(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】アニオン性及び両性界面活性剤、カチオン性多糖類、並びに不飽和脂肪アルコールを含む化粧用組成物、並びに美容的処置方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/46 20060101AFI20220913BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20220913BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20220913BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20220913BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20220913BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20220913BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220913BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20220913BHJP
C11D 1/94 20060101ALI20220913BHJP
C11D 3/22 20060101ALI20220913BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20220913BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20220913BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20220913BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20220913BHJP
C11D 1/10 20060101ALI20220913BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q5/02
A61K8/44
A61K8/39
A61K8/86
A61K8/41
A61K8/34
A61K8/73
C11D1/94
C11D3/22
C11D3/20
C11D1/14
C11D1/29
C11D1/28
C11D1/10
C11D1/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502232
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2020068449
(87)【国際公開番号】W WO2021008870
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マリー-フローランス・ダラス
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB332
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC692
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD052
4C083AD131
4C083AD132
4C083BB05
4C083BB07
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4C083CC38
4C083DD01
4C083DD27
4C083EE28
4H003AB10
4H003AB14
4H003AB21
4H003AB22
4H003AB27
4H003AB31
4H003AD04
4H003DA02
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB42
4H003EB46
4H003ED02
4H003FA10
4H003FA12
4H003FA16
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】
本発明は、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤と、カチオン性多糖類と、組成物の総質量に対し1質量%未満の含有量で存在する不飽和脂肪アルコールと、を含む化粧用組成物、特に毛髪用組成物に関する。
本発明はまた、毛髪をケアするため及び/又は清浄化するための、前記組成物を用いる美容的処置方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用組成物、特に毛髪用組成物であって:
- 1種又は複数種のアニオン性界面活性剤と、
- 1種又は複数種の両性界面活性剤と、
- 1種又は複数種のカチオン性多糖類と、
- 前記組成物の総質量に対し1質量%未満の総含有量の、1種又は複数種の不飽和脂肪アルコールと、を含む、組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤は、単独で又は混合物として:
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルフェート:
- 好ましくは2~20個のエチレンオキシド単位を含む、C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルフェート;
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルホスサクシネート、特にラウリルスルホサクシネート;
- C6~C24、特にC12~C20オレフィンスルホネート;
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルホサクシネート;
- (C6~C24)アシルイセチオネート、好ましくは(C12~C18)アシルイセチオネート;
- C6~C24、特にC12~C20アシルサルコシネート;特にパルミトイルサルコシネート;
- (C6~C24)アルキルエーテルカルボキシレート、好ましくは(C12~C20)アルキルエーテルカルボキシレート;特に、2~50個のエチレンオキシド基を含むもの;
- ポリオキシアルキレン化(C6~C24)アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩、特に、2~50アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド基を含むもの;
- C6~C24、特にC12~C20アシルグルタメート;
- C6~C24、特にC12~C20アシルグリシネート;
特に、酸形態にあるもの又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、アンモニウム、若しくはアミノアルコール塩の形態にあるもの;から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤を、前記組成物の総質量に対し、2質量%~30質量%、好ましくは4質量%~25質量%、より良好には5質量%~20質量%、一層良好には6質量%~15質量%の範囲の総量で含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記両性界面活性剤は、ココイルベタインなどの(C8~C20)アルキルベタイン、コカミドプロピルベタインなどの(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン、及びこれらの混合物、並びに式(IV):
R
a”-NHCH(Y”)-(CH
2)
nCONH(CH
2)
n’-N(R
d)(R
e) (IV)
(式中、
- Y”は、-COOH基、-COOZ”基、若しくは-CH
2-CH(OH)SO
3H基又は-CH
2CH(OH)SO
3-Z”基を表し;
- R
d及びR
eは、互いに独立に、C
1~C
4アルキル又はヒドロキシアルキル基を表し;
- Z”は、ナトリウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属から誘導されるカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されるイオンを表し;
- R
a”は、好ましくはヤシ核油又は加水分解亜麻仁油に存在する酸R
a”-COOHのC
10~C
30アルキル若しくはアルケニル基を表し;
- n及びn’は、互いに独立に、1~3の整数を示す)の化合物;
例えば、ジエチルアミノプロピルラウリルアミノスクシンアミド酸のナトリウム塩から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記両性界面活性剤を、前記組成物の総質量に対し、0.1質量%~20質量%の範囲の総含有量で、優先的には0.5質量%~15質量%、より良好には1質量%~10質量%、更には1.5質量%~7.5質量%の範囲の含有量で含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記不飽和脂肪アルコールは、式R-OH(式中、Rは、8~32個の炭素原子、特に12~28個の炭素原子、特に14~24個の炭素原子、より良好には16~22個の炭素原子を含む不飽和炭化水素系基であり;1個又は複数個のヒドロキシル(OH)基を任意選択的に含み;好ましくは、Rは、8~32個の炭素原子、特に12~28個の炭素原子、特に14~24個の炭素原子、より良好には16~22個の炭素原子を含み、1個のみの二重不飽和を含む不飽和炭化水素系基である)に対応する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記不飽和脂肪アルコールは、オレイルアルコール、エルシルアルコール、及びリノレイルアルコール、並びにこれらの混合物から選択され;優先的には、前記不飽和脂肪アルコールはオレイルアルコールである、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記不飽和脂肪アルコールを、前記組成物の総質量に対し、0.01質量%~0.90質量%の範囲、特に0.02質量%~0.80質量%の範囲、より良好には0.05質量%~0.50質量%の範囲、一層良好には0.1質量%~0.30質量%の範囲の総含有量で含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記カチオン性多糖類は、会合性又は非会合性カチオン性セルロース及びガラクトマンナンガムから選択され;好ましくは、第4級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、カチオン性セルロースコポリマー、水溶性第4級アンモニウムモノマーをグラフトしたセルロース誘導体;カチオン性グアーガム、特にトリアルキルアンモニウム、特にトリメチルアンモニウムカチオン性基を含むもの;カッシアガムのカチオン性誘導体、特に第4級アンモニウム基を含むものから選択され;優先的には、カチオン性ガラクトマンナンガム,特にカチオン性グアーガムから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記カチオン性多糖類を、前記組成物の総質量に対し、0.01質量%~10質量%の範囲、より良好には0.05質量%~5質量%、一層良好には0.1質量%~2質量%の範囲の総量で含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
カチオン性多糖類以外の1種又は複数種の更なるカチオン性ポリマーであって:
(1)アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導される、以下に示す式:
【化1】
(式中、
- R3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH3基を表し;
- Aは、同一であっても異なっていてもよく、1~6個の炭素原子、好ましくは2個若しくは3個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐の二価アルキル基、又は1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を表し;
- R4、R5、及びR6は、同一であっても異なっていてもよく、1~18個の炭素原子を含むアルキル基又はベンジル基、好ましくは1~6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
- R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は1~6個の炭素原子を含むアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し;
- Xは、メトスルフェートアニオンなど、無機酸若しくは有機酸から誘導されたアニオン又はクロリド若しくはブロミドなどのハライドを示す)を有する単位の少なくとも1種を含むホモポリマー又はコポリマー;
(2)ピペラジニル単位と、酸素、硫黄、若しくは窒素原子又は芳香族環若しくは複素環が任意選択的に挿入された直鎖又は分岐鎖を含む二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基と、から構成されるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化及び/又は4級化生成物;
(3)水溶性ポリアミノアミド、特に、酸性化合物とポリアミンとの重縮合により調製されるもの;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和二無水物、ビス不飽和物誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライドにより架橋されていても、或いは、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド、又はビス不飽和物誘導体と反応性を有する二官能性化合物の反応から生成したオリゴマーにより架橋されていてもよく;この架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基あたり0.025~0.35molの範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミドは、アルキル化されていてもよく、或いは、これらが1個又は複数個の第3級アミン官能基を含む場合は、4級化されていてもよい;
(4)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合し、続いて二官能性試剤でアルキル化することにより得られるポリアミノアミド誘導体;
(5)2個の1級アミン基及び少なくとも1個の2級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンを、ジグリコール酸及び3~8個の炭素原子を含む飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸と反応させることにより得られるポリマー;ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸との間のモル比は、好ましくは0.8:1~1.4:1であり;生じたポリアミノアミドを、エピクロロヒドリンと、ポリアミノアミドの2級アミン基に対するエピクロロヒドリンのモル比を好ましくは0.5:1~1.8:1として、反応させる;
(6)アルキルジアリルアミンの環状ポリマー又はジアルキルジアリルアンモニウムの環状ポリマー、例えば、その鎖の主要な構成要素として、式(I)又は(II):
【化2】
(式中:
- k及びtは、0又は1であり、k+tの合計は1であり;
- R12は、水素原子又はメチル基を表し;
- R10及びR11は、互いに独立に、C1~C6アルキル基、C1~C5ヒドロキシアルキル基、C1~C4アミドアルキル基を表すか;或いは、R10及びR11は、それらが結合している窒素原子と共に、ピペリジル又はモルホリニルなどの複素環式基を表すことができ;R10及びR11は、互いに独立に、好ましくはC1~C4アルキル基を表し;
- Y
-は、アニオン、例えば、ブロミド、クロリド、アセテート、ボレート、サイトレート、タータレート、ビスルフェート、ビサルファイト、スルフェート、又はホスフェートである)に対応する単位を含むホモポリマー又はコポリマー;
(7)式:
【化3】
(式中、
- R13、R14、R15、及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、1~20個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式、若しくはアリール脂肪族基又はC1~C12ヒドロキシアルキル脂肪族基を表すか、
或いは、R13、R14、R15、及びR16は、一緒になって又は別々に、それらが結合している窒素原子と共に、任意選択的に第2の非窒素ヘテロ原子を含む複素環を構成するか;
或いは、R13、R14、R15、及びR16は、ニトリル、エステル、アシル、アミド、又は-CO-O-R17-D、又は-CO-NH-R17-D基(式中、R17はアルキレンであり、Dは第4級アンモニウム基である)により置換された直鎖又は分岐のC1~C6アルキル基を表し;
- A1及びB1は、主鎖中に、1個若しくは複数個の芳香環又は1個若しくは複数個の酸素若しくは硫黄原子又はスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミド、若しくはエステル基が、含まれていても、結合していても、又は挿入されていてもよい、2~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の二価ポリメチレン基を表し、
- X
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを表し;
A1、R13、及びR15は、それらが結合している2個の窒素原子と共にピペラジン環を形成できることが理解され;
更に、A1が直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキレン又はヒドロキシアルキレン基を表す場合、B1は、(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)p-基も表し得、式中、n及びpは、同一であっても異なっていてもよく、2~20の範囲の整数であり、Dは、以下を表す:
a)式:-O-Z-O-のグリコール残基(式中、Zは、直鎖若しくは分岐炭化水素系基を表すか、又は以下の式:-(CH2CH2O)x-CH2CH2-及び-[CH2CH(CH3)O]y-CH2CH(CH3)-(式中、x及びyは、規定された個々の重合度を表す1~4の整数を示すか又は平均重合度を表す1~4の任意の数を示す)のうちの1種に対応する基を表す);
b)ビス-第2級ジアミン残基、例えば、ピペラジン誘導体;
c)式-NH-Y-NH-のビス-第1級ジアミン残基(式中、Yは、直鎖若しくは分岐炭化水素系基又は二価の基-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-を示す);
d)式-NH-CO-NH-のウレイレン基)の繰り返し単位を含む、第4級ジアンモニウムポリマー;
(8)式(V):
【化4】
(式中、
- R18、R19、R20、及びR21は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、若しくはメチル、エチル、プロピル、β-ヒドロキシエチル、若しくはβ-ヒドロキシプロピルを表すか、又は;
- CH2CH2(OCH2CH2)pOH基(式中、pは、0又は1~6の間の整数である)を表し、但し、R18、R19、R20、及びR21が同時に水素原子を表すことはなく、
- r及びsは、同一であっても異なっていてもよく、1~6の間の整数であり、
- qは、0又は1~34の間の整数であり、
- X-は、ハライドなどのアニオンを示し、
- Aは、二価のジハライド基を示すか、又は好ましくは-CH2-CH2-O-CH2-CH2-を表す)の単位を含むポリ第4級アンモニウムポリマー;
(9)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの第4級ポリマー;
(10)ポリアミン;
(11)その構造中に:
(a)次式(A):
【化5】
に対応する1種又は複数種の単位と、
(b)任意選択的に、次式(B):
【化6】
に対応する1種又は複数種の単位と、を含むポリマー;
から好ましくは選択される更なるカチオン性ポリマーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物であって、
好ましくは、前記更なるカチオン性ポリマーは、上に述べた(1)群及び(6)群のものから選択され、より良好には(6)群のものから選択され、優先的には、その鎖の主要構成要素として、式(I)又は(II):
【化7】
(式中、
- k及びtは、0又は1であり、k+tの合計は1であり;
- R12は、水素原子又はメチル基を表し;
- R10及びR11は、互いに独立に、C1~C6アルキル基、C1~C5ヒドロキシアルキル基、C1~C4アミドアルキル基を表すか;或いは、R10及びR11は、それらが結合している窒素原子と共に、ピペリジル又はモルホリニルなどの複素環式基を表すことができ;R10及びR11は、互いに独立に、好ましくはC1~C4アルキル基を表し;
- Y
-は、アニオン、例えば、ブロミド、クロリド、アセテート、ボレート、サイトレート、タータレート、ビスルフェート、ビサルファイト、スルフェート、又はホスフェートである)の単位を含むホモポリマー又はコポリマーから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
好ましくは全体で12~40個の炭素原子を含む1種又は複数種のアルコールエーテル、特に、6~20個の炭素原子、好ましくは8~12個、より良好には8~10個の炭素原子を含む同一又は異なるアルコールから得られる1種又は複数種のアルコールエーテル、優先的にはジカプリリルエーテルを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
水を、前記組成物の総質量に対し、好ましくは50質量%~98質量%の範囲、特に60質量%~95質量%の範囲、より良好には70質量%~90質量%の範囲、更には75質量%~85質量%の範囲の量で含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ケラチン物質、特に毛髪をケア及び/又は清浄化するための美容的処置方法、特に毛髪の処置方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の化粧用組成物を前記ケラチン物質に適用することを含み、続いて、任意選択的に、任意選択的な放置時間の後に濯ぎを行う、方法。
【請求項15】
ヒトのケラチン物質に残っている汚れを清浄化するための美容的方法であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物を、水の存在下に前記ケラチン物質に適用し、これを揉むことにより泡立て、次いで生成した泡及び残っている汚れを水で濯ぐことにより取り除く、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、特に、1種又は複数種のアニオン性界面活性剤、1種又は複数種の両性界面活性剤、1種又は複数種の不飽和脂肪アルコール、及び1種又は複数種のカチオン性ポリマーを含む化粧用組成物、特に毛髪用組成物に関する。本発明はまた、前記組成物を用いる美容的処置方法にも関する。より詳細には、これらの組成物は、ケラチン物質、特に毛髪を清浄化及び/又はコンディショニングすることを意図したものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚や毛髪等のケラチン物質を洗浄するために、界面活性剤を基本的に主体とするシャンプーやシャワージェルなどの洗浄料用化粧用組成物(detergent cosmetic composition)を使用することは慣用されている手法である。一般に、この組成物は、好ましくは濡れたケラチン物質に適用し、手で又は身体洗浄用手袋(washing mitt)を用いて揉む又は擦ることにより泡立て、その後、水で濯ぐことにより、最初に毛髪又は皮膚に存在していた幅広い種類の汚れを除去することができる。
【0003】
このような基本となる組成物は、良好な洗浄力を有するものの、その本質的な化粧特性は極めて低いままである。その原因は、とりわけ、この種の清浄化処理が比較的攻撃的な性質を有するために、毛髪の繊維が、特にその内部又は表面に含まれる脂肪又はタンパク質が徐々に取り去られることに付随し、長期的には、程度の差はあれ明らかな損傷を受ける可能性があることにある。
【0004】
したがって、上述の洗浄料組成物、より詳細には、敏感になった(sensitized)毛髪(即ち、光若しくは悪天候などの大気中の外部作用物質の作用により、並びに/又はブロー乾燥、コーミング、染毛、ブリーチ、パーマネントウェーブ処理、及び/若しくは縮毛矯正などの機械的若しくは化学的処理により、全体として傷んでいるか又は脆くなっている毛髪)に適用することが必要な洗浄料組成物の化粧特性を改善することを目的として、これらの組成物に、修復を行うこと、又は、ケラチン物質、特にケラチン繊維、具体的には毛髪が、程度の差はあれ繰り返し曝される様々な処置若しくは攻撃因子により引き起こされる有害な若しくは望まない作用を制限することを主要な目的として、コンディショニング剤として知られる追加の化粧用薬剤(cosmetic agent)を導入することは、現在、一般的な手法となっている。これらのコンディショニング剤は、当然のことながら、天然の毛髪の美容特性も改善し得る。
【0005】
したがって、毛髪に、特に、ツヤ、しなやかさ、軽さ、自然な感触、及び改善された解きほぐし易さという意味での充分な美容特性を付与するために、シャンプーなどの洗浄料用化粧用組成物にコンディショニング剤としてカチオン性ポリマー及び/又はシリコーンを使用することは公知の手法である。
【0006】
特に、アニオン性及び両性界面活性剤並びにカチオン性多糖類を含む水性化粧用組成物が記載されている仏国特許第2773710号明細書に言及することができる。
【0007】
目新しい視覚的外観を有する組成物、即ち、特に清澄性が高く、透明でさえある組成物を提案することも考えられているが、脂肪性物質を導入すると、それが例え液体であってさえも、組成物の清澄性に影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
したがって、ケラチン物質を洗浄及び/又はコンディショニングするための現行の組成物は、依然として、以下に示す幾つかの欠点を有している:環境面での特性(environmental profile)が必ずしも最良ではないシリコーンが存在すること、コンディショニング剤が存在することに付随し、組成物が全体としてクリーミーで不透明な外観を呈すること、泡立ちの速さ及び泡の質が依然として完全に満足できるものではないこと、やせ細った(lankness)髪質の場合はすぐに脂っぽい髪に戻る(regreasing)こと。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、好ましくはシリコーンを含まず(「シリコーンフリー」)、本来の高い洗浄力を有するなど、作業性が良好であり、それと同時に、特に処置後の毛髪に、解きほぐし易さ、しなやかさ、扱い易さ、柔らかい感触、及び滑らかさを付与するという観点で非常に優れた化粧特性を達成することが可能な、ケラチン物質の清浄化/洗浄を意図した清澄な化粧用組成物が切に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、本出願人らは、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を、特定のカチオン性ポリマー及び特定の脂肪アルコールと組み合わせることにより、所望の特性を有するケラチン物質用の洗浄料及びコンディショニング組成物を配合することが可能であることを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0011】
したがって、本発明の一主題は、以下:
- 1種又は複数種のアニオン性界面活性剤、
- 1種又は複数種の両性界面活性剤、
- 1種又は複数種の多糖類、及び
- 組成物の総質量に対し1質量%未満の総含有量の、1種又は複数種の不飽和脂肪アルコール
を含む、化粧用組成物、特に毛髪用組成物にある。
【0012】
本発明による組成物は、良好な洗剤特性(detergent property)又は洗浄性(washing property)を有し、特に、皮膚、粘膜、頭皮、及び眼の忍容性が高く、それと同時に、ケラチン物質を良好にコンディショニングする。
【0013】
本発明による組成物は、非常に質の高い豊富な泡を速やかに得ることを可能にする。この泡は均質であり、且つ長時間に亘り良好に持続する。これはケラチン物質上に容易に且つ均一に広がり、泡切れもよい。
【0014】
更に、本発明による組成物は、ケラチン物質、特に毛髪、その中でも特に敏感になっている毛髪に良好な美容特性を付与する。濯いだ後の毛髪は、もつれが解き易く、しなやかであり、滑らかであり、且つ柔らかい感触を有する。
【0015】
本発明を用いることにより、有利には清澄であり、透明~半透明であり、より優先的には透明である化粧用組成物を得ることも可能である。
【0016】
「清澄な(clear)組成物」という用語は、肉眼ではっきりと透かして見ることができる組成物を意味する。
【0017】
組成物の透明度は、その透過率を測定することにより特徴付けることができる。本発明に関連する透過率の測定は、Cary Type 100 scan UV-可視分光光度計を用いて、25℃の大気圧(1atm)下に行われる。
【0018】
好ましくは、室温(25℃)の大気圧下で測定された本発明による組成物の透過率は80%以上であり、優先的には85%以上であり、一層優先的には90%以上であり、更には92%以上であり、より良好には94%以上であり;特に、80%~100%の範囲、更には85%~100%の範囲、特に90%~100%の範囲、更には92%~98%の範囲にある。
【0019】
この組成物は、細い及び/又は傷んだ及び/又は敏感になっている毛髪に使用するのに特に適しており、毛髪はもつれが解き易く、且つ整髪し易くなり、しなやかで軽く、柔らかい感触を有するようになる。
【0020】
本発明による組成物は、好ましくは濃厚な質感を有し、それにより、毛髪上に広げることが容易でありながら、適用時に垂れて、例えば目に入るといったことが回避され、更に、本発明による組成物は特に安定性が高いことも見出された。
【0021】
本発明による組成物の粘度は、25℃の温度で、直径8mmのオリフィスを有するフォードカップ(cF8)を備えたフォードカップ粘度計を使用して、ある量の製品が(例えば、90gの製品を注いで)、較正されたオリフィスを通過して流出する時間を測定することにより評価することができる。
【0022】
好ましくは、本発明による組成物の流出時間は20秒以上であり、特に30秒以上、より良好には40秒以上;特に、20~200秒の間、より良好には30~150秒の間、更には40~100の間、より良好には50~90秒の間にある。
【0023】
本明細書における「少なくとも1の」という表現は、「1又は複数の」という表現と同義であり、且つそれと置き換えることができる。
【0024】
本明細書における「~の間(between)」という表現は、「~の範囲(ranging from)」という表現と同義であり、且つそれと置き換えることができ、これらの表現においては、境界値は包含されるものと見なされる。
【0025】
1/アニオン性界面活性剤
本発明による化粧用組成物は、1種又は複数種のアニオン性界面活性剤を含む。
【0026】
「アニオン性界面活性剤」という用語は、イオン性を有するか又はイオン化可能な基として、アニオン性基のみを含む界面活性剤を意味する。
【0027】
本明細書においては、少なくとも1つの永久的な負電荷を有するか、又は本発明の組成物を使用する条件(例えば、媒体又はpH)下において、負に帯電した化学種としてイオン化することができ、且つカチオン性電荷を含まない化学種を「アニオン性」と称する。
【0028】
アニオン性界面活性剤は、スルフェート型、スルホネート型、及び/又はカルボン酸型(carboxylic)(又はカルボキシレート型)界面活性剤とすることができる。当然のことながら、これらの界面活性剤の混合物を使用することもできる。
【0029】
本明細書においては、以下のこと:
- カルボキシレート型アニオン性界面活性剤は、少なくとも1個のカルボン酸基又はカルボキシレート基(-COOH又は-COO-)を含み、任意選択的に、1個又は複数個のスルフェート基及び/又はスルホネート基も含み得;
- スルホネート型アニオン性界面活性剤は、少なくとも1個のスルホネート基(-SO3H又は-SO3
-)を含み、任意選択的に、1個又は複数個のスルフェート基を含み得るが、カルボキシレート基を含まず;及び
- スルフェート型アニオン性界面活性剤は、少なくとも1個のスルフェート基を含むが、カルボキシレート基もスルホネート基も含まない
ことが理解される。
【0030】
したがって、使用可能なカルボン酸型アニオン性界面活性剤は、少なくとも1個のカルボン酸基又はカルボキシレート基(-COOH又は-COO-)を含む。
【0031】
これらは次に示す化合物から選択され得る:アシルグリシネート、アシルラクチレート、アシルサルコシネート、アシルグルタメート;アルキルエーテルカルボン酸、アルキル(C6~30アリール)エーテルカルボン酸、アルキル-D-ガラクトシドウロン酸、アルキルアミドエーテルカルボン酸;並びにこれらの化合物の塩であって;これらの化合物のアルキル及び/又はアシル基が、6~30個の炭素原子、特に12~28個、より良好には14~24個、更には16~22個の炭素原子を含み;アリール基が、好ましくは、フェニル又はベンジル基を指すもの。これらの化合物は、ポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されていてもよく、その場合、好ましくは1~50個のエチレンオキシド単位、より良好には2~10個のエチレンオキシド単位を含む。
【0032】
ポリグリコシド-多価カルボン酸のC6~C24アルキルモノエステル、例えば、C6~C24アルキルポリグリコシド-クエン酸エステル、C6~C24アルキルポリグリコシド-酒石酸エステル、及びC6~C24アルキルポリグリコシド-スルホコハク酸エステル、並びにこれらの塩も使用することができる。
【0033】
上述のカルボン酸界面活性剤の中でも、最も詳細には、ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩、特に、2~50個のアルキレンオキシド、特に、エチレンオキシド基を含むもの、例えば、花王株式会社(Kao)からアキポ(Akypo)の名称で販売されている化合物が挙げられ得る。
【0034】
使用可能なポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸は、好ましくは、式(1):
R1’-(OC2H4)n’-OCH2COOA (1)
(式中、
- R1’は、直鎖又は分岐のC6~C24アルキル又はアルケニル基、(C8~C9)アルキルフェニル基、R2’CONH-CH2-CH2-基(式中、R2’は、直鎖又は分岐のC9~C21アルキル又はアルケニル基を表す)を表し;好ましくは、R1’は、C8~C20、好ましくはC8~C18アルキル基を表し;
- nは、2~24の範囲、好ましくは2~10の範囲にある整数又は小数(平均値)であり、
- Aは、H、アンモニウム、Na、K、Li、Mg、又はモノエタノールアミン若しくはトリエタノールアミン残基を表す)
で表されるものから選択される。
【0035】
式(1)の化合物の混合物、特に、異なるR1’基を有する化合物の混合物も使用することができる。
【0036】
特に好ましいポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸は、式(1)中:
- R1が、直鎖又は分岐のC8~C22、特にC10~C16、更にはC12~C14アルキル基を表すか、或いは(C8~C9)アルキルフェニル基を表し;
- Aが、水素又はナトリウム原子を表し、
- n’が、2~20、好ましくは2~10の範囲にあるものである。
【0037】
一層優先的には、R1’がC12~C14アルキル、ココイル、オレイル、ノニルフェニル、又はオクチルフェニル基を表し、Aが、水素又はナトリウム原子を表し、n’が、2~10の範囲にある、式(1)の化合物が使用される。
【0038】
市販品の中では、好ましくは、花王株式会社(Kao)から以下の名称で販売されている製品:
アキポ(Akypo)(登録商標)NP 70(R1=ノニルフェニル、n=7、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)NP 40(R1=ノニルフェニル、n=4、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)OP 40(R1=オクチルフェニル、n=4、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)OP 80(R1=オクチルフェニル、n=8、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)OP 190(R1=オクチルフェニル、n=19、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 38(R1=(C12~C14)アルキル、n=4、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 38 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=4、A=Na)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 45 CA(R1=(C12~C14)アルキル、n=4.5、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 45 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=4.5、A=Na)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 100(R1=(C12~C14)アルキル、n=10、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 100 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=10、A=Na)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 130(R1=(C12~C14)アルキル、n=13、A=H)
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 160 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=16、A=Na)、
又はSandoz社から以下の名称で販売されている製品:
Sandopan DTC-Acid(R1=(C13)アルキル、n=6、A=H)
Sandopan DTC(R1=(C13)アルキル、n=6、A=Na)
Sandopan LS 24(R1=(C12~C14)アルキル、n=12、A=Na)
Sandopan JA 36(R1=(C13)アルキル、n=18、A=H)が使用され得、
より詳細には、以下の名称で販売されている製品:
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 45(INCI:ラウレス-5カルボン酸(Laureth-5 carboxylic acid))
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 100
アキポ(Akypo)(登録商標)RLM 38が使用され得る。
【0039】
優先的には、カルボン酸型アニオン性界面活性剤は、単独で又は混合物として、以下:
- アシルグルタメート、特にC6~C24のもの、更にはC12~C20のもの、例えば、ステアロイルグルタメート、特にステアロイルグルタミン酸ナトリウム;
- アシルサルコシネート、特にC6~C24のもの、更にはC12~C20のもの、例えば、パルミトイルサルコシネート、特にパルミトイルサルコシンナトリウム;
- アシルラクチレート、特にC12~C28のもの、更にはC14~C24のもの、例えば、ベヘノイルラクチレート、特にベヘノイル乳酸ナトリウム;
- C6~C24、特にC12~C20アシルグリシネート;
- (C6~C24)アルキルエーテルカルボキシレート、特に(C12~C20)アルキルエーテルカルボキシレート;特に、2~50個のエチレンオキシド基を含むもの;
- ポリオキシアルキレン化(C6~C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸、特に、2~50個のエチレンオキシド基を含むもの;
特に、酸形態にあるもの又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、アンモニウム、若しくはアミノアルコール塩の形態にあるもの
から選択される。
【0040】
好ましくは、ポリオキシアルキレン化(C6~C24)アルキルエーテルカルボン酸及びその塩が使用される。
【0041】
使用可能なスルホネート型アニオン性界面活性剤は、少なくとも1個のスルホネート基(-SO3H又は-SO3
-)を含む。これらは、以下に示す化合物:アルキルスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルアミドスルホサクシネート、アルキルスルホアセテート、N-アシルタウレート、アシルイセチオネート;アルキルスルホラウレート;に加えてこれらの化合物の塩;から選択され得;
これらの化合物のアルキル基は、6~30個の炭素原子、特に12~28個、より良好には14~24個、更には16~22個の炭素原子を含み;アリール基は、好ましくはフェニル基又はベンジル基を指し;
これらの化合物は、ポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されていてもよく、その場合、好ましくは1~50個のエチレンオキシド単位を含み、より良好には2~10個のエチレンオキシド単位を含む。
【0042】
優先的には、スルホネート型アニオン性界面活性剤は、単独で又は混合物として、以下:
- C6~C24、特にC12~C20オレフィンスルホネート;
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルホスサクシネート、特にラウリルスルホサクシネート;
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルホサクシネート;
- (C6~C24)アシルイセチオネート、好ましくは(C12~C18)アシルイセチオネート;
特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニウム又はアミノアルコール塩の形態にあるもの
から選択される。
【0043】
使用可能なスルフェート型アニオン性界面活性剤は、少なくとも1個のスルフェート基(-OSO3H又は-OSO3
-)を含む。
【0044】
これらは以下に示す化合物:アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;及びこれらの化合物の塩から選択され得、
これらの化合物のアルキル基は、6~30個の炭素原子、特に12~28個、より良好には14~24個、更には16~22個の炭素原子を含み;アリール基は、好ましくはフェニル基又はベンジル基を指し;
これらの化合物は、ポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されていてもよく、その場合、好ましくは1~50個のエチレンオキシド単位を含み、より良好には2~10個のエチレンオキシド単位を含む。
【0045】
優先的には、スルフェート型アニオン性界面活性剤は、単独で又は混合物として、以下:
- アルキルスルフェート、特にC6~C24のもの、更にはC12~C20のもの、及び
- アルキルエーテルスルフェート、特にC6~C24のもの、更にはC12~C20のものであって、好ましくは2~20個のエチレンオキシド単位を含むもの;
特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニウム又はアミノアルコール塩の形態にあるもの
から選択される。
【0046】
アニオン性界面活性剤が塩形態にある場合、前記塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、特にアミノアルコール塩及びアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩から選択され得る。
【0047】
アミノアルコール塩の例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、又はトリイソプロパノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩を挙げることができる。
【0048】
好ましくは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、特にナトリウム又はマグネシウム塩が使用される。
【0049】
優先的には、アニオン性界面活性剤は、単独で又は混合物として、以下:
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルフェート:
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルフェート;好ましくは2~20個のエチレンオキシド単位を含むもの;
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルホスサクシネート、特にラウリルスルホサクシネート;
- C6~C24、特にC12~C20オレフィンスルホネート;
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルホサクシネート;
- (C6~C24)アシルイセチオネート、好ましくは(C12~C18)アシルイセチオネート;
- C6~C24、特にC12~C20アシルサルコシネート;特にパルミトイルサルコシネート;
- (C6~C24)アルキルエーテルカルボキシレート、好ましくは(C12~C20)アルキルエーテルカルボキシレート;特に、2~50個のエチレンオキシド基を含むもの;
- ポリオキシアルキレン化(C6~C24)アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩、特に、2~50アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド基を含むもの;
- C6~C24、特にC12~C20アシルグルタメート;
- C6~C24、特にC12~C20アシルグリシネート;
特に、酸形態にあるもの又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、アンモニウム、若しくはアミノアルコール塩の形態にあるもの
から選択される。
【0050】
優先的には、本組成物は、好ましくは2~20個のエチレンオキシド単位を含み、特に、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、アンモニウム、若しくはアミノアルコール塩の形態にある、1種又は複数種のスルフェート型アニオン性界面活性剤、好ましくは、1種若しくは複数種のC6~C24、特にC12~C20アルキルスルフェート及び/又は1種若しくは複数種のC6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルフェートを含む。
【0051】
アニオン性界面活性剤は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対し、2質量%~30質量%、特に4質量%~25質量%、より良好には5質量%~20質量%、一層良好には6質量%~15質量%の範囲の総含有量で存在し得る。
【0052】
2/両性界面活性剤
本発明による組成物は、1種又は複数種の両性界面活性剤も含む。
【0053】
特に、両性界面活性剤は、非シリコーン界面活性剤である。これらは特に、その脂肪族基が、8~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖である、任意選択的に4級化された第2級又は第3級脂肪族アミン誘導体とすることができ、前記アミン誘導体は、少なくとも1個のアニオン性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネート基を含む。
【0054】
特に、単独で、又は特に後述する化合物との混合物としての、(C8~C20)アルキルベタイン、(C8~C20)アルキルスルホベタイン、(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン、及び(C8~C20)アルキルアミド(C6~C8)アルキルスルホベタインを挙げることができる。
【0055】
上に定義した、使用可能な任意選択的に4級化された第2級又は第3級脂肪族アミンの中でも、更に、以下の(II)及び(III)の各構造を有する化合物も挙げることができる:
Ra-CONHCH2CH2-N+(Rb)(Rc)-CH2COO-,M+,X- (II)
(式中、
- Raは、加水分解ヤシ核油中に好ましくは存在する酸 RaCOOHから誘導されたC10~C30アルキル基若しくはアルケニル基、又はヘプチル基、ノニル基若しくはウンデシル基を表し;
- Rbは、β-ヒドロキシエチル基を表し;
- Rcは、カルボキシメチル基を表し;
- M+は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、例えばナトリウムから誘導されたカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されたイオンを表し;
- X-は、有機又は無機アニオン性対イオン、例えば、ハライド、アセテート、ホスフェート、ナイトレート、(C1~C4)アルキルスルフェート、(C1~C4)アルキル-又は(C1~C4)アルキルアリール-スルホネートから、特に、メチルスルフェート及びエチルスルフェートから選択されるイオンを表すか;或いは、M+及びX-は存在しない);
Ra’-CONHCH2CH2-N(B)(B’) (III)
(式中、
- Bは、-CH2-CH2-OX’基を表し;
- B’は、-(CH2)zY’基を表し、z=1又は2であり;
- X’は、-CH2COOH基、-CH2-COOZ’基、-CH2CH2COOH基、若しくはCH2CH2-COOZ’基、又は水素原子を表し;
- Y’は、-COOH基、-COOZ’基、若しくは-CH2-CH(OH)SO3H基、又は-CH2CH(OH)SO3-Z’基を表し;
- Z’は、ナトリウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属から誘導されるカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されるイオンを表し;
- Ra’は、好ましくはヤシ核油又は加水分解亜麻仁油に存在する酸Ra’-COOHのC10~C30アルキル若しくはアルケニル基であるか、又はアルキル基、特に、C17基及びそのiso型、又は不飽和C17基である)。
【0056】
これらの化合物は、CTFA辞典第5版(1993)に、ココアンホジ酢酸二ナトリウム(disodium cocoamphodiacetate)、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム(disodium lauroamphodiacetate)、カプリルアンホジ酢酸二ナトリウム(disodium caprylamphodiacetate)、カプリロアンホジ酢酸二ナトリウム(disodium capryloamphodiacetate)、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium cocoamphodipropionate)、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium lauroamphodipropionate)、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium caprylamphodipropionate)、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium capryloamphodipropionate)、ラウロアンホジプロピオン酸(lauroamphodipropionic acid)、及びココアンホジプロピオン酸(cocoamphodipropionic acid)の名称で分類されている。
【0057】
一例として、Rhodia社からMiranol(登録商標)C2M Concentrateの商品名で販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
【0058】
式(IV)の化合物も使用され得る:
Ra”-NHCH(Y”)-(CH2)nCONH(CH2)n’-N(Rd)(Re) (IV)
(式中、
- Y”は、-COOH基、-COOZ”基、若しくは-CH2-CH(OH)SO3H基又は-CH2CH(OH)SO3-Z”基を表し;
- Rd及びReは、互いに独立に、C1~C4アルキル又はヒドロキシアルキル基を表し;
- Z”は、ナトリウムなどのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属から誘導されるカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されるイオンを表し;
- Ra”は、好ましくはヤシ核油又は加水分解亜麻仁油に存在する酸Ra”-COOHのC10~C30アルキル若しくはアルケニル基を表し;
- n及びn’は、互いに独立に、1~3の整数を表す)。
【0059】
式(IV)の化合物の中でも、CTFA辞典にナトリウムジエチルアミノプロピルココアスパルタミド(sodium diethylaminopropyl cocoaspartamide)の名称で分類されており、Chimex社からChimexane HBの名称で市販されている化合物を挙げることができる。
【0060】
これらの化合物は、単独で又は混合物として使用され得る。
【0061】
両性界面活性剤の中でも、好ましくは、(C8~C20)アルキルベタイン、例えばココイルベタイン、(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン、及びこれらの混合物、並びに式(IV)の化合物、例えばジエチルアミノプロピルラウリルアミノスクシンアミド酸のナトリウム塩(INCI名:ナトリウムジエチルアミノプロピルココアスパルタミド(sodium diethylaminopropyl cocoaspartamide))が使用される。優先的には、両性界面活性剤は、(C8~C20)アルキルベタイン、(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン、及びこれらの混合物から選択される。
【0062】
好ましくは、本発明による化粧用組成物は、両性界面活性剤を、組成物の総質量に対し、0.1質量%~20質量%の範囲の総含有量で、優先的には、0.5質量%~15%質量%の範囲、より良好には1質量%~10質量%、更には1.5質量%~7.5%質量%の範囲の含有量で含む。
【0063】
3/非イオン性界面活性剤
本発明による化粧用組成物は、任意選択的に、1種又は複数種の非イオン性界面活性剤、特に、Handbook of Surfactants by M.R.Porter,published by Blackie&Son(Glasgow and London),1991,pages 116-178に記載されているものなどを含み得る。
【0064】
言及され得る非イオン性界面活性剤の例として、単独で又は混合物としての、以下の非イオン性界面活性剤が挙げられる:
- オキシアルキレン化(C8~C24)アルキルフェノール;
- 好ましくは1個又は2個の脂肪鎖を含む、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のオキシアルキレン化又はグリセロール化C8~C40アルコール;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のオキシアルキレン化C8~C30脂肪酸アミド;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の、C8~C30酸とポリエチレングリコールとのエステル;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の、C8~C30酸とソルビトールとの、好ましくはオキシエチレン化されたエステル;
- 脂肪酸とスクロースとのエステル;
- (C8~C30)アルキル(ポリ)グルコシド、(C8~C30)アルケニル(ポリ)グルコシド(これらは、任意選択的に0個~10個のオキシアルキレン単位でオキシアルキレン化されており、1個~15個のグルコース単位を含む)、(C8~C30)アルキル(ポリ)グルコシドエステル;
- 飽和又は不飽和のオキシエチレン化された植物油;
- エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物;
- N-(C8~C30)アルキルグルカミン及びN-(C8~C30)アシルメチルグルカミン誘導体;
- アミンオキシド。
【0065】
オキシアルキレン単位は、より詳細には、オキシエチレン若しくはオキシプロピレン単位又はこれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0066】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのモル数は、好ましくは1~250の範囲、より詳細には2~100の範囲、より良好には2~50の範囲にあり;グリセロールのモル数は、特に1~50の範囲、より良好には1~10の範囲にある。
【0067】
有利には、本発明による非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を一切含まない。
【0068】
好ましくは、これらは、エチレンオキシドを、1~250の範囲、特に2~100の範囲、より良好には2~50の範囲のモル数で含む。
【0069】
グリセロール化非イオン性界面活性剤として、例えば、1~50molのグリセロール、好ましくは1~10molのグリセロールを含むモノグリセロール化又はポリグリセロール化C8~C40アルコールが好ましく使用される。
【0070】
この種の化合物の例として、4molのグリセロールを含むラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル(Polyglyceryl-4 Lauryl Ether))、1.5molのグリセロールを含むラウリルアルコール、4molのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル(Polyglyceryl-4 Oleyl Ether))、2molのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル(Polyglyceryl-2 Oleyl Ether))、2molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含むオレオセチルアルコール、並びに6molのグリセロールを含むオクタデカノールが挙げられ得る。
【0071】
グリセロール化アルコールの中でも、1molのグリセロールを含むC8~C10アルコール、1molのグリセロールを含むC10~C12アルコール、及び1.5molのグリセロールを含むC12アルコールを使用することが特に好ましい。
【0072】
本発明による洗浄用組成物に使用することができる非イオン性界面活性剤は、優先的には、単独で又は混合物として、以下:
- エチレンオキシドを1~100mol、好ましくはエチレンオキシドを2~50、より詳細にはエチレンオキシドを2~40mol含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐のオキシエチレン化されたC8~C40アルコール;これらは好ましくは、1つ又は2つの脂肪鎖を含む;
- エチレンオキシドを1~100mol、好ましくは2~50mol含む飽和又は不飽和のオキシエチレン化された植物油;
- 好ましくは0~10molのエチレンオキシドで任意選択的にオキシアルキレン化されており、1~15個のグルコース単位を含む、(C8~C30)アルキル(ポリ)グルコシド;
- 1~50molのグリセロール、好ましくは1~10molのグリセロールを含む、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8~C40アルコール;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のオキシアルキレン化C8~C30脂肪酸アミド;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝の、C8~C30酸とポリエチレングリコールとのエステル;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のC8~C30酸とソルビトールとの、好ましくはオキシエチレン化されたエステル
から選択され得る。
【0073】
より優先的には、非イオン性界面活性剤は、単独で又は混合物として、以下:
- 1~100molのエチレンオキシド、好ましくは2~50、より詳細には2~40molのエチレンオキシドを含み、1個又は2個の脂肪鎖、特に、少なくとも1個のC8~C20、特にC10~C18アルキル鎖を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のオキシエチレン化されたC8~C40アルコール;
- 飽和又は不飽和の直鎖又は分枝のC8~C30酸とソルビトールとの、好ましくはオキシエチレン化されたエステル;
- 好ましくは0~10molのエチレンオキシドを含み、1~15個のグルコース単位を含む、任意選択的にオキシアルキレン化された(C8~C30)アルキル(ポリ)グルコシド
から選択される。
【0074】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、次の一般式:
R1O-(R2O)t-(G)v
(式中、
- R1は、6~24個の炭素原子、特に8~18個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐のアルキル若しくはアルケニル基、又はその直鎖若しくは分岐アルキル基が6~24個の炭素原子、特に8~18個の炭素原子を含むアルキルフェニル基;好ましくは、8~18個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐のアルキル基を表し;
- R2は、2~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
- Gは、5~6個の炭素原子を含む糖単位;好ましくは、グルコース、フルクトース、又はガラクトース;より良好にはグルコースを表し;
- tは、0~10の範囲、好ましくは0~4の範囲、より良好には0~3の範囲の値を表し、一層良好には0であり;
- vは、1~15の範囲、好ましくは1~4の範囲の値を表し;平均重合度(v)は、より詳細には、1~2の間にある)
で表されるアルキル(ポリ)グリコシド型の1種又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む。
【0075】
糖単位間のグルコシド結合は、一般に、1-6又は1-4型のもの、好ましくは1-4型のものである。
【0076】
好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド界面活性剤は、アルキル(ポリ)グルコシド界面活性剤である。
【0077】
好ましくは、非イオン性界面活性剤が存在する場合、本発明による組成物は、非イオン性界面活性剤を、本発明による組成物の総質量に対し、0.05質量%~15質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、優先的には0.2質量%~5質量%の範囲の総含有量で含む。
【0078】
4/不飽和脂肪アルコール
本発明による化粧用組成物は1種又は複数種の脂肪アルコールも含む。
【0079】
本発明に関連して使用され得る不飽和脂肪アルコールは、好ましくは8~32個の炭素原子、特に12~28個の炭素原子、その中でも特に14~24個の炭素原子、より良好には16~22個の炭素原子を含む。
【0080】
これらは、好ましくは、1個又は複数個の二重及び/又は三重不飽和、即ち、1個又は複数個の炭素-炭素二重(C=C)又は三重(C≡C)共有結合を含み;優先的には1個又は複数個の二重不飽和、より良好には1個の二重不飽和のみを含む(且つ三重不飽和を含まない)。
【0081】
好ましくは、不飽和脂肪アルコールは、一価のアルコールである。
【0082】
本発明に関連して使用され得る不飽和脂肪アルコールは、
好ましくは、式R-OH
(式中、Rは、8~32個の炭素原子、特に12~28個の炭素原子、その中でも特に14~24個の炭素原子、より良好には16~22個の炭素原子を含み;任意選択的に1個又は複数個のヒドロキシル(OH)基を含む不飽和炭化水素系基である)
のものに相当する。
【0083】
好ましくは、Rは、1個又は複数個の炭素-炭素二重又は三重共有結合を含み;好ましくは、1個又は複数個の炭素-炭素二重共有結合を含み;より良好には、炭素-炭素二重共有結合を1個のみ含む。
【0084】
優先的には、Rは、8~32個の炭素原子、特に12~28個の炭素原子、その中でも特に14~24個の炭素原子、より良好には16~22個の炭素原子を含み;1個の二重不飽和のみを含む(したがって、三重不飽和も更なるヒドロキシル基も含まない)不飽和炭化水素系基である。
【0085】
好ましくは、本組成物は、25℃、1atmで液体である1種又は複数種の不飽和脂肪アルコールを含む。
【0086】
特に、オレイルアルコール、エルシルアルコール、及びリノレイルアルコール;並びにこれらの混合物が挙げられ得る。
【0087】
優先的には、不飽和脂肪アルコールはオレイルアルコールである。
【0088】
本発明による化粧用組成物は、不飽和脂肪アルコールを、組成物の総質量に対し1質量%未満の総含有量で含む。
【0089】
好ましくは、本発明による化粧用組成物は、不飽和脂肪アルコールを、組成物の総質量に対し、0.01質量%~0.90質量%の範囲、特に0.02質量%~0.80質量%の範囲、より良好には0.05質量%~0.50質量%の範囲、更に良好には、0.10質量%~0.30質量%の範囲の総含有量で含む。
【0090】
好ましくは、本発明による組成物は、オレイルアルコールを、組成物の総質量に対し、1質量%未満の総含有量で、特に、組成物の総質量に対し、0.01質量%~0.90質量%の範囲、例えば0.02質量%~0.80質量%の範囲、より良好には0.05質量%~0.50質量%の範囲、更に良好には0.10質量%~0.30質量%の範囲の総含有量で含む。
【0091】
5/カチオン性多糖類
本発明による組成物は、1種又は複数種のカチオン性多糖類も含む。
【0092】
本発明による化粧用組成物に使用され得るカチオン性多糖類は、特に、会合性又は非会合性カチオン性セルロース及びガラクトマンナンガムから;好ましくは、非会合性カチオン性セルロース及びガラクトマンナンガムから選択される。
【0093】
使用され得るカチオン性多糖類の質量平均モル質量(Mw)は、好ましくは、約500~5×106の間、好ましくは約103~3×106の間にある。
【0094】
カチオン性多糖類の中でも、より詳細には、第4級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、水溶性第4級アンモニウムモノマーでグラフトされたカチオン性セルロースコポリマー又はセルロース誘導体、及びカチオン性ガラクトマンナンガムが挙げられ得る。
【0095】
第4級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体は、特に仏国特許第1492597号明細書に記載されている。これらは、CTFA辞典においても、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの第4級アンモニウムとして定義されている。
【0096】
特に、Amerchol社からUcare Polymer JR(JR400LT、JR125、及びJR30M)又はLR(LR400及びLR30M)の名称で販売されているポリマーが挙げられ得る。
【0097】
水溶性の第4級アンモニウムモノマーをグラフトしたカチオン性セルロースコポリマー及びセルロース誘導体は、特に、米国特許第4131576号明細書に記載されており;メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、又はジメチルジアリルアンモニウム塩をグラフトしたヒドロキシアルキルセルロース、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、又はヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ得る。最も詳細には、4級化剤が、特に、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドであってもよい、架橋又は非架橋の4級化ヒドロキシエチルセルロース;最も詳細には、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシエチルセルロースが挙げられ得る。
【0098】
この定義に対応する市販品の中でも、National Starch社からCelquat L200及びCelquat H100の名称で販売されている製品が挙げられ得る。
【0099】
特に好ましいカチオン性セルロースとして、特に、INCI名ポリクオタニウム-10(Polyquaternium-10)を有するポリマーが挙げられ得る。
【0100】
カチオン性多糖類の中でも、カチオン性会合性セルロース又は4級化セルロース誘導体、特に、少なくとも1個の脂肪鎖、例えば、直鎖若しくは分岐アルキル基、直鎖若しくは分岐アリールアルキル基、直鎖若しくは分岐アルキルアリール基、好ましくは直鎖若しくは分岐アルキル基(これらの基は、少なくとも8個の炭素原子、特に8~30個の炭素原子、より良好には10~24個、更には10~14個の炭素原子を含む)、又はこれらの混合物を含む基で修飾された4級化セルロースも挙げられ得る。
【0101】
好ましくは、少なくとも1個の脂肪鎖、例えば、直鎖若しくは分岐アルキル基、直鎖若しくは分岐アリールアルキル基、又は直鎖若しくは分岐アルキルアリール基、好ましくは直鎖又は分岐アルキル基(これらの基は少なくとも8個の炭素原子、特に8~30個の炭素原子、より良好には10~24個、更には10~14個の炭素原子を含む);又はこれらの混合物を含む基で修飾された4級化ヒドロキシエチルセルロースが挙げられ得る。
【0102】
優先的には、式(Ib):
【化1】
(式中、
- Rは、アンモニウム基RaRbRcN+-,Q-(式中、Ra、Rb、及びRcは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖若しくは分岐C1~C30アルキルを表し、Q-は、ハライドなどのアニオン性対イオン、例えば、クロリド又はブロミドを表す)を表し;好ましくは、アルキルであり;
- R’は、アンモニウム基R’aR’bR’cN+-、Q’-(式中、R’a、R’b、及びR’cは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖若しくは分岐C1~C30アルキルを表し、Q’-は、ハライドなどのアニオン性対イオン、例えば、クロリド又はブロミドを表す)を表し;好ましくは、アルキルであり;
Ra、Rb、Rc、R’a、R’b、及びR’c基の少なくとも1種は、直鎖又は分岐C8~C30アルキルを表すことが理解され;
- n、x、及びyは、同一であっても異なってもよく、1~10000の間の整数を表す)
のヒドロキシエチルセルロースが挙げられ得る。
【0103】
好ましくは、式(Ib)中、Ra、Rb、Rc、R’a、R’b、及びR’c基の少なくとも1種は、直鎖又は分岐C8~C30、より良好にはC10~C24、更にはC10~C14アルキルを表し;特に、ドデシル基(C12)が挙げられ得る。好ましくは、他の基は、直鎖又は分岐C1~C4アルキル、特にメチルを表す。
【0104】
好ましくは、式(Ib)中、Ra、Rb、Rc、R’a、R’b、及びR’cのうちの1種のみが直鎖又は分岐C8~C30、より良好にはC10~C24、更にはC10~C14アルキルを表し;特に、ドデシル基(C12)が挙げられ得る。好ましくは、他の基は、直鎖又は分岐C1~C4アルキル、特にメチルを表す。
【0105】
一層良好には、Rは、-N+(CH3)3,Q’-及び
-N+(C12H25)(CH3)2,Q’-基から、好ましくは-N+(CH3)3,Q’-基から選択され得る。
【0106】
一層良好には、R’は、-N+(C12H25)(CH3)2,Q’-基であり得る。
【0107】
アリール基は、好ましくは、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、又はアントリル基を表す。
【0108】
特に、以下のINCI名を有するポリマーが挙げられ得る:
- ポリクオタニウム-24(Polyquaternium-24)、例えば、Amerchol/Dow Chemical社から販売されている製品Quatrisoft LM 200(登録商標);
- PG-ヒドロキシエチルセルロースココジモニウムクロリド(PG-Hydroxyethylcellulose Cocodimonium Chloride)、例えば、製品Crodacel QM(登録商標);
- PG-ヒドロキシエチルセルロースラウリルジモニウムクロリド(PG-Hydroxyethylcellulose Lauryldimonium Chloride)(C12アルキル)、例えば、製品Crodacel QL(登録商標);及び
- PG-ヒドロキシエチルセルロースステアリルジモニウムクロリド(PG-Hydroxyethylcellulose Stearyldimonium Chloride)(C18アルキル)、例えば、Croda社から販売されている製品Crodacel QS(登録商標)。
【0109】
式(Ib)中、Rが、トリメチルアンモニウムハライドを表し、R’が、ジメチルドデシルアンモニウムハライドを表し;優先的には、Rが、トリメチルアンモニウムクロリド(CH3)3N+-、Cl-を表し、R’が、ジメチルドデシルアンモニウムクロリド(CH3)2(C12H25)N+-、Cl-を表す、ヒドロキシメチルセルロースも挙げられ得る。この種のポリマーは、INCI名ポリクオタニウム-67(Polyquaternium-67)で知られており;市販の製品としては、Amerchol/Dow Chemical社からのSoftcat Polymer SL(登録商標)polymer、例えば、SL-100、SL-60、SL-30、及びSL-5が挙げられ得る。
【0110】
より詳細には、式(Ib)のポリマーは、2000~3000cPsの間(境界値を含む)、優先的には2700~2800cPsの間の粘度を有するものである。通常、Softcat Polymer SL-5の粘度は2500cPsであり、Softcat Polymer SL-30の粘度は2700cPsであり、Softcat Polymer SL-60の粘度は2700cPsであり、Softcat Polymer SL-100の粘度は2800cPsである。
【0111】
カチオン性ガラクトマンナンガムは、特に、米国特許第3589578号明細書及び米国特許第4031307号明細書に記載されており;カチオン性グアーガム、特に、カチオン性トリアルキルアンモニウム基、特にトリメチルアンモニウムを含むものが挙げられ得る。2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えばクロリド)で修飾されたグアーガムが挙げられ得る。
【0112】
好ましくは、このグアーガムは、そのヒドロキシル官能基の数基準で2%~30%が、トリアルキルアンモニウムカチオン性基を有する。一層優先的には、これらのグアーガムのヒドロキシル官能基の数基準で5%~20%が、トリアルキルアンモニウムカチオン性基を分岐鎖に有する。これらのトリアルキルアンモニウム基の中でも、最も詳細には、トリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウム基が挙げられ得る。一層優先的には、これらの基は、修飾されたグアーガムの総質量に対し5質量%~20質量%を占める。2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで修飾されたグアーガムが本発明に従い使用され得る。
【0113】
特に、INCI名ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Hydroxypropyl guar hydroxypropyltrimonium chloride)及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Guar hydroxypropyltrimonium chloride)を有する製品が挙げられ得る。この種の製品は、例えば、Rhodia社からJaguar C13S、Jaguar C15、Jaguar C17、又はJaguar C162の名称で販売されている。
【0114】
使用可能なカチオン性多糖類の中でも、カッシアガムのカチオン性誘導体、特に第4級アンモニウム基を含むものが挙げられ得;特に、INCI名カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Cassia hydroxypropyltrimonium chloride)を有する製品が挙げられ得る。
【0115】
優先的には、本発明による組成物は、1種又は複数種のカチオン性ガラクトマンナンガム、特に、1種又は複数種のカチオン性グアーガムを含む。
【0116】
本発明による組成物は、カチオン性多糖類を、組成物の総質量に対し、0.01質量%~10質量%、より良好には0.05質量%~5質量%、一層良好には0.1質量%~2質量%の範囲の総量で含み得る。
【0117】
6/更なるカチオン性ポリマー
本発明による化粧用組成物は、上述のカチオン性多糖類以外の1種又は複数種の更なるカチオン性ポリマーを任意選択的に含むこともできる。
【0118】
本発明の目的に関する「更なるカチオン性ポリマー」という表現は、カチオン性基及び/又はイオン化してカチオン性基にすることができる基を含み、アニオン性基及び/又はイオン化してアニオン性基にすることができる基を含まない、多糖以外且つシリコーン以外(ケイ素原子を含まない)の任意のポリマーを指す。
【0119】
使用され得る更なるカチオン性ポリマーの質量平均モル質量(Mw)は、好ましくは、約500~5×106の間、好ましくはおよそ103~3×106の間にある。
【0120】
これらのポリマーは、好ましくは、エチレン系のものであり、更には(メタ)アクリル系のものである。
【0121】
特に、以下に示すものを挙げることができる:
(1)以下に示す式を有する単位:
【化2】
(式中、
- R3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH3基を表し;
- Aは、同一であっても異なっていてもよく、1~6個の炭素原子、好ましくは2個若しくは3個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐の二価アルキル基、又は1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を表し;
- R4、R5、及びR6は、同一であっても異なっていてもよく、1~18個の炭素原子を含むアルキル基又はベンジル基、好ましくは1~6個の炭素原子を含むアルキル基を表し;
- R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は1~6個の炭素原子を含むアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し;
- Xは、メトスルフェートアニオンなどの、無機酸若しくは有機酸から誘導されたアニオン、又はクロリド若しくはブロミドなどのハライドを表す)
の少なくとも1種を含む、アクリル酸又はメタクリル酸エステル又はアミドから誘導されるホモポリマー又はコポリマー。
【0122】
(1)群のコポリマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素が低級(C1~C4)アルキルで置換されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、ビニルピロリドンやビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、並びにビニルエステルの群から選択され得るコモノマーから誘導される1種又は複数種の単位も含み得る。
【0123】
(1)群のこれらのコポリマーの中でも、以下に示すものが挙げられ得る:
- アクリルアミドと、硫酸ジメチル又はハロゲン化ジメチルにより4級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー、例えば、Hercules社からHercoflocの名称で販売されているもの、
- アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、例えば、Ciba Geigy社からBina Quat P 100の名称で販売されている製品、
- アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェートとのコポリマー、例えば、Hercules社からRetenの名称で販売されているもの、
- 4級化又は非4級化ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートコポリマー、例えば、Gafquatの名称でISP社から販売されている製品、例えば、Gafquat 734若しくはGafquat 755又はCopolymer 845、958、及び937として知られている製品。これらのポリマーは、仏国特許第2077143号明細書及び仏国特許第2393573号明細書に詳述されている;
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、例えば、Gaffix VC 713の名称でISP社から販売されている製品;
- ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、例えば、ISPからStyleze CC 10の名称で販売されている製品;
- 4級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、例えば、ISP社からGafquat HS 100の名称で販売されている製品;
- メタクリロイルオキシ(C1~C4)アルキルトリ(C1~C4)アルキルアンモニウム塩の、好ましくは架橋されたポリマー、例えば、塩化メチルにより4級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートを単独重合するか、又はアクリルアミドと塩化メチルにより4級化されたジメチルアミノエチルメタクリレートとを共重合し、この単独重合又は共重合の後に、オレフィン性不飽和化合物、特に、メチレンビスアクリルアミドで架橋することにより得られるポリマー。より詳細には、架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(質量で20/80)は、前記コポリマーを鉱油中に50質量%含有する分散液の形態で使用され得る。この分散液は、Ciba社からSalcare(登録商標)SC 92の名称で販売されている。鉱油又は液体エステル中に約50質量%のホモポリマーを含む、架橋メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマーも使用され得る。これらの分散液は、Ciba社から、Salcare(登録商標)SC 95及びSalcare(登録商標)SC 96の名称で販売されている。
【0124】
(2)ピペラジニル単位と、酸素、硫黄、若しくは窒素原子又は芳香族環若しくは複素環が任意選択的に挿入された直鎖又は分岐鎖を含む二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基と、から構成されるポリマー、並びにこれらのポリマーの酸化及び/又は4級化生成物。
【0125】
(3)水溶性ポリアミノアミド、特に、酸性化合物とポリアミンとの重縮合により調製されるもの;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和二無水物、ビス不飽和物誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライドにより架橋されていても、或いは、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド、又はビス不飽和物誘導体と反応性を有する二官能性化合物の反応から生成したオリゴマーにより架橋されていてもよく;この架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基あたり0.025~0.35molの範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミドは、アルキル化されていてもよく、或いは、これらが1個又は複数個の第3級アミン官能基を含む場合は、4級化されていてもよい。
【0126】
(4)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合し、続いて二官能性試剤でアルキル化することにより得られるポリアミノアミド誘導体。例えば、アルキル基が1~4個の炭素原子を含み、好ましくは、メチル、エチル、又はプロピルを示す、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンポリマーが言及され得る。これらの誘導体の中でも、より詳細には、Sandoz社からCartaretine F、F4、又はF8の名称で販売されているアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンポリマーが言及され得る。
【0127】
(5)2個の第1級アミン基及び少なくとも1個の第2級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンを、ジグリコール酸及び3~8個の炭素原子を含む飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸と反応させることにより得られるポリマー;ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸との間のモル比は、好ましくは0.8:1~1.4:1であり;生じたポリアミノアミドを、エピクロロヒドリンと、ポリアミノアミドの第2級アミン基に対するエピクロロヒドリンのモル比を好ましくは0.5:1~1.8:1として、反応させる。この種のポリマーは、特に、Hercules社からHercosett 57の名称で販売されており、或いはアジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンコポリマーの場合は、Hercules社からPD 170又はDelsette 101の名称で販売されている。
【0128】
(6)アルキルジアリルアミンの環状ポリマー又はジアルキルジアリルアンモニウムの環状ポリマー、例えば、その鎖の主要な構成要素として、式(I)又は(II):
【化3】
(式中:
- k及びtは、0又は1であり、k+tの合計は1であり;
- R12は、水素原子又はメチル基を表し;
- R10及びR11は、互いに独立に、C1~C6アルキル基、C1~C5ヒドロキシアルキル基、C1~C4アミドアルキル基を表すか;或いは、R10及びR11は、それらが結合している窒素原子と共に、ピペリジル又はモルホリニルなどの複素環式基を表すことができ;R10及びR11は、互いに独立に、好ましくはC1~C4アルキル基を表し;
- Y
-は、アニオン、例えば、ブロミド、クロリド、アセテート、ボレート、サイトレート、タータレート、ビスルフェート、ビサルファイト、スルフェート、又はホスフェートである)
に対応する単位を含むホモポリマー又はコポリマー。
【0129】
より詳細には、ジメチルジアリルアンモニウム塩(例えば、クロリド)のホモポリマー、例えば、INCI名ポリクオタニウム-6(Polyquaternium-6)を有するもの、特に、Merquat 100の名称で販売されているもの、及びジアリルジメチルアンモニウム塩(例えば、クロリド)とアクリルアミドとのコポリマー、例えば、INCI名ポリクオタニウム-7(Polyquaternium-7)を有するもの、特に、Merquat 550又はMerquat 7SPRの名称で販売されているものが挙げられ得る。
【0130】
(7)次式の繰り返し単位を含むジ第4級アンモニウムポリマー:
【化4】
(式中、
- R13、R14、R15、及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、1~20個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式、若しくはアリール脂肪族基又はC1~C12ヒドロキシアルキル脂肪族基を表すか、
或いは、R13、R14、R15、及びR16は、一緒になって又は別々に、それらが結合している窒素原子と共に、任意選択的に第2の非窒素ヘテロ原子を含む複素環を構成するか;
或いは、R13、R14、R15、及びR16は、ニトリル、エステル、アシル、アミド、又は-CO-O-R17-D、又は-CO-NH-R17-D基(式中、R17はアルキレンであり、Dは第4級アンモニウム基である)により置換された直鎖又は分岐のC1~C6アルキル基を表し;
- A1及びB1は、主鎖中に、1個若しくは複数個の芳香環又は1個若しくは複数個の酸素若しくは硫黄原子又はスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミド、若しくはエステル基が、含まれていても、結合していても、又は挿入されていてもよい、2~20個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の二価ポリメチレン基を表し、
- X
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを表し;
A1、R13、及びR15は、それらが結合している2個の窒素原子と共にピペラジン環を形成できることが理解され;
更に、A1が直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキレン又はヒドロキシアルキレン基を表す場合、B1は、(CH2)n-CO-D-OC-(CH2)p-基も表し得、式中、n及びpは、同一であっても異なっていてもよく、2~20の範囲の整数であり、Dは、以下を表す:
a)式:-O-Z-O-のグリコール残基(式中、Zは、直鎖若しくは分岐炭化水素系基を表すか、又は以下の式:-(CH2CH2O)x-CH2CH2-及び-[CH2CH(CH3)O]y-CH2CH(CH3)-(式中、x及びyは、規定された個々の重合度を表す1~4の整数を示すか又は平均重合度を表す1~4の任意の数を示す)のうちの1種に対応する基を表す);
b)ビス-第2級ジアミン残基、例えば、ピペラジン誘導体;
c)式-NH-Y-NH-のビス-第1級ジアミン残基(式中、Yは、直鎖若しくは分岐炭化水素系基又は二価の基-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-を示す);
d)式-NH-CO-NH-のウレイレン基)。
【0131】
好ましくは、X-は、アニオン、例えば、クロリド又はブロミドである。これらのポリマーは、一般に、1000~100000の間の数平均モル質量(Mn)を有する。
【0132】
より詳細には、次式に対応する繰り返し単位:
【化5】
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、1~4個の炭素原子を含むアルキル又はヒドロキシアルキル基を示し、n及びpは、2~20の範囲の整数であり、X-は、無機酸又は有機酸から誘導されたアニオンである)
から構成されるポリマーが挙げられ得る。
【0133】
特に好ましい式(IV)の化合物は、INCI(CTFA)命名法によりヘキサジメトリンクロリド(Hexadimethrine chloride)として知られる、R1、R2、R3、及びR4がメチル基を表し、n=3、p=6、且つX=Clであるものである。
【0134】
(8)式(V)の繰り返し単位:
【化6】
(式中、
- R18、R19、R20、及びR21は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、若しくはメチル、エチル、プロピル、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル、若しくはハロゲン原子を表すか、又は;
- CH2CH2(OCH2CH2)pOH基(式中、pは、0又は1~6の間の整数である)を表し、但し、R18、R19、R20、及びR21が同時に水素原子を表すことはなく、
- r及びsは、同一であっても異なっていてもよく、1~6の間の整数であり、
- qは、0又は1~34の間の整数であり、
- X-は、ハライドなどのアニオンを示し、
- Aは、二価のジハライド基を示すか、又は好ましくは-CH2-CH2-O-CH2-CH2-を表す)
を含むポリ第4級アンモニウムポリマー。
【0135】
言及され得る例としては、Miranol社から販売されている製品Mirapol(登録商標)A 15、Mirapol(登録商標)AD1、Mirapol(登録商標)AZ1、及びMirapol(登録商標)175が挙げられる。
【0136】
(9)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの第4級ポリマー、例えば、BASF社からLuviquat FC905、FC550及びFC370の名称で販売されている製品。
【0137】
(10)ポリアミン、例えば、CTFA辞典においてポリエチレングリコール(15)タロウポリアミン(Polyethylene glycol (15) tallow polyamine)の名称で示されている、Cognisから販売されているPolyquart(登録商標)H。
【0138】
(11)その構造中に、以下を含むポリマー:
(a)次式(A):
【化7】
に対応する1個又は複数個の単位
(b)任意選択的に、次式(B):
【化8】
に対応する1個又は複数個の単位。
【0139】
換言すれば、これらのポリマーは、特に、ビニルアミンから誘導された1個又は複数個の単位と、任意選択的に、ビニルホルムアミドから誘導された1個又は複数個の単位とを含むホモポリマー又はコポリマーから選択され得る。
【0140】
好ましくは、これらのカチオン性ポリマーは、その構造内に、式(A)に対応する単位を5mol%~100mol%と、式(B)に対応する単位を0~95mol%と、含み、好ましくは、式(A)に対応する単位を10mol%~100mol%と、式(B)に対応する単位を0~90mol%と、を含むポリマーから選択される。
【0141】
これらのポリマーは、例えば、ポリビニルホルムアミドを部分加水分解することにより得ることができる。この加水分解は、酸性又は塩基性媒体中で実施することができる。
【0142】
前記ポリマーの、光散乱により測定された質量平均分子質量は、1000~3000000g/mol、好ましくは10000~1000000、より詳細には100000~500000g/molの範囲となり得る。
【0143】
式(A)の単位及び任意選択的な式(B)の単位を含むポリマーは、特に、BASF社からLupaminの名称で販売されている、例えば、これらに限定されるものではないが、Lupamin 9095、Lupamin 5095、Lupamin 1095、Lupamin 9030(又はLuviquat 9030)、及びLupamin 9010の名称で提供されている製品である。
【0144】
好ましくは、更なるカチオン性ポリマーは、上に述べた(1)群及び(6)群のものから選択され、より良好には(6)群のものから、優先的には、鎖の主要な構成要素として式(I)又は(II)の単位:
【化9】
(式中、
- k及びtは、0又は1であり、k+tの合計は1であり;
- R12は、水素原子又はメチル基を表し;
- R10及びR11は、互いに独立に、C1~C6アルキル基、C1~C5ヒドロキシアルキル基、C1~C4アミドアルキル基を表すか;或いは、R10及びR11は、それらが結合している窒素原子と共に、ピペリジル又はモルホリニルなどの複素環式基を表すことができ;R10及びR11は、互いに独立に、好ましくはC1~C4アルキル基を表し;
- Y
-は、アニオン、例えば、ブロミド、クロリド、アセテート、ボレート、サイトレート、タータレート、ビスルフェート、ビサルファイト、スルフェート、又はホスフェートである)
を含むホモポリマー又はコポリマーから選択される。
【0145】
より詳細には、ジメチルジアリルアンモニウム塩(例えば、クロリド)のホモポリマー(ポリクオタニウム-6(Polyquaternium-6))及びジアリルジメチルアンモニウム塩(例えばクロリド)とアクリルアミドとのコポリマー(ポリクオタニウム-7(Polyquaternium-7))が挙げられ得る。
【0146】
本発明による組成物は、前記更なるカチオン性ポリマーを、組成物の総質量に対し、0.01質量%~5質量%の範囲、好ましくは、組成物の総質量に対し、0.02質量%~4質量%の範囲、更に良好には0.05質量%~2質量%の範囲、優先的には0.08質量%~1質量%の範囲の総量で含む。
【0147】
7/更なるエーテル
本発明による組成物は、任意選択的に、1種又は複数種のアルコールエーテルを含み得;好ましくは、前記エーテルは、全体で12~40個の炭素原子を含む。
【0148】
これらのエーテルは、2種の異なる脂肪アルコールから又は2つの同種の脂肪アルコールから得ることができる。特に、アルコールは、6~20個の炭素原子、好ましくは、8~12個の炭素原子、より良好には、8~10個の炭素原子を含み得る。
【0149】
好ましくは、エーテルは、2種の異なる脂肪アルコールから得られる。
【0150】
好ましくは、前記脂肪アルコールは、カプリリルアルコール(又は1-オクタノール)である。
【0151】
したがって、本組成物は、有利には、ジカプリリルエーテル(又はジオクチルエーテル)、例えば、Cognis社からCetiol OEの名称で販売されている製品を含み得る。
【0152】
前記エーテルが存在する場合、これらは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対し、0.05質量%~5質量%、特に0.1質量%~2質量%、更には0.2質量%~1質量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0153】
8/他の成分
本発明による組成物は、好ましくは水性であり、水を、組成物の総質量に対し、50質量%~98質量%、特に60質量%~95質量%、より良好には70質量%~90質量%、更には75質量%~85質量%の範囲の量で含み得る。
【0154】
この組成物はまた、25℃、1atmで液体であり、特に水溶性である1種又は複数種の有機溶媒、例えば、C1~C6アルコール、特にC1~C6脂肪族又は芳香族一価アルコール;C3~C7ポリオール、例えば、グリセロール;グリコール、例えば、ブチレングリコール、イソプレングリコール、又はプロピレングリコール;及びC3~C7ポリオールエーテルも含み得、したがって、これを単独で使用することも水との混合物として使用することもできる。有利には、有機溶媒は、エタノール及びイソプロパノール並びにこれらの混合物から選択され得る。
【0155】
本発明の組成物のpHは、有利には、3~9の間、優先的には3.5~7の間、更には4.5~6.5の間にある。
【0156】
好ましくは、本発明による組成物は、シリコーン化合物、即ち、少なくとも1個のケイ素原子を含む化合物を一切含まない(0.1質量%未満、好ましくは、0質量%)。その場合、組成物は「シリコーンフリー」と称される。
【0157】
本発明による化粧用組成物は、従来から使用されている任意の提示形態、特に、水性、アルコール性、若しくは水性-アルコール性、若しくは油性の溶液、懸濁液;化粧水又は美容液タイプの溶液若しくは分散液;エマルジョン、水性若しくは無水ゲルの形態、又は他の任意の化粧品形態とすることができる。
【0158】
本発明による化粧用組成物は、特に、身体及び/又は毛髪の衛生分野、特に毛髪及び/又は頭皮を清浄化するための分野に特に有利な用途がある。
【0159】
したがってこれは、シャンプー又はシャワージェル、或いは洗い流すタイプのパックを構成することができる。好ましくは、本発明による組成物はシャンプーである。
【0160】
この化粧用組成物は、ケラチン物質に適用した後に洗い流すことも、放置することもでき;好ましくは、数秒間~数分間(例えば、10秒間~5分間)となり得る任意選択的な放置時間の後に洗い流される。
【0161】
本発明の主題はまた、美容的処置方法、特に、ケラチン物質、特に毛髪をケア及び/又は清浄化するための毛髪処置方法であって、前記ケラチン物質に本発明による化粧用組成物を適用することと、続いて、任意選択的に、任意選択的な放置時間の後に濯ぐことと、を含む方法にある。
【0162】
特に本発明は、ヒトのケラチン物質に残っている汚れを清浄化するための美容的方法であって、本発明による組成物を水の存在下に前記ケラチン物質に適用し、これを揉むことにより泡立て、次いで生成した泡及び残っている汚れを水で濯ぐことにより取り除く、方法に関する。
【0163】
本発明を以下の実施例においてより詳細に説明する。量は、特段の指定がない限り、活性物質の質量百分率(AMの質量%)で表す。
【実施例】
【0164】
実施例1
以下に示す本発明による洗浄用組成物(シャンプー)を調製する。
【0165】
【0166】
良好な化粧特性を有し、毛髪の洗浄に使用することができる透明な組成物が得られる。これらの組成物の粘度(cF8、25℃)は、60~90秒の間にある。
【0167】
実施例2
以下に示す本発明による洗浄用組成物(シャンプー)を調製する。
【0168】
【0169】
良好な化粧特性を有し、毛髪の洗浄に使用することができる透明な組成物が得られる。これらの組成物の粘度(cF8、25℃)は、60~90秒の間にある。
【0170】
実施例3
以下に示す洗浄用組成物を調製する。
【0171】
【0172】
本発明による組成物Eは清澄な外観を有し、一方、比較用組成物E’は濁った外観を有する。
【0173】
実施例4
以下に示す洗浄用組成物を調製する。
【0174】
【0175】
本発明による組成物は清澄な外観を有し(透過率98.5%)、一方、比較用組成物は濁っていることが観察される。
【国際調査報告】