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特表2022-541055セグメント化された複合ゴム製履帯ソリューション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】セグメント化された複合ゴム製履帯ソリューション
(51)【国際特許分類】
   B60C 27/16 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
B60C27/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503788
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2020070394
(87)【国際公開番号】W WO2021013773
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/876,053
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522023543
【氏名又は名称】ロク パフォーマンス プロダクツ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】フランク,ランドール
(57)【要約】
複数のゴム製履帯セグメントを有する、セグメント化されたゴム製履帯が開示される。ゴム製履帯セグメントは、第1および第2の端部を含み、それらはゴム製ブッシングを含み、それを介して接続ピンは挿入される。接続ピンは、1つのゴム製履帯セグメントを別のゴム製履帯セグメントに接続する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続履帯のための履帯セグメントであって、
前記履帯セグメントは、
接続端部と、
エラストマ材料を備えるゴム製履帯であって、前記ゴム製履帯が前記接続端部に接続された、ゴム製履帯と、
を備える、履帯セグメント。
【請求項2】
前記ゴム製履帯に接続された第2の接続端部をさらに備える、請求項1に記載の履帯セグメント。
【請求項3】
前記ゴム製履帯は複合履帯であり、スチール、生地、および/またはワイヤのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項1に記載の履帯セグメント。
【請求項4】
前記接続端部は、ナックル機構を備え、それを介して接続ピンを挿入することができる、請求項1に記載の履帯セグメント。
【請求項5】
前記ナックル機構は穴をさらに備え、それを介して前記接続ピンが通る、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の履帯セグメント。
【請求項6】
前記接続ピンは八角形で、前記接続端部を別の履帯セグメントの接続端部に接続するのを容易にするよう構成される、請求項5に記載の履帯セグメント。
【請求項7】
前記ナックル機構は、1つまたは複数のセクションを含み、前記1つまたは複数のセクションは外側シェル、前記外側シェルの内側のゴム製ブッシング、および前記ゴム製ブッシングの内側のスリーブを含む、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の履帯セグメント。
【請求項8】
1つまたは複数の前記セクションを通り、かつ前記スリーブの内面に対して適合する接続ピンをさらに備える、請求項7に記載の履帯セグメント。
【請求項9】
前記接続ピンを前記ナックル機構に固定するよう構成されたキャップをさらに備える、請求項8に記載の履帯セグメント。
【請求項10】
前記ゴム製履帯の外面はトレッドパターンを備える、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の履帯セグメント。
【請求項11】
前記ゴム製履帯の内面は駆動ラグを備える、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の履帯セグメント。
【請求項12】
前記ゴム製履帯は複数のケーブルを備え、前記複数のケーブルの各々は、前記接続端部の挿入ポイント内に装着されるヘッド部を有する、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の履帯セグメント。
【請求項13】
前記接続端部は、複数の前記ケーブルを接続するための、挿入ポイントの複数の列を備える、請求項12に記載の履帯セグメント。
【請求項14】
車両を駆動させるための連続履帯であって、
前記連続履帯は、複数の履帯セグメントであって、前記複数の履帯セグメントの各々が、第1の接続端部、履帯セグメント、および第2の接続端部を含んだ、複数の履帯セグメントを備え、
複数の接続ピンを使用して前記複数の履帯セグメントが互いに接続される、連続履帯。
【請求項15】
前記複数の接続ピンを取り外すことによって、前記複数の履帯セグメントは交換可能である、請求項14に記載の連続履帯。
【請求項16】
前記複数の履帯セグメントは、エラストマ材料を備える、請求項14に記載の連続履帯。
【請求項17】
前記複数の履帯セグメントの外面にトレッド、および前記複数の履帯セグメントの内面に沿って駆動ラグをさらに備える、請求項14~16のいずれか一項に記載の連続履帯。
【請求項18】
損傷を受けた履帯セグメントを、車両の連続履帯から交換する方法であって、
前記方法は、
前記損傷を受けた履帯セグメントの第1の端部から第1のピンを、および前記損傷を受けた履帯セグメントの第2の端部から第2のピンを、取り外すステップと、
前記損傷を受けた履帯セグメントを前記連続履帯から取り外すステップと、
交換用履帯セグメントを挿入するステップと、
前記交換用履帯セグメントを前記連続履帯に装着するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記損傷を受けた履帯を取り外すステップは、前記連続履帯を前記車両に残すステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
損傷を受けた際の、前記損傷を受けた履帯セグメントを確認するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記交換用履帯を挿入するステップは、前記交換用履帯の端部のセクションを、前記連続履帯の端部のセクションに整合させるステップを含む、請求項18~20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記連続履帯は、少なくとも5つの履帯セグメントを備える、請求項18~20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
連続履帯のための履帯セグメントであって、
前記履帯セグメントは、
ゴム製履帯と、
前記ゴム製履帯を複数の追加のゴム製履帯に接続するための手段と、
を含む、履帯セグメント。
【請求項24】
前記ゴム製履帯内のケーブルを、接続端部に接続するための手段をさらに含む、請求項23に記載の履帯セグメント。
【請求項25】
前記履帯セグメントを前記連続履帯から取り外すための手段をさらに含む、請求項23に記載の履帯セグメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、全体的に車両用履帯の分野に関し、より詳細にはセグメント化された車両用履帯の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]連続履帯は、農業用車両などの車両に広く使用される。連続履帯は、ホイール、滑車などの周りを回転し、様々なタイプの地形にわたり車両を推進/移動させる。
【0003】
[0003]連続履帯は、動作中に損傷を受ける場合がある。履帯は、岩、自然の力、温度などによって損傷を受ける場合がある。
【0004】
[0004]一旦連続履帯が損傷を受けると、車両は運転不能となり、かつ停止する場合がある。車両を修理するために、交換用連続履帯を運転不能の車両位置に送り、多大な時間および材料コストで取付けられる。
【0005】
[0005]より少ない時間およびコストで、連続履帯を修理する技術が必要とされる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の一部を示す図である。
図2】[0007]1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の外側を示す図である。
図3】[0008]1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の内側を示す図である。
図4】[0009]1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の内部を示す図である。
図5】[0010]1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の別の内部を示す別の図である。
図6】[0011]1つまたは複数の実施形態による、端部114におけるケーブル418の装着を示す図である。
図7】[0012]1つまたは複数の実施形態による、セグメント100のゴム製履帯102を示す図である。
図8】[0013]1つまたは複数の実施形態による、ケーブル418に好適なヘッド部/アンカー622の形状の図である。
図9】[0014]1つまたは複数の実施形態による、車両用の連続履帯の履帯セグメントを交換する方法900を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0015]以下の様々な説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本開示、その用途または使用の範囲を限定することは意図されない。説明および例は、本明細書では本開示の様々な実施形態を例示する目的のみに提示され、本開示の範囲および適用可能性を限定するものと解釈するべきではない。本開示の構成は、特定の材料を備えるものと本明細書で説明されるが、この構成は、2つ以上の化学的に異なる材料を任意選択で含むことを理解されたい。追加として、この構成は既に挙げたもの以外の、いくつかの構成要素も含むことができる。本開示の概要およびこの「発明を実施するための形態」において、各数値は、(既にそのように修飾されたことを明示しない限り)用語「約」で一旦修飾された場合、文脈において別様に示されない限り、次に再びそのように修飾されないものとして読むべきである。さらに、本開示の概要およびこの「発明を実施するための形態」において、有用、好適などとして挙げられた、または説明された範囲および寸法は、端部を含んだ範囲内の任意で全ての値または寸法が記載されたものと考慮するよう意図されることを理解されたい。例えば「1~10の範囲」は、約1と約10との間の連続体に沿った、各々かつ全ての考えられる数字を表わすよう読むべきである。したがって、範囲内の特定のデータポイント、または範囲内のノーデータポイントが、明確に同一であるか、または2、3の特定値のみを言及する場合でも、発明人は、範囲内の任意で全てのデータポイントが指定されたものと考慮されることを、認識し理解していること、および発明人は、全ての範囲および範囲内の全てのポイントを網羅していること、を理解されたい。
【0008】
[0016]そうでないことを明示的に述べない限り、「または(or)」は、包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは正しく(または存在し)、かつBは誤り(または存在せず)であるか、Aは誤り(または存在せず)、かつBは正しい(または存在する)か、あるいは、AおよびBの両方は正しい(または存在する)。
【0009】
[0017]追加として、「1つ(a、またはan)」は、本明細書における実施形態の要素および構成要素を説明するために利用される。これは、単なる便宜上、および本開示によるコンセプトの一般的な感覚を与えるために用いられる。この説明は1つまたは少なくとも1つを含むよう読むべきであり、そうでないことを明確にしない限り、単数形は複数形も含む。
【0010】
[0018]本明細書で使用される専門用語および表現は、説明目的のためであり、範囲を限定するよう解釈するべきではない。「含んでいる」、「備えている」、「有している」、「含有している」、または「伴う」などの用語、およびそれらの変形は、広範で、そのあとに挙げられた主題、同等物、および挙げられていない追加の主題を包含するよう意図される。
【0011】
[0019]さらに本明細書で使用されるように、「1つの実施形態」または「実施形態」に対する任意の言及は、その実施形態と共に説明した特定の要素、特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所に現われる「1つの実施形態において」というフレーズは、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。
【0012】
[0020]連続履帯は、農業用車両などの車両に広く使用される。連続履帯は、ホイール、滑車などの周りを回転し、様々なタイプの地形にわたり車両を推進/移動させる。
【0013】
[0021]連続履帯は、動作中に損傷を受ける場合がある。履帯は、岩、自然の力、温度などによって損傷を受ける場合がある。
【0014】
[0022]一旦連続履帯が損傷を受けると、車両は運転不能となり、かつ停止する場合がある。車両を修理するために、交換用連続履帯を運転不能の車両位置に送り、多大な時間および材料コストで取付けられる。
【0015】
[0023]より少ない時間およびコストで、連続履帯を修理する技術が必要とされる。
【0016】
[0024]交換可能な履帯セグメントで構成された連続履帯を使用して、修理を容易にする1つまたは複数の実施形態が開示される。
【0017】
[0025]本開示による実施形態は、外面に沿って長手方向に離隔された地形に係合する一連の外形を提示するエラストマ材料で形成された外面と、成形用ウレタン材料などのウレタン補強材料で形成された内面と、を有する本体を一般的に有する履帯を含むことができる。内面は、履帯を車両に保持し、および/または車両を駆動するための、長手方向に離隔された一連の誘導駆動ラグを含む。
【0018】
[0026]この「発明を実施するための形態」に使用されるように、フレーズ「エラストマ材料」は、カーボンブラックなどの少なくとも1つの充填材を用いて補強することができる、少なくとも1つのエラストマを含んだ材料を意味し、それは天然ゴム、もしくは乳化スチレンブタジエンゴム、溶液スチレンブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴムなどの合成ゴム、または天然ゴムと合成ゴムの混合物であってよい。このようなエラストマ材料は、シリカ、粘土、有機繊維、無機金属粉末、鉱物粉末、タルク、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、蒸留物、医薬、促進剤、活性剤、加工助剤、酸化防止パッケージ、顔料など、他の材料と混合してもよい。
【0019】
[0027]フレーズ「成形用ウレタン材料」は、モールドが液体合成ポリマーで充填され、次に硬化する成形方法で使用される、ポリウレタン形成材料を意味する。本開示によるいくつかの実施形態において、成形は、液体ポリマーに効果的な量の「硬化剤」液を加えて実現され得る。硬化剤は、コポリマーである最終製品の形成に使用するための、第2のポリマーまたは反応物質を機能的に含む。コポリマーは、最終のポリマー分子に、2つの異なる交互化学物質を含む。例えばポリウレタンの成形プロセスにおいて、ウレタンポリマー構造体は、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートを、ポリオールもしくはポリアミンに反応させることによって形成され得る。このような材料の非限定例として、DURACURE(商標)C3-LF(4,4’-ジアミノジフェニルメタン)と反応させた、DURACAST(登録商標)C930 MDI-terminated ポリカプロラクトン・プレポリマーが挙げられ、両方とも、ペンシルベニア州フィラデルフィアのChemtura Corporation社から入手可能である。
【0020】
[0028]ポリウレタンを作るために使用される、イソシアネート、およびポリオールまたはポリアミンは、いくつかの態様において、分子ごとに平均2つ以上の官能基を含む。これら材料は混合され、モールドの中に導入され、特定の条件(すなわち温度、時間、圧力など)に曝されて、ウレタンポリマー構造体または本体を形成する。いくつかの態様において、成形されたウレタン材料は、低圧成形プロセスによって準備される。低圧成形プロセスは、空のモールド内の圧力が大幅に下げられ、低圧が、反応成分を空のモールドの中に移すために使用され、次にそれが反応して構造体を成形する。いくつかの他の態様において、構造体は、圧縮成形プロセスを使用して形成される。圧縮成形プロセスは、モールド内の圧力を下げず、むしろ反応成分を空のモールドの中に移すために高圧が使用され、大きい力が、モールドの中の構造体の形成における構成要素に加えられる。さらに他の実施形態において、成形用ウレタン材料は、反応剤をモールドの中に注ぐことによって準備され、構造体が好適な条件下で形成するのを可能にする。
【0021】
[0029]いくつかの場合、ポリウレタン構造体は、まずポリイソシアネートと、ポリオールまたはポリアミド成分を組み合わせて反応させることによって成形され、次にこの構造体をエラストマ材料および他の補強成分と組み合わせて、履帯を形成する。十分に高い熱および/または圧力が、履帯を加硫または硬化させるために提供され得る。このような熱および/または圧力は、成形したウレタン構造体、エラストマ材料、および補強成分の十分な接合を促進するためにも好適となり得る。
【0022】
[0030]成形可能なウレタン材料は、従来の量、または当業者に公知の好適な量の、様々な添加剤とも混合され得る。このような添加剤として、限定ではないが、架橋剤、促進剤、過度な速硬を防止する遅延剤、酸化防止剤、(例えば耐オゾンおよび耐UVなどの)耐劣化補助剤、接着促進剤、処理補助剤、防燃添加剤、(カーボンブラック、シリカ、他の鉱物充填材などの)補強剤または充填材、リグニン、繊維、(超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの)摩擦調整剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など、が挙げられる。いくつかの場合、カーボンブラック、銀塩、または任意の他の好適な導電性材料が、静電気の蓄積を制御および/または低減させるためにも、加えられてよい。補強充填材は、約50~150phr(樹脂100パーツごとのパーツ)の範囲内のレベルで、通常利用される。
【0023】
[0031]セグメント化された(金属製)履帯を米国政府適用のために、ならびにゴム製複合履帯を農業および産業適用のために使用できることを、理解されたい。一般的に、ゴム製履帯は、製品の始まりまたは終わりのない、1つの連続したループとして連続するものと考慮される。セグメント化された金属製履帯は、通常は装着用機器によって共に接合される個々のピッチに含まれ、車両に取付ける際に連続したループを形成する。
【0024】
[0032]履帯が損傷を受け、修理および/または交換を要する場合があることにも理解されたい。一般的に、連続したゴム製履帯は、損傷を受けたときに交換される。シングルピッチまたは複数ピッチを交換できる金属製履帯とは異なり、機能する履帯を作り出す。連続履帯は交換されなければならない。損傷に対する、構造的補強のための適切な修理手順は存在しない。
【0025】
[0033]いくつかの技術が、ゴム製履帯を修理するために存在する。1つの技術が、一時的に履帯を修理するための一時的な応急措置を使用することであり、車両を修理工場まで移動させて戻すのを可能にし、そこでゴム製履帯全体が交換される。他の技術として、修理/交換セクションを接合するための機器およびプレートを使用することが、挙げられる。
【0026】
[0034]ゴム製履帯セグメントの修理または交換を可能にする、セグメント化されたゴム製履帯の、1つまたは複数の実施形態が開示される。これら実施形態は、ゴム製履帯セグメントを他のゴム製履帯に組み込むための、接合機構および接合方法を含む。さらに、この機構およびセグメントは、より小さい騒音および振動のための、径方向および回転方向の順応性を提供する。
【0027】
[0035]さらにゴム製履帯セグメントは、連続した/全体のゴム製履帯が、より小さいセクション、セグメント、またはピッチで製造され、共に接合されて連続履帯を形成するのを可能にする。このように、履帯が損傷を受けたとき、損傷を受けたセクションまたはピッチを取り外して交換し、完全に機能する連続履帯を再び形成できる。実施形態は、ゴム製ブッシング、八角ピン、および装着ナットの使用を含み、セクションを共に迅速かつ容易に接合し、その一方で、より堅牢で長持ちするセグメント化された履帯を提供する。
【0028】
[0036]図1は、1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の一部を示す図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0029】
[0037]ゴム製履帯セグメント100が、接続端部114およびゴム製履帯102を有して示される。セグメント100は、セクション、ピッチなどとして言及される場合もある。1つの例において、ゴム製履帯102は、ゴム、スチール、生地、ワイヤなどを含む複合履帯である。
【0030】
[0038]ゴム製履帯セグメント100を、1つまたは複数の他のゴム製履帯セグメントと接続して、車両のための完全な、すなわち連続履帯を形成することができる。車両は農業使用など、産業用とすることができる。追加として、車両は政府用として使用される場合がある。他の用途および使用が考慮される。
【0031】
[0039]ゴム製履帯セグメント100は、別の接続端部も含み、それは示されないが、実質的に接続端部114と同様である。接続端部114および別の接続端部は、セグメント100を、1つまたは複数の他のゴム製履帯セグメントと接続または接合する。
【0032】
[0040]セグメント100を含んだ連続履帯は、一般のスチール製履帯と比較すると、一般的に重量が軽く、燃料消費を低減させ、静かであり、振動を和らげる。
【0033】
[0041]接続端部114は、シュー、履帯シュー、接合機構などと言及される場合もある。接続端部114は、ナックル機構を含み、それを介して接続ピン104が挿入され、端部114を、別のゴム製履帯セグメントからの第2の接続端部に接合する。ナックル機構は、短い外側セクション106および110と、長い中間セクション108とを含む。ナックル機構は、アイレットすなわち穴を含み、それを介して接続ピン104が貫通する。第2の接続端部は、2つの中間セクション(図示せず)を含み、それを介して接続ピン104が貫通する。接続端部114およびナックル機構の好適な変形が考慮されることを、理解されたい。
【0034】
[0042]接続ピン104は、八角形で示されるが、円形、他の外形などが考慮されることを理解されたい。接続ピン104は、履帯シューピンとしても言及される。
【0035】
[0043]セクション106、108、および110は、外側シェル、外側シェルの内側のゴム製ブッシング、およびゴム製ブッシングの内側のスリーブを備える。外側シェルは、スチールまたは金属など、好適な材料で構成される。ゴム製ブッシングは、外側シェル内に適合する。この例において、中間セクション108のための長いゴム製ブッシング、およびセクション106および110のための短いゴム製ブッシングが存在する。スリーブは、ゴム製ブッシングの内側に適合し、接続ピン104と合致または一致する内面を有する。キャップ112は、セカンド110の外側に装着され、接続ピン104をナックルに固定または保持する。1つの例において、キャップ112は六角ナットである。
【0036】
[0044]1つの例において、ゴム製ブッシングは、スリーブの外面に接合および/または形成される。スリーブは管から形成され、八角形など選択された形状に加工することができる。
【0037】
[0045]動作において、セグメント100など、またはセグメント100と同様の、損傷を受けたゴム製履帯セグメントは、六角ナットを取り外し、損傷を受けたセグメントの両端部から接続ピンを取り外すことによって、取り外すことができる。セグメント100など、またはセグメント100と同様の、交換用セグメントは、セグメントの接続端部を互いに整合させて、接続ピンを挿入することによって取付けられる。
【0038】
[0046]それによって、連続履帯を、全ての連続した履版を取り外すことなく修理および/またはアップグレードすることができる。
【0039】
[0047]1つの例において、連続履帯は6つのゴム製履帯セグメント100を備える。別の例において、連続履帯は3つのゴム製履帯セグメントを備える。連続履帯の長さ、ゴム製履帯セグメントの長さ、およびゴム製履帯セグメントの数は、変えることができることを理解されたい。
【0040】
[0048]図2は、1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の外側を示す図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0041】
[0049]ここでセグメント100は、接続端部114および別の接続端部218と共に示される。接続端部218は、実質的に端部114と同様であるが、示されるように2つの中間セクションを含む。セグメント100を、1つまたは複数の他のゴム製履帯セグメントに促進および/または接合する、端部114および218の好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0042】
[0050]図3は、1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の内側を示す図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0043】
[0051]ここでセグメント100は、突起部すなわちラグ316を有して示され、それは履帯の運動または回転を促進させ、それによって車両の運動を促進させる。
【0044】
[0052]図4は、1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の内部を示す図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0045】
[0053]セグメント100は、一方の端部114から他方の端部218まで延びた、複数の金属製またはスチール製ケーブル418を含む。ケーブル418は、補強ケーブルとも言及される。
【0046】
[0054]ケーブル418は、伸長に抵抗し、ゴム製履帯102が変形するのを防止または緩和する。
【0047】
[0055]使用されるケーブルの数は、強度などに基づいて変えることができる。
【0048】
[0056]図5は、1つまたは複数の実施形態による、ゴム製履帯セグメント100の内部を示す別の図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0049】
[0057]ケーブル418は、やはりセグメント100の各端部を接続して示される。
【0050】
[0058]図6は、1つまたは複数の実施形態による、端部114におけるケーブル418の装着を示す図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0051】
[0059]各ケーブル端部は、端部114および218の穴または挿入ポイント620内に挿入または設置された、ヘッド部622を含む。この例において、2列の穴または挿入ポイントが存在する。ヘッド部は、シャンクボールまたはアンカーとすることもできる。
【0052】
[0060]ヘッド部は、圧接などの好適な機構によってケーブルに装着される。1つの例において、口金がケーブルに圧接され、ケーブルをヘッド部またはアンカーに固定する。
【0053】
[0061]図7は、1つまたは複数の実施形態による、セグメント100のゴム製履帯102を示す図である。この図は、例示目的で提供され、好適な変形が考慮されることを理解されたい。
【0054】
[0062]履帯102は、ここではゴム材料、ケーブル418などの複合物として示される。
【0055】
[0063]図8は、1つまたは複数の実施形態による、ケーブル418に好適なヘッド部/アンカー622の形状の図である。示されるヘッド部622は例であり、例示目的で提供され、好適な変形が考慮される。
【0056】
[0064]ヘッド部の形状は、ケーブルを接続端部に取付けるのを容易にするため、およびケーブルを端部に固定するため、などで選択することができる。
【0057】
[0065]図9は、1つまたは複数の実施形態による、車両のための連続履帯の履帯セグメントを交換する方法900を示す流れ図である。方法900は、例示目的で提供され、示される要素を省略する場合、および/または追加の要素を含む場合がある。
【0058】
[0066]方法900は、上述の履帯セグメント100およびその変形と共に使用できる。
【0059】
[0067]連続履帯は、5つまたは6つのセグメントなど、複数の履帯セグメントを備える。別の例において、連続履帯は2つ以上の履帯セグメントを有する。
【0060】
[0068]902において、損傷を受けた履帯セグメントの第1の端部からの第1のピン、および損傷を受けた履帯セグメントの第2の端部からの第2のピンは、取り外される。
【0061】
[0069]904において、損傷を受けた履帯セグメントは、連続履帯から取り外される。取り外し中に、連続履帯は車両に装着したままにすることができる。
【0062】
[0070]906において、交換用履帯セグメントは、連続履帯の中に挿入される。交換用履帯を挿入することは、交換用履帯の端部のセクションを、接続端部および/またはナックルなど、連続履帯の端部のセクションに整合させることを含む。
【0063】
[0071]908において、交換用履帯セグメントは、連続履帯に装着される。
【0064】
[0072]1つの変形において、損傷を受けた履帯は、故障、摩耗インジケータ、温度などによって確認される。
【0065】
[0073]実施形態の前述の説明が、例示および説明目的のために提供された。実施形態の例は、本開示が十分徹底され、かつ当業者に範囲を伝えるために提供される。具体的な構成要素、デバイス、および方法の例など、多くの具体的な詳細が記載され、本開示の実施形態の完全な理解を提供するが、網羅的であること、または本開示を限定することは意図されない。特定の実施形態の、個々の要素または特徴は、全体的に特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合、取替可能であり、具体的に示されるか説明されなくても、選択された実施形態に使用することができることは、本開示の範囲内であることを理解されたい。同じものも、多くの方法で変化され得る。このような変形は、本開示からの逸脱とは見做されず、これら全ての変更は、本開示の範囲内に含まれるものと意図される。
【0066】
[0074]さらに、いくつかの実施形態の例において、公知のプロセス、公知のデバイス構造、および公知の技術は、詳細に説明しない。さらに、本開示の説明を実現するための、装置の設計、製造、および動作において、例えば装置の設計、構造、条件、構成要素の腐食、構成要素間の空隙の変動が存在し得ることは、当業者には容易に明白となろう。
【0067】
[0075]第1、第2、第3などの用語が、本明細書では様々な要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションを表わすために使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを、別の領域、層、またはセクションから区別するためのみに用いられ得る。「第1の」、「第2の」などの用語、および他の数字の用語が、本明細書で使用される場合、文脈で明確の示さない限り、順序または順番を示すものではない。したがって、以下で説明する第1の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、実施形態の例の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと称することができる。
【0068】
[0076]「内部」、「隣接」、「外側」、「真下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの空間に関連する用語は、本明細書では、図で示されるように、1つの要素または特徴部の、別の要素または特徴部に対する関係を表わすために、説明を簡単にするために用いられ得る。空間に関連する用語は、図に示された方向に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる方向を含包するよう意図され得る。例えば、図中のデバイスがひっくり返った場合、他の要素または特徴部の「下方」もしくは「真下」にあるものと表わされた要素は、そのとき他の要素または特徴部の「上方」に方向付けられている。したがって用語例「下方」は、上方および下方の両方を含包できる。あるいはデバイスが(90°回転または他の方向に)方向付けられることがあり、本明細書で用いられる空間に関連する用語は、それに従って解釈される。
【0069】
[0077]1つの一般的な態様は、連続履帯のための履帯セグメントを含む。履帯セグメントも接続端部を含む。履帯セグメントはゴム製履帯も含み、エラストマ材料を含んでもよく、ゴム製履帯は接続端部に接続される。
【0070】
[0078]実装は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。履帯セグメントは、ゴム製履帯に接続された第2の接続端部を含み得る。ナックル機構は、穴をさらに含み、それを介して接続ピンが通過する。接続ピンは、八角形状で、接続端部を別の履帯セグメントの接続端部に接続するのを容易にするよう構成される。ナックル機構は、1つまたは複数のセクションを含み、1つまたは複数のセクションは外側シェル、外側シェルの内側のゴム製ブッシング、およびゴム製ブッシングの内側のスリーブを含み得る。履帯セグメントは、接続ピンを含み得る。接続ピンは、1つまたは複数のセクションを通り、スリーブの内面に対して適合する。履帯セグメントは、接続ピンをナックル機構に固定するよう構成されたキャップを含み得る。ゴム製履帯の外面は、トレッドパターンを含み得る。ゴム製履帯の内面は、駆動ラグを含み得る。ゴム製履帯は、複数のケーブルを含み得る。その各々は、接続端部の挿入ポイント内に装着されるヘッド部を有する。接続端部は、複数のケーブルを接続するための、挿入ポイントの複数の列を含み得る。ゴム製履帯は複合履帯であり、スチール、生地、および/またはワイヤのうち1つまたは複数をさらに含む。接続端部は、ナックル機構を含み得る。それを介して接続ピンを挿入することができる。
【0071】
[0079]1つの一般的な態様は、車両の駆動するための連続履帯を含む。連続履帯は、複数の履帯セグメントも含み、各履帯セグメントは、第1の接続端部、履帯セグメント、および第2の接続端部を含み得る。連続履帯は、複数の接続ピンを使用して複数の履帯セグメントが互いに接続されるものも含む。
【0072】
[0080]実装は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。連続履帯は、複数の接続ピンを取り外すことによって、複数の履帯セグメントが交換可能である。連続履帯は、複数の履帯セグメントの外面にトレッド、および複数の履帯セグメントの内面に沿って駆動ラグを含み得る。複数の履帯セグメントは、エラストマ材料を含み得る。
【0073】
[0081]1つの一般的な態様は、損傷を受けた履帯セグメントを車両の連続履帯から交換する方法を含む。この方法は、損傷を受けた履帯セグメントの第1の端部から第1のピンを、および損傷を受けた履帯セグメントの第2の端部から第2のピンを、取り外すことも含む。方法は、損傷を受けた履帯セグメントを連続履帯から取り外すことも含む。方法は、交換用履帯セグメントを挿入することも含む。方法は、交換用履帯セグメントを連続履帯に装着することも含む。
【0074】
[0082]実装は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。損傷を受けた履帯を取り外す方法は、連続履帯を車両に残すことをさらに含み得る。交換用履帯を挿入することは、交換用履帯の端部のセクションを、連続履帯の端部のセクションに整合させることを含み得る。連続履帯は、少なくとも5つの履帯セグメントを含み得る。方法は、損傷を受けた際の損傷を受けた履帯セグメントを確認することを含み得る。
【0075】
[0083]1つの一般的な態様は、連続履帯のための履帯セグメントを含む。履帯セグメントは、ゴム製履帯、およびゴム製履帯を複数の追加のゴム製履帯に接続する手段も含む。
【0076】
[0084]実装は、以下の特徴のうち1つまたは複数を含み得る。履帯セグメントは、ゴム製履帯内のケーブルを接続端部に接続するための手段を含み得る。
【0077】
[0085]本開示の2、3の実施形態を上記で詳細に説明したが、当業者は、多くの変更が本開示の教示から実質的に逸脱することなく可能であることを、容易に理解するであろう。したがって、このような変更は、特許請求の範囲で定義するような、本開示の範囲内に含まれるよう意図される。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
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【国際調査報告】