(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】プラズマエッチングシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220913BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H01L21/302 101H
H05H1/46 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503573
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020076753
(87)【国際公開番号】W WO2021031546
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】201910772838.5
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453825
【氏名又は名称】江蘇魯▲もん▼儀器有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LEUVEN INSTRUMMENTS CO. LTD
【住所又は居所原語表記】Liaohe West Road 8, Pizhou Economic Development Zone Xuzhou, Jiangsu 221300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 海洋
(72)【発明者】
【氏名】胡 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】李 娜
(72)【発明者】
【氏名】劉 小波
(72)【発明者】
【氏名】程 実然
(72)【発明者】
【氏名】郭 頌
(72)【発明者】
【氏名】呉 志浩
(72)【発明者】
【氏名】許 開東
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB14
2G084BB27
2G084BB29
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD14
2G084DD40
2G084DD48
2G084DD55
5F004AA15
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB29
5F004CA03
5F004CA06
(57)【要約】
本発明はプラズマエッチングシステムを開示し、反応チャンバーと、反応チャンバー内に位置してワークピースを載置するためのベースと、反応チャンバー上に位置する誘電体ウィンドウとを含み、前記誘電体ウィンドウの外面にはフラットパネル型電極及びコイル電極が設置され、前記フラットパネル型電極はベースの真上に位置し、前記コイル電極はフラットパネル型電極の周辺領域の周りに配置され、前記コイル電極と誘電体ウィンドウの外面との間にはファラデーシールド層が更に設置されている。本発明は、前記誘電体ウィンドウの外面の中心にフラットパネル型電極を設置するとともに、コイル電極をフラットパネル型電極の周辺領域の周りに配置することにより、エッチングプロセス中の誘電体ウィンドウの中央領域の汚染状況を弱め、エッチングの均一性を向上させるとともに、フラットパネル型電極によって誘電体ウィンドウの中央領域を効果的に洗浄することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバーと、反応チャンバー内に位置してワークピースを載置するためのベースと、反応チャンバー上に位置する誘電体ウィンドウとを含むプラズマエッチングシステムであって、前記誘電体ウィンドウの外面にはフラットパネル型電極及びコイル電極が設置され、前記フラットパネル型電極はベースの真上に位置し、前記コイル電極はフラットパネル型電極の周辺領域の周りに配置され、前記コイル電極と誘電体ウィンドウの外面との間にはファラデーシールド層が更に設置されていることを特徴とするプラズマエッチングシステム。
【請求項2】
前記フラットパネル型電極のサイズは、ワークピースのサイズの1/2~1であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチングシステム
【請求項3】
前記コイル電極は縦円錐コイルであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項4】
前記コイル電極は複数の縦円錐コイルを結合することによって構成されることを特徴とする請求項3に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項5】
無線周波数電源、無線周波数マッチャーおよび無線周波数電力分配ボックスを更に含み、前記無線周波数電源の無線周波数電力は、無線周波数マッチャーを介して、無線周波数電力分配ボックスによって分配され、フラットパネル型電極及びコイル電極に接続されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項6】
前記プラズマエッチングシステムは、コイル無線周波数電源及びコイル無線周波数マッチャーを更に含み、前記コイル無線周波数電源の無線周波数電力はコイル無線周波数マッチャーを介してコイル電極に接続され、
前記プラズマエッチングシステムは、フラットパネル無線周波数電源及びフラットパネル無線周波数マッチャーを更に含み、前記フラットパネル無線周波数電源の無線周波数電力はフラットパネル無線周波数マッチャーを介してフラットパネル型電極に接続されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマエッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体エッチング技術分野に属し、特にプラズマエッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造プロセスにおいて、エッチングは最も重要な工程の1つである。一部の非揮発性金属材料のエッチングプロセス中に、プラズマはバイアス電圧の作用下で金属材料の表面に到達するように加速され、エッチング材料の表面からスパッタされた金属粒子は反応チャンバー内の、チャンバーの内壁及びチャンバーの頂部の誘電体ウィンドウを含めるすべての露出面に付着し、汚染を引き起こす。従来技術における無線周波数電極は、通常、コイル電極を採用しており、コイル電極によって形成される電界は、主に中央領域に集中し、その結果、中央部分のエッチングが速すぎ、同時に、より多くのスパッタされた汚染物質が誘電体ウィンドウの中央領域に多く堆積してしまう。
【0003】
汚染を解決するために、静電シールドを採用することができ、洗浄ガスを反応チャンバーに導入した後、無線周波数電力を頂部にロードして洗浄ガスをイオン化し、汚染粒子を取り除く。ファラデーシールドをプラズマ処理システムに用いることにより、プラズマによるチャンバー材料の侵食を減らすことができるが、プラズマの一部は、ファラデーシールドユニット間のスリットを通過して誘電体ウィンドウを汚染する可能性がある。さらに、長期の洗浄テストの後、上記の解決策は誘電体ウィンドウの外縁領域に良好な洗浄効果をもたらすが、中央領域の洗浄効果は良好ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決するために、本発明は、エッチングプロセス中の誘電体ウィンドウの中央領域の汚染状況を弱めるとともに、誘電体ウィンドウの中央領域を効果的に洗浄することができるプラズマエッチングシステムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、反応チャンバーと、反応チャンバー内に位置してワークピースを載置するためのベースと、反応チャンバー上に位置する誘電体ウィンドウとを含み、前記誘電体ウィンドウの外面にはフラットパネル型電極及びコイル電極が設置され、前記フラットパネル型電極はベースの真上に位置し、前記コイル電極はフラットパネル型電極の周辺領域の周りに配置され、前記コイル電極と誘電体ウィンドウの外面との間にはファラデーシールド層が更に設置されているプラズマエッチングシステムを提供する。
【0006】
更に、前記フラットパネル型電極のサイズは、ワークピースのサイズの1/2~1である。
【0007】
更に、前記コイル電極は縦円錐コイルである。
【0008】
更に、前記コイル電極は複数の縦円錐コイルを結合することによって構成される。
【0009】
更に、無線周波数電源、無線周波数マッチャーおよび無線周波数電力分配ボックスを更に含み、前記無線周波数電源の無線周波数電力は、無線周波数マッチャーを介して、無線周波数電力分配ボックスによって分配され、フラットパネル型電極及びコイル電極に接続される。
【0010】
更に、前記プラズマエッチングシステムは、コイル無線周波数電源及びコイル無線周波数マッチャーを更に含み、前記コイル無線周波数電源の無線周波数電力はコイル無線周波数マッチャーを介してコイル電極に接続され、
前記プラズマエッチングシステムは、フラットパネル無線周波数電源及びフラットパネル無線周波数マッチャーを更に含み、前記フラットパネル無線周波数電源の無線周波数電力はフラットパネル無線周波数マッチャーを介してフラットパネル型電極に接続される。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、前記誘電体ウィンドウの外面の中心にフラットパネル型電極を設置するとともに、コイル電極をフラットパネル型電極の周辺領域の周りに配置することにより、エッチングプロセス中の誘電体ウィンドウの中央領域の汚染状況を弱め、エッチングの均一性を向上させるとともに、フラットパネル型電極によって誘電体ウィンドウの中央領域を効果的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本発明の応用プロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、プラズマエッチングシステムであり、反応チャンバー1と、反応チャンバー1内に位置してワークピース3を載置するためのベース2と、反応チャンバー1上に位置する誘電体ウィンドウ10とを含む。誘電体ウィンドウ10の中央部には、反応チャンバー1にプロセス反応ガスを提供するための給気ノズル11が取り付けられる。
【0014】
前記誘電体ウィンドウ10の外面にはフラットパネル型電極50及びコイル電極80が設置される。前記フラットパネル型電極50はベース2の真上に位置する。前記コイル電極80はフラットパネル型電極50の周辺領域の周りに配置され、前記コイル電極80と誘電体ウィンドウ10の外面との間にはファラデーシールド層15が更に設置されている。
【0015】
誘電体ウィンドウ10の中央部にはフラットパネル型電極50が採用されており、フラットパネル型電極50の誘導リアクタンスはコイル電極80の誘導リアクタンスよりも低いため、フラットパネル型電極50は、コイルの電極と比較して、エッチングプロセス中で発生した電界強度が低いため、中央部のエッチング速度がある程度低下し、これにより、中央部のエッチング速度はエッジエッチング速度に近くなり、エッチングの均一性が向上する。同時に、フラットパネル型電極50は、誘電体ウィンドウ10の中央領域に堆積するより少ないスパッタリング汚染物質を生成するとともに、フラットパネル型電極50は、エッチングプロセス中でコイル構造の電極よりも高いバイアス電圧を生成するので、誘電体ウィンドウ10でのスパッタリング汚染物質はエッチングプロセス中で部分的に洗浄され、これにより、エッチングプロセス中の誘電体ウィンドウの中央領域の汚染状況を弱め、後続の洗浄プロセスに対して、難易度を下げ、時間コストを節約する。
【0016】
洗浄プロセスでは、フラットパネル型電極50は、その直下の誘電体ウィンドウ10に高いバイアス電圧を生成し、これは、活性プラズマがフラットパネル型電極50の真下の誘電体ウィンドウ10の下面に衝突して、誘電体ウィンドウ10の下面を効果的に洗浄し、頂部への不揮発性金属粒子の堆積を低減するのに有益である。
【0017】
前記フラットパネル型電極50のサイズは、ワークピースのサイズの1/2~1である。フラットパネル型電極50の最大直径は大きすぎてはならない。さもないと、中央部の電界強度は、エッジ領域の電界強度よりも低くなるように弱められ、その結果、中央部で励起されたプラズマの強度が弱まり、それによってエッチング速度が低下する。
【0018】
前記コイル電極80は縦円錐コイルである。円錐コイルは、コイル電極80のカバーエリアを拡大して、電界を均一に分布させることができる。単一の縦円錐コイルの誘導リアクタンスが低くて使用要件を満たさない場合、複数の縦円錐コイルを結合してコイル電極80を構成することができる。
【0019】
本発明の無線周波数電力の供給は、以下の2つの方法を選択することができる。
【0020】
1、本発明は、無線周波数電源、無線周波数マッチャー及び無線周波数電力分配ボックスを含み、前記無線周波数電源の無線周波数電力は、無線周波数マッチャーを介して、無線周波数電力分配ボックスによって分配され、フラットパネル型電極50及びコイル電極80に接続される。電力分配ボックスは、必要に応じて無線周波数電力をフラットパネル型電極50及びコイル電極80に分配することができる。
【0021】
2、前記プラズマエッチングシステムは、コイル無線周波数電源及びコイル無線周波数マッチャーを更に含み、前記コイル無線周波数電源の無線周波数電力はコイル無線周波数マッチャーを介してコイル電極80に接続される。前記等プラズマエッチングシステムは、フラットパネル無線周波数電源及びフラットパネル無線周波数マッチャーを更に含み、前記フラットパネル無線周波数電源の無線周波数電力はフラットパネル無線周波数マッチャー50を介してフラットパネル型電極に接続される。
【0022】
ファラデーシールド層15にもファラデー無線周波数電源及びファラデー無線周波数マッチャーが配置される。
【0023】
反応チャンバー1がエッチングプロセスを行う時、フラットパネル型電極50及びコイル電極80を無線周波数電源をオンにし、ファラデー無線周波数電源をオフにし、反応チャンバー1内のプロセスガスをイオン化して、プラズマを形成し、エッチングを行い、エッチングプロセスが終了すると、チャンバーの洗浄を開始し、コイル電極80の無線周波数電力を停止し、無線周波数電力をファラデーシールド層15及びフラットパネル型電極50上にロードし、反応チャンバー1の上部において洗浄ガスをイオン化して、活性プラズマを形成し、反応チャンバー1、特に誘電体ウィンドウ10の内面を徹底的に洗浄する。
【国際調査報告】