(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】消毒ユニット、該消毒ユニットを備える飲料調製マシン、及び該飲料調製マシンを実施する飲料調製方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/32 20060101AFI20220914BHJP
A47J 31/60 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
C02F1/32
A47J31/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500629
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2020070465
(87)【国際公開番号】W WO2021013801
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】アーベンド, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フリック, ジャン‐マーク
(72)【発明者】
【氏名】クンツレ, バーナード
【テーマコード(参考)】
4B104
4D037
【Fターム(参考)】
4B104AA11
4B104BA14
4B104CA19
4B104CA24
4B104DA08
4B104EA10
4D037AA02
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB01
4D037BB04
(57)【要約】
本発明は、送達された液体を消毒して飲料を調製するための消毒ユニット(1)に関する。消毒ユニット1は、液体を受け入れるための照射チャンバ(2)を備える。照射チャンバ(2)は、i)液体を照射チャンバ(2)に導入するための液体入口(10)と、ii)導入された液体を照射チャンバ(2)から排出するための液体出口(12)と、を備える。照射デバイス(4)は、照射チャンバ(2)内の液体を消毒するように構成されている。液体出口(12)は、流量制限機構(12.1)を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに流体流を制限し、圧力差が予め定められた閾値以上であるときに、より高い流量での流体流を可能にする流量制限機構(12.1)を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調製するために飲料調製ユニット(102)に送達される液体を消毒するための消毒ユニット(1)であって、前記消毒ユニット(1)がある量の液体を受け入れるように構成された照射チャンバ(2)を備え、前記照射チャンバ(2)が、i)前記液体を前記照射チャンバ(2)に導入するための液体入口(10)と、ii)導入された前記液体を前記照射チャンバ(2)から排出するための液体出口(12)と、を備え、前記消毒ユニット(1)が、前記照射チャンバ(2)内の液体を消毒するように、前記照射チャンバ(2)に消毒放射線を放射するように構成された照射デバイス(4)を更に備え、
前記液体出口(12)が流量制限機構(12.1)を備え、前記流量制限機構が、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、前記液体出口(12)を介した液体流を制限流量まで制限し、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が前記予め定められた閾値以上であるときに、前記制限流量よりも高い排出流量での前記液体出口(12)を介した液体流を可能にするように構成されている、消毒ユニット。
【請求項2】
前記流量制限機構(12.1)は、前記制限流量が、前記液体入口(10)を介した液体流量の0%~80%、好ましくは20%~80%、より好ましくは20%~60%の範囲にあるように構成されている、請求項1に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項3】
前記流量制限機構(12.1)は、前記排出流量が、前記液体入口(10)を介した液体流量の約100%であるように構成されている、請求項1又は2に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項4】
前記流量制限機構が、0.28mm
2~0.79mm
2、好ましくは0.28mm
2~0.50mm
2、より好ましくは0.35mm
2~0.43mm
2の範囲、更により好ましくは約0.38mm
2に等しい断面積を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の消毒ユニット。
【請求項5】
前記流量制限機構が、逆流阻止バルブを備え、前記逆流阻止バルブが、好ましくは、前記照射チャンバに対して下流の方向にのみ開放するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の消毒ユニット。
【請求項6】
前記予め定められた閾値が、2バール~8バール、好ましくは4バール~5バールの範囲である、請求項1~5のいずれか一項に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項7】
前記液体出口(12)が、前記照射チャンバ(2)の最下領域(2.1)、好ましく前記照射チャンバ(2)の最下位近傍又は最下位に位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項8】
前記液体入口(10)が、前記照射チャンバ(2)の側部領域(2.3)に位置し、好ましくは前記液体出口(12)から離れ、より好ましくは前記液体出口(12)と実質的に反対側に位置し、前記液体入口(10)が、好ましくは前記照射デバイス(4)に向かって配向されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項9】
空気を前記照射チャンバ(2)に入れ、前記液体出口(12)を介して液体を前記照射チャンバ(2)から排出するための空気入口(14)を更に備え、前記空気入口(14)が、好ましくは、前記照射チャンバ(2)の最上領域(2.2)、より好ましくは前記照射チャンバ(2)の最上位近傍又は最上位に位置する、請求項1~8のいずれか一項に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項10】
前記空気入口(14)に流体接続された逆流阻止バルブ(20)を更に備え、前記逆流阻止バルブ(20)が、好ましくは前記照射チャンバ(2)を画定する壁に取り付けられ、前記逆流阻止バルブ(20)の湿潤性表面のほとんど又は全てが、前記照射デバイス(40)の前記放射線に部分的に又は完全にさらされるように、前記逆流阻止バルブ(20)が、好ましくは前記照射チャンバ(2)近傍又は前記照射チャンバ(2)に配置されている、請求項10に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項11】
前記照射デバイス(4)が、前記液体出口(12)から離れるように、前記照射チャンバ(2)に対して配置され、前記照射デバイス(4)が、好ましくは前記液体出口(12)の反対側に配置され、前記照射デバイス(4)が、好ましくは前記照射チャンバ(2)の前記側部領域(2.3)に及び/又は前記液体入口(14)の隣に位置する、請求項1~10のいずれか一項に記載の消毒ユニット(1)。
【請求項12】
飲料調製マシン(101)であって、
飲料を調製するために飲料調製ユニット(102)に送達される液体を消毒するための消毒ユニット(1)であって、前記消毒ユニット(1)がある量の液体を受け入れるように構成された照射チャンバ(2)を備え、前記照射チャンバ(2)が、i)前記液体を前記照射チャンバ(2)に導入するための液体入口(10)と、ii)導入された前記液体を前記照射チャンバ(2)から排出するための液体出口(12)と、を備え、前記消毒ユニット(1)が、前記照射チャンバ(2)内の液体を消毒するように、前記照射チャンバ(2)に消毒放射線を放射するように構成された照射デバイス(4)を更に備える、消毒ユニットと、
消毒された前記液体で飲料を調製するために、前記液体出口(12)に流体接続された飲料調製ユニット(102)と、
前記液体入口(10)に流体接続され、前記液体入口(10)、前記照射チャンバ(2)、及び前記液体出口(12)を介して、液体を前記飲料調製ユニット(102)に供給するように構成された液体供給ユニット(103)と、
前記照射チャンバ(2)と前記飲料調製ユニット(102)との間に配置された流量制限機構(12.1)であって、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、前記液体出口(12)を介した液体流を制限流量まで制限し、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が前記予め定められた閾値以上であるときに、前記制限流量よりも高い排出流量での前記液体出口(12)を介した液体流を可能にするように構成されている、流量制限機構(12.1)と、
を備える、飲料調製マシン。
【請求項13】
前記消毒ユニット(1)が、前記飲料調製ユニット(102)及び前記液体供給ユニット(103)のうちの少なくとも1つの上方に位置し、前記消毒ユニット(1)が、好ましくは前記飲料調製マシン(101)の最上位置に位置する、請求項12に記載の飲料調製マシン(101)。
【請求項14】
前記液体出口(12)と前記飲料調製ユニット(102)を流体接続する排出ライン(122)を更に備え、前記排出ライン(122)が、好ましくは前記排出ライン(122)における微生物の成長を最小限に抑えるための第1の要件と、前記排出ライン(122)にわたる圧力降下を最小限に抑えるための第2の要件と、にしたがって寸法決めされる、請求項12又は13に記載の飲料調製マシン(101)。
【請求項15】
前記液体出口(12)と前記飲料調製ユニット(102)を流体接続する放出ライン(122)の少なくとも一部に熱を伝達するように配置された加熱デバイス(136)を更に備え、前記放出ライン(122)が、好ましくは伝熱性材料から作製される、請求項12~14のいずれか一項に記載の飲料調製マシン(101)。
【請求項16】
飲料を調製するための方法であって、
請求項12~15のいずれか一項に記載の飲料調製マシンを提供する工程と、
前記液体入口(10)を介して液体を前記照射チャンバ(2)に送達するように前記液体供給ユニット(103)を作動させる工程であって、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が前記予め定められた閾値未満であるときに、前記流量制限機構(12.1)が、前記液体出口(12)を介した液体流を前記制限流量まで制限する、工程と、
少なくとも前記照射チャンバ(102)への液体の送達中に、送達される前記液体を消毒するために前記照射デバイス(4)を作動させる工程と、
前記液体供給ユニット(103)を動作させ続ける工程であって、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が前記予め定められた閾値以上であるときに、前記流量制限機構(12.1)が、前記液体出口(12)を介して、前記排出流量での前記飲料調製ユニット(102)への液体流を可能にする、工程と、
任意選択的に、前記流量制限機構(12.1)を通る圧力差が前記予め定められた閾値以上になった後に、前記液体入口(10)を介して前記照射チャンバ(2)に供給される前記液体流を増加させる工程と、
任意選択的に、前記液体出口(12)を介して前記照射チャンバ(2)から排出される前に、前記液体が予め定められた滞留時間にわたって前記照射チャンバ(2)内に留まることを可能にするように、前記液体入口(10)を介して前記照射チャンバ(2)に供給される前記液体流を調整する工程と、
消毒された前記液体で飲料調製ユニット(102)内で飲料を調製する工程と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、消毒された液体を製品容器に注入することによって、飲料を調製するために飲料調製ユニットに送達される液体を消毒するための消毒ユニットに関する。更に、本発明は、そのような消毒ユニットを備える飲料調製マシンに関する。加えて、本発明は、そのような消毒ユニットを実施する飲料調製方法に関する。
【0002】
製品容器は、乳児用フォーミュラ組成物、ミルクベース原材料、又は大豆ベース原材料などの液体、ペースト状、又は粉末状の形態の栄養組成物又は原材料を封入することができる。本発明では、レディ・トゥ・ドリンク飲料を、安全かつ衛生的な方法で調製することができる。本発明は、様々な製品容器を使用することによって幅広い飲料を調製するために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
現在利用可能な消毒ユニットのいくつかは、照射チャンバと、飲料を調製するために供給された液体を消毒することを目的とした照射デバイスと、を備える。照射チャンバは、液体流を、照射チャンバに入れ、照射後に照射チャンバから出すように、液体入口及び液体出口を有する。
【0004】
しかしながら、本出願人は、既知の消毒ユニットには、設計、おそらくは液体入口及び液体出口の配置から生じる可能性があるいくつかの問題及び欠点が存在することを観察した。場合によっては、液体は、その流パターンが照射チャンバ内の短い経路を一過的にたどる場合、及び/又は照射チャンバ内の滞留持続時間が短すぎる場合、十分に照射されない、したがって十分に消毒されない可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
上述の問題及び欠点を考慮して、本発明は、現在の実施態様を改善することを目的とする。目的は、飲料調製マシンへの最適な機械的組み込みを可能にしつつ、飲料調製前及び/又は中に、導入された液体及び液体受容構成要素の消毒を確実に向上することである。
【0006】
目的は、独立請求項に定義される実施形態によって達成される。有利な実施態様は、従属請求項において更に定義される。
【0007】
本発明の実施形態は、飲料を調製するために飲料調製ユニットに送達される液体を消毒するための消毒ユニットを提供し、消毒ユニットは、ある量の液体を受け入れるように構成された照射チャンバを備え、照射チャンバは、i)液体を照射チャンバに導入するための液体入口と、ii)導入された液体を照射チャンバから排出するための液体出口と、を備え、消毒ユニットは、照射チャンバ内の液体を消毒するように、照射チャンバに消毒放射線を放射するように構成された照射デバイスを更に備える。照射デバイスは、好ましくは、UV光源を備える。液体出口は流量制限機構を備え、流量制限機構は、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、液体出口を介した液体流を制限流量まで制限し、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値以上であるときに、制限流量よりも高い排出流量での液体出口を介した液体流を可能にするように構成されている。
【0008】
液体が液体入口を介して導入され始めると、照射チャンバ内の圧力が増加し始める。圧力が予め定められた閾値未満になると、流量制限機構は、液体出口を介した液体流を制限流量、例えば、ゼロ又はごくわずかの流量に制限する。
【0009】
圧力が照射チャンバ内に蓄積すると、導入された液体は、照射チャンバ内の長い経路を、例えば旋回運動でたどることができ、それにより、導入された液体は、適切な消毒を確保するのに十分な長い時間、照射デバイスによって照射され得る。
【0010】
次いで、流量制限機構は、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値以上になるときに、液体出口を介した、制限流量(例えば、ゼロ又はごくわずか)よりも高い排出流量での液体流を可能にする。例えば、制限流量がゼロであった場合、消毒された液体は、液体出口を介して、したがって、照射チャンバから流れ始めることができる。液体出口の下流で、消毒された液体は、飲料調製ユニットに、及びおそらくは製品容器に注入されて、安全かつ衛生的に飲料を調製することができる。
【0011】
よって、消毒ユニットは、飲料調製マシンへの最適な機械的組み込みを可能にしつつ、飲料調製前及び/又は中に、導入された液体及び液体受容構成要素の消毒を確実に向上することができる。
【0012】
様々な実施態様では、流量制限機構は、制限流量が、液体入口を介した液体流量の0%~80%、好ましくは20%~80%、より好ましくは20%~60%の範囲にあるように構成されている。
【0013】
したがって、そのような制限流量は、照射チャンバ内の乱流又は回転流の形成によって液体が集中的に消毒されるように、圧力が照射チャンバ内に急速に蓄積することを確実にし得る。
【0014】
具体的には、液体出口を介した液体流量及び液体入口を介した液体流量は、飲料調製の通常の条件下で、例えば、液体入口を介して流れる液体中の圧力が4バール~5バールの範囲であるときに測定されてもよい。
【0015】
様々な実施態様では、流量制限機構は、排出流量が、液体入口を介した液体流量の約100%になるように構成されてもよい。
【0016】
したがって、乱流回転又は回転流体運動が照射チャンバ内で確立され、これは、照射チャンバ内の液体の滞留時間を増加させる、したがって、液体が受ける照射線量を増加させるのに役立つ。また、排出流量は、容器内の粉末を効率的に溶解し得る。排出流量は、例えば、構成及びサービスパラメータに応じて、液体入口を通る液体流量の前述の100%の値辺りでいくらかの変動を呈してもよい。
【0017】
いくつかの実施態様では、照射チャンバと流量制限機構との間の流れの長さは、照射チャンバの最長寸法の0%~100%、好ましくは0%~50%、より好ましくは0%~25%の範囲であってもよい。したがって、流量制限機構は、照射チャンバ近傍又は照射チャンバに配置されてもよく、それにより、流量制限機構の圧力が予め定められた閾値に達する前に、液体出口を介して排出される液体の体積をごくわずかの値に制限する。
【0018】
好ましくは、排出ラインは、微生物の成長に利用可能な内面を最小化することによって、排出ラインにおける微生物の成長を最小限に抑えるために、可能な限り短い(長さ)及び狭い(断面積)に寸法決めされてもよい。放出ラインは、流量制限機構と飲料調製ユニットとの間に延在する最後の流体部分を表し得る。
【0019】
いくつかの実施態様では、流量制限機構は、照射チャンバを囲む壁に組み込まれてもよい。あるいは、流量制限機構は、照射チャンバに直接固定されてもよい。したがって、そのような構成は、流量制限機構の圧力が予め定められた閾値に達する前に、液体出口を介して排出される液体の体積を最小限に抑えるのに役立つ。
【0020】
いくつかの実施態様では、照射チャンバと流量制限機構との間の流路は、直線に沿って延在してもよい。あるいは、照射チャンバと流量制限機構との間の流路は、曲線に沿って延在してもよい。
【0021】
様々な実施態様では、流量制限機構は、0.28mm2~0.79mm2、好ましくは0.28mm2~0.50mm2、より好ましくは0.35mm2~0.43mm2の範囲、更により好ましくは約0.38mm2に等しい断面積を有してもよい。
【0022】
よって、流量制限機構内のそのような断面積は、液体出口を介して排出される液体流を適切に制限することができる。実際、上記の断面積は、i)液体流を十分に制限せず、したがって十分に消毒されない液体流を飲料調製ユニットに向かって流す可能性のある流量制限機構と、ii)液体流を過度に制限し、したがって飲料調製ユニット、及び最終的に製品容器に向かう液体速度を低下させる可能性がある流量制限機構、との間でバランスをとることができる。実際には、容器内の製品の適切な溶解を確実にする水噴霧を形成するために、十分に高い液体速度が必要とされ得る。
【0023】
いくつかの実施態様では、照射デバイスは、UV光源、好ましくは少なくとも1つのUVLED、より好ましくは、例えばUVLEDのアレイとして配置されたいくつかのUVLEDを備えてもよい。少なくとも1つのUVLEDは、UV光を放射するように構成された固体エレクトロルミネッセンスダイオードから構成されてもよい。LEDは、UVB-UVCスペクトル(255~300nm)内の単分散光スペクトル、例えば、265nm又は280nmを中心とするスペクトルを提供するように選択されてもよい。したがって、UVLEDは、コンパクトに配置することができ、よって、飲料調製マシンへの組み込みを簡易化することができる。
【0024】
いくつかの実施態様では、照射デバイスは、約20~80mW/cm2のフルエンスを有する消毒放射線及び少なくとも40~90mJ/cm2のフルエンス率を呈するように構成されてもよい。したがって、照射デバイスは、典型的には、MS2ファージ(サロゲートウイルス)については約Log4~Log5で、及び細菌の大半についてはLog5対Log6のかなり高い程度の消毒を提供する。
【0025】
消毒ユニットを通して圧送されるとき、液体は照射チャンバ内で消毒放射線にさらされる。消毒度は、1)放射される消毒放射線のフルエンス又はパワー(mW/cm2)、及び2)曝露時間又は線量又はフルエンス率(mJ/cm2)に依存する。フルエンス率又はフルエンスが高いほど、導入される液体の消毒の程度が高まる。
【0026】
したがって、照射デバイスは、照射チャンバと、その中に受け入れられた導入液体とを適切に照射することができる。
【0027】
いくつかの実施態様では、照射チャンバは、実質的に球状形状、好ましくは球形を有してもよい。そのような形状により、照射デバイスが、直接及び/又は照射チャンバを画定する壁上の反射によって、照射チャンバの表面及び体積のほとんど又は全てに到達することが可能になる。したがって、照射チャンバ及びその中に受け入れられた導入液体は、集中的に消毒することができる。
【0028】
いくつかの実施態様では、照射デバイスは、照射チャンバの側面を画定してもよい。例えば、照射デバイスによって画定される表面は、消毒ユニットがサービス構成にあるときに垂直に延在してもよい。いくつかの実施態様では、照射デバイスの表面は、実質的に平面状であってもよい。
【0029】
いくつかの実施態様では、照射チャンバを画定する壁は、UV放射を反射する材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むか又はPTFEで構成される材料で作製されてもよい。
【0030】
様々な実施態様では、流量制限機構は、逆流阻止バルブを含んでもよく、逆流阻止バルブは、好ましくは、照射チャンバに対して下流方向にのみ開放するように構成されている。
【0031】
したがって、流量制限機構は、照射チャンバから分離され、照射チャンバに固定されてもよい。例えば、逆流阻止バルブは、消毒ユニットの隣に又は消毒ユニットから離れて位置する飲料調製ユニットに組み込まれてもよい。
【0032】
いくつかの実施では、流量制限機構は、調節可能な断面を有してもよい。例えば、消毒ユニットは、制御信号に応じて調節可能な断面を調節又は変更するように構成されたアクチュエータを更に備えてもよい。
【0033】
様々な実施態様では、予め定められた閾値は、2バール~8バール、好ましくは4バール~5バールの範囲であってもよい。
【0034】
したがって、予め定められた閾値により、圧力が照射チャンバ内で急速に蓄積され、したがって、導入された液体を集中的に消毒することが可能になる。
【0035】
様々な実施態様では、液体出口は、照射チャンバの最下領域に、より好ましくは照射チャンバの最下位近傍又は最下位に位置してもよい。
【0036】
したがって、重力が、排出された液体が液体出口を介して流れるのを助けることができる。
【0037】
本開示において、「最上」、「最下」、「上」、「下」、「上方」などの用語は、消毒ユニットのサービス構成、したがって、飲料調製マシン内で組み立てられると、飲料を調製するために液体がそこを通って流れる構成を指す。本開示において、「上流」及び「下流」という用語は、飲料の調製中の液体の流れの方向を指す。例えば、液体供給部は、消毒ユニットの上流に位置する。
【0038】
様々な実施態様では、液体入口は、照射チャンバの側部領域に、好ましくは液体出口から離れて、より好ましくは液体出口の実質的に反対側に位置してもよく、液体入口は、好ましくは照射デバイスに向かって配向されている。
【0039】
様々な実施態様では、消毒ユニットは、空気を照射チャンバに入れ、液体出口を介して液体を照射チャンバから排出するための空気入口を更に備えてもよく、空気入口が、好ましくは、照射チャンバの最上領域、より好ましくは照射チャンバの最上位近傍又は最上位に位置する。
【0040】
したがって、空気入口を介して導入された空気は、照射チャンバを空にするのに役立ち得る。更に、照射チャンバは、導入された空気によって排液及び乾燥され、次いで、飲料の調製後、したがって次の飲料の調製前に照射デバイスによって消毒されてもよい。
【0041】
様々な実施態様では、消毒ユニットは、空気入口に流体接続された逆流阻止バルブを更に備えてもよく、逆流阻止バルブは、好ましくは照射チャンバを画定する壁に取り付けられ、逆流阻止バルブの湿潤性表面のほとんど又は全てが、照射デバイスの放射線に部分的に又は完全にさらされるように、逆流阻止バルブが、好ましくは照射チャンバ近傍又は照射チャンバに配置されている。
【0042】
いくつかの実施態様では、照射デバイスは、液体出口から離れるように照射チャンバに対して配置されてもよく、照射デバイスは、好ましくは空気入口の反対側に配置され、照射デバイスは、好ましくは照射チャンバの側部領域に及び/又は液体入口の隣に位置する。
【0043】
したがって、空気入口及び逆流阻止バルブの湿潤性表面は、照射デバイスによって適切に消毒され得る。
【0044】
様々な実施態様では、照射デバイスは、液体出口から離れるように照射チャンバに対して配置されてもよく、照射デバイスは、好ましくは液体出口の反対側に配置され、照射デバイスは、好ましくは照射チャンバの側部領域に及び/又は液体入口の隣に位置する。
【0045】
したがって、液体出口及び空気入口の湿潤性表面は、照射デバイスによって消毒され得る。これらの湿潤性表面は、デッドボリュームを形成する際に、導入された液体と接触し得る表面である。好ましくは、液体出口及び空気逆流阻止バルブの湿潤性表面は、照射デバイスに向けて配向される。
【0046】
いくつかの実施態様では、照射デバイスは、放射される消毒放射線を通過させるための保護窓を備えてもよく、保護窓は、照射チャンバを照射デバイスの残りの部分から流体的に分離するように配置されている。したがって、保護窓は、照射チャンバを照射するために放射線を通過させつつ、照射デバイスを保護することができる。いくつかの実施態様では、保護窓は、石英で作製されてもよい。
【0047】
いくつかの実施態様では、照射デバイスは、照射チャンバに対して保護窓の周縁部を封止するように配置された封止部材を備えてもよい。好ましくは、封止部材は、保護窓の近傍又は保護窓の照射チャンバを画定する壁と同一平面に配置されてもよい。したがって、保護窓の周囲にデッドボリュームが形成されず、微生物の成長を回避する。
【0048】
いくつかの実施態様では、照射チャンバは、照射チャンバを実質的に囲むように一緒に組み立てられた少なくとも2つの部分によって画定されてもよく、消毒ユニットは、少なくとも2つの部分の間に配置された封止要素を更に備え、封止要素は、封止要素近傍に照射チャンバを画定する壁と同一平面に配置され、また、封止要素は、放射線に少なくとも部分的に露出されるように配置されている。したがって、封止要素の周囲にデッドボリュームが形成されず、微生物の成長を回避する。
【0049】
いくつかの実施態様では、液体入口は、液体を、照射チャンバの表面に対して実質的に接線方向に、好ましくは、照射チャンバの側部領域の表面に対して接線方向に、又は照射デバイスの表面に対して接線方向に導入するように構成されてもよい。
【0050】
照射チャンバの表面に対して接線方向に導入されるため、液体は、特に照射チャンバが液体で満たされている場合、照射チャンバ内の回転流を促進することができる。したがって、照射チャンバ内に受け入れられた導入液体は、適切な滞留期間中に消毒され得る。
【0051】
本発明の別の実施形態は、飲料調製マシンを提供し、飲料調製マシンは、
飲料を調製するために、飲料調製ユニットに送達される液体を消毒するための消毒ユニットであって、消毒ユニットが、ある量の液体を受け入れるように構成された照射チャンバを備え、照射チャンバが、i)液体を照射チャンバに導入するための液体入口と、ii)導入された液体を照射チャンバから排出するための液体出口と、を備え、消毒ユニットが、照射チャンバ内の液体を消毒するように、照射チャンバに消毒放射線を放射するように構成された照射デバイスを更に備える、消毒ユニットと、
消毒された液体で飲料を調製するために液体出口に流体接続された飲料調製ユニットと、
液体入口に流体接続され、液体入口、照射チャンバ、及び液体出口を介して飲料調製ユニットに液体を供給するように構成された液体供給ユニットと、
照射チャンバと飲料調製ユニットとの間に配置された流量制限機構であって、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、液体出口を介した液体流を制限流量まで制限し、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値以上であるときに、制限流量よりも高い排出流量での液体出口を介した液体流を可能にするように構成されている、流量制限機構と、
を備える。
【0052】
よって、飲料調製マシンは、消毒ユニットの最適な機械的組み込みを可能にしつつ、飲料調製前及び/又は中に、液体及び液体受容構成要素の消毒を確実に向上することができる。
【0053】
いくつかの実施態様では、飲料調製マシンは、
消毒ユニットを介して液体を飲料調製ユニットに向かって移動させるように構成された液体ポンプと、
液体供給部と消毒ユニットとの間に配置された加熱システムであって、飲料の調製中に液体を加熱するように構成されている、加熱システムと、
空気を空気入口に向けて移動させるように構成された空気ポンプと、
液体供給ユニット、空気供給部、飲料調製ユニット、及び消毒ユニットのうちの少なくとも1つを制御するように構成されているマシン制御ユニットと、
のうちの少なくとも1つを更に備えてもよい。
【0054】
いくつかの実施態様では、飲料調製マシンは、液体出口と飲料調製ユニットを流体接続する放出ラインに配置された端部バルブ、好ましくは逆止弁を更に備えてもよく、端部バルブは、液体出口から飲料調製ユニットまで一方向にのみ、及び端部バルブを通る圧力差が予め定められた圧力差閾値を超えるときのみ、開放するように構成されている。
【0055】
様々な実施態様では、消毒ユニットは、飲料調製ユニット及び液体供給ユニットのうちの少なくとも1つの上方に位置してもよく、消毒ユニットは、好ましくは、飲料調製マシンの最上位に位置する。
【0056】
消毒ユニットが飲料調製ユニットの上方にあるため、重力が、照射チャンバを空にし、照射チャンバから放出ライン及び飲料調製ユニットへ液体を排出することを促進することができる。
【0057】
いくつかの実施態様では、消毒ユニットは、飲料調製マシンのヘッド上に位置してもよい。
【0058】
様々な実施態様では、飲料調製マシンは、液体出口と飲料調製ユニットを流体接続する排出ラインを更に備えてもよく、排出ラインが、好ましくは排出ラインにおける微生物の成長を最小限に抑えるための第1の要件と、排出ラインにわたる圧力降下を最小限に抑えるための第2の要件と、にしたがって寸法決めされる。
【0059】
放出ラインの寸法は、その中の微生物の成長を最小限に抑えるための要件と、ポンプが最小圧力降下で好適な液体流量を圧送するための要件との間の妥協点として選択される。
【0060】
様々な実施態様では、飲料調製マシンは、液体出口と飲料調製ユニットを流体接続する放出ラインの少なくとも一部に熱を伝達するように配置された加熱デバイスを更に備えてもよく、放出ラインは、好ましくは伝熱性材料から作製される。
【0061】
したがって、加熱装置は、飲料調製後、中の微生物の成長を回避するために、排出ラインを効率的に乾燥させて消毒することができる。
【0062】
したがって、放出ラインは、例えば、飲料の調製前及び/又は調製後に、熱によって消毒され得る。放出ラインがかなり高い熱伝導率を有する場合、加熱デバイスによって局所的に伝達される熱が放出ライン全体に広がることによって、完全な消毒を達成することができる。
【0063】
いくつかの実施態様では、放出ラインは、例えばステンレス鋼で作製された金属管で作製されてもよい。いくつかの実施態様では、加熱デバイスは、
放出ラインの近傍又は周囲に配置された加熱要素であって、加熱要素が、好ましくは、カートリッジ、円環、円筒、又は螺旋の形状を有する、加熱要素と、
加熱要素又は放出ラインの一部の温度を測定するように配置された温度センサであって、任意選択的に、NTCタイプの熱測定抵抗又は熱電対である温度センサと、
放出ライン内に存在する液体を65℃~90℃の範囲の温度まで加熱するように、加熱要素の温度を制御するように構成された熱制御ユニットと、を備えてもよい。
【0064】
本発明の更なる実施形態は、飲料を調製するための方法を提供し、該方法は、
前述のように飲料調製マシンを提供する工程と、
液体入口を介して液体を照射チャンバに送達するように液体供給ユニットを作動させる工程であって、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、液体出口を介した液体流を制限流量まで制限する、工程と、
少なくとも照射チャンバへの液体の送達中に、送達される液体を消毒するために照射デバイスを作動させる工程と、
液体供給ユニットを動作させ続ける工程であって、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値以上であるときに、流量制限機構が、液体出口を介して、排出流量での飲料調製ユニットへの液体流を可能にする、工程と、
任意選択的に、流量制限機構を通る圧力差が予め定められた閾値以上になった後に、液体入口を介して照射チャンバに供給される液体流を増加させる工程と、
任意選択的に、液体出口を介して照射チャンバから排出される前に、液体が予め定められた滞留時間にわたって照射チャンバ内に留まることを可能にするように、液体入口を介して照射チャンバに供給される液体流を調整する工程と、
消毒液を用いて飲料調製ユニット内で飲料を調製する工程と、を含む。
【0065】
したがって、飲料調製方法は、飲料調製前及び/又は中に、液体及び液体受容構成要素の消毒を確実に向上させることができる。
【0066】
本出願に記載される全てのデバイス、要素、構成要素、部材、ユニット、及び手段は、実施態様の任意の技術的に適用可能な組み合わせで実施され得ることに留意されたい。本出願に記載される様々な実体によって実行される全ての工程、及び様々な実体によって実行されるように記載される機能は、それぞれの実体がそれぞれの工程及び機能を実行するように適合又は構成されていることを意味することを意図する。特定の実施形態の以下の説明において、外部実体によって実行される特定の機能又は工程は、その特定の工程又は機能を実行するその実体の特定の詳細な要素の説明には反映されていないが、当業者にとっては、これらの方法及び機能が実施態様の任意の技術的に適用可能な組み合わせで実施され得ることは明らかなはずである。
【0067】
本発明の上記の態様及び実施態様は、添付図面を参照して、特定の実施形態及び態様の以下の説明において記載する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】本発明の一実施形態による消毒ユニットを示す概略斜視図である。
【
図2】
図1とは異なる角度から見た
図1の消毒ユニットを示す概略斜視図である。
【
図3】
図1の平面IIIに沿った
図2の消毒ユニットを示す概略断面斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による、
図1の消毒ユニットを含む飲料調製マシンを示す概略水力学図である。
【
図5】飲料調製中の
図4の飲料調製マシンを示す概略水力学図である。
【
図6】飲料調製後及び排液プロセス中の
図4の飲料調製マシンを示す概略水力学図である。
【
図7】
図1の消毒ユニットを含む
図4の飲料調製マシンの一部を示す概略斜視図である。
【
図8】
図7とは異なる角度から見た、
図1の消毒ユニットを含む
図4の飲料調製マシンの一部を示す概略斜視図である。
【
図9】
図7及び
図8とは異なる角度から見た
図7の飲料調製マシンの一部を示す概略斜視図である。
【
図10】
図7~
図9とは異なる角度から見た
図7の飲料調製マシンの一部を示す概略斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態による飲料調製方法を示す概略フローチャートである。
【
図12】
図11の飲料調製方法で実行される排液プロセスを詳細に示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1~
図3は、飲料を調製するために、
図4~
図6に示される飲料調製ユニット102に送達される液体を消毒するための消毒ユニット1を示す。例えば、消毒ユニット1は、飲料調製ユニット102が乳児用フォーミュラ組成物を封入する図示されない製品容器を受け入れるときに乳児用フォーミュラ調製物を調製するために使用されてもよい。
図1~
図3では、消毒ユニット1がサービス構成で表されている。
【0070】
消毒ユニット1は、液体を受け入れるように構成された照射チャンバ2を備える。照射チャンバ2は、液体を照射チャンバ2に導入するための液体入口10を備える。照射チャンバ2は、導入された液体を照射チャンバ2から排出するための液体出口12を備える。
【0071】
液体入口10は、照射チャンバ2の側面領域2.3、具体的には、実質的に照射チャンバ2の中間高さに位置する。液体入口10は、液体出口12から離れていてもよく、好ましくは反対側にあってもよい。液体入口10は、照射デバイス4によって照射及び消毒されるように照射デバイス4に向けて配向されてもよい。
【0072】
液体出口12は、照射チャンバ2の最下領域2.1に位置する。液体出口12は、照射チャンバ2の最下位近傍又は最下位に位置してもよい。液体出口12及び液体入口10は、実質的に反対側に配置されてもよい。導入された液体は、照射チャンバ2内の長い経路を、例えば、旋回運動でたどることができ、それにより、適切な消毒を確保するのに十分な長い時間照射され得る。
【0073】
消毒ユニット1は、照射チャンバ2に消毒放射線を放射するように構成された照射デバイス4を更に備える。照射デバイス4は、照射チャンバ2の側部領域2.3及び液体入口10の隣に位置してもよい。照射デバイス4は、液体出口12から離れて、好ましくは液体出口12と実質的に反対側に配置されてもよい。
【0074】
照射デバイス4は、約20~80mW/cm2のフルエンス及び少なくとも40~90mJ/cm2のフルエンス率を有する消毒放射線を放射するように構成されてもよく、したがって、かなり高度の消毒を可能にする。
【0075】
図6に示されるように、照射デバイス4は、4つのUVLED6のアレイを含むUV光源を含むことができ、そのうちの2つが
図5に示される。UVLEDは、固体エレクトロルミネッセンスダイオードから構成され、UVB-UVCスペクトル(255~300nm)内の単分散光スペクトルを提供するように選択されてもよい。UVLED6は、9V~12Vの電圧及び少なくとも1.2Aの電流を提供する図示されないDC電源によって電力を供給されてもよい。照射デバイス4の電力消費は、5W~13Wの範囲であってもよい。
【0076】
消毒ユニット1は、UVLED6が適切に動作し続けることを確実にするために、UVLED6の実際の放射線、例えば、フルエンスを表す評価を提供するように構成された図示されないUVセンサを更に含むことができる。
【0077】
液体出口12は、流量制限機構12.1を含み、流量制限機構は、
流量制限機構12.1を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、液体出口12を介した液体流量を制限流量まで制限し、
流量制限機構12.1を通る圧力差が予め定められた閾値以上であるときに、液体出口12を介した、制限流量よりも高い排出流量での液体流を可能にする、ように構成されている。
【0078】
具体的には、予め定められた閾値は、約4バールに選択されてもよい。
【0079】
具体的には、流量制限機構は、流量制限機構12.1を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、液体出口12を通る制限流量が、液体入口10を通る液体流量の0%~80%の範囲、例えば20%となるように構成されてもよい。加えて、流量制限機構12.1は、排出される流量が、液体入口10を介した液体流量の約100%となるように構成されてもよい。
【0080】
照射チャンバ2と流量制限機構12.1との間の流れの長さは、照射チャンバ2の最長寸法L2の0%~100%の範囲、例えば、約5%であってもよい。流量制限機構12.1は、照射チャンバ2近傍又は照射チャンバ2に配置されてもよい。流量制限機構12.1は、直線に沿って延在してもよい。
【0081】
流量制限機構12.1は、液体入口の断面積の約A1%の断面積を有してもよい。流量制限機構12.1は、約0.38mm2の断面積を有してもよい。
【0082】
図1~
図4の例では、流量制限機構12.1は、照射チャンバ2を囲む壁に一体化されている。流量制限機構12.1は、少なくとも1つの制限された断面12.2によって形成されてもよい。加えて、
図1~
図4の実施例では、照射チャンバ2を囲む壁は、図示されないコネクタ又は逆流阻止バルブを締めるように構成された穴12.2及び12.3、例えば、ねじ穴を有してもよい。
【0083】
照射チャンバ2は、特に飲料の調製後、空気を照射チャンバ2に入れ、液体出口12を介して照射チャンバ2から液体を排出するための空気入口14を更に備えてもよい(
図5)。空気入口14は、最上領域2.2内に、好ましくは照射チャンバ2の最上位近傍又は最上位に位置してもよい。空気入口14は、
図1~
図4のように、照射チャンバ2の最上位に位置してもよい。照射デバイス4は、空気入口14から離れて、好ましくは空気入口14の実質的に反対側にあってもよい。
【0084】
消毒ユニット1は、空気入口14に流体接続された逆流阻止バルブ20を更に備えてもよい。逆流阻止バルブ20は、照射チャンバ2を画定する壁に取り付けられてもよい。逆流阻止バルブ20の湿潤性表面のほとんど又は全てが照射デバイス40の照射に部分的に又は完全にさらされ得るように、逆流阻止バルブ20が、照射チャンバ2の近傍又は照射チャンバ2に配置されてもよい。照射デバイス4の反対側への空気逆流阻止バルブ20の配置は、空気逆流阻止バルブ20の湿潤性表面の消毒を向上させる。
【0085】
図1~
図4の実施例では、照射チャンバ2は、液体入口10、空気入口14、及び液体出口12を含む3つのポートを有してもよい。これら3つのポートはそれぞれ、照射チャンバ2内に出現してもよく、又は照射チャンバ2に直接接続されてもよい。
【0086】
液体入口10は、好ましくは最下領域2.1の照射チャンバ2の表面に対して実質的に接線方向に液体を導入するように構成されてもよい。液体は、液体が適切な滞留期間中に消毒され得るように、照射チャンバ2内の回転流を促進することができる。
【0087】
照射デバイス4は、放射された消毒放射線を通過させるための保護窓16を備えてもよい。保護窓16は、照射チャンバ2を照射デバイス4の残りの部分から分離するように配置されてもよい。
【0088】
照射デバイス4は、照射チャンバ2に対して保護窓16の周縁部を封止するように配置された封止部材18を更に備えてもよい。保護窓16及び封止部材18は、照射デバイス4と一体的に組み立てられてもよい。
【0089】
保護窓16は、照射デバイス4、特にUVLED6を、照射チャンバ2内に受け入れられた導入液体から流体的に分離するように配置されてもよい。保護窓16は、石英で作製されてもよい。
【0090】
封止部材18は、照射チャンバ2内に受け入れられた導入液体に対して保護窓16を封止するように配置されてもよい。封止部材18は、保護窓16近傍又は保護窓16において照射チャンバ2を画定する壁と同一平面に配置されてもよい。したがって、保護窓16の周囲にデッドボリュームが形成されず、微生物の成長を回避する。
【0091】
照射チャンバ2の形状は、照射デバイス4が照射チャンバ2の表面及び体積のほとんど又は全てに到達することを可能にするように設計されている。したがって、照射チャンバ及びその中に受容された導入された液体は、適切に消毒され得る。
【0092】
照射チャンバ2は、実質的に球状の形状を有してもよい。
図1~
図4の照射チャンバ2を画定する表面は、照射デバイス4の上面4.1を除いて、球形を形成してもよい。実際に、上面4.1は実質的に平面であり、消毒ユニット2がサービス構成にあるときに(
図3及び
図4)実質的に水平に延在してもよい。上面4.1は、保護窓16によって画定されてもよい。
【0093】
UVLED6は、照射チャンバ2を形成する表面のほとんど又は全てを覆う立体角で消毒放射線を放出するように構成されてもよく、その表面は、
図1~
図4の照射チャンバ2の球形を画定する。
【0094】
更に、照射チャンバ2を画定する壁は、UV放射線を反射する材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む材料で作製されてもよい。UV放射線の反射は、照射チャンバ2の体積及び表面の消毒を向上させることができる。特に、反射されたUV放射線は、UVLED6によって放射されるUV放射線によって直接照射されない照射チャンバ2のコンパートメントに到達し得る。
【0095】
照射デバイス4は、照射チャンバ2の側面を画定してもよい。照射デバイスによって画定されるこの側面は、消毒ユニット1がサービス構成にあるときに垂直に延在してもよい。照射デバイス4のこの側面は、実質的に平面状であってもよい。
【0096】
照射デバイス4は、UVLED6が配置され得るPCB(プリント回路基板)4.2を含んでもよい。PCB4.2は、アルミニウム又はアルミニウム合金基板で形成されてもよい。PCB4.2は、図示されていないUVセンサを組み込んでもよい。照射デバイス4は、UVLED6によって発生した熱を排出するために、PCB4.2が取り付けられ得るヒートシンク4.4を更に含んでもよい。UVLED6を冷却すると、それらの性能の劣化及び光スペクトルのシフトが回避され、それにより、信頼性の高い消毒性能が得られる。
【0097】
また、消毒ユニット1に入る液体は、UVLED6によって生成された熱の一部又は全部を排出するための冷却剤として機能することができる。消毒ユニット1を通って流れる液体の体積は非常に大きいため、この排熱は液体の温度にあまり影響を及ぼさない。
【0098】
PCB4.2は、UVLED6の温度を表す信号を送達するように構成されたNTC温度センサを含んでもよい。この信号は、UVLED6の温度を監視することができるため、安全チェックを管理するために使用され得る。好ましくは、UVLED6の温度は55℃を超えるべきではない。
【0099】
照射チャンバ2は、少なくとも2つの部分、例えば、第1の部分2.10及び第2の部分2.12によって画定されてもよい。
図1~
図4の実施例では、第1の部分2.10は液体入口10を収容し、第2の部分2.12は液体出口12を収容する。第1の部分2.10及び第2の部分2.12は、照射チャンバ2を実質的に囲むように一緒に組み立てられてもよい。
【0100】
消毒ユニット1は、第1の部分2.10と第2の部分2.12との間に配置された封止要素22を更に備えてもよい。封止要素22は、封止要素22の近傍又は封止要素22において照射チャンバ2を画定する壁と同一平面に配置されてもよい。加えて、封止要素22は、UVLED6によって放射されるUV放射線に少なくとも部分的にさらされるように配置されてもよい。したがって、封止要素22の周囲にデッドボリュームが形成されず、微生物の成長を防止する。
【0101】
図3及び
図4に示すように、消毒ユニット1は、図示されない液体入口コネクタ、図示されない液体出口コネクタ、及び空気入口コネクタ20を更に備えてもよい。それぞれの流路は、i)液体入口コネクタを液体入口10に流体接続するように、ii)液体出口コネクタを液体出口12に流体接続するように、及びiii)空気入口コネクタ20を空気入口14に流体接続するように、第1の部分2.10及び第2の部分2.12を通って延在してもよい。
【0102】
図4~
図6は、ある量の液体を飲料調製ユニット102、及びそこから図示されない製品容器に送達することによって飲料を調製するための飲料調製マシン101を示す。
【0103】
飲料調製マシン(101)は、
消毒ユニット1と、
消毒液体で飲料を調製するために液体出口12に流体接続された飲料調製ユニット102と、
液体入口10に流体接続され、i)液体入口10、ii)照射チャンバ2、及びiii)液体出口12を介して液体を飲料調製ユニット102に供給するように構成された液体供給ユニット103と、
照射チャンバ2と飲料調製ユニット102との間に配置された流量制限機構12.1と、を備える。
【0104】
飲料調製マシン101は、液体出口12と飲料調製ユニット102を流体接続する排出ライン122を更に備えてもよい。放出ライン122は、排出ライン122内の微生物の成長を最小限に抑えるための第1の要件、及び排出ライン122、したがって液体ポンプ112にわたる圧力降下を最小限に抑えるための第2の要件にしたがって寸法決めされてもよい。
【0105】
消毒ユニット1は、飲料調製ユニット102及び液体供給ユニット104のうちの少なくとも1つの上方に位置してもよい。消毒ユニット1は、
図7~
図10に例示されるように、飲料調製マシン101の最上位置、例えば、飲料調製マシン101のヘッド101.1上の最上位置に位置してもよい。消毒ユニット1が飲料調整ユニット102の上方にあるとき、重力は、液体入口10を介した照射チャンバ2からの液体の排出、及び飲料調製ユニット102に向けた、及びそこから製品容器への放出ライン122の排液を促進することができる。
【0106】
液体供給ユニット103は、液体を誘導するように構成された少なくとも1つの供給ラインと、この供給ライン内の液体を移動させるように構成された液体ポンプ112と、を備えてもよい。飲料調製ユニット102は、製品容器を受け入れるように構成されてもよい。液体ポンプ112は、栄養要素を適切に溶解又は抽出するように、特に製品容器において高速を達成するために、5バールより高い圧力下で液体を飲料調製ユニット102に供給するように構成されてもよい。液体ポンプ112は、例えば、EK2型ピストンポンプであってもよい。
【0107】
飲料調製マシン101は、空気入口14を介して空気を照射チャンバ2に入れ、液体出口12を介して照射チャンバ2から液体を排出するように、空気入口14に流体接続された空気供給部108を更に備えてもよい。空気供給部108は、空気を誘導するための少なくとも1つの流体ラインと、この流体ライン内の空気を移動させるように構成された空気ポンプ116と、を備えてもよい。空気入口14に入る空気は、例えば、0.5バール~2.0バールの空気圧下での圧縮空気であってもよい。
【0108】
飲料調製ユニット102は、
図4~
図6、
図8、及び
図9に示されるように、製品容器を開放する開放デバイス、例えば、中空針118を備えてもよい。中空針118は、製品容器の蓋を穿孔し、その中に液体を注入するように構成されてもよい。飲料調製ユニット102は、製品容器を開放するように開放デバイスを作動させるように構成された図示されない開口アクチュエータを更に備えてもよい。
【0109】
飲料調製マシン101は、上流ダクト120と放出ライン122を更に備えてもよく、それらは消毒ユニット1の上流及び下流にそれぞれ配置される。上流ダクト120は、液体入口10に流体接続されてもよく、放出ライン122は、液体出口12に流体接続されてもよい。
【0110】
上流ダクト120は、液体供給ユニット103によって供給される液体を消毒ユニット1に誘導するように配置されてもよい。液体供給ユニット103は、液体タンク104、例えば水タンクを備えてもよく、液体は水道水であってもよい。放出ライン122は、中空針118を介して、消毒ユニット1と飲料調製ユニット102との間、及びそこから中空針を介して図示されない製品容器へと液体を誘導するように構成されてもよい。
【0111】
図4~
図6に示すように、飲料調製マシン101は、
液体供給ユニット103と消毒ユニット1との間に配置された加熱システム130であって、飲料の調製中に液体を加熱するように構成されている、加熱システム130と、
消毒ユニット1、したがって、照射デバイス4、液体ポンプ112、空気ポンプ116、加熱システム130、及び逆止弁20とのうちの少なくとも1つを制御するように構成されたマシン制御ユニット132と、
液体の流量を測定するために、液体タンク104と液体ポンプ112との間に配置された流量計134と、を更に含んでもよい。
【0112】
加熱システム130及び流量計134は、液体供給ユニット103と液体入口10を流体的に接続する供給ラインに流体接続されている。マシン制御ユニット132は、加熱システム130、流量計134、液体ポンプ112、及び空気ポンプ116を制御するように構成されてもよい。
【0113】
図10に示すように、飲料調製マシン101は、放出ライン122の少なくとも一部、例えば、実質的に放出ライン122全体に熱を伝達するように配置された加熱デバイス136を更に備えてもよい。放出ライン122は、例えば、金属、特にステンレス鋼などの伝熱性材料で作製されてもよい。加熱デバイス136は、部分的な
図7、
図8、及び
図9に示されていない。
【0114】
加熱デバイス136は、加熱要素、温度センサ、及び熱制御ユニットを備えてもよい。加熱要素は、放出ライン122の周りに配置されてもよく、カートリッジヒータの形状を有してもよい。温度センサは、加熱要素又は放出ライン122の一部の温度を測定するように配置されてもよい。温度センサは、NTC型の熱測定抵抗であってもよい。熱制御ユニットは、放出ライン122内に存在する液体を65℃~90℃の範囲、例えば約75度の温度まで加熱するように、加熱要素の温度を制御するように構成されてもよい。
【0115】
飲料調製マシン101は、液体出口12と飲料調製ユニット102を流体接続するラインに配置された端部バルブ140を更に備えてもよい。端部バルブ140は、液体出口12から飲料調製ユニット102まで一方向にのみ、及び端部バルブ140を通る圧力差が、例えば、約4バールの予め定められた圧力差閾値を超えるときにのみ開放するように構成されてもよい。
図4及び
図6の実施例では、端部バルブ140は、逆止弁又は逆流阻止バルブであってもよく、開放デバイス(中空針118)のすぐ上流に位置してもよい。
【0116】
飲料調製マシン101がサービス中であり、飲料を調製しているとき、流量制限機構12.1は、液体を照射チャンバ2内の長い旋回経路に沿って進ませることができる。したがって、液体は、適切に消毒されるのに十分に長い時間照射され得る。次いで、流量制限機構12.1は、消毒液が飲料調製ユニット102内に注入され、次いで製品容器に入り飲料を調製するように、高い液体流量を可能にし得る。
【0117】
飲料調製マシン101がサービス中であるとき、液体を飲料調製ユニット102に送達することによって飲料を調製するための一実施形態による飲料調製方法を実行することができる。飲料調製方法は、
液体入口10を介して液体を照射チャンバ2に送達するように前記液体供給ユニット103を作動させる工程であって、流量制限機構12.1が、流量制限機構12.1を通る圧力差が予め定められた閾値未満であるときに、液体出口12を介した液体流を制限流量まで制限する、工程と、
少なくとも照射チャンバ102への液体の送達中に、送達される液体を消毒するために照射デバイス4を作動させる工程と、
液体供給ユニット103を動作させ続ける工程であって、流量制限機構12.1が、液体出口(12)を介して、流量制限機構12.1を通る圧力差が予め定められた閾値以上であるときに、排出流量での飲料調製ユニット(102)への液体流を可能にする、工程と、
好ましくは、流量制限機構12.1を通る圧力差が予め定められた閾値以上になった後に、液体入口10を介して照射チャンバ2に供給される液体流を増加させる工程と、
任意選択的に、液体出口12を介して照射チャンバ2から排出される前に、液体が予め定められた滞留時間にわたって照射チャンバ2内に留まることを可能にするように、液体入口10を介して照射チャンバ2に供給される液体流を調整する工程と、
例えば、消毒液体を飲料調製ユニット102に注入することによって、消毒された液体で飲料調製ユニット102内で飲料を調製する工程と、を含む。
【0118】
次いで、飲料を調製するために飲料調製ユニット102、及び場合によっては製品容器に十分な速度で注入されるように、液体を排出して飲料調製ユニット102に流入させてもよい。
【0119】
図11は、飲料調製機101及び消毒ユニット1がサービス中であるときの飲料調製方法201のいくつかの工程を示す。
図11に記載される表示は、単にフローチャートの視認性を高めるために追加されている。
図11に示されない追加の工程が実行されてもよい。
【0120】
飲料調製方法201は、マシン制御ユニット118によって制御されてもよい。照射チャンバ2は、飲料調製方法201の開始時には空である。飲料調製方法201は、以下を含んでもよい。
【0121】
202)飲料調製方法201、したがって飲料調製マシン101も始動する。
【0122】
203)加熱デバイス136は、例えば、約75℃で放出ライン122を加熱することによって、放出ライン122を殺菌するために、短い殺菌期間で作動されてもよい。
【0123】
204)機械ヘッド101.1を抽出位置に配置する。
【0124】
206)乳児用フォーミュラの調製の場合、加熱システム130の目標温度、例えば30~43℃を設定する。
【0125】
208)設定された目標温度に到達したかどうかを確認する。到達していない場合、設定された目標温度に到達するまで待機する。
【0126】
210)照射チャンバ2を液体で充填する前に、照射デバイス4を作動させる、例えば、5秒の第1の期間、UVLED6に電力を供給する。
【0127】
照射デバイス4はまた、液体ポンプ112が作動される前に、飲料調製の開始時、好ましくは少なくとも10秒作動され、次いで、以下に記載されるような排液プロセスを含む飲料調製の最後まで作動させたままにしてもよい。
【0128】
212)照射デバイス4、例えばUVLED6の安全性を確認する。
【0129】
214)照射デバイス4が作動された状態を保つ第1の期間をタイマに設定する。
【0130】
216)第1の期間が終了したかどうかを確認する、又は第1の期間が終了するまで待機する。その場合、設定された目標温度に到達している。
【0131】
218)照射チャンバ2に導入される液体の第1の体積を設定する。第1の体積は、照射チャンバ2の容積に実質的に等しく、又は厳密に等しく設定されてもよい。
【0132】
220)照射チャンバ2を充填するために、ポンプ112を作動させて、液体、例えば水を液体供給部104から圧送し、加熱システム130及び上流ダクト120を通じて液体を押し出す。
【0133】
液体は、例えば、照射デバイス4の上面4.1に対して接線方向の注入方向D10に沿って、液体入口10を通って照射チャンバ2に導入される。液体は、空洞現象による気泡の形成を回避又は最小化し、したがって、照射チャンバ2に導入される液体中のUV光のフルエンス率を最大化するために、例えば50~200mL/分の範囲の低流量で導入されてもよい。
【0134】
照射チャンバ2の充填中、照射チャンバ2内に保持された空気は、液体出口12、飲料調製ユニット102、及び図示されない製品容器に向かって押し出される。液体入口10、液体出口12、及び空気入口14の配置に一部起因して、照射チャンバ2内に空気が残らないため、液体が照射チャンバ2内の過度に短い経路に沿って流れることを回避する。
【0135】
任意選択的に、照射チャンバ2が完全にUV放射線にさらされ、チャンバ内に受け入れられた液体が確実に消毒されるように、飲料調製の開始時に、照射デバイス4を作動させる、例えば、10秒の第2の期間中、UVLED6に電力を供給する。次いで、加熱要素130によって行われる加熱工程中に、照射デバイス4を中断又は停止させてもよい。次いで、照射デバイス4は、液体ポンプ112の作動前に再作動されてもよい。別の実施形態では、第2の期間は、第1の期間に直接続くことができ、したがって、照射デバイス4の連続作動を伴う。これらの任意選択的な工程は、図示されていない。
【0136】
照射デバイス4は、空気ポンプ116による空気の注入中でも、消毒ユニット1が完全に殺菌されることを確実にするために、飲料調製方法201全体にわたって連続的に作動されてもよい(UVLEDオン)。あるいは、第2の期間及び第1の期間は、照射デバイスが作動されていない休止期間によって隔てられてもよい。
【0137】
224)加熱システム130の温度を調整しながら、液体ポンプ112によって第1の体積が送達されたかどうかを確認する、又は第1の体積が送達されるまで待機する。この工程を実行する場合、機械制御ユニット118は、液体ポンプ112を制御する制御ループを介して液体流量を調整するために、流量計134によって送出されたデータを分析してもよい。
【0138】
液体入口10を介して照射チャンバ2に供給される液体流は、液体が液体出口12を介して照射チャンバ2から排出される前に、予め定められた滞留時間の間、液体が照射チャンバ2内に残ることを可能にするように調整されてもよい。したがって、流量を調整することによって、照射チャンバ2内の液体を効率的に消毒するために、適切な滞留時間を確保することができる。
【0139】
226)飲料調製ユニット102内に、及び場合によっては製品容器に供給される液体の第2の体積を設定する。第2の体積は、i)飲料レシピで必要とされる体積と、ii)照射チャンバ2を充填する体積との間の差として設定されてもよい。
【0140】
228)工程220)のように、照射チャンバ2に液体が充填される。液体を飲料調製ユニット102、及びおそらくは製品容器内に押し出し、生成物を適切に溶解又は抽出するために、液体ポンプ112を増加させた流量、例えば400mL/分の最大許容流量で作動させる。
【0141】
液体は、放出ライン122、液体逆流阻止バルブ111、及び開放デバイス(中空針118)を介して、照射チャンバ2の頂部の液体出口12から飲料調製ユニット102及びおそらくは製品容器に向かって流れ出る。よって、液体は、製品容器内の製品を溶解又は抽出することができる。
【0142】
230)加熱システム130の温度を調整しつつ、第2の体積が供給されたかどうかを確認する、又は第2の体積が供給されるまで待機する。
【0143】
232)液体ポンプ112を停止する。
【0144】
234)例えば、標準予熱温度まで、加熱システム130の温度設定点を低下させる。
【0145】
236)照射チャンバ2及び放出ライン122から飲料調製ユニット102及び製品容器に向けて液体を排出するために、排液プロセスを実行する(
図12)。
【0146】
238)溶解又は抽出工程後、及び排液プロセス後、飲料調製方法201が完了し、飲料の飲まれる準備が整う。
【0147】
飲料調製方法201のいくつかの工程は、例えば、工程212)及び214)のように、適宜並行して実行されてもよい。加えて、飲料調製方法201のいくつかの工程は、任意選択的である。
【0148】
図12は、工程236を実施するための排液プロセスの実施形態を示す。次の飲料を調製する準備が整った飲料調製マシン101を設定するために、飲料調製方法201は、上記工程236)で述べたように、以下の排液プロセスを更に含んでもよい。
【0149】
240)排液プロセスを開始する。
【0150】
242)加熱デバイス136を加熱して、放出ライン122を例えば約75℃に加熱する。
【0151】
244)照射チャンバ2、放出ライン122、飲料調製ユニット102、及び製品容器から液体を排出するように空気ポンプ116を作動させる。数秒後、例えば5秒後、照射チャンバ2、排出ライン122、飲料調製ユニット102、及び製品容器が空になる。空気の注入期間は、空気流が照射チャンバ2全体で循環することを確実にするように選択されてもよい。
【0152】
有利には、図示されない監視プラットフォームによって良好な栄養監視が確実に実行されるように、製品容器が完全に空にされ、その監視プラットフォームから、製品の消費量が飲料調製マシン101によって直接アップロードされる。
【0153】
また、空気ポンプ116によって送達される導入空気も、液体入口10及び上流ダクト120を通じて残りの液体を押し出すことによって、照射チャンバ2を空にすることができる。したがって、最上領域2.2での空気入口14の配置は、照射チャンバ2だけでなく、放出ライン122、飲料調製ユニット102及び製品容器を空にすることを容易にする。
【0154】
入口空気の流量は、好ましくは、飲料調製ユニット及び製品容器への液体供給中の液体の流量以下であってもよい。
【0155】
246)飲料調製マシン101の圧力を平衡化するように、例えば3の待ち時間を設定する。一方、加熱デバイス136は、内部での微生物の成長を回避するために、放出ライン120を乾燥させるように始動される。
【0156】
248)待ち時間が経過したかどうかを確認する、又は待ち時間が経過するまで待機する。
【0157】
252)マシンヘッド101.1をスタンバイ位置に配置する。
【0158】
260)空気ポンプ116を停止する。
【0159】
262)照射デバイス4を停止する。
【0160】
264)放出ライン122を乾燥させるために、例えば5分間の乾燥期間をタイマに設定する。
【0161】
266)乾燥期間が経過したかどうかを確認する、又は乾燥期間が経過するまで待機する。
【0162】
268)加熱デバイス136を停止する。
【0163】
270)排液プロセスの終了飲料調製マシン101は、次の飲料を調製する準備が整う。
【0164】
加えて、飲料調製方法201はまた、
図13及び
図14には示されない以下の工程を含んでもよい。飲料調製マシン1及び消毒ユニットを、加熱システム130によって例えば75℃の殺菌温度まで加熱した液体で定期的にすすぐ。例えば、そのようなすすぎ工程は、24時間毎に、又は最後の飲料調製方法が完了してから予め定められた時間が経過した後に繰り返されてもよい。そのようなすすぎ工程は、飲料調製マシン201にバイオフィルムが形成され得ないように確保する。
【0165】
本発明は、実施例として様々な実施形態及び実施態様と併せて説明した。しかしながら、他の変形も、図面、本開示、及び独立請求項の検討から、本発明を実施する当業者によって理解及び達成することができる。特許請求の範囲及び説明において、「含む(comprising)」という用語は、他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。単一の要素又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されたいくつかの実体又はアイテムの機能を果たすことができる。
【国際調査報告】