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特表2022-541024カートリッジ受け部材、カートリッジシステム、飲料調製機械及び飲料を生成するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】カートリッジ受け部材、カートリッジシステム、飲料調製機械及び飲料を生成するための方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20220913BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
A47J31/44 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022502296
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2020069981
(87)【国際公開番号】W WO2021009214
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】102019119144.0
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】518245593
【氏名又は名称】フレーツィオ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エムプル,ギュンター
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082CC05
3E082DD20
4B104AA20
4B104AA30
4B104BA02
4B104DA03
4B104DA57
4B104DA60
(57)【要約】
飲料を生成するためのカートリッジシステム(1)であって、飲料調製機械(3)に挿入可能であり、飲料物質(7)を充填された貯蔵器(6)を有するカートリッジ(2)と、カートリッジ(2)に接続されたカートリッジ受け部材(10)とを含み、前記カートリッジ受け部材(10)は、貯蔵器(6)に流体的に接続される混合チャンバ(8)を有し、且つ、混合チャンバ(8)に通じる流体供給源(12)を含み、カートリッジシステム(1)は、飲料調製機械(3)内のカートリッジシステムを識別するための識別手段を更に含む、カートリッジシステム(1)が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機械(3)に挿入されて飲料物質(7)を充填された貯蔵器(6)を含むカートリッジ(2)と、前記カートリッジ(2)に接続されたカートリッジ受け部材(10)とを有し、前記カートリッジ受け部材(10)は、混合チャンバ(8)を含み、前記混合チャンバ(8)は、前記貯蔵器(6)及び前記混合チャンバ(8)に開放している流体供給部(12)と流体接続される、飲料を生成するためのカートリッジシステム(1)において、
前記飲料調製機械(3)内の前記カートリッジシステム(1)を識別するための識別手段(20)を含むことを特徴とするカートリッジシステム(1)。
【請求項2】
前記識別手段(20)は、前記カートリッジ(2)及び/又は前記カートリッジ受け部材(10)の内部又は外部表面上において、ラッカー、インプリント又は薄膜の形態のコーティング(22)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項3】
前記識別手段(20)は、前記カートリッジ(2)及び/又は前記カートリッジ受け部材(10)を少なくとも領域において包囲する、スリーブ形状、管状、c字形、環状及び/又は円筒状の識別要素(22)を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項4】
前記識別手段(20)は、前記カートリッジの首部を少なくとも領域において包囲することを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項5】
前記識別手段(20)は、前記貯蔵器(6)と前記混合チャンバ(8)との間で前記カートリッジシステム(1)の長手方向軸に沿って配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項6】
前記識別要素(22)は、前記カートリッジ(2)、前記カートリッジ受け部材(10)及び/又は前記首部に圧入、材料フィッティング及び/又はフォームフィッティング方式で接続されて貼り付け、溶接、ラッチ及び/又はプレスされていることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項7】
前記識別要素(22)は、前記カートリッジ(2)、前記カートリッジ受け部材(10)及び/又は前記首部に一体接続されて組み込まれていることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項8】
前記識別要素(22)は、前記貯蔵器(6)及び/又は前記混合チャンバ(8)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項9】
前記識別手段は、前記貯蔵器又は前記混合チャンバの少なくとも部分的に光学的に透明な壁の内側に配置された光学可読コード、特に、一次元若しくは多次元バーコード、パターン又はホログラムであることを特徴とする、請求項8に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項10】
前記識別手段は、前記識別手段の電気抵抗を測定するために、前記飲料調製機械(3)の接触要素によって直接的又は間接的に電気的に接触されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項11】
前記識別手段は、前記識別手段の物理パラメータを測定するために、前記飲料調製機械の接触要素によって接触されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~請求項10のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項12】
前記識別手段は、それが、特に、前記識別手段の電気抵抗及び/又は導電率を測定するために、前記飲料調製機械(3)の接触要素によって電気的に接触されるように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項13】
前記カートリッジシステムの少なくとも一部の領域の形状は、識別手段としての役割を果たすことを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項14】
前記飲料基材は、識別手段としての役割を果たす、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項15】
前記カートリッジ受け部材は、前記貯蔵器(6)に圧縮空気を導入するために、前記貯蔵器(6)に開放している圧縮空気接続部(42)を含むことを特徴とする、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)が挿入される、飲料を生成するための飲料調製機械(3)であって、前記カートリッジ(2)に接続された前記カートリッジ受け部材(10)が挿入される保持ユニット(90)を更に含む飲料調製機械(3)。
【請求項17】
前記保持ユニット(90)は、前記カートリッジシステム(1)を識別する前記識別手段の物理パラメータを決定するために、前記カートリッジシステム(1)の前記識別手段と接触する接触要素を含むことを特徴とする、請求項16に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項18】
前記識別手段の電気抵抗及び/又は導電率を測定するために、前記接触要素に接続された測定ユニットを含むことを特徴とする、請求項17に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項19】
前記接触要素は、前記物理パラメータを測定するときに前記識別手段に接触するために、前記カートリッジシステム(1)の壁を穿孔する穿孔先端部を含むことを特徴とする、請求項18に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項20】
前記流体供給部(12)に流体を供給する流体源(91)と、前記圧縮空気接続部(42)に圧縮空気を吹き込む圧縮空気源(41)とを含むことを特徴とする、請求項16~請求項19のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項21】
前記保持ユニット(90)は、前記カートリッジ受け部材(10)の穿孔手段(16)を後退位置から伸長位置に移送する解放要素(36)を含むことを特徴とする、請求項16~請求項20のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項22】
前記保持ユニット(90)は、前記保持ユニット(90)への挿入中又は挿入後にフォームフィッティング及び/又は圧入方式で前記カートリッジ受け部材(10)の周りに係合する締結フランジを含むことを特徴とする、請求項16~請求項21のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項23】
前記接触要素は、前記締結フランジに組み込まれていることを特徴とする、請求項22に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項24】
請求項16~請求項23のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)と、前記保持ユニット(90)に挿入可能である請求項1~請求項15のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)とを含むシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムで飲料を生成するための方法であって、以下のステップ:
- 第1の方法ステップにおいて、前記飲料調製機械(3)の前記保持ユニット(90)に前記カートリッジシステム(1)を挿入するステップと、
- 第2の方法ステップにおいて、前記カートリッジシステム(1)の前記識別手段を検出するステップと、
- 前記第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステム(1)が検出された場合、第3の方法ステップにおいて飲料調製プロセスを開始するステップと
を含み、
- 前記飲料調製プロセスは、前記流体供給部を通して前記混合チャンバ(8)に流体を供給するステップを含む第1の調製ステップと、前記貯蔵器(6)に圧縮空気を供給することにより、前記貯蔵器(6)から前記混合チャンバ(8)に前記飲料物質を移送するステップを含む第2の調製ステップと、前記飲料物質(7)を前記流体と混合することによって前記混合チャンバ(8)内で生成された前記飲料を飲料出口によって排出するステップを含む第3の調製ステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項26】
前記第1の調製ステップ及び前記第2の調製ステップは、同時に又は時間的に連続して開始され、好ましくは、前記第1の調製ステップは、前記第2の調製ステップ前に開始され、特に、前記第1の調製ステップと前記第2の調製ステップとの間で1ミリ秒~2秒、好ましくは、100ミリ秒~1.5秒、特に好ましくは、500ミリ秒~1秒の時間ずれが待機されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ハンドリングステップにおいて、前記カートリッジシステムは、解放機構によって周りに係合され、且つ、前記保持ユニットの解放要素に対して移動され、特に、固定された解放要素に対して下げられ、前記解放要素は、前記穿孔スパイクに接触し、特に、前記穿孔スパイクを前記後退位置から伸長位置に移送することを特徴とする、請求項25又は請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ハンドリングステップは、前記飲料調製プロセスの一部として、前記第1の方法ステップと前記第2の方法ステップとの間において又は第ゼロの調製ステップとして実施されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ハンドリングステップは、使用者による前記保持ユニットのハンドレバーの手動操作によって実施されるか、又制御ユニットによって制御される前記飲料調製機械(3)の駆動部によってモータ駆動される、請求項27又は請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のプロセスステップ又は前記ハンドリングステップにおいて、流体接続部は、前記飲料調製機械(3)の流体源と、前記カートリッジ受け部材(10)の前記流体供給部との間に設けられ、及び/又は圧縮空気接続部は、前記飲料調製機械(3)の圧縮空気源と、前記カートリッジ受け部材(10)の前記圧縮空気接続部との間に設けられることを特徴とする、請求項25~請求項29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記穿孔スパイクは、前記第1の調製ステップにおいて、前記圧縮空気によって前記後退位置から前記伸長位置に移送されることを特徴とする、請求項25~請求項30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記穿孔スパイクを前記後退位置から前記伸長位置に移送することは、封止要素を穿孔することを特徴とする、請求項25~請求項31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の調製ステップにおいて、前記飲料調製機械(3)の流体供給ポンプは、前記混合チャンバに前記流体を供給するためにオンにされ、前記流体供給ポンプは、前記第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステム(1)が検出された場合にのみ、制御ユニットによってオンにされることを特徴とする、請求項25~請求項32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の調製ステップにおいて、前記飲料調製機械(3)の空気供給ポンプの形態の圧縮空気源は、前記貯蔵器に前記圧縮空気を供給するためにオンにされ、前記圧縮空気源は、前記第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステム(1)が検出された場合にのみ、制御ユニットによってオンにされることを特徴とする、請求項25~請求項33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の方法ステップにおいて、動作パラメータは、前記制御ユニットによって前記識別手段に応じて決定され、及び前記制御ユニットは、前記動作パラメータに応じて前記流体供給ポンプ及び/又は前記空気供給ポンプを制御し、前記動作パラメータは、好ましくは、前記流体供給ポンプ及び/又は前記空気供給ポンプの起動時間、停止時間、実行時間及び/又は供給速度を含むことを特徴とする、請求項25~請求項34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の方法ステップにおいて、前記カートリッジシステム上に配置されたコードは、光学的に読み取られ、好ましくは、前記読み取られたコードは、前記制御ユニットにより、アルゴリズムによって又は1つ若しくは複数の基準コードとの比較によって確認されることを特徴とする、請求項25~請求項35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の方法ステップは、前記保持ユニット(90)の接触要素と、前記カートリッジシステム(1)の前記識別手段との間に接触を確立するステップと、測定ユニットによって前記識別手段の物理パラメータを測定し、且つ前記物理パラメータに基づいて前記カートリッジシステム(1)のシステム親和性を確認するステップとを含むことを特徴とする、請求項25~請求項36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
接触要素と前記識別手段との間に接触を確立するために、前記カートリッジ壁は、前記接触要素によって穿孔されることを特徴とする、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製機械に挿入可能である、飲料、特に、冷飲料を生成するためのカートリッジシステムに基づくものであり、このカートリッジシステムは、飲料物質を充填された貯蔵器を有するカートリッジと、このカートリッジに可逆的に接続可能及び挿入可能であって貯蔵器から混合チャンバ内への飲料物質の少なくとも部分的な移送を行うカートリッジ空化装置を有するカートリッジ受け部材とを備えている。
【背景技術】
【0002】
そのようなカートリッジシステムは、原理的に先行技術から公知であり、事前に小分けされたカートリッジから飲料を生成するために使用される。
そのようなカートリッジシステムを用いた飲料の生成は、使用者がカートリッジを挿入し、スタートボタンを押下しさえすればよいことから、ユーザにとってきわめて便利である。
この場合、飲料調製機械は、完全に自動化された方法で飲料の生成を行い、即ち、飲料物質は、所定量の液体、特に、冷たい炭酸水と混合され、飲料容器に運ばれる。
このように、混合飲料は、労力をかけずに使用者にとってきわめて容易且つ迅速に生成することができる。
この場合、使用者は、多数の異なるカートリッジから選択することができ、そのため、必要に応じて様々な飲料を生成することができる。
【0003】
そのようなカートリッジシステムの1つの課題は、カートリッジシステムが、このカートリッジシステムに適合するカートリッジのみと動作し、カートリッジシステムに適合しないカートリッジが、カートリッジシステムに挿入される場合に飲料調製手順が開始されないようにすることである。
これは、圧縮空気が吹き込まれるとき又は飲料調製流体が圧力をかけられた状態で導入されるとき、例えば、導入されたガス又は流体の圧力によってカートリッジが突如破裂した場合に飲料調製機械に損傷を生じさせるか、又は、使用者を危険にさらすか若しくは負傷させるおそれのある不具合が発生しないようにする唯一の手段である。
【0004】
更に、それに応じて、飲料調製流体の圧力、温度、体積流量及び導入時間など、飲料調製方法のパラメータを調整し、最適化することができるように飲料調製機械側でカプセルの種類の検出を可能にすることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、カートリッジシステム、飲料調製機械、カートリッジシステムと飲料調製機械とからなるシステム、及び、飲料調製機械内のカートリッジの識別が可能とされる、飲料を生成するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載のカートリッジシステム、請求項16に記載の飲料調製機械、請求項24に記載のシステム及び請求項25に記載の方法によって達成される。
【0007】
従来技術と比較して、本発明は、カートリッジシステムが識別手段を備え、識別手段を用いて飲料調製機械内のカートリッジシステムを識別することができるという利点を有する。
このようにして、飲料調製機械は、使用されるカートリッジが、カートリッジシステムに適合するカートリッジであることを確認することができるだけでなく、任意選択的にこのカートリッジシステムを作成するためのパラメータを読み取ることもできる。
このようにして、例えば、カートリッジシステムに導入される飲料調製流体の圧力、体積流量、温度、導入時間、導入所要時間、炭酸を加える程度など、及び/又は、カートリッジシステムに導入される圧縮空気の圧力、体積流量、温度、吹き込み時間、吹き込み所要時間などを事前に決定することができる。
更に、消費期限を依然として過ぎていないかどうかを飲料調製機械が確認することができるように、カートリッジ内に収容された飲料の消費期限が識別手段に格納される。
更に、カートリッジ内にアルコール物質が存在するかどうか、又は、カートリッジがアルコール飲料の生成用であるかどうかを検出するために、飲料調製機械が識別手段を使用する。
このような場合、例えば、クレジットカード、指紋リーダ、顔認識、ログイン又はパスワードなどによって使用者の年齢及び/又は身分判定を実施することを目的とした追加の検証ステップが提供される。
【0008】
本発明は、従属請求項及び図面を参照して本明細書から得ることができる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、識別手段は、カートリッジ及び/又はカートリッジ受け部材の内部又は外部表面上において、ラッカー、インプリント又は薄膜の形態のコーティングを含むようになっている。
コーティングは、マーカ、パターン、文字、画像、ロゴ、一次元又は多次元バーコード、ビットコードなどの形態の光学可読コードを含む。
マーカは、特定の波長若しくは波長範囲の光のみを反射若しくは吸収するか、又は単色光の照射下でホログラフィック画像を示す。
特に、コードは、反射若しくは吸収特性又はホログラフィック画像においてマーカに埋め込まれる。
したがって、コーティングが、特別な導電率、コードを表す特定の電気抵抗、特に、システム親和性を有する。
コードは、基本的に、カートリッジ若しくはカートリッジシステムの種類、システム親和性、飲料生成方法を実行するための上述のパラメータ及び/又は消費期限に関するデータを含む。
コードを表すコーティングは、カートリッジシステムの内部又は外部表面上に貼り付け、印刷、ラッカー塗布、収縮、蒸発、噴霧などされる。
コーティングがカートリッジシステムの内部表面に適用される場合、このコーティングは、例えば、光学的な又は電磁波を介した非接触での読み取りのために提供される。
この場合、コーティングは、食品に使用しても安全な、したがって、食品と接触した状態での使用が承認された材料又はラッカーを含む。
コーティングが外部表面に適用される場合、飲料調製機械において、直接接触に基づく読み取りも提供される。
識別手段を含むラッカー又は薄膜は、ラッカー又は薄膜に適用される追加的な保護薄膜によって保護される。
保護薄膜は、例えば、カートリッジ上で収縮される少なくとも部分的に透明な収縮チューブであり得る。
代わりに、識別手段は、薄膜の内側、したがって、カートリッジ又は貯蔵器に面し、且つ/又は、カートリッジシステムに接続される薄膜の側にコーティング又はインプリントとして実現される。
その後、識別手段は、カートリッジシステムに薄膜を適用した後の残りの薄膜によって保護される。
したがって、薄膜は、順に重ねられたいくつかの薄膜層で構築された多層薄膜であり、特に、最も内側の薄膜層が識別手段を備える。
識別手段を薄膜内に配置する。
識別手段は、多層薄膜として構成された薄膜の内側中間層上のコーティング又はインプリントを含むことが好ましい。
したがって、この中間層は、その両面において、透明な更なる薄膜層によって外部環境の影響から保護される。
したがって、特に、食品着色料のインプリントの必要がない。
【0010】
本発明の実施形態によれば、識別手段は、カートリッジ及び/又はカートリッジ受け部材を少なくとも領域において包囲する、特に、スリーブ形状、管状、c字形、環状及び/又は円筒状の識別要素を含むようになっている。
識別手段は、それにより、カートリッジの首部を少なくとも領域において包囲する。
首部は、貯蔵器と混合チャンバとの間でカートリッジシステムの長手方向軸に沿って延びることが好ましい。
識別手段は、少なくとも部分的に、カートリッジシステムに材料フィッティング、圧入及び/又はフォームフィッティング方式で接続され、特に、カートリッジ、カートリッジ受け部材又はカートリッジの首部上にクリップ締結されるか、収縮されるか、差し込まれるか、押し付けられるか又は貼り付けられる。
識別要素は、カートリッジ受け部材又はカートリッジ又は首部に溶接、ラッチ、及び/又は、プレスされることも可能である。
c字形の識別要素の使用は、側方からクリップ締結することができるという利点を有する。
更に、上述の可読コードは、識別手段に埋め込まれる。
カートリッジ及び/又はカートリッジ受け部材を少なくとも領域において包囲する識別手段を使用する場合、飲料調製機械の保持ユニットの接触要素による直接接触が可能であり、その結果、コードを読み取ることができる。
これにより、例えば、接触要素の導電率又はオーム抵抗が読み取られ、カートリッジのコード又はシステム親和性が確認される。
【0011】
特に、本出願では、識別手段、識別要素、及び、製品識別子という用語は、同義語として使用される。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、識別手段又は識別要素は、カートリッジ、カートリッジ受け部材及び/又は首部に一体接続され、特に、カートリッジ、カートリッジ受け部材及び/又は首部に組み込まれるようになっている。
したがって、実現のために別個の識別要素を必要としない。
識別手段は、カートリッジ又はカートリッジ受け部材のマーキング領域を含む。
このマーキング領域は、特別な導電率、可読磁化部、マーカ、パターン、文字、画像、ロゴ、一次元若しくは多次元バーコード、特定の反射若しくは吸収特性、光学的に可読のホログラフィック画像又は可読量子ドットの形態の光学可読コードを有する。
したがって、識別手段又はコードは、カートリッジ受け部材又はカートリッジの材料中に直接埋め込むことができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、識別要素は、貯蔵器及び/又は混合チャンバ内に配置されるようになっている。
したがって、識別手段は、外部環境の影響、特に、外部の機械的影響から保護されるため、識別手段の破損のリスクが排除される。
識別手段は、カートリッジ壁が光学的に透明であるように構成される場合、カートリッジの外側から光学的に読み取ることができるように、カートリッジの内壁に取り付けられることが好ましい。
しかしながら、識別手段は、貯蔵器又は混合チャンバ内に固定されるか又は自由に配置されたRFIDチップ又は磁気要素などの別個の識別要素である。
カートリッジシステムが製造されるとき、この識別要素は、貯蔵器又は混合チャンバ内に単に配置される。
代わりに、識別手段は、貯蔵器又は混合チャンバの少なくとも部分的に光学的に透明な壁の内側に配置された光学可読コード、特に、一次元若しくは多次元バーコード、パターン又はホログラムである。
【0014】
本発明の実施形態によれば、識別手段は、特に、この識別手段の電気抵抗を測定するために、飲料調製機械の少なくとも1つの接触要素によって間接的又は直接的に電気的に接触されるように構成されるようになっている。
この場合、コードは、識別手段の電気抵抗に埋め込まれる。
電気抵抗を測定するために、識別手段の少なくとも2つの接点にカートリッジシステムの外側から接触可能でなければならない。
識別手段は、カートリッジシステムの外側から完全にアクセス可能であるか、又は、識別手段の少なくとも2つの接点は、カートリッジシステムの内部に配置されるか、又は、カートリッジシステムの材料に埋め込まれた識別手段は、外側からアクセス可能であるように外側に通じている。
これに関連して、識別手段は、特に、この識別手段の物理パラメータを測定するために、飲料調製機械の接触要素によって接触されるように構成される。
換言すると、識別手段は、特に、この識別手段の電気抵抗及び/又は導電率を測定するために、飲料調製機械の接触要素によって電気的に接触されるように構成される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、カートリッジ受け部材は、貯蔵器に圧縮空気を導入するために、貯蔵器に開放している圧縮空気接続部を含むようになっている。
【0016】
本発明の実施形態によれば、カートリッジ受け部材は、スパイクガイドと、スパイクガイド内に変位可能に取り付けられた穿孔スパイクの形態からなる穿孔手段とを含み、穿孔スパイクは、この穿孔スパイクがカートリッジの封止要素から離れている後退位置と、穿孔スパイクが封止要素を穿孔して貯蔵器内に突出している伸長位置との間で変位可能であり、穿孔スパイクの外壁は、封止要素が穿孔されると混合チャンバに向かって飲料物質を導くための少なくとも1つのサイドチャネルを有するようになっている。
これにより、流体供給部は、カートリッジの貯蔵器に開放していないが、貯蔵器から分離された混合チャンバに開放しているようにする。
このようにして、簡単且つ安価に実現できる方式において、流体供給部によって飲料調製機械の逆汚染が起こることを効果的に阻止する。
このために、貯蔵器は、流体によって洗浄されないが、本発明によれば、飲料物質と流体とは、互いに別々に混合チャンバに入る。
流体は、混合チャンバに直接導かれ、飲料物質は、カートリッジ空化装置によって且つ流体から独立して混合チャンバに移送される。
このために、本発明によるカートリッジ受け部材は、スパイクガイド内に変位可能に取り付けられた穿孔スパイクを更に含む。
カートリッジ受け部材の初期状態において、穿孔スパイクは、後退位置にあり、カートリッジの封止要素を開けるために後退位置から伸長位置に移送される。
この伸長位置において、封止要素は、飲料物質が封止要素を過ぎて少なくとも1つのサイドチャネルを通過して混合チャンバに入るように、穿孔スパイクによって穿孔される。
これ以前には、貯蔵器は、封止要素によって気密及び液密状態で閉じられている。
したがって、飲料調製機械内の事前に香気密に封止されているカートリッジのシンプル且つ信頼性の高い開口が可能になる。
更に、流体供給部に直接作用する過圧が貯蔵器内で発生しないため、飲料調製機械の逆汚染が従来技術よりもはるかに効果的に阻止される。
飲料調製機械に可逆的に挿入可能なカートリッジ受け部材内の混合チャンバの構成は、混合チャンバが交換可能なカートリッジシステムの一部であることを有利に確実にする。
このようにして、交換可能な使い捨ての又は再利用可能なカートリッジシステムの一部のみが飲料物質と接触するため、飲料物質による飲料調製機械の汚染が効果的に回避される。
【0017】
本発明の実施形態によれば、穿孔スパイクは、一体型の圧縮空気管を備え、圧縮空気管は、穿孔スパイクの第1の端部から穿孔スパイクの第2の端部まで穿孔スパイクに沿って延び、圧縮空気源に接続するための圧縮空気接続部は、第2の端部に構成され、貯蔵器に圧縮空気を吹き込むための圧縮空気出口は、第1の端部に構成される。
【0018】
したがって、穿孔スパイクには、以下の3つの機能:
1.穿孔スパイクが封止要素を穿孔し、カートリッジを開口すること、
2.穿孔スパイクが、混合チャンバへの飲料物質の移送を可能にするためのサイドチャネルを含むこと、
3.穿孔スパイクが、圧縮空気を貯蔵器に吹き込み、飲料物質に圧力をかけ、混合チャンバに押しやるための、カートリッジ空化装置である一体型の圧縮空気管を含むこと、
が組み込まれる。
本発明において、カートリッジ受け部材に組み込まれたカートリッジ空化装置は、最初に、外部から貯蔵器内に圧縮空気を導入することができる圧縮空気接続部、特に、圧縮空気管のみを含む。
カートリッジ受け部材は、圧縮空気が飲料物質を貯蔵器から強制的に押し出し、混合チャンバに入れるように構成される。
圧縮空気は、飲料調製機械によって供給される。
圧縮空気源は、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されると直ちに圧縮空気接続部に直接結合される。
これは、カートリッジシステムが挿入されると、カートリッジ空化装置が即座に加圧されることで、飲料物質が圧縮空気接続部の方向、特に、飲料調製機械の圧縮空気源の方向に移動することを防止するため、飲料調製機械の方向における逆汚染が効果的に阻止されるという利点を有する。
したがって、飲料物質は、貯蔵器から混合チャンバの方向にのみ移動することができる。
圧縮空気源は、圧縮空気タンク又は空気供給ポンプのいずれかであり、圧縮空気接続部に周囲空気を供給することで圧縮空気接続部内に過圧が蓄積する。
空気供給ポンプは、結合後、結合中又は更に結合前の時間に始動される(制御ユニット又は評価及び制御ユニットにより)。
始動は、評価及び制御ユニットが識別手段に基づいて既知のカプセルシステムを検出すると行われる。
空気供給ポンプは、検出された識別手段に応じて制御され、供給速度又は過圧は、検出された識別手段に応じて設定される。
【0019】
本発明の実施形態によれば、穿孔スパイクは、複数のサイドチャネルを有し、各サイドチャネルは、穿孔スパイクに平行に延び、サイドチャネルは、それぞれ溝の形態で構成され、溝は、一方の側で開口し、穿孔スパイクの外部表面に挿入されるようになっている。
サイドチャネルは、切断面の後方である穿孔スパイクの周囲領域内に少なくとも部分的に形成される。
これは、サイドチャネルが、材料に切り込みが入れられた封止要素の穿孔の側に配置され、切断された材料が残りの封止要素になお接続される反対側に配置されないという利点を有する。
したがって、飲料物質は、比較的妨げられずにサイドチャネルに流れることができる。
【0020】
混合チャンバに向かう飲料物質の流れをサイドチャネルが制御又は制限するように、サイドチャネルの断面及び/又はサイドチャネルの数は、飲料物質の粘度に適合される。
高粘度では、いくつかのサイドチャネル又はより大きい断面を有するサイドチャネルが使用され、低粘度では、より少数のサイドチャネル又はより小さい断面を有するサイドチャネルが提供される。
したがって、各カートリッジ又はカートリッジ受け部材に関して、カートリッジ内に収容された各飲料物質に適合された適切な穿孔スパイクが存在する。
【0021】
本発明の実施形態によれば、混合チャンバは、飲料物質と流体との混合によって生成された飲料が分注される飲料出口を有し、カートリッジ受け部材は、飲料が飲料出口から携帯容器に直接導入されるように構成されるようになっている。
したがって、飲料物質も、生成された飲料も飲料調製機械のいずれの部分とも接触せず、そのため、飲料調製機械の(逆)汚染がほぼ阻止される。
流体は、混合チャンバに別々に供給される。
流体は、圧力をかけられて混合チャンバに供給される。
流体は、飲料調製機械によって供給される。
飲料調製機械は、流体供給ポンプがオンにされると直ちに、飲料調製機械のタンクから混合チャンバ内に流体を圧送する流体供給ポンプを有する。
カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されると直ちに、流体源がカートリッジ受け部材の対応する流体接続部に直接結合される。
流体接続部は、流体管を介して混合チャンバと流体連通する。
流体供給ポンプは、制御ユニット又は評価及び制御ユニットにより、結合後、結合中又は更に結合前に経時的に始動される(流体接続部が、例えば、結合中にのみ開く弁を備える場合)。
始動は、評価及び制御ユニットが識別手段に基づいて既知のカプセルシステムを認識した場合に行われる。
流体供給ポンプは、検出された識別手段に応じて制御され、供給速度は、検出された識別手段に応じて設定される。
結合前又は結合中における流体供給ポンプの始動は、カートリッジシステムが挿入されると流体接続が即座に加圧されることで、飲料物質が流体管の方向、特に、飲料調製機械の流体源の方向に移動することが阻止されるため、飲料調製機械の方向における逆汚染を効果的に阻止するという利点を有する。
したがって、飲料物質及び飲料は、混合チャンバから飲料出口の方向にのみ移動することができる。
流体は、水、好ましくは、加圧され、冷却され、且つ/又は炭酸を加えられた飲料水を含む。
使用後に飲料出口を閉じる蓋を有する飲料出口を設ける。
このようにして、飲料出口から生成された飲料が滴下することを阻止することができる。
更に、飲料出口を枢動させ、且つ/又は、高さ調整することができる。
これにより、飲料出口を携帯容器の形状寸法に対して調整することが可能になる。
【0022】
本発明の実施形態によれば、カートリッジ又はカートリッジシステムは、光学可読コード、一次元若しくは多次元バーコード、ビットコード、RFIDコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード又はホログラムコードに埋め込まれた製品識別子を有するようになっている。
これは、製品識別子の自動読み取りを可能にする。
製品識別子は、カートリッジ内に収容された飲料物質を示す役割を果たす。
製品識別子は、供給速度、供給時間、供給停止時間、温度、炭酸を加える程度並びに/又は供給される流体及び/若しくは供給される圧縮空気の圧力など、飲料調製機械の動作パラメータを設定するために使用される。
これは、飲料調製機械の動作パラメータが異なる複数の事前に格納された飲料生成プログラムを含む、飲料調製機械の評価及び制御ユニットにおいて行われる。
各飲料生成プログラムは、1つ又は複数の製品識別コードと関連付けられる。
カートリッジが挿入されると、製品識別子は、識別子検出器によって読み取られる。
その後、評価及び制御ユニットは、製品識別子に対応する飲料生成プログラムを選択する。
このようにして、生成される各飲料に対する最適な動作パラメータ、特に、流体供給ポンプの始動及び停止時間、実行時間並びに供給速度が設定され、且つ/又は、空気供給ポンプは、各飲料について個々に設定される。
これらの動作パラメータは、製品識別子に直接埋め込まれる。
評価及び制御ユニットは、製品識別子から動作パラメータを読み取り、評価し、それに応じて飲料調製機械、特に、流体供給ポンプ及び/又は空気供給ポンプを制御する。
この変形形態において、事前に格納された飲料生成プログラムを飲料調製機械に格納する必要はない。
製品識別手段は、冒頭で記載した識別手段であるか、又は、カートリッジシステムは、上述の識別手段と、別個の製品識別手段との両方を有するかのいずれかである。
例えば、システム親和性は、識別手段によって確認されるのみであるが、飲料物質の種類、生成される飲料又は飲料調製機械の動作パラメータは、製品識別手段によって決定される(逆も同様である)。
更に、識別手段は、カートリッジの真正性又は消費期限を確認するためにのみ使用される。
更に、飲料調製機械の側で年齢確認(上記を参照されたい)が実施されるように、アルコール飲料物質を収容するカートリッジについてのみ識別手段を備える。
【0023】
更に、飲料生成プロセスは、製品識別子を識別することができない場合、又は、識別された製品識別子が事前に格納された飲料生成プログラムと一致しない場合、開始すらしない。
この場合、第2の方法ステップにおいて実行される「認証されたカートリッジシステム」の認識が失敗する。
これにより、例えば、カートリッジの破裂(カートリッジが低圧で動作するように意図される場合)によって飲料調製機械が破損するか、又は、使用者に危険を及ぼすリスクをもたらす、飲料調製機械での動作が認められていないシステム非適合のカートリッジの飲料調製機械における使用を阻止する。
【0024】
製品識別子は、カートリッジの壁に適用され、印刷されるか又は貼り付けられる。
しかしながら、カートリッジ開口を封止するための封止要素(特に、封止薄膜)に製品識別子を適用する。
製品識別子は、カートリッジが飲料調製機械に挿入されると、製品識別子が飲料調製機械の識別子検出器の検出範囲内に配置されるようにカートリッジ上に配置される。
代わりに、製品識別子は、カートリッジ上に配置されず、カートリッジ受け部材の外壁に適切な方式で配置される。
【0025】
本発明の実施形態によれば、カートリッジシステムの少なくとも一部の領域の形状は、識別手段としての役割を果たすようになっている。
この一部の領域の形状は、飲料調製機械の光学的又は機械的センサによって検出可能であることと、使用されるカートリッジシステムの適合性及び/又は種類は、検出された形状に基づいて検出されることとが考えられる。
形状は、一部の領域の表面の状態を含み、例えば、製品識別子は、特定の構造を含む。
したがって、飲料調製機械は、検出された構造を使用してカートリッジシステムを決定する。
【0026】
本発明の実施形態によれば、飲料基材は、識別手段としての役割を果たすようになっている。
好ましくは、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されたとき、貯蔵器内の飲料物質、特に、液体の導電率が測定され、その後、導電率を使用して、カートリッジシステムの種類、使用されるカートリッジシステムの適合性及び/又は飲料物質の種類を決定する。
飲料調製機械は、カートリッジ内の飲料物質の導電率を測定するために、接触要素がカートリッジの外側からカートリッジ壁を穿孔することができるように、穿孔先端部を有する接触要素を含む。
その後、接触要素は、カートリッジ壁から再度引き抜かれ、カートリッジ壁は、自己封止するように設計される。
接触要素の領域においてカートリッジ壁に貫通開口が設けられ、この貫通開口は、自己封止且つ穿孔することが可能な封止薄膜によって封止されることも可能である。
シロップの形態の飲料物質は、シロップの異なる導電率をもたらす異なるpH値及び砂糖含有量に基づいて互いに区別される。
【0027】
本発明によるカートリッジシステムが挿入される、飲料を生成するための本発明による飲料調製機械は、カートリッジに接続されたカートリッジ受け部材が挿入される保持ユニットを有する。
飲料調製機械は、特に、識別手段の光学読み取りのための、例えば、光学カメラ(CCDカメラ)又はスキャナの形態の少なくとも1つの識別子検出器も有する。
更に、飲料調製機械は、識別手段を光学的に照明するための光源を有する。
【0028】
更に、飲料調製機械は、読み取られた識別手段を確認するための制御ユニットを含むことが好ましい。
制御ユニットは、読み取られた識別手段が既知の又は承認された識別手段であり、したがって、関連するカートリッジシステムが認証されているかどうかを確認するために、読み取られた識別手段と基準とを比較する。
制御ユニットは、コードを読み取るときに識別手段の基となるコードを読み取り、例えば、アルゴリズムを使用してこのコードと基準コードとを比較するか又はそれを確認し、このようにして、このコードが、承認されたコードであり、したがって、関連するカートリッジシステムが認証されているかどうかを認識する。
飲料調製機械は、多数の基準又は基準コードが格納され、そのそれぞれが認証のために使用される内部メモリを有する。
制御ユニットは、任意選択的に、評価及び制御ユニットとも呼ばれる。
これは、全く同一のユニットである。
【0029】
保持ユニットは、カートリッジシステムを識別するための識別手段の少なくとも1つの物理パラメータを決定するために、カートリッジシステムの識別手段と接触する少なくとも1つの接触要素を有する。
物理パラメータ(特に、コードが埋め込まれているか、又は、この物理パラメータを介して識別手段が読み取られ得る)を使用して、カートリッジシステムのシステム親和性を確認することができる。
更に、飲料調製パラメータが読み取られる。
好ましくは、飲料調製機械は、識別手段の電気抵抗及び/又は導電率を測定するために、少なくとも1つの接触要素に接続された測定ユニットを含む。
【0030】
本発明の実施形態によれば、飲料調製機械は、流体供給部に流体を供給するための流体源と、圧縮空気接続部に圧縮空気を吹き込むための圧縮空気源とを有するようになっている。
【0031】
本発明の実施形態によれば、保持ユニットは、カートリッジ受け部材の穿孔手段を後退位置から伸長位置に移送するための解放要素を含むようになっている。
伸長位置において、穿孔手段の穿孔スパイクは、飲料の貯蔵器を閉じている封止手段に押し通され、穿孔する。
使用されていないときに飲料の貯蔵器を封止したままにし、穿孔スパイクを損傷しないようにするために、穿孔スパイクは、使用されていないとき、穿孔手段によって封止手段に押し通されず、保護位置に後退している。
しかしながら、穿孔スパイクは、封止要素の穿孔プロセスのために伸長しなければならない。
このために、穿孔手段は、穿孔スパイクを伸長位置に伸長させ、移動させる。
ここで、穿孔手段の伸長は、保持ユニットの解放要素によって好ましい方式で開始される。
一方では、保持要素の解放機構の分離と、他方では、カートリッジ受け部材の穿孔スパイクを有する穿孔手段の分離とにより、カートリッジ受け部材が保持ユニットに挿入されたときにのみ穿孔スパイクが伸長することを確実にする。
解放機構は、解放機構に従い、コード化されたカートリッジ受け部材が挿入されたときにのみ穿孔手段が伸長するように、幾何学的にコード化される。
更に、解放機構は、カートリッジ受け部材が保持要素内に正しい位置で挿入されたときにのみ穿孔手段が伸長するように配置されることが可能である。
更に、トリガー機構は、カートリッジ受け部材が、意図した挿入方向に対して角度を成して挿入されていない場合、及び/又は、保持装置内の十分に遠くに挿入されていない場合にのみ、穿孔手段が伸長するように構成されることが可能である。
【0032】
本発明の実施形態によれば、保持ユニットは、保持ユニットへの挿入中又は挿入後にフォームフィッティング及び/又は圧入方式でカートリッジ受け部材の周りに係合する締結フランジを含むようになっている。
カートリッジ受け部材に対する保持ユニットの、締結フランジを介したフォームフィッティング及び/又は圧入接続により、カートリッジ受け部材が保持ユニット内に確実に配置されるようにする。
締結フランジは、カートリッジ受け部材に作用する力を吸収及び放散することができる。
この場合、例えば、印加された圧縮空気によって生じる、飲料調製機械の動作中に発生する力が考えられる。
しかしながら、締結フランジは、外部からカートリッジ受け部材に作用する力も吸収及び放散することができる。
この場合、例えば、使用者による衝突が考えられる。
したがって、保持ユニット内におけるカートリッジ受け部材の正しい位置決めが好ましい方式で確実となる。
【0033】
カートリッジ受け部材と、穿孔手段に接触した解放要素との間に相対運動が発生し、それにより、穿孔スパイクが後退位置から伸長位置に移送されるように、締結フランジは、締結フランジを変位させる手動又はモータ駆動式の解放機構に結合されるようになっている。
したがって、カートリッジ受け部材は、締結フランジにより、静止した解放要素に対して移動され、このため、静止した解放要素は、穿孔スパイクに押し付けられ、穿孔スパイクを後退位置から伸長位置に移動させる。
これにより、封止薄膜を穿孔し、飲料生成プロセスが開始する。
このようにして、封止部材を穿孔する位置にカートリッジ受け部材があるとき、穿孔スパイクが伸長することが確実となる。
これにより、例えば、封止部材の隣に穿孔することにより、又は、穿孔スパイクと、穿孔するために設けられたものではない、角度を成して穿孔するようになっている先端との間の接触によって発生する穿孔スパイクの破損を阻止する。
解放要素は、静止した状態で構成され、カートリッジシステムが、解放機構により、静止した解放要素に対して移動することにより、穿孔スパイクを後退位置から伸長位置に変位させる。
解放要素は、保持要素上の固定された突起である。
【0034】
好ましくは、解放機構は、その手動操作のための動作レバーを含み、この動作レバーは、カートリッジの長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りで回転可能であるように構成されるようになっている。
解放機構の手動操作により、保持ユニットにカートリッジ受け部材を挿入するために必要な力を低減することが好ましい。
封止部材を穿孔スパイクで穿孔するには、特定の量の力が必要である。
この力は、動作レバーを用いて、使用者によって便利且つ人間工学的に印加することができ、保持ユニットにカートリッジ受け部材を挿入することのみによって印加される必要はない。
カートリッジの長手方向軸と本質的に平行な回転軸において動作レバーが回転することができるように動作レバーを取り付けることで、動作レバーが作動されるとき、解放機構に対する機械的なてこの作用を有効にする。
動作レバーは、滑り止め面及び/又は形状も備えることができる。
これにより、解放機構が、好ましい方式で操作されることを可能にする。
解放機構に対する使用者の良好な機械的結合により、解放機構を感度を伴って操作することを可能にし、穿孔手段を損傷しないようにする。
【0035】
この解放機構は、長手方向軸に平行な回転軸の周りにおける動作レバーの回転運動を、長手方向軸に本質的に平行な並進運動、特に、保持ユニット及び/又はカートリッジ受け部材の上昇又は下降に変換する動力伝達ギアを含むようになっている。
これにより、動作レバーの操作から、穿孔スパイクによる封止部材の穿孔への力の伝達を可能にする。
したがって、動作レバーの回転運動は、封止部材と穿孔スパイクとの間の直線相対運動を生じさせる。
これは、穿孔中に傾きがないことを意味する。
【0036】
本発明の実施形態によれば、カートリッジ及び/又はカートリッジ受け部材は、製品識別子を有するようになっており、飲料調製機械又はカートリッジ受け部材は、製品識別子を識別するための識別子検出器を有するようになっている。
このような製品識別子は、バーコード、RFIDコード、QRコード、データマトリクスコード、カラーコード又はホログラムコードなどに埋め込まれる。
したがって、製品識別子の自動読み取りが可能である。
識別子検出器は、カートリッジが飲料調製機械に挿入されるとバーコード、QRコード又は、データマトリクスコードを自動的に読み取る光センサ、例えば、CCDカメラを含む。
代わりに、識別子検出器は、RFIDコードを自動的に読み取るためのトランシーバアンテナを含む。
代わりに、製品識別子は、他の自動読み取り可能なコンピュータチップに埋め込まれる。
QRコードという用語には、本発明の趣旨内において任意のデータマトリクスコードが含まれる。
これに関して、QRコード及びデータマトリクスコードという用語は、同義に使用される。
さらに、製品識別子には、バーコード、ドットコード、バイナリコード、モールス符号又は点字コード(浮出し印刷)などが含まれる。
この場合、コードは、3次元構造、例えば、浮彫りに埋め込まれる。
製品識別子には、製品識別番号として公知のもの、特に、統一商品コード(UPC)、欧州統一商品番号(EAN)、GS1コード又はグローバルトレードアイテムナンバー(GTIN)などが含まれる。
この方法では、新たなコードシステムを導入する必要はない。
製品識別子は、GS1標準規格に準拠する。
【0037】
製品識別子は、カートリッジ内に配置された飲料物質を特定する役割を果たす。
飲料調整プロセス中又は飲料調整プロセスの開始前に、製品識別子は、識別子検出器で読み取られる。
したがって、飲料調製機械は、いずれの種類のカートリッジが飲料調製機械に導入されたかが分かる。
飲料調製機械の評価及び制御ユニットは、様々な飲料の調製のために用意され、例えば、供給される流体の供給速度、供給時間、供給間隔、温度、炭酸化度及び/又は圧力に関して互いに異なる、事前に格納された複数の飲料生成プログラムを有する。
異なる圧縮空気供給(例えば、圧力が異なる)が、異なる飲料生成プログラムで使用される。
各飲料生成プログラムは、1つ又は複数の製品識別子に対応する。
カートリッジが飲料調製機械に導入されると、カートリッジに付いた製品識別子が識別子検出器で読み取られ、次いで、事前に格納したデータと比較される。
このように、飲料生成プログラムは、製品識別子を使用して、事前に格納された複数の飲料生成プログラムから選択され、この飲料生成プログラムを用いて飲料生成プロセスが開始される。
供給される流体の供給速度、供給時間、供給間隔、温度、炭酸化度及び/又は圧力などのパラメータは、特定の飲料物質を用いて生成される飲料にとって最善の結果を得るために、選択された飲料生成プログラムによって事前に設定又は制御される。
【0038】
飲料生成プロセスは、製品識別子が識別不可能であるか、又は、識別された製品識別子が事前に格納されたいずれの飲料生成プログラムにも対応しない場合、全く始まらない。
これは、システム互換性のないカートリッジが飲料調製機械で使用されることを防止し、システム互換性のないカートリッジは、飲料調製機械での動作を保証されず、その結果として、例えば、カートリッジの破裂(このカートリッジがより低圧で動作することを意図される場合)により、飲料調製機械が損傷するか又は使用者が事故に遭遇するリスクがある。
【0039】
製品識別子は、カートリッジの壁又はカートリッジ開口を封止する封止要素(特に、封止薄膜)に印刷されるか、又は、貼り付けられることが好ましい。
製品識別子は、カートリッジが飲料調製機械に挿入されると、飲料調製機械の識別子検出器の検出領域内に配置されるようにカートリッジに配置される。
代わりに、製品識別子は、カートリッジではなく、カートリッジ受け部材の外壁に適切な方法で配置される。
代わりに、製品識別子が、飲料物質に組み込まれる。
導電率の測定値を用いて、例えば、飲料物質、したがって、カートリッジシステムの種類を決定することができる。
この場合、導電率を測定する接触要素は、飲料物質と接触させるために貯蔵器に挿入される。
このために、カートリッジ壁は、接触要素によって穿孔される。
測定後、接触要素は、任意選択的に、貯蔵器から再び取り除かれ、生じたカートリッジ壁の穴は、その後、再び閉じられるか、又は、飲料生成プロセス中、接触要素は、部分的に貯蔵器内にとどまる。
【0040】
飲料調製機械の評価及び制御ユニットは、いずれのカートリッジ及び/又は特定の種類のカートリッジが何個使用されたかを登録する。
飲料調製機械は、飲料調製機械と中央サービスプロバイダとの間でのインターネット接続を用いた通信のために提供される通信モジュールを有する。
中央サービスプロバイダは、例えば、飲料調製機械のステータスを遠隔監視し、且つ/又は、必要に応じて飲料調製機械を維持、監視及び/若しくは修理する飲料調製機械の製造者のサーバである。
中央サービスプロバイダは、例えば、飲料調製機械のファームウェア又はソフトウェアを点検し、必要に応じてそれを更新し、且つ/又は、飲料調製機械を再起動することができる。
新たな飲料生成プログラムをインストールする(例えば、新たなカートリッジが市場にローンチされた場合)並びに/又は供給速度、供給時間、供給停止時間、温度、炭酸を加える程度及び/若しくは供給される流体の圧力などのパラメータを調整する。
飲料調製機械は、例えば、汚染の程度、摩耗の程度、フィルタの状態、ポンプ圧力などを監視することができるように、中央サービスプロバイダによって読み取られ得る複数のセンサを有する。
飲料調製機械の動作パラメータは、読み取られ、既に実行された飲料生成プロセスの数に関する情報を提供する。
例えば、評価及び制御ユニットは、例えば、飲料に関するターゲット広告(例えば、飲料調製機械のディスプレイ上又は関連するアプリケーション上における)を切り換えることができ、且つ/又は使用されたカートリッジに関する自動再注文を行うことができるように、特定の種類のカートリッジのいずれ及び何個が使用されたかを示すデータを中央サービスプロバイダに送信する。
飲料調製機械のディスプレイは、カートリッジを再注文するために使用することができ、再注文は、通信モジュールを介して中央サービスプロバイダに直接送信される。
飲料調製機械の音声制御を実装することも考えられ、飲料調製機械を制御するための音声データは、飲料調製機械のマイクロフォンによって記録され、その後、評価のために通信モジュールを介して中央サービスプロバイダに送信される。
更に、飲料調製機械は、例えば、個々に選択されたパラメータ又は飲料生成プログラムを含む、例えば、個別化メニュー又は設定を有する使用者センシティブ動作モードを提供し、使用者の選択は、パスワード又は顔認識、虹彩スキャン若しくは指紋などの生体データに基づいて行われる。
収集されたデータは、暗号化された形態で中央サービスプロバイダに送信されるか、又は、対応する飲料調製機械への個別化メニューの起動若しくは伝送に関して中央サービスプロバイダで評価される。
使用者は、自らの個別メニュー及び/又は個別設定を異なる飲料調製機械で常に自動的にロードし得る。
【0041】
本発明の実施形態によれば、保持ユニットは、保持ユニットへの挿入中又は挿入後にフォームフィッティング及び/又は圧入方式でカートリッジ受け部材の周りに係合する締結フランジを含むようになっている。
【0042】
本発明の実施形態によれば、接触要素は、締結フランジに組み込まれるようになっている。
【0043】
本発明によるシステムは、本発明による飲料調製機械と、保持ユニットに挿入される、本発明によるカートリッジシステムとを含む。
【0044】
特に、本発明によるシステムで実行される、本発明による飲料を調製するための方法では、以下のステップ:第1の方法ステップにおいて、飲料調製機械の保持ユニットにカートリッジシステムを挿入するステップと、第2の方法ステップにおいて、カートリッジシステムの識別手段を検出するステップと、第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステムが検出された場合、第3の方法ステップにおいて飲料調製プロセスを開始するステップとが実行される。
【0045】
したがって、第3の方法ステップにおいて開始された飲料調製プロセスは、流体供給部を通して混合チャンバ(8)に流体を供給するステップを含む第1の調製ステップと、貯蔵器(6)に圧縮空気を供給することにより、貯蔵器(6)から混合チャンバ(8)に飲料物質を移送するステップを含む第2の調製ステップと、飲料物質を流体と混合することによって混合チャンバ(8)内で生成された飲料を飲料出口によって排出するステップを含む第3の調製ステップとを含む。
実際の飲料生成及び提供は、第1の調製ステップ、第2の調製ステップ及び第3の調製ステップによってのみ実行されるが、これらは、既知の若しくは許可された識別手段又はシステム向けであると認識された識別手段が第2の方法ステップにおいて確認された場合或いは既知の若しくは許可された又はシステム向けであると確認することができた識別手段からコードが抽出される場合にのみ開始される。
また、第2の方法ステップにおいて、動作パラメータは、識別手段又はコードから排他的又は追加的に読み取られ、飲料システムは、そのような動作パラメータが検出可能である場合にのみ認証されたとみなされる。
動作パラメータは、空気供給ポンプ、流体供給ポンプを制御し、且つ/又は、解放機構を始動若しくは制御し、且つ/又は、ハンドリングステップを実施するために解放機構を遮断しないように使用される。
【0046】
したがって、飲料生成プロセスは、第2の方法ステップにおいて、検出された識別手段の確認に成功した場合にのみ開始される。
上述の飲料調製機械の識別子検出器又は評価及び制御ユニット(下記では制御ユニットとも呼ばれる)が、この目的ために使用される。
評価及び制御ユニットを用いて、検出された識別手段が評価され、必要に応じて識別手段の基となるコードが検出される(本出願の上記で詳述したように)。
【0047】
第1の調製ステップ及び第2の調製ステップは、同時に又は連続して開始され、第1の調製ステップは、第2の調製ステップ前に開始され、第1の調製ステップの開始後、第2の調製ステップも開始される前に、第1の調製ステップと第2の調製ステップとの間で、1ミリ秒~2秒、好ましくは、100ミリ秒~1.5秒、特に好ましくは、500ミリ秒~1秒の時間ずれが待機される。
これは、飲料物質が混合チャンバに入る前に、混合チャンバが最初に流体を充填されるか又はそれで洗浄されるという利点を有する。
このようにすることで、純粋な飲料物質、例えば、濃いシロップは、飲料出口からいつでも出ることができず、必然的に常に最初に流体、特に、水と混合され、希釈される。
これにより、アルコール飲料において安全性が高まる。
【0048】
ハンドリングステップにおいて、カートリッジシステムは、解放機構によって周りに係合され、且つ、保持ユニットの解放要素に対して移動され、特に、固定された解放要素に対して下げられ、解放要素は、穿孔スパイクに接触し、特に、穿孔スパイクを後退位置から伸長位置に移送する。
有利には、飲料物質が混合チャンバに入ることができ、圧縮空気を貯蔵器に吹き込むことができるように、ハンドリングステップによって封止要素を穿孔する。
ハンドリングステップは、飲料調製プロセスの一部として、第1の方法ステップと第2の方法ステップの間において又は第ゼロの調製ステップとして実行される。
解放機構は、最初に保持ユニットのブロック装置によって遮断され、解放機構は、第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステムが検出されたときにのみ解放される。
ハンドリングステップは、ここで又はそれとは無関係に、飲料調製機械の使用者によるハンドレバーの手動操作によって実行される。
代わりに、解放機構は、モータ駆動され(上記で詳述したように)、飲料調製機械の制御ユニットによって実施されるか、又は、評価及び制御ユニットによって制御される。
モータ駆動式の解放機構は、第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステムが検出された場合に評価及び制御ユニットによって自動的に作動される。
この場合、ハンドリングステップは、第ゼロの調製ステップとして飲料生成プロセスの一部である。
【0049】
第1の方法ステップ又はハンドリングステップにおいて、流体接続部は、飲料調製機械の流体源と、カートリッジ受け部材の流体供給部との間に設けられる(これは、流体が混合チャンバに向かって既に流れていることを自動的に意味するものではなく、管又は接続部が相互接続されることのみを意味する)。
流体は、流体供給ポンプが作動されるまで混合チャンバに向かって供給されない(本出願において上記及び下記のように)。
【0050】
第1の方法ステップ又はハンドリングステップにおいて、圧縮空気接続部は、飲料調製機械の圧縮空気源と、カートリッジ受け部材の圧縮空気接続部との間に設けられる(これは、圧縮空気が貯蔵器に既に吹き込まれていることを自動的に意味するものではなく、管又は接続部が相互接続されることのみを意味する)。
圧縮空気は、空気供給ポンプが作動されるまで貯蔵器に向かって送られない(本出願において上記及び下記のように)。
【0051】
第1の調製ステップにおいて、飲料調製機械の流体供給ポンプは、混合チャンバに流体を供給するためにオンにされ、流体供給ポンプは、第2の方法ステップにおいて認証されたカートリッジシステムを検出した場合にのみ、制御ユニットによってオンにされる。
流体は、流体タンクから流体供給ポンプによって得られ、流体供給部を通して混合チャンバの方向に運ばれる。
【0052】
第2の調製ステップにおいて、飲料調製機械の空気供給ポンプの形態の圧縮空気源は、貯蔵器に圧縮空気を供給するためにオンにされ、圧縮空気源は、第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステムが検出された場合にのみ、制御ユニットによってオンにされる。
それにより、空気供給ポンプは、任意選択的に、周囲空気を、空気入口を通して、圧縮空気入口、圧縮空気管、圧縮空気出口及び穿孔スパイク内のチャネルを通して貯蔵器に向けて圧送する。
【0053】
第2の方法ステップにおいて、制御ユニットは、識別手段に応じて動作パラメータを決定し、及び、制御ユニットは、動作パラメータに応じて流体供給ポンプ及び/又は空気供給ポンプを制御し、動作パラメータは、流体供給ポンプ及び/又は空気供給ポンプの起動時間、停止時間、実行時間及び/又は供給速度を含む。
第2の方法ステップにおいて、評価及び制御ユニット又は制御ユニットは、検出された識別手段又は読み取られたコードが、システム向け、したがって、認証されたカートリッジシステムであることを示すかどうかを確認するだけでなく、飲料調製プロセスにおいて使用される動作パラメータを識別手段又はコードから読み取る(識別手段又はコードの確認及び読み取りについての詳細は、飲料調製機械及びカートリッジシステムとの関連で明示的に上述しており、これにより参照したものとする)。
したがって、最適な飲料結果を得るために、各カートリッジシステムに対して個別の飲料調製プロセスが開始される。
特に、動作パラメータ及びプログラムの全ては、飲料調製機械が配達されるときでも飲料調製機械の内部メモリに既に格納されている必要がなく、新たな動作プログラムも識別手段又はコードを介して後に生成される。
【0054】
第2の方法ステップにおいて、カートリッジシステム上に配置されたコードは、光学的に読み取られ、この読み取られたコードは、制御ユニットにより、アルゴリズムによって又は1つ若しくは複数の基準コードとの比較によって確認される(上記の飲料調製機械及びカートリッジシステムと関連する説明を参照されたい)。
【0055】
別の実施形態において、第1の調製ステップにおいて、穿孔スパイクは、上述の解放要素によってではなく、圧縮空気によって後退位置から伸長位置に移送され、封止要素は、後退位置から伸長位置への穿孔スパイクの移送によって穿孔される。
【0056】
本発明による方法は、以下のステップ:
飲料調製機械の保持ユニットにカートリッジシステムを挿入するステップと、
保持ユニットの接触要素と、カートリッジシステムの識別手段との間に接触を確立するステップと、
測定ユニットによって識別手段の物理パラメータを測定し、且つ、物理パラメータに基づいてカートリッジシステムのシステム親和性を確認するステップと、
飲料調製機械の流体源と、カートリッジ受け部材の流体供給部との間に流体接続部を設けるステップと、
飲料調製機械の圧縮空気源と、カートリッジ受け部材の圧縮空気接続部との間に圧縮空気接続部を設けるステップと、
穿孔スパイクを後退位置から伸長位置に移送することにより、封止要素を穿孔するステップと、
貯蔵器に圧縮空気を供給することにより、貯蔵器から混合チャンバに飲料物質を移送するステップと、
流体供給部を通して混合チャンバに流体を供給し、且つ、飲料物質を流体と混合することによって混合チャンバ内で生成された飲料を飲料出口によって排出するステップと
を更に含む。
【0057】
上記の方法ステップは、時系列的な順序であることを必須とするものとみなされず、同時に又は異なる順序で実行することもできる。
好ましくは、例えば、カートリッジ空化装置の操作及び流体の供給は、並列で実行される。
流体接続部及び/若しくは圧縮空気接続部を設けるステップ並びに/又は流体を供給するステップは、物理パラメータに基づいて、カートリッジシステムが、システムに関連するカートリッジシステム、即ち、承認された又は既知のカートリッジシステムであることが確認された場合にのみ実行される。
【0058】
本発明の実施形態によれば、追加的な製品識別子が識別子検出器によって読み取られ、評価され、特に、流体接続部及び/若しくは圧縮空気接続部が作製される前且つ/又は封止要素が穿孔される前に制御ユニットによって確認され、製品識別子は、読み取り中に照明要素によって照明されるようになっている。
製品識別子を読み取ることにより、流体の温度若しくは炭酸を加える程度又は圧縮空気接続部の動作圧力などの動作パラメータを設定することができる。
更に、識別子検出器から製品識別子が読み取られることにより、そのカートリッジが、飲料調製機械での使用が意図されたものであるかどうかを検出することができる。
これに該当しない場合、封止部材の穿孔が省略されるため、例えば、不適当な封止部材に起因する損傷から穿孔スパイクを保護する。
製品識別子の照明は、光学読み取りも容易にする。
【0059】
本発明の実施形態によれば、流体は、混合チャンバに供給される前に冷却され、且つ/又は、炭酸を加えられるようになっている。
したがって、冷飲料及び炭酸を加えた冷飲料を生成することができる。
【0060】
本発明の実施形態によれば、穿孔スパイクは、飲料調製機械の解放要素によって後退位置から伸長位置に移送され、カートリッジ受け部材は、穿孔スパイクが後退位置から伸長位置に移送されるような方式において、静止した解放要素に対して移動されるようになっている。
このため、穿孔スパイクは、封止部材を穿孔する。
したがって、貯蔵器は、飲料物質が混合チャンバに移送されるように自動的に開口される。
圧縮空気及び流体は、飲料物質による飲料調製機械の逆汚染が阻止されるように、開口プロセス中にカートリッジ受け部材に既に導入されている。
【0061】
本発明の実施形態によれば、保持ユニットへのカートリッジシステムの挿入中又は挿入後、カートリッジ受け部材は、保持ユニットの締結フランジによって周りに係合され、締結フランジは、手動又はモータ駆動式の解放機構によって動作され、特に、カートリッジ受け部材と、穿孔スパイクと接触している解放要素との間に相対運動が生じ、それにより、穿孔スパイクが後退位置から伸長位置に移送するような方式で変位されるようになっている。
これにより、一方では、挿入プロセス中の使用者による圧力など、カートリッジシステムに作用する力が締結フランジによって吸収及び放散される。
他方では、カートリッジ受け部材が正しい位置にあるとき、これにより、穿孔スパイクは、保護された後退位置から伸長位置に伸長し、貯蔵器の封止部材を穿孔する。
封止部材を穿孔すると飲料生成が開始される。
【0062】
本発明の実施形態によれば、カートリッジ壁は、接触要素と識別手段との間に接触を確立するために、接触要素によって穿孔されるようになっている。
ここで、製品識別子は、飲料物質に組み込まれる。
導電率の測定により、例えば、飲料物質、したがって、カートリッジシステムの種類を決定することができる。
特に、導電率を測定するための接触要素は、飲料物質と接触させるために貯蔵器に挿入される。
この目的のため、カートリッジ壁は、接触要素によって穿孔される。
測定後、接触要素は、任意選択的に、貯蔵器から再び取り除かれ、生じたカートリッジ壁の穴は、その後、再び閉じられるか、又は、飲料生成プロセス中、接触要素は、部分的に貯蔵器内にとどまる。
【0063】
本発明は、図面を参照する実施形態の以下の説明から明らかになる。
図面は、本発明の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の実施形態による、カートリッジ受け部材部材が挿入されていない飲料調製機械を示す概略図。
図2】本発明の実施形態によるカートリッジシステムを示す概略図。
図3】本発明の実施形態による、飲料調製機械にカートリッジシステムが挿入されている飲料調製機械を示す概略図。
図4a】本発明の実施形態による、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されている、飲料を生成するための方法の基本原理を示す図。
図4b】本発明の実施形態による、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されている、飲料を生成するための方法の基本原理を示す図。
図4c】本発明の実施形態による、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されている、飲料を生成するための方法の基本原理を示す図。
図5】本発明の更なる実施形態によるカートリッジシステムを示す概略図。
図6a】本発明によるカートリッジシステムの製品識別子の読み取りを概略的に示す図。
図6b】本発明によるカートリッジシステムの製品識別子の読み取りを概略的に示す図。
図7】本発明の別の実施形態による、カートリッジシステムが飲料調製機械に挿入されている飲料調製機械を示す概略図。
図8】本発明による、飲料を生成するための方法のステップを概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図において同一の部品は、常に同じ参照符号を付与され、通常、それぞれ一度のみ説明される。
【0066】
図1は、本発明の実施形態による、カートリッジ受け部材が挿入されていない飲料調製機械3の概略図を示す。
【0067】
飲料調製機械3は、カートリッジシステム10(図2を参照されたい)を受け入れるための保持ユニット90を含む。
保持ユニット90は、動作レバー120を含む。
動作レバー120は、封止部材18を穿孔するためにカートリッジ受け部材10の穿孔スパイク73を伸長させるための解放機構を手動で動作するためのものである。
使用者が動作レバー120を回転させると、穿孔スパイクを伸長させるためのトリガー機構が作動される。
この場合、解放機構は、穿孔スパイク73が保持ユニット90の静止した解放要素に当たることで、封止部材18が穿孔される伸長位置の方向に上方に移動するように、カートリッジシステム19を保持ユニット90内で又は保持ユニット90とともに下方に移動させる。
【0068】
図2は、本発明の実施形態によるカートリッジシステム1の概略図を示す。
【0069】
カートリッジシステム1は、カートリッジ2を含み、カートリッジ2は、飲料物質7を充填された貯蔵器6と、カートリッジ開口63とを含む。
初期状態において、カートリッジ開口63は、薄膜の形態の封止部材18によって封止されている。
カートリッジ2は、カートリッジ開口63の領域内における周囲に保持フランジ52を備える首部を含む。
【0070】
カートリッジシステム1は、カートリッジ受け部材10を更に含む。
カートリッジ受け部材10は、首部上に配置され、保持フランジ52に接続又はラッチされる。
カートリッジ受け部材10は、混合チャンバ8と、混合チャンバ8内で生成された飲料を混合チャンバ8から出す飲料出口11と、混合チャンバ8に開放している流体供給部12(図4a~図4cを参照されたい)(流体供給部12を通して液体、特に、冷水及び/又は炭酸水が混合チャンバ8に導入される)とを含む。
【0071】
カートリッジ受け部材10は、スパイクガイド80を更に含み、スパイクガイド80内において穿孔スパイク73が変位可能に案内される。
図1では、穿孔スパイク73は、後退位置において示す。
【0072】
図2に示す本発明の実施形態では、カートリッジ受け部材10は、識別手段20を含む。
識別手段20は、識別要素21として形成され、識別要素21は、カートリッジ2の首部を含む。
識別要素21は、環状形状で構成され、首部を完全に、即ちその周囲全体に沿って包囲するか、又は識別手段21は、c字形で構成され、そのため、首部を一部のみ包囲する、即ち首部の周囲全体に沿って延びないかのいずれかである。
識別手段21がc字形である場合、首部の側方にクリップ締結されることが好ましい。
識別手段21が環状である場合、特に、スリーブ形状及び/又は円筒状でもある場合、識別要素20は、首部に圧入、材料フィッティング又はフォームフィッティングで接続されることが好ましく、特に、貼り付けられるか、溶接されるか、収縮されるか、プレスされるか、押し付けられるか又は差し込まれるなどである。
代わりに、識別手段20は、コーティング22を含む。
コーティング22は、首部にラッカー又は接着剤フィルム若しくはラベルとして適用され、ラッカー塗布、噴霧、蒸着又は接着される。
識別要素21は、保持ユニット90の接触要素23によって測定される規定の導電率を含む。
このため、識別要素20は、任意選択的に、少なくとも部分的に金属又は導電性プラスチック、特に、導電性プラスチック薄膜でできている。
【0073】
代わりに、図2に示すカートリッジ受け部材は、カートリッジ2の首部に識別要素21の形態の識別手段20を含まず、カートリッジ壁2’の領域内に識別手段20、24(後に製品識別子24とも呼ばれる)のみを含む。
これに関連して、識別手段20は、コード、例えば、マーカ、パターン、文字、画像、ロゴ、一次元若しくは二次元バーコード、ビットコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード及び/又はホログラムコードであり、これらは、カートリッジ2に貼り付けられるか、印刷されるか、又は、他に適用され、光学識別子検出器39(図6a、図6bを参照されたい)によって読み取られる。
代わりに、識別手段20は、対応する識別子検出器によって読み取られるRFIDチップ又は磁気要素である。
【0074】
いずれにしても、識別手段20、24は、飲料調製機械3内におけるカートリッジシステム1のシステム親和性を確認する役割を果たし、カートリッジシステム1の識別を可能にする。
識別手段20、24は、カートリッジシステムの種類、特に、例えば、供給速度、供給時間、供給停止時間、温度、炭酸を加える程度並びに/又は供給される流体及び/若しくは供給される圧縮空気の圧力などの飲料調製機械の動作パラメータを識別、特に、設定するために使用される。
【0075】
図3は、図2に示すカートリッジシステム1が挿入されている、図1に示す飲料調製機械3の概略図を示す。
【0076】
カートリッジ受け部材10が挿入されている保持ユニット90は、解放要素を含み、この解放要素を用いて穿孔スパイク73をその後退位置から伸長位置に移送することができる。
【0077】
穿孔スパイク73は、伸長位置に移動すると、封止要素18を穿孔し、飲料物質がこの封止要素18と穿孔スパイク73の外部表面との間を通過して混合チャンバ8に入ることを可能にする。
穿孔スパイク73は、圧縮空気管40の形態の一体的な圧縮空気連通部を更に含む。
圧縮空気管40は、外部圧縮空気接続部42(圧縮空気は、外部圧縮空気接続部42を通して外部から圧縮空気管40に吹き込まれる)から、穿孔スパイク73の端部にある貯蔵器7の内部にその時点で位置している圧縮空気出口43まで延び、それにより、圧縮空気は、貯蔵器6に吹き込まれる。
その後、飲料物質は、圧縮空気の圧力によって混合チャンバ8に移送される。
その後、飲料は、飲料物質と、流体供給部12によって供給された液体とを混合することによって混合チャンバ8内で生成され、飲料出口11を通して、例えば、飲料容器の方向に排出される。
【0078】
保持ユニット90は、圧縮空気接続部42に圧縮空気を供給するために圧縮空気源と流体連通する。
更に、保持ユニットは、流体又は上述の液体を流体供給部に供給するために流体源と流体連通する。
【0079】
識別手段20が識別要素21として構成される実施形態において、保持ユニット90は、任意選択的に、2つの接触要素23を更に含む。
2つの接触要素23は、カートリッジの両側に配置され、それぞれ首部に配置された識別手段20との直接接触を形成する。
識別要素21又はコーティング22の導電率又は電気抵抗は、接触要素23を介して測定され、測定値は、保持ユニット90に挿入されているカートリッジシステム1が、システムに適合するカートリッジシステム1であるかどうかを決定するために使用される。
この試験結果が正である場合にのみ、飲料を生成する方法が実行又は継続される。
そうでなければ、飲料調製機械3は、即座にオフにされる。
【0080】
カートリッジシステム1の種類は、測定した導電率値に基づいて決定される。
この種類に基づいて、メモリに格納されている、この種類に適した動作パラメータは、その後、機械によってロードされ、飲料生成プロセスがこれらの動作パラメータを用いて実行される。
【0081】
飲料調製機械3は、測定した導電率値に基づいて、カートリッジ2が、アルコールを含有する物質を含むかどうかを検出する。
そのようなアルコール物質が検出された場合、飲料調製機械3は、例えば、クレジットカード、指紋リーダ、顔認識、ログイン又はパスワードなどによって年齢及び/又は使用者の身分を特定することを目的とした追加の検証ステップを実行する。
【0082】
任意選択的に、カートリッジ2のシステム親和性が、識別手段20を用いて、導電率測定値又はシステム親和性を認識するための唯一の識別手段20として既に確認されている場合、カートリッジ2は、追加的又は排他的に、カートリッジ2の種類を識別することができるコードの形態の製品識別子24を備える。
特に、製品識別子24は、カートリッジ2又はカートリッジ受け部材10の外壁に適用される、マーカ、パターン、文字、画像、ロゴ、一次元若しくは二次元バーコード、ビットコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード及び/又はホログラムコードなどのコードを含む。
【0083】
ここでは、コード又は製品識別子24として構成される識別手段20は、カートリッジシステム1のシステム親和性(第2の方法ステップにおけるカートリッジシステムの認証)を確認し、任意選択的に、カートリッジ2内に収容された飲料物質7を示す役割も果たす。
追加的又は代替的に、例えば、供給速度、供給速度、供給時間、供給停止時間、始動時間、終了時間、温度、炭酸を加える程度及び/又は供給される流体の圧力、特に、流体供給ポンプ及び/又は供給される圧縮空気の制御パラメータなどの飲料調製機械3の動作パラメータ、特に、空気供給ポンプの制御パラメータは、製品識別子24又はコードに基づいて設定される。
これは、飲料調製機械3の評価及び制御ユニット内で評価及び制御ユニットによって行われる。
飲料調製機械3は、飲料調製機械3の動作パラメータが異なる複数の事前に格納された飲料生成プログラムを有する。
各飲料生成プログラムは、1つ又は複数の製品識別子24と関連付けられる。
製品識別子24は、飲料調製機械3の識別子検出器39、特に、光学カメラによって読み取られる。
その後、評価及び制御ユニットは、製品識別子24に対応する飲料調製プログラムを選択する。
このようにして、生成される各飲料に対して最適な動作パラメータが設定される。
【0084】
代わりに、カートリッジ2は、製品識別子24として上述した識別手段20でもあるコードのみを含む。
この場合、カートリッジ2は、図2に示す環状の識別要素21を有しない。
【0085】
図4a~図4cは、本発明によるシステムの実際の飲料生成の全般的な動作原理を再度示すために、カートリッジシステム1が飲料調製機械3に挿入されている、飲料を生成するための方法の基本原理を示す。
【0086】
このシステムは、交換可能なカートリッジシステム1が挿入可能である(概略的にのみ図示した)飲料調製機械3を含む。
各カートリッジシステム1は、特定の飲料物質7を充填されるカートリッジ2と、カートリッジ2に接続されたカートリッジ受け部材10とを有する。
飲料調製機械3内において、対応する飲料は、飲料物質7と、以下の本文で流体源41と称する追加的な給水源とを用いて生成される。
この場合、カートリッジ2は、特定の飲み量分、例えば、飲用グラス1杯分の所望の飲料を生成するために必要である、事前に小分けされた量の飲料物質7を充填されることが好ましい。
特に、複数の異なるカートリッジシステム1が利用可能であり、カートリッジシステム1のカートリッジ2又は貯蔵器6は、様々な飲料を生成するために様々な飲料物質7を充填される。
カートリッジシステム1の使用者が特定の飲料を飲むことを望むとき、使用者は、複数の異なるカートリッジシステム1から、所望の飲料を生成するための対応する飲料物質7を含むカートリッジシステム1を選択し、そのカートリッジシステム1を飲料調製機械3の保持ユニット90に挿入し、適切な場合、例えば、開始ボタンを押すことにより、又は、接触感応ディスプレイに適切な方法で触れることにより、又は、ジェスチャ若しくは音声制御により、又は、携帯電話の適切なアプリケーションを用いて飲料調製機械3で飲料生成プロセスを開始しさえすればよい。
飲料生成プロセスは、新たなカートリッジシステム1の保持ユニット90への挿入が検出されたときに自動的に始まる。
次いで、上記の場合のそれぞれにおいて、所望する飲料が自動的に生成され、飲料容器に運ばれて使用者に提供される。
続いて、使用済みのカートリッジシステム1は、取り出されて処分される。
このとき、飲料調製機械3は、更なる飲料を生成するために、再度、任意の所望する新たなカートリッジシステム1を補充する準備ができている。
【0087】
飲料物質7は、カフェイン入りの、炭酸入りの、果物風味の且つ/又は甘いソーダ及びジュースなどの清涼飲料、ビール(混合)飲料又は他のアルコール若しくはノンアルコール(混合)飲料のための液体事前混合成分を含むことが好ましい。
【0088】
カートリッジ2は、プラスチックから射出ブロー成形法によって作製される。
カートリッジ2は、カートリッジ開口63も有し、このカートリッジ開口63を通して貯蔵器6が飲料物質7を充填される。
この例では、貯蔵器6の底部は、漏斗形状で構成され、カートリッジ開口63は、漏斗形状の底部の中央に配置される。
本発明によれば、カートリッジ2は、カートリッジ受け部材10に固定的又は可逆的に接続される。
カートリッジ受け部材10は、カートリッジ2の充填後、カートリッジ開口63の領域内のラッチ接続部50によってカートリッジ2に接続される。
このために、カートリッジ受け部材10は、例えば、カートリッジ開口63の領域内に配置された、カートリッジ2の1つ又は2つの保持フランジ52の周りに係合する弾性保持アーム又は周囲ラッチストリップ51(図5)の形態の側方ラッチ要素51を有する。
カートリッジ受け部材10は、カートリッジ2の充填後、カートリッジ2上にクリップ締結される。
【0089】
カートリッジ受け部材10は、混合チャンバ8を有し、混合チャンバ8は、飲料生成プロセス中、貯蔵器6に流体接続されるため、飲料物質7は、カートリッジ受け部材10のカートリッジ空化装置34を用いて貯蔵器6から混合チャンバ8内に少なくとも部分的に移送することができる。
このために、カートリッジ空化装置34は、圧縮空気管40を含む。
そして、この圧縮空気管40の一端は、圧縮空気を圧縮空気管40に導入するために、飲料調製機械3の圧縮空気源41に接続できる圧縮空気接続部42に接続される一方、他端は、貯蔵器6の方向に開放され、圧縮空気を貯蔵器6に導入する圧縮空気出口43に通じている。
圧縮空気源41は、飲料生成プロセス中にオンにされ、貯蔵器6に向けて圧縮空気管40に周囲空気を圧送する空気供給ポンプを更に含む。
【0090】
飲料調製機械3の流体源91から供給を受けるカートリッジ受け部材10の流体供給部12も混合チャンバ8に通じている。
そして、この流体供給部12は、クイックカップリングを有することが考えられ、流体供給部12は、クイックカップリングによって飲料調製機械3の流体源91に接続することができる。
流体源91は、飲料生成プロセス中にオンにされる流体供給ポンプを更に含む。
クイックカップリングは、例えば、カートリッジシステム1が保持ユニット90に挿入されると、流体供給部12を介した流体源91と混合チャンバ8との間の流体接続が自動的に確立されるように構成することができる。
飲料生成プロセス中、流体、特に、冷却された炭酸飲料水が、この流体接続によって流体供給部12から混合チャンバ8に入る。
更に、上記のように、飲料生成プロセス中、飲料物質7が貯蔵器6から混合チャンバ8に入る。
飲料物質7が混合チャンバ8で流体と混合された結果、飲料が形成され、次いで、飲料が飲料出口11を通して混合チャンバ8から出る。
【0091】
カートリッジ受け部材10は、飲料出口11を有し、混合チャンバ8内で生成された飲料は、飲料出口11を通して混合チャンバ8から出て、飲料容器(図示せず)まで直接運ばれ、即ち、飲料調製機械3の部品が飲料と接触することなく飲料容器まで運ばれる。
このように、飲料調製機械3の逆汚染が防止される。
飲料容器は、飲料出口11の真下に配置される。
【0092】
飲料生成プロセスの完了後、カートリッジシステム1は、保持ユニット90から取り外され、飲料調製機械3は、新たな未使用のカートリッジシステム1を装着することができる。
カートリッジ受け部材10は、使用済みのカートリッジ2から切り離し、新たなカートリッジ2にクリップ式に留めることで再利用することができる。
【0093】
カートリッジ受け部材10は、穿孔スパイク73が変位可能な状態で取り付けられるスパイクガイド80を有する。
封止要素18は、穿孔スパイク73が封止要素18から離れている後退位置(図4bを参照されたい)と、穿孔スパイク73が封止要素18を穿孔して(図4cを参照されたい)カートリッジ開口63又は貯蔵器6に突出している伸長位置との間で移送される変位可能な穿孔スパイク73によって穿孔される。
【0094】
穿孔スパイク73の外壁は、封止要素18が穿孔されると、貯蔵器6から混合チャンバ8の方向に飲料物質7を運ぶ複数の横チャネル71を備える。
これらの横チャネル71は、一方の側で開口し、互いに平行に延びる溝の形態で構成される。
封止要素18の穿孔後、横チャネル71は、穿孔された封止要素18の縁部の周りで飲料物質7が混合チャンバ8の方向に流れることができるように、貯蔵器6に流体的に接続される。
【0095】
この場合、横チャネル71の断面及び/又は横チャネル71の数は、混合チャンバ8の方向における飲料物質7の流れを横チャネル71が制御又は制限するように、飲料物質7の粘度に適合されることが好ましい。
高粘度では、複数の横チャネル71及び/又は比較的大きい断面を有する横チャネル71が使用されるが、低粘度では、より少数の横チャネル71及び/又はより小さい断面を有する横チャネル71が設けられる。
【0096】
穿孔スパイク73に更に組み込まれるのは、カートリッジ空化装置34としての役割を果たす圧縮空気管40である。
この圧縮空気管40は、穿孔スパイク73が伸長位置にあるとき、穿孔スパイク73の端部にある固定された圧縮空気先端具を通してカートリッジ開口63に通じている。
したがって、圧縮空気先端具は、穿孔スパイク73が伸長位置に移動するとカートリッジ開口63内に自動的に突出し、結果的に封止要素18を穿孔する。
【0097】
圧縮空気接続部42は、貯蔵器6から離れている穿孔スパイク73の側に形成され、カートリッジ受け部材10の外側からアクセス可能であり、飲料調製機械3の圧縮空気源41に接続可能である。
穿孔スパイク73は、飲料調製機械3へのカートリッジシステム10の挿入中若しくは挿入後又は飲料生成プロセスの開始後、ハンドリングステップ中にカートリッジを下げたときに(以下を参照されたい)穿孔スパイク73が押し付けられる、好ましくは、保持ユニット90の固定された解放要素によって後退位置から伸長位置に移送される。
【0098】
流体源91及び圧縮空気源41の両方は、カートリッジシステム1が飲料調製機械3に挿入されるか、又は、飲料生成プロセスが開始されると直ちに、且つ、特に、封止要素18が穿孔される前にそれぞれ流体供給部12及び圧縮空気接続部42に直接接続されるようになっている。
この方法では、飲料調製機械3の方向の逆汚染が効果的に回避されることが考えられ、なぜなら、流体供給部12及びオプションとしてのカートリッジ空化装置34がカートリッジシステム1の挿入時に超過圧力を直接受け、これは、飲料物質7がそれぞれ流体源91及び圧縮空気源41の方向に移動することを防止するからである。
したがって、飲料物質7は、封止要素18が開放されると直ちに貯蔵器6から混合チャンバ8の方向にのみ移動することができる。
しかしながら、好ましくは、流体管内の圧力は、流体供給ポンプがオンにされるまで蓄積されず、圧縮空気管内の圧力は、空気供給ポンプがオンにされるまで蓄積されない。
これは、識別手段を使用して評価及び制御ユニットによってカートリッジシステムが無事に認証された後にのみ起こる。
【0099】
保持ユニット90は、カートリッジ受け部材10がこの保持ユニット90に挿入された後、カートリッジ受け部材10の周りにフォームフィッティング方式で係合する、特に、締結フランジ(図3を参照されたい)を有する。
保持ユニット90は、例えば、動作レバー120によって手動で作動できることが好ましい。
使用者が動作レバー120を駆動すると、カートリッジ受け部材10は、穿孔スパイク73の外側端部が保持ユニット90の固定された解放要素(図示しない)に押し付けられ、結果的に、穿孔スパイク73が後退位置から伸長位置に移動して封止要素を穿孔するように、飲料調製機械3に対して移動する。
【0100】
カートリッジ受け部材10は、その両側に少なくとも部分的な周囲ラッチストリップを有し、少なくとも部分的な周囲ラッチストリップを用いて、カートリッジ受け部材10は、カートリッジ2の保持フランジ52上にクリップ締結される。
更に、カートリッジ受け部材10は、混合チャンバ8を有し、この混合チャンバ8の後側に流体供給部12が形成され、そして、この流体供給部12は、カートリッジ受け部材10のカートリッジ壁内のシンプルな通路開口の形態である。
前側には、混合チャンバ8の底部に飲料出口11が形成される。
飲料生成プロセスの完了後、液体残渣が混合チャンバ8内に残らないように、混合チャンバ8の底部は、飲料出口11の方向において、連続的に深くなる凹部を形成する。
更に、図5において、スパイクガイド80は、混合チャンバ8内の事実上中央にあることが分かる。
【0101】
スパイクガイド80は、穿孔スパイク73が変位可能な状態で収容される内部ガイドチャネル110を有するガイド部分を含む。
そして、このガイドチャネル110は、実質的に円筒状の状態で形成され、混合チャンバ8の底部からカートリッジ2の方向に事実上垂直に突出する。
このカートリッジ2に面するガイド部分の端部に形成されるのは、穿孔スパイク73が伸長位置に到達すると穿孔スパイク73の周囲肩部が当たる、縮径を有する周囲停止部である。
したがって、周囲停止部は、貯蔵器6の方向における穿孔スパイク73の移動を制限する。
任意選択的に、混合構造物が、混合チャンバ8の底部に配置される。
【0102】
図5は、本発明の更なる実施形態によるカートリッジシステム1の概略図を示す。
示すカートリッジシステム1は、図2及び図3に示すカートリッジシステム1に対応し、唯一の代替例が識別手段20として示す。
それ以外には、前述の説明の全てが同様に当てはまる。
【0103】
したがって、図5によれば、識別手段20は、カートリッジ2又はカートリッジ受け部材10の外壁上の周囲コーティングとして構成される。
更に、識別手段20は、飲料出口11の領域内におけるカートリッジ受け部材10の外壁上に非周囲コーティングとして設けられる。
識別手段20は、対応する適応された接触要素23によって読み取られる。
【0104】
更に、識別手段20は、貯蔵器6内に配置された識別要素21の形態で構成される。
そこで、識別要素21は、自由に移動可能であるか、又は、カートリッジ2の内壁に取り付けられる。
したがって、この識別要素21は、光学的に(透明な飲料物質7及び/又はカートリッジ壁の場合)、又は電磁的に(識別要素21が、例えば、RFIDチップである場合)、又は、純粋に磁気的に(識別要素21が永久磁石又は磁性材料を含む場合)読み取られる。
【0105】
図6a及び図6bは、本発明によるシステムの識別手段20及び製品識別子24のそれぞれの読み取りを詳細に示す。
カートリッジ1は、飲料調製機械3のハウジングに面したその平らな領域38に識別手段20(製品識別子24とも呼ばれる)を含む。
このために、識別手段20(又は、製品識別子24)は、カートリッジシステム1及び/又は貯蔵器6内に存在する飲料物質に関する情報が埋め込まれたコード、例えば、マーカ、パターン、文字、画像、ロゴ、一次元若しくは二次元バーコード、ビットコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード及び/又はホログラムコードを含むことが好ましい。
反対側では、光学カメラ、特に、CCDカメラの形態の識別子検出器39が飲料調製機械3のハウジング上に配置される。
【0106】
コードは、光学カメラによって検出され、飲料調製機械3の評価ユニットによって評価される。
このようにして、飲料調製機械3は、それが、認証された(したがって、システム向けの)カートリッジシステム1であるか、並びに/又は、保持器24に挿入されているカートリッジシステム1にいずれの種類のカートリッジ1及び/若しくは飲料物質7が関与するかを認識又は確認する。
【0107】
この情報に基づいて、カートリッジ2内に収容された飲料物質7を使用した飲料の調製に関する情報が飲料調製機械3の内部メモリからロードされる。
特に、供給される水の体積流量、温度、圧力及び/若しくは炭酸化の一時的且つ絶対的コースの設定値又は供給される圧縮空気の体積流量及び/若しくは圧力の一時的且つ絶対的コースの設定値がこれにより指定される。
特定のカートリッジ2の種類に関して生成される飲料の見た目及び味の観点において最適な結果を達成するために、確認された製品識別子24に応じて、希釈剤の体積流量と圧縮空気の体積流量との間の比率を制御する。
代わりに、上述の動作パラメータをコードに埋め込み、コードから直接取得し、それに応じて飲料生成プロセスを制御する。
【0108】
図7は、図2に示すカートリッジシステム1が挿入されている、図1に示す飲料調製機械3の概略図を示す。
この表現は、図3に示す実施形態に対応し、識別手段20は、ここでは、貯蔵器6内に位置する飲料物質7に組み込まれている。
接触要素23は、飲料物質7と接触するために、貯蔵器の領域内のカートリッジ壁を穿孔する。
その後、飲料物質7の導電率が接触要素23及び識別手段20によって測定され、評価される。
その後、測定された導電率を使用してカートリッジの種類を決定し、対応する飲料調製プログラムを開始する。
【0109】
図8は、図1図2図3図4a~図4c、図6a、図6bを参照して説明した飲料調製機械及びシステムで飲料を生成するための本発明による方法の個々のステップの概略図を示す。
【0110】
そのため、カートリッジシステム1は、コード、例えば、マーカ、パターン、文字、画像、ロゴ、一次元若しくは二次元バーコード、ビットコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード及び/又はホログラムコードの形態のみの識別手段20又は識別要素21の形態の識別手段20を備える。
【0111】
第1の方法ステップ201において、カートリッジシステム1は、使用者によって飲料調製機械3に手動で挿入され、カートリッジ受け部材10は、飲料調製機械3の対応する保持ユニット90に挿入される。
【0112】
後のハンドリングステップ205において、動作レバー120が使用者によって作動され、解放機構が作動され、保持ユニット90の締結フランジがカートリッジ受け部材10の周りに圧入及び/又はフォームフィッティング方式で係合する。
それにより、カートリッジシステム1は、保持ユニット90に対して横断方向に移動し、カートリッジ受け部材10の穿孔スパイク73は、保持ユニット90の静止した解放要素に対して移動する。
穿孔スパイク73は、その後退位置からその伸長位置に変位し、封止要素18を穿孔し、貯蔵器6内に突出する。
更に、ハンドリングステップ205において、これは、飲料調製機械3の圧縮空気源と、カートリッジ受け部材10の圧縮空気接続部42との間にこの圧縮空気接続部42を確立する(これは、圧縮空気が貯蔵器6に既に吹き込まれていることを意味せず、対応する管又は接続部が相互接続されるのみである)。
【0113】
更に、ハンドリングステップ205において、飲料調製機械3の流体源と、カートリッジ受け部材10の流体供給部12との間に流体接続が追加的に確立される(これは、混合チャンバ8に向かって流体が既に流れていることを意味せず、対応する管又は接続部が相互接続されるのみである)。
【0114】
代わりに、解放機構の起動は、手動ではなく、制御ユニットによって制御される対応するアクチュエータによってモータ駆動される。
【0115】
その後、第2の方法ステップ202において、カートリッジ2上のコードは、識別子検出器39によって光学的に読み取られるか、又は代わりに、識別手段21は、識別手段21を測定するために接触要素によって接触される。
【0116】
第2の方法ステップ202において、飲料調製機械3の評価及び制御ユニット(制御ユニットとも呼ばれる)203は、検出されたコード又は読み取られた識別要素21を使用して、使用されているカートリッジシステム1がシステム向けのものであり且つ既知のもの、したがって、認証されたカートリッジシステム1であるかどうかを確認する。
このために、読み取られたコード若しくは識別手段20が、対応する基準と比較されるか、又は、読み取られたコード若しくは識別手段20から動作パラメータが抽出されるか、若しくは、割り当てられ得るかどうかが確認される。
この確認が正であれば、カートリッジシステム1は、認証されたとみなされる。
【0117】
第2の方法ステップにおいて、認証されたカートリッジシステム1が検出された場合、第3の方法ステップ204において飲料生成プロセスが開始される。
【0118】
飲料調製プロセスは、飲料調製機械の流体供給ポンプが評価及び制御ユニット203によって最初に始動される第1の調製ステップ206を含む。
これにより、流体タンク(特に、取り外し可能な水タンク)から、流体を冷却するための熱交換器を通して、且つ、カートリッジ受け部材10の混合チャンバに入る冷却された流体に炭酸を加えるためのフロースルーカーボネータを通して流体を供給する。
【0119】
特に、流体供給ポンプをオンにした後に、1ミリ秒~2秒、好ましくは、100ミリ秒~1.5秒、特に好ましくは、500ミリ秒~1秒待機した後、第2の調製ステップ207において、飲料調製機械3の空気供給ポンプは、評価及び制御ユニット203によってオンにされ、空気入口を通して周囲空気を引き込み、圧縮空気として圧縮空気管40を通して貯蔵器6に圧送する。
【0120】
流体供給ポンプ及び/又は空気供給ポンプの起動時間、停止時間、実行時間及び/若しくは供給速度並びに/又は流体供給ポンプの始動と空気供給ポンプの始動との間の待機時間が、コード又は識別手段20から動作パラメータとして読み取られ、それに応じて評価及び制御ユニット203が、第1の調製ステップ206及び第2の調製ステップ207を制御する。
【0121】
第3の調製ステップ208において、貯蔵器6に圧縮空気を供給することにより、飲料物質7は、その後、貯蔵器6から混合チャンバ8に移送され、そこで流体と混合され、それにより混合チャンバ8内で飲料が形成され、この混合チャンバ8から飲料出口11を通して飲料容器に分注される。
【0122】
上述のシーケンスの代替として、ハンドリングステップ205は、第1の方法ステップ201と第2の方法ステップ202との間ではなく、飲料調製プロセスの一部として、第ゼロの調製ステップ209として実行される。
これは、カートリッジシステム1がコード又は識別手段20に基づいて評価及び制御ユニット203によって認証されるまで、解放要素によるカートリッジシステム1の開口が発生しないという利点を有する。
【0123】
第3の調製ステップ208が完了した後、空気供給ポンプ及び流体供給ポンプは、同時に又は連続的に停止され、最初に、空気供給ポンプ、次いで、流体供給ポンプがオフにされる。
その後、使用済みのカプセルシステム1を保持ユニット90から取り出すことができるように、解放機構は、動作レバーによって手動で解放されるか、又は、電動化されるか、又はその初期位置に戻される。
ここで、飲料調製機械3は、第1の方法ステップ201を次いで開始する新たなサイクルのための準備ができている。
【符号の説明】
【0124】
1 ・・・カートリッジシステム
2 ・・・カートリッジ
3 ・・・飲料調製機械
6 ・・・貯蔵器
7 ・・・飲料物質
8 ・・・混合チャンバ
10 ・・・カートリッジ受け部材
11 ・・・飲料出口
12 ・・・流体供給部
18 ・・・封止要素
20、24 ・・・識別手段
21 ・・・識別要素
22 ・・・コーティング
23 ・・・接触要素
24 ・・・製品識別子
34 ・・・カートリッジ空化装置
39 ・・・識別子検出器
40 ・・・圧縮空気管
42 ・・・圧縮空気接続部
43 ・・・圧縮空気出口
52 ・・・保持フランジ
63 ・・・カートリッジ開口
73 ・・・穿孔スパイク
80 ・・・スパイクガイド
90 ・・・保持ユニット
110 ・・・ガイドチャネル
120 ・・・動作レバー
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を生成するカートリッジシステム(1)であって、
飲料調製機械(3)に挿入されて飲料物質(7)を充填した貯蔵器(6)を含むカートリッジ(2)と前記カートリッジ(2)に接続されたカートリッジ受け部材(10)とを有し、前記カートリッジ受け部材(10)が、混合チャンバ(8)を含み、
前記混合チャンバ(8)が、前記貯蔵器(6)及び前記混合チャンバ(8)に開放している流体供給部(12)と流体接続され、
前記カートリッジシステム(1)が、前記飲料調製機械(3)内の前記カートリッジシステム(1)を識別する識別手段(20)を含み、
前記識別要素(22)は、前記貯蔵器(6)及び/又は前記混合チャンバ(8)内に配置されていることを特徴とするカートリッジシステム(1)。
【請求項2】
前記識別手段(20)が、前記カートリッジ(2)及び/又は前記カートリッジ受け部材(10)の内部表面上においてラッカー、インプリント又は薄膜の形態のコーティング(22)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項3】
前記識別手段(20)が、前記貯蔵器(6)と前記混合チャンバ(8)との間で前記カートリッジシステム(1)の長手方向軸に沿って配置されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項4】
前記識別要素(22)が、前記カートリッジ(2)、前記カートリッジ受け部材(10)及び/又は首部に圧入、材料フィッティング及び/又はフォームフィッティング方式で接続され、貼り付け、溶接、ラッチ及び/又はプレスされていることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項5】
前記識別要素(22)が、前記カートリッジ(2)、前記カートリッジ受け部材(10)及び/又は前記首部に一体接続されて組み込まれていることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項6】
前記識別手段が、前記貯蔵器(6)又は前記混合チャンバ(8)の少なくとも部分的に光学的に透明な壁の内側に配置された光学可読コード、特に、一次元若しくは多次元バーコード、パターン又はホログラムであることを特徴とする、請求項8に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項7】
前記飲料基材(7)が、識別手段としての役割を果たすことを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項8】
前記カートリッジ受け部材(10)が、前記貯蔵器(6)に圧縮空気を導入するために前記貯蔵器(6)に開放している圧縮空気接続部(42)を含む、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)を挿入して、飲料を生成する飲料調製機械(3)であって、
前記カートリッジ(2)に接続された前記カートリッジ受け(10)が挿入される保持ユニット(90)を含むことを特徴とする飲料調製機械(3)。
【請求項10】
前記保持ユニット(90)が、前記カートリッジシステム(1)を識別する前記識別手段の物理パラメータを決定するために、前記カートリッジシステム(1)の前記識別手段と接触する接触要素を含むことを特徴とする、請求項9に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項11】
前記識別手段の電気抵抗及び/又は導電率を測定するために、前記接触要素に接続された測定ユニットを含むことを特徴とする、請求項10に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項12】
前記接触要素が、前記物理パラメータを測定するときに前記識別手段に接触するために、前記カートリッジシステム(1)の壁を穿孔する穿孔先端部を含むことを特徴とする、請求項11に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項13】
前記流体供給部(12)に流体を供給する流体源(91)と、前記圧縮空気接続部(42)に圧縮空気を吹き込む圧縮空気源(41)とを含むことを特徴とする、請求項9~請求項12のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項14】
前記保持ユニット(90)が、前記カートリッジ受け部材(10)の穿孔手段(16)を後退位置から伸長位置に移送する解放要素(36)を含むことを特徴とする、請求項9~請求項13のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項15】
前記保持ユニット(90)が、前記保持ユニット(90)への挿入中又は挿入後にフォームフィッティング及び/又は圧入方式で前記カートリッジ受け部材(10)の周りに係合する締結フランジを含むことを特徴とする、請求項9~請求項14のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項16】
前記接触要素が、前記締結フランジに組み込まれていることを特徴とする、請求項15に記載の飲料調製機械(3)。
【請求項17】
請求項9~請求項16のいずれか一項に記載の飲料調製機械(3)と、前記保持ユニット(90)に挿入可能であることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のカートリッジシステム(1)とを含むシステム。
【国際調査報告】