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特表2022-541150アーク経路形成部及びそれを含む直流リレー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】アーク経路形成部及びそれを含む直流リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/44 20060101AFI20220914BHJP
   H01H 50/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H01H9/44 A
H01H50/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501060
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 KR2019010755
(87)【国際公開番号】W WO2021006415
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0083784
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジュンウ
【テーマコード(参考)】
5G027
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027BB03
(57)【要約】
アーク経路形成部及び直流リレーを開示する。本発明の実施形態によるアーク経路形成部は、長さ方向に延びる磁石フレームと、前記磁石フレームの幅方向に配置される複数のメイン磁石部とを含む。各メイン磁石部が対向する各対向面は、同じ極性になるように構成される。よって、各メイン磁石部間の空間には、互いに押し合う方向の磁場が発生する。前記磁場により、アーク経路形成部の外側に向かう方向の電磁力が形成される。よって、発生したアークは、前記電磁力の方向に移動し、安定して消弧される。その結果、直流リレーの中心部に位置する様々な部材がアークにより損傷することが防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間が形成され、前記空間を囲むように対向する2対の面を有する磁石フレームと、
前記空間に収容され、前記2対の面のうち短く延びる1対の面にそれぞれ結合されるメイン磁石部とを含み、
前記空間には、固定接触子及び前記固定接触子に接離するように構成される可動接触子が収容され、
前記1対の面にそれぞれ結合される前記メイン磁石部は、
前記固定接触子と前記可動接触子が離隔されることにより発生するアーク(arc)の放出経路を形成するように、前記メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性(polarity)になるように構成される、
アーク経路形成部。
【請求項2】
前記メイン磁石部は、
前記1対の面のいずれか一方に結合される第1メイン磁石部と、
前記1対の面の他方に結合され、前記第1メイン磁石部に対向するように位置する第2メイン磁石部とを含む、
請求項1に記載のアーク経路形成部。
【請求項3】
前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成される、
請求項2に記載のアーク経路形成部。
【請求項4】
前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部の前記各対向面がN極になるように構成される、
請求項3に記載のアーク経路形成部。
【請求項5】
前記磁石フレームの前記2対の面のうち長く延びる他の1対の面にそれぞれ結合されるサブ磁石部を含み、
前記サブ磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成される、
請求項3に記載のアーク経路形成部。
【請求項6】
前記サブ磁石部が対向する各対向面と、前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面とは異なる極性になるように構成される、
請求項5に記載のアーク経路形成部。
【請求項7】
前記磁石フレームの前記2対の面のうち短く延びる1対の面には、前記空間と前記磁石フレームの外部が連通するように貫通してアーク放出孔が形成される、
請求項3に記載のアーク経路形成部。
【請求項8】
前記第1メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第1メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置され、
前記第2メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第2メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置される、
請求項3に記載のアーク経路形成部。
【請求項9】
複数の前記第1メイン磁石部間、及び複数の前記第2メイン磁石部間には、磁化部材がそれぞれ備えられ、
複数の前記第1メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結され、
複数の前記第2メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結される、
請求項8に記載のアーク経路形成部。
【請求項10】
固定接触子と、
前記固定接触子に接離するように構成される可動接触子と、
内部に前記固定接触子及び前記可動接触子が収容される空間が形成され、前記空間に磁場が形成され、前記固定接触子及び前記可動接触子が離隔されることにより発生するアークの放出経路を形成するように構成されるアーク経路形成部と、
前記アーク経路形成部を収容するフレーム部とを含み、
前記アーク経路形成部は、
内部に空間が形成され、前記空間を囲むように対向する2対の面を有する磁石フレームと、
前記空間に収容され、前記2対の面のうち短く延びる1対の面にそれぞれ結合されるメイン磁石部とを含み、
前記空間には、固定接触子及び前記固定接触子に接離するように構成される可動接触子が収容され、
前記1対の面にそれぞれ結合される前記メイン磁石部は、
前記固定接触子と前記可動接触子が離隔されることにより発生するアークの放出経路を形成するように、前記メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成される、
直流リレー。
【請求項11】
前記メイン磁石部は、
前記1対の面のいずれか一方に結合される第1メイン磁石部と、
前記1対の面の他方に結合され、前記第1メイン磁石部に対向するように位置する第2メイン磁石部とを含み、
前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成される、
請求項10に記載の直流リレー。
【請求項12】
前記アーク経路形成部は、
前記磁石フレームの前記2対の面のうち長く延びる他の1対の面にそれぞれ結合されるサブ磁石部を含み、
前記サブ磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成され、
前記サブ磁石部が対向する各対向面と、前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面とは異なる極性になるように構成される、
請求項11に記載の直流リレー。
【請求項13】
前記第1メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第1メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置され、
前記第2メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第2メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置される、
請求項11に記載の直流リレー。
【請求項14】
複数の前記第1メイン磁石部のいずれか1つは、他の1つより短く形成され、
複数の前記第2メイン磁石部のいずれか1つは、他の1つより短く形成される、
請求項13に記載の直流リレー。
【請求項15】
複数の前記第1メイン磁石部間、及び複数の前記第2メイン磁石部間には、磁化部材がそれぞれ備えられ、
複数の前記第1メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結され、
複数の前記第2メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結される、
請求項13に記載の直流リレー。
【請求項16】
前記第1メイン磁石部及び前記第2メイン磁石部は、前記各対向面とは反対側で前記磁石フレームの面に接触する反対面をそれぞれ含み、
前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部間には、主磁場が形成され、
前記第1メイン磁石部及び前記第2メイン磁石部の前記各対向面と前記各反対面間には、副磁場が形成され、
前記副磁場は、前記主磁場を強化するように構成される、
請求項11に記載の直流リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク経路形成部及びそれを含む直流リレー(Direct current relay)に関し、より具体的には、電磁力を用いてアーク(arc)の放出経路を形成すると共に、直流リレーの損傷を防止する構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
直流リレーは、電磁石の原理を用いて機械的な駆動又は電流信号を伝達する装置である。直流リレーは、電磁開閉器(Magnetic switch)ともいい、通常、電気回路開閉装置に分類される。
【0003】
直流リレーは、固定接点と、可動接点とを含む。固定接点は、外部の電源及び負荷に通電可能に接続される。固定接点と可動接点は接離する。
【0004】
固定接点と可動接点の接離により、直流リレーを介した通電が許容又は遮断される。前記移動は、可動接点に駆動力を供給する駆動部により達成される。
【0005】
固定接点と可動接点が離隔されると、固定接点と可動接点間にはアークが発生する。アークは、高圧、高温の電流の流れである。よって、発生したアークは、所定の経路を介して直流リレーから迅速に放出されなければならない。
【0006】
アークの放出経路は、直流リレーに備えられる磁石により形成される。前記磁石は、固定接点と可動接点が接触する空間内に磁場を形成する。形成される磁場及び電流の流れに応じて発生する電磁力により、アークの放出経路が形成される。
【0007】
図1には、従来技術による直流リレー1000に備えられる固定接点1100と可動接点1200が接触する空間を示す。前述したように、前記空間には、永久磁石1300が備えられる。
【0008】
永久磁石1300は、上側に位置する第1永久磁石1310と、下側に位置する第2永久磁石1320とを含む。第1永久磁石1310の下側はN極に、第2永久磁石1320の上側はS極に磁化(magnetize)される。よって、磁場は、上側から下側に向かう方向に形成される。
【0009】
図1の(a)には、電流が左側の固定接点1100から流入し、右側の固定接点1100から流出する状態を示す。フレミングの左手の法則(Fleming's left hand rule)により、電磁力は、斜線の矢印のように外側を向くように形成される。よって、発生したアークは、電磁力の方向に沿って外側に放出される。
【0010】
それに対して、図1の(b)には、電流が右側の固定接点1100から流入し、左側の固定接点1100から流出する状態を示す。フレミングの左手の法則により、電磁力は、斜線の矢印のように内側を向くように形成される。よって、発生したアークは、電磁力の方向に沿って内側に移動する。
【0011】
直流リレー1000の中央部分、すなわち各固定接点1100間の空間には、可動接点1200を上下方向に駆動させるための様々な部材が備えられる。例えば、シャフト、シャフトに貫挿されるスプリング部材などが前述した位置に備えられる。
【0012】
よって、図1の(b)に示すように、発生したアークが中央部分に向かって移動すると、前述した位置に備えられる様々な部材がアークのエネルギーにより損傷する恐れがある。
【0013】
また、図1に示すように、従来技術による直流リレー1000の内部で形成される電磁力の方向は、固定接点1200に流れる電流の方向に依存する。よって、固定接点1100には、所定の方向、すなわち図1の(a)に示す方向にのみ電流が流れることが好ましい。
【0014】
すなわち、ユーザは、直流リレーを使用する度に電流の方向を考慮しなければならない。これは、直流リレーの使用に不便をもたらす。また、ユーザの意図とは関係なく、操作未熟などにより、直流リレーに供給される電流の方向が変わる状況もあり得る。
【0015】
その場合、発生したアークにより、直流リレーの中央部分に備えられる部材が損傷することがある。よって、直流リレーの耐用年数が短縮されるだけでなく、事故が発生する恐れもある。
【0016】
特許文献1(2017年1月16日)には、直流リレーが開示されている。具体的には、複数の永久磁石を用いて、可動接点の移動を防止する構造の直流リレーが開示されている。
【0017】
しかし、上記構造の直流リレーは、複数の永久磁石を用いて可動接点の移動を防止することはできるが、アークの放出経路の方向を制御する方法についての考察がないという限界がある。
【0018】
特許文献2(2012年12月28日)には、直流リレーが開示されている。具体的には、減衰磁石を用いて、可動接点と固定接点間の任意の離隔を防止する構造の直流リレーが開示されている。
【0019】
しかし、上記構造の直流リレーは、可動接点と固定接点の接触状態を維持する方法のみ提示している。すなわち、可動接点と固定接点が離隔されると発生するアークの放出経路を形成する方法を提示していないという限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1696952号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1216824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記問題を解決できる構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0022】
まず、発生したアークが中央部分まで伸びない構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0023】
また、固定接点に供給される電流の方向とは関係なく、アークの放出経路が外側を向くように形成される構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0024】
さらに、発生したアークにより中央部分に位置する部材が損傷することを最小限に抑えることのできる構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0025】
さらに、発生したアークが移動し、十分に消弧(extinguish)される構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0026】
さらに、アークの放出経路を形成するための磁場の強度を強化できる構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0027】
さらに、発生したアークを効果的に放出できる構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【0028】
さらに、構造の過大な変更を伴うことなく、アークの放出経路を変更できる構造のアーク経路形成部及びそれを含む直流リレーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記目的を達成するために、本発明は、内部に空間が形成され、前記空間を囲むように対向する2対の面を有する磁石フレームと、前記空間に収容され、前記2対の面のうち短く延びる1対の面にそれぞれ結合されるメイン磁石部とを含み、前記空間には、固定接触子及び前記固定接触子に接離するように構成される可動接触子が収容され、前記1対の面にそれぞれ結合される前記メイン磁石部は、前記固定接触子と前記可動接触子が離隔されることにより発生するアークの放出経路を形成するように、前記メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性(polarity)になるように構成されるアーク経路形成部を提供する。
【0030】
また、前記アーク経路形成部の前記メイン磁石部は、前記1対の面のいずれか一方に結合される第1メイン磁石部と、前記1対の面の他方に結合され、前記第1メイン磁石部に対向するように位置する第2メイン磁石部とを含んでもよい。
【0031】
さらに、前記アーク経路形成部の前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成されてもよい。
【0032】
さらに、前記アーク経路形成部の前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部の前記各対向面がN極になるように構成されてもよい。
【0033】
さらに、前記アーク経路形成部は、前記磁石フレームの前記2対の面のうち長く延びる他の1対の面にそれぞれ結合されるサブ磁石部を含み、前記サブ磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成されてもよい。
【0034】
さらに、前記アーク経路形成部の前記サブ磁石部が対向する各対向面と、前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面とは異なる極性になるように構成されてもよい。
【0035】
さらに、前記アーク経路形成部の前記磁石フレームの前記2対の面のうち短く延びる1対の面には、前記空間と前記磁石フレームの外部が連通するように貫通してアーク放出孔が形成されてもよい。
【0036】
さらに、前記アーク経路形成部の前記第1メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第1メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置され、前記第2メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第2メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置されてもよい。
【0037】
さらに、前記アーク経路形成部の複数の前記第1メイン磁石部間、及び複数の前記第2メイン磁石部間には、磁化部材がそれぞれ備えられ、複数の前記第1メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結され、複数の前記第2メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結されてもよい。
【0038】
また、本発明は、固定接触子と、前記固定接触子に接離するように構成される可動接触子と、内部に前記固定接触子及び前記可動接触子が収容される空間が形成され、前記空間に磁場が形成され、前記固定接触子及び前記可動接触子が離隔されることにより発生するアークの放出経路を形成するように構成されるアーク経路形成部と、前記アーク経路形成部を収容するフレーム部とを含み、前記アーク経路形成部は、内部に空間が形成され、前記空間を囲むように対向する2対の面を有する磁石フレームと、前記空間に収容され、前記2対の面のうち短く延びる1対の面にそれぞれ結合されるメイン磁石部とを含み、前記空間には、固定接触子及び前記固定接触子に接離するように構成される可動接触子が収容され、前記1対の面にそれぞれ結合される前記メイン磁石部は、前記固定接触子と前記可動接触子が離隔されることにより発生するアークの放出経路を形成するように、前記メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成される直流リレーを提供する。
【0039】
さらに、前記直流リレーの前記メイン磁石部は、前記1対の面のいずれか一方に結合される第1メイン磁石部と、前記1対の面の他方に結合され、前記第1メイン磁石部に対向するように位置する第2メイン磁石部とを含み、前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成されてもよい。
【0040】
さらに、前記直流リレーの前記アーク経路形成部は、前記磁石フレームの前記2対の面のうち長く延びる他の1対の面にそれぞれ結合されるサブ磁石部を含み、前記サブ磁石部が対向する各対向面が同じ極性になるように構成され、前記サブ磁石部が対向する各対向面と、前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部が対向する各対向面とは異なる極性になるように構成されてもよい。
【0041】
さらに、前記直流リレーの前記第1メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第1メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置され、前記第2メイン磁石部は、複数備えられ、複数の前記第2メイン磁石部のそれぞれは、互いに所定距離離隔して配置されてもよい。
【0042】
さらに、前記直流リレーの複数の前記第1メイン磁石部のいずれか1つは、他の1つより短く形成され、複数の前記第2メイン磁石部のいずれか1つは、他の1つより短く形成されてもよい。
【0043】
さらに、前記直流リレーの複数の前記第1メイン磁石部間、及び複数の前記第2メイン磁石部間には、磁化部材がそれぞれ備えられ、複数の前記第1メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結され、複数の前記第2メイン磁石部及び前記磁化部材が互いに連結されてもよい。
【0044】
さらに、前記直流リレーの前記第1メイン磁石部及び前記第2メイン磁石部は、前記各対向面とは反対側で前記磁石フレームの面に接触する反対面をそれぞれ含み、前記第1メイン磁石部と前記第2メイン磁石部間には、主磁場が形成され、前記第1メイン磁石部及び前記第2メイン磁石部の前記各対向面と前記各反対面間には、副磁場が形成され、前記副磁場は、前記主磁場を強化するように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、次の効果が得られる。
【0046】
まず、磁石フレームに備えられるメイン磁石部は、対向するように配置される。メイン磁石部が対向する一側は、同じ極性になるように形成される。よって、各メイン磁石部間の空間において、磁場は、互いに押し合うか、引き合う方向に形成される。
【0047】
よって、各磁場の進行方向が変更され、各固定接点の近傍に形成される電磁力は、磁石フレームの中心から遠ざかる方向に形成される。その結果、発生したアークの経路A.P(Arc Path)も、磁石フレームの中心から遠ざかる方向に形成される。
【0048】
また、メイン磁石部が対向する一側は、同じ極性になるように形成される。よって、各メイン磁石部間の空間において、磁場は、互いに押し合うか、引き合う方向に形成される。
【0049】
その結果、各固定接点の近傍に形成される磁場は、各固定接点に供給される電流の方向とは関係なく、磁石フレームの中心から遠ざかる方向に形成される。よって、発生したアークも、各固定接点に供給される電流の方向とは関係なく、磁石フレームの中心から遠ざかる方向に形成される。
【0050】
よって、発生したアークが磁石フレームの中心部に向かって移動しなくなる。その結果、直流リレーの中心部に備えられる各部材がアークにより損傷することが防止される。
【0051】
さらに、発生したアークは、狭い空間である磁石フレームの中心、すなわち固定接点間ではなく、より広い空間である固定接点の外側に向かって伸びる。よって、アークが広い空間を移動し、十分に消弧される。
【0052】
さらに、磁石フレームの内部において、複数のメイン磁石部間に主磁場が形成される。さらに、各メイン磁石部自体によっても副磁場が形成される。前記副磁場は、前記主磁場を強化するように構成される。
【0053】
よって、複数のメイン磁石部により形成される主磁場の強度が強化される。その結果、主磁場により発生する電磁力の強度も強化され、アークの放出経路を効果的に形成することができる。
【0054】
また、磁石フレームには、メイン磁石部に加えてサブ磁石部が備えられてもよい。サブ磁石部は、メイン磁石部が位置しない磁石フレームの面に備えられる。サブ磁石部は、副磁場を形成し、メイン磁石部により形成される主磁場を強化するように構成される。
【0055】
よって、メイン磁石部により形成される主磁場の強度が強化される。その結果、発生する電磁力の強度も強化され、アークの放出経路を効果的に形成することができる。
【0056】
また、磁石フレームに備えられるメイン磁石部は、磁化部材により互いに連結されてもよい。そうすると、磁化部材は、メイン磁石部と同じ極性になるように構成される。
【0057】
よって、メイン磁石部だけでなく、磁化部材によっても磁場が形成される。前述した磁場は、同じ方向に形成され、各磁場の強度が強化される。
【0058】
また、磁石フレームには、アーク放出孔が形成される。アーク放出孔は、磁石フレームに貫通して形成され、形成される経路に沿って伸びるアークを放出することができる。アーク放出孔は、メイン磁石部又はメイン磁石部とサブ磁石部により形成される磁場の延長線上に位置する。
【0059】
よって、発生したアークが、形成される放出経路に沿って移動すると、アーク放出孔に向かうことになる。よって、発生したアークを磁石フレームから効果的に放出することができる。
【0060】
また、一実施形態において、各メイン磁石部は、異なる長さを有するように形成されてもよい。すなわち、磁石フレームの各面に位置する各メイン磁石部の長さが異なるように形成されてもよい。
【0061】
よって、各メイン磁石部の長さを変更するだけでも、各メイン磁石部により発生する磁場の方向が変更される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】従来技術による直流リレーにおいてアークが発生する経路を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態による直流リレーの斜視図である。
図3図2の直流リレーの断面図である。
図4図2の直流リレーに備えられる磁石組立体の分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による磁石組立体の斜視図である。
図6図5の磁石組立体の平面図である。
図7図5の実施形態の変形例による磁石組立体の平面図である。
図8図5の実施形態の変形例による磁石組立体の平面図である。
図9図5の実施形態の変形例による磁石組立体の平面図である。
図10】本発明の他の実施形態による磁石組立体の斜視図である。
図11図10の磁石組立体の平面図である。
図12図10の実施形態の変形例による磁石組立体の平面図である。
図13図10の実施形態の変形例による磁石組立体の平面図である。
図14図10の実施形態の変形例による磁石組立体の平面図である。
図15図5及び図6の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図16図7の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図17図8の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図18図9の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図19図10及び図11の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図20図12の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図21図13の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
図22図14の磁石組立体の内部に形成されるアークの進行方向を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるアーク経路形成部及び直流リレーについて詳細に説明する。
【0064】
以下の説明において、本発明の特徴を明確にするために一部の構成要素についての説明を省略することもある。
【0065】
1.用語の定義
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」又は「接続されている」と言及される場合、他の構成要素に直接連結又は接続されていることもあり、中間にさらに他の構成要素が存在することもあるものと解すべきである。
【0066】
それに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」又は「直接接続されている」と言及される場合、中間にさらに他の構成要素が存在しないものと解すべきである。
【0067】
本明細書において用いられる単数表現には、特に断らない限り複数表現が含まれる。
【0068】
以下の説明における「磁化(magnetize)」とは、磁場内で物体が磁性を有するようになる現象を意味する。
【0069】
以下の説明における「極性(polarity)」とは、電極の陽極や陰極などが有する異なる性質を意味する。一実施形態において、極性は、N極とS極に分けられる。
【0070】
以下の説明における「通電(electric current)」とは、少なくとも2つの部材が電気的に接続される状態を意味する。
【0071】
以下の説明における「アーク経路(arc path)」とは、発生したアークが移動するか、又は消弧されて移動する経路を意味する。
【0072】
以下の説明における「左側」、「右側」、「上側」、「下側」、「前方」及び「後方」については、図2に示す座標系を参照されたい。
【0073】
2.本発明の実施形態による直流リレー10の構成についての説明
図2及び図3に示すように、本発明の実施形態による直流リレー10は、フレーム部100と、開閉部200と、コア部300と、可動接触子部400とを含む。
【0074】
また、図4図14に示すように、本発明の実施形態による直流リレー10は、アーク経路形成部500、600を含む。アーク経路形成部500、600は、発生したアークの放出経路を形成する。
【0075】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による直流リレー10の各構成について説明するが、アーク経路形成部500、600については別項で説明する。
【0076】
(1)フレーム部100についての説明
フレーム部100は、直流リレー10の外形を形成する。フレーム部100の内部には、所定の空間が形成される。前記空間には、直流リレー10が外部からの電流を供給又は遮断する機能を実現する様々な装置が収容される。
【0077】
すなわち、フレーム部100は、一種のハウジングとして機能する。
【0078】
フレーム部100は、合成樹脂などの絶縁性素材で形成される。フレーム部100の内部と外部が任意に通電するのを防止するためである。
【0079】
フレーム部100は、上部フレーム110と、下部フレーム120と、絶縁プレート130と、支持プレート140とを含む。
【0080】
上部フレーム110は、フレーム部100の上部を形成する。上部フレーム110の内部には、所定の空間が形成される。
【0081】
上部フレーム110の内部空間には、開閉部200及び可動接触子部400が収容される。また、上部フレーム110の内部空間には、アーク経路形成部500、600が収容される。
【0082】
上部フレーム110は、下部フレーム120に結合される。上部フレーム110と下部フレーム120間の空間には、絶縁プレート130及び支持プレート140が備えられる。
【0083】
上部フレーム110の一側、すなわち同図に示す実施形態における上側には、開閉部200の固定接触子220が位置する。固定接触子220は、上部フレーム110の上側に一部が露出し、外部の電源又は負荷に通電可能に接続される。
【0084】
そのために、上部フレーム110の上側には固定接触子220が貫通して結合される貫通孔が形成されてもよい。
【0085】
下部フレーム120は、フレーム部100の下部を形成する。下部フレーム120の内部には、所定の空間が形成される。下部フレーム120の内部空間には、コア部300が収容される。
【0086】
下部フレーム120は、上部フレーム110に結合される。下部フレーム120と上部フレーム110間の空間には、絶縁プレート130及び支持プレート140が備えられる。
【0087】
絶縁プレート130及び支持プレート140は、上部フレーム110の内部空間と下部フレーム120の内部空間を電気的及び物理的に分離するように構成される。
【0088】
絶縁プレート130は、上部フレーム110と下部フレーム120間に位置する。絶縁プレート130は、上部フレーム110と下部フレーム120を電気的に離隔するように構成される。そのために、絶縁プレート130は、合成樹脂などの絶縁性素材で形成される。
【0089】
絶縁プレート130により、上部フレーム110の内部に収容される開閉部200、可動接触子部400及びアーク経路形成部500、600と、下部フレーム120の内部に収容されるコア部300間の任意の通電が防止される。
【0090】
絶縁プレート130の中心部には、貫通孔(図示せず)が形成される。前記貫通孔(図示せず)には、可動接触子部400のシャフト440が上下方向に移動可能に貫通して結合される。
【0091】
絶縁プレート130の下側には、支持プレート140が位置する。絶縁プレート130は、支持プレート140により支持される。
【0092】
支持プレート140は、上部フレーム110と下部フレーム120間に位置する。
【0093】
支持プレート140は、上部フレーム110と下部フレーム120を物理的に離隔するように構成される。また、支持プレート140は、絶縁プレート130を支持するように構成される。
【0094】
支持プレート140は、磁性体で形成される。よって、支持プレート140は、コア部300のヨーク330と共に磁路(magnetic circuit)を形成する。前記磁路により、コア部300の可動コア320が固定コア310に近づくように移動するための駆動力が形成される。
【0095】
支持プレート140の中心部には、貫通孔(図示せず)が形成される。前記貫通孔(図示せず)には、シャフト440が上下方向に移動可能に貫通して結合される。
【0096】
よって、可動コア320が固定コア310に近づく方向、又は固定コア310から遠ざかる方向に移動すると、シャフト440及びシャフト440に連結された可動接触子430も、同じ方向に共に移動する。
【0097】
(2)開閉部200についての説明
開閉部200は、コア部300の動作により、電流の通電を許容又は遮断するように構成される。具体的には、開閉部200は、固定接触子220と可動接触子430が接離することにより、電流の通電を許容又は遮断する。
【0098】
開閉部200は、上部フレーム110の内部空間に収容される。開閉部200は、絶縁プレート130及び支持プレート140により、コア部300と電気的及び物理的に離隔される。
【0099】
開閉部200は、アークチャンバ210と、固定接触子220と、シール(sealing)部材230とを含む。
【0100】
また、アークチャンバ210の外側には、アーク経路形成部500、600が備えられる。アーク経路形成部500、600は、アークチャンバ210の内部で発生したアークの経路A.Pを形成するための磁場を形成する。その詳細については後述する。
【0101】
アークチャンバ210は、固定接触子220と可動接触子430が離隔されることにより発生するアークを内部空間で消弧するように構成される。よって、アークチャンバ210を「アーク消弧部」ともいう。
【0102】
アークチャンバ210は、固定接触子220及び可動接触子430を密閉して収容するように構成される。すなわち、固定接触子220及び可動接触子430は、アークチャンバ210の内部に収容される。よって、固定接触子220と可動接触子430が離隔されることにより発生するアークは、外部に任意に放出されない。
【0103】
アークチャンバ210の内部には、消弧用ガスが充電される。消弧用ガスは、発生したアークを消弧し、所定の経路を介して直流リレー10の外部に放出されるようにする。そのために、アークチャンバ210の内部空間を囲む壁体には、連通孔(図示せず)が貫通して形成される。
【0104】
アークチャンバ210は、絶縁性素材で形成される。また、アークチャンバ210は、耐圧性及び耐熱性が高い素材で形成される。これは、発生するアークが高温、高圧の電子の流れであることに起因する。一実施形態において、アークチャンバ210は、セラミック(ceramic)素材で形成される。
【0105】
アークチャンバ210の上側には、複数の貫通孔が形成される。前記貫通孔のそれぞれには、固定接触子220が貫通して結合される。
【0106】
同図に示す実施形態において、固定接触子220は、第1固定接触子220a及び第2固定接触子220bを含むように2つ備えられる。よって、アークチャンバ210の上側に形成される貫通孔も2つ形成される。
【0107】
前記貫通孔に固定接触子220が貫通して結合されると、前記貫通孔は密閉される。すなわち、固定接触子220は、前記貫通孔に密閉して結合される。よって、発生したアークは、前記貫通孔から外部に放出されない。
【0108】
アークチャンバ210の下側は開放される。アークチャンバ210の下側には、絶縁プレート130及びシール部材230が接触する。すなわち、アークチャンバ210の下側は、絶縁プレート130及びシール部材230により密閉される。
【0109】
よって、アークチャンバ210は、上部フレーム110の外側の空間から電気的、物理的に離隔される。
【0110】
アークチャンバ210において消弧されたアークは、所定の経路を介して直流リレー10の外部に放出される。一実施形態において、消弧されたアークは、前記連通孔(図示せず)からアークチャンバ210の外部に放出される。
【0111】
固定接触子220は、可動接触子430に接離し、直流リレー10の内部と外部の通電を許容又は遮断するように構成される。
【0112】
具体的には、固定接触子220が可動接触子430に接触すると、直流リレー10の内部と外部が通電する。それに対して、固定接触子220が可動接触子430から離隔されると、直流リレー10の内部と外部の通電が遮断される。
【0113】
名称から分かるように、固定接触子220は移動しない。すなわち、固定接触子220は、上部フレーム110及びアークチャンバ210に固定結合される。よって、固定接触子220と可動接触子430の接離は、可動接触子430の移動により達成される。
【0114】
固定接触子220の一端部、すなわち同図に示す実施形態における上端部は、上部フレーム110の外側に露出する。前記一端部には、電源又は負荷がそれぞれ通電可能に接続される。
【0115】
固定接触子220は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、固定接触子220は、左側の第1固定接触子220a、及び右側の第2固定接触子220bを含むように、計2つ備えられる。
【0116】
第1固定接触子220aは、可動接触子430の長さ方向の中心から一側寄り、すなわち同図に示す実施形態における左寄りに位置する。また、第2固定接触子220bは、可動接触子430の長さ方向の中心から他側寄り、すなわち同図に示す実施形態における右寄りに位置する。
【0117】
第1固定接触子220a及び第2固定接触子220bのいずれか一方には、電源が通電可能に接続される。また、第1固定接触子220a及び第2固定接触子220bの他方には、負荷が通電可能に接続される。
【0118】
本発明の実施形態による直流リレー10は、固定接触子220に接続される電源又は負荷の方向とは関係なく、アークの経路A.Pを形成する。これは、アーク経路形成部500、600により達成されるが、その詳細については後述する。
【0119】
固定接触子220の他端部、すなわち同図に示す実施形態における下端部は、可動接触子430に向かって延びる。
【0120】
可動接触子430が固定接触子220に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における上方に移動すると、前記下端部は、可動接触子430に接触する。よって、直流リレー10の外部と内部が通電する。
【0121】
固定接触子220の前記下端部は、アークチャンバ210の内部に位置する。
【0122】
制御電源が遮断されると、可動接触子430は、復帰スプリング360の付勢力により固定接触子220から離隔される。
【0123】
ここで、固定接触子220と可動接触子430が離隔されることにより、固定接触子220と可動接触子430間にはアークが発生する。発生したアークは、アークチャンバ210の内部の消弧用ガスにより消弧され、アーク経路形成部500、600により形成される経路に沿って外部に放出される。
【0124】
シール部材230は、アークチャンバ210と上部フレーム110の内部空間の任意の連通を遮断するように構成される。シール部材230は、絶縁プレート130及び支持プレート140と共にアークチャンバ210の下側を密閉する。
【0125】
具体的には、シール部材230の上側は、アークチャンバ210の下側に結合される。また、シール部材230の放射方向内側は、絶縁プレート130の外周に結合され、シール部材230の下側は、支持プレート140に結合される。
【0126】
よって、アークチャンバ210で発生したアーク、及び消弧用ガスにより消弧されたアークは、上部フレーム110の内部空間に任意に流入しない。
【0127】
また、シール部材230は、シリンダ370の内部空間とフレーム部100の内部空間の任意の連通を遮断するように構成される。
【0128】
(3)コア部300についての説明
コア部300は、制御電源の供給により可動接触子部400を上方に移動させるように構成される。また、制御電源の供給が解除されると、コア部300は、可動接触子部400を再び下方に移動させるように構成される。
【0129】
コア部300は、外部の制御電源(図示せず)に通電可能に接続されることにより、制御電源が供給される。
【0130】
コア部300は、開閉部200の下側に位置する。また、コア部300は、下部フレーム120の内部に収容される。コア部300と開閉部200は、絶縁プレート130及び支持プレート140により電気的、物理的に離隔される。
【0131】
コア部300と開閉部200間には、可動接触子部400が位置する。コア部300が印加する駆動力により、可動接触子部400が移動する。よって、可動接触子430と固定接触子220が接触して直流リレー10が通電する。
【0132】
コア部300は、固定コア310と、可動コア320と、ヨーク330と、ボビン340と、コイル350と、復帰スプリング360と、シリンダ370とを含む。
【0133】
固定コア310は、コイル350から発生する磁場により磁化され、電磁引力を発生させる。前記電磁引力により、可動コア320が固定コア310に近づくように移動する(図3における上方)。
【0134】
固定コア310は移動しない。すなわち、固定コア310は、支持プレート140及びシリンダ370に固定結合される。
【0135】
固定コア310は、磁場により磁化されて電磁力を発生する任意の形態で構成される。一実施形態において、固定コア310は、永久磁石や電磁石などで構成される。
【0136】
固定コア310は、シリンダ370の内部の上側空間に部分的に収容される。また、固定コア310の外周は、シリンダ370の内周に接触するように構成される。
【0137】
固定コア310は、支持プレート140と可動コア320間に位置する。
【0138】
固定コア310の中心部には、貫通孔(図示せず)が形成される。前記貫通孔(図示せず)には、シャフト440が上下移動可能に貫通して結合される。
【0139】
固定コア310は、可動コア320から所定距離だけ離隔されるように位置する。よって、可動コア320が固定コア310に近づくように移動できる距離は、前記所定距離に制限される。よって、前記所定距離は、「可動コア320の移動距離」と定義される。
【0140】
固定コア310の下側には、復帰スプリング360の一端部、すなわち同図に示す実施形態における上端部が接触する。固定コア310が磁化されることにより可動コア320が上方に移動すると、復帰スプリング360が圧縮されて復元力を蓄える。
【0141】
よって、制御電源の供給が解除されて固定コア310の磁化が終了すると、可動コア320が前記復元力により再び下方に復帰する。
【0142】
可動コア320は、制御電源が供給されると、固定コア310が生成する電磁引力により固定コア310に近づく方向に移動するように構成される。
【0143】
可動コア320の移動により、可動コア320に結合されたシャフト440が固定コア310に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における上方に移動する。また、シャフト440が移動することにより、シャフト440に結合された可動接触子部400が上方に移動する。
【0144】
よって、固定接触子220と可動接触子430が接触して直流リレー10が外部の電源又は負荷に通電する。
【0145】
可動コア320は、電磁力による引力を受ける任意の形態で構成される。一実施形態において、可動コア320は、磁性体素材で形成されるか、永久磁石や電磁石などで構成される。
【0146】
可動コア320は、シリンダ370の内部に収容される。また、可動コア320は、シリンダ370の内部において、シリンダ370の長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に移動する。
【0147】
具体的には、可動コア320は、固定コア310に近づく方向、及び固定コア310から遠ざかる方向に移動する。
【0148】
可動コア320は、シャフト440に結合される。可動コア320は、シャフト440と一体に移動する。可動コア320が上方又は下方に移動すると、シャフト440も上方又は下方に移動する。よって、可動接触子430も上方又は下方に移動する。
【0149】
可動コア320は、固定コア310の下側に位置する。可動コア320は、固定コア310から所定距離だけ離隔される。前記所定距離が可動コア320の上下方向の移動距離であることについては前述した通りである。
【0150】
可動コア320は、長さ方向に延設される。可動コア320の内部には、長さ方向に延びる中空部が所定距離だけ陥没して形成される。前記中空部には、復帰スプリング360及び復帰スプリング360を貫通して結合されるシャフト440の下部が部分的に収容される。
【0151】
前記中空部の下側には、貫通孔が長さ方向に貫通して形成される。前記中空部と前記貫通孔は連通する。前記中空部に挿入されるシャフト440の下端部は、前記貫通孔に近づく方向に進む。
【0152】
可動コア320の下端部には、空間部が所定距離だけ陥没して形成される。前記空間部は、前記貫通孔に連通する。前記空間部には、シャフト440の下側ヘッド部が位置する。
【0153】
ヨーク330は、制御電源が供給されると磁路を形成する。ヨーク330が形成する磁路は、コイル350が形成する磁場の方向を調節するように構成される。
【0154】
よって、制御電源が供給されると、コイル350は、可動コア320が固定コア310に近づくように移動する方向に磁場を生成する。ヨーク330は、通電可能な導電性素材で形成される。
【0155】
ヨーク330は、下部フレーム120の内部に収容される。ヨーク330は、コイル350を囲むように構成される。コイル350は、ヨーク330の内周面から所定距離だけ離隔されてヨーク330の内部に収容される。
【0156】
ヨーク330の内部には、ボビン340が収容される。すなわち、下部フレーム120の外周から放射方向内側に向かって、ヨーク330、コイル350、コイル350が巻回されるボビン340が順に配置される。
【0157】
ヨーク330の上側は、支持プレート140に接触する。また、ヨーク330の外周は、下部フレーム120の内周に接触するか、下部フレーム120の内周から所定距離だけ離隔されるように位置する。
【0158】
ボビン340には、コイル350が巻回される。ボビン340は、ヨーク330の内部に収容される。
【0159】
ボビン340は、平板状の上部及び下部と、長さ方向に延設されて前記上部及び前記下部を連結する円筒形の柱部とを含む。すなわち、ボビン340は糸巻き(bobbin)状である。
【0160】
ボビン340の上部は、支持プレート140の下側に接触する。ボビン340の柱部には、コイル350が巻回される。コイル350が巻回されれる厚さは、ボビン340の上部及び下部の直径と同じになるように構成されるか、又はボビン340の上部及び下部の直径より小さく構成される。
【0161】
ボビン340の柱部には、長さ方向に延びる中空部が貫通して形成される。前記中空部には、シリンダ370が収容される。ボビン340の柱部は、固定コア310、可動コア320及びシャフト440と同じ中心軸を有するように配置される。
【0162】
コイル350は、供給される制御電源により磁場を発生させる。コイル350が発生させる磁場により固定コア310が磁化され、可動コア320に電磁引力が印加される。
【0163】
コイル350は、ボビン340に巻回される。具体的には、コイル350は、ボビン340の柱部に巻回され、前記柱部の放射方向外側に積層される。コイル350は、ヨーク330の内部に収容される。
【0164】
制御電源が供給されると、コイル350は磁場を生成する。ここで、ヨーク330により、コイル350が生成する磁場の強度や方向などが制御される。コイル350が生成する磁場により、固定コア310が磁化される。
【0165】
固定コア310が磁化されると、可動コア320は、固定コア310に近づく方向への電磁力、すなわち引力を受ける。よって、可動コア320は、固定コア310に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における上方に移動する。
【0166】
復帰スプリング360は、可動コア320が固定コア310に近づくように移動し、その後制御電源の供給が解除されると、可動コア320が原位置に復帰するための復元力を供給する。
【0167】
復帰スプリング360は、可動コア320が固定コア310に近づくように移動することにより、圧縮されて復元力を蓄える。ここで、蓄えられる復元力は、固定コア310が磁化されて可動コア320に及ぼす電磁引力より小さいことが好ましい。制御電源が供給されている間は、可動コア320が復帰スプリング360により任意に原位置に復帰することを防止するためである。
【0168】
制御電源の供給が解除されると、可動コア320は、復帰スプリング360による復元力を受ける。当然ながら、可動コア320の自重(empty weight)による重力も可動コア320に作用する。よって、可動コア320は、固定コア310から遠ざかる方向に移動して原位置に復帰する。
【0169】
復帰スプリング360は、形状が変形することにより復元力を蓄え、元の形状に復帰することにより復元力を外部に伝達することのできる任意の形態で構成される。一実施形態において、復帰スプリング360は、コイルばね(coil spring)で構成される。
【0170】
復帰スプリング360には、シャフト440が貫通して結合される。シャフト440は、復帰スプリング360に結合された状態で復帰スプリング360の形状変形とは関係なく上下方向に移動する。
【0171】
復帰スプリング360は、可動コア320の上部に陥没して形成される中空部に収容される。また、固定コア310に対向する復帰スプリング360の一端部、すなわち同図に示す実施形態における上端部は、固定コア310の下部に陥没して形成される中空部に収容される。
【0172】
シリンダ370は、固定コア310、可動コア320、復帰スプリング360及びシャフト440を収容する。可動コア320及びシャフト440は、シリンダ370の内部において上方及び下方に移動する。
【0173】
シリンダ370は、ボビン340の柱部に形成される中空部に位置する。シリンダ370の上端部は、支持プレート140の下面に接触する。
【0174】
シリンダ370の側面は、ボビン340の柱部の内周面に接触する。シリンダ370の上側開口部は、固定コア310により密閉される。シリンダ370の下面は、下部フレーム120の内面に接触する。
【0175】
(4)可動接触子部400についての説明
可動接触子部400は、可動接触子430と、可動接触子430を移動させるための構成とを含む。可動接触子部400により、直流リレー10は、外部の電源又は負荷に通電する。
【0176】
可動接触子部400は、上部フレーム110の内部空間に収容される。また、可動接触子部400は、アークチャンバ210の内部に上下移動可能に収容される。
【0177】
可動接触子部400の上側には、固定接触子220が位置する。可動接触子部400は、固定接触子220に近づく方向及び固定接触子220から遠ざかる方向に移動可能にアークチャンバ210の内部に収容される。
【0178】
可動接触子部400の下側には、コア部300が位置する。可動接触子部400の前記移動は、可動コア320の移動により達成される。
【0179】
可動接触子部400は、ハウジング410と、カバー420と、可動接触子430と、シャフト440と、弾性部450とを含む。
【0180】
ハウジング410は、可動接触子430及び可動接触子430を付勢する弾性部450を収容する。
【0181】
同図に示す実施形態において、ハウジング410は、一側及びそれに対向する他側が開放される(図5参照)。その開放された部分には、可動接触子430が貫挿される。
【0182】
ハウジング410の開放されていない側面は、収容される可動接触子430を覆うように構成される。
【0183】
ハウジング410の上側には、カバー420が備えられる。カバー420は、ハウジング410に収容される可動接触子430の上面を覆うように構成される。
【0184】
ハウジング410及びカバー420は、意図しない通電が防止されるように、絶縁性素材で形成されることが好ましい。一実施形態において、ハウジング410及びカバー420は、合成樹脂などで形成される。
【0185】
ハウジング410の下部は、シャフト440に連結される。シャフト440に連結された可動コア320が上方又は下方に移動すると、ハウジング410及びそれに収容される可動接触子430も上方又は下方に移動する。
【0186】
ハウジング410とカバー420は、任意の部材により結合される。一実施形態において、ハウジング410とカバー420は、ボルト、ナットなどの締結部材(図示せず)により結合される。
【0187】
可動接触子430は、制御電源の供給により固定接触子220に接触し、直流リレー10が外部の電源及び負荷と通電するようにする。また、可動接触子430は、制御電源の供給が解除されると固定接触子220から離隔され、直流リレー10が外部の電源及び負荷と通電しないようにする。
【0188】
可動接触子430は、固定接触子220に隣接するように位置する。
【0189】
可動接触子430の上側は、カバー420により部分的に覆われる。一実施形態において、可動接触子430の上面の一部は、カバー420の下面に接触する。
【0190】
可動接触子430の下側は、弾性部450により付勢される。可動接触子430が任意に下方に移動しないように、弾性部450は、所定距離だけ圧縮された状態で可動接触子430を付勢する。
【0191】
可動接触子430は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に延設される。すなわち、可動接触子430の長さは、幅より長く形成される。よって、ハウジング410に収容される可動接触子430の長さ方向の両端部は、ハウジング410の外側に露出する。
【0192】
前記両端部には、所定距離だけ上側に突出する接触突出部が形成される。前記接触突出部には、固定接触子220が接触する。
【0193】
前記接触突出部は、各固定接触子220a、220bに対応する位置に形成される。よって、可動接触子430の移動距離が減少し、固定接触子220と可動接触子430の接触信頼性が向上する。
【0194】
可動接触子430の幅は、ハウジング410の各側面が互いに離隔された距離と同じになる。すなわち、可動接触子430がハウジング410に収容されると、可動接触子430の幅方向に対向する両側面がハウジング410の各側面の内面に接触する。
【0195】
よって、可動接触子430がハウジング410に収容された状態が安定して維持される。
【0196】
シャフト440は、コア部300の作動により発生する駆動力を可動接触子部400に伝達する。具体的には、シャフト440は、可動コア320及び可動接触子430に連結される。可動コア320が上方又は下方に移動すると、シャフト440により可動接触子430も上方又は下方に移動する。
【0197】
シャフト440は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に延設される。
【0198】
シャフト440の下端部は、可動コア320に挿入結合される。可動コア320が上下方向に移動すると、シャフト440が可動コア320と共に上下方向に移動する。
【0199】
シャフト440の本体部は、固定コア310に上下移動可能に貫通して結合される。シャフト440の本体部は、復帰スプリング360を貫通して結合される。
【0200】
シャフト440の上端部は、ハウジング410に結合される。可動コア320が移動すると、シャフト440及びハウジング410が共に移動する。
【0201】
シャフト440の上端部及び下端部は、シャフトの本体部より大きい直径を有するように形成される。よって、シャフト440は、ハウジング410及び可動コア320との安定した結合状態を維持することができる。
【0202】
弾性部450は、可動接触子430を付勢する。可動接触子430が固定接触子220に接触すると、電磁反発力により可動接触子430が固定接触子220から離隔されやすくなる。
【0203】
ここで、弾性部450は、可動接触子430を付勢し、可動接触子430が固定接触子220から任意に離隔されることを防止するように構成される。
【0204】
弾性部450は、形状の変形により復元力を蓄え、蓄えられた復元力を他の部材に供給することのできる任意の形態で構成される。一実施形態において、弾性部450は、コイルばねで構成される。
【0205】
可動接触子430に対向する弾性部450の一端部は、可動接触子430の下側に接触する。また、前記一端部とは反対側の他端部は、ハウジング410の上側に接触する。
【0206】
弾性部450は、所定距離だけ圧縮されて復元力を蓄えた状態で可動接触子430を付勢する。よって、可動接触子430と固定接触子220間に電磁反発力が発生しても、可動接触子430が任意に移動することはない。
【0207】
弾性部450の安定した結合のために、可動接触子430の下側には、弾性部450に挿入される突出部(図示せず)が突設される。同様に、ハウジング410の上側にも、弾性部450に挿入される突出部(図示せず)が突設される。
【0208】
3.本発明の一実施形態によるアーク経路形成部500についての説明
図3に示すように、本発明の実施形態による直流リレー10は、アーク経路形成部500を含む。アーク経路形成部500は、アークチャンバ210の内部で発生したアークが移動するか、又は消弧されて移動する経路を形成する。
【0209】
アーク経路形成部500は、メイン磁石部520と、サブ磁石部540とを含む。メイン磁石部520及びサブ磁石部540は、それらの間に又はそれら自体が磁場を形成する。
【0210】
前記磁場が形成された状態において、固定接触子220と可動接触子430が接触して通電すると、通電により電磁力が発生する。前記電磁力の方向は、フレミングの左手の法則により決定される。
【0211】
本発明の一実施形態によるアーク経路形成部500は、メイン磁石部520及びサブ磁石部540の極性及び配置方法により前記電磁力の方向を制御する。
【0212】
その結果、発生したアークは、磁石フレーム510の空間部516の中心部Cに移動しなくなる。よって、中心部Cに備えられる直流リレー10の構成要素の損傷が防止される。
【0213】
アーク経路形成部500は、上部フレーム110の内部空間に位置する。また、アーク経路形成部500は、アークチャンバ210の外側において、アークチャンバ210を覆うように構成される。
【0214】
以下、図4図9を参照して、本発明の一実施形態によるアーク経路形成部500について詳細に説明する。
【0215】
同図に示す実施形態によるアーク経路形成部500は、磁石フレーム510と、メイン磁石部520と、磁化部材530と、サブ磁石部540とを含む。
【0216】
(1)磁石フレーム510についての説明
磁石フレーム510は、アーク経路形成部500の外形を形成する。磁石フレーム510は、アークチャンバ210を覆うように構成される。すなわち、磁石フレーム510は、アークチャンバ210の外側に位置する。
【0217】
同図に示す実施形態において、磁石フレーム510は、長方形の断面を有する。すなわち、磁石フレーム510は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向の長さが幅方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向の幅より長く形成される。
【0218】
磁石フレーム510の形状は、上部フレーム110及びアークチャンバ210の形状に応じて変更される。
【0219】
磁石フレーム510の内部に形成される空間部516は、アークチャンバ210に連通する。そのために、アークチャンバ210の壁体に貫通孔(図示せず)が形成されることについては前述した通りである。
【0220】
磁石フレーム510は、電気や磁力を通さない絶縁性素材で形成される。よって、メイン磁石部520と磁化部材530とサブ磁石部540間に磁気的な干渉が生じない。一実施形態において、磁石フレーム510は、合成樹脂やセラミックなどで形成される。
【0221】
図6に示すように、磁石フレーム510は、第1面511と、第2面512と、第3面513と、第4面514と、アーク放出孔515と、空間部516とを含む。
【0222】
第1面511、第2面512、第3面513及び第4面514は、磁石フレーム510の外周面を形成する。すなわち、第1面511、第2面512、第3面513及び第4面514は、磁石フレーム510の壁体として機能する。
【0223】
第1面511、第2面512、第3面513及び第4面514の外側は、上部フレーム110の内面に接触又は固定結合される。また、第1面511、第2面512、第3面513及び第4面514の内側には、メイン磁石部520、磁化部材530及びサブ磁石部540が位置する。
【0224】
同図に示す実施形態において、第1面511は、背面を形成する。第2面512は、前面を形成し、第1面511に対向する。
【0225】
また、第3面513は、左側面を形成する。第4面514は、右側面を形成し、第3面513に対向する。
【0226】
第1面511は、第3面513及び第4面514につながる。第1面511は、第3面513及び第4面514と所定の角度をなして結合される。一実施形態において、前記所定の角度は直角である。
【0227】
第2面512は、第3面513と第4面514につながる。第2面512は、第3面513及び第4面514と所定の角度をなして結合される。一実施形態において、前記所定の角度は直角である。
【0228】
第1面511~第4面514が互いに連結される各角部は面取りされる。
【0229】
第1面511の内側、すなわち第2面512に対向する第1面511の一側には、第1メイン磁石部521及び第3メイン磁石部523が結合される。また、第2面512の内側、すなわち第1面511に対向する第2面512の一側には、第2メイン磁石部522及び第4メイン磁石部524が結合される。
【0230】
第1面511の前記一側には、第1磁化部材531が結合されてもよい。また、第2面512の前記一側には、第2磁化部材532が結合されてもよい。
【0231】
さらに、第3面513の内側、すなわち第4面514に対向する第3面513の一側には、第1サブ磁石部541が結合されてもよい。さらに、第4面514の内側、すなわち第3面513に対向する第4面514の一側には、第2サブ磁石部542が結合されてもよい。
【0232】
各面511、512、513、514とメイン磁石部520、磁化部材530及びサブ磁石部540の結合のために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0233】
第1面511及び第2面512の少なくとも一方には、アーク放出孔515が貫通して形成される。
【0234】
アーク放出孔515は、アークチャンバ210で消弧されて放出されるアークが上部フレーム110の内部空間に放出される通路である。アーク放出孔515は、磁石フレーム510の空間部516と上部フレーム110の空間を連通させる。
【0235】
同図に示す実施形態において、アーク放出孔515は、第1面511及び第2面512にそれぞれ形成される。
【0236】
第1面511に形成されるアーク放出孔515は、第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523が互いに所定距離だけ離隔されて形成される空間に連通する。すなわち、第1面511に形成されるアーク放出孔515は、第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523間に位置する。
【0237】
第2面512に形成されるアーク放出孔515は、第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524が互いに所定距離だけ離隔されて形成される空間に連通する。すなわち、第2面512に形成されるアーク放出孔515は、第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524間に位置する。
【0238】
第1面511~第4面514により囲まれる空間は、空間部516と定義される。
【0239】
空間部516には、固定接触子220及び可動接触子430が収容される。また、図4に示すように、空間部516には、アークチャンバ210が収容される。
【0240】
空間部516において、可動接触子430は、固定接触子220に近づく方向又は固定接触子220から遠ざかる方向に移動する。
【0241】
また、空間部516には、アークチャンバ210で発生したアークの経路A.Pが形成される。これは、メイン磁石部520、磁化部材530及びサブ磁石部540が形成する磁場により達成される。
【0242】
空間部516の中央部分は、中心部Cと定義される。第1面~第4面511、512、513、514が互いに連結される各角部から中心部Cまでの直線距離は、同一になるように形成される。
【0243】
中心部Cは、第1固定接触子220aと第2固定接触子220b間に位置する。また、中心部Cの垂直下方には、可動接触子部400の中心部分が位置する。すなわち、中心部Cの垂直下方には、ハウジング410、カバー420、可動接触子430、シャフト440、弾性部450などの中心部分が位置する。
【0244】
よって、発生したアークが中心部Cに向かって移動すると、上記構成の損傷が発生する。これを防止するために、本実施形態によるアーク経路形成部500は、メイン磁石部520と、磁化部材530と、サブ磁石部540とを含む。
【0245】
(2)メイン磁石部520についての説明
メイン磁石部520は、空間部516内に磁場を形成する。メイン磁石部520は、隣接するメイン磁石部520間に磁場を形成するか、又は各メイン磁石部520自体が磁場を形成する。
【0246】
メイン磁石部520は、それ自体が磁性を帯びるか、電流の供給などにより磁性を帯びる任意の形態で構成される。一実施形態において、メイン磁石部520は、永久磁石や電磁石などで構成される。
【0247】
メイン磁石部520は、磁石フレーム510に結合される。メイン磁石部520と磁石フレーム510の結合のために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0248】
同図に示す実施形態において、メイン磁石部520は、長さ方向に延び、長方形の断面を有する直方体の形状である。メイン磁石部520は、磁場を形成することのできる任意の形状で構成される。
【0249】
メイン磁石部520は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、メイン磁石部520は4つ備えられるが、その数は変更してもよい。
【0250】
メイン磁石部520は、第1メイン磁石部521と、第2メイン磁石部522と、第3メイン磁石部523と、第4メイン磁石部524とを含む。
【0251】
第1メイン磁石部521は、第2メイン磁石部522又は第4メイン磁石部524と共に磁場を形成する。また、第1メイン磁石部521は、それ自体でも磁場を形成する。
【0252】
同図に示す実施形態において、第1メイン磁石部521は、第1面511の内側左寄りに位置する。第1メイン磁石部521は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に第3メイン磁石部523と所定距離だけ離隔される。
【0253】
前記離隔により第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523間に形成される空間は、第1面511に形成されるアーク放出孔515に連通する。
【0254】
第1メイン磁石部521は、第2メイン磁石部522に対向するように配置される。具体的には、第1メイン磁石部521は、空間部516を介して第2メイン磁石部522に対向するように構成される。
【0255】
第1メイン磁石部521は、第1対向面521aと、第1反対面521bとを含む。
【0256】
第1対向面521aは、空間部516に対向する第1メイン磁石部521の一側面と定義される。言い換えれば、第1対向面521aは、第2メイン磁石部522に対向する第1メイン磁石部521の一側面と定義される。
【0257】
第1反対面521bは、第1面511に対向する第1メイン磁石部521の他の側面と定義される。言い換えれば、第1反対面521bは、第1対向面521aとは反対側の第1メイン磁石部521の他の側面と定義される。
【0258】
第1対向面521aと第1反対面521bは、異なる極性になるように構成される。すなわち、第1対向面521aは、N極とS極のいずれか一方に磁化され、第1反対面521bは、N極とS極の他方に磁化される。
【0259】
よって、第1対向面521a及び第1反対面521bのいずれか一方から他方に向かう磁場が第1メイン磁石部521自体により形成される。
【0260】
第1対向面521aは、第2メイン磁石部522の第2対向面522aと同じ極性になるように構成される。また、第1対向面521aは、第4メイン磁石部524の第4対向面524aと同じ極性になるように構成される。
【0261】
よって、第1メイン磁石部521と第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524間の空間部516には、互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0262】
第2メイン磁石部522は、第1メイン磁石部521又は第3メイン磁石部523と共に磁場を形成する。また、第2メイン磁石部522は、それ自体でも磁場を形成する。
【0263】
同図に示す実施形態において、第2メイン磁石部522は、第2面512の内側左寄りに位置する。第2メイン磁石部522は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に第4メイン磁石部524と所定距離だけ離隔される。
【0264】
前記離隔により第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524間に形成される空間は、第2面512に形成されるアーク放出孔515に連通する。
【0265】
第2メイン磁石部522は、第1メイン磁石部521に対向するように配置される。具体的には、第2メイン磁石部522は、空間部516を介して第1メイン磁石部521に対向するように構成される。
【0266】
第2メイン磁石部522は、第2対向面522aと、第2反対面522bとを含む。
【0267】
第2対向面522aは、空間部516に対向する第2メイン磁石部522の一側面と定義される。言い換えれば、第2対向面522aは、第1メイン磁石部521に対向する第2メイン磁石部522の一側面と定義される。
【0268】
第2反対面522bは、第2面512に対向する第2メイン磁石部522の他の側面と定義される。言い換えれば、第2反対面522bは、第2対向面522aとは反対側の第2メイン磁石部522の他の側面と定義される。
【0269】
第2対向面522aと第2反対面522bは、異なる極性になるように構成される。すなわち、第2対向面522aは、N極とS極のいずれか一方に磁化され、第2反対面522bは、N極とS極の他方に磁化される。
【0270】
よって、第2対向面522a及び第2反対面522bのいずれか一方から他方に向かう磁場が第2メイン磁石部522自体により形成される。
【0271】
第2対向面522aは、第1メイン磁石部521の第1対向面521aと同じ極性になるように構成される。また、第2対向面522aは、第3メイン磁石部523の第3対向面523aと同じ極性になるように構成される。
【0272】
よって、第2メイン磁石部522と第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523間の空間部516には、互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0273】
第3メイン磁石部523は、第2メイン磁石部522又は第4メイン磁石部524と共に磁場を形成する。また、第3メイン磁石部523は、それ自体でも磁場を形成する。
【0274】
同図に示す実施形態において、第3メイン磁石部523は、第1面511の内側右寄りに位置する。第3メイン磁石部523は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に第1メイン磁石部521と所定距離だけ離隔される。
【0275】
前記離隔により第3メイン磁石部523と第1メイン磁石部521間に形成される空間は、第1面511に形成されるアーク放出孔515に連通する。
【0276】
第3メイン磁石部523は、第4メイン磁石部524に対向するように配置される。具体的には、第3メイン磁石部523は、空間部516を介して第4メイン磁石部524に対向するように構成される。
【0277】
第3メイン磁石部523は、第3対向面523aと、第3反対面523bとを含む。
【0278】
第3対向面523aは、空間部516に対向する第3メイン磁石部523の一側面と定義される。言い換えれば、第3対向面523aは、第4メイン磁石部524に対向する第3メイン磁石部523の一側面と定義される。
【0279】
第3反対面523bは、第1面511に対向する第3メイン磁石部523の他の側面と定義される。言い換えれば、第3反対面523bは、第3対向面523aとは反対側の第3メイン磁石部523の他の側面と定義される。
【0280】
第3対向面523aと第3反対面523bは、異なる極性になるように構成される。すなわち、第3対向面523aは、N極とS極のいずれか一方に磁化され、第3反対面523bは、N極とS極の他方に磁化される。
【0281】
よって、第3対向面523a及び第3反対面523bのいずれか一方から他方に向かう磁場が第3メイン磁石部523自体により形成される。
【0282】
第3対向面523aは、第4メイン磁石部524の第4対向面524aと同じ極性になるように構成される。また、第3対向面523aは、第2メイン磁石部522の第2対向面522aと同じ極性になるように構成される。
【0283】
よって、第3メイン磁石部523と第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524間の空間部516には、互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0284】
第4メイン磁石部524は、第1メイン磁石部521又は第3メイン磁石部523と共に磁場を形成する。また、第4メイン磁石部524は、それ自体でも磁場を形成する。
【0285】
同図に示す実施形態において、第4メイン磁石部524は、第2面512の内側右寄りに位置する。第4メイン磁石部524は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に第2メイン磁石部522と所定距離だけ離隔される。
【0286】
前記離隔により第4メイン磁石部524と第2メイン磁石部522間に形成される空間は、第2面512に形成されるアーク放出孔515に連通する。
【0287】
第4メイン磁石部524は、第3メイン磁石部523に対向するように配置される。具体的には、第4メイン磁石部524は、空間部516を介して第3メイン磁石部523に対向するように構成される。
【0288】
第4メイン磁石部524は、第4対向面524aと、第4反対面524bとを含む。
【0289】
第4対向面524aは、空間部516に対向する第4メイン磁石部524の一側面と定義される。言い換えれば、第4対向面524aは、第3メイン磁石部523に対向する第4メイン磁石部524の一側面と定義される。
【0290】
第4反対面524bは、第2面512に対向する第4メイン磁石部524の他の側面と定義される。言い換えれば、第4反対面524bは、第4対向面524aとは反対側の第4メイン磁石部524の他の側面と定義される。
【0291】
第4対向面524aと第4反対面524bは、異なる極性になるように構成される。すなわち、第4対向面524aは、N極とS極のいずれか一方に磁化され、第4反対面524bは、N極とS極の他方に磁化される。
【0292】
よって、第4対向面524a及び第4反対面524bのいずれか一方から他方に向かう磁場が第4メイン磁石部524自体により形成される。
【0293】
第4対向面524aは、第3メイン磁石部523の第3対向面523aと同じ極性になるように構成される。また、第4対向面524aは、第1メイン磁石部521の第1対向面521aと同じ極性になるように構成される。
【0294】
よって、第4メイン磁石部524と第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523間の空間部516には、互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0295】
すなわち、第1~第4メイン磁石部521、522、523、524の対向する第1~第4対向面521a、522a、523a、523aは、全て同じ極性になるように構成される。
【0296】
よって、空間部516には、第1~第4メイン磁石部521、522、523、524が互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0297】
図7に示すように、メイン磁石部520が延長される長さは、異なる長さになるように形成されてもよい。
【0298】
同図に示す実施形態において、第1メイン磁石部521及び第4メイン磁石部524は短く、第2メイン磁石部522及び第3メイン磁石部523は長い。
【0299】
第1面511に形成されるアーク放出孔515は、第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523間の空間に連通するように、左寄りに形成される。同様に、第2面512に形成されるアーク放出孔515は、第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524間の空間に連通するように、右寄りに形成される。
【0300】
図示していない実施形態において、第1メイン磁石部521及び第4メイン磁石部524は長く、第2メイン磁石部522及び第3メイン磁石部523は短くてもよい。第1面511及び第2面512にそれぞれ形成されるアーク放出孔515の位置も、それに応じて変更されることが理解されるであろう。
【0301】
上記構成により、対向するメイン磁石部520が形成する磁場は、左寄り及び右寄りのいずれか一方になるように形成される。この場合も、各メイン磁石部521、522、523、524により空間部516内に形成される磁場は、互いに押し合う方向に形成される。
【0302】
よって、発生したアークが中心部Cに向かって移動することを防止することができる。また、直流リレー10の設計の自由度が向上する。
【0303】
(3)磁化部材530についての説明
図8に示すように、本実施形態によるアーク経路形成部500は、磁化部材530を含む。
【0304】
磁化部材530は、メイン磁石部520が形成する磁場と同じ方向の磁場を形成する。磁化部材530が形成する磁場により、空間部516に形成される磁場が強化される。
【0305】
磁化部材530は、磁性体素材で形成される。一実施形態において、磁化部材530は、鉄(Fe)などで形成される。
【0306】
磁化部材530は、メイン磁石部520に接触又は連結される。メイン磁石部520の磁性は、磁化部材530に伝達される。よって、磁化部材530は、接触するメイン磁石部520と同じ極性になる。
【0307】
磁化部材530は、磁石フレーム510に結合される。そのために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0308】
磁化部材530は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、磁化部材530は2つ備えられるが、その数は変更してもよい。
【0309】
磁化部材530は、第1磁化部材531と、第2磁化部材532とを含む。
【0310】
第1磁化部材531は、第1メイン磁石部521及び第3メイン磁石部523に接触する。第1磁化部材531は、第1メイン磁石部521と第3メイン磁石部523が互いに所定距離離隔されて形成される空間に位置する。
【0311】
第1磁化部材531は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に延設される。第1磁化部材531の厚さは、第1メイン磁石部521又は第3メイン磁石部523の厚さと同じになるように形成される。
【0312】
第1磁化部材531は、第1面511に位置する。第1磁化部材531には、アーク放出孔515に連通する連通孔(図示せず)が形成される。
【0313】
第1メイン磁石部521に対向する第1磁化部材531の一端部、すなわち同図に示す実施形態における左側端部は、第1磁化部材531に対向する第1メイン磁石部521の一端部、すなわち同図に示す実施形態における右側端部に接触する。
【0314】
第3メイン磁石部523に対向する第1磁化部材531の他端部、すなわち同図に示す実施形態における右側端部は、第1磁化部材531に対向する第3メイン磁石部523の一端部、すなわち同図に示す実施形態における左側端部に接触する。
【0315】
第1磁化部材531は、第1磁化対向面531aと、第1磁化反対面531bとを含む。
【0316】
第1磁化対向面531aは、空間部516に対向する第1磁化部材531の一側面と定義される。言い換えれば、第1磁化対向面531aは、第2磁化部材532に対向する第1磁化部材531の一側面と定義される。
【0317】
第1磁化反対面531bは、第1面511に対向する第1磁化部材531の他の側面と定義される。言い換えれば、第1磁化対向面531bは、第1磁化対向面531aとは反対側の第1磁化部材531の他の側面と定義される。
【0318】
第1磁化部材531が第1メイン磁石部521及び第3メイン磁石部523に接触すると、第1磁化対向面531aは、第1対向面521a及び第3対向面523aと同じ極性になる。同様に、第1磁化反対面531bは、第1反対面521b及び第3反対面532bと同じ極性になる。
【0319】
よって、第1メイン磁石部521、第1磁化部材531及び第3メイン磁石部523は、1つの磁石のように機能する。
【0320】
第2磁化部材532は、第2メイン磁石部522及び第4メイン磁石部524に接触する。第2磁化部材532は、第2メイン磁石部522と第4メイン磁石部524が互いに所定距離離隔されて形成される空間に位置する。
【0321】
第2磁化部材532は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に延設される。第2磁化部材532の厚さは、第2メイン磁石部522又は第4メイン磁石部524の厚さと同じになるように形成される。
【0322】
第2磁化部材532は、第2面512に位置する。第2磁化部材532には、アーク放出孔515に連通する連通孔(図示せず)が形成される。
【0323】
第2メイン磁石部522に対向する第2磁化部材532の一端部、すなわち同図に示す実施形態における左側端部は、第2磁化部材532に対向する第2メイン磁石部522の一端部、すなわち同図に示す実施形態における右側端部に接触する。
【0324】
第4メイン磁石部524に対向する第2磁化部材532の他端部、すなわち同図に示す実施形態における右側端部は、第2磁化部材532に対向する第4メイン磁石部524の一端部、すなわち同図に示す実施形態における左側端部に接触する。
【0325】
第2磁化部材532は、第2磁化対向面532aと、第2磁化反対面532bとを含む。
【0326】
第2磁化対向面532aは、空間部516に対向する第2磁化部材532の一側面と定義される。言い換えれば、第2磁化対向面532aは、第1磁化部材531に対向する第2磁化部材532の一側面と定義される。
【0327】
第2磁化反対面532bは、第2面512に対向する第2磁化部材532の他の側面と定義される。言い換えれば、第2磁化反対面532bは、第2磁化対向面532aとは反対側の第2磁化部材532の他の側面と定義される。
【0328】
第2磁化部材532が第2メイン磁石部522及び第4メイン磁石部524に接触すると、第2磁化対向面532aは、第2対向面522a及び第4対向面524aと同じ極性になる。同様に、第2磁化反対面532bは、第2反対面522b及び第4反対面534bと同じ極性になる。
【0329】
よって、第2メイン磁石部522、第2磁化部材532及び第4メイン磁石部524は、1つの磁石のように機能する。
【0330】
その結果、磁化部材530が備えられることにより、空間部516に形成される磁場の強度及び面積が強化される。よって、強化された磁場により、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0331】
(4)サブ磁石部540についての説明
図9に示すように、本実施形態によるアーク経路形成部500は、サブ磁石部540を含む。
【0332】
サブ磁石部540は、メイン磁石部520により形成される磁場を強化する方向の磁場を形成するように構成される。
【0333】
サブ磁石部540は、空間部516内に磁場を形成する。サブ磁石部540は、隣接するメイン磁石部520間に磁場を形成するか、又は各サブ磁石部540自体が磁場を形成する。
【0334】
サブ磁石部540は、それ自体が磁性を帯びるか、電流の供給などにより磁性を帯びる任意の形態で構成される。一実施形態において、サブ磁石部540は、永久磁石や電磁石などで構成される。
【0335】
サブ磁石部540は、磁石フレーム510に結合される。サブ磁石部540と磁石フレーム510の結合のために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0336】
同図に示す実施形態において、サブ磁石部540は、長さ方向に延び、長方形の断面を有する直方体の形状である。サブ磁石部540は、磁場を形成することのできる任意の形状で構成される。
【0337】
サブ磁石部540は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、サブ磁石部540は2つ備えられるが、その数は変更してもよい。
【0338】
サブ磁石部540は、第1サブ磁石部541と、第2サブ磁石部542とを含む。
【0339】
第1サブ磁石部541は、第1メイン磁石部521及び第2メイン磁石部522が形成する磁場を強化する方向の磁場を形成する。
【0340】
第1サブ磁石部541は、第3面513の内側に結合される。第1サブ磁石部541は、空間部516を介して第2サブ磁石部542に対向するように位置する。
【0341】
第1サブ磁石部541は、第1サブ対向面541aと、第1サブ反対面541bとを含む。
【0342】
第1サブ対向面541aは、空間部516に対向する第1サブ磁石部541の一側面と定義される。言い換えれば、第1サブ対向面541aは、第2サブ磁石部542に対向する第1サブ磁石部541の一側面と定義される。
【0343】
第1サブ反対面541bは、第3面513に対向する第1サブ磁石部541の他の側面と定義される。言い換えれば、第1サブ反対面541bは、第1サブ対向面541aとは反対側の第1サブ磁石部541の他の側面と定義される。
【0344】
第1サブ対向面541aは、第2サブ対向面542aと同じ極性になるように構成される。また、第1サブ反対面541bは、第2サブ反対面542bと同じ極性になるように構成される。
【0345】
第1サブ対向面541aは、第1~第4対向面521a、522a、523a、524aとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第1サブ対向面541aは、第1~第4反対面521b、522b、523b、524bと同じ極性になるように構成される。
【0346】
また、第1サブ反対面541bは、第1~第4反対面521b、522b、523b、524bとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第1サブ反対面541bは、第1~第4対向面521a、522a、523a、524aと同じ極性になるように構成される。
【0347】
上記構成により、各メイン磁石部521、522、523、524が形成する磁場と、第1サブ磁石部541が形成する磁場は、互いに引き合う方向に形成される。
【0348】
よって、各メイン磁石部521、522、523、524が形成する磁場は、第1サブ磁石部541が形成する磁場により強化される。
【0349】
第2サブ磁石部542は、第3メイン磁石部523及び第4メイン磁石部524が形成する磁場を強化する方向の磁場を形成する。
【0350】
第2サブ磁石部542は、第4面514の内側に結合される。第2サブ磁石部542は、空間部516を介して第1サブ磁石部541に対向するように位置する。
【0351】
第2サブ磁石部542は、第2サブ対向面542aと、第2サブ反対面542bとを含む。
【0352】
第2サブ対向面542aは、空間部516に対向する第2サブ磁石部542の一側面と定義される。言い換えれば、第2サブ対向面542aは、第1サブ磁石部541に対向する第2サブ磁石部542の一側面と定義される。
【0353】
第2サブ反対面542bは、第4面514に対向する第2サブ磁石部542の他の側面と定義される。言い換えれば、第2サブ反対面542bは、第2サブ対向面542aとは反対側の第2サブ磁石部542の他の側面と定義される。
【0354】
第2サブ対向面542aは、第1サブ対向面541aと同じ極性になるように構成される。また、第2サブ反対面542bは、第1サブ反対面541bと同じ極性になるように構成される。
【0355】
第2サブ対向面542aは、第1~第4対向面521a、522a、523a、524aとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第2サブ対向面542aは、第1~第4反対面521b、522b、523b、524bと同じ極性になるように構成される。
【0356】
また、第2サブ反対面542bは、第1~第4反対面521b、522b、523b、524bとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第2サブ反対面542bは、第1~第4対向面521a、522a、523a、524aと同じ極性になるように構成される。
【0357】
上記構成により、各メイン磁石部521、522、523、524が形成する磁場と、第2サブ磁石部542が形成する磁場は、互いに引き合う方向に形成される。
【0358】
よって、各メイン磁石部521、522、523、524が形成する磁場は、第2サブ磁石部542が形成する磁場により強化される。
【0359】
よって、メイン磁石部520のみ備えられる場合に比べて、空間部516に形成される磁場の強度及び面積が強化される。よって、強化された磁場により、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0360】
前述した磁化部材530及びサブ磁石部540は、選択的に備えられる。
【0361】
すなわち、アーク経路形成部500には、メイン磁石部520のみ備えられてもよく、メイン磁石部520及び磁化部材530が備えられてもよく、メイン磁石部520及びサブ磁石部540が備えられてもよい。
【0362】
さらに、アーク経路形成部500には、メイン磁石部520、磁化部材530及びサブ磁石部540が全て備えられてもよい。
【0363】
4.本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部600についての説明
図3に示すように、本発明の実施形態による直流リレー10は、アーク経路形成部600を含む。アーク経路形成部600は、アークチャンバ210の内部で発生したアークが移動するか、又は消弧されて移動する経路を形成する。
【0364】
アーク経路形成部600は、メイン磁石部620と、サブ磁石部640とを含む。メイン磁石部620及びサブ磁石部640は、それらの間に又はそれら自体が磁場を形成する。
【0365】
前記磁場が形成された状態において、固定接触子220と可動接触子430が接触して通電すると、通電により電磁力が発生する。前記電磁力の方向は、フレミングの左手の法則により決定される。
【0366】
本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部600は、メイン磁石部620及びサブ磁石部640の極性及び配置方法により前記電磁力の方向を制御する。
【0367】
その結果、発生したアークは、磁石フレーム510の空間部516の中心部Cに向かって移動しなくなる。よって、中心部Cに備えられる直流リレー10の構成要素の損傷が防止される。
【0368】
アーク経路形成部600は、上部フレーム110の内部空間に位置する。また、アーク経路形成部600は、アークチャンバ210の外側において、アークチャンバ210を覆うように構成される。
【0369】
以下、図10図14を参照して、本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部600について詳細に説明する。
【0370】
同図に示す実施形態によるアーク経路形成部600は、磁石フレーム610と、メイン磁石部620と、磁化部材630と、サブ磁石部640とを含む。
【0371】
(1)磁石フレーム610についての説明
磁石フレーム610は、アーク経路形成部600の外形を形成する。磁石フレーム610は、アークチャンバ210を覆うように構成される。すなわち、磁石フレーム610は、アークチャンバ210の外側に位置する。
【0372】
同図に示す実施形態において、磁石フレーム610は、長方形の断面を有する。すなわち、磁石フレーム610は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向の長さが幅方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向の幅より長く形成される。
【0373】
磁石フレーム610の形状は、上部フレーム110及びアークチャンバ210の形状に応じて変更される。
【0374】
磁石フレーム610の内部に形成される空間部616は、アークチャンバ210に連通する。そのために、アークチャンバ210の壁体に貫通孔(図示せず)が形成されることについては前述した通りである。
【0375】
磁石フレーム610は、電気や磁力を通さない絶縁性素材で形成される。よって、メイン磁石部620と磁化部材630とサブ磁石部640間に磁気的な干渉が生じない。一実施形態において、磁石フレーム610は、合成樹脂やセラミックなどで形成される。
【0376】
磁石フレーム610は、第1面611と、第2面612と、第3面613と、第4面614と、アーク放出孔615と、空間部616とを含む。
【0377】
第1面611、第2面612、第3面613及び第4面614は、磁石フレーム610の外周面を形成する。すなわち、第1面611、第2面612、第3面613及び第4面614は、磁石フレーム610の壁体として機能する。
【0378】
第1面611、第2面612、第3面613及び第4面614の外側は、上部フレーム110の内面に接触又は固定結合される。また、第1面611、第2面612、第3面613及び第4面614の内側には、メイン磁石部620、磁化部材630及びサブ磁石部640が位置する。
【0379】
同図に示す実施形態において、第1面611は、背面を形成する。第2面612は、前面を形成し、第1面611に対向する。
【0380】
また、第3面613は、左側面を形成する。第4面614は、右側面を形成し、第3面613に対向する。
【0381】
第1面611は、第3面613及び第4面614につながる。第1面611は、第3面613及び第4面614と所定の角度をなして結合される。一実施形態において、前記所定の角度は直角である。
【0382】
第2面612は、第3面613と第4面614につながる。第2面612は、第3面613及び第4面614と所定の角度をなして結合される。一実施形態において、前記所定の角度は直角である。
【0383】
第1面611~第4面614が互いに連結される各角部は面取りされる。
【0384】
第3面613の内側、すなわち第4面614に対向する第3面613の一側には、第1メイン磁石部621が結合される。また、第4面614の内側、すなわち第3面613に対向する第4面614の一側には、第2メイン磁石部622が結合される。
【0385】
第3面613の前記一側には、第1磁化部材631が結合されてもよい。また、第4面614の前記一側には、第2磁化部材632が結合されてもよい。
【0386】
さらに、第1面611の内側、すなわち第2面612に対向する第1面611の一側には、第1サブ磁石部641が結合されてもよい。さらに、第2面612の内側、すなわち第1面611に対向する第2面612の一側には、第2サブ磁石部642が結合されてもよい。
【0387】
各面611、612、613、614とメイン磁石部620、磁化部材630及びサブ磁石部640の結合のために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0388】
第3面613及び第4面614の少なくとも一方には、アーク放出孔615が貫通して形成される。
【0389】
アーク放出孔615は、アークチャンバ210で消弧されて放出されるアークが上部フレーム110の内部空間に流入する通路である。アーク放出孔615は、磁石フレーム610の空間部616と上部フレーム110の空間を連通させる。
【0390】
同図に示す実施形態において、アーク放出孔615は、第3面613及び第4面614にそれぞれ形成される。
【0391】
第3面613に形成されるアーク放出孔615は、第1メイン磁石部621に形成される貫通孔(図示せず)に連通する。
【0392】
また、第4面614に形成されるアーク放出孔615は、第2メイン磁石部622に形成される貫通孔(図示せず)に連通する。
【0393】
第1面611~第4面614により囲まれる空間は、空間部616と定義される。
【0394】
空間部616には、固定接触子220及び可動接触子430が収容される。また、図10図14には示していないが、空間部616には、アークチャンバ210が収容される。
【0395】
空間部616において、可動接触子430は、固定接触子220に近づく方向又は固定接触子220から遠ざかる方向に移動する。
【0396】
また、空間部616には、アークチャンバ210で発生したアークの経路A.Pが形成される。これは、メイン磁石部620、磁化部材630及びサブ磁石部640が形成する磁場により達成される。
【0397】
空間部616の中央部分は、中心部Cと定義される。第1面~第4面611、612、613、614が互いに連結される各角部から中心部Cまでの直線距離は、同一になるように形成される。
【0398】
中心部Cは、第1固定接触子220aと第2固定接触子220b間に位置する。また、中心部Cの垂直下方には、可動接触子部400の中心部分が位置する。すなわち、中心部Cの垂直下方には、ハウジング410、カバー420、可動接触子430、シャフト440、弾性部450などの中心部分が位置する。
【0399】
よって、発生したアークが中心部Cに向かって移動すると、上記構成の損傷が発生する。これを防止するために、本実施形態によるアーク経路形成部600は、メイン磁石部620と、磁化部材630と、サブ磁石部640とを含む。
【0400】
(2)メイン磁石部620についての説明
メイン磁石部620は、空間部616内に磁場を形成する。メイン磁石部620は、隣接するメイン磁石部620間に磁場を形成するか、又は各メイン磁石部620自体が磁場を形成する。
【0401】
メイン磁石部620は、それ自体が磁性を帯びるか、電流の供給などにより磁性を帯びる任意の形態で構成される。一実施形態において、メイン磁石部620は、永久磁石や電磁石などで構成される。
【0402】
メイン磁石部620は、磁石フレーム610に結合される。メイン磁石部620と磁石フレーム610の結合のために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0403】
同図に示す実施形態において、メイン磁石部620は、長さ方向に延び、長方形の断面を有する直方体の形状である。メイン磁石部620は、磁場を形成することのできる任意の形状で構成される。
【0404】
メイン磁石部620は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、メイン磁石部620は2つ備えられるが、その数は変更してもよい。
【0405】
メイン磁石部620は、第1メイン磁石部621と、第2メイン磁石部622とを含む。
【0406】
第1メイン磁石部621は、第2メイン磁石部622と共に磁場を形成する。また、第1メイン磁石部621は、それ自体でも磁場を形成する。
【0407】
同図に示す実施形態において、第1メイン磁石部621は、第3面613の内側に位置する。第1メイン磁石部621は、第3面613と同じ長さを有するように延設される。
【0408】
第1メイン磁石部621は、第2メイン磁石部622に対向するように配置される。具体的には、第1メイン磁石部621は、空間部616を介して第2メイン磁石部622に対向するように構成される。
【0409】
第1メイン磁石部621には、貫通孔(図示せず)が形成される。前記貫通孔(図示せず)は、長さ方向に対して垂直な方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に形成される。
【0410】
前記貫通孔(図示せず)は、アーク放出孔615に連通する。空間部616で消弧されたアークは、前記貫通孔(図示せず)及びアーク放出孔615から磁石フレーム610の外部に放出される。
【0411】
第1メイン磁石部621は、第1対向面621aと、第1反対面621bとを含む。
【0412】
第1対向面621aは、空間部616に対向する第1メイン磁石部621の一側面と定義される。言い換えれば、第1対向面621aは、第2メイン磁石部622に対向する第1メイン磁石部621の一側面と定義される。
【0413】
第1反対面621bは、第3面613に対向する第1メイン磁石部621の他の側面と定義される。言い換えれば、第1反対面621bは、第1対向面621aとは反対側の第1メイン磁石部621の他の側面と定義される。
【0414】
第1対向面621aと第1反対面621bは、異なる極性になるように構成される。すなわち、第1対向面621aは、N極とS極のいずれか一方に磁化され、第1反対面621bは、N極とS極の他方に磁化される。
【0415】
よって、第1対向面621a及び第1反対面621bのいずれか一方から他方に向かう磁場が第1メイン磁石部621自体により形成される。
【0416】
第1対向面621aは、第2メイン磁石部622の第2対向面622aと同じ極性になるように構成される。
【0417】
よって、第1メイン磁石部621と第2メイン磁石部622間の空間部616には、互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0418】
第2メイン磁石部622は、第1メイン磁石部621と共に磁場を形成する。また、第2メイン磁石部622は、それ自体でも磁場を形成する。
【0419】
同図に示す実施形態において、第2メイン磁石部622は、第4面614の内側に位置する。第2メイン磁石部622は、第4面614と同じ長さを有するように延設される。
【0420】
第2メイン磁石部622は、第1メイン磁石部621に対向するように配置される。具体的には、第2メイン磁石部622は、空間部616を介して第1メイン磁石部621に対向するように構成される。
【0421】
第2メイン磁石部622は、第2対向面622aと、第2反対面622bとを含む。
【0422】
第2対向面622aは、空間部616に対向する第2メイン磁石部622の一側面と定義される。言い換えれば、第2対向面622aは、第1メイン磁石部621に対向する第2メイン磁石部622の一側面と定義される。
【0423】
第2反対面622bは、第4面614に対向する第2メイン磁石部622の他の側面と定義される。言い換えれば、第2反対面622bは、第2対向面622aとは反対側の第2メイン磁石部622の他の側面と定義される。
【0424】
第2対向面622aと第2反対面622bは、異なる極性になるように構成される。すなわち、第2対向面622aは、N極とS極のいずれか一方に磁化され、第2反対面622bは、N極とS極の他方に磁化される。
【0425】
よって、第2対向面622a及び第2反対面622bのいずれか一方から他方に向かう磁場が第2メイン磁石部622自体により形成される。
【0426】
第2対向面622aは、第1メイン磁石部621の第1対向面621aと同じ極性になるように構成される。
【0427】
よって、第2メイン磁石部622と第1メイン磁石部621間の空間部616には、互いに押し合う方向の磁場が形成される。
【0428】
図12に示すように、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622は、それぞれ複数備えられてもよい。同図に示す実施形態において、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622は、それぞれ2つずつ備えられる。
【0429】
複数の第1メイン磁石部621は、異なる長さを有するように形成されてもよい。同図に示す実施形態において、複数の第1メイン磁石部621のいずれか1つ(後方の第1メイン磁石部621)は、他の1つ(前方の第1メイン磁石部621)より長く形成される。
【0430】
同様に、複数の第2メイン磁石部622は、異なる長さを有するように形成されてもよい。同図に示す実施形態において、複数の第2メイン磁石部622のいずれか1つ(前方の第2メイン磁石部622)は、他の1つ(後方の第2メイン磁石部622)より長く形成される。
【0431】
図示していない実施形態において、長い第1メイン磁石部621が前方に位置し、短い第1メイン磁石部621が後方に位置してもよい。同様に、長い第2メイン磁石部622が後方に位置し、短い第2メイン磁石部622が前方に位置してもよい。
【0432】
複数の第1メイン磁石部621は、互いに所定距離だけ離隔されて配置される。第3面613に形成されるアーク放出孔615は、前記離隔により形成される空間に連通するように位置する。
【0433】
複数の第2メイン磁石部622は、互いに所定距離だけ離隔されて配置される。第4面614に形成されるアーク放出孔615は、前記離隔により形成される空間に連通するように位置する。
【0434】
上記構成により、対向するメイン磁石部620が形成する磁場は、左寄り及び右寄りのいずれか一方になるように形成される。この場合も、各メイン磁石部621、622により空間部616内に形成される磁場は、互いに押し合う方向に形成される。
【0435】
よって、発生したアークが中心部Cに向かって移動することを防止することができる。また、直流リレー10の設計の自由度が向上する。
【0436】
(3)磁化部材630についての説明
図13に示すように、本実施形態によるアーク経路形成部600は、磁化部材630を含む。
【0437】
磁化部材630は、メイン磁石部620が形成する磁場と同じ方向の磁場を形成する。磁化部材630が形成する磁場により、空間部616に形成される磁場が強化される。
【0438】
磁化部材630は、磁性体素材で形成される。一実施形態において、磁化部材630は、鉄(Fe)などで形成される。
【0439】
磁化部材630は、メイン磁石部620に接触又は連結される。メイン磁石部620の磁性は、磁化部材630に伝達される。よって、磁化部材630は、接触するメイン磁石部620と同じ極性になる。
【0440】
磁化部材630は、磁石フレーム610に結合される。そのために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0441】
磁化部材630は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、磁化部材630は2つ備えられるが、その数は変更してもよい。
【0442】
図13に示す実施形態において、磁化部材630は、メイン磁石部620間に位置する。すなわち、図12に示す、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622がそれぞれ複数備えられる実施形態の変形例であることが理解されるであろう。
【0443】
磁化部材630は、第1磁化部材631と、第2磁化部材632とを含む。
【0444】
第1磁化部材631は、複数の第1メイン磁石部621に接触する。第1磁化部材631は、複数の第1メイン磁石部621が互いに所定距離離隔されて形成される空間に位置する。
【0445】
第1磁化部材631は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向に延設される。第1磁化部材631の厚さは、第1メイン磁石部621の厚さと同じになるように形成される。
【0446】
第1磁化部材631の長さ方向の両端部は、複数の第1メイン磁石部621の各端部に接触する。
【0447】
同図に示す実施形態において、後方を向いた第1磁化部材631の一端部は、後方に位置する第1メイン磁石部621の前方端部に接触する。また、前方を向いた第1磁化部材631の一端部は、前方に位置する第1メイン磁石部621の後方端部に接触する。
【0448】
第1磁化部材631には、連通孔(図示せず)が形成される。第3面613に形成されるアーク放出孔615は、前記連通孔(図示せず)に連通する。
【0449】
第1磁化部材631は、第1磁化対向面631aと、第1磁化反対面631bとを含む。
【0450】
第1磁化対向面631aは、空間部616に対向する第1磁化部材631の一側面と定義される。言い換えれば、第1磁化対向面631aは、第2磁化部材632に対向する第1磁化部材631の一側面と定義される。
【0451】
第1磁化反対面631bは、第3面613に対向する第1磁化部材631の他の側面と定義される。言い換えれば、第1磁化対向面631bは、第1磁化対向面631aとは反対側の第1磁化部材631の他の側面と定義される。
【0452】
第1磁化部材631が第1メイン磁石部621に接触すると、第1磁化対向面631aは、第1対向面621aと同じ極性になる。同様に、第1磁化反対面631bは、第1反対面621bと同じ極性になる。
【0453】
よって、複数の第1メイン磁石部621及び第1磁化部材631は、1つの磁石のように機能する。
【0454】
第2磁化部材632は、複数の第2メイン磁石部622に接触する。第2磁化部材632は、複数の第2メイン磁石部622が互いに所定距離離隔されて形成される空間に位置する。
【0455】
第2磁化部材632は、長さ方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向に延設される。第2磁化部材632の厚さは、第2メイン磁石部622の厚さと同じになるように形成される。
【0456】
第2磁化部材632の長さ方向の両端部は、複数の第2メイン磁石部622の各端部に接触する。
【0457】
同図に示す実施形態において、後方を向いた第2磁化部材632の一端部は、後方に位置する第2メイン磁石部622の前方端部に接触する。また、前方を向いた第2磁化部材632の一端部は、前方に位置する第2メイン磁石部622の後方端部に接触する。
【0458】
第2磁化部材632には、連通孔(図示せず)が形成される。第4面614に形成されるアーク放出孔615は、前記連通孔(図示せず)に連通する。
【0459】
第2磁化部材632は、第2磁化対向面632aと、第2磁化反対面632bとを含む。
【0460】
第2磁化対向面632aは、空間部616に対向する第2磁化部材632の一側面と定義される。言い換えれば、第2磁化対向面632aは、第1磁化部材631に対向する第2磁化部材632の一側面と定義される。
【0461】
第2磁化反対面632bは、第4面614に対向する第2磁化部材632の他の側面と定義される。言い換えれば、第2磁化対向面632bは、第2磁化対向面632aとは反対側の第2磁化部材632の他の側面と定義される。
【0462】
第2磁化部材632が第2メイン磁石部622に接触すると、第2磁化対向面632aは、第2対向面622aと同じ極性になる。同様に、第2磁化反対面632bは、第2反対面622bと同じ極性になる。
【0463】
よって、複数の第2メイン磁石部622及び第2磁化部材632は、1つの磁石のように機能する。
【0464】
その結果、磁化部材630が備えられることにより、空間部616に形成される磁場の強度及び面積が強化される。よって、強化された磁場により、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0465】
(4)サブ磁石部640についての説明
図14に示すように、本実施形態によるアーク経路形成部600は、サブ磁石部640を含む。
【0466】
サブ磁石部640は、メイン磁石部620により形成される磁場を強化する方向の磁場を形成するように構成される。
【0467】
サブ磁石部640は、空間部616内に磁場を形成する。サブ磁石部640は、隣接するメイン磁石部620又はサブ磁石部640間に磁場を形成するか、又は各サブ磁石部640自体が磁場を形成する。
【0468】
サブ磁石部640は、それ自体が磁性を帯びるか、電流の供給などにより磁性を帯びる任意の形態で構成される。一実施形態において、サブ磁石部640は、永久磁石や電磁石などで構成される。
【0469】
サブ磁石部640は、磁石フレーム610に結合される。サブ磁石部640と磁石フレーム610の結合のために、締結部材(図示せず)が備えられる。
【0470】
同図に示す実施形態において、サブ磁石部640は、長さ方向に延び、長方形の断面を有する直方体の形状である。サブ磁石部640は、磁場を形成することのできる任意の形状で構成される。
【0471】
サブ磁石部640は、複数備えられる。同図に示す実施形態において、サブ磁石部640は2つ備えられるが、その数は変更してもよい。
【0472】
サブ磁石部640は、第1サブ磁石部641と、第2サブ磁石部642とを含む。
【0473】
第1サブ磁石部641は、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622が形成する磁場を強化する方向の磁場を形成する。
【0474】
第1サブ磁石部641は、第1面611に結合される。第1サブ磁石部641は、空間部616を介して第2サブ磁石部642に対向するように位置する。
【0475】
第1サブ磁石部641は、第1サブ対向面641aと、第1サブ反対面641bとを含む。
【0476】
第1サブ対向面641aは、空間部616に対向する第1サブ磁石部641の一側面と定義される。言い換えれば、第1サブ対向面641aは、第2サブ磁石部642に対向する第1サブ磁石部641の一側面と定義される。
【0477】
第1サブ反対面641bは、第1面611に対向する第1サブ磁石部641の他の側面と定義される。言い換えれば、第1サブ反対面641bは、第1サブ対向面641aとは反対側の第1サブ磁石部641の他の側面と定義される。
【0478】
第1サブ対向面641aは、第2サブ対向面642aと同じ極性になるように構成される。また、第1サブ反対面641bは、第2サブ反対面642bと同じ極性になるように構成される。
【0479】
第1サブ対向面641aは、第1対向面621a及び第2対向面622aとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第1サブ対向面641aは、第1反対面621b及び第2反対面622bと同じ極性になるように構成される。
【0480】
また、第1サブ反対面641bは、第1反対面621b及び第2反対面622bとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第1サブ反対面641bは、第1対向面621a及び第2対向面622aと同じ極性になるように構成される。
【0481】
上記構成により、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622が形成する磁場と、第1サブ磁石部641が形成する磁場は、互いに引き合う方向に形成される。
【0482】
よって、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622が形成する磁場は、第1サブ磁石部641が形成する磁場により強化される。
【0483】
第2サブ磁石部642は、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622が形成する磁場を強化する方向の磁場を形成する。
【0484】
第2サブ磁石部642は、第2面612に結合される。第2サブ磁石部642は、空間部616を介して第1サブ磁石部641に対向するように位置する。
【0485】
第2サブ磁石部642は、第2サブ対向面642aと、第2サブ反対面642bとを含む。
【0486】
第2サブ対向面642aは、空間部616に対向する第2サブ磁石部642の一側面と定義される。言い換えれば、第2サブ対向面642aは、第1サブ磁石部641に対向する第2サブ磁石部642の一側面と定義される。
【0487】
第2サブ反対面642bは、第2面612に対向する第2サブ磁石部642の他の側面と定義される。言い換えれば、第2サブ反対面642bは、第2サブ対向面642aとは反対側の第2サブ磁石部642の他の側面と定義される。
【0488】
第2サブ対向面642aは、第1サブ対向面641aと同じ極性になるように構成される。また、第2サブ反対面642bは、第1サブ反対面641bと同じ極性になるように構成される。
【0489】
第2サブ対向面642aは、第1対向面621a及び第2対向面622aとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第2サブ対向面642aは、第1反対面621b及び第2反対面622bと同じ極性になるように構成される。
【0490】
また、第2サブ反対面642bは、第1反対面621b及び第2反対面622bとは異なる極性になるように構成される。すなわち、第2サブ反対面642bは、第1対向面621a及び第2対向面622aと同じ極性になるように構成される。
【0491】
上記構成により、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622が形成する磁場と、第2サブ磁石部642が形成する磁場は、互いに引き合う方向に形成される。
【0492】
よって、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622が形成する磁場は、第2サブ磁石部642が形成する磁場により強化される。
【0493】
よって、メイン磁石部620のみ備えられる場合に比べて、空間部616に形成される磁場の強度及び面積が強化される。よって、強化された磁場により、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0494】
前述した磁化部材630及びサブ磁石部640は、選択的に備えられる。
【0495】
すなわち、アーク経路形成部600には、メイン磁石部620のみ備えられてもよく、メイン磁石部620及び磁化部材630が備えられてもよく、メイン磁石部620及びサブ磁石部640が備えられてもよい。
【0496】
さらに、アーク経路形成部600には、メイン磁石部620、磁化部材630及びサブ磁石部640が全て備えられてもよい。
【0497】
5.本発明の一実施形態によるアーク経路形成部500により形成されるアークの経路A.Pについての説明
本発明の一実施形態によるアーク経路形成部500は、アークチャンバ210の内部に磁場を形成するように構成される。形成された磁場は、発生したアークの経路A.Pを形成するための電磁力を発生させる。
【0498】
すなわち、アークチャンバ210の内部に磁場が形成された状態において、固定接触子220と可動接触子430が接触して電流が流れると、フレミングの左手の法則に従って電磁力が発生する。アークチャンバ210の内部で発生したアークは、前記電磁力の方向に移動する。
【0499】
以下、図15図18を参照して、本実施形態によるアーク経路形成部500により形成されるアークの経路A.Pについて詳細に説明する。
【0500】
以下の説明においては、固定接触子220と可動接触子430が離隔された直後に、固定接触子220と可動接触子430が接触していた部分からアークが発生することを前提とする。
【0501】
また、以下の説明において、各メイン磁石部521、522、523、524同士が影響を及ぼす磁場を「主磁場M.M.F(Main Magnetic Field)」といい、各メイン磁石部521、522、523、524自体、磁化部材530又はサブ磁石部540により形成される磁場を「副磁場S.M.F(Sub Magnetic Field)」という。
【0502】
図15及び図16には、アーク経路形成部500がメイン磁石部520を含む実施形態を示す。
【0503】
図16には、各メイン磁石部521、522、523、524の長さが異なる実施形態を示すが、磁場及び電磁力が形成される過程及びその方向は、図15の実施形態と同様であることが理解されるであろう。
【0504】
図15の(a)及び図16の(a)における電流の通電方向は、電流が第1固定接触子220aに流入し、可動接触子430を経て、第2固定接触子220bから流出する方向である。
【0505】
第1メイン磁石部521~第4メイン磁石部524が主磁場M.M.Fを形成する。各メイン磁石部521、522、523、524の各対向面521a、522a、523a、524aは、同じ極性になる。同図に示す実施形態において、各対向面521a、522a、523a、524aは、N極になるように構成される。
【0506】
周知の通り、磁場はN極から発散してS極に収束する。よって、各メイン磁石部521、522、523、524が形成する主磁場M.M.Fは、各対向面521a、522a、523a、524aから発散する方向に形成される。
【0507】
まず、後方においては、第1メイン磁石部521及び第3メイン磁石部523から発散した主磁場M.M.Fが固定接触子220及び可動接触子430に向かって進む。
【0508】
また、前方においては、第2メイン磁石部522及び第4メイン磁石部524から発散した主磁場M.M.Fが固定接触子220及び可動接触子430に向かって進む。
【0509】
よって、固定接触子220、可動接触子430及び中心部Cにおいて、各メイン磁石部521、522、523、524から発散した各主磁場M.M.Fが集まる。
【0510】
各メイン磁石部521、522、523、524から発散した各主磁場M.M.F間には、互いに押し合う力、すなわち斥力が発生する。その結果、固定接触子220、可動接触子430及び中心部Cまで進んだ各主磁場M.M.Fは、他の方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に向かう。
【0511】
また、各メイン磁石部521、522、523、524からは、主磁場M.M.Fが継続して発散する。よって、主磁場M.M.Fは、狭い空間である中心部Cには向かわず、第3面513又は第4面514に向かって進む。
【0512】
具体的には、第1固定接触子220aにおいて、主磁場M.M.Fの進む方向が第3面513を向くようになる。また、第2固定接触子220bにおいて、主磁場M.M.Fの進む方向が第4面514を向くようになる。
【0513】
第1固定接触子220aにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第3面513に向かい、電流は上から下に流れるので、電磁力は後方、すなわち第1面511に向かう方向に形成される。
【0514】
また、第2固定接触子220bにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第4面514に向かい、電流は下から上に流れるので、電磁力はやはり後方、すなわち第1面511に向かう方向に形成される。
【0515】
よって、前記電磁力により形成されるアークの経路A.Pは、後方、すなわち第1面511に向かう方向に形成される。
【0516】
図15の(b)及び図16の(b)における電流の通電方向は、電流が第2固定接触子220bに流入し、可動接触子430を経て、第1固定接触子220aから流出する方向である。
【0517】
各メイン磁石部521、522、523、524により形成される主磁場M.M.Fの方向については前述した通りである。
【0518】
第1固定接触子220aにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第3面513に向かい、電流は下から上に流れるので、電磁力は前方、すなわち第2面512に向かう方向に形成される。
【0519】
また、第2固定接触子220bにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第4面514に向かい、電流は上から下に流れるので、電磁力はやはり前方、すなわち第2面512に向かう方向に形成される。
【0520】
よって、前記電磁力により形成されるアークの経路A.Pは、前方、すなわち第2面512に向かう方向に形成される。
【0521】
よって、発生したアークは、中心部Cから遠ざかる方向に進む。よって、中心部Cに密集している直流リレー10の各構成要素がアークにより損傷することが防止される。
【0522】
一方、各メイン磁石部521、522、523、524は、それ自体が副磁場S.M.Fを形成する。副磁場S.M.Fは、各対向面521a、522a、523a、524aから各反対面521b、522b、523b、524bに向かって進む。
【0523】
すなわち、各メイン磁石部521、522、523、524から発散する副磁場S.M.Fの空間部516内における進行方向は、主磁場M.M.Fの進行方向と同じである。よって、副磁場S.M.Fにより主磁場M.M.Fの強度が強化される。
【0524】
よって、主磁場M.M.Fにより形成される電磁力の強度も強化され、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0525】
図17には、アーク経路形成部500がメイン磁石部520及び磁化部材530を含む実施形態を示す。
【0526】
図17の(a)における電流の通電方向は、電流が第1固定接触子220aに流入し、可動接触子430を経て、第2固定接触子220bから流出する方向である。
【0527】
また、図17の(b)における電流の通電方向は、電流が第2固定接触子220bに流入し、可動接触子430を経て、第1固定接触子220aから流出する方向である。
【0528】
各メイン磁石部521、522、523、524により主磁場M.M.F及び副磁場S.M.Fが形成され、それによりアークの経路A.Pを形成する電磁力が形成される過程については前述した通りである。
【0529】
よって、以下では、磁化部材530により主磁場M.M.Fが強化される過程を中心に説明する。
【0530】
第1磁化部材531は、第1メイン磁石部521及び第3メイン磁石部523に接触する。第1磁化対向面531aは、第1対向面521a及び第3対向面523aと同じ極性になるように構成される。同図に示す実施形態において、第1磁化対向面531aは、N極になるように構成される。
【0531】
第2磁化部材532は、第2メイン磁石部522及び第4メイン磁石部524に接触する。第2磁化対向面532aは、第2対向面522a及び第4対向面524aと同じ極性になるように構成される。同図に示す実施形態において、第2磁化対向面532aは、N極になるように構成される。
【0532】
第1磁化対向面531a及び第2磁化対向面532aから発散する磁場は、それぞれ固定接触子220、可動接触子430及び中心部Cに向かって進む。よって、各磁化対向面531a、532aから発散した磁場は、固定接触子220、可動接触子430及び中心部Cに集まる。
【0533】
ここで、各磁化対向面531a、532aは、同じ極性、すなわち同図に示す実施形態におけるN極になるように構成されるので、各磁場間には、互いに押し合う力、すなわち斥力が発生する。
【0534】
よって、各磁化対向面531a、532aから発散した各磁場は、前述した主磁場M.M.Fの進行過程と同様になる。
【0535】
具体的には、第1磁化対向面531a及び第2磁化対向面523aから発散した磁場は、第3面513又は第4面514に向かって進む。
【0536】
よって、各固定接触子220a、220bには、各メイン磁石部521、522、523、524から進む主磁場M.M.Fだけでなく、各磁化部材531、532から進む磁場も重なる。
【0537】
また、各磁化部材531、532から進む磁場は、主磁場M.M.Fと同じ経路で進む。その結果、主磁場M.M.Fの強度が強化される。
【0538】
よって、各固定接触子220a、220bにおいて形成される電磁力の強度も強化され、アークの経路A.Pが効果的に形成される。
【0539】
電磁力の方向は、前述したように、図17の(a)において、後方、すなわち第1面511に向かう方向である。また、図17の(b)において、前方、すなわち第2面512に向かう方向である。
【0540】
一方、各磁化部材531、532は、副磁場S.M.Fを形成する。副磁場S.M.Fは、各磁化対向面531a、532aから各反対面531b、532bに向かって進む。
【0541】
すなわち、各磁化部材531、532から発散する副磁場S.M.Fの空間部516内における進行方向は、各メイン磁石部521、522、523、524から発散する副磁場S.M.Fの進行方向と同様に、主磁場M.M.Fの進行方向と同じである。
【0542】
よって、各磁化部材531、532から発散する副磁場S.M.Fにより、主磁場M.M.F及び各メイン磁石部521、522、523、524から発散する副磁場S.M.Fの強度が強化される。
【0543】
また、前述したように、各磁化部材531、532は、各メイン磁石部521、522、523、524とそれぞれ連結され、1つの磁石のように機能する。よって、各磁化部材531、532間には、各メイン磁石部521、522、523、524が形成する主磁場M.M.Fと同じ方向の磁場が形成される。
【0544】
よって、主磁場M.M.Fにより形成される電磁力の強度も強化され、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0545】
図18には、アーク経路形成部500がメイン磁石部520及びサブ磁石部540を含む実施形態を示す。
【0546】
図18の(a)における電流の通電方向は、電流が第1固定接触子220aに流入し、可動接触子430を経て、第2固定接触子220bから流出する方向である。
【0547】
また、図18の(b)における電流の通電方向は、電流が第2固定接触子220bに流入し、可動接触子430を経て、第1固定接触子220aから流出する方向である。
【0548】
各メイン磁石部521、522、523、524により主磁場M.M.F及び副磁場S.M.Fが形成され、それによりアークの経路A.Pを形成する電磁力が形成される過程については前述した通りである。
【0549】
よって、以下では、サブ磁石部540により主磁場M.M.Fが強化される過程を中心に説明する。
【0550】
各サブ磁石部540は、磁石フレーム510の面のうち、メイン磁石部520が位置しない面に位置する。同図に示す実施形態において、第1面511及び第2面512にはメイン磁石部520が位置するので、各サブ磁石部540は第3面513及び第4面514に位置する。
【0551】
具体的には、第1サブ磁石部541は第3面513に位置し、第2サブ磁石部542は第4面514に位置する。
【0552】
各サブ磁石部541、542の各サブ対向面541a、542aは、各対向面521a、522a、523a、524aとは異なる極性になるように構成される。同図に示す実施形態において、各対向面521a、522a、523a、524aがN極になるように構成されるので、各サブ対向面541a、542aはS極になるように構成される。
【0553】
よって、各サブ磁石部541、542には、各サブ対向面541a、542aに収束する方向の磁場が形成される。
【0554】
よって、第1メイン磁石部521及び第2メイン磁石部522から発散した主磁場M.M.Fは、第1サブ磁石部541に向かって進む。また、第3メイン磁石部523及び第4メイン磁石部524から発散した主磁場M.M.Fは、第2サブ磁石部542に向かって進む。
【0555】
よって、主磁場M.M.Fは、各メイン磁石部521、522、523、524から発散する方向だけでなく、各サブ磁石部541、542に収束する方向にも進む。
【0556】
よって、第1固定接触子220aに形成される主磁場M.M.Fの強度は、第1サブ磁石部541、すなわち第3面513に向かう方向にさらに強化される。
【0557】
同様に、第2固定接触子220bに形成される主磁場M.M.Fの強度は、第2サブ磁石部542、すなわち第4面514に向かう方向にさらに強化される。
【0558】
よって、主磁場M.M.Fにより各固定接触子220a、220bにおいて形成される電磁力の強度もさらに強化され、アークの経路A.Pが効果的に形成される。
【0559】
以上の説明においては、各対向面521a、522a、523a、524aがN極となる実施形態を中心に説明したが、各対向面521a、522a、523a、524aがS極となる実施形態も考えられる。その場合、電磁力の方向及びアークの経路A.Pが前述した実施形態とは反対になることが理解されるであろう。
【0560】
前述したように、本実施形態によるアーク経路形成部500は、固定接触子220に供給される電流の方向とは関係なく、中心部Cに向かってアークが進まない。すなわち、アーク経路形成部500が形成するアークの経路A.Pは、中心部Cではなく、前方又は後方に向かうように形成される。
【0561】
よって、中心部Cに密集している各構成要素がアークにより損傷することが防止される。
【0562】
6.本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部600により形成されるアークの経路A.Pについての説明
本発明の他の実施形態によるアーク経路形成部600は、アークチャンバ210の内部に磁場を形成するように構成される。形成された磁場は、発生したアークの経路A.Pを形成するための電磁力を発生させる。
【0563】
すなわち、アークチャンバ210の内部に磁場が形成された状態において、固定接触子220と可動接触子430が接触して電流が流れると、フレミングの左手の法則に従って電磁力が発生する。アークチャンバ210の内部で発生したアークは、前記電磁力の方向に移動する。
【0564】
以下、図19図22を参照して、本実施形態によるアーク経路形成部600により形成されるアークの経路A.Pについて詳細に説明する。
【0565】
以下の説明においては、固定接触子220と可動接触子430が離隔された直後に、固定接触子220と可動接触子430が接触していた部分からアークが発生することを前提とする。
【0566】
また、以下の説明において、各メイン磁石部621、622同士が影響を及ぼす磁場を「主磁場M.M.F(Main Magnetic Field)」といい、各メイン磁石部621、622自体、磁化部材630又はサブ磁石部640により形成される磁場を「副磁場S.M.F(Sub Magnetic Field)」という。
【0567】
図19及び図20には、アーク経路形成部600がメイン磁石部620を含む実施形態を示す。
【0568】
図20には、各メイン磁石部621、622がそれぞれ複数備えられ、複数の各メイン磁石部621、622の長さが異なる実施形態を示すが、磁場及び電磁力が形成される過程及びその方向は、図19の実施形態と同様であることが理解されるであろう。
【0569】
図19の(a)及び図20の(a)における電流の通電方向は、電流が第1固定接触子220aに流入し、可動接触子430を経て、第2固定接触子220bから流出する方向である。
【0570】
第1メイン磁石部621~第2メイン磁石部622が主磁場M.M.Fを形成する。各メイン磁石部621、622の各対向面621a、622aは、同じ極性になる。同図に示す実施形態において、各対向面621a、622aは、N極になるように構成される。
【0571】
周知の通り、磁場はN極から発散してS極に収束する。よって、各メイン磁石部621、622が形成する主磁場M.M.Fは、各対向面621a、622aから発散する方向に形成される。
【0572】
まず、左側においては、第1メイン磁石部621から発散した主磁場M.M.Fが固定接触子220及び可動接触子430に向かって進む。
【0573】
また、右側においては、第2メイン磁石部622から発散した主磁場M.M.Fが固定接触子220及び可動接触子430に向かって進む。
【0574】
よって、空間部616の中心部Cにおいて、各メイン磁石部621、622から発散した主磁場M.M.Fが集まる。各メイン磁石部621、622から発散した主磁場M.M.F間には、互いに押し合う力、すなわち斥力が発生する。
【0575】
その結果、中心部Cまで進んだ各主磁場M.M.Fは、他の方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向に向かう。
【0576】
また、各メイン磁石部621、622からは、主磁場M.M.Fが継続して発散する。よって、主磁場M.M.Fは、第1面511又は第4面514に向かって進む。
【0577】
よって、第1固定接触子220aにおいて、主磁場M.M.Fの進む方向が中心部C又は第4面614に向かう方向、すなわち同図に示す実施形態における右側を向くようになる。また、第2固定接触子220bにおいて、主磁場M.M.Fの進む方向が中心部C又は第3面613に向かう方向、すなわち同図に示す実施形態における左側を向くようになる。
【0578】
第1固定接触子220aにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第4面614に向かい、電流は上から下に流れるので、電磁力は前方、すなわち第2面612に向かう方向に形成される。
【0579】
また、第2固定接触子220bにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第3面613に向かい、電流は下から上に流れるので、電磁力はやはり前方、すなわち第2面612に向かう方向に形成される。
【0580】
よって、前記電磁力により形成されるアークの経路A.Pは、前方、すなわち第2面612に向かう方向に形成される。
【0581】
図19の(b)及び図20の(b)における電流の通電方向は、電流が第2固定接触子220bに流入し、可動接触子430を経て、第1固定接触子220aから流出する方向である。
【0582】
各メイン磁石部621、622により形成される主磁場M.M.Fの方向については前述した通りである。
【0583】
第1固定接触子220aにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第4面614に向かい、電流は下から上に流れるので、電磁力は後方、すなわち第1面611に向かう方向に形成される。
【0584】
また、第2固定接触子220bにおいて、フレミングの左手の法則を適用すると、主磁場M.M.Fは第3面613に向かい、電流は上から下に流れるので、電磁力はやはり後方、すなわち第1面611に向かう方向に形成される。
【0585】
よって、前記電磁力により形成されるアークの経路A.Pは、後方、すなわち第1面611に向かう方向に形成される。
【0586】
よって、発生したアークは、中心部Cから遠ざかる方向に進む。よって、中心部Cに密集している直流リレー10の各構成要素がアークにより損傷することが防止される。
【0587】
一方、各メイン磁石部621、622は、副磁場S.M.Fを形成する。副磁場S.M.Fは、各対向面621a、622aから各反対面621b、622bに向かって進む。
【0588】
すなわち、各メイン磁石部621、622から発散する副磁場S.M.Fの空間部616内における進行方向は、主磁場M.M.Fの進行方向と同じである。よって、副磁場S.M.Fにより主磁場M.M.Fの強度が強化される。
【0589】
よって、主磁場M.M.Fにより形成される電磁力の強度も強化され、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0590】
図21には、アーク経路形成部600がメイン磁石部620及び磁化部材630を含む実施形態を示す。
【0591】
図21の(a)における電流の通電方向は、電流が第1固定接触子220aに流入し、可動接触子430を経て、第2固定接触子220bから流出する方向である。
【0592】
また、図21の(b)における電流の通電方向は、電流が第2固定接触子220bに流入し、可動接触子430を経て、第1固定接触子220aから流出する方向である。
【0593】
各メイン磁石部621、622により主磁場M.M.F及び副磁場S.M.Fが形成され、それによりアークの経路A.Pを形成する電磁力が形成される過程については前述した通りである。
【0594】
よって、以下では、磁化部材630により主磁場M.M.Fが強化される過程を中心に説明する。
【0595】
第1磁化部材631は、第1メイン磁石部621に接触する。第1磁化対向面631aは、第1対向面621aと同じ極性になるように構成される。同図に示す実施形態において、第1磁化対向面631aは、N極になるように構成される。
【0596】
第2磁化部材632は、第2メイン磁石部622に接触する。第2磁化対向面632aは、第2対向面622aと同じ極性になるように構成される。同図に示す実施形態において、第2磁化対向面632aは、N極になるように構成される。
【0597】
第1磁化対向面631a及び第2磁化対向面632aから発散する磁場は、それぞれ中心部Cに向かって進む。具体的には、第1磁化対向面631aから発散した磁場は、第4面614に向かって進む。また、第2磁化対向面632aから発散した磁場は、第3面613に向かって進む。
【0598】
よって、各磁化対向面631a、632aから発散した磁場は、中心部Cに集まる。
【0599】
ここで、各磁化対向面631a、632aは、同じ極性、すなわち同図に示す実施形態におけるN極になるように構成されるので、各磁場間には、互いに押し合う力、すなわち斥力が発生する。
【0600】
よって、各磁化対向面631a、632aから発散した各磁場は、前述した主磁場M.M.Fの進行過程と同様になる。
【0601】
よって、各固定接触子220a、220bには、各メイン磁石部621、622から進む主磁場M.M.Fだけでなく、各磁化部材631、632から進む磁場も形成される。
【0602】
また、各磁化部材631、632から進む磁場は、主磁場M.M.Fと同じ経路で進む。その結果、主磁場M.M.Fの強度が強化される。
【0603】
よって、各固定接触子220a、220bにおいて形成される電磁力の強度も強化され、アークの経路A.Pが効果的に形成される。
【0604】
当然ながら、電磁力の方向は、前述したように、図21の(a)において、前方、すなわち第2面612に向かう方向である。また、図21の(b)において、後方、すなわち第1面611に向かう方向である。
【0605】
一方、各磁化部材631、632は、副磁場S.M.Fを形成する。副磁場S.M.Fは、各磁化対向面631a、632aから各反対面631b、632bに向かって進む。
【0606】
すなわち、各磁化部材631、632から発散する副磁場S.M.Fの空間部616内における進行方向は、各メイン磁石部621、622から発散する副磁場S.M.Fの進行方向と同様に、主磁場M.M.Fの進行方向と同じである。
【0607】
よって、各磁化部材631、632から発散する副磁場S.M.Fにより、主磁場M.M.F及び各メイン磁石部621、622から発散する副磁場S.M.Fの強度が強化される。
【0608】
また、前述したように、各磁化部材631、632は、各メイン磁石部621、622とそれぞれ連結され、1つの磁石のように機能する。よって、各磁化部材631、632間には、各メイン磁石部621、622が形成する主磁場M.M.Fと同じ方向の磁場が形成される。
【0609】
よって、主磁場M.M.Fにより形成される電磁力の強度も強化され、アークの経路A.Pがより効果的に形成される。
【0610】
図22には、アーク経路形成部600がメイン磁石部620及びサブ磁石部640を含む実施形態を示す。
【0611】
図22の(a)における電流の通電方向は、電流が第1固定接触子220aに流入し、可動接触子430を経て、第2固定接触子220bから流出する方向である。
【0612】
また、図22の(b)における電流の通電方向は、電流が第2固定接触子220bに流入し、可動接触子430を経て、第1固定接触子220aから流出する方向である。
【0613】
各メイン磁石部621、622により主磁場M.M.F及び副磁場S.M.Fが形成され、それによりアークの経路A.Pを形成する電磁力が形成される過程については前述した通りである。
【0614】
よって、以下では、サブ磁石部640により主磁場M.M.Fが強化される過程を中心に説明する。
【0615】
各サブ磁石部640は、磁石フレーム610の面のうち、メイン磁石部620が位置しない磁石フレーム610の面に位置する。同図に示す実施形態において、第3面613及び第4面614にはメイン磁石部620が位置するので、各サブ磁石部640は第1面611及び第2面612に位置する。
【0616】
具体的には、第1サブ磁石部641は第1面611に位置し、第2サブ磁石部642は第2面612に位置する。
【0617】
各サブ磁石部641、642の各サブ対向面641a、642aは、各対向面621a、622aとは異なる極性になるように構成される。同図に示す実施形態において、各対向面621a、622aがN極になるように構成されるので、各サブ対向面641a、642aはS極になるように構成される。
【0618】
よって、各サブ磁石部641、642には、各サブ対向面641a、642aに収束する方向の磁場が形成される。
【0619】
よって、第1メイン磁石部621及び第2メイン磁石部622から発散した主磁場M.M.Fは、第1サブ磁石部641又は第2サブ磁石部642に向かって進む。
【0620】
よって、主磁場M.M.Fは、各メイン磁石部621、622から発散する方向だけでなく、各サブ磁石部641、642に収束する方向にも進む。
【0621】
よって、第1固定接触子220aに形成される主磁場M.M.Fの強度は、中心部C又は第2メイン磁石部620に向かう方向、すなわち同図に示す実施形態における右側に進む方向にさらに強化される。
【0622】
同様に、第2固定接触子220bに形成される主磁場M.M.Fの強度は、中心部C又は第1メイン磁石部610に向かう方向、すなわち同図に示す実施形態における左側に進む方向にさらに強化される。
【0623】
よって、主磁場M.M.Fにより各固定接触子220a、220bにおいて形成される電磁力の強度もさらに強化され、アークの経路A.Pが効果的に形成される。
【0624】
以上の説明においては、各対向面621a、622aがN極となる実施形態を中心に説明したが、各対向面621a、622aがS極となる実施形態も考えられる。その場合、電磁力の方向及びアークの経路A.Pが前述した実施形態とは反対になることが理解されるであろう。
【0625】
前述したように、本実施形態によるアーク経路形成部600は、固定接触子220に供給される電流の方向とは関係なく、中心部Cに向かってアークが進まない。すなわち、アーク経路形成部600が形成するアークの経路A.Pは、中心部Cではなく、前方又は後方に向かうように形成される。
【0626】
よって、中心部Cに密集している各構成要素がアークにより損傷することが防止される。
【0627】
以上、本発明の好ましい実施形態を挙げて説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載される本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で本発明の様々な修正及び変更が可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0628】
10 直流リレー
100 フレーム部
110 上部フレーム
120 下部フレーム
130 絶縁プレート
140 支持プレート
200 開閉部
210 アークチャンバ
220 固定接触子
220a 第1固定接触子
220b 第2固定接触子
230 シール部材
300 コア部
310 固定コア
320 可動コア
330 ヨーク
340 ボビン
350 コイル
360 復帰スプリング
370 シリンダ
400 可動接触子部
410 ハウジング
420 カバー
430 可動接触子
440 シャフト
450 弾性部
500 第1実施形態によるアーク経路形成部
510 磁石フレーム
511 第1面
512 第2面
513 第3面
514 第4面
515 アーク放出孔
516 空間部
520 メイン磁石部
521 第1メイン磁石部
521a 第1対向面
521b 第1反対面
522 第2メイン磁石部
522a 第2対向面
522b 第2反対面
523 第3メイン磁石部
523a 第3対向面
523b 第3反対面
524 第4メイン磁石部
524a 第4対向面
524b 第4反対面
530 磁化部材
531 第1磁化部材
531a 第1磁化対向面
531b 第1磁化反対面
532 第2磁化部材
532a 第2磁化対向面
532b 第2磁化反対面
540 サブ磁石部
541 第1サブ磁石部
541a 第1サブ対向面
541b 第1サブ反対面
542 第2サブ磁石部
542a 第2サブ対向面
542b 第2サブ反対面
600 第2実施形態によるアーク経路形成部
610 磁石フレーム
611 第1面
612 第2面
613 第3面
614 第4面
615 アーク放出孔
616 空間部
620 メイン磁石部
621 第1メイン磁石部
621a 第1対向面
621b 第1反対面
622 第2メイン磁石部
622a 第2対向面
622b 第2反対面
630 磁化部材
631 第1磁化部材
631a 第1磁化対向面
631b 第1磁化反対面
632 第2磁化部材
632a 第2磁化対向面
632b 第2磁化反対面
640 サブ磁石部
641 第1サブ磁石部
641a 第1サブ対向面
641b 第1サブ反対面
642 第2サブ磁石部
642a 第2サブ対向面
642b 第2サブ反対面
1000 従来技術による直流リレー
1100 従来技術による固定接点
1200 従来技術による可動接点
1300 従来技術による永久磁石
1310 従来技術による第1永久磁石
1320 従来技術による第2永久磁石
C:空間部516、616の中心部
M.M.F:主磁場
S.M.F:副磁場
A.P:アークの経路
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図13(a)】
図13(b)】
図14(a)】
図14(b)】
図15(a)】
図15(b)】
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
図18(a)】
図18(b)】
図19(a)】
図19(b)】
図20(a)】
図20(b)】
図21(a)】
図21(b)】
図22(a)】
図22(b)】
【国際調査報告】