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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】画像センサピクセル
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220914BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20220914BHJP
   H01L 27/30 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H01L27/146 E
H01L27/146 D
H01L27/146 A
H04N5/369 600
H01L27/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503873
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2020070074
(87)【国際公開番号】W WO2021013668
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】1908254
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513257535
【氏名又は名称】イソルグ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】デュポイロン,カミーユ
(72)【発明者】
【氏名】ブティノン,ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA07
4M118CA02
4M118CA14
4M118CA22
4M118CA25
4M118CA27
4M118CA40
4M118CB05
4M118CB14
4M118CB20
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA40
4M118FB23
4M118FB24
4M118GA10
4M118GB07
4M118GB13
4M118GC08
4M118GD04
4M118GD09
4M118GD10
4M118GD20
5C024CY17
5C024CY47
5C024EX43
5C024EX52
5C024GY31
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、CMOS支持体(8)及び少なくとも2つの有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)を含むピクセル(10、12、14、16)に関し、同じレンズ(18)が、有機光検出器と垂直に一列に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CMOS支持体(8)、及び
少なくとも2つの有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)
を備え、
同じレンズ(18)が、前記有機光検出器と垂直に一列に配置されている、ピクセル(10、12、14、16)。
【請求項2】
請求項1に記載の複数のピクセルを備える、画像センサ(1;5)。
【請求項3】
請求項1に記載のピクセル又は請求項2に記載の画像センサを製造する方法であって、
CMOS支持体(8)を準備する工程、
ピクセル(10、12、14、16)毎に少なくとも2つの有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)を形成する工程、及び
前記ピクセル又は各ピクセルの前記有機光検出器と垂直に一列に同じレンズ(18)を形成する工程
を有する、方法。
【請求項4】
前記有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)のうちの少なくとも2つの光検出器が積み重ねられる、請求項1に記載のピクセル、又は、請求項2に記載のセンサ、又は、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)のうちの少なくとも2つの光検出器が、同一平面上にある、請求項1若しくは4に記載のピクセル、又は、請求項2若しくは4に記載のセンサ、又は、請求項3若しくは4に記載の方法。
【請求項6】
前記有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)は、誘電体(126;128、1280、1282、1284)によって互いに分離される、請求項1、4若しくは5に記載のピクセル、又は、請求項2、4若しくは5に記載のセンサ、又は、請求項3から5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
各有機光検出器(10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16C)は、他の有機光検出器の第1の電極とは別個の第1の電極(102A、102B、102C、122A、122B、122C、162C)を有する、請求項1、4から6のいずれか1つに記載のピクセル、又は、請求項2、4から6のいずれか1つに記載のセンサ、又は、請求項3から6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
各第1の電極(102A、102B、102C、122A、122B、122C、162C)は、読み出し回路(20A、20B、20C)に連結され、好ましくは接続され、各読み出し回路は、好ましくは、前記CMOS支持体(8)に形成された3つのトランジスタ(200、202、210)を有する、請求項7に記載のピクセル、センサ、又は方法。
【請求項9】
前記有機光検出器(10A、10B、12A、12B、14A、14B、16A、16B)は、飛行時間によって距離を推定することができる、請求項1、4から8のいずれか1つに記載のピクセル、又は、請求項2、4から8のいずれか1つに記載のセンサ、又は、請求項3から8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
赤外線スペクトルの一部で、
構造化光で、
ハイダイナミックレンジイメージングHDRで、及び/又は、
バックグラウンド抑制で
動作可能な、請求項1、4から9のいずれか1つに記載のピクセル、又は、請求項2、4から9のいずれか1つに記載のセンサ。
【請求項11】
各ピクセル(10、12、14、16)は、前記レンズ(18)の下に、可視スペクトル及び赤外スペクトルの周波数範囲の電磁波を通すカラーフィルタ(30;41R、41G、41B)を更に備える、請求項2、4から10のいずれか1つに記載の画像センサ。
【請求項12】
カラー画像を取り込むことができる、請求項11に記載の画像センサ。
【請求項13】
各ピクセル(10、12、14、16)は正確に、
第1の有機光検出器(10A、12A、14A、16A)、
第2の有機光検出器(10B、12B、14B、16B)、及び
第3の有機光検出器(10C、12C、14C、16C)
を備える、請求項1、4から10のいずれか1つに記載のピクセル、又は、請求項2、4から12のいずれか1つに記載のセンサ、又は、請求項3から9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記第3の有機光検出器(10C、12C、14C、16C)は、前記第1及び第2の有機光検出器(10A、10B、12A、12B、14A、14B、16A、16B)に積み重ねられ、前記第1及び第2の有機光検出器(10A、10B、12A、12B、14A、14B、16A、16B)は同一平面上にある、請求項13に記載のピクセル、センサ、又は方法。
【請求項15】
ピクセル(10、12、14、16)毎に、前記第1の有機光検出器(10A、12A、14A、16A)及び前記第2の有機光検出器(10B、12B、14B、16B)は矩形形状を有し、正方形内に共に内接する、請求項13又は14に記載のピクセル、センサ、又は方法。
【請求項16】
ピクセル(10、12、14、16)毎に、
前記第1の有機光検出器(10A、12A、14A、16A)は、第2の電極(104A、124A、164A)に接続され、
前記第2の有機光検出器(10B、12B、14B、16B)は、第3の電極(104B、124B)に接続され、
前記第3の有機光検出器(10C、12C、14C、16C)は、第4の電極(104C)に接続される、請求項7に従属する請求項13から15のいずれか1つに記載のピクセル、センサ、又は方法。
【請求項17】
前記第1の有機光検出器(10A、12A、14A、16A)及び前記第2の有機光検出器(10B、12B、14B、16B)は、同じ第1の材料で形成された第1の活性層(120、100A、120A、120B、160A)を有し、
前記第3の有機光検出器(10C、12C、14C、16C)は、第2の材料で形成された第2の活性層(134)を有する、請求項13から16のいずれか1つに記載のピクセル、センサ、又は方法。
【請求項18】
前記第1の材料は前記第2の材料とは異なり、前記第1の材料は赤外線スペクトルの一部の電磁波を吸収することができ、前記第2の材料は可視スペクトルの電磁波を吸収することができる、請求項17に記載のピクセル、センサ、又は方法。
【請求項19】
前記第2の電極(104A、124A、164A)は、前記センサ(1;5)の前記ピクセル(10、12、14、16)の全ての前記第1の有機光検出器(10A、12A、14A、16A)に共通であり、
前記第3の電極(104B、124B)は、前記センサ(1;5)の前記ピクセル(10、12、14、16)の全ての前記第2の有機光検出器(10B、12B、14B、16B)に共通であり、
前記第4の電極(104C)は、前記センサ(1;5)の前記ピクセル(10、12、14、16)の全ての前記第3の有機光検出器(10C、12C、14C、16C)に共通である、請求項16から18のいずれか1つに記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像センサ又は電子イメージャに関する。
【背景技術】
【0002】
画像センサは現在、多くの分野、特に電子デバイスで使用されている。画像センサは、マンマシンインターフェースアプリケーション又は画像取込アプリケーションに特に存在する。このような画像センサの使用分野は特に、例えばスマートフォン、自動車、ドローン、ロボティクス、及び、仮想現実システム又は拡張現実システムである。
【0003】
ある用途では、同じ電子デバイスが、異なるタイプの複数の画像センサを有してもよい。従って、そのようなデバイスは例えば、デバイスに対するシーン又は対象などの様々な点の距離を推定することを可能にする、第1のカラー画像センサ、第2の赤外線画像センサ、第3の画像センサを備えてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同じデバイスに搭載されたそのような多数の画像センサは、本質的に、そのようなデバイスの小型化についての現在の制約とほとんど適合しない。
【0005】
既存の画像センサを改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態は、既知の画像センサの欠点の全部又は一部を克服する。
【0007】
実施形態は、
CMOS支持体、及び
少なくとも2つの有機光検出器
を備え、
同じレンズが、前記有機光検出器と垂直に一列に配置されている、ピクセルを提供する。
【0008】
実施形態は、記載されているような複数のピクセルを備える、画像センサを提供する。
【0009】
実施形態は、そのようなピクセル又はそのような画像センサを製造する方法であって、
CMOS支持体を準備する工程、
ピクセル毎に少なくとも2つの有機光検出器を形成する工程、及び
前記ピクセル又は各ピクセルの前記有機光検出器と垂直に一列に同じレンズを形成する工程
を有する、方法を提供する。
【0010】
実施形態によれば、前記有機光検出器のうちの少なくとも2つの光検出器が積み重ねられる。
【0011】
実施形態によれば、前記有機光検出器のうちの少なくとも2つの光検出器が、同一平面上にある。
【0012】
実施形態によれば、前記有機光検出器は、誘電体によって互いに分離される。
【0013】
実施形態によれば、各有機光検出器は、他の有機光検出器の第1の電極とは別個の第1の電極を有する。
【0014】
実施形態によれば、各第1の電極は、読み出し回路に連結され、好ましくは接続され、各読み出し回路は、好ましくは、前記CMOS支持体に形成された3つのトランジスタを有する。
【0015】
実施形態によれば、前記有機光検出器は、飛行時間によって距離を推定することができる。
【0016】
実施形態によれば、記載されているようなピクセル又はセンサは、
赤外線スペクトルの一部で、
構造化光で、
ハイダイナミックレンジイメージングHDRで、及び/又は、
バックグラウンド抑制で
動作可能である。
【0017】
実施形態によれば、各ピクセルは、前記レンズの下に、可視スペクトル及び赤外スペクトルの周波数範囲の電磁波を通すカラーフィルタを更に備える。
【0018】
実施形態によれば、記載されているようなセンサは、カラー画像を取り込むことができる。
【0019】
実施形態によれば、各ピクセルは正確に、
第1の有機光検出器、
第2の有機光検出器、及び
第3の有機光検出器
を備える。
【0020】
実施形態によれば、一方では第3の有機光検出器が、他方では第1及び第2の有機光検出器が積み重ねられ、前記第1及び第2の有機光検出器は同一平面上にある。
【0021】
実施形態によれば、ピクセル毎に、前記第1の有機光検出器及び前記第2の有機光検出器は矩形形状を有し、正方形内に共に内接する。
【0022】
実施形態によれば、ピクセル毎に、
前記第1の有機光検出器は、第2の電極に接続され、
前記第2の有機光検出器は、第3の電極に接続され、
前記第3の有機光検出器は、第4の電極に接続される。
【0023】
実施形態によれば、
前記第1の有機光検出器及び前記第2の有機光検出器は、同じ第1の材料で形成された第1の活性層を有し、
前記第3の有機光検出器は、第2の材料で形成された第2の活性層を有する。
【0024】
実施形態によれば、前記第1の材料は前記第2の材料とは異なり、前記第1の材料は赤外線スペクトルの一部の電磁波を吸収することができ、前記第2の材料は可視スペクトルの電磁波を吸収することができる。
【0025】
実施形態によれば、
前記第2の電極は、前記センサの前記ピクセルの全ての前記第1の有機光検出器に共通であり、
前記第3の電極は、前記センサの前記ピクセルの全ての前記第2の有機光検出器に共通であり、
前記第4の電極は、前記センサの前記ピクセルの全ての前記第3の有機光検出器に共通である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の前述及び他の特徴及び利点は、添付図面に関連する特定の実施形態及び実施モードの以下の非限定的な説明で詳細に論じられる。
【0027】
図1】画像センサの実施形態の部分的な簡略化分解斜視図である。
図2図1の画像センサの部分的な簡略化平面図である。
図3図1及び図2の画像センサのピクセルの読み出し回路の実施形態の電気図である。
図4図3の読み出し回路を有する画像センサの動作例の信号のタイミング図である。
図5図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの工程の部分的な簡略化断面図である。
図6図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図7図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図8図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図9図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図10図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図11図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図12図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図13図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図14図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図15図1及び図2の画像センサを形成する方法の実施モードの更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
図16図1及び図2の画像センサの面AAに沿った部分的な簡略化断面図である。
図17図1及び図2の画像センサの面BBに沿った部分的な簡略化断面図である。
図18】画像センサの別の実施形態の部分的な簡略化断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
同様の特徴が、様々な図で同様の参照符号によって示されている。特に、異なる実施形態及び実施モードに共通の構造的要素及び/又は機能的要素は、同じ参照符号で示されてもよく、同一の構造的特性、寸法的特性及び材料的特性を有してもよい。
【0029】
明確にするために、記載された実施形態及び実施モードの理解に有用な工程及び要素のみが図示され、詳述されている。特に、以下に説明される画像センサが何に使用されるのかについては詳述されない。
【0030】
特に明記しない限り、共に接続された2つの要素について言及する場合、これは、導体以外のいかなる中間要素も伴わない直接接続を意味し、共に連結された2つの要素について言及する場合、これは、これら2つの要素が接続され得ること、又は、これら2つの要素が1つ以上の他の要素を介して連結され得ることを意味する。
【0031】
以下の説明では、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」などの絶対位置を示す用語、又は、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を示す用語、又は、「水平」、「垂直」などの方向を示す用語に言及する場合、特に明記されていない限り、図面の向き、又は通常の使用位置にある画像センサを指す。
【0032】
特に明記しない限り、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値の10%以内、好ましくは5%以内を意味する。
【0033】
以下の説明では、第1の一定状態、例えば「0」と記された低状態と、第2の一定状態、例えば「1」と記された高状態との間で交互に生じる信号が「二値信号」と称される。同じ電子回路の異なる二値信号の高状態及び低状態は異なってもよい。特に、二値信号は、高状態又は低状態で完全に一定でなくてもよい電圧又は電流に対応してもよい。
【0034】
以下の説明では、特に明記しない限り、「絶縁性」及び「導電性」という用語は、「電気絶縁性」及び「電気伝導性」を夫々意味するとみなされる。
【0035】
放射に対する層の透過率は、層から出る放射の強度対層に入る放射の強度の比に相当し、入射光線は層に垂直である。以下の説明では、層又は膜を通る放射の透過率が10%未満である場合、層又は膜は放射に対して不透明であると称される。以下の説明では、層又は膜を通る放射の透過率が10%を超える場合、層又は膜は放射に対して透明であると称される。
【0036】
以下の説明では、「可視光」は、400nmから700nmの範囲の波長を有する電磁放射を示し、「赤外放射」は、700nmから1mmの範囲の波長を有する電磁放射を示す。赤外放射では、700nmから1.7μmの範囲の波長を有する近赤外放射を特に区別することができる。
【0037】
画像のピクセルは、画像センサによって取り込まれる画像の単位要素に相当する。光電子デバイスがカラー画像センサである場合、光電子デバイスは一般に、取得するカラー画像の画像ピクセル毎に、実質的に単一の色、すなわち、130nm未満の幅を有する波長範囲(例えば、赤色、緑色及び青色)の光放射を夫々取得する少なくとも3つの要素を備える。各要素は、特に少なくとも1つの光検出器を有してもよい。
【0038】
図1は、画像センサ1の実施形態の部分的な簡略化分解斜視図である。
【0039】
画像センサ1は、複数のピクセル、例えば数百万又は数千万ものピクセルを備える。しかし、簡略化のために、画像センサ1の4つのピクセル10、ピクセル12、ピクセル14及びピクセル16のみが図1に示されており、実際には、画像センサ1はより多くのピクセルを備えてもよいことが理解される。画像センサ1のこれらのピクセルは、行及び列に分散してもよい。
【0040】
画像センサ1は、光検出器とも称される光子センサの第1のアレイ2と、光検出器の第2のアレイ4とを備える。画像センサ1では、各ピクセル10、12、14、16は3つの光検出器を備え、夫々が光検出器の2つのアレイ2、4の一方又は他方に属する。
【0041】
図1では、画像センサ1の各ピクセル10、12、14、16は、より具体的には、
光検出器の第1のアレイ2に属し、添え字「A」が付いた第1の光検出器、
光検出器の第1のアレイ2に属し、添え字「B」が付いた第2の光検出器、及び
光検出器の第2のアレイ4に属し、添え字「C」が付いた第3の光検出器
を備える。
【0042】
従って、図1では、
ピクセル10は、第1の光検出器10A、第2の光検出器10B、及び第3の光検出器10Cを備え、
ピクセル12は、第1の光検出器12A、第2の光検出器12B、及び第3の光検出器12Cを備え、
ピクセル14は、第1の光検出器14A、第2の光検出器14B、及び第3の光検出器14Cを備え、
ピクセル16は、第1の光検出器16A、第2の光検出器16B、及び第3の光検出器16Cを備える。
【0043】
光検出器10A、10B、10C、12A、12B、12C、14A、14B、14C、16A、16B、16Cは、有機フォトダイオード(OPD)又は有機フォトレジスタに相当してもよい。以下の説明では、画像センサ1のピクセルの光検出器は有機フォトダイオードに相当するとみなされる。
【0044】
画像センサ1では、各ピクセル10、12、14、16は、その寸法からマイクロレンズ18とも称されるレンズ18と、マイクロレンズ18の下に配置されたカラーフィルタ30とを更に備える。図1の簡略図では、カラーフィルタ30は、光検出器の第2のアレイ4とマイクロレンズ18との間に介在している。
【0045】
第3の光検出器10C、12C、14C、16Cが第1の光検出器10A、12A、14A、16A及び第2の光検出器10B、12B、14B、16Bの両方に積み重ねられるように、光検出器の第1のアレイ2及び光検出器の第2のアレイ4は積み重ねられる。画像センサ1では、第1の光検出器10A、12A、14A、16A及び第2の光検出器10B、12B、14B、16Bは同一平面上にある。
【0046】
第1の光検出器10A、12A、14A、16A及び第2の光検出器10B、12B、14B、16Bの第1のアレイ2、並びに第3の光検出器10C、12C、14C、16Cの第2のアレイ4は両方とも、アレイ2及びアレイ4の光検出器によって取り込まれる信号を測定する読み出し回路の第3のアレイ6に関連付けられている。読み出し回路は、光検出器の読み取り、アドレス指定及び制御のためのトランジスタの集合体を意味する。より一般的には、同じピクセルの様々な光検出器に関連付けられた読み出し回路は、考慮するピクセルの読み出し回路を共に形成する。
【0047】
この実施形態によれば、画像センサ1の読み出し回路の第3のアレイ6は、CMOS支持体8内に形成されている。CMOS支持体8は例えば、集積回路(図示せず)がCMOS(相補型金属酸化物半導体)技術でその最上部及び内部に形成されている1つのシリコンウェハである。従って、集積回路は、依然としてこの実施形態によれば、読み出し回路の第3のアレイ6を形成する。図1の簡略図では、2つのアレイ2、6が積み重ねられるように、光検出器の第1のアレイ2が読み出し回路の第3のアレイ6を覆っている。
【0048】
図2は、図1の画像センサ1の部分的な簡略化平面図である。この平面図では、画像センサ1のピクセル10、12、14、16のマイクロレンズ18、第1の光検出器10A、12A、14A、16A、及び第2の光検出器10B、12B、14B、16Bのみが示されている。
【0049】
画像センサ1において、図2の平面図では、ピクセル10、12、14、16は、実質的に正方形の形状、好ましくは正方形の形状を有する。画像センサ1の全てのピクセルは、製造ばらつきの範囲内で好ましくは同一の寸法を有する。
【0050】
画像センサ1の各ピクセル10、12、14、16によって形成される正方形は、図2の平面図では、約0.8μmから10μmの範囲内、好ましくは約0.8μmから5μmの範囲内、より好ましくは0.8μmから3μmの範囲内の辺の長さを有する。
【0051】
同じピクセルに属する第1の光検出器及び第2の光検出器、例えば、ピクセル10の第1の光検出器10A及び第2の光検出器10Bは両方とも矩形形状を有する。光検出器は実質的に同じ寸法を有し、光検出器が属するピクセル、本例ではピクセル10によって形成される正方形内に共に内接する。画像センサ1の各ピクセルの各光検出器によって形成される矩形は、各ピクセルによって形成される正方形の辺の長さに実質的に等しい長さ、及び各ピクセルによって形成される正方形の辺の長さの半分に実質的に等しい幅を有する。しかし、各ピクセルの第1の光検出器と第2の光検出器との間に空間が形成されるため、第1の光検出器及び第2の光検出器の夫々の下部電極が分離されている。
【0052】
画像センサ1では、各マイクロレンズ18は、図2の平面図において、各マイクロレンズが覆う第1及び第2の光検出器によって共に形成される正方形の辺の長さに実質的に等しい、好ましくは等しい直径を有する。本実施形態では、各ピクセルは単一のマイクロレンズ18を備える。画像センサ1の各マイクロレンズ18は、好ましくは各マイクロレンズが属する光検出器によって形成される正方形に対して中心に置かれる。
【0053】
変形例として、各マイクロレンズ18は、別のタイプのマイクロメートル範囲の光学要素、特にマイクロメートル範囲のフレネルレンズ、マイクロメートル範囲の屈折率勾配レンズ、又はマイクロメートル範囲の回折格子と置き換えられてもよい。マイクロレンズ18は収束レンズであり、夫々が1μmから100μmの範囲、好ましくは1μmから10μmの範囲の焦点距離fを有する。好ましい実施形態によれば、全てのマイクロレンズ18は、製造ばらつきの範囲内で実質的に同一である。
【0054】
マイクロレンズ18は、シリカ、ポリ(メチル)メタクリレート(PMMA)、ポジ型レジスト、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマ(COP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)/シリコーン、又はエポキシ樹脂で形成されてもよい。マイクロレンズ18は、レジストブロックを変形させることによって形成されてもよい。マイクロレンズ18は、PET、PEN、COP、PDMS/シリコーン又はエポキシ樹脂の層上に成型によって更に形成されてもよい。
【0055】
図3は、図1及び図2の画像センサ1のピクセル10の読み出し回路の実施形態の電気図である。図3では、画像センサ1の1つのピクセルの光検出器に関連付けられた読み出し回路のみが考慮され、この画像センサ1の他のピクセルの他の光検出器は同様の読み出し回路を有してもよいことが理解される。
【0056】
この例でも依然として、各光検出器は、他の光検出器から独立してその光検出器を駆動できる自身の読み出し回路に関連付けられているとみなされる。従って、図3では、
ピクセル10の第1の光検出器10Aは、第1の読み出し回路20Aに関連付けられており、
ピクセル10の第2の光検出器10Bは、第2の読み出し回路20Bに関連付けられており、
ピクセル10の第3の光検出器10Cは、第3の読み出し回路20Cに関連付けられている。3つの読み出し回路20A、20B、20Cは、ピクセル10の読み出し回路20を共に形成する。
【0057】
各読み出し回路20A、20B、20Cは、この例では3つのMOSトランジスタを有する。このような回路は現在、光検出器と共に「3Tセンサ」という表現で表されている。特に、図3の例では、
第1の光検出器10Aに関連付けられた第1の読み出し回路20Aは、2つの端子204及び端子206A間にMOS選択トランジスタ202と直列に、フォロワとして組み立てられたMOSトランジスタ200を有し、
第2の光検出器10Bに関連付けられた第2の読み出し回路20Bは、2つの端子204及び端子206B間にMOS選択トランジスタ202と直列に、フォロワとして組み立てられたMOSトランジスタ200を有し、
第3の光検出器10Cに関連付けられた第3の読み出し回路20Cは、2つの端子204及び端子206C間にMOS選択トランジスタ202と直列に、フォロワとして組み立てられたMOSトランジスタ200を有する。
【0058】
読み出し回路のトランジスタがNチャネルMOSトランジスタである場合、各端子204は、Vpixと記された高基準電位の供給源に連結される。読み出し回路のトランジスタがPチャネルMOSトランジスタである場合、各端子204は、低基準電位の供給源、例えば接地に連結される。
【0059】
端子206Aは、第1の導電性トラック208Aに連結されている。第1の導電性トラック208Aは、同じ列のピクセルの全ての第1の光検出器に連結されてもよい。第1の導電性トラック208Aは、好ましくは画像センサ1の全ての第1の光検出器に連結される。
【0060】
同様に、端子206B及び端子206Cは、第2の導電性トラック208B及び第3のトラック208Cに夫々連結される。第2のトラック208B及び第3のトラック208Cは、同じ列のピクセルの全ての第2の光検出器及び全ての第3の光検出器に夫々連結されてもよい。トラック208B、208Cは、好ましくは画像センサ1の全ての第2の光検出器、全ての第3の光検出器に夫々連結される。第1の導電性トラック208A、第2の導電性トラック208B、及び第3の導電性トラック208Cは、好ましくは互いに別個である。
【0061】
図3の実施形態では、
第1の導電性トラック208Aは、第1の電流源209Aに連結され、好ましくは接続され、
第2の導電性トラック208Bは、第2の電流源209Bに連結され、好ましくは接続され、
第3の導電性トラック208Cは、第3の電流源209Cに連結され、好ましくは接続される。
【0062】
電流源209A、209B、209Cは、画像センサ1のピクセル10の読み出し回路20の一部を形成しない。言い換えると、画像センサ1の電流源209A、209B、209Cは、ピクセル及び読み出し回路の外部にある。
【0063】
ピクセル10の読み出し回路のトランジスタ202のゲートは、ピクセル10のSEL_R1と記された選択信号を受信するように構成されている。画像センサ1の別のピクセルの読み出し回路、例えばピクセル12の読み出し回路のトランジスタ202のゲートは、ピクセル12のSEL_R2と記された別の選択信号を受信するように構成されていると想定される。
【0064】
図3の例では、
ピクセル10の第1の光検出器10Aに関連付けられたトランジスタ200のゲートは、ノードFD_1Aに連結され、
ピクセル10の第2の光検出器10Bに関連付けられたトランジスタ200のゲートは、ノードFD_1Bに連結され、
ピクセル10の第3の光検出器10Cに関連付けられたトランジスタ200のゲートは、ノードFD_1Cに連結されている。
【0065】
各ノードFD_1A、FD_1B、FD_1Cは、リセットMOSトランジスタ210によって、リセット電位Vrstが与えられる端子に連結され、このリセット電位は電位Vpixと同一であってもよい。トランジスタ210のゲートは、光検出器のリセットを制御するための信号RST、特にノードFD_1A、ノードFD_1B又はノードFD_1Cを実質的に電位Vrstにリセットすることを可能にするための信号RSTを受信するように構成されている。
【0066】
図3の例では、
ノードFD_1Aは、ピクセル10の第1の光検出器10Aのカソード電極102Aに接続され、
ノードFD_1Bは、ピクセル10の第2の光検出器10Bのカソード電極102Bに接続され、
ノードFD_1Cは、ピクセル10の第3の光検出器10Cのカソード電極102Cに接続されている。
【0067】
更に図3の例では、
ピクセル10の第1の光検出器10Aのアノード電極104Aが、基準電位Vtop_C1の供給源に連結され、
ピクセル10の第2の光検出器10Bのアノード電極104Bが、基準電位Vtop_C2の供給源に連結され、
ピクセル10の第3の光検出器10Cのアノード電極104Cが、基準電位Vtop_C3の供給源に連結されている。
【0068】
画像センサ1では、電位Vtop_C1は例えば、画像センサ1の全ての第1の光検出器に共通の第1の上部電極に与えられる。同様に、電位Vtop_C2、Vtop_C3は、画像センサ1の全ての第2の光検出器に共通の第2の上部電極、全ての第3の光検出器に共通の第3の電極に夫々与えられる。
【0069】
本開示の残りの部分では、
ノードFD_1Aに存在する電圧についてVFD_1A、
ノードFD_1Bに存在する電圧についてVFD_1B、
ピクセル10の読み出し回路20のトランジスタ202のゲートに印加される電圧、すなわち、第1の光検出器10A、第2の光検出器10B及び第3の光検出器10Cのトランジスタ202のゲートに印加される電圧についてVSEL_R1、並びに
ピクセル12の読み出し回路のトランジスタ202のゲートに印加される電圧についてVSEL_R2
の表記が任意に使用される。
【0070】
本開示の残りの部分では、電圧VSEL_R1、VSEL_R2の印加を、SEL_R1、SEL_R2と夫々記された二値信号によって夫々制御するとみなされる。
【0071】
他のタイプのセンサ、例えば、いわゆる「4T」センサが知られている。有機光検出器を使用すると、1つのトランジスタをなくして3Tセンサを使用することができるという利点がある。
【0072】
図4は、図3の読み出し回路を有する画像センサ1の動作例の信号のタイミング図である。
【0073】
図4のタイミング図は、より具体的には「飛行時間」(ToF)モードでの画像センサ1の動作例に対応する。この動作モードでは、画像センサ1のピクセルを使用して、画像センサ1の反対側に配置された又は位置する対象(物体、シーン、顔など)からピクセルを隔てる距離を推定する。本明細書では説明されない関連付けられたエミッタシステムを用いて対象に向かって光パルスを放射することにより、この距離の推定を開始する。このような光パルスは一般に、放射源からの放射、例えば、発光ダイオードからの近赤外放射で対象を一時的に照射することによって得られる。次に、光パルスは、対象によって少なくとも部分的に反射され、その後、画像センサ1によって取り込まれる。その後、光パルスが放射源と対象との間を移動して戻るのにかかる時間が計算又は測定される。画像センサ1は、放射源の近くに有利に配置されているため、この時間は、画像センサ1から対象を隔てる距離を光パルスが移動するのにかかる時間の約2倍に相当する。
【0074】
図4のタイミング図は、二値信号RST及び二値信号SEL_R1、並びにピクセル10の第1の光検出器10A及び第2の光検出器10Bの電位Vtop_C1、Vtop_C2、VFD_1A、VFD_1Bの変化の例を示す。図4は、ピクセル12の二値信号SEL_R2を点線で更に示す。図4のタイミング図は、ピクセル10の読み出し回路20のMOSトランジスタがNチャネルトランジスタであることを考慮して確立されている。簡略化のために、画像センサ1のピクセルの第3の光検出器の駆動については図4では詳しく説明されない。
【0075】
時点t0で信号SEL_R1は低状態であるため、ピクセル10のトランジスタ202はオフである。次に、リセット段階が開始される。この目的のために、信号RSTは高状態に維持されるため、ピクセル10のリセットトランジスタ210はオンである。その後、フォトダイオード10A及びフォトダイオード10Bに蓄積された電荷が、電位Vrstの供給源に向かって放電される。
【0076】
電位Vtop_C1は、時点t0で高レベルにある。高レベルは、「ビルトイン電位」と称される電位を与えることによって生じる電圧より高い電圧下での第1の光検出器10Aのバイアスに対応する。ビルトイン電位は、アノードの仕事関数とカソードの仕事関数との差と等価である。電位Vtop_C1が高レベルにある場合、第1の光検出器10Aは電荷を統合しない。
【0077】
時点t0に続く時点t1の前に、電位Vtop_C1は低レベルに設定される。この低レベルは、負電圧、すなわち0V未満の電圧下での第1の光検出器10Aのバイアスに対応する。従って、これにより、第1の光検出器10Aが光生成電荷を統合することが可能になる。電位Vtop_C1による第1の光検出器10Aのバイアスに関する上記の説明は、電位Vtop_C2による第2の光検出器10Bのバイアスの動作の説明に置き換えられる。
【0078】
時点t1で、距離の測定が望まれる一又は複数の物体を含むシーンに向けて第1の赤外光パルスを放射し始め(IR光を放射する)、これによりシーンの深度マップを取得することができる。第1の赤外光パルスは、tONで記される持続時間を有する。時点t1で、信号RSTが低状態に設定されるため、ピクセル10のリセットトランジスタ210がオフになり、電位Vtop_C2が高レベルに設定される。
【0079】
電位Vtop_C1が低レベルにあるとき、時点t1で、ITAと記される第1の統合段階が、画像センサ1のピクセル10の第1の光検出器10Aで開始される。ピクセルの統合段階は、ピクセルが入射放射の影響下で電荷を収集する段階を示す。
【0080】
時点t1に続く、時点t1からtDと記された期間だけ離れた時点t2で、ピクセル10までの距離の測定が望まれるシーンの物体又は物体の点による第1の赤外光パルスの反射から生じる第2の赤外光パルスを受け始める(IR光を受ける)。従って、期間tDは、物体からセンサ1までの距離の関数である。次に、CCAと記された第1の電荷収集段階が第1の光検出器10Aで開始される。第1の電荷収集段階は、光検出器10Aにおいて入射光の強度に比例して、すなわち、第2のパルスの光強度に比例して電荷が生成される期間に相当する。第1の電荷収集段階により、読み出し回路20AのノードFD_1Aで電位VFD_1Aのレベルが低下する。
【0081】
本例では時点t2に続く、時点t1から期間tONだけ離れた時点t3で、第1の赤外光パルスの放射が停止される。電位Vtop_C1は同時的に高レベルに設定されるため、第1の統合段階、ひいては第1の電荷収集段階の終了を示す。
【0082】
同時的に、電位Vtop_C2は低レベルに設定される。次に、画像センサ1のピクセル10の第2の光検出器10Bにおいて時点t3で、ITBと記された第2の統合段階が開始される。第2の光検出器10Bが第2の光パルスから生じる光を受ける場合、CCBと記された第2の電荷収集段階が時点t3で開始される。第2の電荷収集段階により、読み出し回路20BのノードFD_1Bで電位VFD_1Bのレベルが低下する。
【0083】
時点t3に続く、時点t2からtONに実質的に等しい期間だけ離れた時点t4で、第2の光パルスがピクセル10の第2の光検出器10Bによって取り込まれることを停止する。その後、第2の電荷収集段階は時点t4で終了する。
【0084】
時点t4に続く時点t5で、電位Vtop_C2は高レベルに設定される。従って、これは第2の統合段階の終了を示す。
【0085】
時点t5と時点t5の後の時点t6との間で、画像センサ1のピクセルのフォトダイオードによって収集された電荷の量を測定する、RTと記された読み出し段階が実行される。この目的のために、画像センサ1のピクセル行は、例えば順次、読み取られる。図4の例では、信号SEL_R1及び信号SEL_R2が連続して高状態に設定され、画像センサ1のピクセル10及びピクセル12が交互に読み取られる。
【0086】
時点t6から時点t6の後の時点t1’まで、新しいリセット段階(リセット)が開始される。信号RSTが高状態に設定されるため、ピクセル10のリセットトランジスタ210がオンになる。その後、フォトダイオード10A及びフォトダイオード10Bに蓄積された電荷が、電位Vrstの供給源に向かって放電される。
【0087】
放射する第1の光パルスの開始を、受ける第2の光パルスの開始から隔てる期間tDは、以下の式によって計算される。
[数式1]
tD=(tON×△VFD_1B)/(△VFD_1A+△VFD_1B)
【0088】
上記の式において、△VFD_1Aと記された量は、第1の光検出器10Aの統合段階中の電位VFD_1Aの低下に対応する。同様に、△VFD_1Bと記された量は、第2の光検出器10Bの統合段階中の電位VFD_1Bの低下に対応する。
【0089】
時点t1’で、第2の光パルスの放射によって新しい距離推定が開始される。新しい距離推定には、時点t2及び時点t4と夫々同様の時点t2’及び時点t4’が含まれる。
【0090】
画像センサ1の動作は、同じピクセルの第1及び第2の光検出器が非同期的に駆動される飛行時間モードでの動作例に関連して上記に示されている。画像センサ1の利点は、画像センサが他のモード、特に同じピクセルの第1及び第2の光検出器が同期的に駆動されるモードでも動作し得ることである。画像センサ1は例えば、グローバルシャッタモードで駆動されてもよく、すなわち、画像センサ1は、第1及び第2の光検出器の統合段階の開始及び終了が同時的である画像取得方法を更に実施してもよい。
【0091】
従って、画像センサ1の利点は、異なるモードに応じて交互に動作し得ることである。画像センサ1は例えば、飛行時間モード及びグローバルシャッタ画像化モードで交互に動作してもよい。
【0092】
実施モードに応じて、画像センサ1の第1及び第2の光検出器の読み出し回路は、他の動作モードで交互に駆動され、例えば、画像センサ1が、
赤外線スペクトルの一部で、
構造化光で、
例えば、ピクセル毎に第1の光検出器の1つの統合時間が第2の光検出器の統合時間より長いことを確実とする、ハイダイナミックレンジイメージング(HDR)で、及び/又は、
バックグラウンド抑制で
動作することができるモードで交互に駆動される。
【0093】
従って、画像センサ1によって実施することができる様々な画像化モードで同じ数のピクセルが使用されるので、画像センサ1を使用して、解像度を失うことなく異なるタイプの画像を形成してもよい。同じピクセルアレイ及び読み出し回路に複数の機能を一体化することができる画像センサ1の使用は、特に、電子デバイスの小型化の現在の制約、例えば、スマートフォンの設計及び製造の制約に対応することを可能にする。
【0094】
図5から図15は以下に、図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の別の実施モードの連続する工程を示す。簡略化のために、図5から図15に関連する以下の説明は、画像センサ1のピクセルの一部、例えば画像センサ1のピクセル12の形成を示す。しかし、この方法は、画像センサ1と同様の画像センサのあらゆる数の光検出器及びピクセルの形成に拡張されてもよいことを理解されたい。
【0095】
この実施形態によれば、ピクセル12の第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bをまず形成する。次に、ピクセル12の第3の光検出器12Cを形成する。そのため、この実施モードを画像センサ1の全てのピクセルの形成に適用することにより、第1及び第2の光検出器の第1のアレイ2をまず形成し、次に第3の光検出器の第2のアレイ4を形成することになる。
【0096】
図5は、図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施モードの工程の部分的な簡略化断面図である。
【0097】
この実施形態によれば、この方法は、ピクセル12の読み出し回路(図示せず)を特に有するCMOS支持体8を準備することによって開始される。CMOS支持体8は、接触要素32A,32B及び第2の接触要素32Cを上面80に更に有する。第1の接触要素32A,32Bは、図5の断面図では「T」字形状を有し、
水平部分が、CMOS支持体8の上面80に延び、
垂直部分が、CMOS支持体8の上面80から下向きに延びて、読み出し回路(図示せず)に連結又は接続されたCMOS支持体8の下側の金属化レベル(図示せず)に接触する。
【0098】
第1の接触要素32A,32Bは、例えば、CMOS支持体8の上面80に形成された導電性トラック(第1の接触要素32A,32Bの水平部分)、及び導電性トラックに接触する導電性ビア(第1の接触要素32A,32Bの垂直部分)から形成される。第2の接触要素32Cは例えば、CMOS支持体8の上面80と面一の導電性ビアから形成される。変形例として、第2の接触要素32Cも「T」字形状を有する。第2の接触要素32Cは、第1の接触要素32A,32Bの寸法より小さい寸法を有してもよい。そのため、第2の接触要素32Cの寸法は、最大の接続表面積を有しながら、第1の接触要素32A,32Bのレイアウトを妨げないように調整される。
【0099】
導電性トラック及び導電性ビアは、金属材料、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)、又は窒化チタン(TiN)で形成されてもよい。導電性トラック及び導電性ビアは、単層構造又は多層構造を有してもよい。導電性トラックが多層構造を有する場合、導電性トラックは、絶縁層によって分離された導電層の積層体によって形成されてもよい。そのため、ビアは絶縁層を横切る。導電層は上記の金属材料で形成されてもよく、絶縁層は窒化ケイ素(SiN)又は酸化ケイ素(SiO2 )で形成されてもよい。
【0100】
この同じ工程の間に、CMOS支持体8の表面80に存在する可能性のある不純物を除去すべく、CMOS支持体8を清浄化する。清浄化を、例えばプラズマによって実行する。従って、清浄化によって、以下の図に関連して詳述される一連の連続的な堆積を実行する前に、CMOS支持体8の十分な清浄度が得られる。
【0101】
本開示の残りの部分では、図6から図15に関連して説明される方法の実施モードは、CMOS支持体8の上面80の上側で行う動作のみを含む。従って、図6から図15のCMOS支持体8は好ましくは、プロセス全体で図5に関連して説明したようなCMOS支持体8と同一である。簡略化のために、CMOS支持体8は、以下の図で再度詳しく説明されない。
【0102】
図6は、図5に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施モードの別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0103】
この工程の間に、電子注入材料の第1の接触要素32A,32Bの表面で堆積を実行する。接触要素32A,32Bの表面に選択的に結合する材料を好ましくは堆積させて、自己組織化単層を形成する。従って、この堆積物は、第1の接触要素32A,32Bの自由上面を好ましくは覆うか又は自由上面のみを覆う。従って、図6に示すように、堆積により、
ピクセル12の第1の有機光検出器12Aの下部電極122A、及び
ピクセル12の第2の有機光検出器12Bの下部電極122B
が形成される。
【0104】
変形例として、2つの隣り合う接触要素間に導電経路を形成しないように、十分低い横方向導電率を有する電子注入材料のフルプレート堆積を実行する。
【0105】
下部電極122A,122Bは、電子注入層(EIL)及び光検出器12A,12Bを夫々形成する。下部電極122A,122Bは、好ましくは画像センサ1の光検出器12A,12Bのカソードを形成する。下部電極122A,122Bを、好ましくはスピンコーティング又はディップコーティングによって形成する。
【0106】
下部電極122A,122Bを形成する材料は、
金属又は金属合金、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)若しくはクロム(Cr)、又はマグネシウムと銀との合金(MgAg)、
透明導電性酸化物(TCO)、特にインジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、ITO/Ag/ITO多層、ITO/Mo/ITO多層、AZO/Ag/AZO多層、又はZnO/Ag/ZnO多層、
ポリエチレンイミン(PEI)ポリマ、又は、エトキシル化ポリエチレンイミン(PEIE)ポリマ、プロポキシル化ポリエチレンイミンポリマ、及び/若しくはブトキシル化ポリエチレンイミンポリマ、
炭素、銀、及び/又は銅ナノワイヤ、
グラフェン、並びに
これらの材料の少なくとも2つの混合物
を含む群から選択される。
【0107】
下部電極122A,122Bは単層構造又は多層構造を有してもよい。
【0108】
図7は、図6に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0109】
この工程の間に、第1の層120の非選択的堆積をCMOS支持体8の上面80側で実行する。堆積は、第1の層がCMOS支持体8の上面80全体、並びに、接触要素32A,32B、第2の接触要素32C及び下部電極122A,122Cの自由表面を覆うので「フルプレート」堆積と称される。この実施形態によれば、第1の層120は、ピクセル12の第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bの活性層を形成するように構成されている。第1の層120の堆積を、好ましくはスピンコーティングによって実行する。
【0110】
第1の層120は、小分子、オリゴマ又はポリマを含んでもよい。これらは、特に量子ドットを含む有機材料又は無機材料であってもよい。第1の層120は、両極性半導体材料を含んでもよく、又は、例えば積層の形態若しくはバルクヘテロ接合を形成すべくナノメートルスケールで均質な混合物の形態でN型半導体材料及びP型半導体材料の混合物を含んでもよい。第1の層120の厚さは、50nmから2μmの範囲内、例えば300nm程度であってもよい。
【0111】
第1の層120を形成することができるP型半導体ポリマの例は、
ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)、
ポリ[N-9’-ヘプタデカニル-2,7-カルバゾール-alt-5,5-(4,7-ジ-2-チエニル-2’,1’,3’-ベンゾチアジアゾール](PCDTBT)、
ポリ[(4,8-ビス-(2-エチルヘキシルオキシ)-ベンゾ[1,2-b;4,5-b’]ジチオフェン)-2,6-ジイル-alt-(4-(2-エチルヘキサノイル)-チエノ[3,4-b]チオフェン))-2,6-ジイル](PBDTTT-C)、
ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-1,4-フェニレン-ビニレン](MEH-PPV)、及び
ポリ[2,6-(4,4-ビス-(2-エチルヘキシル)-4H-シクロペンタ[2,1-b;3,4-b’]ジチオフェン)-alt-4,7(2,1,3-ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)
である。
【0112】
第1の層120を形成することができるN型半導体材料の例は、フラーレン、特にC60、[6,6]-フェニル-C61-メチルブタノエート([60]PCBM)、[6,6]-フェニル-C71-ブタン酸メチル([70]PCBM)、ペリレンジイミド、酸化亜鉛(ZnO)、又は量子ドットの形成を可能にするナノ結晶である。
【0113】
図8は、図7に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0114】
この工程の間に、第2の層124の非選択的堆積(フルプレート堆積)をCMOS支持体8の上面80側で実行する。堆積物は、第1の層120の上面全体を覆う。この実施モードによれば、第2の層124は、ピクセル12の第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bの上部電極を形成するように構成されている。第2の層124の堆積を、好ましくはスピンコーティングによって行う。
【0115】
第2の層124は、第2の層が受ける光放射に対して少なくとも部分的に透明である。第2の層124は、透明な導電性材料、例えば、透明導電性酸化物(TCO)、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性ポリマ、金属、又は、これらの化合物の少なくとも2つの混合物若しくは合金で形成されてもよい。第2の層124は単層構造又は多層構造を有してもよい。
【0116】
第2の層124を形成することができるTCOの例は、インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、及びガリウム亜鉛酸化物(GZO)、窒化チタン(TiN)、酸化モリブデン(MoO3 )、及び酸化タングステン(WO3 )である。第2の層124を形成することができる導電性ポリマの例は、ポリ(3,4)-エチレンジオキシチオフェン及びポリ(スチレンスルホン酸)ナトリウムの混合物であるPEDOT:PSSとして知られるポリマ、並びにPAniとも称されるポリアニリンである。第2の層124を形成することができる金属の例は、銀、アルミニウム、金、銅、ニッケル、チタン、及びクロムである。第2の層124を形成することができる多層構造の例は、AZO/Ag/AZOタイプの多層AZO・銀構造である。
【0117】
第2の層124の厚さは、10nmから5μmの範囲内、例えば60nm程度であってもよい。第2の層124が金属である場合、第2の層124の厚さは20nm以下であり、好ましくは10nm以下である。
【0118】
図9は、図8に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0119】
この工程の間に、第1の垂直開口部340、第2の垂直開口部342及び第3の垂直開口部344を、第2の層124及び第1の層120を通ってCMOS支持体8の上面80に至るまで形成する。図9の例では、
第1の垂直開口部340及び第2の垂直開口部342は、第1の接触要素32Aの両側に(第1の接触要素32Aの左側及び右側に夫々)配置され、
第2の垂直開口部342及び第3の垂直開口部344は、第2の接触要素32Bの両側に(第2の接触要素32Bの左側及び右側に夫々)配置されている。
【0120】
3つの垂直開口部340、342、344は特に、画像センサ1の同じ行に属する光検出器を分離することを目的とする。第1の垂直開口部340は、第2の接触要素32Cの上面を露出させることを更に可能にする。同様に、第3の開口部344は、第2の接触要素32Cと同様に、第3の接触要素36Cの上面を露出させることを可能にする。垂直開口部340、342、344を、例えばフォトレジストの堆積、マスクを介した紫外光への露光(フォトリソグラフィ)、及び物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)の連続する工程によって形成する。
【0121】
従って、図9に示すように、
第1の接触要素32A及び下部電極122Aの自由表面を完全に覆う、ピクセル12の第1の光検出器12Aの活性層120A、
第2の接触要素32B及び下部電極122Bの自由表面を完全に覆う、ピクセル12の第2の光検出器12Bの活性層120B、
活性領域120Aを覆う、ピクセル12の第1の光検出器12Aの上部電極124A、並びに
活性領域120Bを覆う、ピクセル12の第2の光検出器12Bの上部電極124B
が得られる。
【0122】
従って、図9の例では、
開口部340は、一方ではピクセル12の第1の光検出器12Aの活性層120A及び上部電極124Aと、他方では隣り合うピクセル(図示せず)に属する第2の光検出器の活性層及び上部電極との間に介在し、
開口部342は、一方ではピクセル12の第1の光検出器12Aの活性層120A及び上部電極124Aと、他方ではピクセル12の第2の光検出器12Bの活性層120B及び上部電極124Bとの間に介在し、
開口部344は、一方ではピクセル12の第2の光検出器12Bの活性層120B及び上部電極124Bと、他方ではピクセル16の第1の光検出器16Aの活性層160A及び上部電極164A(図9に部分的に示されている)との間に介在する。
【0123】
上部電極124A,124Bは、光検出器12A,12Bの正孔注入層(HIL)を夫々形成する。上部電極124A,124Bは例えば、画像センサ1の光検出器12A,12Bのアノードを形成する。従って、各光検出器は、図9に示されるように、下部電極と上部電極との間に介在する(又は「挟持された」)活性層で形成されている。
【0124】
図10は、図9に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0125】
この工程の間に、第3の層126を、CMOS支持体8の上面80側で構造全体に亘って堆積させる。第3の層126は、好ましくは、光検出器を封止する前に平坦な上面を有する構造を得ることができる、いわゆる「平坦化」層である。
【0126】
図10では、第3の層126は、第1の開口部340、第2の開口部342及び第3の開口部344を充填している。更に、第3の層126は、第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bによって夫々形成される積層体を一体的に覆う。言い換えれば、第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bは、第3の平坦化層126に埋め込まれている。
【0127】
第3の平坦化層126を、ポリマに基づく誘電体材料で形成してもよい。第3の平坦化層126は、変形例として、窒化ケイ素(SiN)と酸化ケイ素(SiO2 )との混合物を含んでもよく、この混合物は、スパッタリング、物理蒸着(PVD)、又はプラズマ化学気相成長(PECVD)によって得られる。
【0128】
第3の平坦化層126を更に、フッ素化ポリマ、特にBellexによって商品名「Cytop」として商品化されたフッ素化ポリマ、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、パリレン、ポリイミド(PI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、フォトリソグラフィ樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物で形成してもよい。
【0129】
変形例として、第3の層126の堆積より、第4のいわゆる充填層又は絶縁層128の堆積が先行してもよい。そのため、その一部1280、1282、1284のみが(点線で)図10に示されている充填層128は、好ましくは、第1の層120及び第2の層124によって共に形成された積層体の厚さに実質的に等しい厚さを有する。一部1280、1282、1284は、第1の開口部340、第2の開口部342、第3の開口部344を夫々充填する。言い換えれば、充填層128はこの場合、その一部1280、1282、1284によってCMOS支持体8の上面80の自由領域を覆い、従って、第2の層124の上面と実質的に面一である。
【0130】
画像センサ1では、第4の充填層128は、各光検出器を隣り合う光検出器から電気的に絶縁することを目的とする。実施形態によれば、充填層128の材料は、画像センサ1によって受ける光を少なくとも部分的に反射して、光検出器を互いに光学的に隔離する。そのため、充填層128は「黒色樹脂」と称される。
【0131】
充填層128は無機材料であってもよく、例えば酸化ケイ素(SiO2 )又は窒化ケイ素(SiN)で形成されてもよい。
【0132】
充填層128を、フッ素化ポリマ、特にBellexによって商品名「Cytop」として商品化されたフッ素化ポリマ、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、パリレン、ポリイミド(PI)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、フォトリソグラフィ樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物で形成してもよい。
【0133】
充填層128を更に酸化アルミニウム(Al2 3 )で形成してもよい。酸化アルミニウムを、場合によっては原子層堆積(ALD)によって堆積させてもよい。充填層128の最大厚さは、50nmから2μmの範囲内であってもよく、例えば400nm程度であってもよい。
【0134】
説明の残りの部分では、第3の平坦化層126の前に第4の充填層128を堆積させる変形例が、方法の実施モードで維持されないと仮定する。従って、第3の平坦化層のみが堆積し、平坦化層126は、開口部340、342、344を充填し、光検出器12A、12Bによって形成された積層体を一体的に覆うとみなされる。しかし、第4の充填層128の堆積が第3の平坦化層126の堆積に先行する場合への以下の工程の適用は、以下の内容に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0135】
図11は、図10に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0136】
この工程の間に、第4の開口部346及び第5の開口部348を第3の平坦化層126に形成する。第4の開口部346及び第5の開口部348は、第2の接触要素32C及び第3の接触要素36Cと垂直に一列に夫々配置される。
【0137】
第4の開口部346及び第5の開口部348を、フォトリソグラフィによって形成してもよい。変形例として、第4の開口部346及び第5の開口部348を、
樹脂パッドを形成すべく、第2の接触要素32C及び第3の接触要素36Cのレベルに配置される犠牲樹脂層の堆積、
第3の平坦化層126の堆積、並びに
第2の接触要素32C及び第3の接触要素36Cと垂直に一列に配置された第3の平坦化層126の部分を除去するための樹脂パッドの分離
の連続する動作を実行するリフトオフ技術によって形成してもよい。
【0138】
この変形例によれば、第3の平坦化層126の堆積を、好ましくは一方向で実行する。この層126の堆積を、例えばプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって実行する。
【0139】
第4の開口部346及び第5の開口部348は、第2の接触要素32C及び第3の接触要素36Cの上面を夫々露出又は離脱させることを目的とする。第4の開口部346及び第5の開口部348は好ましくは、第2の接触要素32C及び第3の接触要素36Cの水平寸法より大きい水平寸法を有する。
【0140】
第4の開口部346及び第5の開口部348は、画像センサ1のピクセル12の第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bの両側に配置される。従って、図11では、第3の平坦化層126の一部1260が、第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bによって形成された積層体を覆う。
【0141】
図12は、図11に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0142】
この工程の間に、第5の層130を、CMOS支持体8の上面80側で構造全体に堆積させる。図12では、第5の層130は、第4の開口部346及び第5の開口部348を完全に充填する。更に、第5の層130は、第3の平坦化層126の一部、特に第3の層126の一部1260の自由上面を完全に覆う。
【0143】
この実施形態によれば、第5の層130は、画像センサ1の第3の光検出器の接触要素を続いて形成するように特に構成されている。第5の層130を、第2の層124について図8に関連して論じられた材料と同じ材料で形成してもよい。第5の層130を、好ましくは金属で形成する。第5の層130が金属である場合、第5の層130の厚さは、20nm以下であり、好ましくは10nm以下である。第5の層130は、好ましくは、今後の第1の光検出器12A及び今後の第2の光検出器12Bによって取り込まれる放射に対して透明である。第5の層130を、透明導電性酸化物、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)で形成してもよい。
【0144】
図13は、図12に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0145】
この工程の間に、第6の開口部350及び第7の開口部352を、第3の層126の一部の上面に至るまで第5の層130に形成する。図13では、第6の開口部350及び第7の開口部352が、第5の層130で形成された第4の接触要素32C’を画定する。第4の接触要素32C’は、図13では「L」字形状を有する。第4の接触要素32C’は、第2の接触要素32Cの上面に接触し、第3の層126の一部1260の上面を部分的に覆う。
【0146】
第4の接触要素32C’は、第3の層126の一部1260の表面で第2の接触要素32Cを延ばすことを目的とする。従って、第2の接触要素32C及び第4の接触要素32C’は、画像センサ1のピクセル12の第3の光検出器12Cの同じ接触要素を共に形成する。
【0147】
同様に、第5の層130に形成された第5の接触要素36C’が、第3の接触要素36Cを延ばす。従って、第3の接触要素36C及び第5の接触要素36C’は、画像センサ1のピクセル16の第3の光検出器16Cの同じ接触要素を共に形成する。図13では、第4の接触要素32C’は、第5の接触要素36C’から第7の開口部352により分離されている。
【0148】
第6の開口部350及び第7の開口部352を、好ましくはフォトリソグラフィによって形成する。第4の接触要素32C’及び第5の接触要素36C’は、好ましくは反応性イオンエッチング(RIE)によって、又は溶媒によるエッチングによって得られる。
【0149】
変形例として、図12に関連して論じられるように、第5の層130の堆積を実行する前に犠牲パッドを堆積させる。犠牲パッドは、場合によっては第6の開口部350及び第7の開口部352の位置に配置される。その後、犠牲パッドを、図13に関連して論じられた工程の間にリフトオフによって除去して、開口部350,352を形成する。
【0150】
図14は、図13に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0151】
この工程の間に、第5の層130の表面で第6の層132の堆積を実行する。接触要素32C’,36C’の表面に選択的に結合する材料を好ましくは堆積させて、自己組織化単層を形成する。従って、図14に示すように、
ピクセル12の第3の光検出器12Cの第4の接触要素32C’の上面を覆う下部電極122C、及び
ピクセル16の第3の光検出器16Cの第5の接触要素36C’の上面を覆う下部電極162C
が形成される。
【0152】
下部電極122C,162Cは、第3の光検出器12C,16Cの電子注入層(EIL)を夫々形成する。下部電極122C,162Cは、例えば画像センサ1の第3の光検出器12C,16Cのカソードを夫々形成する。
【0153】
第3の光検出器12C,16Cの下部電極122C,162Cを、第1の光検出器12Aの下部電極122A及び第2の光検出器12Bの下部電極122Bの材料と同じ材料で形成してもよい。下部電極122C,162Cは、単層構造又は多層構造を更に有してもよい。
【0154】
この工程の間に、第7の層134の非選択的堆積(フルプレート堆積)を、CMOS支持体8の上面80側で更に実行する。従って、第7の層134は、第6の開口部350及び第7の開口部352を充填し、ピクセル12の第3の光検出器12Cの下部電極122C及びピクセル16の第3の光検出器16Cの下部電極162Cを完全に覆う。この実施形態によれば、第7の層134は、画像センサ1のピクセルの第3の光検出器の活性層を形成するように構成されている。
【0155】
好ましい実施モードによれば、第7の層134の組成は、第1の層120の組成とは異なる。第1の層120は例えば、約940nmの吸収波長を有する一方、第7の層134は例えば、可視波長範囲を中心とする吸収波長を有する。
【0156】
この工程の間に、第8の層136の非選択的堆積(フルプレート堆積)をCMOS支持体8の上面80側で実行する。従って、堆積物は第7の層134の上面全体を覆う。この実施モードによれば、第8の層136は、ピクセル12,16の第3の光検出器12C,16Cの上部電極を夫々形成するように構成されている。
【0157】
第8の層136は、第8の層が受ける光放射に対して少なくとも部分的に透明である。第8の層136を、第2の層124について図8に関連して論じられた材料と同様の材料で形成してもよい。
【0158】
図15は、図14に関連して説明されたような構造から図1及び図2の画像センサ1を形成する方法の実施形態の更に別の工程の部分的な簡略化断面図である。
【0159】
この工程の間に、パッシベーション層138と称される第9の層138を、CMOS支持体8の上面80側で構造全体に堆積させる。第9の層138は、画像センサ1の有機光検出器を封止することを目的とする。従って、第9の層138は、水、又は例えば周囲空気中に含まれる湿気にさらされることによる、画像センサ1の光検出器を形成する有機材料の劣化を回避することを可能にする。図15の例では、第9の層138は、第8の層136の自由上面全体を覆う。
【0160】
パッシベーション層138を、原子層堆積法(ALD)によって得られたアルミナ(Al2 3 )、物理蒸着法(PVD)によって得られた窒化ケイ素(Si3 4 )又は酸化ケイ素(SiO2 )、プラズマ化学気相成長法(PECVD)によって得られた窒化ケイ素で形成してもよい。パッシベーション層138を、PET、PEN、COP又はCPIで交互に形成してもよい。
【0161】
実施形態によれば、パッシベーション層138は、カラーフィルタ30及びマイクロレンズ18を形成する前に、構造の表面状態を更に改善することを可能にする。
【0162】
この工程の間に、カラーフィルタ30を、各ピクセルの位置と垂直に一列に形成する。より具体的には、図15では、同じカラーフィルタ30を、ピクセル12の3つの光検出器12A、12B、12Cと垂直に一列に形成する。言い換えれば、画像センサ1の各ピクセルは、考慮するピクセルの第1、第2、及び第3の光検出器に共通の単一のカラーフィルタ30を有する。
【0163】
この工程の間に、ピクセル12のマイクロレンズ18を、光検出器12A、12B、12Cと垂直に一列に形成する。図15の例では、マイクロレンズ18は、第1の光検出器12Aを第2の光検出器12Bから分離する開口部342に対して実質的に中心に配置されている。このようにして、画像センサ1のピクセル12が得られる。
【0164】
画像センサ1はマイクロレンズ18と同数のカラーフィルタ30を備えるように、マイクロレンズ18は画像センサ1の各カラーフィルタ30と垂直に一列に配置されている。所与ピクセルの各マイクロレンズ18が、マイクロレンズが関連付けられているカラーフィルタを完全に覆うが、それにも関わらず隣り合うピクセルに属するカラーフィルタ30を覆わないように、カラーフィルタ30及びマイクロレンズ18は、好ましくは同一の横方向寸法を有する。
【0165】
カラーフィルタ30は、好ましくは、第3の光検出器12Cによって受ける波長範囲の良好な選択性を提供すべく、可視スペクトルの色(赤色、緑色又は青色)を中心とするフィルタである。しかし、カラーフィルタ30は、第3の光検出器12Cによって吸収されないが第1の光検出器12A及び第2の光検出器12Bによって吸収される放射、例えば940nm付近の近赤外放射を通す。
【0166】
図16は、図1及び図2の画像センサ1の面AA(図2)に沿った部分的な簡略化断面図である。断面AAは、画像センサ1のピクセル行に平行な断面に相当する。
【0167】
図16では、画像センサ1のピクセル12,16のみが示されている。ピクセル12及びピクセル16は、画像センサ1のピクセルの同じ行に属する。図16の例では、ピクセル12、16の第1の光検出器12A、16A及び第2の光検出器12B、16Bは夫々互いに分離されている。しかし、図16の例では、ピクセル12、16の第3の光検出器12C、16Cは、同じ活性層134及び同じ上部電極136を夫々共有する。
【0168】
図17は、図1及び図2の画像センサ1の面BB(図2)に沿った部分的な簡略化断面図である。断面BBは、画像センサ1のピクセル列に平行な断面に相当する。
【0169】
図17では、ピクセル10、12の夫々の第1の光検出器10A、12A及び第3の光検出器10C、12Cのみが示されている。図17の例では、
ピクセル10の第1の光検出器10Aの下部電極102Aは、ピクセル12の第1の光検出器12Aの下部電極122Aから分離され、
ピクセル10の第3の光検出器10Cの下部電極102Cは、ピクセル12の第3の光検出器12Cの下部電極122Cから分離され、
ピクセル10の第1の光検出器10Aの活性層100A及びピクセル12の第1の光検出器12Aの活性層120Aは、同じ連続堆積によって形成され、
ピクセル10の第1の光検出器10Aの上部電極104A及びピクセル12の第1の光検出器12Aの上部電極124Aは、別の同じ連続堆積によって形成され、
ピクセル10の第3の光検出器10Cの活性層及びピクセル12の第3の光検出器12Cの活性層は、第7の層134によって形成され、
ピクセル10の第3の光検出器10Cの上部電極及びピクセル12の第3の光検出器12Cの上部電極は、第8の層136によって形成される。
【0170】
言い換えれば、画像センサ1の同じピクセル列に属するピクセルの全ての第1の光検出器は、共通の活性層及び共通の上部電極を有する。従って、上部電極は、同じ列のピクセルの全ての第1の光検出器をアドレス指定することを可能にする一方、下部電極は、各第1の光検出器を個別にアドレス指定することを可能にする。
【0171】
同様に、画像センサ1の同じピクセル列に属するピクセルの全ての第2の光検出器は、これら同じピクセルの第1の光検出器の共通の活性層とは別個の別の共通の活性層と、これら同じピクセルの第1の光検出器の共通の上部電極とは別個の別の共通の上部電極とを有する。従って、この別の共通の上部電極は、同じ列のピクセルの全ての第2の光検出器をアドレス指定することを可能にする一方、下部電極は、各第2の光検出器を個別にアドレス指定することを可能にする。
【0172】
画像センサ1のピクセルの全ての第3の光検出器は、これら同じピクセルの第1及び第2の光検出器の共通の活性層とは別個の更に別の共通の活性層と、これら同じピクセルの第1及び第2の光検出器の共通の上部電極とは別個の更に別の共通の上部電極とを有する。従って、第3の光検出器に共通の上部電極は、画像センサ1の全てのピクセルの第3の光検出器をアドレス指定することを可能にする一方、下部電極は、各第3の光検出器を個別にアドレス指定することを可能にする。
【0173】
図18は、画像センサ5の別の実施形態の部分的な簡略化断面図である。
【0174】
図18に示す画像センサ5は、図1及び図2に関連して論じた画像センサ1と同様である。画像センサ5は、主に次の点で画像センサ1とは異なる。
画像センサ5のピクセル10、12、14、16は、画像センサ5の同じ行又は同じ列に沿って配置されている(画像センサ1のピクセル10、12、14、16(図1)は、画像センサ1の2つの異なる行及び2つの異なる列に分散している)。
画像センサ1のピクセル10、12、14、16のカラーフィルタ30(図1)は、画像センサ5では、マイクロレンズ18とパッシベーション層138との間に配置されたカラーフィルタ41R、41G、41Bに置き換えられている。言い換えると、図1の正方形に配置された4つの単色ピクセル10、12、14、16は、図18では並べて配置されている。
【0175】
より具体的には、この実施形態によれば、画像センサ5は、
ピクセル10のマイクロレンズ18とパッシベーション層138との間に介在する第1の緑色フィルタ41G、
ピクセル12のマイクロレンズ18とパッシベーション層138との間に介在する赤色フィルタ41R、
ピクセル14のマイクロレンズ18とパッシベーション層138との間に介在する第2の緑色フィルタ41G、及び
ピクセル16のマイクロレンズ18とパッシベーション層138との間に介在する青色フィルタ41B
を備える。
【0176】
更にこの実施形態によれば、画像センサ5のカラーフィルタ41R、41G、41Bは、可視スペクトルとは異なる周波数範囲の電磁波を通し、赤外線スペクトルの電磁波を通す。カラーフィルタ41R、41G、41Bは着色樹脂ブロックに相当してもよい。各カラーフィルタ41R、41G、41Bは、例えば700nmから1mmの間の波長の赤外放射を通すことができ、カラーフィルタの少なくとも一部では可視光の波長範囲を通すことができる。
【0177】
取得するカラー画像のピクセル毎に、画像センサ5は、
赤外放射及び例えば430nmから490nmの波長範囲の青色光を通すことができるカラーフィルタ41Bを有する少なくとも1つのピクセル(例えば、ピクセル16)、
赤外放射及び例えば510nmから570nmの波長範囲の緑色光を通すことができるカラーフィルタ41Gを有する少なくとも1つのピクセル(例えば、ピクセル10及びピクセル14)、並びに
赤外放射及び例えば600nmから720nmの波長範囲の赤色光を通すことができるカラーフィルタ41Rを有する少なくとも1つのピクセル(例えば、ピクセル12)
を備えてもよい。
【0178】
図1及び図2に関連して論じた画像センサ1と同様に、画像センサ5の各ピクセル10、12、14、16は第1及び第2の光検出器を有し、第1及び第2の光検出器は、飛行時間によって距離を推定することができ、第3の光検出器は、画像を取り込むことができる。従って、各ピクセルは3つの光検出器を備え、夫々が図18にブロック(OPD)で非常に概略的に示されている。
【0179】
画像センサ1と同様に、画像センサ5では、
ピクセル10は、第1の光検出器10A、第2の光検出器10B、及び第3の光検出器10Cを備え、
ピクセル12は、第1の光検出器12A、第2の光検出器12B、及び第3の光検出器12Cを備え、
ピクセル14は、第1の光検出器14A、第2の光検出器14B、及び第3の光検出器14Cを備え、
ピクセル16は、第1の光検出器16A、第2の光検出器16B、及び第3の光検出器16Cを備える。
【0180】
画像センサ5では、各ピクセル10、12、14、16の第1及び第2の光検出器は同一平面上にある。各ピクセル10、12、14、16の第3の光検出器は同一平面上にあり、第1及び第2の光検出器上に積み重ねられている。ピクセル10、12、14、16の第1、第2及び第3の光検出器は、読み出し回路20、22、24、26に夫々関連付けられている。読み出し回路は、CMOS支持体8の最上部及び内部に形成されている。従って、画像センサ5は、例えば、飛行時間距離推定及びカラー画像取込を交互に実行することができる。
【0181】
実施形態によれば、画像センサ5のピクセルの第1及び第2の光検出器の活性層は、第3の光検出器の活性層を形成する材料とは異なる材料で形成されている。この他の実施形態によれば、
第1及び第2の光検出器の活性層を形成する材料は、赤外線スペクトルの一部、好ましくは近赤外の電磁波を吸収することができ、
第3の光検出器の活性層を形成する材料は、可視スペクトルの電磁波を吸収することができる一方、赤外線スペクトルの電磁波を通す。従って、活性層134は、カラーフィルタ41R、カラーフィルタ41G又はカラーフィルタ41Bと組み合わされて、飛行時間距離推定に使用される光検出器によって取り込まれない可視光をフィルタリングすることを可能にする。
【0182】
そのため、画像センサ5を使用して、
例えば図4に関連して論じたように、第1及び第2の光検出器の駆動による第1及び第2の光検出器に起因する飛行時間距離の推定結果、並びに
例えば同期的な第3の光検出器の駆動による第3の光検出器に起因するカラー画像
を交互に又は同時的に取得することができる。
【0183】
そのため、この好ましい実施形態の利点は、画像センサ5が、飛行時間距離推定から得られる情報をカラー画像に重ね得ることである。従って、例えば、対象のカラー画像を生成して、考慮するピクセルによって表現される対象の領域から画像センサ5を隔てる距離を表す情報をカラー画像のピクセル毎に含めることを可能にする画像センサ5の動作の実施モードを想定することが可能である。換言すれば、画像センサ5は、物体、顔、シーンなどの表面の3次元画像を形成し得る。
【0184】
様々な実施形態及び変形例が記載されている。当業者は、これらの実施形態のある特徴を組み合わせることができると理解し、他の変形例が当業者に容易に想起される。
【0185】
最後に、記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上述されている機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内である。特に、例えば、追加光を伴う又は伴わない赤外画像の形成、バックグラウンド抑制を伴う画像の形成、及びハイダイナミックレンジ画像の形成(同時HDR)のために画像センサ1及び画像センサ5の読み出し回路の駆動を他の動作モードに適合させることは、上記の表示に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0186】
本特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる仏国特許出願第19/08254号明細書の優先権を主張する。
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【国際調査報告】