(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】スピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)系肝臓X受容体モジュレーター及びその調製方法と応用
(51)【国際特許分類】
C07D 487/10 20060101AFI20220914BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20220914BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220914BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220914BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220914BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220914BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20220914BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220914BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220914BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220914BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220914BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
C07D487/10 CSP
A61K31/407
A61P1/16
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/10
A61P19/10
A61P25/16
A61P25/28
A61P29/00 101
A61P29/00
A61P35/00
A61P37/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503560
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020083073
(87)【国際公開番号】W WO2021008173
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】201910652093.9
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521568100
【氏名又は名称】深▲せん▼市三啓薬物開発有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳子揚
(72)【発明者】
【氏名】顧瓊
(72)【発明者】
【氏名】陳浩
(72)【発明者】
【氏名】徐峻
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA04
4C050AA07
4C050BB04
4C050CC04
4C050EE02
4C050FF02
4C050GG03
4C050HH01
4C050HH04
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB03
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA16
4C086ZA45
4C086ZA75
4C086ZA97
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZC33
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明はスピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)系肝臓X受容体モジュレーター及びその調製方法と応用に関し、具体的に、式(I)で示される化合物、または式(I)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグである化合物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物であって、前記化合物は、式(I)で示される化合物、または式(I)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグであり、
ただし、
X
1、X
2は独立してC(R
7a)
2、O、SまたはNR
8であり、
R
1はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7b、R
7bS(=O)
2-、C
6-10アリールまたは5-12個の原子で構成されるヘテロアリール基であり、前記C
6-10アリール、5-12個の原子で構成されるヘテロアリール基は独立して任意選択で1、2、3、4または5個のR
10によって置換され、
各R
10は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-であり、
R
2は-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7c、-C(=O)NR
8aR
8b、-C(=S)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7c、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7cまたはR
7cS(=O)
2-であり、
R
3はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、OまたはC
1-6アルキルであり、
各R
4、R
5、R
6は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOHまたはC
1-6アルキルであり、
各R
7a、R
7b、R
7c、R
8、R
8a、R
8bは独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキルまたはハロゲン化C
1-6アルキルであり、
m1、m2及びn1は独立して0、1、2、3または4である、化合物。
【請求項2】
R
1はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン化C
1-4アルキル、ヒドロキシ置換C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、ハロゲン化C
1-4アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7b、R
7bS(=O)
2-、C
6-10アリールまたは5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基であり、前記C
6-10アリール、5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基は独立して任意選択で1、2、3、4または5個のR
10によって置換され、
各R
10は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン化C
1-4アルキル、ヒドロキシ置換C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、ハロゲン化C
1-4アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-である、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7b、R
7bS(=O)
2-、C
6-10アリールまたは5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基であり、前記C
6-10アリール、5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基は独立して任意選択で1、2、3、4または5個のR
10によって置換され、
各R
10は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-である、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
各R
4、R
5、R
6は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOHまたはC
1-4アルキルであり、
各R
7a、R
7b、R
7c、R
8、R
8a、R
8bは独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-4アルキルまたはハロゲン化C
1-4アルキルである、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
各R
4、R
5、R
6は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチルまたはN-ブチルであり、
各R
7a、R
7b、R
7c、R
8、R
8a、R
8bは独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチルまたは3,3,3-トリフルオロプロピルである、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(II-1)または(II-2)で示される化合物、または式(II-1)、(II-2)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグであり、
ただし、
R
11、R
12、R
13、R
14またはR
15は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-である、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
11、R
12、R
13、R
14またはR
15は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン化C
1-4アルキル、ヒドロキシ置換C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、ハロゲン化C
1-4アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-である、ことを特徴とする請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
R
11、R
12、R
13、R
14またはR
15は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-である、ことを特徴とする請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
式(II-1-A)、(II-1-B)または(II-1-C)で示される化合物、または式(II-1-A)、(II-1-B)、(II-1-C)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグであり、
ただし、
R
2aは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7cまたはR
7cS(=O)
2-であり、R
12aはR
7bS(=O)
2-であり、R
13aはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシまたはハロゲン化C
1-6アルコキシであり、
R
2bはR
7cS(=O)
2-であり、R
12bとR
13bはそれぞれ独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bであり、
R
2cは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7c、-C(=S)NR
8aR
8b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7cであり、R
12cはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシまたはハロゲン化C
1-6アルコキシ、R
13cは-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bである、ことを特徴とする請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
R
2aは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7cまたはR
7cS(=O)
2-であり、R
12aはR
7bS(=O)
2-であり、R
13aはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン化C
1-4アルキル、ヒドロキシ置換C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシまたはハロゲン化C
1-4アルコキシであり、
R
2bはR
7cS(=O)
2-であり、R
12bとR
13bはそれぞれ独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン化C
1-4アルキル、ヒドロキシ置換C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、ハロゲン化C
1-4アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bであり、
R
2cは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7c、-C(=S)NR
8aR
8b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7cであり、R
12cはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、C
3-6シクロアルキル、ハロゲン化C
1-4アルキル、ヒドロキシ置換C
1-4アルキル、C
1-4アルコキシまたはハロゲン化C
1-4アルコキシであり、R
13cは-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bである、ことを特徴とする請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
R
2aは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7cまたはR
7cS(=O)
2-であり、R
12aはR
7bS(=O)
2-であり、R
13aはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチルまたは3,3,3-トリヒドロキシプロピルであり、
R
2bはR
7cS(=O)
2-であり、R
12bとR
13bはそれぞれ独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bであり、
R
2cは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7c、-C(=S)NR
8aR
8b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7cであり、R
12cはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピルであり、R
13cは-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bである、ことを特徴とする請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
式(II-1-A-a)、(II-1-A-b)、(II-1-B-a)、(II-1-B-b)、(II-1-C-a)または(II-1-C-b)で示される化合物、または式(II-1-A-a)、(II-1-A-b)、(II-1-B-a)、(II-1-B-b)、(II-1-C-a)、(II-1-C-b)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグである
、ことを特徴とする請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
以下の構造のうちの1つを有する化合物または以下の構造のうちの1つを有する化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはそのプロドラッグである
、ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物を含む、薬物組成物。
【請求項15】
薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、媒質またはそれらの任意の組合わせをさらに含む、ことを特徴とする請求項14に記載の薬物組成物。
【請求項16】
追加の治療薬をさらに含み、
任意選択で、前記追加の治療薬は高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームを治療する薬物またはそれらの組合わせであり、
任意選択で、前記追加の治療薬は神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチまたは骨粗鬆症を治療する薬物またはそれらの組合わせである、ことを特徴とする請求項14に記載の薬物組成物。
【請求項17】
前記の高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームを治療する薬物は、アトルバスタチン、ゲムフィブロジル、アシピモツクス、ドキシコン丸、メトホルミン、グリメピリド、レパグリニド、エンパグリフロジンまたはそれらの任意の組合わせであり、
任意選択で、前記の神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチまたは骨粗鬆症を治療する薬物は、テモゾロミド、フォルムスチン、スタチン薬物、フィブラート薬物、ベンヘキシル、アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬またはそれらの任意の組合わせであり、
好ましくは、前記スタチン薬物はロバスタチンまたはシンバスタチンであり、前記フィブラート薬物はクロフィブラート、リベットまたはベザフィブラートであり、前記非ステロイド性抗炎症薬はジクロフェナク、ナブメトンまたはメロキシカムである、ことを特徴とする請求項16に記載の薬物組成物。
【請求項18】
肝臓X受容体を調節するために使用され、任意選択で、肝臓X受容体を逆刺激するかまたは肝臓X受容体を刺激するために使用される薬物またはキットの調製における、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物または請求項14~17のいずれか1項に記載の薬物組成物の使用。
【請求項19】
薬物の調製における、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物または請求項14~17のいずれか1項に記載の薬物組成物の使用であって、前記薬物は高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームの治療または予防、または腫瘍エネルギー代謝の標的に使用され、または
前記薬物は、神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、骨粗鬆症を治療または予防するための薬物またはそれらの組合わせとして使用される、薬物の調製における、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物または請求項14~17のいずれか1項に記載の薬物組成物の使用。
【請求項20】
疾患を治療する方法であって、患者に請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物または請求項14~17のいずれか1項に記載の薬物組成物を投与することを含み、
前記疾患は、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ及び骨粗鬆症から選ばれる少なくとも1つを含む、ことを特徴とする疾患を治療する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物医学分野に関し、具体的に、本発明はスピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)系肝臓X受容体モジュレーター及びその調製方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓X受容体(LXR)はリガンド依存性転写因子であり、レチノールX受容体(RXR)とヘテロ二量体の形、LXR/RXRを形成することがよくあり、リガンド活性化を前提として、標的遺伝子上のLXR応答エレメント(LXRE)に結合して、標的遺伝子の転写プロセスを調整することができる。LXRはLXRαとLXRβの2つのサブタイプを含み、LXRαは肝臓、小腸、脂肪、及び免疫機能を備えるマクロファージに分布しているが、LXRβは全身に広く分布している。
【0003】
LXRは酸化ステロールによって活性化される核内受容体であり、脂肪、コレステロール、糖代謝、及び炎症に重要な役割を果たしており、LXRを標的とした新薬の開発には幅広い開発の見通しがある。LXR合成アゴニストにはGW3965とTO901317などが含まれる。LXRアゴニストの開発は、アテローム性動脈硬化症、癌、アルツハイマー病、アトピー性皮膚炎などの疾患を治療するためのリード化合物として使用できる。
【0004】
現在、LXR拮抗薬またはインバースアゴニストはめったに見つからなく、主にSR9243、SR9238、PP2P、フェノフィブラート、モリン、キツネノテブクロなどを含む。多くの文献は、LXR拮抗薬またはインバースアゴニストが強力な抗脂肪肝活性を持っていることを指摘している。脂質を低下させるためのLXR拮抗薬またはインバースアゴニストのメカニズムは次の通りであり、LXR標的遺伝子のステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP-1c)、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)、脂肪シンターゼ(FAS)、ステアロイル-CoAデサチュラーゼ-1(SCD-1)を低下させ、トリグリセリド合成を減らす。なお、SR9243は、腫瘍細胞の解糖と脂質生成を阻害することにより、広域スペクトルの抗腫瘍効果を生成することもできる。LXR拮抗薬またはインバースアゴニストを開発して、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの治療及び腫瘍エネルギー代謝の標的のためのリード化合物として使用できる。
【発明の概要】
【0005】
本願は、発明者が以下の事実と問題を発見して理解したことに基づいて作られたものであり、
多数の実験的研究を通じて、発明者は、新しい肝臓X受容体モジュレーターを提案し、驚くべきことに、それが有意な肝臓X受容体調節活性を有することを発見しており、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの治療や予防、または腫瘍エネルギー代謝の標的に効果的に使用できるだけでなく、神経膠芽細胞腫などの癌、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ及び骨粗鬆症にも顕著な治療効果があり、幅広いの見通しがある。
【0006】
本発明の第1の態様において、本発明は、式(I)で示される化合物、または式(I)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグを提供し、
ただし、X
1、X
2は独立してC(R
7a)
2、O、SまたはNR
8であり、
R
1はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7b、R
7bS(=O)
2-、C
6-10アリールまたは5-12個の原子で構成されるヘテロアリール基であり、前記C
6-10アリール、5-12個の原子で構成されるヘテロアリール基は独立して任意選択で1、2、3、4または5個のR
10によって置換され、
各R
10は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-であり、
R
2は-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7c、-C(=O)NR
8aR
8b、-C(=S)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7c、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7cまたはR
7cS(=O)
2-であり、
R
3はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、OまたはC
1-6アルキルであり、
各R
4、R
5、R
6は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOHまたはC
1-6アルキルであり、
各R
7a、R
7b、R
7c、R
8、R
8a、R
8bは独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキルまたはハロゲン化C
1-6アルキルであり、
m1、m2及びn1は独立して0、1、2、3または4である。
【0007】
本発明の実施例によれば、上記化合物は、以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含むことができ、
本発明の実施例によれば、R1はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-6アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルコキシ、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8b、-NR8C(=O)R7b、R8aR8bN-S(=O)2-、-R8N-S(=O)2R7b、R7bS(=O)2-、C6-10アリールまたは5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基であり、前記C6-10アリール、5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基は独立して任意選択で1、2、3、4または5個のR10によって置換され、
各R10は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルコキシ、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8b、-NR8C(=O)R7b、R8aR8bN-S(=O)2-、-R8N-S(=O)2R7bまたはR7bS(=O)2-である。
【0008】
本発明の実施例によれば、R1はH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8b、-NR8C(=O)R7b、R8aR8bN-S(=O)2-、-R8N-S(=O)2R7b、R7bS(=O)2-、C6-10アリールまたは5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基であり、前記C6-10アリール、5-10個の原子で構成されるヘテロアリール基は独立して任意選択で1、2、3、4または5個のR10によって置換され、
各R10は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8b、-NR8C(=O)R7b、R8aR8bN-S(=O)2-、-R8N-S(=O)2R7bまたはR7bS(=O)2-である。
【0009】
本発明の実施例によれば、各R4、R5、R6は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOHまたはC1-4アルキルであり、
各R7a、R7b、R7c、R8、R8a、R8bは独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-4アルキルまたはハロゲン化C1-4アルキルである。
【0010】
本発明の実施例によれば、各R4、R5、R6は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチルまたはN-ブチルであり、
各R7a、R7b、R7c、R8、R8a、R8bは独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチルまたは3,3,3-トリフルオロプロピルである。
【0011】
本発明の実施例によれば、式(II-1)または(II-2)で示される化合物、または式(II-1)、(II-2)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグであり、
ただし、
R
11、R
12、R
13、R
14またはR
15は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8b、-NR
8C(=O)R
7b、R
8aR
8bN-S(=O)
2-、-R
8N-S(=O)
2R
7bまたはR
7bS(=O)
2-である。
【0012】
本発明の実施例によれば、R11、R12、R13、R14またはR15は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルコキシ、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8b、-NR8C(=O)R7b、R8aR8bN-S(=O)2-、-R8N-S(=O)2R7bまたはR7bS(=O)2-である。
【0013】
本発明の実施例によれば、R11、R12、R13、R14またはR15は独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8b、-NR8C(=O)R7b、R8aR8bN-S(=O)2-、-R8N-S(=O)2R7bまたはR7bS(=O)2-である。
【0014】
本発明の実施例によれば、式(II-1-A)、(II-1-B)または(II-1-C)で示される化合物、または式(II-1-A)、(II-1-B)、(II-1-C)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグであり、
ただし、
R
2aは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7cまたはR
7cS(=O)
2-であり、R
12aはR
7bS(=O)
2-であり、R
13aはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシまたはハロゲン化C
1-6アルコキシであり、
R
2bはR
7cS(=O)
2-であり、R
12bとR
13bはそれぞれ独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化C
1-6アルコキシ、-C(=O)R
7b、-C(=O)OR
7b、-OC(=O)R
7b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bであり、
R
2cは-C(=O)R
7c、-C(=O)(C(R
7a)
2)
n1R
7c、-C(=O)OR
7c、-OC(=O)R
7c、-C(=S)NR
8aR
8b、-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7cであり、R
12cはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO
2、-OH、-NH
2、-COOH、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ハロゲン化C
1-6アルキル、ヒドロキシ置換C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシまたはハロゲン化C
1-6アルコキシであり、R
13cは-C(=O)NR
8aR
8bまたは-NR
8C(=O)R
7bである。
【0015】
発明者は、式(II-1-A)または(II-1-B)で示される化合物が、肝臓X受容体を効果的に逆刺激し、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームを効果的に治療または予防すること、または腫瘍エネルギー代謝の標的に使用できることを発見した。また、発明者は、式(II-1-C)で示される化合物が肝臓X受容体を効果的に刺激し、神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、骨粗鬆症及びそれらの組み合わせを効果的に治療または予防するための薬物として使用できることを発見した。
【0016】
本発明の実施例によれば、R2aは-C(=O)R7c、-C(=O)(C(R7a)2)n1R7c、-C(=O)OR7c、-OC(=O)R7cまたはR7cS(=O)2-であり、R12aはR7bS(=O)2-であり、R13aはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシまたはハロゲン化C1-4アルコキシであり、
R2bはR7cS(=O)2-であり、R12bとR13bはそれぞれ独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン化C1-4アルコキシ、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8bまたは-NR8C(=O)R7bであり、
R2cは-C(=O)R7c、-C(=O)(C(R7a)2)n1R7c、-C(=O)OR7c、-OC(=O)R7c、-C(=S)NR8aR8b、-C(=O)NR8aR8bまたは-NR8C(=O)R7cであり、R12cはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C1-4アルキル、ヒドロキシ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシまたはハロゲン化C1-4アルコキシであり、R13cは-C(=O)NR8aR8bまたは-NR8C(=O)R7bである。
【0017】
本発明の実施例によれば、R2aは-C(=O)R7c、-C(=O)(C(R7a)2)n1R7c、-C(=O)OR7c、-OC(=O)R7cまたはR7cS(=O)2-であり、R12aはR7bS(=O)2-であり、R13aはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチルまたは3,3,3-トリヒドロキシプロピルであり、
R2bはR7cS(=O)2-であり、R12bとR13bはそれぞれ独立してH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピル、-C(=O)R7b、-C(=O)OR7b、-OC(=O)R7b、-C(=O)NR8aR8bまたは-NR8C(=O)R7bであり、
R2cは-C(=O)R7c、-C(=O)(C(R7a)2)n1R7c、-C(=O)OR7c、-OC(=O)R7c、-C(=S)NR8aR8b、-C(=O)NR8aR8bまたは-NR8C(=O)R7cであり、R12cはH、D、F、Cl、Br、I、-CN、-NO2、-OH、-NH2、-COOH、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、N-ブチル、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピルであり、R13cは-C(=O)NR8aR8bまたは-NR8C(=O)R7bである。
【0018】
本発明の実施例によれば、式(II-1-A-a)、(II-1-A-b)、(II-1-B-a)、(II-1-B-b)、(II-1-C-a)または(II-1-C-b)で示される化合物、または式(II-1-A-a)、(II-1-A-b)、(II-1-B-a)、(II-1-B-b)、(II-1-C-a)、(II-1-C-b)で示される化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはプロドラッグである。
【0019】
本発明の実施例によれば、以下の構造のうちの1つを有する化合物または以下の構造のうちの1つを有する化合物の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、窒素酸化物、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩またはそのプロドラッグであり、
【0020】
本発明の第2の態様によれば、本発明は以上のような化合物を含む薬物組成物を提案する。
【0021】
本発明の実施例によれば、上記薬物組成物は、以下の追加の技術的特徴のうちの少なくとも1つをさらに含むことができ、
本発明の実施例によれば、前記薬物組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、媒質またはそれらの任意の組合わせをさらに含む。
【0022】
本発明の実施例によれば、前記薬物組成物は追加の治療薬をさらに含む。いくつかの実施例において、前記追加の治療薬は、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームを治療する薬物またはそれらの組合わせである。他の実施例において、前記追加の治療薬は、神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチまたは骨粗鬆症を治療する薬物またはそれらの組合わせである。
【0023】
本発明の実施例によれば、前記の高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームを治療する薬物は、アトルバスタチン、ゲムフィブロジル、アシピモツクス、ドキシコン丸(Doxicon)、メトホルミン、グリメピリド、レパグリニド、エンパグリフロジンなどまたはそれらの任意の組合わせである。
【0024】
本発明の実施例によれば、前記の神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチまたは骨粗鬆症を治療する薬物は、テモゾロミド、フォルムスチン、スタチン薬物、フィブラート薬物、ベンヘキシル、アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬またはそれらの任意の組合わせである。いくつかの実施例において、前記スタチン薬物はロバスタチンまたはシンバスタチンであり、前記フィブラート薬物はクロフィブラート、リベットまたはベザフィブラートであり、前記非ステロイド性抗炎症薬はジクロフェナク、ナブメトンまたはメロキシカムである。
【0025】
本発明の第3の態様において、本発明は、薬物またはキットの調製における、以上のような化合物または以上のような薬物組成物の使用を提案し、前記薬物またはキットは、科学研究のために肝臓X受容体を調節するために使用される。本発明の実施例によれば、前記薬物またはキットは肝臓X受容体を逆刺激するために使用されるか、または肝臓X受容体を刺激するために使用される。
【0026】
本発明の第4の態様において、本発明は、薬物の調製における、以上のような化合物または以上のような薬物組成物の使用を提供し、前記薬物は、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病またはメタボリックシンドロームを治療または予防するために使用され、または腫瘍エネルギー代謝の標的に使用され、または前記薬物は、神経膠芽細胞腫、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、骨粗鬆症を治療または予防するための薬物またはそれらの組合わせとして使用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例によるHepG2細胞における化合物2a-1の脂質低下活性及びその作用機序の模式図である。
【
図2】本発明の実施例による3T3L1細胞における化合物2a-1の脂質低下活性及びその作用機序の模式図である。
【
図3】本発明の実施例によるTriton WR-1339によって誘発された高脂血症マウスにおける化合物2a-1の脂質低下活性である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例を図面に示す。以下、図面を参照して説明した実施例は例示的なものであり、本発明を解釈することを意図しているが、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0029】
「包含」という用語は、オープン式表現であり、即ち本発明で指定された内容を含むが、他の側面の内容を除外するものではない。
【0030】
「立体異性体」とは、化学構造が同じであるが、空間内の原子又は基の配列方式が異なる化合物を指す。立体異性体はエナンチオマー、ジアステレオマー、配座異性体(回転異性体)、幾何異性体(シス/トランス)異性体、アトロプ異性体等を含む。
【0031】
「キラル」とは、その鏡像と重なることができない分子を指し、「アキラル」とは、その鏡像と重なることができる分子を指す。
【0032】
「エナンチオマー」とは、重なることができないが互いに鏡像関係である1つの化合物の2つの異性体を指す。
【0033】
「ジアステレオマー」とは、2つ又は複数のキラル中心を有し、その分子が互いに鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、融点、沸点、スペクトル特性及び反応性などの異なる物理的特性を有する。ジアステレオマー混合物は、電気泳動などの高分解能や、HPLCなどのクロマトグラフィーによって分離できる。
【0034】
本発明で使用される立体化学的定義および規則は、一般に、S.P.Parker、Ed.、McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company、New York ;and Eliel、E.and Wilen、S.、「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley & Sons、Inc.、New York、1994に従う。
【0035】
多くの有機化合物は光学活性な形で存在し、即ち平面偏光の平面を回転させる能力がある。光学活性化合物を説明する場合、接頭辞DとLまたはRとSを使用して、1つまたは複数のキラル中心に関する分子の絶対配置を示す。接頭辞dとl又は(+) と(-)は、化合物による平面偏光の回転を指定する記号であり、(-)又はlは化合物が左旋性であることを示す。接頭辞が(+)又はdで始まる化合物は右旋性である。具体的な立体異性体はエナンチオマーであり、このような異性体の混合物はエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物はラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、化学反応又はプロセス中に立体選択性又は立体特異性がない場合に発生する可能性がある。
【0036】
本発明に開示される化合物の任意の非対称原子(例えば、炭素など)はすべて、例えば(R)-、(S)-又は(R,S)-配置形態などのラセミ又は鏡像異性的に濃縮された形態で存在することができる。いくつかの実施手段において、各非対称原子は(R)-又は(S)-配置において少なくとも50%の鏡像体過剰率、少なくとも60%の鏡像体過剰率、少なくとも70%の鏡像体過剰率、少なくとも80%の鏡像体過剰率、少なくとも90%の鏡像体過剰率、少なくとも95%の鏡像体過剰率、又は少なくとも99%の鏡像体過剰率を有する。
【0037】
出発物質及び方法の選択に応じて、本発明の化合物は、例えばラセミ体とジアステレオマー混合物(非対称炭素原子の数によって決められる)などの可能な異性体の中の1つ又はそれらの混合物の形態で存在することができる。光学活性の(R)-又は(S)-異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製されるか、従来の技術を使用して分離されることができる。化合物が1つの二重結合を含む場合、置換基はE又はZ配置である可能性があり、化合物に二置換のシクロアルキルを含む場合、シクロアルキルの置換基はシスまたはトランス配置である可能性がある。
【0038】
得られた任意の立体異性体の混合物は、例えば、クロマトグラフィー法及び/又は分別結晶法によって、成分の物理的および化学的特性の違いに基づいて、純粋又は基本的に純粋な幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーに分離されることができる。
【0039】
既知の方法を使用して、得られた任意の最終生成物又は中間体のラセミ体を、例えば得られたそのジアステレオマー塩を分離するなどの当業者によく知られている方法によって光学エナンチオマーに分解することができる。ラセミ生成物は、キラル吸着剤を使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などのキラルクロマトグラフィーによって分離されることもできる。特に、エナンチオマーは非対称合成によって調製することができ、例えば、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Principles of Asymmetric Synthesis (2nd Ed. Robert E. Gawley, Jeffrey Aube, Elsevier, Oxford, UK, 2012); Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962); Wilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972);Chiral Separation Techniques: A Practical Approach (Subramanian, G. Ed., Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, Germany, 2007)を参照することができる。
【0040】
「互変異性体」又は「互変異性形態」という用語は、低エネルギー障壁(lowenergy barrier)を介して互いに変換することができる異なるエネルギーを有する構造異性体を指す。互変異性が可能であれば(例えば溶液の中で)、互変異性体の化学平衡に達することができる。例えば、プロトン互変異性体(protontautomer)(プロトトロピック互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)には、例えばケト-エノール異性化やイミン-エンアミン異性化などのプロトン移動による相互変換が含まれる。原子価互変異性体(valence tautomer)には、いくつかの結合形成電子の再結合による相互変換が含まれる。ケト-エノール互変異性の具体例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシペント-3-エン-2-オン互変異性体の相互変換である。互変異性の別の例はフェノール-ケトン互変異性である。フェノール-ケトン互変異性の具体例はピリジン-4-オールとピリジン-4(1H)-オン互変異性体の相互変換である。特に明記しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性形態は、本発明の範囲内にある。
【0041】
本明細書の各部分において、本発明に開示される化合物の置換基は、基のタイプまたは範囲に従って開示される。特に、本発明は、これらの基のタイプまたは範囲の各メンバーのそれぞれの独立したサブコンビネーションを含む。例えば、「C1-C6 アルキル」という用語は、特に、独立して開示されたメチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル及びC6アルキルを指す。
【0042】
本発明の各部分において、連結置換基が記載されている。該構造には明らかに連結基が必要がある場合、該基に対してリストされているマルクーシュ変数は連結基として理解されるべきである。例えば、該構造には連結基が必要があり、且つ該変数のマルクーシュ基定義に対して「アルキル」又は「アリール」をリストする場合、該「アルキル」又は「アリール」はそれぞれ、接続したアルキリデン基又はアリーレン基を表すことを理解すべきである。
【0043】
本発明に記載されるように、本発明の化合物は、上記の一般式の化合物、又は実施例における特別な例、サブクラス、及び本発明に含まれる化合物のクラスなどの1つ又は複数の置換基によって任意選択で置換されることができる。「任意に置換された」という用語と「置換または非置換」という用語は交換可能に使用できることを理解すべきである。一般に、「任意選択で」という用語が「置換された」という用語の前にあるかどうかにかかわらず、所与の構造中の1つ又は複数の水素原子が具体的な置換基によって置換され又は非置換されることができることを示す。特に明記しない限り、1つの任意に選択された置換基は基の各置換可能な位置に1つの置換基を有することができる。所与の構造式の複数の位置は具体的な基から選ばれる1つ又は複数の置換基によって置換される場合、置換基は同じ又は異なるように各位置で置換されることができる。
【0044】
本発明で使用される「アルキル」という用語は、1-20個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を含み、アルキルは、独立して、任意選択で、1つ又は複数の本発明に記載の置換基によって置換されることができる。いくつかの実施例では、アルキル基は1-10個の炭素原子を含み、他の実施例では、アルキル基は1-8個の炭素原子を含み、他の実施例では、アルキル基は1-6個の炭素原子を含み、他の実施例では、アルキル基は1-4個の炭素原子を含み、他の実施例では、アルキル基は1-3個の炭素原子を含み、他の実施例では、アルキル基は2-6個の炭素原子を含む。アルキル基の更なる例は、メチル(Me、-CH3)、エチル (Et、-CH2CH3)、n-プロピル(n-Pr、-CH2CH2CH3)、イソプロピル(i-Pr、-CH(CH3)2)、n-ブチル(n-Bu、-CH2CH2CH2CH3)、2-メチルプロピル又はイソブチル (i-Bu、-CH2CH(CH3)2)、1-メチルプロピル又はsec-ブチル(s-Bu、-CH(CH3)CH2CH3)、tert-ブチル(t-Bu、-C(CH3)3)、n-ペンチル(-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH3)CH (CH3)2)、3-メチル-1-ブチル(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、n-ヘキシル(-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2, 3-ジメチル-2-ブチル(-C(CH3)2CH(CH3)2)、3, 3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH3)C(CH3)3 )、n-ヘプチル、n-オクチル等を含むが、これらに限定されない。「アルキル」という用語とその接頭辞「アルカン」が本明細書で使用され、両方とも直鎖と分岐鎖の飽和炭素鎖を含む。
【0045】
「ハロゲン化アルキル」という用語は、アルキルが1つまたは複数の同じまたは異なるハロゲン原子によって置換される場合を指し、ハロゲン原子はF、Cl、BrまたはIである。アルキル基は本発明に記載される意味を有しこのような例は、トリフルオロメチル、1-クロロエチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピルなどを含むが、これらに限定されない。
【0046】
「ヒドロキシ置換アルキル」という用語は、アルキルが1つまたは複数のヒドロキシルによって置換される場合を指す。アルキル基は本発明に記載される意味を有しこのような例は、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、ジヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3,3,3-トリヒドロキシプロピルなどを含むが、これらに限定されない。
【0047】
「アミノ」という用語は-NH2を指す。
【0048】
本発明で使用される「アルコキシ」という用語は、アルキルに関し、本発明で定義されるように、酸素原子を介して主炭素鎖に接続される。このような実施例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ等を含むが、これらに限定されない。
【0049】
「シクロアルキル」という用語は、3-12個の炭素原子を含む、一価又は多価の飽和単環式、二環式または三環式環系を示す。二環式または三環式環系は縮合環、架橋環及びスピロ環をを含むことができる。一実施手段において、シクロアルキルは3-10個の炭素原子を含み、他の実施手段において、シクロアルキルは3-8個の炭素原子を含み、別の実施手段において、シクロアルキルは3-6個の炭素原子を含む。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。前記シクロアルキル基は任意選択で1つ又は複数の本発明に記載の置換基によって置換される。
【0050】
「アリール」という用語は、6-14個の環原子、又は6-12個の環原子、又は6-10個の環原子を含む単環式、二環式または三環式炭素環系を示し、そのうちの少なくとも1つの環が芳香族である。アリール基は通常、必ずしもそうである必要はないが、アリール基の芳香環を介して親分子に接続されている。「アリール」という用語と「芳香環」という用語は交換可能に使用することができる。アリール基の例はフェニル、ナフチル及びアントラセンを含むことができる。前記アリール基は、任意選択で1つ又は複数の本発明に記載の置換基によって置換される。
【0051】
「ヘテロアリール基」という用語は、5-12個の環原子、又は5-10個の環原子、又は5-6個の環原子を含む単環式、二環式または三環式系を示し、そのうちの少なくとも1つの環が芳香族であり、且つ少なくとも1つの環が1つ又は複数のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基は通常、必ずしもそうである必要はないがヘテロアリール基の芳香環を介して親分子に接続されている。「ヘテロアリール基」という用語は、「ヘテロ芳香環」、「芳香族複素環」又は「ヘテロ芳香族化合物」という用語と交換可能に使用することができる。前記ヘテロアリール基は任意選択で1つ又は複数の本発明に記載の置換基によって置換される。一実施手段において、5-10個の原子からなるヘテロアリールはO、S及びNから独立して選ばれる1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む。
【0052】
ヘテロアリール基の例は、2-フラニル、3-フラニル、N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、3-イソオキサゾール、4-イソオキサゾール、5-イソオキサゾール、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、N-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、ピリダジニル(例えば3-ピリダジニル)、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、テトラゾリル(例えば5-テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば2-トリアゾリルと5-トリアゾリル)、2-チエニル、3-チエニル、ピラゾリル(例えば2-ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,3-チオジアゾリル、1,3,4-チオジアゾリル、1,2,5-チオジアゾリル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニルを含むが、これらに限定されなく、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラン、ベンゾチエニル、インドリル(例えば2-インドリル)、プリニル、キノリニル(例えば2-キノリニル、3-キノリニル、4-キノリニル)、イソキノリニル(例えば1-イソキノリニル、3-イソキノリニル又は4-イソキノリニル)、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル、などの二環式環を含むが、これらの二環式環に限定されない。
【0053】
本発明に記載されるように、置換基R’は1つの結合によって中心環に接続して形成された環系は、置換基R’が該環上の任意の置換可能又は任意の合理的な位置で置換することができることを示す。例えば、式aは、式b、式c及び式dで示されるように、B’環上の任意の置換される可能性がある位置はいずれもR’によって置換される。
【0054】
また、説明する必要があるものとして、特に明記されていない限り、本明細書全体で使用される説明、「それぞれ…と…独立して…である」、「…と…はそれぞれ独立して…である」及び「…と…はそれぞれ独立して…である」は交換可能であり、広い意味で理解すべきであり、これは、異なる基内で、同じ符号の間で表現された具体的なオプションの間に互いに影響を与えないこと、同じ基内で、同じ符号の間で表現された具体的なオプションの間に互いに影響を与えないことを意味する場合がある。例えば、式(I)では、m1個のR4の中で、各R4の具体的なオプションは同じでも異なっていてもよく、または例えば、式(I)では、各R4、R5またはR6の具体的なオプションは同じでも異なっていてもよく、且つR4、R5及びR6の間に表現される具体的なオプションは同じでも異なっていてもよい。
【0055】
「薬学的に許容される」という用語は、人に投与された時に生理学的に許容可能であり、一般にアレルギー又は胃腸の不快感、めまいなどの同様の不適切な反応を引き起こさない分子実体及び組成物を指す。好ましくは、本明細書に使用される「薬学的に許容される」という用語は、連邦規制機関又は国家政府によって承認されたもの、又は米国薬局方又は他の一般に認められた薬局方に記載された動物、より特に人体で使用されるものを指す。
【0056】
「担体」という用語は、前記化合物とともに投与された希釈剤、アジュバント、賦形剤又は塩基を指す。これらの薬物担体は、石油、動物、植物、またはピーナッツ油、大豆油、鉱油、ごま油などの合成由来のものを含む水および油などの無菌液体であってもよい。水、水性溶液食塩水溶液、ブドウ糖水溶液、及びグリセリン溶液は、担体、特に注射可能な溶液として好ましく使用される。適切な薬物担体はE.W.Martin の「Remington′ s Pharmaceutical Sciences」に記載される。
【0057】
本発明的「水和物」とは、本発明により提供された化合物又はその塩を指し、化学的または非化学的量の非共有分子間力によって結合された水も含み、溶媒分子は水によって形成された複合体であるとも言える。
【0058】
本発明の「溶媒和物」とは、1つ又は複数の溶媒分子と本発明の化合物とによって形成される複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒は、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、アミノエタノールを含むが、これらに限定されない。
【0059】
本発明の「エステル」とは、ヒドロキシルを含む式(I)-式(IV)で示される化合物が体内で加水分解可能なエステルを形成できることを意味する。このようなエステルは、例えば人体または動物の体内で加水分解されて親アルコールを生成する薬学的に許容されるエステルである。ヒドロキシルを含む式(I)-式(IV)で示される化合物が体内で加水分解可能なエステルの基は、リン酸基、アセトキシメトキシ基、2,2-ジメチルプロピオニルオキシメトキシ、アルカノイル、ベンゾイル、ベンジルアセチル、アルコキシカルボニル、ジアルキルカルバモイル及びN-(ジアルキルアミノエチル)-N-アルキルカルバモイルなどを含むが、これらに限定されない。
【0060】
本発明の「窒素酸化物」とは、化合物がいくつかのアミン官能基を含む場合、1つ又は1つ以上の窒素原子を酸化してN-酸化物を形成することができることを意味する。N-酸化物の特別な例は第三級アミンのN-酸化物又は窒素含有複素環窒素原子のN-酸化物である。例えば過酸化水素又は過酸(例えばペルオキシカルボン酸)などの酸化剤で対応するアミンを処理してN-酸化物(Advanced Organic Chemistry,Wiley Interscience,第4版,Jerry March,pagesを参照)を形成することができる。特に、N-酸化物はL.W.Deadyの方法によって調製(Syn.Comm.1977,7, 509-514)されることができ、例えば、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中で、アミン化合物とm-クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)を反応させる。
【0061】
本発明で使用される「プロドラッグ」という用語は、体内での1つの化合物の式 (I)-式(IV) で示される化合物への変換を表す。このような変換は、血液中のプロドラッグの加水分解、又は血液又は組織中の母体構造へのプロドラッグの酵素的変換によって影響を受ける。本発明のプロドラッグ化合物はエステルであってもよく、従来の発明において、プロドラッグとして使用可能なエステルは、フェニルエステル類、脂肪族(C1-24)エステル類、アシルオキシメチルエステル類、カーボネート、カルバメート類及びアミノ酸エステル類が挙げられる。例えば本発明の1つの化合物はヒドロキシルを含み、即ちそれをアシル化してプロドラッグ形態の化合物を取得することができる。他のプロドラッグ形態はリン酸エステルを含み、例えばこれらのリン酸エステル化合物が親体でのヒドロキシル基のリン酸化によって得られる。プロドラッグの完全な検討について、T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series, Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987, J. Rautio et al, Prodrugs: Design and Clinical Applications, Nature Review Drug Discovery, 2008, 7, 255-270, and S. J. Hecker et al, Prodrugs of Phosphates and Phosphonates, Journal of Medicinal Chemistry, 2008, 51、2328-2345を参照することができる。
【0062】
特に明記しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性形態は、本発明の範囲に含まれる。
【0063】
特に明記しない限り、本発明に記載の化合物の構造式は1つ又は複数の異なる原子の濃縮された同位体を含む。本発明は同位体標識化合物を含み、式(I)-式(II) に記載の化合物と同等であるが、1つ又は複数の原子は原子質量又は質量数が自然界で一般的な原子質量又は質量数の原子によって取り替えられる。本発明の化合物に導入できる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素の同位体であり、それぞれ例えば2H、3H、13C、11C、 14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clである。上記の同位体及び/又は他の原子を含む他の同位体の本発明化合物は、そのプロドラッグと前記化合物又は前記プロドラッグの薬学的に許容される塩はずべて本発明の範囲に含まれる。本発明の式(I)-式(II)で示される同位体標識化合物及びそのプロドラッグは一般に以下のように調製されることができ、以下のフロー及び/又は実施例と調製例に開示されたプロセスを実行する場合、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手可能な同位体標識試薬を使用する。
【0064】
「代謝産物」とは、具体的な化合物又はその塩が体内で代謝されることによって得られる生成物を指す。1つの化合物の代謝産物は化合物の代謝産物は、当技術分野で周知の技術によって同定することができ、その活性は、本発明に記載されるような実験方法によって特徴付けられることができる。そのような生成物は、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱脂、酵素的切断などの方法によって得られることができる。対応的に、本発明は化合物の代謝産物を含み、本発明の化合物と哺乳動物を一定期間に完全に接触させることによる代謝産物を含む。
【0065】
本発明の化合物の様々な薬学的に許容される塩形態は有用である。「薬学的に許容される塩」という用語は、医薬品化学者にとって明らかなそれらの塩形態を指し、即ちそれらが基本的に無毒であり、必要な薬物動態特性、嗜好性、吸収、分布、代謝または排泄を提供することができる。他の要素は、特性上でより実用的であり、選択にも重要であり、それらは、原材料のコスト、結晶化の容易さ、収量、安定性、吸湿性及び結果原料薬の流動性である。簡単に言えば、薬物組成物は有効成分と薬学的に許容される担体によって調製されることができる。
【0066】
本発明で使用される「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の有機塩と無機塩を指す。薬学的に許容される塩は、S. M. Berge et al., describe pharmaceutically acceptable salts in detail in J. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19, 1977.の文献に記載されるように、当分野では良く知られている。薬学的に許容される非毒性酸で形成された塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩などのアミノ基との反応により形成される無機酸性塩、及び酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トシレート、スルホサリチル酸塩などの有機酸塩、又はイオン交換などの本や文献に記載されている他の方法によって得られるこれらの塩を含むが、これらに限定されない。
【0067】
他の薬学的に許容される塩は、アジピン酸塩、リンゴ酸塩、2-ヒドロキシプロピオン酸、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、プロピオン酸シクロペンチル、ジグルコン酸塩、硫酸ドデシル、エチルスルホネート、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、グルコン酸塩、ヘミサルフェート、エナント酸塩、カプロエート、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシル-エタンスルホネート、ラクツロン酸塩、乳酸塩、ラウ酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオネート、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカノエート、バレレートなどを含む。適切な塩基で得られる塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN+(C1-4アルキル)4塩が含まれる。
【0068】
本発明はまた、N基を含む化合物によって形成される任意の第四級アンモニウム塩を構想しておる。水溶性又は油溶性又は分散性の生成物は、四級化によって得られることができる。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などを含む。薬学的に許容される塩は、適切な、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム塩及び対イオン形成に抵抗するアミンカチオンをさらに含み、例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、C1-8スルホン酸塩及び芳香スルホン酸塩が挙げられる。アミン塩は、例えばN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン及び他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチル還元型グルコサミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-p-クロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチル-ベンズイミダゾール、エチルアミン及び他のアルキルアミン、ピペラジン及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンであるが、これらに限定されなく、アルカリ土類金属塩は、例えばバリウム、カルシウム、及びマグネシウムであるが、これらに限定されなく、遷移金属塩は、例えば亜鉛であるが、これらに限定されない。
【0069】
本明細書において、化学名と化学構造に違いがある場合は、構造が支配的である。
【0070】
本発明で使用される任意のアミノ酸及び他の化合物の略語は、特に明記しない限り、それらの一般的に使用され認識されている略語を基準として、又はIUPAC-IUBCommission on Biochemical Nomenclature (Biochem.1972、11 :942-944)を参照することができる。
【0071】
本発明の目的の1つは、有意な肝臓X受容体調節活性を有する新しい化合物を提供することである。
【0072】
本発明の目的の2つは、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの治療及び腫瘍エネルギー代謝の標的に対して有意な効果を有する化合物を提供することである。
【0073】
本発明の目的の3つは、前記肝臓X受容体モジュレーターの調製方法を提供することである。
【0074】
本発明の目的の4つは、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの治療及び腫瘍エネルギー代謝の標的における、前記化合物の応用を提供することである。
【0075】
本発明による前記のスピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)系肝臓X受容体モジュレーターの調製方法は、トリプタミンとイソブチルアルデヒドをジクロロメタンに溶解し、酸性環境でPictet-Spengler反応を起こし、中間体1aを取得するステップと、1aをテトラヒドロフランに溶解し、N-ブロモスクシンイミドの作用下で、再配列し、中間体1bを取得するステップと、1bをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、二炭酸ジ-tert-ブチルと反応させて中間体1cを取得するステップと、1cをトルエンに溶解し、ヨウ化第一銅、N、N-ジメチルエチレンジアミン、炭酸カリウムを加え、M-クロロヨードベンゼンと反応させて中間体1dを取得するステップと、1dを2,4,-ジオキサンに溶解し、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ダブルピナコールボレート、酢酸カリウムを加えて窒素雰囲気下で反応させ、中間体1eを取得するステップと、1eはブロモR1フラグメントとsuzukiカップリング反応し、中間体1fを取得するステップと、1fを酸性条件下で保護基を除去し、R2を含む酸無水物、酸塩化物と反応して前記のスピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)系肝臓X受容体モジュレーターを取得するステップと、を含む。
【0076】
本発明による化合物は、有意な肝臓X受容体調節活性及び脂質低下活性を有し、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの治療及び腫瘍エネルギー代謝の標的のためのリード化合物として使用されることができる。
【0077】
さらに、本発明による化合物は、レポーター遺伝子法を使用してHEK293T細胞上の肝臓X受容体モジュレーターをスクリーニングし、HepG2細胞、3T3-L1細胞上でそれぞれ肝細胞、脂肪細胞における化合物の脂質低下活性をテストしたところ、化合物2a-1が最高の肝臓X受容体調節活性と脂質低下活性を有することを発見し、脂質低下メカニズムを研究したところ、該化合物が肝臓X受容体の下流遺伝子SREBP-1c、ACC、FAS、SCD-1をダウンレギュレートすることによって脂質低下作用を発揮することが分かる。それと同時に、マウスTriton WR-1339によって誘発された高脂血症モデルでは、化合物2a-1も脂質低下活性を有する。
【0078】
従来の技術と比べて、本発明は、以下の有益な効果を有し、
本発明による化合物は、原料が入手しやすく、調製が簡単であり、且つ有意な肝臓X受容体調節活性及び脂質低下活性を有し、前記のスピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)系肝臓X受容体モジュレーターは肝臓X受容体の下流遺伝子SREBP-1c、ACC、FAS、SCD-1をダウンレギュレートすることによって脂質低下作用を発揮し、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム及び腫瘍の予防及治療において巨大な見通しがある。
【0079】
以下、具体的な実施例と図面を参照して本発明の内容を更に説明するが、本発明への限定として理解されるべきではない。本発明の精神および本質から逸脱することなく、本発明の方法、ステップまたは条件に対して行われる簡単な修正または置換は、いずれも本発明の範囲に属し、特に明記しない限り、実施例で使用される技術的手段は当業者に周知の従来の手段である。
【0080】
実施例1化合物の合成
トリプタミンを出発物質として、6または7段階の反応によってスピロ(3,3’-イソプロピルピロリジンオキシインドール)化合物を取得する。反応経路は以下のように示され、
具体的なステップは以下の通りであり、
1、トリプタミン(20mmol)を50mLのジクロロメタンに溶解し、イソブチルアルデヒド(20mmol、1eq.)を加えた後、トリフルオロアセテート(40mmol、2eq.)をゆっくりと加え、反応物を一晩撹拌する。反応液に石油エーテルを加え、ろ過により白い固体を取得し、中間体1aを取得する。
2、中間体1a(18mmol)をテトラヒドロフラン/水溶液に溶解し、 0°CでN-ブロモスクシンイミド(18mmol、1eq.)を加えて4時間反応し、反応液を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水溶液を加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピン乾燥し、粗中間体1bを取得する。
3、中間体1bを50mLのジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミン(20mmol、1.1eq.)を加え、二炭酸ジ-tert-ブチルをゆっくりと加え、2時間反応させ、反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和重曹水溶液を加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピン乾燥し、粗中間体1cを取得し、30mLの石油エーテル/酢酸エチル(v/v:5/1)を加えて再結晶し、中間体1cを取得する。
4、中間体1c(15mmol)をトルエンに溶解し、炭酸カリウム(15mmol、1eq.)、M-クロロヨードベンゼン(15mmol、1eq.)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(0.15mmol、0.01eq.)、ヨウ化第一銅(0.75mmol、0.05eq.)を加え、窒素保護下で、85°Cで10時間反応する。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和塩化アンモニウム、塩化ナトリウム水溶液を加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピン乾燥し、粗中間体1dを取得し、30mLの石油エーテル/酢酸エチル(v/v:5/1)を加えて再結晶し、中間体1dを取得する。
5、中間体1d(10mmol)を2,4-ジオキサンに溶解し、酢酸カリウム(10mmol、1eq.)、ダブルピナコールボレート(11mmol、1.1eq.)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0.5mmol、0.05eq.)、4,5-ビスジフェニルホスフィン-9,9-ジメチルキサンテン(0.5mmol、0.05eq.)を加え、窒素保護下で、85°Cで10時間反応する。反応液に飽和塩化アンモニウムを加え、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピン乾燥し、粗中間体1eを取得し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、純粋な生成物を取得する。
6、中間体1e(8mmol)を2,4-ジオキサンに溶解し、炭酸ナトリウム(9.6mmol、1.2eq.)、ブロモR
a誘導体(9.6mmol、1.2eq.)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム (0.4mmol、0.05eq.)を加え、窒素保護下で、85°Cで10時間反応する。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和塩化アンモニウムを加え、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピン乾燥し、粗生成物を取得し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2a、3a、4aを取得する。
7、化合物2a、3aまたは4aをジクロロメタンに溶解し、トリフルオロアセテート(5eq.)を加えて1時間反応し、反応液を減圧下でスピン乾燥し、次の反応を直接行う。粗中間体をジクロロメタン/ピリジン(v/v:5/1)に溶解し、R
bを含む酸無水物または酸塩化物を加えて一晩反応させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、飽和重曹、塩化ナトリウム水溶液を加えて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をスピン乾燥し、粗生成物を取得し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標的化合物2b-2e、3b-3f、4b-4cを取得する。
最終生成物1a-4eの構造、外観及び核磁気共鳴スペクトラムデータが以下で示される。
1a:白い固体(92%)。
1H NMR (400 MHz, Methanol-d
4) δ 7.48 (dd, J = 7.95, 1.04 Hz, 1H), 7.37 (dt, J = 8.21, 0.93 Hz, 1H), 7.16 (ddd, J = 8.23, 7.04, 1.18 Hz, 1H), 7.06 (ddd, J = 8.01, 7.05, 1.01 Hz, 1H), 4.67 (dd, J = 4.02, 2.06 Hz, 1H), 3.75 (ddd, J = 12.51, 5.50, 3.28 Hz, 1H), 3.45 (ddd, J = 12.70, 9.70, 5.71 Hz, 1H), 3.18 - 3.00 (m, 2H), 2.64 (pd, J = 7.10, 4.00 Hz, 1H), 1.25 (d, J = 7.06 Hz, 3H), 0.97 (d, J = 7.07 Hz, 3H). m/z (ESI-MS): 215.3 [M + H]
+.
1c:白い固体(81%)。
1H NMR (400 MHz, Methanol-d
4) δ 9.45 (s, 1H), 7.24 - 7.18 (m, 1H), 7.15 (td, J = 7.73, 1.16 Hz, 1H), 6.93 (td, J = 7.61, 1.05 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 7.72 Hz, 1H), 4.00 (dt, J = 11.02, 7.85 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 6.05 Hz, 1H), 3.43 (ddd, J = 11.13, 7.42, 5.83 Hz, 1H), 2.20 - 2.10 (m, 2H), 2.00 - 1.86 (m, 1H), 1.42 (s, 9H), 0.94 (d, J = 6.78 Hz, 3H), 0.62 (d, J = 6.68 Hz, 3H). m/z (ESI-MS): 231.2[M + H]
+
1d:白い固体(58%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.37 - 7.32 (m, 2H), 7.32 - 7.28 (m, 1H), 7.23 (m, 2H), 7.14 (td, J = 7.74, 1.16 Hz, 1H), 7.00 (t, J = 7.53 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 7.86 Hz, 1H), 3.98 (m, 2H), 3.46 (dt, J = 11.18, 6.74 Hz, 1H), 2.21 (dd, J = 8.41, 5.45 Hz, 2H), 2.00 (h, J = 6.66 Hz, 1H), 1.39 (s, 9H), 0.94 (d, J = 6.78 Hz, 3H), 0.63 (d, J = 6.68 Hz, 3H). m/z (ESI-MS): 441.3[M + H]
+
1e:白い固体(63%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.76 (d, J = 7.22 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 2.00 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.56 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.44 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 7.42 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 7.71 Hz, 1H), 6.99 (t, J = 7.50 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 7.88 Hz, 1H), 4.08 - 3.95 (m, 2H), 3.48 (dt, J = 11.24, 6.71 Hz, 1H), 2.23 (m, 2H), 2.02 (q, J = 6.66 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H), 1.26 (s, 12H), 0.96 (d, J = 6.81 Hz, 3H), 0.66 (d, J = 6.65 Hz, 3H).
2a:白い固体(58%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 8.14 (d, J = 1.94 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 7.92, 1.96 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.97 Hz, 1H), 7.57 - 7.47 (m, 3H), 7.34 (t, J = 6.53 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 7.72 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 7.53 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 4.90 (d, J = 6.03 Hz, 2H), 4.11 - 3.86 (m, 2H), 3.63 (t, J = 6.34 Hz, 1H), 3.48 (dt, J = 11.17, 6.69 Hz, 1H), 3.09 (s, 3H), 2.39 - 2.20 (m, 2H), 2.04 (q, J = 6.62 Hz, 1H), 1.37 (s, 10H), 0.97 (d, J = 6.78 Hz, 3H), 0.68 (d, J = 6.67 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 177.63, 155.20, 142.50, 139.39, 139.36, 138.68, 137.77, 134.10, 131.45, 130.71, 129.36, 127.49, 127.35, 127.15, 125.75, 125.43, 124.33, 124.30, 121.89, 108.43, 78.74, 66.99, 61.10, 55.24, 44.82, 43.96, 34.42, 29.76, 27.43, 20.74.17.91. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 591.2520, calcd for C
33H
38N
2O
6S, 591.2523.
2b:白い固体(70%)。
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 8.17 (d, J = 3.11 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 6.34 Hz, 1H), 7.58 (m, 4H), 7.36 (d, J = 7.56 Hz, 2H), 7.25 - 7.20 (m, 1H), 7.08 (d, J = 6.54 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 7.07 Hz, 1H), 4.91 (d, J = 7.16 Hz, 1H), 4.42 (t, J = 4.50 Hz, 1H), 4.23 (q, J = 9.36 Hz, 1H), 3.88 - 3.79 (m, 1H), 3.63 (t, J = 5.63 Hz, 1H), 3.13 (d, J = 3.15 Hz, 3H), 3.12 - 3.05 (m, 2H), 2.49 (dd, J = 8.73, 3.47 Hz, 1H), 2.44 (dd, J = 8.65, 4.13 Hz, 1H), 2.18 (q, J = 7.37, 6.89 Hz, 1H), 0.99 (d, J = 5.84 Hz, 3H), 0.75 (d, J = 6.63 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, Chloroform-d) δ 178.00 , 157.75(q), 143.80 , 140.77 , 140.49 , 139.41 , 139.13 , 134.78 , 132.68 , 132.19 , 130.51 , 129.18 , 128.49 , 127.08 , 126.71 , 126.51 , 125.41 , 125.31 , 123.19 , 116.55 (q), 109.85, 68.44, 62.65, 54.50, 45.17, 45.04, 34.38, 30.35, 22.02, 18.58. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 587.1819, calcd for C
30H
29F
3N
2O
5S, 587.1822.
2c:白い固体(84%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 8.15 (d, J = 1.84 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 7.90, 1.90 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 13.86, 5.20 Hz, 5H), 7.39 - 7.27 (m, 2H), 7.24 - 7.11 (m, 1H), 7.04 (t, J = 7.55 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 7.87 Hz, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.42 (d, J = 6.03 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 8.81 Hz, 1H), 3.66 (td, J = 9.58, 3.28 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 12.98 Hz, 1H), 3.12 (s, 3H), 2.45 (dt, J = 13.30, 8.69 Hz, 1H), 2.40 - 2.32 (m, 1H), 2.19 (d, J = 14.27 Hz, 1H), 2.08 (q, J = 6.63 Hz, 1H), 1.02 (s, 8H), 0.97 (d, J = 6.88 Hz, 3H), 0.72 (d, J = 6.63 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 177.50, 171.70, 142.77, 139.65, 139.37, 138.51, 137.97, 134.06, 131.58, 131.09, 131.00, 129.34, 127.66, 127.58, 127.46, 127.32, 126.64, 125.81, 125.54, 124.45, 124.25, 121.82, 108.49, 65.36, 61.42, 53.97, 45.75, 45.43, 44.09, 33.34, 30.36, 29.68, 29.09, 21.35, 18.06. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 589.2734, calcd for C
34H
40N
2O
5S, 589.2731.
2d:白い固体(78%)。
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 8.15 (d, J = 1.84 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 7.86, 1.86 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 7.87 Hz, 1H), 7.57 - 7.49 (m, 3H), 7.35 (dd, J = 7.61, 3.15 Hz, 2H), 7.23 - 7.14 (m, 1H), 7.04 (t, J = 7.54 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 7.86 Hz, 1H), 4.90 (s, 2H), 4.56 (d, J = 6.76 Hz, 1H), 4.23 (dt, J = 10.47, 7.49 Hz, 1H), 3.77 (dt, J = 10.44, 7.05 Hz, 1H), 3.40 (s, 1H), 3.12 (s, 3H), 2.40 (t, J = 7.20 Hz, 2H), 2.07 (h, J = 6.79 Hz, 1H), 1.26 (s, 9H), 0.90 (d, J = 6.81 Hz, 3H), 0.65 (d, J = 6.59 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 177.67, 177.11, 142.79, 139.65, 139.39, 138.47, 137.93, 134.13, 131.59, 131.00, 129.40, 127.57, 127.32, 127.12, 125.86, 125.70, 124.54, 124.14, 121.74, 108.46, 67.08, 61.42, 53.33, 45.32, 44.07, 38.44, 34.42, 29.30, 27.00, 20.88, 17.68. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 575.2541, calcd for C
33H
38N
2O
5S, 575.2574.
2e:白い固体(63%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.67 - 7.55 (m, 5H), 7.47 (d, J = 7.79 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 7.61 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 7.46, 1.73 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 7.84 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 7.54 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 7.91 Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 4.13 (d, J = 7.06 Hz, 2H), 3.60 (dt, J = 12.04, 6.78 Hz, 1H), 2.38 (td, J = 19.24, 16.22, 9.53 Hz, 2H), 2.14 (h, J = 6.62 Hz, 1H), 1.51 (d, J = 1.52 Hz, 9H), 1.07 (dd, J = 6.92, 1.48 Hz, 3H), 0.76 (d, J = 6.64 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 178.51, 156.16, 143.79, 142.50, 140.49, 139.48, 134.89, 130.00, 128.79, 128.37, 127.48, 127.39, 126.71, 125.45, 125.24, 122.66, 109.52, 79.79, 64.99, 56.23, 46.06, 35.76, 30.80, 29.70, 28.48, 21.49, 19.00. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 513.2724, calcd for C
32H
36N
2O
4, 513.2748.
3a:白い固体(76%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.62 (s, 1H), 7.61 - 7.56 (m, 3H), 7.54 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 6.97 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 7.91 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 7.80 Hz, 1H), 7.09 (t, J = 7.55 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 7.12 Hz, 2H), 3.56 (dt, J = 12.24, 6.81 Hz, 1H), 3.14 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 2.40 - 2.26 (m, 2H), 2.10 (q, J = 6.67 Hz, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.04 (d, J = 6.75 Hz, 3H), 0.74 (d, J = 6.62 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 178.51, 168.16, 156.11, 143.51, 142.24, 140.67, 135.45, 135.11, 130.86, 130.24, 128.55, 128.45, 128.27, 128.14, 126.63, 126.20, 126.07, 125.35, 125.30, 122.84, 109.41, 79.62, 74.81, 68.13, 60.33, 56.23, 45.92, 38.11, 34.68, 30.77, 28.47, 21.62. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 588.2617, calcd for C
34H
38ClN
3O
4, 588.2624.
3b:白い固体(77%)。
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 7.64 - 7.57 (m, 1H), 7.55 (d, J = 1.59 Hz, 1H), 7.51 (t, J = 6.62 Hz, 2H), 7.47 (dd, J = 7.87, 1.60 Hz, 1H), 7.39 (td, J = 7.72, 2.71 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 7.02, 2.26 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 7.90 Hz, 1H), 7.22 - 7.15 (m, 1H), 7.04 (t, J = 7.53 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 6.78 Hz, 1H), 4.23 (dt, J = 10.47, 7.41 Hz, 1H), 3.77 (dt, J = 10.45, 6.99 Hz, 1H), 3.09 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 2.38 (t, J = 7.21 Hz, 2H), 2.07 (h, J = 6.80 Hz, 1H), 1.28 (s, 9H), 0.91 (d, J = 6.80 Hz, 3H), 0.64 (d, J = 6.60 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 177.57, 177.00, 167.22, 142.81, 141.25, 139.76, 134.38, 134.04, 129.27, 127.53, 127.51, 127.23, 127.21, 127.19, 125.76, 125.50, 125.11, 124.49, 124.13, 121.66, 108.43, 67.10, 53.33, 45.32, 38.44, 37.14, 34.45, 33.69, 29.30, 27.01, 20.82, 17.68. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 572.2659, calcd for C
34H
38ClN
3O
3, 572.2674.
3c:白い固体(49%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.64 (m, 3H), 7.58 - 7.53 (m, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.40 (d, J = 2.49 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 3.51 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.83 Hz, 1H), 7.28 - 7.23 (m, 1H), 7.12 (d, J = 7.39 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.02 Hz, 1H), 4.80 (d, J = 7.01 Hz, 1H), 4.33 (q, J = 8.46 Hz, 1H), 3.41-3.37 (m, 1H), 3.75 (td, J = 9.55, 3.82 Hz, 1H), 3.17 (s, 3H), 2.93 (s, 3H), 2.56 - 2.47 (m, 1H), 2.39 - 2.27 (m, 1H), 2.05 (brs, 3H), 1.58 (s, 6H), 0.83 (d, J = 6.66 Hz, 3H), 0.60 (d, J = 6.52 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 179.80, 176.78, 167.20, 142.65, 141.58, 139.71, 134.45, 133.95, 131.22, 129.87, 129.23, 127.77, 127.26, 127.17, 126.61, 125.70, 125.06, 124.33, 124.03, 122.08, 108.53, 73.91, 68.21, 55.48, 54.79, 53.15, 47.12, 44.25, 40.02, 37.12, 33.69, 28.26. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 604.2557, calcd for C
34H
39ClN
4O
2S,604.2555.
3d:白い固体(43%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.68 - 7.61 (m, 3H), 7.59 (d, J = 2.13 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 7.86, 1.63 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.62 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 7.75 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 7.51 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 11.03, 8.60 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 8.34 Hz, 1H), 3.36 (td, J = 11.63, 5.60 Hz, 1H), 3.18 (s, 3H), 2.94 (s, 3H), 2.47 (td, J = 11.99, 8.65 Hz, 1H), 2.03 - 1.93 (m, 2H), 1.97 (d, J = 7.21 Hz, 1H), 1.92 (s, 6H), 1.09 (d, J = 6.70 Hz, 3H), 0.60 (d, J = 6.76 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 176.48, 168.18, 142.56, 142.21, 140.89, 135.56, 135.13, 130.94, 130.42, 130.37, 128.40, 128.32, 128.20, 126.90, 126.09, 125.97, 125.14, 125.06, 122.97, 109.84, 84.38, 75.11, 56.94, 40.96, 40.42, 38.14, 34.72, 31.56, 28.36, 27.67, 22.09, 19.02. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 594.2178, calcd for C
32H
36ClN
3O
4S, 594.2188.
3e:白い固体(75%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.62 (d, J = 1.72 Hz, 1H), 7.58 (dq, J = 4.12, 2.68, 1.96 Hz, 3H), 7.54 (dd, J = 7.92, 1.74 Hz, 1H), 7.41 (ddd, J = 7.02, 3.24, 1.68 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 7.29 - 7.22 (m, 1H), 7.11 (td, J = 7.58, 1.09 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 7.86 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 6.05 Hz, 1H), 4.10 (dt, J = 10.05, 8.30 Hz, 1H), 3.72 (td, J = 9.49, 3.36 Hz, 1H), 3.16 (s, 3H), 2.91 (s, 3H), 2.51 (dt, J = 13.15, 8.72 Hz, 1H), 2.41-2.36 (m, 1H), 2.37 (d, J = 14.32 Hz, 1H), 2.28 (d, J = 14.28 Hz, 1H), 2.15 (h, J = 6.88 Hz, 1H), 1.11 (s, 9H), 1.04 (d, J = 6.83 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 6.65 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 177.42, 171.59, 167.22, 142.78, 141.23, 139.73, 134.39, 133.93, 129.85, 129.21, 127.60, 127.23, 127.19, 126.69, 125.70, 125.31, 125.09, 124.40, 124.23, 121.74, 108.46, 65.33, 53.94, 45.72, 45.39, 37.13, 33.69, 33.32, 30.34, 29.68, 29.08, 21.31, 18.05. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 586.2834, calcd for C
35H
40ClN
3O
3, 586.2831.
3f:白い固体(61%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.58 - 7.49 (m, 4H), 7.48 (s, 1H), 7.44 (dd, J = 8.00, 1.78 Hz, 1H), 7.33 (td, J = 6.08, 3.36 Hz, 2H), 7.184 (t, J = 6.85 Hz 1H), 7.03 (t, J = 6.76 Hz 1H), 6.81 (d, J = 7.92 Hz, 1H), 4.75 (s, 2H), 4.03 (d, J = 6.58 Hz, 2H), 3.50 (dt, J = 11.50, 7.22 Hz, 1H), 2.37 - 2.14 (m, 1H), 2.05 (dt, J = 13.26, 6.87 Hz, 2H), 1.41 (d, J = 3.89 Hz, 9H), 0.98 (d, J = 6.77 Hz, 3H), 0.68 (d, J = 6.63 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 177.50, 155.15, 142.61, 140.09, 139.85, 136.58, 133.96, 132.09, 129.13, 128.04, 127.61, 127.39, 126.86, 125.62, 124.94, 124.75, 124.26, 124.20, 121.73, 108.43, 78.72, 61.51, 56.40, 49.84, 44.96, 34.60, 29.78, 27.45, 20.55, 17.95. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 545.2554, calcd for C
33H
37ClN
2O
3, 545.2565.
4a:白い固体(75%)。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.73 (td, J = 8.43, 7.83, 3.14 Hz, 3H), 7.62 (t, J = 7.79 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.45 (d, J = 7.58 Hz, 1H), 7.43 - 7.40 (m, 1H), 7.38 (dd, J = 7.85, 1.77 Hz, 1H), 7.32 - 7.19 (m, 1H), 7.18 - 7.05 (m, 2H), 6.95 (d, J = 7.91 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 3.05 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 5.78 Hz, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.62 (ddd, J = 11.26, 7.78, 5.71 Hz, 1H), 2.39 (overlapped, 2H), 2.17 (q, J = 6.66 Hz, 1H), 1.53 (s, 9H), 1.10 (d, J = 6.76 Hz, 3H), 0.80 (d, J = 6.67 Hz, 3H).
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 177.49, 155.15, 143.23, 142.95, 136.15, 133.72, 132.93, 128.84, 128.77, 127.73, 127.34, 127.14, 126.11, 124.51, 124.16, 123.70, 121.53, 120.12, 118.15, 108.59, 106.89, 99.83, 78.63, 67.16, 55.44, 45.04, 34.71, 31.91, 29.78, 27.47, 20.49, 17.98. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 536.2912, calcd for C
34H
37N
3O
4, 536.2908.
4b:白い固体(82%)。
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 7.63 (d, J = 9.08 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 6.69 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.82 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.34 (d, J = 7.52 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 8.31, 1.43 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.57 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.73 Hz, 1H), 7.06 - 6.96 (m, 2H), 6.81 (d, J = 7.89 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 3.04 Hz, 1H), 4.59 (d, J = 6.79 Hz, 1H), 4.25 (dt, J = 10.33, 7.36 Hz, 1H), 3.78 (overlapped, 4H), 2.44 - 2.35 (m, 2H), 2.08 (h, J = 6.83 Hz, 1H), 1.29 (s, 9H), 0.91 (d, J = 6.83 Hz, 3H), 0.66 (d, J = 6.61 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 177.56, 161.42, 143.26, 136.14, 133.66, 132.95, 128.90, 128.75, 127.43, 127.33, 127.10, 126.25, 124.63, 124.00, 123.98, 121.39, 120.10, 118.17, 108.63, 106.97, 99.81, 67.17, 53.37, 45.41, 38.46, 34.60, 31.97, 29.33, 27.03, 20.76, 17.71. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 520.2945, calcd for C
34H
37N
3O
2, 520.2959.
4c:白い固体(80%)。
1H NMR (500 MHz, Chloroform-d) δ 7.66 - 7.60 (m, 2H), 7.59 (dd, J = 4.48, 2.71 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.84 Hz, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.33 (d, J = 7.56 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 8.26, 1.41 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.13 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.77 Hz, 1H), 7.06 - 6.92 (m, 2H), 6.82 (d, J = 7.90 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 3.02 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 6.06 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.67 (dd, J = 9.61, 3.51 Hz, 1H), 3.63 (brs, 1H), 2.44 (dt, J = 13.25, 8.66 Hz, 1H), 2.38-2. 30 (m, 2H), 2.29 (d, J = 14.34 Hz, 1H), 2.23 (d, J = 14.31 Hz, 1H), 2.10 (h, J = 6.75 Hz, 1H), 1.05 (s, 9H), 0.98 (d, J = 6.79 Hz, 3H), 0.73 (d, J = 6.67 Hz, 3H).
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 177.42, 170.14, 143.23, 136.14, 133.57, 132.91, 128.85, 128.76, 127.52, 127.11, 126.79, 126.20, 124.54, 124.11, 123.85, 121.47, 120.10, 118.16, 108.65, 106.96, 99.80, 65.36, 53.96, 45.74, 45.44, 33.45, 31.97, 30.34, 29.70, 21.28, 20.03, 18.07. ESI-HRMS [M+H]
+ m/z = 534.3109, calcd for C
35H
39N
3O
2, 534.3115.
【0081】
実施例2 実施例1で得られた化合物の肝臓X受容体活性テスト
(1)細胞培養。HEK293T細胞(ヒト胎児腎臓細胞)は、10%ウシ胎児血清、1%二重抗体を含むDMEM(高糖)培地を使用し、37℃で、5% CO2条件下で培養する。
(2)トランスフェクト。HEK293T細胞を96ウェルプレートに播種し、細胞密度が2×104個/ウェルである。24時間後、LipofectamineTM 3000試薬の明細書に従ってトランスフェクトする。具体的なトランスフェクトステップは以下の通りであり、
[1]15μLのL3000試薬を500μLのDMEM(高糖)培地に加え、2秒間渦振動する。
[2]6.5μgのpGL3/(DR-4)-c-fos-FF-lucプラスミド、0.13μgのpCMV/Renilla-lucプラスミド、1.3μgのpSG5/hLXRα(またはpSG5/hLXRβプラスミド)、1.3μgのpSG5/hRXRαプラスミド及び19μLのP3000試薬を、500μLのDMEM(高糖)培地に混合する。
[3]プラスミド混合物をリポソーム混合物に加え、室温で20分間放置する。
[4]96ウェルプレートの各ウェルに10μLのリポソーム-DNA溶液を加え、96ウェルプレートを静かに振ってよく混合する。
(3)薬物介入。5時間トランスフェクトした後にテスト対象化合物を加え、インキュベーターに入れて20時間培養し続く。
(4)検出。デュアルルシフェラーゼレポーター遺伝子システムを使用して検出する。具体的な検出ステップは以下の通りであり、
[1]96ウェルプレートの元の培地を吸引して除去し、20μL/ウェルで、96ウェルプレートに細胞溶解物を加え、室温で20分間すばやく振とうする。
[2]2μL/ウェルで、384ウェルプレートにサンプルを加える。
[3]10μL/ウェルで、各ウェルにホタルルシフェラーゼ基質を加え、7秒間後、化学発光を測定する。
[4]10μL/ウェルで、同一のサンプルウェルにレニラルシフェラーゼ基質を加え、7秒間後、化学発光を測定する。
【0082】
結果処理。結果の分析には、レニラルシフェラーゼ活性を使用してホタルルシフェラーゼ活性を補正する。化合物の肝臓X受容体の逆刺激活性は表1で示される。表1の分析から分かるように、化合物2a、2a-1、2a-2、2b、2c、2d等は肝臓X受容体を逆刺激することができ、化合物2a-1の逆刺激活性が最もよいため、その脂質低下活性及びメカニズムを研究する。また、化合物の肝臓X受容体の刺激活性は表2で示され、表2から分かるように、化合物3a、3b、3cは肝臓X受容体を刺激することができる。
【表1】
【表2】
備考:表1及び表2で、NAはテスト範囲に活性が示されないことを意味し、NTは検出されないことを意味する。
【0083】
実施例3 HepG2細胞と3T3-L1細胞における実施例1で得られた化合物2a-1の脂質低下活性に関する研究
(1)細胞培養。HepG2細胞(ヒト肝がん細胞)と3T3L1細胞(マウス前脂肪細胞)を10%ウシ胎児血清、1%二重抗体を含むDMEM(高糖)培地を使用し、37℃で、5%のCO2条件下で培養する。
(2)HepG2細胞を12ウェルプレートに播種し、DMEM(低糖)培地で12時間飢餓状態にする。細胞が70%の密度に成長したら、DMEM(高糖)培地に変更し、薬を加えて24時間作用する。
(3)前脂肪細胞3T3-L1の分化ステップは以下の通りであり、
細胞を48ウェルプレートに播種し、完全培地で完全に接触するまで培養し(0日目)、培地を分化培地I(完全培地に2μg/mLのインスリン、100ng/mLデキサメタゾン、0.5mMの3-イソブチル-1-メチルキサンチン及び10ng/mLのビオチンを加えた)に変更して3日間培養する。ブランク対照群はまだ完全培地で培養される。3日目に、分化培地II(完全培地に2μg/mLのインスリンを加える)に変更して3日間培養し続く。6日目に、細胞を回収して後続の分析を行う。
(4)トリグリセリドテスト:処理された細胞を回収して、氷PBS(0.2Mの NaCl、10mMのNa2HPO4、3mMのKCl、2mMのKH2PO4、pH7.4)で2回洗浄し、細胞を超音波破壊し、トリグリセリド検出キット(南京製)を使用し、510nmでの吸光度を検出する。
【0084】
トリグリセリド含有量の測定結果(
図1)は、10μMで、2a-1が高糖によって誘発されたHepG2細胞におけるトリグリセリド蓄積を大幅に減少させることができることを示す。さらに、2a-1は3T3-L1細胞のトリグリセリドレベルを濃度依存的に減少させ、そのIC
50は0.27±0.03μMである。以上の結果は、2a-1がHepG2細胞と3T3-L1細胞の両方で有意な脂質低下活性を有することを証明する。
【0085】
実施例4 HepG2細胞と3T3-L1細胞における実施例1で得られた化合物2a-1の脂質低下活性に関する研究
HepG2細胞を6ウェルプレートに播種し、細胞密度が8×105個の/ウェルであり、24時間インキュベートした。テスト対象化合物を加えて24時間作用した後細胞を回収した。3T3-L1細胞を分化の6日目に回収した。細胞をPBSで2回洗浄し、RNAiso plus試薬でトータルRNAを抽出し、ReverTra Ace qPCR RT Master Mixを使用して1μgのトータルRNAをcDNAに逆転写し、さらにSYBR Green Realtime PCR Master Mixを使用してPCR増幅を行う。
【0086】
図2で示されるように、3T3-L1細胞では、2a-1はSREBP-1c、ACC、FAS及びSCD-1のmRNA含有量を濃度依存的に減少させる。HepG2細胞では、2a-1はこれらの4つの遺伝子のmRNA含有量を大幅に減らすこともできる。以上の結果は、3T3-L1細胞とHepG2細胞では、2a-1はSREBP-1c、ACC、FAS及びSCD-1の発現を阻害するによって、脂肪合成を阻害できることを証明する。
【0087】
実施例5 Triton WR-1339によって誘発された高脂血症マウスにおける実施例1で得られた化合物2a-1の脂質低下活性に関する研究
6週齢のSPF雌C57BL/6Jマウスは、中山大学実験動物センターから購入した。マウスをランダムに4群に分け、各群に6匹であり、それぞれ正常対照群、モデル群、フェノフィブラート群(100mg/kg)、B1群(100mg/kg)であり、8日間の胃内投与を行う。最後の投与の24時間前に、正常対照群に生理食塩水を筋肉内注射し、残りの群にTriton WR-1339(1500mg/kg)を注射した。最後の投与から1時間後、眼球を摘出して採血し、頸椎を脱臼して殺させ、肝臓を収取した。血漿を1時間静置し、4℃、3000rpmで遠心分離して上清を回収した。100mgの肝臓を量り、3倍量の体積のメタノールを加え、十分に均質化する。6倍量の体積のクロロホルムを加え、渦振動する。3000rpmで10分間遠心分離し、下層のクロロホルム層を取って、ヒュームフード内で一晩自然乾燥させる。150μLの1%のTritonエタノールを加え、65℃で加熱して十分に溶解させる。最終に、血清と肝臓サンプル中のトリグリセリド(TG)、総コレステロール(TC)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)含有量を検出した。
【0088】
図3で示されるように、陽性薬であるフェノフィブラート(Fenofibrate)と化合物2a-1は、Triton WR-1339によって誘発されたTG、TC、LDL-C及びHDL-Cのレベルの増加を大幅に抑制することができる。フェノフィブラートと化合物2a-1は両方ともHDL-C/TCに有意な影響を与えないが、2a-1がHDL-C/LDL-Cをわずかに増加させる可能性がある。上記結果は、2a-1はTriton WR-1339によって誘発された高脂血症マウスの血中脂質レベルを大幅に低下させる可能性があることを示す。それと同時に、2a-1はマウス肝臓のトリグリセリド含有量を減らすことができる。肝臓のコレステロールレベルに各群の間に有意差がない。上記結果は、2a-1はTriton WR-1339によって誘発された高脂血症マウス肝臓のトリグリセリド蓄積を有意に減少させることができることを示す。以上のように、2a-1はマウス体内でも有意な脂質低下活性を有する。
【0089】
まとめ、
上記の実験結果は、本発明による化合物は有意な肝臓X受容体逆刺激活性を有し、肝臓X受容体の標的遺伝子SREBP-1c、ACC、FAS及びSCD-1を阻害することにより脂質低下効果を発揮することができ、高脂血症、脂肪肝、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームの治療及び腫瘍エネルギー代謝の標的のためのリード化合物として使用されることができることを示す。
【0090】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」という参照用語などの説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料又は特点が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれる。本明細書において、上記の用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施例又は例を指す必要がない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で結合することができる。なお、矛盾がない場合、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合及び組み合わせることができる。
【0091】
本発明の実施例を以上で示し、説明したが、理解できるものとして、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解されるべきではなく、当業者は、本発明の範囲内で上記実施例に対して変化、修正、置換及び変形を行うことができる。
【国際調査報告】