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特表2022-541062地盤内における削孔の作成のための削孔ヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(54)【発明の名称】地盤内における削孔の作成のための削孔ヘッド
(51)【国際特許分類】
   E21B 7/00 20060101AFI20220913BHJP
   E21B 10/08 20060101ALI20220913BHJP
   E21B 21/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
E21B7/00
E21B10/08
E21B21/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503928
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 EP2020070563
(87)【国際公開番号】W WO2021013838
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】102019120019.9
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522025156
【氏名又は名称】ヘレンクネヒト・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ユング・ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト・トビアス
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA00
2D129BA03
2D129DA11
2D129HB02
2D129HB05
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、地盤内における基本的に垂直方向の削孔の作成のための削孔ヘッドに関し、この削孔ヘッドが、削孔装置の回転駆動装置と接続可能である本体と、前記削孔の作業面における前記地盤の弛緩のための、前記本体に配置された削孔工具と、前記作業面において弛緩された前記地盤の搬出のための、ポンプと接続可能である吸引装置と、を有しており、前記吸引装置が、少なくとも1つの開口部を有する、前記本体に配置された開口領域を、前記作業面における前記削孔工具の領域内において有している。その際、前記開口領域が、縦長に延びていること、前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、前記削孔工具によって弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、および、前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大することは有利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤内における基本的に垂直方向の削孔の作成のための削孔ヘッドであって、この削孔ヘッドが、
削孔装置の回転駆動装置と接続可能である本体と、
前記削孔の作業面における前記地盤の弛緩のための、前記本体に配置された削孔工具と、
前記作業面において弛緩された前記地盤の搬出のための、ポンプと接続可能である吸引装置と、
を有しており、
前記吸引装置が、少なくとも1つの開口部を有する、前記本体に配置された開口領域を、前記作業面における前記削孔工具の領域内において有している様式の上記削孔ヘッドにおいて、
前記開口領域が、縦長に延びていること、
前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、
前記削孔工具によって前記弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、および、
前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大すること、
を特徴とする削孔ヘッド。
【請求項2】
前記開口部の後ろに、少なくとも1つの方向転換領域が、有利には前記吸引ボックス内への流入口の手前に、設けられており、この方向転換領域内において、前記弛緩された地盤の前記流動方向が方向転換可能であることを特徴とする請求項1に記載の削孔ヘッド。
【請求項3】
前記開口領域内において、前記地盤の弛緩のため及び/または収容のための、有利には歯付き条片の形態における、少なくとも1つの工具が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の削孔ヘッド。
【請求項4】
少なくとも1つの前記工具は、前記作業面に対してのこの工具の間隔の変化のために移動可能であること、及び/または、
少なくとも1つの前記工具が、前記開口領域に対して旋回可能であること、
を特徴とする請求項3に記載の削孔ヘッド。
【請求項5】
前記作業面に対する前記開口領域の間隔は、調節可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項6】
前記間隔の前記調節は、前記吸引ボックスの垂直方向の移動を介して、及び/または、回転点を中心とした前記吸引ボックスの旋回を介して行われ、
この移動またはこの旋回のために、駆動装置が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の削孔ヘッド。
【請求項7】
前記開口領域は、洗浄工具、有利には移動可能な少なくとも1つの要素及び/または液体噴流の放出のための少なくとも1つのノズル、を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項8】
前記吸引ボックスは、スプレー装置を有していること、または、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって整向されているスプレー装置を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項9】
前記吸引ボックスは、交換可能に、前記削孔ヘッド内において設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項10】
分粒要素が、前記開口領域内において設けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項11】
前記吸引ボックスは、基本的に、水平に、傾斜されて、または、垂直に配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項12】
前記開口領域は、中心点から見て、基本的に、半径方向に外方へと延在していることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項13】
前記開口部は、スリット状に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の削孔ヘッド。
【請求項14】
前記開口部の内法の断面は、前記開口領域に沿って、半径方向に外方へと見て変化していること、または、
前記開口部の内法の断面が、前記開口領域に沿って、半径方向に外方へと見て増大していること、
を特徴とする請求項12または13に記載の削孔ヘッド。
【請求項15】
前記吸引ボックスの前記接続開口部は、前記開口領域に関して、この開口領域の中心垂線に対して位置ずれされて配置されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項16】
前記吸引ボックスの前記接続開口部は、前記開口領域に関して、この開口領域の中心垂線に対して旋回されて配置されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項17】
前記開口領域内において、ノズルが設けられており、これらノズルが、有利には前記開口領域内へと、及び/または、前記開口部内へと整向されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項18】
前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の手前で、この削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが、設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項19】
前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の後ろで、この削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項20】
前記噴流の方向は、前記ノズルを出発点として、前記作業面への方向成分及び/または前記ノズルへの方向成分を有しているベクトルに相応することを特徴とする請求項18または19に記載の削孔ヘッド。
【請求項21】
少なくとも2つの前記ノズルの前記噴流は、
前記削孔ヘッドの回転方向に逆らっての前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを特徴とする請求項19または20に記載の削孔ヘッド。
【請求項22】
少なくとも2つの前記ノズルの前記噴流は、
前記削孔ヘッドの回転方向への前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを特徴とする請求項18または20に記載の削孔ヘッド。
【請求項23】
前記削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも1つのノズルが設けられていること、および、
この噴流が、地盤前記作業面の領域内への前記弛緩された地盤の移動を生起し、この領域が、前記削孔ヘッドの回転の際に、前記開口部によって横切られることを特徴とする請求項1から22のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項24】
前記噴流は、案内プレートに衝突し、このことによって、前記弛緩された地盤の移動方向の変化が生起されること、
この案内プレートが、直線状または弓形の要素として、前記削孔ヘッドの前記下側面において配置されていること、および、
この配置が、斜め方向、または、少なくとも部分的に円周方向であること、
を特徴とする請求項23に記載の削孔ヘッド。
【請求項25】
少なくとも1つのノズル、有利には、逆方向に整向されている少なくとも2つのノズルは、前記削孔ヘッドの前記下側面の中心部において設けられていることを特徴とする請求項23または24に記載の削孔ヘッド。
【請求項26】
少なくとも1つのノズル、有利には少なくとも2つのノズルは、接線方向に整向されて、前記削孔ヘッドの前記下側面において設けられていることを特徴とする請求項23から25のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項27】
半径方向に位置調節可能な縁部切削工具が設けられていることを特徴とする請求項1から26のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項28】
地盤内における基本的に垂直方向の削孔の作成のための削孔ヘッドであって、この削孔ヘッドが、
削孔装置の回転駆動装置と接続可能である本体と、
前記削孔の作業面における前記地盤の弛緩のための、前記本体に配置された削孔工具と、
前記作業面において弛緩された前記地盤の搬出のための、ポンプと接続可能である吸引装置と、
を有しており、
前記吸引装置が、少なくとも1つの開口部を有する、前記本体に配置された開口領域を、前記作業面における前記削孔工具の領域内において有している様式の上記削孔ヘッドにおいて、
前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の手前で、この削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが、設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを特徴とする削孔ヘッド。
【請求項29】
前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の後ろで、この削孔ヘッドの前記下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを特徴とする請求項28に記載の削孔ヘッド。
【請求項30】
前記噴流の方向は、前記ノズルを出発点として、前記作業面への方向成分及び/または前記ノズルへの方向成分を有しているベクトルに相応することを特徴とする請求項28または29に記載の削孔ヘッド。
【請求項31】
少なくとも2つのノズルの前記噴流は、
前記削孔ヘッドの回転方向に逆らっての前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを特徴とする請求項29または30に記載の削孔ヘッド。
【請求項32】
少なくとも2つのノズルの前記噴流は、
前記削孔ヘッドの回転方向への前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを特徴とする請求項28または30に記載の削孔ヘッド。
【請求項33】
前記開口領域が、縦長に延びていること、
前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、
前記削孔工具によって弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、および、
前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大すること、
を特徴とする請求項28から32のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項34】
前記削孔ヘッドは、請求項2から17まで、及び/または、請求項23から27までの特徴のいずれか一つの特徴を有することを特徴とする、請求項33による削孔ヘッド。
【請求項35】
地盤内における基本的に垂直方向の削孔の作成のための削孔ヘッドであって、この削孔ヘッドが、
削孔装置の回転駆動装置と接続可能である本体と、
前記削孔の作業面における前記地盤の弛緩のための、前記本体に配置された削孔工具と、
前記作業面において弛緩された前記地盤の搬出のための、ポンプと接続可能である吸引装置と、
を有しており、
前記吸引装置が、少なくとも1つの開口部を有する、前記本体に配置された開口領域を、前記作業面における前記削孔工具の領域内において有している様式の上記削孔ヘッドにおいて、
前記削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも1つのノズルが設けられていること、および、
この噴流が、前記作業面の領域内への前記弛緩された地盤の移動を生起し地盤、この領域が、前記削孔ヘッドの回転の際に、前記開口部によって横切られること、
を特徴とする削孔ヘッド。
【請求項36】
前記噴流は、案内プレートに衝突し、このことによって、前記弛緩された地盤の移動方向の変化が生起されること、
この案内プレートが、直線状または弓形の要素として、前記削孔ヘッドの前記下側面において配置されていること、および、
この配置が、斜め方向、または、少なくとも部分的に円周方向であること、
を特徴とする請求項35に記載の削孔ヘッド。
【請求項37】
少なくとも1つのノズル、有利には、逆方向に整向されている少なくとも2つのノズルは、前記削孔ヘッドの前記下側面の中心部において設けられていることを特徴とする請求項35または36に記載の削孔ヘッド。
【請求項38】
少なくとも1つのノズル、有利には少なくとも2つのノズルは、接線方向に整向されて、前記削孔ヘッドの前記下側面において設けられていることを特徴とする請求項35から37のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項39】
半径方向に位置調節可能な縁部切削工具が設けられていることを特徴とする請求項35から38のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項40】
前記開口領域が、縦長に延びていること、
前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、
前記削孔工具によって弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、および、
前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大すること、
を特徴とする請求項35から39のいずれか一つに記載の削孔ヘッド。
【請求項41】
前記削孔ヘッドは、請求項2から17までの特徴のいずれか一つの特徴を有することを特徴とする、請求項40による削孔ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤内における基本的に垂直方向の削孔の作成のための削孔ヘッドに関し、この削孔ヘッドが、
削孔装置の回転駆動装置と接続可能である本体と、
前記削孔の作業面における前記地盤の弛緩のための、前記本体に配置された削孔工具と、
前記作業面において弛緩された前記地盤の搬出のための、ポンプと接続可能である吸引装置と、
を有しており、
その際、前記吸引装置が、少なくとも1つの開口部を有する、前記本体に配置された開口領域を、前記作業面における前記削孔工具の領域内において有している。
【背景技術】
【0002】
そのような削孔ヘッドは、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および、特許文献6から公知である。
【0003】
特許文献1は、その際、空気式揚昇法により、弛緩された土の搬出のもとで、地面内に垂直方向の穿孔を掘り下げるための削孔ヘッドを示している。
この削孔ヘッドは、その際、この削孔ヘッドの下側面において、削孔工具と弛緩された土の搬出のための吸引装置とを有している。この吸引装置は、その際、半径方向に延びる通路として形成された吸引開口部を有している。この通路は、自体、吸引管体と接続されている。
洗浄液体との結合状態における弛緩された地盤は、吸引管体を介して作業面から吸引される。補助のために、整向されたノズルが設けられており、これらノズルが通路内へと整向されており、これらノズルを通って、圧縮空気または液体が、吸引装置を補助するために放出される。
【0004】
同様に特許文献2も、削孔ヘッドによって、地面内に垂直方向の穿孔を掘り下げるための削孔装置を示しており、この削孔ヘッドが、作業面の上で回転する。
開口部を有する吸引装置が設けられており、この開口部は、作業面へと向いている削孔ヘッドの端部において、外側に配置されており、且つ、削孔ヘッドと共に回転する。その際、弛緩された地盤は、削孔から搬出される。
【0005】
特許文献3は、ローラービットを有する削孔ヘッドを示しており、この削孔ヘッドが、同様に、弛緩された地盤の搬出のための吸引装置を有している。
この目的のために、案内プレートが設けられており、この案内プレートが、この吸引装置の開口部の領域内において配置されており、且つ、弛緩された地盤を、この削孔ヘッドの回転の際に集積し、且つ、開口部に供給する。この開口部の後ろに、傾斜した通路が配置されており、この通路が、中央に配置された排出移送導管に開口している。
【0006】
特許文献4は、同様にローラービットを有する削孔ヘッドを開示しており、この削孔ヘッドが、半径方向の開口部を有しており、この削孔ヘッドの内側の端部において、排出移送導管が設けられている。この開口部は、スリットとして構成されており、このスリットの後ろに、円錐形に成形された管体が設けられており、この管体が、排出移送導管へと拡張している。
【0007】
特許文献5は、弛緩された地盤の搬出のための吸引装置を有する削孔ヘッドを開示している。この吸引装置は、スリット形状の半径方向の開口部を設けており、この開口部が、円筒形の室に開口している。この室から通路が生じ、この通路が廃水導管内へと通じている。
【0008】
特許文献6は、同様に、ローラービットを有する削孔ヘッドを開示しており、この削孔ヘッドが、縁枠を有する、半径方向の開口部を有しており、この開口部が、作業面に向かって、この削孔ヘッドの下側面を越えて突き出している。
開口部の後ろに、円錐形に成形された室が設けられており、この室が、この削孔ヘッドの下側面全てにわたって延在している。この室の後ろの端部において、排出移送導管が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許発明第19626591C号明細書
【特許文献2】欧州特許第2597249B1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第3384191A号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第4195700A号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第4200160A号明細書
【特許文献6】国際公開第2016/142910A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、先に言及された削孔ヘッドにおける吸引を容易化すること、および、同時にこの吸引の能力において改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に従う課題は、本発明に従う第1の解決策に従い、
前記開口領域が、縦長に延びていること、
前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、
前記削孔工具によって弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、及び/または、
前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大すること、
によって解決される。
【発明の効果】
【0012】
吸引ボックスの幅は、その際、有利には開口部の長手方向延在であり、特に有利には半径方向である。吸引ボックスの高さは、その際、有利には開口部の横方向延在であり、特に有利には半径方向を横切る方向である。
【0013】
このことによって、予想外に簡単な方法で、吸引性能が明確に向上させることが可能となる。同時に、吸引領域内における封鎖のリスクは、簡単な方法で、明確に低減される。
【0014】
本発明の更に別の教示は、前記開口部の後ろに、少なくとも1つの方向転換領域が、有利には前記吸引ボックス内への流入口の手前に、設けられており、この方向転換領域内において、前記弛緩された地盤の前記流動方向が方向転換可能であることを意図する。
このことによって、排出移送されるべき材料は、特に容易に排出移送部に供給され得、例えば既に開口部の手前で液化され得、および、引き続いて排出移送可能である。
【0015】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域内において、前記地盤の弛緩のための、有利には歯付き条片の形態における、少なくとも1つの工具を有していることを意図する。
このことによって、作業面における地盤/岩石の弛緩は、直接的に開口領域内において行われ得る。そのように弛緩されたこの材料は、特に良好に吸引され得る。このことは、有利な方法で、弛緩/搬送された地盤/岩石の液化のための液体の放出によって、例えば、少なくとも1つの液体噴流によって行われ得るか、もしくは、補助され得る。
更に、少なくとも1つの前記工具が、前記作業面に対してのこの工具の間隔の変化のために、有利には少なくとも1つの液圧シリンダーを介して移動可能であること、及び/または、少なくとも1つの前記工具が、前記開口領域に対して、有利には少なくとも1つの液圧シリンダーを介して旋回可能であることは有利である。
このことによって、簡単な方法で、作業面内への侵入深さは調整され得る。このことは、例えば、弛緩されるべき地盤/岩石の強度に依存して行われ得る。
【0016】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域内において、前記地盤の収容のための、有利には歯付き条片の形態における、少なくとも1つの工具が設けられていることを意図する。
このことによって、作業面における地盤/岩石の収容は、直接的に開口領域内において行われ得る。そのように弛緩されたこの材料は、特に良好に吸引され得る。このことは、有利な方法で、弛緩/搬送された地盤/岩石の液化のための液体の放出によって、例えば、少なくとも1つの液体噴流によって行われ得るか、もしくは、補助され得る。
更に、少なくとも1つの前記工具が、前記作業面に対してのこの工具の間隔の変化のために、有利には少なくとも1つの液圧シリンダーを介して移動可能であること、及び/または、少なくとも1つの前記工具が、前記開口領域に対して、有利には少なくとも1つの液圧シリンダーを介して旋回可能であることは有利である。
【0017】
本発明の更に別の教示は、前記作業面に対する前記開口領域の間隔が、調節可能であることを意図する。
その際、前記間隔の前記調節は、前記吸引ボックスの垂直方向の移動を介して、及び/または、回転点を中心とした前記吸引ボックスの旋回を介して行われ、
この移動またはこの旋回のために、駆動装置、有利には液圧シリンダーまたはばね機構が設けられていることは有利である。
このことによって、直接的に容易な方法で、吸引される材料の量は調整可能になる。
【0018】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域が、少なくとも1つの洗浄工具、有利には移動可能な少なくとも1つの要素及び/または液体噴流の放出のための少なくとも1つのノズル、を有していることを意図する。
このことによって、開口領域内における液化は、除去または防止され得る。更に、少なくとも1つのノズルによって放出された液体噴流は、同様に弛緩/搬送された材料の液化のためにも使用され得る。
【0019】
本発明の更に別の教示は、前記吸引ボックスが、スプレー装置を有しており、このスプレー装置が、有利には、前記開口部から前記接続開口部に向かって整向されていることを意図する。
このことによって、吸引ボックスの内部での材料輸送は、簡単な方法で改善される。更に、弛緩された材料の液化は、改善され、従って、改善された搬出が行われ得る。
【0020】
本発明の更に別の教示は、前記吸引ボックスが、交換可能に、前記削孔ヘッド内において設けられていることを意図する。
このことによって、削孔ヘッドは、簡単な方法で、異なる地質学上の諸条件に対して適合され得る。更に、同様に、回転方向の反転も可能である。
【0021】
本発明の更に別の教示は、分粒要素が、前記開口領域内において設けられていることを意図する。
この分粒要素が、例えば、格子体、開口領域を複数の開口部に分割する分離プレート、または、同様に複数の開口部であることは可能である。このことによって、吸引される材料の粒径制限を達成することは、簡単な方法で可能になる。
【0022】
本発明の更に別の教示は、前記吸引ボックスが、基本的に、水平に配置されていることを意図する。このことによって、吸引ボックス内における材料輸送、例えば材料液化および材料収容は、有利な影響を及ぼされる。
選択的に、前記吸引ボックスは、基本的に、垂直に配置されている。このことによって、材料輸送は、直接的な流入によって有利な影響を及ぼされる。予想外に、このことによって、流入が有利な影響を及ぼされることは判明した。何故ならば、開口部の領域内において、少ない材料が集積するからである。更に、この構造形態は、より容易に、削孔ヘッド内において実現され得る。
選択的に、水平と垂直との間で、同様に傾斜された配置も可能である。
【0023】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域が、中心点から見て、基本的に、半径方向に外方へと延在していることを意図する。その際、前記開口部が、スリット状に形成されていることは有利である。
本発明の更に別の教示は、その際、前記開口部の内法の断面が、前記開口領域に沿って、半径方向に外方へと見て変化している、有利には増大している、ことを意図する。
このことによって、材料収容、この材料収容の場所、並びに、収容量は、簡単な方法で、調整され得る。
【0024】
更に、その際、前記吸引ボックスの前記接続開口部が、前記開口領域に関して、この開口領域の中心垂線に対して、有利には外方へと、位置ずれされて配置されていることは有利である。
このことによって、吸引ボックスは非対称的に構成される。簡単な方法で、吸引ボックスまたは開口領域内における吸引強度もしくは流動プロフィルは調整され得、従って、吸引される材料量が調整可能である。
従って、そこで生じるより多くの材料量を、より良好に吸引可能とするために、例えば外方への移動によって、半径方向に見て外側の吸引ボックスの領域内における流動は、増大される。
【0025】
本発明の更に別の教示は、前記吸引ボックスの前記接続開口部が、前記開口領域に関して、この開口領域の中心垂線に対して旋回されて配置されていることを意図する。
簡単な方法で、吸引ボックスまたは開口領域内における吸引強度もしくは流動プロフィルは調整され得、従って、吸引される材料量が調整可能である。
従って、そこで生じるより多くの材料量を、より良好に吸引可能とするために、例えば、内方への接続開口部の傾倒によって、半径方向に見て外側の吸引ボックスの領域内における流動は、増大される。
【0026】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域内において、ノズルが設けられており、これらノズルが、有利には前記開口領域内へと、及び/または、前記開口部内へと整向されていることを意図する。
このことによって、弛緩/搬送された材料は、開口領域内において、簡単な方法で、吸引が吸引ボックスの内側室内へと行われるように液化され得る。特に、その際、この吸引装置が、開口領域が、基本的に、弛緩/搬送された地盤/岩石から自由のままであるように寸法を設定されていることは有利である。
その目的のために、十分に、液体が吸引ボックスと搬送導管とを通って搬送される必要があり、且つ、弛緩/搬送された材料の液化が十分な量において行われる必要がある。
【0027】
本発明の更に別の教示は、開口部の領域内において、外側の縁部に、作業面へと延在する流動冠状体が設けられていることを意図する。
このようにして、簡単な方法で、削孔ヘッドの後面から、開口部に向かっての流動短絡は、回避され得る。
【0028】
本発明の更に別の教示は、前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の手前で、この削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが、設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを意図する。
特に有利には、長手方向延在に沿って、複数のノズルは、これらノズルが密な噴流領域を生起するように延在する。このことによって、予想外に、材料が、簡単な方法で、開口部の作用領域内において保持され得ること、及び/または、例えば回転方向において加速された材料の還流が防止され得ることは判明した。
更に、同様に作業面からの弛緩された地盤の剥離、及び/または、この弛緩された地盤の加速も行われ得、従って、この弛緩された地盤が、より容易に、開口部内へと吸引され得る。
【0029】
本発明の更に別の教示は、前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の後ろで、この削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを意図する。
特に有利には、長手方向延在に沿って、複数のノズルは、これらノズルが密な噴流領域を生起するように延在する。このことによって、簡単な方法で、作業面からの弛緩された地盤の剥離、及び/または、この弛緩された地盤の加速が行われ得、従って、この弛緩された地盤が、より容易に、開口部内へと吸引され得る。
更に、予想外に、材料が、簡単な方法で、開口部の作用領域内において保持され得ること、及び/または、例えば回転方向に沿っての加速された材料の流出が防止され得ることは判明した。更に、その場合に改めて削孔ヘッドの削孔工具によって処理される、吸引されない、弛緩された地盤の割合分は低減され得る。
【0030】
本発明の更に別の教示は、前記噴流の方向が、前記ノズルを出発点として、前記作業面への方向成分及び/または前記ノズルへの方向成分を有しているベクトルに相応することを意図する。
【0031】
本発明の更に別の教示は、少なくとも2つのノズルの前記噴流が、
前記削孔ヘッドの回転方向に逆らっての前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを意図する。
【0032】
本発明の更に別の教示は、少なくとも2つのノズルの前記噴流が、
前記削孔ヘッドの回転方向への前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを意図する。
【0033】
開口部の手前および後ろにノズル列が設けられている場合、
開口部の後ろに配置されているノズルよりも、回転方向においてこの開口部の手前に配設されているノズルが、この開口部に対してより少ない方向成分を有しており、及び/または、この開口部に対してより大きな間隔を有していることは有利である。
このことによって、先に言及された利点は増強される。
【0034】
本発明の更に別の教示は、前記削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも1つのノズルが設けられていること、および、
この噴流が、前記作業面の領域内への前記弛緩された地盤の移動を生起し地盤、この領域が、前記削孔ヘッドの回転の際に、前記開口部によって横切られることを意図する。
このことによって、予想外に、簡単な方法で、弛緩された地盤の材料分布制御が生起され得、従って、吸引開口部の所定の領域の過負荷という状態にならない。
【0035】
本発明の更に別の教示は、前記噴流が、案内プレートに衝突し、このことによって、前記弛緩された地盤の移動方向の変化が生起されること、
この案内プレートが、直線状または弓形の要素として、前記削孔ヘッドの前記下側面において配置されていること、および、
この配置が、斜め方向、または、少なくとも部分的に円周方向であること、
を意図する。このことによって、材料分布は、容易化される。
【0036】
本発明の更に別の教示は、少なくとも1つのノズル、有利には、逆方向に整向されている少なくとも2つのノズルが、前記削孔ヘッドの前記下側面の中心部において設けられていることを意図する。
弛緩された地盤が、このことによって、簡単な方法で、中心部から除去可能であり、この弛緩された地盤が、構造的に、吸引開口部によって、横切って通過可能ではないことは判明した。
【0037】
本発明の更に別の教示は、少なくとも1つのノズル、有利には少なくとも2つのノズルは、接線方向に整向されて、前記削孔ヘッドの前記下側面において設けられていることを意図する。
このことによって、簡単な方法で、弛緩された地盤は、構造的に容易に吸引開口部によって横切って通過可能ではない外側の領域から、吸引が行われる領域へと迂回させられ得る。このことは、有利には、更に、先に言及された案内プレートの組み合わせによって補助される。
【0038】
本発明の更に別の教示は、半径方向に位置調節可能な縁部切削工具が設けられていることを意図する。
【0039】
本発明に従う課題は、本発明に従う第2の解決策に従い、
前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の手前で、この削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが、設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることによって解決される。
特に有利には、長手方向延在に沿って、複数のノズルは、これらノズルが密な噴流領域を生起するように延在する。このことによって、予想外に、材料が、簡単な方法で、開口部の作用領域内において保持され得ること、及び/または、例えば回転方向において加速された材料の還流が防止され得ることは判明した。
更に、同様に作業面からの弛緩された地盤の剥離、及び/または、この弛緩された地盤の加速も行われ得、従って、この弛緩された地盤が、より容易に、開口部内へと吸引され得る。
【0040】
本発明の更に別の教示は、前記削孔ヘッドの回転方向に見て前記開口部の後ろで、この削孔ヘッドの前記下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも2つのノズルが設けられており、
これらノズルが、前記作業面へと整向されていることを意図する。
特に有利には、長手方向延在に沿って、複数のノズルは、これらノズルが密な噴流領域を生起するように延在する。このことによって、簡単な方法で、作業面からの弛緩された地盤の剥離、及び/または、この弛緩された地盤の加速が行われ得、従って、この弛緩された地盤が、より容易に、開口部内へと吸引され得る。
更に、予想外に、材料が、簡単な方法で、開口部の作用領域内において保持され得ること、及び/または、例えば回転方向に沿っての加速された材料の流出が防止され得ることは判明した。更に、その場合に改めて削孔ヘッドの削孔工具によって処理される、吸引されない、弛緩された地盤の割合分は低減され得る。
【0041】
本発明の更に別の教示は、前記噴流の方向が、前記ノズルを出発点として、前記作業面への方向成分及び/または前記ノズルへの方向成分を有しているベクトルに相応することを意図する。
【0042】
本発明の更に別の教示は、少なくとも2つのノズルの前記噴流が、
前記削孔ヘッドの回転方向に逆らっての前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを意図する。
【0043】
本発明の更に別の教示は、少なくとも2つのノズルの前記噴流が、
前記削孔ヘッドの回転方向への前記弛緩された地盤の移動に対しての遮断作用、及び/または、前記作業面からの前記弛緩された地盤の剥離、及び/または、前記弛緩された地盤の加速を生起することを意図する。
【0044】
開口部の手前および後ろにノズル列が設けられている場合、
開口部の後ろに配置されているノズルよりも、回転方向においてこの開口部の手前に配設されているノズルが、この開口部に対してより少ない方向成分を有しており、及び/または、この開口部に対してより大きな間隔を有していることは有利である。
このことによって、先に言及された利点は増強される。
【0045】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域が、縦長に延びていること、
前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、
前記削孔工具によって弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、および、
前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大すること、
を意図する。
【0046】
更に、本発明に従う第2の解決策が、更に別の先に、第1の本発明に従う解決策との関連において言及された特徴と組み合わせされることは有利である。
【0047】
本発明に従う課題は、本発明に従う第3の解決策に従い、
前記削孔ヘッドの下側面において、媒体、有利には液体または空気の噴流の放出のための少なくとも1つのノズルが設けられていること、および、
この噴流が、前記作業面の領域内への前記弛緩された地盤の移動を生起し地盤、この領域が、前記削孔ヘッドの回転の際に、前記開口部によって横切られること、
によって解決される。
このことによって、予想外に、簡単な方法で、弛緩された地盤の材料分布制御が生起され得、従って、吸引開口部の所定の領域の過負荷という状態にならない。
【0048】
本発明の更に別の教示は、前記噴流は、案内プレートに衝突し、このことによって、前記弛緩された地盤の移動方向の変化が生起されること、
この案内プレートが、直線状または弓形の要素として、前記削孔ヘッドの前記下側面において配置されていること、および、
この配置が、斜め方向、または、少なくとも部分的に円周方向であること、
を意図する。このことによって、材料分布は、容易化される。
【0049】
本発明の更に別の教示は、少なくとも1つのノズル、有利には、逆方向に整向されている少なくとも2つのノズルは、前記削孔ヘッドの前記下側面の中心部において設けられていることを意図する。
弛緩された地盤が、このことによって、簡単な方法で、中心部から除去可能であり、この弛緩された地盤が、構造的に、吸引開口部によって、横切って通過可能ではないことは判明した。
【0050】
本発明の更に別の教示は、少なくとも1つのノズル、有利には少なくとも2つのノズルが、接線方向に整向されて、前記削孔ヘッドの前記下側面において設けられていることを意図する。
このことによって、簡単な方法で、弛緩された地盤は、構造的に容易に吸引開口部によって横切って通過可能ではない外側の領域から、吸引が行われる領域へと迂回させられ得る。このことは、有利には、更に、先に言及された案内プレートの組み合わせによって補助される。
【0051】
本発明の更に別の教示は、半径方向に位置調節可能な縁部切削工具が設けられていることを意図する。
【0052】
本発明の更に別の教示は、前記開口領域が、縦長に延びていること、
前記開口領域の少なくとも1つの前記開口部が、吸引ボックスと接続されており、この吸引ボックスが、前記開口部と向かい合って位置する端部において、前記ポンプとの接続のための接続開口部を有していること、
前記削孔工具によって弛緩された地盤が、前記開口領域内において、前記開口部を通って、前記ポンプによって、前記吸引ボックス内へと1つの流動方向において吸引可能であること、
前記吸引ボックスが、前記開口部から前記接続開口部に向かって、幅において先細りになっていること、および、
前記吸引ボックスの高さが、前記開口部から前記接続開口部に向かって増大すること、
を意図する。
【0053】
更に、本発明に従う第3の解決策が、更に別の先に、第1の及び/または本発明に従う解決策との関連において言及された特徴と組み合わせされることは有利である。
【0054】
以下で本発明を、図との関連における実施例に基づいて、詳しく説明する。その際、
図1から11までは本発明に従う削孔ヘッドの第1の実施形態の外観図および詳細図を、
図12から19までが本発明に従う削孔ヘッドの第2の実施形態の外観図および詳細図を、
図20から32までが本発明に従う削孔ヘッドの第3の実施形態の外観図および詳細図を、示している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】第1の実施形態の本発明に従う削孔ヘッドの下側面の立体図である。
図2図1の側面図である。
図3図1の下側面の平面図である。
図4図1の上側面の平面図である。
図5】本発明に従う吸引ボックスの第1の実施形態の立体図である。
図6図5の正面図である。
図7図5の下面図である。
図8図7の下側からの矢視の立体図である。
図9図5の、引き出された洗浄要素を有する部分断面された側面図である。
図10図9の、引っ込められた洗浄要素を有する類似的な図である。
図11図5の下方へと傾倒された、立体的な正面図である。
図12】第2の実施形態の本発明に従う削孔ヘッドの下側面の立体図である。
図13図12の側面図である。
図14図12の下側面の平面図である。
図15図12の上側面の平面図である。
図16】本発明に従う吸引ボックスの第2の実施形態の平面図である。
図17図16の下面図である。
図18図16のA-Aに沿っての部分断面された側面図である。
図19図18の拡大図である。
図20】第3の実施形態の本発明に従う削孔ヘッドの下側面の平面図である。
図21図20の上側面の平面図である。
図22図20の、図示された材料搬送領域を有する図である。
図23a図20の、図示されたノズルから放出された材料輸送のための媒体噴流を有する図である。
図23b図23aの拡大された部分図である。
図24】本発明に従う吸引領域の断面図である。
図25】本発明に従う吸引ボックスの第3の実施形態の側面図である。
図26図25の、吸引ボックスの幅の方向における第1の断面図である。
図27図25の立体図である。
図28図25の平面図である。
図29図25の、図26を横切っての第2の断面図である。
図30図20の、引き出された縁部切削工具を有する拡大された部分図である。
図31図30の、引っ込められた状態における縁部切削工具の図である。
図32図30の、緊急状態における縁部切削工具の図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1から図4までは、立体的な図示において、第1の実施形態における本発明に従う削孔ヘッド10を示している。
この削孔ヘッド10は、本体11を有しており、この本体11に、この本体の下側面13において削孔工具12が配置されている。この本体の上側面14において、削孔ヘッド10は、削孔装置(図示されていない)の駆動装置(図示されていない)のための接続部15を有している。図示されていない駆動装置は、その際、例えば直接的に、例えばケーシングチューブ(図示されていない)またはポール(図示されていない)内において配置されている削孔装置内において設けられている。
更に別の最終的ではない選択肢が、同様に、ケーシングチューブまたはポールの上に設けられたトップドライブであることは可能であり、このトップドライブと、削孔ヘッド10が、連動棒を介して結合されている。ケーシングチューブ/ポール内における、駆動装置、削孔装置、および、配置の、更に別の変形例は、同様に可能である。選択的に、同様に、削孔ヘッドの使用は、立て坑削孔機との結合においても可能である。
【0057】
例示的に、ケーシングチューブまたはポールの下側のアンダーカットを可能とするために、本体11は、この本体の周囲16において、折り畳み可能な縁部切削工具17を有しており、これら縁部切削工具が、図1内において、引き出された状態で図示されている。更に、この本体11における周囲16において、例示的に、摩耗要素18が設けられている。
【0058】
削孔工具12が、例えば、ディスクビット12a、ピーリングビット12b、ローラービット12cであることは可能である。削孔工具12の選択は、削孔の作成のために弛緩されるべき地盤/岩石に依存して行われる。ここでディスクビット12aとピーリングビット12bとが図示されている。
【0059】
下側面13の中心部において、ここで、例示的に、同様に、調心削孔工具19が設けられており、この調心削孔工具は、削孔ヘッド10の調心を可能にする。
【0060】
更に、本体11は、この本体の下側面13において、吸引ボックス20を、第1の実施形態において有している。この吸引ボックス20は、図5から図11まで内において詳細に図示されている。この吸引ボックスは、この吸引ボックスの前面21において開口領域22を有しており、この開口領域が少なくとも1つの開口部23を有している。
【0061】
吸引ボックス20の第1の実施形態の開口部23は、分粒要素24を有しており、この分級要素が、開口部23を開口部分23aに分割する。この分級要素24によって、吸引ボックス20の内側室25内へと流入可能である、弛緩された地盤/岩石の粒径は規定される。
【0062】
内側室25は、上側面としての蓋部26と、下側面としての底部27とによって形成され、これらが、ここで、1つの実施形態として、平坦に構成されている。蓋部および底部の他の形状は、同様に可能である。更に、吸引ボックス20は、側壁28を有しており、これら側壁が、ここで、前面21から、蓋部と底部との形状に沿って延在している。
【0063】
蓋部26、底部27、および、側壁28の形状によって条件付けられて、例えばおよび有利には、ホッパーは、内側室25の幅BBが側壁28の弓形の形状によって減少することによって制約された状態で形成され、このことによって、弛緩された地盤/岩石および担持体媒体から成る、吸引された混合物の流動速度が、減少する幅BBによって増大する。
【0064】
弛緩された地盤/岩石、もしくは、搬送媒体と弛緩された地盤/岩石とから成る混合物の排出移送を行うために、内側室25の背面側において開口部29が設けられており、この開口部に、搬送導管31のための接続部30が設けられており、この搬送導管がポンプ(図示されていない)と、削孔作動状態において結合されている。
【0065】
弛緩された地盤/岩石による内側室25の目詰まりを防止するために、
付加的に、且つ、ここで図示されていない状態において、本発明に従う吸引ボックス20の第1の実施形態との関連において、同様に、この吸引ボックス20の内側室25の高さHHも、前面21を出発点として、吸引ボックス20の背面側における開口部29に向かって変化され得、特に増大され得る。
【0066】
更に、同様に、例えば開口部29が側方へと位置ずれされて配置される(図示されていない)というやり方で、ここで対称的に図示されている吸引ボックス20を非対称的に構成することは可能である。
その際、回転方向Aにおける回転の際に多くの地盤/岩石が弛緩され且つ開口部23を通って吸引ボックス20の内側室25内へと流入する領域内において、流動プロフィルを適合するため、例えば内側室25の領域内における流動速度を増大するために、開口部29が本体11の周囲16へと位置ずれされて配置されている場合、特に有意義である。
【0067】
同様のことは、搬送導管31の接続部30が、例えば図5内において図示されているように、内側室25内への進入のもとで、傾斜されて開口するというやり方で可能である。
【0068】
底部27の下側面に滑り要素32が配置されており、これら滑り要素は、吸引ボックス20が、削孔もしくは回転方向Aにおける回転の間じゅう、作業面の上で、もしくは、この作業面に対して所定の間隔において、滑動可能であることを可能にする。
【0069】
開口領域22は、前面21に沿って延在する開口部23の領域内において、地盤弛緩工具33、ここで例えばピーリングカッター、を有している。地盤弛緩工具33によって、合目的に、吸引ボックス20の前面21の領域内における地盤/岩石を弛緩または収容すること、および、開口部23に供給することは可能であり、この開口部23内において、次いで排出移送が行われる。
【0070】
付加的または選択的に、直接的に流動方向Bにおける流動によって吸引されない弛緩された材料を、開口領域22に供給するため、および、次いで、開口部23を通って内側室25内へと吸引するための、案内プレート(図示されていない)が設けられていることも可能である。
【0071】
開口部23の上方に、ノズル34が、前面21において配置されており(例えば図9参照)、これらノズルが、内側室25内へと、担持体媒体、例えば液体または空気から成る、方向Eにおける噴流を放出し、これらノズルが、流動方向Bに開口部29へと整向されており、従って、この内側室25内において存在する材料が、流動方向Bに開口部29へと移動される。更に、同様にノズル34から放出される噴流によって、弛緩された材料の集積体が分離されることも可能である。
液体が放出された場合、この液体が、例えばまたは選択的に、吸引ボックス20及び/または開口領域22内において弛緩/搬送された材料を液化するため、および、これに伴って、良好な排出移送を保証するために使用されることも可能である。有利な方法において、その際、搬送導管31内における搬送流及び/または液化は、弛緩/搬送された材料が開口領域22内において堰き留められるのではなく、むしろ、開口領域22が基本的に開放されているように構成されている。
【0072】
付加的に、開口領域22内において、洗浄要素35が設けられている。この洗浄要素35は、ロッド36を有しており、これらロッドが、通路37内において案内されており、従って、これらロッド36が洗浄方向Cに移動された場合、これらロッド36が開口部23の開口部分23a内へと、もしくは、そこの設けられた分粒要素24内へと係合し、且つ、固着された材料を、そこから除去し、且つ、これに伴って、開口部23を再び貫通した状態にする。
引き続いて、洗浄要素35は、洗浄方向Cとは逆に、再び、開口部分23aから外方へと移動する。選択的に、開口部もしくは分粒要素24の洗浄のために、同様にノズル38が設けられていることも可能であり、これらノズルが、洗浄のための液体噴流を、例示的に図9内において図示されているように、洗浄方向Dに放出する。
液体が放出された場合、この液体が、例えばまたは選択的に、吸引ボックス20及び/または開口領域22内において弛緩/搬送された材料を液化するため、および、これに伴って、良好な排出移送を保証するために使用されることも可能である。有利な方法において、その際、搬送導管31内における搬送流及び/または液化は、弛緩/搬送された材料が開口領域22内において堰き留められるのではなく、むしろ、開口領域22が基本的に開放されているように構成されている。
【0073】
図12から図15までは、立体的な図示において、第2の実施形態における本発明に従う削孔ヘッド10を示している。
この削孔ヘッド10は、本体11を有しており、この本体11に、この本体の下側面13において削孔工具12が配置されている。この本体の上側面14において、削孔ヘッド10は、削孔装置(図示されていない)の駆動装置(図示されていない)のための接続部15を有している。図示されていない駆動装置は、その際、例えば直接的に、例えばケーシングチューブ(図示されていない)またはポール(図示されていない)内において配置されている削孔装置内において設けられている。
更に別の最終的ではない選択肢が、同様に、ケーシングチューブまたはポールの上に設けられたトップドライブであることは可能であり、このトップドライブと、削孔ヘッド10が、連動棒を介して結合されている。ケーシングチューブ/ポール内における、駆動装置、削孔装置、および、配置の、更に別の変形例は、同様に可能である。選択的に、同様に、削孔ヘッドの使用は、立て坑削孔機との結合においても可能である。
【0074】
例示的に、ケーシングチューブまたはポールの下側のアンダーカットを可能とするために、本体11は、この本体の周囲16において、折り畳み可能な縁部切削工具17を有しており、これら縁部切削工具が、図1内において、引き出された状態で図示されている。更に、この本体11における周囲16において、例示的に、摩耗要素18が設けられている。
【0075】
削孔工具12が、例えば、ディスクビット12a、ピーリングビット12b、ローラービット12cであることは可能である。削孔工具12の選択は、削孔の作成のために弛緩されるべき地盤/岩石に依存して行われる。ここでディスクビット12aとピーリングビット12bとが図示されている。
【0076】
下側面13の中心部において、ここで、例示的に、同様に、調心削孔工具19が設けられており、この調心削孔工具は、削孔ヘッド10の調心を可能にする。
【0077】
更に、本体11は、この本体の下側面13において、吸引ボックス40を、第2の実施形態において有している。この吸引ボックス40は、図16から図19まで内において詳細に図示されている。図18は、図16のA-Aによる断面図を示している。図19は、その際、図18の丸で囲まれた領域の拡大図を示している。この吸引ボックス40は、この吸引ボックスの前面41の領域内において開口領域42を有しており、この開口領域が少なくとも1つの開口部43を有している。
【0078】
吸引ボックス40の第2の実施形態の開口部43が、分粒要素(ここで図示されていない)を有していることは可能であり、この分級要素が、開口部43を開口部分43aに分割する。この分級要素によって、吸引ボックス40の内側室45内へと流入可能である、弛緩された地盤/岩石の粒径は規定される。
【0079】
内側室45は、上側面としての蓋部46と、下側面としての底部47とによって形成され、これらが、ここで、1つの実施形態として、平坦に構成されている。蓋部および底部の他の形状は、同様に可能である。
更に、吸引ボックス40は、側壁48を有しており、これら側壁が、ここで、前面41から、蓋部と底部との形状に沿って延在している。
【0080】
蓋部46、底部47、および、側壁48の形状によって条件付けられて、例えばおよび有利には、ホッパーは、内側室45の幅BBが側壁48の弓形の形状によって減少することによって制約された状態で形成され、このことによって、弛緩された地盤/岩石および担持体媒体から成る、吸引された混合物の流動速度が、減少する幅BBによって増大する。
付加的に、吸引ボックス40の内側室45の高さHHは、前面41を出発点として、吸引ボックス40の背面側における開口部49に向かって変化され得る。弛緩された地盤/岩石による内側室45の目詰まりを防止するために、第2の実施形態において、この高さは増大される。
内側室45内における所定の流動プロフィルを生成するために、他の高さのバリエーションは同様に可能である。このことは、同様に第1の実施形態の吸引ボックス20に関しても言えることである。
【0081】
弛緩された地盤/岩石、もしくは、搬送媒体と弛緩された地盤/岩石とから成る混合物の排出移送を行うために、内側室45の背面側において開口部49が設けられており、この開口部に、搬送導管51のための接続部50が設けられており、この搬送導管がポンプ(図示されていない)と、削孔作動状態において結合されている。
【0082】
付加的に、且つ、ここで図示されていない状態において、本発明に従う吸引ボックス40の第2の実施形態との関連において、
その際、例えば開口部49が、側方へと位置ずれされて配置されるというやり方で、ここで対称的に図示されている吸引ボックス40を非対称的に構成することは可能である。
回転方向Fにおける回転の際に多くの地盤/岩石が弛緩され且つ開口部43を通って吸引ボックス40の内側室45内へと流入する領域内において、流動速度を合目的に増大するために、例えば、開口部49が本体11の周囲16へと位置ずれされて配置されている場合、特に有意義である。
【0083】
同様のことは、搬送導管51の接続部50が、内側室45内への進入のもとで、傾斜されて開口するというやり方で可能である。
【0084】
開口部43の前方に、方向転換要素60が設けられており、この方向転換要素が、当接点61を介して、吸引ボックス40、例えばこの吸引ボックスの側壁48において可動に配置されている。有利には、その際、当接点61を中心とした回転方向Gにおける回転移動が重要である。
方向転換要素60のこの移動のために、少なくとも1つのアクチュエーター62、例えば、液圧シリンダーが設けられている。このアクチュエーターは、例えば、方向転換要素60において配置された第1の当接部63と蓋部46に配置された第2の当接部64とに接続されており、従って、旋回移動が、このアクチュエーター62の操作の際に実施され得る。
方向転換要素60は、その場合に、回転方向Gに捻じられ得る。
【0085】
方向転換要素60の第1の当接部63と向かい合って位置する端部において、少なくとも1つの地盤弛緩工具65が配置されている。更に、方向転換要素60がノズル66を有していることは可能であり、これらノズルが、担持体媒体、例えば液体または空気から成る、方向Eにおける噴流を、内側室45内へと放出する。このことによって、この内側室45内において存在する材料は、流動方向Bに開口部49へと移動される。
液体が放出された場合、この液体が、例えばまたは選択的に、吸引ボックス40及び/または開口領域42内において弛緩/搬送された材料を液化するため、および、これに伴って、良好な排出移送を保証するために使用されることも可能である。有利な方法において、その際、搬送導管51内における搬送流及び/または液化は、弛緩/搬送された材料が開口領域42内において堰き留められるのではなく、むしろ、開口領域42が基本的に開放されているように構成されている。
【0086】
底部47において、ベース部55に配置された滑り要素52が設けられている。
【0087】
ベース部55と地盤弛緩工具65との間に、方向転換要素60のそれぞれの旋回の程度に応じて、開口間隙67が存在する。この開口間隙の大きさは、例えば、弛緩された地盤/岩石の収容される材料量を規定する。更に、弛緩された地盤/岩石の規定された粒径の流入を阻止するために、開口間隙67によって、分粒も行われ得る。
【0088】
更に、ベース部55において、ノズル68が配置されていることは可能であり、締め付けられた材料を開口間隙67から除去するために、このノズルが、洗浄要素として、担持体媒体、例えば液体または空気から成る噴流を、洗浄方向Dに放出する。
液体が放出された場合、この液体が、例えばまたは選択的に、吸引ボックス40及び/または開口領域42内において弛緩/搬送された材料を液化するため、および、これに伴って、良好な排出移送を保証するために使用されることも可能である。有利な方法において、その際、搬送導管51内における搬送流及び/または液化は、弛緩/搬送された材料が開口領域42内において堰き留められるのではなく、むしろ、開口領域42が基本的に開放されているように構成されている。
【0089】
更に、例えば、図19内において、当接要素69が図示されており、この当接要素は、図示されていないアクチュエーターと接続されており、吸引ボックス40全体を、例えばより近くに作業面へと持って来るためまたはこの作業面から離れるために、このアクチュエーターを介して、吸引ボックス40全体が、本体11に対して移動可能であり、このことによって、例えば、作業面内への侵入深さ、及び/または、弛緩された材料の収容量が調整可能である。
【0090】
第1の実施形態の吸引ボックス20の開口部23は、これに伴って、直接的に、回転方向Aの方に向けられているが、それに反して、第2の実施形態の吸引ボックス40の開口部43が、直接的にではなく到達されている。開口間隙67を通って貫通する、弛緩された材料は、先ず始めに、方向転換要素60を通って流動方向において方向転換され、且つ、開口部43に供給される必要がある。ここで、その場合に相応して、同様に液化も行われ得る。
第2の実施形態の地盤弛緩工具65は、これに伴って、作業面にわたって牽引され、これに対して、第1の実施形態の地盤弛緩工具33が、作業面にわたって押し進められる。
【0091】
図20から図23bまでは、立体的な図示において、第3の実施形態における本発明に従う削孔ヘッド10を示している。
この削孔ヘッド10は、本体11を有しており、この本体11に、この本体の下側面13において削孔工具12が配置されている。この本体の上側面14において、削孔ヘッド10は、削孔装置(図示されていない)の駆動装置(図示されていない)のための接続部15を有している。図示されていない駆動装置は、その際、例えば直接的に、例えばケーシングチューブ(図示されていない)またはポール(図示されていない)内において配置されている削孔装置内において設けられている。
更に別の最終的ではない選択肢が、同様に、ケーシングチューブまたはポールの上に設けられたトップドライブであることは可能であり、このトップドライブと、削孔ヘッド10が、連動棒を介して結合されている。ケーシングチューブ/ポール内における、駆動装置、削孔装置、および、配置の、更に別の変形例は、同様に可能である。選択的に、同様に、削孔ヘッドの使用は、立て坑削孔機との結合においても可能である。
【0092】
例示的に、ケーシングチューブまたはポールの下側のアンダーカットを可能とするために、本体11は、この本体の周囲16において、折り畳み可能な縁部切削工具17を有しており、これら縁部切削工具が、図1内において、引き出された状態で図示されている。縁部切削工具17の個々の状態は、図29から31まで内において示されている。更に、この本体11における周囲16において、例示的に、摩耗要素18が設けられている。
【0093】
削孔工具12が、例えば、ディスクビット12a、ピーリングビット12b、ローラービット12cであることは可能である。削孔工具12の選択は、削孔の作成のために弛緩されるべき地盤/岩石に依存して行われる。ここでディスクビット12aが図示されている。
【0094】
下側面13の中心部において、先に記載された調心削孔工具19に対して選択的に、一列のディスク12aが設けられており、これら一列のディスクは、同様に、削孔ヘッド10の調心を可能にする。
【0095】
更に、本体11は、吸引ボックス70を、第3の実施形態において有している。この吸引ボックス70は、図24から図29まで内において詳細に図示されている。この吸引ボックスは、開口領域72を有しており、この開口領域が少なくとも1つの開口部73を有している。
【0096】
吸引ボックス70の第3の実施形態の開口部43が、分粒要素74を有しており、この分級要素が、開口部73を開口部分73aに分割する。この分級要素74によって、吸引ボックス70の内側室75内へと流入可能である、弛緩された地盤/岩石の粒径は規定される。
【0097】
内側室75は、上側面としての蓋部76と、下側面としての開口部73と、並びに、側壁78および後壁77を有している。
【0098】
蓋部76、底部77、および、側壁78の形状によって条件付けられて、例えばおよび有利には、ホッパーは、内側室75の幅BB(図26参照)が蓋部76と後壁77との形状および配置によって減少することによって制約された状態で形成され、このことによって、弛緩された地盤/岩石および担持体媒体から成る、吸引された混合物の流動速度が、減少する幅BBによって増大する。
【0099】
弛緩された地盤/岩石、もしくは、搬送媒体と弛緩された地盤/岩石とから成る混合物の排出移送を行うために、内側室75の背面側において開口部79が設けられており、この開口部に、搬送導管(図示されていない)のための接続部71が設けられており、この搬送導管がポンプ(図示されていない)と、削孔作動状態において結合されている。
【0100】
弛緩された地盤/岩石による内側室75の目詰まりを防止するために、
付加的に、この吸引ボックス70の内側室75の高さHHは、開口領域72を出発点として、吸引ボックス70の上側における開口部79に向かって増大する。
【0101】
開口領域72もしくは開口部79に対して平行に、削孔ヘッド10の下側面13において、回転方向において開口領域72の手前にノズルビーム81、および、第2のノズルビーム80が、回転方向において開口領域72の後ろに設けられている。
これらノズルビーム81、80は、一列に配置された複数のノズル82、83を有している。これらノズル82、83は、洗浄媒体のそれぞれ1つの噴流AA、DD、M、有利には液体噴流または圧縮空気噴流を放出する。ノズルビーム80のノズル82とノズルビーム81のノズル83とは、これらが、作業面に対して、および、開口領域72に向かって、整向されているように形成されている。
その際、ノズル82は、削孔ヘッド10の下側面13の垂直方向に対して角度αにおいて、および、ノズル83が、削孔ヘッド10の下側面13の垂直方向に対して角度βのもとで配置されている。有利には、角度αと角度βとは、相互に異なっている。特に有利には、角度βは、その際、角度αよりも小さい。
噴流AAは、その際、作業面(図示されていない)に衝突し、且つ、弛緩された地盤の渦流もしくは活性化を生起させ、従って、この地盤が、開口部73内へと、より良好に吸い込まれ得る。更に、同様に遮断作用も噴流AAによって生成し、従って、弛緩された地盤が、可能な限り、噴流AAと噴流DDとの間の領域CCを、回転方向Aとは逆に離れることは可能ではない。
この遮断作用は、作用面に対して垂直方向に至るまでの、角度α、βが大きくなればなる程、改善される。角度α、βがより小さくなる場合、弛緩された地盤の弛緩/加速作用は、それとは逆に、最適に規定されるべき角度α、βに至るまで改善される。
【0102】
噴流AAとの比較において、より真っ直ぐに作業面に対して整向されている、噴流DDは、基本的に、遮断作用を生起させ、従って、噴流AAによって活性化され且つ従って回転方向に加速された、材料もしくは弛緩された地盤が、領域CCを、回転方向Aに離れ得ない。
【0103】
更に、吸引ボックス70の領域内において、ここで、有利には、流動冠状体84が、削孔ヘッド10の下側面13の外側の周囲において設けられている。この流動冠状体84は、下側面13を出発点として、作業面に向かって延在する。
この流動冠状体は、ここで、有利には、削孔ヘッド10の周囲16において設けられたプレートとして実現されている。この流動冠状体84は、開口部73を通る吸引が、穿孔の縁部領域からの短絡の形態で行われないことを生起させる。
【0104】
吸引された液体を削孔ヘッド10の下方に補充するために、開口部85が、ここで、有利には、開口部73の短い側の右側および左側に設けられており、この開口部が、導管(図示されていない)と接続されており、この導管を介して、液体が吸引領域内に供給される。
吸引領域内における有利で合目的な供給によって、特に、横方向流動が削孔ヘッド10の下方で吸引領域内において生起すること、このことによってコントロール不能な材料輸送が行われることは回避される。そのようなコントロール不能な材料輸送は、摩耗と並んで、同様に削孔工具12による、既に弛緩された地盤の多重の横切っての通過も誘起する。
【0105】
吸引ボックス70の開口領域72への、弛緩された地盤の最適な材料輸送を生起させるため、有利には削孔ヘッド10の下側面13に、有利には集中化ユニットが設けられている。この集中化ユニットは、案内プレートとノズルとから成っており、これら案内プレートとノズルとによって、所定の領域内における弛緩された地盤が、吸引ボックス70の開口領域72によって横切って通過させられる、作業面の領域に供給される。
このことによって、簡単な方法で、材料流の制御が生起され、この材料流によって、吸引を最適化するために、より多くの地盤が作業面において弛緩される領域から、より少ない地盤が削孔工具12によって弛緩される領域に向かっての最適な材料分布も、達成可能である。
【0106】
この目的のために、異なる長さおよび入射角の案内プレート86は、所定の部分内において配置された削孔工具の直後に設けられている。案内プレート86は、その際、削孔ヘッド10の下側面13から、作業面に向かって延在する。この案内プレートは、斜めに配置されており、従って、弛緩された材料もしくは弛緩された地盤が、削孔ヘッド10の下側面13の外側領域から、吸引領域73に向かって能率的に移動する。
この材料輸送は、ノズル87によって生起され、これらノズルが、削孔ヘッド10の下側面13の外側で、ケーシング88内において設けられている。ノズル87は、その際、接線方向の洗浄媒体(液体または空気)の噴流EEを放出し、この噴流が、それぞれの案内プレート86に当たる。案内プレート86において、噴流EEは、その場合に、この案内プレート86に対して平行な流動方向Hに方向転換される。それぞれの案内プレート86の手前の削孔工具12によって弛緩される材料は、その場合に、この洗浄媒体の流れによって、流動方向Hに輸送される。
【0107】
更に、同様に縁部切削工具17も案内プレート89を有しており、これら案内プレートが、同様に、材料が、この案内プレート89に沿って、外側から、削孔ヘッド10の製造によって、削孔ヘッド10の下側面13の内側の領域に向かって輸送可能であるように斜めに配置されている。
同様にここでも、これまた同様に、ノズル90が、ケーシング91内において設けられており、これらノズルが、洗浄媒体(液体または空気)の噴流FFを、案内プレート89に対して誘導し、従って、この案内プレート89において、噴流FFの流動方向は、この流動方向が案内プレート89に対して平行に、方向Hにおいて延びているように、変化される。
縁部切削工具17の案内プレート89の外側面において、有利にはピーリングビット12bが設けられており、このピーリングビットが、削孔壁を切断および真っ直ぐにする。ピーリングビット12bの冷却および洗浄のために、ノズル92が設けられており、このノズルは、洗浄兼冷却媒体(液体または空気)の噴流(図示されていない)を放出する。この噴流は、その際、ピーリングビット12bに沿って、作業面領域に向かって整向されている。
ここで洗い流された、弛緩された材料は、その場合に、案内プレート89によって捕捉され、且つ、同様に、流動方向Hに、有利にはノズル90からの噴流FFとの組み合わせにおいて搬出される。
【0108】
ここで有利には、ディスク12aから成る1つのディスク列として形成されている、調心削孔工具19が、ノズル93の列に対して平行に、ケーシング94内において設けられている中心部の領域内において、このノズルは、洗浄媒体(液体または空気)の噴流GGを、流動方向Iにおいて、一列のディスク12aの対して平行に放出し、従って、それぞれのディスク12aによって弛緩されたこの弛緩された材料が、この噴流GGによって、この中心部から排出移送される。
この材料流の区画のために、案内プレート95が設けられており、これら案内プレートは、ここで、円周方向に且つ湾曲されて構成された状態で、削孔ヘッド10の下側面13において作業面の領域内において配置されており、この作業面が、吸引ボックス70の開口領域73によって横切って通過される。
【0109】
これら案内プレートとノズルとによって、削孔ヘッドの下側面13は、異なる材料搬送部分JからMまでに分割される。
縁部切削工具17の領域内における、ノズル90との関連における案内プレート89は、図22内において示されている、より外側の搬送領域Jを生起する。この領域内において位置する削孔工具12によって弛緩された地盤は、案内プレート89によって、流動方向Hにおいて、この搬送領域Jに対して同心的に、更に内方に位置する領域K1からK4およびL内にまで、排出移送される。
領域K1からK4までは、その際、有利には、異なる大きさである。何故ならば、それぞれにそれに所属の案内プレート86が有利には、異なる長さで構成されているからである。このことによって、吸引ボックス70によって横切って通過される環状領域L、または、この環状領域の外方に位置している領域K4内への合目的な材料分布が行われ、このことによって、弛緩された地盤の排出移送が行われる。これら領域は、同様に、図22内において示されている。
環状領域Lの内方に、中心部Mが位置し、この中心部から、そこで弛緩された材料が、流動方向Iに、案内プレート95に対して領域L内へと搬送される。その際、合目的な材料分布の状態となり、搬送された材料の主部分が、開口領域73の内側の部分によって収容され得、従って、材料輸送もしくは吸引がこのことによって、明確に改善されることは具現される。
【0110】
図30~32内において、縁部切削工具17の移動状態が示されている。この縁部切削工具は、その際、基礎本体96を有しており、この基礎本体が、矢印方向Nに移動可能である。この目的のために、アクチュエーター97が設けられており、このアクチュエーターが、ここで、有利には、液圧シリンダーとして構成されている。
図30は、縁部切削工具17の引き出された状態を示しており、これに対して、図31が、引っ込められた状態を示している。シリンダー99内における、そのピストンのピストンロッドを有する該ピストン98の移動により、基礎本体96は、削孔ヘッド10の本体11内へと引き込まれまたは引き出される。
図32内において、削孔作業の終了の後の、削孔ヘッド10の救出のための緊急解決策が示されており、この場合、障害に基づいて、基礎本体が、もはや引っ込め可能ではないか、または、アクチュエーター97が故障している。
この目的のために、せん断ボルト100が設けられており、このせん断ボルトが、標準的な作動状態において、削孔ヘッド10の本体11内における、基礎本体96の内方への旋回のための、移動方向Nのための、回転支承部としての機能を果たす。
障害の場合に、このせん断ボルト100は、剥ぎ取られ、従って、基礎本体96が、当接部101を中心として、矢印方向Oに旋回可能である。当接部101は、基礎本体96におけるアクチュエーター97の作用点である。
【符号の説明】
【0111】
10 削孔ヘッド
11 本体
12 削孔工具
12a ディスクビット
12b ピーリングビット
12c ローラービット
13 下側面
14 上側面
15 接続部
16 周囲
17 縁部切削工具
18 摩耗要素
19 調心削孔工具
20 吸引ボックス
21 前面
22 開口領域
23 開口部
23a 開口部分
24 分粒要素
25 内側室
26 蓋部
27 底部
28 側壁
29 開口部
30 接続部
31 搬送導管
32 滑り要素
33 地盤弛緩工具
34 ノズル
35 洗浄要素
36 ロッド
37 通路
40 吸引ボックス
41 前面
42 開口領域
43 開口部
45 内側室
46 蓋部
47 底部
48 側壁
49 開口部
50 接続部
51 搬送導管
52 滑り要素
53 地盤弛緩工具
54 ノズル
55 ベース部
60 方向転換要素
61 当接点
62 アクチュエーター/液圧シリンダー
63 第1の当接部
64 第2の当接部
65 地盤弛緩工具
66 ノズル
67 開口間隙
68 ノズル
69 当接要素
70 吸引ボックス
71 接続部
72 開口領域
73 開口部
73a 開口部分
74 分粒要素
75 内側室
76 蓋部
77 後壁
78 側壁
79 開口部
80 ノズルビーム 一次ノズル
81 ノズルビーム 二次ノズル
82 ノズル
83 ノズル
84 流動冠状体
85 開口部
86 案内プレート
87 ノズル
88 ケーシング
89 案内プレート
90 ノズル
91 ケーシング
92 ノズル
93 ノズル
94 ケーシング
95 案内プレート
96 基礎本体
97 アクチュエーター
98 ピストン
99 シリンダー
100 せん断ボルト
101 当接点
A 回転方向
B 流動方向
C 洗浄方向
D 洗浄方向
E 放出方向
F 回転方向
G 回転方向
H 流動方向
I 流動方向
J 領域
K 領域
K1~K4 領域Kに対するサブ領域
L 領域
M 中心部
N 移動方向
O 旋回方向
α 入射角度
β 入射角度
AA 噴流
BB 幅
CC 領域
DD 噴流
EE 噴流
FF 噴流
GG 噴流
HH 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23a
図23b
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【国際調査報告】