(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】簡略化されたヒンジを有する眼鏡
(51)【国際特許分類】
G02C 5/22 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
G02C5/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502921
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 IB2020056646
(87)【国際公開番号】W WO2021009690
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】102019000012243
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196523
【氏名又は名称】ルックスオティカ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】LUXOTTICA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Valcozzena, 10, I-32021 AGORDO (Italy)
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコリス,ディエゴ
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AC00
(57)【要約】
一対のレンズ(2)と、一対のテンプル(3)と、テンプルおよびレンズの各々の間における接続のためのヒンジと、を備え、ヒンジは、一端においてレンズに接続されるように適合されるとともに、他端において保持およびロック要素(9)に係合するように適合された部分(6)が設けられる、レンズ(2)とテンプル(3)とを接続するための要素(7)を備え、テンプル(3)には保持およびロック要素(9)を収容およびロックするように適合されたキャビティ(4)が設けられ、保持およびロック要素(9)は接続要素(7)に対する前記テンプル(3)のための回転支点として機能する、簡略化されたヒンジを有する眼鏡(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のレンズ(2)と、
一対のテンプル(3)と、
前記テンプルおよび前記レンズの各々の間における接続のためのヒンジと、を備え、
前記ヒンジは、一端において前記レンズに接続されるように適合されるとともに、他端において保持およびロック要素(9)に係合するように適合された部分(6)が設けられる、前記レンズ(2)と前記テンプル(3)とを接続するための要素(7)を備え、前記テンプル(3)には前記保持およびロック要素(9)を収容およびロックするように適合されたキャビティ(4)が設けられ、前記保持およびロック要素(9)は前記接続要素(7)に対する前記テンプル(3)のための回転支点として機能することを特徴とする、簡略化されたヒンジを有する眼鏡(1)。
【請求項2】
前記レンズ(2)と前記テンプル(3)とを接続するための前記要素(7)は、実質的にL字形の要素(7)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記レンズ(2)と前記テンプル(3)とを接続するための前記要素には、前記保持およびロック要素(9)に係合するように適合された前記部分(6)が設けられる端部に対して反対側の端部において、前記レンズ(2)に連結するための一対の枢動軸(11)が設けられる、ことを特徴とする、請求項1に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記保持およびロック要素(9)に係合するように適合された前記部分(6)はフック形状部分であることを特徴とする、先行請求項の1つ以上に記載の眼鏡。
【請求項5】
前記保持およびロック要素(9)は、旋回軸(10)によって相互に連結される2つの半球(9a,9b)からなる実質的に球状の要素(9)であり、前記旋回軸(10)は前記接続要素(7)の前記フック形状部分(6)内に係合するように適合されることを特徴とする、先行請求項の1つ以上に記載の眼鏡。
【請求項6】
前記実質的に球状の要素(9)と前記キャビティ(4)との間における干渉連結のために、前記キャビティ(4)の直径(D1)は前記実質的に球状の要素(9)の直径(D2)よりも小さいことを特徴とする、先行請求項の1つ以上に記載の眼鏡。
【請求項7】
前記接続要素(7)の前記フック形状部分(6)は、平行面を備えるキャビティ(8)を有するように形状決めされることを特徴とする、先行請求項の1つ以上に記載の眼鏡。
【請求項8】
前記接続要素(7)は、前記保持およびロック要素(9)に係合するように適合された前記部分(6)が設けられる端部とは反対側の端部において、少なくとも部分的に前記レンズ(2)を囲むように構成されたリング(20)と合わせられることを特徴とする、先行請求項の1つ以上に記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡略化されたヒンジを有する眼鏡に関する。より具体的には、本発明は、簡略化された態様でテンプルを眼鏡に接続することを可能とするヒンジが設けられた眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
周知であるように、テンプルと眼鏡、またはむしろ眼鏡の前部との間における接続は、眼鏡の前部をテンプルの一端に接続するヒンジによって起こる。ヒンジによる前部とテンプルとの間における連結は、この接続を可能にする小さなねじを用いることによって提供されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ねじの使用は、一般に、しばしば専門の眼鏡技師に頼る必要があるため、使用者がテンプルを組み立てなければならない場合に問題となる。
【0004】
いずれの場合においても、ヒンジは極めて小さい部品であるとともに、ヒンジの繰り返しの開閉および眼鏡の前部に対するテンプルの過度な開きによる激しいストレスをしばしば受けることから、テンプルと眼鏡の前部との間における接続は壊れやすいものであり得る。
【0005】
本発明の目標は、ブリッジとともに眼鏡の前部を構成するレンズと眼鏡のテンプルとの間における接続のためのヒンジが、テンプルと前部との間における連結のために、ねじ、リベット、ブッシングなどの部品の使用を必要としないように提供される眼鏡を提供することである。
【0006】
この目標内において、本発明の目的は、極めて丈夫であり、したがってテンプルと眼鏡のレンズとの間における連結が故障のリスクなく酷使を受けることを可能にするヒンジを有する眼鏡を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、眼鏡の前部とテンプルとの間における接続のためのヒンジが溶接点または接着接合点の使用を必要としないように提供される眼鏡を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、単純かつ迅速であるとともに製造時間を延長することのない工程によってテンプルがヒンジによって眼鏡の前部に連結可能である眼鏡を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、テンプルと前部との間における接続のためのヒンジが眼鏡全体の美観に最小限の影響を与える眼鏡を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、テンプルと前部との間における接続のためのヒンジが前部の美観と調和し、任意選択的にはその美観向上を構成し得る眼鏡を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、高度に信頼性があり、比較的簡単に提供でき、費用競争力の高い眼鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下により明らかとなるであろうこの目標、ならびにこれらのおよび他の目的は、一対のレンズと、一対のテンプルと、上記テンプルおよび上記レンズの各々の間における接続のためのヒンジとを備え、上記ヒンジは、一端においてレンズに接続されるように適合されるとともに、他端において保持およびロック要素に係合するように適合された部分が設けられる、レンズとテンプルとを接続する要素を備え、上記テンプルには上記保持およびロック要素を収容およびロックするように適合されたキャビティが設けられ、上記保持およびロック要素は上記接続要素に対する上記テンプルのための回転支点として機能することを特徴とする、簡略化されたヒンジを有する眼鏡によって達成される。
【0013】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面における非限定的な実施例によって示される、本発明に係る眼鏡の好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明に係る眼鏡のテンプル、ヒンジおよびレンズの間における接続の細部の部分分解斜視図である。
【
図3】
図2の眼鏡のテンプルとレンズとの間における接続の細部の部分断面図である。
【
図4】
図2および
図3に示される段階に続く、眼鏡のテンプルとレンズとの間における連結の第2段階の部分斜視図である。
【
図6】眼鏡のテンプルとレンズとの間における連結のさらなる段階の斜視図である。
【
図7】
図6の眼鏡のテンプルとレンズとの間における連結の部分断面図である。
【
図10】本発明に係る眼鏡の別の実施形態の斜視図である。
【
図11】
図10の実施形態の細部の拡大スケールの斜視図である。
【
図12】さらなる実施形態に係る眼鏡のテンプルとレンズとの間における連結の第1段階の断面図である。
【
図13】さらなる実施形態に係る眼鏡のテンプルとレンズとの間における連結のさらなる段階の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
同一の参照番号が同一の要素を示す図面を参照して、参照番号1によって概して示される、本発明に係る眼鏡は、その第1の実施形態において、それぞれのテンプル3に連結されるように適合された一対のレンズ2を備える。
【0016】
レンズ2とテンプル3との間における連結は、ロッド3の各々において、ヒンジに連結するように適合される、キャビティまたは貫通台座4があることによって生じる。
【0017】
好都合には、参照番号5によって示されるヒンジは、たとえば実質的にL字形であるとともに、一端において保持およびロック要素9に係合するように適合された部分6を有する、レンズ2とテンプル3とを接続するための要素7を備える。
【0018】
好都合には、部分6は、フック形状である。
さらに、フック形状部分6は、平行面を備えるキャビティ8を有するように形成される。
【0019】
L字形接続要素7の反対側の端部には、代わりに、レンズ2への連結を可能にする少なくとも一対の旋回軸11が設けられる。
【0020】
好都合には、保持およびロック要素9は、たとえば実質的に球状であり、旋回軸10によって相互に連結される、2つの半球9aおよび9bからなる。旋回軸10は、L字形要素7のキャビティ8、特にそのフック形状部分6に係合するように適合される。
【0021】
実質的に球状の要素9は、キャビティ4内に収容されるように適合される。
キャビティ4は、キャビティ4内における要素9の連結が干渉によって生じるように、実質的に球状の要素9の直径D2よりも小さい開口サイズD1を有するように形状決めされる。
【0022】
図2~
図7は、眼鏡のレンズ2に対するテンプル3の使用方法を示す。
図2および
図3は、L字形接続要素7がキャビティ4に挿入されて、反対側からテンプル3に対して外方に突出することを示す。この時点で、実質的に球状の要素9はフック形状部分6に挿入されており、特に、
図4および
図5に示されるように、実質的に球状の要素9の旋回軸10はフック形状部分6のキャビティ8に収容されている。
【0023】
挿入が起こると、L字形要素7は、
図5に示される構成に到達するために、実質的に球状の要素9がテンプル3のキャビティ4内に収容されるように引っ込められる。この状態で、L字形要素7は、テンプル3を閉構成に維持する。代わりに、テンプル3の開構成は、テンプルを実質的にL字形の要素に対して旋回軸10を中心として回転させることによって提供される。実質的に球状の要素9は、実際に台座4と干渉によって係合し、したがってテンプル3は、実質的にL字形の要素7の周りに回転することができ、この回転は旋回軸10を中心として起こる。
【0024】
この構成は、
図6~
図9に示される。
したがって、原則的に、本発明に係る簡略化されたヒンジを有する眼鏡は、一端においてレンズに、他端においてテンプルに連結されるように適合されたL字形接続要素を備えるヒンジを有し、ヒンジは、たとえば実質的に球状であるとともにテンプルのキャビティに連結される保持およびロック要素をさらに備え、実質的に球状の要素は、テンプルに形成されたキャビティ内におけるL字形接続要素の保持およびロックのための要素、ならびにL字形接続要素に対するテンプルの支点の両方として機能する。
【0025】
別の実施形態において、接続要素7は、
図10に示されるように、先行する実施形態において説明された旋回軸11を有する代わりに、眼鏡のレンズ2を少なくとも部分的に囲むとともに上記レンズの保持のための要素として機能する、リング20と合わせられる。
【0026】
実際に、本発明に係る眼鏡は意図した目標および目的を十分に達成することが見出された。これは、それらが、工具の助けに頼ることなくレンズに対して組み立てられることができるテンプルによって、レンズに対するテンプルの極めて簡略化された組立を行うことを可能にし、したがってこの動作が、使用者によって直接、したがって専門の技術者に頼ることなく実行可能であるためである。
【0027】
このように創作された眼鏡は無数の修正および変形が可能であり、そのすべてが添付の特許請求の範囲内にある。
【0028】
さらに、すべての細部は、他の技術的に等価な要素に置き換えられ得る。
実際に、用いられる材料ならびに偶発的な形状および寸法は、当該技術の要求および状況に応じて任意であり得る。
【0029】
この出願が優先権を主張する、イタリア特許出願第102019000012243号における開示が、参照により本願に組み込まれる。
【0030】
いずれかの請求項において言及される技術的構成の後に参照符号が続くが、それらの参照符号は、単に請求項を理解し易くする目的のために含められたものであり、したがってこのような参照符号は、このような参照符号によって例として特定される各要素の解釈を限定する効果を有しない。
【国際調査報告】