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特表2022-541267車載デバイスにバリューをロードするためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】車載デバイスにバリューをロードするためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20220914BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20220914BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20220914BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20220914BHJP
【FI】
G06Q20/10 310
G06Q20/32 330
G06Q20/34 300
G06Q20/34 380
G07B15/00 E
G07B15/00 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503003
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 US2020041587
(87)【国際公開番号】W WO2021011371
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】16/514,427
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519111877
【氏名又は名称】キャピタル・ワン・サービシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Capital One Services, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ルール,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】イリンチック,ライコ
【テーマコード(参考)】
3E127
5L055
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127AA18
3E127BA03
3E127CA18
3E127CA36
3E127CA45
3E127CA46
3E127CA47
3E127CA48
3E127CA56
3E127CA57
3E127CA58
3E127CA59
3E127CA60
3E127CA61
3E127CA62
3E127CA63
3E127DA17
3E127DA19
3E127DA20
3E127DA21
3E127DA30
3E127EA04
3E127EA05
3E127FA44
3E127FA50
5L055AA64
5L055AA66
(57)【要約】
各種の実施形態は、近距離無線通信(NFC)非接触型カードを使用して、車両内で1つまたは複数の取引を行うことを対象とする。例えばユーザは、非接触型カードを介してワンタップ認証またはワンタップ支払い、あるいはその両方を行うことにより、車載デバイス(トランスポンダ、バッジ、カードなど)にバリュー(金銭、資金、デジタル通貨など)をロードすることができる。したがって、時間に制約のある状況下でも、迅速、効率的、かつ安全に車載デバイスに支払いをロードすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載デバイスにバリューをロードするためのシステムであって、
前記車載デバイスと、
コンピューティングデバイスであって、
近距離無線通信(NFC)リーダ;
1つまたは複数の命令を格納するメモリ;および
前記メモリと結合されて、前記1つまたは複数の命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサであって、前記1つまたは複数の命令が実行されると、
車載デバイスに関連付けられた固有の識別子を受信し、
前記車載デバイスに関連付けられたアカウントにアクセスするための情報を受信し、 前記受信した情報および前記車載デバイスの固有の識別子に基づいて、前記車載デバイスに関連付けられたアカウントにアクセスする、1つまたは複数のプロセッサ;
を備えるコンピューティングデバイスと、
非接触型カードであって、
1つまたは複数の命令を格納するメモリ;
少なくとも1つの通信インターフェース;および
前記メモリと結合されて、前記1つまたは複数の命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサであって、前記1つまたは複数の命令が実行されると、
前記少なくとも1つの通信インターフェースが、前記コンピューティングデバイスのNFCリーダと近距離無線通信(NFC)状態にあるか否かを判断し、
前記車載デバイスに関連付けられたアカウントに、所定のバリューまたは金額の資金をロードまたはリロードする、1つまたは複数のプロセッサ;
を備える非接触型カードと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記車載デバイスは、通行料トランスポンダ、ドライブスルー決済サービス用のデバイス、ガレージアクセスバッジ、または駐車パスである
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスは、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、またはウェアラブルコンピュータである
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスは、前記車載デバイスにタップされ、前記車載デバイスに関連付けられたアカウントにアクセスするための前記固有の識別子および/または情報を受信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記非接触型カードは、前記車載デバイスに関連付けられたアカウントにロードまたはリロードするために前記モバイルコンピューティングデバイスにタップされる
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記車載デバイスに関連付けられた固有の識別子は、(i)トランスポンダ識別番号、(ii)ドライブスルー決済サービスに対応するアカウント番号、(iii)ガレージアクセスバッジに対応するバッジ番号、および/または(iv)駐車パスに対応するパス番号である
請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記アカウントにアクセスするための情報は、前記アカウントに対応するユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アカウントは、支払いアプリケーションおよび/またはウェブサイトを介して提供される
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピューティングデバイスの1つまたは複数のプロセッサは、さらに、
前記非接触型カードのメモリに格納された前記非接触型カードの秘密鍵に少なくとも部分的に基づいて、前記非接触型カードによって生成された暗号データを受信し、
(i)加盟店の加盟店識別子、(ii)取引識別子、および(iii)前記暗号データを認証サーバに送信し、前記認証サーバは、前記認証サーバのメモリに格納された前記非接触型カードの秘密鍵の少なくとも一部に基づいて前記暗号データを復号することにより、前記暗号データを検証し、
仮想アカウント番号サーバにより、前記暗号データの検証に基づいて仮想アカウント番号を生成し、
前記仮想アカウント番号サーバにより、前記加盟店識別子、前記取引識別子、前記仮想アカウント番号、前記仮想アカウント番号に関連付けられた有効期限、および前記仮想アカウント番号に関連付けられたカード検証値(CVV)を、前記加盟店に関連付けられた加盟店サーバに送信し、
前記加盟店サーバにより、前記取引識別子、前記仮想アカウント番号、前記有効期限、および前記CVVを使用して、取引を処理する
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記車載デバイス、前記コンピューティングデバイス、および前記非接触型カードは、すべて車両内で使用または操作される
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
車載デバイスにバリューをロードするためのシステムであって、
非接触型カードを備え、前記非接触型カードは、
1つまたは複数の命令を格納するメモリと、
少なくとも1つの通信インターフェースと、
前記メモリと結合されて、前記1つまたは複数の命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサとを備え、前記1つまたは複数の命令が実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサは、
(i)前記少なくとも1つの通信インターフェースが車載デバイスのNFCリーダと近距離無線通信(NFC)状態にあるか否か、または(ii)前記少なくとも1つの通信インターフェースが前記車載デバイスの挿入インターフェースを介して前記車載デバイスと動作可能に通信しているか否かを判断し、および
前記非接触型カードに関連付けられた銀行口座を前記車載デバイスに関連付けられたアカウントにリンクさせるか、または前記車載デバイスに関連付けられたアカウントにロードするために、前記銀行口座の資金に前記車載デバイスがアクセスできるようにする
システム。
【請求項12】
前記車載デバイスは、
1つまたは複数の命令を格納するメモリと、
前記NFCリーダおよび/または前記挿入インターフェースと、
前記メモリと結合されて、前記1つまたは複数の命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサとを備え、前記1つまたは複数の命令が実行されると、前記1つまたは複数の前記プロセッサは、
前記非接触型カードが前記NFCリーダまたは前記挿入インターフェースを介して前記車載デバイスとの通信を確立したか否かを判断し、
前記車載デバイスが前記車載デバイスの外部リーダと通信を確立しているか否かを判断し、および
前記車載デバイスが前記外部リーダと通信するとき、前記銀行口座から前記車載デバイスに関連付けられたアカウントに支払いバリューをロードして、前記アカウントから前記支払いバリューを引き落とす
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記車載デバイスに関連付けられたアカウントは、ウェブベースのアカウントではない
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも前記車載デバイスのNFCリーダは、(i)車両電源ソケットおよび/または(ii)1つまたは複数のエネルギー貯蔵部品から電力を引き出すように構成され、前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵部品は電池および/またはコンデンサを含む
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記車載デバイスは、前記車載デバイスと前記外部リーダとの通信のための前記車載デバイスから前記外部リーダへの信号を増幅するように構成された増幅器をさらに備える
請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
車載デバイスにバリューをロードするためのシステムであって、
非接触型カードにおいて、
1つまたは複数の命令を格納するメモリ;
少なくとも1つの通信インターフェース;および
前記メモリと結合されて、前記1つまたは複数の命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサであって、前記1つまたは複数の命令が実行されると、
前記少なくとも1つの通信インターフェースがNFCリーダと近距離無線通信(NFC)状態にあるか否かを判断し、
認証情報を提供する、1つまたは複数のプロセッサ;
を備える非接触型カードと、
車両コンピューティングデバイスにおいて、
1つまたは複数の命令を格納するメモリ;および
前記メモリと結合されて、前記1つまたは複数の命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサであって、前記1つまたは複数の命令が実行されると、
前記非接触型カードから認証情報を受信し、
前記認証情報を車載デバイスを介して外部リーダに送信する、1つまたは複数のプロセッサ;
を備える車両コンピューティングデバイスと
を備えるシステム。
【請求項17】
前記車両コンピューティングデバイスおよび前記NFCリーダが車両に統合され、前記車両コンピューティングデバイスが第1の近距離無線通信インターフェースを備え、前記車載デバイスが第2の近距離無線通信インターフェースを備え、前記認証情報が、前記第1および第2の近距離無線通信インターフェースを介して前記車両コンピューティングデバイスに送信される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
モバイルコンピューティングデバイスをさらに備え、前記モバイルコンピューティングデバイスは、前記第1および第2の近距離無線通信インターフェースと通信するように構成された第3の近距離無線通信インターフェースを含む
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、前記車両コンピューティングデバイスおよび/または前記車載デバイスと通信して、前記第1および第2の近距離無線通信インターフェースを介して前記非接触型カードから前記車載デバイスへ資金を転送できるように、前記車載デバイスに関連付けられたアカウントへのバリューのロードを管理または制御する
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1、第2、第3の近距離無線通信インターフェースを介した近距離無線通信は認証され、安全である
請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年7月17日に出願された「車載デバイスにバリューをロードするためのシステム」と題された米国特許出願第16/514,427号の優先権を主張する。前述の特許出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
今日、ますます多くの取引が車両内で実行されている。例えば、車両内に配置された通行料トランスポンダは、車両が通行料ブースを通過するとき、またはトランスポンダリーダを通過するときに料金を支払うために使用され得る。別の例では、ガレージトランスポンダまたはバッジは、駐車ガレージに車両を入れて駐車するために使用され得る。他のタイプの車載取引は、ドライブスルーサービス及びイベントアクセス駐車パスなどの支払いを伴う場合がある。
【0003】
通常、顧客は、オンラインアカウントにログインして支払い情報を入力することで、上述の通行料及びガレージのトランスポンダ、バッジなどの支払いデバイスにバリューをロードする。しかし、多くの場合、顧客は、例えば通行料ブースに近づく直前など、時間的に制約された状況でデバイスに支払いをロードする必要がある。
【0004】
したがって、車載デバイスにバリューをロードするための迅速かつ効率的な方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
様々な実施形態は、近距離無線通信(NFC)非接触型カードを使用して、車両内で1つまたは複数の取引を実行することを対象としている。例えば、ユーザは、非接触型カードを介してワンタップ認証またはワンタップ支払い、あるいはその両方を実行することで、車載デバイス(トランスポンダ、バッジ、カードなど)にバリュー(金銭、資金、デジタル通貨など)をロードできる。したがって、時間に制約のある状況下でも、支払いは、迅速、効率的、かつ安全な方法で車載デバイスにロードされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A図1Aは、1つまたは複数の実施形態による例示的なデータ伝送システムを示す。
図1B図1Bは、1つまたは複数の実施形態による認証されたアクセスを提供するための例示的なシーケンス図を示す。
図2図2は、1つまたは複数の実施形態による非接触型カードを使用する例示的なシステムを示す。
図3A図3Aは、1つ以上の実施形態による非接触型カードの例を示す。
図3B図3Bは、1つまたは複数の実施形態に従った非接触型カードの接触パッドの例を示す。
図4図4は、1つまたは複数の実施形態による安全なパスワード生成に関する例示的なシーケンス図を示す。
図5図5は、1つまたは複数の実施形態によるパスワードマネージャアプリケーションのパスワード生成の例を示す。
図6図6は、1つまたは複数の実施形態による安全なパスワード生成に関するシーケンス図の別の例を示す。
図7図7は、1つまたは複数の実施形態によるウェブサイトのパスワード生成の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々な実施形態は概して、少なくとも非接触の近距離無線通信(NFC)スマートカードを使用して車載デバイスにバリュー(例えば、金銭)をロードするためのシステムを対象とする。例では、車載デバイスは、車両内に配置された、または車両内に位置する任意の適切なデバイスであってもよく、様々な取引を実行するために使用され得る。いくつかの例では、車載デバイスを車両に組み込むことができる。
【0008】
一実施形態によれば、車載デバイスは、通行料トランスポンダであり得る。ユーザが通行料トランスポンダに対応する既存のウェブベースのアカウントに資金をリロードまたは追加したい場合、ユーザはスマートフォンなどのモバイルコンピューティングデバイスを通行料トランスポンダにタップして、モバイルコンピューティングデバイスがアカウントにアクセスできるように、1つまたは複数のタイプのアカウント関連情報を読み取ることができる。したがって、例えばスマートフォンがタップされると、スマートフォンは料金トランスポンダからユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を読み取ることができ、これにより、スマートフォンは通行料専用の支払いアプリケーションまたはウェブサイトを起動できる。次に、ユーザは非接触型スマートカードをスマートフォンにタップしてアカウントにリロードできる。例では、リロード額は、ユーザによって設定された所定の値、例えば、20ドルであり得る。通行料トランスポンダは、車載デバイスの単なる一例であり、これに限定されないことが理解され得る。車載デバイスは、関連するアカウントから支払いを引き落とすことを可能にする任意のタイプのトランスポンダであり得る。
【0009】
別の実施形態によれば、非接触型カードは、モバイルコンピューティングデバイスを使用せずに、車載デバイスに直接タップされ得る。例えば、外部のウェブベースのアカウントを使用せずに、(例えば、非接触型スマートカードを使用して)「非接触」認証および支払いを介して、バリュー(例えば、資金)を車載トランスポンダに直接ロードできる。
【0010】
さらなる実施形態によれば、車載デバイスは、車両に統合され、車両の様々な電子部品に結合され得る。例えば、車両は、非接触型スマートカードを読み取ってバリューをロードするためのインターフェースポイントを有する。インターフェースポイントは、車両のダッシュボードまたはセンターコンソールに設置できる。別の例では、安全なインターフェースを車両内に配置して、ユーザが車両に乗っているときに非接触型スマートカードを所定の位置に固定でき、さらに、ユーザが車両を離れるときに取り外すことができる。さらなる例では、車両に統合された車載デバイスは、例えば、駐車場に入って駐車するときに、車両を認証するための認証メカニズムとして使用され得る。
【0011】
これまでの解決策では、バリューロード処理は面倒な作業であった。上述したように、ユーザは通常、ユーザのオンラインアカウントにログインして支払い情報を入力しなければならず、これらはすべて、車両を運転する前に実行する必要があった。そして一般的に、これまでの解決策では、車両内で取引を効果的に調整および促進できなかった。本明細書に記載の実施形態および実施例は、時間的に制約のある状況下(例えば、車両が通行料ブースまたはトランスポンダリーダに近づくとき)であっても、NFC対応の非接触型スマートカードを使用して、車載デバイスにバリューを迅速にロードできるという点で、従来のソリューションを打開し、有利である。また、非接触型カード自体がユーザに一意に関連付けられているため、カードを使用して、例えば駐車場などの車内でユーザを迅速に認証できる。
【0012】
ここで、図面が参照される。図面では、同様の参照符合を使用して、全体を通して同様の要素を参照している。以下の説明では、説明の目的で、その完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が示されている。しかしながら、これらの特定の詳細がなくても新規の実施形態を実施できることは明らかであろう。他の例では、よく知られている構造および装置は、その説明を容易にするためにブロック図の形で示されている。その意図は、請求の範囲内のすべての変更、均等物、および代替案をカバーすることである。
【0013】
図1Aは、1つまたは複数の実施形態による例示的なデータ伝送システムを示す。以下でさらに説明するように、システム100は、非接触型カード105、クライアントデバイス110、ネットワーク115、およびサーバ120を含み得る。図1Aは構成要素の単一のインスタンスを示しているが、システム100は、任意の数の構成要素を含むことができる。
【0014】
システム100は、1つまたは複数の非接触型カード105を含んでもよく、これらは図3Aおよび図3Bを参照して以下にさらに説明される。いくつかの実施形態では、非接触型カード105は、一例としてNFCを利用して、クライアントデバイス110と無線通信を行い得る。
【0015】
システム100は、ネットワーク対応のコンピュータであり得るクライアントデバイス110を含み得る。本明細書で言及されるように、ネットワーク対応コンピュータは、例えばサーバ、ネットワークアプライアンス、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、電話機、スマートフォン、ハンドヘルドPC、パーソナルデジタルアシスタント、シンクライアント、ファットクライアント、インターネットブラウザ、または他のデバイスを含むコンピュータデバイスまたは通信デバイスを含み得るが、これらに限定されない。クライアントデバイス110はまた、モバイルコンピューティングデバイスであってもよく、例えば、AppleのiPhone、iPod、iPad(登録商標)、またはAppleのiOS(登録商標)オペレーティングシステムを実行している他の適切なデバイス、MicrosoftのWindows(登録商標)Mobileオペレーティングシステムを実行するデバイス、GoogleのAndroid(登録商標)オペレーティングシステムを実行するデバイス、および/または、スマートフォン、タブレット、または同様のウェアラブルモバイルデバイスのような他の適切なモバイルコンピューティングデバイスなどであってもよい。
【0016】
クライアントデバイス110装置は、プロセッサおよびメモリを含み、処理回路(processing circuitry)は、本明細書に記載された機能を実行するために必要な、プロセッサ、メモリ、エラーおよびパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、および改ざん防止ハードウェアを含む、追加の構成要素を含み得ることが理解される。クライアントデバイス110は、ディスプレイおよび入力デバイスをさらに含み得る。ディスプレイは、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、プラズマパネル、および陰極線管ディスプレイを含む、コンピュータモニタ、フラットパネルディスプレイ、およびモバイルデバイスの画面のような視覚情報を提示するための任意のタイプのデバイスであってよい。入力デバイスは、タッチスクリーン、キーボード、マウス、カーソル制御デバイス、タッチスクリーン、マイク、デジタルカメラ、ビデオレコーダ、カムコーダなど、ユーザのデバイスで利用可能であってサポートされている、ユーザのデバイスに情報を入力するための任意のデバイスを含み得る。これらのデバイスは、情報を入力したり、本明細書に記載されているソフトウェアおよびその他のデバイスと対話したりするために使用できる。
【0017】
いくつかの例では、システム100のクライアントデバイス110は、例えば、システム100の1つまたは複数の構成要素とのネットワーク通信を可能にし、データを送信および/または受信する、ソフトウェアアプリケーションなどの1つまたは複数のアプリケーションを実行し得る。
【0018】
クライアントデバイス110は、1つまたは複数のネットワーク115を介して、1つまたは複数のサーバ120と通信してもよく、それぞれフロントエンドとバックエンドのペアとしてサーバ120と動作し得る。クライアントデバイス110は、例えば、クライアントデバイス110上で実行されるモバイルデバイスアプリケーションから、1つまたは複数の要求をサーバ120に送信し得る。1つまたは複数の要求は、サーバ120からデータを取得することに関連し得る。サーバ120は、クライアントデバイス110から1つまたは複数の要求を受信し得る。クライアントデバイス110からの1つまたは複数の要求に基づいて、サーバ120は、要求されたデータを1つまたは複数のデータベース(図示せず)から取得するように構成され得る。1つまたは複数のデータベースからの要求されたデータの受信に基づいて、サーバ120は、受信されたデータをクライアントデバイス110に送信するように構成されてもよく、受信されたデータは、1つまたは複数の要求に応答する。
【0019】
システム100は、1つまたは複数のネットワーク115を含み得る。いくつかの例では、ネットワーク115は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数であってもよく、クライアントデバイス110をサーバ120に接続するように構成され得る。例えば、ネットワーク115は、光ファイバネットワーク、受動光ネットワーク、ケーブルネットワーク、インターネットネットワーク、衛星ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、移動体通信用グローバルシステム、個人通信サービス、パーソナルエリアネットワーク、ワイヤレスアプリケーションプロトコル、マルチメディアメッセージングサービス、拡張メッセージングサービス、ショートメッセージサービス、時分割多重化ベースのシステム、符号分割多元接続(CDMA)ベースのシステム、D-AMPS、Wi-Fi(登録商標)、固定無線データ、IEEE802.11b、802.15.1、802.11n、802.11g、Bluetooth(登録商標)、NFC、無線自動識別(RFID)、および/またはWi-Fiなどの1つまたは複数を含む。
【0020】
さらに、ネットワーク115は、電話回線、光ファイバー、IEEEイーサネット802.3、広域ネットワーク、無線パーソナルエリアネットワーク、LAN、またはインターネットなどのグローバルネットワークを含み得るが、これらに限定されない。さらに、ネットワーク115は、インターネットネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラーネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせをサポートし得る。ネットワーク115はさらに、独立したネットワークとして、または互いに協調して動作する、1つのネットワークまたは任意の数の上述の例示的な種類のネットワークを含んでもよい。ネットワーク115は、通信可能に結合されている1つまたは複数のネットワーク要素の1つまたは複数のプロトコルを利用してもよい。ネットワーク115は、他のプロトコルからネットワーク装置の1つまたは複数のプロトコルへ、または他のプロトコルからネットワーク装置の1つまたは複数のプロトコルに変換してもよい。ネットワーク115は単一のネットワークとして示されているが、1つまたは複数の例によれば、ネットワーク115は、例えば、インターネット、サービスプロバイダのネットワーク、ケーブルテレビネットワーク、クレジットカード協会ネットワークなどの企業ネットワーク、ホームネットワークなど、複数の相互接続されたネットワークを含んでもよいことが理解される。
【0021】
システム100は、1つまたは複数のサーバ120を含み得る。いくつかの例では、サーバ120は、メモリに結合された1つまたは複数のプロセッサを含み得る。サーバ120は、複数のワークフローアクションを実行するために、異なる時間に様々なデータを制御して呼び出す中央システム、サーバまたはプラットフォームとして構成され得る。サーバ120は、1つまたは複数のデータベースに接続するように構成され得る。サーバ120は、少なくとも1つのクライアントデバイス110に接続され得る。
【0022】
図1Bは、1つまたは複数の実施形態による、認証されたアクセスを提供するための例示的なシーケンス図を示す。本図は、非接触型カード105およびクライアントデバイス110を含み、クライアントデバイス110は、アプリケーション122およびプロセッサ124を含み得る。図1Bは、図1Aと同様の構成要素を参照し得る。
【0023】
ステップ102において、アプリケーション122は、(例えば、非接触型カード105に近づけられた後に)非接触型カード105と通信する。アプリケーション122と非接触型カード105との間の通信は、アプリケーション122と非接触型カード105との間のNFCデータ転送を可能にするために、非接触型カード105がクライアントデバイス110のカードリーダ(図示せず)に十分に接近することを含んでもよい。
【0024】
ステップ104において、クライアントデバイス110と非接触型カード105との間で通信が確立された後、非接触型カード105は、メッセージ認証コード(MAC)暗号を生成する。いくつかの例では、これは、非接触型カード105がアプリケーション122によって読み取られるときに発生し得る。特に、これは、NFCデータ交換フォーマットに従って生成された近距離データ交換(NDEF)タグの、NFC読み取りなどの読み取り時に発生し得る。
【0025】
例えば、アプリケーション122などのリーダは、NDEF生成アプレットのアプレットIDを有するアプレット選択メッセージなどのメッセージを送信し得る。選択が確認されると、ファイル選択メッセージとそれに続くファイル読み取りメッセージのシーケンスが送信され得る。例えば、シーケンスは、「機能ファイルの選択」、「機能ファイルの読み取り」、および「NDEFファイルの選択」を含み得る。この時点で、非接触型カード105が保持するカウンタ値が更新またはインクリメントされてもよく、その後に「NDEFファイルの読み取り」が続き得る。この時点で、ヘッダと共有秘密鍵を含み得るメッセージが生成されてもよい。その後、セッションキーが生成され得る。その後、MAC暗号は、1つまたは複数のランダムデータのブロックと連結され、MAC暗号と乱数(RND)がセッションキーで暗号化され得る。その後、暗号文とヘッダが連結され、ASCII16進数でエンコードされ、(「NDEFファイルの読み取り」メッセージに応答して)NDEFメッセージ形式で返され得る。
【0026】
いくつかの例では、MAC暗号はNDEFタグとして送信されてもよく、他の例では、MAC暗号はユニフォーム・リソース・インジケータと共に(例えば、フォーマットされた文字列として)含まれてもよい。
【0027】
いくつかの例では、アプリケーション122は、非接触型カード105に要求を送信するように構成されてもよく、当該要求は、MAC暗号を生成する命令を含む。
【0028】
ステップ106において、非接触型カード105は、MAC暗号をアプリケーション122に送信する。いくつかの例では、MAC暗号の送信は、NFCを介して行われる。しかし、本開示はこれに限定されない。他の例では、この通信は、Bluetooth、Wi-Fi、または無線データ通信の他の手段を介して行われてもよい。
【0029】
ステップ108で、アプリケーション122は、MAC暗号をプロセッサ124に伝達する。ステップ112で、プロセッサ124は、アプリケーション122からの命令に従って、MAC暗号を検証する。例えば、以下に説明するように、MAC暗号の検証を行い得る。
【0030】
いくつかの例では、MAC暗号の検証は、(図1Aに示すように)クライアントデバイス110とデータ通信しているサーバ120などの、クライアントデバイス110以外の装置によって実行され得る。例えば、プロセッサ124は、サーバ120に送信するためにMAC暗号を出力してもよく、サーバ120はMAC暗号を検証し得る。
【0031】
いくつかの例では、MAC暗号は、検証を目的としたデジタル署名として機能し得る。この検証を行うために、公開鍵非対称アルゴリズム、例えばデジタル署名アルゴリズムとRSAアルゴリズム、またはゼロ知識プロトコルなどの他のデジタル署名アルゴリズムが用いられてもよい。
【0032】
いくつかの例では、非接触型カード105は、非接触型カードがクライアントデバイス110に近づけられた後に、通信を開始し得ることが理解される。例えば、非接触型カード105は、例えば非接触型カードが通信を確立したことを示すメッセージをクライアントデバイス110に送信し得る。その後、クライアントデバイス110のアプリケーション122は、上述のように、ステップ102で非接触型カードとの通信を進め得る。
【0033】
図2は、非接触型カードを用いたシステム200の例を示す。システム200は、非接触型カード205、1つまたは複数のクライアントデバイス210、ネットワーク215、サーバ220,225、1つまたは複数のハードウェアセキュリティモジュール230、およびデータベース235を含み得る。図2は、構成要素の単一のインスタンスを示すが、システム200は、任意の数の構成要素を含んでもよい。
【0034】
システム200は、図3Aおよび図3Bに関して以下でさらに説明される、1つまたは複数の非接触型カード205を含み得る。いくつかの例では、非接触型カード205は、クライアントデバイス210と、例えばNFC通信などの無線通信を行い得る。例えば、非接触型カード205は、NFCまたは他の近距離プロトコルを介して通信するように構成されたRFIDチップなどの1つまたは複数のチップを含み得る。他の実施形態では、非接触型カード205は、Bluetooth、衛星、Wi-Fi、有線通信、および/または無線接続と有線接続の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない他の手段を介して、クライアントデバイス210と通信してもよい。いくつかの実施形態によると、非接触型カード205は、非接触型カード205がカードリーダ213の範囲内にあるときに、NFCを介してクライアントデバイス210のカードリーダ213(本明細書では、他にNFCリーダ、NFCカードリーダ、またはリーダともいう)と通信するように構成され得る。他の例では、非接触型カード205との通信は、物理的インターフェース、例えば、ユニバーサル・シリアル・バス・インターフェースまたはカード・スワイプ・インターフェースを介して達成されてもよい。
【0035】
システム200は、ネットワーク対応のコンピュータであり得るクライアントデバイス210を含み得る。本明細書で言及するように、ネットワーク対応コンピュータは、例えば、サーバ、ネットワークアプライアンス、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、モバイルデバイス、電話、ハンドヘルドPC、パーソナルデジタルアシスタント、シンクライアント、ファットクライアント、インターネットブラウザ、または他のデバイスを含むコンピュータデバイスまたは通信デバイスを含んでもよいが、これらに限定されない。1つまたは複数のクライアントデバイス210はまた、モバイルデバイスであってもよい。例えば、モバイルデバイスは、AppleのiPhone、iPod、iPad、またはAppleのiOSオペレーティングシステムを実行する他のモバイルデバイス、MicrosoftのWindows Mobileオペレーティングシステムを実行する任意のデバイス、GoogleのAndroidオペレーティングシステムを実行する任意のデバイス、および/または、他のスマートフォンまたは同様のウェアラブルモバイルデバイスを含んでもよい。いくつかの例では、クライアントデバイス210は、図1Aまたは図1Bを参照して説明したようなクライアントデバイス110と同一であるか、または類似していてもよい。
【0036】
クライアントデバイス210は、1つまたは複数のネットワーク215を介して、1つまたは複数のサーバ220および225と通信し得る。クライアントデバイス210は、例えば、クライアントデバイス210上で実行されるアプリケーション211から、1つまたは複数の要求を1つまたは複数のサーバ220および225に送信し得る。1つまたは複数の要求は、1つまたは複数のサーバ220および225からデータを取得することに関連し得る。サーバ220および225は、クライアントデバイス210から1つまたは複数の要求を受信し得る。クライアントデバイス210からの1つまたは複数の要求に基づいて、1つまたは複数のサーバ220および225は、要求されたデータを1つまたは複数のデータベース235から取得するように構成され得る。1つまたは複数のデータベース235からの要求されたデータの受信に基づいて、1つまたは複数のサーバ220および225は、受信されたデータをクライアントデバイス210に送信するように構成されてもよく、受信されたデータは、1つまたは複数の要求に応答している。
【0037】
システム200は、1つまたは複数のハードウェアセキュリティモジュール(HSM)230を含み得る。例えば、1つまたは複数のHSM230は、本明細書に開示される1つまたは複数の暗号化操作を実行するように構成され得る。いくつかの例では、1つまたは複数のHSM230は、1つまたは複数の暗号化操作を実行するように構成された特別な目的のセキュリティデバイスとして構成されてもよい。HSM230は、鍵がHSM230の外部に明らかにされず、代わりにHSM230の内部で維持されるように構成され得る。例えば、1つまたは複数のHSM230は、鍵の導出、復号化、およびMAC演算のうちの少なくとも1つを実行するように構成され得る。1つまたは複数のHSM230は、サーバ220および225の中に含まれていてもよく、または、サーバ220および225とデータ通信してもよい。
【0038】
システム200は、1つまたは複数のネットワーク215を含み得る。いくつかの例では、ネットワーク215は、無線ネットワーク、有線ネットワーク、または無線ネットワークと有線ネットワークの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数であってもよく、クライアントデバイス210をサーバ220および/または225に接続するように構成され得る。例えば、ネットワーク215は、光ファイバネットワーク、受動光ネットワーク、ケーブルネットワーク、セルラーネットワーク、インターネットネットワーク、衛星ネットワーク、無線LAN、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、パーソナル通信サービス、パーソナルエリアネットワーク、ワイヤレスアプリケーションプロトコル、マルチメディアメッセージングサービス、拡張メッセージングサービス、ショートメッセージサービス、時間分割多重化ベースのシステム、符号分割多元接続(CDMA)ベースのシステム、D-AMPS、Wi-Fi、固定ワイヤレスデータ、IEEE 802.11b、802.15.1、802.11nおよび802.11g、Bluetooth、NFC、RFID、Wi-Fi、および/またはそれらのネットワークの任意の組み合わせの1つまたは複数を含み得る。非限定的な例として、非接触型カード205とクライアントデバイス210との通信は、NFC通信、クライアントデバイス210とキャリアとの間のセルラーネットワーク、およびキャリアとバックエンドとの間のインターネットを含み得る。
【0039】
さらに、ネットワーク215は、電話回線、光ファイバー、IEEEイーサネット802.3、広域ネットワーク、無線パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのグローバルネットワークを含み得るが、これらに限定されない。加えて、ネットワーク215は、インターネットネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラーネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせをサポートし得る。ネットワーク215はさらに、独立したネットワークとして、または互いに協力して動作する、1つのネットワークまたは任意の数の上述の例示的な種類のネットワークを含んでもよい。ネットワーク215は、通信可能に結合されている1つまたは複数のネットワーク要素の1つまたは複数のプロトコルを利用してもよい。ネットワーク215は、他のプロトコルからネットワーク装置の1つまたは複数のプロトコルへ、またはネットワーク装置の1つまたは複数のプロトコルから他のプロトコルへ変換してもよい。ネットワーク215は単一のネットワークとして示されているが、1つまたは複数の例によれば、ネットワーク215は、例えば、インターネット、サービスプロバイダのネットワーク、ケーブルテレビネットワーク、クレジットカード協会ネットワークなどの企業ネットワーク、およびホームネットワークなど、複数の相互接続されたネットワークを含み得ると理解される。
【0040】
本開示による様々な例では、システム200のクライアントデバイス210は、1つまたは複数のアプリケーション211を実行し、1つまたは複数のプロセッサ212、および1つまたは複数のカードリーダ213を含み得る。例えば、ソフトウェアアプリケーションなどの1つまたは複数のアプリケーション211は、例えば、システム200の1つまたは複数の構成要素とのネットワーク通信を可能にし、データを送信および/または受信するように構成され得る。図2では、クライアントデバイス210の構成要素の単一のインスタンスのみが図示されているが、任意の数のデバイス210が使用され得ることが理解される。カードリーダ213は、非接触型カード205から読み取る、および/または非接触型カード205と通信するように構成され得る。1つまたは複数のアプリケーション211と連携して、カードリーダ213は非接触型カード205と通信し得る。例では、カードリーダ213は、クライアントデバイス210と非接触型カード205との間の通信を可能にするために磁場を生成する回路または回路部品、例えばNFCリーダコイルを含んでもよい。
【0041】
クライアントデバイス210のいずれかのアプリケーション211は、近距離無線通信(例えば、NFC)を用いて非接触型カード205と通信し得る。アプリケーション211は、非接触型カード205と通信するように構成されたクライアントデバイス210のカードリーダ213と相互作用するように構成され得る。なお、当業者であれば、20cm未満の距離がNFCの範囲と整合することを理解するであろう。
【0042】
いくつかの実施形態では、アプリケーション211は、関連付けられたリーダ(例えば、カードリーダ213)を介して、非接触型カード205と通信する。
【0043】
いくつかの実施形態では、カードの有効化は、ユーザ認証なしで行われてもよい。例えば、非接触型カード205は、クライアントデイバス210のカードリーダ213を介して、NFCによりアプリケーション211と通信し得る。この通信(例えば、クライアントデバイス210のカードリーダ213に近接するカードのタップ)により、アプリケーション211は、カードに関連するデータを読み取り、有効化を実行できる。場合によっては、タップは、アプリケーション211を有効化または起動し、次いで、アカウントサーバ225との1つまたは複数のアクションまたは通信を開始して、その後の使用のためにカードを有効化し得る。場合によっては、アプリケーション211がクライアントデバイス210にインストールされていない場合、カードリーダ213に対するカードのタップは、アプリケーション211のダウンロード(例えば、アプリケーションダウンロードページへのナビゲーション)を開始してもよい。インストールに続いて、カードのタップは、アプリケーション211を有効化または起動し、次に、(例えば、アプリケーションまたは他のバックエンド通信を介して)カードの有効化を開始してもよい。アクティベーション後、カードは、商業的な取引を含む様々な取引で使用できる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、非接触型カード205は、仮想支払いカードを含み得る。それらの実施形態では、アプリケーション211は、クライアントデバイス210上に実装されたデジタルウォレットにアクセスすることによって、非接触型カード205に関連する情報を取得してもよく、デジタルウォレットは、仮想支払いカードを含む。いくつかの例では、仮想支払いカードデータは、1つまたは複数の静的または動的に生成された仮想カード番号を含み得る。
【0045】
サーバ220は、データベース235と通信するウェブサーバを含み得る。サーバ225は、アカウントサーバを含み得る。いくつかの例では、サーバ220は、データベース235内の1つまたは複数の資格情報(credentials)との比較により、非接触型カード205および/またはクライアントデバイス210からの1つまたは複数の資格情報を検証するように構成され得る。サーバ225は、非接触型カード205および/またはクライアントデバイス210からの、支払い及び取引などの1つまたは複数の要求を認可(authorize)するように構成され得る。
【0046】
図3Aは、1つまたは複数の非接触型カード300を示しており、この非接触型カード300は、カード300の前面または背面に表示されたサービスプロバイダ305によって発行された、クレジットカード、デビットカード、またはギフトカードなどの支払いカードを含み得る。いくつかの例では、非接触型カード300は、支払いカードとは関係なく、IDカードを含んでもよいが、これに限定されない。いくつかの例では、支払いカードは、デュアルインターフェースの非接触型支払いカードを含み得る。非接触型カード300は、基板310を含み、この基板は、プラスチック、金属、および他の材料で構成される単層または1つ以上の積層を含み得る。例示的な基板材料は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルアセテート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、陽極酸化チタン、パラジウム、金、カーボン、紙、および生分解性材料を含む。いくつかの例では、非接触型カード300は、ISO/IEC7810規格のID-1フォーマットに準拠した物理的特性を有していてもよく、あるいは、非接触型カードは、ISO/IEC14443規格に準拠していてもよい。しかし、本開示による非接触型カード300は、異なる特性を有していてもよく、本開示は、非接触型カードが支払いカードに実装されることを必要としないことが理解される。
【0047】
非接触型カード300は、カードの前面および/または背面に表示される識別情報315と、接触パッド320とを含み得る。接触パッド320は、ユーザデバイス、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップ、またはタブレットコンピュータなどの別の通信デバイスとの接触を確立するように構成され得る。非接触型カード300は、図3Aに示されていない処理回路、アンテナ、および他の構成要素を含み得る。これらの構成要素は、接触パッド320の後ろまたは基板310上の他の場所に配置され得る。非接触型カード300は、カードの裏面に配置され得る磁気ストリップまたはテープを含み得る(図3Aには示されていない)。
【0048】
図3Bに示すように、図3Aの接触パッド320は、マイクロプロセッサ330およびメモリ335を含む、情報を格納および処理するための処理回路325を含み得る。処理回路325は、本明細書に記載の機能を実行するために必要に応じて、プロセッサ、メモリ、エラーおよびパリティ/CRCチェッカ、データエンコーダ、衝突防止アルゴリズム、コントローラ、コマンドデコーダ、セキュリティプリミティブ、および改ざん防止ハードウェアを含む、追加の構成要素を含み得ることが理解される。
【0049】
メモリ335は、読み取り専用メモリ、ライトワンス/リードマルチプルメモリ、または読み取り/書き込みメモリ、例えば、RAM、ROM、およびEEPROMであってもよく、非接触型カード300は、これらのメモリのうちの1つまたは複数を含み得る。読み取り専用メモリは、工場出荷時に読み取り専用としてプログラム可能であってもよいし、または1回のみプログラム可能であってもよい。1回のみプログラム可能な場合、一度書き込みを行った後、何度も読み取ることができる。ライトワンス/リードマルチプルメモリは、メモリチップが工場出荷後の、ある時点でプログラムされ得る。一度メモリがプログラムされると書き換えられないが、何度も読み取ることができる。読み取り/書き込みメモリは、工場出荷後に何度もプログラムおよび再プログラムされ得る。読み取り/書き込みメモリもまた、工場出荷後に何度も読み取られ得る。
【0050】
メモリ335は、1つまたは複数のアプレット340、1つまたは複数のカウンタ345、および1つまたは複数の顧客識別子350を格納するように構成され得る。1つまたは複数のアプレット340は、Java(登録商標)カードアプレットなど、1つまたは複数の非接触型カード上で実行するように構成された1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを含み得る。しかし、アプレット340は、Javaカードアプレットに限定されず、代わりに、非接触型カードまたは限られたメモリを有する他のデバイス上で動作可能な任意のソフトウェアアプリケーションであってもよいことが理解される。1つまたは複数のカウンタ345は、整数を格納するのに十分な数値カウンタを含み得る。顧客識別子350は、非接触型カード300のユーザに割り当てられた固有の英数字の識別子を含んでもよく、識別子により、非接触型カードのユーザを他の非接触型カードのユーザから区別し得る。いくつかの例では、いくつかの例では、顧客識別子350は、顧客およびその顧客に割り当てられたアカウントの両方を識別してもよく、さらに、顧客のアカウントに関連付けられた非接触型カードを識別してもよい。
【0051】
前述の例示的な実施形態のプロセッサおよびメモリ要素は、接触パッドを参照して説明されるが、本開示はこれに限定されない。これらの要素は、パッド320の外側に実装されてもよく、パッド320から完全に分離されて、または接触パッド320内に配置されるプロセッサ330およびメモリ335の要素に加えて、さらなる要素として実装されてもよいことが理解される。
【0052】
いくつかの例では、非接触型カード300は、1つまたは複数のアンテナ355を含み得る。1つまたは複数のアンテナ355は、非接触型カード300内および接触パッド320の処理回路325の周囲に配置され得る。例えば、1つまたは複数のアンテナ355は、処理回路325と一体であってもよく、1つまたは複数のアンテナ355は、外部ブースターコイルと共に使用されてもよい。別の例として、1つまたは複数のアンテナ355は、接触パッド320および処理回路325の外部にあってもよい。
【0053】
一実施形態では、非接触型カード300のコイルは、空芯変成器の二次側として機能し得る。端子は、電力または振幅変調をカットすることによって(by cutting power or amplitude modulation)非接触型カード300と通信し得る。非接触型カード300は、1つまたは複数のコンデンサを介して機能的に維持されている非接触型カードの電源接続のギャップを使用して、端子から送信されたデータを推測し得る。非接触型カード300は、非接触型カードのコイルの負荷を切り替えるか、または負荷変調することによって、通信文を取り戻し(communicate back)得る。負荷変調は、干渉によって端子のコイルで検出され得る。
【0054】
上述したように、非接触型カード300は、スマートカードまたはJavaCardなどの限られたメモリを有するスマートカードまたは他のデバイス上で動作可能なソフトウェアプラットフォーム上に構築され、1つまたは複数のアプリケーションまたはアプレットが安全に実行され得る。アプレットは、様々なモバイルアプリケーションベースのユースケースにおいて、多要素認証(MFA)用のワンタイムパスワード(OTP)を提供するように、非接触型カードに追加され得る。アプレットは、モバイルNFCリーダなどのリーダからの近距離データ交換要求などの1つまたは複数の要求に応答して、NDEFテキストタグとしてエンコードされた暗号的に安全なOTPを含むNDEFメッセージを生成するように構成され得る。
【0055】
図4は、1つまたは複数の実施形態による、モバイルコンピューティングデバイス402および非接触型カード406を使用して、車載デバイス404にバリューをロードするための例示的なシーケンス図400を示す。モバイルコンピューティングデバイス402は、車載デバイス404および非接触型カード406と情報を送受信するように構成された、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータなどのクライアントデバイスであり得る。上述したように、モバイルコンピューティングデバイス402は、非接触型カード406とのNFC通信を確立するように構成されたNFCカードリーダを少なくとも含み得る。
【0056】
ステップ412で、モバイルコンピューティングデバイス402は、車載デバイス404に関連付けられた固有の識別子(ID)を受信または取得し得る。例えば、車載デバイス404は、通行料トランスポンダ、ドライブスルー決済サービスのデバイス、ガレージアクセストランスポンダまたはバッジ(badge)、駐車パスなどであってもよい。車載デバイス404に関連付けられた固有のIDは、その上に表示された1つまたは複数のバーコード、または、車載デバイス番号、名前、トランスポンダ識別番号、ドライブスルー決済サービスに関連付けられたアカウント番号、ガレージアクセストランスポンダまたはバッジに関連付けられたバッジ番号、駐車パスに対応するパス番号などの他の適切な識別子から得られてもよい。他の例では、車載デバイス404は、固有のID情報を送信できる1つまたは複数のNFCタグまたは無線自動識別(RFID)タグを含み得る。さらに、コンピューティングデバイス402は、車載デバイス404に関連付けられた(オンラインまたはその他の)アカウントにアクセスするための情報を受信または取得してもよい。例えば情報は、オンラインアカウントにアクセスするためのユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を少なくとも含んでいてもよい。
【0057】
車載デバイス404の固有のIDおよびデバイスに関連付けられたアカウントにアクセスするための情報を受信すると、ステップ414において、モバイルコンピューティングデバイス402は、デバイスに関連付けられたアカウントにアクセスして少なくともアカウントに資金をロードし得る。
【0058】
ステップ416において、モバイルコンピューティングデバイス402と非接触型カード406との間で通信が確立され得る。例では、通信は、非接触型カードがモバイルコンピューティングデバイス402のNFCリーダによって生成された磁場に入ると、自動的に確立され得る。他の例では、モバイルコンピューティングデバイス402は、コンピューティングデバイス402が、非接触型カード406がNFCリーダの磁場に入ったことを検出すると、非接触型カード406に信号を送信することによって、最初に通信を確立してもよい。以下に説明するように、ユーザは、非接触型カード406を使用して、モバイルコンピューティングデバイス402上でワンタップ認証およびワンタップ支払いを行うことができ、これにより、有利なことに、ユーザが車内にいる間のバリューロード処理を迅速かつシンプルにできる。
【0059】
ステップ418において、モバイルコンピューティングデバイス402への非接触型カード406のタップを介して、バリュー(例えば、資金、デジタル通貨、エンティティまたはビジネス固有のバリューなど)がアカウントにロードされ得る。アカウントにロードすると、ステップ420において、車載デバイス404に関連付けられたアカウントは、追加されたバリューを反映するように更新され得る。その後、ステップ422で、車載デバイス404は、アカウントからの支払いを処理または引き落とすために、1つまたは複数のリーダと通信し得る。
【0060】
シーケンス図400に示されるステップは、例示を目的としており、いかなる方法でも限定することを意図していないことが理解され得る。したがって、これらの手順を特定の順序で実行する必要はない。
【0061】
図5は、1つまたは複数の実施形態によるワンタップ認証およびワンタップ支払いを使用するバリューロード処理の例を示す図である。図5では、ビュー500が示されており、これは、ユーザ(例えば、運転手、乗客など)が通行料ブース504およびトランスポンダリーダ506に近づくと車両内で見るであろうものを視覚的に表している。例では、ユーザが通行料ブースに近づいているとき、ユーザは、ユーザのオンライン料金支払いアカウントに、通行料を支払うための資金が不足していることに気付く場合がある。
【0062】
図示のように、ワンタップバリューロード処理を開始するために、ユーザはスマートフォン506を通行料トランスポンダ508にタップできる。あるいは、スマートフォン506は、通行料トランスポンダの1つまたは複数の画像をキャプチャしてもよい。いずれかまたは両方の例において、スマートフォンは、上述したように、少なくとも2つの情報を受信し得る。第1に、スマートフォン506は、例えば正しいトランスポンダが識別されてロードされるように、トランスポンダに関連付けられた固有の識別子を受信してもよく、これは、トランスポンダ番号、バーコード番号、または、トランスポンダ508を具体的に識別する他の任意のタイプの情報であってもよい。第2に、スマートフォン506は、ユーザのオンライン料金支払いアカウントにアクセスする場所および方法に関する情報を受信し得る。例では、情報は、オンラインアカウント、モバイルアプリケーションなどにリンクするURLの形態であってよい。情報は、トランスポンダ508自体に物理的に表示または配置されてもよい。トランスポンダIDおよびアカウント関連情報は、将来の使用のためにスマートフォン506に保存され得ることが理解される。さらに、前述のトランスポンダIDおよび情報は、NFCおよび/またはRFID通信を介してトランスポンダ508から無線で受信され、アクセスされ、または取得され得ることが理解される。
【0063】
ユーザに対応する通行料アカウントにアクセスすると、非接触型カード510を使用して、ワンタップでユーザ認証およびワンタップでバリューのロード(アカウントのロードまたはリロード、ワンタイム支払いなど)が実行され得る。非接触型カード510は、上述した非接触型カード300と類似または同一であってもよいことが理解される。さらに、通行料支払いアカウントにロードされた資金または金銭は、非接触型カード510に対応する1つまたは複数の銀行口座にリンクされてもよいことが理解される。
【0064】
図示のように、ワンタップ認証およびワンタップ支払いを実行するために、通行料支払いアカウントのウェブサイト、モバイルアプリケーション、または他の任意の適切な支払いアプリケーションもしくはウェブサイトが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)モジュール512に表示され得る。例では、通知(図示せず)は、ユーザがスマートフォン506に非接触型カード510をタップして、ユーザの通行料アカウントに認証するように指示し得る。ユーザが非接触型カード510をスマートフォン506にタップすると、非接触型カード510は暗号化されたデータを生成し、これをスマートフォン506に送信し得る。受信されると、ワンタップGUIモジュール512は、少なくとも暗号化されたデータを1つまたは複数の認証サーバに送信し得る。認証サーバは、データを復号し、サーバのメモリに格納された秘密鍵でデータを認証してもよい。その後、認証サーバは、非接触型カード510のユーザを認証し、その確認をスマートフォン506に送信し得る。
【0065】
さらに、ワンタップ認証によるユーザの認証の確認は、例えば、ユーザがログイン情報およびパスワードを入力することなく、ユーザを認証して、ユーザの通行料アカウントに自動的にログインするために使用することもできる。例では、認証サーバは、1つまたは複数のアカウントサーバと通信して、そのような認証を検証または確認してもよく、他の例では、ユーザは、認証ツールとして非接触型カード510を予め通行料アカウントで識別または登録してもよい。
【0066】
図示されるように、ユーザが認証されて通行料支払いアカウントにログインした後、GUIモジュール512は、アカウントの現在の残高および事前設定されたロード値などの様々な情報を表示でき、図5に示されるように、アカウントの現在の残高は50ドルであり得る。さらに、GUIモジュール512は、アカウントへの支払いまたはアカウントのロードもしくはリロードのために非接触型カード510をタップするようにユーザに指示する通知514を表示してもよい。いくつかの例において、認証のための別個のタップおよび支払いのための別のタップとは対照的に、認証およびバリューロード処理の両方が、非接触型カード510の単一のタップに基づいて自動的に実行されてもよいことが理解され得る。さらに、ワンタップ認証及び支払い機能は、ユーザがスマートフォン506を見る必要がないように、又は他に運転中に気を取られないように、ユーザに対して音で提示されてもよい。
【0067】
また、非接触型カード506がスマートフォン506にタップされると、加盟店IDと取引IDが上記1つまたは複数の認証サーバに送信され得る。仮想アカウント番号(VAN)生成器を用いて、非接触型カード510に関連する仮想カードデータ(例えば、仮想カード番号、有効期限、及び/又はCVV)が生成され得る。次に、VAN生成器は、仮想カードデータ、加盟店ID、取引ID、及びユーザに対応する任意のユーザ名及び/又はアドレスを1又は複数の加盟店サーバ(例えば、通行料支払い加盟店又はプロバイダ)に送信し得る。加盟店サーバは、次に、VAN生成器から受信したデータを使用して、例えば、少なくとも受信した仮想カード番号、有効期限、CVVなどを使用して取引データベース内に取引レコードを生成することにより、取引を処理し得る。取引レコードは、さらに、ユーザの名前、請求先住所、配送先住所、および購入した各商品および/またはサービスのインジケーションを含むことができる。加盟店サーバは、次に、注文(例えば、バリューのリロード)確認をモバイルコンピューティングデバイス404に送信し得る。
【0068】
スマートフォン506、トランスポンダ508、及び非接触型カード510を介したワンタップ認証及び支払いは、車両内で、ユーザが通行料ブース504及び/又はトランスポンダリーダ516を通過する前に、使用、実行、操作、完了などされてよく、その時点で必要な料金がユーザのオンラインアカウントから引き落とされ得る。したがって、非接触型カード510およびユーザのモバイルコンピューティングデバイスの使用は、有利なことに、バリューロード処理を迅速、簡単、かつ安全にすることを可能にする。
【0069】
図6は、1つまたは複数の実施形態による、非接触型カード601と車載デバイス602との間で直接的なロード処理の例を示す。上述したように、車載デバイス602は、通行料トランスポンダ、ガレージアクセストランスポンダまたはバッジ、ドライブスルー決済サービス用デバイス、駐車パスなどであり得る。図示されるように、車載デバイス602は、1つまたは複数のプロセッサ604、メモリ606、NFCリーダ608、挿入インターフェース610(いくつかの例ではオプションであってもよい)、電力インターフェース612、および増幅器614など、様々な構成要素を含み得る。非接触型カード601は、上述した非接触型カード300と類似または同一であってもよいことが理解されよう。
【0070】
実施例では、ユーザは、モバイルコンピューティングデバイスを使用することなく、車載デバイス602に非接触型カード601を直接タップできる。代替例では、非接触型カード601は、非接触型カード601を収容するためのカードスロットであり得る挿入インターフェース610に挿入されてもよい。非接触型カード601に関連付けられた銀行口座は、車載デバイス602に関連付けられたアカウントに(例えば、接触時または事前に)リンクされてもよく、または他の例では、銀行口座内の資金は、車載デバイス602に関連付けられたアカウントにロードするためにリアルタイムまたは略リアルタイムで車載デバイス602によってアクセスされ得る。
【0071】
実施形態によれば、車載デバイス602は、非接触型カード601がNFCリーダ又は挿入インターフェースを介して車載デバイスとの通信を確立したか否かを判定し得る。バリューロード処理は、通信が確立されたと判定された場合に開始され得る。さらに、車載デバイス602は、外部の車載デバイスリーダ(図示せず)との間で通信が確立されているか否かを判定してもよい。ユーザが非接触型カード601をタップするか、挿入インターフェース610に挿入してバリューロード処理を開始すると、車載デバイス602は、例えば、ユーザが外部リーダを通リ抜けたり、外部リーダの側を通ったりするのに時間がかかる場合に、所定の期間(例えば、10分、5分、1分、30秒など)外部リーダとの通信を「探して」("look for")よいことが理解され得る。
【0072】
車載デバイス602と外部リーダとの間の通信が確立されると、ロードされたバリューが外部リーダによって引き落とされるように、リンクされたユーザ銀行口座から車載デバイス602に関連するアカウントに1つまたは複数の支払い値がロードされ得る。例えば、通信可能な外部リーダの存在は、車載デバイス602が、少なくとも「ユーザが認可された銀行口座から必要な支払い値を指定して割り当てたので、その支払い値を車載デバイス口座にロードして支払いを引き落とす」ことを示すデータを外部リーダへ送信するトリガーとなり得る。したがって、例えば、通行料の料金が5ドルである場合、通行料トランスポンダリーダへの送信データは、「ユーザがユーザの非接触型カードから5ドルの通行料支払いを承認したので、その金額をロードして引き落とす」となる可能性がある。少なくともその点では、車載デバイスに関連付けられたアカウントは、図4及び図5で上述したような従来のウェブベースのアカウントではなく、単に非接触型カードの銀行口座から支払いを要求するエンティティに必要な支払い値を渡す「パススルー」アカウントであっても良い。
【0073】
いくつかの例では、バリューのロードおよび引き落としの促進は、車載デバイス602から外部リーダ(1つまたは複数のサーバと通信していてもよい)に送信されたデータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のサーバコンピュータ(支払いを要求および受信するエンティティによって管理されてもよい)によって実行され得る。
【0074】
図示されるように、車載デバイス602は、車両から電力を引き出すための電力インターフェース612を含むか又は組み込んでよく、これは、車両の電源ソケットを介して行われてよく、又は他の例では、電力は、バッテリー、コンデンサなどの1つ又は複数のエネルギー貯蔵部品により提供されてもよい。さらに、増幅器614は、例えば、車載デバイス602と外部リーダとの間の通信能力を向上または延長するために、車載デバイス602から外部リーダへの信号を増幅するように構成され得る。
【0075】
図7は、1つまたは複数の実施形態による車両700に統合された構成要素を使用する例示的な認証及び/又はバリューロード処理を示す。ビュー702から示されるように、車載デバイス710は、車両700においてセンターコンソールの運転席側に統合されてもよい。デバイス710は概して楕円形の形状を有するように示されているが、リーダは長方形、正方形、または任意の他の適切な形状、設計、または構成であってもよいことが理解され得る。NFCリーダ及び/又はRFIDリーダが車載デバイス710に組み込まれてもよい。さらに、車両700は、車両内で取引を少なくとも実行し、促進するための1つまたは複数の車両コンピューティングデバイス(図示せず)および他の構成要素を含んでもよい。
【0076】
一例では、ユーザは、車載デバイス710に非接触型カード720をタップして、認証を行うことができる。例えば、車載デバイス710は、駐車場に入る際に、外部リーダに認証情報を提供することにより、ユーザを認証するために使用され得る。他の例では、車両700は、非接触型カード720を所定の位置にロックできる安全な保管領域712を含んでもよい。また、保管領域712は、NFCリーダ及び/又はRFIDリーダを含んでもよい。
【0077】
さらなる例では、車載デバイス710、車両コンピューティングデバイス、およびモバイルコンピューティングデバイス722はすべて、近距離無線通信のためのBluetoothインターフェース(または他の任意の適切なインターフェース)を別々に含んでもよい。認証情報は、例えば、車載デバイス710から車両コンピューティングデバイスに、それぞれの近距離無線通信用インターフェースを介して送信されてもよい。さらに、モバイルコンピューティングデバイス722は、車両コンピューティングデバイス及び/又は車載デバイス710と通信し得る。例えば、ユーザは、車両コンピューティングデバイスのBluetoothインターフェースを介して非接触型カード720から車載デバイス710に送金を行うなど、モバイルコンピューティングデバイス722を使用して、車載デバイス710に関連付けられたアカウントへのバリューのロードを制御又は管理してもよい。車載デバイス710、車両コンピューティングデバイス、およびモバイルコンピューティングデバイス722のインターフェース間の近距離無線通信は、認証され、安全であり得ることが理解される。
【0078】
したがって、ユーザは、車載デバイス710またはモバイルコンピューティングデバイス722のいずれかに非接触型カード720を任意にタップして、認証および/またはバリューのロードを実行できるようにし得る。さらに、いくつかの例では、ユーザは、車両コンピューティングデバイスを使用して(例えば、車内のディスプレイデバイスを介して)認証およびバリューロード機能を制御してもよく、および/またはユーザは、モバイルコンピューティングデバイス722を使用して、上述のように、そのような機能を制御してもよい。
【0079】
上述したデバイスの構成要素および機能は、ディスクリート回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理ゲート、および/またはシングルチップ・アーキテクチャの任意の組み合わせを用いて実装できる。さらに、デバイスの機能は、好適には、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックアレイ、および/またはマイクロプロセッサ、あるいは前述の任意の組み合わせを使用して実装されてもよい。ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェア要素は、本明細書において、集合的に又は個別に「論理」又は「回路」と呼ばれ得ることに留意されたい。
【0080】
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体は、実行されると本明細書に記載されたコンピュータ実装方法のいずれかをシステムに実行させる命令を含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態は、それらの派生物とともに、「一実施形態」または「実施形態」という表現を用いて説明される場合がある。これらの用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所で「一実施形態において」という表現が現れるが、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特に断らない限り、上述した特徴は、任意の組み合わせで一緒に使用されることが認識される。したがって、別々に論じた特徴は、その特徴が互いに互換性がないことが指摘されない限り、互いに組み合わせて採用できる。
【0082】
本明細書で使用される表記および命名法を一般的に参照して、本明細書の詳細な説明は、コンピュータまたはコンピュータのネットワーク上で実行されるプログラム手順の観点で提示される場合がある。これらの手順の説明および表現は、当業者が自己の業績の実体を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される。
【0083】
本明細書でいう手順とは、一般に、望ましい結果をもたらす自己矛盾のない一連の操作であると考えられる。これらの操作は、物理量の物理的な操作を必要とする操作である。通常、これらの量は、保存、転送、結合、比較、およびその他の方法で操作できる電気信号、磁気信号、または光信号の形をとるが、必須ではない。主に一般的な使用法の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数値などとして言及すると便利な場合がある。ただし、これらおよび類似の用語はすべて、適当な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことに留意されたい。
【0084】
さらに、実行される操作は、追加または比較などの用語で参照されることが多く、これらは一般に、人間のオペレータによって実行される知的活動に関連付けられる。しかしながら、1つまたは複数の実施形態の一部を形成する、本明細書に記載の操作のいずれにおいても、人間の操作者のそうした能力は必須ではなく、ほとんどの場合、望ましくもない。むしろ、これらの操作は機械操作である。
【0085】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「結合された」及び「接続された」という表現を用いて説明される場合がある。これらの用語は、必ずしも相互の同義語として意図されていない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接に物理的又は電気的に接触していることを示すために、「接続された」及び/又は「結合された」という用語を用いて説明される場合がある。しかしながら、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでもなお互いに協働又は相互作用することを意味する場合もある。
【0086】
様々な実施形態は、これらの操作を実行するための装置またはシステムに関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよく、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成されてもよい。本明細書に提示される手順は、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連していない。これらの機械の様々な必要な構造は、与えられた説明から明らかになる。
【0087】
本開示の要約は、読者が技術開示の内容を迅速に把握できるようにするために提供されていることが強調される。特許請求の範囲の解釈または意味の限定に使用されないことを理解した上で提出される。さらに、前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態にまとめられていることが分かる。この開示方法は、主張される実施形態が各請求項に明示的に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、以下の請求項は、各請求項が独立した実施形態としてそれ自体で成り立っている状態で、詳細な説明に組み込まれる。添付の特許請求の範囲において「を含み」("including")および「において」("in which")という各用語は、「を備え」("comprising")および「ここで」("wherein,")という各用語の平易な英語での等価物として、それぞれ使用される。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は単にラベルとして使用されており、その対象に数値要件を課すことを意図していない。
【0088】
以上の説明は、開示されたアーキテクチャの例を含む。当然に、構成要素及び/又は方法論の考え得る全ての組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者であれば、多くのさらなる組み合わせ及び順列が可能であることを認識し得る。したがって、新規なアーキテクチャは、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にあるそのようなすべての変更、修正および変形を包含することが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】