されたIFLの血漿濃度を測定するために、NOD.Cg-PrkdcscidIL2rgtm1Wjl/SzJ(NOD/scid IL2RGnull)マウス(The Jackson Laboratory、Bar Harbor、ME)に、抗CD20 IFL-P2A-CD16V-4-1BB-CD3ζを形質導入した2×107T細胞を、続いて、2日後に、CD20を発現している2×105Nalm-6を静脈内注射した(i.v.)。マウスはまた、3週間、2日毎に、20,000IUのIL-2を腹腔内に受けた。血漿中のIFLを、ELISAによって測定した。
【0075】
インビボにおける抗腫瘍活性について検査するために、ルシフェラーゼ標識Daudiを、腹腔内に(i.p.)、マウス当たり2×105細胞で、NOD/scid IL2RGnullマウスに注射した。3及び6日後、マウスは、i.p.で、マウス当たり2×107細胞で、抗CD20 IFL-P2A-CD16V-4-1BB-CD3ζを形質導入したT細胞を受けた。他のマウスは、T細胞ではなく、GFP又は0.2mlのRPMI 1640のみを形質導入した2×107T細胞を受けた。すべてのマウスは、1又は3週間、2日毎に、20,000IUのIL-2を受けた。Daudi細胞の成長は、D-ルシフェリンカリウム塩(Perkin Elmer、Waltham、MA)の注射後に、Xenogen IVIS-200 System(Caliper Life Sciences、Waltham、MA)を使用して測定した。発光は、Living Image 3.0ソフトウェア(Perkin Elmer)により解析した。マウスは、発光が1秒当たり1×1011光子に達した場合又は安楽死を正当化する身体的徴候が現れた場合、安楽死させた。
【0076】
結果
IFLの設計及び発現
発明者らは、最初に、抗CD20抗体リツキシマブについて公開されている配列からscFv断片を産出した。このscFv及び発明者らの研究所において以前に開発された抗CD19 scFv
31を、ヒトIgG1のヒンジ並びに重鎖定常ドメイン2(C
H2)及び3に(C
H3)に連結した(
図1A)。発明者らは、GFP遺伝子もまた含有するMSCVレトロウイルスベクターの中にIFL遺伝子を挿入し、それらを、増加させたNK細胞中に形質導入した。形質導入された細胞によってIFLが合成されたかどうかを決定するために、発明者らは、Fc構成要素を標的にする細胞内染色を実行した。
図1Bにおいて示されるように、ほとんどのNK GFP+細胞はまた、抗CD20 IFL又は抗CD19 IFLも発現した。末梢血Tリンパ球に同じ構築物を形質導入した場合に、同様の結果が見られた(
図1C)。
【0077】
発明者らは、IFLがそれらの同系の標的に結合することができるかどうかを決定した。
図2に示されるように、分泌された抗CD19 IFLは、CD19+細胞Ramos及びRS4;11を標識したが、抗CD20 IFLは、CD20+Ramos細胞株のみを標識し、CD20-RS4;11細胞株は標識しなかった。どちらもCD19-CD20-T細胞株Jurkatを標識しなかった(
図2)。
【0078】
IFLの特徴づけ
免疫細胞がIFLを産生する能力を測定するために、発明者らは、抗CD20 IFLを形質導入した細胞から培養培地を収集し、抗イディオタイプリツキシマブ抗体を使用して、ELISAによって抗体の濃度を測定した。
図3Aに示されるように、NK細胞もT細胞も、抗CD20 IFLを分泌した。特に、T細胞の上清において測定されたIFLの量は、NK細胞の上清において測定された量よりも有意に高かった(P<0.01)。形質導入した1×10
6NK細胞から24時間で分泌されたIFLの量は、23.5ngのリツキシマブと等価であった(範囲、15.1~36.8ng、n=3)。T細胞によって分泌されたIFLの量は、74.3ngと等価であった(範囲、62.8~93.2ng、n=3)。
【0079】
免疫細胞によって産生された構築物の翻訳後修飾プロファイルのタイプを明らかにするために、発明者らは、MALDI-TOFを使用して、修飾されたFcドメインに結合したN結合型グリカンの解析を実行した。12のN-グリカン構造が、NK細胞IFLについて検出され、8つがT細胞IFLについて検出された。両方とも、主要な構造は、G2S2と命名される、コアフコースを有さず、2つのガラクトース及び2つの端末シアル酸を含有するジシアリル化2分岐N-グリカン([M+Na]
+2792)であった。興味深いことに、IFLが、それぞれ、NK及びT細胞によって産生された場合、Fcグリカンの79%及び59%は、非フコシル化であった。(
図3B、C)。コントロールとして、発明者らはまた、リツキシマブのN結合型グリカンパターンを試験した;検出されたN-グリカンは、2つのフコシル化2分岐N-グリカン([M+Na]+1836=G0F、2040=G1F)であった。
【0080】
IFLは、CDC、ADCP、及びADCCを媒介する
IFLがCDCを媒介することができるかどうかを試験するために、発明者らは、CD20+B-リンパ腫細胞株Ramos、SUDHL-4、及びRajiを、様々な濃度の抗CD20 IFL(IFLを形質導入したNK細胞又はT細胞の上清から収集した)及び5%補体と、2時間インキュベートした。並行試験において、抗CD20 IFLを、リツキシマブと交換した。
図4Aに示されるように、IFLは、Ramos及びSUDHL-4細胞株の両方(補体溶解に対して感受性であることが知られている)の大量の溶解を引き起こしたが、補体抵抗性のRaji細胞は、ほとんど影響を受けないままであった。
38,39
【0081】
ADCPを、タグ付き標的細胞の食作用を発揮することができる単球性細胞株、THP-1とRamosを共培養することによって試験した。
40図4Bに示されるように、NK又はT細胞に由来するIFLは、THP-1細胞の存在下において、Ramos細胞の消失を促進することができた。
【0082】
NK細胞及びT細胞によって産生されたIFLがADCCを媒介することができるかどうかを決定するために、発明者らは、E:T 1:1の比で、GFPのみ又は抗CD20 IFLを形質導入したNK細胞と、CD20+リンパ腫細胞株Rajiを共培養し、コントロールとしてNK-GFP細胞と1μg/mLのリツキシマブを使用した。
図5Aに示されるように、IFL NK細胞は、強力な細胞傷害作用を発揮した。他の試験において、発明者らは、3つのCD19+白血病細胞株(RS4;11、OP-1、及びNalm-6)に対する、抗CD19 IFLを形質導入したNK細胞の細胞傷害能力を決定した。
図5Bに示されるように、NK-IFL細胞は、GFPのみを形質導入したNK細胞よりも、有意に強力であり、CD19+CD20-細胞株RS4;11に対する細胞死滅は、抗CD19 IFLによってのみ媒介された(
図5C)。
【0083】
CD16受容体を発現するT細胞は、自己産生IFLを通してADCCを発揮する
発明者らは、P2Aによって分離される抗CD20 IFL及びCD16(V158)-41BB-CD3ζ受容体を含有するバイシストロニック構築物を調製した(
図6A)。CD16-41BB-CD3ζは、発明者らの研究所において以前に産出されたものであり、Tリンパ球にADCCの能力を与えることが示された。
32発明者らは、両方の構成要素の発現を達成する構築物をTリンパ球に形質導入した(
図6B、C)。長期培養においてRamos細胞に曝露した場合、IFL及びCD16-41BB-CD3ζの両方を発現するTリンパ球は、リンパ腫細胞を根絶したが、一方の遺伝子のみ又はGFPを発現するT細胞は、根絶しなかった(
図6D)。CD16-41BB-CD3ζに関する付加的な情報は、米国特許第10,144,770 B2号明細書及び米国特許出願公開第2015/0139943号明細書で見つけることができ、両方とも、それらの全体が参照によって本明細書において援用される。
【0084】
発明者らは、次に、NOD-SCID-IL2RGnull免疫不全マウスにおける、抗CD20 IFLを形質導入した2×10
7Tリンパ球の静脈内注射の後にマウス血漿において測定することができる血漿IFLのレベルを決定した。
図7Aに示されるように、IFLは、細胞注射の50日後に血漿において検出することができ、IFL分泌が持続的であることを示す。発明者らは、IFL及びCD16-41BB-CD3ζの両方を発現するTリンパ球が抗腫瘍活性を発揮することができるかどうかを、CD20+B細胞リンパ腫細胞株Daudiを腹腔内に移植したNOD-SCID-IL2RGnull免疫不全マウスにおいて評価した。T細胞の腹腔内注射の後に、IFL及びCD16-41BB-CD3ζを有するT細胞を受けたマウスにおいて強力な抗腫瘍活性があったが、腫瘍は、GFPのみを形質導入したT細胞を受けた又はT細胞を受けなかったマウスにおいて急速に成長した(
図7B)。
【0085】
修飾IFL
IFL構築物を、いくつかのその機能を増強させる及び/又はその特異性の範囲を広げるために修飾した。例えば、修飾されたFcは、NK細胞及びマクロファージにおけるFc受容体に対するその親和性を増加させ、したがってADCC及びADCPを増強するために並びに/又は補体を結合させるその能力を増加させるために、さらに改変することができる。特に、
図8A~Dの修飾IFLを構築した。
【0086】
図9A~Bにおいて示される実験の結果は、NK細胞によって分泌された抗CD20 IFLにIL-15をコードする配列を追加することにより、3日間の共培養においてCD20+リンパ腫細胞に対する死滅活性が著しく増加することを実証する。これらの実験において、NK細胞にIFL-IL15を形質導入した場合に、Ramos細胞数は、最も効果的に低下した;これらの細胞は、IL-15を欠くILFを形質導入した細胞よりも強力であり、これらは、さらには、GFPのみを形質導入したNK細胞よりも強力であった。IFL-IL15が優位であることは、IL-2が培養物中に存在するかどうかにかかわらず、観察された。これらの結果は、IFLを他の機能的分子に連結することによって、IFLの機能を強化することができることを実証する。
【0087】
追加の実施形態
1.以下を含むペプチド:
a)単鎖可変断片(scFv)ドメイン;
b)結晶性断片(Fc)ドメイン;並びに
c)scFvドメイン及びFcドメインをつなぐヒンジドメイン。
【0088】
2.scFvドメインは、免疫グロブリン可変軽(VL)ドメイン、免疫グロブリン可変重(VH)ドメイン、並びにVL及びVHドメインをつなぐリンカードメインを含む、実施形態1のペプチド。
【0089】
3.リンカードメインは、(G4)xであり、xは、1~100の整数である、実施形態2のペプチド。
【0090】
4.リンカードメインは、(G4)3である、実施形態3のペプチド。
【0091】
5.scFvドメインは、CD19に結合する、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0092】
6.scFvドメインは、CD20に結合する、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0093】
7.scFvドメインは、CD22、CD38、CD7、CD2、CD3、上皮増殖因子受容体(EGFR)、CD123、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、メソテリン、ヒト上皮増殖因子受容体2(Her2)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、ジシアロガングリオシド(GD2)、PD-L1(CD274)、CD80、又はCD86に結合する、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0094】
8.Fcドメインは、免疫グロブリン定常重2(CH2)ドメイン及び免疫グロブリン定常重3(CH3)ドメインを含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0095】
9.Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインである、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0096】
10.scFvドメインに対してN末端にあるシグナルペプチドをさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0097】
11.キメラ受容体にFcドメインをつなぐ自己切断ペプチドをさらに含み、キメラ受容体は、受容体ドメイン、ヒンジ及び膜貫通ドメイン、共刺激シグナル伝達ドメイン、並びに細胞質シグナル伝達ドメインを含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0098】
12.自己切断ペプチドは、2Aペプチドである、実施形態11のペプチド。
【0099】
13.受容体ドメインは、CD16である、実施形態11のペプチド。
【0100】
14.ヒンジ及び膜貫通ドメインは、CD8αヒンジ及び膜貫通ドメインである、実施形態11のペプチド。
【0101】
15.共刺激ドメインは、4-1BB共刺激ドメインである、実施形態11のペプチド。
【0102】
16.細胞質シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞質シグナル伝達である、実施形態11のペプチド。
【0103】
17.キメラ受容体は、CD16V-4-1BB-CD3ζである、実施形態11のペプチド。
【0104】
18.scFvドメインは、CD19又はCD20に結合する、Fcドメインは、ヒトIgG1 Fcドメインである、及びヒンジドメインは、IgG1ヒンジドメインである;ペプチドは、scFvドメインに対してN末端にあるCD8αシグナルペプチドをさらに含む;ペプチドは、CD16V-4-1BB-CD3ζであるキメラ受容体をさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド
【0105】
19.次の突然変異の1つ以上をさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド:S239D;S267E;H268F;又はI332E。
【0106】
20.次の突然変異の1つ以上をさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド:E345K;E430G;又はS440Y。
【0107】
21.ペプチドは、リンカーによってFcドメインにつながれたIL-15をさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0108】
22.FcドメインにIL-15をつなぐリンカーは、配列番号51;A(EAAK)4ALEA(EAAAK)4A;(EAAAK)z;A(EAAAK)zA;及び(XP)wからなる群から選択される、zは、1~100の整数である;Xは、任意のアミノ酸である、及びwは、1~100の整数である、実施形態21のペプチド。
【0109】
23.ペプチドは、リンカーによってFcドメインにつながれた、4-1BB(CD37)、CD28、又はOX40(CD134)に結合するリガンドをさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つのペプチド。
【0110】
24.FcドメインにIL-15をつなぐリンカーは、配列番号51;A(EAAK)4ALEA(EAAAK)4A;(EAAAK)z;A(EAAAK)zA;及び(XP)wからなる群から選択される、zは、1~100の整数である;Xは、任意のアミノ酸である、及びwは、1~100の整数である、実施形態23のペプチド。
【0111】
25.実施形態1~24のいずれかのペプチドをコードする核酸。
【0112】
26.実施形態1~24のいずれかのペプチドをコードする核酸を含むベクター。
【0113】
27.ベクターは、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)である、実施形態26のベクター。
【0114】
28.ペプチドを発現する免疫細胞であって、ペプチドは、
a)T細胞受容体(TCR)βドメイン;
b)TCRβドメインにつながれた第1の結晶性断片(Fc)ドメイン;
c)TCRαドメイン;
d)TCRαドメインにFcドメインをつなぐ自己切断ペプチド;
e)TCRαドメインにつながれた第2のFcドメイン
を含む、免疫細胞。
【0115】
29.T細胞受容体(TCR)βドメインにつながれたシグナルペプチドをさらに含む、実施形態28の免疫細胞。
【0116】
30.第1のFcドメインは、第2のFcドメインと同じである、実施形態28の免疫細胞。
【0117】
31.以下を含むペプチド:
a)T細胞受容体(TCR)βドメイン;
b)TCRβドメインにつながれた第1の結晶性断片(Fc)ドメイン;
c)TCRαドメイン;
d)TCRαドメインにFcドメインをつなぐ自己切断ペプチド;
e)TCRαドメインにつながれた第2のFcドメイン。
【0118】
32.T細胞受容体(TCR)βドメインにつながれたシグナルペプチドをさらに含む、実施形態31のペプチド。
【0119】
33.第1のFcドメインは、第2のFcドメインと同じである、実施形態31のペプチド。
【0120】
34.実施形態31~33のいずれか1つのペプチドをコードする核酸。
【0121】
35.実施形態31~33のいずれか1つのペプチドをコードする核酸を含むベクター。
【0122】
36.トランスジェニック宿主細胞を作製するための方法であって、ベクターを宿主細胞の中に導入することを含み、ベクターは、実施形態1~24又は実施形態31~33のいずれかのペプチドをコードする核酸を含む、方法。
【0123】
37.対象において抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、又は補体依存性細胞傷害作用(CDC)を増強するための方法であって、本明細書において記載される免疫細胞のいずれかの治療有効量を対象に投与することを含む、方法。
【0124】
配列
配列番号1:抗CD20 IFL、リツキシマブシグナルペプチド;cDNA:ATGGACTTCCAGGTGCAGATCATCAGCTTTCTGCTGATCTCCGCCTCT
【0125】
配列番号2:抗CD20 IFL、リツキシマブシグナルペプチド;アミノ酸:MDFQVQIISFLLISAS
【0126】
配列番号3:抗CD20 IFL、リツキシマブ軽鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;cDNA:
【化1】
【0127】
配列番号4:抗CD20 IFL、リツキシマブ軽鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;アミノ酸:
VIMSRGQIVLSQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVSYIHWFQQKPGSSPKPWIYATSNLASGVPVRFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWTSNPPTFGGGTKLEIK
【0128】
配列番号5:抗CD20 IFL、リンカー;cDNA:GGCGGCGGCGGCTCTGGAGGAGGAGGCAGCGGCGGAGGAGGCTCC
【0129】
配列番号6:抗CD20 IFL、リンカー;アミノ酸:GGGGSGGGGSGGGGS
【0130】
配列番号7:抗CD20 IFL、リツキシマブ重鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;cDNA:
【化2】
【0131】
配列番号8:抗CD20 IFL、リツキシマブ重鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;アミノ酸:
【化3】
【0132】
配列番号9:抗CD20 IFL、免疫グロブリンG1のヒンジ並びに定常重ドメイン2及び3;cDNA:
【化4】
【0133】
配列番号10:抗CD20 IFL、免疫グロブリンG1のヒンジ並びに定常重ドメイン2及び3;アミノ酸:
【化5】
【0134】
配列番号11:抗CD19 IFL、CD8αシグナルペプチド;cDNA:
ATGGCCTTACCAGTGACCGCCTTGCTCCTGCCGCTGGCCTTGCTGCTCCACGCCGCCAGGCCG
【0135】
配列番号12:抗CD19 IFL、CD8αシグナルペプチド;アミノ酸:MALPVTALLLPLALLLHAARP
【0136】
配列番号13:抗CD19 IFL、軽鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;cDNA:
【化6】
【0137】
配列番号14:抗CD19 IFL、軽鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;アミノ酸:
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEIT
【0138】
配列番号15:抗CD19 IFL、リンカー;cDNA:GGTGGCGGTGGCTCGGGCGGTGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCT
【0139】
配列番号16:抗CD19 IFL、リンカー;アミノ酸:GGGGSGGGGSGGGGS
【0140】
配列番号17:抗CD19 IFL、重鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;cDNA:
【化7】
【0141】
配列番号18:抗CD19 IFL、重鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;アミノ酸:
【化8】
【0142】
配列番号19:抗CD19 IFL、免疫グロブリンG1のヒンジ並びに定常重ドメイン2及び3;cDNA:
【化9】
【0143】
配列番号20:抗CD19 IFL、免疫グロブリンG1のヒンジ並びに定常重ドメイン2及び3;アミノ酸:
【化10】
【0144】
配列番号21:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リツキシマブシグナルペプチド;cDNA:ATGGATTTCCAGGTCCAGATTATTTCCTTCCTGCTGATTAGTGCCAGT
【0145】
配列番号22:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リツキシマブシグナルペプチド;アミノ酸:MDFQVQIISFLLISAS
【0146】
配列番号23:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リツキシマブ軽鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;cDNA:
【化11】
【0147】
配列番号24:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リツキシマブ軽鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;アミノ酸:
VIMSRGQIVLSQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVSYIHWFQQKPGSSPKPWIYATSNLASGVPVRFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWTSNPPTFGGGTKLEIK
【0148】
配列番号25:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リンカー;cDNA:GGCGGCGGCTCTGGAGGAGGAGGAAGCGGAGGAGGAGGCTCC
【0149】
配列番号26:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リンカー;アミノ酸:GGGGSGGGGSGGGGS
【0150】
配列番号27:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リツキシマブ重鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;cDNA:
【化12】
【0151】
配列番号28:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、リツキシマブ重鎖の免疫グロブリン可変ドメイン;アミノ酸:
【化13】
【0152】
配列番号29:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、免疫グロブリンG1のヒンジ並びに定常重ドメイン2及び3;cDNA:
【化14】
【0153】
配列番号30:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、免疫グロブリンG1のヒンジ並びに定常重ドメイン2及び3;アミノ酸:
【化15】
【0154】
配列番号31:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、P2A;cDNA:GCCACAAACTTTAGCCTGCTGAAGCAGGCAGGCGACGTGGAGGAGAATCCAGGA
【0155】
配列番号32:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、P2A;アミノ酸:ATNFSLLKQAGDVEENPG
【0156】
配列番号33:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD8αシグナルペプチド;cDNA:
CCCGCCCTGCCAGTGACCGCCCTGCTGCTGCCTCTGGCCCTGCTGCTGCACGCAGCCCGCCCA
【0157】
配列番号34:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD8αシグナルペプチド;アミノ酸:PALPVTALLLPLALLLHAARP
【0158】
配列番号35:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、FCGR3A細胞外ドメイン;cDNA:
【化16】
【0159】
配列番号36:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、FCGR3A細胞外ドメイン;アミノ酸:
【化17】
【0160】
配列番号37:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD8αヒンジ及び膜貫通;cDNA:
【化18】
【0161】
配列番号38:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD8αヒンジ及び膜貫通;アミノ酸:
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
【0162】
配列番号39:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD137細胞質ドメイン;cDNA:
【化19】
【0163】
配列番号40:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD137細胞質ドメイン;アミノ酸:KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
【0164】
配列番号41:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD3ζ細胞質内ドメイン;cDNA:
【化20】
【0165】
配列番号42:抗CD20 IFL-P2A-CD16V-BB-ζ、CD3ζ細胞質内ドメイン;アミノ酸:
【化21】
【0166】
配列番号43:P2A cDNA:GCCACAAACTTTAGCCTGCTGAAGCAGGCAGGCGACGTGGAGGAGAATCCAGGA
【0167】
配列番号44:P2Aアミノ酸:ATNFSLLKQAGDVEENPG
【0168】
配列番号45:T2A cDNA:
GGAAGCGGAGAGGGCAGAGGAAGTCTGCTAACATGCGGTGACGTCGAGGAGAATCCTGGACCT
【0169】
配列番号:46:T2Aアミノ酸:GSGEGRGSLLTCGDVEENPGP
【0170】
配列番号47:E2A cDNA:
GGAAGCGGACAGTGTACTAATTATGCTCTCTTGAAATTGGCTGGAGATGTTGAGAGCAACCCTGGACCT
【0171】
配列番号48:E2Aアミノ酸:GSGQCTNYALLKLAGDVESNPGP
【0172】
配列番号49:F2A cDNA:
GGAAGCGGAGTGAAACAGACTTTGAATTTTGACCTTCTCAAGTTGGCGGGAGACGTGGAGTCCAACCCTGGACCT
【0173】
配列番号:50:F2Aアミノ酸:GSGVKQTLNFDLLKLAGDVESNPGP
【0174】
配列番号51:
図8Cのリンカー ヌクレオチド:
AGCTGCTGCTAAGGCACTGGAAGCAGAAGCCGCGGCTAAGGAGGCGGCTGCAAAAGAAGCTGCAGCCAAGGAAGCAGCCGCGAAGGCA
【0175】
配列番号52:
図8Cのリンカー アミノ酸:AEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKALEAEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKA
【0176】
配列番号53:
図8CのIL-15 ヌクレオチド:
【化22】
【0177】
配列番号54:
図8CのIL-15 アミノ酸:
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS
【0178】
参照による援用;等価物
本明細書において引用されるすべての特許、公開出願、及び参考文献の教示は、それらの全体が参照によって援用される。
【0179】
例示の実施形態について詳細に示し、記載したが、添付の特許請求の範囲によって包含される実施形態の範囲から逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更を実施形態において行うことができることが、当業者らによって理解されるであろう。
【0180】
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【配列表】
【国際調査報告】