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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】ベビーカー
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20220914BHJP
   B62B 9/20 20060101ALI20220914BHJP
   B60L 15/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
B62B3/00 G
B62B9/20
B60L15/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502468
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2020070147
(87)【国際公開番号】W WO2021009286
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】202019002988.5
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘジュドゥク、ジリ
【テーマコード(参考)】
3D050
3D051
5H125
【Fターム(参考)】
3D050AA04
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050FF04
3D050KK14
3D051AA02
3D051AA23
3D051BA03
3D051CB05
3D051CG04
5H125AA17
5H125AB01
5H125AC12
5H125BA00
5H125CA01
5H125EE41
5H125FF28
(57)【要約】
本発明は、プッシャーバー(11)と、特にプッシャーバー(11)に作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備えるベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)に関し、少なくとも1つの力センサ装置は、プッシャーバー(11)の水平部(101)の大部分、好適には80%以上または90%以上にわたり力(成分)および/またはそこから導出される変数を測定するように設計され、および/または、プッシャーバー(11)の水平部(101)とプッシャーバー(11)の連結部(102)との間のプッシャーバー(11)の少なくとも1つの特に湾曲および/または円弧状の移行部(103)において力(成分)および/またはそこから導出される変数を測定するように設計される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)を押すためのプッシャーバー(11)と、前記プッシャーバー(11)に作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に前記力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備え、
前記少なくとも1つの力センサ装置は、前記プッシャーバー(11)の水平部(101)の少なくとも大部分、好適には80%以上または90%以上にわたり力(成分)および/またはそこから導出される変数を測定するように構成され、前記プッシャーバー(11)の前記水平部(101)と前記プッシャーバー(11)の連結部(102)との間の、前記プッシャーバー(11)の少なくとも1つの特に湾曲および/または円弧状の移行部(103)において力(成分)および/またはそこから導出される変数を測定するように構成される、ベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項2】
ベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)を押すためのプッシャーバー(11)と、前記プッシャーバー(11)に作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に前記力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備え、
前記少なくとも1つの力センサ装置は、前記プッシャーバー(11)の水平部(101)の少なくとも大部分、好適には80%以上または90%以上に延び、前記プッシャーバー(11)の前記水平部(101)と前記プッシャーバー(11)の連結部(102)との間の、前記プッシャーバー(11)の少なくとも1つの特に湾曲および/または円弧状の移行部(103)に少なくとも部分的に延びる、特に請求項1に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項3】
ベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)を押すためのプッシャーバー(11)と、前記プッシャーバー(11)に作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に前記力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備え、
前記力センサ装置は、
好適には、少なくとも1つのセンサユニット(センサ)(140)を少なくとも部分的に収容するように設計された基部(110)と、
好適には前記プッシャーバー(11)のハンドル領域(104)において、前記基部(110)および任意選択的に前記少なくとも1つのセンサユニット(140)を少なくとも部分的に被覆し、任意選択的に、前記少なくとも1つのセンサユニット(140)に、特に固定的に連結された外装部(120)と
を備え、
前記外装部(120)は、前記基部(110)に対し可動、特に変位可能であり、任意選択的に、前記基部(110)と前記外装部(120)との間に中間空間(105)が存在し、
前記少なくとも1つのセンサユニット(140)は、前記外装部(120)と前記基部(110)との間の動き、特に変位を検出するように設計される、特に請求項1または2に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項4】
前記ベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)のアシスト駆動のために、少なくとも1つのモータ(17)、特に電動モータが提供される
ことを特徴とする、請求項1~3の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの力センサ装置の出力が、前記少なくとも1つのモータ(17)を制御するために用いられ得るように、好適には前記少なくとも1つの力センサ装置に動作的に接続された少なくとも1つの制御装置(18)
を特徴とする、請求項1~4の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項6】
前記制御装置(18)は、特に前記少なくとも1つの力センサ装置の前記出力の関数として、前記少なくとも1つのモータ(17)の前記出力を、たとえば離散ステップで、および/または連続的に、制御および/または調整するように設計され、および/または、前記力および/または力成分および/またはそこから導出される変数の第1の閾値を超過すると、少なくとも1つのモータ(17)が始動するように設計され、および/または前記力および/または力成分および/またはそこから導出される変数の第2の閾値を超過すると、少なくとも1つのモータ(17)が停止され、または一定の電力で維持されるように設計される
ことを特徴とする、請求項3~5の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項7】
前記センサ装置は、好適には各々が連結部(102)を介して少なくとも部分的に延び、および/または前記水平部(101)の両端部に隣接して延び、および/またはこれらの端部の先に延びる少なくとも2つのセンサユニットを備える
ことを特徴とする、請求項1~6の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項8】
前記センサ装置は、互いに対し可動な、特に変位可能な少なくとも2つまたは丁度2つの部品を備え、相対的動き、特に相対的動きの大きさを測定する少なくとも1つのセンサユニットを備える
ことを特徴とする、請求項1~7の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項9】
前記第1の部品および前記第2の部品は、少なくとも略径方向に、および/または少なくとも概ね前方および垂直方向に広がる平面に横たわる方向に、互いに対し可動、特に変位可能である
ことを特徴とする、請求項1~8の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項10】
前記第1の部品および/または前記第2の部品は、少なくとも1つのセンサユニットに固定的に連結される
ことを特徴とする、請求項1~9の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項11】
少なくとも1つのセンサユニットは、電気抵抗または電気抵抗の変化を測定するように構成され、好適には前記水平部(101)および/または移行部(103)に配置された少なくとも1つ、任意選択的に2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の歪みゲージを備え、および/または曲げビームセンサとして構成され、測定体に加わるトルクは、少なくとも1つ、たとえば4つの歪みゲージに作用し、たとえば1つまたは2つの歪みゲージが延伸し、2つの歪みゲージが圧縮され、更に好適には、4つの歪みゲージが、前記歪みゲージから抵抗変化を測定するためにブリッジ回路に構成される
ことを特徴とする、請求項1~10の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項12】
基部は、直線部と、少なくとも1つ、特に丁度1つまたは丁度2つの湾曲部とを有し、および/または、任意選択的に多角形、特に四角形、または円形の断面を有する中空または中空でない外形として設計され、および/または、
前記外装部(120)は、直線部と、少なくとも1つ、特に丁度1つまたは丁度2つの湾曲部とを有し、および/または、任意選択的に多角形、特に四角形、または円形の断面を有する中空または中空でない外形として設計され、および/または、前記基部の外形は、1ピースで、任意選択的にモノリシックに設計され、および/または、
前記外装部(120)は、複数ピース、特に2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のピースで、特に、各々がそれ自体モノリシックであってよい対応する多数の部品から形成され、および/または、
前記外装部(120)は、少なくとも部分的に、特に前記移行部(103)において、2つのシェル半部によって形成され、および/または、
前記外装部(120)は、少なくとも軸部において、180°以上または270°以上の角度範囲にわたり、または少なくとも概ね全体的に、前記基部を包囲する
ことを特徴とする、請求項1~11の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)。
【請求項13】
前記プッシャーバー(11)に作用する力(成分)が測定され、特にプッシャーバー(11)に作用する力および/または力成分の方向および/または大きさおよび/またはこの力または力成分から導出される変数、特に前記力または力成分の経時的変化が検出される、請求項1~12の1項に記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム(10)を制御するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にモータアシスト付きのベビーカーフレームおよび対応するベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
電動式ベビーカーは、原理的に知られている。これらは、モータの力だけで動くことができるように構成され得る。また、モータアシスト付きのベビーカーが原理的に知られており、これは、ベビーカーを操作する人間の駆動力をサポートするが、操作者が力を加えていない場合はアシストを提供しない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、操作が簡単で、労力を要さず、堅牢な、特に電動式のベビーカーフレームと、特に、ベビーカーを操作する人間が簡単、快適、かつ正確にベビーカーを制御することを可能にする、対応するベビーカーとを提案することである。
【0004】
この目的は、特に、(各々がそれ自体で、または組み合わせて)開示される特許請求の範囲の1つに記載のベビーカーまたはベビーカーフレーム、または対応する方法によって解決される。任意選択的に独立的でもある本発明の追加の態様は、以下の説明から得られる。
【0005】
本発明は、プッシャーバーのハンドル領域に設けられた、プッシャーバーに作用する外力を決定するためのセンサユニットを含む。
【0006】
本発明によると、任意選択的に、人間がベビーカーのハンドル領域を把持しているか否かを決定することが可能であってよい。ただし、好適には、力(またはそれに関連するパラメータ)が測定され、それに基づいて、ベビーカーの車輪のための補助駆動装置の係合が制御され得る。
【0007】
たとえば天候により手袋を着用している人間を静電容量型センサで検出することは困難であるため、非静電容量型の測定方法が好適である。
【0008】
プッシャーバーには、好適には、特に可能な限り少ない数のセンサを用いて、ベビーカーが押し引きされる力(またはそれに関連する、またはそこから導出されるパラメータ)を決定することを可能にするセンサシステムが提供される。
【0009】
好適には、センサシステムは、プッシャーバーがプッシャーバーの幅の大部分または幅全体にわたり、および/またはプッシャーバーの(略)水平部と(任意選択的にベビーカーの本体(フレーム)の方向に延びる)連結部との間の移行領域において(特にプッシャーバーの角部および/または湾曲部において)高感度であるように設計されるように、ベビーカーのプッシャーバーに一体化される。
【0010】
また、従来技術により知られている解決策に対し、単純、安全、正確、および/または費用効果の高い代替案を提案することも本発明の目的である。
【0011】
特に、本発明は、好適には1または複数の車輪(好適には3つまたは4つの車輪)と、少なくとも1つのハンドル領域を有するプッシャーバーと、少なくとも1つのセンサ装置とを備えるベビーカーまたはベビーカーのフレームに関する。ベビーカーまたはフレームは、それぞれ、1または複数の前輪ストラット、後輪ストラット、および/または子供受容装置および/または子供受容装置を取り付けるためのアダプタを更に備えてよい。ベビーカーまたはフレームは、モータ、および任意選択的にモータのための制御装置も含んでよい。追加の設計が可能である。
【0012】
プッシャーバーは、1または複数の(略)水平部(以下、水平部)を有してよく、水平部と水平との間の角度は30°未満、好適には15°未満、特に5°未満または丁度0°であってよい。プッシャーバーは、追加のフレーム要素に連結するための、(各例において)(少なくとも略)垂直面に延びる1または複数の部分(以下、連結部)を更に備えてよい。
【0013】
プッシャーバーは、周方向、すなわち、たとえば(逆)U字形であってよく、水平部と(少なくとも概ね)互いに平行な2つの横方向連結部とを有し、ハンドル領域(複数も可)は、水平部の少なくとも一部に位置する。あるいは、プッシャーバーは、2つの部分、すなわち2つの(少なくとも概ね)ステッキ型および/または松葉杖型の要素の形状であってもよく、プッシャーバーのハンドル領域は、この要素の(水平部を備える)上部湾曲領域に位置する。たとえば1つの中央連結部のみを有する他の実施形態も可能である。以下、(少なくとも略)U字形のプッシャーバーが想定される場合、特に記載されない限り、他のプッシャーバー形状への変換が可能であり、含まれるものとする。同様に、ハンドル領域に関する記述は、存在し得る任意のハンドル領域への言及として理解されるべきである。
【0014】
本発明の独立または追加の態様は、外部からプッシャーバーに作用する力が、プッシャーバーのハンドル領域内で直接(すなわち、たとえば連結部においてではなく)測定または決定されることである。
【0015】
プッシャーバーは、好適には、ハンドル領域におけるいくつかの部品で設計される。特に、プッシャーバーは、(特に寸法的に安定した)基部と、少なくとも1つのセンサユニット(好適には2つのセンサユニット)と、プッシャーバーのハンドル領域において基部およびセンサユニットを少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの(特に寸法的に安定した)外装部とを有する。
【0016】
実施形態によると、基部と外装部との間に中間空間が設けられ、これにより、外力が加えられた時に外装部が基部に対し(少なくとも最小限)動くことが可能である。外力がない状態において、基部および外装部は、好適には直接接していないことが望ましい(ただし、たとえば可撓性部分が存在する場合、直接接することが可能である)。
【0017】
実施形態によると、センサユニットは、基部および外装部(力伝導性および/または剛性)に取り付けられ、センサユニットは、好適には基部と外装部との間に配置される。
好適には、センサユニットは、ユーザによって外装部に加えられた少なくとも1つの感応軸に沿った力の大きさを決定することを可能にする、たとえば歪みゲージなどの少なくとも1つの力センサを備える。
【0018】
好適には、センサユニット(複数も可)を介して形成される連結部(複数も可)が、基部と外装部との間の唯一の(力を伝達する)連結部であるため、外装部に作用する任意の外力は、(たとえば変形作用など、外装部に直接作用しない限り)センサユニットを介して基部に伝達される。
【0019】
たとえば皮革製または布製のカバーで基部および外装部が覆われていることも考えられる。ただし、そのようなカバーは、2つの部分の間で力を伝達せず、または比較的小さな範囲でしか伝達しないので、センサユニットから独立した任意の(力を伝達する)連結部を設けないという好適な設計と必ずしも矛盾しない。
【0020】
プッシャーバーのハンドル領域においてベビーカーを押し引きすることにより、基部および外装部は、互いに対し(最小限に)変位する。両部分の変位は、好適には、センサユニットにおける電気パラメータの変化(たとえばセンサ設計に依存して電圧および/または抵抗の変化)をもたらす。電気パラメータの変化は、伝送装置を用いて(たとえばケーブルまたは無線によって)制御ユニットに伝送され得るので、変位および加えられた力に依存して、ベビーカーの車輪をサポートするために適用されるモータ電力が決定される。したがって、ベビーカーは、加えられた外力に依存して補助駆動装置によってサポートされ得る。
【0021】
プッシャーバーのハンドル領域は、好適には大部分(特に長手方向において、その範囲の50%以上または80%以上)、任意選択的に全ての部分で、外部からプッシャーバーに作用する力を感知することが望ましい。
【0022】
水平部(複数も可)に加えて、水平部(複数も可)と連結部(複数も可)との間の移行領域も感知可能に設計され得る。これは、基部が少なくとも部分的に、丸みを帯びた領域において(任意選択的に個別の)丸みを帯びた外装部によって包囲されることによって実現される。
【0023】
それぞれの外装部、特に丸みを帯びた外装部は、たとえばプラスティックで、任意選択的に各例においてモノリシックに(monolithically)、好適には2つ以上の部品で(安価に)製造され得る。特に、それぞれの外装部、特に丸みを帯びた外装部は、(部分的に)射出成形および/または3Dプリンタによって製造され得る。
【0024】
たとえばユーザがプッシャーバーの丸みを帯びた領域でベビーカーを把握/把持し、ベビーカーのプッシャーバーに引く力または押し力を加えた時、丸みを帯びた外装部および基部が互いに対して動くことができるように、丸みを帯びた外装部と基部との間に(上記の)中間空間が設けられ得る。
【0025】
丸みを帯びた外装部は、好適には、センサユニットに面する側に、基部と外装部との間の空間に延びる第1の突起部を有する。実施形態によると、丸みを帯びた外装部と基部との間の動き(変位)をもたらす力は、丸みを帯びた外装部の第1の突起部によってセンサユニットに(機械的に)伝達されるので、丸みを帯びた領域におけるプッシャーバーのハンドル領域も感知可能である。
【0026】
好適には、丸みを帯びた外装部の第1の突起部は、基部と外装部との間の(場合によっては唯一の)連結部であるため、基部、外装部、丸みを帯びた外装部、およびセンサの間の連結は、上記第1の突起部(のみ)を介して提供される。ただし、センサユニットは、追加の箇所で基部に固定され、特にねじ止めされ得る。
【0027】
好適には、丸みを帯びた外装部は、エッジ領域、特にエッジを有し、これにより、外装部と直接隣接し、特に確実に隣接する。特に、エッジ領域は、外装部における対応する凹部と協働するための第3の突起部を有してよい。
【0028】
特定の設計において、それぞれの外装部、特に丸みを帯びた外装部は、水平部と連結部との間の移行領域において基部を被覆し得るように互いに接合され得る2つのシェル半部を有してよい。2つのシェル半部間の連結は、材料を閉じること(たとえば接着)によって行われ得るが、好適には、この連結は取外し可能であり、ラッチ、スナップ、および/またはねじ機構によって行われることが望ましい。このために、2つのシェル半部の一方は、受容空間に突出する第2の突起部を有してよく、これを介して、他方のシェル半部との連結が確立される。第2の突起部は、他方のシェルの内側における対応する相手部と協働し得るラッチまたはスナップ機構を有して(支持して)よく、および/または、他方のシェル半部に設けられた対応する開口部を貫通するねじと協働し得る雌ねじを有してよい。いずれの場合も、丸みを帯びた外装部と基部との間の不所望の連結を防ぐために、第2の突起部よりも(少なくともわずかに)(径が)大きい開口部(チャネル)が基部に設けられ得る。
【0029】
好適な実施形態において、2つのセンサユニットは、プッシャーバーに一体化される。センサユニットは、水平部の端部に隣接して(5cm未満または3cm未満または1cm未満の距離に)、すなわち連結部の付近に位置する。
【0030】
少なくとも1つのセンサユニット、好適には2つのセンサユニットが(プッシャーバーの左右に対称的に)取り付けられる。センサユニットの検出方向は、水平に対し0°~45°、好適には3°~20°、たとえば(少なくとも約)8°の傾斜角で前方下向きに傾斜してよい。センサユニットの傾斜により、上向きまたは下向きの力成分も検出され得るので、必要に応じて(たとえばプッシャーバーに下向きに作用する力によって前輪が持ち上がっている場合)、モータによるアシスト駆動が許可されないことがある。
【0031】
外装部または丸みを帯びた外装部の特定の寸法において、(寸法的に安定した)基部と外装部または丸みを帯びた外装部との間に、好適には0.1mm~5mm、更に好適には0.5mm~2mm、たとえば約1mmの(好適には一定の)中間空間が設けられる。
【0032】
補助駆動装置が介在する力閾値は、30N~7N、特に25N~10N、好適には(少なくとも約)15Nであってよい。センサユニットのサンプリングレートは、5Hzより大きく、特に10Hz以上であってよい。サンプリングレートは更に、1kHz未満または100Hz未満であってよい。好適には、力の閾値にヒステリシスは設けられない。
【0033】
歪みゲージに加えて、センサを用いて基部と外装部(複数も可)(および丸みを帯びた外装部(複数も可))との間の変位を検出するために、静電容量型および/または誘導型センサも用いられ得る。互いに対して変位可能ないくつかの部分も考えられる。
【0034】
個別の丸みを帯びた外装部を有する説明された実施形態の代替として、(外装部(複数も可)および/または丸みを帯びた外装部(複数も可)を備える、またはそれらで構成される)外装の他の区分も設けられ得る。特に、外装全体が(少なくとも)2つの部分を備えてよく、そのいずれも単独で外装を構成するのではなく、(少なくとも)2つの部分の接合によってのみ外装が形成される。特に、2つのシェル半部、たとえば上側シェルおよび下側シェル、または前部シェルおよび後部シェルが提供され得る。追加の(たとえば互いに接合するための)特徴は、上記説明に類似した結果をもたらす。
【0035】
上述した目的は、態様Aに従って、特に、ベビーカーまたはベビーカーフレームを押すためのプッシャーバーと、特にプッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備えるベビーカーまたはベビーカーフレームで解決され、少なくとも1つの力センサ装置は、好適には直接、(特に少なくとも概ね水平に、任意選択的に30°以下または10°以下の角度で延びる)プッシャーバーの水平部の少なくとも大部分(好適には80%以上または90%以上)にわたり力(成分)および/またはそこから導出される変数を検出するように構成され、および/または、好適には直接、プッシャーバーの水平部と(特に上から下に、好適には斜めに延びる、および/またはベビーカーの本体(フレーム)を終端とする、任意選択的にヒンジで取り付けられた)プッシャーバーの連結部との間の、少なくとも1つの特に湾曲および/または円弧状のプッシャーバーの移行部において、力(成分)および/またはそこから導出される変数を測定するように構成される。
【0036】
代替または追加として、上述した目的は、態様Bに従って、特に、ベビーカーまたはベビーカーフレームを押すためのプッシャーバーと、特にプッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備える、特に態様Aに係るベビーカーまたはベビーカーフレームによって解決され、少なくとも1つの力センサ装置は、プッシャーバーの(特に、少なくとも実質的に水平に、場合によっては30°以下または10°以下の角度で延びる)水平部の少なくとも大部分(好適には80%以上または90%以上)にわたり延び、および/または、好適には直接、プッシャーバーの水平部と(特に上から下に、好適には斜めに延びる、および/またはベビーカーの本体(フレーム)を終端とする、任意選択的にヒンジで取り付けられた)プッシャーバーの連結部との間の、少なくとも1つの特に湾曲および/または円弧状のプッシャーバーの移行部に少なくとも部分的に延びる。
【0037】
代替または追加として、上述した目的は、態様Cに従って、特に、ベビーカーまたはベビーカーフレームを押すためのプッシャーバーと、特にプッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出するため、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に力または力成分の経時的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置とを備える、特に態様AまたはBの少なくとも1つに係るベビーカーまたはベビーカーフレームによって解決され、力センサ装置は、
好適には少なくとも1つのセンサ装置(センサ)を少なくとも部分的に収容するように設計された基部と、
好適にはプッシャーバーのハンドル領域において、基部および任意選択的に少なくとも1つのセンサユニットを少なくとも部分的に被覆し、任意選択的に少なくとも1つのセンサユニットに特に固定的に連結された外装部と
を備え、
外装部は、基部に対し可動、特に変位可能であり、任意選択的に、基部と外装部との間に中間空間が存在し、
少なくとも1つのセンサユニットは、外装部と基部との間の動き、特に変位を検出するように設計される。
【0038】
好適には、ベビーカーまたはベビーカーフレームの駆動をアシストするために、少なくとも1つのモータ、特に電動モータが提供される。
【0039】
好適には、特に少なくとも1つのセンサ装置の出力が少なくとも1つのモータを制御するために用いられ得るように、好適には少なくとも1つの力センサ装置と動作接続状態である少なくとも1つの制御装置が提供される。
【0040】
好適には、制御装置は、特に少なくとも1つのセンサ装置の出力に依存して、たとえば離散ステップで、および/または連続的に、少なくとも1つのモータの出力を制御および/または調整するように設計される。代替または追加として、制御装置は、力および/または力成分および/またはそこから導出される数量の第1の閾値を超過すると少なくとも1つのモータが始動するように設計される。代替または追加として、制御装置は、力および/または力成分および/またはそこから導出される変数の第2の閾値を超過すると少なくとも1つのモータが停止され、または一定の電力で維持されるように設計される。
【0041】
好適には、センサ装置は、好適には連結部を介して少なくとも部分的に相互接続する、および/または水平部の両端部に隣接して伸びる、および/またはこれらの端部を延長する(その先にある)少なくとも2つのセンサユニット(センサ)を備える。
【0042】
好適には、センサ装置は、互いに対し可動である、特に変位可能である少なくとも2つまたは丁度2つの(各例において単片または多片の)部品(第1および第2の部品、または実施形態によると、外装部および基部)と、相対的動き(または相対的変位)、特に相対的動き(相対的変位)の大きさを測定する少なくとも1つのセンサユニット(センサ)とを備える。
【0043】
好適には、第1の部品(実施形態によると外装部)および第2の部品(実施形態によると基部)は、互いに対し、(少なくとも実質的に)径方向および/または(少なくとも実質的に)前進方向(直進時)および垂直方向に広がる平面に横たわる方向に可動、特に変位可能である。
【0044】
好適には、第1の部品(実施形態によると外装部)および/または第2の部品(実施形態によると基部)は、少なくとも1つのセンサユニットに強固に連結される。
【0045】
好適には、少なくとも1つのセンサユニット(上記少なくとも1つのセンサユニット)は、電気抵抗または電気抵抗の変化を(測定する)ように構成される。代替または追加として、少なくとも1つのセンサユニット(上記少なくとも1つのセンサユニット)は、少なくとも1つ、任意選択的に2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の(好適には水平部および/または移行部に配置された)歪みゲージを有する。代替または追加として、少なくとも1つのセンサユニット(上記少なくとも1つのセンサユニット)は、曲げビームセンサとして構成され、好適には、測定体にかかるトルクが少なくとも1つ、たとえば4つの歪みゲージに作用し、たとえば1つまたは2つの歪みゲージが延伸し、2つの歪みゲージが圧縮され、更に好適には、歪みゲージから抵抗変化を測定するために4つの歪みゲージがブリッジ回路内に構成される。
【0046】
実施形態によると、基部は、直線部と、少なくとも1つ、特に丁度1つまたは丁度2つの湾曲部とを有する。
基部は、中空ではない、または好適には中空の部分として、任意選択的に多角形(特に正方形)、たとえばD字形、楕円形、または円形の断面を有するように設計され得る。
【0047】
外装部は、直線部と、少なくとも1つ、特に丁度1つまたは丁度2つの湾曲部とを有してよい。
外装部は、中空ではない、または好適には中空の外形として、任意選択的に多角形(特に正方形)、たとえばD字形、楕円形、または円形の断面を有するように設計され得る。
【0048】
基部外形は、単一ピースとして(任意選択的にモノリシックに)設計され得る。
外装部は、複数ピース、特に2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の数のピースで構成され得る(特に、対応する多数の個々の部品で構成され、その各々は、任意選択的にそれ自体がモノリシックであってよい)。
【0049】
外装部は、少なくとも部分的に、特に移行部において2つのシェル半部によって構成され得る。
外装部は、180°以上または270°以上、または少なくとも実質的に全体が(少なくとも(軸方向に)部分的に)基部に包囲され得る。
【0050】
上記目的は、更に好適には、特に上述および後述するように、プッシャーバーに作用する力(成分)が測定され、特にプッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または大きさ、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に力または力成分の経時的変化が検出される、ベビーカーまたはベビーカーフレームを制御するための方法によって解決される。ベビーカーまたはベビーカーフレームの機能特徴が上述および後述される場合、これらは、対応する方法ステップが行われ得るものとして理解されるべきである。この点に関して、方法の観点から、対応する装置特徴(たとえば力センサ装置など)は必ずしも決定的ではなく、そのような方法ステップ(すなわち、たとえば力の方向および/または大きさの検出)である。また上述および後述するような対応する装置特徴(たとえば力センサ装置など)も方法において存在し得ることが理解される。
追加の実施形態は、従属クレームから明らかである。
【0051】
図面の簡単な説明までの以下のセクションにおいて、本発明の追加の好適な特徴が説明される。このセクションにおいて特徴が任意選択として示されない場合、これは、このセクション自体の開示にのみ適用される。特にこれは、特許請求の範囲および上記において特に説明されるように、それぞれの特徴が一般に本発明に不可欠または強制であることを(必ずしも)意味するものではない。以下のベビーカーフレームに関する記述は、ベビーカーにも適用されるものとする。したがって、たとえば、ベビーカーフレームがモータを有することが記載される場合、ベビーカーがモータを有することの開示も意図される。
【0052】
特に、ベビーカーフレームを駆動するための少なくとも1つのモータ、特に電動モータと、ベビーカーフレームを押すための少なくとも1つのプッシャーバーと、好適には少なくとも1つのセンサ装置、特に力センサ装置とを備えるベビーカーフレームが提案される。好適には、センサ装置、特に力センサ装置は、プッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または大きさを検出し、および/またはこの力または力成分から導出される変数、特に力または力成分の経時的変化を検出するように設計される。
【0053】
任意選択的な態様において、力および/または力成分の方向または大きさ(またはその両方)(またはその力または力成分から導出される数量)を感知する力感知装置が提供される。これにより、センサ装置の出力に基づいて適切な制御が行われることが可能である。センサ装置の出力は、特に、測定値の出力および/または複数の測定値の平均値の出力を意味する。
【0054】
その後、制御は、内部で(ベビーカーフレームに設けられた制御装置によって)、および/または個別の制御装置(たとえばモバイル端末、特にスマートフォン)によって外部で行われ得る。ただし、力または力に関連する変数に関する対応するデータが生成され得ることが第1に重要である。この点に関して、ベビーカーフレーム(または対応するベビーカー)自体が制御装置を有することは有利であるが、絶対的に必要ではない。概して、ユーザが使い易く製造が容易なモータアシストベビーカーフレームが提案される。
【0055】
プッシャーバーは、好適には単一ピースとして(任意選択的に、互いに対し動くことができる個々の部品を有して)設計される。特に、プッシャーバーは、水平ハンドルを有してよい。あるいはプッシャーバーは、複数ピース(たとえば2ピース)で、たとえば互いに分離したいくつかのハンドルで設計され得る。
【0056】
力センサ装置を用いると、特に少なくとも2つの異なる力方向(たとえば前方と後方および/または上方と下方)が検出され、任意選択的に、それらの大きさが決定されてよく、または少なくとも4つの異なる方向(たとえば前方、後方、上方、および下方)が検出され、任意選択的に、それらの大きさが決定され得る。
【0057】
任意選択的に、少なくとも2つの異なる大きさ(>0)、好適には少なくとも4つの異なる大きさ、たとえば力(または力成分またはそこから導出される数量)の連続した大きさが、力センサ装置を用いて検出され得る。いずれの場合も、そのような力センサ装置は、ベビーカーまたはベビーカーフレームを駆動するためのモータを制御するために有利に用いられ得る情報を簡単な方法で提供する。
【0058】
好適には、ベビーカーフレームまたはベビーカーは、ベビーカーフレームを駆動するための複数のモータ、特に電動モータを有する。好適には、少なくとも2つまたは丁度2つの車輪(たとえば左右の車輪または第1の側方車輪および第2の側方車輪)の各々にモータが割り当てられる。好適には、モータを個々に制御するために制御ユニットが提供され得る。代替または追加として、ベビーカーフレームの押し力および/または動きを検出するためにセンサ装置が提供され得る。複数の(特に少なくとも2つまたは丁度2つの)モータによって、特にコーナリングの際の押し心地を改善することができ、(たとえば差動装置を有する1つのモータのみの場合に)このために手の込んだ手段を設ける必要はない。
【0059】
他に示されない場合、押すことまたは押し力は、特に前方および後方の両方に向けられ得る動作または力を意味するように理解されるものとする(ただし、後者は引くことまたは牽引力とも称され得る)。
【0060】
(2つの)力が比較され、(2つの)力が等しいまたは異なると記載される場合、これは一般に、「力の方向および/または大きさに関して等しいまたは異なる」の略語として理解されるべきであり、(たとえば「後方への力」の場合のように)方向が記載される文脈に従う場合を除き、等しいまたは異なる力に関する記載は、力の大きさに関するものとする。
【0061】
少なくとも1つの(力)センサ装置は、プッシャーバー、特にプッシャーバーのハンドル上および/または内部に配置され、および/またはプッシャーバー取付け領域内および/またはその付近に配置され得る。プッシャーバー取付け領域は、特に、プッシャーバーがベビーカーフレームの本体に取り付けられる領域を意味する。プッシャーバー取付け領域付近の配置は、プッシャーバーに対し10cm未満、好適には5cm未満の距離における配置を意味する(相対的に動くプッシャーバーの場合、ここでは特に最小距離が意図される)。
【0062】
好適には、特に少なくとも1つのセンサの出力が少なくとも1つのモータを制御するために用いられるように、少なくとも1つの(力)センサ装置と動作接続状態にある少なくとも1つの制御装置が提供される。このようにして、簡単かつ信頼性の高い力(またはたとえば現在の動きなどの他の変数)の検出が行われ得る。
【0063】
1つの実施形態において、少なくとも1つのセンサ装置は、プッシャーバーに作用する力および/または力成分および/またはそこから導出される変数を少なくとも2つの異なる位置で検出するように設計される。特に、この検出は、プッシャーバーの第1の(たとえば左)側および第2の(たとえば右)側、特にハンドルの第1の(たとえば左)側および第2の(たとえば右)側、および/または特に各々が横方向に配置された2つの異なるハンドルで行われ得る。本文および以下で左側または右側に言及する場合、これは特に、それぞれベビーカーフレームまたはベビーカーを操作している人間の視線方向に由来する左側または右側を指す。
【0064】
具体的な実施形態において、センサ装置は、移動方向および/または移動方向の逆方向(それぞれ水平方向)および/または上向きおよび/または下向き(それぞれ垂直方向)の力成分を決定するように設計される。代替または追加として、対応する時間微分(または経時的変化)の成分が決定され得る。
【0065】
複数の異なる位置で作用力(および/または力成分および/または力由来の変数)が検出される場合、制御装置は、たとえば(特に水平方向の)作用力(および/またはその経時的変化)の大きさおよび持続期間に依存して、および/または(特に水平方向の)力(および/またはその経時的変化)が同じ方向を向いているかに依存して、対応する駆動輪(または任意選択的に関連モータ)が作動するように設計され得る。駆動輪(または対応する関連モータ)は、自身の側に加わる力(および/またはこの力の経時的変化)および/または他方(反対)の側に加わる力(および/またはその経時的変化)に依存して制御され得る。
【0066】
制御装置は、好適には、特に少なくとも1つのセンサ装置の出力に依存して、たとえば離散段階的および/または連続的に、少なくとも1つのモータの出力を制御および/または調整するように構成される。
【0067】
また、制御装置は、力および/または力成分および/またはそこから導出される変数の第1の閾値を超過した場合、少なくとも1つのモータが始動するように設計され得る。モータの始動とは、特に、モータがベビーカーフレームを駆動するための電力を提供することと理解されるべきである。この意味では、モータをオンに切り換えること(たとえば、その後アイドル(idle)速度で動作する場合)は、まだ始動ではない。ただし、始動は、モータを最初にオンに切り換えること(電力供給)を意味してもよい。
【0068】
制御装置は、力および/または力成分(たとえば上向きまたは下向き成分)および/またはそこから導出される変数の第2の閾値を超過した場合、少なくとも1つのモータが停止され、または一定の電力で維持されるように設計され得る。モータの停止は、特に、モータがベビーカーを駆動しない状態にすることを意味する。任意選択的に、モータは、(たとえばアイドル状態で)動作を継続し得る。ただしこれは、最終的にオフに切り換えること(たとえばモータに供給するためのエネルギの中断)と理解されることもある。第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい数量であってよい。
【0069】
また、制御装置は、下向きに作用する力の閾値Fを超過した場合および/または上向きに作用する力の閾値Fを超過した場合、および/または、前方に作用する力の閾値Ff2を超過した場合および/または後方に作用する力の閾値Fr2を超過した場合、少なくとも1つのモータが停止されるように設計されてよく、ここで、FよびFは任意選択的に(数量の点で)同一であるか、または異なり、Ff2およびFr2は任意選択的に(数量の点で)同一であるか、または異なり、または一定の電力で維持され、ここでFf2および/またはFr2は好適にはFおよび/またはFより大きく、特に2倍または5倍または20倍の大きさである。好適には、制御装置は、(過去に超過した場合に)電力がそれぞれFf2、Fr2、F、またはFを下回ると、モータが(再び)始動するように設計される。
【0070】
制御機能は更に、前方に作用する力の閾値Ff1を超過した場合および/または後方に作用する力の閾値Fr1を超過した場合(および/または、任意選択的に、下向きに作用する力の閾値を超過した場合および/または上向きに作用する力の閾値を超過した場合)、少なくとも1つのモータが始動するように設計されてよく、ここでFf1およびFr1は任意選択的に(数量の点で)同一であるか、または異なり(下向きに作用する力の閾値および上向きに作用する力の閾値は任意選択的に同一であるか、または異なり)、好適にはFf1はFf2より(数量の点で)小さく、および/または好適にはFr1はFr2より(数量の点で)小さい。
【0071】
代替または追加として、制御手段は、2つの側部の一方への(水平方向の)力が正であり、他方側への(水平方向の)力が負である場合(ベビーカーの回転またはカーブに対応し得る)、および/または、一方の側への(水平方向の)力の時間変化が正であり、他方側への(水平方向の)力の時間変化が負である場合(ベビーカーの回転またはカーブをもたらす)、駆動輪(モータ)の1つのみがアシストを提供するように、および/または、アシスト力が所定の値を超過しない、または両方のモータのアシストが(完全に)停止する、または少なくとも大幅に減少するように、駆動輪(または対応して関連モータ)が制御されるように構成され得る。
【0072】
ベビーカーフレームは、好適には、少なくとも1つの速度センサおよび/または少なくとも1つのコーナリングセンサを有する。特に、速度センサは、(地面に対するベビーカーフレームの)現在の速度の大きさ(および任意選択的に方向)が決定され得るように設計される。コーナリングセンサは、好適には、(ベビーカーフレームが移動する経路内の)ターンまたはカーブの曲率が検出され得るように構成される。その後、制御装置は、任意選択的に、特定の速度を超過する場合および/または特定のカーブ曲率に到達しない場合、対応するモータのアシストが停止するように設計され得る。これにより、ベビーカーの操作における全体的な信頼性および安全性が向上する。
【0073】
制御装置は、押し力または(特に水平方向の)押し力成分および少なくとも1つのモータのアシスト力の比率が一定であるように、たとえば1以上または2以上または3以上または1未満であるように、または可変であるように、たとえばアシスト力が、押し力または(特に水平方向の)押し力成分に対する直線的増加より大きくまたは小さく増加するように設計され得る。たとえばアシスト力は、押し力に伴い多項式的または指数関数的または対数関数的に増加し得る。
【0074】
また、制御装置は、押し力の時間変化または(特に水平方向の)押し力成分の時間変化と、少なくとも1つのモータのアシスト力の時間変化との比率が一定であるように、たとえば1以上または2以上または3以上または1未満であるように、または可変であるように、たとえばアシスト力の時間変化が、押し力または押し力成分の時間変化に対する直線的増加より大きくまたは小さく増加するように設計され得る。たとえばアシスト力の時間変化は、押し力の時間変化または押し力成分の時間変化に伴い、多項式的または指数関数的または対数関数的などに増加し得る。
【0075】
特に好適には、アシスト力(またはアシスト力の時間変化)は、押し力または押し力成分(または押し力の時間変化または押し力成分の時間変化)に対する単なる直線的増加より大きく増加する。
【0076】
上述(および後述)の閾値および範囲は、所定の固定値を有してよく、または、たとえば自己学習アルゴリズムによって変更され得る。
【0077】
好適には、制御装置は、特に減速ブレーキ(サービスブレーキ)またはパーキングブレーキが作動すると、少なくとも1つのモータの駆動力が抑制または停止されるように設計される。
【0078】
好適には、プッシャーバーおよび/またはプッシャーバーの一部(特に、少なくとも部分的にセンサ装置を有するプッシャーバーの部分)は、特に解除を行う必要なく、好適には復元力に逆らって、動き範囲にわたり好適には自由に可動である。
【0079】
この意味での動きは、特に、操作する人間の高さにベビーカーフレームを適合させるためにプッシャーバーを(単に)高さ調整するための動きとして理解されるべきではなく、特に力を測定するために役立つ、および/またはモータアシストが作用しているというユーザへのフィードバックとして役立ち得る(自由な)動きとして理解されるべきである。この点に関して、ここでは、(ユーザによってそのように認識され得る)モータの動作アシストと同時にプッシャーバー(またはプッシャーバー部)の動きによる「ダブルフィードバック」が提示され得る。このように、1つの同じ動きによって、特に力測定が行われるのと同時にダブルフィードバックが実現され得る。たとえば、これを(比較的小型のセンサ装置である)圧電センサと比較すると、本例において、比較的良好なフィードバックがユーザに提供され、ユーザによるベビーカーの操作が容易になる(ユーザは、任意選択的に比較的小さくなり得るモータアシストを認識することだけに頼らなくてよい)。
【0080】
プッシャーバー(またはプッシャーバー部)の(自由な)動きは、たとえば2mm以上または10mm以上または20mm以上であってよい。そのような力センサ装置と、たとえば単純な圧電センサとを比較すると、より正確な情報が提供され得ることにより、大幅な改善が実現される。圧電センサは、比較的小さな(1mmをかなり下回る)相対的動きしか検出することができない。
【0081】
並進的な動きの場合、これは特に移動距離を意味し、回転運動または旋回の場合、これは、全ての点のうち最大経路を横切る旋回部分の点の経路を意味する。1つの実施形態において、プッシャーバーまたはプッシャーバーの上部(たとえばハンドル)は、固定領域の周囲で旋回可能であってよい。代替(または追加)として、プッシャーバーの一部(上部)は、下部に対して並進的に変位可能であってよい。また、プッシャーバー全体が(並進的に)変位可能であってよい。
【0082】
少なくとも1つのセンサ装置は、力(または力成分)および/またはそこから導出される変数の(時間)経過を記録するように設計され得る。これにより、制御システムが更に改善され得る。たとえば、力(または力成分)および/またはその経時的変化の閾値および時間の閾値を定義することが可能になり、ここで、時間の閾値は、力(複数も可)および/またはその経時的変化の閾値(複数も可)を超える(または下回る)、(加えられた)力(または力成分)および/またはその経時的変化の持続期間であってよい。
【0083】
時間変化は、基本的に、(数学的な意味で)力(または力成分)の時間微分として理解され得る。ただし、時間変化は、(たとえば100ミリ秒~1秒の範囲内に有限の非無限小Δtを有する)ΔF/Δtとしても理解され得る。
【0084】
それぞれの制御装置は、好適には調整装置、特に、少なくとも1つのモータの電力を連続的に(場合によっては直線的に)調整するための調整装置、好適にはPID調整装置である(ここで、PIDは、比例積分微分を意味する)。
【0085】
好適には、少なくとも1つのブレーキ装置、特に減速ブレーキ装置および/またはパーキングブレーキ装置が提供される。減速ブレーキ装置は、好適には、制動のために(子供が乗っている)ベビーカーフレームまたはベビーカーの運動エネルギを用いるように(特に、それを電気エネルギに変換するように)設計される。代替または追加として、制御装置は、(直前の動きの後に)ベビーカーフレームが(完全に)停止してから所定の時間後、好適には3秒~5分(好適には10秒~30秒)後にパーキングブレーキ装置が自動的に作動するように提供および構成され得る。代替または追加として、制御装置は、パーキングブレーキ装置が直前の動きの後に停止または比較的低速度に到達した後に自動的に作動するように提供および設計され得る。
【0086】
ブレーキ装置は、特に2段階で、好適には、減速ブレーキ(サービスブレーキ)と(ベビーカーが完全に停止した時の)パーキング位置を固定するためのパーキングブレーキとの両方が提供されるように設計され得る。減速ブレーキは、ベビーカーが(1または複数の車輪における)(運動エネルギを熱に変換する)摩擦によって制動されるものであってよい。ただし、好適には、少なくとも1つのモータは、ベビーカーを減速させる発電機として用いられ得る(運動エネルギが電気エネルギに変換され、1または複数のバッテリに充電するために用いられ得る)。たとえば(プッシャーバーまたはハンドル上の)手や指で作動可能なレバーまたは他の装置(たとえばロータリハンドルまたはフットペダルなど)の任意の作動装置が減速ブレーキのために提供され得る。また任意選択的に、グラフィックユーザインタフェース(たとえばディスプレイ、特にタッチスクリーン)がベビーカーに接続される、および/または外部装置(たとえば対応するアプリを有するスマートフォン)に接続可能な受信器を有することも可能である。作動装置(または受信器)は、減速ブレーキを適用するため、すなわちユーザが望む(ゼロ以上であってよく、特に、ゼロより大きい、2つまたは5つより多くの異なる値をとり得る)制動力を適用するために(適切な手段によって)減速ブレーキに接続され得る。減速ブレーキは、作動装置が作動している間、またはベビーカーが完全に停止するまで作用してよく、その時点でパーキングブレーキが作用してよい。
【0087】
パーキングブレーキは、1または複数の車輪の回転を防止するロック装置として構成され得る。たとえば、パーキングブレーキは、車輪の側面に設けられたスポーク(spokes)またはラッチ(latching)装置(たとえば溝)と相互作用するピンを含んでよい。
【0088】
パーキングブレーキは、任意選択的に、特に減速ブレーキによってベビーカーフレームまたはベビーカーが停止した直後または所定の時間後に(自動的に)作動し得る。
好適には、少なくとも1つのパーキングブレーキ装置は、電気的または電子的に(のみ)作動可能であり、手動で(のみ)解除可能である。
【0089】
パーキングブレーキ装置は、解除状態において、プレテンション(pretensioned)されてよく、作動状態において、全くまたはわずかにしかプレテンションされなくてよい。これらの方策は、動作中の安全性を向上させる。
パーキングブレーキは、たとえばスライドスイッチまたは圧力スイッチまたはフットペダルなどのスイッチを介して、様々な方法で作動され得る。
【0090】
特に、パーキングブレーキが作動状態においてプレテンションされている場合、パーキングブレーキの解除は手動で(のみ)可能であるが、ブレーキの作動は電子的または電気的に(のみ)可能である。
【0091】
センサ装置、特に力センサ装置が提供されてよく、制御装置は、ベビーカーを操作している人間が、たとえば手およびハンドルを介した接点を離した時、少なくとも1つのブレーキ装置、特に減速ブレーキ装置および/またはパーキングブレーキ装置が作動するように設計され得る。好適には、減速ブレーキは、上昇した(最大)力により作動し、および/またはパーキングブレーキは、ベビーカーを操作している人間がベビーカーと(もはや)接触していないにもかかわらずベビーカーが動いていることが決定されると作動する(緊急制動)。
【0092】
1つの実施形態において、制御装置は、力センサ装置が、ベビーカーフレームの現在の移動方向に(少なくとも部分的に)逆らう方向の力を検出すると、ブレーキ装置が作動するように設計される。あるいは、そのような場合、上述したようにモータアシストが提供され得る。好適には、モータは、制動時の電流発生器として用いられる。
【0093】
モータアシストが存在する、または存在し得ることをベビーカーフレームのユーザに示すために、少なくとも1つの表示または信号装置が提供され得る。任意選択的に、第1の表示または信号装置は、モータアシストが現在存在していることを示してよく、第2の表示または信号装置は、追加のパラメータ(たとえば最大速度など)に依存して、モータアシストが存在するか、または(パラメータが適当である場合)存在しないという意味で、モータアシストが存在し得ることを示してよい。
【0094】
概して、本発明のベビーカーまたはベビーカーフレームは、ベビーカーを押す(または引く)時の快適なアシストを提供し得る。特に、(状況にかかわらず)ユーザが(最大で)加える必要のある力を(実質的に)定義する値Ff1および/またはFr1を設定することが可能である。静止しているベビーカーを始動する場合、ユーザは、押すこと(または引くこと)を開始する。その結果、押し力または牽引力の水平成分は、ゼロより大きくなる。Ff1に到達した時、モータは、ユーザのアシストを(最小パワーで)開始し得る。たとえば、押し力または牽引力の水平成分が増加を続けると(すなわち、ΔFinh/Δt>0)、アシスト力も増加する(すなわち、ΔF/Δt>0)。したがって力の水平成分は、(少なくともオーバーシュートを考慮しない場合)Ff1で(基本的に)一定に維持され得る。当然、モータアシストを停止するための条件が存在する場合、より大きな力が必要となり得る。
【0095】
は、0~25N、好適には5N~15Nであってよい。Fは、10N~50N、好適には20N~40Nであってよい。
f1は、0~25N、好適には5N~15Nであってよい。Fr1は、0~25N、好適には5N~15Nであってよい。Ff2および/またはFr2は、25N~500N、好適には50N~200Nであってよい。
f1、Fr1、Ff2、および/またはFr2は、任意選択的に、たとえばグラフィックユーザインタフェースおよび/またはスマートフォン(またはスマートフォンアプリ)などのインタフェースを介して、ユーザによって事前設定され得る。任意選択的に、安全上の問題を回避するため、および/またはバッテリの使用寿命を延長するために(製造者によって)最小値および最大値が予め定義され得る。
本発明は、以下、図面を参照して詳しく説明される典型的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1】付属品を含むベビーカー全体を、プッシャーバーが可視であるように斜視図で示す。
図2】丸みを帯びた外装部を有する上部プッシャーバー部の分解図を示す。
図3】センサを通り水平部の長手方向延長部に垂直なプッシャーバーの断面、およびセンサに取り付けられた丸みを帯びた外装部の第1の突起部を示す。
図4】センサおよび丸みを帯びた外装部が可視であるように、(水平に対し垂直な)プッシャーバーを通る縦断面を示す。
図5】センサおよび丸みを帯びた外装部が可視であるように、プッシャーバーを通る縦断面(プッシャーバー平面における断面)を示す。
図6】本発明に係るベビーカーフレームの概略斜視図を示す。
図7図6に係るベビーカーフレームの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0097】
以下の説明において、同じ参照番号は、同じ部品および同様に作用する部品に用いられる。
図1~5は、ベビーカーフレーム10、プッシャーバー11、車輪12、前輪ストラット13、後輪ストラット14、アダプタ15、子供受容装置16、モータ17、制御装置18、プッシャーバー11の水平部101、プッシャーバー11の(それぞれの)連結部102、プッシャーバー11の移行領域103または移行部、ハンドル領域104の基部110と外装部120との間の中間空間105(図4および図5を参照)、エッジ領域121、凹部122、丸みを帯びた外装部130、丸みを帯びた外装部130の第1のシェル半部131および第2のシェル半部132、第1の突起部133、ねじ134、第2の突起部135、ねじ136、開口部137、エッジ領域138、第3の突起部139、センサユニット140、および少なくとも1つの歪みゲージのための領域141を示す。組み立てた状態において、第3の突起部139は、好適には外装部120のエッジ領域121の対応する凹部122に係合する。
【0098】
図1は、子供受容装置16を有するベビーカーを示す。子供受容装置16は、アダプタ15を介してベビーカーフレーム10に連結される、または連結可能である。子供受容装置16は、(本例において)脚部、着座部、および背もたれ部を有する。あるいは子供受容装置16は、脚部なしで、またはそのように様々な部分に細分されずに(たとえばリクライニングインサートとして)設計され得る。
【0099】
ベビーカーフレーム10は、プッシャーバー11を有し、プッシャーバー11は、水平部101と、それぞれの移行領域103を介して水平部101に連結する(2つの)連結部102とを有する。水平部101は、水平支柱として形成される。連結部102は、(使用状態において)水平部101から斜め下方(または前方)に延びる支柱として形成され、好適には、角度を有し(特に折り畳まれ)および/または伸縮自在にその長さが変化してよい。
【0100】
図1に係るベビーカーは、4つの車輪を有する。ただし、より多いまたは少ない数の車輪(たとえば3つ、特に1つの前輪および2つの後輪)が提供されることも考えられる。具体的には、2つの後輪および2つの(回転可能な、場合によってはロック可能な)後輪が図1に提供される。それぞれの車輪ペアは、連結ストラットを介して互いに連結される。車輪を連結するストラットは、追加のストラットである前輪ストラット13および後輪ストラット14を介して連結部102に(特に関節式に)連結され、各車輪に1つのストラットで足りる場合もある。
【0101】
プッシャーバー11の移行部103は、湾曲しており、好適には(少なくとも略)四分円を形成し、および/または好適には少なくとも約90°の角度を含む。
水平部101および連結部102は、互いに(少なくとも略)直角に延びるように形成される。
【0102】
プッシャーバー11、特にその水平部101および移行部103は、図2~5において更に詳しく示される。
図2は、水平部101および(2つのうち)1つの移行部103を含むハンドル領域104の部分を示す。
【0103】
外装部120は、水平部101に提供される。これは、直線形状に設計される。移行部103において、第1のシェル半部131および第2のシェル半部132を備える丸みを帯びた外装部130が配置される。丸みを帯びた外装部130(ならびにそのシェル半部131、132)は、湾曲している。丸みを帯びた外装部130は、(湾曲)スリーブを形成する。外装部120は、(直線)スリーブを形成する。
【0104】
外装部120および丸みを帯びた外装部130は、基部110を被覆する。外装部120は、外装部120および丸みを帯びた外装部130内に位置するセンサユニット140が見えるように、図2において基部110に対し右側にずらされている。組み立てた状態において、図2の左端に示される外装部120の2つの開口部は、センサユニット140の左端に示される凹部または開口部またはねじ134と位置が揃えられる(図3および図4も参照)。
【0105】
図3および図4に示されるように、丸みを帯びた外装部130またはそのシェル半部132、外装部120、およびセンサユニット140は、(ここでは例示的に2つの)ねじ134を介して連結される。一般に、このために他の固定手段が(様々な数、たとえば1つまたは2つ以上で)提供されてもよい。
【0106】
2つのシェル半部131、132は、(雌ねじを有する)第2の突起部135およびねじ136を介して互いに連結される。他の固定または連結装置も考えられる。ただし、取外し可能な固定具が好適である。
【0107】
丸みを帯びた外装部130と基部110との間の不所望の連結を防ぐために、第2の突起部135よりも(わずかに)大きい開口部(チャネル111)が基部110に設けられ得る。
具体的には、第2のシェル半部132は、外装部120と基部110との間に延び、ねじ134が挿入され得る2つの開口部を有する第1の突起部133を含む。
【0108】
第1の突起部133は、第2のシェル半部132の本体のエッジ領域138に隣接し(図3および図4を参照)、第2のシェル半部132の本体のエッジ領域138は更に、外装部120のエッジ領域121に、好適には直接、特に明確に隣接する。
【0109】
開口部137は、第2のシェル半部132にねじ136を通すために提供される(図3を参照)。
第1のシェル半部131は、外装部120、特に凹部122と係合可能な第3の突起部139を含む(図2を参照)。
【0110】
センサユニット140は、それ自体が歪みゲージの原理に従って機能し、および/または(図4を参照)歪みゲージ(詳細には図示せず)が配置され得る領域141を有してよい。外装部120および/または丸みを帯びた外装部130に圧力が加えられると、センサユニット140または任意選択的な歪みゲージ141(または場合によっては複数の歪みゲージ)は、それに応じて(少なくとも部分的にもたらされる、センサユニット140とそれぞれの外装部120または丸みを帯びた外装部130との間の距離によって)延伸および/または圧縮され得る。その後、この延伸および/または圧縮が評価され、それに応じて、外装部120および/または丸みを帯びた外装部130がユーザによって把持されているかが決定され得る。
【0111】
たとえば、センサユニット140は、電気抵抗または電気抵抗の変化を測定するように構成され得る。センサユニット140は、少なくとも1つ(任意選択的に2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)の歪みゲージを含んでよい。歪みゲージは、水平部および/または移行部に配置され得る。センサユニット140は、曲げビームセンサとして構成されてよく、好適には、測定体に加えられたトルクが少なくとも1つ(たとえば4つ)の歪みゲージに作用する。たとえば、1つまたは2つの歪みゲージが延伸し、1つまたは2つの歪みゲージが圧縮され得る。具体的には、歪みゲージの抵抗変化を測定するために、4つの歪みゲージがブリッジ回路に構成され得る。
【0112】
図6は、本発明に係るベビーカーフレームを概略斜視図で示す。矢印Fは、ハンドル23に(水平部において)作用する下向きの力を示す。矢印Fは、ハンドル23に作用する上向きの力を示す。矢印Flatは、横向きの力を示す。ハンドル23は、プッシャーバー11の下部に対し旋回可能に取り付けられる。
【0113】
具体的には、ハンドル23は、ハンドル23の高さ調整を行うために様々な位置に軸支(および係合)され得る。
旋回するハンドル23とプッシャーバー11の下部との間に(対応する接合部を有する)旋回可能な軸受22が提供される。
【0114】
プッシャーバー11(全体)は、重ねて好適には、(特に、ベビーカーフレームが折り畳まれることが可能であるように)ベビーカーフレームの本体上の旋回可能な軸受21に旋回可能に取り付けられる。
【0115】
図1~5に係るセンサ装置の配置への代替または追加として、センサ装置(複数も可)は、ハンドル23に作用するユーザの力(特にFおよびF)を検出するために、旋回可能な軸受21に提供され、および/または旋回可能な軸受21上にあってよい。また(図7を参照)、好適には、前向きの力Fおよび後ろ向きの力Fが、それぞれのセンサ装置によって検出され得る。車輪ハブ31において、好適にはモータが配置され得る(詳しくは図示せず)。あるいは、モータは、軸32に(特に、車輪ハブ31に隣接した軸の部分に)配置され得る。
【0116】
ここで指摘すべき点として、個別におよび任意の組み合わせで取り上げられた上述した全ての部品、特に図面に示す詳細は、本発明に不可欠であることが主張される。それに対する変更は、当業者に周知である。
【符号の説明】
【0117】
10 ベビーカーフレーム
11 プッシャーバー
12 車輪
13 前輪ストラット
14 後輪ストラット
15 アダプタ
16 子供受容装置
17 モータ
18 制御装置
21 旋回可能な軸受
22 旋回可能な軸受
23 ハンドル
31 車輪ハブ
32 軸
101 水平部
102 連結部
103 移行領域
104 ハンドル領域
105 中間空間
110 基部
111 チャネル
120 外装部
131 第1のシェル半部
132 第2のシェル半部
133 第1の突起部
134 ねじ
135 第2の突起部
136 ねじ
137 開口部
138 エッジ領域
139 第3の突起部
140 センサユニット
141 歪みゲージのための領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】